説明

運転支援装置

【課題】探知した情報に基づいて警告する際に、運転者等がより聞き取り易く、携帯音楽機器からの音楽等も聴取可能な運転支援装置を提供する。
【解決手段】自車両の運転を支援するため、探知した情報に基づいて警報音声信号を出力する警報部3と、警報部からの警報音声信号を受信して警報音声を発するスピーカ部4と、警報部から出力された警報音声信号を、運転支援装置1とは別体の車載用音響機器の受信に適合する信号として送信する送信部5と、警報部からの警報音声信号を、スピーカ部又は送信部のいずれに送信するかを選択する送信先選択機能を含む制御部2とを備える運転支援装置1。携帯音楽機器からの音源音声信号を入力するための外部音声入力端子6を備え、警報部からの警報音声信号又は外部音声入力端子からの音源音声信号のいずれを送信部から出力するかを選択する送信音声選択部7を備えることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置に関し、特に、速度取締装置が設置されている場所を探知したときなどに警報音声によって自車両の運転者等に知らせる運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車内で音楽やラジオ等を聞くための車載用カーステレオや、時事情報及び交通情報等を得るための車載用ラジオが用いられている。また、レーダー探知機やカーナビゲーションシステムに代表されるように、速度取締装置が設置されている場所、渋滞情報、事故情報等、運転者にとって有用な情報をレーダーを用いて調査し、速やかに運転者に知らせる車載用の運転支援装置等も使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の運転支援装置等においては、内蔵されているスピーカでは音圧に限界があり、ロードノイズ、風切り音、エンジン音、カーステレオの音楽等、周辺の音環境によって警報が聞き取りづらくなる場合もあった。
【0004】
また、このような運転支援装置を大音量に設定しようとしても、電源電圧やスピーカの特性に限界があり、音割れなどを引き起こすという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来の運転支援装置における問題点に鑑みてなされたものであって、運転支援装置が探知した情報に基づいて警告する際に、運転者及び同乗者がより聞き取り易く、さらに、携帯音楽機器からの音楽等も聞くことができる運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、車両に搭載され、自車両の運転を支援する運転支援装置であって、探知した情報に基づいて警報音声信号を出力する警報部と、該警報部からの警報音声信号を受信して警報音声を発するスピーカ部と、前記警報部から出力された警報音声信号を、該運転支援装置とは別体の車載用音響機器の受信に適合する信号として送信する送信部と、前記警報部からの警報音声信号を、前記スピーカ部又は前記送信部のいずれに送信するかを選択する送信先選択部とを備えることを特徴とする。
【0007】
そして、本発明によれば、警報部から出力された警報音声信号を、車載用音響機器の受信に適合する信号として送信し、車載用音響機器から警報音声として車内に発することができるため、周辺の音環境に左右されることなく、また、音割れなどを引き起こすことなく、高音質かつ大音量で運転者及び同乗者に確実に伝えることができる。
【0008】
前記運転支援装置は、速度取締装置が設置されている場所を探知するレーダー探知機を含み、該速度取締装置が設置されている場所を探知したときに、前記警報部より警報音声信号を出力することができる。
【0009】
また、前記運転支援装置において、前記車載用音響機器は、FMラジオ受信機を含み、前記送信部は、前記警報音声信号を、該FMラジオ受信機での受信に適合する電波として送信することができる。これによって、車載されているFMラジオ受信機を介して警報音声を聴取することができる。
【0010】
さらに、前記運転支援装置は、携帯音楽機器からの音源音声信号を入力するための外部音声入力端子と、前記警報部からの警報音声信号又は該外部音声入力端子からの音源音声信号のいずれを前記送信部から出力するかを選択する送信音声選択部を備えることができる。これによって、FMラジオ受信機を特定の周波数に固定したような場合でも、送信音声選択部によって携帯音楽機器からの音源音声信号を前記送信部から出力させることにより、携帯音楽機器からの音楽等を聞くことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、運転支援装置が探知した情報に基づいて警告する際に、運転者等が聞き取り易く、携帯音楽機器からの音楽等も聴取可能な運転支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明においては、本発明にかかる運転支援装置をレーダー探知機とし、車載用音響機器としてのFMラジオ受信機を介して車内に警報を発する場合を例にとって説明する。
【0013】
図1は、本発明にかかる運転支援装置の一実施の形態を示し、このレーダー探知機1は、レーダー探知機能を備えるとともに、装置全体を制御する制御部(マイコン制御部)2と、制御部2が速度取締装置が設置されている場所を探知した際に、警報音声信号を出力する警報部3と、警報部3からの警報音声信号を受信して警報音声を発する本体スピーカ部4と、警報部3から出力された警報音声信号を、この運転支援装置1とは別体のFMラジオ受信機(不図示)の受信に適合する信号として送信するFM送信部5と、携帯音楽機器(不図示)からの音源音声信号を入力するための外部音声入力端子6と、警報部3からの警報音声信号又は外部音声入力端子6からの音源音声信号のいずれをFM送信部5に出力するかを選択する送信音声選択部7とを備える。
【0014】
制御部2は、速度取締装置からのレーダー波を受信した際に、警報部3に警報を発するように指令を出すレーダー探知機能と、警報部3からの警報音声信号を、本体スピーカ部4に送信するか、送信音声選択部7を介してFM送信部5に送信するかのいずれかを選択する送信先選択機能を備える。
【0015】
FM送信部5は、混信を避けるため、このレーダー探知機1を使用する地域においてFMラジオ放送に使用されていないチャンネルを選択する。FM送信機能のチャンネル(送信周波数)は、マイコン制御により複数の中から選択可能としている。全国のFMラジオバンドプランを検討し、このレーダー探知機1を使用する地域と、その地域におけるFM放送電波の送信出力の小さいものから選択周波数を抜粋する。
【0016】
送信音声選択部7は、外部音声入力端子6と警報部3のいずれの音声信号をFM送信部5に送信するかを選択するが、特に、速度取締装置からのレーダー波を受信した際には、警報部3からの音声信号を優先して送信する。
【0017】
次に、上記構成を有するレーダー探知機1の動作について、図1を参照しながら説明する。
【0018】
通常時は、外部音声入力端子6からの音源音声信号を送信音声選択部7を介してFM送信部5に出力し、FMラジオ受信機を含む音響機器を用いて音声を再生する。一方、レーダー探知機1側で警告動作が必要となった場合には、送信音声選択部7は、警報部3からの音声信号をFM送信部5に送信し、FMラジオ受信機を含む音響機器を用いて警報を発する。
【0019】
本発明では実用上の利便を考慮し、次のような複数の送信動作モードを有する。
(1)FM送信モード
このモードでは、外部音声入力端子6からの音源音声信号と、警報部3からの音声信号をすべてFM送信部5を介して送信する。これによって、FMラジオ受信機を含む車載用音響機器の音楽ソースの再生せず、通常は、携帯音楽機器の音楽を聴取し、必要時には、レーダー探知機1の警告音を切り替えて出力することができる。このモードでは、レーダー探知機1の警告音も車載用音響機器から出力されるので、警報の聞き逃しも避けることができる。
(2)FM+SPKモード
このモードでは、(1)のFM送信モードと同様の機能に加え、レーダー探知機1の警告音については本体スピーカ部4からも出力する。FMラジオ受信機を含む車載用音響機器の音楽ソースの再生をしばしば必要とするような場合には、本発明のFM送信機能によるFMチャンネルの占有を行うことが難しい。そこで、レーダー探知機1に内蔵している本体スピーカ部4で警告を知ることができる。
(3)FM独立モード
このモードでは、常に外部音声入力端子6からの音源音声信号のみをFM送信部5を介して車載用音響機器から再生する。レーダー探知機1の警告音については、レーダー探知機1の本体スピーカ部4から出力する。このモードでは、指定したチャンネルでの再生音楽の送信を、レーダー探知機1の警告とは無関係に常に行い、レーダー探知機1の警告音は、本体スピーカ部4から出力する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明にかかる運転支援装置の一実施の形態を示す機能構成図である。
【符号の説明】
【0021】
1 レーダー探知機
2 制御部
3 警報部
4 本体スピーカ部
5 FM送信部
6 外部音声入力端子
7 送信音声選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、自車両の運転を支援する運転支援装置であって、
探知した情報に基づいて警報音声信号を出力する警報部と、
該警報部からの警報音声信号を受信して警報音声を発するスピーカ部と、
前記警報部から出力された警報音声信号を、該運転支援装置とは別体の車載用音響機器の受信に適合する信号として送信する送信部と、
前記警報部からの警報音声信号を、前記スピーカ部又は前記送信部のいずれに送信するかを選択する送信先選択部とを備えることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記運転支援装置は、速度取締装置が設置されている場所を探知するレーダー探知機を含み、
該速度取締装置が設置されている場所を探知したときに、前記警報部より警報音声信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記車載用音響機器は、FMラジオ受信機を含み、前記送信部は、前記警報音声信号を、該FMラジオ受信機での受信に適合する電波として送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
携帯音楽機器からの音源音声信号を入力するための外部音声入力端子と、前記警報部からの警報音声信号又は該外部音声入力端子からの音源音声信号のいずれを前記送信部から出力するかを選択する送信音声選択部を備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の運転支援装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−241824(P2007−241824A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65617(P2006−65617)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(596126270)株式会社マルハマ (16)
【Fターム(参考)】