説明

部材の清浄化方法

【課題】部材の内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができる部材の清浄化方法を提供する。
【解決手段】液体を通す流路を有するインクジェットヘッド1の本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aに、光触媒13をコーティングして、この光触媒13がコーティングされたインクジェットヘッド1の本体部2とオリフィスプレート3を焼成し、焼成したインクジェットヘッド1の本体部2の光触媒13とオリフィスプレート3の光触媒13に紫外光31を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材の清浄化方法に関し、特に例えば部材であるインクジェットヘッドの液体が通る流路が形成された面を清浄化する部材の清浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスプロセスで使用される機器、例えばインクジェットヘッドを例に上げると、インクジェットヘッドは、インクジェット装置に設けられて塗布液のような液体を、液滴として吐出してワークに塗布するヘッドである。インクジェットヘッドは、例えば本体部とオリフィスプレートを有しており、本体部には複数の駆動部とダイアフラムと複数の液体の加圧室等が形成されている。オリフィスプレートにはこの加圧室に連通する複数のオリフィスが形成されている。加圧室とオリフィスはノズル部を構成している。 この本体部の内面には加圧室が開口され、オリフィスプレートの内面にはオリフィスが開口されており、本体部の内面とオリフィスプレートの内面は、インクジェットヘッドを組み立てる際に接合される接合内面である。この本体部内の加圧室に液体が流れると、駆動部がダイアフラムを振動させて、この振動により加圧室内の液体をオリフィスから液滴として吐出すようになっている。
【0003】
ところで、気体が流れるガス供給用ノズルを清浄化する方法が、特許文献1に開示されている。このノズルには、ノズルの外周面に沿って堆積物を分解除去するための清浄化用ガスを供給できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003―282453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された清浄化ガスをノズルに供給すると、大掛かりな構造になってしまい、大型化が避けられない。また、インクジェットヘッドに液体が流れるが、インクジェットヘッドの使用時間が長くなると、インクジェットヘッドの接合内面では液体の付着による汚染が進み、加圧室からオリフィスを通じて流れる液体の液量が変化したり、液体が詰まったりすることがある。このために、インクジェットヘッドの接合内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを頻繁に行う必要があり、メンテナンス作業が面倒である。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、部材の内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができる部材の清浄化方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の部材の清浄化方法は、部材の面に光触媒をコーティングし、前記光触媒がコーティングされた前記部材を焼成し、焼成した前記部材の前記光触媒に光を照射することを特徴とする。上記構成によれば、部材の内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができる
本発明の部材の清浄化方法では、前記光触媒は、紫外線に反応することを特徴とする。上記構成によれば、部材の面が汚れても、紫外線を照射することで、水の接触角を簡単に回復することができる。
【0008】
本発明の部材の清浄化方法では、前記部材は、液体を通す流路を有するインクジェットヘッドであり、前記部材の面は、前記インクジェットヘッドの前記流路が形成された本体部の内面と、前記本体部の内面に接合され、オリフィスを有するオリフィスプレートの内面であることを特徴とする。上記構成によれば、本体部の内面とオリフィスプレートの内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができ、本体部の内面とオリフィスプレートの内面のメンテナンスの簡易化とインクジェットヘッドの寿命の延長が図れる。
【0009】
本発明の部材の清浄化方法では、前記部材は、液体が通る配管の内面であることを特徴とする。上記構成によれば、部材の内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができ、配管のような部材の内面のメンテナンスの簡易化と部材の寿命の延長が図れる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部材の内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができる部材の清浄化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の部材の清浄化方法を実施する部材の一例であるインクジェットヘッドを示す斜視図である。
【図2】図2(A)は、インクジェットヘッドの本体部を示し、図2(B)では、図2(A)に示す本体部の内面にコーティングされた光触媒を示す図である。
【図3】加熱手段によりインクジェットヘッドの本体部を加熱する様子を示す図である。
【図4】高圧水銀ランプによりインクジェットヘッドの本体部に紫外線を照射している様子を示す図である。
【図5】インクジェットヘッドの本体部の内面の清浄化方法の工程を示すフロー図である。
【図6】本発明の部材の清浄化方法を実施する別の部材を示し、図6(A)は、インクジェットヘッドのオリフィスプレートを示し、図6(B)は、図6(A)に示すオリフィスプレートの内面にコーティングされた光触媒を示す図である。
【図7】加熱手段によりインクジェットヘッドのオリフィスプレートを加熱する様子を示す図である。
【図8】高圧水銀ランプによりインクジェットヘッドのオリフィスプレートに紫外線を照射している様子を示す図である。
【図9】本発明の部材の内面の清浄化方法のさらに別の実施形態を示す図である。
【図10】加熱手段により部材である配管を加熱する様子を示す図である。
【図11】高圧水銀ランプにより部材である配管に紫外線を照射している様子を示す図である。
【図12】部材の内面の清浄化方法の工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の部材の清浄化方法を実施する部材の一例であるインクジェットヘッドを示す斜視図である。
【0014】
図1(A)に示すインクジェットヘッド1は、インクジェット装置に設けられて、塗布液のような液体を、ワークWに対して液滴として吐出して塗布するヘッドである。このインクジェットヘッド1は、例えば液晶カラーフィルタのようなワークWを製造するのに用いることができる。
【0015】
図1(B)は、インクジェットヘッド1の本体部2とオリフィスプレート3を分解して示す斜視図である。本体部2には、駆動部としての例えば複数のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛:ピエゾアクチュエータ)4が配列されている。本体部2には、各PZT4に対応してダイアフラム5が配置されており、各PZT4とダイアフラム5に対応して加圧室6が設けられている。加圧室6はオリフィスプレート3のオリフィス7に連通している。加圧室5とオリフィス3はノズル部を構成している。
【0016】
図1に示すPZT4が長手方向に膨張することにより、ダイアフラム5には振動が発生する。このダイアフラム5の振動が加圧室6内に導入されている塗布液8に伝わる。塗布液8に伝わった圧力波がオリフィス7まで伝わり、オリフィス7から液滴9が吐出されて、ワークWに塗布されるようになっている。
【0017】
ところで、図1(B)に示すように、本体部2は内面2Aを有しており、オリフィスプレート3は内面3Aを有している。本体部2の内面2Aと、オリフィスプレート3の内面3Aは、インクジェットヘッドを組み立てる際に互いに突き合わせて接合される接合内面に相当する。本体部2の内面2Aには加圧室6が開口しており、オリフィスプレート3の内面3Aにはオリフィス7が開口している。
【0018】
これらの本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aは清浄化処理して、本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aのそれぞれのぬれ性を改善して超親水性を確保してから、突き合わせてインクジェットヘッド1を組み立てることが望ましい。そうでないと、本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aの接合部分は塗布液により汚れが進み、その汚れにより気泡が溜まり易く、この気泡がインクジェットヘッド1の塗布液の流路である例えば加圧室6に入り込むと、塗布液8の液滴9がオリフィス7からスムーズに吐出すことができないおそれがある。
そこで、図2〜図5は、本発明の部材の内面の清浄化方法の実施形態を示しており、インクジェットヘッド1の本体部2の内面2Aの清浄化処理に適用した実施形態を示している。
【0019】
図2(A)は、インクジェットヘッド1の本体部2を示している。図2(B)では、図2(A)に示す本体部2の内面2Aには、光触媒13がコーティングされている。図3は、加熱手段20によりインクジェットヘッド1の本体部2を加熱する様子を示しており、図4は、高圧水銀ランプ30によりインクジェットヘッド1の本体部2に紫外線31を照射している様子を示している。
【0020】
図5は、インクジェットヘッド1の本体部2の内面2Aの清浄化方法の工程を示すフロー図であり、インクジェットヘッド1の本体部2の内面2Aの清浄化処理を、ステップS1〜ステップ5で示している。
【0021】
図2と図5のステップS1に示すように、本体部2の内面2Aには、光触媒13が塗布することでコーティングされる。この本体部2の内面2Aに対する光触媒13のコーティング処理では、光触媒13としては例えば酸化チタンを採用できるが、光触媒13が酸化チタンである場合の酸化チタンの濃度は、1〜20wt%である。
【0022】
もし、酸化チタンの濃度が、1wt%未満であると、本体部2の内面2Aのぬれ性を確保できないので好ましくない。また、酸化チタンの濃度が、20wt%を超えると、過剰な酸化チタンをコーティングするのでコストダウンが図りにくいので好ましくない。
【0023】
次に、図3と図5のステップS2に示すように、光触媒13がコーティング済みの本体部2は、加熱手段20の中に配置されて、例えば300℃で焼成される。
【0024】
その後、図4と図5のステップS3に示すように、加熱済みの本体部2は、加熱手段20から出されて、紫外線照射手段である高圧水銀ランプ30により紫外線31を、本体部2の内面2Aに対して例えば5分間照射する。高圧水銀ランプ30により紫外線31を本体部2の内面2Aに対して照射した後に、本体部2の内面2Aの光触媒13における水の接触角を測定すると、水の接触角は<5度であった。
【0025】
そして、図5のステップS4に示すように、オレイン酸を水に1%混ぜて、本体部2の内面2Aを浸しておいたところ。24時間後の接触角は60度まで上昇していたが、ステップS5において、再度、図4に示す高圧水銀ランプ30により紫外線31を、本体部2の内面2Aに対して5分間照射した後に、本体部2の内面2Aの光触媒13における水の接触角を測定すると、水の接触角は<5度まで回復していた。このように、本体部2の内面2Aには光触媒13がコーティングされているので、本体部2の内面2Aが汚れても、紫外線31を照射することにより、水の接触角を簡単に回復することができる。水の接触角が回復したのは、光触媒13の汚染分解効果と、超親水効果によるものである。
【0026】
本体部2の内面2Aに対して光触媒13を塗布して、洗浄したい時には、光を照射すればぬれ性が良くなり、本体部2における液体の加圧室等の流路は一定の流路状態を維持することができる。
【0027】
本体部2の内面2Aの内面(内部表面ともいう)2Aに塗布される光触媒13は、紫外線照射が必要な材質のものに限らず、可視光反応型の光触媒でも良い。この可視光反応型の光触媒を用いる場合には、図4において高圧水銀ランプ30に代えて通常の蛍光灯等の光発生手段を配置すれば、高圧水銀ランプ30により紫外線を照射した場合と同様な水の接触角の回復効果が期待できる。
従来、部材の内面を液体が流れる場合に、流れる塗布液の一部が本体部2の内面2Aに付着し、インクジェットヘッドの使用時間が長くなりと塗布液の付着による汚染が進み、流れる塗布液の液量が変化したり詰まったりすることがある。このために、本体部2の内面2Aでは、本体部2の内面2Aに付着した汚染物を除去するメンテナンスを頻繁に行う必要があり、メンテナンス作業が面倒である。
【0028】
しかし、本発明の本体部2の内面2Aの清浄化方法を実施することで、本体部2の内面2Aに付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易にしかも確実に行うことができる。このため、本体部2の内面2Aのメンテナンスの簡易化とインクジェットヘッドの寿命の延長が図れる。
【0029】
次に、図6〜図8は、本発明の部材の内面の清浄化方法の別の実施形態を示しており、インクジェットヘッド1のオリフィスプレート3の内面3Aの清浄化処理に適用した実施形態を示している。このオリフィスプレート3の内面3Aの清浄化処理は、本体部2の内面2Aの清浄化処理と同様に行うことができる。
【0030】
図6(A)は、インクジェットヘッド1のオリフィスプレート3を示している。図6(B)では、図6(A)に示すオリフィスプレート3の内面3Aには、光触媒13がコーティングされている。図7は、加熱手段20によりオリフィスプレート3の内面3Aを加熱する様子を示しており、図8は、高圧水銀ランプ30によりオリフィスプレート3の内面3Aに紫外線31を照射している様子を示している。
【0031】
図6に示すように、本体部2の内面2Aには、光触媒13が塗布することでコーティングされる。光触媒13が酸化チタンである場合の酸化チタンの濃度は、上述した場合と同様に例えば1〜20wt%である。
【0032】
次に、図7に示すように、光触媒13がコーティング済みのオリフィスプレート3は、加熱手段20の中に配置されて、例えば300℃で焼成される。
【0033】
その後、図8に示すように、加熱済みのオリフィスプレート3の内面3Aは、加熱手段20から出されて、紫外線照射手段である高圧水銀ランプ30により紫外線31を、オリフィスプレート3の内面3Aに対して例えば5分間照射する。高圧水銀ランプ30により紫外線31を、オリフィスプレート3の内面3Aに対して照射した後に、オリフィスプレート3の内面3Aの光触媒13における水の接触角を測定すると、水の接触角は<5度であった。
【0034】
そして、オレイン酸を水に1%混ぜて、オリフィスプレート3の内面3Aを浸しておいたところ。24時間後の接触角は60度まで上昇していたが、再度、図8に示す高圧水銀ランプ30により紫外線31を、オリフィスプレート3の内面3Aに対して5分間照射した後に、オリフィスプレート3の内面3Aの光触媒13における水の接触角を測定すると、水の接触角は<5度まで回復していた。このように、オリフィスプレート3の内面3Aには光触媒13がコーティングされているので、オリフィスプレート3の内面3Aが汚れても、紫外線31を照射することにより、水の接触角を簡単に回復することができる。水の接触角が回復したのは、光触媒13の汚染分解効果と、超親水効果によるものである。
【0035】
本体部2の内面2Aと同様の要領で、オリフィスプレート3の内面3Aに対して光触媒13を塗布して、洗浄したい時には、光を照射すればぬれ性が良くなり、オリフィスは一定の流路状態を維持することができる。
【0036】
本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aに塗布される光触媒13は、紫外線照射が必要な材質のものに限らず、可視光反応型の光触媒でも良い。この可視光反応型の光触媒を用いる場合には、図4において高圧水銀ランプ30に代えて通常の蛍光灯等の光発生手段を配置すれば、高圧水銀ランプ30により紫外線を照射した場合と同様な水の接触角の回復効果が期待できる。
従来、部材の内面を液体が流れる場合に、流れる塗布液の一部が本体部の内面とオリフィスプレートの内面に付着し、インクジェットヘッドの使用時間が長くなりと塗布液の付着による汚染が進み、流れる塗布液の液量が変化したり詰まったりすることがある。このために、本体部の内面とオリフィスプレートの内面では、本体部の内面とオリフィスプレートの内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを頻繁に行う必要があり、メンテナンス作業が面倒である。
【0037】
しかし、本発明の本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aの清浄化方法を同時に実施することで、本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aに付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができ、本体部2の内面2Aとオリフィスプレート3の内面3Aのメンテナンスの簡易化とインクジェットヘッドの寿命の延長が図れる。
【0038】
(別の実施形態)
図9は、本発明の部材の内面の清浄化方法のさらに別の実施形態を示している。
【0039】
図9に示す部材10は、例えばデバイスプロセスに使用される配管である。
【0040】
部材10は、例えば円筒状の中空部材であり、外面部11と内面12を有している。部材10の材質は、石英ガラスであり、部材10の内面12には、光触媒13がコーティングされている。光触媒13としては酸化チタンを採用できる。
【0041】
図10は、加熱手段20により部材10を加熱する様子を示しており、図11は、高圧水銀ランプ30により部材10に紫外線31を照射している様子を示している。
【0042】
図12は、部材の内面の清浄化方法の工程を示すフロー図である。
【0043】
まず、図9と図12のステップS11に示すように、部材10は、例えば円筒状の中空の石英ガラスである。部材10の内面(内部表面ともいう)12には、光触媒13が塗布することでコーティングされる。光触媒13が酸化チタンである場合の酸化チタンの濃度は、1〜20wt%である。
【0044】
次に、図10と図12のステップS12に示すように、光触媒13がコーティング済みの部材10は、加熱手段20の中に配置されて、例えば300℃で焼成される。
【0045】
その後、図11と図12のステップS13に示すように、加熱済みの部材10は、加熱手段20から出されて、紫外線照射手段である高圧水銀ランプ30により紫外線31を、部材10に対して例えば5分間照射する。高圧水銀ランプ30により紫外線31を、部材10に対して照射した後に、部材10の内面12の光触媒13における水の接触角を測定すると、水の接触角は<5度であった。
【0046】
そして、ステップS14に示すように、オレイン酸を水に1%混ぜて、部材10を浸しておいたところ。24時間後の接触角は60度まで上昇していたが、再度ステップS15において、図11に示す高圧水銀ランプ30により紫外線31を、部材10に対して5分間照射した後に、部材10の内面12の光触媒13における水の接触角を測定すると、水の接触角は<5度まで回復していた。このように水の接触角が回復したのは、光触媒13の汚染分解効果と、超親水効果によるものである。
【0047】
部材10の内面12に対して光触媒13を塗布して、洗浄したい時には、光を照射すればぬれ性が良くなり、一定の流路状態を維持することができる。
【0048】
部材10の内面(内部表面ともいう)12に塗布される光触媒13は、紫外線照射が必要な材質のものに限らず、可視光反応型の光触媒でも良い。この可視光反応型の光触媒を用いる場合には、図91において高圧水銀ランプ30に代えて通常の蛍光灯等の光発生手段を配置すれば、高圧水銀ランプ30により紫外線を照射した場合と同様な水の接触角の回復効果が期待できる。
従来、部材の内面を液体が流れる場合に、流れる液体の一部が部材の内面に付着し、部材の使用時間が長くなりと液体の付着による汚染が進み、流れる液体の液量が変化したり詰まったりすることがある。このために、配管のような部材の内面では、部材の内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを頻繁に行う必要があり、メンテナンス作業が面倒である。
【0049】
しかし、本発明の部材の内面の清浄化方法を実施することで、部材の内面に付着した汚染物を除去するメンテナンスを容易に行うことができ、配管のような部材の内面のメンテナンスの簡易化と部材の寿命の延長が図れる。
【0050】
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、図1に示すインクジェットヘッドの形状は時に限定されない。さらに、本発明の実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、本発明の実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 インクジェットヘッド(部材の一例)、2 本体部、2A 本体部の内面、3 オリフィスプレート、3A オリフィスプレートの内面、4 PZT(駆動部)、5 ダイアフラム、6 加圧室、7 オリフィス、8 塗布液、10 部材、13 光触媒、20 加熱手段、30 高圧水銀ランプ、31 紫外線、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の面に光触媒をコーティングし、
前記光触媒がコーティングされた前記部材を焼成し、
焼成した前記部材の前記光触媒に光を照射することを特徴とする部材の清浄化方法。
【請求項2】
前記光触媒は、紫外線に反応することを特徴とする請求項1に記載の部材の清浄化方法。
【請求項3】
前記部材は、液体を通す流路を有するインクジェットヘッドであり、前記部材の面は、前記インクジェットヘッドの前記流路が形成された本体部の内面と、前記本体部の内面に接合され、オリフィスを有するオリフィスプレートの内面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部材の清浄化方法。
【請求項4】
前記部材は、液体が通る配管の内面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部材の清浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−67955(P2011−67955A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218383(P2009−218383)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】