説明

遠心ポンプ

【課題】ポンプ効率を向上させるとともに、軽量化及び小型化を図ることができる遠心ポンプを提供する。
【解決手段】回転駆動部に連結している回転軸と、回転軸が貫通する貫通孔を設けたポンプ基部と、回転軸の先端に翼ボスが連結し、回転駆動部の駆動により回転軸とともに回転するポンプ翼と、このポンプ翼を覆うようにポンプ基部に接続して流体室を画成するケーシング10と、このケーシングに設けた流体流入口10aと、ケーシングに設けた流体流出口10bとを備えた遠心ポンプである。ポンプ翼の外周端面に対面するケーシングの内周壁に、回転軸の軸芯P1を中心に渦巻き室22を設けている。ポンプ基部に接続するケーシングの端部の外周面及び内周面10dは円形状に形成されている。それら外周面及び内周面の円中心P2は一致し、且つ、その円中心P2、回転軸の軸芯P1に対して渦巻き室22の終了点A2側に偏心した位置に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心ポンプ及び遠心ポンプのケーシング設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ポンプとして、例えば特開平10-015056号公報に記載されている遠心ポンプがある。この遠心ポンプは、駆動部の端部から延びる回転軸にポンプ翼の翼ボスが連結し、駆動部の端部に、ポンプ翼を覆うケーシングが接続して流体室が形成されている。ケーシングには、回転軸の軸線方向を向く側に流体を流体室内に導く流入口が設けられ、ケーシングの側部にポンプ翼により遠心力が加速された流体を吐出する流出口が設けられているオープンインペラ形式の遠心ポンプであり、ポンプ翼の回転によって流入口から流出口に向かう流体流れを発生させ、流入口から流出口に所定流量の流体を送り出すようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-015056号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特開平10-015056号公報の遠心ポンプは、小型化を優先するため、ポンプ翼とケーシングの内壁とのクリアランスを一定にしているので、ポンプ翼で発生した速度エネルギが圧力エネルギにスムーズに変換できず、ポンプ効率が低下するという課題があった。
【0005】
そこで、特開平09-313600号公報には、流体室を渦巻き室とし、インペラで発生した速度エネルギを圧力エネルギにスムーズに変換し、ポンプ効率を向上させる遠心ポンプが開示されている。しかし、特開平09-313600号公報の技術は、ケーシングの肉厚が大きく軽量化の面で問題があるとともに、ケーシング外径も大きいので、ポンプ全体が大型になってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ポンプ効率を向上させるとともに、軽量化及び小型化を図ることができる遠心ポンプ及び遠心ポンプのケーシング設計方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る請求項1記載の遠心ポンプは、回転駆動部に連結している回転軸と、この回転軸が貫通する貫通孔を設けたポンプ基部と、前記回転軸の先端に翼ボスが連結し、前記回転駆動部の駆動により前記回転軸とともに回転するポンプ翼と、このポンプ翼を覆うように前記ポンプ基部に接続して流体室を画成するケーシングと、前記ケーシングの所定位置に設けた流体流入口と、前記ケーシングの所定位置に設けた流体流出口とを備えた遠心ポンプにおいて、前記流体室として、前記ポンプ翼の外周端面に対面する前記ケーシングの内周壁に、前記回転軸の軸芯を中心に渦巻き室を設け、前記ポンプ基部に接続する前記ケーシングの端部の外周面及び内周面を円形状で形成し、且つ、それら外周面及び内周面の円中心を一致させるとともに、前記円中心を、前記回転軸の軸芯に対して前記渦巻き室の終了点側に偏心した位置に設定した。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の遠心ポンプにおいて、前記流体室を流れる流体を血液とした。一方、請求項3記載の発明は、請求項1及び2に記載の遠心ポンプのケーシングを設計する方法であって、前記ポンプ基部に接続する前記ケーシングの端部の外周面及び内周面の円中心を一致させ、前記回転軸の軸芯に対して前記渦巻き室の終了点側に偏心させる際に、前記外周面及び前記内周面の間の肉厚が最適な寸法となるように、前記円中心の偏心位置と、外周面及び内周面の径を決定している。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の遠心ポンプのケーシング設計方法において、前記回転軸の軸芯と前記渦巻き室の終了点との間を結ぶ仮想線を引き、前記回転軸の軸芯を中心として前記仮想線を境界とした90°未満の角度の範囲内に、前記ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けている。また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の遠心ポンプのケーシング設計方法において、前記回転軸の軸芯を中心として前記仮想線を境界とした45°の角度の範囲内に、前記ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けている。
【0010】
さらに、請求項6記載の発明は、請求項5記載の遠心ポンプのケーシング設計方法において、前記仮想線上に、前記ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遠心ポンプの実施形態について図面を参照して説明する。図1は、血液ポンプとして使用される遠心ポンプの軸方向断面を示すものである。この図の符号2は、駆動部4に内蔵したロータ(図示せず)に接続している回転軸である。この回転軸2はポンプ基部6を通過し、その先端が複数のポンプ翼8の基端部に設けた翼ボス8aにネジ締結によって接続されている。
【0012】
ポンプ基部6の端面には複数のポンプ翼8を覆うようにケーシング10が接続して流路Sが形成されており、ケーシング10の回転軸2の軸線方向を向く側には、流体(血液)を流路S内に導く流入口10aが設けられ、ケーシング10の側部に、ポンプ翼8により加速された流体を吐出する流出口10bが開口し、流出管11と接続している。
【0013】
回転軸2は、軸受けロータ12と、この軸受けロータ12に回転自在に外嵌している円筒形状の軸受けステータ14からなるスベリ軸受けでポンプ基部6に支持されている。なお、軸受けロータ12の外周面及び軸受けステータ14の内周面とは、極薄い流体の潤滑膜を介して摺接している。また、ポンプ基部6及び翼ボス8aの間には、流路S内の流体が回転軸2側へ漏れるのを防止するメカニカルシール16が設けられており、駆動部4及びポンプ基部6の互いに対向する端面に配置した同極の環状磁石20a、20bの反発力によってメカニカルシール16に密着力が作用している。
【0014】
ここで、ポンプ翼8の外周端面に対面しているケーシング10の内周側部には、流体室としての渦巻き室22が形成されている。図2は、ケーシング10のポンプ基部6に当接する側を示した図である。この図から明らかなように、渦巻き室22は、回転軸2の軸芯P1を中心として、例えばアルキメデスのうずまき線の方程式に基づいて形成されている。この渦巻き室22を形成している内壁は、図2に示すように、渦巻き開始点A1から矢印方向の円周方向に向かうに従い、徐々に内径Daが大きくなって室内の軸方向に直交する断面積が増大していき、ポンプ基部6の端面に当接する当接面10cに向かってアンモナイト状に連続している。そして、流出口10b近くである渦巻き終了点A2の内壁が、最大の内径Dmaxとなって最大の室内の断面積(軸方向に直交する室内の断面積)を有している。なお、渦巻き終了点A2の内壁の内径Dmaxを、渦巻き室22の最大内径Dmaxと称する。
【0015】
また、当接面10cの内周側は、渦巻き室22の渦巻き終了点A2の内壁に連続しており、渦巻き室22の最大内径Dmaxより僅かに大きな寸法の直径d1で曲面状に削り取られ、ポンプ基部6を嵌め込む際の嵌め込み面10dとして形成されている。ここで、この嵌め込み面10dの直径d1の中心は、回転軸2の軸芯P1に対して渦巻き終了点A2側に偏心している芯P2の位置である。また、ケーシング10の当接面10c側の外周は、前記芯P2を中心とした直径d2で円形状となるように形成されている。
【0016】
このように、嵌め込み面10dの中心と、ケーシング10の当接面10c側の外周面の中心は、回転軸2の軸芯P1に一致しておらず、渦巻き室22に外接する円を想定し、その円の芯(回転軸2の軸芯P1に対して渦巻き終了点A2側に偏心した芯P2)に一致させている。これにより、小さな室内の断面積を有している渦巻き室22の開始側(流入口10aに寄った側)のケーシング10の肉厚h1も、大きな室内の断面積を有している渦巻き室22の終了側(当接面10cに寄った側)のケーシング10の肉厚h2も、略同一の寸法となる。
【0017】
ここで、図3は、本実施形態と異なるケーシングKの形状、すなわち、回転軸2の軸芯P1に、ケーシングの外周中心と、嵌め込み面10dの中心とを一致させた場合を示すものである。この図3の形状によると、渦巻き室22の開始側(小さな室内の断面積を有する位置)のケーシングKの肉厚h1′の寸法が大きく、渦巻き室22の終了側(大きな室内の断面積を有する位置)のケーシングKの肉厚h2′の寸法が小さく、局所的に肉厚が異なるケーシング形状となる。このように、局所的に肉厚が異なるケーシング形状になると、外部応力が、肉厚が小さい部分に局部的に集中してケーシングの耐久性の面で問題がある。また、ケーシングの外径が大きくなり、軽量化、小型の面でも問題がある。
【0018】
ところが、図2に示したように、本実施形態のケーシング10は、渦巻き室22の開始側の肉厚h1も、渦巻き室22の終了側の肉厚h2も略同一の寸法に設定されているので、応力集中が局部的に加わらず、耐久性が向上したケーシングを得ることができる。また、本実施形態のケーシング10は、必要以上に肉厚が大きな箇所がなくなるので軽量化を図ることができ、しかも、外径を小さくして小型化を図ることができるので、人体への植え込みが容易な小型軽量の血液ポンプを提供することができる。
【0019】
さらに、上記構成の渦巻き室22を備えた遠心ポンプは、渦巻き室22がポンプ翼8により与えられた流体の速度エネルギを圧力エネルギにスムーズに変換するので、ポンプ効率を向上させることができる。次に、本実施形態の遠心ポンプのケーシング10を設計する手順について、図2、図4のフローチャート及び図5から図10を参照して説明する。
【0020】
なお、本実施形態の渦巻き室22は、アルキメデスのうずまき線の方程式に基づいて形成されている。また、ケーシング10の設計を行う際には、先ず、遠心ポンプの揚程H、流量Q、回転数Nを設定し、比速度nsを算出しておく。そして、比速度nsの算出に基づいて、ポンプ翼8の外径、基礎円直径、アルキメデスのうずまき線の開始渦巻き角度を設定する。
【0021】
ケーシング10を設計する手順は、先ず、ステップS2において、基礎円直径、開始渦巻き角度等に基づいて、回転軸2の軸芯P1を中心として、アルキメデスの渦巻き線U1を作成する(図5を参照)。次に、ステップS4において、回転軸2の軸芯P1と渦巻き終了点A2との間を結ぶ仮想線C(長さがL)を引く(図6参照)。
【0022】
次に、ステップS6において、軸芯P1から離間する方向の仮想線C上に、最低限必要な肉厚Bの寸法を取り、B+Lを半径として軸芯P1を中心とした基礎となる内径円S1を、渦巻き線U1の外周に作成する(図7参照)。次に、ステップS8において、軸芯P1に対して渦巻き終了点A2側にずらした(偏心した)仮想線C上に芯P2を設け、この芯P2を中心として、B+Lを半径とした基礎となる内径円S1を作成する(図8参照)。そして、仮想線C上の芯P2の位置をずらし、且つ、半径を変化させることで、最低限必要な肉厚Bと略同一寸法の肉厚B1を有した内径円S2の中心位置(芯P2)と、半径を決定する(図9参照)。この内径円S2が、前述した嵌め込み面10dとなる。
【0023】
次に、ステップS10において、芯P2を中心とし、内径円S2より半径の大きな外径円S3を作成する。この外径円S3が、前述したケーシング10の外周面となる。このような手順で設計を行うと、特殊な設計を行うことなく、嵌め込み面10dやケーシング外周面等の形状を迅速、且つ容易に決定し、遠心ポンプの小型化、軽量化が図れるようにケーシング10の設計を簡単に行うことができる。
【0024】
ここで、図11に示すように、仮想線Cを境界として90°未満の角度の範囲内に芯P2を設けると、内径円S2(嵌め込み面10d)及び外径円S3(ケーシング10の外周面)の径を小さくすることができる。また、仮想線Cを境界として45°未満の角度の範囲内に芯P2を設けると、さらに内径円S2(嵌め込み面10d)及び外径円S3(ケーシングの外周面)の径を小さく設定することができる。
【0025】
そして、仮想線Cに沿って芯P2を渦巻き終了点A2側に動かしたときに、最も効果的に内径円S2(嵌め込み面10d)及び外径円S3(ケーシングの外周面)の径を小さくし、遠心ポンプの小型化を促進することができる。なお、図3のケーシング10設計手順では、アルキメデスのうずまき線の方程式に基づいて渦巻き室22を形成したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、他のうずまき線の方程式、放物うずまき、双曲うずまき、対数うずまきの方程式に基づいて渦巻き室を形成してもよい。
【0026】
また、上記実施形態では、人工心臓用等に使用される血液ポンプとした場合の作用効果について述べたが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、他の分野においても小型軽量化を図りながらポンプ効率を向上させることができる。
【0027】
(発明の効果)
以上説明したように、請求項1記載の遠心ポンプによると、ポンプ翼を囲んでいる渦巻き室が、ポンプ翼により与えられた流体の速度エネルギを圧力エネルギにスムーズに変換するので、ポンプ効率を向上させることができる。また、ケーシングの端部の外周面及び内周面を円形状で形成し、且つそれら外周面及び内周面の円中心を一致させ、前記円中心を、回転軸の軸芯に対して前記渦巻き室の終了点側に偏心した位置に設定したことから、ケーシングには局部的に大きな肉厚部分が少なくなり、応力集中が局部的に加わらず、耐久性が向上したケーシングを得ることができる。
【0028】
そして、局部的に大きな肉厚部分が無くなることから、ケーシングの軽量化及び小型化を図ることができる。また、請求項2記載の遠心ポンプによると、人体への植え込みが容易な小型軽量の血液ポンプを提供することができる。一方、請求項3記載の遠心ポンプのケーシング設計方法によると、特殊な設計を行うことなく、ポンプ基部に接続するケーシングの端部の外周面及び内周面の間の肉厚を、迅速、且つ容易に決定することができ、したがって、遠心ポンプの小型化、軽量化が図れるようにケーシングの設計を簡単に行うことができる。
【0029】
また、請求項4記載の遠心ポンプのケーシング設計方法によると、回転軸の軸芯と渦巻き室の終了点との間を結ぶ仮想線を引き、回転軸の軸芯を中心として仮想線を境界とした90°未満の角度の範囲内に、ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けたことから、ケーシングの端部の外周面内及び内周面の径が小さくなり、遠心ポンプの小型化を図ることができる。
【0030】
また、請求項5記載の遠心ポンプのケーシング設計方法によると、回転軸の軸芯を中心として前記仮想線を境界とした45°の角度の範囲内に、ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けたことから、さらにケーシングの端部の外周面内及び内周面の径が小さくなり、遠心ポンプの小型化を促進することができる。さらに、請求項6記載の遠心ポンプのケーシング設計方法によると、仮想線上に、ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けたことから、遠心ポンプの小型化、軽量化が図れるように、最も効果的に外周面内及び内周面の径を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る遠心ポンプを示す軸方向断面図である。
【図2】本発明の遠心ポンプを構成しているケーシングのポンプ基部に接続する側の開口部を示す図である。
【図3】比較例として示した他のケーシングのポンプ基部に接続すうR側の開口部を示す図である。
【図4】本発明に係る遠心ポンプのケーシング設計手順を示すフローチャートである。
【図5】図4で示したケーシング設計手順におけるステップS2の作業を具体的に示した図である。
【図6】図4で示したケーシング設計手順におけるステップS4の作業を具体的に示した図である。
【図7】図4で示したケーシング設計手順におけるステップS6の作業を具体的に示した図である。
【図8】図4で示したケーシング設計手順におけるステップS8の第1段階の作業を具体的に示した図である。
【図9】図4で示したケーシング設計手順におけるステップS8の第2段階の作業を具体的に示した図である。
【図10】図4で示したケーシング設計手順におけるステップS10の作業を具体的に示した図である。
【図11】図4で示したケーシング設計手順の第1の応用を示す図である。
【図12】図4で示したケーシング設計手順の第2の応用を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
2 回転軸
4 駆動部(回転駆動部)
6 ポンプ基部
8 ポンプ翼
8a 翼ボス
10 ケーシング
10a 流入口(流体流入口)
10b 流出口(流体流出口)
10c ケーシング当接面
10d 嵌め込み面(ケーシングの端部の内周面)
16 メカニカルシール
22 渦巻き室
A1 渦巻き開始点
A2 渦巻き終了点
d1 嵌め込み面の直径
d2 ケーシングの外周の直径
P1 回転軸の軸芯
P2 嵌め込み面とケーシングの外周の円中心(ケーシングの外周面及び内周面の円中心)
S2 内径円(嵌め込み面)
S3 外径円(ケーシングの外周面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動部に連結している回転軸と、この回転軸が貫通する貫通孔を設けたポンプ基部と、前記回転軸の先端に翼ボスが連結し、前記回転駆動部の駆動により前記回転軸とともに回転するポンプ翼と、このポンプ翼を覆うように前記ポンプ基部に接続して流体室を画成するケーシングと、前記ケーシングの所定位置に設けた流体流入口と、前記ケーシングの所定位置に設けた流体流出口とを備えた遠心ポンプにおいて、
前記流体室として、前記ポンプ翼の外周端面に対面する前記ケーシングの内周壁に、前記回転軸の軸芯を中心に渦巻き室を設け、
前記ポンプ基部に接続する前記ケーシングの端部の外周面及び内周面を円形状で形成し、且つ、それら外周面及び内周面の円中心を一致させるとともに、前記円中心を、前記回転軸の軸芯に対して前記渦巻き室の終了点側に偏心した位置に設定したことを特徴とする遠心ポンプ。
【請求項2】
前記流体室を流れる流体が血液であることを特徴とする請求項1記載の遠心ポンプ。
【請求項3】
請求項1及び2に記載の遠心ポンプのケーシングを設計する方法であって、前記ポンプ基部に接続する前記ケーシングの端部の外周面及び内周面の円中心を一致させ、前記回転軸の軸芯に対して前記渦巻き室の終了点側に偏心させる際に、前記外周面及び前記内周面の間の肉厚が最適な寸法となるように、前記円中心の偏心位置と、外周面及び内周面の径を決定することを特徴とする遠心ポンプのケーシング設計方法。
【請求項4】
前記回転軸の軸芯と前記渦巻き室の終了点との間を結ぶ仮想線を引き、前記回転軸の軸芯を中心として前記仮想線を境界とした90°未満の角度の範囲内に、前記ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けることを特徴とする請求項3記載の遠心ポンプのケーシング設計方法。
【請求項5】
前記回転軸の軸芯を中心として前記仮想線を境界とした45°の角度の範囲内に、前記ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けることを特徴とする請求項4記載の遠心ポンプのケーシング設計方法。
【請求項6】
前記仮想線上に、前記ケーシングの外周面及び内周面の円中心を設けることを特徴とする請求項5記載の遠心ポンプのケーシング設計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−74558(P2009−74558A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4155(P2009−4155)
【出願日】平成21年1月12日(2009.1.12)
【分割の表示】特願2002−149666(P2002−149666)の分割
【原出願日】平成14年5月23日(2002.5.23)
【出願人】(392000796)株式会社サンメディカル技術研究所 (9)
【Fターム(参考)】