説明

道路区間を表示するための方法およびデバイス、並びにマップデータベースを提供する方法

【課題】道路区間を表示するための方法およびデバイスを提供すること。
【解決手段】上記方法は、道路ネットワークについての情報を道路ベクトルデータ形式で格納するマップデータベースを使用する。追加のパラメータ値は、道路区間のサブセットに対して格納される。道路区間に対する方向ベクトル(68)およびパラメータ値についての情報が検索される。パラメータ値に基づいて、道路区間(69)が、その方向ベクトルに沿う位置の関数としての形状(70)のバリエーションを示すか否かが決定される。道路区間(69)のグラフィック表示は、検索されたパラメータ値と方向ベクトル(68)とに基づいて生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、光学出力デバイスを介して道路区間を表示するための方法およびデバイス、並びにマップデータベースを提供する方法に関する。本発明は、特に、道路ネットワークについての情報を道路ベクトルデータ形式で格納するマップデータベースを用いて、乗り物ナビゲーションにおいて道路ネットワークの部分を表示するために利用され得る方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
近年、ナビゲーションデバイスは、乗り物に固定的または取り外し可能に設置され得る乗り物の装備として広く使用される。ナビゲーションデバイスは、ルート計画においてドライバーを支援し、道路ネットワークの部分についての情報だけではなく、運転方向を提供する。道路ネットワークの部分のグラフィック表示を提供するために、マップデータベースがアクセスされる。
【0003】
道路区間のグラフィック表示を生成するために利用され得る道路区間についての情報は、さまざまな形でマップデータベースに格納され得る。頻繁に、道路ベクトルデータ形式が使用される。道路は、一連の線形道路区間によって近似され、線形道路区間の各々は、方向ベクトルを有する。この場合に、湾曲した道路は、複数の道路区間に分割され得、複数の道路区間の各々は、本質的に一直線であるように近似され得る。ベクトル表示を利用するマップデータベースの異なる変形が既知である。
【0004】
道路ネットワークの一部分が表示されるべきである場合に、表示されるべきである道路区間の方向ベクトルについての情報は、マップデータベースから検索される。方向ベクトルに基づいて、道路区間の実例は、ディスプレイデバイス上に生成される。頻繁に、道路区間の実例は、道路区間が平面図において矩形形状を有し、すなわち、道路区間が方向ベクトルに与えられるその長手方向軸に沿う一様な幅を有する仮定に基づいて生成される。平面図において、道路区間の実例は、次に矩形形状を有するように生成される。パノラマ図または透視図において、ディスプレイデバイス上の道路ネットワークの実例は、透視の歪みのために、幅のバリエーションを示し、その一方で、透視図は、なお道路区間がその方向ベクトルに沿う一様な幅を有する仮定に基づいて生成される。幅は、それぞれ、属性としてマップデータベースに格納され得、または道路区間が属する道路の道路クラス属性に基づいて決定され得る。
【0005】
平面図において、方向ベクトルによって規定される道路区間が、概ね矩形形状を有し、その方向ベクトルに沿って均一である仮定は、多くの道路区間に対して受け入れ可能であり得るが、いくつかの場合において、道路区間をより高い詳細度で表示することが望ましくあり得る。例示として、乗り物が出ることを可能にしない1つの終端を有する道路に対して、乗り物のドライバーにとって、道路区間の終端に近接の道路境界についての追加情報を得ることが望ましくあり得る。特に、乗り物のドライバーにとって、行き止りの道路の終端において転回エリアがあるか否かを知ることが望ましくあり得る。道路の終端において道路の形状についてのいくつかの追加情報は、転回エリアを複数の本質的に一直線の道路区間に分けること、および対応する方向ベクトルをマップデータベースに格納することによって提供され得るが、このアプローチは、記憶スペースに対して図を有することが望ましくない場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
技術分野において、道路区間を表示するための方法およびデバイス、並びに上記のニーズを的にするマップデータベースを提供する方法に対するニーズがある。特に、技術分野において、道路区間がより高い詳細度で表示されることを可能にするそのような方法およびデバイスに対するニーズがある。技術分野において、より多くのさまざまな道路区間の形状が適度のレベルにおいて表示されることを可能にするために要求される追加記憶スペースを保つ方法およびデバイスに対するニーズもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
これらのニーズおよび他のニーズは、独立請求項によって規定されるような方法およびデバイスによって的にされる。従属請求項は、実施形態を規定する。
【0008】
1つの局面に従って、光学出力デバイスを介して道路区間を表示する方法が提供される。方法は、道路ネットワークについての情報を道路ベクトルデータ形式で格納したマップデータベースを使用し、道路区間は、マップデータベースにおいてそれぞれ、ベクトルによって示される。光学出力デバイスを介して出力するための道路区間が識別される。識別された道路区間の方向ベクトルと、識別された道路区間に関連するパラメータ値についての情報は、マップデータベースから検索される。識別されたパラメータ値に基づいて、方向ベクトルに規定される道路区間の方向に沿う、識別された道路区間の形状のバリエーションが選択的に決定される。光学出力デバイスを介して出力するための道路区間のグラフィック表示は、方向ベクトルと、利用可能であるなら、決定された形状のバリエーションとについての情報に基づいて生成される。
【0009】
方法において、道路区間に関連するパラメータ値は、道路区間の方向ベクトルを示す、2タプルによって規定されるベクトルとして道路区間を格納するマップデータベースから検索される。道路区間の長手方向に沿う形状のバリエーションは、検索されたパラメータ値に基づいて決定され得る。これは、道路区間の形状の変更、特に、道路区間のグラフィック表示を生成する場合に、考慮を取り入れられるべきである、方向ベクトルによって規定されるような道路区間の長手方向軸に沿う幅の変更を可能にする。道路区間を表示するのにおいてこの高めた汎用性を提供するために要求された追加の記憶スペースは、適度のレベルに保たれる。なお、道路は、一系列の方向ベクトルによって示され得、方向ベクトルと一直線の道路区間との間に1対1の対応であるが、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間のような具体的な道路区間は、それぞれの道路区間の方向ベクトルに沿う形状のバリエーションを考慮するためのパラメータ値を提供される。
【0010】
用語「選択的に決定すること」、「選択的に決定する」およびそれらの類似は、検索されたパラメータ値に依存するように解釈されるべきであり、常に、形状のバリエーションを決定することが要求されまたは可能ではない場合もある。例示として、道路区間がその方向ベクトルに沿う位置の関数としての一定の幅を有することを示すパラメータ値があり得、道路区間がその方向ベクトルに沿う位置の関数としての変化する形状を有することを示す他のパラメータ値があり得る。形状のバリエーションは、パラメータ値が、道路区間の形状が道路区間の長手方向軸に沿って変わることを示すようである場合にのみ決定され得る。
【0011】
道路区間のグラフィック表示は、ナビゲーション装置のディスプレイデバイス上に生成され得る。グラフィック表示は、平面図の一部分として、または透視図の一部分として生成され得る。
【0012】
検索されたパラメータ値に基づいて、道路区間の終端部分での転回エリアのグラフィック表示は、決定された形状のバリエーションに従って生成され得る。このような情報は、ドライバーにとって、行き止りの道路に進入すべきか否かを決定するのに役に立つ。
【0013】
形状のバリエーションを選択的に決定するために利用されるパラメータ値は、全道路区間に対して検索される必要がない。方法は、マップデータベースに基づいて、識別された道路区間が、乗り物が識別された道路区間を出ることを可能にしない終端を有するか否かを決定することを含み得る。パラメータ値は、識別された道路区間が、乗り物が識別された道路区間を出ることを可能にしない終端を有する場合にのみ、選択的に検索され得る。同様に、形状のバリエーションは、識別された道路区間が、乗り物が識別された道路区間を出ることを可能にしない終端を有する場合にのみ、選択的に決定され得る。道路区間が、その終端において他の道路区間に連接されるか否かについての情報は、道路ベクトルデータ形式を有するマップデータベースから容易に利用可能である。
【0014】
マップデータベースは、それぞれ、道路区間を含む道路に関連するデータフィールドを含み得る。データフィールドは、それぞれの道路区間の方向ベクトルについての情報を含み得る。それぞれの道路区間が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する場合に、関連するデータフィールドは、乗り物が出ることを可能にしない終端でのテンプレート形状を表すパラメータ値をさらに含み得る。テンプレート形状は、複数のテンプレート形状のうちの1つであり得る。データフィールドは、関連する道路区間が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間である場合にのみ、パラメータ値を含み得る。
【0015】
検索されたパラメータ値に基づいて、識別された道路区間に関連する少なくとも1つのさらなるパラメータ値は、マップデータベースから選択的に検索され得る。形状のバリエーションは、検索されたパラメータ値と少なくとも1つのさらなるパラメータ値とに基づいて決定され得る。少なくとも1つのさらなるパラメータ値は、例えば、表示されるべきである転回エリアの形状においてより多い変形を可能にする。
【0016】
パラメータ値は、例えば、道路区間の終端での転回エリアの形状を示す形状テンプレートを表し得る。形状テンプレートの有限集合があり得る。形状テンプレートは、道路区間の多辺形の延長、道路区間の正方形の延長、楕円形または円形の境界部分を有する延長、または他の形状を含み得る。少なくとも1つのさらなるパラメータ値は、パラメータ値によって規定されるようなテンプレート形状の寸法を定量化し得る。
【0017】
検索されるべきいくつかの少なくとも1つのさらなるパラメータ値は、検索されたパラメータ値に基づいて決定され得る。これは、マップデータベースが、道路区間に関連するデータフィールドがパラメータ値によって示される形状のバリエーションをさらに規定するために要求されたさらなるパラメータ値のみを含むように構成されることを可能にする。
【0018】
道路区間の方向ベクトルに沿う位置の関数としての識別された道路区間の幅のバリエーションは、検索されたパラメータ値と少なくとも1つのさらなるパラメータ値とに基づいて決定され得る。幅は、検索されたパラメータ値と少なくとも1つのさらなるパラメータ値とに基づいて、道路区間に沿う長手方向の位置の関数として決定され得る。インプリメンテーションにおいて、検索されたパラメータ値は、幅が方向ベクトルに沿う位置の関数として連続的に、または断続的に変わるか否かを決定するために利用され得る。インプリメンテーションにおいて、検索されたパラメータ値は、方向ベクトルの位置の関数としての道路区間の幅が、平面図において道路区間が対称または非対称の形状を有するように変わるか否かを決定するために利用され得る。インプリメンテーションにおいて、検索されたパラメータ値および少なくとも1つのさらなるパラメータ値は、方向ベクトルに沿う位置の関数に比例する道路区間の境界の位置を決定するために利用され得る。それによって、多くの転回エリアまたは道路ネットワークにおいて従来的に見つけられる他の道路区間の延長の現実的な表示が生成され得、その一方で、適度の追加データ量のみは、マップデータベースに格納されなければならない。
【0019】
識別された道路区間が形状のバリエーションを示す識別された道路区間の区域の長さは、少なくとも1つのさらなるパラメータ値に基づいて決定され得る。
【0020】
道路区間のグラフィック表示は、検索されたパラメータ値に基づいて、グラフィック表示が湾曲した部分を有する境界を選択的に示すように生成され得る。それによって、転回エリアのような道路区間の延長は、それらが平坦に湾曲した境界を有する場合にさえ、現実的な方式で表示され得る。
【0021】
識別された道路区間に対する検索されたパラメータ値は、識別された道路区間の形状のバリエーションを決定するための値の有限集合と比較され得る。値の集合に含まれるさまざまな値は、異なる形状テンプレートを表し得る。さまざまな値は、数字の値、アルファベットと数字を組み合わせた値、記号列の値または他の適切な値であり得る。インプリメンテーションにおいて、マップデータベースは、乗り物が道路区間を出ることを可能にしない終端を有する道路区間に対する値の有限集合から選択されたパラメータ値を格納し得る。
【0022】
パラメータ値と、適用可能であるなら、少なくとも1つのさらなるパラメータ値とは、道路区間を表示するために使用され得るだけではない。情報はまた、ルートサーチ、警告信号を出力することまたは他のナビゲーション目的のために使用され得る。例示として、レート決定ためのコストモデルは、検索されたパラメータ値に基づいて調整され得、ルートサーチは、調整されたコストモデルに基づいて行われ得る。コストモデルを調整するために、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間のコスト値は、パラメータ値と少なくとも1つのさらなるパラメータ値とによって規定されるような転回エリアの形状および/または寸法に基づいて増大され得る。コストモデルを調整することは、パラメータ値と少なくとも1つのさらなるパラメータ値とによって規定されるような転回エリアの形状および/または寸法を少なくとも1つの乗り物の寸法と比較することを含み得る。
【0023】
もう1つの局面において、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、命令コードを含み、命令コードが計算デバイスのプロセッサによって実行される場合に、命令コードは、プロセッサに、本明細書において説明される任意の局面または実施形態の道路区間を表示する方法を行うように指示する。コンピュータプログラム製品は、記憶媒体、特に非一時的記憶媒体上に格納された命令コードによってインプリメントされ得る。
【0024】
もう1つの局面に従って、道路区間を表示するためのデバイスが提供される。デバイスは、道路区間がそれぞれ、ベクトルによって示される道路ベクトルデータ形式で道路ネットワークについてのマップデータ情報を格納するように構成された記憶デバイスを含む。デバイスは、光学出力デバイスを含む。デバイスは、プロセッサを含み、プロセッサは、光学出力デバイスを介して出力するために、道路区間を識別し、記憶デバイスから、識別された道路区間の方向ベクトルと、識別された道路区間に関連するパラメータ値とについての情報を検索し、検索されたパラメータ値に基づいて、方向ベクトルについての情報によって規定される方向に沿う識別された道路区間の形状のバリエーションを選択的に決定し、識別された道路区間のグラフィック表示を生成するために、方向ベクトルについての情報と、利用可能であるなら、決定された形状のバリエーションとに基づいて、光学出力デバイスを制御するように構成される。
【0025】
デバイスにおいて、道路区間に関連するパラメータ値は、道路区間をベクトルとして格納する記憶デバイスから検索される。デバイスの動作時に、プロセッサは、検索されたパラメータ値に基づいて、方向ベクトルに沿う形状のバリエーションを決定する。これは、道路区間の形状の変更、特に、道路区間のグラフィック表示を生成する場合に、考慮を取り入れられるべきである道路区間の方向ベクトルに沿う幅の変更を可能にする。
【0026】
道路区間を表示するのにおいてこの高めた汎用性を提供するために要求された追加の記憶スペースは、適度のレベルに保たれる。
【0027】
デバイスは、任意の局面または実施形態に従って方法を行うように構成され得る。
【0028】
デバイスは、乗り物に設置されるナビゲーションデバイスとして構成され得、または乗り物に設置されるように構成され得る。
【0029】
もう1つの局面に従って、乗り物ナビゲーションに対するマップデータベースを提供する方法が提供される。マップデータベースは、方向ベクトルがそれぞれ、複数の道路区間に対してマップデータベースに格納されるタイプである。方向ベクトルを有する道路区間についての情報が検索される。情報は、道路区間の境界についての情報を含む。境界についての情報に基づいて、道路区間は、方向ベクトルによって規定されるような道路区分の方向に沿う形状のバリエーションを示すか否かが決定される。道路区間が形状のバリエーションを示す場合に、パラメータ値は、形状のバリエーションに基づいてパラメータ値の有限集合から選択され、道路区間に割り当てられる。選択されたパラメータ値は、道路区間の属性として、マップデータベースに格納される。
【0030】
この方法によって提供されるマップデータベースは、さまざまな局面および実施形態に従って道路区間を表示するための方法およびデバイスにおいて利用され得る。特に、方法は、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間がパラメータ値に割り当てられるマップデータベースを提供するように利用され得、パラメータ値は、テンプレート形状を表し、道路区間を表示するのにおいてその後の使用のために、マップデータベースに格納される。
【0031】
方向ベクトルに沿う位置の関数としての道路区間の幅のバリエーションは、道路区間が形状のバリエーションを示すか否かを確立するために決定され得る。幅のバリエーションは、道路区間が形状のバリエーションを示すか否かを決定するために、閾値と比較され得る。
【0032】
インプリメンテーションにおいて、道路区間の幅のバリエーションは、道路区間が終端において乗り物が道路区間を出ることを可能にしない終端を有する場合のみ、モニターされ得る。この場合に、幅のバリエーションは、乗り物が出ることができない終端の近位においてモニターされ得る。それによって転回エリアの特性が識別され得る。
【0033】
道路区間の境界の特性が決定され得、決定された特性に基づいてパラメータ値が選択され得る。決定された特性は、道路区間の境界が方向ベクトルによって規定された道路区間の長手方向軸に対して対称であるか否かについての情報、境界の曲率半径についての情報、および道路区間が簡単に接続されたエリアを規定するか否かについての情報のうちの1つ以上を含み得る。道路区間が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する場合に、道路区間の終端領域の形状は、複数の所定の形状テンプレートと比較され得、パラメータ値は、比較に基づいて割り当てられ得る。
【0034】
少なくとも1つのさらなるパラメータ値は、道路区間の境界についての情報に基づいて決定され得る。少なくとも1つのさらなるパラメータ値は、転回エリアの寸法または他の道路区間の延長、例えば、転回エリアの長さおよび幅を定量化し得る。
【0035】
上記の特徴および以下になお説明されるべきそれらは、それぞれの示された組み合わせにおいて使用され得るだけではなく、むしろ他の実施形態は、他の組み合わせまたは単独のそれらの特徴を含み、インプリメントされ得ることが理解されるべきである。
【0036】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
道路区間(69;72、74、76)を表示する方法であって、該方法は、道路ネットワークについての情報(6〜8、11〜14)を道路ベクトルデータ形式で格納するマップデータベース(3)に基づいて、光学出力デバイス(4)を介して、特に、ナビゲーション装置のディスプレイデバイスを介して表示し、道路区間は、それぞれ、ベクトル(21、22、21a、22a、21b、22b、24、25、29、34、35)によって示され、該方法は、
該光学出力デバイス(4)を介して出力するために、道路区間(69;72、74、76)を識別することと、
該マップデータベース(3)から、該識別された道路区間(69;72、74、76)の方向ベクトル(24、25、34、35)と、該識別された道路区間(69;72、74、76)に関連するパラメータ値(26、36)とについての情報を検索することと、
該検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、該方向ベクトル(24、25、34、35)に沿う位置の関数としての該識別された道路区間(69;72、74、76)の形状(70;73、75)のバリエーションを選択的に決定することと、
該方向ベクトル(24、25、34、35)についての該情報と、利用可能であるなら、該決定された形状(70;73、75)のバリエーションとに基づいて、該光学出力デバイス(4)を介して出力するための該道路区間(69;72、74、76)のグラフィック表示を生成することと
を含む、方法。
(項目2)
上記パラメータ値(26、36)は、テンプレート形状(41〜49;73、75、79)の有限集合から選択されたテンプレート形状(41〜49;73、75、79)を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3)
上記テンプレート形状(41〜49;73、75、79)の有限集合のうちの各テンプレート形状(41〜49;73、75、79)は、転回エリアの形状を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記グラフィック表示を生成することは、上記決定された形状のバリエーションに従って、上記道路区間(69;72、74)の終端部分での転回エリア(70;73、75)のグラフィック表示を生成することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記方法は、上記マップデータベース(3)に基づいて、上記識別された道路区間が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有するか否かを決定することを含み、該識別された道路区間(69;72、74、76)が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する場合に、上記パラメータ値(26、36)を検索することと、上記形状のバリエーションを決定することとが、選択的に行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記マップデータベース(3)は、乗り物がそれぞれの道路区間(69;72、74、76)を出ることを可能にしない終端を有する道路区間(69;72、74、76)に関連するデータフィールド(7、8;13、14)を含み、該データフィールド(7、8;13、14)の各々は、該それぞれの道路区間(69;72、74、76)の方向ベクトル(24、25、34、35)と、上記パラメータ値(26、36)とについての情報を含み、該パラメータ値(26、36)は、テンプレート形状(41〜49;73、75、79)を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記方法は、上記検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、上記マップデータベース(3)から、上記識別された道路区間(69;72、74)に関連する少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)を選択的に検索することを含み、上記形状のバリエーションは、該検索されたパラメータ値(26、36)と、該検索された少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)とに基づいて決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
いくつかの上記検索された少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)は、上記検索されたパラメータ値(26、36)の関数である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
上記識別された道路区間(69;72、74)の方向ベクトル(68)に沿う位置の関数としての該識別された道路区間(69;72、74)の幅のバリエーションは、上記検索されたパラメータ値(26、36)と、上記少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)とに基づいて決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
上記識別された道路区間(69;72、74)が上記形状のバリエーションを示す該道路区間(69;72、74)の区域(70;73、75)の長さ(52;55;57;63)は、上記少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)に基づいて決定される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
上記道路区間の上記グラフィック表示は、上記検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、湾曲した部分(65、66、67)を有する境界を選択的に示すように生成される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
上記識別された道路区間(69;72、74、76)に対する、上記検索されたパラメータ値(26、36)は、該識別された道路区間(69;72、74、76)の上記形状(70;73、75)のバリエーションを決定するための値の有限集合と比較され、該値の有限集合の各々は、テンプレート形状の有限集合のうちの1つのテンプレート形状(40〜49)に関連する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
上記方法は、上記検索されたパラメータ値(26、36)に基づいてルート決定のためのコストモデルを調整することと、該調整されたコストモデルに基づいてルート決定を行うこととを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
プログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能媒体であって、該プログラムは、計算デバイス(1)のプロセッサ(2)によって実行される場合に、該プロセッサ(2)に上記項目のいずれか一項に記載の方法を行うように指示する、コンピュータ読み取り可能媒体。
(項目14A)
命令コードを含むコンピュータプログラム製品であって、該命令コードが計算デバイス(1)のプロセッサ(2)によって実行される場合に、該命令コードは、該プロセッサ(2)に上記項目のいずれかに記載の方法を行うように指示する、コンピュータプログラム製品。
(項目15)
デバイスであって、特に、道路区間(69;72、74、76)を表示するために、乗り物のナビゲーション装置として構成されるデバイスであって、該デバイスは、
道路ネットワークについてのマップデータ情報(6〜8、11〜14)を道路ベクトルデータ形式で格納するように構成される記憶デバイス(3)であって、道路区間は、それぞれ、ベクトル(21、22、21a、22a、21b、22b、24、25、29、34、35)によって示される、記憶デバイス(3)と、
光学出力デバイス(4)と、
プロセッサ(2)と
を含み、
該プロセッサ(2)は、
該光学出力デバイス(4)を介して出力するために、道路区間(69;72、74、76)を識別することと、
該記憶デバイス(3)から、該識別された道路区間(69;72、74、76)の方向ベクトル(68)と、該識別された道路区間(69;72、74、76)に関連するパラメータ値(26、36)とについての情報を検索することと、
該検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、該方向ベクトル(68)に沿う位置の関数としての該識別された道路区間(69;72、74、76)の形状のバリエーションを選択的に決定することと、
該識別された道路区間(69;72、74、76)のグラフィック表示を生成するために、該方向ベクトル(68)についての該情報と、利用可能であるなら、該決定された形状(70;73、75)のバリエーションとに基づいて、該光学出力デバイス(4)を制御することと
を行うように構成される、デバイス。
(項目16)
上記プロセッサ(2)は、上記識別された道路区間(69;72、74、76)が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有するか否かを決定するようにさらに構成される、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目17)
上記プロセッサ(2)は、上記識別された道路区間(69;72、74、76)が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する場合に、上記パラメータ値(26、36)を選択的に検索するように構成される、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目18)
上記デバイスは、上記項目のいずれか一項に記載の方法を行うように構成される、上記項目のいずれかに記載のデバイス。
(項目19)
乗り物ナビゲーションのためのマップデータベース(3)を提供する方法であって、方向ベクトル(21、22、21a、22a、21b、22b、24、25、29、34、35;68)は、複数の道路区間(69;72、74、76)に対して、それぞれ、該マップデータベース(3)に格納され、該方法は、
方向ベクトル(68)を有する道路区間(69;72、74、76)についての情報を受信することであって、該情報は、該道路区間の境界についての情報を含む、ことと、
該境界についての該情報に基づいて、該道路区間(69;72、74、76)が該方向ベクトル(68)に沿う形状(70;73、75)のバリエーションを示すか否かを決定することと、
該道路区間が該形状(70;73、75)のバリエーションを示す場合に、該境界についての該情報に基づいてパラメータ値の有限集合からパラメータ値(26、36)を選択し、該道路区間(72、74、76)に関連する該選択されたパラメータ値(26、36)を該マップデータベース(3)に格納することと
を含む、方法。
(項目20)
上記選択されたパラメータ値(26、36)は、テンプレート形状(41〜49;73、75、79)の有限集合から選択されたテンプレート形状(41〜49;73、75、79)を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0037】
(摘要)
道路区間を表示するための方法およびデバイスが提供される。上記方法は、道路ネットワークについての情報を道路ベクトルデータ形式で格納するマップデータベースを使用する。追加のパラメータ値は、道路区間のサブセットに対して格納される。道路区間に対する方向ベクトル(68)およびパラメータ値についての情報が検索される。パラメータ値に基づいて、道路区間(69)が、その方向ベクトルに沿う位置の関数としての形状(70)のバリエーションを示すか否かが決定される。道路区間(69)のグラフィック表示は、検索されたパラメータ値と方向ベクトル(68)とに基づいて生成される。
【0038】
実施形態は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、実施形態に従って道路区間を表示するためのデバイスの概略的ブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、図1のデバイスのマップデータベースの概略的ダイヤグラムである。
【図3A】図3Aは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3B】図3Bは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3C】図3Cは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3D】図3Dは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3E】図3Eは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3F】図3Fは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3G】図3Gは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3H】図3Hは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3I】図3Iは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図3J】図3Jは、実施形態に従って道路区間を表示する方法を例示するためのテンプレート形状の概略的例示である。
【図4】図4Aは、道路区間の方向ベクトルを例示する。図4Bは、実施形態に従って生成された道路区間のグラフィック表示を例示する。
【図5】図5は、実施形態に従うデバイスおよび方法を用いて生成された道路ネットワークのグラフィック表示を例示する。
【図6】図6は、実施形態に従って道路区間を表示する方法のフローダイヤグラム表示である。
【図7】図7は、実施形態ではない代替的な手順に従う転回エリアの表示を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書の以後に、本発明の実施形態は、図面を参照して説明される。本発明は、本明細書において説明される具体的な実施形態に限定されず、さまざまな実施形態の特徴は、他に明確に述べなければ、互いに組み合わせ得ることが理解されるべきである。
【0041】
実施形態の説明は、例示の目的のために与えられ、限定する意味を取り入れられるべきではない。図面は、概略的表示のみであるように見なされるべきである。図面に示される、例示された機能ブロックまたはユニットは、これらのユニットが物理的別個のユニットとして必要にインプリメントされることを示すように構成されるべきではない。幾分、示され、または説明される機能ブロックまたはユニットは、別個のユニットとしてインプリメントされ得、または集積ユニットに組み合わせ得る。機能ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせでインプリメントされ得る。
【0042】
本発明の実施形態に従って、道路区間を表示するための方法およびデバイスが提供される。方法およびデバイスは、道路ベクトルデータ形式を有するマップデータベースを利用し、道路は、マップデータベースにおいて、1つの道路区間または一連の連続した道路区間によって示され、道路区間の各々は、ベクトルによって示される。実施形態に従って、マップデータベースは、少なくとも道路区間のサブセットに対する、マップデータベース内に格納されたパラメータを有する。実施形態において、マップデータベースは、乗り物が道路区間を出ることを可能にしない終端を有する道路区間に対して、例えば、行き止りの街道の最後の道路区間の場合に、追加パラメータを格納し得る。パラメータ値は、乗り物が出ることを可能にしない終端において、道路区間の外側境界の形状を規定する。
【0043】
図1は、道路区間を表示するためのデバイス1のブロックダイヤグラムを示す。デバイス1は、プロセッサ2と、マップデータベース3と、プロセッサ2に連結された光学出力デバイス4と、命令集合5とを含む。マップデータベース3と、光学出力デバイス4と、命令集合5とは、それぞれ、プロセッサ2に連結される。マップデータベース3と、命令集合5とは、1つの物理的記憶デバイス内に格納され得る。光学出力デバイス4は、例えば、ディスプレイスクリーンまたは光学投影デバイスとしてインプリメントされ得る。デバイス1は、ナビゲーションデバイスであり得、現在の乗り物の位置を決定するための位置決めユニット、交通情報メッセージを受信するための受信器、拡声器、またはナビゲーションデバイス内に集積され得る他のユニットのような追加部品を含み得る。
【0044】
マップデータベース3は、道路ベクトルデータ形式で道路区間に関連するデータを格納する。データは、複数のデータフィールド6〜8またはデータベースのエントリの形であり得、データフィールド6〜8またはデータベースのエントリの各々は、道路または道路区間に関連する。概して、各道路区間は、1つのベクトルとしてマップデータベース内に格納され、その結果、一連の連続した道路区間によって形成された道路は、一系列のベクトルとして示される。道路区間に対応するデータは、少なくとも道路区間の方向ベクトルについての情報を含む。道路または道路区間の幅または機能道路クラスを定量化する追加情報は、データフィールド6〜8内に含まれ得、または別個に格納され得る。乗り物が出ることを可能にしない1つの終端を有する道路区間のような、道路区間の具体的なサブセットのうちの少なくも1つを含む道路に対応する少なくともいくつかのデータフィールド7、8は、それぞれの道路区間がその一部分において延長を含むか否かを指定する追加情報を含み、延長は、平面図において、道路区間の形状が矩形形状とかなり異なることをさせる。データフィールド7、8は、延長の形状および/または延長の寸法を指定する属性の形のさらなる情報を含み得る。
【0045】
1つのインプリメンテーションにおいて、マップデータベース3は、行き止りの道路に対応するデータフィールド7、8を含む。乗り物が出ることを可能にしない1つの終端を有する道路区間に対するデータは、道路区間の終端において転回エリアがあるか否かを表すパラメータ値を含み得る。このパラメータ値はまた、以下に「タイプのパラメータ値」と呼ばれる。タイプのパラメータ値は、値の有限集合から選択され得、値の各々は、転回エリアの複数の異なるテンプレート形状のうちの1つを示す。タイプのパラメータ値が、転回エリアがあることを示す場合に、データフィールドは、転回エリアの少なくとも1つの寸法を定量化するさらなるパラメータ値を含み得る。さらなるパラメータ値はまた、以下に「寸法のパラメータ値」と呼ばれる。
【0046】
デバイス1の動作時に、プロセッサ2は、道路区間が表示されるべきであることを決定する。道路区間がサブセットに属し、サブセットに対して、マップデータベース3が道路区間の延長についての情報を格納する場合に、プロセッサ2は、データフィールド7、8からこの情報を検索する。延長の形状についての情報は、値の離散集合から選択されるタイプのパラメータ値を含み得る。道路区間のグラフィック表示を生成するために、プロセッサ2は、タイプのパラメータ値を検索し得る。次に、プロセッサ2は、マップデータベース3から検索されたタイプのパラメータ値に基づいて、光学出力ユニット4を制御し得る。
【0047】
例えば、乗り物が出ることを可能にしない1つの終端を有する道路区間のグラフィック表示を生成するために、プロセッサ2は、検索されたタイプのパラメータ値に基づいて、それぞれの道路区間の外側境界を決定し得る。利用可能であるなら、さらなるパラメータ値はまた、それぞれの道路区間の外側境界を決定するために利用され得る。道路ネットワークの平面図に対して、道路区間のグラフィック表示は、道路区間がその長さの一部分に沿う矩形形状を有し、ただし方向ベクトルに沿う位置の関数としての変化する幅を有する他の部分を有するように生成され得る。対応して、プロセッサ2は、表示するための透視図を生成場合に、道路区間の変化する幅を考慮し得る。プロセッサ2は、タイプのパラメータ値と、利用可能であるなら、寸法のパラメータ値とを用いて、方向ベクトルに沿う位置の関数としての幅のバリエーションを決定し得る。
【0048】
道路区間の実例がどのようにして生成されるべきである命令は、命令集合5から検索され得る。命令集合5は、さまざまなタイプのパラメータ値を有する道路区間の境界を規定する情報を含み得る。命令集合5は、道路区間の実例を生成するためのさまざまな手順を格納し得る。手順の各々は、1つの可能なタイプのパラメータ値に関連し得る。プロセッサ2は、表示されるべきである道路区間に関連するタイプのパラメータ値に基づいて手順のうちの1つを検索し得る。命令集合5から検索された手順は、道路区間のグラフィック表示を生成するために行使され得る。
【0049】
具体的なタイプのパラメータ値を有する道路区間が表示されるべきである方式を変えることが望まれる場合に、このような変更は、命令集合5を修正することによってインプリメントされ得る。例示として、命令集合5は、異なる可能なタイプのパラメータ値に関連する複数の手順を格納する場合に、具体的な寸法のパラメータ値に関連する手順のみは、この寸法のパラメータ値を有する道路区間がどのように表示されるのにおいて変更をインプリメントするために、命令集合5内に修正される必要がある。
【0050】
デバイス1において、行き止りの道路に対応する道路は、なおそれらの方向によって規定された1つまたは複数のベクトルの形で格納され得る。タイプのパラメータ値と、利用可能であるなら、道路区間の方向ベクトルに沿う末端の道路区間の形状の変更を決定するための寸法のパラメータ値とを利用することによって道路区間を表示する場合に、より高い詳細度が達成され得る。道路の他のサブセット、すなわち、行き止りの道路に対応しない道路に対して、プロセッサ2は、従来の方法で、例えば、これらの道路がそれらのベクトルに沿う一定の幅を有する仮定に基づいて、道路を形成する道路区間のグラフィック表示を生成し得る。
【0051】
マップデータベース3に格納された情報は、図2を参照してより詳細に説明される。図2は、図1のデバイス1において使用され得るマップデータベース3の概略的例示である。
【0052】
マップデータベース3は、複数のデータフィールド11〜14を含み、データフィールド11〜14の各々は、1つの道路に関連する。1つの道路に関連する全データが一緒にグループ化されるように、データが編成される必要がない。各道路は、1つまたは複数の道路区間を含む。各道路区間は、方向ベクトルによって規定される。方向についての情報は、ベクトル成分を指定する2タプルとして提供され得る。
【0053】
データフィールド11は、識別子と、2タプル、21と22、21aと22a、および21bと22bによってそれぞれに与えられた複数の方向ベクトルとを含む。データフィールド11によって示される道路は、乗り物がどちらかの側に道路を出得る一連の3つの連続した一直線の道路区間に対応する。同様に、データフィールド12は、1つの道路区間のみを有する道路に対応し、識別子と、道路区間の方向ベクトルとを含む。
【0054】
データフィールド13および14は、道路区間の方向ベクトルに沿う形状のバリエーションを示す道路区間を含む道路に関連する。例示として、データフィールド13および14は、行き止りの道路に対応し得る。パラメータ値とさらなるパラメータ値とは、道路区間の方向ベクトルに沿う形状のバリエーションを示す道路区間に対して、マップデータベース3内に格納される。
【0055】
データフィールド13は、道路に対する識別子23と、第1の道路区間の方向情報29と、第2の道路区間の方向情報24、25とを含む。第2の道路区間の終端点は、道路区間の形状のバリエーションを考慮するための追加情報を用いて提供される。データフィールド13は、値の有限集合から選択されたパラメータ値26を含み、方向ベクトル24、25に沿う道路区間の形状のバリエーションを指定する。形状のバリエーションは、例えば、方向ベクトルに沿う位置の関数としての幅のバリエーションに対応し得る。パラメータ値26は、複数のテンプレート形状に対して、道路区間の分類を提供し得る。
【0056】
さらなるパラメータ値27、28は、それぞれの道路区間に対してテンプレート形状の寸法についての情報を提供し得る。データフィールド13に含まれるいくつかのさらなるパラメータ値27、28は、パラメータ値26に依存して設定され得る。例示として、2つのさらなるパラメータ値27、28を要求する転回エリアのテンプレート形状であり得る。道路区間のグラフィック表示を規定するために、2つのさらなるパラメータ値27、28より多く要求する転回エリアの他のテンプレート形状であり得る。乗り物が出ることを可能にしない終端を有し、少しでも転回エリアを提供されない道路区間もあり得る。このタイプの道路区間に対して、タイプのパラメータ値は、道路区間がその終端において転回エリアを有しないことを示し得、しかしさらなるパラメータ値が格納される必要がない。
【0057】
データフィールド14は、データフィールド13のうちの1つに概して類似する情報を含む。データフィールド14は、識別子33、データフィールド14によって示される道路を形成する道路区間のみの方向ベクトル34、35と、方向ベクトル34、35によって規定される方向に沿う形状のバリエーションを指定するパラメータ値36とを有する。データフィールド14は、道路区間の終端部分の寸法を規定するための3つのさらなるパラメータ値37〜39を含む。
【0058】
追加情報は、データフィールド内に含まれ得る。例示として、道路クラスについての情報、道路幅についての情報または類似な情報はまた、データフィールドに含まれ得、または別個に格納され得る。
【0059】
マップデータベース3において、道路区間のサブセットは、例えば、乗り物が出ることができない終端を有する道路区間の形状のより大きな変形を考慮するための追加パラメータを提供され得る。このような構造を有するマップデータベースは、自動的に生成され得る。その結果、道路区間のサブセットが識別され得る。道路区間のサブセットは、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間に対応し得る。乗り物が道路区間を出ることができない終端部分においての道路区間の境界についての情報が検索され得る。境界についての情報は、例えば、地籍マップからまたは写真イメージまたはビデオイメージの同等評価に基づいて検索され得る。境界の特性が、自動的に決定され得る。特性を決定するために、1つまたは複数の以下:道路区間の長手方向の中央軸に対する終端部分の対称性または非対称性、終端部分が非対称である場合に、終端部分が長手方向軸の左または右に外側へさらに延長するか否か、ベクトル方向に沿う位置の関数としての道路区間の幅の不連続性、境界における鋭いエッジの存在、平坦に湾曲した境界部分の存在、および終端部分がエリアに単独に接続されるか否かを自動的に決定され得る。転回エリアの境界の形状に従って、タイプのパラメータ値は、値の有限集合から選択され得る。選択されたタイプのパラメータ値に依存して、いくつかのさらなるパラメータ値は、終端部分の寸法を定量化するために決定され得る。タイプのパラメータ値とさらなるパラメータ値とは、マップデータベースに格納され得る。タイプのパラメータ値とさらなるパラメータ値とを含むマップデータベースを提供するための方法は、電子計算デバイスによって行われ得る。
【0060】
図3A〜図3Jは、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間を分類するために使用され得る道路区間に対するさまざまなテンプレート形状の概略的表示である。マップデータベースにおいて、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間は、テンプレート形状のうちの1つを示すパラメータ値を提供され得る。それぞれの道路区間のグラフィック表示は、対応するテンプレート形状のように形状化された終端部分を有するように生成される。道路区間の方向ベクトルは、それぞれ、図3A〜図3Jにおいて50で示される。
【0061】
図3Aは、乗り物が出ることを可能にしない終端を有し、しかし転回エリアを有しない道路区間40を示す。さらなるパラメータは、このような道路区間を規定するのに要求されない。
【0062】
図3Bと図3Cは、乗り物が出ることを可能にしない終端において、それぞれ、多辺形の転回エリア41aと42aを有する道路区間形状41と42を例示する。転回エリアは、軸50に対して対称ではない。転回エリアの寸法は、幅51と、長さ52と、長さ53とによって規定され、道路区間の形状は、道路区間の方向に沿って長さ52にわたって変わり、道路区間は、長さ53にわたって幅51を示す。パラメータ51〜53は、テンプレート形状41および42のうちの1つに対応する形状を有する道路区間に対して、マップデータベースに格納される。道路区間がテンプレート形状41かまたはテンプレート形状42に対応する形状を有することを指定するパラメータ値に基づいて、境界は、パラメータ51〜53を用いて決定され得る。
【0063】
図3Dと図3Eは、乗り物が出ることを可能にしない終端において、それぞれ、矩形の転回エリア43aと44aを有する道路区間形状43と44を例示する。転回エリアは、軸50に対して対称ではない。転回エリアの寸法は、幅54と、長さ55とによって規定される。道路区間がテンプレート形状43かまたはテンプレート形状44に対応する形状を有することを指定するパラメータ値に基づいて、境界は、パラメータ54および55を用いて決定され得る。
【0064】
図3Fと図3Gは、乗り物が出ることを可能にしない終端において、それぞれ、転回エリア45aと46aを有する道路区間形状45と46を例示する。転回エリアは、平坦に湾曲した境界65を有する。転回エリアは、軸50に対して対称ではない。転回エリアの寸法は、転回エリアの幅56および全長57によって規定される。第2の長さ58は、転回エリアが平坦に道路区間の通常の幅に狭くなり始める位置を規定する。道路区間がテンプレート形状45かまたはテンプレート形状46に対応する形状を有することを指定するパラメータ値に基づいて、境界は、パラメータ56〜58を用いて決定され得る。
【0065】
図3Hは、乗り物が出ることを可能にしない終端において、多辺形の転回エリア47aを有する道路区間形状47を例示する。転回エリアは、軸50に対して対称ではない。転回エリアの寸法は、転回エリアの幅59および全長60によって規定される。第2の長さ61は、道路区間の通常の幅に向かって、幅において線形に減少し始める位置を規定する。道路区間がテンプレート形状47に対応する形状を有するか否かを指定するパラメータ値に基づいて、道路区間の境界は、パラメータ59〜61を用いて決定され得る。
【0066】
図3Iは、乗り物が出ることを可能にしない終端において、転回エリア48aを有する道路区間形状48を例示する。転回エリアは、平坦に湾曲した境界66を有する。転回エリアは、軸50に対して対称であり、単独にエリアに接続される。転回エリアの寸法は、転回エリアの幅62および長さ63によって規定される。道路区間がテンプレート形状48に対応する形状を有するか否かを指定するパラメータ値に基づいて、道路区間の境界は、パラメータ62および63を用いて決定され得る。
【0067】
図3Jは、乗り物が出ることを可能にしない終端において、転回エリア49aを有する道路区間形状49を例示する。転回エリアは、平坦に湾曲した境界66および67を有する。転回エリアは、軸50に対して対称である。転回エリアは、単独にエリアに接続されず、むしろ環状交差点に類似する形状を有する。転回エリアの寸法は、転回エリアの幅62および長さ63によって、かつ乗り物が必ずしも通過しない中央部分の直径64によって規定される。道路区間がテンプレート形状49に対応する形状を有するか否かを指定するパラメータ値に基づいて、道路区間の境界は、パラメータ62〜64を用いて決定され得る。
【0068】
乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間は、テンプレート形状40〜49と比較され得る。タイプのパラメータ値は、比較に基づいて道路区間に割り当てられ得る。例示として、図3A〜図3Jのテンプレート形状は、「0」〜「9」のラベルをつけられ得、0から9までの範囲において、数値的タイプのパラメータ値は、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する各道路区間に対して、マップデータベースに格納され得る。
【0069】
道路区間の表示は、図4および図5を参照してさらに説明される。
【0070】
図4Aは、道路区間に対する方向ベクトル68を例示する。方向ベクトルは、マップデータベースに格納される。道路区間が行き止りの道路に対応する場合に、追加パラメータは、マップデータベースに提供される。例示として、道路区間が図3Eに示されるテンプレート形状44に対応する形状を有することを仮定すると、マップデータベースは、形状がこのテンプレート形状44に対応することを示す、道路区間対するパラメータ値を含む。2つのさらなるパラメータ値は、矩形の転回エリアの長さおよび幅を規定し、マップデータベースに格納される。この情報を用いて、図4Bに例示されるような道路区間のグラフィック表示69が生成される。道路区間は、70で示されるように、その方向ベクトルに沿う幅のバリエーションを示す。転回エリア70は、道路ネットワークが平面図で示される場合に表示されるだけではなく、透視図を生成する場合にも幅のバリエーションが考慮に入れられ得る。
【0071】
図5は、実施形態に従う方法またはデバイスを用いて表示された道路ネットワーク71を例示する。道路ネットワークは、両終端に他の道路区間に連結される道路区間を含む。グラフィック表示を生成する場合に、道路区間は、概して一定の幅を有するように仮定される。道路ネットワークはまた、それぞれ、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間72、74および76を含む。これらの道路区間の各々に対して、マップデータベースは、プロセッサが、道路区間がその終端において転回エリアを有するか否かを決定することを可能にするパラメータ値を含む。この情報に基づいて、道路区間76がその終端77において転回エリアを有しないが、道路区間72と74が転回エリアを示す延長した部分73と75を含むことが決定され得る。転回エリアの寸法を規定するさらなるパラメータ値は、マップデータベースに格納される。この情報に基づいて、道路区間72が矩形の転回エリア73を有し、道路区間74が多辺形の転回エリア75を有することが決定され得る。従って、これらの道路区間のグラフィック表示が生成され得る。
【0072】
図5に例示されるように、転回エリアを表示することによって、道路ネットワークについての情報は、ユーザーにより高い詳細度で提供される。道路区間72、74および76がそれらの方向ベクトルに基づいてマップデータベースに格納され、しかし追加のパラメータ値を提供されるときに、追加の道路区間は、転回エリアの優れた表示を得るために規定される必要がない。転回エリア73,75を表示するために要求される追加の記憶スペースが、適度に保たれ得る。
【0073】
図6は、道路区間を表示する方法81のフローダイヤグラムの表示である。方法は、図1のデバイス1によって行われ得る。方法は、図2〜図4を参照して説明されるように構成されるマップデータベースを利用し得る。
【0074】
82において、表示されるべき道路区間が識別される。道路区間を識別することは、位置決めシステムの出力信号に基づいて、またはユーザー入力に基づいて行われ得る。
【0075】
83において、道路区間が、乗り物が道路区間を出ることを可能にしない終端を有するか否かを決定される。決定することは、マップデータベースの連結性情報に基づいて行われ得る。連結性情報は、道路区間の間のリンクについての情報を提供し得る。決定することはまた、道路区間の属性に基づいてインプリメントされ得る。道路区間が、乗り物が道路区間から去ることを禁止される終端を有しないことが決定される場合に、方法は、88に進む。違う場合に、方法は、84において続く。
【0076】
84において、識別された道路区間に関連するパラメータ値が検索される。検索されたパラメータ値は、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間のさまざまな構成を表す可能な値の有限集合のうちの1つである。
【0077】
85において、道路区間が転回エリアを有しないタイプであるか否かを決定される。その結果、84において検索されたパラメータ値は、1つの事前に規定されたパラメータ値と比較され得る。例示として、パラメータ値が図3Aに例示されるようなテンプレート形状に対応する場合に、道路区間が転回エリアを有しないタイプであることが決定される。この場合に、方法は、88に進む。違う場合に、方法は、86に続く。
【0078】
86において、識別された道路区間に関連するさらなるパラメータ値が検索される。さらなるパラメータ値は、マップデータベースから検索され得る。いくつかのさらなるパラメータ値は、道路区間のタイプを表し、84において検索されたパラメータ値に基づいて選択され得る。例示として、84において検索されたパラメータ値が、道路区間が図3D、図3E、または図3Iに例示されるテンプレート形状に対応する形状を有することを示す場合に、2つのさらなるパラメータ値が検索され得る。84において検索されたパラメータ値が、道路区間が図3B、図3C、図3F、図3G、図3Hまたは図3Jに例示されるテンプレート形状に対応する形状を有することを示す場合に、3つのさらなるパラメータ値が検索され得る。さらなるパラメータ値は、乗り物が道路区間を出ることができない終端において道路区間の終端部分の寸法を示し得る。終端部分の一般的な形状は、84において検索されたパラメータ値によって規定され得る。
【0079】
87において、道路区間のグラフィック表示は、84において検索されたパラメータ値と86において検索されたさらなるパラメータ値とに基づいて生成される。84において検索されたパラメータ値と86において検索されたさらなるパラメータ値とに基づいて、道路区間の中央線から道路区間の境界までの距離は、マップデータベースによって指定されるように、方向ベクトルに沿う長手方向の位置の関数として決定され得る。87において生成されたグラフィック表示は、概して、平面図において、道路区間がその方向ベクトルに沿って変化する幅を有するようにある。生成されたグラフィック表示は、必ずしも平面図ではない。透視図が表示されるべきである場合に、道路区間の方向ベクトルに沿う道路区間の変化する幅は、グラフィック表示を出力する前に、透視投影の歪みを計算する手順に提供される。
【0080】
道路区間が、乗り物が道路区間を出ることを禁止される終端を有しない場合に、または道路区間が、転回エリアを有しないタイプである場合に、道路区間のグラフィック表示が88において生成される。グラフィック表示は、道路区間が方向ベクトルに沿う位置の関数として、一定の幅を有することを仮定して生成され得る。幅は、道路区間の道路クラスに従って、またはマップデータベースから検索された幅の情報に従って設定され得る。透視図が表示されるべきである場合に、道路区間の方向ベクトルに沿う一定の幅を有する道路区間は、グラフィック表示を出力する前に、透視投影の歪みを計算する手順に提供される。
【0081】
1つの道路区間を表示するための方法が図6を参照して説明されるが、図6の方法は、概して複数の道路を含む道路ネットワークの一部分の平面図または透視図を生成するために、複数の道路区間に対して行われ得る。
【0082】
さまざまな実施形態に従う方法およびデバイスは、道路区間を表示することにおいて高めた柔軟性を提供する。道路区間のサブセット、例えば、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する道路区間は、マップデータベースの記憶のための追加属性を提供される。それによって、道路区間の幾何学的構成は、より高い詳細度で生成され得、その一方で、適度の追加記憶スペースのみを要求する。例示として、図3Iに例示されるようなタイプの道路区間のグラフィック表示を生成するために、マップデータベースは、道路区間に関連する4つの追加パラメータを格納する。これらのパラメータのうちの1つは、図3Iのテンプレート形状を表すタイプのパラメータ値である。他の3つのパラメータは、寸法を定量化する。
【0083】
対照的に、図7は、請求範囲の実施形態ではない道路のグラフィック表示を生成するための代替的な方法を例示する。行き止りの道路90の一直線の部分91の終端の転回エリアは、複数の道路区間92、93に分けられる。部分91〜93に対する方向ベクトルは、別個にマップデータベースに格納される。それらの方向ベクトルに基づいて複数の道路区間を表示することによって、94において例示されるような形状が得られる。多くの短い道路区間についての情報は、マップデータベースに格納される必要があり、記憶スペースに加わる。実施形態に従う方法およびデバイスを用いる場合に、変化する幅を有する道路区間の転回エリアの湾曲した境界または他の区域は、平坦に曲げられるように、光学出力デバイスを介して表示され得、このことは、結果として、図7の94で例示される表示と比較される場合に、より真実な表示を生じ得る。
【0084】
乗り物が道路区間を出ることを可能にしない終端を有する道路区間に割り当てられるパラメータ値は、電子マップを表示する場合に使用されるだけではない場合もある。例示として、テンプレート形状の有限集合から選択されたテンプレート形状を表すパラメータ値を用いて電子マップを表示する内容において説明される概念はさらに、また代替的にルートサーチのためにも使用され得る。
【0085】
テンプレート形状を表すパラメータ値と、適用可能であるなら、寸法を規定するさらなるパラメータ値とは、乗り物のドライバーが、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する、与えられた道路区間に進入するように指示されるか否かを決定するために使用され得る。コストモデルは、乗り物の寸法と転回エリアの特有のサイズとの比較に基づいて調整され得、転回エリアの特有のサイズは、パラメータ値と、適用可能であるなら、寸法を指定するさらなるパラメータ値とに基づいて決定される。
【0086】
コストモデルは、ルートサーチを行うのにおいて使用される。ルートサーチにおいて、開始点と目的地とを接続する複数の可能なルート中に最小コストを有するルートが識別され得る。ルートのコストは、それぞれ、コストモデルに従って決定される。道路区間またはルート上に横切る交差点のコストは、合計され得、ルートが他のルートと比較されるときに、最も低い全コストを有する場合に、ルートが最適であるように決定され得る。避けたいオプションおよび好ましいオプションは、道路区間のコストを調整することによってインプリメントされ得る。移動距離、移動時間、燃料消費および類似なものを含むさまざまなコストモデルがある。
【0087】
テンプレート形状を識別する、行き止りの道路区間に関連するパラメータ値は、ルート決定において使用され得る。これは、終端において専用の転回エリアがない場合に、または転回エリアが、乗り物が転回するのに対して挑戦的になる寸法を有する場合に、ドライバーが行き止りの道路区間に進入する用意をしない場合もあることを反映し得る。調整は、必要なら、ドライバーがこのような行き止りの道路に進入する用意にし得、しかしこのような道路に進入することを望まないことを反映するために、いくつかのステージにおいて行われ得る。行き止りの道路区間のコストは、それぞれの道路区間に関連する形状テンプレートを示すパラメータ値に基づいて調整され得る。行き止りの道路区間のコストはさらに、マップデータベースに格納され、かつそれぞれの道路区間に関連するさらなるパラメータ値に基づいて調整され得る。
【0088】
1つのインプリメンテーションにおいて、ユーザーが、終端において増大された幅の専用転回エリアを有しない行き止りの道路区間に対して避けたいオプションを設定する場合に、コストモデルにおけるコストは、終端において専用転回エリアがないことを示すパラメータ値を有する全道路区間に対して増大され得る。図3A〜図3Jに例示されるテンプレート形状に対して、図3Aのテンプレート形状40のみは、終端において増大された直径を有しない。このような道路区間に対するコストは、ドライバーがこのような道路区間に進入するように指示されないことを確保するために、無限大に設定され得、または他の大きな数字に設定され得る。従って、避けたいオプションを用いるコンプライアンスが確保され得る。
【0089】
もう1つのインプリメンテーションにおいて、ユーザーが、図3Jに示されるようなループ形の転回エリアを有しない全行き止りの道路区間に対して避けたいオプションを設定する場合に、全行き止りの道路区間に対するコストは、全行き止りの道路区間が図3Jに示されるようなループ形の転回エリアを表すパラメータ値を有しない場合に、増大され得る。
【0090】
もう1つのインプリメンテーションにおいて、転回エリアの外側の寸法は、形状テンプレートを指定するパラメータ値と、利用可能であるなら、転回エリアの寸法を指定するさらなるパラメータ値とに基づいて計算され得る。例示として、方向ベクトルに沿う転回エリアの寸法(長さ)および/または方向ベクトルに横切る転回エリアの寸法(幅)が計算され得る。転回エリアの長さおよび幅のうちのより小さな1つが、乗り物の長さと比較され得る。乗り物の長さは、ナビゲーションデバイス内に永久に格納され得、またはユーザーによって入力され得る。乗り物の長さと転回エリアの長さおよび幅のうちのより小さな1つとの間の差に基づいて、それぞれの行き止りの道路区間に対するコストが増大され得る。例示として、乗り物の長さが転回エリアの長さおよび幅のうちのより小さな1つより長い場合に、行き止りの道路区間に対するコストは、無限大のような第1の大きな値に設定され得る。それによって、運転方向を出力することは、乗り物が転回エリア内に転回できない場合に、ドライバーに行き止りの道路に進入するように指示し得ることを避けられ得る。乗り物の長さが転回エリアの長さおよび幅のうちのより小さな1つより短く、しかしその差が閾値より少ない場合に、行き止りの道路区間に対するコストは、第1の値により小さい第2の値に設定され得る。それによって、運転方向が、ドライバーが転回エリア内に転回するのに難しくあり得る行き止りの道路に進入することを要求し得る場合に、運転方向を出力することは、適当に少なくされ得る。
【0091】
なお他のインプリメンテーションにおいて、他の処理が使用され得る。例示として、転回エリアの長さおよび幅を決定することの代わりに、またはそれに加えて、転回エリアに内接され得る最大円の半径が計算され得る。この最大円の半径は、乗り物の転回半径と比較され得る。
【0092】
実施形態が図面を参照して説明されるが、さまざまな修正が、他の実施形態においてインプリメントされ得る。例示として、実施形態が行き止りの道路の構成をより高い詳細度で表示する文脈で説明されるが、実施形態はまた、他の文脈で使用され得る。例えば、駐車区画を有する、道路ネットワークの道路区間のサブセットは、マップデータベースにおいて追加パラメータを提供され得る。パラメータ値のうちの1つは、駐車区画に対する形状テンプレート、例えば、正方形形状または台形形状を規定し得、他のパラメータ値は、道路区間に沿う駐車区画の位置および/または駐車区画の寸法を規定し得る。
【0093】
本発明の実施形態は、道路区間を表示し、または道路区間を表示するためのマップデータベースを生成するために、利用され得る。応用の代表的な分野は、乗り物のためのナビゲーションデバイスを含む。
【符号の説明】
【0094】
68 方向ベクトル
69 グラフィック表示
70 転回エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路ネットワークについての情報(6〜8、11〜14)を道路ベクトルデータ形式で格納するマップデータベース(3)に基づいて、光学出力デバイス(4)を介して、特に、ナビゲーション装置のディスプレイデバイスを介して道路区間(69;72、74、76)を表示する方法であって、該道路区間は、それぞれ、ベクトル(21、22、21a、22a、21b、22b、24、25、29、34、35)によって示され、該方法は、
該光学出力デバイス(4)を介して出力するために、道路区間(69;72、74、76)を識別することと、
該マップデータベース(3)から、該識別された道路区間(69;72、74、76)の方向ベクトル(24、25、34、35)と、該識別された道路区間(69;72、74、76)に関連するパラメータ値(26、36)とについての情報を検索することと、
該検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、該方向ベクトル(24、25、34、35)に沿った位置の関数として、該識別された道路区間(69;72、74、76)の形状(70;73、75)のバリエーションを選択的に決定することと、
該方向ベクトル(24、25、34、35)についての該情報と、利用可能であるなら、該決定された形状(70;73、75)のバリエーションとに基づいて、該光学出力デバイス(4)を介して出力するための該道路区間(69;72、74、76)のグラフィック表示を生成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記パラメータ値(26、36)は、テンプレート形状(41〜49;73、75、79)の有限集合から選択されたテンプレート形状(41〜49;73、75、79)を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テンプレート形状(41〜49;73、75、79)の有限集合のうちの各テンプレート形状(41〜49;73、75、79)は、転回エリアの形状を示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記グラフィック表示を生成することは、前記決定された形状のバリエーションに従って、前記道路区間(69;72、74)の終端部分での転回エリア(70;73、75)のグラフィック表示を生成することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記マップデータベース(3)に基づいて、前記識別された道路区間が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有するか否かを決定することを含み、該識別された道路区間(69;72、74、76)が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する場合に、前記パラメータ値(26、36)を検索することと、前記形状のバリエーションを決定することとが、選択的に行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記マップデータベース(3)は、乗り物がそれぞれの道路区間(69;72、74、76)を出ることを可能にしない終端を有する道路区間(69;72、74、76)に関連するデータフィールド(7、8;13、14)を含み、該データフィールド(7、8;13、14)の各々は、該それぞれの道路区間(69;72、74、76)の方向ベクトル(24、25、34、35)と、前記パラメータ値(26、36)とについての情報を含み、該パラメータ値(26、36)は、テンプレート形状(41〜49;73、75、79)を示す、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、前記マップデータベース(3)から、前記識別された道路区間(69;72、74)に関連する少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)を選択的に検索することを含み、前記形状のバリエーションは、該検索されたパラメータ値(26、36)と、該検索された少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)とに基づいて決定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
いくつかの前記検索された少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)は、前記検索されたパラメータ値(26、36)の関数である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記識別された道路区間(69;72、74)の方向ベクトル(68)に沿う位置の関数としての該識別された道路区間(69;72、74)の幅のバリエーションは、前記検索されたパラメータ値(26、36)と、前記少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)とに基づいて決定される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記識別された道路区間(69;72、74)が前記形状のバリエーションを示す該道路区間(69;72、74)の区域(70;73、75)の長さ(52;55;57;63)は、前記少なくとも1つのさらなるパラメータ値(27、28、37〜39)に基づいて決定される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記道路区間の前記グラフィック表示は、前記検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、湾曲した部分(65、66、67)を有する境界を選択的に示すように生成される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記識別された道路区間(69;72、74、76)に対する、前記検索されたパラメータ値(26、36)は、該識別された道路区間(69;72、74、76)の前記形状(70;73、75)のバリエーションを決定するための値の有限集合と比較され、該値の有限集合の各々は、テンプレート形状の有限集合のうちの1つのテンプレート形状(40〜49)に関連する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記検索されたパラメータ値(26、36)に基づいてルート決定のためのコストモデルを調整することと、該調整されたコストモデルに基づいてルート決定を行うこととを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
プログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能媒体であって、該プログラムは、計算デバイス(1)のプロセッサ(2)によって実行される場合に、該プロセッサ(2)に請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法を行うように指示する、コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項15】
デバイスであって、特に、道路区間(69;72、74、76)を表示するために、乗り物のナビゲーション装置として構成されるデバイスであって、該デバイスは、
道路ネットワークについてのマップデータ情報(6〜8、11〜14)を道路ベクトルデータ形式で格納するように構成される記憶デバイス(3)であって、道路区間は、それぞれ、ベクトル(21、22、21a、22a、21b、22b、24、25、29、34、35)によって示される、記憶デバイス(3)と、
光学出力デバイス(4)と、
プロセッサ(2)と
を含み、
該プロセッサ(2)は、
該光学出力デバイス(4)を介して出力するために、道路区間(69;72、74、76)を識別することと、
該記憶デバイス(3)から、該識別された道路区間(69;72、74、76)の方向ベクトル(68)と、該識別された道路区間(69;72、74、76)に関連するパラメータ値(26、36)とについての情報を検索することと、
該検索されたパラメータ値(26、36)に基づいて、該方向ベクトル(68)に沿う位置の関数としての該識別された道路区間(69;72、74、76)の形状のバリエーションを選択的に決定することと、
該識別された道路区間(69;72、74、76)のグラフィック表示を生成するために、該方向ベクトル(68)についての該情報と、利用可能であるなら、該決定された形状(70;73、75)のバリエーションとに基づいて、該光学出力デバイス(4)を制御することと
を行うように構成される、デバイス。
【請求項16】
前記プロセッサ(2)は、前記識別された道路区間(69;72、74、76)が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有するか否かを決定するようにさらに構成される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記プロセッサ(2)は、前記識別された道路区間(69;72、74、76)が、乗り物が出ることを可能にしない終端を有する場合に、前記パラメータ値(26、36)を選択的に検索するように構成される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記デバイスは、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法を行うように構成される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
乗り物ナビゲーションのためのマップデータベース(3)を提供する方法であって、方向ベクトル(21、22、21a、22a、21b、22b、24、25、29、34、35;68)は、複数の道路区間(69;72、74、76)に対して、それぞれ、該マップデータベース(3)に格納され、該方法は、
方向ベクトル(68)を有する道路区間(69;72、74、76)についての情報を受信することであって、該情報は、該道路区間の境界についての情報を含む、ことと、
該境界についての該情報に基づいて、該道路区間(69;72、74、76)が該方向ベクトル(68)に沿う形状(70;73、75)のバリエーションを示すか否かを決定することと、
該道路区間が該形状(70;73、75)のバリエーションを示す場合に、該境界についての該情報に基づいてパラメータ値の有限集合からパラメータ値(26、36)を選択し、該道路区間(72、74、76)に関連する該選択されたパラメータ値(26、36)を該マップデータベース(3)に格納することと
を含む、方法。
【請求項20】
前記選択されたパラメータ値(26、36)は、テンプレート形状(41〜49;73、75、79)の有限集合から選択されたテンプレート形状(41〜49;73、75、79)を示す、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−108507(P2012−108507A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243945(P2011−243945)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】