説明

配線基板の製造方法

【課題】 半導体チップの電極との接続不良を抑制することが可能な配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコン基板11上にシリコン酸化膜13、Ta膜15、及びCu膜17を順に形成する工程と、Cu膜17を配線用のパターンに加工する工程と、Cu膜17の表面に第3の金属を形成する工程と、Co系膜21及びCu膜17を覆い、Ta膜15に接する樹脂からなる樹脂基板25を形成する工程と、外側から力を加えて、Ta膜15とシリコン酸化膜13との密着性を弱め、分離させる工程と、樹脂基板25の表面を覆っているTa膜15を除去し、樹脂基板25の表面にパターンを有するCu膜17を露出させる工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子のますますの高集積化及び高性能化に伴って、半導体チップの電極数が増加し、その結果、電極の小型化及び電極の狭ピッチ化が必要になっている。半導体チップは、実装後の小型化等を図るために、パッケージ用あるいは実装用の配線基板にバンプを介して接続されることが多い。そのため、半導体チップが接続される配線基板等は、半導体チップに形成された電極ピッチに対応した配線を同様に備えることが必要となる。
【0003】
従来、これらの配線基板は、銅張積層板をエッチングして導体回路を形成する配線基板が使われていた。しかしながら、エッチングで形成された配線基板は、一定の厚さの銅箔を使用し、これを所望の形状にエッチングすることが難しく、効率よく狭ピッチ化に対応することが困難であった。
【0004】
そこで、例えば、微細配線を形成するために、ステンレス基板上のレジストにパターニングして、そのパターンに沿った銅を基板上に電界めっきにより形成し、形成された金属層(銅めっき層)の上から接着剤層を電着形成し、金属層を接着剤層を介して別の配線基板上に転写する配線基板の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかし、この配線基板の製造方法は、配線となる金属層及びそれを接着する接着剤層がめっきにより形成されて、めっきの形状がそのまま配線に反映されているために、配線基板の表面方向の広がり及び表面からの高さ方向にばらつきが大きく、配線基板の配線と半導体チップの電極とを、例えば、バンプを介して全て確実に接続することは困難な場合があった。特に、半導体チップが大きく、半導体チップの電極ピッチが小さくなる場合は、接続不良をなくすことが難しいという問題があった。
【特許文献1】特開平11−177194号公報(第6−7頁、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、半導体チップの電極との接続不良を抑制することが可能な配線基板の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の配線基板の製造方法は、シリコン基板上にシリコン絶縁膜、第1の金属、及び第2の金属の膜を順に形成する工程と、前記第2の金属を配線用のパターンに加工する工程と、前記第2の金属の表面に第3の金属を形成する工程と、前記第3の金属及び第2の金属を覆い、前記第1の金属に接する樹脂からなる樹脂基板を形成する工程と、外側から力を加えて、前記第1の金属と前記シリコン絶縁膜との密着性を弱め、分離させる工程と、前記樹脂基板の表面を覆っている前記第1の金属を除去し、前記樹脂基板の表面に前記パターンを有する前記第2の金属を露出させる工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、半導体チップの電極との接続不良を抑制することが可能な配線基板の製造方法を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。各図では、同一の構成要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施例1に係る配線基板の製造方法について、図1乃至図3を参照しながら説明する。図1は配線基板の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図である。図2は図1に示す工程に引き続き、配線基板の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図である。図3は配線基板に半導体チップを接続した構造を模式的に示す断面図である。
【0011】
まず、図1(a)に示すように、シリコン(Si)基板11上にシリコン絶縁膜であるSiO2膜13を形成し、その上に、第1の金属であるタンタル(Ta)膜15を形成し、その上に、第2の金属である銅(Cu)17の膜を順に形成する。SiO2膜13は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法に限らず、例えば、スパッタ法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法、Si基板11表面の酸化等で作製可能である。Ta膜15は、スパッタ法等のPVD法で作成するが、その他の方法も可能である。Cu膜17は、例えば、スパッタ法で薄膜(シード層)が形成された後、電解めっき法にて積層し、Cu膜17の表面はCMP(Chemical Mechanical Polishing)法によって平坦化される。
【0012】
図1(b)に示すように、平坦化されたCu膜17の表面に、感光性のレジスト膜19を形成し、配線形状及び個片化するためのダイシングライン部にパターニングされる。なお、この配線形状は、後工程で別の基板に転写されるために、所望の配線を反転した形状となっている。
【0013】
図1(c)に示すように、パターニングされたレジスト膜19をCu膜17に転写するように、Cu膜17はエッチングされ、レジスト膜19が除去されたCu膜17上に、第3の金属であるコバルト(Co)系膜21が、無電解めっき法で形成される。Cu膜17のエッチングは、塩化第二鉄溶液、過硫酸アンモニウム水溶液、市販されているCuエッチング液、またはドライエッチング法等によって行われる。パターニングされたCu膜17の表面にCo系膜21が、無電解めっき法で形成される。Co系膜21は、コバルトが約90%、他に、タングステン(W)及びボロン(B)等を含有しているが、WまたはBは含まれなくても差し支えない。Co系膜21は、後述の剥離のための応力を得るために厚さが3μm以上あることが好ましい。
【0014】
図1(d)に示すように、Co系膜21及びCu膜17を覆い、Ta膜15に接する樹脂で覆って板状の樹脂基板25を形成する。樹脂基板25は、エポキシ樹脂であり、室温で軟化している樹脂を、例えば、スピンコート法、スキージ法等で一定厚みになるように成形し、加熱硬化させてある。他に、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート樹脂等でも差し支えないし、または、これらの樹脂を接着材として介在させたセラミック板等でも差し支えない。
【0015】
図2(a)に示すように、樹脂基板25のSi基板11と反対側の表面から、Si基板11方向に、ダイシングライン(図示略)に沿って、Si基板11に届くまで、溝51を形成する。溝51は、ダイシング装置のブレード(図示略)が、樹脂基板25の表面から、Co系膜21、Cu膜17、Ta膜15、及びSiO2膜13を通って、Si基板11に達している。ブレードによる振動や熱等による外から与える力、及び、Co系膜21が有する応力等により、密着力の比較的弱いTa膜15とSiO2膜13との界面は、一層弱い力で接触している状態となる。なお、Co系膜21が分離または剥離を促進するのに必要な応力を得るには、Co系膜21の膜厚は、約3μm以上が好ましく、また、外から与える力としては、例えば、超音波であってもよく、ブレードによる力に追加の力として適用することも可能である。
【0016】
図2(b)に示すように、Ta膜15とSiO2膜13との界面53を分離させる。弱い力で接触している状態となったTa膜15とSiO2膜13との界面53は、例えば、樹脂基板25をピンセット等(図示略)で引き離すことによって、界面53で分離して個片化される。効率的には、例えば、Si基板11を固定して、個片を真空ピンセット等(図示略)で吸引すると、一つずつの分離させることが可能であり、一方、複数個をまとめて個片化する場合、樹脂基板25側に粘着テープ(図示略)を貼って、Si基板11に対して、粘着テープを離す方向に引き剥がすことにより、複数個の個片を粘着テープに貼り付けた状態で得ることができる。
【0017】
図2(c)に示すように、分離された界面53のTa膜15をエッチング除去して、個片化された配線基板1が形成される。分離されて表面に露出したTa膜15は、例えば、硝酸と弗酸を主成分とするエッチング液、市販のTaエッチング液、またはドライエッチング法等でエッチング除去されて、配線基板1となる。
【0018】
配線基板1は、SiO2膜13を介して、Si基板11の上に形成されたTa膜15の有する平坦度で形成されたCu膜17が表面に配設され、Cu膜17に接して樹脂基板25側にCo系膜21が埋め込まれた構造を有している。その結果、配線、すなわち、Cu膜17の露出する面は、Si基板の表面に形成された半導体チップ表面の配線とほぼ同等の精度を有している。配線基板1は、例えば、厚さが約50μm、Cu膜17及びCo系膜21の合計の厚さは約10μmである。
【0019】
図3に示すように、配線基板1は、半導体チップ31と配線面同士を対向させて、バンプ35を介して接続される。半導体チップ31に形成された電極33に、例えば、金または金を主成分とする合金のスタッドバンプからなるバンプ35が形成された半導体チップ31が固定され、正対する方向から、配線基板1を接触させて、配線基板1に超音波及び荷重を掛けることにより、接合部を外部から加熱することなく、半導体チップ31と配線基板1とを接続することができる。半導体チップ31と配線基板1との間にある封止樹脂39は、例えば、予め配線基板1に配設しておき、フリップチップ接続と同時に樹脂封止させてある。
【0020】
そして、例えば、長辺が約15mmの外周部に配置された間隔50μm、一辺の幅30μmの電極33に、高さ約30μmのバンプ35を配設された半導体チップ31は、配線基板1に超音波を印加して押圧することによって、配線基板1のCu膜17と確実に接続することが可能である。
【0021】
上述したように、配線基板1は、半導体チップの製造工程と同様な工程で、Si基板11の上に形成され、SiO2膜13とTa膜15の界面53の密着強度が比較的弱いために、ダイシングによる外力を利用して、Cu膜17及びCo系膜21が転写して形成された樹脂基板25の分離を促進して、個片化される。配線となる表面側のCu膜17及び内側のCo系膜21は、めっき等で形成させた後、フォトリソグラフィ技術により、パターンニングされ、エッチングされる。製造工程では、Cu膜17の表面に出ない側からエッチングを行い、Ta膜15に接している表面側となるCu膜17の部分がエッチングで精度よく規定される。Cu膜17は、転写及びTa膜15のエッチング除去により、配線の幅や間隔等の外形を維持したまま、配線基板1の表面に、樹脂基板25とほぼ同一面をなして、一部が露出した配線となる。すなわち、配線基板1は、フォトリソグラフィ技術による精度を有している。
【0022】
その結果、配線基板1の配線となるCu膜17は、半導体チップ31の表面の平坦性に相当する平坦性を有して、半導体チップ31の表面の電極33の配置精度に相当する配置精度を有している。すなわち、上述した製造方法によれば、半導体チップ31の電極33との接続不良を抑制することが可能な配線基板1を提供することが可能である。
【0023】
また、Cu膜17の内側に埋め込まれたCo系膜21があることにより、超音波のエネルギーを有効にCu膜17のバンプ35との接続部に供給することができる。つまり、Co系膜21は、Cu膜17に比較して数倍の硬度を有し、比較的硬度の低いCu膜17のみの場合と比較して、接続に必要な超音波及び荷重のエネルギーを小さくできる等の効果をもたらす。その結果、バンプ35のつぶれ過ぎ等を起こすことなく、配線基板1と半導体チップ31とは、確実に、精度よく接続される。
【0024】
また、Co系膜21があることにより、バンプ35接続時に加熱等によるエネルギーの追加が不要となるために、配線基板1を高温に置く必要がなくなる。その結果、熱膨張等による変形が抑制されて、配線基板1と半導体チップ31とは、精度よく接続される。
【実施例2】
【0025】
本発明の実施例2に係る配線基板の製造方法について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は配線基板の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図である。図5は配線基板に半導体チップを接続した構造を模式的に示す断面図である。実施例1とは、配線となるCu膜を、金(Au)膜に置き換えてあることが異なっている。以下、実施例1と同一構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略し、異なる構成部分について説明する。
【0026】
まず、図4(a)に示すように、個片化された配線基板1は、実施例1の配線基板1と同じである。従って、配線基板1に至るまでの製造方法は、実施例1の製造方法と同様である。
【0027】
図4(b)に示すように、配線基板1の表面に露出しているCu膜17が、膜厚を薄くした第4の金属であるAu膜41に置換されて、Au膜41を露出面に有する配線基板2を形成している。Cu膜17は、上述のエッチング法等を利用して、除去される。Cu膜17が除去され、Co系膜21が露出した配線基板1に、Au膜41の無電解めっきを施す。除去されたCu膜17の膜厚は約5μm、一方、新たにめっきされたAu膜41の膜厚は約2〜3μmであり、Au膜41の露出面は、樹脂基板25の表面から約3〜2μm窪んでいる。なお、Cu膜17の一部だけが除去され、Cu膜17の一部はCo系膜21に接した状態で残され、残されたCu膜17の上にAu膜41の無電解めっきを施してもよい。
【0028】
配線基板2は、配線基板1と同様な製造方法で作製されて、Cu膜17が、膜厚を薄くしたAu膜41に置換された構造である。Au膜41は、無電解めっき法で形成され、そのままの表面を利用しているため、膜厚には多少のばらつきが見られる。しかしながら、Au膜41の膜厚は約2〜3μmと比較的薄いために、ばらつきが1μmを越えることはなく、ほぼ平坦な接続面を有する配線基板2が完成する。
【0029】
図5に示すように、配線基板2は、半導体チップ31と配線面同士を対向させて、バンプ35を介して接続される。半導体チップ31に形成された電極33に、例えば、スタッドバンプからなるバンプ35が形成された半導体チップ31が固定され、正対する方向から、配線基板2を接触させて、配線基板2に超音波及び荷重を掛けることにより、接合部を外部から加熱することなく、半導体チップ31と配線基板2とを接続することができる。半導体チップ31と配線基板1との間にある封止樹脂39は、例えば、予め配線基板2に配設しておき、フリップチップ接続と同時に樹脂封止させてある。
【0030】
そして、例えば、長辺が約15mmの外周部に配置された間隔50μm、一辺の幅30μmの電極33に、高さ約30μmのバンプ35を配設された半導体チップ31は、配線基板2に超音波を印加して押圧することによって、配線基板2のAu膜41と確実に接続することが可能である。
【0031】
上述したように、配線基板2は、実施例1の配線基板1と同様な製造工程を経た後、Cu膜17が、無電解めっき法で形成される膜厚を薄くしたAu膜41に置換された構造をなしている。配線の幅や間隔等は、配線基板1と同等である。配線の膜厚には多少のばらつきが見られるが、ばらつきは比較的小さく抑えられており、ほぼ平坦な接続面を有する配線基板2となっている。すなわち、配線基板2は、ほぼ、フォトリソグラフィ技術による精度を有している。その結果、配線基板2は、実施例1の配線基板1と同様な効果を有している。
【0032】
更に、Au膜41のバンプ35との接続面は、配線基板2の樹脂基板25の表面から約2〜3μm窪んでいるので、超音波及び荷重によりつぶされたバンプ35が樹脂基板25の表面側に脱落して、接続不良を起こすことを抑制することが可能である。
【0033】
また、Au膜41とAuからなるバンプ35との接続は、印加する超音波及び荷重をより少なくできるので、位置ずれが少なく、精度の高い接続が可能となる。
【0034】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々、変形して実施することができる。
【0035】
例えば、実施例では、シリコン絶縁膜として、シリコン酸化膜(SiO2)の例を示したが、ポーラスなシリコン酸化膜等を使用することは差し支えない。
【0036】
また、実施例では、第1の金属としてTa、第2の金属としてCuの例を示したが、第1の金属としてTi、TaN、TiN等、または、他の高融点金属及びその化合物、また、第2の金属としてAu、Al等を使用することは差し支えない。
【0037】
また、実施例では、Co系膜をCu膜またはAu膜の内側に配設する例を示したが、Co系膜と同様な硬度、電気抵抗率、及び熱膨張係数等を有する他の金属及び合金、例えば、Ni膜等であっても差し支えない。
【0038】
また、実施例では、個片化のためにブレードにより形成される溝は、Cu膜及びCo系膜が存在する領域を通る例を示したが、Cu膜またはCo系膜が存在しない樹脂基板の領域に形成されても差し支えない。
【0039】
また、実施例では、樹脂基板からSi基板の上部(樹脂基板寄りの部分)まで溝を入れる(ハーフカット)例を示したが、樹脂基板からSi基板の下部まで溝を入れて(フルカット)、樹脂基板及びSi基板を溝により分離してしまっても差し支えない。
【0040】
また、実施例では、バンプはスタッドバンプである例を示したが、めっき等により形成されたバンプ等であっても差し支えない。
【0041】
また、実施例では、封止樹脂を予め配線基板に配設しておく例を示したが、封止樹脂を予め半導体チップに配設しておいても、また、バンプによる接続が完了した後、封止樹脂を配線基板と半導体チップ間に充填しても差し支えない。
【0042】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) シリコン基板上にシリコン絶縁膜、第1の金属、及び第2の金属の膜を順に形成する工程と、前記第2の金属を配線用のパターンに加工する工程と、前記第2の金属の表面に第3の金属を形成する工程と、前記第3の金属及び第2の金属を覆い、前記第1の金属に接する樹脂からなる樹脂基板を形成する工程と、外側から力を加えて、前記第1の金属と前記シリコン絶縁膜との密着性を弱め、分離させる工程と、前記樹脂基板の表面を覆っている前記第1の金属を除去し、前記樹脂基板の表面に前記パターンを有する前記第2の金属を露出させる工程とを備えている配線基板の製造方法。
【0043】
(付記2) 前記樹脂基板の表面に、ほぼ同一平面をなして露出している前記第2の金属の少なくとも一部をエッチングにより除去し、前記エッチングにより露出した面に第4の金属を形成する工程を更に有する付記1に記載の配線基板の製造方法。
【0044】
(付記3) 前記第3の金属は、無電界メッキ法により形成される付記1または2に記載の配線基板の製造方法。
【0045】
(付記4) 前記第4の金属は、金であって、前記第4の金属は無電界メッキ法により形成される付記2または3に記載の配線基板の製造方法。
【0046】
(付記5) 前記外側から加えられる力は、超音波である付記1乃至4に記載の配線基板の製造方法。
【0047】
(付記6) 前記第2の金属の膜表面は平坦化された後、前記配線用のパターンに加工される付記1乃至5に記載の配線基板製造方法。
【0048】
(付記7) 前記シリコン絶縁膜はシリコン酸化膜である付記1乃至6に記載の配線基板製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1に係る配線基板の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図。
【図2】本発明の実施例1に係る配線基板の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図。
【図3】本発明の実施例1に係る配線基板に半導体チップを接続した構造を模式的に示す断面図。
【図4】本発明の実施例2に係る配線基板の製造方法を工程順に模式的に示す層構造断面図。
【図5】本発明の実施例2に係る配線基板に半導体チップを接続した構造を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
【0050】
1、2 配線基板
11 Si基板
13 SiO2膜
15 Ta膜
17 Cu膜
19 レジスト膜
21 Co系膜
25 樹脂基板
31 半導体チップ
33 電極
35 バンプ
39 封止樹脂
41 Au膜
51 溝
53 界面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板上にシリコン絶縁膜、第1の金属、及び第2の金属の膜を順に形成する工程と、
前記第2の金属を配線用のパターンに加工する工程と、
前記第2の金属の表面に第3の金属を形成する工程と、
前記第3の金属及び第2の金属を覆い、前記第1の金属に接する樹脂からなる樹脂基板を形成する工程と、
外側から力を加えて、前記第1の金属と前記シリコン絶縁膜との密着性を弱め、分離させる工程と、
前記樹脂基板の表面を覆っている前記第1の金属を除去し、前記樹脂基板の表面に前記パターンを有する前記第2の金属を露出させる工程と、
を備えていることを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記第1の金属はタンタル、前記第2の金属は銅、前記第3の金属はコバルト系金属であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記外側から加えられる力は、個片化のためにブレードによって与えられる力であることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂基板の表面に、ほぼ同一平面をなして露出している前記第2の金属の少なくとも一部をエッチングにより除去し、前記エッチングにより露出した面に第4の金属を形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記第4の金属の露出した面は、前記樹脂基板の前記表面に対して窪んでいることを特徴とする請求項4に記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−266399(P2007−266399A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90738(P2006−90738)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】