説明

適応性のある輸送パッケージ

タービン動翼は、世界中の離れた場所から、あるいはその場所に送る必要がある。輸送する際にタービン動翼のコーティングを保護する必要がある。タービン動翼は、輸送パッケージによってその両端が固定されることで、タービン動翼が保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い構成要素用の輸送パッケージ、より詳細にはタービン動翼または静翼用の輸送パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
タービン動翼または静翼などの細長い構成要素は、タービンのローターと一緒に合体されて送られる。
【0003】
レトロフィット(retrofitting)する際、タービン動翼または静翼は改造されて世界中の技術設備に再び送り返される。これらはまた古いものに取って代る新しいタービン動翼または静翼である場合もあり、あるいは改造されたタービン動翼または静翼である場合もある。
【0004】
タービン動翼または静翼は、輸送中に損傷しないように保護層を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1 204 776号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1 306 454号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1 319 729号明細書
【特許文献4】国際公開第99/67435号パンフレット
【特許文献5】国際公開第00/44949号パンフレット
【特許文献6】米国特許出願公開第第6,024,792号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0 892 090号明細書
【特許文献8】欧州特許第0 486 489号明細書
【特許文献9】欧州特許第0 786 017号明細書
【特許文献10】欧州特許第0 412 397号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第1 306 454号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の目的は、上記の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載される輸送パッケージによって達成される。
【0008】
その利点は、様々なタイプの構成要素を受け入れる適応性で成り立っている。
【0009】
独立クレームは、さらなる利点となる手段を記載しており、この手段は、所望により互いに組み合わせることにより別の利点を得ることができる。
【0010】
請求項1に記載される輸送パッケージは、それぞれのケースにおいて単独で、あるいは以下のいずれかの所望の組み合わせによって改良されることができる。
・タービン構成要素(120,130)が保持され、具体的には差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の中で直立して固定される輸送パッケージ
・タービン構成要素(120,130)が保持され、具体的には差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の中につり下げて固定される輸送パッケージ
・タービン構成要素(120,130)が保持され、具体的には差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の中で横になって固定される輸送パッケージ
・差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)がPP3層ラミネート構造を有しており、具体的にはPP3層ラミネート構造から成る輸送パッケージ
・コンテナ(5)の内部空間(7)に、複数の内側パッケージ(10,10’’,10’’’)が層になって存在する輸送パッケージ
・2つのタービン構成要素(120,130)、具体的には2つの構成要素(120,130)のみが、差し込み式の仕切り(13’,13’’’,13’’’)の区画(25’,25’’)の中に配置される輸送パッケージ
・1つの構成要素(120,130)のみが、差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の区画(25’,25’’)の中に配置される輸送パッケージ
・差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)が、複数の区画(25’,25’’)を備え、タービン構成要素(120,130)を保持するための容器(19,22,22’’)、好ましくは発泡樹脂製品から成り、さらに好ましくはPE発泡樹脂製品から成る好ましくは少なくとも1つの別個の容器(19,22,22’’,50)が、差し込み式の仕切り(13)の区画(25’,25’’)内に存在する、輸送パッケージ
・容器(19,22’,22’’,41,44,50)が1つのタービン構成要素(120,130)のみを収容することができる輸送パッケージ
・容器(19,22,22’’,41,44,50)が、2つのタービン構成要素(120,130)を収容することができる輸送パッケージ
・容器(19,22,34,41,44,50)が、同一のタービン動翼または静翼(120,130)のみを収容することができる輸送パッケージ
・差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の区画(25’,25’’,・・・)内に、様々な容器(19,22,34,41,44,50)が存在する輸送パッケージ
・形板(37)を備える輸送パッケージ
・保護カバー(18)を備える輸送パッケージ
・各々の層内に懸垂式の形板(31)を備える輸送パッケージ
・各々の層内に形板が存在しない輸送パッケージ
・各々の層内に差し込み式の仕切りのカバー(16)がある輸送パッケージ
・形板(37)が、少なくとも1つの開口(39)を備えており、そこを通ってタービン構成要素(120,130)が、具体的にはタービンの回転動翼(120)が挿入され保持される輸送パッケージ
・形板(37)が、1つの開口(39)を備えており、この開口が、案内翼(130)のプラットフォームを取り囲み、それによって前記案内翼を固定する輸送パッケージ
・差し込み式の仕切りのカバー(16)を備えており、このカバーが、タービン構成要素(120,130)を各々の区画(25’,25’’)に固定するための手段(17)を備える輸送パッケージ
・固定手段(17)が、好ましくは溝の形態を有する波形の発泡樹脂製品を表している輸送パッケージ
・好ましくは、1つの発泡樹脂製品から成る上部容器(53)および下部容器(50)を区画(25’,25’’,・・・)内に備える輸送パッケージ
・差し込み式の仕切り(13)の区画(25’,25’’,・・・)内に2つの横方向の容器(41、44)を備える輸送パッケージ
・差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)の基部において、タービン動翼または静翼(120,130)の端部のための容器(22’’’’’)を備える輸送パッケージ
・容器(19)が、構成要素(120,130)の特定の領域のめす型を有する輸送パッケージ
・多くても2つの構成要素(120,130)が各々の区画(25’,25’’)内に配置される輸送パッケージ
・インサート(49)を備え、このインサートが、外側のカバーに直接的に面し、カバーからの力を差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)に伝達するためのブロック(47’,47’’)を備える輸送パッケージ
・付加的に差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)のための補強材(60)を備える輸送装置
・差し込み式の仕切りのカバー(16)が、複数の固定手段(17)を備えており、この手段(17)が、区画(25’,25’’,・・・)の断面に対応するように形成され、具体的には各々の区画(25’,25’’,・・・)内にこのような手段(17)を備える輸送パッケージ
および/または
・構成要素(120,130)と接触する部分、例えば差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)および動翼または静翼の容器(22,22’,22’’,・・・)が、構成要素(120,130)を損傷させる可能性のない材料、具体的にはPP3層ラミネート構造とPE発泡樹脂製品から製造される輸送パッケージ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図2】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図3】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図4】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図5】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図6】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図7】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図8】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図9】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図10】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図11】輸送パッケージの要素を示す図である。
【図12】タービン動翼または静翼の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この記述と図面は、単に本発明の例示の実施形態を表しているにすぎない。
【0013】
細長い構成要素は、ガスタービンのリング状の部分、すなわち燃焼室の構成要素、あるいは好ましくはタービン動翼または静翼120、130であってよく、これについて本発明を専ら1つの例を介してより詳細に説明する。
【0014】
包装され送られる動翼または静翼120、130は、ガスタービン、蒸気タービンまたは航空機タービンの動翼または静翼であってよい。同様に輸送パッケージ1は、工場内での運搬または製造業者と工場間での運搬に適している。
【0015】
動翼または静翼120、130は、タービンの第1、第2、第3または第4段の、あるいはタービンの全ての段の案内翼または回転動翼であってよい。この場合、回転動翼と案内翼は区別されており、案内翼130は一般に上部のプラットフォームと下部のプラットフォームを備えるが、回転動翼120は、下部プラットフォーム403のみを備えることが多い。
【0016】
図1は、輸送パッケージ1の外側パッケージ4を示している。外側パッケージ4は好ましくはHDPEから成り、且つ好ましくはランナー6を備えており、具体的には3つのランナー6を外側の基部上に備えている。基部とは、底部を意味している。輸送ユニットを見分けるために、外側パッケージ4は好ましくは、外側に自動接着式の書類ポケットも同様に備えている。輸送パッケージに関して外側のカバー(図示せず)があり、このカバーは、外側パッケージ4をその頂部で覆うのに適している。外側カバーとは頂部を意味している。
【0017】
輸送パッケージ1は好ましくは、難燃性(flame−retardant)に設計されている。
【0018】
少なくとも1つの内側パッケージ10’,10’’,10’’’,・・・が図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10または図11に示されており、これは、外側パッケージ4の内部空間7に及ぶ。内側パッケージ10’,10’’,10’’’,・・・は、図2から図11に示されるように複数の層の形で外側パッケージ4に挿入することができる。
【0019】
図2は、内側パッケージ10’の第1の例示の実施形態を示しており、好ましくは比較的小さな(第1/第2段のタービンの)タービン動翼または静翼120、130のためのものである。
【0020】
タービン構成要素120、130は、差し込み式の仕切り13’(グリッド仕切り)の区画25’,25’’,・・・内に個々にまたは一組にして配置されるが、常に構成要素120,130が互いに接触しないようなやり方で配置されている。差し込み式の仕切り13’,13’’,13’’’は好ましくは、PP3層ラミネート構造で構成される。
【0021】
2つの構成要素120、130だけが、各々の区画25’、25’’,・・・の中にあるのが好ましい。動翼または静翼120、130は保持され、好ましくは区画25’、25’’内に直立して固定される。
【0022】
基部において区画25’、25’’は好ましくはそれぞれ容器19、22を備えており、この容器の中にタービン構成要素120、130が取り込まれる。容器19、22(図2〜11)は好ましくは、図2〜11の区画25’、25’’と同一の断面を有する。容器19、22(図4、図6、図8)は好ましくは、内側パッケージ10’,10’’,・・・とは別個のモジュールである。
【0023】
この例では動翼または静翼120、130は、容器19、22によって区画25’、25’’内に直立するように固定される。
【0024】
各々の区画25’、25’’内には、同一タイプのタービン動翼または静翼のための容器19があるのが好ましい。しかしながら、多様なタービン動翼または静翼120、130のための様々な容器19、22が差し込み式の仕切り13’の中にあってもよい。
【0025】
容器19、22は、2つの動翼または静翼120、130を収容することができるが、1つの動翼または静翼120、130(図4)のみを備える場合もあり、さらには容器19、22が2つの動翼または静翼120、130を収容する場合もある(図6)。
【0026】
容器19、22(図4、図6、図8)は好ましくは、プラスチックの発泡樹脂製品、好ましくはPE発泡樹脂製品から成る。この動翼または静翼の容器19、22は、1つまたは2つの動翼または静翼120、130を収容することができる。
【0027】
回転動翼120の場合、動翼容器19にはくぼみ19’があり、このくぼみは好ましくは、好ましくはもみの木のような動翼の脚部400に合わせて形成することができ、この動翼の脚部は好ましくは側面から動翼容器19に押し込むことができる。動翼容器19はしたがって、横方向の開口19’’と、上部の開口19’’’とを有する。動翼容器19(図4、図6、図8)は好ましくは、タービン構成要素120、130の特定の領域(動翼の脚部400)のめす型を表している。タービン構成要素120(または複数のタービン構成要素)は好ましくは、まず容器19の中に挿入され、その後それと一緒に差し込み式の仕切り13’の区画25’、25’’の中に導入される。
【0028】
2つのプラットフォームを有する案内翼130の場合、案内翼130は、上から静翼容器22内の開口22’に配置される。静翼容器22はしたがって、上部開口22’のみを有する。
【0029】
動翼または静翼プラットフォーム403は好ましくは容器19、22の範囲内に配置され、すなわち構成要素120、130は容器19、22を超えて突出しない。
【0030】
差し込み式の仕切りカバー16が好ましくは、差し込み式の仕切り13’の上に配置され、好ましくは動翼または静翼120、130を付加的に固定する。差し込み式の仕切りカバー16は好ましくは、一枚の板である。固定手段17が、差し込み式の仕切りカバー16の下面に発泡樹脂製品(図6、図10も参照)の1つの層によって設けられるのが好ましく、この手段は動翼または静翼120、130の端部へと押し進む。
【0031】
図5は、図2の平面図を示している。したがって内側パッケージ10’は少なくとも、差し込み式の仕切り13’と、容器19、22と、多様なカバー(図3、図4、図8)、ここでは差し込み式の仕切りカバー16を備えている。
【0032】
図10は、差し込み式の仕切りカバー16の下面の平面図を示している。固定手段17は、複数の立方体または正六面体17’、17’’で形成されており、これらは区画25’,25’’,25’’’にきっちり嵌まる。したがって差し込み式の仕切りカバー16は好ましくは、差し込み式の仕切り13’,13’’,13’’’上で直接的に支持され、固定手段17’’,17’’,・・・は、区画25’,25’’,・・・へと突出する。
【0033】
図3は、本発明による別の内側パッケージ10’’を示しており、これは1つのプラットフォームしか持たない比較的長いタービン動翼または静翼、具体的には回転動翼120に好んで使用される。この面内でも差し込み式の仕切り13’’は同様に外側パッケージの内部空間7を満たしている。回転動翼120が、つり下がるように固定され、すなわちそれは懸垂式の形板(suspending contoured plate)31を利用して固定される。懸垂式の形板31は開口32を有しており、該開口を通じて動翼120が、まず動翼の先端415を経由して挿入される。懸垂式の形板は好ましくは1つの部品で作成され、好ましくは差し込み式の仕切り13’’上に支持される、あるいは差し込み式の仕切り13’’に固定式に接続される。動翼120は、懸垂式の形板31を介して差し込み式の仕切り13’’の区画25’内に挿入され、プラットフォーム403は、懸垂式の形板31上に支持される、あるいは少なくとも後者31を超えて突出する。動翼の脚部400は、形板31から外に突出しており、これは保護カバー18によって覆うことが可能であり、このカバーの上に別の差し込み式の仕切りを配置することができる。保護カバー18は好ましくはいずれの固定手段も備えていない。タービン動翼または静翼120、130のメイン動翼または静翼部406が回転されるため、これにより懸垂式の形板31にある開口32の幅が、メイン動翼または静翼部406の断面より広くなり、動翼120を挿入する際に、この開口がメイン動翼部406を画定された端部位置に案内し、メイン動翼部406をそこに保持する。容器22’’’’’が、タービン動翼120の端部を固定し、この容器は、区画25’の端部にあるのが好ましい。容器22’’’’’は好ましくは、発泡樹脂製品のようなものである。
【0034】
図4は本発明による別の内側パッケージ10’’’を示しており、具体的には2つのプラットフォームを有する長い案内翼130のためのものである。案内翼130は、差し込み式の仕切り13’’’内に直立するように固定される。区画25’の基部に同様に好ましくは発泡樹脂製品でできた容器22’’があり、この中に案内翼130が上から挿入される。容器22’’は、上部開口22’’’のみを有する。その後、形板37が差し込み式の仕切り13’’’の上に配置される。形板37は好ましくは、少なくとも1つの開口39を有しており、この開口が、タービン静翼130の上部プラットフォームを囲むことで、タービン静翼130の他方の端部を頂部において安定させる。ここで保護カバー(図3のように)を同様に使用することもできる。
【0035】
図6は、構成要素120、130を固定させるように機能する発泡樹脂製品17を備えた、図2の詳細な図である。固定手段17は、発泡樹脂製品でできた溝状または波状に配置された手段である。これは好ましくは波形構造を有するPE発泡樹脂製品である。
【0036】
タービン構成要素120、130は、差し込み式の仕切り13’、13’’の区画25’、25’’内に個々にまたは一組にして配置されるが、常に構成要素120、130が互いに接触しないようなやり方で配置されている。
【0037】
図7は、差し込み式の仕切り13’’’の区画25’内にある回転動翼130の詳細な図である。メイン回転動翼部406は、区画25’内に垂直に立っており、すなわち容器50はこれに応じて適合されており、斜めに伸びる面を有する。垂直というのは、タービン動翼130の長手方向軸が、差し込み式の仕切り13’’’内でその基部に対して垂直方向に立っていることを意味する。横になっているとは、長手方向軸が差し込み式の仕切りの基部に対して平行に伸びていることを意味する(図8)。区画25’内には下部容器50と上部容器53があり、タービン部120をその端部において、ここではプラットフォーム403において取り囲む。容器53は事実上、図6の通り特別に事前形成された固定手段17,17’’,・・・である。ここで差し込み式の仕切りカバー16を同様に使用することも可能である。容器50、53は、内側パッケージ10’,10’’,・・・とは別個のモジュール式部品の形態であってよい、あるいはそれ以外では区画25’に固定式に配置される、または差し込み式の仕切りカバー16に固定される場合もある(仕切りカバー16に接している容器53)。
【0038】
図8では2つの容器41、44があり、これらの容器は差し込み式の仕切り13’の区画25’内に互いの横に並んで横向きに配置されている。この目的のために2つの横向きの容器41、44がある。横向きの容器41、44は、区画25’,25’’,・・・内で互いに接触してはならない。
【0039】
1つの差し込み式の仕切り13’,・・・の中で、構成要素120,130を横にして(図8)および立てて(例えば図7)配置することができる。
【0040】
輸送パッケージ1は、差し込み式の仕切りカバー16、保護カバー18または形板31を備えた複数の層の差し込み式の仕切り13’,13’’,13’’’を備えることができる。
【0041】
同様に、外側カバーに直接的に面するインサート49の側面にある離間したブロック47’,47’’のおかげで、外側カバーの圧力が好ましくは、差し込み式の仕切り13’13’’,・・・へと通ることができ、その結果差し込み式の仕切りは動くことができない。インサート49は好ましくは、その最も頂部において1回だけ使用される。外側カバーは好ましくは、ストラップによって外側パッケージ4に結び付けられる。技術書類および付随する用紙をブロック47’と47’’の間で同時に発送することができ、ブロック47’47’’は、それらが書類のための領域の範囲を決め、書類を所定の面内に保持するように配置されている。
【0042】
差し込み式の仕切り13’,13’’は、構造および組み立ての観点から当分野より知られている。面内の差し込み式の仕切り13’,13’’,・・・の範囲は、それが外側パッケージ4の内部空間7に嵌まりこれと同一平面になるようなものである。
【0043】
図11は、本発明の別の構成を示している。ここでは既に上記に記載した差し込み式の仕切り13’,13’’,・・・のための補強材60が使用されている。
【0044】
補強材60は好ましくは、差し込み式の仕切り13’の要素のように、差し込み式の仕切り13’の幅または深さ全体にわたって延在しており、差し込み式の仕切りと同様に板様の形態であるが、それほど高くはないため、差し込み式の仕切り13’の深さ全体にわたって延在する。
【0045】
補強材60が適切な刻み目を有することで、それらを、差し込み式の仕切り13’にある対応する刻み目に押し込むことができ、これにより補強材60の一番上の縁部は好ましくは、差し込み式の仕切り13’の最も上の縁部と共に末端を成す。
【0046】
したがって区画25’,25’’,・・・の側壁が歪む範囲をより小さくすることができ、それらの側壁がより剛性になる。
【0047】
図12は、ターボ機械の回転動翼120または案内翼130の斜視図を示しており、このターボ機械が長手方向軸121に沿って延在している。
【0048】
ターボ機械は、電気を生成する航空機または発電所のガスタービン、蒸気タービンあるいはコンプレッサであってよい。
【0049】
動翼または静翼120、130は、長手方向軸121に沿って連続して、固定部分400と、隣接する動翼または静翼のプラットフォーム403と、メイン動翼または静翼部406と、動翼または静翼先端415と、を有する。案内翼130として、静翼130は、その静翼の先端415に別のプラットフォーム(図示せず)を有する場合もある。
【0050】
動翼または静翼の根部183を使用して回転動翼120、130がシャフトまたはディスク(図示せず)に固定されるが、この脚部は固定部分400の中に形成される。動翼または静翼の根部183は、例えばハンマーヘッド型に設計される。他の構成、例えばもみの木またはダブテール状の脚部なども可能である。動翼または静翼120、130は、メイン動翼または静翼部406を流れ過ぎる媒体のために前縁409と、後縁412を有する。
【0051】
従来式の動翼または静翼120、130の場合、一例として固体の金属材料、具体的には超合金が動翼または静翼120、130の全ての部分400、403、406に使用される。このようなタイプの超合金は、例えば欧州特許第 1 204 776号明細書、欧州特許第 1 306 454号明細書、欧州特許出願公開第 1 319 729号明細書、国際公開第 99/67435号パンフレットまたは国際公開第 00/44949号パンフレットより知られている。動翼または静翼120、130はこの場合、鋳込み成形工程によって、方向性凝固を利用して、鋳造工程によって、フライス加工工程によってまたはそれらの組み合わせによって製造することができる。
【0052】
運転中、高い機械的ストレス、熱的ストレスおよび/または化学的ストレスに曝される機械の構成要素として、1つのまたは複数の単結晶組織を有する工作物が使用される。このようなタイプの単結晶の工作物は、例えば溶融物からの方向性凝固によって製造される。これは、液状の金属合金が凝固して単結晶組織、すなわち単結晶工作物を形成するか、あるいは一方向に凝固される鋳造工程である。この場合、樹状結晶が熱流の方向に沿って方向づけられ、柱状結晶粒組織(すなわち工作物の全長にわたって延び、ここでは慣習的に使用される言語に従って、一般的に一方向凝固と呼ばれる粒)を形成するか、あるいは単結晶組織、すなわち加工物全体が、1つの単一の結晶でできている組織を形成する。このような工程において、無指向性の成長は必然的に、横方向および長手方向の粒界を形成し、一方向凝固要素単結晶構成要素の好ましい特性を打ち消してしまうため、球状(多結晶)凝固への移行は避ける必要がある。本文が一般的な用語において一方向凝固微細構造について言及する場合、これは、いかなる粒界もない、あるいはせいぜい小さな角度の粒界しかない単結晶と、長手方向に延びる粒界はあるが、横方向の粒界はない柱状結晶組織の両方を意味するものとして理解すべきである。この第2の形態の結晶組織もまた、一方向凝固の微細構造(一方向凝固組織)として記載されている。このタイプの工程は、米国特許第6,024,792号明細書および欧州特許出願公開第0 892 090号明細書より知られている。
【0053】
動翼または静翼120、130は同様に、腐食または酸化に対して保護するコーティングを有することもできる。例えば、MCrAlX;Mは、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)から成る群から選択された少なくとも1つの元素、Xは、活性元素であり、イットリウム(Y)および/または珪素および/または少なくとも1つの希土類元素またはハフニウム(Hf)を表している。このタイプの合金は、欧州特許第0 486 489号明細書、欧州特許第0 786 017号明細書、欧州特許第0 412 397号明細書または欧州特許出願公開第1 306 454号明細書より知られている。密度は、理論密度の95%が好ましい。保護用の酸化アルミニウム層(TGO=熱成長酸化物層)が、MCrAlX層(中間層または最も外側の層としての)上に形成される。
【0054】
この層は好ましくは、Co−30Ni−28Cr−8Al−0.6Y−0.7SiまたはCo−28Ni−24Cr−1OAl−0.6Yの組成を有する。これらのコバルトベースの保護コーティングに加えて、Ni−1OCr−12Al−0.6Y−3ReまたはNi−12Co−21Cr−11Al−0.4Y−2ReまたはNi−25Co−17Cr−1OAl−0.4Y−1.5Reなどのニッケルベースの保護層を使用するのも好ましい。
【0055】
また例えばZrO、Y−ZrOから成る、すなわち酸化イットリウムおよび/または酸化カルシウムおよび/または酸化マグネシウムによって安定化されない、一部が安定化された、あるいは完全に安定化された遮熱コーティングが(これは最も外側の層であることが好ましい)MCrAlXの上にあることも可能である。遮熱コーティングはMCrAlX層を覆っている。柱状粒子が、例えば電子ビーム物理蒸着法(EB−PVD)などの好適なコーティング工程によって遮熱コーティング内に発生する。
【0056】
例えば大気プラズマ溶射(APS)、LPPS、VPSまたはCVDなどの他のコーティング工程も可能である。遮熱コーティングは、多孔性、あるいはミクロ割れ粒子またはマクロ割れ粒子を含むことで、熱衝撃に対する耐性を改善することができる。遮熱コーティングはしたがって、MCrAlX層よりも多孔性であることが好ましい。
【0057】
改造とは、それらが使用された後、保護層を構成要素120,130から取り外す(例えばサンドブラストによって)ことができることを意味する。その後腐食および/または酸化層と製品を取り外す。適切ならば、構成要素120,130に生じたクラックも修理される。この後に構成要素120、130が再びコーティングされ、その後構成要素120、130を再利用することができる。
【0058】
動翼または静翼120、130は、中空の形態でも中実の形態でもよい。動翼または静翼120、130が冷却される場合、それは中空であり、膜冷却用孔418(点線で示される)を有する場合もある
【符号の説明】
【0059】
1 輸送パッケージ
4 外側パッケージ
5 コンテナ
6 ランナー
7 内部空間
10、10’、10’’ 内側パッケージ
13’、13’’、13’’’ 差し込み式の仕切り
16 差し込み式の仕切りのカバー
17、17’,・・・ 固定手段
18 保護カバー
19、22、22’’ 容器
19’ くぼみ
19’’ 横方向の開口
19’’’ 上部開口
22’、22’’’ 上部開口
25’、25’’,・・・ 区画
31 懸垂式の形板
32 開口
37 形板
39 開口
41、44 横向きの容器
47’、47’’ ブロック
49 インサート
50 下部容器
53 上部容器
60 補強材
120、130 タービン構成要素
121 長手方向軸
183 根部
400 固定脚部
403 プラットフォーム
406 メイン部分
409 前縁
412 後縁
415 先端
418 膜冷却用孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い構成要素のための輸送パッケージ(1)、具体的にはタービン構成要素のための輸送パッケージ(1)、より具体的にはタービン動翼または静翼(120,130)のための輸送パッケージ(1)であって、
開放したコンテナを構成する安定性のある外側パッケージ(4)と、
前記外側パッケージ(4)のための外側のカバーと、
前記外側パッケージ(4)の内部空間(7)と、を備え、
前記内部空間(7)中に、少なくとも1つの内側パッケージ(10’,10’’,10’’’)があり、
前記内側パッケージ(10’,10’’,10’’’)が、少なくとも1つの差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)と、前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の中に前記構成要素(120,130)を固定するための手段(19,22,31,41,44,50,53,・・・)とを備える、輸送パッケージ。
【請求項2】
前記構成要素(120,130)が保持され、具体的には前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の中で直立して固定される、請求項1に記載の輸送パッケージ。
【請求項3】
前記構成要素(120,130)が保持され、具体的には前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の中でつり下げて固定される、請求項1または2に記載の輸送パッケージ。
【請求項4】
前記構成要素(120,130)が保持され、具体的には前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の中で横になって固定される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項5】
前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)が、PP3層ラミネート構造を有し、具体的にはPP3層ラミネート構造から成る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項6】
前記外側パッケージ(4)の前記内部空間(7)に、複数の内側パッケージ(10’,10’’,10’’’)が互いの上に層になって存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項7】
2つの構成要素(120,130)が、具体的には2つの構成要素(120,130)のみが、前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の区画(25’,25’’)の中に配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項8】
1つの構成要素(120,130)のみが、前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の区画(25’,25’’)の中に配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項9】
前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)が複数の区画(25’,25’’)を備え、
前記構成要素(120,130)を保持するための容器(19,22,22’’)、好ましくは発泡樹脂製品から成り、さらに好ましくはPE発泡樹脂製品から成る好ましくは少なくとも1つの別個の容器(19,22,22’’,50)が、前記差し込み式の仕切り(13)の区画(25’、25’’)内に存在する、請求項1、2、3、4、7または8に記載の輸送パッケージ。
【請求項10】
前記容器(19,22’,22’’,41,44,50)が、1つの構成要素(120,130)のみを収容することができる、請求項9に記載の輸送パッケージ。
【請求項11】
前記容器(19,22,22’’,41,44,50)が、2つの構成要素(120,130)を収容することができる、請求項9に記載の輸送パッケージ。
【請求項12】
容器(19,22,34,41,44,50)が、同一の構成要素(120,130)のみを収容することができる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項13】
差し込み式の仕切り(13’,13’’,13’’’)の区画(25’,25’’,・・・)内に、多様な容器(19,22,34,41,44,50)が存在する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項14】
前記輸送パッケージ(1)が、少なくとも1つの開口(39)を備えた形板(37)を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項15】
保護カバー(18)を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項16】
少なくとも1つの層内に、具体的には各々の層内に懸垂式の形板(31)を備え、
前記懸垂式の形板(31)が、少なくとも1つの開口(32)を備える、請求項1〜15のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項17】
各々の層内に形板が存在しない、請求項1〜16のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項18】
差し込み式の仕切りカバー(16)が、少なくとも1つの層内に存在し、具体的には各々の層内に存在する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項19】
前記懸垂式の形板(31)が、少なくとも1つの開口(32)を備え、前記開口を通じて前記構成要素(120,130)が、具体的にはタービン回転動翼(120)が挿入され保持される、請求項16〜18のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項20】
前記形板(37)が開口(39)を備え、前記開口が、案内翼(130)のプラットフォームを取り囲み、それによって前記案内翼を固定する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項21】
差し込み式の仕切りカバー(16)を備え、前記タービン構成要素(120,130)を、具体的には各々の区画(25’,25’’)の中に固定するための手段(17)を備える、請求項18〜20のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項22】
前記固定手段(17)が、好ましくは溝の形態を有する波形の発泡樹脂製品を表している、請求項1または21に記載の輸送パッケージ。
【請求項23】
好ましくは発泡樹脂製品から成る上部容器(53)および下部容器(50)を、区画(25’,25’’,・・・)内に備える、請求項1〜22のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項24】
前記差し込み式の仕切り(13’)の区画(25’,25’’,・・・)内に2つの横方向の容器(41,44)を備える、請求項1〜23のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項25】
差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)の基部において、タービン動翼または静翼(120,130)の端部、具体的にはつり下がる回転動翼(120)の端部のための容器(22’’’’’)を別の固定手段として備える、請求項1〜24のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項26】
前記容器(19,22,22’’,22’’’’’)が、前記構成要素(120,130)の特定の領域のめす型を有する、請求項9、10、11、12、13、23、24または25に記載の輸送パッケージ。
【請求項27】
多くても2つの構成要素(120,130)が各々の区画(25’,25’’)内に配置される、請求項1〜26のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項28】
インサート(49)を備え、前記インサートが前記外側カバーに直接的に面し、差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)の上に載置されており、前記インサート(49)の上に、前記カバーからの力を前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)に伝達するためのブロック(47’,47’’)を備える、請求項1〜27のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項29】
付加的に前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)のための補強材(60)を備える、請求項1〜28のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項30】
前記構成要素(120,130)に接触する部分、例えば前記差し込み式の仕切り(13’,13’’,・・・)および動翼または静翼容器(22,22’,22’’,・・・)が、前記構成要素(120,130)を損傷させる可能性のない材料、具体的にはPP3層ラミネート構造およびPE発泡樹脂製品から製造される、請求項1〜29のいずれか一項に記載の輸送パッケージ。
【請求項31】
前記差し込み式の仕切りカバー(16)が、複数の固定手段(17)を備え、この手段(17)が区画(25’,25’’,・・・)の断面に対応するように形成されており、具体的には各々の区画(25’,25’’,・・・)内にこのような手段(17)を備える、請求項21に記載の輸送パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−513051(P2013−513051A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541325(P2012−541325)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066343
【国際公開番号】WO2011/066859
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(508008865)シーメンス アクティエンゲゼルシャフト (99)
【Fターム(参考)】