遠隔センシングシステム及びセンサユニット
【課題】 センサでの検出データを選択的に記憶可能とし、必要とするデータを効率よく取得することができる遠隔センシングシステム及びセンサユニットを提供する。
【解決手段】 センタ装置1からセンサユニット2に送信されるセンサ駆動信号に含まれる情報に基づいてイネーブル信号を生成し、この信号により加速度センサ211と温度センサ212より被検体4の脈拍、血圧、人の動き、体温などのデータを検出する。これらの検出データは、センシング信号として、センシング信号判断部23に入力され、ここでの判断により、センシング信号の値と直前のセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときの削除され、逆に、センシング信号の値と直前のセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、そのまま出力されてセンシング信号蓄積部24に記憶される。
【解決手段】 センタ装置1からセンサユニット2に送信されるセンサ駆動信号に含まれる情報に基づいてイネーブル信号を生成し、この信号により加速度センサ211と温度センサ212より被検体4の脈拍、血圧、人の動き、体温などのデータを検出する。これらの検出データは、センシング信号として、センシング信号判断部23に入力され、ここでの判断により、センシング信号の値と直前のセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときの削除され、逆に、センシング信号の値と直前のセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、そのまま出力されてセンシング信号蓄積部24に記憶される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング対象物を通信回線を介して遠隔的に制御する遠隔センシングシステム及びセンサユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、センシングシステムとして、例えば、人体の健康状態を通信回線を利用して遠隔的に監視するシステムなどが種々提案されている。
【0003】
特許文献1および特許文献2は、このようなセンシングシステムの一例を示すもので、人体にモジュール化された小型のライフセンサを取着して人の脈拍、動き、音、体温等をリアルタイムに測定し、その測定情報をもとに通信回線を介して監視センタヘ通報し、監視センタでは、上記通報を受けると送信元の被検者を通信回線を用いて呼び返すような機能を有している。
【特許文献1】特開平10-155749号公報
【特許文献2】特開2000-93398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遠隔センシングシステムに適用されるセンサユニットは、超小形であるにもかかわらず、センサ本体の他に、センサ本体からの検出データを一時記憶する記憶部や、監視センタとのデータのやり取りを行なうためのデータ送受信部などを内蔵したものがある。
【0005】
ところが、上述したセンシングシステムでは、センサユニットを常時動作状態にして、被検者の健康状態を頻繁に測定するようになっており、センサ本体からの検出データの量は極めて多い。このため検出データの量が記憶部の記憶容量を超えて、これ以降のデータの記憶ができなくなることがあり、必要とする肝心のデータを取得できないという問題があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、センサでの検出データを選択的に記憶可能とし、必要とするデータを効率よく取得することができる遠隔センシングシステム及びセンサユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、センシング対象物に対応して設けられるセンサユニットと、このセンサユニットとの間で通信回線を介して信号の伝送を行うセンタ装置とを具傭し、前記センタ装置は、前記センサユニットのセンサ駆動信号を設定するセンサ駆動信号設定手段と、前記センサ駆動信号設定手段で設定されたセンサ駆動信号を前記センタユニットヘ送信する送信手段とを具備し、前記センサユニットは、前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、センサ駆動信号受信手段で受信された前記センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、前記駆動制御信号により、前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、センシング対象物に対応して設けられ、通信回線を介してセンタ装置との間で信号の伝送が可能なセンサユニットであって、前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、前記センサ駆動信号受信手段で受信されたセンサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、前記駆動制御信号により、前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段とを具備することを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の発明は、センサ駆動信号を記憶するとともに、該センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、前記駆動制御信号により、前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号をそのまま出力するセンシング信号判断手段と、前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段とを具備することを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項4乃至6のいずれかに記載の発明において、前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、センサでの検出データを選択的に記憶可能とし、必要とするデータを効率よく取得することができる遠隔センシングシステム及びセンサユニットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる遠隔センシングシステムの概略構成を示すもので、ここでの遠隔センシングシステムは、被検体の健康状態などを監視するものに適用した例を示している。
【0017】
この場合、遠隔センシングシステムは、医療施設や介護施設などに設置されるセンタ装置1と、このセンタ装置1に対し無線ネットワーク3を介して接続されるセンサユニット2とから構成される。センサユニット2はモジュール化されたもので、監視対象の被検体4に対し、例えばアクリル系両面接着テープにより直接貼付される。アクリル系両面接着テープは、被検体4の皮膚にかぶれ等の炎症が起きにくい、センサユニット2を被検体4からはがした時にセンサユニット2や被検体4の表面に接着のりが付着しにくい、接着層を薄くできるなどの利点を有する。
【0018】
無線ネットワーク3としては、例えばBT(BlueTooth)(登録商標)等の近距離データ通信システムや、無線LAN(Local Area Network)、PHS(Personal Handyphon System)(登録商標)、携帯電話システム等が使用される。
【0019】
なお、センタ装置1とセンサユニット2との間は必ずしも直接接続する必要はなく、無線中継器を介して接続するようにしてもよい。この場合、センサユニット2と無線中継器との問の無線通信方式としてはBTや無線LAN等の微弱又は小電力型の方式が、一方、無線中継器とセンタ装置1との問の無線通信方式として携帯電話システム等の長距離通信が可能な方式がそれぞれ使用される。
【0020】
センタ装置1は、制御部11と、送信部12と、アンテナ部13とを備えている。送信部12は、制御部11から出力されたセンサ駆動信号を変調したのち無線信号に変換し、この無線信号をアンテナ部13からセンサユニット2に向け送信するものである。
【0021】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processer)を備えたもので、この発明に係わる制御機能として、制御信号設定手段を構成するセンサ駆動信号設定機能11aとセンシングデータ処理機能11bとを有している。なお、これらの機能は上記CPU又はDSPにプログラムを実行させることにより実現される。
【0022】
センサ駆動信号設定機能11aは、管理者の判断や被検体4の状況変化に応じてセンサ駆動信号を異なる内容のものに設定するためのものである。例えば、ある内容のセンサ駆動信号を設定している途中で、他の内容のセンサ駆動信号に設定を変更したり、この逆に他の内容のセンサ駆動信号を設定している途中で、最初の内容のセンサ駆動信号に設定を変更可能にしている。センシングデータ処理機能11bは、センサユニット2で得られたセンシングデータを処理し解析するためのものである。センサ駆動信号は、図2に示すように、例えばヘッダー(2バイト)、駆動制御信号であるイネーブル信号のセンシング周期(2〜22バイト)、イネーブル信号のセンシング開始時刻(2〜32バイト)、イネーブル信号のセンシング終了時刻(2〜32バイト)、フッタ(2バイト)から構成されている。
【0023】
そして、設定されたセンサ駆動信号を送信部13へ出力し、この送信部13からセンサユニット2に向け送信させる。
【0024】
一方、センサユニット2は、図3に示すように、センサ本体21と、センサ駆動制御手段としてのセンサ駆動制御部22と、センシング信号判断手段としてのセンシング信号判断部23と、記憶手段としてのセンシング信号蓄積部24と、センサ駆動信号受信手段としてのセンサ駆動信号受信部25と、アンテナ部26と、バッテリ27とを備えている。
【0025】
センサ本体21は、図4に示すように加速度センサ211と温度センサ212を備えたもので、加速度センサ211により被検体4の脈拍、血圧、人の動きなどを検出し、温度センサ212により体温などを検出するようにしている。勿論、センサ本体21は、これら加速度センサ211と温度センサ212に限らず、他のセンサにより構成することもできる。
【0026】
センサ駆動制御部22は、図4に示すようにCPU221と、記憶部222と、クロック信号発生部223と、AD変換部224,225と、サーバ・プログラミング・インターフェース(SPI)226とを備えている。
【0027】
クロック信号発生部223は、CPU221のクロック制御信号に基づいて所定周期のクロック信号を発生する。記憶部222は、CPU221により実行されるプログラムや、設定データを記憶している。CPU221は、センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212を駆動制御するもので、上述したセンタ装置1から送られてくるセンサ駆動信号のヘッダーに含まれるセンサユニットの識別番号から当該センサ駆動信号が自己宛のものかどうかを判定し、自己宛のものであれば当該センサ駆動信号をメモリ(図示せず)に保存する。そして、以後この保存されたセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223からイネーブル信号が発生され、センサ本体12、センサ駆動信号受信部25、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24に供給される。AD変換部224、225は、CPU221からの駆動信号により駆動される加速度センサ211と温度センサ212からの検出データをデジタル信号に変換するもので、CPU221よりSPI226を介してセンシング信号として出力する。
【0028】
なお、CPU221から加速度センサ211と温度センサ212に供給するイネーブル信号としてはスタンバイ信号が用いられる。加速度センサ211と温度センサ212は、スタンバイ信号が“H”レベルになるとセンシングを行う動作状態となり、”L“レベルになると非動作状態、つまり電力消費量の少ないスタンバイ状態となる。
【0029】
図3に戻って、センシング信号判断部23は、センサ本体21より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号についてはそのままセンシング信号蓄積部24へ出力されるので、ここでは、センサ駆動制御部22(センサ本体21)から入力されるセンシング信号(検出データ)の値と、これより前に入力されたセンシング信号、例えば直前に入力されたセンシング信号の値の差の絶対値がある値以下の場合、このセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力するようになっている。センシング信号蓄積部24は、センシング信号判断部23から出力されるセンシング信号のみを記憶する記憶媒体である。この場合、センシング信号蓄積部24は、例えば、スマートメディアやメモリスティクなど、センサユニット2に対し着脱可能な記憶媒体が用いることができる。
【0030】
図5は、センシング信号蓄積部24に記憶されるセンシング信号の一例を示すもので、例えばヘッダー(2バイト)、X軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Y軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Z軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、温度データ列(2〜8×Nバイト)、フッタ(2バイト)から構成されている。
【0031】
センサ駆動信号受信部25は、図6に示すように水晶発振器251と、位相安定化回路252と、電圧制御形発振器253と、アンテナ部254と、低雑音増幅部255と、混合部256と、信号復調部257と、デジタル信号制御部258と、SPI259とを備えている。センサ駆動信号受信部25は、センタ装置1から送られたセンサ駆動信号をアンテナ部254で受信すると、低雑音増幅部255を介して混合部256に取り込み、ここで電圧制御形発振器253の出力と混合した所定周波数に変換した後、信号復調部257で復調し、この復調により得られた信号をデジタル信号制御部258よりSPI259を介してセンサ駆動制御部22に供給する。
【0032】
バッテリ27は、例えばボタン型リチウム電池からなるもので、このバッテリ27から発生するDC電圧を、センサ本体21、センサ駆動制御部22、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24およびセンサ駆動信号受信部25に駆動電源として供給するようになっている。
【0033】
図7は、センサ駆動制御部22のクロック信号発生部223のクロック信号に基づいて生成されるイネーブル信号を説明するためのものである。
【0034】
この場合、センサ駆動制御部22のCPU221は、センサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223からイネーブル信号を発生する。このイネーブル信号は、図8に示すようにセンサ計測時のタイミングで送出され、センサ本体21、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24、センサ駆動信号受信部25、AD変換器224,225に与えられるようになっている。
【0035】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
【0036】
いま,センタ装置1の制御部11のセンサ駆動信号設定機能11aにおいてセンサ駆動信号が設定されると、この設定されたセンサ駆動信号は、センサユニット2に向け送信部12よりアンテナ部13を介して送信される。
【0037】
これに対しセンサユニット2では、アンテナ部26を介してセンサ駆動信号受信部25によりセンサ駆動信号が受信されると、この受信されたセンサ駆動信号が自己宛のものかどうかを判定する。そして、自己宛のものであれば、このセンサ駆動信号を不図示のメモリに保存する。その後、この保存されたセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223は、イネーブル信号を生成し発生する。
【0038】
このイネーブル信号は、図8に示すようにセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいて送出され、センサ本体21、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24、センサ駆動信号受信部25、AD変換器224,225に与えられる。
【0039】
センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212は、イネーブル信号によりセンシング開始時刻からセンシング終了時刻までの間、所定のセンシング周期で動作し、被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、その検出データ(検出情報)をセンシング信号として出力する。
【0040】
これらのセンシング信号は、センサ駆動制御部22よりセンシング信号判断部23に入力される。図9は、センシング信号判断部23によるセンシング信号判断処理のフローを示している。この場合、センシング信号判断部23は、最初、ステップ9aで、計測開始時のセンシング信号を仮入力し、これをステップ9bで、I−1番目のセンシング信号として記憶する。この状態で、ステップ9cで、I番目のセンシング信号が入力すると、ステップ9dにおいて、I−1番目とI番目のセンシング信号の差の絶対値を比較する。ここで、I番目のセンシング信号の値とI−1番目のセンシング信号の値の差の絶対値がある値以下より小さい場合と判断されると、ステップ9eに進み、このときのI番目のセンシング信号を削除する。同時に、ステップ9fで、このI番目のセンシング信号をI−1番目のセンシング信号に置き換え、ステップ9bにおいて、このI−1番目のセンシング信号を記憶する。一方、ステップ9dにおいて、I番目のセンシング信号の値とI−1番目のセンシング信号の値の差の絶対値がある値以上で大きいと判断されると、ステップ9gに進み、I番目のセンシング信号をセンシング信号蓄積部24に送出する。同時に、ステップ9fで、このI番目のセンシング信号をI−1番目のセンシング信号に置き換え、ステップ9bにおいて、このI−1番目のセンシング信号を記憶する。以下、センサ駆動制御部22より出力されるセンシング信号に対し、センシング信号判断部23により同様なセンシング信号判断処理が行われる。
【0041】
センシング信号判断部23より出力されたセンシング信号は、センシング信号蓄積部24に記憶される。この場合、センシング信号蓄積部24に記憶されるセンシング信号は、例えば、図5に記すように、例えばヘッダー(2バイト)、X軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Y軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Z軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、温度データ列(2〜8×Nバイト)、フッタ(2バイト)から構成されている。
【0042】
このようにして、センシング信号蓄積部24には、センシング信号判断部23より出力されるセンシング信号のみが記憶されていく。これにより,出力されたセンシング信号は、これより前のデータに比べその変化量の大きなデータのみが選択され、変化量の小さなデータは削除されるため、センシング信号蓄積部24により多くのセンシング信号を蓄積することが可能になる。
【0043】
その後、センシング信号蓄積部24に記憶されたセンシング信号は、別途センタ装置1のセンシングデータ処理機能11bで必要に応じて読み出され処理される。この場合、センシング信号蓄積部24として、例えば、スマートメディアやメモリスティクなどセンサユニット2に対し着脱可能な記憶媒体が用いられる場合は、これらの記憶媒体をセンサユニット2から取外し、不図示の他のパソコンなどによりセンシング信号の読み出しが行われる。
【0044】
一方、センタ装置1の制御部11のセンサ駆動信号設定機能11aによりセンサ駆動信号が異なる内容のものに再設定されると、この再設定された新たなセンサ駆動信号が送信部13からセンサユニット2に向け送信される。これ以後は、新たなセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、イネーブル信号のセンシング開始時刻、イネーブル信号のセンシング終了時刻に基づいたイネーブル信号が生成され、このイネーブル信号によりセンサ本体21、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24、センサ駆動信号受信部25、AD変換器224,225が駆動され、上述したと同様にして、センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212により検出された被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温のセンシング信号がセンシング信号判断部23を通してセンシング信号蓄積部24に記憶される。
【0045】
したがって、このようにすれば、センタ装置1からセンサ駆動信号がセンサユニット2に送られると、このセンサ駆動信号によりセンサユニット2の加速度センサ211と温度センサ212より被検体4の脈拍、血圧、人の動き及び体温などのデータが検出される。これらの検出データは、センシング信号として、センシング信号判断部23に入力される。そして、センシング信号判断部23において、センサ駆動制御部22から出力されるセンシング信号の値とこれより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値とこれより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力し、センシング信号蓄積部24に記憶させるようになる。これにより、記憶されるセンシング信号は、これより前のセンシング信号に対して所定以上の変化があったセンシング信号のみを効率よく取得することができる。また、このようなセンシング信号のみを選択してセンシング信号蓄積部24に記憶するようになるので、センシング信号蓄積部24の記憶領域を有効に利用することができ、限られた記憶領域に対し有効なセンシング信号(検出データ)のみを大量に記憶することができる。
【0046】
また、センシング信号蓄積部24として、例えば、スマートメディアやメモリスティクなど、センサユニット2に対し着脱可能な記憶媒体が用いられると、これら記憶媒体をセンサユニット2から取外し、他のパソコンなどにより簡単に読み出すことができるので、データの収集が簡単にできるとともに、被検体4に対する適切な対応を速やかに行なうこともできる。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0048】
この第2の実施の形態では、図3で述べたセンサユニットを複数個用意し、これら複数のセンサユニットを無線ネットワークを介してセンタ装置に接続するようにしたものである。
【0049】
図10は、本発明の第2の実施の形態の概略構成を示すもので、図1および図3と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0050】
図において、2A〜2Nはセンサユニットで、これらセンサユニット2A〜2Nは、それぞれ図3で述べたと同様な構成のものからなっている。そして、これらセンサユニット2A〜2Nは、それぞれ別の被検体4A〜4N又は同一の被検体の異なる複数の部位に取着されており、無線ネットワーク3を介してセンタ装置1に接続されている。
【0051】
センタ装置1の制御部11は、センサ駆動信号設定機能11aとセンシングデータ処理機能11bと送信タイミング設定機能11cを有している。これらの機能はCPU又はDSPにプログラムを実行させることにより実現される。
【0052】
送信タイミング設定機能11cは、各センサユニット2A〜2Nに対しそれぞれ時間をずらして順次センサ駆動信号を送信するためのものである。センシングデータ処理機能11bは、センサユニット2で得られたセンシングデータを処理し解析するためのものである。
【0053】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
【0054】
センタ装置1において制御部11のセンサ駆動信号設定機能11bよりセンサ駆動信号が設定されると、このセンサ駆動信号は,送信タイミング設定機能11cにより時間をずらされ各センサユニット2A〜2Nに送られる。図11にセンサ駆動信号CS1、CS2〜CSnの送信タイミングの一例を示す。すなわち、センサ駆動信号CS1は、センサユニット2Aに向け、センサ駆動信号CS2は、センサユニット2Bに向け、センサ駆動信号CSnは、センサユニット2Nに向け送られる。
【0055】
これに対し各センサユニット2A〜2Nは、センサ駆動信号受信部26によりセンサ駆動信号が受信されると、この受信されたセンサ駆動信号が自己宛のものかどうかをセンサ駆動制御部22により判定する。そして、自己宛のものであれば、当該センサ駆動信号をメモリ(図示せず)に保存する。そして、以後この保存されたセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223からイネーブル信号が発生され、それぞれのセンサユニット2A〜2Nのセンサ本体12、センサ駆動信号受信部25、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24に供給される。
【0056】
センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212は、イネーブル信号のセンシング開始時刻からセンシング終了時刻までの間、所定のセンシング周期で動作し、この動作期間に被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、その検出データ(検出情報)をセンシング信号として出力する。
【0057】
これらのセンシング信号は、それぞれのセンサ駆動制御部22よりセンシング信号判断部23に入力される。センシング信号判断部23は、センサ駆動制御部22から出力されるセンシング信号の値と直前のセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前のセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力する。
【0058】
センシング信号判断部23より出力されたセンシング信号は、センシング信号蓄積部24に記憶される。このようにして、センシング信号蓄積部24には、センシング信号判断部23より出力されるセンシング信号のみが記憶されていく。
【0059】
したがって、このようにすれば、センタ装置1より、各センサユニット2A〜2Nに対して送信タイミング設定機能11cにより時間をずらされたセンサ駆動信号が送られる。これに対し各センサユニット2A〜2Nは、それぞれ、センサ駆動信号が受信されるごとにセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてイネーブル信号を生成してセンサ本体21を駆動し、これにより被検体4A〜4Nの脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、そのセンシング信号をセンシング信号判断部23へ入力するようにしている。この場合も、センシング信号判断部23において、センサ駆動制御部22から出力されるセンシング信号の値と、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と、これより前に入力されたのセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力し、センシング信号蓄積部24に記憶するようになる。これにより、センサユニット2A〜2Nにおいて記憶されるセンシング信号は、これより前ののセンシング信号に対して所定以上の変化があった特徴のあるセンシング信号のみを効率よく取得することができる。また、このような特徴のあるセンシング信号のみを選択してセンシング信号蓄積部24に記憶するようになるので、センシング信号蓄積部24の記憶領域を有効に利用することができ、限られた記憶領域に対し有効なセンシング信号(検出データ)を大量に記憶することができる。
【0060】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0061】
この第3の実施の形態では、センサユニット2内部に直接センサ駆動信号を記憶する機能を備え、この記憶されたセンサ駆動信号によりセンサ本体により被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温などのデータを検出するようにしたものである。
【0062】
図12は、本発明の第3の実施の形態にかかるセンサユニットの概略構成を示もので、図3と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0063】
この場合、センサユニット2は、図3に示す構成からセンサ駆動信号受信部25、アンテナ部26が削除されている。さらに、センタ装置1のアンテナ部13、送信部12、制御部11も削除される。また、センサ駆動制御部22は、記憶部222にパソコンなどの別の手段により直接センサ駆動信号を記憶させ、これをCPU221より読み出すことによりイネーブル信号を生成するようにしている。
【0064】
このようにすると、センサ駆動制御部22のCPU221が予め記憶部222に記憶されたセンサ駆動信号を読み出すと、センサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてイネーブル信号を発生する。
【0065】
センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212は、イネーブル信号のセンシング開始時刻からセンシング終了時刻までの間、所定のセンシング周期で動作し、被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、その検出データ(検出情報)をセンシング信号として出力する。その後の動作は、第1の実施の形態で述べたのと同様である。
【0066】
このようにすれば、センサユニット2では、事前にセンサ駆動信号が記憶され、このセンサ駆動信号に基づいて生成されたイネーブル信号によりセンサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212より検出データを取得できるので、センサ駆動信号を外部から受信して処理するものと比べ、センサユニット2の構成が簡素化される。
【0067】
また、この場合もセンサユニット2は、加速度センサ211と温度センサ212より被検体4の脈拍、血圧、及び体温などの検出データが出力されると、これらの検出データをセンシング信号として、センシング信号判断部23に入力する。そして、センシング信号判断部23において、センサ駆動制御部22から入力されるセンシング信号の値と、これより前に入力されたセンシング信号、例えばこのセンシング信号の直前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力し、センシング信号蓄積部24に記憶するようになる。これにより、直前のセンシング信号に対して所定以上の変化があった特徴のあるセンシング信号のみを効率よく取得することができる。また、このような特徴のあるセンシング信号のみを選択してセンシング信号蓄積部24に記憶するようになるので、センシング信号蓄積部24の記憶領域を有効に利用することができ、限られた記憶領域に対し有効なセンシング信号(検出データ)を大量に記憶することができる。
【0068】
なお、上述した第1乃至第3の実施の形態に用いられるセンシング信号判断部23は、センサ本体21から出力されるセンシング信号の値と直前のセンシング信号の値の差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前のセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力するようにしているが、例えば、センシング信号の所定の絶対値を設定しておき、センサ本体21からのセンシング信号の値が、所定の絶対値を超えた時、このセンシング信号をそのままセンシング信号蓄積部へ出力するようにしたものでもよい。
【0069】
また、上述した第1及び第2の実施の形態では、センシング信号判断部23から出力されるセンシング信号をセンシング信号蓄積部24に記憶するようにしているが、このセンシング信号蓄積部24に記憶したセンシング信号をセンタ装置1に送信するようなこともできる。この場合は、センサユニット2内にセンシング信号送信部を設け、センシング信号蓄積部24から読み出したセンシング信号をセンシング信号送信部により所定のフォーマットに変換して送信データを作成し、この作成された送信データをアンテナ部27からセンタ装置1に向け送信するようにすればよい。
【0070】
また、上述では、被検体4の脈拍、血圧、人の動き、体温などを検出する場合を例にとって説明したが、加速度センサ211は、被検体4の動きの方向やその大きさを検出するようにしてもよい。
【0071】
その他、センタ装置1及びセンサユニット2の構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。要するに本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0072】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサユニットが適用される遠隔センシングシステムの概略構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態で用いられるセンサ駆動信号の構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態のセンサユニットの概略構成を示す図。
【図4】第1の実施の形態のセンサユニットに用いられるセンサ本体とセンサ駆動制御部の概略構成を示す図。
【図5】第1の実施の形態で用いられるセンシング信号の構成を示す図。
【図6】第1の実施の形態のセンサユニットに用いられるセンサ駆動信号受信部の概略構成を示す図。
【図7】第1の実施の形態のセンサユニットのイネーブル信号の送出先を示す図。
【図8】第1の実施の形態のセンサユニットのイネーブル信号の送出タイミングを示す図。
【図9】第1の実施の形態に用いられるセンシング信号判断部の動作を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかるセンサユニットが適用される遠隔センシングシステムの概略構成を示す図。
【図11】第2の実施の形態のセンサ駆動信号の送信タイミングを説明する図。
【図12】本発明の第3の実施の形態にかかるセンサユニットの概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0074】
1…センタ装置、11…制御部
11a…センサ駆動信号設定機能
11b…センシングデータ処理機能
11c…送信タイミング設定機能
12…送信部、13…アンテナ部
2…センサユニット、21…センサ本体
211…加速度センサ、212…温度センサ
22…センサ駆動制御部、221…CPU
221a…センシング周期設定機能
222…記憶部、223…クロック信号発生部
224、225…AD変換部、226…SPI
23…センシング信号判断部
24…センシング信号蓄積部
25…センサ駆動信号受信部、
251…水晶発振器、252…位相安定化回路、
253…電圧制御形発振器、254…アンテナ部
255…低雑音増幅部、256…混合部
257…信号復調部、258…デジタル信号制御部
259…SPI、
26…アンテナ部、27…バッテリ
2A〜2N…センサユニット、3…無線ネットワーク
4…被検体、4A〜4N…被検体
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング対象物を通信回線を介して遠隔的に制御する遠隔センシングシステム及びセンサユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、センシングシステムとして、例えば、人体の健康状態を通信回線を利用して遠隔的に監視するシステムなどが種々提案されている。
【0003】
特許文献1および特許文献2は、このようなセンシングシステムの一例を示すもので、人体にモジュール化された小型のライフセンサを取着して人の脈拍、動き、音、体温等をリアルタイムに測定し、その測定情報をもとに通信回線を介して監視センタヘ通報し、監視センタでは、上記通報を受けると送信元の被検者を通信回線を用いて呼び返すような機能を有している。
【特許文献1】特開平10-155749号公報
【特許文献2】特開2000-93398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような遠隔センシングシステムに適用されるセンサユニットは、超小形であるにもかかわらず、センサ本体の他に、センサ本体からの検出データを一時記憶する記憶部や、監視センタとのデータのやり取りを行なうためのデータ送受信部などを内蔵したものがある。
【0005】
ところが、上述したセンシングシステムでは、センサユニットを常時動作状態にして、被検者の健康状態を頻繁に測定するようになっており、センサ本体からの検出データの量は極めて多い。このため検出データの量が記憶部の記憶容量を超えて、これ以降のデータの記憶ができなくなることがあり、必要とする肝心のデータを取得できないという問題があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、センサでの検出データを選択的に記憶可能とし、必要とするデータを効率よく取得することができる遠隔センシングシステム及びセンサユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、センシング対象物に対応して設けられるセンサユニットと、このセンサユニットとの間で通信回線を介して信号の伝送を行うセンタ装置とを具傭し、前記センタ装置は、前記センサユニットのセンサ駆動信号を設定するセンサ駆動信号設定手段と、前記センサ駆動信号設定手段で設定されたセンサ駆動信号を前記センタユニットヘ送信する送信手段とを具備し、前記センサユニットは、前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、センサ駆動信号受信手段で受信された前記センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、前記駆動制御信号により、前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、センシング対象物に対応して設けられ、通信回線を介してセンタ装置との間で信号の伝送が可能なセンサユニットであって、前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、前記センサ駆動信号受信手段で受信されたセンサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、前記駆動制御信号により、前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段とを具備することを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の発明は、センサ駆動信号を記憶するとともに、該センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、前記駆動制御信号により、前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号をそのまま出力するセンシング信号判断手段と、前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段とを具備することを特徴としている。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴としている。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項4乃至6のいずれかに記載の発明において、前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、センサでの検出データを選択的に記憶可能とし、必要とするデータを効率よく取得することができる遠隔センシングシステム及びセンサユニットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる遠隔センシングシステムの概略構成を示すもので、ここでの遠隔センシングシステムは、被検体の健康状態などを監視するものに適用した例を示している。
【0017】
この場合、遠隔センシングシステムは、医療施設や介護施設などに設置されるセンタ装置1と、このセンタ装置1に対し無線ネットワーク3を介して接続されるセンサユニット2とから構成される。センサユニット2はモジュール化されたもので、監視対象の被検体4に対し、例えばアクリル系両面接着テープにより直接貼付される。アクリル系両面接着テープは、被検体4の皮膚にかぶれ等の炎症が起きにくい、センサユニット2を被検体4からはがした時にセンサユニット2や被検体4の表面に接着のりが付着しにくい、接着層を薄くできるなどの利点を有する。
【0018】
無線ネットワーク3としては、例えばBT(BlueTooth)(登録商標)等の近距離データ通信システムや、無線LAN(Local Area Network)、PHS(Personal Handyphon System)(登録商標)、携帯電話システム等が使用される。
【0019】
なお、センタ装置1とセンサユニット2との間は必ずしも直接接続する必要はなく、無線中継器を介して接続するようにしてもよい。この場合、センサユニット2と無線中継器との問の無線通信方式としてはBTや無線LAN等の微弱又は小電力型の方式が、一方、無線中継器とセンタ装置1との問の無線通信方式として携帯電話システム等の長距離通信が可能な方式がそれぞれ使用される。
【0020】
センタ装置1は、制御部11と、送信部12と、アンテナ部13とを備えている。送信部12は、制御部11から出力されたセンサ駆動信号を変調したのち無線信号に変換し、この無線信号をアンテナ部13からセンサユニット2に向け送信するものである。
【0021】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processer)を備えたもので、この発明に係わる制御機能として、制御信号設定手段を構成するセンサ駆動信号設定機能11aとセンシングデータ処理機能11bとを有している。なお、これらの機能は上記CPU又はDSPにプログラムを実行させることにより実現される。
【0022】
センサ駆動信号設定機能11aは、管理者の判断や被検体4の状況変化に応じてセンサ駆動信号を異なる内容のものに設定するためのものである。例えば、ある内容のセンサ駆動信号を設定している途中で、他の内容のセンサ駆動信号に設定を変更したり、この逆に他の内容のセンサ駆動信号を設定している途中で、最初の内容のセンサ駆動信号に設定を変更可能にしている。センシングデータ処理機能11bは、センサユニット2で得られたセンシングデータを処理し解析するためのものである。センサ駆動信号は、図2に示すように、例えばヘッダー(2バイト)、駆動制御信号であるイネーブル信号のセンシング周期(2〜22バイト)、イネーブル信号のセンシング開始時刻(2〜32バイト)、イネーブル信号のセンシング終了時刻(2〜32バイト)、フッタ(2バイト)から構成されている。
【0023】
そして、設定されたセンサ駆動信号を送信部13へ出力し、この送信部13からセンサユニット2に向け送信させる。
【0024】
一方、センサユニット2は、図3に示すように、センサ本体21と、センサ駆動制御手段としてのセンサ駆動制御部22と、センシング信号判断手段としてのセンシング信号判断部23と、記憶手段としてのセンシング信号蓄積部24と、センサ駆動信号受信手段としてのセンサ駆動信号受信部25と、アンテナ部26と、バッテリ27とを備えている。
【0025】
センサ本体21は、図4に示すように加速度センサ211と温度センサ212を備えたもので、加速度センサ211により被検体4の脈拍、血圧、人の動きなどを検出し、温度センサ212により体温などを検出するようにしている。勿論、センサ本体21は、これら加速度センサ211と温度センサ212に限らず、他のセンサにより構成することもできる。
【0026】
センサ駆動制御部22は、図4に示すようにCPU221と、記憶部222と、クロック信号発生部223と、AD変換部224,225と、サーバ・プログラミング・インターフェース(SPI)226とを備えている。
【0027】
クロック信号発生部223は、CPU221のクロック制御信号に基づいて所定周期のクロック信号を発生する。記憶部222は、CPU221により実行されるプログラムや、設定データを記憶している。CPU221は、センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212を駆動制御するもので、上述したセンタ装置1から送られてくるセンサ駆動信号のヘッダーに含まれるセンサユニットの識別番号から当該センサ駆動信号が自己宛のものかどうかを判定し、自己宛のものであれば当該センサ駆動信号をメモリ(図示せず)に保存する。そして、以後この保存されたセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223からイネーブル信号が発生され、センサ本体12、センサ駆動信号受信部25、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24に供給される。AD変換部224、225は、CPU221からの駆動信号により駆動される加速度センサ211と温度センサ212からの検出データをデジタル信号に変換するもので、CPU221よりSPI226を介してセンシング信号として出力する。
【0028】
なお、CPU221から加速度センサ211と温度センサ212に供給するイネーブル信号としてはスタンバイ信号が用いられる。加速度センサ211と温度センサ212は、スタンバイ信号が“H”レベルになるとセンシングを行う動作状態となり、”L“レベルになると非動作状態、つまり電力消費量の少ないスタンバイ状態となる。
【0029】
図3に戻って、センシング信号判断部23は、センサ本体21より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号についてはそのままセンシング信号蓄積部24へ出力されるので、ここでは、センサ駆動制御部22(センサ本体21)から入力されるセンシング信号(検出データ)の値と、これより前に入力されたセンシング信号、例えば直前に入力されたセンシング信号の値の差の絶対値がある値以下の場合、このセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力するようになっている。センシング信号蓄積部24は、センシング信号判断部23から出力されるセンシング信号のみを記憶する記憶媒体である。この場合、センシング信号蓄積部24は、例えば、スマートメディアやメモリスティクなど、センサユニット2に対し着脱可能な記憶媒体が用いることができる。
【0030】
図5は、センシング信号蓄積部24に記憶されるセンシング信号の一例を示すもので、例えばヘッダー(2バイト)、X軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Y軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Z軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、温度データ列(2〜8×Nバイト)、フッタ(2バイト)から構成されている。
【0031】
センサ駆動信号受信部25は、図6に示すように水晶発振器251と、位相安定化回路252と、電圧制御形発振器253と、アンテナ部254と、低雑音増幅部255と、混合部256と、信号復調部257と、デジタル信号制御部258と、SPI259とを備えている。センサ駆動信号受信部25は、センタ装置1から送られたセンサ駆動信号をアンテナ部254で受信すると、低雑音増幅部255を介して混合部256に取り込み、ここで電圧制御形発振器253の出力と混合した所定周波数に変換した後、信号復調部257で復調し、この復調により得られた信号をデジタル信号制御部258よりSPI259を介してセンサ駆動制御部22に供給する。
【0032】
バッテリ27は、例えばボタン型リチウム電池からなるもので、このバッテリ27から発生するDC電圧を、センサ本体21、センサ駆動制御部22、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24およびセンサ駆動信号受信部25に駆動電源として供給するようになっている。
【0033】
図7は、センサ駆動制御部22のクロック信号発生部223のクロック信号に基づいて生成されるイネーブル信号を説明するためのものである。
【0034】
この場合、センサ駆動制御部22のCPU221は、センサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223からイネーブル信号を発生する。このイネーブル信号は、図8に示すようにセンサ計測時のタイミングで送出され、センサ本体21、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24、センサ駆動信号受信部25、AD変換器224,225に与えられるようになっている。
【0035】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
【0036】
いま,センタ装置1の制御部11のセンサ駆動信号設定機能11aにおいてセンサ駆動信号が設定されると、この設定されたセンサ駆動信号は、センサユニット2に向け送信部12よりアンテナ部13を介して送信される。
【0037】
これに対しセンサユニット2では、アンテナ部26を介してセンサ駆動信号受信部25によりセンサ駆動信号が受信されると、この受信されたセンサ駆動信号が自己宛のものかどうかを判定する。そして、自己宛のものであれば、このセンサ駆動信号を不図示のメモリに保存する。その後、この保存されたセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223は、イネーブル信号を生成し発生する。
【0038】
このイネーブル信号は、図8に示すようにセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいて送出され、センサ本体21、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24、センサ駆動信号受信部25、AD変換器224,225に与えられる。
【0039】
センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212は、イネーブル信号によりセンシング開始時刻からセンシング終了時刻までの間、所定のセンシング周期で動作し、被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、その検出データ(検出情報)をセンシング信号として出力する。
【0040】
これらのセンシング信号は、センサ駆動制御部22よりセンシング信号判断部23に入力される。図9は、センシング信号判断部23によるセンシング信号判断処理のフローを示している。この場合、センシング信号判断部23は、最初、ステップ9aで、計測開始時のセンシング信号を仮入力し、これをステップ9bで、I−1番目のセンシング信号として記憶する。この状態で、ステップ9cで、I番目のセンシング信号が入力すると、ステップ9dにおいて、I−1番目とI番目のセンシング信号の差の絶対値を比較する。ここで、I番目のセンシング信号の値とI−1番目のセンシング信号の値の差の絶対値がある値以下より小さい場合と判断されると、ステップ9eに進み、このときのI番目のセンシング信号を削除する。同時に、ステップ9fで、このI番目のセンシング信号をI−1番目のセンシング信号に置き換え、ステップ9bにおいて、このI−1番目のセンシング信号を記憶する。一方、ステップ9dにおいて、I番目のセンシング信号の値とI−1番目のセンシング信号の値の差の絶対値がある値以上で大きいと判断されると、ステップ9gに進み、I番目のセンシング信号をセンシング信号蓄積部24に送出する。同時に、ステップ9fで、このI番目のセンシング信号をI−1番目のセンシング信号に置き換え、ステップ9bにおいて、このI−1番目のセンシング信号を記憶する。以下、センサ駆動制御部22より出力されるセンシング信号に対し、センシング信号判断部23により同様なセンシング信号判断処理が行われる。
【0041】
センシング信号判断部23より出力されたセンシング信号は、センシング信号蓄積部24に記憶される。この場合、センシング信号蓄積部24に記憶されるセンシング信号は、例えば、図5に記すように、例えばヘッダー(2バイト)、X軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Y軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、Z軸加速度データ列(2〜8×Nバイト)、温度データ列(2〜8×Nバイト)、フッタ(2バイト)から構成されている。
【0042】
このようにして、センシング信号蓄積部24には、センシング信号判断部23より出力されるセンシング信号のみが記憶されていく。これにより,出力されたセンシング信号は、これより前のデータに比べその変化量の大きなデータのみが選択され、変化量の小さなデータは削除されるため、センシング信号蓄積部24により多くのセンシング信号を蓄積することが可能になる。
【0043】
その後、センシング信号蓄積部24に記憶されたセンシング信号は、別途センタ装置1のセンシングデータ処理機能11bで必要に応じて読み出され処理される。この場合、センシング信号蓄積部24として、例えば、スマートメディアやメモリスティクなどセンサユニット2に対し着脱可能な記憶媒体が用いられる場合は、これらの記憶媒体をセンサユニット2から取外し、不図示の他のパソコンなどによりセンシング信号の読み出しが行われる。
【0044】
一方、センタ装置1の制御部11のセンサ駆動信号設定機能11aによりセンサ駆動信号が異なる内容のものに再設定されると、この再設定された新たなセンサ駆動信号が送信部13からセンサユニット2に向け送信される。これ以後は、新たなセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、イネーブル信号のセンシング開始時刻、イネーブル信号のセンシング終了時刻に基づいたイネーブル信号が生成され、このイネーブル信号によりセンサ本体21、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24、センサ駆動信号受信部25、AD変換器224,225が駆動され、上述したと同様にして、センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212により検出された被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温のセンシング信号がセンシング信号判断部23を通してセンシング信号蓄積部24に記憶される。
【0045】
したがって、このようにすれば、センタ装置1からセンサ駆動信号がセンサユニット2に送られると、このセンサ駆動信号によりセンサユニット2の加速度センサ211と温度センサ212より被検体4の脈拍、血圧、人の動き及び体温などのデータが検出される。これらの検出データは、センシング信号として、センシング信号判断部23に入力される。そして、センシング信号判断部23において、センサ駆動制御部22から出力されるセンシング信号の値とこれより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値とこれより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力し、センシング信号蓄積部24に記憶させるようになる。これにより、記憶されるセンシング信号は、これより前のセンシング信号に対して所定以上の変化があったセンシング信号のみを効率よく取得することができる。また、このようなセンシング信号のみを選択してセンシング信号蓄積部24に記憶するようになるので、センシング信号蓄積部24の記憶領域を有効に利用することができ、限られた記憶領域に対し有効なセンシング信号(検出データ)のみを大量に記憶することができる。
【0046】
また、センシング信号蓄積部24として、例えば、スマートメディアやメモリスティクなど、センサユニット2に対し着脱可能な記憶媒体が用いられると、これら記憶媒体をセンサユニット2から取外し、他のパソコンなどにより簡単に読み出すことができるので、データの収集が簡単にできるとともに、被検体4に対する適切な対応を速やかに行なうこともできる。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0048】
この第2の実施の形態では、図3で述べたセンサユニットを複数個用意し、これら複数のセンサユニットを無線ネットワークを介してセンタ装置に接続するようにしたものである。
【0049】
図10は、本発明の第2の実施の形態の概略構成を示すもので、図1および図3と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0050】
図において、2A〜2Nはセンサユニットで、これらセンサユニット2A〜2Nは、それぞれ図3で述べたと同様な構成のものからなっている。そして、これらセンサユニット2A〜2Nは、それぞれ別の被検体4A〜4N又は同一の被検体の異なる複数の部位に取着されており、無線ネットワーク3を介してセンタ装置1に接続されている。
【0051】
センタ装置1の制御部11は、センサ駆動信号設定機能11aとセンシングデータ処理機能11bと送信タイミング設定機能11cを有している。これらの機能はCPU又はDSPにプログラムを実行させることにより実現される。
【0052】
送信タイミング設定機能11cは、各センサユニット2A〜2Nに対しそれぞれ時間をずらして順次センサ駆動信号を送信するためのものである。センシングデータ処理機能11bは、センサユニット2で得られたセンシングデータを処理し解析するためのものである。
【0053】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
【0054】
センタ装置1において制御部11のセンサ駆動信号設定機能11bよりセンサ駆動信号が設定されると、このセンサ駆動信号は,送信タイミング設定機能11cにより時間をずらされ各センサユニット2A〜2Nに送られる。図11にセンサ駆動信号CS1、CS2〜CSnの送信タイミングの一例を示す。すなわち、センサ駆動信号CS1は、センサユニット2Aに向け、センサ駆動信号CS2は、センサユニット2Bに向け、センサ駆動信号CSnは、センサユニット2Nに向け送られる。
【0055】
これに対し各センサユニット2A〜2Nは、センサ駆動信号受信部26によりセンサ駆動信号が受信されると、この受信されたセンサ駆動信号が自己宛のものかどうかをセンサ駆動制御部22により判定する。そして、自己宛のものであれば、当該センサ駆動信号をメモリ(図示せず)に保存する。そして、以後この保存されたセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてクロック信号発生部223からイネーブル信号が発生され、それぞれのセンサユニット2A〜2Nのセンサ本体12、センサ駆動信号受信部25、センシング信号判断部23、センシング信号蓄積部24に供給される。
【0056】
センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212は、イネーブル信号のセンシング開始時刻からセンシング終了時刻までの間、所定のセンシング周期で動作し、この動作期間に被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、その検出データ(検出情報)をセンシング信号として出力する。
【0057】
これらのセンシング信号は、それぞれのセンサ駆動制御部22よりセンシング信号判断部23に入力される。センシング信号判断部23は、センサ駆動制御部22から出力されるセンシング信号の値と直前のセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前のセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力する。
【0058】
センシング信号判断部23より出力されたセンシング信号は、センシング信号蓄積部24に記憶される。このようにして、センシング信号蓄積部24には、センシング信号判断部23より出力されるセンシング信号のみが記憶されていく。
【0059】
したがって、このようにすれば、センタ装置1より、各センサユニット2A〜2Nに対して送信タイミング設定機能11cにより時間をずらされたセンサ駆動信号が送られる。これに対し各センサユニット2A〜2Nは、それぞれ、センサ駆動信号が受信されるごとにセンサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてイネーブル信号を生成してセンサ本体21を駆動し、これにより被検体4A〜4Nの脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、そのセンシング信号をセンシング信号判断部23へ入力するようにしている。この場合も、センシング信号判断部23において、センサ駆動制御部22から出力されるセンシング信号の値と、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と、これより前に入力されたのセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力し、センシング信号蓄積部24に記憶するようになる。これにより、センサユニット2A〜2Nにおいて記憶されるセンシング信号は、これより前ののセンシング信号に対して所定以上の変化があった特徴のあるセンシング信号のみを効率よく取得することができる。また、このような特徴のあるセンシング信号のみを選択してセンシング信号蓄積部24に記憶するようになるので、センシング信号蓄積部24の記憶領域を有効に利用することができ、限られた記憶領域に対し有効なセンシング信号(検出データ)を大量に記憶することができる。
【0060】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0061】
この第3の実施の形態では、センサユニット2内部に直接センサ駆動信号を記憶する機能を備え、この記憶されたセンサ駆動信号によりセンサ本体により被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温などのデータを検出するようにしたものである。
【0062】
図12は、本発明の第3の実施の形態にかかるセンサユニットの概略構成を示もので、図3と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0063】
この場合、センサユニット2は、図3に示す構成からセンサ駆動信号受信部25、アンテナ部26が削除されている。さらに、センタ装置1のアンテナ部13、送信部12、制御部11も削除される。また、センサ駆動制御部22は、記憶部222にパソコンなどの別の手段により直接センサ駆動信号を記憶させ、これをCPU221より読み出すことによりイネーブル信号を生成するようにしている。
【0064】
このようにすると、センサ駆動制御部22のCPU221が予め記憶部222に記憶されたセンサ駆動信号を読み出すと、センサ駆動信号に含まれるイネーブル信号のセンシング周期、センシング開始時刻、センシング終了時刻に基づいてイネーブル信号を発生する。
【0065】
センサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212は、イネーブル信号のセンシング開始時刻からセンシング終了時刻までの間、所定のセンシング周期で動作し、被検体4の脈拍、血圧、人の動きを始め体温を検出し、その検出データ(検出情報)をセンシング信号として出力する。その後の動作は、第1の実施の形態で述べたのと同様である。
【0066】
このようにすれば、センサユニット2では、事前にセンサ駆動信号が記憶され、このセンサ駆動信号に基づいて生成されたイネーブル信号によりセンサ本体21の加速度センサ211と温度センサ212より検出データを取得できるので、センサ駆動信号を外部から受信して処理するものと比べ、センサユニット2の構成が簡素化される。
【0067】
また、この場合もセンサユニット2は、加速度センサ211と温度センサ212より被検体4の脈拍、血圧、及び体温などの検出データが出力されると、これらの検出データをセンシング信号として、センシング信号判断部23に入力する。そして、センシング信号判断部23において、センサ駆動制御部22から入力されるセンシング信号の値と、これより前に入力されたセンシング信号、例えばこのセンシング信号の直前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力し、センシング信号蓄積部24に記憶するようになる。これにより、直前のセンシング信号に対して所定以上の変化があった特徴のあるセンシング信号のみを効率よく取得することができる。また、このような特徴のあるセンシング信号のみを選択してセンシング信号蓄積部24に記憶するようになるので、センシング信号蓄積部24の記憶領域を有効に利用することができ、限られた記憶領域に対し有効なセンシング信号(検出データ)を大量に記憶することができる。
【0068】
なお、上述した第1乃至第3の実施の形態に用いられるセンシング信号判断部23は、センサ本体21から出力されるセンシング信号の値と直前のセンシング信号の値の差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、逆に、センシング信号の値と直前のセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を出力するようにしているが、例えば、センシング信号の所定の絶対値を設定しておき、センサ本体21からのセンシング信号の値が、所定の絶対値を超えた時、このセンシング信号をそのままセンシング信号蓄積部へ出力するようにしたものでもよい。
【0069】
また、上述した第1及び第2の実施の形態では、センシング信号判断部23から出力されるセンシング信号をセンシング信号蓄積部24に記憶するようにしているが、このセンシング信号蓄積部24に記憶したセンシング信号をセンタ装置1に送信するようなこともできる。この場合は、センサユニット2内にセンシング信号送信部を設け、センシング信号蓄積部24から読み出したセンシング信号をセンシング信号送信部により所定のフォーマットに変換して送信データを作成し、この作成された送信データをアンテナ部27からセンタ装置1に向け送信するようにすればよい。
【0070】
また、上述では、被検体4の脈拍、血圧、人の動き、体温などを検出する場合を例にとって説明したが、加速度センサ211は、被検体4の動きの方向やその大きさを検出するようにしてもよい。
【0071】
その他、センタ装置1及びセンサユニット2の構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。要するに本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0072】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるセンサユニットが適用される遠隔センシングシステムの概略構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態で用いられるセンサ駆動信号の構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態のセンサユニットの概略構成を示す図。
【図4】第1の実施の形態のセンサユニットに用いられるセンサ本体とセンサ駆動制御部の概略構成を示す図。
【図5】第1の実施の形態で用いられるセンシング信号の構成を示す図。
【図6】第1の実施の形態のセンサユニットに用いられるセンサ駆動信号受信部の概略構成を示す図。
【図7】第1の実施の形態のセンサユニットのイネーブル信号の送出先を示す図。
【図8】第1の実施の形態のセンサユニットのイネーブル信号の送出タイミングを示す図。
【図9】第1の実施の形態に用いられるセンシング信号判断部の動作を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかるセンサユニットが適用される遠隔センシングシステムの概略構成を示す図。
【図11】第2の実施の形態のセンサ駆動信号の送信タイミングを説明する図。
【図12】本発明の第3の実施の形態にかかるセンサユニットの概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0074】
1…センタ装置、11…制御部
11a…センサ駆動信号設定機能
11b…センシングデータ処理機能
11c…送信タイミング設定機能
12…送信部、13…アンテナ部
2…センサユニット、21…センサ本体
211…加速度センサ、212…温度センサ
22…センサ駆動制御部、221…CPU
221a…センシング周期設定機能
222…記憶部、223…クロック信号発生部
224、225…AD変換部、226…SPI
23…センシング信号判断部
24…センシング信号蓄積部
25…センサ駆動信号受信部、
251…水晶発振器、252…位相安定化回路、
253…電圧制御形発振器、254…アンテナ部
255…低雑音増幅部、256…混合部
257…信号復調部、258…デジタル信号制御部
259…SPI、
26…アンテナ部、27…バッテリ
2A〜2N…センサユニット、3…無線ネットワーク
4…被検体、4A〜4N…被検体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング対象物に対応して設けられるセンサユニットと、このセンサユニットとの間で通信回線を介して信号の伝送を行うセンタ装置とを具傭し、
前記センタ装置は、
前記センサユニットのセンサ駆動信号を設定するセンサ駆動信号設定手段と、
前記センサ駆動信号設定手段で設定されたセンサ駆動信号を前記センタユニットヘ送信する送信手段とを具備し、
前記センサユニットは、
前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、
センサ駆動信号受信手段で受信された前記センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、
前記駆動制御信号により、
前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、
前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、
前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段と
を具備することを特徴とする遠隔センシングシステム。
【請求項2】
センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴とする請求項1記載の遠隔センシングシステム。
【請求項3】
前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴とする請求項1又は2記載の遠隔センシングシステム。
【請求項4】
センシング対象物に対応して設けられ、通信回線を介してセンタ装置との間で信号の伝送が可能なセンサユニットであって、
前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、
前記センサ駆動信号受信手段で受信されたセンサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、
前記駆動制御信号により、
前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、
前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、
前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段と
を具備することを特徴とするセンサユニット。
【請求項5】
センサ駆動信号を記憶するとともに、該センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、
前記駆動制御信号により、
前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、
前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号をそのまま出力するセンシング信号判断手段と、
前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段と
を具備することを特徴とするセンサユニット。
【請求項6】
センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴とする請求項4又は5記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のセンサユニット。
【請求項1】
センシング対象物に対応して設けられるセンサユニットと、このセンサユニットとの間で通信回線を介して信号の伝送を行うセンタ装置とを具傭し、
前記センタ装置は、
前記センサユニットのセンサ駆動信号を設定するセンサ駆動信号設定手段と、
前記センサ駆動信号設定手段で設定されたセンサ駆動信号を前記センタユニットヘ送信する送信手段とを具備し、
前記センサユニットは、
前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、
センサ駆動信号受信手段で受信された前記センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、
前記駆動制御信号により、
前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、
前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、
前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段と
を具備することを特徴とする遠隔センシングシステム。
【請求項2】
センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴とする請求項1記載の遠隔センシングシステム。
【請求項3】
前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴とする請求項1又は2記載の遠隔センシングシステム。
【請求項4】
センシング対象物に対応して設けられ、通信回線を介してセンタ装置との間で信号の伝送が可能なセンサユニットであって、
前記センタ装置から送信されるセンサ駆動信号を受信するセンサ駆動信号受信手段と、
前記センサ駆動信号受信手段で受信されたセンサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、
前記駆動制御信号により、
前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、
前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号を出力するセンシング信号判断手段と、
前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段と
を具備することを特徴とするセンサユニット。
【請求項5】
センサ駆動信号を記憶するとともに、該センサ駆動信号に応じた駆動制御信号を発生するセンサ駆動制御手段と、
前記駆動制御信号により、
前記センシング対象物の状態を表わすセンシング信号を出力するセンサ本体と、
前記センサ本体より出力されるセンシング信号の状態変化を判断し、所定以上の状態変化をともなうセンシング信号をそのまま出力するセンシング信号判断手段と、
前記センシング信号判断手段より出力されるセンシング信号を記憶する記憶手段と
を具備することを特徴とするセンサユニット。
【請求項6】
センシング信号判断手段は、前記センサ本体より入力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号の値との差の絶対値がある値以下の場合、このときのセンシング信号を削除し、前記センサ本体より出力されるセンシング信号の値に対し、これより前に入力されたセンシング信号との差の絶対値がある値以上の場合、このセンシング信号を前記記憶手段へ出力することを特徴とする請求項4又は5記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記記憶手段は、着脱可能な記憶媒体からなることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のセンサユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−247121(P2006−247121A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67631(P2005−67631)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(505005865)株式会社 医療電子科学研究所 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(505005865)株式会社 医療電子科学研究所 (28)
【Fターム(参考)】
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