説明

部品供給装置および組立システム

【課題】組立システム全体の設置面積の増大を抑える。
【解決手段】組立作業を行う組立ロボット1に組立用部品8を供給するための部品供給装置2は、組立用部品8が載置された複数のトレイ7が収納される収納棚と、収納棚の上面に形成され、組立ロボット1による組立用部品8の組立作業が行われる組立部20と、収納棚からトレイ7を取り出して組立部20に搬送する搬送手段40とを備える。搬送手段40は、トレイ7を支持するトレイ支持部と、トレイ支持部を水平方向に移動する水平移動機構と、トレイ支持部を鉛直方向に移動する鉛直移動機構とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立作業を行うロボットに部品を供給する部品供給装置および組立システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットが組立作業を行う組立部に部品を自動的に供給する装置として、従来、複数のトレイが収納されている収納棚から所望のトレイを取り出し、トレイ上に載置されている部品を組立部に搬送して、ロボットによる組立作業を行わせるようにした装置が知られている(例えば特許文献1、2参照)。この特許文献1,2記載の装置では、収納棚の側方にロボットおよび組立部が配置され、組立作業は収納棚とは異なる位置で行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2740610号公報
【特許文献2】特許第3447790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1,2記載の装置では、収納棚の側方に組立ロボットおよび組立部が配置されるため、収納棚とロボットとを含んだ組立システム全体の設置面積が増大するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、組立作業を行う組立ロボットに組立用部品を供給するための部品供給装置であって、組立用部品が載置された複数のトレイが収納される収納棚と、収納棚の上面に形成され、組立ロボットによる組立用部品の組立作業が行われる組立部と、収納棚からトレイを取り出して組立部に搬送する搬送手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明による組立システムは、上記の部品供給装置と、部品供給装置により供給された組立用部品を組み立てる組立ロボットとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、収納棚の上面に組立部が形成されるので、組立システム全体の設置面積の増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態に係る組立システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】図1の組立ロボットと部品供給装置の構成を示す正面図。
【図3】図1の組立ロボットと部品供給装置の構成を示す側面図。
【図4】図3の部品供給装置の要部構成を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る部品供給装置の第1の動作を説明する図。
【図6】本発明の実施の形態に係る部品供給装置の第2の動作を説明する図。
【図7】本発明の実施の形態に係る部品供給装置の第3の動作を説明する図。
【図8】図2の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1〜図8を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る組立システムの全体構成を示すブロック図である。この組立システムは、組立ロボット1と、組立ロボット1に部品を供給する部品供給装置2と、制御装置3とを備える。ロボット1は、ロボット駆動用のサーボモータ4(ロボット用モータ)と、着脱装置駆動用のエアシリンダ5とを有し、部品供給装置2は、部品供給装置駆動用のサーボモータ6(装置用モータ)とを有する。ロボット用モータ4とエアシリンダ5の駆動はロボット制御装置3aにより制御され、装置用モータ6の駆動は部品供給制御装置3bにより制御される。なお、ロボット用モータ4は複数設けられ(4a〜4f)、装置用モータ6も複数設けられている(6a〜6c)。
【0009】
図2、図3は、それぞれ組立ロボット1と部品供給装置2の構成を示す正面図および側面図である。なお、以下では、便宜上図示のように上下方向、左右方向および前後方向を定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。
【0010】
まず、部品供給装置2の構成について説明する。部品供給装置2は、複数のトレイ7が収納される収納棚10と、収納棚10の上面に形成され、組立ロボット1による組立作業が行われる組立部20と、収納棚10からトレイ7を取り出して組立部20に搬送する搬送機構40とを有する。
【0011】
収納棚10は、底板11と、底板11上に立設された左右一対の側板12と、左右の側板12の上面に架設された天板13とを有する枠体であり、収納棚10の前面および後面は開口されている。収納棚10の内部には底板11から天板13にかけて仕切壁14が立設され、収納棚10の内部は複数の領域に区画されている。各仕切壁14の左右両側面および各側板12の内側面には、互いに同一高さに、かつ、高さ方向所定間隔毎に内側に突出して段部15が形成されている。段部15にはトレイ7の左右両端部が載置され、収納棚10に複数のトレイ7を収納可能となっている。
【0012】
各トレイ7には、所定のユニットを組み立てるのに必要な部品8が搭載されている。1つのトレイ7には1つのユニットに対応した複数の部品8が、トレイ7上の部品支持部を介して予め定められた位置に搭載されている。複数種類のユニットを組み立てる場合には、トレイ7毎に異なる種類の部品8が搭載され、どの場所にどのユニットに対応したトレイ7が配置されているかは、部品供給制御装置3bにより予め把握されている。なお、各トレイ7に、センサにより識別可能な識別子(ICタグ等)を取り付けることで、トレイ7に搭載された部品8の種類を判別してもよい。画像処理等によりトレイ7上の部品8を識別してもよい。
【0013】
組立部20は、天板13の上面に形成されている。組立部20には、収納棚10から搬送されたトレイ7を支持する台部21と、組立作業を行うための作業台22が設けられている。組立ロボット1により収納棚10の上面のトレイ7から作業台22へ部品8が移され、作業台22で部品8が支持されて組立作業が行われる。なお、収納棚10の上面のトレイ7上で組立作業を行うようにしてもよく、その場合にはトレイ7が作業台22として用いられる。
【0014】
収納棚10の天板13の上面において、組立部20の左右側方にはハンド置き台23とツール置き台24がそれぞれ設置されている。ハンド置き台23には、組立作業に用いられるハンド25が組立ロボット1に受け渡し可能な態様で支持され、ツール置き台24には、組立作業に用いられるツール26が組立ロボット1に受け渡し可能な態様で支持されており、これらハンド25とツール26は組立ロボット1に選択的に取付可能となっている。
【0015】
収納棚10の後方には、基台16が設置され、基台16上にはロボット支持台30が立設されている。図4は、収納棚10とロボット支持台30の内部構成を示す図である。ロボット支持台30は、底板31と、底板31上に立設された左右一対の側板32と、左右の側板32の上面に架設された天板33とを有する枠体であり、収納棚10の後面、つまりトレイ7の取出面に面して配置されている。ロボット支持台30の左右方向の幅は、トレイ7の幅よりも広く、収納棚10の幅よりも狭い。ロボット支持台30の高さは収納棚10の高さよりも高い。
【0016】
搬送機構40は、ロボット支持台30の内側に昇降可能に支持された可動体41と、可動体41に前後方向に移動可能に支持されたトレイ支持部42と、トレイ支持部42を可動体41に対して前後方向に移動させる水平移動機構50と、トレイ支持部42と一体に可動体41を昇降させる鉛直移動機構60と、ロボット支持台40を基台16上のレール71に沿って左右方向に移動させる走行移動機構70とを有する。可動体41は、例えば鉛直方向に延びる左右一対の縦板と、水平方向に延びて縦板同士を接続する横板とを有する。
【0017】
トレイ支持部42は、前後方向に延びる左右一対のアーム42aを有し、各アーム42aは左右方向に延びる連結板(不図示)を介して一体化されている。左右のアーム42aの左右外側端面間の距離、すなわちトレイ支持部42の幅は、収納棚10の内側において互いに対向している一対の段部15の左右内側端面間の距離よりも短い。このため、トレイ支持部42は収納棚10の段部15の内側に挿入可能であり、段部15の内側に挿入されたトレイ支持部42を上方に持ち上げることで、トレイ支持部42の上面がトレイ7の底面に当接し、トレイ7を段部15から離間して支持することができる。
【0018】
詳細な図示は省略するが、水平移動機構50は、トレイ支持部42を前後方向にスライド可能に支持するリニアガイド51と、前後方向に延設されたボールねじ52(水平ボールねじ)と、水平ボールねじ52を回転駆動する装置用第1モータ(図1の6a)とを有する。これらリニアガイド51、水平ボールねじ52および装置用第1モータ6aは、可動体41に設けられている。例えば、可動体41の左右の縦板に、トレイ支持部42の左右のアーム42aに対応してそれぞれリニアガイド51が取り付けられ、可動体41の横板に、水平ボールねじ52が回転可能に支持されるとともに、装置用第1モータ6aが取り付けられている。水平ボールねじ52は、トレイ支持部42の後端部に設けられたナット43を貫通し、トレイ支持部42は水平ボールねじ52の回転量に応じて前後方向に進退する。
【0019】
詳細な図示は省略するが、鉛直移動機構60は、可動体41を上下方向にスライド可能に支持するリニアガイド61と、上下方向に延設されたボールねじ62(鉛直ボールねじ)と、鉛直ボールねじ62を回転駆動する装置用第2モータ(図1の6b)とを有する。これらリニアガイド61、鉛直ボールねじ62および装置用第2モータ6bは、ロボット支持台30に設けられている。例えば、ロボット支持台30の左右の側板32に、それぞれリニアガイド61が取り付けられ、ロボット支持台30の底板31上に、鉛直ボールねじ62が回転可能に支持されるとともに、装置用第2モータ6bが取り付けられている。鉛直ボールねじ62は、可動体41の横板に設けられたナット(不図示)を貫通し、可動体41は鉛直ボールねじ62の回転量に応じてトレイ支持部42とともに昇降する。
【0020】
詳細な図示は省略するが、走行移動機構70は、基台16上に左右方向に延設されたレール71と、レール71と略平行に延設されたラック72と、ラック72に噛合するピニオン73と、ピニオン72を回転駆動する装置用第3モータ(図1の6c)とを有する。ラック72は基台16側に設けられ、ピニオン73および装置用第3モータ6cはロボット支持台30側に設けられている。ロボット支持台30はピニオン73の回転量に応じてレール71に沿って左右方向に走行する。
【0021】
次に、組立ロボット1の構成について説明する。組立ロボット1は、いわゆるパラレルメカニズム式のロボットであり、図4に示すように、ロボット支持台30の上面に固設された基部100と、基部100に対して移動可能な可動部110と、可動部110を基部100に対して移動可能に支持するリンク部120と、可動部110の下側に回転可能に設けられる手首部130と、手首部130からハンド25とツール26を着脱可能に支持する着脱装置140とを備える。
【0022】
基部100は、ロボット支持台30の上面から上方に立設されたスタンド101と、スタンド101の上端部から前方に延設された板状構造体102とを有し、組立部20の上方に板状構造体102が配置されている。板状構造体102の上方空間はカバー103により覆われ、カバー103の内側に、図1の複数のロボット用モータ4a〜4fが格納されている。
【0023】
リンク部120は、周方向120°間隔で互いに並列に配置される3組のリンク構造を有し、各リンク構造は、それぞれロボット用第1モータ4a、ロボット用第2モータ4bおよびロボット用第3モータ4cにより個別に駆動される。各組のリンク構造は、対応するモータ4a〜4cにより鉛直面内を回動可能に駆動される駆動リンク121と、駆動リンク121の下端部に回動可能に連結された一対の平行従動リンク122とを有する。平行従動リンク122はその末端で可動部110に回動可能に連結され、リンク部120の動作により、可動部110は基部100に対して3軸並進運動する。なお、可動部110の動作範囲はリンク121,122の長さ等に応じて定まり、組立作業を行うのに支障がないようにリンク121,122の長さが設定されている。
【0024】
手首部130は、互いに直交する3つの軸線に対して回転可能な第1手首部131と、第2手首部132と、第3手首部133とを有する。第1手首部131は、可動部110に回転可能に取り付けられ、第2手首部132は第1手首部131に回転可能に取り付けられ、第3手首部133は第2手首部132に回転可能に取り付けられている。第3手首部133の端面には、ハンド25およびツール26の取り付けのための取付面141が形成されている。手首部130は手首部可動機構により回転駆動される。
【0025】
手首部駆動機構は、リンク部120をなす3組のリンク構造の内側において、板状構造体102から可動部110にかけて延設された、互いに独立回転が可能な3本のロッド134と、各ロッド134をそれぞれ個別に回転駆動するロボット用第4モータ4d、ロボット用第5モータ4eおよびロボット用第6モータ4fと、各ロッド134の回転をそれぞれ第1手首部131〜第3手首部133に個別に伝達する伝達機構とを備える。第1手首部〜第3手首部131〜133は、それぞれ対応するロッド134の回転量に応じて回転し、第3手首部133の端面の取付面141を3次元的に任意の角度に傾斜させることができる。
【0026】
着脱機構140は、ハンド25およびツール26の基端部に係合する係合爪と、係合爪を開閉するエアシリンダ5とを有する。エアシリンダ5により係合爪を開閉することで、ハンド25およびツール26を取付面41に着脱することができ、ハンド25およびツール26の自動交換が可能となる。
【0027】
本発明の実施の形態に係る組立システムの主要な動作を説明する。なお、以下の動作は制御装置3からの信号により自動的に行われる。収納棚10から所定のトレイ7を取り出して組立部20に搬送する場合には、まず、装置用第3モータ6cの駆動によりロボット支持台30を左右方向に移動し、そのトレイ7の後方にロボット支持台を位置させる。次いで、装置用第2モータ6bの駆動により可動体41を鉛直方向に移動し、トレイ支持部42をそのトレイ7の高さに合わせて昇降する。
【0028】
さらに、図4に示すように装置用第1モータ6aの駆動によりトレイ支持部42を前進させ、トレイ7を支持する段部15の内側にトレイ支持部42を挿入する。その後、装置用第2モータ6bの駆動により可動体41を所定量上昇させ、トレイ7を段部15から離間してトレイ支持部41により支持する。
【0029】
次いで、図5に示すように、装置用第1モータ6aの駆動によりトレイ支持部42を可動体41内に後退させ、さらに図6に示すように装置用第2モータ6bの駆動により、トレイ支持部42を収納棚10の上面よりも高位置に移動する。その後、図7に示すように、装置用第1モータ6aの駆動によりトレイ支持部41を収納棚10の上面の組立部20まで前進させた後、装置用第2モータ6bの駆動によりトレイ支持部41を下降し、組立部20の台部21にトレイ7を載置する。
【0030】
この状態で、ロボット用モータ4の駆動により組立ロボット1を駆動し、手首部130先端の取付面141に取り付けられたハンド25で部品8を把持し、あるいはツール26を駆動して、組立作業を行う。この際、取付面141に取り付けられたハンド25およびツール26は、着脱装置140によって部品8の種別に応じたものに自動的に交換される。組立作業により組み立てられたユニットは、トレイ7上に載置され、搬送機構40により上述したのと逆の手順で元の収納棚10の位置に搬送される。なお、ユニットの払い出し部を別に設け、この払い出し部に組立後のユニットを搬送してもよい。
【0031】
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)複数のトレイ7が収納される収納棚10の上面に、組立ロボット1による組立作業を行うための組立部20を設け、搬送機構40により収納棚10から所望のトレイ7を取り出して組立部20に搬送するようにした。すなわち組立部20を収納棚10に対して立体的に設けるようにしたので、組立システムの設置に必要な平面的スペースを節約することができ、省スペースの組立システムを実現できる。
(2)搬送機構40として、トレイ7を支持するトレイ支持部42と、トレイ支持部42を前後方向に移動させる水平移動機構50と、トレイ支持部42を鉛直方向に移動させる鉛直移動機構60とを設けるようにしたので、収納棚10内に収納されたトレイ7を組立部20へ容易に搬送できる。
【0032】
(3)収納棚10後面のトレイ7の取出面に面してロボット支持台30を配置し、鉛直移動機構60を介してロボット支持台30に可動体41を上下動可能に支持するとともに、水平移動機構50を介して可動体41にトレイ支持部42を前後移動可能に支持し、ロボット支持台30に沿ってトレイ7を水平方向および鉛直方向に移動するようにした。これにより、ロボット支持台30によって形成された空間を有効利用することができ、スペース効率を高めることができる。
(4)ロボット支持台30を収納棚10よりも高くして、ロボット支持台30の上面が収納棚10の上面よりも高所に位置するようにしたので、ロボット支持台30に沿った可動体41の移動によりトレイ7を組立部20へ搬送できる。
【0033】
(5)組立ロボット1の手首部130の取付面141にハンド25およびツール26を着脱可能に取り付ける着脱装置140を設けるようにしたので、ハンド25およびツール26を自動交換することができ、多種類の部品8の組立を自動で行うことが可能である。
(6)収納棚10の上面に、組立部20に隣接してハンド置き台23およびツール置き台24を配置するようにしたので、ハンド25およびツール26を自動交換する際のハンド25およびツール26の設置スペースも節約できる。
(7)走行駆動機構70によりロボット支持台30をレール71に沿って左右方向に移動可能としたので、左右方向に幅広の収納棚10であっても収納棚10の各部のトレイ7をそれぞれ組立台20に搬送することができ、多数のユニットを組み立てることができる。
【0034】
なお、収納棚10は図8に示すように必要に応じて左右方向に延設することもでき、これにより多数の部品8の組立が可能である。とくに、収納棚10を増設することで、夜間や休日等に組立システムをフルに無人稼動することができ、ユニットの生産効率を高めることができる。
【0035】
上記実施の形態では、収納棚10を固定してロボット支持台30を移動するようにしたが、その代わりにロボット支持台30を固定して収納棚10を移動するようにしてもよい。収納棚10の構成は上述したものに限らず、例えば収納棚10内に単一列のトレイ収容部を設けるようにしてもよい。この場合には、ロボット支持部30を移動する必要がないため、走行駆動機構70を省略してもよい。レール71に沿った走行移動とは異なる態様でロボット支持台30を移動するようにしてもよく、支持台移動機構の構成は上述したものに限らない。
【0036】
搬送手段としての搬送機構40の構成、すなわちトレイ支持部42、水平移動機構50、鉛直移動機構60、走行移動機構70等の構成はいかなるものでもよい。サーボモータ以外のアクチュエータ(例えばシリンダ等)を用いるようにしてもよい。水平移動機構50や鉛直移動機構60をロボット支持部30以外に設けるようにしてもよい。トレイ7を水平方向や鉛直方向以外の方向(例えば斜め方向)に移動させて、収納棚10から組立部20に搬送するようにしてもよい。水平方向と鉛直方向の直線移動を組み合わせてトレイ7を搬送するのではなく、例えば曲線移動を用いてトレイ7を搬送してもよい。
【0037】
上記実施の形態では、エアシリンダ5を用いて組立ロボット1にハンド25およびツール26を着脱するようにしたが、他の着脱用アクチュエータを用いてもよく着脱手段としての着脱装置140の構成は上述したものに限らない。単一の作業を繰り返し行うようなものにあっては、ハンド25およびツール26の着脱が不要であるため、この場合には着脱装置140、ハンド置き台23、ツール置き台24等を省略してもよい。
【0038】
上記実施の形態では、リンク構造により基部100と可動部110とを連結してなるパラレル式ロボットを用いるようにしたが、関節ロボット等のシリアル式ロボットを用いることもでき、組立ロボット1の構成は上述したものに限らない。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の組立システムに限定されない。
【符号の説明】
【0039】
1 組立ロボット
2 部品供給装置
7 トレイ
8 部品
10 収納棚
20 組立部
23 ハンド置き台
24 ツール置き台
30 ロボット支持台
40 搬送機構
42 トレイ支持部
50 水平移動機構
60 鉛直移動機構
70 走行移動機構
100 基部
110 可動部
140 着脱装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立作業を行う組立ロボットに組立用部品を供給するための部品供給装置であって、
前記組立用部品が載置された複数のトレイが収納される収納棚と、
前記収納棚の上面に形成され、前記組立ロボットによる前記組立用部品の組立作業が行われる組立部と、
前記収納棚から前記トレイを取り出して前記組立部に搬送する搬送手段とを備えることを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品供給装置において、
前記搬送手段は、
前記トレイを支持するトレイ支持部と、
前記トレイ支持部を水平方向に移動する水平移動機構と、
前記トレイ支持部を鉛直方向に移動する鉛直移動機構とを有することを特徴とする部品供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の部品供給装置において、
前記収納棚の上面かつ前記組立部の側方に、前記組立ロボットに取り付けられるハンドまたはツールが配置されるハンド置き台またはツール置き台をさらに備えることを特徴とする部品供給装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の部品供給装置と、
前記部品供給装置により供給された前記組立用部品を組み立てる組立ロボットとを備えることを特徴とする組立システム。
【請求項5】
請求項3に記載の部品供給装置と、
前記部品供給装置により供給された前記組立用部品を組み立てる組立ロボットとを備え、
前記組立ロボットは、前記ハンド置き台または前記ツール置き台に配置されたハンドまたはツールを、前記組立ロボットに着脱可能に取り付ける着脱手段を有することを特徴とする組立システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の組立システムにおいて、
前記トレイが取り出される前記収納棚の取出面に面して立設されたロボット支持台をさらに備え、
前記組立ロボットは、前記ロボット支持台の上部に固設された基部と、前記組立部の上方で動作する可動部とを有し、
前記搬送手段は、前記ロボット支持台に沿って前記トレイを水平方向および鉛直方向に搬送することを特徴とする組立システム。
【請求項7】
請求項6に記載の組立システムにおいて、
前記搬送手段は、前記収納棚の前記取出面に略平行に前記ロボット支持台を移動する支持台移動機構をさらに備えることを特徴とする組立システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の組立システムにおいて、
前記ロボット支持台の上面は、前記収納棚の上面よりも上方に位置することを特徴とする部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240456(P2011−240456A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116298(P2010−116298)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】