説明

遺伝子発現分析に使用するための複雑な生物構造物からの遺伝子分子の単離

遺伝子発現の分析に使用するために動物のDNA, RNA, mRNA, rRNA又はtRNAのような遺伝分子の抽出及び単離のための方法及び装置が提供されている。本発明の方法及び装置は、特に遺伝分子レベル及び機能の高速、自動化分析に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は合衆国法典Title 35,§119(e)(1)の下に2002年9月17日出願の米国特許仮出願No. 60/411,175の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
最近の遺伝子発現研究の最前線には種々の細胞の総合的遺伝子発現パターンに対する遺伝的履歴及び種々の生物学的刺激の影響を調べる実験及び分析がある。特に、薬理学的製品のインビボ実験は有効性と安全性を決定する細胞機能及び遺伝子発現を正確に分析することを要求する。ゲノムの反応が存在するかしないかは薬物製品の成功又は失敗そして該薬物の投与による患者のリスク暴露の指標となりうる。従って、該遺伝子発現分析においてRNAの分解並びに特定のRNAの転写レベルの変化は避けなければならない。
【0003】
RNAは極めて速やかに、実際数分で或る転写RNAのレベルを変化することができる程に速やかに転写レベルを変化する能力を有している。実験を開始しそして遺伝子発現の結果を分析する細胞生物学者及びその他の熟練研究者は、動物を安楽死させそして器官の取り出しを始めたならば、可及的速やかに動物組織を採取しそして分析しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
器官を取り出したら、典型的には動物組織を液体窒素中で瞬間凍結しそしてドライアイスで冷却して検査室に運ぶ。現在のプロトコールは、溶解溶液により液状化した後のRNAを保存するよう指示しているが、溶解及び液状化以前の分解の防止については殆ど指示していない。例えば、Ambionにより作られたRNALaterは溶液が組織中により容易に浸透するように組織を細かく刻むように研究者に求めている。
【0005】
しかし、細胞機能の特異的分析は細胞内内容物の放出という、複雑にして時間を要する操作を必要とする。例えば、RNAの分子分析の最も遅いそして最も時間を要する部分は、RNA単離及び逆転写酵素("RT")及びポリメラーゼ連鎖反応("PCR")分析に先立つ組織の液状化又は凍結した粉末化形態への実際の粉砕であろう。
【0006】
RNAをリボヌクレアーゼによる分解から防止するために細胞溶解は速やかに行うことが必須である。リボヌクレアーゼはRNA中のヌクレオチドの切断を触媒する酵素である。リボヌクレアーゼ(「RNアーゼ」としても知られている)はリボ核酸中のリン酸エステル結合の加水分解を触媒する。各RNアーゼは異なる切断部位に対する特異性を持っている。例えば、RNアーゼAはヌクレオチド複合体中のホスフォジエステル結合を加水分解する膵臓により分泌される消化酵素である。他のRNアーゼは細胞レベルで、例えば転写後の転移RNA(「tRNA」)及びリボソームRNA(「rRNA」)の修飾において活性がある。
【0007】
標的基質mRNAにおける分解の機構はよく分かっていないが、エンドヌクレアーゼ仲介mRNA分解はmRNAのターンオーバー速度を調節する重要な経路の一つである。殆どの細胞性またはウイルスのRNAは成熟した機能性の形になるために一つ又はそれ以上の高度に特異的なプロセシング反応を受ける。さらに、全てのRNAは最終的に新しいRNA合成の前駆体となるモノヌクレオチドに分解される。
【0008】
RNAプロセシング及び分解反応は遺伝子発現の調節及び細胞表現型確立において重要である。例えば、転写スイッチに連動した急速なmRNA分解は、細胞の遺伝子発現のパターンを急速に再プログラムしそして表現型を変化させることができる。RNA切断の触媒として、リボヌクレアーゼは転写と翻訳の交差点において作用する。リボヌクレアーゼはある条件下においては細胞傷害性でありそしてRNA切断によりそのコードされた情報が解読できなくなるので遺伝子発現の分析において問題を生じる。
【0009】
従って、生物検体からの核酸の単離の間の内在性及び混入したヌクレアーゼの結果としてのDNA及びRNAの分解は特別重要である。内在性mRNAレベルの定量分析が実験解析の焦点である場合には、RNAが高品質に保たれていることが重要である。各検体はRNAが非常に少なくそしてRNAは急速な分解を非常に受け易い。
【0010】
分子生物学における従来の方法は一般的に1実験1遺伝子ベースで行われており、これは処理量が非常に限られておりそして遺伝子機能の全体像をつかむのが難しいことを意味している。しかし、最近数年において検体が整列している「DNAマイクロアレイ」と呼ばれる新しい技術に生物学者及び研究者たちは大きな興味を寄せてきた。遺伝子アレイは塩基対原理に基づく既知及び未知DNAのマッチングの手段を提供しそして未知遺伝子の同定の操作を自動化する。アレイ実験はマイクロプレート又は標準的ブロッティング膜のような共通のアッセイ系を使用することができ、そして手作りすることもできるしあるいは検体を預けるロボットを使用することもできる。
【0011】
遺伝子発現の分析において、種々の異なる組織検体から遺伝子分子を同時に抽出し単離することは好ましくそしてしばしば必要である。さらに、動物の大きな構造領域又は機能系統にわたる総合的遺伝子発現も好ましい。該検体は非常に不均一であり、核酸を取り出すために異なるレベルの処理を必要とする多数の組織を含んでいる。それぞれの成分からの核酸の抽出及び単離が行われそして得られた検体は単独のままか又は集められる。しかし、RNA/DNA単離を行う既知方法は非常に時間を要する。そのような場合に、組織の液状化段階は速やかでなければならないが、その溶解操作により化学変化及び/又は分子の分解を生じるよりは破壊的ではない。
【0012】
この技術分野において機械的力による破壊、高圧の適用、超音波、化学的抽出、酵素による消化、及び熱による破壊を含む多数の異なる方法が開発されてきた。これ等の方法は破壊する組織によりその有効性は変動しそして一つの動物器官又は組織に限定されている。
【0013】
溶解方法は典型的に組織特異的であり又は個別の組織の細胞の破壊に対して設計されている。その他の方法、熱による破壊はタンパク質変性を生じることにより酵素を不活化することができる。ゲノムDNAはそれにより生じる力で極めて容易に切断されるので超音波はゲノムDNAの単離には不適当である。遺伝子発現レベルの高速処理で自動化分析を行うための多数の装置及びプロトコールが開発されつつある。しかし、生物検体からRNA/DNAを速やかにして有効な放出、抽出及び単離をするための高速処理プロトコールはまだ限られている。
【0014】
多忙な実験室において、高品質のRNAを得ることは最大収量を得るために、すなわち、検体のマイクロアレイ又は整列の要求を十分にみたすのに十分な総RNAを単離するためにしばしば犠牲にされている。さらに、異なる組織検体を同時に取り出して分析する場合には、RNAの量及び品質は妥協させられることがある。多数の遺伝分子の発現が試験される場合には、組織の速やかな溶解及び液状化が重要である。
【0015】
従って、動物における遺伝子発現パターンの十分な評価及び試験をするために、個別組織のサンプリングをせずにいくつかの動物組織からDNA,RNA,mRNA,rRNA及びtRNAのような遺伝分子の迅速にして効率の良い抽出及び単離を可能にし同時に転写レベルにおける分解のリスクを少なくする方法及び装置に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明の要約
本発明は遺伝子発現の分析に使用するためのDNA,RNA,mRNA,rRNA又はtRNAのような動物の遺伝分子の抽出及び単離の方法及び装置である。本発明の方法及び装置は特に遺伝分子のレベル及び機能の高速処理、自動化分析に有用である。本発明は、一つの組織型をサンプリングしそして一つの特別な組織を得る段階を追加する現行の必要性を回避するものである。脚全体又はその他の完全な解剖学的培養の遺伝分子の抽出及び単離により、検体の汚染及びmRNA分解又は動物が安楽死させられた後のRNA変化のリスクは有意に減少する。
【0017】
遺伝子発現の分析に使用するための遺伝分子の抽出及び単離の方法は、複雑な生物構造物を完全なそして汚染されていない遺伝分子を持つ溶液又は粉末に液状化又は粉砕する段階、その溶液又は粉末をTaqman検定又はマイクロアレイに移し、そして遺伝子発現及び/又は機能を測定することからなる。
【0018】
図の簡単な説明
本発明をよりよく理解するためにそして本発明をどのように実施することができるかを実施例によって示すために、異なった図において対応する部分に対応する番号がつけられた付属図に沿って詳細な説明がされる:
図1は粉砕装置のついた密閉容器の断面図を示す。
図2は液状化/粉砕部品のついた密閉容器の透視図を示す。
図3は本発明に関連して使用するのに適したフリーザーミルの透視図を示す。
図4は本発明に関連して使用するのに適したミキサーミルの透視図を示す。
図5は本発明に関連して使用するのに適した組織破砕機の透視図を示す。
図6は実施例3の遺伝子Aの相対的転写レベルのグラフである。
図7は実施例3の遺伝子Bの相対的転写レベルのグラフである。
図8は実施例3の遺伝子Cの相対的転写レベルのグラフである。
【0019】
詳細な説明
本発明は遺伝子発現の分析に使用するためのDNA,RNA,mRNA,rRNA又はtRNAのような動物の遺伝分子の抽出及び単離の方法及び装置である。本発明の方法及び装置は特に遺伝分子のレベル及び機能の高速処理、自動化分析に有用である。
【0020】
遺伝子発現の分析に使用するための遺伝分子の抽出及び単離の方法は、複雑な生物構造物を完全なそして汚染されていない遺伝分子を持つ溶液又は粉末に液状化又は粉砕する段階、その溶液をTaqman検定又はマイクロアレイに移し、そして遺伝子発現及び/又は機能を測定することからなる。この方法を実施するための装置は複雑な生物構造物を破砕しそして細胞を破壊する部品を装着した容器からなる。その装置は、部品が細胞を破壊して遺伝分子を溶液に放出させるための、機械的力を容器に伝える手段も含んでいる。
【0021】
液状化及び液状化するとは、材料が液体になったように見えるように固体又は固体懸濁をホモジナイズする操作のことである。材料は極微小の大きさの粒子の溶液又は懸濁でありうる。
【0022】
ここで言う遺伝分子にはゲノムDNA、エピソームDNA、メッセンジャーRNA(「mRNA」)、ヘテロ核RNA(「hnRNA」)、転移RNA(「tRNA」)及びリボソームRNA(「rRNA」)が含まれる。
【0023】
ここに使用された複雑な生物構造物は1より多い組織型を持つ動物のいずれかの部分でありうる。複雑な生物構造物には、動物の脚全体又は付属器官、器官、器官の集合、又は器官系のような肉眼的解剖構造を含むことができる。この複雑な生物構造物には、限定はしないが、毛髪、骨、血液、血管、筋肉、結合組織、軟骨、神経、骨髄、上皮、及び脂肪組織が含まれるであろう。
【0024】
本発明の方法に有用な複雑な生物構造物は動物を構成する組織の多くを含むことができる。動物、生物とも言われる、の体は7つの関連構造レベルにおいて理解することができる;化学的、細胞小器官、細胞、組織、器官、器官系及び最後に体全体又は生物、又は分離したその局所又は部分。定義による組織は同じ構造及び機能を有する細胞の集団である。器官は1以上の共通機能を発揮する2以上の組織型からなる。器官系は共通の機能又は機能のセットの故に一つの単位として分類される器官の集合である。しかし、本発明の複雑な生物構造物は多様な機能を持つ可能性がありそして種々の細胞型を含む可能性があるいくつかのタイプの組織を含むであろう。例えば、ヒト体内には200を超す細胞型が存在して種々のタイプの組織に組み立てられている。
【0025】
4つの主要な組織タイプは上皮、結合、筋肉及び神経である。主要な組織タイプのそれぞれには亜型がある。上皮組織は膜上皮及び腺上皮を含む。結合組織は固有結合組織及び特異化結合組織を含む。筋肉組織の3亜型は骨格筋、心筋及び平滑筋である。神経細胞はコムニケーションの特異化された形でありそして支持体のグリア細胞の間にニューロンのネットワークを形成している。上皮及び結合組織は4組織タイプの中では最も豊富そして多様でありそしてヒト体内における全ての器官の成分である。
【0026】
上皮組織の中で、細胞は互いにしっかりと結合して上皮と呼ばれるシートになっている。上皮組織は主として細胞からなり、そしてそれは機械的ストレスの殆どを負担するマトリックスというよりむしろ細胞である。上皮細胞のシートは腔及び体の露出表面を全て覆っておりそして細胞間の特殊な結合によりこのシートがある身体の区画から別の区画へ水、溶質、及び細胞の移動を防ぐバリアーを形成することができる。上皮のシートは殆ど常に結合組織の支持層の上に存在しており、その結合組織は自身は厳密な上皮組織又は厳密な結合組織の機構を持たない筋肉のような他の組織に接着することができる。
【0027】
多数の特異化した型の上皮が存在する。しかし、上皮はある器官系において独特の機能に特異化することはできるが、それらは全て共通のある特徴を有している。第一に、細胞は互いに並列しそして表面を覆う。第二に、それらは、「基底板」と呼ばれる、微細なフィラメントの層の上に存在する。総合してこの層は外部環境と器官の残りの部分の間の境界を形成する。従って、最も基本的なレベルにおいて、上皮はその器官の中へ又は外への物質の移動を調節するために組織されている。
【0028】
さらに、上皮が摩擦に遭遇したときに細胞の外層が剥げ落ちることができるので、層状になった上皮は摩擦などに対する器官の保護をすることもできる。単純な上皮は膜輸送タンパク質、エンドサイトーシス及び特別なバリアー結合により上皮細胞を介する輸送を調節している。
【0029】
細胞の形態はその機能の測定を容易にする。例えば、平らな、鱗のような細胞(鱗状と言われる)を一つの層(単層)又は複数の層(層状)の中に認めることができる。これ等の細胞が単層で存在する場合には、最低の保護はするが、細胞を通して物質の受動的な輸送をしばしば行うことがある。例えば、毛細血管壁は上皮細胞がガス又はその他の分子を輸送するための表面領域を提供する場所である。鱗状細胞が層状の上皮中に存在するならば、それは侵入又は摩擦に対する保護のためにしばしば設計されている。それらはデスモゾーム(接合)を有しそして剥げ落ちることができそして速やかに置換される。
【0030】
立方形をした上皮は、適切に、「立方上皮」と呼ばれる。しばしばこの上皮は特異な接合を持ちそして一方の側から他方への物質の移動を調節する輸送過程を持っている。時にはそれは分泌型である。このように、輸送を調節するという点では、細胞の高さが高いほど、活性が高い。これは最も高い上皮である円柱上皮において特に言えることである。円柱のような形を持つこの細胞はしばしばバリアーを保護するためそして細胞の中へそして細胞の外へ輸送を行うために設計された非常に異なった、特異化した表面を持っている。甲状腺のような一部の上皮細胞は高くなるに従い多く分泌する。
【0031】
最後に、膀胱及び尿管には移行上皮があるが分類されていない。上皮は鱗状及び円柱状でさえある細胞でありうる。それは確実に多層になっている。又わずか2〜3細胞層であるかのように見えるほど膨張していることもある。
【0032】
表皮中の種々のタイプの細胞は異なる機能を発揮している。上皮中の吸収細胞は多数の毛髪様の絨毛をその外表面に突き出して吸着表面を増加させている。繊毛のある細胞はその外表面に上皮シート上を物質を移動させるために協調して波打つ繊毛を持っている。分泌細胞は殆どの上皮層に認められそして細胞シートの表面に物質を分泌している。
【0033】
結合組織は固有結合組織及び特異化結合組織に分類される。特異化結合組織には軟骨、骨、及び血液が含まれる。固有結合組織はコラーゲン線維、弾性繊維、又は網状(分枝した)繊維である種々の線維からなるマトリックスを有している。固有結合組織には密繊維性結合組織及び疎繊維性結合組織がある。疎繊維性又は組織間小間隙結合組織は体の中に広く分布する細胞間マトリックスを有しそして皮膚の下及び筋肉を分離している皮相筋膜の下に(脂肪結合組織)、可能な空間の全てに、そして消化器系の固有層の上皮皮膜の下に容易に見出される。網状の組織が細胞及び器官を互いに結合しているが、相互の関係で必要があれば細胞及び器官は動くことができる。疎線維性結合組織は大量の不定形粉末状物質で構成され、その粘度は液体からゲルまで変化し、細胞は自由に動き回ることができそして血管及び神経のような他の構造物がその中を通過することができる。感染に対する防御における細胞内容物及び傷害組織の修復のためにこのタイプの結合組織は重要である。
【0034】
疎繊維性結合組織に認められる細胞は、限定はしないが、以下を含む:柔軟性があるが大きな張力がある結合組織のコラーゲン線維を合成する繊維芽細胞;死んだ細胞の破片のような顕微鏡的粒子を摂取し、消化し、又は集めるマクロファージ及び単球;ある微生物;及びそのほかの生物分解性でない物質。マスト細胞は生理的に重要な物質(例えば、ヘパリン及びヒスタミン)を合成しそして放出する。
【0035】
密繊維性結合組織は二つの形があるように思われる:密不規則的及び密規則的結合組織。不規則型は皮膚の真皮、筋肉を取り囲み境界を示す深い筋膜、器官の莢膜及び神経鞘に認められる。密規則的結合組織は主に靭帯及び腱及び眼の靭帯、腱膜及び角膜にも認められる。腱は低倍率では線条筋肉と間違えられることがあるが、構造的相違は高倍率では容易に認められる。密繊維性結合組織には細胞が少ないが、存在する場合には疎繊維性結合組織に認められるタイプと類似している。密繊維性結合組織ではコラーゲン線維が主体となっている。
【0036】
軟骨は豊富でしかも硬いマトリックスに埋め込まれた繊維性結合組織(2型コラーゲン)を含む血管のない組織である。軟骨を作る細胞は軟骨母細胞と呼ばれ、そして細胞が間隙に納まっている成熟軟骨中では軟骨細胞と呼ばれる。3タイプの軟骨が認められている:硝子、弾性、及び線維軟骨。硝子軟骨は肋骨の前側の末端及び鼻、喉頭、気管、及び可動関節の骨に接する関節表面に認められる。
【0037】
線維軟骨は主として束になったコラーゲン(1型)線維からなり、繊維束の間に散在する軟骨マトリックスに取り囲まれた軟骨細胞を伴っている。繊維軟骨は密線維性結合組織及び硝子軟骨の両者に類似の特徴を持っている。それは常に密線維性結合組織を伴っており、そして軟骨細胞が少ないために、二つ型の結合組織の間の中間移行状態であるかのように見える。軟骨細胞は多くはないが、平行して整列した散在する房となっており、組織にかかるストレスの方向を反映している。線維軟骨は明確な軟骨膜を持たないので、この点では硝子軟骨及び弾性軟骨とは異なっている。弾性軟骨は外耳(耳介)、耳管、喉頭蓋、及び喉頭の小角軟骨及び楔状軟骨に認められる。
【0038】
骨は骨格の大部分を形成する組織でありそして体の中の最も硬い構造の一つである。柔らかい部分の全てがそれにぶら下がるか又は接着している棚である。骨格は頑丈でありそして若干弾力があり、張力及び圧力に抵抗する。骨は有機塩(主としてリン酸カルシウムそして少量の炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、リン酸マグネシウム、及び塩化ナトリウム)が滲み込んだコラーゲン結合組織マトリックスを持つことにより軟骨とは異なっている。骨組織を作る骨芽細胞は間隙の中で莢膜をかぶるようになるが、顕微鏡的小管を介して血管系との接触を維持している。莢膜を作ったときに、骨細胞と呼ばれる。
【0039】
血液及びリンパは、マトリックスが液体であるために特殊な結合組織のタイプである。血液は血管の中を運ばれそして心臓の収縮力により全身を移動する。リンパはリンパ管中に認められるが最初は毛細血管から正常に滲出した細胞外液としての細胞外空間に存在する。リンパ系の管に入った細胞外液は、その細胞を作るリンパ節を通過するときに単核白血球を加えられるであろう。リンパは左右静脈角(内頚静脈と鎖骨下静脈の結合部)の近くで血流に戻る。
【0040】
胚の中胚葉に由来する間葉は最初に形成される結合組織である。多量の細胞間マトリックスを伴って細胞は散在している。原始間葉細胞は体の支持組織全てに分化する。間葉に由来する細胞には血液細胞、巨核球、内皮、中皮、細網細胞、繊維芽細胞、マスト細胞、プラズマ細胞、脾臓及び肝臓の特別な食細胞、軟骨細胞、及び骨細胞並びに平滑筋が含まれる。
【0041】
疎繊維性結合組織として胚に広く分布するムコイド組織は、均一で柔らかい大量の細胞間物質中に存在する大きな星状の繊維芽細胞からなる。臍帯の中のワルトンジェリーとして知られている。
【0042】
筋肉細胞はその収縮により機械的力を生み出す。脊椎動物には3つの主要な筋肉のタイプがある。骨格筋はその強くて速い収縮により関節を動かす。それぞれの筋肉は筋線維の束であり、そのそれぞれは巨大な多核細胞である。平滑筋は消化管、膀胱、動脈、及び静脈に存在する。それは(縞がない)細長い細胞であり、それぞれが一つの核を持つ。骨格筋と平滑筋の中間の性質である心筋は心拍を発生させる。隣接する細胞は細胞に同期して収縮を生じさせる電気伝導結合により連結している。
【0043】
神経組織は中枢及び末梢神経性を作っている特異化した組織である。神経組織は突起を持ったニューロン、神経グリアのようなそのほかの特異化細胞又は支持細胞、及び細胞外物質から成り立っている。
【0044】
神経グリアは神経組織の支持構造である。それは修飾された外胚葉成分から作られた微細な網状組織で構成され、その中に神経グリア細胞又はグリア細胞として知られる異常に分枝した細胞が埋まっている。神経グリア細胞には3つのタイプがある:ミエリン形成、ニューロンへの物質輸送、及びニューロンのイオン環境の維持に役立っていると思われるアストロサイト及びオリゴデンドロサイト(アストログリア及びオリゴデンドログリア);及び神経組織の老廃物を貪食するミクロサイト(ミクログリア)。
【0045】
本発明の複雑な生物構造物はそれぞれが異なる機能を持つ、組織の少なくとも二つの亜型を含む。複雑な生物機能の組織は多様な機能を有する。例えば、複雑な生物構造物は筋肉、骨、神経、皮膚、結合組織及び毛を持つ動物の足であることもありうる。他の場合には、複雑な生物構造物は、限定はしないが、胃及び腸壁の筋肉組織、消化酵素を造る組織、及び栄養吸収に関わる腸の微絨毛を含む動物の消化管であることもありうる。
【0046】
複雑な生物構造物を単離するために動物からその構造物を分離しそして/又は切り離すための何らかの方法が使用される。単離は麻酔動物に対する吸引又は摘出および切断を含む外科的方法により行われる。動物の死を生じる方法には切開、切断及び切除が含まれる。
【0047】
好ましい態様において、単離した時と同じ状態に構造物の細胞構成成分を維持するために、安楽死させた直後に複雑な生物構造物を液体窒素で瞬間凍結する。細胞構成成分には、細胞内に又は細胞表面上に元来存在したか又は細胞の破壊により生じた分子、高分子、又は構造が含まれる。例としては、核酸、タンパク質、代謝物、高分子複合体、及びデスモゾームがある。特別なタンパク質として酵素、構造タンパク質、受容体、及びシグナルタンパク質が含まれる。高分子複合体にはリボゾーム、細胞骨格フラグメント、染色体、プロテオゾーム、及びセントロメアが含まれる。
【0048】
瞬間凍結は、低温に暴露された後数秒間の内に複雑な生物構造物がそのままか又は細胞構成物の溶液又は懸濁として完全に凍結される方法であればよい。これは一般的に液体窒素又はアルコールに懸濁したドライアイスのような極低温を検体に適用することにより行われる。
【0049】
複雑な生物構造物は疾患の過程における役割又は正常な機能における役割に基づいて試験される。問題は、試験する構造物中のわずか数細胞のみが機序又は事象に関与してる場合に生じる。すると、残りの細胞は物理的量のみによって検出されうるシグナルを希釈することが出来る。例えば、組織中の細胞の1%がシグナルを与えるが、しかし残りの99%の大量が信号を希釈して検出しにくくしあるいは検出できなくする。
【0050】
複雑な生物構造物は次いで溶解緩衝液中で(単独又は溶解緩衝液と組み合わせて)液状化する。複雑な生物構造物を液状化するときに細胞溶解を生じる。細胞溶解は細胞の形質膜の破裂でありそして結局細胞の死を生じる。細胞の形質膜が破裂したとき、細胞の内容物は放出される。細胞内容物は次のものである:脂質及び膜タンパク質の合成及び輸送のための小胞体;ミトコンドリア;サイトゾル;ゴルジ装置;線維状細胞骨格;細胞内消化に関与する加水分解酵素を含むリソソーム又は膜結合小胞;過酸化水素を発生および分解する酸化酵素を含むパーオキシゾーム又は膜結合小胞;及び細胞核。
【0051】
細胞核は染色体上に遺伝子を保存しており、細胞分裂ができるように染色体中に遺伝子を編成し、核膜孔を介して調節因子及び遺伝子産物を輸送し、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)を生産しそして重要な遺伝子を複製するためにDNAのコイルの巻き戻しを行っている。細胞核は核膜によって細胞質と分離されている。核の内容物は核膜孔と呼ばれる核膜の開口によりサイトゾルと連絡している。核はリボソームを生産する核小体も有している。この核小体はそれぞれの染色体の核小体オーガナイザー領域から形成されている。多数の染色体がこの部位においてリボソームRNAを転写している。
【0052】
染色体DNAの全ては核の中に、ヒストンタンパク質を伴ってクロマチン線維の中に折りたたまれて保存されている。細胞分裂に先立って、クロモソーム中のDNAは複製され、各娘細胞が同じ染色体のセットを持つ。DNAは全てのタンパク質をコードする役目を担っている。DNAのアミノ酸のそれぞれは、1本のDNA鎖から作られる1又はそれ以上のトリプレットのヌクレオチドのセット、コードにより指定され、転写と呼ばれる過程によりmRNAを生産する。mRNAは核から送り出され、そしてメッセージはタンパク質に翻訳される。翻訳はポリリボソームと呼ばれるリボソームの集合した細胞質中又は小胞体の膜上で行われうる。リボソームはmRNAが定着する構造的部位を提供する。タンパク質に必要なアミノ酸は転移RNA(tRNA)によってこの部位へ輸送される。それぞれのtRNAはmRNA上の相補配列に結合するヌクレオチドトリプレットを持っている。
【0053】
溶解緩衝液は細胞溶解又は細胞破裂を促進し、そして生成した細胞内成分を安定化する種々の成分を含んでいる。例としては、界面活性剤、塩、ヌクレアーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、EDTA及びEGTAのような金属キレート剤、リゾチーム及び溶剤が含まれる。
【0054】
本発明の方法はDNA又はRNAのような遺伝分子の抽出及び単離のために特に有用である。構造物中の遺伝子発現パターンを理解するために、個別の組織検体又は器官でなくて複雑な生物構造物を使用することにより、その中の組織を一つずつ全てについて発現パターンを分析する必要が無くなる。
【0055】
本発明の一つの好ましい態様において、凍結した複雑な生物構造体を液状化又は粉末化する部品(ここではしばしば「部品」という)を装着した密封容器の中に入れる。力を適用することにより、液状化又は粉末化部品は複雑な生物構造物を破壊、分解そして粉砕する。
【0056】
図1及び2に示すように、好ましい態様の装置は生物構造物及び粉末化又は液状化部品12を入れるのに適した容器10を含んでいる。容器10は複雑な生物構造物を入れるために設計された容器のことである。好ましくは、容器10は一定の形であり、部品が容器内を動くことができる二次元の直径であろう。容器10は真直ぐか又は曲がった管又は筒の形であろう。好ましくは、容器10の内部は、異なる固さの表面の接触による容器又は部品12の過剰の磨耗を防ぐために部品12と同じ物質から作られるであろう。容器10はステンレス鋼、磁器、硝子、クローム鋼、瑪瑙、又はそのほかの適当な物質から作ることができる。好ましくは、容器10の内部はステンレス鋼で作られ、又はフリーザーミル14の場合には鋼端のついたプラスチックで作ることが出来る。
【0057】
適する容器には、小さなビーズを含むマイクロチューブ、丁度合うビーズを入れた筒又はRetchTMによって作られた大きな筒状容器のようなインパクター、SPEXTM CertiPrep 6750 Freezer/Mill 14の冷却管状容器、及びBioSpecTM BeadbeaterTMのような球状又は半球状容器が含まれる。
【0058】
容器10は液状化又は粉末化部品12(しばしば粉砕部品12といわれる)を容器10の中を十分に動かすことができるか、又はフリーザーミル14の場合には磁場を介するシリンダー内のステンレス鋼のロッドの動きに伴い組織を粉末化することができるように設計されている。この部品12は容器10の内容物に機械的力又は摩擦力を適用する何らかの物体でありうる。部品は上記の容器の形状に丁度合う球状、ピストン、シリンダーでありうる。そのほか、部品12は小さなビーズ又は砂、ハンマー、摩擦面、又は押し潰す、打ち砕く、打撃を与える、すりつぶす、圧縮する、又は物体に擦り付けることができる何らかの物体を含むことができる。
【0059】
部品12は容器10よりはかなり小さいのでその中で自由に動くことができる。そのほか部品12と容器10は、部品12が容器10の断面の形と大きさになるように設計することができ、部品12は容器10の長軸方向に常に維持され、そのために容器10の中を前後に平行移動できる。
【0060】
部品12又は容器10のいずれかに運動を与えるために機械的組み立て部品が加えられる。好ましい態様において、容器10は振動され、その中に存在する一つ又はそれ以上の自由に動く部品に運動を与える。
【0061】
組み立て部品は手動又はモーターにより運動を生じることができる機械部品であれば良い。図3及び4は該部品の二つの例を示す。組み立て部品は機械的腕、プラットフォーム、遠心分離装置、そして機械的に動くピストンとビーズのような衝撃装置の形を取ることができる。振動運動及び振動とは反復のパターンを取る運動のことである。該運動は振動、振とう、規則的に揺らす、不規則に揺らすを含むことができる。この振動は粉砕部品への運動の適用又は組み立て部品そのものへの運動の適用により生じることができる。
【0062】
機械的力は容器そのものへ適用して容器10の中の自由に動く部品12に運動を与えるか、又は部品12に適用する。複雑な生物構造物に対する部品12の高速の物理的衝撃は構造物の液状化又は粉末化、細胞の破裂、及び構造物の細胞内成分の放出を生じるであろう。
【0063】
装置は現在使用しうるものであり、その中で検体を含む密閉容器内においてビーズ、球体またはそのほかの物体の高速振動により生物検体が細胞内成分に処理される。これ等には、SPEXTM CertiPrep 6750 Freezer/Mill, the BioSpecTM BeadbeaterTM, the RetschTM Mixer Mill MM 300, 及びthe QiagenTM Mixer Mill MM 200 (図3及び4参照)。また、図5に示すように、いずれのタイプの組織粉砕機18も生物検体を処理するために使用することができる。
【0064】
図3に示すように、SPEXTM CertiPrep 6750は、ポリマー、ウール、ゴム、及び生物組織を含む幅広い種類の検体をすり潰すために設計されている。すり潰しは低温において行われ、検体の砕け易さ及びすり潰し操作の間の熱分解を防ぐ利点を提供する。すり潰しそのものは1から4個の個別粉砕容器中で磁気駆動スチール衝撃機の振動である。各すり潰し容器10又はバイアルはすり潰し部品の衝撃に耐えることができるスチール末端プラグをつけたポリカーボネート又はステンレススチール中央部を含んでいる。磁気コイルはスチール衝撃機の運動を駆動しそして容器の周囲に配置される。これが唯一のすり潰し操作であるため液状化粉砕操作の間容器とコイルを液体窒素中に沈めることにより低温を維持する。
【0065】
the BioSpecTM BeadbeaterTMは細胞破壊のために特別に設計されている。高速で回転する固体テフロン(登録商標)撹拌機は特別に設計された容器中で数千の細かい硝子ビーズを検体と衝突させる。3分以内に細胞の90%の破壊を行うことができる。
【0066】
図4に示すように、the RetschTM Mixer Mill 16はミネラル及び鉱物から生物細胞までの範囲の非常に多様な検体処理することができる多目的グラインダーとして設計されている。検体はステンレススチール、メノウ、硬質陶器、タングステンカーバイド、ジルコニア、及びTeflon(登録商標)で造られた特別設計の容器中に同じ材料で造られた特別設計の1個又はそれ以上のボールと共に入れられる。60 Hzの高い振動周期で容器を高速振動させることにより容器10内のボールを加速する。 RetschTM Mixer Mill 16の欠点は特別設計の容器の信頼性及び大きな組織を使用する場合には一度に2個の容器しか処理できないという事実である。アダプターを使用した場合には48個の小検体(2 mg〜20 mg)を処理することができる。 QiagenTM Mixer MillはRetschTM システムと非常に似た機能であるが、生物検体の処理のためだけに設計されている。QiagenTMシステムは96本の1.2 mlマイクロチューブ又は24本の1.5〜2.0 mlマイクロチューブを保持することができる特別のアダプターを使用して同時に192検体までを処理することができる利点がある。QiagenTMMixer MillはRetschTM によって作製された容器を使用して大きな検体容量を処理することができるが、RetschTMのようなシステムは該容器を一度に2個以上を付けることはできない。同じステンレスビーズを除いて、小さな検体を処理するためのQiagenTM3 mmタングステンカーバイドビーズはRetschTM 又はBioSpecTMから入手することができる。RetschTMのようなミキサーミルは容器又はチューブの速い振動によりビーズを加速するが、その振動は3〜30 Hzの振動周期で行うことができる。
【0067】
実施例1
フリーザーミルを使用するラット足からのRNAの単離
ラット足を-80℃で凍結しそして予め-80℃に冷却したステンレススチールクラッシャーに入れる。ハンマーを使用してラット足を細かく砕きそしてフリーザーミルグラインディングバイアルに2 分間移した。メーカー説明に従ってフリーザーミルを液体窒素で充たした:SPEX CertiPrepTM 6750 freezer mill.組織を0.4分間処理しそして再び2分間予備冷却した。組織を2回目の0.4分間処理をして、粉砕したラット足を50 mlのコニカルオレンジカップ試験管に移し、そしてRNAを単離するまで-80℃で保存した。
【0068】
実施例2
ミキサーミルを使用するラット足からの単離
RetschTMから入手した大きなステンレススチール製のスクリューシリンダー、 カタログ#024620169、をドライアイスの上に置いた。 RetschTMから入手した20 mmの大きさの大きなステンレススチール製のグラインディングボール、それぞれカタログ#053680062及び#053680070、もドライアイス上に置いた。
【0069】
指、爪及び皮膚の付いた2個のラット足を-80℃に保ったフリーザーから取り出し直ちにドライアイス上に置いた。20 mmボールを冷却したシリンダーの中ほどに置いた。液体窒素をラットの足とボールに注ぎ液体を発泡させた。シリンダーカバーをシリンダーにねじ込んだ。シリンダーをRetschTM200 Mixer Mill(MM 200)上に90秒間置いた。次いでシリンダーをミキサーミルから取り、直ちにドライアイス上に置いた。液体窒素を検体上に注ぎそして発泡させた。この操作をさらに5回繰り返した。2個のうち1個のラット足を粉末化した。粉末化したラット足に11 mlの1X溶解緩衝液(1部の(カルシウムとマグネシウムを含まない)PBS及び1部のABI溶解緩衝液からなる)を加えそしてこの混合物を3分間に30回(1/s)振とうした。この操作をさらに4回繰り返した。溶解液を-80℃で凍結した。
【0070】
実施例3
雌Lewisラット(140〜150 g)(Harlan Sprague Dawley)にStreptococcusの細胞壁の関節炎発現標品(20 μgラムノース/g動物体重)(Lee Lab)をip 注射した。関節炎動物への投与は18日目に開始した。18日目のみip 投与した化合物#3以外の化合物は全て18〜21日目に1日2回経口投与した。18日目と21日目の間の種々の時点において、治療群当り3匹ずつの動物を殺処理した。後足を切り取り、皮膚と指を切除した。この足を液体窒素中で瞬間凍結して-80℃で保存した。凍結した足を-80℃に冷却したステンレススチール製粉砕機で予備粉砕し、そしてフリーズミルグラインディングバイアルに移した。組織を CertiPrep 6750 freezer mill(SPEX CertiPrep,Inc.)中でメーカー説明書にしたがって2分間予備冷却及び0.4分間のグラインディングを2回行うことによりすり潰した。ラット足の粉末を-80℃で保存した。
【0071】
総RNA単離キット(Ambion, Inc.)をメーカー説明書にしたがって使用し次のプロトコールによりRNAを単離した。300〜400 mgの粉末化ラット足を6 ml Ambion変性緩衝液に加えて混合した。フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの開始時容積を加え、そして試験管を1分間激しく振とうした。次いで試験管を氷上で15分間インキュベートし、次いでBeckman JA-17固定角ローター中4℃において8,500 rpmで遠心分離した。遠心分離の後、上層(水性)を新しい試験管に移し、容積を測定した。この水層にAmbion酢酸ナトリウム溶液の1/10容量を加えそして反転することによりよく混合した。Ambion酸-フェノール:クロロホルムの開始時容積を加え、1分間激しく振とうした。試験管を氷上で15分間インキュベートし、次いでもう一度Beckman JA-17固定角ローター中4℃において8,500 rpmで遠心分離した。もう一度上(水)層を新しい試験管に移し、容積を測定した。同容積のイソプロパノールを加えてよく混合した。試験管を-20℃で終夜インキュベートし、次いでBeckman JA-17固定角ローター中4℃において8,500 rpmで遠心分離した。ペレットを乱さないように注意して上清を除き、試験管を短時間遠心分離して残りの上清を全て除いた。RNアーゼを含まない水(500〜900 μl)にペレットを懸濁して-80℃で保存した。
【0072】
このRNAを次のプロトコールを使用して塩化リチウム沈殿(Ambion, Inc.)によりさらに精製した。水に懸濁した100 μgのRNAに、1/2容量Ambion LiCl沈殿溶液を加えてvortexingによりよく混合した。これを-20℃で終夜保存し、次いでmicrofuge中4℃において30分間13,000 rpmで遠心分離した。上清を除き、そしてペレットを再度数分間遠心分離した。残った上清を除き、ペレットを100 μlの滅菌したRNアーゼを含まない水(Sigma#W-4502)に懸濁した。
【0073】
メーカー説明書(Qiagen)に従いRNeasyカラム上のDNアーゼにより混入したゲノムDNAを除去した。100 λのRNAにβ-メルカプトエタノール緩衝液を含む350 λ Qiagen RLT及び250 μlの100%エタノールを加えた。これをピペッティングによりよく混合し、採取試験管に付けたRNeasyミニスピンカラムに適用した(700 μl)。膜にRNAを結合させるためにこれを15秒間>8,000xgで遠心分離した。通過液及び採取試験管を捨て、そしてこのスピンカラムを新しい採取試験管に装着した。このスピンカラムに350 μlのQiagen RW1緩衝液を加えて>8000xgで15秒間遠心分離した。各スピンカラムに10 μlのQiagen DNアーゼ1ストックを70 μlのQiagen RDD緩衝液に混合して加えた。次いでこれを室温で15分間インキュベートした。各スピンカラムに350 μlのQiagen RW1緩衝液を加えて>8000xgで15秒間遠心分離した。通過液を捨てそしてカラムをエタノールを含む500 μlのQiagen RPE緩衝液で洗った。カラムを>8000xgで15秒間遠心分離して通過液を捨てた。次いでこれをさらに500 μlのQiagen RPE緩衝液で洗いそして今度は>8000xgで2分間遠心分離した。次いでカラムを新しい試験管に移して>8000xgで1分間遠心分離して残るエタノールを除いた。次いでこのカラムを新しいmicrofuge試験管に移して30 μlの滅菌、RNアーゼ除去水を加えて>8000xgで1分間遠心分離してカラムからRNAを溶出した。さらに30 μlの滅菌、RNアーゼ除去水を加えて>8000xgで1分間遠心分離した。得られたRNAを-80℃で保存した。
【0074】
μQuant 96-ウエル分光光度計(Bio-Tek Instruments)を使用して精製RNAを定量しそしてTaqMan分析の前にBioanalyzer 2100(Agilent Technologies)でRNAの検体を分析した。TaqMan分析のためのプライマー及びプローブはPrimer Express Software (Applied Biosystems)を使用して設計した。プローブは5'-末端にレポーター色素FAMをそして3'-末端に副溝結合を持つ非蛍光クエンチャー(Applied Biosystems)を付けて合成した。Taqman反応は20 μl中100 ng総RNA、前進及び逆のプライマーそれぞれ500 nM及び100 nMのプローブを使用して行った。384-ウエルTaqManプレートにBioMek 2000ロボット(Beckman Coulter)を使用してピペッティングし、TaqMan分析は7900HT配列検出システム(Applied Biosystems)を使用して行った。TaqManサイクル条件は48℃で30分、95℃で10分、次いで95℃で15秒間及び60℃で1分間を40サイクルであった。得られたデータを分析し、そして正常ラット足を対照群としてSDS計算ソフトウエア(自家製)を使用して相対的転写レベルを算出した。
【0075】
サイトカイン発現、炎症、骨の形成及び分解及び疾患修飾に関係する31遺伝子に対するRNAのパネルを検定するためにTaqMan分析を使用した。いくつかのクラスの遺伝子の発現が確認された。この動物モデルにおいて、遺伝子は上方調節されるか(図6)、下方調節されるか(図7)、又は変化しなかった(図8)。
【0076】
複雑な生物構造物が液状化されそしてRNAが単離されてしまえば、遺伝子発現の検査及び分析は整えられている。溶液は分析を行う前に凍結することもできるし、直ちに使用することもできる。遺伝分子は当業者によく知られている多数の方法のいずれかにより分析することができる。これ等の方法には、ハイブリダイゼーションによる方法、定量的又は定性的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写酵素PCR(RT-PCR)、又はリアルタイムPCR分析が含まれる。
【0077】
DNAの特別な部分、鋳型と呼ばれる、のPCR増幅には、鋳型の両端の少なくとも部分のヌクレオチド配列が分かっていることが必要である。鋳型から、対応する合成オリゴヌクレオチドプライマーの対(「プライマー」)が設計される。プライマーは分離した鋳型の相補鎖、その増幅する領域の両側の一つにその3'末端から領域の方向にアニールすることができる。
【0078】
PCRを使用して分析を行うために、大過剰の二つのオリゴヌクレオチドプライマー及び各デオキシリボヌクレオチド三リン酸と共に既知DNA鋳型、熱安定性DNAポリメラーゼ及び適当な反応緩衝液を使用する。増幅を行うには、混合物を熱により変性してDNA鋳型の相補鎖の解離を生じさせる。次いで混合物を低温に冷却してオリゴヌクレオチドプライマーを鋳型の分離した鎖の適当な配列にアニールさせる。
【0079】
アニーリングに続いて、反応温度を二つのプライマーの間に存在する配列に対して各プライマーが5'から3'へDNAポリメラーゼ伸長するのに効率の良い温度に調節する。これにより相補鎖の新しい対が形成される。変性、プライマーアニーリング及びポリメラーゼ伸長の段階を何回も繰り返して、増幅した標的配列を高濃度に得ることができる。一連の変性、アニーリング及び伸長は一「サイクル」を構成する。多数「サイクル」が存在しうる。増幅される部分の長さは二つのプライマーの相互の相対的位置により決まるので、この長さは調節することができるパラメーターである。目的とする増幅標的配列は混合物中の濃度に関して優越する配列になるので、この配列はPCR増幅されたと言われる。
【0080】
PCRにより、ゲノムDNA中の特別な標的配列のシングルコピーを種々の異なる方法により検出しうるレベルに増幅することが可能である。これ等の方法には臭化エチジューム染色、標識プローブとのハイブリダイゼーション、ビオチン化プライマーの取り込みに続くアビジン-酵素結合検出法、及びdCTP又はdATPのような32P-標識デオキシヌクレオチド三リン酸の増幅部分への取り込みが含まれる。ゲノムDNAに加えて、いずれのオリゴヌクレオチド配列も適当なプライマー分子のセットを使用して増幅することができる。特に、PCR操作により創られた増幅部分はその後の増幅カスケードを導く後続PCR増幅の効率の良い鋳型である。さらに、RNAのDNAへの増幅はPCR増幅に先行する逆転写段階を含めて行うことができる。
【0081】
一つの逆転写段階を使用することにより、存在する各転写物に対して一つの一本鎖DNA分子を合成することができるので、方法の定量性を維持する。一本鎖DNAについて適切に管理された定量的PCR分析を行い、その中の所与転写物の量を正確に測定することができる。これ等のレベルを別の検体の同じ転写物のレベルと比較することができる。このようにして、特別な転写物の転写を特別な調節経路と関連付け、この経路により調節される生理的応答に関係する遺伝子の指標を与えることができる。一つ又はそれ以上の遺伝子の遺伝子発現の変化により、病気の過程における、又は特別な治療薬を代謝できない患者、すなわち、毒性副作用の発生、又は特別な治療方法に対する反応におけるその役割を示すことができる。
【0082】
本発明の種々の態様を作製しそして使用することを以上詳細に記述したが、本発明は多様な個別の文脈において具体化される多くの応用可能な独創的コンセプトを提供する。ここに述べた特別な態様は単に本発明を作りそして使用する方法を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の精神から離れることなく装置及び操作を変更することができることは、当業者は認識しているであろう。該変更は以下の請求項の範囲に入るものである。
【0083】
開示した態様は種々の代替形態により具体化することができる発明の代表例に過ぎないことは理解されるべきである。図は、個別の部品の詳細を示すために拡大又は縮小されているので、必ずしも正確ではない。したがって、ここに開示した特定の構造及び機能の詳細は限定として示されたのではなく、単に請求項の基礎としてそして当業者に本発明が種々応用できることを知らせるための代表例として示したものである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】粉砕装置のついた密閉容器の断面図を示す。
【図2】液状化/粉砕部品のついた密閉容器の透視図を示す。
【図3】本発明に関連して使用するのに適したフリーザーミルの透視図を示す。
【図4】本発明に関連して使用するのに適したミキサーミルの透視図を示す。
【図5】本発明に関連して使用するのに適した組織破砕機の透視図を示す。
【図6】実施例3の遺伝子Aの相対的転写レベルのグラフである。
【図7】実施例3の遺伝子Bの相対的転写レベルのグラフである。
【図8】実施例3の遺伝子Cの相対的転写レベルのグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複雑な生物構造物を液状化する工程;
該溶液をマイクロアレイに移す工程;そして
遺伝子発現を測定する工程
からなる遺伝子発現を分析する方法。
【請求項2】
複雑な生物構造物が一つを超えるタイプの組織からなる動物の肉眼的解剖学的構造である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複雑な生物構造物を容器の中に入れる工程;
該容器中において該複雑な生物構造物を液状化しその中に溶液が形成される工程;
該容器から該溶液を取り出す工程;そして
該溶液を精製しそして抽出しそして遺伝分子を単離する工程
からなる遺伝子発現を分析する方法。
【請求項4】
該容器の中に部品を挿入しその中で該部品が該複雑な生物構造物の細胞を破砕する段階をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
遺伝子発現分析を準備する段階をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
該遺伝子発現分析が遺伝子機能分析を含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
遺伝分子が既知及び未知遺伝分子とマッチングさせるためのマイクロアレイに入れられる請求項3に記載の方法。
【請求項8】
部品;
容器;及び
その中で該部品が複雑な生物構造物を液状化しそして遺伝分子が分解されずに放出される該容器に力を適用する手段
からなる請求項1に記載の方法を実施するための方法。
【請求項9】
複雑な生物構造物を粉末化する工程;
該溶液をマイクロアレイに移す工程;そして
遺伝子発現を測定する
からなる遺伝子発現を分析する方法。
【請求項10】
複雑な生物構造物が一を超えるタイプの組織からなる動物の肉眼的解剖学的構造である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
複雑な生物構造物を容器の中に入れる工程;
該容器中において該複雑な生物構造物を粉末化しその中に溶液が形成される工程;
該容器から該溶液を取り出す工程;そして
該溶液を精製しそして抽出しそして遺伝分子を単離する工程
からなる遺伝子発現を分析する方法。
【請求項12】
該容器の中に部品を挿入しその中で該部品が該複雑な生物構造物の細胞を破砕する段階をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
遺伝子発現分析を準備する段階をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
該遺伝子発現分析が遺伝子機能分析を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
遺伝分子が既知及び未知遺伝分子とマッチングさせるためのマイクロアレイに入れられる請求項11に記載の方法。
【請求項16】
部品;
容器;及び
その中で該部品が複雑な生物構造物を粉末化しそして遺伝分子が分解されずに放出される該容器に力を適用する手段
からなる請求項1に記載の方法を実施するための装置。
【請求項17】
部品;
容器;及び
その中で該部品が複雑な生物構造物を粉末化しそして遺伝分子が分解されずに放出される該容器に力を適用する手段
からなる請求項9に記載の方法を実施するための装置。
【請求項18】
複雑な生物構造物を完全で汚染されていない遺伝分子を含有する溶液に液状化する工程;
該溶液をマイクロアレイに移す工程;そして
遺伝子発現を測定する
からなる遺伝子発現の分析に使用するための遺伝分子の抽出及び単離の方法。
【請求項19】
複雑な生物構造物が一を超えるタイプの組織からなる動物の肉眼的解剖学的構造である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複雑な生物構造物を容器の中に入れる工程;
該容器中において該複雑な生物構造物を液状化しその中に溶液が形成される工程;
該容器から該溶液を取り出す工程;そして
該溶液を精製しそして抽出しそして遺伝分子を単離する工程
からなる遺伝子発現の分析に使用するために動物組織から遺伝分子を抽出及び単離する方法。
【請求項21】
該容器の中に部品を挿入しその中で該部品が該複雑な生物構造物の細胞を破砕する段階をさらに含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
遺伝子発現分析を準備する段階をさらに含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
該遺伝子発現分析が遺伝子機能分析を含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
遺伝分子が既知及び未知遺伝分子とマッチングさせるためのマイクロアレイに入れられる請求項20に記載の方法。
【請求項25】
複雑な生物構造物を取り出す工程;
該構造物を冷凍して核酸の分解を防ぐ工程;
部品を装着した容器に該構造物を挿入し該部品が該構造物の細胞を破砕して遺伝分子を放出しそして溶液を形成する工程;
該容器に力を加える工程;
該容器から該溶液を取り出し、その溶液は純粋で汚染されていない遺伝分子を含む工程;そして
後の遺伝子発現分析のために該溶液を凍結する工程
からなる動物から遺伝分子を抽出する方法。
【請求項26】
複雑な生物構造物を取り出す工程;
該複雑な生物構造物を冷凍してRNAの分解を防ぐ工程;
該複雑な生物構造物をRNAが分解せずに残っている溶液に液状化する工程;そして
後の遺伝子発現分析のため精製の前に該溶液を凍結する工程
からなる動物からRNAを単離する方法。
【請求項27】
複雑な生物構造物の細胞を破砕しそして溶液を形成するための部品;
その容器の中を該部品が自由に運動できるように設計されている該複雑な生物構造物を保持するための容器;及び
遺伝分子を分解せずに放出するためにその中で該複雑な生物構造物が該部品により液状化される該容器に力を適用する手段
からなる動物の複雑な生物構造物を遺伝分子含有溶液に変換する装置。
【請求項28】
部品;
容器;
該部品が該複雑な生物構造物を液状化しそして遺伝分子が分解せずに放出される該容器に力を適用する手段
からなる請求項18の方法を実施するための装置。
【請求項29】
複雑な生物構造物を完全でそして汚染されていない遺伝分子を含有する溶液に粉末化する工程;
該溶液をマイクロアレイに移す工程;そして
遺伝子発現を測定する工程
からなる遺伝子発現の分析に使用する遺伝分子の抽出及び単離の方法。
【請求項30】
複雑な生物構造物が一を超えるタイプの組織からなる動物の肉眼的解剖学的構造である請求項29に記載の方法。
【請求項31】
複雑な生物構造物を容器の中に入れる工程;
該容器中において該複雑な生物構造物を粉末化しその中に溶液が形成される工程;
該容器から該溶液を取り出す工程;そして
該溶液を精製しそして抽出しそして遺伝分子を単離する工程
からなる遺伝子発現の分析に使用するために動物組織から遺伝分子を抽出及び単離する方法。
【請求項32】
該容器の中に部品を挿入しその中で該部品が該複雑な生物構造物の細胞を破砕する段階をさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
遺伝子発現分析を準備する段階をさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項34】
該遺伝子発現分析が遺伝子機能分析を含む請求項31に記載の方法。
【請求項35】
遺伝分子が既知及び未知遺伝分子とマッチングさせるためのマイクロアレイに入れられる請求項31に記載の方法。
【請求項36】
複雑な生物構造物を取り出す工程;
該構造物を冷凍して核酸の分解を防ぐ工程;
部品を装着した容器に該構造物を挿入し該部品が該構造物の細胞を破砕して遺伝分子を放出しそして溶液を形成する工程;
該容器に力を適用する工程;
純粋にして汚染されていない遺伝分子を含有している該溶液を該容器から取り出す工程;そして
後の遺伝子発現分析のために該溶液を凍結する工程
からなる動物から遺伝分子を抽出する方法。
【請求項37】
複雑な生物構造物を取り出す工程;
該複雑な生物構造物を冷凍してRNAの分解を防ぐ工程;
該複雑な生物構造物をRNAが分解せずに残っている溶液中に粉末化する工程;そして
後の遺伝子発現分析のため精製の前に該溶液を凍結する工程
からなる動物からRNAを単離する方法。
【請求項38】
複雑な生物構造物の細胞を破砕しそして溶液を形成するための部品;
その容器の中を該部品が自由に運動できるように設計されている該複雑な生物構造物を保持するための容器;及び
該複雑な生物構造物が該部品により液状化されそして遺伝分子を分解せずに放出する該容器に力を適用する手段
からなる動物の複雑な生物構造物を遺伝分子含有溶液に変換する装置。
【請求項39】
部品;
容器;
該部品が複雑な生物構造物を粉末化して遺伝分子が分解されずに放出される該容器に力を適用する手段
からなる請求項29に記載の方法を実施するための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−507482(P2006−507482A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537773(P2004−537773)
【出願日】平成15年9月12日(2003.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/028570
【国際公開番号】WO2004/027024
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(590004567)フアルマシア・コーポレーシヨン (4)
【Fターム(参考)】