説明

過負荷制御装置及び方法

【課題】本発明は、移動通信システムにおける過負荷制御装置及び方法に関するもので、より詳細には、基地局制御機にて過負荷を制御する装置及び方法に関する。
【解決手段】本発明の一実施例による過負荷制御装置は予め設定された時間ごとに基地局制御機の負荷情報を測定する負荷測定部と、前記負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して過負荷が発生したか否かを判断する過負荷判断部と、前記判断の結果、過負荷が発生した場合は過負荷程度に応じて許容送信出力比率パラメータ値を設定するパラメータ設定部であって、前記許容送信出力比率は基地局の許容送信出力に対する最大送信出力比率であるパラメータ設定部と、前記基地局制御機に収容されている全ての基地局のうち、基地局の総送信出力値が前記基地局の許容送信出力比率パラメータ値により設定された許容送信出力値を超える基地局の新規呼接続設定を制限するように、前記基地局制御機に呼接続設定制御信号を伝送する呼接続設定制御部と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける過負荷制御装置及び方法に関するもので、より詳細には、基地局制御機で過負荷を制御する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信サービスは、1980年代後半のアナログセルラー方式のAMPS(Advanced Mobile Phone Service)で提供される低い品質の音声通話を主とする第1世代移動通信サービスの提供から始まり、発展し続けてきた。
【0003】
第2世代移動通信サービスでは、デジタルセルラー方式のGSM(Global System for Mobile)、CDMA(Code Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)などで提供される高品質の音声通話及び低速(14.4Kbps)データサービスが可能となった。
【0004】
また、第2.5世代移動通信サービスでは、GHz帯の周波数の確保と共に、全世界的に使用可能なPCS(Personal Communication Service)が開発され、高品質の音声通話や、低速(144Kbps)であるがデータサービスも可能となった。
【0005】
第3世代移動通信サービスは、3GPP(Generation Partnership Project)が主軸になっている非同期方式の移動通信システムと、3GPP2が主軸になっている同期方式のCDMA−2000システムとに分けられて提供されている。特に、移動通信システムは、IMT−2000で推奨する無線プロトコルとして全世界的に多くの通信サービス事業者がサービスを提供しているか、またはサービスの提供を準備している。
【0006】
移動通信システムは高い通話品質で、帯域拡散方式を用いているので、多量のデータ伝送にも適するという長所を有する。
【0007】
WCDMA通信方式は音声コーディングのためにAMR(Adaptable Multi−Rate)を採用し、ユーザが時速100km程度の速度で動いても通話ができる高い移動性を支援する。
【0008】
また、WCDMA通信方式は、最も多い国家が採用している方式であって、韓国、ヨーロッパ、日本、米国、中国などでの多くの機関が3GPPにおけるWCDMAの技術スペック(Spec)を発展させ続けている。
【0009】
通常、サービス提供者またはネットワーク運営者は、通信システムの無線ネットワークを介して様々なマルチメディアデータ及び/または音声通信サービスを異なる別々のユーザに提供する。
【0010】
このようなデータ及び/または音声通信サービスを提供するために、これらサービス提供者またはネットワーク運営者は、システム容量または処理量を含む無線資源を管理する。
【0011】
移動通信端末は、一つ以上の基地局を介して通信システム及び相互接続された他の無線遠隔通信システムにアクセスすることができる。基地局によりカバーされる各々の領域をセルという。各々の基地局は、セルをカバーするのに十分なパイロット出力レベルで電波を送信するように設定される。パイロットチャンネルはダウンリンクでブロードキャスト(broadcast)してセル識別及び受信レベルを測定する。
【0012】
図1は、従来の基地局制御機にて過負荷を制御する方法を説明するための図面である。
【0013】
図1に示すように、基地局制御機(Radio Network Controller、RNCともいう)110と複数基地局120乃至170とは、T1/E1回線または回路、ATM仮想回路、ケーブル、光学デジタル加入者回線(DSL)などの一つ以上の接続により繋がることができる。通常、基地局制御機110は繋がっている基地局120乃至170を制御し、ハンドオーバの実行、動作時間及びシステムの管理サービスを提供する。
【0014】
基地局制御機110は過負荷が発生すると、これを制御するために基地局制御機110に流入する発信呼、着信呼、位置登録回数などを制限する。この場合、基地局制御機110にて制限される発信呼、着信呼、位置登録回数などは基地局制御機110単位で流入する呼を考慮するため、当該基地局制御機110に繋がっている基地局120乃至170別に流入する呼の差は反映しない。しかし、通常、基地局制御機110に多量の呼が流入して過負荷が発生する場合は、全ての基地局120乃至170から多量の呼が流入して発生することではなく、特定地域の一部基地局(例えば、120、130、140)から多量の呼が流入して発生されることがほとんどである。
【0015】
したがって、基地局制御機110が過負荷を制御するためには、全ての流入呼を制御するのではなく、多量の呼が流入する特定地域の一部基地局(例えば、120、130、140)からの呼だけを制御すれば、基地局制御機110の過負荷をより効率的に解消することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、基地局制御機にて過負荷が発生する場合、過負荷を引き起こす地域の基地局を対象にして集中的に呼を制御し、迅速で効率的に過負荷を制御する過負荷制御装置及び制御方法を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、基地局制御機における過負荷を効率的に制御して、出力増幅器の劣化及び既に設定された呼の品質低下を防止できる過負荷制御装置及び制御方法を提供することにある。
本発明の以外の目的は下記の説明を通して容易に理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一側面によれば、移動通信システムにおける過負荷制御装置が提供される。
【0019】
本発明の一実施例に係る過負荷制御装置は、予め設定された時間ごとに基地局制御機の負荷情報を測定する負荷測定部と、前記負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して過負荷の発生可否を判断する過負荷判断部と、前記判断の結果、過負荷が発生した場合は過負荷程度に応じて許容送信出力比率パラメータ値を設定するパラメータ設定部であって、前記許容送信出力比率は基地局の許容送信出力に対する最大送信出力比率である、パラメータ設定部と、前記基地局制御機に収容された全ての基地局中、基地局の総送信出力値が前記基地局の許容送信出力比率パラメータ値により設定された許容送信出力値を超える基地局の新規呼接続設定を制限するように、前記基地局制御機に呼接続設定制御信号を伝送する呼接続設定制御部と、を含むことができる。
【0020】
本発明の他の側面によれば、移動通信システムにおける過負荷を制御する方法が提供される。
【0021】
本発明の一実施例による移動通信システムにおける過負荷制御方法は、予め設定された時間ごとに負荷情報を測定するステップと、前記負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して過負荷の発生可否を判断するステップと、前記判断の結果、過負荷が発生した場合は過負荷程度に応じて許容送信出力比率パラメータ値を設定するステップであって、前記許容送信出力比率は許容送信出力に対する最大送信出力比率である、ステップと、前記基地局制御機に収容された全ての基地局中、基地局の総送信出力値が前記基地局の許容送信出力比率パラメータ値により設定された許容送信出力値を超える基地局の新規呼接続設定を制限するように、前記基地局制御機に呼接続設定制御信号を伝送するステップと、を含むことができる。
【0022】
本発明は多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、本願では特定実施例を図面に例示し、詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物及び代替物を含むものとして理解されるべきである。各図面には類似した参照符号を類似している構成要素に使用した。
【0023】
「第1」、「第2」などのような序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに用いることに過ぎなく、前記構成要素が前記用語により限定されるものではない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけに用いられる。例えば、本発明の権利範囲内における第1構成要素は第2構成要素であると命名されることができ、同様に第2構成要素も第1構成要素であると命名されることができる。「及び」/「または」という用語は、複数の関連のある記載項目の組み合いまたは複数の関連のある記載項目のうち何れかの項目を含む。
【0024】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」あるいは「接続」されていると記載された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもでき、中間に他の構成要素が存在することもできると理解しなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」あるいは「直接接続」されていると記載された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解しなければならない。
【0025】
本願で用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明らかに表現しない限り、複数の表現を含む。本願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解しなくてはならない。
【0026】
他に定義しない限り、技術的または科学的用語を含んで、ここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる予め定義しているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈すべきで、本願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的意味に解釈しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳細に説明し、本発明を説明するに当たって、図面番号に拘わらず同一かつ対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明は省略する。本発明を説明するに当たって、係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0028】
本発明は、様々な移動通信システムに適用できるものであって、以下では主にWCDMA移動通信システムを例に挙げて説明する。
【0029】
図2は、本発明の好ましい一実施例による過負荷制御装置を説明するための図面である。
【0030】
本発明に係る過負荷制御装置400は、基地局制御機(RNC)210に接続していて、過負荷が発生すると呼許容制御(Call Admission Control)機能が動作し、集中トラフィック(Traffic)が流入した基地局(例えば、220、230、240)に対してだけ流入呼を制御するため、効率的に過負荷を解消することができる。
【0031】
図2に示すように、基地局制御機210は、基地局制御機210の過負荷を制御する過負荷制御装置400と接続している。
【0032】
基地局制御機210と複数基地局220乃至270とは、T1/E1回線または回路、ATM仮想回路、ケーブル、光学デジタル加入者回線(DSL)などの一つ以上の接続により繋がっている。
【0033】
基地局制御機210は、接続している基地局220乃至270を制御し、ハンドオーバ実行、動作時間及びシステムの管理サービスを提供する。
【0034】
基地局220乃至270は、基地局制御機210の制御により移動通信端末(図示せず)と音声通信及びデータ通信を行う。
【0035】
基地局220乃至270は、総送信出力情報を過負荷制御装置400に伝送する。ここで、総送信出力情報とは、予め設定された周期内に呼を送信するにかかる総出力情報をいい、例えば、基地局220乃至270で測定されたEc/Io(Energy of Carrier / Interference of Other’s)であり得る。
【0036】
基地局220乃至270は、基地局制御機210の過負荷程度に応じて設定された許容送信出力比率により呼接続設定が制限される。
【0037】
例えば、一部基地局(例えば、220、230、240)の総送信出力が他の基地局より高くて基地局制御機210に過負荷が発生すると、過負荷程度に応じて設定された許容送信出力比率により基地局制御機210は一部基地局(例えば、220、230、240)の新規呼に対して呼接続設定を許容しない。
【0038】
したがって、基地局制御機210は、トラフィックの多い一部基地局(例えば、220、230、240)だけ制御して基地局制御機210の過負荷を制御することができる。
【0039】
過負荷制御装置400は、基地局制御機210の過負荷を測定し、基地局制御機210の過負荷程度に応じて呼許容制御(Call Admission Control)を行う。
【0040】
過負荷制御装置400は、呼許容制御を通して集中トラフィックが流入した基地局(例えば、220、230、240)に対してだけ流入呼を制御するように基地局制御機210を制御する。
【0041】
ここで、基地局制御機210の過負荷の測定は、全ての基地局220乃至270から流入して設定された呼の数または基地局制御機210の総送信出力であり得る。
【0042】
過負荷制御装置400は、全ての基地局220乃至270から、各基地局の総送信出力値を予め設定された周期ごとに受信し、集中トラフィックが流入された基地局を判断できる。
【0043】
過負荷制御装置400は、基地局制御機210の過負荷が発生すると、過負荷に応ずる許容送信出力比率を設定する。
【0044】
過負荷制御装置400は許容送信出力比率を設定して相対的にトラフィックの多い基地局に対してはそれ以上新規呼が設定できないように基地局制御機210を制御する。
【0045】
したがって、過負荷制御装置400はトラフィックが集中的に流入される基地局に対してだけ呼接続設定を制御し、基地局制御機210の過負荷を制御することができる。
【0046】
過負荷制御装置400については図4でより詳しく説明する。
【0047】
図3は、本発明の好ましい一実施例による過負荷制御方法を説明するための図面である。
【0048】
許容送信出力比率とは基地局220乃至270の許容送信出力に対する最大送信出力の比率のことで、次のように算出することができる。
許容送信出力比率=許容送信出力(Call Admission Power)/最大送信出力(Max Tx Power)×100
【0049】
ここで、最大送信出力は各基地局の装備の種類や出力環境に応じて異なり得るものであり、最大送信出力は設計者または運用者により予め設定されることができる。
【0050】
前述したように、過負荷制御装置400は基地局制御機210の過負荷程度に応じて設定された許容送信出力比率によりトラフィックの多い一部基地局(例えば、220、230、240)の新規呼に対して呼接続設定を許容しないように基地局制御機210を制御する。
【0051】
したがって、基地局制御機210における過負荷を制御できるようになる。
【0052】
以下では、図3の(a)及び(b)を参照しながら過負荷制御方法をより詳しく説明する。
【0053】
基地局制御機210の過負荷程度に応じて設定された許容送信出力比率による許容送信出力が基地局の総送信出力より大きい場合、過負荷制御装置400は一部基地局(例えば、250、260、270)の新規呼接続設定を許容し続けるように基地局制御機210を制御する。
【0054】
しかし、基地局制御機210の過負荷程度に応じて設定された許容送信出力比率による許容送信出力が基地局の総送信出力に比べて同じか、または小さい場合、過負荷制御装置400は当該基地局の新規呼接続設定ができないように基地局制御機210を制御する。
【0055】
例えば、基地局制御機210の過負荷程度に応じて設定された許容送信出力比率が90%であると、基地局の最大送信出力値の90%に該当する値が許容送信出力値として設定される。
【0056】
したがって、基地局制御機に所属された基地局中、最大送信出力値の90%に該当する許容送信出力が総送信出力より大きい基地局には新規呼が許容される。しかし、基地局制御機に所属された基地局中、最大送信出力値の90%に該当する許容送信出力が総送信出力より小さいか、同じである基地局には新規呼が許容されない。
【0057】
図4は、本発明の好ましい一実施例による過負荷制御装置のブロック構成図である。
【0058】
図4に示すように、過負荷制御装置400は予め設定された時間ごとに基地局制御機210の負荷情報を測定する負荷測定部410、負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して過負荷が発生したか否かを判断する過負荷判断部420、過負荷程度に応じて許容送信出力比率パラメータを制御するパラメータ設定部430、及び過負荷程度に応じて設定された許容送信出力比率パラメータにより基地局220乃至270のうちのトラフィックの多い基地局の新規呼接続設定を許容するか否かを制御する制御信号を伝送する呼接続設定制御部440を含む。ここで、過負荷制御装置400は基地局制御機210の一部として含まれることができ、別の装置として基地局制御機210に繋がれて連結されることもできる。
【0059】
負荷測定部410は、予め設定された時間ごとに基地局制御機210の負荷情報を測定する。ここで、基地局制御機210の負荷情報は、基地局制御機210に繋がれた基地局220乃至270に流入されて設定された呼の数または基地局制御機210の総送信出力であり得る。
【0060】
過負荷判断部420は負荷測定部410から受信された基地局制御機210の負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して基地局制御機210の過負荷を判断する。
【0061】
過負荷判断部420は、基地局制御機210の過負荷程度に応じてマイナー等級、メイジャー等級、及び臨界等級に分類し、分類された等級に応じて過負荷を制御する許容送信出力比率パラメータが設定される。これは過負荷によりシステムのリソースを効率的に管理するためである。
【0062】
パラメータ設定部430は、過負荷程度に応じて許容送信出力比率パラメータを設定する。ここで、基地局制御機210の過負荷程度に応じて設定される許容送信出力比率パラメータは次の表1の通りである。
【0063】
【表1】

【0064】
許容送信出力比率パラメータは、過負荷によりマイナー等級、メイジャー等級、及び臨界等級に分類される。ここで、分類基準は基地局制御機210の装備及び周辺環境に応じて異なり得るものであり、設計者または運用者が予め設定することができる。
【0065】
ここで、マイナー等級は基地局制御機210の過負荷が低い時の等級であり、メイジャー等級は基地局制御機210の過負荷が激しい時の等級であり、臨界等級は基地局制御機の過負荷がさらに激しい時の等級である。
【0066】
したがって、マイナー等級の許容送信出力比率はメイジャー等級の許容送信出力比率より高く設定されることができる。また、メイジャー等級の許容送信出力比率は臨界等級の許容送信出力比率より高く設定されることができる。これは過負荷程度に応じてシステムの資源を効率的に管理するためである。
【0067】
呼接続設定制御部440は、基地局制御機210の過負荷程度に応じて設定された前述の表1のような許容送信出力比率パラメータにより、基地局220乃至270のうちのトラフィックの多い基地局の新規呼接続設定を許容するが否かを制御する制御信号を基地局制御機210に伝送する。
【0068】
呼接続設定制御部440は、移動通信システムの運用サーバーと連動して各基地局の最大送信電力情報を格納する。
【0069】
また、呼接続設定制御部440は、トラフィックの多い基地局220乃至270を判断するために、基地局制御機210に収容された全ての基地局220乃至270の総送信出力情報を受信する。
【0070】
ここで、総送信出力情報とは、予め設定された周期内に呼を送信するにかかる総送信出力情報をいい、基地局220乃至270のEc/Io(Energy of Carrier /Interference of Other’s)であり得る。
【0071】
呼接続設定制御部440は、基地局ごとに総送信出力(Total Tx Power)が予め設定された許容送信出力比率に応ずる許容送信出力を超える基地局に対してだけ新規呼接続設定を制限する制御信号を生成し、基地局制御機210を制御する。ここで、呼接続設定制御部440は、格納された基地局ごとの最大送信出力情報を用いて予め設定された許容送信出力比率に対応した基地局ごとの許容送信出力を算出できるので、基地局ごとの許容送信出力と基地局ごとの総送信出力とを比較することが可能である。
【0072】
図5は、本発明の好ましい一実施例に係る過負荷制御方法のフローチャートである。
【0073】
ステップS510で、過負荷制御装置400は、予め設定された時間ごとに基地局制御機210の負荷情報を測定する。ここで、基地局制御機210の負荷情報は基地局制御機210に接続された基地局220乃至270に流入されて設定された呼の数または基地局制御機210の総送信出力であり得る。
【0074】
ステップS520で、過負荷制御装置400は、基地局制御機210で測定された負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して基地局制御機210に過負荷が発生したかを判断する。基地局制御機210に過負荷が発生したと判断されると、各過負荷等級に該当する過負荷制御アルゴリズムに該当する動作を行う。
【0075】
ステップS530で、過負荷制御装置400は、基地局制御機210に過負荷が発生したと判断されると、基地局制御機210の過負荷をマイナー等級、メイジャー等級、及び臨界等級に分類する。ここで、マイナー等級は基地局制御機210の過負荷が弱い状態であり、臨界等級は基地局制御機210の過負荷が最も激しい状態を示す。したがって、マイナー等級の許容送信出力比率パラメータはメイジャー等級の許容送信出力比率パラメータより高く設定でき、メイジャー等級の許容送信出力比率パラメータは臨界等級の許容送信出力比率パラメータより高く設定できる。
【0076】
過負荷制御装置400は、分類された過負荷等級に応じて過負荷を制御する許容送信出力比率パラメータを別に設定できる。これは過負荷程度に応じてシステムの資源を効率的に管理するためである。
【0077】
ステップS540で、過負荷等級がマイナー等級であれば、基地局制御機210に収容されている全ての基地局220乃至270の許容送信出力比率パラメータを予め設定されたマイナー許容送信出力比率と設定する。
【0078】
ステップS550で、過負荷等級がメイジャー等級であれば、基地局制御機210に収容されている全ての基地局220乃至270の許容送信出力比率パラメータを予め設定されたメイジャー許容送信出力比率と設定する。
【0079】
ステップS560で、過負荷等級が臨界等級であれば、基地局制御機210に収容されている全ての基地局220乃至270の許容送信出力比率パラメータを予め設定された臨界許容送信出力比率と設定する。
【0080】
ステップS570で、過負荷制御装置400は、過負荷等級に対応する許容送信出力比率パラメータに応ずる許容送信電力より総送信出力の高い基地局に対してだけ新規呼の設定を制限する制御信号を生成して基地局制御機210に伝送する。
【0081】
したがって、相対的にトラフィックの多い基地局に対して集中的な呼制御を行うことにより、迅速で効率的に基地局制御機210の過負荷を制御できる。
【0082】
本発明の方法は、プログラムで具現されてコンピュータで読み込むことができる記録媒体(CD−ROM、RAM、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなど)に格納することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明に係る過負荷制御装置及び方法は基地局制御機にて過負荷の発生時、過負荷誘発地域の基地局に対して集中的な呼制御を行うことにより、迅速で効率的に過負荷を制御できる効果がある。
【0084】
本発明は、基地局制御機における効率的な過負荷制御により、出力増幅器の劣化及び予め設定されている呼に対する品質低下等を防止できる効果がある。
【0085】
以上では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更することができることを理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】従来の基地局制御機における過負荷を制御する方法を説明するための図面である。
【図2】本発明の一実施例による基地局制御機における過負荷を制御する方法を説明するための図面である。
【図3】本発明の一実施例による基地局制御機における過負荷を制御する方法を説明するための図面である。
【図4】本発明の一実施例による過負荷制御装置のブロック構成図である。
【図5】本発明の一実施例による過負荷制御方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
210:基地局制御機
220〜270:基地局
400:過負荷制御装置
410:負荷測定部
420:過負荷判断部
430:パラメータ設定部
440:呼接続設定制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおける過負荷制御装置であって、
予め設定された時間ごとに基地局制御機の負荷情報を測定する負荷測定部と、
前記負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して過負荷が発生したか否かを判断する過負荷判断部と、
前記判断の結果、過負荷が発生した場合は過負荷程度に応じて前記基地局制御機に収容された各基地局の許容送信出力比率パラメータを設定するパラメータ設定部であって、前記許容送信出力比率は基地局の許容送信出力に対する最大送信出力比率である、パラメータ設定部と、
前記基地局制御機に収容されている全ての基地局のうち、基地局の総送信出力値が前記基地局の許容送信出力比率パラメータにより設定された許容送信出力値を超える基地局の新規呼接続設定を制限するように、前記基地局制御機に呼接続設定制御信号を伝送する呼接続設定制御部と、を含む過負荷制御装置。
【請求項2】
前記負荷情報は、前記基地局制御機に収容されている各基地局に流入されて設定された呼に関する情報、前記基地局制御機の総送信出力情報であることを特徴とする請求項1に記載の過負荷制御装置。
【請求項3】
前記許容送信出力比率パラメータは、前記基地局制御機の過負荷程度に応じて過負荷等級を分類し、前記過負荷等級により別に設定されることを特徴とする請求項1に記載の過負荷制御装置。
【請求項4】
前記過負荷制御装置は、前記基地局制御機の一部として構成されるか、または別途の装置で構成されて前記基地局制御機と連動することを特徴とする請求項1に記載の過負荷制御装置。
【請求項5】
移動通信システムにおける過負荷を制御する方法であって、
予め設定された時間ごとに負荷情報を測定するステップと、
前記負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して過負荷が発生したか否かを判断するステップと、
前記判断の結果、過負荷が発生した場合は過負荷程度に応じて基地局制御機に収容された各基地局の許容送信出力比率パラメータ値を設定するステップであって、前記許容送信出力比率は基地局の許容送信出力に対する最大送信出力比率であるステップと、
前記基地局制御機に収容されている全ての基地局のうち、基地局の総送信出力値が前記基地局の許容送信出力比率パラメータ値により設定された許容送信出力値を超える基地局の新規呼接続設定を制限するように、前記基地局制御機に呼接続設定制御信号を伝送するステップと、を含む過負荷制御方法。
【請求項6】
前記予め設定された時間ごとに負荷情報を測定するステップは、
前記基地局制御機に収容されている各基地局に流入されて設定された呼に関する情報または前記基地局制御機の総送信出力情報を受信するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の過負荷制御方法。
【請求項7】
許容送信出力比率パラメータ値を設定するステップは、
前記基地局制御機の過負荷程度に応じて過負荷等級を分類し、前記過負荷等級に応じて総許容送信出力比率パラメータを設定することを特徴とする請求項5に記載の過負荷制御方法。
【請求項8】
移動通信システムで過負荷を制御する方法を実行する類型化された命令語からなったプログラムが記録された電子装置より判読できる記録媒体であって、
予め設定された時間ごとに負荷情報を測定するステップと、
前記負荷情報と予め設定された臨界値とを比較して過負荷が発生したか否かを判断するステップと、
前記判断の結果、過負荷が発生した場合は過負荷程度に応じて基地局制御機に収容された各基地局の許容送信出力比率パラメータ値を設定するステップであって、前記許容送信出力比率は基地局の許容送信出力に対する最大送信出力比率であるステップと、
前記基地局制御機に収容されている全ての基地局のうち、基地局の総送信出力値が前記基地局の許容送信出力比率パラメータ値により設定された許容送信出力値を超える基地局の新規呼接続設定を制限するように、前記基地局制御機に呼接続設定制御信号を伝送するステップと、を含む過負荷制御方法を実行するプログラムが記録された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−522918(P2009−522918A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549437(P2008−549437)
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【国際出願番号】PCT/KR2007/004461
【国際公開番号】WO2008/054065
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(503470584)ケーティーフリーテル・カンパニー・リミテッド (38)
【Fターム(参考)】