説明

適応可能アンテナシステム

【課題】小さな挟帯域周波数適応可能アンテナを利用し、無線モデムの広域へのカバレッジ及びホスト無線装置上の周波数帯域を提供する。
【解決手段】送信及び受信アンテナ302、303は、挟通過帯域特性を有し、ホスト装置上で最小のスペースを必要とし、より小さな形成要素(form factor)を可能にする。周波数チューン可能なことは、さらに、使用される送信及び受信アンテナ302、303をより少ない数にすることを可能にする。送信及び受信アンテナ302、303の動作は、さらに使用されていないモデムから使用されているモデムに適応可能に再配置(relocate)され、性能を最大にする。アンテナのこれら特徴は、コスト及びサイズを結果的に低減する。他の観点では、アンテナはブロードバンドアンテナであることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に通信に関し、より具体的には、適応可能アンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置は、次世代無線ネットワークシステムにおいて使用される異なるアンテナ要求を有する。これら要求に適合する合致するのに必要なとなる詳細なアンテナ構成は、特定のキャリア要求(例えば、動作モード、帯域クラス、所望の機能性)及び装置タイプ(例えば、ハンドセット、デスクトップ、モデム、ラップトップ、PCMCIAカード、PDAなど)のような多くの要素によって影響が与えられる。加えて、無線標準(WWAN、WLAN、ブルートゥース、UWB、FLO、DVB−Hなど)及び周波数帯域(ほぼ410MHzからほぼ11GHzまで)の数の増加によって、従来のアプローチがホスト無線装置の新しい標準及び/又は周波数帯域の新しいアンテナに加えられてきている。この追加コスト(アンテナ要素、関連するケーブル、コネクタ)は、無線装置での追加的なスペースを必要とし、さらに異なるRFトランシーバ間の分離を低下させる。したがって、アンテナがまだ将来有望な無線標準及び新しい周波数スペクトルをサポートすることができる間、アンテナ数を最小に保つ(すなわち、現在の装置に存在するアンテナ数よりも大きくない)ような新しいアンテナ構成が、この分野において必要とされている。
【概要】
【0003】
この発明は、小さく挟帯域及び周波数適応可能アンテナを利用して、カバレッジ(coverage)をホスト無線装置の周波数帯域及び無線モデムの広範囲に提供する。これらアンテナは、挟通過帯域特性を有し、ホスト装置上に最小限のスペースを必要とし、より小さい形成要素(form factor)を可能にする。本発明は、さらに、転送スイッチマトリクスの使用とともに、小さいアンテナの周波数チューン可能特徴により、使用されるより少ないアンテナ数を可能にする。アンテナの動作は、さらに適応的に使用されていないモードから使用されているモードに再配置され、性能を最大限にすることもできる。本発明の特徴は、結果的に、アンテナのコスト及びサイズの低減となる。
【0004】
ホスト無線装置は、ポータブル電話、PDA、ラップトップ、身体装着センサ、娯楽コンポーネント、無線ルータ、トラッキング装置、その他であっても良い。周波数応答が挟帯域のアンテナを作ることによって、その物理的なサイズは、現在無線装置において使用されている従来の共振アンテナよりも十分に小さく作ることができる。所望の無線チャネル、ある周波数副帯域或いはある時間における帯域で動作するために、この小さなアンテナは、電子的に選択可能な共振周波数特性を有するように設計される。この周波数適応可能性は1つの小さいアンテナが全ての要求される無線標準及び周波数帯域をカバーすることを可能にする。ある状況においては、1つ以上の無線モードが同時に動作するために必要とされる。この場合、第1の小さなアンテナと同様の第2の小さなアンテナが同じホスト無線装置で利用される。これら2つのアンテナは同時に異なる帯域で動作する。これらアンテナは、さらに同時に同じ周波数帯域で動作する。さらに、同じ周波数帯域においては、アンテナのうちの1つは送信に使用され、他の1つは受信に同時に使用される。これらアンテナは、非常に挟帯域の動作周波数或いは通過帯域を有するので、アンテナ間の分離は、現存する無線装置において現在使用されているアンテナの分離よりも非常に高い。これは、本願発明の他の特徴、すなわち、より多くのフロント−エンドフィルタを追加する必要のない同時動作のアンテナ間の高い分離である。
【0005】
これら小さな挟帯域周波数チューン可能なアンテナの数は、2以上の同時動作モードをサポートするために、さらに2以上にまで増加することができる。動作周波数及びこれらアンテナのモードは、リソース及び性能が、予め設定された性能基準又はユーザの好み及び選択に基づいて、ホスト装置において最大限必要とされている場合に適応可能である。このことは、与えらた数の無線モード及び周波数帯域をカバーできるより少ない数のアンテナを可能にする。性能は最適化され、必要とされ及び/又は要求された場合に適応可能とされる。例えば、複数のアンテナのうちの1つ以上のアンテナは、装置内のRF干渉を抑制し、身体或いは外部の影響を緩和する。本願発明におけるアンテナリソースは、適応可能であり、最大限必要とされた場合にリダイレクトされ、或いは特定の優先順位に基づいて分割される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、複数の送信/受信アンテナを有するシステムを示す。
【図2】図2は、図1のシステムの送受信周波数帯域の反射電力の観点からのアンテナ周波数応答を示す。
【図3】図3は、本願発明の観点にしたがった2つのチューン可能なアンテナを有する装置を示す。
【図4】図4は、送信及び/又は受信ダイバーシティを提供する複数のチューン可能なアンテナを有する装置を示す。
【図5】図5は、図3のアンテナシステム300を使用する方法を示す。
【図6】図6は、本願発明のチューン可能な或いは再構成可能なアンテナのセットを示す。
【図7(a)】図7(a)は、8個のアンテナを使用するラップトップ/ノートブック/タブレットの固定アンテナ構成を示す。
【図7(b)】図7(b)は、8個の固定アンテナを置き代えるための4つのチューン可能なアンテナを使用するラップトップ/ノートブック/タブレットの適応可能アンテナ構成を示す。
【詳細な説明】
【0007】
”世界電話”のようないくつかの無線通信装置は、複数の周波数帯域(”マルチバンド”)及び複数の通信標準(”マルチモード”)で動作することを意図しており、適切な機能のためにマルチバンドアンテナ及び/又は複数のアンテナを必要としている。物理法則は、必要とされる周波数帯域にわたり機能するためにマルチバンドアンテナはシングルバンドアンテナよりも電気的に大きいことを示している。図1に示されるように、"マルチバンド"装置は、各周波数帯域の2つの送信/受信アンテナ使用し、従って、複数の送信/受信アンテナを有する。また、”マルチバンド”装置は、1つのマルチバンドアンテナを使用し、乗算器又は各周波数帯域のアンテナ信号を各帯域の適切な送信器及び受信器にルートするための単一局複数投入(single-pole-multiple-throws)スイッチが必要とされる。
【0008】
同様に、”マルチモード”装置は、各通信標準の1つの送信/受信アンテナを使用し、従って、複数の送信/受信アンテナを有する。また、”マルチモード”装置は、動作のための追加の乗算器或いは単一局複数投入スイッチを有する1つのマルチバンドアンテナを使用する。EVDO(エヴォリューションデータ最適化)及びMIMO(複数入力複数出力)のようないくつかの無線基準は、データスループット性能及び音声品質を向上するために追加的なアンテナを必要とするダイバーシティスキームを使用する。無線通信装置のより多くのマルチバンドアンテナについての要望は増大してきており、無線装置のサイズ及びコストの増大に起因して出てきている。
【0009】
図1を参照すると、複数の送信/受信アンテナ102、112、デュプレクサ(duplexer)104、114、送信回路106、116及び受信回路108、118が示されている。例として、アンテナ112、デュプレクサ114、送信回路116及び受信回路118がGSM(登録商標)A或いはWCDMA信号を送信し、受信するように構成されている一方で、アンテナ102、デュプレクサ104、送信回路106及び受信回路108は、CDMA信号を送信し受信するように構成されている。
【0010】
図2は、図1のシステム110の送信及び受信周波数帯域202A、202Bの反射電力のアンテナ周波数応答を示す。例として、理想的な送信周波数が824−849メガヘルツ(MHz)、理想的な受信周波数が869−894MHzが1つの構成として示されている。
【0011】
図3は、本発明の観点に従う2つのチューン可能(tunable)アンテナ302、303を持つ装置320、周波数コントローラ310、送信回路306及び受信回路308を示す。装置320は、分離した送信及び受信アンテナ302、303の1つの組を有し、複数の周波数帯域及び/又は複数の無線通信モードのチューンが可能である。装置320は、移動電話、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、ページャ、ステーショナリ装置或いは、ラップトップ又はノートブックコンピュータのようなコンピュータに挿入され、プラグ接続され、取り付けられることが可能なポータブル通信カード(例えば、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA))のような無線通信装置である。
【0012】
アンテナ302、303は、特定の通信装置の内部にフィットする十分に小さなサイズである。送信回路306、受信回路308は分離したユニットとして示されているが、プロセッサ、メモリ、擬似ランダム雑音(PN)シーケンス生成器などのような1つ
以上の要素であっても良い。装置320は、装置320のサイズ及びコストを低減できるデュプレクサを必要としない。
【0013】
分離した送信チューン可能アンテナ302及び受信チューン可能アンテナ303は、周波数チューン/適応要素を有し、周波数コントローラ310によって制御され、複数の周波数帯域(マルチバンド)(周波数範囲或いはチャネルセットととも呼ばれる)における通信を可能にし、及び/又は以下にさらに述べられる複数の無線基準(複数モード)に従う。二重(dual)アンテナシステム300は、特定の動作周波数についてのその性能を適応的に最適化するように構成されている。このことは、種々の国又は地域において異なる周波数帯域及び/又は異なる無線基準で装置320を使用することを希望するユーザにとって便利である。
【0014】
例えば、アンテナ302、303は、符号拡散多重アクセス(CDMA)、移動通信用拡張グローバルシステム(EGSM)、グローバルポジショニングシステム(GPS)、デジタルセルラシステム(DCS)、ユニバーサル移動遠隔通信システム(UMTS)などのような複数帯域無線用途のどんな周波数待機においても動作するようにチューンされる。アンテナ302、303は、1つ以上の1.25−MHzキャリアを使用できるCDMA 1x EVDO通信に使用されることができる。二重アンテナシステム300は、CDMA,GSM、ワイドバンドCDMA(WCDMA)、時分割同期CDMA(TD−SCDMA)、直交周波数分割多重(OFDM)、WiMAXなどのような複数の無線基準(複数のモード)を使用することができる。
【0015】
送信アンテナ302及び受信アンテナ303のチューニング要素は、分離した要素でも1つの要素として集積されたものであっても良い。チューニング要素は、以下にさらに述べられるSPnTスイッチ(n個の固定キャパシタ)に取り付けられても良いし、n個の各固定キャパシタのSP1Tスイッチ(オン/オフ用)に取り付けられても良い。チューニング要素は送信及び受信回路306、308における分離したコントロールユニット或いは、周波数コントローラ310のような1つのコントロールユニットによって制御されてもよい。
【0016】
アンテナ302、303は挟帯域の個々の周波数応答を有し、送信回路306及び受信回路308の間の結合(或いはクロストーク)を最小にすることに注意すべきである。どのタイムスロットでも、各アンテナは、動作チャネル周辺の送信又は受信周波数サブ帯域の小さい部分のみをカバーすることに留意すべきである。
【0017】
チューニング要素は、送信アンテナ302及び受信アンテナ303の動作周波数を変化するために使用される。チューニング要素は、電圧可変マイクロ電子機械システム(MEMS)、電圧可変強誘電体キャパシタ、バラクター、可変容量ダイオード、他の周波数チューン要素である。上述のように、チューニング要素は、SPnTスイッチ(n個の固定キャパシタ用)に取り付けられ、又はn個の各固定キャパシタのSP1Tスイッチ(オン/オフ用)に取り付けられてもよい。例えば、チューニング要素に印加される異なる電圧又は電流はチューニング要素の容量を変化し、アンテナ302又は303の送信或いは受信周波数を変化する。
【0018】
二重アンテナシステム300は、1つ以上の利点を有する。二重アンテナシステム300は、十分に分離(低結合、低リーク)される。直交アンテナの組は、より高い分離(低結合)である。高Q及び挟帯域アンテナはCDMAシステムのような全二重システムにおける送信及び受信チェーンの間の高分離を提供する。
【0019】
アンテナ302、303間の高分離を提供するために挟瞬間帯域幅を有する分離かつ小さな送信及び受信アンテナ302、303を使用することによって、二重アンテナシステム300は、特定のデュプレクサ、マルチプレクサ、スイッチ及び分離器が複数帯域及び/又は複数モード装置における無線周波数(RF)回路から省略されることを可能にし、このことはコストをセーブし、回路基板領域を減少する。
【0020】
より小さなアンテナは、装置320におけるアンテナ搭載位置の選択により大きなフレキシビリティを与える。
【0021】
二重アンテナシステム300は、ハーモニック拒絶を強調し、より良い信号品質、すなわち、より良い音声品質又はより高いデータレートを提供する。
【0022】
二重アンテナシステム300は、送信回路及び/又は受信回路を有するアンテナの集積を可能にし、無線装置のサイズ及びコストを低減する。周波数チューン可能送信及び受信アンテナ302、303は、アンテナ数及び/又はサイズを低減することによってホストマルチモード及び/又はマルチバンド無線装置のサイズ及びコストの低減を可能にする。図3のアンテナ302、303は、種々の方法で装置320の内部に配置可能に構成できることは明らかである。
【0023】
二重アンテナシステム300は、例えば、EVDO或いはMIMOシステムにおける図4に示したような例えば偏波ダイバーシティ或いは空間ダイバーシティのダイバーシティの特徴を実現するのに使用される。図4は、複数のチューン可能アンテナ432A、432B、433A、433Bを有する装置を示し、送信ダイバーシティ及び/又は受信ダイバーシティを提供する。いずれの数のチューン可能送信及び/又は受信アンテナが実装可能である。
【0024】
図5は図3の二重アンテナシステム300を使用する方法を示す。ブロック500においては、二重アンテナシステム300は、第1の無線通信モードに関連付けられた第1の周波数範囲を使用して、第1のアンテナ302で信号を送信し、第2のアンテナ303で信号を受信する。第1の周波数範囲は、チャネルの組であり、例えば、異なる符号及び/又は周波数によって定義されるチャネルである。
【0025】
ブロック502では、装置320は周波数範囲及び/又はモードの変化があったか否かの決定が行なわれる。もしない場合には、二重アンテナシステム300はブロック500を継続する。変化があった場合、二重アンテナシステム300は、次に、ブロック504に移る。装置320は周波数範囲及び/又は第2の無線通信モードが、第1の周波数範囲及び/又は無線通信モードよりもより良い通信(パイロット又はデータ信号受信、信号/雑音比(SNR)、フレームレートエラー(FER)、ビットエラーレート(BER)など)を提供しているかを決定する。
【0026】
ブロック504では、二重アンテナシステム300は第1の無線通信モード又は第2の無線通信モードに関連付けられた第2の周波数範囲にしたがったアンテナ要素を有するアンテナ302、303をチューンする。第2の周波数範囲はチャネルの組であり、例えば、異なる符号及び/又は周波数によって定義される。
【0027】
ブロック506では、二重アンテナシステム300は、第2の周波数範囲を使用して、第1のアンテナ302で信号を送信し、第2のアンテナ303で信号を受信する。
【0028】
アンテナ設計はポータブルな無線装置タイプのワイドアレイのために必要とされることは明らかであり、ポータブルな無線装置のタイプは、
・キャンディーバー(candy bar)、クラムシェル(clam shell)、スライダーにおけるハンドセット及びPDAパッケージングフォーマット(ハンドセットの内部或いは外部のアンテナを有する)
・エクスプレスカードフォーマット及びPCMCIAのようなラップトップのプラグアンドプレイモデム(カードPCBに集積されたアンテナを有する)
・フルサイズ及びミニサイズのラップトップ(ラップトップディスプレイ又はキーボードエリアに埋め込まれたアンテナを有する)
・デスクトップモデム(モデム上に搭載されたアンテナを有する)
を含む。
【0029】
所与の装置タイプのアンテナアプローチの選択は、アンテナサイト周辺の許容できる量、形状及びローカル構造に非常に依存する。
【0030】
可能動作モード及びアンテナ周波数カバレッジ
上述のように、ポータブル装置が動作できる潜在的な機能性モード及び周波数帯域は著しく変化する。すなわち、モード及び周波数帯域の多くの可能な組合せがある。以下の記述において認識される全てのモード及び帯域が所与のポータブル装置において実現されることは可能ではない。このように、要求されたアンテナ周波数帯域カバレッジは特定のサービスプロバイダによって望まれるモードのサブセット及び配置(deploy)が入手できるどんなスペクトラムに依存することができる。
【0031】
特定のサービスプロバイダーが大陸にわたるローミングサービスを提供する場合には、他の複雑化を行なってもよい。これは、”世界電話”のアンテナ周波数カバレッジ要求を非常に増大する効果がある。例として、北アメリカ及び欧州において動作可能な電話を考える。表1は、異なる機能性/モードのMIMO及びRX−TXダイバーシティ処理の二重アンテナを有する電話に要求される潜在的周波数範囲を明らかにする。
【表1】

【表2】

【0032】
・UWBは、3−10GHzをカバーする少なくとも1オクターブの周波数帯域を有するアンテナを必要とする。
【0033】
・・WiMAXは2−11GHzレンジ内のより小さなサブバンドに配置される。
【表3】

【0034】
表1に見られるように、典型的なポータブル装置において利用可能な空間に与えられる単一のパッシブアンテナ要素における異なるモードの全ての帯域幅に到達することは、非常に厳しい挑戦である。二重共振アンテナ構造は、この状況を改善するものと考えられるが、このアプローチでさえも下側帯域及び上側帯域それぞれについての二重帯域カバレッジを有するサブバンドを必要とする。より多くの帯域が例えばFLO(約716−722MHz)及びDVB−H(約470−862MHz)のようなブロードキャストサービスをサポートするために追加される場合であっても、この問題はさらに悪化する。
【0035】
その結果、パッシブ単一アンテナアプローチが小さなポータブ無線において実装された場合には、要求された周波数カバレッジが、実質的な制限に到達する。したがって、複数のアンテナ及び/又はアクティブにチューンされたアンテナ技術はこの問題を取り扱うのに考慮されなければならない。
【0036】
アンテナ要素の数
動作の多くのモードに加えて、DO Revs. B andCを実装する未来の無線は、移動受信ダイバーシティ(MRD)、移動送信ダイバーシティ(MTD)及びMIMO(複数入力、複数出力)のようなアドバンス信号処理技術を実現する。これらは、装置上に実装される同一の周波数で動作する1つのアンテナ要素よりも多くを必要とする。MIMOについては、4つのアンテナ要素が必要とされる。加えて、GPS、ブルートゥース、802.11a/b/g(WLAN)に使用されるアンテナがさらに考慮されなければならない。以下の表2は各個別モードを仮定することが必要とされるアンテナ数を示す。
【表4】

【0037】
表2に見られるように、各モード個々のアンテナを有する全てのモードを実現する無線は実用的ではなく、単一のアンテナ要素で個々のモードのいくつかの共有が必要とされる。ブロードバンド又はマルチバンド技術及び/又はチューン可能アンテナ技術の使用は、所与のプラットフォームにおいて要求されたアンテナの数を低減する。これらアプローチの実現可能性及び必要とされるアンテナ数は帯域数及び所与のアンテナ要素で共有されたモードによって駆動される。さらに、必要とされるアンテナ要素の数は、各サブバンドに必要とされる瞬時帯域幅、異なるアンテナ要素にサービスを行なう種々のモード間の瞬間性の必要性及び無線の工業設計によって課される機械制約によって決定される。これら要素が一緒になって所与のプラットフォームの許容できるサイズ、位置及び種々のアンテナ要素間の必要な分離を決定する。
【0038】
共有モードのアンテナ構成
アンテナ数のタイプ及び数の選択は、選択されたモード及び実装に関心のある帯域によって駆動される。前に述べたように、パッシブ及びアクティブ(チューン可能)アプローチがアンテナ要素の数を低減するための手段として考慮されることが可能である。パッシブアンテナ構造は、それらが所与のプラットフォームに集積された後は、固定の電気的特性を有する。上述のように、表1のモードによって暗示されているマルチオクターブ帯域幅にわたって動作することが可能なポータブル装置の小さなアンテナを設計することは現実的ではない。多くのモードをサポートするために異なるサブバンドを有する1つ以上のアンテナが必要とされるであろうことの方がより有望である。
【0039】
考慮できるアンテナ開発が小さな形成要素(form factor)においてGPSをカバーするために上側帯域の低い部分を拡張することが必要とされることに留意すべきである。さらに、小さなハンドセット或いはPCMCIAカードにおいて、アンテナ間の乏しい分離を被ることなく4つのアンテナを実現することはさらに難しい。乏しい分離は、装置上で同時に動作するモード間の所望しない相互間干渉(例えば、受信器の感度低下(de-sense))を引き起こす。加えて、この結合は近くのアンテナに結合される電力に起因するアンテナ利得効率の低下を引き起こし、放射というよりはむしろ浪費である。したがって、パッシブアプローチは、表1に示したモードのマルチオクターブ帯域幅にわたり動作させられるポータブル装置のアンテナの設計にとって理想的ではない。
【0040】
モード共有のためのアクティブアンテナ構成
本発明の観点は、チューン可能又は再構成可能なアンテナ技術は、固定或いはパッシブアプローチはできないといういくつかの問題を指摘する。図6を参照すると、ほぼ800−2700MHzの周波数にわたる共帯域共振をチューンするように設計された3つのアンテナ602A−602Cを含む本発明のスキーム或いは1つの構成を示している。M×Nスイッチマトリクス604はM個のアンテナ602をN個の異なるRF回路又は無線606に接続するために使用される。N個の回路又は無線606のいずれもM×Nスイッチマトリクス604を介してM個のアンテナ602のいずれにも接続できる。MがNより小さい場合、M個の異なるアンテナ602は、M個のRF回路又は無線に同時に接続される。MがNよりも大きい場合、N個のアンテナのサブセットは、N個の異なるRF回路又は無線に同時に接続される。このスイッチマトリクスは、M個のSPNTスイッチ及びN個のSPMTスイッチにより組み立てられることができる。さらに、内部スイッチを有する集積装置としても組み立てることができる。この構成又はスキームでは、アンテナ602A−602Cは表1における殆どの帯域クラスをカバーする。
【0041】
ある例では、図7(a)は8個のアンテナを使用するラップトップ/ノートブック/タブレットの固定アンテナ構成を示しており、図7(b)は4個のチューン可能アンテナ及び図7(a)の8個の固定アンテナを置き代えるための4×8転送スイッチマトリクスを使用するラップトップ/ノートブック/タブレットの適応可能アンテナ構成を示している。
【0042】
本願発明のアプローチに対するいくつかの潜在的利点は、以下を含む。
【0043】
・ 全ての可能なモード及び帯域クラスのサービスに必要とされるより少ないアンテナ
・ チューン可能アンテナは適合するより多くのオプションを許容する固定アンテナよりも小さい
・ 固定帯域幅アンテナアプローチに比して”バンド エッジ”アンテナ性能の妥協がない(アンテナは最適に”チューン”されている)
・ 挟帯域共振のチューニングが帯域分離外に改善する
・ 同時動作に最も良い方法でモードがアンテナに割り当てられる(最も少ない結合)
・ RF環境及びボディローディングの変化に応答してモードが動的に割り当てられる
・ より高い次元のMIMO/ダイバーシティ処理を許容する(ハンドセットにつきN=3、ラップトップにつきN=4)
しかしながら、トレードオフを含むことに留意すべきである。
【0044】
・ RFフロントエンド及び種々のアンテナから種々のトランシーバへ出力をルートするのに必要とされる制御電子の増大した費用複雑性
・ アンテナ構造をチューンするのに使用された商用高電力チューニング装置(例えば、チューン可能キャパシタ)の利用可能性
・ チューン可能アンテナ要素の追加された向上キャリブレーションの潜在性
このアプローチでは、モード割り当て対フロントエンドのコスト/複雑性と、制御電子との間のトレードオフが商用実現可能性を確立するために重要である。アンテナ設計に関しては、同時に良いアンテナ効率、チューナビリティの結合のインパクト及び工場キャリブレーション及び装置許容差(tolerance)のインパクトの必要性を供給しながら、所望の周波数範囲にわたるチューンナビリティを許容する所与の装置タイプの最小アンテナサイズを理解することが必要であることは明らかである。
【0045】
モード共有ののハイブリッド構成
ハイブリッド構成は固定及びチューン可能アンテナ技術の組み合わせに言及する。例えば、BC0/BC9及びBC8/BC1をカバーする二重帯域アンテナソリューションである前述した本発明は、商用的に今日存在する。このケースでは、GPS又はより高い周波数をカバーするために周波数の上側の帯域を下側の周波数にチューンし、IMT及びMMDS帯域をカバーするために高い周波数にチューンすることは容易であり(低800−900MHz帯域はチューンを必要としないと仮定する)、次に、824から2700MHzまでの全ての方法でチューンする構造が提供される。可能性のある多くの組み合わせがあり、それぞれの実現可能性はモード、選択された帯域クラス、同時必要性及び装置タイプ(例えば、小さなハンドセット対デスクトップモデム又はラップトップ)に依存する。
【0046】
同時性要求のインパクト
同時性は与えられた無線で同時に動作するモードを参照する。例えば、1xEVDO Rev.Cデータセッション又は1x音声コールで同時に動作している間、GPSを使用して位置ロケーション活動を要求することができる。同時性の要求はアンテナ分離のために所望のアンテナにインパクトを与え、その結果、到達可能なフロントエンドロスにインパクトを与えるフロントエンドフィルタリングのレベルと同様に、アンテナ要素関連ロケーション、要素のタイプ、それらのオリエンテーションである。
【0047】
注意深い解析が、同時動作及びフィルタ拒絶(及び追加されたフィルタロス)とアンテナ結合に対して許容されるアンテナとの間のトレードオフを許容するために必要とされた合計分離を定義するために必要とされる。
【0048】
上述のように、電気的にチューン可能な共振周波数を有する物理的に小さい挟帯域アンテナは無線装置に用いられる。これらアンテナは、この無線装置で使用される無線基準に依存する1つ或いはほんの少数の無線チャネル又は周波数帯域の部分の要求された瞬時周波数帯域幅をカバーするのみに十分な非常に挟帯域の周波数応答を有する目的で設計される。この無線装置は、ポータブル電話、PDA、ラップトップ、身体装着(body-wirn)センサ、エンターテイメント要素、無線ルータ、トラッキング装置などである。アンテナを周波数応答を挟帯域にすることによって、その物理的なサイズを、現在の無線装置において使用されている従来の共振アンテナよりもより小さく作成することができる。何れの与えられた時間で所望の無線チャネル、又は特定の周波数周波数サブバンド又は帯域で動作するために、この小さなアンテナは電子的に選択可能な共振周波数特性を有するように設計されている。この周波数適応可能性は、全ての必要とされる無線基準及び周波数帯域をカバーするための1つの小さなアンテナを可能にする。種々の状況下において、1つ以上の無線モデムは同時に動作することが必要とされ、例えば、CDMA及び802.11は同時でも良い。この場合、第1の小さなチューン可能なアンテナと同様の第2の小さなチューン可能なアンテナを同じホスト無線装置に設けても良い。これら2つのアンテナは同時に異なる帯域で動作可能であり、例えば、ラップトップ上でWLANとともに動作するWWANである。これらアンテナは、(MIMO用の)802.11n又は(RXダイバーシティ用の)EVDOの場合のように、同じ周波数帯域においても同時に動作することができる。さらに、同じ周波数帯域においては、これらアンテナのうちの1つは送信に使用され、他は受信に同時に使用される。これらアンテナは非常に狭い動作周波数応答又は通過帯域を有しているので、これらアンテナ間の分離は、現存する無線装置で現在使用される現存するアンテナ間の分離よりも十分に大きい。これは本願発明の他の特徴、すなわち、多くのフロントエンドフィルタを追加する必要のないコンカレントな動作のアンテナ間の高い分離である。
【0049】
これら小さな挟帯域周波数チューン可能なアンテナの数は、さらに2つ以上のコンカレントな動作モードをサポートするために2つ以上に増加しても良い。動作周波数及びこれらアンテナのモードは、資源及び性能が事前に設定された性能基準又はユーザの好み及び選択性に基づいてホスト装置において最も必要とされる場合に適応可能である。このことは、無線モード及び周波数帯域の所与の数をカバーすることができるより小さい数のアンテナを可能にする。性能は、必要とされ及び/又は要求された場合に最適化され、適応可能とされる。例えば、EVDO及び802.11n双方が搭載された場合には、2つのアンテナはEVDO及び802.11n用の2つの専用となる。EVDOがすでに必要とされない場合には、その2つのアンテナ802.11n用に使用され、802.11nの性能を向上する。この発明のアンテナ資源は適応可能であり、最も必要とされ、又は特定の優先順位に基づいて分割される場合にリダイレクトされることができる。
【0050】
当業者であれば情報及び信号がいずれかの種々の異なる技術及び技能を使用して表わされることできることが理解できるであろう。例えば、上記記述を通して参照されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、電磁場又は電磁粒子、光学場又は光学粒子或いはこれらのどんな組み合わせによっても表わされる。
【0051】
当業者であれば、さらにここに開示された実施の形態に関連して述べられた種々の図示した論理ブロック、モジュール、回路及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、これらの組み合わせとして実現できることは明らかである。ハードウェア及びソフトウェアの相互互換性を明確に図示するために、種々の図示したコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップがそれらの機能性の観点から一般的に上述のように述べられた。このような機能性が、ハードウェア或いはソフトウェアとして実現されるか否かは、全体のシステムに課された特定のアプリケーション及び設計制約に依存する。当業者は各特定のアプリケーションについて種々の方法で述べられた機能性を実現することができるが、このような実現の決定は本発明の観点から離れることを引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0052】
ここに開示された実施の形態に関連して述べられた種々の図示可能な論理ブロック、モジュール及び回路は、ここにおいて述べられた機能を実行するために設計された汎用目的プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定アプリケーション集積回路(ASIC)、フィールドプログラマぶるゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理装置、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア要素、又はこれらのいかなる組合せを使用して実現され、実行される。汎用目的プロセッサは、マイクロプロセッサであることができるが、択一的に、プロセッサは従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又はステートマシーンであっても良い。プロセッサは、さらに、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコア又は他のこのような構成に関連する1つ以上のマイクロプロセッサのような計算装置の組み合わせとして実現されることができる。
【0053】
ここにおいて開示された実施の形態に関連して述べられた方法又はアルゴリズムのステップは直接的にハードウェアに埋め込まれ、プロセッサによって実行されたソフトウェアモジュールに埋め込まれ、或いはこれら2つの組み合わせに埋め込まれる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバルディスク、CD−ROM、公知の他の形式の格納媒体に存在する。例示的な格納媒体は、プロセッサが格納媒体から情報を読み出すことができ、又は情報を格納媒体に書き込むことができるようにプロセッサに接続されている。また、格納媒体はプロセッサと一体化しても良い。プロセッサ及び格納媒体はASICにあってもよい。ASICは、ユーザ端末にあっても良い、また、プロセッサ及び格納媒体は、ユーザ端末におけるディスクリートな要素としてあっても良い。
【0054】
開示された実施の形態の以前の記述は、当業者が本願発明を作成し、又は使用することを可能にするために提供される。これら実施の形態の種々の変更は、当業者にとって容易であり、ここで定義された広い原則は、本発明の精神又は観点を離れることなく他の実施の形態に適用されることが可能である。したがって、本願発明は、ここにおいて示された実施の形態に限定することを意図するものではなく、ここで開示された原則及び新規な特徴に一致する最も広い観点に従うものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信モードに関連付けられた周波数帯域の第1の送信又は受信周波数帯域を異なる送信又は受信周波数帯域に変更し、又は前記第1の通信モードを第2の通信モードに変更する第1のチューン可能要素を有する第1のアンテナと、
第1の通信モードに関連付けられた周波数帯域の第2の送信又は受信周波数帯域を異なる送信又は受信周波数帯域に変更し、又は前記第1の通信モードを前記第2の通信モードに変更する第2のチューン可能要素を有する第2のアンテナと
を具備する無線通信装置。
【請求項2】
送信又は受信ダイバーシティを提供する第3のチューン可能要素を有する第3のアンテナをさらに具備する請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナは挟通過帯域及び周波数適応可能アンテナである請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナの挟通過周波数帯域は実質的に互いに分離されている請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナはブロードバンドアンテナである請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記周波数帯域は、
1xEVDO Revs.A/B/C、1x−RIT、移動通信用の拡張グローバルシステム(EGSM)、ユニバーサル移動テレコミニュケーション(UMTS)及びグローバルポジショニングシステム(GPS)のサービスをするWWANと、
ブルートゥース−IEEE 802.11a/b/g及びMMDS帯域IEEE802.11nサービスをするWLANと、
DVB−Hと、
FLOと、
UWBと
のうちの少なくとも2つを含む請求項2記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、ポータブル電話、PDA、ラップトップ、身体装着センサ(body-worn sensor)、エンターテイメントコンポーネント、無線ルータ或いはトラッキング装置を含む請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記第1の通信モード及び前記第2の通信モードは、
CDMA、GSM、広帯域CDMA(WCDMA)、時分割同期CDMA(TD−CDMA)、直交周波数分割多重(OFDM)及びWiMAXのうちの少なくとも2つを含む請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、同じ周波数帯域で同時に動作する請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記第1のアンテナは送信に使用され、前記第2のアンテナ受信に使用され、またはその逆に使用される請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、異なる周波数帯域で同時に動作する請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記第1のアンテナは送信に使用され、前記第2のアンテナ受信に使用され、またはその逆に使用される請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナは互いに直交して配置される請求項2記載の装置。
【請求項14】
前記通信モードは、同時動作、最も少ない結合及びRF環境の変化に対する応答及び本体のローディングのうちの少なくとも1つを提供するアンテナに割り当てられる請求項2記載の装置。
【請求項15】
前記アンテナは、複数入力複数出力(MIMO)のより高い次元及びダイバーシティ処理を許容する請求項2記載の装置。
【請求項16】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナのうちの少なくとも1つは装置内の相互干渉を抑制する請求項2記載の装置。
【請求項17】
前記第1のチューン可能要素、前記第2のチューン可能要素及び前記第3のチューン可能要素は、電圧可変マイクロ電子機械システム(MEMS)、電圧可変強誘電性キャパシタ、バラクタ、バラクタダイオード又は他の周波数調整要素を有する請求項2記載の装置。
【請求項18】
前記アンテナの動作周波数及び通信モードは、リソース及び性能が、予め設定された性能基準又はユーザの好み及び選択に基づいて、ホスト装置において最大限必要とされている場合に適応可能である請求項1記載の装置。
【請求項19】
第1の通信モードに関連付けられた周波数帯域の第1の送信又は受信周波数帯域を異なる送信又は受信周波数帯域に変更し、又は前記第1の通信モードを第2の通信モードに変更する第1のチューニング手段を有する第1の送受信手段と、
第1の通信モードに関連付けられた周波数帯域の第2の送信又は受信周波数帯域を異なる送信又は受信周波数帯域に変更し、又は前記第1の通信モードを前記第2の通信モードに変更する第2のチューニング手段を有する第2の送受信手段と
を具備する無線通信装置。
【請求項20】
第1の通信モードに関連付けられた周波数帯域の第1の送信又は受信のチャネルの周波数帯域の組を異なる送信又は受信のチャネルの周波数帯域の組に変更し、又は前記第1の通信モードを第2の通信モードに変更する第1のチューン可能要素を有する第1のアンテナと、
第1の通信モードに関連付けられた周波数帯域の第2の送信又は受信のチャネルの周波数帯域の組を異なる送信又は受信のチャネルの周波数帯域の組に変更し、又は前記第1の通信モードを前記第2の通信モードに変更する第2のチューン可能要素を有する第2のアンテナと
を具備する無線通信装置。
【請求項21】
第1の周波数範囲を使用する第1のアンテナで信号を送信又は受信し、第1の通信モードに関連付けられた第2の周波数範囲を使用する第2のアンテナで信号を送信又は受信し、
前記第1の通信モードに関連付けられた周波数範囲の第1の送信又は受信周波数範囲を異なる送信又は受信周波数範囲に変更し、又は前記第1の通信モードを第2の通信モードに変更する第1のチューン可能要素を有する第1のアンテナをチューニングし、
前記第1の通信モードに関連付けられた周波数範囲の第2の送信又は受信周波数範囲を異なる送信又は受信周波数範囲に変更し、又は前記第1の通信モードを第2の通信モードに変更する第2のチューン可能要素を有する第2のアンテナをチューニングし、
前記第2の通信モードで、かつ前記異なる送信又は受信周波数範囲の少なくとも1つを使用する前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナのうちの少なくとも1つで信号を送信し又は受信する無線通信の方法。
【請求項22】
前記第2の通信モードは、前記第1の通信モードよりも良い通信を提供するか否かを判定することをさらに含む請求項21記載の方法。
【請求項23】
第3の周波数範囲を使用する第3のアンテナで信号を送信し又は受信し、
送信又は受信ダイバーシティを提供する第3のチューン可能要素を有する第3のアンテナをチューニングすることをさらに含む請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナは、挟通過帯域及び周波数適応可能アンテナである請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナの挟通過周波数帯域は実質的に互いに分離されている請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナは互いに直交して配置される請求項23記載の方法。
【請求項27】
前記周波数範囲は、
1xEVDO Revs.A/B/C、1x−RIT、移動通信用の拡張グローバルシステム(EGSM)、ユニバーサル移動テレコミニュケーション(UMTS)及びグローバルポジショニングシステム(GPS)のサービスをするWWANと、
ブルートゥース−IEEE 802.11a/b/g及びMMDS帯域IEEE802.11nサービスをするWLANと、
DVB−Hと、
FLOと、
UWBと
のうちの少なくとも2つを含む請求項23記載の方法。
【請求項28】
前記第1の通信モード及び前記第2の通信モードは、
CDMA、GSM、広帯域CDMA(WCDMA)、時分割同期CDMA(TD−CDMA)、直交周波数分割多重(OFDM)及びWiMAXのうちの少なくとも2つを含む請求項21記載の方法。
【請求項29】
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、同じ周波数範囲で同時に動作する請求項21記載の方法。
【請求項30】
前記第1のアンテナは送信に使用され、前記第2のアンテナ受信に使用され、またはその逆に使用される請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、異なる周波数範囲で同時に動作する請求項21記載の方法。
【請求項32】
前記第1のアンテナは送信に使用され、前記第2のアンテナ受信に使用され、またはその逆に使用される請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記通信モードは、同時動作、最も少ない結合及びRF環境の変化に対する応答及び本体のローディングのうちの少なくとも1つを提供するアンテナに割り当てられる請求項23記載の方法。
【請求項34】
前記アンテナは、複数入力複数出力(MIMO)のより高い次元及びダイバーシティ処理を許容する請求項23記載の方法。
【請求項35】
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ及び前記第3のアンテナのうちの少なくとも1つは装置内の相互干渉を抑制する請求項23記載の方法。
【請求項36】
第1の周波数範囲を使用する第1のアンテナで信号を送信又は受信し、第1の通信モードに関連付けられた第2の周波数範囲を使用する第2のアンテナで信号を送信又は受信し、
前記第1の通信モードに関連付けられた周波数範囲の第1の送信又は受信周波数範囲を異なる送信又は受信周波数範囲に変更し、又は前記第1の通信モードを第2の通信モードに変更し、
前記第1の通信モードに関連付けられた周波数範囲の第2の送信又は受信周波数範囲を異なる送信又は受信周波数範囲に変更し、又は前記第1の通信モードを第2の通信モードに変更し、
前記第2の通信モードで、かつ前記異なる送信又は受信周波数範囲の少なくとも1つを使用する前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナのうちの少なくとも1つで信号を送信し又は受信する無線通信の方法。
【請求項37】
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナはブロードバンドアンテナである請求項36記載の方法。
【請求項38】
第3の周波数範囲を使用する第3のアンテナで信号を送信し又は受信し、
前記第3のアンテナは、送信又は受信ダイバーシティを提供する請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記第1乃至第3のチューン可能要素は、n個の固定キャパシタ用のSPnTスイッチに取り付けられている請求項2記載の装置。
【請求項40】
前記第1乃至第3のチューン可能要素は、n個の各固定キャパシタのそれぞれのためのSP1Tオン/オフスイッチに取り付けられている請求項2記載の装置。
【請求項41】
前記第1乃至第3のアンテナのうちの少なくとも1つは、本体又は外部の効果を緩和するために使用される請求項2記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【公開番号】特開2012−239187(P2012−239187A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−152229(P2012−152229)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【分割の表示】特願2009−536378(P2009−536378)の分割
【原出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.BLUETOOTH
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】