説明

配線・ホース類の固定装置

【課題】締付部材が破損したときでも配線・ホース類の脱落を防ぐことができ、配線・ホース類の脱落の懸念なくこの配線・ホース類を締付け固定することができる配線・ホース類の固定装置の提供。
【解決手段】ブラケット4に固定され配線・ホース類5が載置される固定部材Aと、この固定部材Aに係着され配線・ホース類5を締付ける締付部材Bとから成る配線・ホース類の固定装置において、固定部材Aが、1本の金属製の丸棒を折り曲げ形成して作製され、互いに並設されてブラケット4に取付けられ配線・ホース類5の保持が可能な弧状凹部1b1、2b1を有する第1フック状部1及び第2フック状部2と、これらの第1フック状部1及び第2フック状部2を一体に連結する連結部3とを含む構成とし、配線・ホース類5を第1フック状部1及び第2フック状部2に載置し、連結部3に締付部材Bで締付けて固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に備えられ、電気機器同士を接続する配線や、油圧機器同士を接続するホース等を、機器間に位置する所定部材に固定するための配線・ホース類の固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配線・ホース類の固定装置としては、特許文献1に示される従来技術がある。図9はこの特許文献1に開示された配線・ホース類の固定装置を示す斜視図である。図9に示すように、従来の配線・ホース類の固定装置は、所定部材10に固定され配線・ホース類12が載置される固定部材11と、この固定部材11に係着され配線・ホース類12を締付ける締付部材13とを備えている。
【0003】
固定部材11は、バンド挿入部11a1を形成する円環状部11aと、この円環状部11aから直線状に延びて配線・ホース類12を載置可能な載置部11bと、この載置部11bからV字状に広がった図示しない曲げ部を介して載置部11bとそれぞれ直角に設けられた固定部11c、11dとで構成されており、これら固定部11c、11dが所定部材10に固着されている。締付部材13は、固定部材11のバンド挿入部11a1に挿入されて配線・ホース類12を載置部11bに巻き付けて固定するバンド13aと、このバンド13aの一端に設けられ、配線・ホース類12を載置部11bに巻き付けて余ったバンド13aの他端側が挿入され、この他端側を抜け止めする抜け止め具13bとで構成されている。
【0004】
このように構成される従来の配線・ホース類の固定装置を使用する場合、まず固定部11c、11dを所定部材10に固着し、載置部11bに配線・ホース類12を載置する。次に、配線・ホース類12を載置したまま、締付部材13のバンド13aをバンド挿入部11a1に上方から挿入し、このバンド13aを配線・ホース類12に巻き付けて抜け止め具13bに挿入する。最後に、この抜け止め具13bを通ったバンド13aの端部を引っ張り、配線・ホース類12を締付けて固定する。
【特許文献1】特開2007−51704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の配線・ホース類の固定装置では、長期間の使用によって締付部材13に疲労や摩耗が生じ、締付部材13が破損する場合がある。この場合、配線・ホース類の固定装置は油圧ショベル等の動的な建設機械に備えられているので、これらの建設機械の振動等によって、配線・ホース類12が平坦状に形成されている載置部11bから脱落する虞がある。そのため、配線・ホース類の固定装置の安定性が低いという問題があった。また、配線・ホース類の固定装置を使用する場合、一方の手で配線・ホース類12が平坦状の載置部11bから脱落しないように保持しつつ、他方の手で締付部材13を配線・ホース類12に巻き付ける煩雑な作業が必要になる。その結果、配線・ホース類12を締付け固定する際の作業性が低くなりやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、締付部材が破損したときでも配線・ホース類の脱落を防ぐことができ、配線・ホース類の脱落の懸念なくこの配線・ホース類を締付け固定することができる配線・ホース類の固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の配線・ホース類の固定装置は、所定部材に固定され配線・ホース類が載置される固定部材と、この固定部材に係着され前記配線・ホース類を締付ける締付部材とから成る配線・ホース類の固定装置において、前記固定部材が、互いに並設されて前記所定部材に取付けられ前記配線・ホース類の保持が可能な凹部を有する複数のフック状部と、これらのフック状部を一体に連結する連結部とを含むことを特徴としている。
【0008】
このように構成された本発明では、固定部材の凹部によって配線・ホース類を保持することができるので、締付部材が破損した場合には、建設機械等の振動による配線・ホース類の脱落をこの固定部材の凹部に配線・ホース類が収容保持されることによって防止することができる。また、配線・ホース類の固定装置を使用するときには、固定部材の凹部が配線・ホース類を保持することができるので、締付部材を両手で扱うことができ、容易に配線・ホース類を固定部材に締付け固定することができる。
【0009】
また、本発明に係る配線・ホース類の固定装置は、各フック状部は、所定部材から離れる側に位置する第1鉛直部と、この第1鉛直部の下端に連結される湾曲部と、この湾曲部に連結され第1鉛直部に対向して配置されるとともに、所定部材に取付けられる第2鉛直部と、この第2鉛直部の上端に連結され、第1鉛直部方向に傾斜する傾斜部とを有し、連結部を傾斜部に連結したことを特徴としている。このように構成された本発明では、第2鉛直部の上端に連結された傾斜部によって、傾斜部に連結された連結部と所定部材の間に締付部材を挿通させることができる隙間を形成することができるので、締付作業が容易になる。
【0010】
また、本発明に係る配線・ホース類の固定装置は、各フック状部の第1鉛直部に所定部材に向かって延設され、配線・ホース類の上方向の動きを規制する規制部を設けたことを特徴としている。このように構成された本発明では、締付部材が破損した場合において、配線・ホース類が振動を受けて上下方向に移動しても、第1鉛直部に設けられた規制部によって配線・ホース類の動きを規制することができるので、配線・ホース類の固定部材からの脱落を確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明に係る配線・ホース類の固定装置は、固定部材は、1本の金属製の丸棒を折り曲げ形成して作製されることを特徴としている。このように構成された本発明では、固定部材を簡単に作ることができる。
【0012】
また、本発明に係る配線・ホース類の固定装置は、固定部材のそれぞれが複数の連結部を有することを特徴としている。このように構成された本発明では、配線・ホース類を締付部材で複数の連結部に締付けることによって、配線・ホース類を支える支点が増えるので、配線・ホース類に対する拘束力を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の配線・ホース類の固定装置は、固定部材が、互いに並設されて所定部材に取付けられ配線・ホース類の保持が可能な凹部を有する複数のフック状部と、これらのフック状部を一体に連結する連結部とで構成され、締付部材で配線・ホース類をこの連結部に締付け固定することにより、建設機械等の振動によって締付部材が破損した場合には、固定部材の凹部で配線・ホース類を保持することができるので、この配線・ホース類の脱落を防止することができる。これにより、従来に比べて配線・ホース類の安定性の高い保持構造を実現させることができる。また、配線・ホース類の固定装置を使用する場合には、固定部材の凹部が配線・ホース類を保持することができるので、締付け部材を両手で扱うことができ、容易に配線・ホース類を連結部に締付け固定することができる。これにより、従来に比べて配線・ホース類を締付け固定する際の作業性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る配線・ホース類の固定装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態に係る配線・ホース類の固定装置に備えられる固定部材を示す斜視図、図2は図1に示す固定部材の正面図、図3は第1実施形態の構成を示す側面図、図4は第1実施形態に備えられる固定部材のフック状部に配線・ホース類が載置された状態を示す斜視図、図5は第1実施形態に備えられる固定部材のフック状部に分岐部を有する配線・ホース類が載置された状態を示す斜視図である。
【0016】
図1ないし図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る配線・ホース類の固定装置は、建設機械例えば油圧ショベルの図示しない所定部材に固定され配線・ホース類5が載置される固定部材Aと、この固定部材Aに係着され配線・ホース類5を締付ける締付部材Bとを備えている。
【0017】
固定部材Aは、互いに並設されて所定部材例えばブラケット4に取付けられ配線・ホース類5の保持が可能な凹部を有する第1フック状部1及び第2フック状部2と、これらの第1フック状部1及び第2フック状部2を一体に連結する連結部3とから成っている。第1フック状部1は、ブラケット4から離れる側に位置し、ブラケット4の延設方向とほぼ平行に延設される第1鉛直部1aと、この第1鉛直部1aの下端に連結され弧状凹部1b1を形成する湾曲部1bと、この湾曲部1bに連結され第1鉛直部1aに対向して配置されるとともに、ブラケット4に溶接によって取付けられる第2鉛直部1cと、この第2鉛直部1cの上端に連結され第1鉛直部1a方向に傾斜する傾斜部1dとで構成されている。同様にして、第2フック状部2は、ブラケット4から離れる側に位置し、ブラケット4の延設方向とほぼ平行に延設される第1鉛直部2aと、この第1鉛直部2aの下端に連結され弧状凹部2b1を形成する湾曲部2bと、この湾曲部2bに連結され第1鉛直部2aに対向して配置されるとともに、ブラケット4に溶接によって取付けられる第2鉛直部2cと、この第2鉛直部2cの上端に連結され第1鉛直部2a方向に傾斜する傾斜部2dとで構成されている。そして、これらの各傾斜部1d,2dの上端に連結部3が連結されて一体となっている。また、固定部材Aは1本の金属製の丸棒を曲げ加工して一体型に作製されている。なお、前述した第1鉛直部1a,2aの長さ寸法は比較的長く設定してあり、第2鉛直部1c,2cの長さ寸法は第1鉛直部1a,2aに比べて短い寸法に設定してある。
【0018】
締付部材Bは、固定部材Aの連結部3に配線・ホース類5を巻き付けて固定するバンド6aと、このバンド6aの一端に設けられ、配線・ホース類5を連結部3に巻き付けて余ったバンド6aの他端側が挿入され、この他端側を抜け止めする抜け止め具6bとで構成されている。
【0019】
このように構成される本発明の第1実施形態に係る配線・ホース類の固定装置を使用する場合、図4に示すように、まず配線・ホース類5を固定部材Aの各湾曲部1b,2bの上面に第1鉛直部1a,2a及び第2鉛直部1c,2cで挟持するように載置する。次に、配線・ホース類5を載置したまま、連結部3とブラケット4の間の隙間にバンド6aを挿入し、両手でこのバンド6aを配線・ホース類5に巻き付けて抜け止め具6bに挿入する。最後に、この抜け止め具6bを通ったバンド6aの端部を引っ張り、配線・ホース類5を連結部3に締付けて固定する。
【0020】
一方、図5に示すように、本発明の第1実施形態に係る配線・ホース類の固定装置を伸長部7aと分岐部7bを有する配線・ホース類7に適用する場合には、まず伸長部7aを固定部材Aの各湾曲部1b,2bの上面に第1鉛直部1a,2a及び第2鉛直部1c,2cで挟持するように載置し、分岐部7bを第1鉛直部1aと第1鉛直部2aの間に配置する。次に、配線・ホース類7を載置したまま、連結部3とブラケット4の間の隙間にバンド6aを挿入し、両手でこのバンド6aを伸長部7aに巻き付けて抜け止め具6bに挿入する。最後に、この抜け止め具6bを通ったバンド6aの端部を引っ張り、伸長部7aを連結部3に締付けて固定する。
【0021】
このように構成した本発明の第1実施形態によれば、固定部材Aの第1フック状部1及び第2フック状部2によって配線・ホース類5を保持することができるので、締付部材Bが破損した場合には、油圧ショベルの作業に伴う振動等による配線・ホース類5の脱落をこの固定部材Aの第1フック状部1及び第2フック状部2の湾曲部1b,2bの弧状凹部1b1,2b1によって防止することができる。また、このように締付部材Bが破損して配線・ホース類5が弧状凹部1b1,2b1に保持されているときに、振動等によって配線・ホース類5が上方向に動いた場合でも、第1フック状部1及び第2フック状部2の第1鉛直部1a,2aがブラケット4と平行に上方向に延設されているので、配線・ホース類5はこれらの第1鉛直部1a,2aによって第1フック状部1及び第2フック状部2からの脱落を防ぐことができる。そのため、配線・ホース類5の安定性の高い保持構造を実現させることができる。また、第1鉛直部1aと第1鉛直部2aの間に配線・ホース類7の分岐部7bを配置することができるので、伸長部7aと分岐部7bを有する配線・ホース類7にも適用できるとともに、分岐部7bの配置を容易に決定でき、組立作業のバラツキを低減することができる。
【0022】
また、配線・ホース類の固定装置を使用するときには、固定部材Aの第1フック状部1及び第2フック状部2が配線・ホース類5,7を保持することができるので、締付部材Bを両手で扱うことができ、容易に配線・ホース類5,7を固定部材Aの連結部3に締付け固定することができる。これにより、配線・ホース類5,7を締付け固定する際の作業性を高めることができる。
【0023】
さらに、第2鉛直部1c,2cに連結された傾斜部1d,2dによって、これらの傾斜部1d,2dに連結された連結部3とブラケット4の間に締付部材Bのバンド6aを挿通させることができる隙間を形成できるので、締付部材Bのバンド6aをこの隙間に容易に挿通させることができ、締付作業が容易である。また、固定部材Aは1本の金属製の丸棒を曲げ加工して作製されているので、簡単に固定部材Aを作ることができるとともに、表面に突起物の少ない固定部材Aを作ることができるので、配線・ホース類5,7及び締付部材Bのバンド6aの損傷及び破損を軽減できる。これにより、配線・ホース類の固定装置の耐久性を高めることができる。
【0024】
図6は本発明の第2実施形態の構成を示す側面図であり、図1ないし図3と対応する部分には同一符号を付してある。
【0025】
図6に示すように、本発明の第2実施形態に係る配線・ホース類の固定装置が本発明の第1実施形態と異なるのは、固定部材Aの第1鉛直部1aの上端に規制部1eをブラケット4に向かって垂直に延設し、固定部材Aの第2鉛直部2aの上端にも規制部1eと同等の図示しない規制部をブラケット4に向かって垂直に延設したことであり、その他の構成は基本的に同じである。また、本発明の第2実施形態に係る配線・ホース類の固定装置を使用する場合も、上記第1実施形態と同様である。
【0026】
このように構成した本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態と同等の作用効果が得られる他、締付部材Bが破損し、配線・ホース類5,7が外れ、油圧ショベルの作業に伴う振動等によって、配線・ホース類5,7が固定部材A内において上下方向に移動しても、第1鉛直部1aの上端の規制部1e、及び第1鉛直部2aの上端の上記の図示しない規制部が配線・ホース類5,7の動きを規制することができるので、配線・ホース類5,7が固定部材Aから脱落するのを確実に防止することができる。これにより、配線・ホース類5,7のより安定性の高い保持構造を実現させることができる。
【0027】
図7は本発明の第3実施形態に備えられる固定部材を示す正面図、図8は本発明の第3実施形態の構成を示す側面図であり、図1ないし図3と対応する部分には同一符号を付してある。
【0028】
図7及び図8に示すように、本発明の第3実施形態に係る配線・ホース類の固定装置が本発明の第1実施形態と異なるのは、固定部材Aの第2鉛直部1cの内側及び第2鉛直部2cの内側に第2連結部3aを溶接で連結したことであり、その他の構成は基本的に第1実施形態と同じである。
【0029】
また、本発明の第3実施形態に係る配線・ホース類の固定装置を使用する場合、上記第1実施形態と同様にして、まず配線・ホース類5,7を固定部材Aの各湾曲部1b,2bの上面に第1鉛直部1a,2a及び第2鉛直部1c,2cで挟持するように載置する。次に、配線・ホース類5、7を載置したまま、第2連結部3aとブラケット4の間に生じた隙間にバンド6aを挿入し、続けて連結部3とブラケット4の間の隙間にバンド6aを挿通させて両手でこのバンド6aを配線・ホース類5に巻き付けて抜け止め具6bに挿入する。最後に、この抜け止め具6bを通ったバンド6aの端部を引っ張り、配線・ホース類5,7を連結部3と第2連結部3aに締付けて固定する。
【0030】
このように構成した本発明の第3実施形態によれば、第1実施形態と同等の作用効果が得られる他、固定部材Aの第2鉛直部1cの内側及び第2鉛直部2cの内側に第2連結部3aを溶接で連結したことによって、第2連結部3aとブラケット4の間にバンド6aを通すことができる隙間を形成することができる。この隙間及び連結部3とブラケット4の間の隙間にバンド6aを挿通させて配線・ホース類5,7を締付けて固定することにより、配線・ホース類5,7を連結部3と第2連結部3aの2つの支点で支えることができる。その結果、配線・ホース類5,7の重心が安定し、締付部材Bでより強固に配線・ホース類5,7を締付けることができるので、この配線・ホース類5,7に対する拘束力を高めることができる。
【0031】
なお、上記第1実施形態では、固定部材Aが第1フック状部1及び第2フック状部2の2本のフック状部を有する場合について説明したが、フック状部が3本以上あっても良い。このように構成すると、配線・ホース類5,7の保持力をより高めることができる。また、上記第1実施形態では、1つの締付部材Bによって配線・ホース類5,7を連結部3に締付け固定する場合について説明したが、締付部材Bを2つ以上用いてもよい。このようにすると、配線・ホース類5,7の拘束力をより高めることができる。
【0032】
また、上記第1実施形態では、固定部材Aの第2鉛直部1c,2cを溶接によってブラケット4に取付けた場合について説明したが、ボルト等その他の手段を用いて所定部材に取付けてもよい。また、上記第1実施形態では、固定部材Aを1本の金属製の丸棒を曲げ加工して作製した場合について説明したが、2本以上の丸棒あるいはその他の部材を溶接等を用いて作製してもよい。また、上記第1実施形態では、固定部材Aの第1フック状部1及び第2フック状部2が弧状凹部1b1,2b1を有するように湾曲部1b,2bをそれぞれ備えた場合について説明したが、各フック状部が配線・ホース類5,7を保持できる種々の形状、例えば側面がコ字型形状を有するように湾曲部1b,2bを直線部等に形成してもよい。
【0033】
また、上記第2実施形態では、固定部材Aの第1鉛直部1aの上端に規制部1eをブラケット4に向かって垂直に延設し、固定部材Aの第2鉛直部2aの上端に図示しない規制部をブラケット4に向かって垂直に延設した場合について説明したが、各規制部はブラケット4に向かって各鉛直部に延設されていれば、各鉛直部に垂直でなくてもよい。
【0034】
また、上記第3実施形態では、固定部材Aの第2鉛直部1cの内側及び第2鉛直部2cの内側に第2連結部3aを溶接で連結した場合について説明したが、さらに固定部材Aの第2鉛直部1cの内側及び第2鉛直部2cの内側に連結部3aを複数連結してもよい。このようにすると、配線・ホース類5,7の拘束力をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係る配線・ホース類の固定装置に備えられる固定部材を示す斜視図である。
【図2】図1に示す固定部材の正面図である。
【図3】第1実施形態の構成を示す側面図である。
【図4】第1実施形態に備えられる固定部材のフック状部に配線・ホース類が載置された状態を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態に備えられる固定部材のフック状部に分岐部を有する配線・ホース類が載置された状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態の構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に備えられる固定部材を示す正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態の構成を示す側面図である。
【図9】従来の配線・ホース類の固定装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
A 固定部材
1 第1フック状部
1a 第1鉛直部
1b 湾曲部
1b1 弧状凹部
1c 第2鉛直部
1d 傾斜部
1e 規制部
2 第2フック状部
2a 第1鉛直部
2b 湾曲部
2b1 弧状凹部
2c 第2鉛直部
2d 傾斜部
3 連結部
3a 第2連結部
4 ブラケット(所定部材)
5 配線・ホース類
B 締付部材
6a バンド
6b 抜け止め具
7 配線・ホース類
7a 伸長部
7b 分岐部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定部材に固定され配線・ホース類が載置される固定部材と、この固定部材に係着され前記配線・ホース類を締付ける締付部材とから成る配線・ホース類の固定装置において、
前記固定部材が、互いに並設されて前記所定部材に取付けられ前記配線・ホース類の保持が可能な凹部を有する複数のフック状部と、これらのフック状部を一体に連結する連結部とを含むことを特徴とする配線・ホース類の固定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の配線・ホース類の固定装置において、
前記各フック状部は、前記所定部材から離れる側に位置する第1鉛直部と、この第1鉛直部の下端に連結される湾曲部と、この湾曲部に連結され前記第1鉛直部に対向して配置されるとともに、前記所定部材に取付けられる第2鉛直部と、この第2鉛直部の上端に連結され、前記第1鉛直部方向に傾斜する傾斜部とを有し、
前記連結部を前記傾斜部に連結したことを特徴とする配線・ホース類の固定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の配線・ホース類の固定装置において、
前記各フック状部の第1鉛直部に前記所定部材に向かって延設され、前記配線・ホース類の上方向の動きを規制する規制部を設けたことを特徴とする配線・ホース類の固定装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配線・ホース類の固定装置において、
前記固定部材は、1本の金属製の丸棒を折り曲げ形成して作製されることを特徴とする配線・ホース類の固定装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配線・ホース類の固定装置において、
前記固定部材のそれぞれが複数の前記連結部を有することを特徴とする配線・ホース類の固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−112476(P2010−112476A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285603(P2008−285603)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】