運転操作支援装置、及び運転操作支援方法
【課題】操作支援情報の提供を的確に行う。
【解決手段】現在の運転行動パターンが普段と比べて、どれほど異なっているかを判断するために、ステアリング・エントロピRHpを算出し(ステップS204)、ステアリング・エントロピRHpが閾値Hsを超えていれば(ステップS5の判定が“Yes”)、ステアリング操作に関する現在の運転行動パターンが普段と異なっていると判断して、注意を喚起するための操作支援情報を作成し提供する。このとき、運転者の焦り度合、道路の混雑度合、及び走行シーンなどの運転状況を考慮して操作支援情報を作成し(ステップS6)、自車両の走行シーンを考慮して操作支援情報の報知タイミングを制御する(ステップS7)。
【解決手段】現在の運転行動パターンが普段と比べて、どれほど異なっているかを判断するために、ステアリング・エントロピRHpを算出し(ステップS204)、ステアリング・エントロピRHpが閾値Hsを超えていれば(ステップS5の判定が“Yes”)、ステアリング操作に関する現在の運転行動パターンが普段と異なっていると判断して、注意を喚起するための操作支援情報を作成し提供する。このとき、運転者の焦り度合、道路の混雑度合、及び走行シーンなどの運転状況を考慮して操作支援情報を作成し(ステップS6)、自車両の走行シーンを考慮して操作支援情報の報知タイミングを制御する(ステップS7)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行状態に応じて運転者に操作支援情報を与える運転操作支援装置、及び運転操作支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運転者によって異なる固有の運転行動パターンを予め学習しておくことで、現在の運転行動パターンが普段と異なっているか否かを判断し、必要な操作支援情報を提供するものがあった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−301832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来技術にあっては、現在の運転行動パターンが普段と異なっているか否かを判断する際に、そのときの運転状況を考慮していないので、操作支援情報の提供を的確に行えない可能性がある。
本発明の課題は、操作支援情報の提供を的確に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る運転操作支援装置は、現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を運転者に報知するものであって、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて前記操作支援情報を報知する。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る運転操作支援装置によれば、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて操作支援情報を報知することで、この操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、運転操作支援装置の概略構成である。
アクセルセンサ1は、アクセルペダルのストローク量を検出し、ブレーキセンサ2は、ブレーキペダルのストローク量を検出し、車速センサ3は、自車両の車速を検出し、加速度センサ4は、自車両の加速度を検出し、舵角センサ5は、操舵角を検出する。各検出信号は、コントローラ10に入力される。
【0007】
コントローラ10は、入力された各検出信号に基づいて、運転者に必要な警報やアドバイス等の操作支援情報を作成し、これを表示ユニット6やスピーカ7を介して運転者に提供する。表示ユニット6には、ナビゲーションシステムの表示モニタや、コンビネーションメータ、またフロントウィンドウガラスの所定範囲に表示光線を投影して画像を映し出すヘッドアップディスプレイ(HUD)などを利用する。
【0008】
ここで、コントローラ10で所定時間(例えば50msec)毎に実行される操作支援処理を、図2のフローチャートに従って説明する。
ステップS1では、各種データを読込む。
続くステップS2では、後述する図3のステアリング・エントロピ算出処理を実行し、推定誤差の頻度分布に基づいて、ステアリング操作の不安定さを定量化したステアリング・エントロピRHpを算出する。
続くステップS3では、後述する図4の運転状況推定処理を実行し、運転者の焦り度合と道路の混雑度合を推定する。
【0009】
続くステップS4では、後述する図8の走行シーン推定処理を実行し、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
続くステップS5では、ステアリング・エントロピRHpが閾値Hs(例えば0.15)より大きいか否かを判定する。判定結果がRHp≦Hsであれば、現在の運転行動パターンが基準状態に合致していると判断し、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、判定結果がRHp>Hsであれば、現在の運転行動パターンが基準状態とは異なっていると判断してステップS6に移行する。
【0010】
続くステップS6では、図10のマップを参照し、焦り度合の確信度、及び混雑度合の確信度に応じて、運転者に報知する操作支援情報を作成する。このマップは、横軸を焦り度合の確信度、縦軸を混雑度合の確信度とし、a〜eの領域に区分し、各領域に対応して例えば下記のような操作支援情報を作成する。
a:前方注意! 車間距離を長めにとりましょう。
b:随分と慌てていませんか? 前方も交通量は多いですよ。
c:慌てていますね。車間距離を十分に保ち、落ち着いて運転しましょう。
d:道が混雑しているようですね。
先行車両の急ブレーキなどに気をつけて引き続き安全運転を心がけて下さい。
e:混雑していますね。
運転が大変だと思いますが引き続き安全運転を心がけて下さい。
続くステップS7では、図11の報知タイミング制御処理を実行し、自車両の走行シーンに応じて、操作支援情報を運転者に報知してから所定のメインプログラムに復帰する。
【0011】
次に、前記ステップS2で実行されるステアリング・エントロピ算出処理を、図3のフローチャートに従って説明する。
ステップS201では、下記(1)式に示すように、ステアリング操作が滑らかに行われると仮定したときの現在の操舵角を推定する。θ(n-1)は1回前の検出値、θ(n-2)は2回前の検出値、θ(n-3)は3回前の検出値である。
θp=θ(n-1)+(θ(n-1)−θ(n-2))
+1/2{(θ(n-1)−θ(n-2))−(θ(n-2)−θ(n-3))}
………(1)
続くステップS202では、下記(2)式に示すように、今回の検出値θ(n)から推定値θpを減じて、推定誤差PEを算出する。
PE=θ(n)−θp ………(2)
【0012】
続くステップS203では、異なる二つの所定期間TL1及びTL2における推定誤差PEの頻度分布を演算する。所定期間TL1は、普段の運転行動パターンを把握(学習)するのに必要な期間であり、例えば2160secに設定される。所定期間TL2は、直近の運転行動パターンを把握するのに必要な期間であり、例えば60secに設定される。
頻度分布は、推定誤差PEの大きさに応じてm1〜m9に分けた区間頻度であり、区間幅を規定するα値は、一般的なドライバの平均値(例えば0.64)を用いて設定する。
頻度分布は、推定誤差の新しいデータを取得する度に更新する。
先ず、全体のサンプル数をNpとしたとき、新しいデータが該当する小区間miの頻度piは、下記(3)式で算出する。
pi=(pi+1/Np)÷(1+1/Np) ………(3)
また、新しいデータが入らない小区間miの頻度tpiは、下記(4)式で算出する。
pi=pi÷(1+1/Np) ………(4)
【0013】
続くステップS204では、下記(5)式に示すように、推定誤差PEの頻度分布に基づいて、ステアリング操作の不安定さを定量化したステアリング・エントロピRHpを算出してから本ステアリング・エントロピ算出処理を終了する。ここで、piは所定期間TL1における推定誤差分布、qiは所定期間TL2における推定誤差分布である。なお、平均的な運転者の推定誤差分布データを初期値として設定しておく。
RHp=Σqi・log9(qi/pi) ………(5)
【0014】
一般に、運転に集中していない状態では、運転に集中しているときよりも、ステアリング操作されない時間が長くなるため、それだけ修正操舵も増加し、操舵角の推定誤差が大きくなる。ステアリング・エントロピRHpは、この特性に着目したものであり、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と比べて、どれほど異なっているかを表す指標となる。したがって、ステアリング操作が滑らかで安定している場合には、ステアリング・エントロピRHpが小さくなり、一方、ステアリング操作が不安定(雑)な場合には、ステアリング・エントロピRHpが増加する。
【0015】
次に、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図4のフローチャートに従って説明する。
ステップS301では、アクセル操作があるか否かを判定する。アクセル操作が無ければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、アクセル操作があれば、ステップS302に移行する。
ステップS302では、図5に示すように、加速度の累積頻度分布を更新する。
ステップS303では、図5の累積頻度分布を参照し、現在の加速度における累積頻度CFDを算出する。
【0016】
続くステップS304では、図6のマップを参照し、累積頻度CFDに応じて、運転者の焦り度合を算出する。このマップは、累積頻度CFDが75%未満であるときには、焦り度合が0を維持し、累積頻度CFDが75%以上になると、累積頻度CFDの値がそのまま焦り度合となるように設定されている。
続くステップS305では、図7のマップを参照し、累積頻度CFDに応じて、道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。このマップは、累積頻度CFDが50%未満のときには、混雑度合が0.5を維持し、累積頻度CFDが50%以上になると、混雑度合が0を維持するように設定されている。
【0017】
次に、前記ステップS4で実行される走行シーン推定処理を、図8のフローチャートに従って説明する。
ステップS401では、アクセルペダルの操作周期を演算する。具体的には、アクセルペダルのストローク量を観測し、アクセル操作ごとにストローク量がピークに達する時点を検出し、これに基づいてアクセルペダルの操作周期を演算する。
続くステップS402では、アクセル操作の周期分布を更新する。
【0018】
続くステップS403では、アクセル操作周期に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してから走行シーン推定処理を終了する。
先ず、操作頻度(周波数)が所定値以上であるときには、自車両が先行車両に追従走行していると推定する。一方、操作頻度(周波数)が所定値未満であるときには、先行車両が存在しない、又は先行車両が存在していても追従走行してはいないと推定する。なお、所定値は、アクセル操作の周期分布に応じて変更される。
【0019】
次に、前記ステップS7で実行される報知タイミング制御処理を、図11のフローチャートに従って説明する。
先ずステップS701では、運転状況と走行シーンに基づいて、操作支援情報の報知タイミングが適切であるか否かを判断する。
先ず、焦り度合が所定値(例えば0.75)以上であり、自車両が先行車両に追従走行している場合には、車両が加速したときにステップS702に移行する。一方、車両が加速していなければ、そのまま報知タイミング制御処理を終了する。
【0020】
また、混雑度合が所定値(例えば0.5)以上であり、自車両が先行車両に追従走行している場合には、自車両が加速走行から定速走行に移行したときにステップS702に移行する。一方、車両が加速走行から定速走行に移行していなければ、そのまま報知タイミング制御処理を終了する。
ステップS702では、表示ユニット6及びスピーカ7を介して、操作支援情報を報知してから報知タイミング制御処理を終了する。
【0021】
《作用》
先ず、運転者の普段の運転行動パターンを予め学習しておき、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と異なっているときに、運転者に必要な操作支援情報を与える。
ここでは、運転者のステアリング操作に関する習慣、つまり操作の滑らかさを、推定誤差PEの頻度分布として学習する(ステップS201〜S203)。普段の運転行動パターンについては、ある程度の長さとなる所定期間TL1に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握し、現在の運転行動パターンについては、直近の所定期間TL2に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握する。
【0022】
そして、現在の運転行動パターンが普段と比べて、どれほど異なっているかを判断するために、ステアリング・エントロピRHpを算出し(ステップS204)、ステアリング・エントロピRHpが閾値Hsを超えていれば(ステップS5の判定が“Yes”)、ステアリング操作に関する現在の運転行動パターンが普段と異なっていると判断して、注意を喚起するための操作支援情報を作成し提供する。
このとき、運転者の運転状況を考慮して操作支援情報を作成し(ステップS6)、自車両の走行シーンを考慮して操作支援情報の報知タイミングを制御する(ステップS7)。
【0023】
先ず、加速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合を推定する(ステップS302〜S305)。一般に、加速度の累積頻度CFDが高いほど、運転者の焦り度合は高く、道路の混雑度合は低いと考えられ、逆に加速度の累積頻度CFDが低いほど、運転者の焦り度合は低く、道路の混雑度合は高いと考えられる。したがって、例えば累積頻度CFDが75%を超えたときには、焦り運転であると推定し、累積頻度CFDが50%未満であれば、渋滞運転であると推定する。これにより、運転者の焦り度合と道路の混雑度合を容易に推定することができる。
【0024】
そして、運転者の焦り度合、及び道路の混雑度合に応じて、運転者に報知する操作支援情報を作成する。このとき、運転者の焦り度合が高いほど、また道路の混雑度合が高いほど、操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものにする。これにより、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
一方、アクセルペダルの操作周期に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する(ステップS401〜S403)。車間時間と操作周期との関係を図9に示すように、一般に、先行車両に追従しているときほど、操作周期が短くなると考えられる。したがって、操作周期が短いときには、先行車両に追従していると推定する。これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
【0025】
そして、先行車両に追従しており、且つ焦り運転であると推定した場合には、図12に示すように、車両が加速した時点で、操作支援情報を報知する。したがって、車両が定速走行しているとき、又は減速している間は、操作支援情報の報知を控え、加速するまで操作支援情報の報知を延期する。これにより、的確なタイミングで操作支援情報が報知されるので、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
【0026】
一方、道路が混雑している状態で、先行車両に追従しようと注意を集中して加速しているときには、運転者が操作支援情報を的確に受け入れられるとは限らない。そこで、先行車両に追従しており、且つ渋滞運転であると推定した場合には、図13に示すように、車両が加速走行から定速走行に移行した時点で、操作支援情報を報知する。したがって、車両が減速しているとき、又は加速している間は、操作支援情報の報知を控え、定速走行に移行するまで操作支援情報の報知を延期する。これにより、的確なタイミングで操作支援情報が報知されるので、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
このように、運転者の心理状態(焦り度合)、自車両の走行環境(混雑度合)、及び走行シーン(追従シーン)を含む現在の運転状況に応じて操作支援情報を報知することで、この操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0027】
《応用例》
なお、本実施形態では、操作支援情報の一例について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、他の内容に変更してもよい。
また、本実施形態では、加速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定しているが、これに限定されるものではなく、減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、加速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定しているが、これに限定されるものではなく、減速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、運転者によるアクセル操作の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定しているが、これに限定されるものではなく、運転者によるブレーキ操作の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してもよい。
【0028】
《効果》
以上より、図2において、ステップS2、S5の処理が「検知手段」に対応し、ステップS3、S4の処理が「推定手段」に対応し、ステップS6、S7の処理が「報知手段」に対応する。
(1)現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知する検知手段と、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定する推定手段と、検知手段で現在の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を、推定手段で推定した現在の運転状況に応じて運転者に報知する報知手段とを備える。
これにより、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0029】
(2)報知手段は、推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、操作支援情報の報知内容を変更する。
これにより、運転状況に適した内容の操作支援情報を報知することができる。
(3)報知手段は、推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、操作支援情報の報知タイミングを変更する。
これにより、運転状況に適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
(4)推定手段は、運転者の心理状態として、運転者の焦り度合を推定する。
運転者の焦り度合は、運転者の運転行動パターンに大きな影響を及ぼす。したがって、運転者の焦り度合を把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0030】
(5)推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
(6)報知手段は、推定手段が推定した焦り度合が高いほど、操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更する。
これにより、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
(7)推定手段は、自車両の走行環境として、道路の混雑度合を推定する。
道路の混雑度合は、運転者の運転行動パターンに大きな影響を及ぼす。したがって、道路の混雑度合を把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
(8)推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定する。
これにより、道路の混雑度合を、容易に推定することができる。
【0031】
(9)報知手段は、推定手段が推定した混雑度合が高いほど、操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更する。
これにより、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
(10)推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
自車両の走行シーンは、運転者の運転行動パターンに大きな影響を及ぼす。したがって、自車両の走行シーンを把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0032】
(11)推定手段は、運転者によるアクセル操作、及びブレーキ操作の少なくとも一方の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
(12)報知手段は、推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ運転者の焦り度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速した時点で、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
【0033】
(13)報知手段は、推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ道路の混雑度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速走行から定速走行に移行した時点で、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
(14)現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を運転者に報知するものであって、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて操作支援情報を報知する。
これにより、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0034】
《第2実施形態》
《構成》
第2実施形態は、車両の減速期間における平均減速度に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定すると共に、運転者がアクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間に基づいて、車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定するものである。
図14は、運転操作支援装置の概略構成であり、前述した第1実施形態において、ナビゲーションシステム8を追加したものである。なお、ナビゲーションシステム8は、道路交通情報通信システム(VICS:Vehicle Information and Communication System)を利用してFM多重放送や光・電波ビーコンから車両周囲の交通情報を受信する。
図15は、運転状況推定処理であり、図17は、走行シーン推定処理である。
【0035】
先ず、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図14のフローチャートに従って説明する。
ステップS311では、ブレーキ操作があるか否かを推定する。ブレーキ操作がなければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、ブレーキ操作があれば、ステップS312に移行する。
ステップS312では、減速期間(ブレーキ操作がなされている期間)における平均減速度を算出する。なお、減速期間が終了してから算出してもよい。
続くステップS313では、図16に示すように、平均減速度の累積頻度分布を更新する。
【0036】
続くステップS314では、図16の累積頻度分布を参照し、今回の平均減速度における累積頻度CFDを算出する。
続くステップS315では、累積頻度CFDをそのまま運転者の焦り度合として算出する。
続くステップS316では、下記に示すように、ナビゲーションシステム8から取得した交通情報に基づいて、混雑度合の補正量を算出する。
渋滞あり:補正量=0
渋滞なし:補正量=0.2
続くステップS317では、下記(8)式に示すように、運転者の焦り度合、及び累積頻度CFDに応じて、道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。
混雑度合=1−(焦り度合+補正量)
【0037】
次に、前記ステップS4で実行される運転状況推定処理を、図17のフローチャートに従って説明する。
ステップS411では、アクセル操作からブレーキ操作への踏み替えがあったときに、アクセル操作が終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間を計測する。
続くステップS412では、踏み替え時間の累積頻度分布を更新する。
続くステップS413では、踏み替え時間の累積度数に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してから走行シーン推定処理を終了する。
先ず、踏み替え時間の累積度数が所定値(例えば20パーセンタイル)以上であるときには、自車両が先行車両に追従走行していると推定する。一方、踏み替え時間の累積度数が所定値未満であるときには、先行車両が存在しない、又は先行車両が存在していても追従走行してはいないと推定する。
【0038】
《作用》
本実施形態では、車両の減速期間における平均減速度の累積頻度分布を演算し(ステップS312〜S314)、この平均減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定する(ステップS315、S316)。一般に、平均減速度の累積度数CFDが高いほど、運転者の焦り度合は高く、道路の混雑度合が低いと考えられ、逆に平均減速度の累積頻度CFDが低いほど、運転者の焦り度合は低く、道路の混雑度合は高いと考えられる。したがって、平均減速度の累積度数CFDをそのまま焦り度合として推定し、1から平均減速度の累積度数CFDを減じた値を混雑度合として推定する。これにより、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを容易に推定することができる。
このとき、ナビゲーションシステム8から取得した交通情報に基づいて、混雑度合を補正する。これにより、より正確に道路の混雑度合を推定することができる。
【0039】
一方、ペダル踏み替え時間の累積頻度分布を演算し(ステップS411、S412)、この累積度数に基づいて、車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する(ステップS413)。踏み替え時間と頻度の関係を図18に示すように、一般に、先行車両に追従走行しているときほど、踏み替え時間が短くなると考えられる。したがって、踏み替え時間が短いときには、先行車両に追従していると推定する。これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【0040】
《応用例》
なお、本実施形態では、車両の減速期間における平均減速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定しているが、これに限定されるものではなく、車両の加速期間における平均化速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、平均減速度に基づいて推定した混雑度合を、道路交通情報に基づいて補正しているが、これに限定されるものではなく、初めから道路交通情報に基づいて混雑度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、アクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定しているが、これに限定されるものではなく、ブレーキ操作を終了してからアクセル操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してもよい。
【0041】
《効果》
以上より、図15の運転状況推定処理、及び図17の走行シーン推定処理が「推定手段」に含まれる。
(1)推定手段は、車両の加減速期間における平均加減速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
(2)推定手段は、道路交通情報に基づいて、道路の混雑度合を推定する。
これにより、より正確に道路の混雑度合を推定することができる。
(3)推定手段は、運転者がアクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間、又は運転者がブレーキ操作を終了してからアクセル操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
【0042】
《第3実施形態》
《構成》
第3実施形態は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合を推定すると共に、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定するものである。
図19は、運転状況推定処理であり、図21は、走行シーン推定処理である。
先ず、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図19のフローチャートに従って説明する。
ステップS321では、ブレーキ操作があるか否かを推定する。ブレーキ操作がなければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、ブレーキ操作があれば、ステップS322に移行する。
ステップS322では、図20(a)に示すように、減速期間(ブレーキ操作がなされている期間)における平均減速度を算出する。なお、減速期間が終了してから算出してもよい。
【0043】
続くステップS323では、図20(b)に示すように、平均減速度に対する減速度の差分を算出する。
続くステップS324では、平均減速度に対する減速度の差分のピーク位置が、減速期間のどこに位置しているかに基づいて、運転者の焦り度合、及び道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。
先ず、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が減速期間の後半にあれば、運転者の焦り度合を0.5に設定すると共に、道路の混雑度合を0に設定する。一方、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が減速期間の前半にあれば、運転者の焦り度合を0に設定すると共に、道路の混雑度合を0.5に設定する。
【0044】
次に、前記ステップS4で実行される走行シーン推定処理を、図21のフローチャートに従って説明する。
ステップS421では、加減速度の頻度分布を更新する。
続くステップS422では、頻度分布に対する現在の加減速度のばらつき度合に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してから走行シーン推定処理を終了する。
先ず、頻度分布に対する現在の加減速度のばらつきが大きいときには、自車両が先行車両に追従走行していると推定する。一方、頻度分布に対する現在の加減速度のばらつきが小さいときには、先行車両が存在しない、又は先行車両が存在していても追従走行してはいないと推定する。
【0045】
《作用》
本実施形態では、減速期間における平均減速度と減速度との差分を算出し、この差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定する(ステップS322〜S324)。一般に、運転者の焦り度合が高いほど、減速期間の後半に大きな減速度が発生し、逆に混雑度合が高いほど、減速期間の前半に大きな減速度が発生すると考えられる。したがって、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が、減速期間の後半にあれば、焦り運転であると推定し、逆に減速期間の前半にあれば、渋滞運転であると推定する。これにより、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを容易に推定することができる。
【0046】
一方、加減速度の頻度分布を演算し(ステップS421)、この累積頻度に基づいて、車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する(ステップS422)。加減速度と頻度の関係を図22に示すように、一般に、先行車両に追従走行しているときほど、自車両の加減速度にばらつきが生じると考えられる。したがって、加減速度にばらつきが生じているときには、先行車両に追従走行していると推定する。これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【0047】
《効果》
以上より、図19の運転状況推定処理、及び図21の走行シーン推定処理が「推定手段」に含まれる。
(1)推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
(2)推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
【0048】
《第4実施形態》
《構成》
第4実施形態は、減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置、及び当該ピーク位置の直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定するものである。
先ず、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図23のフローチャートに従って説明する。
ステップS331では、ブレーキ操作があるか否かを推定する。ブレーキ操作がなければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、ブレーキ操作があれば、ステップS332に移行する。
ステップS332では、図24(a)に示すように、減速期間(ブレーキ操作がなされている期間)における平均減速度を算出する。なお、減速期間が終了してから算出してもよい。
【0049】
続くステップS333では、図24(b)に示すように、平均減速度に対する減速度の差分を算出する。
続くステップS334では、平均減速度に対する減速度の差分のピーク位置が、減速期間のどこに位置しているか、そしてピーク位置の直後に加速があるか否かに基づいて、運転者の焦り度合、及び道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。
先ず、差分のピーク位置が減速期間の後半にあり、且つ直後に加速すれば、運転者の焦り度合を0.8に設定すると共に、道路の混雑度合を0に設定する。一方、差分のピーク位置が減速期間の前半にあれば、運転者の焦り度合を0に設定すると共に、道路の混雑度合を0.5に設定する。
【0050】
《作用》
本実施形態では、平均減速度と減速度との差分のピーク位置と、その直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定する(ステップS332〜S334)。一般に、運転者の焦り度合が高いほど、減速期間の後半に大きな減速度が発生し、且つその直後に加速すると考えられる。したがって、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が減速期間の後半に発生し、且つその直後に自車両が加速するときに、焦り運転であると推定する。これにより、運転者の焦り度合を容易に推定することができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【0051】
《効果》
以上より、図23の運転状況推定処理が「推定手段」に含まれる。
(1)推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置、及びピーク位置の直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
【0052】
《第5実施形態》
《構成》
第5実施形態は、車両の走行シーンとして、自車両が車線変更しているか否か、及び自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定するものである。
図25は、運転操作支援装置の概略構成であり、前述した第2実施形態において、ウィンカスイッチ9を追加したものである。
次に、前記ステップS7で実行される報知タイミング制御処理を、図26のフローチャートに従って説明する。
ステップS711では、運転状況と走行シーンに基づいて、操作支援情報の報知タイミングが適切であるか否かを判断する。
【0053】
先ず、自車両が車線変更しておらず、且つ都市高速道路を走行していなければステップS712に移行する。一方、自車両が車線変更している、又は都市高速道路を走行しているときには、そのまま報知タイミング制御処理を終了する。ここで、自車両が車線変更しているか否かは、ウィンカスイッチ9の作動状態に基づいて推定する。また、自車両が車線変更しているか否かは、ナビゲーションユニット8から取得する現在位置情報、及び道路地図情報に基づいて推定する。
ステップS712では、表示ユニット6及びスピーカ7を介して、操作支援情報を報知してから報知タイミング制御処理を終了する。
【0054】
《作用》
自車両が車線変更しているときや、都市高速道路を走行しているときには、運転に集中することが更に求められる。そこで、本実施形態では、車両が車線変更している間、及び都市高速道路を走行している間は、操作支援情報の報知を抑制し、車両の車線変更が完了したり、都市高速道路を抜けてから、操作支援情報を報知する(ステップS711、S712)。これにより、運転者にとって受け入れやすい的確なタイミングで、操作支援情報が報知されるので、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
その他の作用効果は、前述した第2実施形態と同様である。
【0055】
《効果》
以上より、図26の報知タイミング制御処理が「報知手段」に含まれる。
(1)推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が車線変更しているか否かを推定する。
自車両が車線変更しているときは、運転への注意が特に求められる。したがって、車線変更しているか否かを把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
(2)推定手段は、運転者による方向指示操作に基づいて、自車両が車線変更しているか否かを推定する。
これにより、車線変更しているか否かを、容易に推定することができる。
【0056】
(3)報知手段は、自車両が車線変更していると前記推定手段が判断している間は、操作支援情報の報知を抑制し、自車両が車線変更をしていないと推定手段が推定してから、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
(4)推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定する。
自車両が都市高速道路を走行しているときは、運転への注意が特に求められる。したがって、都市高速道路を走行しているか否かを把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0057】
(5)推定手段は、自車両の現在位置情報、及び道路地図情報に基づいて、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定する。
これにより、都市高速道路を走行しているか否かを、容易に推定することができる。
(6)報知手段は、自車両が都市高速道路を走行していると推定手段が判断している間は、操作支援情報の報知を抑制し、自車両が都市高速道路を走行していないと推定手段が推定してから、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
【0058】
《第6実施形態》
《構成》
第6実施形態は、先行車両に対する車間時間の頻度分布を演算し、この車間時間の頻度分布に基づいて、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と比べて、どれほど異なっているかを判断するものである。
図27は、運転操作支援装置の概略構成であり、前述した第1実施形態において、レーザレーダ11を追加したものであり、図28の操作支援処理を実行する。
【0059】
これは、前述した第1実施形態において、前記ステップS2を新たなステップS61〜S63に変更すると共に、前記ステップS5を新たなステップS64に変更したものである。
ステップS61では、下記(9)式に示すように、自車両と先行車両との車間時間THWを算出する。車間時間THWとは、車間距離Dを車速Vで除したものであり、先行車両の現在位置に自車両が到達するまでの所要時間を指す。
THW=D/V ………(9)
続くステップS62では、車間時間THWの頻度分布を演算する。
【0060】
車間時間THWの頻度分布は、異なる二つの所定期間TL1及びTL2における車間時間THWの累積頻度分布である。但し、自車両及び先行車両の何れか一方が加速するなどして相対速度Vrが変化しているような状況を除外するために、相対速度Vrが例えば±5km/h以内で、且つ車間時間THWが例えば4sec以内となるような条件でサンプリングを行う。所定期間TL1は、普段の運転行動パターンを把握(学習)するのに必要な期間であり、例えば2160secに設定される。所定期間TL2は、直近の運転行動パターンを把握するのに必要な期間であり、例えば60secに設定される。
【0061】
頻度分布は、車間時間THWの新しいデータを取得する度に更新する。例えば、0〜4secの全区間を、0.2sec毎の小区間m1〜m20に細分化し、新しいデータを取得した際に、各小区間の頻度tp1〜tp20を更新して行う。
先ず、全体のサンプル数をNtとしたとき、新しいデータが該当する小区間miの頻度tpiは、下記(10)式で算出する。
tpi=(tpi+1/Nt)÷(1+1/Nt) ………(10)
また、新しいデータが入らない小区間miの頻度tpiは、下記(11)式で算出する。
tpi=tpi÷(1+1/Nt) ………(11)
【0062】
なお、平均的な運転者の頻度分布データを初期値として設定し、車間時間THWの平均値を1.4sec程度、分散を0.5sec程度とした正規分布とする。
続くステップS63では、車間時間THWの頻度分布に基づき、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と比べて、どれほど異なっているかを表す非定常度合DDfを算出する。
【0063】
先ず、図29に示すように、異なる所定期間TL1及びTL2の夫々で、車間時間THWが所定値Lo以下の累積頻度S1及びS2を算出する。そして、下記(12)式に示すように、累積頻度S1及びS2の差分を、非定常度合DDfとして算出する。下記(12)式によれば、車間時間THWが所定値Lo以下となる累積頻度S2が大きいほど、非定常度合DDfが大きくなる。
DDf=S2−S1 ………(12)
【0064】
一方、ステップS64では、非定常度合DDfが所定の閾値Sfoを上回るか否かを判定する。この判定結果が、DDf≦Sfoであるときには、現在の運転行動パターンが普段どおりであると判断し、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、判定結果がDDf>Sfoであるときには、現在の運転行動パターンが普段と比べて大きく異なっていると判断して前記ステップS6に移行する。
【0065】
《作用》
本実施形態では、運転者の運転行動パターンとして、先行車両との車間距離に関する習慣、つまり先行車両に対する車間の取り方や接近の仕方を、車間時間THWの頻度分布として学習する(ステップS61、S62)。この普段の運転行動パターンについては、ある程度の長さとなる所定期間TL1に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握し、現在の運転行動パターンについては、直近の所定期間TL2に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握する。
【0066】
そして、現在の運転行動パターンが普段と比べて、どれほど異なっているかを判断するために、前記(12)式に従って、車間時間THWの頻度分布に基づいて非定常度合DDfを算出する(ステップS63)。
ここで、非定常度合DDfが閾値Sfoを超えていれば(ステップS64の判定が“Yes”)、先行車両との車間距離や相対速度に関する現在の運転行動パターンが普段と異なっていると判断して、先行車両に対する注意を喚起するための操作支援情報を提供する。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の概略構成を示すブロック図である。
【図2】操作支援処理を示すフローチャートである。
【図3】ステアリング・エントロピ算出処理を示すフローチャートである。
【図4】運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図5】累積頻度の算出に用いるマップである。
【図6】焦り度合の算出に用いるマップである。
【図7】混雑度合の算出に用いるマップである。
【図8】走行シーン推定処理を示すフローチャートである。
【図9】車間時間と操作頻度の関係を示す。
【図10】操作支援情報の作成に用いるマップである。
【図11】報知タイミング制御処理を示すフローチャートである。
【図12】焦り運転時のタイムチャートである。
【図13】渋滞運転時のタイムチャートである。
【図14】第2実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態の運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図16】平均減速度の累積頻度分布である。
【図17】第2実施形態の走行シーン推定処理を示すフローチャートである。
【図18】踏み替え時間と頻度の関係を示す。
【図19】第3実施形態の運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図20】減速期間のタイムチャートである。
【図21】第3実施形態の走行シーン推定処理を示すフローチャートである。
【図22】加減速度と頻度の関係を示す。
【図23】第4実施形態の運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図24】減速期間のタイムチャートである。
【図25】第5実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図26】第5実施形態の報知タイミング制御処理を示すフローチャートである。
【図27】第6実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図28】第6実施形態の操作支援処理を示すフローチャートである。
【図29】車間時間の頻度分布図である。
【符号の説明】
【0068】
1 アクセルセンサ
2 ブレーキセンサ
3 車速センサ
4 加速度センサ
5 舵角センサ
6 表示ユニット
7 スピーカ
8 ナビゲーションユニット
9 ウィンカスイッチ
10 コントローラ
11 レーザレーダ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行状態に応じて運転者に操作支援情報を与える運転操作支援装置、及び運転操作支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運転者によって異なる固有の運転行動パターンを予め学習しておくことで、現在の運転行動パターンが普段と異なっているか否かを判断し、必要な操作支援情報を提供するものがあった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−301832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来技術にあっては、現在の運転行動パターンが普段と異なっているか否かを判断する際に、そのときの運転状況を考慮していないので、操作支援情報の提供を的確に行えない可能性がある。
本発明の課題は、操作支援情報の提供を的確に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る運転操作支援装置は、現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を運転者に報知するものであって、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて前記操作支援情報を報知する。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る運転操作支援装置によれば、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて操作支援情報を報知することで、この操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、運転操作支援装置の概略構成である。
アクセルセンサ1は、アクセルペダルのストローク量を検出し、ブレーキセンサ2は、ブレーキペダルのストローク量を検出し、車速センサ3は、自車両の車速を検出し、加速度センサ4は、自車両の加速度を検出し、舵角センサ5は、操舵角を検出する。各検出信号は、コントローラ10に入力される。
【0007】
コントローラ10は、入力された各検出信号に基づいて、運転者に必要な警報やアドバイス等の操作支援情報を作成し、これを表示ユニット6やスピーカ7を介して運転者に提供する。表示ユニット6には、ナビゲーションシステムの表示モニタや、コンビネーションメータ、またフロントウィンドウガラスの所定範囲に表示光線を投影して画像を映し出すヘッドアップディスプレイ(HUD)などを利用する。
【0008】
ここで、コントローラ10で所定時間(例えば50msec)毎に実行される操作支援処理を、図2のフローチャートに従って説明する。
ステップS1では、各種データを読込む。
続くステップS2では、後述する図3のステアリング・エントロピ算出処理を実行し、推定誤差の頻度分布に基づいて、ステアリング操作の不安定さを定量化したステアリング・エントロピRHpを算出する。
続くステップS3では、後述する図4の運転状況推定処理を実行し、運転者の焦り度合と道路の混雑度合を推定する。
【0009】
続くステップS4では、後述する図8の走行シーン推定処理を実行し、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
続くステップS5では、ステアリング・エントロピRHpが閾値Hs(例えば0.15)より大きいか否かを判定する。判定結果がRHp≦Hsであれば、現在の運転行動パターンが基準状態に合致していると判断し、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、判定結果がRHp>Hsであれば、現在の運転行動パターンが基準状態とは異なっていると判断してステップS6に移行する。
【0010】
続くステップS6では、図10のマップを参照し、焦り度合の確信度、及び混雑度合の確信度に応じて、運転者に報知する操作支援情報を作成する。このマップは、横軸を焦り度合の確信度、縦軸を混雑度合の確信度とし、a〜eの領域に区分し、各領域に対応して例えば下記のような操作支援情報を作成する。
a:前方注意! 車間距離を長めにとりましょう。
b:随分と慌てていませんか? 前方も交通量は多いですよ。
c:慌てていますね。車間距離を十分に保ち、落ち着いて運転しましょう。
d:道が混雑しているようですね。
先行車両の急ブレーキなどに気をつけて引き続き安全運転を心がけて下さい。
e:混雑していますね。
運転が大変だと思いますが引き続き安全運転を心がけて下さい。
続くステップS7では、図11の報知タイミング制御処理を実行し、自車両の走行シーンに応じて、操作支援情報を運転者に報知してから所定のメインプログラムに復帰する。
【0011】
次に、前記ステップS2で実行されるステアリング・エントロピ算出処理を、図3のフローチャートに従って説明する。
ステップS201では、下記(1)式に示すように、ステアリング操作が滑らかに行われると仮定したときの現在の操舵角を推定する。θ(n-1)は1回前の検出値、θ(n-2)は2回前の検出値、θ(n-3)は3回前の検出値である。
θp=θ(n-1)+(θ(n-1)−θ(n-2))
+1/2{(θ(n-1)−θ(n-2))−(θ(n-2)−θ(n-3))}
………(1)
続くステップS202では、下記(2)式に示すように、今回の検出値θ(n)から推定値θpを減じて、推定誤差PEを算出する。
PE=θ(n)−θp ………(2)
【0012】
続くステップS203では、異なる二つの所定期間TL1及びTL2における推定誤差PEの頻度分布を演算する。所定期間TL1は、普段の運転行動パターンを把握(学習)するのに必要な期間であり、例えば2160secに設定される。所定期間TL2は、直近の運転行動パターンを把握するのに必要な期間であり、例えば60secに設定される。
頻度分布は、推定誤差PEの大きさに応じてm1〜m9に分けた区間頻度であり、区間幅を規定するα値は、一般的なドライバの平均値(例えば0.64)を用いて設定する。
頻度分布は、推定誤差の新しいデータを取得する度に更新する。
先ず、全体のサンプル数をNpとしたとき、新しいデータが該当する小区間miの頻度piは、下記(3)式で算出する。
pi=(pi+1/Np)÷(1+1/Np) ………(3)
また、新しいデータが入らない小区間miの頻度tpiは、下記(4)式で算出する。
pi=pi÷(1+1/Np) ………(4)
【0013】
続くステップS204では、下記(5)式に示すように、推定誤差PEの頻度分布に基づいて、ステアリング操作の不安定さを定量化したステアリング・エントロピRHpを算出してから本ステアリング・エントロピ算出処理を終了する。ここで、piは所定期間TL1における推定誤差分布、qiは所定期間TL2における推定誤差分布である。なお、平均的な運転者の推定誤差分布データを初期値として設定しておく。
RHp=Σqi・log9(qi/pi) ………(5)
【0014】
一般に、運転に集中していない状態では、運転に集中しているときよりも、ステアリング操作されない時間が長くなるため、それだけ修正操舵も増加し、操舵角の推定誤差が大きくなる。ステアリング・エントロピRHpは、この特性に着目したものであり、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と比べて、どれほど異なっているかを表す指標となる。したがって、ステアリング操作が滑らかで安定している場合には、ステアリング・エントロピRHpが小さくなり、一方、ステアリング操作が不安定(雑)な場合には、ステアリング・エントロピRHpが増加する。
【0015】
次に、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図4のフローチャートに従って説明する。
ステップS301では、アクセル操作があるか否かを判定する。アクセル操作が無ければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、アクセル操作があれば、ステップS302に移行する。
ステップS302では、図5に示すように、加速度の累積頻度分布を更新する。
ステップS303では、図5の累積頻度分布を参照し、現在の加速度における累積頻度CFDを算出する。
【0016】
続くステップS304では、図6のマップを参照し、累積頻度CFDに応じて、運転者の焦り度合を算出する。このマップは、累積頻度CFDが75%未満であるときには、焦り度合が0を維持し、累積頻度CFDが75%以上になると、累積頻度CFDの値がそのまま焦り度合となるように設定されている。
続くステップS305では、図7のマップを参照し、累積頻度CFDに応じて、道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。このマップは、累積頻度CFDが50%未満のときには、混雑度合が0.5を維持し、累積頻度CFDが50%以上になると、混雑度合が0を維持するように設定されている。
【0017】
次に、前記ステップS4で実行される走行シーン推定処理を、図8のフローチャートに従って説明する。
ステップS401では、アクセルペダルの操作周期を演算する。具体的には、アクセルペダルのストローク量を観測し、アクセル操作ごとにストローク量がピークに達する時点を検出し、これに基づいてアクセルペダルの操作周期を演算する。
続くステップS402では、アクセル操作の周期分布を更新する。
【0018】
続くステップS403では、アクセル操作周期に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してから走行シーン推定処理を終了する。
先ず、操作頻度(周波数)が所定値以上であるときには、自車両が先行車両に追従走行していると推定する。一方、操作頻度(周波数)が所定値未満であるときには、先行車両が存在しない、又は先行車両が存在していても追従走行してはいないと推定する。なお、所定値は、アクセル操作の周期分布に応じて変更される。
【0019】
次に、前記ステップS7で実行される報知タイミング制御処理を、図11のフローチャートに従って説明する。
先ずステップS701では、運転状況と走行シーンに基づいて、操作支援情報の報知タイミングが適切であるか否かを判断する。
先ず、焦り度合が所定値(例えば0.75)以上であり、自車両が先行車両に追従走行している場合には、車両が加速したときにステップS702に移行する。一方、車両が加速していなければ、そのまま報知タイミング制御処理を終了する。
【0020】
また、混雑度合が所定値(例えば0.5)以上であり、自車両が先行車両に追従走行している場合には、自車両が加速走行から定速走行に移行したときにステップS702に移行する。一方、車両が加速走行から定速走行に移行していなければ、そのまま報知タイミング制御処理を終了する。
ステップS702では、表示ユニット6及びスピーカ7を介して、操作支援情報を報知してから報知タイミング制御処理を終了する。
【0021】
《作用》
先ず、運転者の普段の運転行動パターンを予め学習しておき、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と異なっているときに、運転者に必要な操作支援情報を与える。
ここでは、運転者のステアリング操作に関する習慣、つまり操作の滑らかさを、推定誤差PEの頻度分布として学習する(ステップS201〜S203)。普段の運転行動パターンについては、ある程度の長さとなる所定期間TL1に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握し、現在の運転行動パターンについては、直近の所定期間TL2に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握する。
【0022】
そして、現在の運転行動パターンが普段と比べて、どれほど異なっているかを判断するために、ステアリング・エントロピRHpを算出し(ステップS204)、ステアリング・エントロピRHpが閾値Hsを超えていれば(ステップS5の判定が“Yes”)、ステアリング操作に関する現在の運転行動パターンが普段と異なっていると判断して、注意を喚起するための操作支援情報を作成し提供する。
このとき、運転者の運転状況を考慮して操作支援情報を作成し(ステップS6)、自車両の走行シーンを考慮して操作支援情報の報知タイミングを制御する(ステップS7)。
【0023】
先ず、加速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合を推定する(ステップS302〜S305)。一般に、加速度の累積頻度CFDが高いほど、運転者の焦り度合は高く、道路の混雑度合は低いと考えられ、逆に加速度の累積頻度CFDが低いほど、運転者の焦り度合は低く、道路の混雑度合は高いと考えられる。したがって、例えば累積頻度CFDが75%を超えたときには、焦り運転であると推定し、累積頻度CFDが50%未満であれば、渋滞運転であると推定する。これにより、運転者の焦り度合と道路の混雑度合を容易に推定することができる。
【0024】
そして、運転者の焦り度合、及び道路の混雑度合に応じて、運転者に報知する操作支援情報を作成する。このとき、運転者の焦り度合が高いほど、また道路の混雑度合が高いほど、操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものにする。これにより、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
一方、アクセルペダルの操作周期に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する(ステップS401〜S403)。車間時間と操作周期との関係を図9に示すように、一般に、先行車両に追従しているときほど、操作周期が短くなると考えられる。したがって、操作周期が短いときには、先行車両に追従していると推定する。これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
【0025】
そして、先行車両に追従しており、且つ焦り運転であると推定した場合には、図12に示すように、車両が加速した時点で、操作支援情報を報知する。したがって、車両が定速走行しているとき、又は減速している間は、操作支援情報の報知を控え、加速するまで操作支援情報の報知を延期する。これにより、的確なタイミングで操作支援情報が報知されるので、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
【0026】
一方、道路が混雑している状態で、先行車両に追従しようと注意を集中して加速しているときには、運転者が操作支援情報を的確に受け入れられるとは限らない。そこで、先行車両に追従しており、且つ渋滞運転であると推定した場合には、図13に示すように、車両が加速走行から定速走行に移行した時点で、操作支援情報を報知する。したがって、車両が減速しているとき、又は加速している間は、操作支援情報の報知を控え、定速走行に移行するまで操作支援情報の報知を延期する。これにより、的確なタイミングで操作支援情報が報知されるので、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
このように、運転者の心理状態(焦り度合)、自車両の走行環境(混雑度合)、及び走行シーン(追従シーン)を含む現在の運転状況に応じて操作支援情報を報知することで、この操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0027】
《応用例》
なお、本実施形態では、操作支援情報の一例について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、他の内容に変更してもよい。
また、本実施形態では、加速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定しているが、これに限定されるものではなく、減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、加速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定しているが、これに限定されるものではなく、減速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、運転者によるアクセル操作の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定しているが、これに限定されるものではなく、運転者によるブレーキ操作の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してもよい。
【0028】
《効果》
以上より、図2において、ステップS2、S5の処理が「検知手段」に対応し、ステップS3、S4の処理が「推定手段」に対応し、ステップS6、S7の処理が「報知手段」に対応する。
(1)現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知する検知手段と、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定する推定手段と、検知手段で現在の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を、推定手段で推定した現在の運転状況に応じて運転者に報知する報知手段とを備える。
これにより、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0029】
(2)報知手段は、推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、操作支援情報の報知内容を変更する。
これにより、運転状況に適した内容の操作支援情報を報知することができる。
(3)報知手段は、推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、操作支援情報の報知タイミングを変更する。
これにより、運転状況に適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
(4)推定手段は、運転者の心理状態として、運転者の焦り度合を推定する。
運転者の焦り度合は、運転者の運転行動パターンに大きな影響を及ぼす。したがって、運転者の焦り度合を把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0030】
(5)推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
(6)報知手段は、推定手段が推定した焦り度合が高いほど、操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更する。
これにより、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
(7)推定手段は、自車両の走行環境として、道路の混雑度合を推定する。
道路の混雑度合は、運転者の運転行動パターンに大きな影響を及ぼす。したがって、道路の混雑度合を把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
(8)推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定する。
これにより、道路の混雑度合を、容易に推定することができる。
【0031】
(9)報知手段は、推定手段が推定した混雑度合が高いほど、操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更する。
これにより、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
(10)推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
自車両の走行シーンは、運転者の運転行動パターンに大きな影響を及ぼす。したがって、自車両の走行シーンを把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0032】
(11)推定手段は、運転者によるアクセル操作、及びブレーキ操作の少なくとも一方の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
(12)報知手段は、推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ運転者の焦り度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速した時点で、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
【0033】
(13)報知手段は、推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ道路の混雑度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速走行から定速走行に移行した時点で、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
(14)現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を運転者に報知するものであって、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて操作支援情報を報知する。
これにより、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0034】
《第2実施形態》
《構成》
第2実施形態は、車両の減速期間における平均減速度に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定すると共に、運転者がアクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間に基づいて、車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定するものである。
図14は、運転操作支援装置の概略構成であり、前述した第1実施形態において、ナビゲーションシステム8を追加したものである。なお、ナビゲーションシステム8は、道路交通情報通信システム(VICS:Vehicle Information and Communication System)を利用してFM多重放送や光・電波ビーコンから車両周囲の交通情報を受信する。
図15は、運転状況推定処理であり、図17は、走行シーン推定処理である。
【0035】
先ず、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図14のフローチャートに従って説明する。
ステップS311では、ブレーキ操作があるか否かを推定する。ブレーキ操作がなければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、ブレーキ操作があれば、ステップS312に移行する。
ステップS312では、減速期間(ブレーキ操作がなされている期間)における平均減速度を算出する。なお、減速期間が終了してから算出してもよい。
続くステップS313では、図16に示すように、平均減速度の累積頻度分布を更新する。
【0036】
続くステップS314では、図16の累積頻度分布を参照し、今回の平均減速度における累積頻度CFDを算出する。
続くステップS315では、累積頻度CFDをそのまま運転者の焦り度合として算出する。
続くステップS316では、下記に示すように、ナビゲーションシステム8から取得した交通情報に基づいて、混雑度合の補正量を算出する。
渋滞あり:補正量=0
渋滞なし:補正量=0.2
続くステップS317では、下記(8)式に示すように、運転者の焦り度合、及び累積頻度CFDに応じて、道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。
混雑度合=1−(焦り度合+補正量)
【0037】
次に、前記ステップS4で実行される運転状況推定処理を、図17のフローチャートに従って説明する。
ステップS411では、アクセル操作からブレーキ操作への踏み替えがあったときに、アクセル操作が終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間を計測する。
続くステップS412では、踏み替え時間の累積頻度分布を更新する。
続くステップS413では、踏み替え時間の累積度数に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してから走行シーン推定処理を終了する。
先ず、踏み替え時間の累積度数が所定値(例えば20パーセンタイル)以上であるときには、自車両が先行車両に追従走行していると推定する。一方、踏み替え時間の累積度数が所定値未満であるときには、先行車両が存在しない、又は先行車両が存在していても追従走行してはいないと推定する。
【0038】
《作用》
本実施形態では、車両の減速期間における平均減速度の累積頻度分布を演算し(ステップS312〜S314)、この平均減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定する(ステップS315、S316)。一般に、平均減速度の累積度数CFDが高いほど、運転者の焦り度合は高く、道路の混雑度合が低いと考えられ、逆に平均減速度の累積頻度CFDが低いほど、運転者の焦り度合は低く、道路の混雑度合は高いと考えられる。したがって、平均減速度の累積度数CFDをそのまま焦り度合として推定し、1から平均減速度の累積度数CFDを減じた値を混雑度合として推定する。これにより、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを容易に推定することができる。
このとき、ナビゲーションシステム8から取得した交通情報に基づいて、混雑度合を補正する。これにより、より正確に道路の混雑度合を推定することができる。
【0039】
一方、ペダル踏み替え時間の累積頻度分布を演算し(ステップS411、S412)、この累積度数に基づいて、車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する(ステップS413)。踏み替え時間と頻度の関係を図18に示すように、一般に、先行車両に追従走行しているときほど、踏み替え時間が短くなると考えられる。したがって、踏み替え時間が短いときには、先行車両に追従していると推定する。これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【0040】
《応用例》
なお、本実施形態では、車両の減速期間における平均減速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定しているが、これに限定されるものではなく、車両の加速期間における平均化速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、平均減速度に基づいて推定した混雑度合を、道路交通情報に基づいて補正しているが、これに限定されるものではなく、初めから道路交通情報に基づいて混雑度合を推定してもよい。
また、本実施形態では、アクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定しているが、これに限定されるものではなく、ブレーキ操作を終了してからアクセル操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してもよい。
【0041】
《効果》
以上より、図15の運転状況推定処理、及び図17の走行シーン推定処理が「推定手段」に含まれる。
(1)推定手段は、車両の加減速期間における平均加減速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
(2)推定手段は、道路交通情報に基づいて、道路の混雑度合を推定する。
これにより、より正確に道路の混雑度合を推定することができる。
(3)推定手段は、運転者がアクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間、又は運転者がブレーキ操作を終了してからアクセル操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
【0042】
《第3実施形態》
《構成》
第3実施形態は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合を推定すると共に、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定するものである。
図19は、運転状況推定処理であり、図21は、走行シーン推定処理である。
先ず、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図19のフローチャートに従って説明する。
ステップS321では、ブレーキ操作があるか否かを推定する。ブレーキ操作がなければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、ブレーキ操作があれば、ステップS322に移行する。
ステップS322では、図20(a)に示すように、減速期間(ブレーキ操作がなされている期間)における平均減速度を算出する。なお、減速期間が終了してから算出してもよい。
【0043】
続くステップS323では、図20(b)に示すように、平均減速度に対する減速度の差分を算出する。
続くステップS324では、平均減速度に対する減速度の差分のピーク位置が、減速期間のどこに位置しているかに基づいて、運転者の焦り度合、及び道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。
先ず、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が減速期間の後半にあれば、運転者の焦り度合を0.5に設定すると共に、道路の混雑度合を0に設定する。一方、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が減速期間の前半にあれば、運転者の焦り度合を0に設定すると共に、道路の混雑度合を0.5に設定する。
【0044】
次に、前記ステップS4で実行される走行シーン推定処理を、図21のフローチャートに従って説明する。
ステップS421では、加減速度の頻度分布を更新する。
続くステップS422では、頻度分布に対する現在の加減速度のばらつき度合に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定してから走行シーン推定処理を終了する。
先ず、頻度分布に対する現在の加減速度のばらつきが大きいときには、自車両が先行車両に追従走行していると推定する。一方、頻度分布に対する現在の加減速度のばらつきが小さいときには、先行車両が存在しない、又は先行車両が存在していても追従走行してはいないと推定する。
【0045】
《作用》
本実施形態では、減速期間における平均減速度と減速度との差分を算出し、この差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定する(ステップS322〜S324)。一般に、運転者の焦り度合が高いほど、減速期間の後半に大きな減速度が発生し、逆に混雑度合が高いほど、減速期間の前半に大きな減速度が発生すると考えられる。したがって、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が、減速期間の後半にあれば、焦り運転であると推定し、逆に減速期間の前半にあれば、渋滞運転であると推定する。これにより、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを容易に推定することができる。
【0046】
一方、加減速度の頻度分布を演算し(ステップS421)、この累積頻度に基づいて、車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する(ステップS422)。加減速度と頻度の関係を図22に示すように、一般に、先行車両に追従走行しているときほど、自車両の加減速度にばらつきが生じると考えられる。したがって、加減速度にばらつきが生じているときには、先行車両に追従走行していると推定する。これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【0047】
《効果》
以上より、図19の運転状況推定処理、及び図21の走行シーン推定処理が「推定手段」に含まれる。
(1)推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
(2)推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する。
これにより、レーダ装置を使うことなく、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを、容易に推定することができる。
【0048】
《第4実施形態》
《構成》
第4実施形態は、減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置、及び当該ピーク位置の直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定するものである。
先ず、前記ステップS3で実行される運転状況推定処理を、図23のフローチャートに従って説明する。
ステップS331では、ブレーキ操作があるか否かを推定する。ブレーキ操作がなければ、そのまま運転状況推定処理を終了する。一方、ブレーキ操作があれば、ステップS332に移行する。
ステップS332では、図24(a)に示すように、減速期間(ブレーキ操作がなされている期間)における平均減速度を算出する。なお、減速期間が終了してから算出してもよい。
【0049】
続くステップS333では、図24(b)に示すように、平均減速度に対する減速度の差分を算出する。
続くステップS334では、平均減速度に対する減速度の差分のピーク位置が、減速期間のどこに位置しているか、そしてピーク位置の直後に加速があるか否かに基づいて、運転者の焦り度合、及び道路の混雑度合を算出してから運転状況推定処理を終了する。
先ず、差分のピーク位置が減速期間の後半にあり、且つ直後に加速すれば、運転者の焦り度合を0.8に設定すると共に、道路の混雑度合を0に設定する。一方、差分のピーク位置が減速期間の前半にあれば、運転者の焦り度合を0に設定すると共に、道路の混雑度合を0.5に設定する。
【0050】
《作用》
本実施形態では、平均減速度と減速度との差分のピーク位置と、その直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合と道路の混雑度合とを推定する(ステップS332〜S334)。一般に、運転者の焦り度合が高いほど、減速期間の後半に大きな減速度が発生し、且つその直後に加速すると考えられる。したがって、平均減速度と減速度との差分のピーク位置が減速期間の後半に発生し、且つその直後に自車両が加速するときに、焦り運転であると推定する。これにより、運転者の焦り度合を容易に推定することができる。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【0051】
《効果》
以上より、図23の運転状況推定処理が「推定手段」に含まれる。
(1)推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置、及びピーク位置の直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定する。
これにより、運転者の焦り度合を、容易に推定することができる。
【0052】
《第5実施形態》
《構成》
第5実施形態は、車両の走行シーンとして、自車両が車線変更しているか否か、及び自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定するものである。
図25は、運転操作支援装置の概略構成であり、前述した第2実施形態において、ウィンカスイッチ9を追加したものである。
次に、前記ステップS7で実行される報知タイミング制御処理を、図26のフローチャートに従って説明する。
ステップS711では、運転状況と走行シーンに基づいて、操作支援情報の報知タイミングが適切であるか否かを判断する。
【0053】
先ず、自車両が車線変更しておらず、且つ都市高速道路を走行していなければステップS712に移行する。一方、自車両が車線変更している、又は都市高速道路を走行しているときには、そのまま報知タイミング制御処理を終了する。ここで、自車両が車線変更しているか否かは、ウィンカスイッチ9の作動状態に基づいて推定する。また、自車両が車線変更しているか否かは、ナビゲーションユニット8から取得する現在位置情報、及び道路地図情報に基づいて推定する。
ステップS712では、表示ユニット6及びスピーカ7を介して、操作支援情報を報知してから報知タイミング制御処理を終了する。
【0054】
《作用》
自車両が車線変更しているときや、都市高速道路を走行しているときには、運転に集中することが更に求められる。そこで、本実施形態では、車両が車線変更している間、及び都市高速道路を走行している間は、操作支援情報の報知を抑制し、車両の車線変更が完了したり、都市高速道路を抜けてから、操作支援情報を報知する(ステップS711、S712)。これにより、運転者にとって受け入れやすい的確なタイミングで、操作支援情報が報知されるので、運転者に対して効果的に注意を喚起することができる。
その他の作用効果は、前述した第2実施形態と同様である。
【0055】
《効果》
以上より、図26の報知タイミング制御処理が「報知手段」に含まれる。
(1)推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が車線変更しているか否かを推定する。
自車両が車線変更しているときは、運転への注意が特に求められる。したがって、車線変更しているか否かを把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
(2)推定手段は、運転者による方向指示操作に基づいて、自車両が車線変更しているか否かを推定する。
これにより、車線変更しているか否かを、容易に推定することができる。
【0056】
(3)報知手段は、自車両が車線変更していると前記推定手段が判断している間は、操作支援情報の報知を抑制し、自車両が車線変更をしていないと推定手段が推定してから、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
(4)推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定する。
自車両が都市高速道路を走行しているときは、運転への注意が特に求められる。したがって、都市高速道路を走行しているか否かを把握することで、操作支援情報の提供を的確に行うことができる。
【0057】
(5)推定手段は、自車両の現在位置情報、及び道路地図情報に基づいて、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定する。
これにより、都市高速道路を走行しているか否かを、容易に推定することができる。
(6)報知手段は、自車両が都市高速道路を走行していると推定手段が判断している間は、操作支援情報の報知を抑制し、自車両が都市高速道路を走行していないと推定手段が推定してから、操作支援情報の報知を行う。
これにより、走行シーンに適したタイミングで操作支援情報を報知することができる。
【0058】
《第6実施形態》
《構成》
第6実施形態は、先行車両に対する車間時間の頻度分布を演算し、この車間時間の頻度分布に基づいて、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と比べて、どれほど異なっているかを判断するものである。
図27は、運転操作支援装置の概略構成であり、前述した第1実施形態において、レーザレーダ11を追加したものであり、図28の操作支援処理を実行する。
【0059】
これは、前述した第1実施形態において、前記ステップS2を新たなステップS61〜S63に変更すると共に、前記ステップS5を新たなステップS64に変更したものである。
ステップS61では、下記(9)式に示すように、自車両と先行車両との車間時間THWを算出する。車間時間THWとは、車間距離Dを車速Vで除したものであり、先行車両の現在位置に自車両が到達するまでの所要時間を指す。
THW=D/V ………(9)
続くステップS62では、車間時間THWの頻度分布を演算する。
【0060】
車間時間THWの頻度分布は、異なる二つの所定期間TL1及びTL2における車間時間THWの累積頻度分布である。但し、自車両及び先行車両の何れか一方が加速するなどして相対速度Vrが変化しているような状況を除外するために、相対速度Vrが例えば±5km/h以内で、且つ車間時間THWが例えば4sec以内となるような条件でサンプリングを行う。所定期間TL1は、普段の運転行動パターンを把握(学習)するのに必要な期間であり、例えば2160secに設定される。所定期間TL2は、直近の運転行動パターンを把握するのに必要な期間であり、例えば60secに設定される。
【0061】
頻度分布は、車間時間THWの新しいデータを取得する度に更新する。例えば、0〜4secの全区間を、0.2sec毎の小区間m1〜m20に細分化し、新しいデータを取得した際に、各小区間の頻度tp1〜tp20を更新して行う。
先ず、全体のサンプル数をNtとしたとき、新しいデータが該当する小区間miの頻度tpiは、下記(10)式で算出する。
tpi=(tpi+1/Nt)÷(1+1/Nt) ………(10)
また、新しいデータが入らない小区間miの頻度tpiは、下記(11)式で算出する。
tpi=tpi÷(1+1/Nt) ………(11)
【0062】
なお、平均的な運転者の頻度分布データを初期値として設定し、車間時間THWの平均値を1.4sec程度、分散を0.5sec程度とした正規分布とする。
続くステップS63では、車間時間THWの頻度分布に基づき、現在の運転行動パターンが普段(基準状態)と比べて、どれほど異なっているかを表す非定常度合DDfを算出する。
【0063】
先ず、図29に示すように、異なる所定期間TL1及びTL2の夫々で、車間時間THWが所定値Lo以下の累積頻度S1及びS2を算出する。そして、下記(12)式に示すように、累積頻度S1及びS2の差分を、非定常度合DDfとして算出する。下記(12)式によれば、車間時間THWが所定値Lo以下となる累積頻度S2が大きいほど、非定常度合DDfが大きくなる。
DDf=S2−S1 ………(12)
【0064】
一方、ステップS64では、非定常度合DDfが所定の閾値Sfoを上回るか否かを判定する。この判定結果が、DDf≦Sfoであるときには、現在の運転行動パターンが普段どおりであると判断し、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、判定結果がDDf>Sfoであるときには、現在の運転行動パターンが普段と比べて大きく異なっていると判断して前記ステップS6に移行する。
【0065】
《作用》
本実施形態では、運転者の運転行動パターンとして、先行車両との車間距離に関する習慣、つまり先行車両に対する車間の取り方や接近の仕方を、車間時間THWの頻度分布として学習する(ステップS61、S62)。この普段の運転行動パターンについては、ある程度の長さとなる所定期間TL1に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握し、現在の運転行動パターンについては、直近の所定期間TL2に渡ってサンプリングしたデータに基づいて把握する。
【0066】
そして、現在の運転行動パターンが普段と比べて、どれほど異なっているかを判断するために、前記(12)式に従って、車間時間THWの頻度分布に基づいて非定常度合DDfを算出する(ステップS63)。
ここで、非定常度合DDfが閾値Sfoを超えていれば(ステップS64の判定が“Yes”)、先行車両との車間距離や相対速度に関する現在の運転行動パターンが普段と異なっていると判断して、先行車両に対する注意を喚起するための操作支援情報を提供する。
その他の作用効果は、前述した第1実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の概略構成を示すブロック図である。
【図2】操作支援処理を示すフローチャートである。
【図3】ステアリング・エントロピ算出処理を示すフローチャートである。
【図4】運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図5】累積頻度の算出に用いるマップである。
【図6】焦り度合の算出に用いるマップである。
【図7】混雑度合の算出に用いるマップである。
【図8】走行シーン推定処理を示すフローチャートである。
【図9】車間時間と操作頻度の関係を示す。
【図10】操作支援情報の作成に用いるマップである。
【図11】報知タイミング制御処理を示すフローチャートである。
【図12】焦り運転時のタイムチャートである。
【図13】渋滞運転時のタイムチャートである。
【図14】第2実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態の運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図16】平均減速度の累積頻度分布である。
【図17】第2実施形態の走行シーン推定処理を示すフローチャートである。
【図18】踏み替え時間と頻度の関係を示す。
【図19】第3実施形態の運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図20】減速期間のタイムチャートである。
【図21】第3実施形態の走行シーン推定処理を示すフローチャートである。
【図22】加減速度と頻度の関係を示す。
【図23】第4実施形態の運転状況推定処理を示すフローチャートである。
【図24】減速期間のタイムチャートである。
【図25】第5実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図26】第5実施形態の報知タイミング制御処理を示すフローチャートである。
【図27】第6実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図28】第6実施形態の操作支援処理を示すフローチャートである。
【図29】車間時間の頻度分布図である。
【符号の説明】
【0068】
1 アクセルセンサ
2 ブレーキセンサ
3 車速センサ
4 加速度センサ
5 舵角センサ
6 表示ユニット
7 スピーカ
8 ナビゲーションユニット
9 ウィンカスイッチ
10 コントローラ
11 レーザレーダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知する検知手段と、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定する推定手段と、前記検知手段で現在の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、当該基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を、前記推定手段で推定した現在の運転状況に応じて運転者に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする運転操作支援装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、前記操作支援情報の報知内容を変更することを特徴とする請求項1に記載の運転操作支援装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、前記操作支援情報の報知タイミングを変更する請求項1又は2に記載の運転操作支援装置。
【請求項4】
前記推定手段は、運転者の心理状態として、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項5】
前記推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項4に記載の運転操作支援装置。
【請求項6】
前記推定手段は、車両の加減速期間における平均加減速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項4又は5に記載の運転操作支援装置。
【請求項7】
前記推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項8】
前記推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置、及び当該ピーク位置の直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定する請求項4〜7の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項9】
前記報知手段は、前記推定手段が推定した焦り度合が高いほど、前記操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更することを特徴とする請求項4〜8の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項10】
前記推定手段は、自車両の走行環境として、道路の混雑度合を推定する請求項1〜9の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項11】
前記推定手段は、道路交通情報に基づいて、道路の混雑度合を推定することを特徴とする請求項10に記載の運転操作支援装置。
【請求項12】
前記推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定することを特徴とする請求項10又は11に記載の運転操作支援装置。
【請求項13】
前記報知手段は、前記推定手段が推定した混雑度合が高いほど、前記操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更することを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項14】
前記推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する請求項1〜13の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項15】
前記推定手段は、運転者によるアクセル操作、及びブレーキ操作の少なくとも一方の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項14に記載の運転操作支援装置。
【請求項16】
前記推定手段は、運転者がアクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間、又は運転者がブレーキ操作を終了してからアクセル操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項14又は15に記載の運転操作支援装置。
【請求項17】
前記推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項18】
前記報知手段は、前記推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ運転者の焦り度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速した時点で、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項14〜17の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項19】
前記報知手段は、前記推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ道路の混雑度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速走行から定速走行に移行した時点で、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項14〜18の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項20】
前記推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が車線変更しているか否かを推定する請求項1〜19の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項21】
前記推定手段は、運転者による方向指示操作に基づいて、自車両が車線変更しているか否かを推定する請求項20に記載の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項22】
前記報知手段は、自車両が車線変更していると前記推定手段が判断している間は、前記操作支援情報の報知を抑制し、自車両が車線変更をしていないと前記推定手段が推定してから、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項20又は21に記載の運転操作支援装置。
【請求項23】
前記推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項1〜22に記載の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項24】
前記推定手段は、自車両の現在位置情報、及び道路地図情報に基づいて、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項23に記載の運転操作支援装置。
【請求項25】
前記報知手段は、自車両が都市高速道路を走行していると前記推定手段が判断している間は、前記操作支援情報の報知を抑制し、自車両が都市高速道路を走行していないと前記推定手段が推定してから、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項23又は24に記載の運転操作支援装置。
【請求項26】
現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、当該基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を運転者に報知するものであって、
運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて前記操作支援情報を報知することを特徴とする運転操作支援方法。
【請求項1】
現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知する検知手段と、運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定する推定手段と、前記検知手段で現在の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、当該基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を、前記推定手段で推定した現在の運転状況に応じて運転者に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする運転操作支援装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、前記操作支援情報の報知内容を変更することを特徴とする請求項1に記載の運転操作支援装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記推定手段で推定した現在の運転状況に応じて、前記操作支援情報の報知タイミングを変更する請求項1又は2に記載の運転操作支援装置。
【請求項4】
前記推定手段は、運転者の心理状態として、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項5】
前記推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項4に記載の運転操作支援装置。
【請求項6】
前記推定手段は、車両の加減速期間における平均加減速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項4又は5に記載の運転操作支援装置。
【請求項7】
前記推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置に基づいて、運転者の焦り度合を推定することを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項8】
前記推定手段は、車両の減速期間における平均減速度と減速度との差分のピーク位置、及び当該ピーク位置の直後の加速度に基づいて、運転者の焦り度合を推定する請求項4〜7の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項9】
前記報知手段は、前記推定手段が推定した焦り度合が高いほど、前記操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更することを特徴とする請求項4〜8の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項10】
前記推定手段は、自車両の走行環境として、道路の混雑度合を推定する請求項1〜9の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項11】
前記推定手段は、道路交通情報に基づいて、道路の混雑度合を推定することを特徴とする請求項10に記載の運転操作支援装置。
【請求項12】
前記推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、道路の混雑度合を推定することを特徴とする請求項10又は11に記載の運転操作支援装置。
【請求項13】
前記報知手段は、前記推定手段が推定した混雑度合が高いほど、前記操作支援情報の報知内容を、メッセージ性の強いものに変更することを特徴とする請求項10〜12の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項14】
前記推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定する請求項1〜13の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項15】
前記推定手段は、運転者によるアクセル操作、及びブレーキ操作の少なくとも一方の操作頻度に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項14に記載の運転操作支援装置。
【請求項16】
前記推定手段は、運転者がアクセル操作を終了してからブレーキ操作を開始するまでの所要時間、又は運転者がブレーキ操作を終了してからアクセル操作を開始するまでの所要時間に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項14又は15に記載の運転操作支援装置。
【請求項17】
前記推定手段は、車両の加減速度の頻度分布に基づいて、自車両が先行車両に追従走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項18】
前記報知手段は、前記推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ運転者の焦り度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速した時点で、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項14〜17の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項19】
前記報知手段は、前記推定手段が、自車両が先行車両に追従走行しており、且つ道路の混雑度合が所定値以上であると推定している場合には、自車両が加速走行から定速走行に移行した時点で、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項14〜18の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項20】
前記推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が車線変更しているか否かを推定する請求項1〜19の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項21】
前記推定手段は、運転者による方向指示操作に基づいて、自車両が車線変更しているか否かを推定する請求項20に記載の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項22】
前記報知手段は、自車両が車線変更していると前記推定手段が判断している間は、前記操作支援情報の報知を抑制し、自車両が車線変更をしていないと前記推定手段が推定してから、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項20又は21に記載の運転操作支援装置。
【請求項23】
前記推定手段は、自車両の走行シーンとして、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項1〜22に記載の何れか一項に記載の運転操作支援装置。
【請求項24】
前記推定手段は、自車両の現在位置情報、及び道路地図情報に基づいて、自車両が都市高速道路を走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項23に記載の運転操作支援装置。
【請求項25】
前記報知手段は、自車両が都市高速道路を走行していると前記推定手段が判断している間は、前記操作支援情報の報知を抑制し、自車両が都市高速道路を走行していないと前記推定手段が推定してから、前記操作支援情報の報知を行うことを特徴とする請求項23又は24に記載の運転操作支援装置。
【請求項26】
現在の運転者の運転行動パターンが所定の基準状態と異なっていることを検知したときに、当該基準状態となる運転行動パターンを促すための操作支援情報を運転者に報知するものであって、
運転者の心理状態、自車両の走行環境、及び自車両の走行シーンの少なくとも一つを含む現在の運転状況を推定し、推定した運転状況に応じて前記操作支援情報を報知することを特徴とする運転操作支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2010−97455(P2010−97455A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268331(P2008−268331)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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