説明

遮断機能付コンセント

【課題】 振動発生時に電気を遮断することができ、しかも取り扱いが容易な遮断機能付コンセントを提供する。
【解決手段】 既設のコンセント100に差し込み自在な差込プラグ11と、差込プラグ11と通電可能に接続され、外部の電気機器を接続自在なプラグ受部12と、上下方向に可動自在に配設され、差込プラグ11とプラグ受部12との通電接続をオン、オフするスイッチバー2と、スイッチバー2の上端部に、所定の振動が発生した場合に上端部から外れるように配設されたウエイト3と、を備える。ウエイト3がスイッチバー2の上端部に位置する場合には、スイッチバー2が下方に位置して通電接続がオン状態となり、ウエイト3がスイッチバー2の上端部から外れた場合に、スイッチバー2が上方に位置して通電接続をオフするように、スイッチバー2が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既設のコンセントと電気機器とを電気的に接続するための、遮断機能付コンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器には、地震や洪水などによる自然災害で副次的に生じる火災や感電事故の危険が潜在しており、一般の家庭で使用される場合には、必ずしも需要者は電気の知識に詳しくないため、これらの危険性に留意できず、思わぬ事故につながるおそれがある。また、自然災害などは発生時期を予測することは困難であるため、対応をとることが困難である場合も多い。
【0003】
そこで、センサで感知した地震情報を無線でコンセントに送信し、地震情報を受信したコンセンにおいて電気・通電を遮断するセンサユニットが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、壁のコンセント裏側に取り付けられ、地震によって球体が凸部を越えることで電気回路を遮断する感震遮断コンセントが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3139073号公報
【特許文献2】特開平10−174274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のセンサユニットでは、無線を用いるため構成が複雑で電源も要し、また、技術的、専門的な知識、経験を要するため、電気の知識に詳しくない需要者にとって、設置・設定、取り扱いが容易ではない。また、特許文献2に記載の感震遮断コンセントは、壁の裏側に設置するために、内装工事が必要で設置が容易でなく、しかも、内装工事を行えない個所には取り付けることができない。
【0006】
そこでこの発明は、振動発生時に電気を遮断することができ、しかも取り扱いが容易な遮断機能付コンセントを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、既設のコンセントに差し込み自在な差込プラグと、前記差込プラグと通電可能に接続され、外部の電気機器を接続自在なプラグ受部と、上下方向に可動自在に配設され、前記差込プラグとプラグ受部との通電接続をオン、オフするスイッチ部材と、前記スイッチ部材の上端部に、所定の振動が発生した場合に前記上端部から外れるように配設された検知体と、を備え、前記検知体が前記スイッチ部材の上端部に位置する場合には、前記スイッチ部材が下方に位置して前記通電接続がオン状態となり、前記検知体が前記スイッチ部材の上端部から外れた場合に、前記スイッチ部材が上方に位置して前記通電接続をオフするように、前記スイッチ部材が配設されている、ことを特徴とする遮断機能付コンセントである。
【0008】
この発明によれば、差込プラグを既設のコンセントに差し込み、プラグ受部に電気機器を接続し、検知体をスイッチ部材の上端部に位置させる。この状態では、スイッチ部材が下方に位置して、差込プラグとプラグ受部とが接続され、既設のコンセントと電気機器とが通電状態となる。一方、地震などによって所定の振動が発生すると、検知体がスイッチ部材の上端部から外れ、スイッチ部材が上方に位置して、差込プラグとプラグ受部との接続が解除される。これにより、既設のコンセントと電気機器との通電が遮断される。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遮断機能付コンセントにおいて、前記スイッチ部材が下方に位置した状態で、前記スイッチ部材の上端部とで前記検知体を支持する支持部材を備える、ことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、スイッチ部材が下方に位置した状態、つまり検知体がスイッチ部材の上端部に位置する状態では、スイッチ部材の上端部と支持部材とによって、検知体が支持される。一方、地震などによって所定の振動が発生すると、スイッチ部材が上方に位置するため、スイッチ部材の上端部と支持部材とによる支持構造が解除される。つまり、検知体がスイッチ部材の上端部に配設されにくい状態となる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の遮断機能付コンセントにおいて、外部から操作可能で、前記スイッチ部材の上端部から外れた前記検知体を、前記スイッチ部材の上端部に戻すリセット手段を備える、ことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、リセット手段を操作することで、検知体がスイッチ部材の上端部に戻り、これにより、スイッチ部材が下方に位置して、差込プラグとプラグ受部とが再接続され、既設のコンセントと電気機器との通電が復旧する。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から3に記載の遮断機能付コンセントにおいて、前記スイッチ部材の下端部に、液体によって浮揚する浮揚体を備え、前記浮揚体が液体に浸かった場合に、前記スイッチ部材を押し上げて前記検知体が前記スイッチ部材の上端部から外れるように、前記浮揚体の浮揚力が設定されている、ことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、浮揚体が雨水などの液体に浸かると、検知体がスイッチ部材の上端部から外れ、スイッチ部材が上方に位置して、差込プラグとプラグ受部との接続が解除され、既設のコンセントと電気機器との通電が遮断される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、地震などの振動が発生すると、差込プラグとプラグ受部との接続が解除され、既設のコンセントと電気機器との通電が遮断される。このように振動発生時に電気が遮断されるため、火災や感電などを防止することが可能となる。しかも、差込プラグを既設のコンセントに差し込み、プラグ受部に電気機器を接続するだけでよいため、電気の知識に詳しくない需要者であっても、容易に取り扱うことができる。また、電源・動力や無線などを要しないため、どこでもいつでも使用することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、地震などの振動が発生すると、検知体がスイッチ部材の上端部から外れ、検知体がスイッチ部材の上端部に配設されにくい状態となるため、振動が継続しても、検知体がスイッチ部材の上端部に戻されにくくなる。このため、振動によって検知体が戻ってしまい、差込プラグとプラグ受部とが再接続されて通電が復旧する、ということが防止・抑制される。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、外部から操作可能なリセット手段を備えるため、人が振動を与えたことで通電を遮断させた場合などであっても、リセット手段を操作することで、容易に通電を復旧させることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、浮揚体が雨水などに浸かると、通電が遮断されるため、床上浸水などが生じた場合に、通電を確実に遮断して、火災や感電などを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態に係る遮断機能付コンセントを示す側面断面図である。
【図2】図1の遮断機能付コンセントを示す正面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1の遮断機能付コンセントの振動による遮断状態を示す断面図である。
【図5】図1の遮断機能付コンセントの検出リレーのオフ状態(a)とオン状態(b)を示す図である。
【図6】図1の遮断機能付コンセントのリセット機構が差動した状態を示す断面図である。
【図7】図1の遮断機能付コンセントの取付手順を示す斜視図である。
【図8】図1の遮断機能付コンセントの浸水による遮断状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
図1は、この発明の実施の形態に係る遮断機能付コンセント1の側面断面図であり、図2は、遮断機能付コンセント1の正面図である。この遮断機能付コンセント1は、既設のコンセントと外部の電気機器とを電気的に接続し、かつ振動や浸水が発生した場合に通電を遮断する機能を備えたコンセントであり、主として、差込プラグ11と、プラグ受部12と、スイッチバー(スイッチ部材)2と、ウエイト(検知体)3と、リセット機構(リセット手段)4と、フロート(浮揚体)5と、これらを収容するケーシング6とを備えている。
【0022】
差込プラグ11は、図3に示すように、導電性の一対の刃で、基端側がケーシング6内に配設され、自由端側がケーシング6の背面から突出するように配設されている。そして、壁や柱などに配設されている既設のコンセントのプラグ受部に、差し込みできるようになっている。
【0023】
プラグ受部12は、図3に示すように、ケーシング6の正面に設けられた一対の差込口12aと、ケーシング6内に配設された導電性の一対の接触端子12bとから構成され、テレビや掃除機などの外部の電気機器の差込プラグを装着、接続できるようになっている。また、差込プラグ11とプラグ受部12とは対向して配設され、接続スイッチ13を介して、差込プラグ11とプラグ受部12とが通電可能に接続されている。このような差込プラグ11とプラグ受部12とが、この実施の形態では、図1中上下方向に2対設けられている。
【0024】
スイッチバー2は、棒状で上下方向・軸方向に可動・スライド自在に配設され、上端部に第1の台座部材21が設けられている。そして、スイッチバー2が下死点(下方)に位置する状態で、ケーシング6内に配設された第2の台座部材(支持部材)64と第1の台座部材21とによって、ウエイト3を支持、載置する台座31が形成されるようになっている。
【0025】
スイッチバー2の中央部には、突出したスイッチ部22が設けられ、このスイッチ部22が検出リレー7をオン、オフすることで、接続スイッチ13がオフ、オンされるようになっている。すなわち、スイッチバー2が下死点に位置する状態では、検出リレー7がオフで、接続スイッチ13がオン状態、つまり差込プラグ11とプラグ受部12とが接続された状態となっている。この状態から、スイッチバー2が上死点(上方)までスライドすると、図4に示すように、スイッチ部22が検出リレー7をオンし、接続スイッチ13がオフ状態、つまり差込プラグ11とプラグ受部12との接続が解除された状態となる。
【0026】
ここで、検出リレー7は、例えば図5に示すように、接点バー71が上下のバネ72によって揺動可能に配設され、検出リレー7の一端部に第1の接点73が設けられ、この第1の接点73を仮固定するラッチ74が配設されている。また、第1の接点73と対向して外部出力接点である第2の接点75が配設され、検出リレー7がオフの状態では、同図(a)に示すように、第1の接点73と第2の接点75とが離れている。一方、接点バー71の他端部が押し上げられて検出リレー7がオンすると、同図(b)に示すように、第1の接点73と第2の接点75とが接続し、外部接点がオンして、接続スイッチ13がオフ(回路切断)されるものである。
【0027】
さらに、スイッチ部22の下方には、スイッチバー2を上方に押圧(付勢)する圧縮コイルバネ23が配設されている。そして、ウエイト3がスイッチバー2の第1の台座部材21に位置する場合には、圧縮コイルバネ23の力に抗してスイッチバー2が下死点に位置して、ウエイト3がスイッチバー2の第1の台座部材21から外れた場合には、圧縮コイルバネ23の力によってスイッチバー2が上死点に位置するようになっている。
【0028】
また、ウエイト3が台座31から外れた状態では、スイッチバー2の第1の台座部材21が上死点に位置するため、第2の台座部材64とによる台座31の形成が解除された状態で、しかも、第1の台座部材21がウエイト3の底部よりも高い位置に位置し、後述するリセット機構4を操作しない限り、ウエイト3がスイッチバー2の上端部に戻らないようになっている。
【0029】
このように、ウエイト3がスイッチバー2の上端部に位置する場合には、スイッチバー2が下死点に位置して、差込プラグ11とプラグ受部12との通電接続がオン状態となる。また、ウエイト3がスイッチバー2の上端部から外れた場合に、スイッチバー2が上死点に位置して、差込プラグ11とプラグ受部12との通電接続がオフ状態となる。
【0030】
ウエイト3は、球体で、スイッチバー2の上端側に形成された台座31に配設され、圧縮コイルバネ23の力に抗してスイッチバー2を押し下げる自重・重力を有している。また、所定の振動が発生した場合に台座31から外れるように配設されている。すなわち、例えば震度4程度の地震が発生した場合に、ウエイト3が台座31から転がり落ちるように、ウエイト3の形状、重さ、表面粗さ、および台座31の形状、表面粗さが設定されている。
【0031】
リセット機構4は、外部から操作可能で、台座31から外れたウエイト3を台座31に戻す機構であり、主として、ウエイト受け41と、上下可動バー42と、操作バー43と、作動ブロック44とを備えている。
【0032】
ウエイト受け41は、複数の部材から構成され、全体が環状で、環内に台座31が位置し、外縁がケーシング6の内面に達するように形成され、台座31を中心として外縁側が開いたり、閉じたりするように各部材が配設されている。上下可動バー42は、ウエイト受け41の各部材に連結して、図中上下方向に延びるように配設され、各上下可動バー42は、連動するように接続されている。また、ひとつの上下可動バー42が、操作バー43まで延びている。
【0033】
操作バー43は、図中水平方向にスライド自在に配設され、一端部がケーシング6の正面に位置し、他端部がコイルスプリング24に接するように位置されている。この操作バー43の上に作動ブロック44が配設されている。この作動ブロック44は、側面が直角三角形で、その斜面に上下可動バー42の下端部が接するように配設されている。
【0034】
そして、通常時は、図4に示すように、上下可動バー42の下端部が作動ブロック44の下端部に位置し、ウエイト受け41が開いた状態となっている。この状態で、コイルスプリング24の力に抗して操作バー43を押すと、図6に示すように、上下可動バー42の下端部が作動ブロック44の上端部に位置し、上下可動バー42が上昇する。これによりウエイト受け41が閉じ、ウエイト受け41の外縁側に位置していたウエイト3が、台座31側に導かれて、台座31に配設されるようになっている。また、操作バー43を離すと、コイルスプリング24の力によって、操作バー43、上下可動バー42およびウエイト受け41が元の位置に戻るものである。
【0035】
フロート5は、水(液体)によって浮揚する浮揚体であり、スイッチバー2の下端部に配設されている。このフロート5は、球体で、所定量の水に浸かった場合に、スイッチバー2およびウエイト3を押し上げてウエイト3が台座31から外れるように、その浮揚力・浮力、つまり体積・大きさが設定されている。
【0036】
ケーシング6は、電気絶縁性を有し、図2示すように、上蓋部61と主体部62とから構成されている。また、上蓋部61は透明で、ウエイト3の位置状態が外部から確認できるようになっている。主体部62の下端には開放部62aが形成され、この開放部62aからフロート5側に向かって水が流入できるようになっている。さらに、フロート5の上方にはシールド62bが設けられ、フロート5側に流入した水が上方に流れるのを防止するようになっている。また、主体部62には、上下方向に2つの取付ボルト63が装着され、後述するように、この取付ボルト63を用いて既設のコンセント100にケーシング6を取り付けられるようになっている。
【0037】
次に、このような構成の遮断機能付コンセント1の設置方法および作用について説明する。
【0038】
まず、図7に示すように、既設のコンセント100のパネル101を取り外し、既設のコンセント100の本体102に設けられたプラグ受部103に、遮断機能付コンセント1の差込プラグ11を差し込む。ここで、既設のコンセント100は、家屋の壁や柱などの垂直な部材に配設され、商用電源に接続されている。次に、本体102に設けられたネジ穴103aに取付ボルト63を締め付けることで、既設のコンセント100に遮断機能付コンセント1を取り付ける。ここで、パネル101を外さずに、パネル101の上からプラグ受部103に遮断機能付コンセント1の差込プラグ11を差し込むだけでもよい。
【0039】
続いて、遮断機能付コンセント1のプラグ受部12に、テレビや掃除機などの電気機器の電源ケーブルの差込プラグを装着し、操作バー43を一旦押して離すと、上記のように、ウエイト3が台座31に配設される。この状態では、図1に示すように、スイッチバー2が下死点に位置し、検出リレー7がオフで、接続スイッチ13がオン状態となり、差込プラグ11とプラグ受部12とが接続された状態となっている。つまり、差込プラグ11とプラグ受部12とを介して、既設のコンセント100と電気機器とが通電状態となる。
【0040】
このような状態で、地震や幼児の接触・いたずらなどによって、遮断機能付コンセント1に所定の振動が与えられると、図4に示すように、ウエイト3が台座31から外れる。これにより、上記のように、圧縮コイルバネ23の力によってスイッチバー2が上死点にスライドし、検出リレー7がオンして接続スイッチ13がオフ状態となる。つまり、差込プラグ11とプラグ受部12との接続が解除され、既設のコンセント100と電気機器との通電が遮断される。
【0041】
同様に、図8に示すように、フロート5が排水設備の排水や雨水などで所定の位置まで浸水すると、上記のようにしてスイッチバー2およびウエイト3が押し上げられ、ウエイト3が台座31から外れる。これにより、差込プラグ11とプラグ受部12との接続が解除され、既設のコンセント100と電気機器との通電が遮断される。
【0042】
その後、安全を確認した後に、操作バー43を一旦押して離すと、上記のように、ウエイト3が台座31に戻され、これにより、スイッチバー2が下死点に位置し、検出リレー7がオフされ、接続スイッチ13がオン状態となる。そして、差込プラグ11とプラグ受部12とが再接続され、既設のコンセント100と電気機器との通電状態が復旧するものである。
【0043】
以上のように、この遮断機能付コンセント1によれば、振動や浸水が発生した場合には、既設のコンセント100と電気機器との通電が遮断されるため、火災や感電などを確実に防止することが可能となる。しかも、一旦通電が遮断されると、リセット機構4を操作しない限り、ウエイト3がスイッチバー2の上端部に戻らない、つまり通電が復旧しないため、不用意に通電が復旧してしまう、ということが防止・抑制される。
【0044】
また、スイッチバー2で接続スイッチ13をオン、オフすることで、差込プラグ11とプラグ受部12とを接離するため、一旦接続スイッチ13がオンされれば、差込プラグ11とプラグ受部12との通電状態は、安定している。つまり、従来のように、球体の自重によって接続状態を維持するものではないため、振動によってウエイト3が台座31上で揺れたとしても、通電状態に影響を与えることはなく、安定した通電状態が得られる。
【0045】
さらに、ケーシング6の上蓋部61が透明であるため、ウエイト3の位置状態を外部から確認することができる。このため、電気機器が動作しない場合に、上蓋部61をのぞいて、ウエイト3が台座31から外れていれば、この遮断機能付コンセント1による通電遮断であると判断でき、ウエイト3が台座31に配設されていれば、商用電源の停電や電気機器自体の故障などであると、判断することができる。
【0046】
また、既設のコンセント100のプラグ受部103に遮断機能付コンセント1の差込プラグ11を差し込むだけでよいため、電気の知識に詳しくない需要者であっても、容易に取り扱うことができる。しかも、電源・動力や無線などを要しないため、どこでもいつでも使用することができる。また、操作バー43を押すだけで、容易に通電が復旧するため、取り扱いが極めて容易、安全である。
【0047】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、検出リレー7を介して接続スイッチ13をオン・オフしているが、スイッチ部22によって接続スイッチ13を直接オン・オフするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 遮断機能付コンセント
11 差込プラグ
12 プラグ受部
13 接続スイッチ
2 スイッチバー(スイッチ部材)
21 第1の台座部材
3 ウエイト(検知体)
31 台座
4 リセット機構(リセット手段)
5 フロート(浮揚体)
6 ケーシング
64 第2の台座部材(支持部材)
7 検出リレー
100 既設のコンセント


【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設のコンセントに差し込み自在な差込プラグと、
前記差込プラグと通電可能に接続され、外部の電気機器を接続自在なプラグ受部と、
上下方向に可動自在に配設され、前記差込プラグとプラグ受部との通電接続をオン、オフするスイッチ部材と、
前記スイッチ部材の上端部に、所定の振動が発生した場合に前記上端部から外れるように配設された検知体と、を備え、
前記検知体が前記スイッチ部材の上端部に位置する場合には、前記スイッチ部材が下方に位置して前記通電接続がオン状態となり、前記検知体が前記スイッチ部材の上端部から外れた場合に、前記スイッチ部材が上方に位置して前記通電接続をオフするように、前記スイッチ部材が配設されている、
ことを特徴とする遮断機能付コンセント。
【請求項2】
前記スイッチ部材が下方に位置した状態で、前記スイッチ部材の上端部とで前記検知体を支持する支持部材を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の遮断機能付コンセント。
【請求項3】
外部から操作可能で、前記スイッチ部材の上端部から外れた前記検知体を、前記スイッチ部材の上端部に戻すリセット手段を備える、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の遮断機能付コンセント。
【請求項4】
前記スイッチ部材の下端部に、液体によって浮揚する浮揚体を備え、
前記浮揚体が液体に浸かった場合に、前記スイッチ部材を押し上げて前記検知体が前記スイッチ部材の上端部から外れるように、前記浮揚体の浮揚力が設定されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遮断機能付コンセント。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−199930(P2011−199930A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60752(P2010−60752)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】