説明

部品ライブラリデータ作成装置

【課題】異形部品および自立不可能な部品でも容易にかつ迅速にワークに設置可能で、部品ライブラリデータ作成の時間を短縮した部品ライブラリデータ作成装置を提供する。
【解決手段】電子部品を設置するテーブルに所定の間隔で、所定の大きさの穴を開け、下方または上方に突起物のある電子部品の前記突起物を挿入可能とした。さらに駆動系コントローラを備え、電子部品のフォーカスを変更可能なフォーカス駆動機構を有した光学系を備え、駆動系コントローラは、電子部品の厚みに依存したストロークだけフォーカス駆動機構を制御して電子部品のフォーカス変更し、カメラは、変更されたフォーカスでの被写体像を撮像し、3次元画像を作成して電子部品の厚みを認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品ライブラリデータ作成装置に関し、特に異形部品の部品ライブラリデータ作成に関する。
【背景技術】
【0002】
部品ライブラリデータ作成装置は、例えば、特許文献1に開示されている。このような部品ライブラリデータ作成装置においては、一般的に、電子部品の実装平面若しくは投影面の特徴を表す2次元のデータとして部品ライブラリデータの作成をしている。
図9によって、従来の部品ライブラリデータ作成装置の装置本体の構成を説明する。図9は、従来の部品ライブラリデータの教示を行なって部品ライブラリデータを作成するオフラインライブラリ教示装置の略構成を示す正面図である。99は部品ライブラリデータ作成装置の装置本体、90は設置スタンド、91はテーブル、92は吸着ノズル、93は吸気方向、94はカメラ、95は光学系、98は被測定物であるワーク、S0は実装平面である。
【0003】
図9の従来の部品ライブラリデータ作成装置の装置本体99の正面図において、カメラ94とテーブル91は、設置スタンド91に固定および保持される。カメラ91の下方には、光学系95が取り付けられる。カメラ91は、光学系95の補助を得て下方のテーブル92上に固定されたワーク98を撮像し、撮像した映像を図示しない装置本体99外の部品ライブラリデータ作成装置の作成アプリケーション部(例えば、パソコン)に出力する。
テーブル91には、ワーク98を固定するための吸着機構が設けられている。吸着機構の先端には、吸着ノズル92が垂直方向に取り付けられ、テーブル91内に設けられた吸気パイプを介して吸気方向93に吸着ノズル92側から吸気する。この結果、ワーク98の底面が実装面S0で吸着され、ワーク98がテーブル91に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−294622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような従来の部品ライブラリデータ作成装置では、2次元の部品ライブラリデータを作成することは可能であるが、さらに高さ(厚み)方向を加えた3次元の部品ライブラリデータを作成することはできなかった。従って、3次元のデータが必要な異形部品の部品ライブラリデータを作成できなかった。またさらに、コネクタのように自立不可能な部品は、図9に示すように、ワークを吸着することによって固定していた。しかし、ワークを吸着する作業は、熟練性が必要で、多くの作業時間を必要とした。例えば、コネクタは、複雑な形状を有しかつ自立不可能な部品である。またさらに、1部品について、1画像を撮像するようにしていたために、多数の部品について部品ライブラリデータを作成するためには、時間が掛かるという問題が発生していた。
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、異形部品および自立不可能な部品でも容易にかつ迅速にワークに設置可能で、部品ライブラリデータ作成の時間を短縮した部品ライブラリデータ作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の部品ライブラリデータ作成装置は、自立不可部品用のテーブルに複数の穴を開けて装着面より下方の突起を逃がすようにしたことを特徴とする。
【0007】
即ち、本発明の部品ライブラリデータ作成装置は、電子部品の部品ライブラリデータを作成するための前記電子部品を設置するテーブルと、前記テーブルに設置された前記電子部品の被写体像を通過させる光学系と、前記光学系を介して前記ステージ上に設置された電子部品の被写体像を撮像するカメラと、前記カメラの合焦点位置を変更可能な光学系と、前記カメラが撮像した画像を認識処理し認識処理結果を出力する認識処理部とを備え、当該認識処理結果に基づいて部品ライブラリデータを作成する部品ライブラリデータ作成装置において、前記テーブルに所定の間隔で、所定の大きさの穴を開け、下方または上方に突起物のある電子部品の前記突起物を挿入可能としたものである。
【0008】
好ましくは、上記発明の部品ライブラリデータ作成装置において、さらに、駆動系コントローラを備え、前記光学系は、前記電子部品のフォーカスを変更可能なフォーカス駆動機構を有し、前記駆動系コントローラは、前記電子部品の厚みに依存したストロークだけ前記フォーカス駆動機構を制御して前記電子部品の前記フォーカス変更し、前記カメラは、変更されたフォーカスでの前記被写体像を撮像しSFF(Shape From Focus)方式にて3次元画像を作成し、前記認識処理部は前記3次元画像に基づいて部品ライブラリデータを作成するものである。
【0009】
また上記発明の部品ライブラリデータ作成装置において、前記穴は円形であることを特徴とする。
さらに上記発明の部品ライブラリデータ作成装置において、前記ステージを取り付ける試料台を設け、複数ステージを交換可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異形部品や自立不可能な部品の部品ライブラリデータ作成の時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の部品ライブラリ装置の一実施例の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の部品ライブラリ装置の異形部品または自立不可能部品(以下、異形部品と称する)の部品ライブラリ作成手順の一実施例を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の部品ライブラリ装置が扱う異形部品の一例を説明するための図である。
【図4】本発明の部品ライブラリ装置のテーブルと設置されるワークとの関係の一実施例を説明するための図である。
【図5】本発明の部品ライブラリ装置のテーブルと設置されるワークとの関係の一実施例を詳細に説明するための図である。
【図6】本発明の部品ライブラリ装置のテーブルに設ける穴間隔nと、当該テーブルに設置可能なワークの下方突起物の間隔との対応例を示す図である。
【図7】本発明の部品ライブラリ装置のテーブルに複数のワークを配置したときの一実施例を示す図である。
【図8】本発明の部品ライブラリデータ作成装置の一実施例の制御構成の概略を示すブロック図である。
【図9】従来の部品ライブラリデータの教示を行なって部品ライブラリデータを作成するオフラインライブラリ教示装置の略構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の一実施形態を図面等を用いて説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
また、本書では、以降の各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0013】
図1〜図8によって、本発明の部品ライブラリ装置の一実施例について説明する。図1は、本発明の部品ライブラリ装置の一実施例の構成を説明するためのブロック図である。図2は、本発明の部品ライブラリ装置における異形部品または自立不可能部品(以下、異形部品と称する)の部品ライブラリ作成手順の一実施例を説明するためのフローチャートである。図3は、本発明の部品ライブラリ装置が扱う異形部品の一例を説明するための図である。図4は、本発明の部品ライブラリ装置のテーブルと設置されるワーク(電子部品等の部品)との関係の一実施例を説明するための図である。図5は、本発明の部品ライブラリ装置のテーブルと設置されるワークとの関係の一実施例を詳細に説明するための図である。図6は、本発明の部品ライブラリ装置のテーブルに設ける穴間隔n(nは1以上の自然数)と、当該テーブルに設置可能なワークの下方突起物の間隔との対応例を示す図である。図7は、本発明の部品ライブラリ装置のテーブルに複数のワークを配置したときの一実施例を示す図である。図8は、本発明の部品ライブラリデータ作成装置の一実施例の制御構成の概略を示すブロック図である。
【0014】
100は部品ライブラリ装置、28は部品ライブラリ装置100が部品ライブラリデータを作成しようとする部品それぞれを示すワーク、1はワーク28を撮像するカメラ、2、2a〜2fは光学系、3、4および5は照明系、6はワーク28を設置するテーブル、7は試料台、8aはワーク28を上下させるステッピングモータ、8bは投影パターンをON/OFFするソレノイド、21はインターロック、9はステッピングモータ8aおよびソレノイド8bおよびインターロック21の駆動を制御する駆動系コントローラ、10は照明3〜5の明るさを制御するコントローラ、11〜20は各種ケーブル、22はAC電源用コネクタ、23はPC(パソコン)、27はワーク28の電極、25はワーク28の突起物、26はチップマウンタ等でワーク28を装着する場合の吸着面、S0はワーク28の実装平面、S1はワーク28の吸着平面、S2はワーク28の最下面、S3はワーク28の最上面、25と29はワーク28の突起物である。また、光学系2は光学系鏡筒、光学系2aは接眼レンズ、光学系2bは偏光板、光学系2cは対物レンズおよび波長板、光学系2dはハーフミラー、光学系2eは投影パターン、光学系2fは集光レンズである。また、照明系3はリング照明、照明系4は2D用同軸照明および拡散板、照明系5は3D用同軸照明である。さらに、11はカメラ−PC通信ケーブル、12はコントローラ−PC通信ケーブル、13は駆動−照明通信ケーブル、14は2D用同軸照明ケーブル、15はリング照明ケーブル、16はインターロック用ケーブル、17はソレノイド用ケーブル、18は上下移動軸用ケーブル、19は電源ケーブル、20は3D用同軸照明ケーブルである。またさらに、41〜46はテーブル6に設けた穴である。
【0015】
以下、図1〜図7を参照して、本発明の部品ライブラリ装置によって、厚み方向の部品ライブラリデータを取得する一実施例を説明する。
【0016】
まず、図3に示すワーク28は、XZ平面を断面として模式的に示した断面図である。図3に示すワーク(部品)28の一例において、電極27は、当該ワーク28が実装されるプリント基板の装着面と同一である実装平面S0と高さが等しい。また、ワーク28には、実装平面S0より下方に突起物25が存在する。さらに、ワーク上方の吸着面26には、吸着平面S1より上方に突起物29が存在する。このとき、吸着平面S1と実装平面S0との差をワーク28の装着厚みt、実装平面S0とワーク下面S2との差を下面突起物の長さUt、ワーク最上面S3とワーク最下面S1との差をワーク28の総厚みTとする。
【0017】
次に、図1の本発明の部品ライブラリ装置100において、3次元画像は、ワーク28の装着厚みに依存したストロークだけ、光学系2のステッピングモータ8bを駆動させてフォーカスを可変し、SSF方式により生成される。
PC23は、カメラ1から得られた3次元画像を、その表示部に表示し、ユーザが必要な厚みデータが取得できるようグラフィカルインタフェースで支援し、部品ライブラリデータに反映させる。
このとき、ワーク28の実装平面S0に突起物25があるような自立不可の場合は、設置されるテーブル6が安定しないと、3次元画像が正しく取得できない。そこで、図4(6)に示すように、テーブル6に適切な穴41〜46を開け、自立不可部品(ワーク28)の突起物25が挿入されるようにする。例えば、図4(a)に示す正面断面図のように、テーブル6に穴41〜43を設ける。なお、テーブル6の左右方向および下方は図示せず、省略している。
【0018】
このようにテーブル6に設けられた穴41〜46によって、ワーク28の下方の突起物25があっても、実装平面S0とテーブル上面とを水平に接触(設置)させることができ、ワーク28は、テーブル6上で安定する。
この結果、ワーク28の下方に突起物25があっても、ワーク28の実装平面S0から吸着平面S1までの装着厚みtを測定することができる。また、ワーク28の上方に突起物29があった場合でも、3次元画像を正しく取得できるため、総厚みTを測定することができる。
【0019】
次に、ワーク28を上下に反転(天地を逆に)させ、吸着面26をテーブル6に設置する。この場合突起物29がテーブル6に設けられた穴41〜46のいずれかに挿入され、ワーク28の吸着平面S1とテーブル上面とを水平に接触(設置)させることができ、ワーク28は、テーブル6上で安定する。この結果、突起物25が上方に存在することになり、実装平面S0から突起物25の突端S2までの厚みUtを測定することができる。
【0020】
図4(b)は、テーブル6の一部を上方から見た模式的な平面図である。便宜的に、図4(b)は、図4(a)より縮尺を小さくして示している。テーブル6に設けた穴41〜46は、同一の穴径Dで、X方向およびY方向に、穴間隔BHを均等に設けている。また、穴の深さは、ワーク28の予想される最大の厚みUtより大きく設ける。なお、穴の間隔BHは、X(横)方向及びY(縦)方向で異なっていても良く、穴の形状も正円、楕円、または角状と任意であり、またそれらの組み合わせでも良い。
図4(b)のテーブル6の場合には、ワーク28の突起物25は、穴41、43、44および46に挿入される。この場合、突起物25は、横方向に配置された穴に対して、1つおきに挿入されるので、当該テーブルの穴間隔数nは2となる。
以後、テーブルの横方向と縦方向どちらであっても同様のことがいえるが、説明が煩雑になるため、横(X)方向についてのみ言及する。しかし、X方向、Y横方向どちらかまたは両方で、本発明の穴を設けて突起物25を挿入せしめ、異形部品をテーブルに安定して設置することができることは自明である。
【0021】
次に、テーブル6の対応力を示す関係式を、図5を用いて説明する。
図5(a)と図5(b)は、共に、穴間隔nが1で対応可能なワークの突起物間隔である。図5(a)において、ワーク28の左右両端の突起物間の距離(突起物間隔)BPはa1であり、図5(b)において、ワーク28の左右両端の突起物間の距離(突起物間隔)BPはb1である。つまり、突起物間隔BP=a1〜b1である。
また、図5(c)と図5(d)は、共に、穴間隔nが2で対応可能なワークの突起物間隔である。図5(c)において、ワーク28の左右両端の突起物間の距離(突起物間隔)BPはa2であり、図5(d)において、ワーク28の左右両端の突起物間の距離(突起物間隔)BPはb2である。つまり、突起物間隔BP=a2〜b2である。
【0022】
ここで、nをテーブル6の穴間隔数(ただし、nは1以上)、Aをテーブル6に設けた穴の直径、Bを穴間隔、Cをワーク28の突起物25の最大部分の直径とすると、次の式(1)と式(2)を用いて、ワーク28の突起物間隔BPの上限値BPoと下限値BPuを求めることができる。
BPo=n×B−A+C・・・式(1)
BPu=n×B+A−C・・・式(2)
上記式(1)および式(2)を図6によって説明する。
【0023】
図6において、説明のため、テーブル6の穴径A=6[mm]、テーブル6の穴間隔B=7[mm]、ワーク28の突起物直径C=2.5[mm]とする。
テーブル6の穴間隔数nをパラメータにとると、n=1で対応可能なワーク28の突起物間隔BPは、3.5[mm]〜10.5[mm]である。また、n=2で対応可能なワーク28の突起物間隔BPは、10.5[mm]〜17.5[mm]である。以下、突起物間隔BPは、n=3で17.5[mm]〜24.5[mm]、・・・、n=12で80.5[mm]〜87.5[mm]となる。
このように、テーブル6の穴間隔数nが増えると、対応できるワーク28の突起物間隔BPも大きくなる。
また、対応可能なワーク28の突起物間隔BPは、オーバーラップしている。ワーク28の突起物間隔BPは、例えば、テーブル6の穴間隔数n=3の場合の突起物間隔の上限とテーブル6の穴間隔数n=2の場合の突起物間隔の下限は同じである。この条件を満足するテーブル6の穴径A、テーブル6穴間隔B、ワーク28の突起物直径Cは、次の式(3)の関係になる。
C<A−0.5×B・・・式(3)
この関係式を満足するテーブル6を複数種作製して、さまざまなワーク28に対するテーブル6の対応力を高めている。
また、図1に示すように、テーブル6は、試料台7上に取付られるように設けられる。このため、試料台7上のテーブル6を交換するだけで、様々な種類の部品を設置可能である。
【0024】
テーブル6の他の実施例を、図7に示す。
図7に示すように、1つのテーブルで複数の異形部品を設置して、部品ライブラリデータを作成することができる。この結果、1度に複数種類の突起物間隔を有する異形部品を設置可能な部品ライブラリデータ作成装置を提供することができる。
なお、上記実施例では、穴間隔数n=kの場合の突起物間隔の下限値と穴間隔数n=k+1の場合の突起物間隔の上限値を等しくしていた。しかし、例えば、穴間隔数n=kの場合の突起物間隔の下限値を穴間隔数n=k+1の場合の突起物間隔の上限値より大きくするようにテーブル6の穴間隔を設けるようにすることにより、1つのテーブルで、更に複数種類の突起物間隔を有する多くの異形部品を設置することが可能となり、異形部品をテーブルに設置する自由度がどうかする。
【0025】
次に、図2によって、本発明の部品ライブラリデータ作成装置の動作手順の一実施例を説明する。
図2において、ステップS23〜ステップS28は、ワーク28をテーブルに設置する手順である。また、ステップS30〜ステップS35画像を取り込む手順である。さらに、ステップS36は教示手順、ステップS37は認識テスト手順、ステップS38はデータ入力手順、ステップS39はワーク回収手順である。
【0026】
まず、ステップS21では、本発明の部品ライブラリデータ作成装置にユーザが自動でまたは手動で電源を投入する。そしてステップS22では、アプリケーションソフトウエア(異形部品用)を起動する。
【0027】
部品ライブラリデータ作成装置が起動後、ステップS23では、原点復帰動作等の初期化動作を実行する。
ステップS24では、ワークの設置位置にテーブルを移動する。
ステップS25では、安全扉を開ける。安全扉は、従来例の図9で説明したような装置本体の駆動部に誤ってユーザが身体またはその一部が入ることが無いようにしたカバー(図示しない)に設けられており、ワークをテーブルに設置するために設けられている。
ステップS26では、ワークを設置する。なお、本装置では、現在、異形部品についての部品ライブラリデータを作成するので、異形部品用のテーブルが設置されているものとする。
異形部品(ワーク)の設置が終わると、ステップS27では、安全扉を閉める。
ステップS28では、カメラ1の焦点を合わせるため、オートフォーカスが実行される。
【0028】
次にステップS29では、新規のデータ作成かデータの修正であるかを判定する。
2D画像のデータ修正であれば、ステップS30に進む。また、2D画像の新規取り込み、3D画像(異形部品)の新規取り込み、および3D画像(異形部品)のデータ修正の場合にはステップS31に進む。
ステップS30では、2D画像を取り込みステップS35に進む。
【0029】
ステップS31では、2D画像の新規取り込み、3D画像(異形部品)の新規取り込み、または3D画像(異形部品)のデータ修正を実行し、ステップS32に進む。
ステップS32では装着厚みtと総厚みTとを比較する。装着厚みtと総厚みTとが等しければステップS36に進み、装着厚みtと総厚みTとが等しくなければステップS33に進む。
ステップS33では、ワークを反転(天地を逆に)してテーブルに設置する。
ステップS34では、3D画像(異形部品)のデータを取り込む。
ステップS35では、ワークを退避させ、ステップS36に進む。なお、退避する場所は、例えば、安全扉が開くとワークが取り出せる位置である。
【0030】
ステップS36の教示手順では、形状データ、厚みデータ(T、t、Ut)を取得する。
ステップS37の認識テストでは、2D部品のみ認識実行する。3D部品の場合は実行しないでステップS38に進む。
ステップS38のデータ入力では、未設定データ(制御/供給データ)を入力する。
ステップS39のワーク回収では、安全扉を開け、退避していたテーブルに設置されていたワークを取り出し回収し、図2のフローを終了する。
【0031】
さらに、図8によって、本発明の部品ライブラリデータ作成装置の制御ブロックについて説明する。なお、図8では、図1で説明した各種ケーブル11〜20の代わりに、インタフェース83を用いて、部品ライブラリデータ作成装置100内の各機器間で相互に送受信するようにしている。
コントローラ10としてのCPU(Central Processing Unit)は、部品ライブラリデータ作成装置100の動作を統括制御するCPU10はRAM(Random Access Memory)81に記憶されたデータに基づき、ROM(Read Only Memory)82に格納されたプログラムに従い、部品ライブラリデータ作成装置100の種々の動作に関連してインターフェース83および駆動系コントローラ9を介してX軸モータ84X、Y軸モータ84Y、およびステッピングモータ8aを制御する。またCPU10は、インターフェース83を介して、その他の制御系88(例えば、ソレノイドや照明等)を制御している。
【0032】
認識処理装置85は、インタフェース83を介してCPU10に接続され、カメラ1により撮像されて取得された画像の認識処理を行い、CPU10に処理結果を出力する。例えば、CPU10は、カメラ1に撮像された画像をPC23に出力する。
PC23では、認識処理装置85がカメラ1から入力された画像の認識処理を行い、CPU10に処理結果を出力する。
なお、カメラ1により撮像された画像は、表示装置としてのモニタ86に表示される。そして、モニタ86には種々のタッチパネルスイッチ87が設けられ、ユーザがタッチパネルスイッチ87を操作することにより、種々の指示を行うことができる。
【0033】
上述の実施例によれば、異形部品や自立不可能な部品の部品ライブラリデータ作成の時間を短縮することができる。
また、多数の部品を1度に設置可能なテーブルを有し、部品ライブラリデータを作成するための異形部品を一度に多数設置することができる。この結果、吸着が安定するように吸着する面を探す手間を省けるため作業性に優れる。また、類似する部品が複数配置でき、一括して3次元画像を取得できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の部品ライブラリデータ作成装置は、電子部品の装着装置に使用される部品ライブラリデータとして利用される他、自立不能な部品を再作成する3次元加工装置等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1:カメラ、 2、2a〜2f:光学系、 3、4、5:照明系、 6:テーブル、 7:試料台、 8a:ステッピングモータ、 8b:ソレノイド、 9:駆動系コントローラ、 10:コントローラ、 11〜20:各種ケーブル、 21:インターロック、 22:AC電源用コネクタ、 23:PC、 25、29:突起物、 26:吸着面、 27:電極、 28:ワーク、 41〜46:穴、 81:RAM、 82:ROM、 83:インタフェース、 84X:X軸モータ、 84Y:Y軸モータ、 84Z:Z軸モータ、 85:認識処理部、 86:モニタ、 87:タッチパネルスイッチ、 88:他の駆動系、 90:設置スタンド、 91:テーブル、 92:吸着ノズル、 93:吸気方向、 94:カメラ、 95:光学系、 98:ワーク、 99:装置本体、 100:部品ライブラリ装置、 S0:実装平面、 S1:吸着平面、 S2:最下面、 S3:最上面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の部品ライブラリデータを作成するための前記電子部品を設置するテーブルと、前記テーブルに設置された前記電子部品の被写体像を通過させる光学系と、前記光学系を介して前記ステージ上に設置された電子部品の被写体像を撮像するカメラと、前記カメラの合焦点位置を変更可能な光学系と、前記カメラが撮像した画像を認識処理し認識処理結果を出力する認識処理部とを備え、当該認識処理結果に基づいて部品ライブラリデータを作成する部品ライブラリデータ作成装置において、
前記テーブルに所定の間隔で、所定の大きさの穴を開け、下方または上方に突起物のある電子部品の前記突起物を挿入可能としたことを特徴とする部品ライブラリデータ作成装置。
【請求項2】
請求項1記載の部品ライブラリデータ作成装置において、さらに、駆動系コントローラを備え、前記光学系は、前記電子部品のフォーカスを変更可能なフォーカス駆動機構を有し、前記駆動系コントローラは、前記電子部品の厚みに依存したストロークだけ前記フォーカス駆動機構を制御して前記電子部品の前記フォーカス変更し、前記カメラは、変更されたフォーカスでの前記被写体像を撮像しSSF方式にて3次元画像を作成し、前記認識処理部は前記3次元画像に基づいて部品ライブラリデータを作成することを特徴とする部品ライブラリデータ作成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の部品ライブラリデータ作成装置において、前記穴は円形であることを特徴とする部品ライブラリデータ作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の部品ライブラリデータ作成装置において、前記ステージを取り付ける試料台を設け、複数ステージを交換可能であることを特徴とする部品ライブラリデータ作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−199320(P2012−199320A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61451(P2011−61451)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】