説明

部品ピッチ計測装置及び部品ピッチ計測方法

【課題】トレイフィーダのトレイ上に配列された部品のピッチを自動的に計測する。
【解決手段】マークカメラ18をトレイ上の先頭の部品の中心位置の真上に移動させて先頭の部品を撮像し、その撮像画像を基準画像として記憶装置に記憶した後、マークカメラ18を部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像し、その撮像毎にその撮像画像と記憶装置14に記憶された基準画像(先頭の部品の撮像画像)との相関値を算出して、その相関値のデータを記憶装置14に時系列的に記憶していく。マークカメラ18の移動量がトレイの幅を越えた時点で、マークカメラ18の移動と撮像を終了して、記憶装置14に記憶されている相関値の時系列データを分析して相関値のピーク点をサーチし、その相関値の変動の1周期分である相関値のピーク点間のマークカメラ18の移動量を計算して、その計算値を部品ピッチとして記憶装置に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一形状の部品が配列されたものにおける部品ピッチを計測する部品ピッチ計測装置及び部品ピッチ計測方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
例えば、部品実装機に部品を供給するフィーダとして、テープフィーダ、トレイフィーダ、バルクフィーダ等が知られている。ここで、トレイフィーダは、トレイ上に部品をマトリックス状(碁盤目状)に配列し、部品実装機の吸着ノズルでトレイ上の部品を吸着して回路基板に実装する。この場合、トレイ上に配列された部品を吸着ノズルで順番に吸着するためには、最初に吸着する部品の位置座標、X方向の部品ピッチ、Y方向の部品ピッチ、X方向の部品数、Y方向の部品数等のデータを含むトレイデータが必要となる。
【0003】
従来、部品ピッチ等のデータは、部品供給元等から入手した設計データ等を参照して作業者が手作業で入力するようにしているが、トレイの寸法や部品ピッチ等は厳密に寸法管理されているわけではない。このため、作業者が入力した部品ピッチが実際の部品ピッチからずれている可能性があり、その結果、トレイ上の各列の部品の個数に応じて部品位置の誤差が累積的に増大して部品の吸着ミスが発生する可能性がある。
【0004】
この課題に対して、特許文献1(特開2001−345595号公報)のトレイデータ作成方法では、カメラをトレイ上の最初に吸着する部品(吸着開始点)の上方に移動させて、当該吸着開始点の部品を撮像して表示装置に表示し、その表示画面上で作業者が当該吸着開始点の部品の位置を手動で入力し、その後、カメラを当該部品の列の最後に吸着する部品(最終吸着点)の上方に移動させて、当該最終吸着点の部品を撮像して表示装置に表示し、その表示画面上で作業者が当該最終吸着点の部品の位置を手動で入力して、吸着開始点から最終吸着点までのカメラの移動量をその列の部品数で割り算することで部品ピッチを求めるようにしている。
【0005】
また、特許文献2(特開2008−10594号公報)のトレイデータ補正方法では、吸着ノズルで吸着した部品の吸着位置ずれ量を画像認識し、この吸着位置ずれ量によって部品ピッチやトレイの傾きに関する補正値を求めて、予め設定されたトレイデータを補正するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−345595号公報
【特許文献2】特開2008−10594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のトレイデータ作成方法では、作業者が吸着開始点と最終吸着点を手動で入力したり、部品数を手動で入力しなければならないため、手間がかかるばかりか、作業者が勘違い等により間違った部品数等を入力して間違った部品ピッチを算出してしまう可能性もある。
【0008】
また、特許文献2の技術は、予め作成した部品ピッチ等のトレイデータを吸着位置ずれ量に応じて補正する技術であるため、予め作業者が部品ピッチ等のトレイデータを作成しておく必要があり、手間がかかる。
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、部品ピッチの計測を自動化できる部品ピッチ計測装置及び部品ピッチ計測方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、同一形状の部品が配列されたものにおける部品ピッチを計測する部品ピッチ計測装置において、前記部品を撮像するカメラと、前記カメラを移動させる移動機構と、前記カメラを前記移動機構により前記部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像し、それらの撮像画像の変動の周期性を評価してその変動の周期性と前記カメラの移動量との関係に基づいて部品ピッチを計測する部品ピッチ計測手段とを備えた構成としたものである。ここで、「連続的に撮像」とは、計測対象となる部品ピッチと比べて十分に短い間隔で撮像を繰り返すことである。
【0011】
本発明のように、カメラを部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像すると、カメラの視野内に1つの部品しか収まらない場合でも、配列された複数の部品の撮像画像を含む多くの撮像画像を取得することができる。これらの撮像画像は、カメラの移動に伴って周期的に変動し、先の部品を撮像してから次の部品を撮像するまでの撮像回数(カメラの移動量)を1周期として変動し、その1周期分のカメラの移動量が部品ピッチに相当する。この関係から、撮像画像の変動の周期性を評価すれば、その1周期分のカメラの移動量から部品ピッチを計測することができる。これにより、部品ピッチの計測を自動化することが可能となる。
【0012】
この場合、撮像画像の変動の周期性を評価する手法は、例えば、周波数解析を用いても良いし、相互相関法を用いても良い。相互相関法を用いる場合は、請求項2のように、カメラの撮像毎にその撮像画像と部品の基準画像との相関値を演算し、その相関値の変動の1周期分である相関値のピーク点間のカメラの移動量に基づいて部品ピッチを計測するようにすれば良い。ここで、部品の基準画像は、部品ピッチを計測する部品と同じ部品をカメラの視野の中心(基準位置)に収めて撮像した画像である。相関値がピーク点となる撮像画像は、部品の基準画像と最も類似度が高い撮像画像であり、実際に部品をカメラの視野の中心に収めて撮像した画像であることを意味するため、相関値がピーク点となる撮像画像を撮像したカメラの位置から部品の位置が判明する。この関係から、相関値のピーク点間のカメラの移動量が部品ピッチに相当するため、相関値のピーク点間のカメラの移動量から部品ピッチを計測することができる。
【0013】
このような相互相関法を用いれば、撮像画像内の部品とその背景部分との間の輝度の差が小さい等の理由により、部品認識精度が悪い撮像条件下であっても、相関値がピーク点となる撮像画像を撮像したカメラの位置から部品の位置が判明するため、相関値のピーク点間のカメラの移動量から部品ピッチを計測することができる。尚、周波数解析を用いて撮像画像の変動の周期性を評価する場合でも、撮像画像の部品認識精度は要求されないため、部品認識精度が悪い撮像条件下であっても、撮像画像の変動の1周期分のカメラの移動量から部品ピッチを計測することができる。
【0014】
本発明に用いる部品の基準画像は、予め、部品ピッチを計測する部品と同じ部品をカメラの視野の中心に収めて撮像して得られた画像を基準画像として記憶手段に記憶しておくようにしても良い。この際、部品ピッチ計測時の撮像条件と同じ撮像条件(背景、照明条件、カメラ位置等)で基準画像を撮像することが好ましい。
【0015】
或は、請求項3のように、カメラを部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像する際に、先頭の部品の撮像画像を基準画像として用いるようにしても良い。このようにすれば、部品ピッチを計測する際に、同じ撮像条件で撮像した先頭の部品の撮像画像を基準画像とすることができ、正確な基準画像を容易に取得することができる。この際、先頭の部品を精度良く画像認識できない場合は、作業者が先頭の部品の位置を指定すれば良い。先頭の部品の位置の指定は、例えば、作業者が表示装置に表示された撮像画像を見て先頭の部品の位置を手動で入力しても良いし、部品供給元等から入手した設計データ等を参照して先頭の部品の位置の座標を手動で入力しても良い。
【0016】
以上説明した請求項1〜3に係る発明は、同一形状の部品が配列された種々の装置に適用して実施でき、例えば、トレイフィーダに適用しても良い。トレイフィーダにセットするトレイ上には、同一形状の部品がマトリックス状に配列されているため、請求項4のように、カメラをX方向に移動させてX方向の部品ピッチを計測し、カメラをY方向に移動させてY方向の部品ピッチを計測するようにすれば良い。これにより、トレイ上のX方向とY方向の部品ピッチを自動的に計測することができる。
【0017】
尚、請求項5は、前記請求項1に記載の「部品ピッチ計測装置」の発明と実質的に同じ技術思想を「部品ピッチ計測方法」として記載したものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の一実施例における部品ピッチ計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図2はトレイ上の部品の配列を示す平面図である。
【図3】図3はカメラを部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像して部品ピッチを計測する方法を説明する図(その1)である。
【図4】図4はカメラを部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像して部品ピッチを計測する方法を説明する図(その2)である。
【図5】図5は部品ピッチ計測プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を部品実装機に適用して具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいて部品実装機のシステム構成を説明する。
部品実装機は、コンピュータにより構成された制御装置11と、キーボード、マウス等の入力装置12と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置13と、部品実装機制御プログラムや後述する図5の部品ピッチ計測プログラム等を記憶する記憶装置14と、吸着ノズルを保持する装着ヘッドをX−Y−Z方向に移動させる装着ヘッド移動装置15(移動機構)と、部品を実装する回路基板を搬送する基板搬送装置16と、吸着ノズルに吸着した部品を下方から撮像するパーツカメラ17と、回路基板の基準位置マーク等を上方から撮像するマークカメラ18等を備え、マークカメラ18を装着ヘッドに取り付けることで、マークカメラ18を装着ヘッドと一体的にX−Y−Z方向に移動させる構成となっている。本実施例では、マークカメラ18を後述する部品ピッチ計測用のカメラとして使用する。
【0020】
この部品実装機には、トレイフィーダ19、テープフィーダ、バルクフィーダ等のフィーダがセットされ、該フィーダから部品が供給される。図2に示すように、トレイフィーダ19にセットされるトレイ20上には、同一形状の部品21がマトリックス状に配列されている。この場合、トレイ20上に配列された部品21を吸着ノズルで順番に吸着するためには、最初に吸着する先頭の部品21の中心位置の座標(X0 ,Y0 )、X方向の部品ピッチ、Y方向の部品ピッチ、X方向の部品数、Y方向の部品数等のデータを含むトレイデータが必要となる。
【0021】
そこで、本実施例では、制御装置11によって後述する図5の部品ピッチ計測プログラムを実行することで、トレイ20上の部品21の配列をマークカメラ18で連続的に撮像して、それらの撮像画像を用いて、相互相関法によりX,Y方向の部品ピッチと部品数を自動的に計数する。以下、部品ピッチと部品数の計数方法を説明する。
【0022】
吸着ノズルで最初に吸着する先頭の部品21の中心位置の座標(X0 ,Y0 )に関しては、マークカメラ18で先頭の部品21を撮像した画像から該先頭の部品21の外形形状を所定以上の精度で認識可能である場合は、マークカメラ18で先頭の部品21を撮像した画像を処理して該先頭の部品21の外形形状を認識して該先頭の部品21の中心位置の座標(X0 ,Y0 )を算出すれば良い。
【0023】
一方、マークカメラ18の撮像画像内の部品21とその背景部分との間の輝度の差が小さい等の理由により、先頭の部品21の外形形状を精度良く認識できない場合は、作業者が先頭の部品21の中心位置を指定すれば良い。先頭の部品21の中心位置の指定方法は、例えば、マークカメラ18で先頭の部品21を撮像してその画像を表示装置13に表示させ、作業者が表示装置13に表示された撮像画像を見て先頭の部品21の中心位置を手動で入力しても良いし、部品供給元等から入手した設計データ等を参照して先頭の部品21の中心位置の座標(X0 ,Y0 )を入力装置12で入力しても良い。
【0024】
その後、図3に示すように、マークカメラ18を先頭の部品21の中心位置の真上に移動させて先頭の部品21をマークカメラ18の視野の中心に収めて撮像し、その撮像画像を基準画像として記憶装置14に記憶した後、マークカメラ18を装着ヘッド移動装置15により部品21の配列方向(X方向又はY方向)に移動させながら連続的に撮像する。ここで、「連続的に撮像」とは、計測対象となる部品ピッチと比べて十分に短い間隔で撮像を繰り返すことである。
【0025】
このように、マークカメラ18を部品21の配列方向に移動させながら連続的に撮像すると、マークカメラ18の視野内に1つの部品21しか収まらない場合でも、配列された複数の部品21の撮像画像を含む多くの撮像画像を取得することができる。これらの撮像画像は、マークカメラ18の移動に伴って周期的に変動し、先の部品21を撮像してから次の部品21を撮像するまでの撮像回数(マークカメラ18の移動量)を1周期として変動し、その1周期分のマークカメラ18の移動量が部品ピッチに相当する。この関係から、撮像画像の変動の周期性を評価すれば、その1周期分のマークカメラ18の移動量から部品ピッチを計測することができる。
【0026】
この場合、撮像画像の変動の周期性を評価する手法は、例えば、周波数解析を用いても良いし、相互相関法を用いても良い。以下、相互相関法を用いて部品ピッチを計測する方法を説明する。
【0027】
上述したように、マークカメラ18を部品21の配列方向に移動させながら連続的に撮像し、その撮像毎にその撮像画像と記憶装置14に記憶された基準画像(先頭の部品21の撮像画像)との相関値を算出して、その相関値のデータを記憶装置14に時系列的に記憶していく。この相関値は、撮像画像と基準画像との類似度が高いほど大きな値となる。
【0028】
そして、マークカメラ18の移動量がトレイ20の幅を越えた時点で、マークカメラ18の移動と撮像を終了して、記憶装置14に記憶されている相関値の時系列データを分析して相関値のピーク点をサーチし、その相関値の変動の1周期分である相関値のピーク点間のマークカメラ18の移動量(以下「カメラ移動量」という)を計算して、その計算値を部品ピッチとして記憶装置14に記憶する。
【0029】
ここで、相関値がピーク点となる撮像画像は、部品21の基準画像と最も類似度が高い撮像画像であり、実際に部品21をマークカメラ18の視野の中心に収めて撮像した画像であることを意味するため、相関値がピーク点となる撮像画像を撮像したマークカメラ18の位置から部品21の位置が判明する。この関係から、相関値のピーク点間のカメラ移動量が部品ピッチに相当するため、相関値のピーク点間のカメラ移動量から部品ピッチを計測することができる。
【0030】
この際、全てのピーク点間のカメラ移動量をそれぞれ計算して、各部品21毎に部品ピッチを記憶しても良いし、或は、全てのピーク点間のカメラ移動量の平均値を算出して、その平均値を共通の部品ピッチとして記憶しても良い。
【0031】
また、各部品21の位置で相関値がピークとなるため、相関値のピーク点の数を計数して、そのピーク点の数を部品数として記憶装置14に記憶する。
以上説明した本実施例の部品ピッチの計測処理は、制御装置11によって図5の部品ピッチ計測プログラムに従って次のように実行される。
【0032】
図5の部品ピッチ計測プログラムは、トレイフィーダ19からトレイ20が所定の部品供給位置に引き出される毎に実行され、特許請求の範囲でいう部品ピッチ計測手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、マークカメラ18を先頭の部品21の中心位置の真上に移動させて、次のステップ102で、マークカメラ18の視野の中心位置で先頭の部品21を撮像し、次のステップ103で、先頭の部品21の撮像画像を基準画像として記憶装置14に記憶する。
【0033】
この後、ステップ104に進み、マークカメラ18を装着ヘッド移動装置15により部品21の配列方向(X方向又はY方向)に所定量移動させる。ここで、「所定量」は、連続的に撮像する間隔(カメラ移動量)を設定する値であり、計測対象となる部品ピッチと比べて十分に短い間隔に設定されている。この後、ステップ05に進み、マークカメラ18で撮像し、次のステップ106で、その撮像画像と記憶装置14に記憶された基準画像(先頭の部品21の撮像画像)との相関値を算出して、その相関値を記憶装置14に記憶する。
【0034】
この後、ステップ107に進み、先頭の部品21の位置からのカメラ移動量がトレイ20の幅を越えたか否かを判定し、カメラ移動量がトレイ20の幅を越えていないと判定されれば、上述したステップ104〜106の処理を繰り返す。これにより、マークカメラ18を部品21の配列方向に移動させながら連続的に撮像し、その撮像毎にその撮像画像と基準画像との相関値を算出して、その相関値のデータを記憶装置14に時系列的に記憶していく。
【0035】
その後、マークカメラ18の移動量がトレイ20の幅を越えた時点で、ステップ107からステップ108に進み、記憶装置14に記憶されている相関値の時系列データを分析して相関値のピーク点をサーチする。この後、ステップ109に進み、相関値のピーク点間のカメラ移動量を計算して、その計算値を部品ピッチとして記憶装置14に記憶する。この際、全てのピーク点間のカメラ移動量をそれぞれ計算して、各部品21毎に部品ピッチを記憶しても良いし、或は、全てのピーク点間のカメラ移動量の平均値を算出して、その平均値を共通の部品ピッチとして記憶しても良い。
【0036】
この後、ステップ110に進み、相関値のピーク点の数を計数して、そのピーク点の数を部品数として記憶装置14に記憶して、本プログラムを終了する。
本プログラムにより、マークカメラ18をX方向に移動させてX方向の部品ピッチを計測すると共にX方向の部品数を計数し、マークカメラ18をY方向に移動させてY方向の部品ピッチを計測すると共にY方向の部品数を計数する。
【0037】
以上説明した本実施例のように、相互相関法を用いて部品ピッチを計測すれば、撮像画像内の部品21とその背景部分との間の輝度の差が小さい等の理由により、部品認識精度が悪い撮像条件下であっても、相関値がピーク点となる撮像画像を撮像したマークカメラ18の位置から部品21の位置が判明するため、相関値のピーク点間のマークカメラ18の移動量から部品ピッチを精度良く計測することができる。
【0038】
また、図4に示すように、照明変化等による部分的な輝度変化、部品21の回転ずれ、部品21上面のごみ・汚れ等があっても、その部品21の中心位置で相関値がピークとなるため、相関値のピーク点間のマークカメラ18の移動量から部品ピッチを精度良く計測することができ、照明変化等による部分的な輝度変化、回転ずれ、ごみ・汚れ等に対するロバスト性を向上することができる。
【0039】
また、本実施例では、マークカメラ18を部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像する際に、先頭の部品21の撮像画像を基準画像として用いるようにしたので、部品ピッチを計測する際に、同じ撮像条件で撮像した先頭の部品21の撮像画像を基準画像とすることができ、正確な基準画像を容易に取得することができる。
【0040】
但し、基準画像は、先頭の部品21の撮像画像に限定されず、例えば、予め、部品ピッチを計測する部品21と同じ部品をカメラの視野の中心(基準位置)に収めて撮像して得られた画像を基準画像として記憶装置14に記憶しておくようにしても良い。この際、部品ピッチ計測時の撮像条件と同じ撮像条件(背景、照明条件、カメラ位置等)で基準画像を撮像することが好ましい。
【0041】
また、本実施例では、撮像画像の変動の周期性を評価する手法として、相互相関法を用いたが、周波数解析を用いて撮像画像の変動の周期性を評価しても良く、この場合でも、撮像画像の部品認識精度は要求されないため、部品認識精度が悪い撮像条件下や、照明変化等による部分的な輝度変化、回転ずれ、ごみ・汚れ等があっても、撮像画像の変動の1周期分のカメラ移動量から部品ピッチを計測することができる。
【0042】
また、本実施例では、トレイ20上にマトリックス状に配列された部品21のピッチを計測するようにしたが、例えば、テープフィーダの部品収納テープに収納された部品のピッチを計測したり、バルクフィーダ等の各種のフィーダから供給される部品のピッチを計測するようにしても良い。
【0043】
その他、本発明は、フィーダに限定されず、同一形状の部品が配列された装置における部品ピッチを計測するシステムに広く適用して実施できる等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
【符号の説明】
【0044】
11…制御装置(部品ピッチ計測手段)、14…記憶装置、15…装着ヘッド移動装置(移動機構)、17…パーツカメラ、18…マークカメラ、19…トレイフィーダ、20…トレイ、21…部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状の部品が配列されたものにおける部品ピッチを計測する部品ピッチ計測装置において、
前記部品を撮像するカメラと、
前記カメラを移動させる移動機構と、
前記カメラを前記移動機構により前記部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像し、それらの撮像画像の変動の周期性を評価してその変動の周期性と前記カメラの移動量との関係に基づいて部品ピッチを計測する部品ピッチ計測手段と
を備えていることを特徴とする部品ピッチ計測装置。
【請求項2】
前記部品ピッチ計測手段は、前記カメラの撮像毎にその撮像画像と前記部品の基準画像との相関値を演算し、その相関値のピーク点間の前記カメラの移動量に基づいて部品ピッチを計測することを特徴とする請求項1に記載の部品ピッチ計測装置。
【請求項3】
前記部品ピッチ計測手段は、前記カメラを部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像する際に、先頭の部品の撮像画像を前記基準画像として用いることを特徴とする請求項2に記載の部品ピッチ計測装置。
【請求項4】
前記部品は、トレイフィーダにセットされるトレイ上にマトリックス状に配列された部品であり、
前記部品ピッチ計測手段は、前記カメラをX方向に移動させてX方向の部品ピッチを計測し、前記カメラをY方向に移動させてY方向の部品ピッチを計測することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品ピッチ計測装置。
【請求項5】
同一形状の部品が配列されたものにおける部品ピッチを計測する部品ピッチ計測方法において、
カメラを前記部品の配列方向に移動させながら連続的に撮像し、それらの撮像画像の変動の周期性を評価してその変動の周期性と前記カメラの移動量との関係に基づいて部品ピッチを計測することを特徴とする部品ピッチ計測方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate