説明

配向層用の重合性コポリマー

(a)光化学的に異性化可能なまたは二量化可能な分子が共有結合した、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、(b)増感剤が共有結合した、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、(c)場合により他のエチレン性不飽和コモノマーと、を含む組成物は、液晶用の重合性配向層を製造するのに格別適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)光化学的に異性化可能なまたは二量化可能な分子が共有結合した少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、(b)側鎖に共有結合した増感剤を有する1つのポリマーと、c)場合により他のエチレン性不飽和モノマーを含む組成物に;(平面)基材材料上に、前記組成物の場合により光架橋層を含む電気光学デバイスに;(平面)基材材料上に前記組成物の光架橋層を、前記光架橋層上に液晶層を含む電気光学デバイスに;液晶用配向層としてのコポリマーの使用に関するものである。
【0002】
近年、液晶用配向層は、電気光学素子、例えば液晶ディスプレイの生産で重要な役割を果たしている。これらの配向層は、液晶ポリマーと組合せて、他の用途もあるが、例えば光学遅延フィルタ、コレステリックフィルタ、反射防止フィルタ用の光学補正フィルムの生産に、および安全素子に使用することもできる。そのような配向層は、基材に塗布され、適切な波長およびエネルギー密度の(偏)光による照射時に、全表面でまたは選択的に架橋されるポリマーである。
【0003】
この技術は既知であり、例えば各種の光活性ポリマーについて、欧州特許第A−0 763 552号、米国特許第A−5 539 074号、国際公開公報第96/10049号、国際公開公報第01/53384号、および欧州特許第A−0 860 455号に記載されている。光活性ポリマーの光誘起架橋では、比較的高いエネルギー密度が必要である。感光性を高めるために、ポリマー分子に照射光の波長範囲において吸収し、光活性の異性化または二量化基にエネルギーを伝達する増感剤を添加することが可能であり、後者の基は選択した波長範囲において、たとえ励起される場合でも、僅かな程度のみ励起される。このようにして、必要なエネルギー密度は低減できるが、そのことは十分に実用的なものであるとはまだ見なされていない。
【0004】
驚くべきことに、配向層を作成するために、共有結合した異性化または二量化基を有するモノマーから成る、そして共有結合した増感剤を有するモノマーから成るコポリマーを使用する場合に、感光性がかなり高くなり、必要なエネルギー密度がかなり低下し、偏光された照射光の方向についての情報がエネルギー伝達の間に維持されるということが今や見出されている。
【0005】
最初に本発明は、
(a)光化学的異性化または二量化分子が共有結合した少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
(b)増感剤が共有結合した少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
(c)場合により他のエチレン性不飽和コモノマーと、
を含む組成物を提供する。
【0006】
モノマー(a)は、好ましくは、光化学的異性化または二量化分子が、直接あるいはエステルまたはアミド基中の架橋基を介して共有結合したアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミドの群より選択される。
【0007】
本発明のコポリマーは、ランダムコポリマーである。
【0008】
光化学的に異性化可能なまたは二量化可能な分子は、例えば、放射線の影響下でシス/トランス異性化または[2+2]−シクロ付加を受けて、ポリマーの架橋を引き起こす分子である。
【0009】
光異性化基は、例えば、アゾベンゼン基である。
【0010】
光二量化基は、例えば好ましくは、炭素環または複素環式芳香環に結合したエチレン性不飽和基である。とりわけの好ましさは、エチレン性不飽和基に結合しているアルコキシカルボニル基、例えばC〜C12アルコキシ−、好ましくはC〜Cアルコキシ−、更に好ましくはC〜C−アルコキシカルボニルに与えられる。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、ならびにプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、およびドデシルオキシの異性体である。特に好ましくは、アルコキシはエトキシ、特にメトキシである。更に好ましい実施形態において、エチレン性不飽和基は、C(O)基およびそれに結合した架橋基を介してポリマー主鎖に結合され、場合により置換されたアリールまたは複素環式アリール基がエチレン性不飽和基の第2の炭素原子に結合する。光二量化基は、例えば、シンナメート、カルコン、またはクマリンの誘導体である。
【0011】
光重合基は、例えば式AおよびBに相当し、
【0012】
【化6】

【0013】
式中
R’は、水素またはC〜C−アルキルであり、
A’は、場合により置換された1価もしくは2価芳香族基、または場合により置換された1価もしくは2価複素環式芳香族基であり、
は、架橋基である。
【0014】
好ましい実施形態において、R’は、メチル、特に水素である。
【0015】
A’は、例えばフェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、2,5−チオフェニレン、2,5−フラニレン、1,4−または2,6−ナフチレンである。A’は、直接または架橋基を介して共に結合した2個もしくは3個のそのような芳香族基でもある。適切な架橋基は、例えば、O、S、NH、N(C〜C−アルキル)、C(O)、C(O)O、OC(O)O、S(O)、SO、S(O)O、OS(O)O、SOO、OSOO、Si(C〜C−アルキル)、OP(OC〜C−アルキル)O、P(OC〜C−アルキル)O、P(O)(OC〜C−アルキル)O、C〜C−アルキリデン、およびC〜C−アルキレンである。
【0016】
A’の適切な置換基は、例えばC〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−ハロゲンアルキル、C〜C10−アリール、C〜C12−アラルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ヒドロキシアルコキシ、C〜C−ハロゲンアルコキシ、C〜C10−アリールオキシ、C〜C12−アラルキルオキシ、C〜C−アシル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−ヒドロキシアルコキシカルボニル、C〜C−アルコキシカルボニルオキシ、C〜C−ヒドロキシアルコキシカルボニルオキシ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C〜C−ジアルキルアミノカルボニルオキシ、ハロゲン(F、Cl、およびBr)、OH、COOH、CONH、CN、およびニトロである。
【0017】
A’は、芳香族基として、更に好ましくは場合により置換されたフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、または架橋基が結合したビフェニレンであり、前記架橋基は、好ましくはO、S、CO、C(O)、C(O)O、OC(O)O、NH、N−メチル、SO、メチレン、エチレン、エチリデン、およびイソプロピリデンから成る群より選択される。
【0018】
架橋基A’は、例えば、非置換であるか、あるいはフッ素、塩素、シアノ、またはC〜C−アルコキシによって置換され、1個以上の同じもしくは異なるヘテロ原子または−O−,−S−、−C(O)O−、−O(O)C−、−OC(O)O−、−NH−、−NC、−C4−アルキル−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NHC(O)NH−、−NC〜C−アルキル−C(O)−、−C(O)−NC〜C−アルキル−、−NC〜C−アルキル−C(O)−NC〜C−アルキル−、−O(CO)NH−、−OC(O)−NC〜C−アルキル、−NHC(O)O−、−NC〜C−アルキル−C(O)O−、および−CH=CH−基によって場合により中断された、C〜C20−アルキレン、好ましくはC〜C14−アルキレンである。
【0019】
本発明のコポリマーの成分(a)のモノマーは、好ましくアクリレートから、更に好ましくはメタクリレートから選択される。
【0020】
モノマー(a)は、広範囲に周知なものであり、最初に引用した文献に記載されており、または同様の工程によって調製できる。
【0021】
モノマー(a)は、式Iまたは式Iaに相当し、
【0022】
【化7】

【0023】
式中、
Rは、HまたはC〜C−アルキルであり、
Aは、架橋基であり、
は、場合により置換された2価の芳香族または複素環式芳香族基であり、Sは、場合により置換された1価の芳香族または複素環式芳香族基であり、
は、光化学的に異性化または二量化する分子の1価の基であり、Zは、光化学的に異性化または二量化する分子の2価の基である。
【0024】
、S、Z、およびZでは、式(A)および(B)の群に与えられた好ましさおよび実施形態が適用される。
【0025】
Rがアルキルである場合、それは、好ましくはC〜C−アルキル、例えばブチル、プロピル、エチル、および更に好ましくはメチルである。
【0026】
架橋基Aは、非置換であるか、あるいはフッ素、塩素、シアノもしくはC〜C−アルコキシによって置換され、場合により1個以上の同じまたは異なるヘテロ原子または−O−、−S−、−C(O)O−、−O(O)C−、−OC(O)O−、−NH−、−NC〜C−アルキル、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NHC(O)NH−、−NC〜C−アルキル−C(O)−、−C(O)−NC〜C−アルキル−、−NC〜C−アルキル−C(O)−NC〜C−アルキル−、−O(CO)NH−、−OC(O)−NC〜Cアルキル−、−NHC(O)O−、−NC〜C−アルキル−C(O)O−、および−CH=CH−基によって中断された、C〜C20−アルキレン、好ましくはC〜C18−アルキレンである。
【0027】
モノマー(a)は、好ましくは式Ibまたは式Icに相当し、
【0028】
【化8】

【0029】
式中、Rは、水素またはメチルであり、
は、式−O−C2n−X−の2価基であり、
は、式−O−C2n−O−の2価基であり、
nは、2〜18、好ましくは4〜16の数であり、
は、直接結合あるいは−O−、−S−、−C(O)O−、−O(O)C−、−OC(O)O−、−NH−、−NC〜C−アルキル−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NHC(O)NH−、−NC〜Cアルキル−C(O)−、−C(O)−NC〜C−アルキル−、−NC〜C−アルキル−C(O)−NC〜C−アルキル−、−O(CO)NH−、−OC(O)−NC〜C−アルキル−、−NHC(O)O−または−NC〜C−アルキル−C(O)O−基であり、
は、存在する場合、フェニレン、ビフェニレン、または−C−X−C−であり、
は、存在する場合、置換フェニル、ビフェニル、または−C−X−Cであり、
は、−O−、−S−、−C(O)O−、−O(O)C−、−OC(O)O−、−NH−、−NC〜C−アルキル−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−NHC(O)NH−、−NC〜C−アルキル−C(O)−、−C(O)−NC〜C−アルキル−、−NC〜C−アルキル−C(O)−NC〜C−アルキル−、−O(CO)NH−、−OC(O)−NC〜C−アルキル−、−NHC(O)O−、または−NC〜Cアルキル−C(O)O−であり、
は、式−CH=CH−C(O)−ORの基であり、
は、式−CH=CH−C(O)−の基であり、
は、C18−アルキル、更に好ましくは、C〜C12−アルキル、および特に好ましくはC〜C−アルキルである。
【0030】
およびSの好ましい置換基は、C〜C−アルキルおよびC〜C−アルコキシ、特にメトキシおよびエトキシである。
【0031】
2n基の例は、メチレン、エチレン、1,2−または1,3−プロピレン、1,2−、1,3−または1,4−ブチレン、そしてα,ω−アルキレンまたはペンチレン、ヘキシリレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、およびエイコシレンの異性体である。
【0032】
特に好ましい実施形態において、モノマー(a)は、式Idまたは式Ieに相当し、
【0033】
【化9】

【0034】
式中、
Rは、メチルであり、
nは、2〜20、好ましくは4〜14の数であり、
は、C〜C−アルキル、好ましくはメチルであり、
xは、0または1であり、
は、直接結合、−O−、−S−、−CO−、−OC(O)−、または−C(O)O−であり、
およびC基は、独立して、非置換であるか、または1〜3個のC〜C−アルキルおよび/またはC〜C−アルコキシ、好ましくはメトキシによって置換されている。
【0035】
モノマー(a)は、既知であり、例えば最初に引用した文献に記載されており、同様の方法で調製できる。
【0036】
モノマー(b)は、好ましくはアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノエステル、およびアリルアルコールもしくはメタリルアルコールまたはクロトニルアルコールの群より選択され、それに増感剤が直接、あるいはエステルもしくはアミド基中の、またはアルコール基への架橋基を介して、共有結合している。
【0037】
増感剤および官能性増感剤は多種多様なものが既知であり、または既知の工程によって調製できる。無色増感剤および三重項増感剤が好適なものである。
【0038】
適切な官能基は、例えば、ハロゲン、OH、SH、NH、NH−C〜Cアルキル、NCO、COOH、SOH、POH、ならびに求核試薬との付加または置換反応を開始する適切なエステルおよびアミド基である。
【0039】
増感剤の例は、芳香族ニトロ化合物、例えばクマリン(7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン)、ケトクマリン、カルボニルビスクマリン、芳香族2−ヒドロキシケトン、およびアミノ置換された、芳香族2−ヒドロキシケトン(2−ヒドロキシベンゾフェノン、モノ−もしくはジ−p−(ジメチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン)、アセトフェノン、アントラキノン、キサントン、チオキサントン、ベンズアントロン、ナフトチアゾリン(2−ベンゾイルメチル−1−メチルナフトチアゾリン)、ベンゾチアゾール、ニトロアニリン(m−もしくはp−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン)またはニトロアセナフテン(5−ニトロアセナフテン)、(2−[(m−ヒドロキシ−p−メトキシ)スチリル]ベンゾチアゾール、ベンゾインアルキルエーテル、N−アルキル化フタロン、アセトフェノンケタール(2,2−ジメトキシフェニルエタノン)、ナフタレン、アントラセン(2−ナフタレンメタノール、2−ナフタレンカルボン酸、9−アントラセンメタノール、および9−アントラセンカルボン酸)、ベンゾピラン、アゾインドリジン、ならびにメロクマリンである。好ましさは、芳香族2−ヒドロキシケトン(ベンゾフェノン)、クマリン、ケトクマリン、カルボニルビスクマリン、アセトフェノン、アントラキノン、キサントン、チオキサントン、およびアセトフェノンケタールに与えられる。
【0040】
増感剤は、エチレン性不飽和基に直接、または、好ましくは架橋基を介して結合する。
【0041】
モノマー(b)は、例えば式IIに相当し、
【0042】
【化10】

【0043】
式中、
Rは、HまたはC〜C−アルキルであり、
は、Hまたは−COORであり、
は、直接結合または2価架橋基であり、
Bは、メチレンまたは−C(O)−であり、
Yは、増感剤の1価基であり、
は、−O−、−NH−、または−N(C〜C−アルキル)−であり、
は、Bがメチレンである場合は−O−であり、
は、H、C〜C20−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、またはフェニル−C〜C−アルキルである。
【0044】
Rは、好ましくはH、更に好ましくはメチルである。Rは、好ましくはHである。Rは、好ましくはH、C〜C12−アルキル、更に好ましくはC〜C−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、およびブチルである。Bは、好ましくは−C(O)−である。
【0045】
は、好ましくは2価架橋基である。架橋基Rは、鎖内にエーテル、チオエーテル、アミン、エステル、アミド、またはウレタン基を介して増感剤分子に結合するC、O、S、およびNの群より選択される、1〜30個の原子、好ましくは2〜20個の原子および更に好ましくは2〜12個の原子を含有する。架橋基は、好ましくはO、SおよびNの群からの1個以上の複素環式原子によって中断され、エーテル、チオエーテル、アミン、エステル、アミド、またはウレタン基を介して増感剤分子に結合する、炭化水素基である。
【0046】
架橋基Rは、例えば式(III)に相当し、
【0047】
【化11】

【0048】
式中、Xは、直接結合であり、あるいはXは、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−O−C(O)−O−、−SO−O−、−O−SO−、−O−SO−O、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−NR−C(O)−O−、−O−C(O)−NR−、−NR−C(O)−NR−、−NR−SO−、−SO−NR−、−NR−SO−O−、−O−SO−NR−、または−NR−SO−NR基から選択される基であり、
は、鎖内にC、O、S、およびNの群より選択される1〜30個の原子を有する2価基であり、
は、直接結合、C〜C12−アルキレン、フェニレン、またはフェニルC〜C12−アルキレンであり、
rおよびsは、それぞれXが前記基の1つである場合にrが1であるという前提条件で、それぞれ0または1の数であり、
は、HまたはC〜C12−アルキル、C−もしくはC−シクロアルキル、C−もしくはC−シクロアルキルメチルもしくは−エチル、フェニル、ベンジル、あるいは1−フェニルエト−2−イルである。
【0049】
は、好ましくは直接結合、C〜C−アルキレンまたはフェニレンである。
【0050】
はアルキルの定義において、好ましくは1〜6個の、更に好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する。ある例は、メチル、エチル、n−またはイソプロピル、ブチル、ヘキシルおよびオクチルである。Rは、シクロアルキルの定義において、好ましくはシクロヘキシルであり、シクロアルキルメチルの定義においてシクロヘキシルメチルである。好ましい実施形態において、Rは、HまたはC〜C−アルキルである。
【0051】
2価R基は、好ましくは、非置換であるか、あるいはC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシまたは=Oによって1置換または多置換された、好ましくは1〜30個の、更に好ましくは2〜18個の、特に好ましくは、2〜12個の、特別に好ましくは、2〜8個の炭素原子を有する炭化水素基である。炭化水素基は、−O−、−S−および−NR−の群より選択される複素環式原子によって1回以上中断されることもあり、Rは、好ましくはHまたはC〜Cアルキルである。
【0052】
2価R基は、例えば、直鎖または分岐であるC〜C20−アルキレン、好ましくはC−C12−アルキレンである。ある例は、メチレン、エチレン、1,2−または1,3−プロピレン、1,2−、1,3−または1,4−ブチレン、ペンチレン、ヘキシリレン、オクチレン、ドデシレン、テトラデシレン、ヘキサデシレン、およびオクタデシレンである。
【0053】
2価R基は、例えば、2〜12個の、好ましくは2〜6個の、更に好ましくは2〜4個のオキサアルキレン単位、および2〜4個の、好ましくは2または3個の炭素原子をアルキレン中に有するポリオキサアルキレンである。それは更に好ましくは、2〜6個のオキサアルキレン単位を有するポリオキサエチレンおよびポリオキサプロピレンである。
【0054】
2価R基は、例えば、C〜C12−シクロアルキレン、好ましくはC〜C−シクロアルキレン、更に好ましくは、C−もしくはC−シクロアルキレン、例えばシクロペンチレン、シクロヘキシリレン、シクロオクチレン、またはシクロドデシレンである。
【0055】
2価R基は、例えばC〜C12−、好ましくはC〜C−、更に好ましくはC−またはC−シクロアルキル−C〜C12−および好ましくは−C〜Cアルキルである。ある例は−シクロペンチル−C2n−および−シクロヘキシル−C2n−であり、nは1〜4の数である。特別の好ましさは、−シクロヘキシル−CH−に与えられる。
【0056】
2価R架橋基は、例えばC〜C12−、好ましくはC〜C−、更に好ましくはC−またはC−シクロアルキル−(C〜C12−アルキル)−、好ましくは(−C〜Cアルキル)である。ある例は、シクロペンチル−(C2n−)およびシクロヘキシル−(C2n−)であり、ここで、nは1〜4である。特別の好ましさは、−CH−シクロヘキシル−CH−に与えられる。
【0057】
2価R架橋基は、例えばC〜C14−アリーレン、好ましくはC〜C10−アリーレン、例えばナフチレン、更に好ましくはフェニレンである。
【0058】
2価R架橋基は、例えばC〜C20−アラルキレン、好ましくはC〜C12−アラルキレンである。より好ましさは、アリーレン−C−H2n−に与えられ、ここでアリーレンは、ナフチレン、特にフェニレンであり、nは1〜4の数である。例は、ベンジレンおよびフェニルエチレンである。
【0059】
2価R架橋基は、例えば、アリーレン−(C2n−)−、ここでアリーレンは、好ましくはナフチレン、特にフェニレンであり、nは1〜4の数である。例はキシリレンおよびフェニル(CHCH−である。
【0060】
好ましい実施形態において、モノマー(b)は式IIaに相当し、
【0061】
【化12】

【0062】
式中、
Rは、Hまたはメチルであり、
は、Hであり、
Bは、−C(O)−であり、
Yは、増感剤の1価基であり、
は、−O−であり、
は、式−(R−X−(R−の基であり、
ここでRは、C〜C20−アルキレン、2〜10個のオキサアルキレン単位を有するポリオキサエチレンまたはポリオキサプロピレン、C−もしくはC−シクロアルキレン、−シクロペンチル−C2n−および−シクロヘキシル−C2n−(ここでnは1または2である)、シクロペンチル−(C2n−)およびシクロヘキシル−(C2n−)(ここでnは、1または2である)、フェニレン、ベンゼン、フェニルエチレン、あるいはキシリレンであり、Rは、直接結合またはC〜Cアルキレンであり、
は、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−O−C(O)−O−、−SO−O−、−O−SO−、−O−SO−O、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−NR−C(O)−O−、−O−C(O)−NR−、−NR−C(O)−NR−、−NR−SO−、−SO−NR−、−NR−SO−O−、−O−SO−NR−、または−NR−SO−NRの群より選択される基であり、
rは、1の数であり、sは、0または1の数である。
【0063】
式IIaにおいて、Rは、好ましくはC〜C12−アルキレン、および2〜6個のオキサアルキレン単位を有するポリオキサエチレンまたはポリオキサプロピレンである。
【0064】
増感剤Yの好ましい1価基は、クマリン、ケトクマリン、カルボニルビスクマリン、およびベンゾフェノンである。
【0065】
特に有効な物質および重合性モノマーが、1価ケトクマリン基およびカルボニルビスクマリン基を有することが見出されている。これらは新規であり、本発明の主題の一部、例えば式IIbのものを形成し、
【0066】
【化13】

【0067】
式中、R、R、R、B、およびXは、それぞれ、好ましい実施形態を含めて式IIaで定義される通りであり、Yは、ケトクマリンまたはカルボニルビスクマリンの1価基である。
【0068】
好ましい実施形態において、Rは、式−(R−X−(R−の基であり、
ここでRは、C〜C18−アルキレンあるいは2〜10個のオキサアルキレン単位を有するポリオキサエチレンまたはポリオキサプロピレンであり、
は、直接結合またはC〜C−アルキレンであり、
は、−O−、−NR−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−O−C(O)−O−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−NR−C(O)−O−、−O−C(O)−NR−、−NR−C(O)−NR−の群より選択される基であり、
rは、1の数であり、sは、0または1の数であり、
は、H、メチル、またはエチルである。
【0069】
1価ケトクマリン基Yは、好ましくは式:
【0070】
【化14】

【0071】
に相当し、1価カルボニルビスクマリン基は、好ましくは式:
【0072】
【化15】

【0073】
に相当し、式中、ベンゼン基は置換基、例えばC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、あるいはモノ−またはジ−C〜C−アルキルアミノを含有し、あるいはベンゼン環の隣接炭素原子上の置換基は、縮合芳香族または複素環式芳香族環を形成する。
【0074】
モノマー(b)のいくつかは、既知であり、またはそれらは官能化された側鎖を導入するためのそれ自体既知である工程によって調製できる。7−アクリルオキシクマリンは、例えばG.A.Deizenneら、Ind.Chim.Belge(1967),32,pages 373−378に記載されている。他の重合性増感剤、例えばピレン、アントラセンおよびベンゾフェノンは、J.K.OhらによってJ.of Pol.Science,Part A:Polymer Chemistry,Vol.10、pages 3001〜3011(2002)に記載されている。官能化カルボニルビスクマリンは、D.P.Spechtらによって、Tetrahedron,Vol.38,No.9,1203−1211(1982)で、またはD.CreedらによってJournal of Polymer Science:Part A Polymer Chemistry,Vol.39,134−144(2001)に記載されている。
【0075】
本発明の組成物は、更に、共重合性、エチレン性不飽和モノマー(c)を含む。それらは非置換または置換オレフィン、例えばエテン、プロペン、ブテン、ペンテン、スチレン、ビニルクロリド、ビニリデンクロライド、アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル化もしくはN−ヒドロキシアルキル化(メタ)アクリルアミド、エステル基中に1〜20個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エステルもしくはエーテル基中に1〜20個の炭素原子を有するビニルおよびアリルエステル、ならびにビニルおよびアリルエーテルである。アルキル(メタ)アクリレート、ポリオキサアルキレンジオール、例えば2〜200個のオキサエチレン単位および/または1,2−オキサプロピレン単位を有するポリエキサエチレンジオールまたはポリオキサ−1,2−プロピレンジオールのビニルおよびアリルエーテルも適切である。そのようなコモノマーは、所望の物理的および機械的特性を得るために使用する。
【0076】
本発明のコポリマーは、少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有するモノマーの残基も含む。そのような架橋剤は、所望の物理的および機械的特性を得るために使用する。架橋剤は、広範囲に周知なものである。ある例は、ブタジエン、イソプレン、ジビニルベンゼン、およびポリオールのアクリルまたはメタクリルエステル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびジヒドロキシ−またはジヒドロキシメチルシクロヘキサンである。
【0077】
コモノマーの量は、組成物の重量に基づいて、例えばコモノマー(a)の20〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、更に好ましくは70〜95重量%、およびコモノマー(b)の80〜1重量%、好ましくは50〜1重量%、更に好ましくは30〜1重量%である。コモノマー(c)が存在する場合、コモノマー(a)の50〜1重量%、好ましくは40〜5重量%、更に好ましくは30〜5重量%に代えることができる。重量パーセンテージは総量で100重量%である。組成に基づいて5重量%までの架橋剤が存在できる。
【0078】
本発明の組成物は、更に不活性溶媒を含む。
【0079】
適切な溶媒は、例えば、脂肪族、脂環式、および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン)、脂肪族ハロ炭化水素(メチレンクロライド、クロロホルム、ジ−、およびテトラクロロエタン)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、またはジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ケトン(アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン)、カルボキシルエステルおよびラクトン(エチルアセテートまたはメチルアセテート、バレロラクトン)、N−置換ラクタム(N−メチルピロリドン)、カルボキサミド(ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド)、非環式尿素(ジメチルイミダゾリン)、ならびにスルホキシドおよびスルホン(ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシド、テトラメチレンスルホン)ならびにアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル)である。溶媒は、単独で、または少なくとも2つの溶媒の混合物で使用できる。
【0080】
溶液中のコポリマーまたはコモノマーの濃度は、基材上で達成される所望の層厚に、そして溶液の粘土にも実質的に依存する。コモノマーの量は、例えば、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0081】
本発明の組成物は、重合開始剤を更に含む。重合開始剤のうち、好ましさはフリーラジカルを熱によりおよび/または照射により発生するフリーラジカル開始剤に与えられる。エチレン性不飽和モノマーにとって特に適切なのは、アゾ化合物、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)またはマクロ開始剤、例えばポリエチレングリコール単位を含有するマクロアゾ開始剤である。重合開始剤は一般に、モノマー全体に基づいて0.1〜10重量%の量で使用される。
【0082】
重合性組成物は、コーティング組成物であり、基材上での前記組成物の薄層の重合による配向層を作成するのにとりわけ適切である。
【0083】
本発明は、基材材料上に配向層を作成するための、本発明の組成物の使用を、更に提供する。
【0084】
本発明は、複合材料であって、基材、および
a)光化学的に異性化可能なまたは二量化可能な分子が共有結合した少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
b)増感剤が共有結合した少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
c)場合により他のエチレン性不飽和コモノマーと、
を含む重合性組成物の、またはこの組成物のコポリマーの薄層から構成される、複合材料を更に提供する。
【0085】
成分(a)、(b)、および(c)には、先に規定した実施形態および好ましさが適用される。
【0086】
支持体上の組成物の、またはコポリマーの層厚は、例えば0.01〜500μm、好ましくは0.05〜200μm、更に好ましくは0.05〜100μm、特に好ましくは0.05〜50μmである。光学用途の場合、配向層の厚さは10〜100nmの範囲であることが多い。
【0087】
基材材料は、既知であり、その形は用途によって変わる。平面で均等な基材が好ましい。基材材料の例はアルミナ、チタニア、二酸化ケイ素(ガラスもしくは石英)または混合酸化物、例えばインジウムスズオキシド(ITO)、そしてまた、ポリマーおよび有機ガラス、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、およびトリアセチルセルロースである。光学デバイスの本発明の用途において、基材材料として最先端にあるのは、(電極として作用する)導電性材料によってコーティングされた特にポリマー、ガラス、または場合により基材(例えばITOによってコーティングされたガラスプレート)である。
【0088】
コーティングされた基材は、それ自体既知であるコーティング工程、例えば塗装、浸漬、ローリング、ナイフコーティング、およびキャスティングによって作成される。薄層を作成する場合、スピンコーティングは、均質な層厚が得られることから、薄層を作成するのに特に有用であることが見出されている。コーティングの後、コーティング済材料は、例えば、加熱により、真空の適用により、または両方の手段によって溶媒を蒸発させて乾燥させる。組成物は化学線照射の作用によるコーティング後に重合される。本発明のコポリマー層を有するそのように得られた材料は安定であり、更なる加工のためにそのようなものとして市場に出すことができる。
【0089】
本発明のコーティング済材料は、コポリマーに適用される層において液晶を配向させるために特に適切である。このために、コポリマー層に最初に直線偏光を照射して、光活性基を異性化または二量化する。適切な放射源は、特にUV源、例えば高圧水銀ランプ、キセノンランプまたは偏光子を使用するUVレーザである。構造を形成する場合、照射はマスクを通じて適切に及ぼされる。照明時間は、コモノマー(b)の含有率に応じて、コモノマー(a)および増感剤の混合物と比べてかなり、例えば半分以下に短縮される。次に液晶化合物はそのように調製された層に塗布され、前記化合物は、分子化合物、ポリマー、または重合性モノマーもしくはオリゴマーである。
【0090】
そのような液晶化合物は、既知であり、米国特許第55993617号、米国特許第5567349号、米国特許第5650534号および国際公開公報第99/64924号(構造CおよびDを参照)に記載されている。市販の液晶配合物、例えばOPALVA 2130は、Vantico AG(Basle)から入手できる。構造CおよびD:
【0091】
【化16】

【0092】
式中、Xは、水素;フッ素、塩素、臭素;または低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、nは、3〜12の整数である。
【0093】
好ましさは、配向層上の配向が重合によって固定(凍結)された重合性液晶モノマーを使用することで得られる。液晶層を作成するために、配向層を用いたコーティングに関して、同じ技法が利用できる。液晶層の厚さは、例えば、10nm〜10μm、好ましくは100nm〜5μm、特に好ましくは500nm〜3μmの範囲である。
【0094】
本発明は、(平面)基材材料と、本発明の組成物の光架橋層と、前記光架橋層上の液晶層、好ましくはポリマー液晶層とを含む組成物を更に提供する。
【0095】
本発明に従って作成した複合材料は、コポリマーの高い感光性によって、短い照明時間でも優れた均質なコントラスト性能を特徴としている。
【0096】
以下に続く実施例で本発明を詳細に説明する。実施例A1で使用した4’−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾフェノンは、J.of Pol.Science,Part A:Polymer Chemistry,Vol.10,pages 3001〜3011(2002)のJ.K.Ohらの文献と同じ方法で調製した。
【0097】
(A)モノマーの調製
【0098】
実施例A1

【0099】
【化17】

【0100】
の4−ジメチルアミノ−2−(8−メタクロイルオキシ−n−オクタ−1−イルオキシ)−5−メチル−ベンゾフェノンの調製
(a)4−ジメチルアミノ−2−(8−ヒドロキシ−n−オクチルオキシ)−5−メチル−ベンゾフェノンの調製
50ml容三ツ口丸底フラスコ中で4’−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾフェノン1.51g(5.9mmol)をジメチルホルムアミド10.5mlに溶解させた。次に炭酸カリウム3.24g(23.17mmol)を室温にて添加した。約30℃までの温度上昇を確認した際、まもなく黄色の溶液はオレンジ色になった。懸濁物を100℃に加熱した。次に8−クロロ−1−オクタノール1.46g(8.614mmol)を10分以内に滴下した。暗オレンジ色懸濁物を100℃にて2時間攪拌し、次に室温まで冷却した。塩を溶解させるために、水25mlを添加して、次にジクロロメタンを使用して褐色溶液を抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム(w=0.095g/g)で洗浄して、次にロータリーエバポレータで濃縮した。得られた褐色油は、シリカゲル200g(Merck0.04−063メッシュ)を通じてヘキサン/エチルアセテート(1:1)1リットル、続いてエチルアセテート1リットルを用いて分画的に濾過した。次にエチルアセテート分画をロータリーエバポレータでの蒸発によって濃縮した。黄色油1.97gを得て、これは2日後に結晶化した(理論の81.4%);融点:56.9℃。
【0101】
(b)表題化合物の調製
50ml容三ツ口丸底フラスコに最初に4−ジメチルアミノ−2−(8−ヒドロキシ−n−オクチル)オキシ−5−メチルベンゾフェノン1.93g(4.71mmol)およびトリエチルアミン0.929g(9.18mmol)、そして安定剤としてジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.4mgも注入した。次に無水ジクロロメタン10mlを添加し、黄色の透明な溶液を0℃に冷却した。20分以内にメタクリロイルクロライド0.66gの無水ジクロロメタン10mlによる溶液をここで滴下した。ここで濁っている反応混合物を0℃にて1時間攪拌して、次に室温まで加温し、更に1時間攪拌した。次に炭酸水素ナトリウム30ml(w=0.095g/g)を添加し、混合物を10分間激しく攪拌した。2相混合物を分離容器に移し、相を分離した。有機相を水50mlで洗浄し、合せた水相を次にメチレンクロライド50mlで洗浄した。合せた有機抽出物をロータリーエバポレータで濃縮した。暗黄色油2.27gを得て、これをシリカゲル200g(Merck 0.04−0.63メッシュ)を通じてヘキサン/エチルアセテート(6:4)3リットルを用いてクロマトグラフィーにかけた。同様の分画を合せて、ロータリーエバポレータで濃縮した。黄色、粘性油1.97gを得た(理論の87.8%);UV(THF,λmax):334nm。
【0102】
実施例A2

【0103】
【化18】

【0104】
の3−ベンゾイル−7−(2−メタクロイルオキシ−n−エチルオキシ)クマリンの調製
(a)3−ベンゾイル−7−ヒドロキシクマリンの調製
磁気スターラー、凝縮器、および温度計を備えた350mlスルホン化フラスコを最初に、エタノール162ml中に取った2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド14.09g(0.1mol)で満たした。ここでエチルベンゾイルアセテート18.66g(0.105mol)を僅かにオレンジ色の懸濁液に添加した。オレンジ色懸濁液を次に35℃まで加熱したところ、まもなくオレンジ色溶液を得た。次にピペリジン9.12g(0.105mol)を添加して、混合物を効率良く攪拌した。反応混合物を38℃まで加温した。次にこれを還流まで加熱し、77℃の内部温度で2時間攪拌した。室温までの冷却と45℃/180−5mbarにおけるロータリーエバポレータでの濃縮の後、赤色粘性泡35.38gを得た。後者は、シリカゲル485g(Merck 0.04−0.63メッシュ)を通じて、トルエンおよびエタノール(9:1)4リットルを使用して分画濾過した。生成物分画を合せて、ロータリーエバポレータで濃縮した。オレンジ色固体22gを得て、これをトルエン88g中にとって、還流まで加熱した。透明な褐色の溶液を得るまで、エタノール178gをオレンジ色懸濁物に添加した。室温への冷却後、黄色結晶が沈殿した。懸濁物を一晩攪拌して、得られた黄色結晶を濾過し、少量の冷トルエン、続いてn−ヘキサンで洗浄して、室温/20mbarで乾燥した。淡黄色結晶10.9gを得た。母液を濃縮して、褐色軟質固体9.6gを得た。後者を0℃にてエタノール60gから再結晶させて、生成物2.59gを更に得た。結晶を合せて、全収量13.49gを得た(理論の48%)。融点240℃;HPLC:純度100%、UV(THF,λmax):342nm。
【0105】
(b)表題化合物の調製
滴下漏斗、温度計、およびアルゴンスパージャを装備した100mlスルホン化フラスコに最初に、無水テトラヒドロフラン40g中に取った2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.63g(0.0125mol)、3−ベンゾイル−7−ヒドロキシクマリン2.66g(0.01mol)およびトリフェニルホスフィン3.31g(0.0125mol)を注入した。黄色懸濁物を0℃まで冷却した。次にジイソプロピルアゾジカルボキシラート2.66g(0.0125mol)(Fluka 11626)のテトラヒドロフラン8.31gによる溶液を0℃にて30分以内に滴下した。反応開始時には、少し熱が発生し、暗黄色の透明な溶液をもたらした。添加完了時に、反応混合物を室温まで加温して、更に2時間攪拌した。テトラヒドロフランの大部分をロータリーエバポレータで40℃/280mbarにて蒸発させて、黄色粘性残留物をジクロロメタン50mlおよび0.1モル塩酸30mlとで分配して、攪拌し、相を分離した。水相をジクロロメタン30mlで洗浄した。有機抽出物を合せて、炭酸水素ナトリウム飽和溶液30ml、続いて水30mlで洗浄した。有機相を40℃/700−10mbarにてロータリーエバポレータで濃縮して、黄色油10.28gを得た。後者をシリカゲル480g(Merck 0.04−0.63メッシュ)に加えて、ヘキサンおよびエチルアセテート(1:1)5リットルを使用して分画的に濾過した。分画400mlを得た。同様の分画を合せて、ロータリーエバポレータで濃縮した。黄色固体6.3gを得た。後者をジイソプロピルエーテル30gに取り、得られた淡黄色懸濁物を還流下でアセトニトリル22mlを添加することにより溶液とした。溶液を室温で一晩保管し、その間に黄色針が沈殿した。これらを濾過して、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、室温/15mbarにて乾燥した。淡黄色固体2.99gを得た(理論の79%)。融点:140℃;HPLC:純度99%、UV(THF;λmax):346nm。
【0106】
実施例A3

【0107】
【化19】

【0108】
の3−ベンゾイル−7−[5−メタクロイルオキシジ(エチレンオキシ)]クマリンの調製
滴下漏斗、温度計、およびアルゴンスパージャを装備した100mlスルホン化フラスコに最初に、無水テトラヒドロフラン40gに取った、ジエチレングリコールモノメタクリレート1.68g(0.0125mol)、3−ベンゾイル−7−ヒドロキシクマリン2.63g(0.01mol)、およびトリフェニルホスフィン3.31g(0.0125mol)を注入した。黄色懸濁物を0℃まで冷却した。次にジイソプロピルアゾジカルボキシラート2.66g(0.0125mol)の、テトラヒドロフラン8.31gによる溶液を0℃にて30分以内に滴下した。反応開始時には、少し熱が発生し、暗黄色の透明な溶液が得られた。添加完了時に、反応混合物を室温まで加温して、更に2時間攪拌した。テトラヒドロフランの大部分をロータリーエバポレータで40℃/280mbarにて蒸発させて、黄色粘性残留物をジクロロメタン50mlおよび0.5モル塩酸60mlとで分配し、攪拌し、相を分離した。水相をジクロロメタン30mlで洗浄した。有機抽出物を合せて、炭酸水素ナトリウム飽和溶液30ml、続いて水30mlで洗浄した。有機相を40℃/700−10mbarにてロータリーエバポレータで濃縮して、黄色固体11.2gを得た。後者をアセトン6gに溶解させて、得られた黄色溶液をジイソプロピルエーテル100mlに滴下して混合した。緑色がかった結晶が沈殿した。得られた懸濁物を−15℃にて一晩保管して、濾過した。結晶スラリ冷ジイソプロピルエーテル10mlおよびn−ヘキサン50mlで洗浄して、室温(RT)/15mbarにて乾燥した。緑色がかった結晶1.96gを得た(理論の46%)。融点:77.5℃;HPLC:純度95%、UV(THF;λmax):346nm。
【0109】
実施例A4

【0110】
【化20】

【0111】
の3−ベンゾイル−7−(8−メタクロイルオキシ−n−オクト−1−イルオキシ)クマリンの調製
(a)3−ベンゾイル−7−(8−ヒドロキシ−n−オクト−1−イルオキシ)クマリンの調製
化合物は、3−ベンゾイル−7−オキシクマリンを8−クロロ−1−オクタノールと反応させることによって、実施例A1aと同様の方法で調製した。
【0112】
(b)表題化合物の調製
磁気スターラー、滴下漏斗、温度計およびアルゴンスパージャを装備した100mlスルホン化フラスコで、3−ベンゾイル−7−(8−ヒドロキシ−n−オクト−1−イルオキシ)クマリン4.78g(0.012mol)およびトリエチルアミン3.50g(0.035mol)を無水ジクロロメタン51gに溶解させた。ジ−tert−ブチル−p−クレゾール4.3mg(0.02mmol)を開始剤として添加した。淡黄色の透明な溶液を0℃まで冷却し、次にメタクリロイルクロライド2.07g(0.019mol)の、ジクロロメタン11.5gの溶液を30分以内に滴下した。反応混合物を0℃にて1時間、室温にて2時間攪拌した。次に反応混合物を10%炭酸水素ナトリウム溶液60mlに注入して、10分間激しく攪拌した。次に相を分離し、有機相を水100mlで洗浄した。合せた水相をジクロロメタン60mlで洗浄した。有機相を合せて、ロータリーエバポレータで40℃/700−10mbarにて濃縮した。黄色油6.5gを粗生成物として得た。後者をシリカゲル450gに加えて、ヘキサン/エチルアセテート(6:4)3リットルを用いて分画的に濾過した。分画200mlを得た。同様の分画を合せて、ロータリーエバポレータで濃縮した。黄色粘性油3.1gを得た。後者をn−ヘキサン20g中に取った。2相混合物をエチルアセテート6gと混合して、還流まで短時間加熱し、透明な黄色の溶液を0℃に冷却した。黄色がかった結晶が沈殿した。後者を氷浴で2時間冷却した後に濾過した。得られた結晶をn−ヘキサン/エチルアセテート(9:1)の冷混合物で洗浄して、RT/15mbarで乾燥した。淡黄色結晶1.85gを得た。母液から、同じ手順によって同じ量の生成物を2回以上単離することができた。このようにして、淡黄色結晶を総量で2.4g得た(理論の43%)。HPLC:純度93%。
【0113】
実施例A5

【0114】
【化21】

【0115】
の3−アセチル−7−(2−メタクロイルオキシ−n−エチルオキシ)クマリンの調製
(a)3−アセチル−7−ヒドロキシクマリンの調製
磁気スターラー、凝縮器、およびアルゴンスパージャを装備した250ml丸底フラスコに最初に、エタノール129.6gに取った2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド11.28g(0.08mol)を注入した。次にメチルアセトアセテート9.85g(0.84mol)をややオレンジ色の懸濁物に添加した。これはやや黄色の溶液を形成した。次にピペリジン7.3g(0.084mol)を添加し、混合物を効率良く攪拌した。反応混合物を38℃まで加温すると、まもなく暗褐色となった。次に混合物を還流まで加熱し、内部温度77℃にて2時間攪拌した。室温への冷却および45℃/180−5mbarにおけるロータリーエバポレータでの濃縮の後、褐色粉末24gを得た。後者はシリカゲル200gを通じて、ジクロロメタン/エチルアセテート(9:1)8リットルを使用して分画的に濾過した。最後に、メタノール1リットルを用いて溶出を実施した。生成物分画を合せて、ロータリーエバポレータで濃縮した。淡褐色固体13.9gを得て、これをアセトン/水(2:1)417mlに取って、還流まで加熱した。褐色溶液をロータリーエバポレータでその半分の体積まで濃縮し、その間に黄色結晶が沈殿した。結晶化を完了させるために、懸濁物を0℃にて一晩保管し、次に濾過した。結晶スラリを冷水50ml、続いて冷アセトン/水(2:1)100mlによって洗浄し、50℃/15mbarにて乾燥した。黄色結晶8.96gを得た(理論の48%)。融点:239℃;HPLC:純度100%、UV(THF,λmax):259nm。
【0116】
(b)表題化合物の調製
滴下漏斗、温度計、およびアルゴンスパージャを装備した100mlスルホン化フラスコに最初に、無水テトラヒドロフラン40g中に取った2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.63g(0.0125mol)、3−アセチル−7−ヒドロキシクマリン2.15g(0.01mol)およびトリフェニルホスフィン3.31g(0.0125mol)を注入した。黄色懸濁物を0℃まで冷却した。次にジイソプロピルアゾジカルボキシラート2.66g(0.0125mol)のテトラヒドロフラン8.31gによる溶液を0℃にて30分以内に滴下した。反応開始時には、少し熱が発生し、暗黄色の透明な溶液が得られた。添加完了時に、反応混合物を室温まで加温して、更に2時間攪拌した。テトラヒドロフランの大部分をロータリーエバポレータで40℃/280mbarにて蒸発させて、黄色粘性残留物をジクロロメタン50mlおよび0.1モル塩酸30mlとで分配して、攪拌し、相を分離した。水相をジクロロメタン30mlで洗浄した。有機抽出物を合せて、炭酸水素ナトリウム飽和溶液30ml、続いて水30mlで洗浄した。有機相を40℃/700−10mbarにてロータリーエバポレータで濃縮して、黄色固体10.46gを得た。後者をシリカゲル480gに加えて、ジクロロメタン/エチルアセテート(95:5)5リットルを使用して分画的に濾過した。分画400mlを得た。同様の分画を合せて、ロータリーエバポレータで濃縮した。黄色固体2.99gを得た(理論の35%)。融点:138.7℃;HPLC:純度99%、UV(THF,λmax):346nm。
【0117】
実施例A6

【0118】
【化22】

【0119】
の3−アセチル−7−(8−メタクロイルオキシ−n−オクト−1−イルオキシ)クマリンの調製
磁気スターラー、滴下漏斗、およびアルゴンスパージャを装備した50ml丸底フラスコで、3−アセチル−7−(8−ヒドロキシ−n−オクト−1−イルオキシ)クマリン0.916g(0.0027mol)およびトリエチルアミン0.533g(0.0053mol)を無水テトラヒドロフラン6gに溶解させた。BHT 0.8mg(0.003mmol)を開始剤として添加した。淡黄色の透明な溶液を0℃まで冷却して、次にメタクリロイルクロライド0.378g(0.0035mol)のテトラヒドロフラン3.74gによる溶液を10分以内に滴下した。反応混合物を0℃にて1時間、次に室温にて2時間攪拌した。反応では50%の変換しかなかったため、メタクリロイルクロライド0.18g(0.0016mol)2ポーションをそれぞれ1時間間隔で添加した。反応混合物を室温にて一晩攪拌し、次に炭酸水素ナトリウム水溶液(10%)50mlに注入し、エチルアセテート50mlを添加して、混合物を10分間激しく攪拌した。次に相を分離し、水相を水50mlで洗浄した。次に合せた有機相を水30mlで洗浄した。有機相を40℃/300−10mbarにてロータリーエバポレータで濃縮した。黄色油1.32gを粗生成物として得た。後者を50gシリカゲルカラム(Jones Chromatographyによる事前充填FlashPack)に加えて、ジクロロメタン/エチルアセテート(95:5)600mlで溶出させた。分画15mlを得た。同様の分画を合せて、ロータリーエバポレータで濃縮した。淡黄色結晶0.71gを得た(理論の69%)。融点:84.1℃;HPLC:純度98%、UV(THF,λmax):361nm。
【0120】
実施例A7

【0121】
【化23】

【0122】
の3−アセチル−7−(メタクロイルオキシデカエチレンオキシ)クマリンの調製
ポリエチレングリコールメタクリレート、MW=526g/mol、1.15g(0.0021mol)および3−ベンゾイル−7−ヒドロキシクマリン0.728g(0.0027mol)、そしてトリフェニルホスフィン0.71g(0.0027mol)も、100ml丸底フラスコ中で無水テトラヒドロフラン21gと攪拌して懸濁させた。反応混合物にアルゴンを散布し、室温にて攪拌した。12分以内に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート0.57g(0.0027mol)のテトラヒドロフラン4.34gによる溶液をここで滴下した。この間に黄色懸濁物は、オレンジ色溶液になった。後者を室温にて6時間攪拌した。生成物は、単離せず、溶液を実施例B13で直接使用した。
【0123】
(B)コポリマーの調製
【0124】
実施例B1
モノマーAと実施例A1(b)のモノマーとの、モル比98:2のコポリマー
【0125】
【化24】

【0126】
モノマーA 4.29g(8mmol)、実施例A1(a)のモノマー0.099g(0.163mmol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(Fluka 11630)0.0136g(0.0817mmol)をSchlenk管内でテトラヒドロフラン(THF)21.7gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 20gで希釈して、0.2μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で濾過した。次に濾液をビーカー内のメタノール327gに、−10〜0℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した多量の白色ポリマーは、スターラーをオフにした後にビーカーの底部に急速に沈殿した。室温にて30分間静置した後、濾紙による濾過によって粗コポリマーを得た。得られた白色固体を直ちにTHF 22gに再度溶解させて、メタノール327gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを濾過した。室温/18mbarでの乾燥後、以下の特性を有する白色粉末3.37gを得た。
【0127】
【表1】

【0128】
実施例B2
モノマーAと実施例A1(b)のモノマーとの、モル比85:15のコポリマー
モノマーA 4.29g(8mmol)、実施例A1aのモノマー1.215g(2mmol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(Fluka 11630)0.0166g(0.1mmol)をSchlenk管内でテトラヒドロフラン(THF)26.63gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 20gで希釈して、0.2μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で濾過した。次に濾液をビーカー内のメタノール327gに、−10〜0℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した多量の白色ポリマーは、スターラーをオフにした後にビーカーの底部に急速に沈殿した。室温にて30分間静置した後、濾紙による濾過によって粗コポリマーを得た。得られた淡黄色固体を直ちにTHF 22gに再度溶解させて、メタノール327gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを濾過した。室温/18mbarでの乾燥後、以下の特性を有する淡黄色粉末4.15gを得た。
【0129】
【表2】

【0130】
実施例B3
モノマーAと実施例A2(b)のモノマーとの、モル比88:12のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.34g(0.0025mmol)、モノマーA2b 0.107g(0.0003mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0046g(0.028mmol)をSchlenk管内で、無水テトラヒドロフラン(THF)8.66gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール111gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿したほぼ白色ポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾紙による濾過によって単離した。得られたほぼ白色固体を直ぐにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール111gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを濾過によって得た。室温/18mbarでの乾燥後、以下の特性を有する、ほぼ白色粉末0.9gを得た。
【0131】
【表3】

【0132】
実施例B4
モノマーAと実施例A2(b)のモノマーとの、モル比が77:23のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.34g(0.0025mmol)、モノマーA2b 0.241g(0.0006mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0052g(0.031mmol)をSchlenk管内で、無水THF 9.75gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール111gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿したほぼ白色ポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過により単離した。得られたほぼ白色固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール111gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを濾過によって得た。室温/18mbarでの乾燥後、以下の特性を有する、ほぼ白色粉末0.95gを得た。
【0133】
【表4】

【0134】
実施例B5
モノマーAと実施例A3のモノマーとの、モル比91:9のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.34g(0.0025mmol)、モノマーA3 0.094g(0.00022mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0045g(0.027mmol)をSchlenk管内で、無水THF 9.04gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール109gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿したほぼ白色ポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過により単離した。得られたほぼ白色固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール111gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを濾過によって得た。室温/18mbarでの乾燥後、以下の特性を有する、ほぼ白色粉末0.92gを得た。
【0135】
【表5】

【0136】
実施例B6
モノマーAと実施例A3のモノマーとの、モル比74:26のコポリマー
[[8−[(2−メチル−l−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.34g(0.0025mmol)、モノマーA3 0.359g(0.00083mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0055g(0.033mmol)をSchlenk管内で、無水THF 11.09gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール109gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿したほぼ白色ポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過により単離した。得られたほぼ白色固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール111gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを濾過によって得た。室温/8mbarでの乾燥後、以下の特性を有する黄色がかった粉末1.09gを得た。
【0137】
【表6】

【0138】
実施例B7
モノマーAと実施例A4のモノマーとの、モル比84:16のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.34g(0.0025mmol)、モノマーA4 0.222g(0.00044mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0049g(0.029mmol)をSchlenk管内で、無水THF 5.88gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール118gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した黄色ポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過により単離した。得られた淡黄色固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール118gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを濾過した。室温/8mbarでの乾燥後、以下の特性を有する黄色がかった粉末0.98gを得た。
【0139】
【表7】

【0140】
実施例B8
モノマーAと実施例A4のモノマーとの、モル比74:26のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.071g(0.002mmol)、モノマーA4 0.335g(0.00067mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0044g(0.027mmol)をSchlenk管内で、無水THF 5.33gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール107gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した淡黄色ポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過した。得られた淡黄色固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール107gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを次に濾過した。室温/8mbarでの乾燥後、以下の特性を有する黄色がかった粉末0.98gを得た。
【0141】
【表8】

【0142】
実施例B9
モノマーAと実施例A5(b)モノマーとの、モル比90:10のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.338g(0.0025mmol)、モノマーA5(b)0.079g(0.00025mol)、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0046g(0.027mmol)をSchlenk管内で、無水THF 7.33gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール110gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した淡黄色ポリマーは、多量で粉末状であった。沈殿した黄色がかったポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過した。得られた黄色がかった固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール125gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを含まないコポリマーを次に濾過した。室温/8mbarでの乾燥後、以下の特性を有するほぼ白色粉末0.98gを得た。
【0143】
【表9】

【0144】
実施例B10
モノマーAおよび実施例A5(b)のモノマーとの、モル比が77:23のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.338g(0.0025mmol)、モノマーA5(b)0.198g(0.00063mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0052g(0.031mmol)をSchlenk管内で、無水THF 7.64gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール125gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した黄色がかったポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過した。得られた淡黄色固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール125gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを含まないコポリマーを次に濾過した。室温/8mbarでの乾燥後、以下の特性を有する黄色がかった粉末1.13gを得た。
【0145】
【表10】

【0146】
実施例B11
モノマーAおよび実施例A6のモノマーの、モル比91:9のコポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.338g(0.0025mmol)、モノマーA6 0.102g(0.00025mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0046g(0.027mmol)をSchlenk管内で、無水THF 7.95gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール110gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した黄色がかったポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過した。得られた黄色がかった固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール110gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを次に濾過した。室温/8mbarでの乾燥後、以下の特性を有する、ほぼ白色粉末1.13gを得た。
【0147】
【表11】

【0148】
実施例B12
モノマーAおよび実施例A6のモノマーの、モル比79:21のコポリマー
[[8−[(2−メチル−l−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート1.338g(0.0025mmol)、モノマーA6 0.255g(0.00063mol)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0052g(0.031mmol)をSchlenk管内で、無水THF 8.33gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 5gで希釈して、0.2μm PTFE膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール125gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した黄色がかったポリマーは、多量で粉末状であった。室温にて30分間放置した後、粗生成物を濾過した。得られた淡黄色固体を直ちにTHF 10gに再度溶解させ、メタノール125gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーを次に濾過した。室温/8mbarでの乾燥後、以下の特性を有する黄色がかった粉末1.2gを得た。
【0149】
【表12】

【0150】
実施例B13
モノマーA、ポリエチレングリコールメタクリレート(Mw526g/mol)、および実施例A7のモノマーの、モル比78:9:13のターポリマー
実施例A7に述べた溶液を使用して、[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート2.677g(0.005mol)、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0118g(0.072mmol)を添加し、混合物を攪拌して完全に溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を開いて、ここで粘性溶液をTHF 20gで希釈して、0.45μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で濾過した。次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール400gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した白色ポリマーは多量であり、スターラーをオフにした後にビーカーの底部に急速に沈殿し、そこで粘着性層を形成した。室温にて30分間静置した後、メタノールをデカンテーションすることによって粗生成物を得た。得られた黄色ゴム様固体を直ちにTHF 20gに再度溶解させて、メタノール400gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーをデカンテーションした。室温/10mbarでの乾燥後、以下の特性を有する淡黄色でアモルファスのやや粘着性粉末2.47gを得た。
【0151】
【表13】

【0152】
実施例B14
モノマーA、ポリエチレングリコールメタクリレート(Mw526g/mol)、および実施例A7のモノマーの、モル比77:1:22のターポリマー
[[8−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]オクチル]オキシ]−2−メトキシ−4−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)フェニルベンゾアート2.68g(0.005mol)、ポリエチレングリコールメタクリレート、Mw=526g/mol、1.15g(0.0021mol)、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0118g(0.072mmol)を100ml丸底フラスコ内で無水THF 25.34gに攪拌しながら溶解させた。反応容器を気密状態で密閉し、混合物を脱気して、攪拌した透明な無色の溶液を200mbarまで排気して、窒素を再度供給した。この手順を計5回繰り返した。続いて反応混合物を攪拌しながら55℃まで加熱した。15時間後、反応容器を30℃まで冷却して、粘性溶液に3−ベンゾイル−7−ヒドロキシクマリン1.019g(0.0038mol)およびトリフェニルホスフィン0.994g(0.0038mol)を添加した。得られた淡黄色懸濁物をTHF 13gで希釈した。懸濁物を30℃に維持して、アルゴンで包み込んで、攪拌した。ジイソプロピルアゾジカルボキシラート0.798g(0.0038mol)のTHF 3gによる溶液をここで3分以内に滴下した。反応混合物は、オレンジ色溶液になった。後者を30℃にて42時間攪拌した。その後、オレンジ色溶液を0.45μポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で濾過した次に濾液を、最初にビーカーに注入していたメタノール400gに、−10〜10℃にて激しく攪拌しながら滴下した。沈殿した黄色ポリマーは多量であり、スターラーをオフにした後にビーカーの底部に急速に沈殿し、そこで粘着性層を形成した。室温にて30分間静置した後、デカンテーションすることによって粗生成物を得た。得られた黄色ゴム様固体を直ちにTHF 20gに再度溶解させて、メタノール400gに−10〜0℃にて再沈殿させた。精製された、今やモノマーを含まないコポリマーをデカンテーションした。以下の特性を有する淡黄色でアモルファスのやや粘着性粉末2.58gを得た。
【0153】
【表14】

【0154】
(C)コーティングされた基材の作製
【0155】
実施例C1
実施例B1のコポリマー2重量%からシクロ−ペンタノン7mlによる溶液を調製した。50nmの均質層が形成されるように、スピンコーティング装置によってITO−コーティングガラスプレートに60秒間で3000rpm(加速度=500rps)で溶液をスピンコーティングした。その後、層を180℃にて10分間乾燥して、波長365nm(バンドパスフィルタBPF 365nm)の直線偏光を、5/10/20/40/80/160/200/400/800/1600/3200mJ/cmの各種のエネルギー線量でストリップ状に照射した。このようにして、塗布された液晶層の配向が最初に観察される時のエネルギーの量を決定した。結果を実施例D1の表1で報告する。
【0156】
実施例C2−C14
実施例C1の手順を繰り返したが、実施例B2〜B14のポリマーを使用した。
【0157】
比較実施例
実施例C1の手順を繰り返したが、Michler’sケトン33重量%、増感剤としての3−ベンゾイル−7−(5−メタクロイルオキシ−n−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルオキシ)クマリン7重量%または22重量%を含有する、モノマーAのホモポリマーを使用した(比較1、2、および3)。
【0158】
(D)液晶およびコポリマー層を備えた基材の作成
【0159】
実施例D1
市販の光架橋性液晶調合物のシクロペンタノンによる15重量%溶液(OPALVATM 2130、Vantico AG)を使用し、スピンコーティング装置を用いて、厚さ700〜800nmを有する均質層が形成されるように、実施例C1のコーティングガラスプレートのコポリマー層にスピンコーティングした(1000rpmにて120秒間、加速度500rps)。塗布層は、50℃(1分)および40℃(1分)まで加熱することによって配向させた。その後、配向層を、窒素下で280〜400nm領域のUV光を800mJ/cmで照射することによって架橋させた。
【0160】
実施例D2−D14
実施例D1の手順を繰り返し、実施例C2〜C14のコーティングガラスプレートを使用した。
【0161】
比較実施例
実施例D1の手順を繰り返し、比較実施例1〜3のコーティングガラスプレートを使用した。
【0162】
【表15】

【0163】
(E)コポリマー層を有する基材の作成
【0164】
実施例E1
シクロ−ペンタノン7ml中の実施例B1のコポリマーの2重量%による溶液を調製した。50nmの均質層が形成されるように、スピンコーティング装置によってITO−コーティングガラスプレートに60秒間で3000rpm(加速度=500rps)で溶液をスピンコーティングした。その後、層を180℃にて10分間乾燥して、波長280〜400nm(ショートカットフィルタSCF 280nm−水銀ランプ)の直線偏光を、5/10/20/30/80/40/50mJ/cmの各種のエネルギー線量でストリップ状に照射した。
【0165】
複屈折の測定を可能にするBerek補償板を更に装備した顕微鏡を使用して、傾斜角を決定した。照明を当てたストリップ内の傾斜領域の数Btilt domainを、顕微鏡を使用して目視で決定した。傾斜領域は、各種の傾斜角を有するコーティングの領域を指す。交差偏光では、これらの区域間の境界は、コントラストが鮮明な範囲を定めた場合の差によって認識できる。傾斜領域の存在は、配列がまだ完成していないことを示し、そのため配向層の光速度の尺度となる。結果を実施例F1の表2で報告する。
【0166】
実施例E2−E14
実施例E1の手順を繰り返したが、実施例B2〜B14のコポリマーを使用した。
【0167】
比較実施例
実施例E1の手順を繰り返したが、Michler’sケトン33重量%、増感剤としての3−ベンゾイル−7−(5−メタクロイルオキシ−n−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルオキシ)クマリン7重量%または22重量%を含有する、モノマーAのホモポリマーを使用した(比較1、2、および3)。
【0168】
(F)コポリマー層および液晶層を有する基材の作成
【0169】
実施例F1
市販の光架橋性液晶配合物のシクロペンタノンによる15重量%溶液(OPALVATM 2130、Vantico AG)を使用し、スピンコーティング装置を用いて、厚さ700〜800nmを有する均質層が形成されるように、実施例E1のコーティングガラスプレートのコポリマー層にスピンコーティングした(1000rpmにて120秒間、加速度500rps)。塗布層は、50℃(1分)および40℃(1分)まで加熱することによって配向させた。その後、配向層を、窒素下で280〜400nm領域のUV光を800mJ/cmで照射することによって架橋させた。
【0170】
実施例F2−F14
実施例F1の手順を繰り返し、実施例E2〜E14のコーティングガラスプレートを使用した。
【0171】
比較実施例
実施例F1の手順を繰り返し、比較実施例1〜3のコーティングガラスプレートを使用した。
【0172】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)光化学的に異性化可能なまたは二量化可能な分子が共有結合した、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
(b)増感剤が共有結合した、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
(c)場合により他のエチレン性不飽和コモノマーと、
を含む組成物。
【請求項2】
光重合性基が、式AおよびB:
【化1】


(式中、
R’は、水素またはC〜C−アルキルであり、
A’は、場合により置換された1価もしくは2価芳香族基または場合により置換された1価もしくは2価複素環式芳香族基であり、
は、架橋基である)
に相当することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
モノマー(a)が、式Iまたは式Ia:
【化2】


(式中、
Rは、HまたはC〜C−アルキルであり、
Aは、架橋基であり、
は、場合により置換された2価の、Sは場合により置換された1価の芳香族または複素環式芳香族基であり、
は、光化学的に異性化または二量化する分子の1価の基であり、Zは、光化学的に異性化または二量化する分子の2価の基である)
に相当することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
モノマー(a)が、式Idまたは式Ie:
【化3】


(式中、
Rは、メチルであり、
nは、2〜20、好ましくは4〜14の数であり、
は、C〜C−アルキル、好ましくはメチルであり、
xは、0または1であり、
は、直接結合、−O−、−S−、−CO−、−OC(O)−、または−C(O)O−であり、
およびC基は、独立して、非置換であるか、または1〜3個のC〜C−アルキルおよび/もしくはC〜C−アルコキシ、好ましくはメトキシによって置換されている)
に相当することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
モノマー(b)が、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノエステル、およびアリルアルコールまたはメタリルアルコールまたはクロトニルアルコールの群より選択され、それに増感剤が、直接、あるいはエステルもしくはアミド基中の、またはアルコール基への架橋基を介して、共有結合していることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
増感剤が、2−ヒドロキシケトン、クマリン、ケトクマリン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、キサントン、チオキサントン、およびアセトフェノンケタールの群より選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
モノマー(b)が、式II:
【化4】


(式中、
Rは、HまたはC〜C−アルキルであり、
は、Hまたは−COORであり、
は、直接結合または2価架橋基であり、
Bは、メチレンまたは−C(O)−であり、
Yは、増感剤の1価基であり、
は、−O−、−NH−、または−N(C〜C−アルキル)−であり、
は、Bがメチレンである場合、−O−であり、
は、H、C〜C20−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、またはフェニル−C〜C−アルキルである)
に相当することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
モノマー(b)が、式IIa:
【化12】


(式中、
Rは、Hまたはメチルであり、
は、Hであり、
Bは、−C(O)−であり、
Yは、増感剤の1価基であり、
は、−O−であり、
は、式−(R−X−(R−の基であり、
ここでRは、C〜C20−アルキレン、2〜10個のオキサアルキレン単位を有するポリオキサエチレンまたはポリオキサプロピレン、C−もしくはC−シクロアルキレン、−シクロペンチル−C2n−および−シクロヘキシル−C2n−(ここでnは、1または2である)、シクロペンチル−(C2n−)およびシクロヘキシル−(C2n−)(ここでnは、1または2である)、フェニレン、ベンゼン、フェニルエチレン、あるいはキシリレンであり、
は、直接結合またはC〜Cアルキレンであり、
は、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−O−C(O)−O−、−SO−O−、−O−SO−、−O−SO−O、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−NR−C(O)−O−、−O−C(O)−NR−、−NR−C(O)−NR−、−NR−SO−、−SO−NR−、−NR−SO−O−、−O−SO−NR−、または−NR−SO−NRの群より選択される基であり、
rは、1の数であり、sは、0または1の数である)
に相当する、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
モノマー(c)が、エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、スチレン、ビニルクロリド、ビニリデンクロライド、アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル化もしくはN−ヒドロキシアルキル化(メタ)アクリルアミド、エステル基中に1〜20個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エステルもしくはエーテル基中に1〜20個の炭素原子を有するビニルおよびアリルエステルならびにビニルおよびアリルエーテル、アルキル(メタ)アクリレートまたはポリオキサアルキレンジオールのビニルおよびアリルエーテルの群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
基材、および
(a)光化学的に異性化可能なまたは二量化可能な分子が共有結合した、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
(b)増感剤が共有結合した、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーと、
(c)場合により他のエチレン性不飽和コモノマーと、
を含む重合性組成物の薄層、またはこの組成物のコポリマーの薄層
から構成される複合材料。
【請求項11】
請求項1記載の組成物の光架橋層と、光架橋層上の液晶層とを含む、組成物。
【請求項12】
基材材料上に配向層を製造するための請求項1記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2009−501238(P2009−501238A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519924(P2006−519924)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051425
【国際公開番号】WO2005/014677
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(596098438)ロリク アーゲー (22)
【氏名又は名称原語表記】ROLIC AG
【Fターム(参考)】