説明

遮音板を有する床スラブ

【課題】互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間に配置された遮音板とを有する床スラブにおいて、該床スラブが荷重を受けたときに全てのプレキャストコンクリート板が前記荷重に抵抗できるようにし、前記床スラブの強度を向上させること。
【解決手段】床スラブは、第1方向に互いに隣接して配置された少なくとも3つのプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間及び前記コンクリート層の内部に前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて配置された、それぞれが前記第1方向に垂直である複数の遮音板とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮音板を有する床スラブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床スラブには、互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間に配置された遮音板とを含むものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−279744号公報
【0003】
前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうちの一方のプレキャストコンクリート板の上で子供が飛び跳ねたり、走り回ったりすることにより、前記一方のプレキャストコンクリート板に衝撃が加えられ、床衝撃音が発生することがある。このとき、前記衝撃により前記一方のプレキャストコンクリート板に振動が生じる。前記遮音板は、前記振動が前記他方のプレキャストコンクリート板に伝わるのを妨げる。これにより、前記床衝撃音が前記床スラブを経て伝搬するのを防止することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記遮音板は前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間の領域の全部に存在する。前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板は、前記遮音板により隔てられており、一体化されていない。このため、前記床スラブが自重、積載荷重等の荷重を受けたとき、1つのプレキャストコンクリート板のみが前記荷重に抵抗し、全てのプレキャストコンクリート板が前記荷重に抵抗することはない。このため、前記床スラブの前記荷重に対する強度が比較的小さい。
【0005】
本発明の目的は、互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間に配置された遮音板とを有する床スラブにおいて、該床スラブが荷重を受けたときに全てのプレキャストコンクリート板が前記荷重に抵抗できるようにし、前記床スラブの強度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、床スラブが、互いに隣接して配置された少なくとも3つのプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上のコンクリート層と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間及び前記コンクリート層の内部に間隔を置いて配置された複数の遮音板とを含み、前記コンクリート層により前記プレキャストコンクリート板を結合し、これを一体化させる。これにより、前記床スラブが荷重を受けたときに全てのプレキャストコンクリート板が前記荷重に抵抗できるようにする。
【0007】
本発明に係る床スラブは、第1方向に互いに側部が隣接して配置された、それぞれが長方形の平面形状を有する少なくとも3つのプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間及び前記コンクリート層の内部に前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて配置された、それぞれが前記第1方向に垂直である複数の遮音板とを含む。
【0008】
前記プレキャストコンクリート板の上に形成された前記コンクリート層は、前記プレキャストコンクリート板を結合する。これにより、前記プレキャストコンクリート板を一体化させることができる。このため、前記床スラブが荷重を受けたときに全てのプレキャストコンクリート板が前記荷重に抵抗することができ、前記床スラブの前記荷重に対する強度を比較的大きいものとすることができる。
【0009】
前記コンクリート層の内部における互いに隣接する2つの遮音板の間に、それぞれが前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の上方から他方のプレキャストコンクリート板の上方へ前記第1方向に伸びる複数の鉄筋が配置されている。これにより、前記コンクリート層による前記プレキャストコンクリート板の結合をより強固にすることができる。
【0010】
前記プレキャストコンクリート板は、第1プレキャストコンクリート板と、該第1プレキャストコンクリート板にその一方の側で隣接する第2プレキャストコンクリート板と、前記第1プレキャストコンクリート板にその他方の側で隣接する第3プレキャストコンクリート板とを含み、前記第1プレキャストコンクリート板と前記第2プレキャストコンクリート板との間における前記遮音板が存在する領域及び前記遮音板が存在しない領域は、それぞれ、前記第1プレキャストコンクリート板と前記第3プレキャストコンクリート板との間における前記遮音板が存在しない領域及び前記遮音板が存在する領域から前記第1方向に隔てられている。
【0011】
前記遮音板は、石膏、ロックウール又は気泡コンクリートからなる。これらの材料は耐火材であり、前記遮音板が前記床スラブの耐火性を損ねることはない。
【0012】
本発明に係る床スラブの施工法は、第1方向に互いに側部が隣接する、それぞれが長方形の平面形状を有する少なくとも3つのプレキャストコンクリート板と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間にあって前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置かれた複数の遮音板であってそれぞれが前記第1方向に垂直であり、前記プレキャストコンクリート板から上方へ突出する複数の遮音板とを用意すること、前記プレキャストコンクリート板の上にコンクリートを打設して、前記遮音板の前記プレキャストコンクリート板からの突出寸法に相当する厚さ寸法を有するコンクリート層を形成することを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、床スラブが、互いに隣接して配置された少なくとも3つのプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上のコンクリート層と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間及び前記コンクリート層の内部に間隔を置いて配置された複数の遮音板とを含むことから、前記コンクリート層により前記プレキャストコンクリート板を結合することができ、これを一体化させることができる。このため、前記床スラブが荷重を受けたときに全てのプレキャストコンクリート板が前記荷重に抵抗することができ、前記床スラブの前記荷重に対する強度を比較的大きいものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1、2に示すように、建物の床スラブ10が存在する。床スラブ10は、第1方向(図1における左右方向)に互いに隣接して配置された少なくとも3つのプレキャストコンクリート板12と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層14とを有する。各プレキャストコンクリート板12は長方形の平面形状を有し、隣接する2つのプレキャストコンクリート板は、互いに側部16が隣接している。
【0015】
床スラブ10は、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12の間及びコンクリート層14の内部に、前記第1方向と直交する第2方向(図1における上下方向)に間隔を置いて配置された複数の遮音板18を有する。各遮音板18は、前記第1方向に垂直であり、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のいずれか一方に、ビス、ねじ等のような留め具22により固定されている。遮音板18は、石膏、ロックウール又は気泡コンクリートからなる。これらの材料は耐火材であり、遮音板18が床スラブ10の耐火性を損ねることはない。
【0016】
ところで、床スラブ10の上で子供が飛び跳ねたり、走り回ったりすることにより、該床スラブに衝撃が加えられ、床衝撃音が発生することがある。このとき、前記衝撃により床スラブ10に振動が生じる。例えば、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のうちの一方のプレキャストコンクリート板の上方に位置するコンクリート層部分に衝撃が加えられて床衝撃音が発生したとき、前記衝撃により前記コンクリート層部分及び前記一方のプレキャストコンクリート板に振動が生じる。
【0017】
遮音板18は、前記振動が前記他方のプレキャストコンクリート板及びその上方に位置する他のコンクリート層部分に伝わるのを妨げる。このため、前記振動は遮音板18が存在しない領域を経てしか前記他方のプレキャストコンクリート板及び前記他のコンクリート層部分に伝わらず、これらに伝わる振動は小さい。このため、前記床衝撃音が床スラブ10を経て伝搬するのを妨げることができる。
【0018】
床スラブ10の上の空間は、1つの部屋からなるものでもよいし、互いに隣接する複数の部屋からなるものでもよい。例えば、床スラブ10の上の空間が前記複数の部屋からなり、前記一方のプレキャストコンクリート板が、互いに隣接する2つの部屋のうちの一方の部屋の下方に位置し、前記他方のプレキャストコンクリート板が他方の部屋に下方に位置していてもよい。この場合、前記一方の部屋において床衝撃音が発生したときに前記コンクリート層部分及び前記一方のプレキャストコンクリート板に生じた振動が前記他のコンクリート層部分及び前記他方のプレキャストコンクリート板に伝わるのを妨げることにより、前記床衝撃音が床スラブ10を経て前記他方の部屋へ伝搬するのを妨げることができる。
【0019】
プレキャストコンクリート板12はコンクリート層14により結合されている。これにより、プレキャストコンクリート板12を一体化させることができ、床スラブ10が自重、積載荷重等の荷重を受けたときに全てのプレキャストコンクリート板12が一体となって前記荷重に抵抗することができる。このため、床スラブ10の前記荷重に対する強度を比較的大きいものとすることができる。
【0020】
コンクリート層14の内部における互いに隣接する2つの遮音板18の間に、それぞれが互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のうちの一方のプレキャストコンクリート板の上方から他方のプレキャストコンクリート板の上方へ前記第1方向に伸びる複数の鉄筋22a、22bが配置されている。鉄筋22a、22bは、前記第2方向に間隔を置いて配置された複数の第1鉄筋22aと、該第1鉄筋の下方に前記第2方向に間隔を置いて配置された複数の第2鉄筋22b(図2)とを含む。コンクリート層14の内部に、それぞれが第1鉄筋22aと交差する、前記第1方向に間隔を置かれた複数の第3鉄筋24(図2)が配置されている。コンクリート層14は、第1鉄筋22a、第2鉄筋22b及び第3鉄筋24により補強されている。
【0021】
第1鉄筋22a及び第2鉄筋22bは、前記一方のプレキャストコンクリート板の上方に位置するコンクリート層部分と、前記他方のプレキャストコンクリート板の上方に位置する他のコンクリート層部分との境界部分を補強する。これにより、コンクリート層14によるプレキャストコンクリート板12の結合をより強固なものとすることができる。
【0022】
図2に示したように、各プレキャストコンクリート板12の内部に格子状の第4鉄筋26が配置されており、プレキャストコンクリート板12に複数の補強手段28が前記第1方向に間隔を置いて設けられている。各補強手段28は、プレキャストコンクリート板12の上方に配置された、前記第2方向に伸びる第5鉄筋30と、該第5鉄筋と第4鉄筋26との間にあってこれらに接合されたラチス鉄筋32とからなる。コンクリート層14の内部に配置された第1鉄筋22aは、第5鉄筋30の上にあって該第5鉄筋に接合されている。
【0023】
第1鉄筋22aと第2鉄筋22bとの間に、発泡スチロール、プラスチック、木材等のような、コンクリートより比重が小さい材料からなるブロック34が配置されている。ブロック34は、床スラブ10の重量を軽減し、該床スラブのコンクリート使用量を低減する。
【0024】
ブロック34の上面36及び下面38の形状は、該ブロックの正面から見て、波形の一部分である。このように上面36及び下面38は、平坦でないものとするのが好ましい。この場合、ブロック34の上面36及び下面38はコンクリート層14に生じた振動を乱反射させる。このため、前記振動がブロック34の上面36と床スラブ10の上面との間で反射を繰り返したり、ブロック34の下面38とプレキャストコンクリート板12の上面との間で反射を繰り返したりすることがない。これにより、前記振動によりブロック34の上面36と床スラブ10の前記上面と間のコンクリートが共振したり、ブロック34の下面38とプレキャストコンクリート板12の前記上面との間のコンクリートが共振したりするのを防止することができ、コンクリート層14を経て伝搬する床衝撃音が増大するのを防止することができる。ブロック34の上面36及び下面38の形状は、波形の一部分である図1に示した例に代え、円弧状でもよい。また、ブロック34の上面36及び下面38は、平坦でない上記の例に代え、平坦であってもよい。
【0025】
床スラブ10の厚さ寸法、すなわちプレキャストコンクリート板12の厚さ寸法とコンクリート層14の厚さ寸法との合計は、一般に、約250mmないし約400mmである。遮音板18の前記第2方向における長さ寸法40及び互いに隣接する2つの遮音板18の間の間隔42のそれぞれは、例えば、約0.5mないし約2.5mである。床スラブ10の厚さ寸法、遮音板18の長さ寸法40及び隣接する2つの遮音板18の間の間隔42は、床スラブ10に必要な強度や遮音性能に応じて任意に変更することができる。
【0026】
図1に示したように、プレキャストコンクリート板12は、第1プレキャストコンクリート板12aと、該第1プレキャストコンクリート板にその一方の側で隣接する第2プレキャストコンクリート板12bと、第1プレキャストコンクリート板12aにその他方の側で隣接する第3プレキャストコンクリート板12cとを含み、第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間における遮音板18が存在する領域は、第1プレキャストコンクリート板12aと第2プレキャストコンクリート板12bとの間における遮音板18が存在しない領域から前記第1方向に隔てられている。また、第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間における遮音板18が存在しない領域は、第1プレキャストコンクリート板12aと第2プレキャストコンクリート板12bとの間における遮音板18が存在する領域から前記第1方向に隔てられている。このように遮音板18は千鳥状に配置されている。
【0027】
第2プレキャストコンクリート板12bの上方に位置する第2コンクリート層部分に衝撃が加えられて床衝撃音が発生したとき、該第2コンクリート層部分及び第2プレキャストコンクリート板12bに振動が生じる。第2プレキャストコンクリート板12bと第1プレキャストコンクリート板12aとの間に配置された遮音板18は、前記振動が第1プレキャストコンクリート板12a及びその上方に位置する第1コンクリート層部分に伝わるのを妨げる。このため、前記振動は遮音板18が存在しない領域を経て第1プレキャストコンクリート板12a及び前記第1コンクリート層部分に伝わる。第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間に配置された遮音板18は、第1プレキャストコンクリート板12a及び前記第1コンクリート層部分に伝わった振動が第3プレキャストコンクリート板12c及びその上方に位置する第3コンクリート層部分に伝わるのを妨げる。
【0028】
第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間における遮音板18が存在する領域が第1プレキャストコンクリート板12aと第2プレキャストコンクリート板12bとの間における遮音板18が存在しない領域から前記第1方向に隔てられているため、第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間に配置された遮音板18は、第1プレキャストコンクリート板12a及び前記第1コンクリート層部分に伝わった振動が第3プレキャストコンクリート板12c及び前記第3コンクリート層部分に伝わるのを効果的に妨げることができる。このため、第3プレキャストコンクリート板12c及び前記第3コンクリート層部分に伝わる振動を効果的に低減することができ、床スラブ10を経て伝搬する床衝撃音をより小さくすることができる。
【0029】
第1プレキャストコンクリート板12aと第2プレキャストコンクリート板12bとの間に配置された遮音板18の数と、第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間に配置された遮音板18の数とは、図1に示した例では、ほぼ等しいが、これに代え、異なっていてもよい。例えば、互いに隣接する2つの部屋の境界部分が、第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間に配置された遮音板18の上方に位置する場合、第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間に配置された遮音板18の数を、第1プレキャストコンクリート板12aと第2プレキャストコンクリート板12bとの間に配置された遮音板18の数より多くしてもよい。これにより、第1プレキャストコンクリート板12aと第3プレキャストコンクリート板12cとの間に配置された遮音板18により、第1プレキャストコンクリート板12a及び前記第1コンクリート層部分に伝わった振動が第3プレキャストコンクリート板12c及び前記第3コンクリート層部分に伝わるのをより効果的に妨げることができ、前記隣接する2つの部屋のうちの一方の部屋で発生した床衝撃音が他方の部屋へ伝搬するのをより効果的に妨げることができる。
【0030】
床スラブ10を施工するとき、まず、図3に示すように、前記第1方向に互いに側部16が隣接する、それぞれが長方形の平面形状を有する少なくとも3つのプレキャストコンクリート板12と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12の間にあって前記第2方向に間隔を置かれた複数の遮音板18とを用意する。このとき、プレキャストコンクリート板12を隣接して配置し、その後、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12の間に遮音板18を配置してもよいし、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のいずれか一方に遮音板18を予め固定しておき、その後、プレキャストコンクリート板12を隣接して配置してもよい。各遮音板18は、前記第1方向に垂直であり、プレキャストコンクリート板12から上方へ突出している。
【0031】
互いに隣接する少なくとも3つのプレキャストコンクリート板12及び互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12の間にある遮音板18を用意した後、プレキャストコンクリート板12の上にコンクリートを打設してコンクリート層14を形成する。コンクリート層14は、遮音板18のプレキャストコンクリート板12からの突出寸法に相当する厚さ寸法を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る床スラブの平面図。
【図2】図1の線2における床スラブの断面図。
【図3】コンクリート層を形成する前におけるプレキャストコンクリート板の平面図。
【符号の説明】
【0033】
10 床スラブ
12 プレキャストコンクリート板
14 コンクリート層
16 側部
18 遮音板
22a、22b 鉄筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに側部が隣接して配置された、それぞれが長方形の平面形状を有する少なくとも3つのプレキャストコンクリート板と、
該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層と、
互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間及び前記コンクリート層の内部に前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて配置された、それぞれが前記第1方向に垂直である複数の遮音板とを含む、床スラブ。
【請求項2】
前記コンクリート層の内部における互いに隣接する2つの遮音板の間に、それぞれが前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の上方から他方のプレキャストコンクリート板の上方へ前記第1方向に伸びる複数の鉄筋が配置されている、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項3】
前記プレキャストコンクリート板は、第1プレキャストコンクリート板と、該第1プレキャストコンクリート板にその一方の側で隣接する第2プレキャストコンクリート板と、前記第1プレキャストコンクリート板にその他方の側で隣接する第3プレキャストコンクリート板とを含み、
前記第1プレキャストコンクリート板と前記第2プレキャストコンクリート板との間における前記遮音板が存在する領域及び前記遮音板が存在しない領域は、それぞれ、前記第1プレキャストコンクリート板と前記第3プレキャストコンクリート板との間における前記遮音板が存在しない領域及び前記遮音板が存在する領域から前記第1方向に隔てられている、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項4】
前記遮音板は、石膏、ロックウール又は気泡コンクリートからなる、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項5】
第1方向に互いに側部が隣接する、それぞれが長方形の平面形状を有する少なくとも3つのプレキャストコンクリート板と、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板の間にあって前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置かれた複数の遮音板であってそれぞれが前記第1方向に垂直であり、前記プレキャストコンクリート板から上方へ突出する複数の遮音板とを用意すること、
前記プレキャストコンクリート板の上にコンクリートを打設して、前記遮音板の前記プレキャストコンクリート板からの突出寸法に相当する厚さ寸法を有するコンクリート層を形成することを含む、床スラブの施工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−287363(P2009−287363A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144242(P2008−144242)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】