説明

部品実装システム及び部品実装方法

【課題】部品が極めて小さい場合であっても要修理箇所に確実に部品を装着することができ、基板の良品率を向上させることができる部品実装システム及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】部品実装システム1は、部品Ptの装着後の検査で発見された要修理箇所について、オペレータOP等の手作業による修理が行われた後、半田印刷機2と第1の部品実装機4Aとの間に再投入された基板Pbに対し、欠品箇所があるか否かの検査を第1の部品実装機4Aが備える検査カメラ15Aを用いて行い、基板Pb上に欠品箇所を発見した場合には、その欠品箇所の位置の特定を行ったうえで、第1の部品実装機4Aの装着ヘッド14Aと第2の部品実装機4Bの装着ヘッド14Bが、位置を特定した基板Pb上の欠品箇所に部品Ptを装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田を印刷した基板に部品を装着する部品実装システム及び部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装システムは、基板に半田を印刷する半田印刷機から成る半田印刷部と、半田印刷部により半田が印刷された基板に部品を装着する一又は複数の部品実装機から成る部品装着部を含んで構成され、部品装着部による部品装着が終了した基板はリフロー炉に送られて半田のリフローがなされる。そして、半田のリフローがなされた基板については外観検査が行われ、その外観検査で発見された要修理箇所についてはオペレータ等の作業者が手作業で修理を行う(例えば、特許文献1)。ここで、要修理箇所とは、基板上の目標装着位置に部品が装着されてはいるものの、その装着状態が不良であるために部品の付け直しを要する箇所のほか、部品が目標装着位置に装着されていない欠品箇所を含むものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−286015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、部品が極めて小さい場合や高い位置精度での装着を要求される部品の場合には、オペレータ等の手作業による装着では製品の品質を確保することができない場合があった。このため、要修理箇所が発見されたとしてもその修理作業をオペレータ等が手作業で行うことができない場合には、その基板は廃棄せざるを得ず、基板の良品率が低下して生産コストが高くなるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、部品が極めて小さい場合であっても要修理箇所に確実に部品を装着することができ、基板の良品率を向上させることができる部品実装システム及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の部品実装システムは、投入された基板に対して半田を印刷する半田印刷部と、半田印刷部により半田が印刷された基板に部品を装着する部品装着部と、部品装着部により部品が装着された基板上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、基板上に要修理箇所があった場合にその要修理箇所の位置の特定を行う要修理箇所検査部と、要修理箇所検査部で位置が特定された要修理箇所の表示を行う要修理箇所表示部とを備えた部品実装システムであって、要修理箇所表示部に表示された要修理箇所について作業者の手作業による修理が行われて半田印刷部と部品装着部との間に再投入された基板に対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板上に欠品箇所があった場合にその欠品箇所の位置の特定を行う欠品箇所検査部を備え、部品装着部は欠品箇所検査部で位置が特定された基板上の欠品箇所に部品を装着する。
【0007】
請求項2に記載の部品実装システムは、請求項1に記載の部品実装システムであって、欠品箇所検査部は、半田印刷部と部品装着部との間に再投入された基板上の欠品箇所の半田の付着状態の良否検査を行い、部品装着部は、半田の付着状態が不良と判定された箇所に半田を追加供給する半田追加供給部を備えた。
【0008】
請求項3に記載の部品実装システムは、請求項1又は2に記載の部品実装システムであって、欠品箇所検査部は、半田印刷部により半田が印刷された直後の基板の半田の印刷状態の良否検査を行う。
【0009】
請求項4に記載の部品実装方法は、投入された基板に半田を印刷する半田印刷工程と、半田印刷工程で半田が印刷された基板に部品を装着する部品装着工程と、部品装着工程で部品が装着された基板上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、基板上に要修理箇所があった場合にその要修理箇所の位置の特定を行う要修理箇所検査工程と、要修理箇所検査工程で位置を特定した要修理箇所の表示を行う要修理箇所表示工程とを含む部品実装方法であって、要修理箇所表示工程で表示された要修理箇所について作業者の手作業による修理が行われた基板に対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板上に欠品箇所があった場合にその欠品箇所の位置の特定を行う欠品箇所検査工程と、欠品箇所検査工程で位置を特定した基板上の欠品箇所に部品を装着する欠品箇所部品装着工程とを実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、要修理箇所検査部による部品の装着後の検査で発見された要修理箇所について、オペレータ等の作業者の手作業による修理が行われた後、半田印刷部と部品装着部との間に再投入された基板に対し、欠品箇所があるか否かの検査を欠品箇所検査部によって行い、基板上に欠品箇所を発見した場合には、その欠品箇所の位置の特定を行ったうえで、部品装着部が、位置を特定した基板上の欠品箇所に部品を装着するようになっている。このためオペレータ等の作業者は、要修理箇所への部品の装着は行う必要がなく、面倒な作業が不要になるうえ、部品が極めて小さい場合であっても要修理箇所に確実に部品を装着することができるので、基板の良品率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態における部品実装システムの概略構成図
【図2】本発明の一実施の形態における部品実装システムを構成する部品実装機の平面図
【図3】本発明の一実施の形態における部品実装システムを構成する部品実装機の側面図
【図4】本発明の一実施の形態における部品実装機の制御系統を示すブロック図
【図5】本発明の一実施の形態における部品実装機が備える装着ヘッドによる基板への部品の装着動作を説明する図
【図6】本発明の一実施の形態における部品実装機が備える装着ヘッドによる基板への半田の追加供給動作を説明する図
【図7】本発明の一実施の形態における第1の部品実装機が行う部品装着の手順を示すブロック図
【図8】本発明の一実施の形態における第2の部品実装機が行う部品装着の手順を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1において、本実施の形態における部品実装システム1は、複数台の部品実装用装置として、基板Pbの搬送方向に半田印刷機2、第1の基板搬送機3A、第1の部品実装機4A、第2の部品実装機4B、第2の基板搬送機3B及びリフロー炉5がこの順で配置された構成を有し、第2の基板搬送機3Bの近傍にはディスプレイ装置6が設けられている。これら各装置はホストコンピュータHCに接続された構内通信網(LAN:Local Area Network)のLANケーブル7によって相互に繋がっており、互いに情報のやり取りをすることができるようになっている。以下、説明の便宜上、この部品実装システム1における基板
Pbの搬送方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向とする。
【0013】
図1において、半田印刷機2は、図1中に示す矢印Aの方向に投入された基板Pbを基板搬送路2aによって受け取ってX軸方向に搬送し、作業位置への位置決めを行ったうえで、基板Pbに設けられた電極DT上に半田を印刷する(半田印刷工程)。そして、基板Pbの電極DT上への半田の印刷が終了したら、その基板Pbを基板搬送路2aにより下流側の装置である第1の基板搬送機3Aに搬出する。このように半田印刷機2は、本実施の形態における部品実装システム1において、投入された基板Pbに対して半田を印刷する半田印刷部となっている。
【0014】
図1において、第1の基板搬送機3A及び第2の基板搬送機3Bは同一の構成であり、それぞれの上流側の装置(第1の基板搬送機3Aについては半田印刷機2、第2の基板搬送機3Bについては第2の部品実装機4B)より搬出された基板Pbを基板搬送路3aによって受け取ってX軸方向に搬送し、それぞれの下流側の装置(第1の基板搬送機3Aについては第1の部品実装機4A、第2の基板搬送機3Bについてはリフロー炉5)に搬出する。
【0015】
第1の部品実装機4A及び第2の部品実装機4Bは同一の構成であり(動作は異なる)、代表して第1の部品実装機4Aの構成について説明する。
【0016】
図2及び図3において、第1の部品実装機4Aは、基台11上に基板搬送路12を備えており、上流側の装置である第1の基板搬送機3A(第2の部品実装機4Bについては第1の部品実装機4A)より搬出された基板Pbを受け取って基台11の中央の作業位置(図2に示す位置)に位置決めする。
【0017】
基台11上にはXYロボット13が設けられており、このXYロボット13によって装着ヘッド14A(第2の部品実装機4Bについては符号を14Bとする)と、検査カメラ15A(第2の部品実装機4Bについては符号を15Bとする)がそれぞれ独立して移動自在になっている。XYロボット13はY軸方向に延びて設けられたY軸テーブル13aと、X軸方向に延びて一端がY軸テーブル13aに支持され、Y軸テーブル13aに沿って(すなわちY軸方向に)移動自在に設けられた2つのX軸テーブル13bと、各X軸テーブル13bに沿って(すなわちX軸方向に)移動自在に設けられた2つの移動ステージ13cから成っており、これら2つの移動ステージ13cに装着ヘッド14Aと検査カメラ15Aがそれぞれ別個に取り付けられている。
【0018】
図3において、装着ヘッド14Aの下端には下方に延びた複数の吸着ノズル14nが設けられている。各吸着ノズル14nは装着ヘッド14Aに対して昇降させることができ、また上下軸(Z軸)回りに回転させることができる。検査カメラ15Aは撮像視野を下方に向けた状態で移動ステージ13cに取り付けられている。
【0019】
図2及び図3において、基板搬送路12を挟んでY軸方向に対向する基台11の両側の端部のうち、装着ヘッド14Aが設けられている側の端部には、装着ヘッド14Aに部品Pt(図2及び図3)を供給する複数の部品供給装置(パーツフィーダ)16がX軸方向に並んで設けられている。これら複数の部品供給装置16は基台11に着脱自在に取り付けられる台車17に保持されており、台車17を基台11に取り付けることによって、複数の部品供給装置16を一括して基台11に取り付けることができる。なお、台車17は一対のハンドル17aをオペレータOP(図1)が操作することによって床面上を移動させることができる。基台11に取り付けられた各部品供給装置16は、基板搬送路12側の端部に設けられた部品供給口16aに部品Ptを連続的に供給する。
【0020】
図2及び図3において、XYロボット13が備える2つの移動ステージ13cのうち、装着ヘッド14Aが取り付けられている側の移動ステージ13cには、撮像視野を下方に向けた基板カメラ18が設けられており、基板搬送路12のY軸方向の両側方領域のうち、装着ヘッド14Aが設けられている側の領域には撮像視野を上方に向けた部品カメラ19が設けられている。
【0021】
図4において、第1の部品実装機4Aが備える制御装置20A(第2の部品実装機4Bについては符号を20Bとする)は、基板搬送路12を駆動する図示しないアクチュエータ等から成る基板搬送路駆動部21を作動させて基板Pbの搬送及び位置決めを行い、XYロボット13を駆動する図示しないアクチュエータ等から成るXYロボット駆動部22を作動させて装着ヘッド14Aの水平面内移動と検査カメラ15Aの水平面内移動を行う。また制御装置20Aは、各吸着ノズル14nを駆動する図示しないアクチュエータ等から成るノズル駆動部23を作動させて、各吸着ノズル14nを装着ヘッド14Aに対して昇降及び上下軸(Z軸)回りに回転させ、各吸着ノズル14n内への真空圧供給を行う図示しないアクチュエータ等から成る真空圧供給部24を作動させ、各吸着ノズル14n内を真空状態にし、或いはその真空状態を破壊することによって、各吸着ノズル14nへの部品Ptの吸着及び各吸着ノズル14nからの部品Ptの離脱を行う。
【0022】
また、制御装置20Aは、各部品供給装置16を駆動する図示しないアクチュエータ等から成る部品供給装置駆動部25を作動させて各部品供給装置16に部品供給口16aへの部品供給動作を行わせ、カメラ駆動部26(図4)を作動させて、検査カメラ15A、基板カメラ18及び部品カメラ19の撮像動作制御を行う。検査カメラ15A、基板カメラ18及び部品カメラ19の撮像動作によって取得された画像データは記憶部27に取り込まれて記憶される。また、制御装置20Aは、LANケーブル7を介してホストコンピュータHCと繋がっており、ホストコンピュータHCへのデータの送信及びホストコンピュータHCからのデータの受信を行うことができる。
【0023】
次に、第1の部品実装機4Aの動作と第2の部品実装機4Bの動作を説明する。第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、第1の基板搬送機3Aより基板Pb(半田印刷機2において半田が印刷された基板Pb)が搬出されたことを検知したら、基板搬送路12を作動させてその基板Pbを受け取り、X軸方向に搬送して作業位置に位置決めする。そして、基板Pbに設けられた基板マーク(図示せず)の上方に基板カメラ18を(装着ヘッド14Aを)移動させて基板マークを撮像し、得られた基板マークの画像を画像認識部20c(図4)において画像認識することによって、基板Pbの位置ずれ(基板Pbの正規の作業位置からの位置ずれ)を求める。なお、基板マークの撮像は、検査カメラ15Aによって行うようにしてもよい。
【0024】
第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、基板Pbの位置ずれを求めたら、検査カメラ15Aを基板Pbの上方に移動させ、基板Pb上の各所を撮像して画像データを記憶部27に取り込み、画像認識部20cにおいて画像認識を行うことによって、半田印刷機2によって印刷された直後の電極DT上の半田Sd(図2及び図5参照)の印刷状態の良否検査を行う(半田印刷状態検査工程)。そして、電極DT上の半田Sdの印刷状態が不良な箇所(不良箇所)を発見した場合には、図示しないマーク付着手段を作動させて不良箇所に印刷不良マークを付着させるとともに、その不良箇所の位置情報を記憶部27に記憶し、かつ、その不良箇所の位置情報を、LANケーブル7を介してホストコンピュータHCに送信する。ホストコンピュータHCは、第1の部品実装機4Aより送信された半田Sdの印刷状態の不良箇所の位置情報を、第2の部品実装機4Bの制御装置20Bに送信する。
【0025】
第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、半田印刷状態検査工程を実行した結果、基板Pb上に不良箇所を発見しなかった場合には、その基板Pbについて第1の部品実装機4Aが部品Ptの装着を担当する箇所に、部品Ptを装着する(部品装着工程)。この部品装着工程は、部品供給装置16に部品Ptを供給させるとともに装着ヘッド14Aを移動させ、部品供給装置16から部品Ptを吸着する動作と、吸着した部品Ptを基板Pb上の半田Sdが印刷された電極DT上で離脱させる動作とを繰り返すことによって実行する。一方、基板Pb上に不良箇所を発見した場合は、その基板Pbへの部品Ptの装着を実行することなく、基板搬送路12を作動させて、基板Pbを下流側の装置である第2の部品実装機4Bに搬出する。
【0026】
上記部品装着工程における部品Ptの吸着(ピックアップ)から基板Pb上での離脱(基板Pb上への装着)までの手順を説明すると、制御装置20Aは先ず、装着ヘッド14Aを部品供給装置16の部品供給口16aの上方に移動させたうえで、吸着ノズル14nを装着ヘッド14Aに対して下降及び上昇させ、吸着ノズル14nが部品Ptの上面に接触したところで吸着ノズル14n内を真空状態にして吸着ノズル14nに部品Ptを吸着させる。これにより部品Ptが装着ヘッド14A(吸着ノズル14n)によりピックアップされる。
【0027】
制御装置20Aは、部品Ptをピックアップしたら装着ヘッド14Aを移動させ、部品Ptが部品カメラ19の直上に位置するようにしたうえで、部品カメラ19に部品Ptの撮像を行わせる。制御装置20Aは、部品カメラ19が撮像した部品Ptの画像データを記憶部27に取り込んで画像認識部20cにより画像認識を行い、部品Ptの異常(変形や欠損など)の有無を検査するとともに、吸着ノズル14nに対する部品Ptの位置ずれ(吸着ずれ)の算出を行う。
【0028】
制御装置20Aは、部品Ptの画像認識を行ったら装着ヘッド14Aを移動させ、吸着ノズル14nに吸着している部品Ptが基板Pb上の目標装着位置(電極DTが設けられている位置)の直上に位置するようにする(図5)。そして、吸着ノズル14nを装着ヘッド14A(14B)に対して下降(図5中に示す矢印B)及び上昇させ、部品Ptが電極DTに接触したところで吸着ノズル14n内の真空状態を破壊する。これにより吸着ノズル14nによる部品Ptの吸着状態が解除され、部品Ptが吸着ノズル14nから離脱して基板Pbの電極DT上に装着される。なお、部品Ptを電極DT上に装着するときは、予め求めている基板Pbの位置ずれと部品Ptの吸着ずれが修正されるように、基板Pbに対する吸着ノズル14nの位置補正(回転補正を含む)を行うようにする。
【0029】
第1の部品実装機4Aは、基板Pb上の部品Ptを装着すべき箇所(第1の部品実装機4Aが部品Ptの装着を担当する箇所)の全てに部品Ptを装着したら、基板搬送路12を作動させて、基板Pbを下流側の装置である第2の部品実装機4Bに搬出する。
【0030】
第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、第1の部品実装機4Aより基板Pbが搬出されたことを検知したら、基板搬送路12を作動させてその基板Pbを受け取り、X軸方向に搬送して作業位置に位置決めする。そして、第1の部品実装機4Aの場合と同様の手順により、基板Pbの位置ずれを求める(基板マークの撮像は検査カメラ15Bによって行うようにしてもよい)。
【0031】
第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、基板Pbの位置ずれを求めたら、第1の部品実装機4Aの場合と同様の手順により前述の部品装着工程を実行する。この部品装着工程では、第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、その基板Pbが第1の部品実装機4Aによって印刷状態の不良箇所が発見されたものでない場合には、その基板Pbについて第2の部品実装機4Bが部品Ptの装着を担当する箇所に、部品Ptを装着する。一方、
基板Pbが第1の部品実装機4Aによって印刷状態の不良箇所が発見されたものである場合は、その基板Pbへの部品Ptの装着を実行することなく、基板Pbを下流側の装置である第2の基板搬送機3Bに搬出する。なお、第1の部品実装機4Aから受け取った基板Pbが第1の部品実装機4Aによって印刷状態の不良箇所が発見されたものであるかどうかの情報は、前述のように、ホストコンピュータHCから受信することができる。
【0032】
第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、部品Ptを装着すべき箇所(第2の部品実装機4Bが部品Ptの装着を担当する箇所)の全てに部品Ptを装着したら、検査カメラ15Bを基板Pbの上方に移動させ、基板Pb上の各所を撮像して画像データを記憶部27に取り込む。そして、画像認識部20cにおいて画像認識を行うことによって、基板Pb上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、その結果、基板Pb上に要修理箇所があった(発見した)場合には、その要修理箇所の位置の特定を行う(要修理箇所検査工程)。そして、その位置を特定した要修理箇所の情報(位置及び画像)をホストコンピュータHCに送信したうえで、基板Pbを下流側の装置である第2の基板搬送機3Bに搬出する。ホストコンピュータHCは、第2の部品実装機4Bから要修理箇所の情報を受けたときは、その情報に基づいて、基板Pb上の要修理箇所の情報(位置及び画像)をディスプレイ装置6に表示させる(要修理箇所表示工程)。
【0033】
ここで、要修理箇所とは、基板Pb上の目標装着位置に部品Ptが装着されてはいるものの、その装着状態が不良であるために部品Ptの付け直しを要する箇所のほか、部品Ptが目標装置位置に装着されていない欠品箇所を含むものである。
【0034】
オペレータOP等の作業者(以下、オペレータOP等と称する)は、第2の部品実装機4Bの基板搬送路12から第2の基板搬送機3Bに搬出された基板Pbに印刷不良マークが付されている場合には、その基板Pbを第2の基板搬送機3Bから取り上げ、その基板Pbの印刷不良箇所に改めて半田Sdの印刷を行うべく、印刷不良箇所に付着している半田Sdを拭き取るなどしたうえで、半田印刷機2に投入(再投入)する。
【0035】
また、オペレータOP等は、第2の部品実装機4Bの基板搬送路12から基板Pbが搬出されるとき、ディスプレイ装置6により要修理箇所が示されている場合には、その基板Pbには要修理箇所があるものと判断し、その基板Pbを部品実装システム1の生産ラインから(直接的には第2の基板搬送機3Bから)抜き出して(図1中に示す矢印C)、ディスプレイ装置6に表示された基板Pb上の要修理箇所の修理を手作業により行う。このときオペレータOP等は、ディスプレイ装置6に表示される要修理箇所を示す画像を見ながら、すなわち、修理を行うべき基板Pb上の位置及び不良の状態を目視(ディスプレイ装置6を介した間接的な目視)で確認しながら、必要な作業を行うことができる。オペレータOP等は、ここでは部品Ptの欠品箇所への部品Ptの装着や半田Sdの付着不良箇所への半田Sdの塗り直し等についての修理は行う必要はなく、部品Ptの位置ずれ矯正等の修理を行うのみでよい。
【0036】
オペレータOP等は、要修理箇所についての修理が終了したら、修理が終了した基板Pbを部品実装システム1の生産ラインに戻すべく、半田印刷機2と第1の部品実装機4Aとの間に位置する第1の基板搬送機3Aに再投入する(図1中に示す矢印D)。このときオペレータOP等は、第1の部品実装機4Aに設けられている再投入ボタンBT(図2及び図4)の操作を行う。
【0037】
第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、再投入ボタンBTが操作された直後に搬入した基板Pbについては、その基板Pbは再投入されたものであると認識し、半田印刷機2による半田Sdの印刷状態の検査は既に行われていることから、前述の半田印刷状態検査工程(基板Pb上の全電極DTについての半田Sdの印刷状態の検査)は行わずに、そ
の基板Pb(要修理箇所表示工程で表示された要修理箇所についてオペレータOP等の手作業による修理が行われた基板Pb)に対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板上に欠品箇所があった場合には、その欠品箇所の位置の特定を行う(欠品箇所検査工程)。この欠品箇所検査工程の実行の結果、欠品箇所があった(発見した)ときには、欠品箇所の位置情報を記憶部27に取り込んで記憶する。
【0038】
ここで、第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、上記欠品箇所検査工程では、欠品箇所の位置を特定するだけでなく、その欠品箇所の半田Sdの付着状態の良否検査も併せて行う。そして、欠品箇所のうち、半田Sdの付着状態が不良と判定した箇所には、半田Sdを追加供給するようにする(半田追加供給工程)。
【0039】
この半田Sdの追加供給では、先ず、図6に示すように、装着ヘッド14Aに取り付けられた複数の吸着ノズル14nの一部を半田Sdの転写用のピン状部材である転写ピン14tに交換したうえで、装着ヘッド14Aを第1の部品実装機4Aの基台11上に備えられた半田Sdの収容容器Sy(図6にのみ図示。図2及び図3には図示せず)の上方に移動させ、転写ピン14tを装着ヘッド14Aに対して下降(図6中に示す矢印E)及び上昇させて、転写ピン14tの下端に収容容器Sy内の半田Sdに付着させる。そして、装着ヘッド14Aを基板Pbの上方に移動させ、転写ピン14tを装着ヘッド14Aに対して下降(図6中に示す矢印F)及び上昇させて、転写ピン14tを基板Pb上の半田Sdの付着状態が不良な箇所の電極DT上に押し付ける。これにより電極DT上に半田Sdが追加供給され、電極DT上の半田Sdの付着不良状態が解消される。なお、転写ピン14tは、上記のように装着ヘッド14Aに取り付けられている吸着ノズル14nと交換するのではなく、はじめから取り付けられているのであってもよい。
【0040】
なお、欠品箇所は多くの場合、半田印刷機2による半田Sdの印刷は良好に行われたものの、その後の第1の部品実装機4A又は第2の部品実装機4Bが部品Ptの装着に失敗し、半田Sdに部品Ptが一旦接触してかすれや半田不足状態になっている箇所であるため、上記のような転写ピン14tによる半田Sdの追加供給で半田Sdの付着不良状態は大方解消することができる。
【0041】
また、このことから、オペレータOPは、第2の基板搬送機3Bに搬出された基板Pbのうち、印刷不良マークが付されているものであっても、その基板Pbにおける半田Sdの印刷状態が不良な箇所を点検した結果、転写ピン14tによる半田Sdの追加供給で半田Sdの付着不良状態を解消することができると判断したときは、半田印刷機2ではなく、第1の部品実装機4Aに基板Pbを再投入するようにしてもよい。
【0042】
第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、上記のようにして欠品箇所のうち、半田Sdの付着状態が不良な箇所に半田Sdを追加供給したら、その基板Pbの欠品箇所のうち、第1の部品実装機4Aが部品Ptの装着を担当する分の欠品箇所について部品Ptの装着を実行する(欠品箇所部品装着工程)。
【0043】
第1の部品実装機4Aは、欠品箇所への部品Ptの装着が終了したら、基板Pbを下流側の装置である第2の部品実装機4Bに搬出する。そして、この基板Pbの搬出のとき、第1の部品実装機4Aは、その基板Pbは再投入された基板Pbである旨の情報(以下、再投入情報と称する)と併せて、その基板Pbの欠品箇所のうち、第2の部品実装機4Bが部品Ptの装着を担当する分の欠品箇所の位置情報(以下、欠品情報と称する)を、LANケーブル7を介してホストコンピュータHCに送信する。ホストコンピュータHCは、第1の部品実装機4Aより送信された欠品情報を、第2の部品実装機4Bの制御装置20Bに送信する。
【0044】
第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、第1の部品実装機4Aから搬出された基板Pbを搬入する際、第1の部品実装機4Aより再投入情報を受け取ったときには、その基板Pbは再投入された基板Pbであると認識し、併せて受け取った欠品情報に基づいて、基板Pb上の欠品箇所のうち、第2の部品実装機4Bが部品Ptの装着を担当する分についての部品Ptの装着を実行する(欠品箇所部品装着工程)。そして、その欠品箇所についての部品Ptの装着が終了したら、前述の要領で改めて要修理箇所検査工程を実行したうえで、基板Pbを下流側の装置である第2の基板搬送機3Bに搬出する。
【0045】
このように、第1の部品実装機4Aにおける装着ヘッド14A及び制御装置20Aと、第2の部品実装機4Bにおける装着ヘッド14B及び制御装置20Bは、この部品実装システム1において、半田印刷部である半田印刷機2により半田Sdが印刷された基板Pbに部品Ptを装着する部品装着部となっている。
【0046】
また、第2の部品実装機4Bにおける検査カメラ15B及び制御装置20Bは、この部品実装システム1において、部品装着部により部品Ptが装着された基板Pb上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、基板Pb上に要修理箇所があった場合にその要修理箇所の位置の特定を行う要修理箇所検査部となっており、ディスプレイ装置6は、要修理箇所検査部で位置が特定された要修理箇所の表示を行う要修理箇所表示部となっている。
【0047】
更に、第1の部品実装機4Aにおける検査カメラ15A及び制御装置20Aは、この部品実装システム1において、要修理箇所検査部に表示された要修理箇所についてオペレータOP等の作業者の手作業による修理が行われて半田印刷部と部品装着部との間(半田印刷機2と第1の部品実装機4Aとの間)に再投入された基板Pbに対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板Pb上に欠品箇所があった場合にその欠品箇所の位置の特定を行う欠品箇所検査部となっている。
【0048】
上述した第1の部品実装機4Aの動作手順及び第2の部品実装機4Bの動作手順をフローチャートによって示すと、図7及び図8のようになる。図7は第1の部品実装機4Aの動作手順であり、図8は第2の部品実装機4Bの動作手順である。
【0049】
図7において、第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、上流側から送られてきた基板Pbの搬入及び位置決めを行ったら(ステップST1)、再投入ボタンBTが操作されているかどうかの判断を行い(ステップST2)。その結果、再投入ボタンBTが操作されていなかったことを検知した場合には、その基板Pbは再投入されたものではない(半田印刷機2から搬出された直後のもの)であると判断し、検査カメラ15Aを用いた半田Sdの印刷状態の良否検査を行って(ステップST3。半田印刷状態検査工程)、基板Pb上に印刷状態の不良な箇所があるかどうかの判断を行う(ステップST4)。その結果、基板Pb上に印刷状態の不良な箇所を発見しなかった場合には、その基板Pbへの部品Ptの装着を行い(ステップST5。部品装着工程)、基板Pbへの部品Ptの装着が終了したら、基板Pbを下流側の装置である第2の部品実装機4Bに搬出する(ステップST6)。これに対し、ステップST4において、基板Pb上に印刷状態の不良な箇所を発見した場合には、その基板Pbへの部品装着工程を実行することなく、その基板Pbを下流側の装置である第2の部品実装機4Bに搬出する(ステップST6)。
【0050】
一方、第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、ステップST2で再投入ボタンBTが操作されていたことを検知した場合には、その基板Pbは再投入されたものであると判断し、ステップST3の検査カメラ15Aを用いた基板Pb上の全電極DTに対する半田Sdの印刷状態の良否検査を行うことなく、その基板Pbにおける欠品箇所の検査を行う(ステップST7。欠品箇所検査工程)。そして、欠品箇所について、半田Sdの付着状態が不良な箇所を発見したときには、その箇所への半田Sdの追加供給を行ったうえで(
ステップST8。半田追加供給工程)、欠品箇所への部品Ptの装着を行う(ステップST9。欠品箇所部品装着工程)。そして、欠品箇所への部品Ptの装着が終了したら、基板Pbを下流側の装置である第2の部品実装機4Bに搬出する(ステップST6)。
【0051】
図8において、第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、上流側の装置である第1の部品実装機4Aから送られてきた基板Pbの搬入及び位置決めを行ったら(ステップST11)、その基板Pbについて、第1の部品実装機4Aから再投入情報が送られているかどうかを判断する(ステップST12)。その結果、再投入情報が送られていなかったことを検知したときには、その基板Pbは第1の部品実装機4Aに再投入されたものではないと判断し、その基板Pbが第1の部品実装機4Aにおいて半田Sdの印刷状態が不良な箇所が発見された基板Pbであるか否かの判断を行う(ステップST13)。その結果、基板Pbが第1の部品実装機4Aにおいて半田Sdの印刷状態が不良な箇所が発見された基板Pbでなかった場合には、その基板Pbへの部品Ptの装着を行う(ステップST14。部品装着工程)。
【0052】
一方、第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、ステップST12で第1の部品実装機4Aから再投入情報が送られていたことを検知したときには、その基板Pbは再投入されたものであると判断し、第1の部品実装機4Aから送られてきた欠品情報に基づいて、その基板Pbの欠品箇所のうち、第2の部品実装機4Bが部品Ptの装着を担当する分について部品Ptの装着を行う(ステップST15。欠品箇所部品装着工程)。
【0053】
第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、上記ステップST14による部品装着工程若しくはステップST15による欠品箇所部品装着工程が終了したら、要修理箇所の検査を行う(ステップST16。要修理箇所検査工程)。そして、要修理箇所が発見されたか否かの判断において(ステップST17)、要修理箇所が発見されなかった場合にはそのまま基板Pbを下流側の装置である第2の基板搬送機3Bに搬出し(ステップST18)、要修理箇所が発見された場合には、ディスプレイ装置6に要修理箇所を表示したうえで(ステップST19。要修理箇所表示工程)、基板Pbを第2の基板搬送機3Bに搬出する(ステップST18)。
【0054】
これに対し、第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、ステップST13の判断において、第1の部品実装機4Aから受け取った基板Pbが第1の部品実装機4Aにおいて半田Sdの印刷状態が不良な箇所が発見された基板Pbであった場合には、その基板Pbへの部品装着工程を実行することなく、その基板Pbを下流側の装置である第2の基板搬送機3Bに搬出する(ステップST18)。
【0055】
図1において、第2の基板搬送機3Bは、上流側の装置である第2の部品実装機4Bから搬出された基板Pbを基板搬送路3aによって受け取って、下流側の装置であるリフロー炉5に搬出する。そしてリフロー炉5は、第2の基板搬送機3Bより搬出された基板Pb(部品Ptの装着が終了した基板Pb)を基板搬送路5aにより受け取り、その基板PbをX軸方向に搬送しながら、基板Pb上の半田Sdのリフローを行う。そして、半田Sdのリフローを行った基板Pbを基板搬送路5aから下流に搬出する。リフロー炉5から搬出された基板Pbは図示しない外観検査機において最終検査が実行され、この最終検査で異常なしと判断された場合には、その基板Pbは良品基板として回収され、異常ありと判断された場合には、その基板Pbは不良基板として回収される。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装システム1は、投入された基板Pbに対して半田Sdを印刷する半田印刷部(半田印刷機2)と、半田印刷部により半田Sdが印刷された基板Pbに部品Ptを装着する部品装着部(第1の部品実装機4Aにおける装着ヘッド14A及び制御装置20Aと、第2の部品実装機4Bにおける装着ヘッド1
4B及び制御装置20B)と、部品装着部により部品Ptが装着された基板Pb上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、基板Pb上に要修理箇所があった場合にその要修理箇所の位置の特定を行う要修理箇所検査部(第2の部品実装機4Bにおける検査カメラ15B及び制御装置20B)と、要修理箇所検査部で位置が特定された要修理箇所の表示を行う要修理箇所表示部(ディスプレイ装置6)を備えたものであり、要修理箇所表示部に表示された要修理箇所についてオペレータOP等の作業者の手作業による修理が行われて半田印刷部と部品装着部との間(半田印刷機2と第1の部品実装機4Aとの間)に再投入された基板Pbに対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板Pb上に欠品箇所があった場合にその欠品箇所の位置の特定を行う欠品箇所検査部(第1の部品実装機4Aにおける検査カメラ15A及び制御装置20A)を備え、部品装着部は欠品箇所検査部で位置が特定された基板Pb上の欠品箇所に部品を装着するものとなっている。
【0057】
また、本実施の形態における部品実装方法は、投入された基板Pbに半田Sdを印刷する半田印刷工程と、半田印刷工程で半田Sdが印刷された基板Pbに部品Ptを装着する部品装着工程(ステップST5及びステップST14)と、部品装着工程で部品Ptが装着された基板Pb上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、基板Pb上に要修理箇所があった場合にその要修理箇所の位置の特定を行う要修理箇所検査工程(ステップST16)と、要修理箇所検査工程で位置を特定した要修理箇所の表示を行う要修理箇所表示工程(ステップST19)を含むものであり、要修理箇所表示工程で表示された要修理箇所についてオペレータOP等の作業者の手作業による修理が行われた基板Pbに対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板Pb上に欠品箇所があった場合にその欠品箇所の位置の特定を行う欠品箇所検査工程(ステップST7)と、欠品箇所検査工程で位置を特定した基板Pb上の欠品箇所に部品Ptを装着する欠品箇所部品装着工程(ステップST9及びステップST15)を実行するものとなっている。
【0058】
本実施の形態における部品実装システム1では、要修理箇所検査部(第2の部品実装機4Bが備える検査カメラ15B及び制御装置20B)による部品Ptの装着後の検査で発見された要修理箇所について、オペレータOP等の作業者の手作業による修理が行われた後、半田印刷部と部品装着部との間(半田印刷機2と第1の部品実装機4Aとの間)に再投入された基板Pbに対し、欠品箇所があるか否かの検査を欠品箇所検査部(第1の部品実装機4Aが備える検査カメラ15A及び制御装置20A)によって行い、基板Pb上に欠品箇所を発見した場合には、その欠品箇所の位置の特定を行ったうえで、部品装着部(第1の部品実装機4Aが備える装着ヘッド14A及び制御装置20Aと、第2の部品実装機4Bが備える装着ヘッド14B及び制御装置20B)が、位置を特定した基板Pb上の欠品箇所に部品Ptを装着するようになっている。このためオペレータOP等の作業者は、要修理箇所への部品Ptの装着は行う必要がなく、面倒な作業が不要になるうえ、部品Ptが極めて小さい場合であっても要修理箇所に確実に部品Ptを装着することができるので、基板Pbの良品率を向上させることができる。
【0059】
また、本実施の形態における部品実装システム1において、欠品箇所検査部(第1の部品実装機4Aが備える検査カメラ15A及び制御装置20A)は、半田印刷部と部品装着部との間(半田印刷機2と第1の部品実装機4Aとの間)に再投入された基板Pb上の欠品箇所の半田Sdの付着状態の良否検査を行い、部品装着部(第1の部品実装機4Aの装着ヘッド14A及び制御装置20A)は、半田Sdの付着状態が不良と判定された箇所に半田Sdを追加供給する半田追加供給部としての転写ピン14tを備えたものとなっており、再投入の対象となっている基板Pb上に半田Sdの付着状態が不良な箇所があるか否かの点検及び半田Sdの付着状態が不良な箇所への半田Sdの追加供給といった極めて面倒な作業をオペレータOP等の作業者が行う必要がなくなるので、生産性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0060】
また、本実施の形態における部品実装システム1において、欠品箇所検査部は、半田印刷部により半田Sdが印刷された直後の基板Pbの半田Sdの印刷状態の良否検査を行うようになっているので、半田Sdの印刷状態を検査する専用の検査機を別途必要とせず、部品実装システム1のコンパクト化を図ることができる。
【0061】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述の実施の形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、部品装着部を構成する部品実装機の数は2台(第1の部品実装機4A及び第2の部品実装機4B)であったが、部品実装機の数は特に限定されない。また、上述の実施の形態では、要修理箇所検査部(検査カメラ15B及び制御装置20B)が部品装着部(装着ヘッド14B及び制御装置20B)と同一の装置(第2の部品実装機4B)に配置されるとともに、欠品箇所検査部(検査カメラ15A及び制御装置20B)が部品装着部(装着ヘッド14A及び制御装置20A)と同一の装置(第1の部品実装機4A)に配置される構成となっていたが、必ずしもこのような構成を採る必要はなく、要修理箇所検査部と部品装着部は互いに別個の装置から成っている(それぞれ要修理箇所検査専用の検査機、部品装着専用の部品実装機から成っている)のであってもよいし、同様に、欠品箇所検査部と部品装着部は互いに別個の装置から成っている(それぞれ欠品箇所検査専用の検査機、部品装着専用の部品装着機から成っている)のであってもよい。
【0062】
また、上述の実施の形態では、第1の部品実装機4Aの制御装置20Aは、オペレータOPによって再投入ボタンBTが操作されるか否かに基づいて、投入された基板Pbが再投入されたものであるであるかどうかの判断を行い、また、第2の部品実装機4Bの制御装置20Bは、第1の部品実装機4Aから再投入情報を受け取ったときに、搬入した基板Pbが再投入されたものであるとの判断を行うようになっていたが、基板Pbにバーコード等のIDコードを設けるとともに、第1の部品実装機4A及び第2の部品実装機4Bが、その基板PbのIDコードから基板Pbの固有情報を読み取ることができるようになっているのであれば、第2の部品実装機4Bが備える第2の検査カメラ15Bを介して要修理箇所があると判断した基板Pbについてはその基板PbのIDコードが記憶されるようにし、そのIDコードを有する基板Pbの再度の搬入を行ったとき、その基板Pbは再投入された基板Pbであるとの判断を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
部品が極めて小さい場合であっても要修理箇所に確実に部品を装着することができ、基板の良品率を向上させることができる部品実装システム及び部品実装方法を提供する。
【符号の説明】
【0064】
1 部品実装システム
2 半田印刷機(半田印刷部)
6 ディスプレイ装置(要修理箇所表示部)
14A,14B 装着ヘッド(部品装着部)
14t 転写ピン(半田追加供給部)
15A 検査カメラ(欠品箇所検査部)
15B 検査カメラ(要修理箇所検査部)
20A 制御装置(部品装着部、欠品箇所検査部)
20B 制御装置(部品装着部、要修理箇所検査部)
Sd 半田
Pt 部品
Pb 基板
OP オペレータ(作業者)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された基板に対して半田を印刷する半田印刷部と、半田印刷部により半田が印刷された基板に部品を装着する部品装着部と、部品装着部により部品が装着された基板上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、基板上に要修理箇所があった場合にその要修理箇所の位置の特定を行う要修理箇所検査部と、要修理箇所検査部で位置が特定された要修理箇所の表示を行う要修理箇所表示部とを備えた部品実装システムであって、
要修理箇所表示部に表示された要修理箇所について作業者の手作業による修理が行われて半田印刷部と部品装着部との間に再投入された基板に対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板上に欠品箇所があった場合にその欠品箇所の位置の特定を行う欠品箇所検査部を備え、
部品装着部は欠品箇所検査部で位置が特定された基板上の欠品箇所に部品を装着することを特徴とする部品実装システム。
【請求項2】
欠品箇所検査部は、半田印刷部と部品装着部との間に再投入された基板上の欠品箇所の半田の付着状態の良否検査を行い、部品装着部は、半田の付着状態が不良と判定された箇所に半田を追加供給する半田追加供給部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
欠品箇所検査部は、半田印刷部により半田が印刷された直後の基板の半田の印刷状態の良否検査を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
投入された基板に半田を印刷する半田印刷工程と、半田印刷工程で半田が印刷された基板に部品を装着する部品装着工程と、部品装着工程で部品が装着された基板上に要修理箇所があるか否かの検査を行い、基板上に要修理箇所があった場合にその要修理箇所の位置の特定を行う要修理箇所検査工程と、要修理箇所検査工程で位置を特定した要修理箇所の表示を行う要修理箇所表示工程とを含む部品実装方法であって、
要修理箇所表示工程で表示された要修理箇所について作業者の手作業による修理が行われた基板に対して欠品箇所があるか否かの検査を行い、その基板上に欠品箇所があった場合にその欠品箇所の位置の特定を行う欠品箇所検査工程と、
欠品箇所検査工程で位置を特定した基板上の欠品箇所に部品を装着する欠品箇所部品装着工程とを実行することを特徴とする部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−82375(P2011−82375A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234039(P2009−234039)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】