説明

部品洗浄加熱器ポンプモジュール

【課題】 部品洗浄加熱器ポンプモジュールの提供。
【解決手段】 部品洗浄機は、洗浄液中に懸濁する金属粒子を回収するためにポンプ入口近くに配置された磁石と、取扱時に衝撃からポンプ機構を保護するケーシングと、一連の垂直層内での洗浄液の分離をうまく行う水平配向されたポンプと、貯留槽内の洗浄液の液位を計測する二つの液位センサーと、洗浄液の蒸発分を制限するために貯留槽と容器との境界部に位置する蒸発制限板と、衝撃から装置を保護するために制御部の操作部の隣りに設置された保護ハンドルバーと、可変調整器なしのポンプを使用して洗浄液の流量を低流量にできるポンプモーター制御装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね、「部品洗浄機」と一般に呼ばれ、洗浄液を用いて部品を洗浄する装置の改良に関し、その装置は、ポンプを保護するために洗浄液中に懸濁する金属粒子を回収する磁石を使用し、二つの液位センサーと、蒸発制限板と、制御部の指令操作部を保護するハンドルバーまたは成形縁部と、脈動流を伴い低液位を警告する改良形ポンプ装置と、保護ケーシングと、垂直入口を伴う垂直配向されたポンプまたはプレナムが保護ケーシング内に収容された水平なポンプとを備える。
【背景技術】
【0002】
自動車業界、機械加工業界、または、部品が製造、使用され、その後に修理される他の業界など、多くの業界において、様々な機械や機械装置から取り外された部品には、使用中に埃が蓄積され、溜ることが多い。これらの部品は、グリース、塗料などの工業製品、錆、または他の要素で覆われる恐れがあり、再利用または廃棄される前に、洗浄を必要とする場合がある。工業製品が、流水または下水管に接続された流し台で洗浄されると、結果として産業廃棄物が放出され、環境問題となる。これらの産業廃棄物は、回収して再利用しなければならないことが多い。また、流水の洗浄液としての有用性は非常に限られたものである。Safety Kleen 105再利用溶剤、プレミアム・ゴールド溶剤、および、Safety Kleen社のAQUAWORKS(登録商標)およびARMAKLEEN(登録商標)などの塩基水溶性洗浄剤は、部品洗浄機内で使用すると部品洗浄力を向上させることが知られている。産業廃棄物と酷似の、これらの溶剤または洗浄剤は、回収しなければならないことが多い。
【0003】
本発明以前のバージョンの部品洗浄機は、米国特許第3,522,814号、米国特許第4,049,551号、米国特許第4,261,378号、米国特許第5,598,861号、米国特許第5,720,308号、米国特許第7,040,161号で説明されており、その各々は、参照により本明細書に組み入れられる。これらの特許では、一般に、流し台が上にまたはバレルタイプの貯留槽内に位置決めされ、水中ポンプが挿入される部品洗浄機が説明されている。ポンプは、貯留槽から流し台内部に洗浄液を循環させて、そこで、部品は、オペレータによって処理されて洗浄されおよび磨かれる。流し台には、一般的に、照明を明るくして洗浄される部品を検査するためのライトと、大きな物体が流し台から貯留槽に落ちるのを防止するための大きなメッシュ・フィルタを有する排水口が装備される。
【0004】
洗浄がオペレータによって行われている間、洗浄液は、貯留槽からポンプで供給されて、流し台の開口部から貯留槽に絶え間なく排水される。ブラシ、ウェスおよび他の用具などの普通の洗浄道具は、洗浄液が分配される管端部に取り付けることができるので、部品洗浄作業中にオペレータが使用することができる。長年にわたって、最も売れている部品洗浄機は、容易にかつ経済的に修理することができるものとなっている。このような部品洗浄機には、持ち運び可能であると共に、場所を問わず、手で組み立てられるものもある。ドラムまたは貯留槽は、場所移動され、装置のフレームは、貯留槽背面に取り付けられ、流し台は、貯留槽上部リムの上に配置される。
【0005】
このタイプの装置は、容易にかつ経済的に修理することができる。作業は、貯留槽を新しいドラムと交換することによって洗浄液を交換し、フィルタがあれば交換し、ポンプを使用して装置内で新しい洗浄液を循環させるか、または、部品洗浄機の色々な部分を手作業で洗浄することによって全体的な機械洗浄を行うことからなる。使用中、洗浄液には、洗浄される部品を覆う廃棄物が蓄積する。洗浄液の洗浄能力は、廃棄物要素が洗浄液中に蓄積するにつれて低下する。時間と共に、貯留槽内の洗浄液の液位も、はね散らしおよび/または蒸発のために下がる。
【0006】
大半の洗浄液は、高温に保たれたときの方が、脱脂などの、洗浄能力が優れている。また、高温の洗浄液の方が、粘性が低く洗浄中の要素溶解に、より適合している。部品洗浄機は、洗浄液を選定した洗浄温度に維持するために貯留槽内に発熱体を含むことができる。また、部品洗浄機が屋外でまたは室温調節装置のない建屋で使用される場合、発熱体を使用して環境温度をずらすことができる。貯留槽内の洗浄液の温度を監視して加熱器を調整するために温度センサーが使用される。修理作業には、加熱器、ポンプ、制御部、または、もはや適切に作動しないかまたは作動中に損傷したそれらの構成部品の交換が含まれている。
【特許文献1】米国特許第3522814号明細書
【特許文献2】米国特許第4049551号明細書
【特許文献3】米国特許第4261378号明細書
【特許文献4】米国特許第5598861号明細書
【特許文献5】米国特許第5720308号明細書
【特許文献6】米国特許第7040161号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、公知の部品洗浄機は、いかに高性能であれ、更に改良を要する幾つかの欠点を有するという発見を伴う。高い使用温度で揮発する洗浄液もある。また、蒸発による洗浄液の揮発性は、貯留槽内での液位に影響を与える。これらの洗浄液は、オペレータを上記気体の吸入から保護するために、管理された環境下で使用した方がよい。大半の公知の機種の流し台は、四角張った外形形状であり、ドラムなど、大半の貯留槽では、上部リムの外形形状が円筒形である。形状が矩形の貯留槽もあり、流し台は、部分的に貯留槽内に挿入することができる。洗浄液が蒸発することを可能にする開口部を流し台と貯留槽との境界部に作り出すことができる。必要とされるものは、流し台と貯留槽との境界部での蒸発を抑制することができる部品洗浄機である。
【0008】
また、部品洗浄機は、工業的環境、または、洗浄される機械部品の積み降ろし時に制御部品およびスイッチを種々の衝撃から保護するために制御部が流し台の背後に位置している場所のように、種々の衝突および種々の衝撃が予想される他の環境で使用される。しかし、それでも制御部に接触することが可能であることから、制御部の損傷を受けやすい構成品への衝撃が、発生する可能性がある。また、種々の衝撃は、装置を修理中に手荒に取り扱ったりまたは落とした場合に発生する可能性がある。現場作業員が、部品洗浄機を、例えば、木片にうっかりしてぶつけたりまたは当てたりすると、制御部に永久的な損傷を与え、かつ/または、制御部面上の一連の操作ボタンを破壊しかねない。衝撃を受けないように壊れやすい部品の保護を行うように設計されたシステムが、必要とされている。
【0009】
部品洗浄機のもう一つの重要な特徴は、貯留槽内の洗浄液の液位である。液位が下がって特定の閾値を下回ると、ポンプは、洗浄液を吸い出すことができなくなるだけでなく、流し台内の作業領域での洗浄液の二つの連続的な使用サイクル間の時間が短くなる。貯留槽が満杯状態であるとき、例えば、貯留槽から供給される洗浄液の速度および量に基づいて1時間毎に洗浄液を流し台内に循環的に流入することができる。しかし、液位が低い場合、同じ洗浄液が循環するのは数分毎であり、洗浄液が汚濁状態になる速度が速められる。現行の部品洗浄機では、単一の液位検出器を使用して貯留槽内の洗浄液の液位を監視している。能力を回復させなければならない前に使用済洗浄液を検出し測定することは、本質的に困難で、かつ、不確かなものである。正確に貯留槽内の液位を測定する改良形装置が、必要とされている。
【0010】
また、部品洗浄機は、貯留槽から流し台に洗浄液を循環させるのにポンプ装置に依存している。ポンプは、埃、油、または洗浄液中に懸濁する他の廃棄物によって次第に汚れてゆく洗浄液を移送しなければならない。洗浄される各部品と酷似して、弁およびフィルタなど、ポンプ装置の内側部分には、ポンプおよびその主要部品の交換につながる恐れがある破片が蓄積する可能性がある。異物および他の沈殿物が、貯留槽内の連続した層内に定着することが多い。現行の部品洗浄機には、破片がより多く集中していると予想される地帯に水平角度で貯留槽底部から入口の一部が引き出される水平ポンプが装備されている。これらのポンプは、部品洗浄機が保守、保管、取扱い中に貯留槽から切り離されたときに衝撃を受けやすい。洗浄液をポンプに通すことができると同時に、ポンプを保護し破片がポンプの内部導管に到達する前にポンプを損傷するほどのサイズの破片を回収するために、洗浄液の層化特性を利用して浮遊している破片の一部をフィルタを介して除去することができる改良形ポンプ装置を有する部品洗浄機が、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、概ね、洗浄液を用いて部品を洗浄する「部品洗浄機」と一般に呼ばれる装置の改良に関し、
洗浄液中に懸濁する金属粒子を回収するために、ポンプ入口近くに配置する磁石と、
取扱い中に衝撃からポンプ機構を保護し、プレナムの役目をするケーシングと、
水平配向または垂直配置で、一連の垂直層内で洗浄液中のくずの沈殿をうまく利用するために、水平入口をプレナム内としたポンプと、
貯留槽内の洗浄液の液位を計測する二つの液位センサーと、
洗浄液の蒸発分を閉じ込めるために、貯留槽と流し台との境界部に配置された蒸発制限板と、
衝撃から装置を保護するために、制御部の操作部の隣りに設置された、保護ハンドルバーまたは制御部ケーシング内の成形縁部と、
作業中に脈動流を用いてオペレータに低液位を警告するポンプと、を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の種々の特徴は、新規なものであると考えられ、かつ、特に、添付の特許請求の範囲に定める。本発明は、添付の図面に関連して行う以下の説明を参照すれば最もよく理解できるであろう。同一の参照番号を用いた図は、同一の要素を示している。
【0013】
【図1】本開示の一実施形態に従って構成された改良形部品洗浄機の斜視図である。
【図2】本開示の第一実施形態による、図1に示すような改良形部品洗浄機モジュールの斜視図であり、ポンプがプレナムの隣りに水平入口と垂直出口とを有する。
【図3】本開示の第一の実施形態による、図2に示すような改良形部品洗浄機モジュールの分解斜視図である。
【図4】本開示の第二実施形態による、改良形部品洗浄機モジュールの斜視図であり、水平出口と垂直入口とを有するポンプが装備される。
【図5】本開示の第二実施形態による、図4に示すような改良形部品洗浄機モジュールの分解図である。
【図6】本開示の別の実施形態に従って構成された、矩形貯留槽を有する改良形部品洗浄機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の改良形部品洗浄機は、主として、商業用途および工業用途での部品洗浄作業に関連した使用に向けたものである。本開示は、一般的に、洗浄液を使用する、一般的に「部品洗浄機」という、部品を洗浄する装置の改良点に関するものである。以下に提案する改良点は従来技術を凌ぐ真の改良形を成すが、いかなる点、形状、または形態においても、先に開示した本発明の新たな主題のいずれも制限するものと解釈することはできず、参照により本明細書に組み入れられる。以下で説明する新規的な本発明の特徴は、これらの言及品を凌ぐ自明ではない改良点であり、また、後知恵の利点をもって検討すべきではない。部品洗浄機に関係する過去の特許は、参照により本明細書に組み入れられることから、諸要素に関係する矛盾するもしくは付加的な本明細書の開示内容は、可能ならば、整合的かつ付加的な開示内容と解釈しなければならない。矛盾する開示内容の場合、この開示内容に特定の意味を与えるべきであり、組み込まれた開示内容には、可能ならば一般的な意味を与えるものとする。
【0015】
本発明は、一般的に、洗浄液を使用して部品を洗浄する装置であって、洗浄液中に懸濁する金属粒子を回収するためにポンプ入口近くに位置する磁石に限らず、一つの好適な実施形態においてはケーシングの外側に配置される磁石と、取り扱い中にポンプ機構を衝撃から保護し、かつ、ポンプとケーシングとの間のプレナム(plenum)空間を作り出すケーシングと、洗浄液中のくずの沈殿をうまく利用するためのポンプおよび/またはポンプ入口の水平方向の配向と、貯留槽内の洗浄液の液位を計測するための二つの液位センサーの使用と、貯留槽内の洗浄溶液の蒸発分を制限するために貯留槽と容器との境界部に配置する蒸発制限板と、制御部の操作部の隣りに設置された二つの保護ハンドルバーまたは装置を衝撃から保護するための制御部ケーシング内の成形縁部と、ユーザーに貯留槽内の低液位を警告するための脈動流ポンプとを有する装置の改良点に関するものである。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に従って構成された改良形部品洗浄機100の斜視図を示している。部品洗浄機100は、機械部品を洗浄するのに使用され、洗浄液3を入れるための貯留槽2上に接続された容器1と、容器1と貯留槽2とを連通させるために容器1内に形成された排水口(図示せず)と、改良形部品洗浄機モジュール200として示されたもの全体とを備えることができる。一つの可能な構成では、ユーザー(図示せず)は、機械装置を用いて、容器1、貯留槽2および部品洗浄機モジュール200を、部品洗浄機100を用いて部品が洗浄される作業場に、運搬または輸送することができる。部品洗浄機100は、電気ケーブル17を用いて、電気コンセント(図示せず)に接続される。電気用プラグ18を電気コンセント(図示せず)に差込み後、電源として、電力を使用することは知られている。また、限定されないが、発熱体15、ポンプ10、制御部14およびランプ8のように、電力を必要とする各要素に電力を供給するために、部品洗浄機内に変圧器や配電を用いることも知られている。
【0017】
図1に示されるような部品洗浄機モジュール200は、制御部14、ハンドル12、フレーム13、ポンプ10、発熱体15、および以下で説明するように、それらに付随する機械的、機能的および電気的な接続を備えることができる。他の実施形態では、部品洗浄機モジュール200は、図2と図3に示すような液位検出器16、第一センサー19、第二センサー20、および、ポンプ10または磁石22用の保護ガード21も備えることができる。
【0018】
図1に示す容器1は、ステンレス鋼、プラスチック、または他の堅牢な材料で作られた市販の流し台であってもよい。容器1は、複数の、好ましくはテーパー付きの側壁5、上方周縁部6、および後壁4を取り付けることができる幅を増した後縁部7を備えることができる。部品洗浄中、オペレータ(図示せず)を支援するために、ライト8を使用してもよい。平坦な底部を有する長方形の容器1が図1では示されるが、意図されるのは、本開示の諸原理に従って洗浄液を保持するように設計される、任意の有用な外形の任意の容器1である。図6は、本開示の別の実施形態に従って構成された長方形状の貯留槽を有する改良形部品洗浄機の斜視図である。容器部をオペレータ(図示せず)が部品を洗浄する時よく見えるような作業領域に変えるために、ランプ8と、容器1に取り付けられた後壁4の使用も示されている。好適な一実施形態において、後壁4は、ヒンジを用いて容器1に取り付けられるが、留め具、溶接、スライドレール、ボルトなどを含むがこれらに限定されない他のタイプの固定手段も考えられる。また、作業領域で使用される任意のタイプの装置またはシステムが考えられ、それは限定されないが、工具および文書の保持および保管、二次洗浄品の保管または使用のための様々な装置、通信装置、および、部品洗浄機の操作や作業領域内で行われる作業の管理用の制御端末を備える作業領域が含まれる。
【0019】
容器1と貯留槽2との間の排水部(図示せず)は、容器1すなわち流し台の定義内で含意されている。栓または他の排水制限または排水濾過装置を含む、任意のタイプの排水部(図示せず)が、考えられる。また、ラック、ストレーナ、ホルダ、および容器1内での洗浄液3の使用を管理するために容器1内に作られた湾曲部の使用も、考えられる。限定するものではない一例として、部品を浸漬することができる容器1の底部で、洗浄液の容積を維持するために容器1内に特定の高さにて作られる排水部としての横方向のスリットの使用も、考えられる。また、貯留槽2から容器部に洗浄液3を移動させるためにポンプ10または他の装置で洗浄液が貯留槽から移動し、最終的には、容器1内の短い制御された通路を通過した後、重力によって容器1内の排水部(図示せず)から再び貯留槽2内に排水される任意のシステムも、考えられる。
【0020】
洗浄液3は、ポンプ10によって貯留槽2から容器部まで、最終的には、オペレータによって洗浄される部分(図示せず)まで押し上げられる。洗浄液3が容器部内に放出されると、洗浄液は、部品を洗浄するために使用され、その後、重力によって排水部を通って貯留槽2内に流れる。米国特許第7,0404,161号(引用により本明細書に組み入れられる)の図2は、貯留槽2から容器1への洗浄液の流れを制御する種々の方法に関連して、考えられる例が示されている。この図では、ホースコネクタおよびブラシと共にユーザーが選択可能な弁が使用される装置が示されている。本開示の図1は、ポンプ10の出力ホース9の端部11間の結合部がユーザーによって操作される弁に結合されていない構成を示す。出力ホース9の端部11がノズル、ユーザー選択可能な弁、ホース、または他のタイプのコネクタなどの流量制御装置に取り付けられなければならない一つの可能な実施形態が示されるが、ポンプ10によって洗浄液が出力ホース9に移動される任意の構成を用いることができることが、当業者によって理解される。
【0021】
図1に示すような部品洗浄機モジュール200は、貯留槽2と容器1との境界部に取り付けられる。部品洗浄機モジュール200は、部品洗浄機モジュール200を取り扱い、保持し、持ち上げ、かつ、所定の位置に固定するハンドル12を備えることが理解される。図1に示すような一実施形態においては、部品洗浄機モジュール200は、釣り合いおもり式で貯留槽2に取り付けられる。ポンプ10と、発熱体15と、図2に示すような液位検出器16とが装備される、部品洗浄機モジュール200のフレーム13の第一の部分は、貯留槽2の内側に設置されて、洗浄液3と接触される。釣り合いおもりがないときは、フレーム13は、貯留槽2内で移動することができよう。フレーム13を安定させるために、制御部14が、フレーム13の内、貯留槽2の外側に位置する第二の部分に取り付けられる。フレーム13の内側または外側の任意の変位も、他方の釣り合いおもり部分の関連する変位に対応しなければならない。例えば、貯留槽2と容器1との境界部から指令部がその基部で持ち上げられると、ポンプは、貯留槽2によって内側へ阻まれる。フレーム13を固定し安定させる一つの方法が示されているが、垂直支持体、半径方向支持体、機械式固定手段、または、固定開口部、磁石、留め具などを含むがこれらに限定されない、貯留槽2上の部品洗浄機モジュール200のフレーム13または異なる構成要素を固定する任意の方法が、本開示の範囲内で企図されている。
【0022】
図1から図3は、ある流量で貯留槽2から容器1に洗浄液3を移動させるポンプ10の一つの可能なタイプを示している。図4から図5は、ポンプ110が、ある流量で貯留槽2から容器1に洗浄液3を移動させるように設計された第二の可能な実施形態を示している。二つの異なるタイプのポンプ10、110が示されているが、貯留槽2から容器1に洗浄液3を移動させることができる任意のタイプのポンプの使用が考えられる。図3は、ポンプ出口23がポンプ10より上方に位置し、かつ、電気接続部24が図の正面として図3に示すポンプ10の背面に位置するポンプ10の分解図である。洗浄液入口を有する面として規定されるポンプの正面は、保護ガード21とポンプ10とによって規定されたプレナム内に入れられる。図5は、ポンプ出口123がポンプ110正面に位置し、電気接続部124がポンプ110の上に位置するポンプ110の分解図である。両方のタイプのポンプ10、110には、好ましい実施形態においては、前壁25、125と、後壁26、126と、固定壁27、127とを有するC字形金属ケーシングとして示す保護ガード21、121を装備することができる。図3のポンプ10は、下部板28によって保持され、一方、図5のポンプ110は、中間板128によって保持される。両方の板28、128は、ポンプ入口(図示せず)への洗浄液3の進入を可能にすると同時に、ポンプ10、110を保持する役目をする。大きな破片および洗浄液3中に懸濁する他の粒子からポンプ入口を保護するフィルタ130が、図5に示されている。保護ガード21および下部板28内に収容される容積によって、入口でポンプ10の前のプレナム領域内に間接的フィルタが作り出される。ポンプ10は、垂直出口23と水平入口(図示せず)を伴って水平方向に向けられる。ポンプ110は、垂直入口と水平出口123を伴って垂直方向に向けられる。
【0023】
ポンプ間の一つの相違点は、ポンプ10、110のそれぞれの外形形状のみに基づいて、保護ガード21、121と比較すると、図3と図5に示すように、保護ガード21、121の外側に磁化ブロック22、122が配置される点である。一つの可能な実施形態のみが示されており、かつ、保護ガード21、121の外側にあるポンプ入口(図示せず)の隣りの洗浄液3通路内での磁化ブロック22、122の設置が、企図されている。磁化ブロック22、122の使用は、金属のくずなど、洗浄液3中に懸濁する磁気特性を有する磁化粒子または材料の回収に対応するものである。図3と図5に示すような磁化ブロックは、一つの好適な実施形態においては、ねじによって固定されるが、スライドレール、留め具、磁化面、接着剤、溶接、ボルトなどを含むがこれらに限定されない任意の固定方法が考えられる。また、一つの好適な実施形態においては、保護ガード21は、固定ノブともいう固定ネジ31と共に使用される滑りレールを有する下部板28も装備される。このシステムは、供給される洗浄液が破片のない状態で流れることができるプレナム領域を作り出すために保護ガード21の内側でのポンプ10の変位に対応するものである。図5に示すようなポンプ110の中間板128は、妨げられずに通過できるようにポンプおよびフィルタ130の底部分に開口部を有する。
【0024】
図3はまた、貯留槽2内に配置された液位検出器16を示し、これは、液位検出器16の第一のセンサー19の位置に概ね対応した少なくとも所定の高さに図1の洗浄液3が配置されたときに、第一のセンサー19を用いて第一の信号、一般的に電気信号を発生させる。一実施形態においては、第一のセンサー19は、中間接合部に位置し、第二のセンサー20は、液位検出器16の下端部に位置する。一実施形態においては、第二の信号は、洗浄液3がこの高さを下回る第一の所定の高さより下に配置されたときに発生する。制御部14は、ポンプ10、110に接続され、かつセンサー19、20から第一と第二の信号の一つを受信する液位検出器16に接続される。制御部14は、液位検出器16の第一または第二のセンサー19、20に到達したときに、ポンプ10、110が脈動式に機能して、容器1内に洗浄液3の脈動流を作り出すことを可能にする。また、第一および第二のセンサー19、20のいずれも、貯留槽内の洗浄液3の液位を監視して、洗浄液3が、発熱体15が十分に浸漬されないことによって損傷を受け得る低い液位になった場合に発熱体15をオフにすることができる。一つの好適な実施形態においては、ポンプ10、110は、脈動して流量を人工的に変化させる。更に別の好適な実施形態においては、液位検出器は、市販のサーミスタである。更に別の好適な実施形態においては、液位検出器16は、T字形ヘッド上の交差軸線上に配向された一対のサーミスタを備える。
【0025】
図4から図5に示すような垂直配向でのポンプ110の使用は、浮遊中の埃または他の粒子が多く含まれていても、その影響を受けにくい洗浄液3の最上層の優先的供給を可能とする。ポンプ10は、水平である限り、下部板28と共に使用され、プレナムから吸引して、洗浄液3の最上層のみを汲み出すか、または、ポンプ10の背面からポンプ10の正面に流れるであろう上層から洗浄液を汲み出す。
【0026】
一つの代替実施形態においては、境界板37は、貯留槽2の内側に位置する洗浄液3の蒸発を防止するために、それぞれ、図3と図5に示すように、貯留槽2と容器1との境界部に接続される。境界板37は、部品洗浄機モジュール200上、または、貯留槽2と容器1との境界部の所定の位置に嵌合するかまたは固定することができる。図3と図5は、境界板37を所定の位置に挿入かつ固定することを可能にする固定アーム38の使用を示す。また、発熱体15と液位検出器16の好適な実施形態においては、通路に対応するために境界板37の外側部分の一部の除去が示されている。好適な実施形態においては、境界板37は円弧形状であるが、境界板37の形状は、貯留槽2と容器1の接合部に作り出された介在スペースに基づくことが、当業者によって理解される。また、貯留槽2と容器1との間に他の介在スペースが存在する場合、容器周りに他の配向で位置する他の境界板の使用も、考えられる。貯留槽2からの洗浄液3の蒸発を防止するための境界板の使用が、本開示のために企図されていることは、当業者によって理解される。更に別の実施形態においては、「上」という語などの目印が、境界板上面と境界板下面と区別するために使用される。しかし、記号、絵文字および他の認識可能な目印を含む任意の言語による任意の目印を使用できることが理解される。
【0027】
更に別の実施形態においては、フレーム13は、貯留槽2内に配置され、ある流量で貯留槽2から容器1へ洗浄液3を移動可能に、フレーム13に接続されたポンプ10と、貯留槽2内に配置され、洗浄液を加熱可能に、貯留槽2内の洗浄液3と接触してフレーム13に接続された発熱体15と、制御部14とを備え、この制御部は、一実施形態においては、図2と図4に示すような一対のハンドルバー60と、ランプ8、発熱体15およびポンプ10を作動させる一連の操作部61とを有する。ここで、ハンドルバー60は、一連の操作部61を衝撃から保護するために、一連の操作部61の近傍に配置される。更に別の実施形態においては、制御部14は、補強棒の役目をし、また部品洗浄機100または部品洗浄機モジュール200を取り扱うために使用できる一つのハンドルバー60を備える。ハンドルバー60は、制御部14のケーシング内に作ってもよい。更に別の実施形態においては、ハンドルバー60の代わりに、一連の操作部61を保護するために制御部14ケーシング内に作られた成形縁部の使用も考えられる。一つの可能な保護方法を示して説明しているが、一連の操作部61を衝撃から保護可能に、内蔵または追加された任意の手段の使用が考えられる。
【0028】
また、図1は、貯留槽2の洗浄液3を加熱するのに使用される発熱体15を示しており、発熱体15は、制御部14に接続された単一コイルヒーターで作られ、かつ、ポンプ10の入力部(図示せず)にて局所的により十分な加熱を行うために湾曲されている。
【0029】
これらの改良点には、
金属粒子は循環中にポンプの内側を損傷し得るが、洗浄液中に懸濁する金属粒子を回収するためにポンプ入口近くに配置された磁石の使用、
取扱時に衝撃からポンプ機構を保護し、プレナム領域を作り出すケーシング、
連続した垂直層内での洗浄液の分離をうまく行うためのポンプの水平配向、または、連続した垂直層内での洗浄液の分離をうまく行うためにプレナム領域と共に作用する垂直配向ポンプの使用、
貯留槽内の洗浄液の液位を計測して、結果として発熱体を管理するための二つの液位検出器の使用、
洗浄液の蒸発部を制限するために、貯留槽の上縁部に配置される蒸発制限板、
衝撃から装置を保護するために、制御部の操作部の隣りに設置される保護ハンドルバー、または制御部保護ケーシング内の成形縁部、
および、ユーザーに貯留槽内の洗浄液の低液位を警告するために、脈動流を作り出すセグメント化されたポンプモーター制御
が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
これらの要素および工程は、本開示の発明を実施するために必要とされる諸要素に対応し、これらの改良点を実行するために他の補助的な要素を採ることができるが、本開示の発明の有効性および完成度には影響を与えないことが、当業者によって理解される。本発明の教示は、特定の実施形態に関連して例示されたが、当該実施形態に発明を限定する意図はないことを、当業者は認識する。それどころか、本出願の意図は、本発明の教示内容の範囲に正当に該当する全ての改変および実施形態を包含することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液をある液位で収容する貯留槽と、
前記貯留槽上に接続された容器と、
前記容器と前記貯留槽とを連通するよう前記容器内に形成された排水部と、
前記貯留槽に接続されたフレームと、
前記フレームに接続され、前壁、後壁および下部板を含むガードと、
前記下部板に接続され、これにより前記前壁、前記後壁および前記下部板との間にプレナム容積を形成するとともに、制御部にも接続されたポンプと、
前記制御部により作動する時、前記ポンプがある流量で前記洗浄液を前記プレナム容積から前記容器に移動させるよう、前記プレナム容積に直接連通するポンプ入口と、
前記制御部に接続された上端部と、前記ポンプの近傍に配置された下端部と、前記上端部と前記下端部との間に配置された中間接合部と、前記中間接合部に接続され、前記洗浄液の液位がこれと同一又はこれより上にある時に、前記洗浄液の第一温度を表す第一信号を発生する第一センサーと、前記下端部に接続され、前記洗浄液の液位がこれと同一又はこれより上にある時に、前記洗浄液の第二温度を表す第二信号を発生する第二センサーと、を有し、前記貯留槽内に配置された液位検出器のセットと、
前記フレームに接続されているとともに、前記第一センサーにより発生した前記第一信号を受信及び監視するよう前記第一センサーに接続され、且つ、前記第二センサーにより発生した前記第二信号を受信及び監視するよう前記第二センサーに接続された制御部とを備え、
前記制御部は、処理装置と、プログラムを記憶するメモリーとを含み、前記プログラムは、前記処理装置に読み込まれたとき、前記第一信号と第一設定値との比較及び前記第二信号と前記第二設定値との比較により、液位の位置を決定させるよう、前記制御部に機能させる
ことを特徴とする部品洗浄機。
【請求項2】
前記プログラムに応じて、前記第一信号が前記第一設定値より大きく且つ前記第二信号が前記第二設定値以下である場合に、前記流量を調整するために、前記ポンプの作動および停止を交互にさせることにより、前記下端部と前記中間接合部との間に配置された位置により定義された初期低液位を示すよう、前記制御部がさらに機能する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項3】
前記ポンプは、モーター、洗浄液入口、ケーシング、および保護ガードを備える
ことを特徴とする請求項2に記載の部品洗浄機。
【請求項4】
前記ポンプの作動および停止は、脈動式に行われる
ことを特徴とする請求項2に記載の部品洗浄機。
【請求項5】
前記ポンプと前記洗浄液入口は、垂直方向へ向けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の部品洗浄機。
【請求項6】
前記洗浄液が前記洗浄液入口と共に前記貯留槽に接触可能に、複数の開口を有する粒子フィルタをさらに備える
ことを特徴とする請求項3に記載の部品洗浄機。
【請求項7】
磁性を有する部品が、前記洗浄液中に懸濁する金属粒子の濾過に使用される
ことを特徴とする請求項3に記載の部品洗浄機。
【請求項8】
前記磁性を有する部品は、前記保護ガードに設置される
ことを特徴とする請求項7に記載の部品洗浄機。
【請求項9】
前記保護ガードが、ステンレス鋼製である
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項10】
前記プレナム容積が沈澱濾過域である
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項11】
前記第一信号が前記第一設定値より大きく且つ前記第二信号が前記第二設定値以下である場合に、前記液位の位置が、前記下端部と前記中間接合部との間に配置された位置により定義された初期低液位に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項12】
前記第一センサーおよび第二センサーは、サーミスタである
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項13】
前記下端と前記中間端とは、T字形接合具の端部に隣接して配置された
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項14】
境界板が、前記制御部に接続されるとともに前記貯留槽と前記容器との境界部に配置され、前記貯留槽内に配置された前記洗浄液の蒸発を防止する
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項15】
前記境界板は、前記制御部にパチンと固定される
ことを特徴とする請求項14に記載の部品洗浄機。
【請求項16】
前記境界板は、円弧形状である
ことを特徴とする請求項14に記載の部品洗浄機。
【請求項17】
前記境界板の上面と前記境界板の下面とを区別するために表示がなされた
ことを特徴とする請求項14に記載の部品洗浄機。
【請求項18】
前記制御部は、前記流量を制御するための一連の操作部を衝撃から保護するために、前記一連の操作部の近傍に配置される少なくとも一つの保護部を、さらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の部品洗浄機。
【請求項19】
前記少なくとも一つの保護部は、二つのハンドルバーである
ことを特徴とする請求項18に記載の部品洗浄機。
【請求項20】
前記少なくとも一つの保護部は、前記制御部のケーシング内の外縁部である
ことを特徴とする請求項18に記載の部品洗浄機。
【請求項21】
前記二つのハンドルバーは、前記一連の操作部を保護するために補強棒として機能する
ことを特徴とする請求項19に記載の部品洗浄機。
【請求項22】
前記少なくとも一つの保護部は、前記部品洗浄機を取り扱うために使用される
ことを特徴とする請求項18に記載の部品洗浄機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−110896(P2012−110896A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48884(P2012−48884)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【分割の表示】特願2007−280469(P2007−280469)の分割
【原出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(307004442)セーフティ・クリーン・システムズ・インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】