説明

選果システム

【課題】青果物の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる選果システムの提供を目的とする。
【解決手段】青果物6が載せられたトレイ8を待機位置P1まで搬送するトレイ搬送装置53と、包装箱9を待受位置P2まで搬送する箱搬送装置71と、待機位置P1にあるトレイ8を待受位置P2まで移送する箱詰装置72と、制御装置80と、を備え、制御装置80は、トレイ搬送装置53によってトレイ8を待機位置P1まで搬送し、箱搬送装置71によって待受位置P2とトレイ8が詰められる第一の箱詰位置S1、第二の箱詰位置S2とが一致するように包装箱9を待受位置P2まで移送した後に、箱詰装置72によってトレイ8を待受位置P2に移送するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置台に載置された青果物をトレイに移送して包装箱に詰める選果システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イチゴ等の青果物の内部品質を測定し、青果物を選別する選果システムが知られている。載置台に載置された青果物は、搬送装置によって搬送するとともに糖度や酸度等の内部品質が測定される。そして、測定結果に基づいて青果物を品質毎に所定のトレイに選別収納するものである。
【0003】
このような選果システムにおいては、赤外線等を用いた非接触の測定装置による測定や、移送装置によるトレイへの移送の自動化によって処理速度の向上や青果物の取り扱いを安定的に行えるように構成されているものがある。例えば特許文献1のごとくである。
【0004】
しかし、上述した特許文献1に開示されている選果システムは、青果物の内部品質の測定及びトレイへの移送までを自動的に行う。つまり、青果物を出荷する状態にするためには、この後に作業者がトレイを包装箱に箱詰めする必要がある。また、移送装置によって載置台からトレイに移送された青果物の位置がずれている場合には、箱詰めの際に作業者が青果物の位置を修正する必要がある。従って、トレイの箱詰めや青果物の位置の修正を行う作業者を配置しなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−231711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、青果物の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる選果システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、青果物が載せられたトレイを待機位置まで搬送するトレイ搬送装置と、包装箱を待受位置まで搬送する箱搬送装置と、前記待機位置にある前記トレイを前記待受位置まで移送する箱詰装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記トレイ搬送装置によって前記トレイを前記待機位置まで搬送し、前記箱搬送装置によって前記待受位置と前記トレイが詰められる箱詰位置とが一致するように前記包装箱を前記待受位置まで移送した後に、前記箱詰装置によって前記トレイを前記待受位置に移送するように制御するものである。
【0009】
請求項2においては、前記トレイ搬送装置は、前記トレイを振動させて前記青果物の姿勢を調整する振動装置を備えるものである。
【0010】
請求項3においては、前記箱搬送装置は、前記トレイ搬送装置の終端に前記トレイの搬送方向と直交する方向に前記包装箱を搬送するように接続され、前記箱詰装置は、前記トレイ搬送装置の搬送方向と平行な方向に前記トレイを搬送するように配置されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記箱搬送装置は、前記トレイ搬送装置の終端に前記トレイの搬送方向と平行な方向に前記包装箱を搬送するように接続され、前記箱詰装置は、前記トレイ搬送装置の搬送方向と直交する方向に前記トレイを搬送するように配置されるものである。
【0012】
請求項5においては、前記制御装置は、前記箱詰装置によって第一の前記トレイを第一の前記箱詰位置に移送した後に、前記箱搬送装置によって前記待受位置と第二の前記箱詰位置とが一致するように前記包装箱を移動させて、前記箱詰装置によって第二の前記トレイを第二の前記箱詰位置に移送するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
即ち、請求項1に係る発明によれば、青果物が載置されたトレイは、箱詰装置によって包装箱に箱詰めされた状態で排出される。このため、青果物の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、青果物のトレイへの収納状態による箱詰め不良を低減することができる。このため、青果物の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、トレイを包装箱に移送する際に箱搬送装置によって包装箱の位置を合わせることができる。このため、青果物の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、トレイを包装箱に移送する際に箱搬送装置によって包装箱の位置を合わせることができる。このため、青果物の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、包装箱に複数のトレイを容易に移送することができる。このため、青果物の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一実施形態に係る選果システムの全体的な構成を示した模式図。
【図2】本発明の第一実施形態に係る選果システムの移送部を示した平面図。
【図3】(a)は載置台を示した平面図、(b)は載置台を示した側面図。
【図4】本発明の第一実施形態に係る選果システムの移送装置を示した斜視図。
【図5】本発明の第一実施形態に係る選果システムの移送部及び箱詰部を示した平面図。
【図6】(a)は、本発明の第一実施形態に係る選果システムの移送部の押上げ装置が作動していない状態を示した図4におけるX矢視図、(b)は、同じく選果システムの移送部の押上げ装置が作動した状態を示した図4におけるX矢視図、(c)は、同じく選果システムの移送部の押上げ装置が作動した状態において青果物を収納した状態示した図4におけるX矢視図。
【図7】(a)は、本発明に係る選果システムの移送部の別実施形態においてトレイ搬送装置と載置台搬送装置とが離間した状態を示した平面図、(b)は、本発明に係る選果システムの移送部の別実施形態においてトレイ搬送装置と載置台搬送装置とが近接した状態を示した平面図。
【図8】(a)は、本発明の第一実施形態に係る選果システムの箱詰部において、第一のトレイを包装箱に移送する状態を示した平面図、(b)は、同じく選果システムの箱詰部において、包装箱を移動させる状態を示した平面図、(c)は、同じく選果システムの箱詰部において、第二のトレイを包装箱に移送する状態を示した平面図。
【図9】本発明の第一実施形態に係る選果システムの制御装置の箱詰制御行程を示すフローチャート図。
【図10】本発明の第二実施形態に係る選果システムの移送部及び箱詰部を示した平面図。
【図11】(a)は、本発明の第二実施形態に係る選果システムの箱詰部において、第一のトレイを包装箱に移送する状態を示した平面図、(b)は、同じく選果システムの箱詰部において、第二のトレイを移動させる状態を示した平面図、(c)は、同じく選果システムの箱詰部において、第二のトレイを包装箱に移送する状態を示した平面図。
【図12】本発明の第二実施形態に係る選果システムの制御装置の箱詰制御行程を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る選果システム1について、図1から図6を用いて説明する。なお、図中で示す白色矢印は載置台5の搬送方向を示すものとして説明する。
【0021】
選果システム1は、図1に示すように、青果物6の内部品質を測定し、等級や階級毎に選果した後に箱詰めを行うシステムである。具体的には、載置台5に載置される青果物6を搬送するとともに、当該載置台5に載置される青果物6を等級や階級毎にトレイ8に収納し、包装箱9に箱詰めを行うシステムである。
【0022】
載置台5は、図3に示すように、青果物6が載置されるものであり、略円筒状に形成される。載置台5は、その上面に青果物6が載置される載置部5aと、その平面視中央部に上下方向に貫通する貫通孔5bと、を有して構成される。
載置台5の載置部5aは、貫通孔5bに向かって低くなる略円錐形の凹状に形成され、略横に寝かせた青果物6が収まるように構成される。載置台5の貫通孔5bは、後述する品質計測部40の投光手段から照射される光が上方(又は下方)から下方(又は上方)に貫通孔5b内を通って、受光手段がこれを受光可能なように構成される。
【0023】
また、載置台5の側面(若しくは底面)には、ID認識手段が貼設される。具体的には、載置台5のID認識手段は、バーコードや二次元コードや磁気テープやICチップ等で構成される。載置台5のID認識手段には、認識番号が記される(IDが書込まれる)。載置台5のID認識手段における認識番号は、品質計測部40や移送部50において、それぞれ図示しない読取手段によって読取られる。
【0024】
青果物6は、図2に示すように、イチゴ、ミニトマト、ミズナス等の可食部6a表面が比較的柔らかく、がく片(通称:へた)部6bを有するものを示す。本実施形態では、青果物6は、イチゴであるものとして説明する。
【0025】
また、トレイ8は、青果物6を収納するものである。トレイ8は、プラスチック等の合成樹脂素材からなる平面視長方形の部材であり、載置台5から移送された青果物6が収納される収納部8aを縦横に複数個有して構成される。トレイ8では、24個(長手方向に6個、短手方向に4個)の収納部8a・8a・・・が配置される。
【0026】
トレイ8の収納部8aは、略横に寝かせた青果物6が収まるような形状に合わせて凹状にトレイ8の上面が形成されて構成される。トレイ8の収納部8aが形成される部分の下面は、収納部8aが形成されることによって凸状に形成される。トレイ8の収納部8aの一側にはがく片部収納位置8bが形成される。
トレイ8の収納部8aは、平面視で所定角度傾斜するように配置される。本実施形態では、トレイ8の収納部8aは、その長手方向に対して平面視で左方(反時計周り)に略45度傾くように配置され、収納効率を高めている。
【0027】
包装箱9は、図1に示すように、トレイ8を包装するものである。包装箱9は、側面が開口可能に形成されて側面からトレイ8を箱詰め可能に構成される。本実施形態において、包装箱9は、第一のトレイ8と第二のトレイ8とを並べて内部に配置することができる大きさに形成される。つまり、包装箱9には、第一のトレイ8が詰められる位置である第一の箱詰位置S1・S2と第二のトレイ8が詰められる位置である第二の箱詰位置S1・S2とを有する(図5参照)。また、包装箱9には、外部からトレイ8に収納されている青果物6を視認できるように、上面が開口されている。なお、包装箱9の形状は、本実施形態に限定されるものではない。
【0028】
選果システム1は、載置台5を搬送する搬送部10と、作業者によって載置台5に青果物6が載置される青果物載置部30と、青果物載置部30において載置台5に載置された青果物6の品質を計測する品質計測部40と、品質計測部40における計測結果に基づいて青果物6をその等級や階級毎に載置台5からトレイ8に移送する移送部50と、トレイ8を包装箱9に箱詰めする箱詰部70と、品質計測部40、移送部50及び箱詰部70を制御する制御装置80(図5参照)と、を備える。
【0029】
搬送部10は、物品を搬送するものであり複数のベルトコンベアにより構成される。搬送部10は、主搬送装置11と、リターンライン12と、載置台戻りライン13と、廃棄ライン14と、手詰ライン15と、を備える。なお、本実施形態において搬送部10は、ベルトコンベアにより構成されるがこれに限定されるものではない。
【0030】
主搬送装置11は、青果物6が載置されていない載置台5、又は、青果物載置部30において青果物6が載置された載置台5を搬送するものである。主搬送装置11は、上流側から順に、青果物載置部30、品質計測部40、移送部50、箱詰部70が配置される。
【0031】
リターンライン12は、青果物載置部30において青果物6が載置台5に正確に載置されていなかった場合に、品質計測部40の下流側から、青果物載置部30の上流側に当該載置台5を戻すものである。
【0032】
載置台戻りライン13は、移送部50において青果物6がトレイ8へ移送されて青果物6が載置されていない(空の状態)載置台5を、移送部50の終端から青果物載置部30の上流側に戻すものである。
【0033】
廃棄ライン14は、青果物6が規格外に変形しているもの、規格外に大きすぎるもの、小さすぎるもの、規格外に変質しているもの、傷が付いているもの、がく片部6bがないもの、又は残留農薬が規定値以上のもの等の場合、主搬送装置11の下流側端から青果物6を排出するものである。
【0034】
手詰ライン15は、青果物載置部30において載置台5に載置された青果物6が品質計測部40において移送部50の移送装置60で移送できない乱形果であると判断された場合、品質計測部40の下流側から、手詰部42に当該載置台5を搬送するものである。
【0035】
青果物載置部30は、載置台5に青果物6を載置するものである。青果物載置部30は、主搬送装置11の上流側の両側又は一側に、複数の作業者が位置して、当該作業者によって主搬送装置11により搬送される載置台5に青果物6が載置される。詳述すると、青果物載置部30では、複数の作業者が、主搬送装置11の上流側の左右両側、又は、左右一側に、搬送方向に沿って並んで位置する。主搬送装置11の搬送面に載せられて搬送されてきた載置台5の載置部5aに、略横に寝かせるようにして青果物6を載置する。
【0036】
品質計測部40は、青果物6の品質を測定するものである。品質計測部40は、質量計、CCDカメラ等の撮影手段、撮影手段で撮影された画像に関する情報の画像処理を行う画像処理手段、内部の品質を計測する投光手段及び受光手段、等が配置されて構成される。品質計測部40は、載置台5に載置されて主搬送装置11により搬送されてくる青果物6の質量、大きさ、変質度合い、傷の有無、がく片部6bの有無、青果物6の向き、糖度や酸度、残留農薬濃度、等について測定する。品質計測部40は、分岐装置41と、手詰部42とを備える。
【0037】
分岐装置41は、載置台5を手詰ライン15へ移送するものである。分岐装置41は、主搬送装置11と手詰ライン15との分岐部分に配置される。分岐装置41は、青果物6が移送部50の移送装置60で移送できない乱形果である場合、品質計測部40の下流側から手詰ライン15に当該載置台5を移送する。
【0038】
手詰部42は、トレイ8に青果物6を手詰めするものである。手詰部42は、手詰ライン15に複数の作業者が位置しており、当該作業者によって手詰ライン15により搬送される乱形果である青果物6をトレイ8に収納する。このように構成することで、乱形果を原因とする移送不良や箱詰不良を防止して選果システム1の稼働率を向上させることができる。
【0039】
移送部50は、載置台5に載置された青果物6をトレイ8に移送するものである。移送部50は、主搬送装置11の左右両側に複数配置される。実施形態において、移送部50は、主搬送装置11の搬送方向に対して左右それぞれに3つずつ移送部50が配置されるがこれに限定されるものではない。各移送部50は、トレイ8に移送する青果物6の階級や等級等が予め設定されている。移送部50は、載置台搬送装置51と、分岐装置52と、載置台5に載置される青果物6の向きを修正する図示しない方向修正装置と、トレイ搬送装置53と、移送装置60と、を備える。
【0040】
載置台搬送装置51は、載置台5を搬送するものであり、ベルトコンベアにより構成される。載置台搬送装置51は、主搬送装置11の左側又は右側にその搬送方向が主搬送装置11の搬送方向に対して略直交するように主搬送装置11から分岐して配置される。なお、本実施形態において載置台搬送装置51は、ベルトコンベアにより構成されるがこれに限定されるものではない。
【0041】
分岐装置52は、載置台5を載置台搬送装置51へ移送するものである。分岐装置52は、主搬送装置11と載置台搬送装置51との分岐部分にそれぞれ配置される。分岐装置52は、移送部50に予め設定されている等級や階級等に関する情報と一致する等級や階級等の青果物6が載置された載置台5を選択的に載置台搬送装置51へ移送可能に構成される。
【0042】
移送部50の図示しない方向修正装置は、載置台搬送装置51によって搬送される載置台5の向きを修正して、後述する移送装置60の吸着部66によって青果物6のがく片部6bを吸着可能なように、当該載置台5に載置される青果物6の向き(青果物6のがく片部6bの向き)を修正する。
【0043】
トレイ搬送装置53は、トレイ8を搬送するものでありベルトコンベアによって構成される。トレイ搬送装置53は、その搬送方向が載置台搬送装置51の搬送方向と同一方向となるように、載置台搬送装置51に平行して並べて配置される。トレイ搬送装置53は、載置台搬送装置51の搬送方向に対して右方に配置される。トレイ搬送装置53は、途中部に振動装置54を備える。
【0044】
図2に示すように、トレイ搬送装置53では、トレイ8が、収納部8aのがく片部収納位置8bがトレイ搬送装置53の搬送方向に対して右方に135度の方向を向くようにしてトレイ搬送装置53の搬送面上に載せられて搬送される。ここで、トレイ8のがく片部収納位置8bとは、トレイ8の収納部8aに青果物6が収納されたときに青果物6のがく片部6bが位置する部分を示す。トレイ搬送装置53は、トレイ8をベルトコンベアの終端位置である待機位置P1(図5参照)まで搬送可能に構成される。
【0045】
振動装置54は、図1に示すように、トレイ8を振動させるものであり、トレイ搬送装置53の途中部に独立して配置される。振動装置54は、図5に示すように、ベルトコンベア55と電磁石等からなる振動アクチュエータ56とを備える。振動装置54は、ベルトコンベア55が図示しない板ばね等によって支持され、振動アクチュエータ56によってベルトコンベア55を振動することができる。これにより、振動装置54は、トレイ搬送装置53から搬送されてくるトレイ8をベルトコンベア55上に移送し、ベルトコンベア55の振動によってトレイ8に収納されている青果物6の位置を調整可能に構成される。つまり、トレイ8の収納部8aに青果物6がずれて収納された場合やがく片が引っ掛かったりした状態の場合、トレイ8を振動させることにより、安定した状態に青果物6が収納部8aに位置が修正されて収納されることになる。
【0046】
移送装置60は、図4に示すように、載置台5に載置される青果物6をトレイ8へ移送するものである。移送装置60は、主として移送レール61、シリンダブラケット62、上下シリンダ63、支持部64、吸着シリンダ65、及び吸着部66、を具備する。
【0047】
移送レール61は、載置台搬送装置51及びトレイ搬送装置53の搬送方向に対して左右方向にまたがるように(直交するように)、載置台搬送装置51及びトレイ搬送装置53の上方に配置される。シリンダブラケット62は、移送レール61の下面に載置台搬送装置51及びトレイ搬送装置53の搬送方向に対して直交する方向(矢印Aの方向)に摺動可能に支持される。上下シリンダ63は、シリンダブラケット62に固定される。上下シリンダ63には上下方向(矢印Bの方向)に向かって伸縮可能なアームが突設される。支持部64は、上下シリンダ63のアームの先端(下端)に固定される。支持部64には吸着シリンダ65が固定される。吸着シリンダ65にはアームが突設され、当該アームの先端(下端)には吸着部66が固定される。吸着シリンダ65のアームは、矢印Cの方向にやや下方に伸縮可能に構成される。
【0048】
吸着部66は、図示せぬ吸引ポンプ又はエジェクタと接続され、当該吸引ポンプ又はエジェクタにより空気を吸引することにより、吸着部66の先端に青果物6を吸着することができる。吸着部66は、青果物6のがく片部6b側からこれを吸着するように構成される。
【0049】
箱詰部70は、図5に示すように、包装箱9にトレイ8を箱詰めするものである。箱詰部70は、箱搬送装置71と、箱詰装置72と、を具備する。
【0050】
箱搬送装置71は、包装箱9を搬送するものでありベルトコンベアによって構成される。箱搬送装置71は、その搬送方向をトレイ搬送装置53の搬送方向と直交する方向でトレイ搬送装置53の終端近傍に配置される。箱搬送装置71は、包装箱9をトレイ搬送装置53の待機位置P1に対向する位置である待受位置P2に搬送することができる。この際、包装箱9は、トレイ8が詰められるべき位置である箱詰位置S1又は箱詰位置S2と待受位置P2とが一致するように搬送される。箱搬送装置71には、包装箱9が開口可能な側面をトレイ搬送装置53に向けて載置される。つまり、箱搬送装置71は、包装箱9の開口可能な側面がトレイ搬送装置53の待機位置P1に対向するように搬送可能に構成される。
【0051】
箱詰装置72は、トレイ8を包装箱9に移送するものである。箱詰装置72は、トレイ搬送装置53の搬送方向と平行な方向に移動可能な移送アーム72aと移送アーム72aを移動させる移送アクチュエータ72bとを備える。箱詰装置72の移送アーム72aは、待機位置P1に搬送されたトレイ8を把持したり持ち上げたりして移動させることができる。よって、箱詰装置72は、移送アクチュエータ72bによって移送アーム72aを移動させることでトレイ8を待受位置P2に移送することができる。つまり、箱詰装置72は、待機位置P1のトレイ8を待受位置P2の包装箱9の箱詰位置S1・S2まで移送可能に構成される。
【0052】
制御装置80は、選果システム1を制御するものである。制御装置80には、選果システム1の制御を行うための種々のプログラムやデータが格納される。制御装置80は、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。
【0053】
制御装置80は、図示しない品質計測部40を構成する各種装置に接続され、品質計測部40が検出する青果物6の等級や階級等に関する情報を取得することが可能である。
【0054】
制御装置80は、図5に示すように、移送部50のトレイ搬送装置53、振動装置54、移送装置60、箱搬送装置71、箱詰装置72等に接続され、品質計測部40が検出する青果物6の等級や階級等に関する情報に基づいて移送部50のトレイ搬送装置53、振動装置54、移送装置60、箱搬送装置71、箱詰装置72等を制御することが可能である。
【0055】
具体的には、制御装置80は、トレイ搬送装置53に接続され、トレイ搬送装置53を制御することが可能である。
制御装置80は、待機位置検出センサー53aに接続され、待機位置検出センサー53aが検出するトレイ8の位置を取得することができる。
【0056】
制御装置80は、ベルトコンベア55及び振動アクチュエータ56に接続され、ベルトコンベア55及び振動アクチュエータ56を制御することが可能である。
制御装置80は、振動位置検出センサー54aに接続され、振動位置検出センサー54aが検出するトレイ8の位置を取得することができる。
【0057】
制御装置80は、箱搬送装置71及び箱詰装置72に接続され、箱搬送装置71及び箱詰装置72を制御することが可能である。
制御装置80は、待受位置検出センサー71aに接続され、待受位置検出センサー71aが検出するトレイ8の位置を取得することができる。
【0058】
このように構成される選果システム1は、青果物載置部30において載置台5に載置された青果物6を搬送部10によって品質計測部40に搬送する。乱形果と判断された青果物6は、分岐装置41によって手詰部42に移送される。選果システム1は、品質計測部40によって青果物6の等級や階級等の品質を測定する。選果システム1は、測定した情報に基づいて移送部50の分岐装置52によって青果物6を選択的に載置台搬送装置51へ移送する。選果システム1は、移送装置60によって青果物6をトレイ8に移送した後に、箱詰部70によってトレイ8を包装箱9に箱詰めする。
【0059】
以下では、上述の如く構成された移送部50における青果物6のパック詰め作業について図2及び図4を用いて具体的に説明する。
【0060】
まず、青果物6が載置された載置台5及びトレイ8が移送部50の載置台搬送装置51及びトレイ搬送装置53によってそれぞれ所定の位置まで搬送される。
このとき、青果物6のがく片部6bと、トレイ8の収納部8aにおけるがく片部収納位置8bとが、同一方向を向くように、青果物6が載置された載置台5及びトレイ8がそれぞれ搬送される。
【0061】
次に、移送部50の移送装置60のシリンダブラケット62を摺動させ、上下シリンダ63のアームを下方に伸ばし、青果物6に向かって吸着シリンダ65のアームを伸ばすことで、吸着部66の先端部を、載置台5の側方からその中央側(貫通孔5b側)に向かうようにして、当該青果物6(青果物6のがく片部6b)に近接させる。
ここで、移送装置60の前記吸引ポンプ等により空気を吸引し、移送装置60の吸着部66の先端部に青果物6のがく片部6bを吸着させる。
次に、移送装置60の上下シリンダ63のアームを上方に縮め、吸着シリンダ65のアームを縮め(載置台5と反対方向に駆動させ)、シリンダブラケット62をトレイ搬送装置53側に摺動させ、吸着部66に吸着した青果物6をトレイ8上まで移動させる。
最後に、移送装置60の前記吸引ポンプ等による空気の吸引を終了し、青果物6をトレイ8の収納部8aに収納する。このとき、青果物6は、そのがく片部6bをトレイ8の収納部8aにおけるがく片部収納位置8bに位置させるようにして収納される。
上記作業を繰り返すことで、トレイ8に複数個の青果物6・6・・・を並べて詰めることができる。
【0062】
トレイ8は容易に弾性変形可能なプラスチック等の合成樹脂素材から形成されている。従って、トレイ8は、その形状を変形させた状態で青果物6を収納した後に、もとの形状にもどして搬送することができる。
【0063】
具体的には、トレイ8は、図6(a)に示すように、変形されていない状態でトレイ搬送装置53によって搬送される。そして、トレイ8は、図6(b)に示すように、トレイ搬送装置53に具備される押し上げ装置53bによって、略中央部を上方に押し上げられ、図4におけるX方向矢視で略アーチ状に湾曲された状態となる。青果物6は、初めに移送装置60によってトレイ8の外縁側の収納部8aに収納される。
【0064】
次に、青果物6は、図6(c)に示すように、移送装置60によって外縁部の収納部8aよりも内側に隣接する収納部8aに収納される。この際、トレイ8は、中央部を頂点とする略アーチ状に湾曲されているため、内側に隣接する収納部8aが外縁部の収納部8aよりも高さHだけ高くなっている。この結果、内側に隣接する収納部8aに収納される青果物6は、外縁部の収納部8aに収納されている青果物6と高さ方向にHだけ離間した位置に収納される。つまり、既に収納されている青果物6と隣接する収納部8aに青果物6を収納する際に、移送装置60の吸着部66等が接触しにくくなる。
【0065】
載置台搬送装置51は、移送装置60による青果物6のトレイ8への移送が終了すると、その搬送動作が再開される。また、トレイ搬送装置53は、青果物6が収納された収納部8aの属するすべての列に青果物6が収納されるとその搬送動作が再開される。トレイ8は、トレイ搬送装置53によって振動装置54に搬送される。
【0066】
トレイ8は、トレイ搬送装置53によってベルトコンベア55に移送され、振動位置検出センサー54aによって所定の位置に到達したことを検出されると、振動アクチュエータ56によって一定時間振動される。これにより、トレイ8のがく片部収納位置8bに正しく収納されていない青果物6の位置が修正される。その後、トレイ8は、トレイ搬送装置53によって待機位置P1まで搬送される。
【0067】
以下では、図7を用いて、移送部50の別実施形態である移送部150について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0068】
移送部150は、図7(a)に示すように、トレイ搬送装置153と、移送装置160と、を備える。
【0069】
トレイ搬送装置153は、トレイ8を搬送するものでありベルトコンベアによって構成される。トレイ搬送装置153は、その搬送方向が載置台搬送装置51の搬送方向と同一方向となるように載置台搬送装置51に平行に並べて配置される。トレイ搬送装置153は、トレイ8の搬送方向と垂直な方向に移動自在に一対のガイドレール154に支持される。そして、トレイ搬送装置153は、図示しないアクチュエータによって任意の位置に移動自在に構成される。この際、トレイ搬送装置153は、載置台搬送装置51の下方を通過可能なように載置台搬送装置51よりも低い高さに配置される。すなわち、トレイ搬送装置153は、載置台搬送装置51と接触することなくトレイ8の搬送方向と垂直な方向に移動することができる。従って、トレイ搬送装置153は、トレイ8を搬送方向(矢印D方向)、及び搬送方向に垂直な方向(矢印A方向)に移動させることができる。
【0070】
移送装置160は、主として移送レール161、シリンダブラケット62、上下シリンダ63、支持部64、吸着シリンダ65、及び吸着部66、を具備する(図4参照)。
【0071】
移送レール161は、載置台搬送装置51及びトレイ搬送装置153の搬送方向に対して左右方向にまたがるように(直交するように)、載置台搬送装置51及びトレイ搬送装置153の上方に配置される。シリンダブラケット62は、移送レール61の下面に載置台搬送装置51上の取出位置L1、及びトレイ搬送装置153上の収納位置L2の間を(矢印Aの方向に)移動自在に支持される。すなわち、移送装置60は、載置台搬送装置51によって取出位置L1に搬送される青果物6を収納位置L2に配置されるトレイ8の収納部8aに収納可能に構成される。
【0072】
上述の如く構成された移送部150における青果物6のパック詰め作業について具体的に説明する。
【0073】
まず、図7(a)に示すように、青果物6が載置された載置台5が載置台搬送装置51によって取出位置L1まで搬送される。そして、トレイ8の任意の収納部8aが収納位置L2に一致するようにトレイ搬送装置153によって搬送される。
【0074】
次に、青果物6は、移送装置160の吸着部66の先端部に取出位置L1にある青果物6のがく片部6bが吸着される。そして、青果物6は、シリンダブラケット62によってトレイ搬送装置153側に移送され、収納位置L2にあるトレイ8の収納部8aに収納される。
【0075】
次に、図7(b)に示すように、トレイ8は、トレイ搬送装置153によって青果物6が収納されていない収納部8aが収納位置L2に一致するように矢印A方向又は矢印D方向に移動される。そして、取出位置L1搬送された青果物6が収納位置L2にあるトレイ8の収納部8aに収納される。
【0076】
上記作業を繰り返すことで、トレイ8に複数個の青果物6・6・・・を並べて詰めることができる。このように構成することで、移送装置160による青果物6の移送時間が短縮され、青果物6が移送中に落下する割合を低減することができる。また、トレイ8の任意の位置から青果物6の収納を開始することができる。
【0077】
以下では、図8を用いて、箱詰部70における青果物6の箱詰め作業について説明する。
【0078】
図8(a)に示すように、まず包装箱9は、箱詰部70の箱搬送装置71によって包装箱9における第一の箱詰位置S1が待受位置P2に一致する位置まで搬送される。このとき、包装箱9の開口可能な側面は、予め開口された状態で待機位置P1にあるトレイ8に対向するように配置される。トレイ搬送装置53の待機位置P1にある第一のトレイ8は、箱詰装置72によって、移送アーム72aと共に移動可能な状態にされる。
【0079】
次に、図8(b)に示すように、第一のトレイ8は、移送アクチュエータ72bによって移送アーム72aを介して箱搬送装置71の待受位置P2に移送される。すなわち、第一のトレイ8は、包装箱9の開口可能な側面から包装箱9の第一の箱詰位置S1に移送される。その後、第一のトレイ8から移送アーム72aが離間される。
【0080】
そして、図8(c)に示すように、包装箱9は、第一のトレイ8が第一の箱詰位置S1に箱詰めされると、箱搬送装置71によって第二の箱詰位置S2が待受位置P2に一致する位置まで搬送される。合わせて、トレイ搬送装置53の待機位置P1に第二のトレイ8が搬送される。第二のトレイ8は、第一のトレイ8と同様に包装箱9の開口可能な側面から包装箱9の第二の箱詰位置S2に移送される。第一のトレイ8と第二のトレイ8が収納された包装箱9は下流側へ搬送され、人手又はロボットなどにより開口された側面のフラップを持ち上げて折り目選に沿って折り曲げて、開口側を閉じて箱詰めが終了する。
【0081】
以下では、図9を用いて、上述の如く構成される選果システム1の箱詰部70における制御装置80の動作態様について説明する。
【0082】
制御装置80は、箱搬送装置71を制御して包装箱9を待受位置P2まで搬送する。また、制御装置80は、トレイ搬送装置53を制御してトレイ8を待機位置P1まで搬送する。そして、制御装置80は、箱詰装置72を制御してトレイ8を包装箱9へ移送する。
【0083】
以下では、制御装置80の制御態様について具体的に説明する。
【0084】
図9に示すように、制御装置80は、以下のステップで包装箱9にトレイ8を移送する。
【0085】
まず、ステップS101において、制御装置80は、箱搬送装置71を制御して包装箱9を待受位置P2まで搬送する。
【0086】
ステップS102において、制御装置80は、制御装置80に接続されている待受位置検出センサー71aの検出信号から、待受位置P2と包装箱9の第一の箱詰位置S1とが一致する位置まで包装箱9が搬送されたか否か判定する。
その結果、包装箱9の第一の箱詰位置S1が待受位置P2に一致していると判定した場合、制御装置80は、ステップをステップS103に移行させる。
一方、包装箱9の第一の箱詰位置S1が待受位置P2に一致していないと判定した場合、制御装置80はステップをステップS101に戻す。
【0087】
ステップS103において、制御装置80は、トレイ搬送装置53を制御してトレイ8を待機位置P1まで搬送する。
【0088】
ステップS104において、制御装置80は、制御装置80に接続されている待機位置検出センサー53aの検出信号から、トレイ8が待機位置P1まで搬送されたか否か判定する。
その結果、トレイ8が待機位置P1まで搬送されたと判定した場合、制御装置80は、ステップをステップS105に移行させる。
一方、トレイ8が待機位置P1まで搬送されていないと判定した場合、制御装置80はステップをステップS103に戻す。
【0089】
ステップS105において、制御装置80は、箱詰装置72を制御してトレイ8を待受位置P2にある包装箱9の第一の箱詰位置S1まで移送する。
【0090】
ステップS106において、制御装置80は、トレイ8が包装箱9に所定の数だけ移送されたか否か判定する。
その結果、トレイ8が包装箱9に所定の数だけ移送されたと判定した場合、制御装置80は、ステップをステップS107に移行させる。
一方、トレイ8が包装箱9に所定の数だけ移送されていないと判定した場合、制御装置80はステップをステップS101に戻す。
【0091】
ステップS107おいて、制御装置80は、箱搬送装置71を制御して包装箱9を選果システム1から排出する。
【0092】
以上の如く、青果物6が載せられたトレイ8を待機位置P1まで搬送するトレイ搬送装置53と、包装箱9を待受位置P2まで搬送する箱搬送装置71と、待機位置P1にあるトレイ8を待受位置P2まで移送する箱詰装置72と、制御装置80と、を備え、制御装置80は、トレイ搬送装置53によってトレイ8を待機位置P1まで搬送し、箱搬送装置71によって待受位置P2とトレイ8が詰められる第一の箱詰位置S1、第二の箱詰位置S2とが一致するように包装箱9を待受位置P2まで移送した後に、箱詰装置72によってトレイ8を待受位置P2に移送するように制御するものである。
このように構成することにより、青果物6が載置されたトレイ8は、箱詰装置72によって包装箱9に移送された状態で排出される。このため、青果物6の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0093】
また、トレイ搬送装置53は、トレイ8を振動させて前記青果物6の姿勢を調整する振動装置54を備えるものである。
このように構成することにより、青果物6のトレイ8への収納状態による箱詰め不良を低減することができる。このため、青果物6の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0094】
また、箱搬送装置71は、トレイ搬送装置53の終端に前記トレイ8の搬送方向と直交する方向に前記包装箱9を搬送するように接続され、箱詰装置72は、トレイ搬送装置53の搬送方向と平行な方向にトレイ8を搬送するように配置されるものである。
このように構成することにより、トレイ8を包装箱9に移送する際に箱搬送装置71によって包装箱9の位置を合わせることができる。このため、青果物6の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0095】
また、制御装置80は、箱詰装置72によって第一のトレイ8を第一の箱詰位置S1に移送した後に、箱搬送装置71によって待受位置P2と第二の箱詰位置S2とが一致するように包装箱9を移動させて、箱詰装置72によって第二のトレイ8を第二の箱詰位置S2に移送するものである。
このように構成することにより、包装箱9に複数のトレイ8を容易に移送することができる。このため、青果物6の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【0096】
以下では、図10から図12を用いて、本発明に係る選果システム1の箱詰部70における第二実施形態であるの箱詰部170について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0097】
箱詰部170は、包装箱9にトレイ8を箱詰めするものである。箱詰部170は、図10に示すように、箱搬送装置171と、箱詰装置172と、を具備する。
【0098】
箱搬送装置171は、包装箱9を搬送するものでありベルトコンベアによって構成される。箱搬送装置171は、その搬送方向をトレイ搬送装置53の搬送方向と平行にしてトレイ搬送装置53と並置される。すなわち、箱搬送装置171は、その搬送方向がトレイ搬送装置53の搬送方向と同一になるように配置される。また、箱搬送装置171は、包装箱9をトレイ搬送装置53の待機位置P1に対向する位置である待受位置P12に搬送することができるように構成される。
【0099】
箱詰装置172は、トレイ8を包装箱9に移送するものである。箱詰装置172は、トレイ搬送装置53の搬送方向と垂直な方向に移動可能な移送アーム172aと移送アーム172aを移動させる移送アクチュエータ172bとを備える。
【0100】
以下では、図11を用いて、箱詰部170における青果物6の箱詰め作業について説明する。
【0101】
図11(a)に示すように、まず包装箱9は、箱搬送装置171によって包装箱9における第一の箱詰位置S11が待受位置P12に一致する位置まで搬送される。このとき、包装箱9の開口可能な側面は、待機位置P1にあるトレイ8に対向するように配置される。トレイ搬送装置53の待機位置P1にある第一のトレイ8は、箱詰装置172によって、移送アーム172aと共に移動可能な状態にされる。
【0102】
次に、図11(b)に示すように、第一のトレイ8は、移送アクチュエータ172bによって移送アーム172aを介して箱搬送装置171の待受位置P12に移送される。この際、第一のトレイ8は、包装箱9の開口可能な側面から包装箱9の第一の箱詰位置S12まで移送される。その後、第一のトレイ8から移送アーム172aが離間される。
【0103】
そして、図11(c)に示すように、トレイ搬送装置53の待機位置P1に第二のトレイ8が搬送される。第二のトレイ8は、第一のトレイ8と同様に箱詰装置172によって包装箱9の開口可能な側面から包装箱9の第一の箱詰位置S11に移送される。
【0104】
以下では、図12を用いて、上述の如く構成される選果システム1の箱詰部170における制御装置180の動作態様について説明する。
【0105】
制御装置180は、箱搬送装置171を制御して包装箱9を待受位置P12まで搬送する。また、制御装置180は、トレイ搬送装置53を制御してトレイ8を待機位置P11まで搬送する。そして、制御装置180は、箱詰装置172を制御してトレイ8を包装箱9へ移送する。
【0106】
以下では、制御装置180の制御態様について具体的に説明する。なお、以下の制御態様において、既に説明した制御態様と同様の点に関しては同一の番号を付し、その具体的説明を省略する。
【0107】
図12に示すように、制御装置180は、以下のステップで包装箱9にトレイ8を移送する。
【0108】
ステップS206において、制御装置180は、トレイ8が包装箱9に所定の数だけ移送されたか否か判定する。
その結果、トレイ8が包装箱9に所定の数だけ移送されたと判定した場合、制御装置180は、ステップをステップS107に移行させる。
一方、トレイ8が包装箱9に所定の数だけ移送されていないと判定した場合、制御装置180はステップをステップS103に戻す。
【0109】
以上の如く、トレイ8を包装箱9に移送する際に箱搬送装置171によって包装箱9の位置を合わせることができる。このため、青果物6の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
このように構成することにより、トレイ8を包装箱9に移送する際に箱搬送装置171によって包装箱9の位置を合わせることができる。このため、青果物6の選果作業に携わる作業者の人数を減らすことができる。
【符号の説明】
【0110】
1 選果システム
5 載置台
6 青果物
8 トレイ
9 包装箱
53 トレイ搬送装置
71 箱搬送装置
72 箱詰装置
80 制御装置
P1 待機位置
P2 待受位置
S1 第一の箱詰位置
S2 第二の箱詰位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
青果物が載せられたトレイを待機位置まで搬送するトレイ搬送装置と、
包装箱を待受位置まで搬送する箱搬送装置と、
前記待機位置にある前記トレイを前記待受位置まで移送する箱詰装置と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記トレイ搬送装置によって前記トレイを前記待機位置まで搬送し、前記箱搬送装置によって前記待受位置と前記トレイが詰められる箱詰位置とが一致するように前記包装箱を前記待受位置まで移送した後に、前記箱詰装置によって前記トレイを前記待受位置に移送するように制御する選果システム。
【請求項2】
前記トレイ搬送装置は、
前記トレイを振動させて前記青果物の姿勢を調整する振動装置を備える請求項1に記載の選果システム。
【請求項3】
前記箱搬送装置は、
前記トレイ搬送装置の終端に前記トレイの搬送方向と直交する方向に前記包装箱を搬送するように接続され、
前記箱詰装置は、
前記トレイ搬送装置の搬送方向と平行な方向に前記トレイを搬送するように配置される請求項1又は請求項2に記載の選果システム。
【請求項4】
前記箱搬送装置は、
前記トレイ搬送装置の終端に前記トレイの搬送方向と平行な方向に前記包装箱を搬送するように接続され、
前記箱詰装置は、
前記トレイ搬送装置の搬送方向と直交する方向に前記トレイを搬送するように配置される請求項1又は請求項2に記載の選果システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記箱詰装置によって第一の前記トレイを第一の前記箱詰位置に移送した後に、前記箱搬送装置によって前記待受位置と第二の前記箱詰位置とが一致するように前記包装箱を移動させて、前記箱詰装置によって第二の前記トレイを第二の前記箱詰位置に移送する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の選果システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−232768(P2012−232768A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101783(P2011−101783)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】