説明

遮蔽された刺激および検出のシステムならびに方法

各アレイが組織の部位内にある、電極の空間アレイが提供される。アレイの電極は、電極の内のいくつかがパルス刺激または電気的活動の検出、あるいは両方のために使用される1組の電極に対してシールド電極として機能するように接続される。シールド電極はともに接続され、電気ノードを画定し、そのノードが電源レベルとの、または検出回路の基準電圧との所定の関係で安定した電位を定める。いくつかの電極位置のそれぞれで検出された活動が、電極位置の外部の電子装置に通信できるように、多重化技法が利用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
動物の組織の非常に密に画定された領域内で電気的活動をサンプリングすることは容易ではなく、動物の組織の非常に密に画定された領域を刺激することは容易ではない。かかるサンプリングおよび刺激のためにリード線を挿入する際に組織に対する外傷を最小限に抑えたいという希望、およびリード線を挿入可能とするのは一度限りであるが、そのリード線の後の使用では大きな柔軟性を保つ必要性等の追加の抑制が課されるとき、容易ではなかったその作業はなおさらに困難になる。
【背景技術】
【0002】
従来の技術の刺激および検出のタイプは、図1Aおよび図1Bに示されている。図1Aは、リード線13で単一の導体を使用する従来の技術のペーサー・リード線構成を示している。「カン」12は、電極位置14の外部にある駆動電子装置または検出電子装置を含む。(その電極位置14とともに)カン12およびリード線13は、動物の組織17の内部、真皮表面等の表面11の下に埋め込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
組織17のインピーダンス・モデルは、電極領域14に物理的に近傍の局所化されたインピーダンス18、およびより一般化されたインピーダンス19を仮定し、共にカン12への復路を画定する。
【0004】
図1Bは、リード線13で2個の導体15、16を使用する従来の技術のペーサー・リード線構造を示している。電極領域14での電極は、通信で導体15、16と選択的に結合されてもよい。カン12からの駆動電圧は、導体15、16を通り、領域14内の特定の電極に移る。駆動電圧は、組織17の部位20を刺激する。
【0005】
リード導体への電極の選択的な結合は、たとえば、開示がすべての目的のために参照することにより本明細書に組み込まれる、(たとえば、「Methods and systems for measuring cardiac parameters」と題する米国特許公開番号、第20040254483号、「Methodand apparatus for enhancing cardiac pacing」と題する米国特許公開番号、第200402220637号、「Methodand system for remote hemodynamic monitoring」と題する米国特許公開番号第20040215049号、「Methodand system for monitoring and treating hemodynamic parametersと題する米国特許公開番号第20040193021号、および2008年12月9日に出願された仮出願番号第61/121,128号に記載されるような)多重システムで説明される回路および技法によって達成され得る。
【0006】
これらの2つの図の同じ物理的な構造が、同様に、組織17の特定の部位での電気的活動の検出を可能にするために利用され得ることが理解される。
【0007】
経験は、ここに描かれているような構造が、サイズがミリメートルである組織の部位の刺激または検出によく適していることを示す。ヒト被験者での心臓ペーシング等のいくつかの用途では、マルチメータスケールの部位こそ所望されるものである。
【0008】
しかしながら、いくつかの診断用途および治療用途の場合、刺激または検出されている組織の部位が約数百ミクロンであることも必要または要求される。かかる非常に小さな部位を刺激し、検出するための方法だけを発見できたならば、おそらく個々のニューロンの発火ほど特定の、細胞レベルでの現象を検出できる可能性がある。同様に小さい部位を刺激することが可能である可能性がある。電気的な刺激は、たとえば、パーキンソン病またはジストニア等の運動障害の治療を可能にすることがある。
【0009】
しかしながら、前述された目的のためのリード線の挿入が一度、そして最高で一度まで行われることがきわめて望ましい。挿入するたびに組織に外傷を負わせる可能性がある。リード線が挿入され、(たとえば、わずかに異なる電極の位置決めという目的で)異なるリード線を挿入できるように後に除去される必要がある場合、これはさもなければ必要とされない外傷を近傍の組織に引き起こすであろう。他方、後の使用の大きな柔軟性を可能にするリード線が設けられる場合、これは、リード線の除去および交換が要求される頻度を削減するだろう。
【0010】
より薄いリード線は挿入するのが簡単であり、近傍の組織に引き起こす外傷がより少ないため、かかるリード線が可能な限り細いこともきわめて望ましい。
【0011】
これまで、特に生体適合性および物理的な信頼性等の他の目標も課されるときには、前述の望ましい目的を完全に達成することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
各アレイが組織の部位内にある、電極の空間アレイが提供される。アレイの電極は、電極の内のいくつかがパルス刺激または電気的活動の検出、あるいは両方のために使用される1組の電極に対してシールド電極として機能するように接続される。これらのシールド電極はともに接続され、電気ノードを画定し、そのノードが電源レベルとの、または検出回路の基準電圧との所定の関係で安定した電位を定める。いくつかの電極位置のそれぞれで検出された活動が、電極位置の外部の電子装置に通信できるように、多重化技法が利用され得る。
【0013】
本発明は、いくつかの図の図面に関して説明され、開示される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】リード線で単一の導体を使用する従来の技術のペーサー・リード線構成を示す図である。
【図1B】リード線で2個の導体を使用する従来の技術のペーサー・リード線構成を示す図である。
【図2A】電極の選択および駆動装置の多様な組み合わせが利用されるときの刺激フィールドのモデルを示す図である。
【図2B】電極の選択および駆動装置の多様な組み合わせが利用されるときの刺激フィールドのモデルを示す図である。
【図2C】電極の選択および駆動装置の多様な組み合わせが利用されるときの刺激フィールドのモデルを示す図である。
【図2D】電極の選択および駆動装置の多様な組み合わせが利用されるときの刺激フィールドのモデルを示す図である。
【図2E】電極の選択および駆動装置の多様な組み合わせが利用されるときの刺激フィールドのモデルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による集積回路チップで使用され得る例示的なクロスポイント・マトリックス(スイッチング構造)を示す図である。
【図4】1つの共通ノードおよび検出または刺激を提供する他の電極に結び付けられたシールド電極としての役割を果たす電極の例示的な選択を示す図である。
【図5】刺激パルスおよび課されたパルスの消散のためのモデルを示す図である。
【図6A】動物の組織内の12位置電極アレイのためのインピーダンスモデルを示す図である。
【図6B】上記に描かれるような電極を駆動するための「カン」内の例示的なドライバ構成を示す図である。
【図7A】リード線の導体に対する集積回路チップの例示的な位置決めを示す図である。
【図7B】リード線の導体に対する集積回路チップの例示的な位置決めを示す図である。
【図7C】リード線の導体に対する集積回路チップの例示的な位置決めを示す図である。
【図8】シールド電極を使用する例示的な検出配列を示す図である。
【図9A】検出された電圧を通信するための電流の使用のための例示的な駆動機構を示す図である。
【図9B】前の図に描かれるような電流を利用するための「カン」で使用できる例示的な検出機構を示す図である。
【図9C】検出された電圧を通信するための位相または周波数の変調の使用のための例示的な駆動機構を示す図である。
【図9D】検出された電圧を通信するための変調機能の使用のための例示的な駆動機構、および前の図に描かれるような変調を利用するための「カン」で使用できる例示的な復調機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
可能な場合には、類似する参照記号表示が、類似する要素を示すために図の中で使用された。
【0016】
図2A、図2B、図2C、図2D、および図2Eは、電極選択および駆動装置の多様な組み合わせが利用されるときの刺激・フィールドのためのモデルを示す。
【0017】
図2Aは、3x4の長方形のレイアウトにおける12個の電極の例示的なアレイ31を示す。
【0018】
図2Bは、2個の電極32、33だけが印加され、他の10個の電極が(高インピーダンスで)「浮動する」ことが許されているときの状況をモデル化する。この図では、駆動されている2個の電極が「浮動中」であり、カン12に(体の組織への)特定の「接地」基準がないことを意味していると仮定される。
【0019】
等電位線39、38、37および等電位線36、35、34がかなり対称であると予想される。1つのモデルでは、36での電圧は電極32での電圧の約37パーセントまで低下し、35での電圧は電極32での電圧の約24パーセントまで低下した。
【0020】
以後の図のモデル化のように図2Bのモデル化では、パーセンテージは、言うまでもなく、組織の導電率および物理的な寸法についての仮定の関数である。多様な図に示される信号の相対レベルは、多様な電極構成と関連する影響の、少なくとも近似のインジケータであると考えられる。
【0021】
図2Cは、電極60、61が一方向で駆動され、電極62が反対方向で駆動されるときの状況をモデル化する。再び、他の10個の電極は高インピーダンスである。この図では、2つの駆動レベルが「浮動中」であり、カン12の中に(体の組織に対する)特定な「接地」基準がないことを意味すると仮定されている。
【0022】
この図の等電位線は、図の中で中心に置かれた垂直軸上と、電極62を通り抜ける水平軸の両方でかなり対称であると予想される。1つのモデルでは、52での電圧は電極61での電圧の約64パーセントまで低下し、53での電圧は電極61での電圧の約58パーセントまで低下した。
【0023】
図2Dは、電極71、72が反対方向で駆動されるとき、および2個のシールド電極73、74が、さらに詳細に以下で述べられる(図2Dでは明確にするために省略されている)ノードに対してシールド電位を定めているときの状況をモデル化する。
【0024】
この図の等電位線は、図の中で中心に置かれた垂直軸上と、図の中で中心に置かれた水平軸上の両方でかなり対称であると予想される。1つのモデルでは、77での電圧は電極71での電圧の約9パーセントに低下し、73での電圧はゼロに低下した。
【0025】
(シールド電極が説明されるようなノードに結び付けられた)図2Dのモデル化された結果を、図2A、図2B、または図2Cのモデル化された結果と比較すると、このようなシールド電極を使用することにより、刺激が現れるきわめて明確に画定された小さい領域を生じさせることができることが明らかになる。かかる刺激は、深い脳の刺激、または脊椎の刺激、またはたとえば麻痺のための治療的刺激である可能性がある。
【0026】
同様に、この説明は刺激を対象としているが、かかるシールド電極の使用は、検出が行われる、きわめて明確に画定された小さな領域を生じさせることができることが理解される。検出は、γアミノ酪酸(GABA)等の化学物質およびホルモンを測定するために使用される可能性がある。光ファイバーは、血液の導電率の変化を決定し、伝導率のスペクトルをチェックし、GABA等の多様な化学物質のレベルを特定するために使用される可能性がある。
【0027】
図2Eは、電極92、93が反対方向で駆動されるとき、および10個のシールド電極91が、さらに詳細に以下で述べられる(図2Eでは明確にするために省略されている)ノードに対してシールド電位を定めているときの状況をモデル化する。
【0028】
この図の等電位線は、図の中で中心に置かれる垂直線上と、図の中で中心に置かれる水平線上の両方でかなり対称であると予想される。1つのモデルでは、3個または4個の電極間隔離れた点での電圧は、駆動電極での電圧の約0.07パーセントに低下し、任意のシールド電極91での電圧はゼロに低下した。より大きな距離で、このモデルは、駆動電圧の0.02パーセントに低下することがあることを示唆する。
【0029】
(シールド電極が説明されるようなノードに結び付けられた)図2Eのモデル化された結果を、図2A、図2B、または図2Cのモデル化された結果と比較すると、かかるシールド電極を使用することにより、刺激が現れるきわめて明確に画定された小さい領域を生じさせることができることが同様に明らかになる。
【0030】
典型的なチップは1.4かける3.0ミリメートルの大きさで、電極は100ミクロンの性質の空間サイズをもって細胞レベルで検出する可能性がある。
【0031】
図3は、本発明の実施形態による集積回路チップで使用され得る例示的なクロスポイント・マトリックス(スイッチング構造)を示す。電極112から123が、このスイッチング構造に接続される。(図1Bの導体15、16に匹敵する)リード線S1およびS2も表示され、この構造に接続している。例示的なスイッチ126は、図3で明確にするために標識が付けられないままとされた他の35のスイッチとともに、その構造の切り替えを行う。専門用語の問題として、ある特定の電極がこの構造の列内の1つに対して「有効にされている」と言うことがあり、その電極がその列に接続されていることを意味する。
【0032】
例示的な実施形態では、112等の各電極は、S1に、S2に、またはノード111に接続されてよい、または高インピーダンスで接続されてよい。追加の列は、以下で説明するように、電極の検出回路への選択的な接続を可能にするために、または異なる増幅器のそれぞれの入力への2個の電極の選択的な接続を可能にするために、構造124用に設けられてよい。ノード111は、それが任意の電源ラインに金属のように結び付けられていないが、なんらかの中間レベルにあるという意味で「浮動ノード」として考えられてよい。この中間レベルは、駆動(刺激)信号を消散するために、必要に応じて、上方へまたは下方へ移動できる。
【0033】
スイッチング構造とともに、これらの電極は、便宜上、この文脈で「多重化電極」と呼ばれてよい。以下の説明の他の場所で、さまざまな集積回路チップ(異なる電極位置)の間のような多重化も実施されてよい。
【0034】
ノード111は複数のシールド電極に共通した接続点を提供することができ、したがって異なったシールド電極に近傍のさまざまな電位が等しくなる傾向があるため、ノード111は重要である。ただし、ノード111は、(詳細が以下に述べられる)回路125を通って事前に定められたように導体S1、S2に結び付けることができるため、ノード111は、また重要である。
【0035】
図4は、電極132から141の例示的な選択が、共通ノード146、および検出または刺激を行う他の電極131、142に結び付けられたシールド電極としての機能を果たす配列175を示している。この図では、特定のクロスポイント・スイッチ(図3の構造124)が、図4の143等の接続を生じさせるために閉じられると仮定される。(共通ノード146は図3のノード111に類似する。)(明確にするために、アクティブなクロスポイント接続だけが図4に示されており、明確にするために他の考えられるクロスポイント接続は省略されている。)配列175では、回路125(図3)は、導体S1、S2の間でほぼ中間で低下するようにノード146を画定するコンデンサ144、145から構成されている。好ましくは、コンデンサ144、145は値で一致している、またはほぼ一致している。配列175は、駆動電極131、142が図2Eの電極92、93に相当する図2Eに描かれる結果を生じさせることができる。シールド電極132から141は、図2Eのシールド電極91に相当する。
【0036】
図5は、上述したようなシールド配列での、刺激パルスおよび課されるパルスの消散のモデルを示す。パルス161は、1マイクロ秒の半分、持続し、このパルスはここではバイポーラであり、1個の駆動電極が2ボルトをわずかに超えるまで駆動され、他の駆動された電極はマイナス2ボルトをわずかに下回るまで引き下げられる。このパルスが終了すると、刺激は(形状162によってモデル化されるように)弱まる。1つの組織および幾何学形状モデルでは、刺激は5または6マイクロ秒内に弱まりほぼ何もなくなった。後で、別のパルス163が発生することがある。
【0037】
図6Aは、動物組織内の12位置電極アレイ31のインピーダンス・モデルを示す。このモデルでは、電極92、93は(図2Eのように)駆動され、残りの電極が(図2Eの電極91のように)シールド電極としての機能を果たすと仮定される。これらのシールド電極は、(図4でのように)ノード146で電気的にともに結び付けられる。駆動電極92、93のそれぞれは、動物の隣接組織を通してなんらかのインピーダンス171、172を有するとしてモデル化される。
【0038】
図6Bは、回路175(図4)で上記に描かれるような電極を駆動するための「カン」12の中の例示的なドライバ構成205を示す。正になる駆動および負になる駆動177は、図示されるリード導体S1、S2に(コンデンサ176を通して)容量結合される。たとえ点178が図中の他のすべてに対して浮動していても、本発明の教示の大部分はその利点を提供するが、基準178は、カン12内で画定されてよく、いくつかの用途では、カン12の金属筐体に結び付けられ、このようにして動物に結合される可能性がある。
【0039】
図7A、図7B、および図7Cは、リード線の導体に対する集積回路チップの例示的な位置決めを示す。図7Aは、導体181(たとえば、導体S1、S2)に結合された単一のICチップOを示す。ルーメン185は、リード線を適所に誘導するのに役立ち、後に回収されてよい。図7Bは、導体181に背中合わせに結合され、図示されるように物理的な材料によって互いに結び付けられた2個のICチップO、Pを示す。図7Cは、正方形の中で導体181に結合され、図示されるように物理的な材料によって互いに結び付けられた4個のICチップO、P、LおよびFを示す。
【0040】
図7Aの配列は、リード線全長に沿って各電極位置に(たとえば)12個の電極を提供する。図7Bの配列は、リード線全長に沿って各電極位置に24個の電極を提供する。図7Cの配列は、リード線の全長に沿って各電極位置に48個の電極を提供する。
【0041】
かかる配列は、リード線が埋め込まれた後でリード線の使用に大きな多用途性を可能にする。組織内のなんらかの物理的な位置で特定の固有の所望される刺激を可能にする、または組織内のある物理的な位置での電気的活動の検出を可能にするなんらかの組み合わせが見つけられるときまで、試行錯誤によっても、電極の多様な組み合わせを試行できる。このようにして、ある特定の組織領域内でリード線を除去し、挿入し直さなければならないことを回避する、または延期することが可能になることがある。
【0042】
図8は、シールド電極191を使用する例示的な検出装置204を示す。この配列では、2個の特定の電極92、93(再び図2Eを参照)が、差動増幅器192の入力と接続されている。増幅器192は、電極位置の(たとえば、図8では明確にするために省略されているカン12に)外部の電極に通信される出力193を有する。この図に見られるように、ノード111は再び回路125に結び付けられ、回路125はこの場合、1本の供給ラインVssから離れる1ダイオード電圧降下194を提供し、抵抗器195によって他の供給ラインVccに向かって動かされる。(ここでは、VccおよびVssは、ラインS1およびS2と同じであってよい、あるいはラインS1およびS2から引き出されてよい)。この配列204の場合、スイッチング構造124(図3)は、図3に関して前述されるように2つ以上の列を有する。
【0043】
本明細書に説明されるようなオンサイト信号処理は、ノイズを削減できる。
【0044】
図9Aは、検出された電圧を通信するための電流の使用のための例示的な駆動機構203を示す。電極および差動増幅器は、図8においてのようであるが、増幅された信号192は、代わりにラインS1、S2の特定レベルン電流を駆動する電圧対電流変換器196を駆動する。この電流は、後に、たとえば図9Bの例示的な検出機構202を使用してカン12の中で検出される。この電流は抵抗器198を通過し、作成されたIR低下が差動増幅器197に達する。
【0045】
図9Bの電流検出手法が利用されることが本発明にとって重大ではないことが理解される。たとえば、標準的な電流対デジタル変換器が使用できるだろう。
【0046】
検出された電気的活動をカン12等の外部電子装置に通信するために、他のいくつかの手法のどれかを利用できるだろうことも理解される。図9Cは、検出された電圧を通信するために位相または周波数の変調を使用するための例示的な駆動機構201を示す。電圧から周波数への変換器199は、周波数変調によって検出されたデータ情報を通信するために電流駆動装置196を駆動できる。代わりに、位相変調が使用できるであろう。
【0047】
図9Dは、検出された電圧を通信するための変調機能の使用のための例示的な駆動機構207、および前の図で描かれるような変調を利用するためにカン12で使用できる例示的な復調機構206を示す。変調機能f0は、変調器211で変調する。図9Dでは明確にするために省略されている、他の電極検出アレイは、対応する様式で他の変調機能f1からfnを使用する。カン12では、復調機構が、同じ機能f0、f1、fnを備えた復調器213、214、215を使用し、それぞれがたとえば電極92、93で検出された電圧に比例する異なった電圧を引き出す。
【0048】
本発明の一実施形態では、動物の組織の第1の部位に電気パルスを印加するため、または動物の組織の第1の部位で電気的活動を検出するために、ある方法が実施される。電極の第1のアレイは、組織の第1の部位に設けられ、そのアレイはそれぞれの表面に置かれている。第1のアレイは、それぞれの表面に置かれているそれぞれの第1の電極および第2の電極を含む。第1のアレイは、やはりそれぞれの表面の上に置かれ、それぞれの第1の電極および第2の電極を取り囲む複数の各第3の電極(シールド電極)をさらに含む。電極の第1のアレイは、カン12等の、電極の第1のアレイの外部に位置する電子装置に、リード線を介して、電気的に選択的に接続される。リード線は、少なく後も1個の導電体を含み、たとえば2個の導体を有してよい。検出回路または駆動回路が第1の電極および第2の電極に接続されるように、選択的な接続が行われる。これらのシールド電極は、その近傍の組織との導電結合を通して第1の電極および第2の電極のための電気シールドとしての機能を果たすように構成されている。
【0049】
これらの電極を支える表面は、たとえばそれが集積回路の表面である場合、実質的に平面的であることがある。ただし、表面は平面的である必要はなく、たとえば凸状である可能性がある。
【0050】
シールド電極の数は2個ほど少ないこともあれば、6個であることもあれば、本明細書で説明される実施形態では、シールド電極数は10である場合もある。
【0051】
シールド電極の共通ノード111での回路125は、正の電源と負の電源の間の安定した電圧でシールド電極にバイアスをかけることができる。正の電源と負の電源の間の安定した電圧は、電源のどちらからも少なくとも1ダイオード電圧降下離れるように定められてよい。本回路は、さらに、集積回路の基板の電位から少なくとも2ダイオード電圧降下離れた安定した電圧を確立してよい。
【0052】
検出された電気的活動はデジタル信号に変換されてよく、そのデジタル信号はそれによって電子装置(たとえばカン12)までリード線の1個または複数の導電体を用いて運ばれる。代わりに、包絡線変調(AM)が利用されてよい。
【0053】
多くの実施形態では、それぞれがシールド電極を含む電極のアレイを有する、2つ以上の(およびおそらく多数の)電極位置がある。かかるケースでは、ある位置で、および後に別の位置で刺激を実施することを可能にするために、アドレッシング技法(addressingtechniques)が利用される。上記の多重化技法等の他の技法は、2つ以上の位置のそれぞれでの電気的活動の検出を可能にするために利用されてよい。多重化は、たとえば時間領域多重化または周波数領域多重化であってよい。
【0054】
本発明の一実施形態は、動物の組織に電気パルスを印加するため、または動物の組織の部位で電気的活動を検出するための多重化電極のアレイの使用を含む。第1のアレイは、組織の第1の部位に設けられる。この多重化は、各電極を電気的に隔離し、リード線の少なくとも1個の導体に接続する、またはアレイ内の他の電極に接続されている浮動ノードに接続できるようにする。各電極は、同様に、検出回路の少なくとも1つの入力に電気的に接続できる。各電極は、同様に、電流源に電気的に接続できる。典型的な配列では、浮動ノードに対して有効にされる少なくとも1個の電極が、リード線内の導体に対して有効にされる少なくとも1個の電極に隣接する。同様に、浮動ノードに対して有効にされる少なくとも1個の電極が、検出回路の入力に対して有効にされる少なくとも1個の電極に隣接することが起こり得る。
【0055】
例示的な配列では、第1の電極は、リード線の第1の導体に対して有効にすることができ、第2の電極はリード線の第2の導体に対して有効にすることができ、表面上の少なくとも2個の追加の電極が浮動ノードに対して有効にされる。
【0056】
回路125(図3)に戻ると、浮動ノード111は、リード線の少なくとも1個の導体に容量結合されてよい。あるいは、この浮動ノードは、2つの実質的に同等なコンデンサを使用してリード線の2個の導体に容量結合されてよい。あるいはこの浮動ノードはリード線の少なくとも1個の導体に電気的に接続されてよく、その導体は駆動回路から電気的に隔離される。この浮動ノードは、センサ供給電圧から少なくとも1ダイオード電圧降下離れるようにバイアスをかけられてよい。
【0057】
動物での使用では、医療用キャリアは、通常、リード線の中の前記少なくとも1個の導体に接続されている、複数のかかる電極アレイを含むことが理解されるだろう。
【0058】
電気的活動が測定されているとき、図8、図9A、図9C、および図9Dに関連して上述されるように、検出された現象を示す第1の値が記憶される順序立ったステップが実施されてよい。後に、後のときに検出された現象を示す第2の値が記憶される。2つの値は、通信される必要のあるすべてが2つの値の間の差異となるように差し引かれてよい。
【0059】
典型的な順序立ったステップは、検出する、または刺激するために使用するためのアレイから第1の電極を選択すること、および浮動ノードに接続されたアレイから第2のシールド電極を選択すること、動物に関する現象を観察すること、および選択された電極と関連して観察された現象に留意することであってよい。次に、本アレイからの異なるセットの電極が、検出または刺激するために使用され、本アレイからの第4のシールド電極は浮動ノードに接続され、再び現象は、動物に関して、および選択された電極と関連して観察される現象に留意して観察される。なんらかの実験作業の後、電極のある組み合わせが選択され、その後のなんらかの間隔のために利用されてよく、その間隔の間に、検出または刺激が実施されてよい。組織は神経組織であってよい。
【0060】
取り外し可能な末端加速度計または運動センサは、パーキンソン病またはジストニア等の運動障害の治療で役立てるために使用され得る。
【0061】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する方法。図8を参照すると、シールド電極191は入力電極92、93にバイアスをかけ、共通モード信号を削減し、入力を近接場信号に対して感受性を高くし、遠方信号に対して感受性を低くする。シールド電極191は、基板125電位の上(または基板125が最も確実である場合は、基板125電位の下)1または2ダイオード電圧降下194、バイアスをかけられる。
【0062】
このアイデアは、VccとVssの間の安定した電圧で、理想的にはどちらか一方から少なくとも1ダイオード電圧降下でシールド電極191にバイアスをかけることである。シールド電圧191は、次に差動増幅器192によって増幅されるように電極92および93に達する共通モード信号を削減するために働く。
【0063】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する第1の方法。図9Aを参照すると、示されているのはリードIC203上に置かれた回路のいくつかである。1台の差動増幅器192は一度に選択され、次いで電極92と93間の電位差が、出力リード線S1およびS2でのその電位差に比例する電流信号に変換される。
【0064】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する第2の方法。図9Bを参照すると、示されているのはカンの中のなんらかの回路である。この回路は、電融制御電圧源を使用し、既存のトークバック回路に類似している。代わりに、このカンは電流をデジタルに変換する変換器を直接的に使用してよい。この実施形態では、この信号は197で増幅され、リードIC202で電流に変換される。このカンでは、S2での電圧は一定に保持される間、その電流は、組織インピーダンス198が変化するにつれてアナログ信号を抽出するためにサンプリングされる。増幅器197からの出力電圧信号は、198全体での電圧低下に比例する。
【0065】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する第3の方法。図9Bを参照すると、本実施形態では、複数の増幅器が、2線バスでアナログ信号を下方に多重化するために使用される。時間多重化が一般に使用されることが想定される。
【0066】
この方法は、上述された第2の方法に類似しているが、それぞれが時間多重化されている複数の位置(衛星)に拡張されている。各位置のS1リード線およびS2リード線の時間が測定される。たとえば、1kHzサンプリングで8つの位置を仮定する。10kHzの信号は(それぞれS1およびS2での異相パルス化DC正弦波信号とともに)S1およびS2で強制される。各リードIC202で、「開始コマンド」に続く異なるタイムスロットが各リード線IC202でプリセットされている。衛星0には第1のタイムスロットが割り当てられ、衛星1には第2のタイムスロットが割り当てられ、等である。各リードIC202は、S1およびS2の電圧を積極的に整流する電源レギュレータを有する。アナログ増幅器197は、リードICの202タイムスロットが有効になっているときにだけ、各リードIC202で有効にされる。そうでなければ、この回路は、上述された第2の方法で説明されるように機能する。ただし、この方法論は、必ず、タイムスロット等を追跡調査するために必要とされるより複雑なカン回路設計を生じさせる。さらに、この方法は、「アナログ多重化開始」コマンドが、既存の通信プロトコルの延長として使用されることを必要とする。
【0067】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する第4の方法。図9Bを参照すると、この方法は、前述された第3の方法の変形である。この変形では、増幅器の197電流消費の「ノイズ」が排除されている。上述された第3の方法では、リード線S1およびS2の電流が、増幅器の197の電流引き込み、およびサンプリングされた電圧に比例する強制電流の合計に等しくなる。この変形では、有効にされたリードIC202によって引きこまれる総電流が、サンプル全体での差動電圧に比例する。
【0068】
図9Aを参照すると、この第4の方法の第2の変形では、増幅器192はサンプリングし、増幅し、結果として生じる電圧193をコンデンサ上に保持する。増幅器192は、次いで停止し、S1およびS2上の電流は、電圧制御電流源(VCCS)を通る電流だけである。
【0069】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する第5の方法。図9Cを参照すると、この実施形態は前述された第3の方法の変形であり、周波数領域における多重化を開示している。この実施形態においては、各リードIC201には専用の周波数199が与えられる。このカンは、S1およびS2全体で安定した電圧を提供するが、S1およびS2を通して引き込まれる電流をサンプリングする。したがって、各リードIC201は増幅された電圧を周波数に変換し、次に、たとえば周波数の中心に置かれるシヌソイド状の波で、VCCSを一定増幅正弦波電流を通して引く。(ただし、正弦波も許容できる。)基本的に、搬送波の位相が変調されている。これらの搬送波周波数はクロック周波数に関係している可能性がある。たとえば、衛星0での周波数は、クロック周波数の約10倍であり、衛星1はクロック周波数の約11倍であり、以下同様である。
【0070】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する第6の方法。図9Cおよび図9Dを参照すると、この実施形態は上述された第5の方法の変形である。この変形では、各リードICによって「放送される」周波数は固定されている。各リードICによって引き下げられる振幅は、サンプリングされる信号に伴い変化する。カンの中の周波数ごとのロックイン増幅器(213、214、215等)は、各送信信号を、デジタルで、または複数のロックインを介してのどちらかで回復する。上述された第5の方法でのように、これらの周波数信号はシヌソイド状の波の形を取る、または正弦波211としての形をとる場合がある。f0はクロック搬送波周波数の約1/10である。たとえば、その搬送波周波数が約100kHzであると、次にf0は約10kHzとなり、その信号自体は約1kHzである。
【0071】
サンプリングされたアナログ信号をリードICからカンに伝達する第7の方法。図9Cおよび図9Dを参照すると、この実施形態は、上述の第1の方法のように有効にされた各リードICが信号を増幅し、アナログ/デジタル変換器(ADC)を利用し、電圧をバイナリ数に変換する、第6の方法の変形である。次に、この数は既存のトークバック回路の変形を使用してカンに送り返される。たとえば、各リードICは、特定の範囲のクロックサイクルの間に割り当てられ、その間に、所与のリードICがカンに収集されたばかりのデータを送り返す。
【0072】
たとえば、あるクロックサイクルで、これらの信号は増幅され、すべてのリードICでデジタル信号に変換される。次のクロックサイクルで、衛星0は、すぐ後に続くクロックサイクルでそのデータを通信し、衛星1はそのデータを通信し、以下同様である。
【0073】
このようにして、増幅およびADCプロセスによって生じる電力消費は短時間だけ実現される。通信のバランスは、次に、既存の通信プロトコルで発生する。
【0074】
当業者は、苦労なく本発明に対する無数の明らかな改善策および変形を工夫し、それらのすべてが後述の特許請求の範囲に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の組織の第1の部位に電気パルスを印加するため、または動物の組織の第1の部位での電気的活動を検出するための方法であって、
各表面に置かれた電極の第1のアレイを、組織の前記第1の部位に設け、前記第1のアレイが前記各表面に置かれたそれぞれの第1の電極および第2の電極を備え、前記第1のアレイが、やはり前記各表面に置かれ、前記各第1の電極および第2の電極を取り囲む複数の各第3の電極をさらに備えるステップと、
を含み、
電極の前記第1のアレイが、電極の前記第1のアレイの外部に位置する電子装置にリード線を介して電気的に選択的に接続され、前記リード線が少なくとも1個の導電体を備え、
前記電極の前記選択的な接続が、前記第1の電極および第2の電極を前記少なくとも1個の導電体に接続する検出回路または駆動回路を備え、前記第1の電極および第2の電極に近傍の組織との導電結合を通して前記第1の電極および第2の電極のための電気シールドとして機能するように前記第3の電極を配置する回路をさらに備える方法。
【請求項2】
前記方法が組織の前記第1の部位に電気パルスを印加し、前記電極の前記選択的接続が駆動回路を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、組織の前記第1の部位で電気的活動を検出し、前記電極の前記選択的接続が検出回路を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検出回路は、入力として前記第1の電極および第2の電極を受け入れ、前記少なくとも1個の導電体に出力を提供する差動増幅器を備え、それによって検出された電気的活動が電極の前記アレイの外部の前記電子装置に通信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記各表面が実質的に平面的である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記各表面が凸状である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第3の電極の数が少なくとも6である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第3の電極の数が少なくとも10である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のアレイが正の電源および負の電源を受け入れ、前記第3の電極を前記少なくとも1個の導電体に選択的に接続する前記回路が、前記正の電源と負の電源の間の安定した電圧で前記第3の電極にバイアスをかける回路を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の電極を前記少なくとも1個の導電体に選択的に接続する前記回路が、前記電源のどちらからも少なくとも1ダイオード電圧降下離れた、前記安定した電圧を前記正の電源と負の電源の間で確立する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電極を選択的に接続する前記回路が基板を画定し、前記基板が電位を有し、前記第3の電極を前記少なくとも1個の導電体に選択的に接続する前記回路が、前記基板の前記電位から少なくとも2ダイオード電圧降下離れた安定した電圧を確立する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
電圧として前記検出された電気的活動が電流に変換され、前記電流がそれによって前記少なくとも1個の導電体を用いて前記電子装置に運ばれ、前記電子装置が前記電流を測定するために配置される、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
電圧として前記検出された電気的活動がデジタル信号に変換され、前記デジタル信号がそれによって前記少なくとも1個の導電体を用いて前記電子装置に運ばれ、前記電子装置が前記デジタル信号を検出するために配置される、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1個の導電体を用いる前記デジタル信号の前記搬送が、包絡線変調によって実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法はさらに、前記動物の組織の第2の部位に電気パルスを印加する、または前記動物の組織の第2の部位での電気的活動を検出し、
各表面に置かれた電極の第2のアレイを、組織の前記第2の領域に設け、前記第2のアレイが、前記各表面に置かれたそれぞれ第1の電極およびだ2の電極を備え、前記第2のアレイが、やはり前記各表面に置かれ、前記第1の電極および第2の電極を取り囲む複数の各第3の電極をさらに備えるステップと、
を含み、
電極の前記第2のアレイが、電極の前記第1のアレイの外部に位置する前記電子装置に、前記リード線を介して電気的に選択的に接続され、前記電子装置が、やはり電極の前記第2のアレイの外部に位置する電極の前記第1のアレイの外部に位置し、
前記電極の前記選択的接続が、前記第1の電極および第2の電極を前記少なくとも1個の導電体に接続する検出回路または駆動回路を備え、前記第1の電極および第2の電極の近傍の組織との導電結合を通して前記第1の電極および第2の電極のための電気シールドとして機能するように第3の電極を配置する回路をさらに備え、
前記方法が、電極の前記第1のアレイおよび第2のアレイの外部にある前記電子装置がそれと多重通信するように、前記第1のアレイの前記選択的接続をアドレッシングし、前記第2のアレイの前記選択的接続をアドレッシングすることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記多重化が、時間領域多重化および周波数領域多重化から成るセットから選択される手法によって行なわれる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
動物の組織の部位に電気パルスを印加するため、または動物の組織の部位での電気的活動を検出するための多重化電極のアレイを使用するための方法であって、
各表面に置かれ、取り囲む組織と電気的に接触している多重化電極の第1のアレイを、組織の前記第1の部位に設けるステップと、
を含み、
それによって、前記多重化が、各電極を、電気的に隔離できるようにするか、前記リード線内の少なくとも1個の導電体に接続できるようにするか、または前記アレイの他の電極に接続されている浮動ノードに接続できるようにする、方法。
【請求項18】
前記多重化が、各電極を検出回路の少なくとも1つの入力に電気的に接続できるようにすることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記多重化は、各電極を電流源に電気的に接続できるようにすることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記浮動ノードに有効にされている少なくとも1個の電極が、前記リード線の導体に有効にされている少なくとも1個の電極に隣接する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記浮動ノードに有効にされる少なくとも1個の電極が、検出回路の入力に有効にされる少なくとも1個の電極に隣接する、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
第1の電極が前記リード線の第1の導体に対して有効にされ、第2の電極が前記リード線の第2の導体に対して有効にされ、前記表面上の少なくとも2個の追加の導体が前記浮動ノードに対して有効にされる、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記浮動ノードが、前記リード線の前記少なくとも1個の導体に容量結合される、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記浮動ノードは、2つの実質的に同等なコンデンサを使用して前記リード線の2個の導体に容量結合される、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記浮動ノードは、前記リード線の前記少なくとも1個の導体に電気的に接続され、その導体は前記駆動回路から電気的に隔離される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの組織の追加の部位に、多重化電極の少なくとも1つの追加のアレイを設けることをさらに含み、前記追加アレイが、異なる電気アドレスを除き、前記第1のアレイに実質的に類似する、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記浮動ノードが、センサ供給電圧から少なくとも1ダイオード電圧降下離れるように偏向される、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
医療用キャリアが、前記リード線の前記少なくとも1個の導体に接続されているかかる複数のアレイを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
動物の組織の部位で電気的活動を検出するための電極のアレイを使用するための方法であって、
組織の前記第1の部位に、各表面に置かれ、取り囲んでいる組織と電気的に接触する電極の第1のアレイを設けるステップと、
検出回路に少なくとも第1の電極を接続するための手段、前記検出回路に対する第2の入力に少なくとも第2の電極を、および浮動ノードに少なくとも第3の電極を接続するための手段を提供し、前記少なくとも第3の電極が1個または複数の浮動電極を画定するステップと、
を含む方法。
【請求項30】
前記方法が、前記第1の電極と前記第2の電極の間の前記検出回路で差動電圧を最初にサンプリングするステップと、
その第1の電極を示す第1の値を記憶するステップと、
前記浮動電極が前記浮動ノードに接続できるようにし、前記浮動ノードがバイアス・ネットワークに接続され、前記バイアス・ネットワークが前記浮動ノードを、前記検出回路に供給されるどちらかの電圧からも少なくとも1ダイオード電圧降下離れるように、前記浮動ノードにバイアスをかけるステップと、
第2の測定電圧を表す第2の値を記憶するステップと、
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記検出回路が、前記第2の値から前記第1の値を差し引き、前記結果を第3の値として記憶する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記記憶された値の少なくとも一つの値が、前記リード線の導体を使用して取り付けられたコントローラに伝送される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
医療用キャリアが、前記リード線の前記導体に接続されるかかるアレイを備える、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
動物の組織の第1の部位に電気パルスを印加するため、または動物の組織の第1の部位での電気的活動を検出するための装置であって、
各表面に置かれた電極の第1のアレイであって、前記第1のアレイは前記各表面に置かれた各第1の電極および第2の電極を備え、前記第1のアレイが、前記各表面にも配置され、前記各第1の電極および第2の電極を取り囲む複数の各第3の電極をさらに備える前記第1のアレイと、
を備え、
電極の前記第1のアレイが、電極の前記第1のアレイの外部に位置する電子装置にリード線を介して電気的に選択的に接続され、前記リード線が少なくとも1個の導電体を備え、
前記電極の前記選択的接続が、前記第1の電極および第2の電極を前記少なくとも1個の導電体に接続する検出回路または駆動回路を備え、前記第1の電極および第2の電極に近傍の組織との導電結合を通して前記第1の電極および第2の電極のための電気シールドとして機能するように前記第3の電極を配置する回路をさらに備える、装置。
【請求項35】
前記電極の前記選択的接続が駆動回路を備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記電極の前記選択的接続が検出回路を備える、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記検出回路が、入力として前記第1の電極および第2の電極を受け入れ、前記少なくとも1個の導電体に出力を提供する差動増幅器を備え、それによって検出された電気的活動が電極の前記アレイの外部の前記電子装置に通信される、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
前記各表面が実質的に平面的である、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
前記各表面が凸状である、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
第3の電極の数が少なくとも6である、請求項34に記載の装置。
【請求項41】
第3の電極の数が少なくとも10である、請求項34に記載の装置。
【請求項42】
前記第1のアレイが正の電源および負の電源を受け入れ、前記第3の電極を前記少なくとも1個の導電体に選択的に接続する前記回路が、前記正の電源と前記負の電源の間で安定した電圧で前記第3の電極にバイアスをかける回路を備える、請求項34に記載の装置。
【請求項43】
前記少なくとも1個の導電体に前記第3の電極を選択的に接続する前記回路が、前記電源のどちらからも少なくとも1ダイオード電圧降下離れた前記正の電源と前記負の電源の間に前記安定した電圧を確立する、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記電極を選択的に接続する前記回路が基板を画定し、前記基板が電位を有し、前記第3の電極を前記少なくとも1個の導電体に選択的に接続する前記回路が、前記基板の前記電位から少なくとも2ダイオード電圧降下離れた前記安定した電圧をさらに確立する、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
電圧として前記検出された電気的活動が電流に変換され、前記電流がそれによって前記少なくとも1個の導電体を用いて前記電子装置に運ばれ前記電子装置が前記電流を測定するために配置される、請求項36に記載の装置。
【請求項46】
電圧として前記検出された電気的活動がデジタル信号に変換され、前記デジタル信号がそれによって前記少なくとも1個の導電体を用いて前記電子装置に運ばれ、前記電子装置が前記デジタル信号を検出するために配置される、請求項36に記載の装置。
【請求項47】
前記少なくとも1個の導電体を用いる前記デジタル信号の前記搬送が、包絡線変調によって実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
各表面に配置された電極の第2のアレイをさらに備え、前記第2のアレイが前記各表面に置かれた各第1の電極および第2の電極を備え、前記第2のアレイが、やはり前記各表面に置かれ、前記第1の電極および第2の電極を取り囲む複数の各第3の電極をさらに備え、
電極の前記第2のアレイが、電極の前記第1のアレイの外部に位置する前記電子装置に前記リード線を介して電気的に選択的に接続され、電極の前記第1のアレイの外部に位置する前記電子装置も、電極の前記第2のアレイの外部に位置し、
前記電極の前記選択的接続が、前記少なくとも1個の導体と前記第1の電極および第2の電極を接続する検出回路または駆動回路をさらに備え、前記第1の電極および第2の電極の近傍の組織との導電結合を通して前記第1の電極および第2の電極のための電気シールドとして機能するように前記第3の電極を配置する回路をさらに備える、請求項34に記載の装置。
請求項34に記載の装置。
【請求項49】
前記多重化が、時間領域多重化および周波数領域多重化から成るセットから選択される手法によって行なわれる、請求項15に記載の装置。
【請求項50】
動物の組織の部位に電気パルスを印加するため、または動物の組織の部位での電気的活動を検出するための多重化電極のアレイを使用するための装置であって、
各表面に配置され、取り囲む組織と電気的に接触する多重化電極の第1のアレイと、
を備え、
前記多重化が、各電極を、電気的に隔離できるようにするか、前記リード線に少なくとも1個の導体に接続できるようにするか、あるいは前記アレイの他の電極に接続される浮動ノードに接続できるようにすることを含む、装置。
【請求項51】
前記多重化が、各電極を検出回路の少なくとも1つの入力に電気的に接続できるようにすることをさらに含む、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
前記多重化が、各電極を電流源に電気的に接続できるようにすることをさらに含む、請求項50に記載の装置。
【請求項53】
前記浮動ノードに対して有効にされる少なくとも1個の電極が、前記リード線の導体に対して有効にされる少なくとも1個の電極に隣接している、請求項50に記載の装置。
【請求項54】
前記浮動ノードに対して有効にされる少なくとも1個の電極が、検出回路の入力に対して有効にされる少なくとも1個の電極に隣接している、請求項50に記載の装置。
【請求項55】
第1の電極が前記リード線の第1の導体に対して有効にされ、第2の電極が前記リード線の第2の導体に対して有効にされ、少なくとも2個の追加の電極が前記浮動ノードに対して有効にされる、請求項50に記載の装置。
【請求項56】
前記浮動ノードが、前記リード線の少なくとも1個の導体に容量結合される、請求項50に記載の装置。
【請求項57】
前記浮動ノードが、2個の実質的に同等なコンデンサを使用して前記リード線の2個の導体に容量結合される、請求項50に記載の装置。
【請求項58】
前記浮動ノードが、前記リード線の少なくとも1個の導体に電気的に接続され、その導体が前記駆動回路から電気的に隔離される、請求項50に記載の装置。
【請求項59】
組織の少なくとも1つの部位で多重化電極の少なくとも1つの追加アレイをさらに備え、前記追加アレイが、異なる電気アドレスを除き前記第1のアレイに実質的に類似する、請求項50に記載の装置。
【請求項60】
前記浮動ノードが、センサ供給電圧から少なくとも1ダイオード電圧降下離れるようにバイアスをかけられる、請求項50に記載の装置。
【請求項61】
医療用キャリアが、前記リード線の前記少なくとも1個の導体に接続される複数のかかるアレイを備える、請求項50に記載の装置。
【請求項62】
動物の組織の部位での電気的活動を検出するための電極のアレイを使用するための装置であって、
各表面に配置され、取り囲む組織と電気的に接触する電極の第1のアレイと、
検出回路に少なくとも第1の電極を接続するための手段、前記検出回路に対する第2の入力に少なくとも第2の電極を、および浮動ノードに、1個または複数の浮動電極を画定する少なくとも第3の電極を接続するための手段と、
を備える装置。
【請求項63】
銭検出回路が、前記第2の値から前記第1の値を差し引き、前記結果を第3の値として記憶する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記記憶された値の内の少なくとも1つが、前記リード線の導体を使用して、取り付けられたコントローラに送信される、請求項62に記載の装置。
【請求項65】
医療用キャリアが、前記リード線の前記導体に接続されている複数のかかるアレイを備える、請求項62に記載の装置。
【請求項66】
多数の電極を備えるアレイを有するリード線とともに使用するための方法であって、前記リード線が動物の組織の中に埋め込まれ、
検出する、または刺激するために使用するために前記アレイから第1の電極を選択し、浮動ノードに接続されている前記アレイから第2のシールド電極を選択するステップと、
前記動物に関する現象を観察し、前記選択された電極と関連して観察される前記現象に留意するステップと、
検出する、または刺激するために使用するために前記アレイから第3の電極を選択し、浮動ノードに接続される前記アレイから第4のシールド電極を選択するステップと、
前記動物に関する現象を観察し、前記選択された電極と関連して観察される前記現象に留意するステップと、
それ以後のいくつかの間隔の間、前記第3の選択された電極および第4の電極を利用するように前記リード線を構成し、前記間隔の間、検出または刺激を実行するステップと、
を含む方法。
【請求項67】
前記組織が神経組織である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記動物がパーキンソン病を有する、請求項67に記載の方法。

【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図1A】
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【図1B】
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【公表番号】特表2012−508611(P2012−508611A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536357(P2011−536357)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/059704
【国際公開番号】WO2010/056438
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(505222679)プロテウス バイオメディカル インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】