説明

酢酸の製造方法

【課題】メタノールおよび/またはその反応性誘導体を、イリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と沃化メチル助触媒と酢酸メチルと酢酸と水とからなる液体反応組成物中でカルボニル化することを特徴とする酢酸の製造方法の提供。
【解決手段】1つもしくはそれ以上の反応器からの液体反応組成物を1つもしくはそれ以上のフラッシュ分離段階に移送して、(i)凝縮性成分と一酸化炭素を含む低圧オフガスとからなる蒸気フラクション、および(ii)イリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と酢酸溶剤とからなる液体フラクションを形成させる。凝縮性成分を低圧オフガスから分離する。低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度を式:Y>mX+C[ここでYは低圧オフガスにおける一酸化炭素のモル濃度であり、Xは液体反応組成物におけるルテニウムの濃度(重量ppm)であり、mは約0.012であり、Cは約−8.7である]に従って維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメタノールのカルボニル化による酢酸の製造方法、特にイリジウムカルボニル化触媒およびルテニウム促進剤の存在下でのメタノールのカルボニル化による酢酸の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イリジウム触媒およびルテニウム促進剤の存在下でのメタノールのカルボニル化による酢酸の製造はたとえば米国特許第5672743号明細書、欧州特許出願公開第0752406明細書、欧州特許出願公開第0849248号明細書、欧州特許出願公開第0849249号明細書、欧州特許出願公開第0849250号明細書、欧州特許出願公開第0999198号明細書および欧州特許出願公開第1002785号明細書に記載されている。この種の液相カルボニル化プロセスにおいて、酢酸生成物は、液体カルボニル化組成物をカルボニル化反応器から抜き取り、組成物を1つもしくはそれ以上の分離段階にかけて酢酸生成物を回収すると共に、組成物の他の成分をカルボニル化反応器まで戻すことにより回収することができる。
【0003】
生成物回収段階の際のイリジウムカルボニル化触媒の安定性は、たとえば国際公開第96/14286号パンフレットおよび欧州特許出願公開第0616997号明細書のような幾つかの特許出願の主題であった。
【0004】
米国特許第5,237,097号明細書は、液体カルボニル化生成物溶液を反応帯域における圧力よりも低い全圧力に維持された分離帯域まで搬送すると同時に、分離帯域における全圧力の30psia(0.21MPa)までの分圧に寄与する一酸化炭素含有ガスを導入するカルボニル化方法に関するものである。第VIII族金属含有触媒は好ましくはロジウム、ルテニウム、パラジウム、コバルトおよびニッケルであると言われ、そのうちロジウム、コバルトおよびニッケルが特に好適であると言われ、ロジウムのみが例として示されると共にクレームの主題となっている。
【0005】
欧州特許出願公開第0728729号明細書は、揮発性イリジウムおよび/または揮発性補助促進剤(たとえばルテニウム、オスミウムおよびレニウム)汚染物を一酸化炭素の不存在下またはカルボニル化反応の圧力よりも低い一酸化炭素の分圧にて沃化物と接触させることにより不揮発形態まで変換させる液相カルボニル化により得られたカルボン酸フラクションの精製方法に関するものである。そこには、一酸化炭素の分圧を0〜5バール、好ましくは0.25バール未満としうることが述べられている。触媒循環ループにおける沈殿の問題については考慮されていない。
【0006】
酢酸の製造に関するイリジウム触媒カルボニル化プロセスにおける或る種の操作条件下で、触媒系(すなわちイリジウム触媒およびルテニウム促進剤)は沈殿すると共に固体を形成しうることが突き止められた。典型的には固体は触媒と促進剤との混合物であり、一般に赤色または赤味がかった色である。特に固体形成は、液体反応組成物が第2反応帯域に通過し、そこで溶解および/または同伴一酸化炭素の少なくとも1%が反応して追加酢酸を生成する際に生ずる(たとえば欧州特許出願公開第0846674号明細書に記載)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、酢酸生成物回収に際し固体の生成に基づく促進剤および/または触媒の損失が減少するような改良カルボニル化方法につきニーズが残されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
今回、酢酸回収段階および適宜の更なる反応帯域に際し一酸化炭素の所定量を維持することにより、触媒系の安定性を向上させると共に損失を減少させうることが突き止められた。
【0009】
従って本発明によれば、
(1)メタノールおよび/またはその反応性誘導体を第1カルボニル化反応帯域にてイリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と沃化メチル助触媒と酢酸メチルと酢酸と水とからなる液体反応組成物中でカルボニル化させ;
(2)液体反応組成物を溶解および/または同伴された一酸化炭素および他のガスと一緒に前記カルボニル化反応帯域から抜き取り;
(3)必要に応じ前記抜き取られた液体反応性組成物を1つもしくはそれ以上の更なる反応帯域に通過させて、溶解および/または同伴された一酸化炭素の少なくとも1部を消費させ;
(4)工程(2)および適宜の工程(3)からの前記組成物を1つもしくはそれ以上のフラッシュ分離段階に移送して、(i)凝縮性成分と低圧オフガスとからなる蒸気フラクション(凝縮性成分は酢酸生成物と一酸化炭素および抜き取られた液体カルボニル化反応組成物と共に溶解および/または同伴された他のガスとを含む)および(ii)イリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と酢酸溶剤とからなる液体フラクションを形成させ;
(5)凝縮性成分を低圧オフガスから分離し;
(6)液体フラクションをフラッシュ分離段階から第1カルボニル化反応帯域まで循環させる
工程からなり、低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度を式:
Y>mX+C
[式中、Yは低圧オフガスにおける一酸化炭素のモル濃度であり、Xは液体反応組成物におけるルテニウムの濃度(重量ppm)であり、mは約0.012であり、Cは約−8.7である]
に従って維持することを特徴とする酢酸の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の方法は、促進剤と接触する一酸化炭素の量を所定レベルより高く維持することにより上記技術問題を解決する。これは、酢酸生成物回収段階に際し不安定性に基づく促進剤および/または触媒の損失を減少させることが判明した。
【0011】
特定の理論に拘束されるものでないが、沈殿は少なくとも部分的にフラッシュ分離帯域におけるルテニウム促進剤のポリマー型の形成に基づいていると思われる。
【0012】
全ての沈殿固体がカルボニル化反応器に戻す際に再溶解しうるので不安定性の或る程度は許容しうるが、不安定性が或るレベルを越えると溶解の速度が沈殿の速度よりも小となり、反応器におけるルテニウム促進剤およびイリジウム触媒の量が減少することも突き止められた。従って全体的反応器活性を維持するには、より多量の促進剤および触媒の添加を必要とする。
【0013】
沈殿固体自身は、たとえば材料の損失およびプロセスおよび/または装備ラインの閉塞など操作上の問題を示しうる。
【0014】
第1反応帯域は慣用の液相カルボニル化反応帯域で構成することができる。第1反応帯域におけるカルボニル化反応の圧力は好適には15〜200barg、好ましくは15〜100barg、より好ましくは15〜50barg、更に好ましくは18〜35bargの範囲である。第1反応帯域におけるカルボニル化反応の温度は好適には100〜300℃の範囲、好ましくは150〜220℃の範囲である。
【0015】
好ましくは2つの反応帯域を使用し、第1および第2反応帯域を、第1反応容器から1反応容器からの液体反応組成物が溶解および/または同伴一酸化炭素と共に抜き取って第2反応容器に移送する手段により別々の反応容器に維持するようにする。この種の別途の反応容器は第1反応容器と液体反応組成物フラッシュ弁との間の配管のセクションで構成することができる。好ましくは配管は液体で充満される。典型的には配管の直径に対する長さの比は約12:1としうるが、これより高いおよび低い長さと直径との比も用いることができる。
【0016】
典型的には液体反応組成物の少なくとも1部を溶解および/または同伴一酸化炭素と一緒に第1反応帯域から抜き取ると共に、抜き取られた液体および溶解および/または同伴一酸化炭素の少なくとも1部を第2反応帯域まで移送する。好ましくは液体反応組成物の実質的に全部を、溶解および/または同伴一酸化炭素と一緒に第1反応帯域から抜き取って第2反応帯域まで移送する。
【0017】
第2反応帯域は100〜300℃の範囲、好ましくは150〜230℃の範囲の反応温度にて操作することができる。第2反応帯域は第1反応帯域よりも高い温度、典型的には20℃まで高い温度にて操作することができる。第2反応帯域は10〜200bargの範囲、好ましくは15〜100bargの範囲の反応圧力にて操作することができる。好ましくは、第2反応帯域における反応圧力は第1反応帯域における反応圧力に等しく或いはそれ未満である。第2反応帯域における液体反応組成物の滞留時間は好適には5〜300秒、好ましくは10〜100秒の範囲である。
【0018】
第2反応帯域には、溶解および/または同伴一酸化炭素として第2反応帯域に導入されたものに加えて、一酸化炭素を導入することができる。この種の追加一酸化炭素は第2反応帯域に導入するに先立ち第1液体反応組成物と合体させることができもおよび/または第2反応帯域内の1つもしくはそれ以上の個所に別々に供給することもできる。この種の追加一酸化炭素はたとえばH、N、CoおよびCHのような不純物を含有することができる。追加一酸化炭素は第1反応帯域からの高圧オフガスで構成することもでき、これは有利には第1反応帯域を一層高いCO圧力にて操作することを可能にすると共に、得られる一層高い一酸化炭素の流れを第2反応帯域に供給することができる。更に、高圧オフガス処理の必要性をも排除しうる。
【0019】
更に追加一酸化炭素は、たとえば他のプラントからの一酸化炭素リッチ流のような他の一酸化炭素含有ガス流で構成することもできる。
【0020】
好ましくは第1反応体器からの抜き取り反応組成物における溶解および/または同伴一酸化炭素の10%より大、より好ましくは25%より大、一層好ましくは50%より大、たとえば少なくとも95%を第2反応帯域にて消費させる。
【0021】
本発明の方法において、メタノールの適する反応性誘導体は酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび沃化メチルを包含する。メタノールとその反応性誘導体との混合物を本発明の方法にて反応体として使用することができる。エーテルもしくはエステル反応体のため、水が補助反応体として必要とされる。好ましくは、メタノールおよび/または酢酸メチルが反応体として使用される。
【0022】
メタノールおよび/またはその反応性誘導体の少なくとも幾分かは、カルボン酸生成物もしくは溶剤との反応により液体反応組成物における酢酸メチルまで変換され、従って酢酸メチルとして存在する。好ましくは第1および第2反応帯域における液体反応組成物中の酢酸メチルの濃度は独立して1〜70重量%、より好ましくは2〜50重量%、特に好ましくは3〜35重量%の範囲である。
【0023】
たとえばメタノール反応体と酢酸生成物との間のエステル化反応により、水を液体反応組成物中でその場で生成させることができる。水は、液体反応組成物の他の成分と一緒に或いは別途に第1および第2カルボニル化反応帯域に独立して導入することができる。水は反応帯域から抜き取られた反応組成物の他の成分から分離することができ、調節量で循環して液体反応組成物における水の必要濃度を維持することができる。好ましくは第1および第2反応帯域における液体反応組成物中の水の濃度は独立して0.1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは1〜10重量%の範囲である。
【0024】
好ましくは、第1および第2反応帯域における液体カルボニル化反応組成物中の沃化メチル助触媒の濃度は独立して1〜20重量%、好ましくは2〜16重量%の範囲である。
【0025】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物中のイリジウム触媒は、液体反応組成物に可溶性である任意のイリジウム含有化合物で構成することができる。イリジウム触媒は液体反応組成物に任意適する形態で添加することができ、この形態は液体反応組成物中に溶解し或いは可溶性型まで変換しうる形態である。好ましくはイリジウムをたとえば液体反応組成物成分(たとえば水および/または酢酸)の1種もしくはそれ以上に可溶性である酢酸塩のような塩化物フリー化合物として使用することができ、従って溶液として反応物に添加することができる。液体反応組成物に添加しうる適するイリジウム含有化合物の例はIrCl、IrI、IrBr、[Ir(CO)I]、[Ir(CO)Cl]、[Ir(CO)Br]、[Ir(CO)、[Ir(CO)Br、[Ir(CO)、[Ir(CH)I(CO)、Ir(CO)12、IrCl・4HO、IrBr・4HO、Ir(CO)12、イリジウム金属、Ir、IrO、Ir(acac)(CO)、Ir(acac)、酢酸イリジウム、[IrO(OAc)(HO)][OAc]およびヘキサクロルイリジウム酸H[IrCl]、好ましくはたとえば酢酸塩、修酸塩およびアセト酢酸塩のようなイリジウムのクロライドフリー錯体を包含する。
【0026】
好ましくは第1および第2反応帯域の液体反応組成物におけるイリジウム触媒の濃度は独立して100〜6000重量ppmのイリジウムの範囲である。
【0027】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物は更に少なくとも1種のルテニウム促進剤を含むことができる。促進剤は、液体反応組成物に可溶性である任意のルテニウム含有化合物で構成することができる。ルテニウム促進剤は液体反応組成物に溶解する任意適する形態で液体反応組成物に添加することができ、或いは可溶性型まで変換することができる。好ましくはルテニウム促進剤化合物は、液体反応組成物成分の1種もしくはそれ以上(たとえば水および/または酢酸)に可溶性であるたとえば酢酸塩のようなクロライドフリー成分として使用することができ、従って溶液として反応物に添加することができる。
【0028】
使用しうる適するルテニウム含有化合物の例は塩化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(III)三水和物、塩化ルテニウム(IV)、臭化ルテニウム(III)、沃化ルテニウム(III)、ルテニウム金属、ルテニウム酸化物、蟻酸ルテニウム(III)、[Ru(CO)、テトラ(アセト)クロロルテニウム(II、III)、酢酸ルテニウム(III)、プロピオン酸ルテニウム(III)、酪酸ルテニウム(III)、ルテニウムペンタカルボニル、トリルテニウムドデカカルボニルおよびたとえばジクロルトリカルボニルルテニウム(II)ダイマー、ジブロモトリカルボニルルテニウム(II)ダイマーのような混合ルテニウムハロカルボニル、並びにたとえばテトラクロルビス(4−サイメン)ジルテニウム(II)、テトラクロルビス(ベンゼン)ジルテニウム(II)、ジクロル(シクロオクタ−1,5−ジエン)ルテニウム(II)ポリマーおよびトリス(アセチルアセトネート)ルテニウム(III)のような他の有機ルテニウム錯体を包含する。
【0029】
好ましくはルテニウム含有化合物は、反応を阻止しうるようなイオン型沃化物(たとえばアルカリもしくはアルカリ土類金属または他の金属塩)を現場で与える或いは発生するような不純物を含まない。
【0030】
好ましくはルテニウム促進剤を液体反応組成物におけるその可溶性の限界までの有効量にて存在させ、および/または液体プロセス流を酢酸回収段階からカルボニル化反応帯域まで循環させる。ルテニウム促進剤は好ましくは液体反応組成物中に[0.1〜100]:1、好ましくは[0.5より大]:1、より好ましくは[1より大]:1、好ましくは[20まで]:1、より好ましくは[15まで]:1、更に好ましくは[10まで]:1の範囲における各ルテニウム促進剤:イリジウムのモル比にて存在する。
【0031】
第1および第2反応帯域のそれぞれにおける液体反応組成物中のルテニウム促進剤の濃度は独立して6000ppm未満である。適する促進剤濃度は400〜5000ppm、たとえば2000〜4000ppmである。
【0032】
一般にプロセスを添加沃化物塩(すなわち沃素イオンを発生もしくは解離する塩)の実質的不存在下に操作するのが好適であるが、この種の塩に耐える或る種の条件下で操作することも可能である。従って、たとえば(a)腐蝕金属、特にニッケル、鉄およびクロム、並びに(b)ホスフィンもしくは窒素含有化合物または現場で四級化しうるリガンドは、これらが一般に反応速度に悪作用を有するIを液体反応組成物中に発生することにより反応に対し悪作用を有しうるので、液体反応組成物中に最少量に保つか、排除すべきである。たとえばモリブデンのような或る種の腐蝕金属汚染物はIの発生に体感受性を受けにくいことが判明した。反応速度に対し悪作用を有する腐蝕金属は適する耐腐食性材料の構造を用いて最小化させることができる。同様に、たとえば沃化リチウムのようなアルカリ金属沃化物などの汚染物も最少量に保つべきである。汚染金属および他のイオン性不純物は、反応組成物を処理する適するイオン交換樹脂床または好ましくは触媒リサイクル流の使用により減少させることができる。この種のプロセスは米国特許第4,007,130号明細書に記載されている。好ましくはイオン性汚染物を、500ppm未満のI、好ましくは250ppm未満のIを液体反応組成物中に発生する、より好ましくは50ppm未満のIを発生するような濃度より低くに保つ。
【0033】
カルボニル化反応のための一酸化炭素反応体は実質的に純粋とすることができ或いはたとえば二酸化炭素、メタン、窒素、ノーブルガス、水およびC〜Cパラフィン系炭化水素のような不活性不純物を含有することもできる。一酸化炭素における並びに水性ガスシフト反応によりその場で発生する水素の存在は好ましくはたとえば1バール未満の分圧のように低く保たれる。何故なら、その存在は水素化生成物の形成をもたらしうるからである。第1および第2反応帯域における一酸化炭素の分圧は好適には独立して1〜70バール、好ましくは1〜35バール、より好ましくは1〜15バールの範囲である。
【0034】
酢酸形成物は第2反応帯域から回収することができ、必要に応じフラッシュ分離により一緒に或いは第1反応帯域から別途に回収することができる。フラッシュ分離において、液体反応組成物はフラッシュ弁を介しフラッシュ帯域に移送される。フラッシュ分離帯域は断熱フラッシュ容器とすることができ、或いは追加加熱手段を有することもできる。フラッシュ分離帯域にて、イリジウム触媒の大半とルテニウム促進剤の大半とからなる液体フラクションを酢酸と凝縮性反応体と水と沃化メチルカルボニル化助触媒とたとえば窒素、一酸化炭素、水素および二酸化炭素のような非凝縮性ガスとからなる蒸気フラクションから分離し;液体フラクションを第1反応帯域に循環させると共に蒸気フラクションを1つもしくはそれ以上の蒸留帯域まで移動する。第1蒸留帯域にて、酢酸生成物を軽質成分(沃化メチルおよび酢酸メチル)から分離する。これら軽質成分を頭上から除去すると共に第1および/または第2反応帯域まで循環させる。更に非凝縮性ガス(たとえば窒素、一酸化炭素、水素および二酸化炭素)からなる低圧オフガスをも頭上で除去する。この種の低圧オフガス流をオフガス処理セクションに通過させて、たとえば沃化メチルのような凝縮性物質を除去した後、大気中へまでたとえば火炎を介し排気する。
【0035】
本発明によれば低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度を、式Y>mX+Cに従ってルテニウムの濃度により規定される濃度より大とせねばならない。
【0036】
好適には低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度は少なくとも30モル%、たとえば30〜60モル%(たとえば30〜40モル%)であると共に、液体反応組成物におけるルテニウム濃度は3000重量ppmまでである。
【0037】
好ましくは低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度は少なくとも50モル%、好ましくは50〜60モル%の範囲であると共に、液体反応組成物におけるルテニウム濃度は6000重量ppmまでである。
【0038】
より好ましくは低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度は少なくとも55モル%、たとえば55〜65モル%の範囲であると共に、液体反応組成物におけるルテニウム濃度は5500重量ppmまでである。
【0039】
本発明の方法により生成される酢酸は更に常法(たとえば水、未反応カルボニル化反応体および/またはそのエステル誘導体および高沸点副生物などの不純物を除去する更なる蒸留)により精製することもできる。
【0040】
好ましくは本発明の方法は連続プロセスとして行われる。
【0041】
本発明を例として次の実施例、並びに図1および2を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例で使用する装置の略図である。
【図2】固形物沈殿に対する一酸化炭素およびルテニウム濃度の各作用を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
実験Aおよび実施例/実験1〜18
使用する装置を図1に示す。図1を参照して装置は攪拌第1カルボニル化反応器(1)と第2カルボニル化反応器(2)とフラッシュタンク(3)と蒸留塔(図示せず)とで構成した。
【0044】
オフガスを洗浄すべく使用した工業級メタノールを、イリジウムカルボニル化触媒およびルテニウム促進剤の存在下に27.6barg(2.76x10N/m)の圧力および190℃の温度にて6リットルの第1反応器(1)にてカルボニル化させた。第1反応器(1)には撹拌器/プロペラ(4)およびバッフルケージ(図示せず)を装着して、液体および気体の反応体の緊密混合を確保した。一酸化炭素を圧力ボルトから撹拌器(4)の下に装着されたスパージャ(5)を介し第1反応器(1)に供給した。第1反応器(1)中への鉄浸入を最小化させるため、一酸化炭素を炭素フィルタ(図示せず)に通過させた。熱オイルを循環させるジャケット(図示せず)は、第1反応器(1)における反応液を一定反応温度に維持することを可能にした。固形物形成速度の尺度として、反応器試料ループに位置する近赤外セルに対する汚染の速度を使用した。これを90℃にて操作すると共にフラッシュ弁の直ぐ上流における反応器出口(フラッシュライン)に位置せしめた。汚染は吸収単位/1日として測定した。
【0045】
不活性物質をパージするため、高圧オフガスを第1反応器(1)からライン(6)を通して除去した。これを、圧力が弁(7)を介し低下する前かつ洗浄システムに供給される前に凝縮器(図示せず)に通過させた。液体反応組成物を第1反応器(1)からスチルウェル(8)よりライン(9)を介しフラッシュタンク(3)まで反応器レベル制御の下で抜き取った。フラッシュタンク(3)にて、液体反応組成物を1.48barg(1.48x10N/m)の圧力までフラッシュ低下させた。蒸気と液体との得られた混合物を分離した。触媒リッチな液体をライン(10)およびポンプ(図示せず)により第1反応器(1)まで戻すと共に、蒸気をデミスタ(12)に通過させ、次いで直接に蒸留塔(図示せず)中へ蒸気として移送した。
【0046】
第2反応器(2)の容積部をフラッシュライン(9)に取りつけると共に、これに分離弁を装着して第1反応器(1)から出る流れが直接にフラッシュ弁に移動するか或いは第2反応器(2)を通過してフラッシュ弁に直接至るようにした。第2反応器(2)は直径2.5cm、長さ30cmのパイプで構成すると共に、関連配管と一緒に第1反応器(1)の約4%もしくは8%の容積を有した。このパイプをフラッシュライン(9)に並列配置すると共に、ライン14を介し追加一酸化炭素の供給部を設けた。第2反応器(2)は第1反応器(1)と同じ圧力で操作した。
【0047】
デミスタ(12)からの蒸気は蒸留塔(図示せず)に流入し、ここで酢酸水溶液を蒸気から蒸留塔(図示せず)のサイド・ドローオフ(図示せず)を介して回収すると共に更に精製システム(図示せず)で精製し乾燥させ、一酸化炭素を含む低圧オフガスを洗浄器(図示せず)に移した後に燃焼させた。
【0048】
実験A
図1を参照して説明した装置および方法を用いると共に第1反応器(1)から出る流れをフラッシュ弁に直接移送して(すなわち第2反応器を用いなかった)、メタノールを第1反応器(1)にて190℃および27.6barg(2.76x10N/m)の全圧力でカルボニル化させた。液体反応組成物をライン(9)を介し第1反応器(1)から抜き取った。第1反応器(1)における液体反応組成物は約7重量%の沃化メチルと約10重量%の酢酸メチルと約4重量%の水と約79重量%の酢酸と1450ppmのイリジウムと4450ppmのルテニウムとを含んだ。第1反応器(1)からの液体反応組成物を、1.48barg(1.48x10N/m)の圧力にて操作されるフラッシュ分離容器(3)に移した。汚染の速度を上記したような近赤外分析を使用して測定し、その結果を表2に示す。
【0049】
実施例1
図1を参照して説明した装置および方法を使用し、メタノールを第1反応器(1)にて190℃および27.6barg(2.76x10N/m)の全圧力下にカルボニル化させた。液体反応組成物を第1反応器(1)からライン(9)を介して抜き取った。第1反応器(1)における液体反応組成物は約7重量%の沃化メチルと11重量%の酢酸メチルと4重量%の水と約78重量%の酢酸と1520ppmのイリジウムと4410ppmのルテニウムとを含んだ。次いで第1反応器(1)から抜き取られた液体反応組成物を第2反応器(2)に移送した。液体反応組成物を第2反応器(2)にて190℃の中庸温度および27.6barg(2.76x10N/m)の全圧力、並びに40〜50秒の滞留時間で更にカルボニル化させた。
【0050】
第2反応器(2)からの液体反応組成物を1.48barg(1.48x10N/m)の圧力で操作されるフラッシュ分離容器(3)に移した。汚染の速度を上記したような近赤外分析を用いて測定し、その結果を表2に示す。
【0051】
実施例2〜4
実施例1の手順を表1に示した操作条件で反復した。低圧オフガスにおけるルテニウムおよび一酸化炭素の濃度は表2に示したように変化させた。
【0052】
実験5〜18
実施例1の手順を表1に示した操作条件で反復したが、ただしルテニウムの濃度を6000ppmより大にしたか、或いは低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度を50モル%未満にした。低圧オフガスにおけるルテニウムおよび一酸化炭素の濃度を表2に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
実施例1〜4および実験5〜18の結果から見られるように、ルテニウム促進剤の濃度が6000ppm未満であると共に低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度が少なくとも50モル%である場合、実質的に沈殿(汚染)は存在しない。更に沈殿の程度は第2反応器の不存在下に生ずる沈殿に並ぶことも見られるであろう。低圧オフガスにおけるルテニウム促進剤および一酸化炭素の濃度がこれら範囲外であれば、固形物の沈殿(汚染)の速度は顕著である。
【0056】
実施例19〜22および実験23
実施例1の手順を表3に示した操作条件にて反復した。低圧オフガスにおけるルテニウムおよび一酸化炭素の濃度を表4に示したように変化させた。
【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
実施例24〜26および実験27〜34
実施例1の手順を表5に示した操作条件にて反復した。低圧オフガスにおけるルテニウムおよび一酸化炭素の濃度は、表6に示したように変化させた。汚染の速度は、触媒循環ラインに設置したフィルタにおける固体の蓄積により測定した。
【0060】
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
表6における実施例24〜26の結果と実験27〜34の結果との比較から明らかに解るように、低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度を式:
Y>mX+C
[式中、Yは低圧オフガスにおける一酸化炭素のモル濃度であり、Xは液体反応組成物におけるルテニウムの濃度(重量ppm)であり、mは約0.012であり、Cは約−8.7である]
に従って維持すれば、汚染の速度は顕著に減少する。
【0063】
図2は、低圧オフガスにおける一酸化炭素濃度およびルテニウム濃度と固形物の形成との間の関係をグラフで示す。このグラフにおけるデータポイントは上表1〜6における実施例および実験の結果である。グラフから相関関係を展開させ(点線)、これは低圧オフガスにおける一酸化炭素濃度Yを式:
Y>mX+C
[ここでYは低圧オフガスにおける一酸化炭素のモル濃度であり、Xは液体反応組成物におけるルテニウムの濃度(重量ppm)であり、mは約0.012であり、Cは約−8.7である]
に従って維持すれば固形物形成が軽減されることを示す。汚染速度が0.01AU/1日または0.004g/hより大である場合、固形物形成が生ずると思われた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)メタノールおよび/またはその反応性誘導体を第1カルボニル化反応帯域にてイリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と沃化メチル助触媒と酢酸メチルと酢酸と水とからなる液体反応組成物中でカルボニル化させ;
(2)液体反応組成物を溶解および/または同伴された一酸化炭素および他のガスと一緒に前記カルボニル化反応帯域から抜き取り;
(3)必要に応じ前記抜き取られた液体反応性組成物を1つもしくはそれ以上の更なる反応帯域に通過させて溶解および/または同伴された一酸化炭素の少なくとも1部を消費させ;
(4)工程(2)および適宜の工程(3)からの前記組成物を1つもしくはそれ以上のフラッシュ分離段階に移送して、(i)凝縮性成分と低圧オフガスをとからなる蒸気フラクション(凝縮性成分は酢酸生成物と一酸化炭素および抜き取られた液体カルボニル化反応組成物と共に溶解および/または同伴された他のガスを含む)、および(ii)イリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と酢酸溶剤とからなる液体フラクションを形成させ;
(5)凝縮性成分を低圧オフガスから分離し;
(6)液体フラクションをフラッシュ分離段階から第1カルボニル化反応帯域まで循環させる
各工程からなり、低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度を式:
Y>mX+C
[式中、Yは低圧オフガスにおける一酸化炭素のモル濃度であり、Xは液体反応組成物におけるルテニウムの濃度(重量ppm)であり、mは約0.012であり、Cは約−8.7である]
に従って維持することを特徴とする酢酸の製造方法。
【請求項2】
第1反応帯域から抜き取られた溶解および/または同伴された一酸化炭素と一緒に液体反応組成物を第2反応帯域に通過させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1反応帯域から抜き取られた溶解および/または同伴された一酸化炭素と一緒に液体反応組成物の実質的に全部を第2反応帯域まで移送する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
溶解および/または同伴された一酸化炭素として第2反応帯域に導入された他に一酸化炭素を第2反応帯域中へ導入する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
追加一酸化炭素を第2反応帯域に導入するに先立ち第1液体反応組成物と合体させ、および/または第2反応帯域内の1つもしくはそれ以上の個所に別々に供給する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
追加一酸化炭素が不純物を含有する請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
追加一酸化炭素が第1反応帯域からの高圧オフガスからなる請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
追加一酸化炭素が一酸化炭素含有ガス流からなる請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
第1反応帯域から抜き取られた液体反応組成物における溶解および/または同伴された一酸化炭素の10%より多くを第2反応帯域にて消費させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1反応帯域から抜き取られた液体反応組成物における溶解および/または同伴された一酸化炭素の25%より多くを第2反応帯域に消費させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
第1反応帯域から抜き取られた液体反応組成物における溶解および/または同伴された一酸化炭素の50%より多くを第2反応帯域にて消費させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
メタノールおよび/または酢酸メチルを第1反応帯域にて一酸化炭素でカルボニル化する請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物中の酢酸メチルの濃度が独立して1〜70重量%の範囲である請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物中の水の濃度が独立して0.1〜20重量%の範囲である請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物中の沃化メチル助触媒の濃度が独立して1〜20重量%の範囲である請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物中のイリジウムカルボニル化触媒の濃度が独立して100〜6000ppmの範囲である請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ルテニウム促進剤が第1および第2反応帯域における液体反応組成物に[0.1〜100]:1の範囲における各ルテニウム促進剤:イリジウムのモル比にて存在する請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ルテニウム促進剤が第1および第2反応帯域における液体反応組成物中に[10まで]:1の範囲における各ルテニウム促進剤:イリジウムのモル比にて存在する請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物中のルテニウムの濃度が独立して6000ppm未満である請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
第1および第2反応帯域における液体反応組成物中のルテニウムの濃度が独立して400〜5000ppmである請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
第1および第2反応帯域における一酸化炭素の分圧が独立して1〜70バールの範囲である請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
第1および第2反応帯域における一酸化炭素の分圧が独立して1〜15バールの範囲である請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度が少なくとも30モル%であると共に液体反応組成物におけるルテニウム濃度が3000重量ppmまでである請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度が30〜40モル%であると共に液体反応組成物におけるルテニウム濃度が3000重量ppmまでである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度が少なくとも50モル%であると共に液体反応組成物におけるルテニウム濃度が6000重量ppmまでである請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度が50〜60モル%であると共に液体反応組成物におけるルテニウム濃度が6000重量ppmまでである請求項25に記載の方法。
【請求項27】
低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度が少なくとも55モル%であると共に、液体反応組成物におけるルテニウム濃度が5500重量ppmまでである請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
低圧オフガスにおける一酸化炭素の濃度が55〜65モル%の範囲である共に、液体反応組成物におけるルテニウム濃度が5500重量ppmまでである請求項27に記載の方法。
【請求項29】
プロセスを連続プロセスとして操作する請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
酢酸の製造方法における低圧オフガス中に一酸化炭素の使用であって、前記一酸化炭素は式:
Y>mX+C
[式中、Yは低圧オフガスにおける一酸化炭素のモル濃度であり、Xは液体反応組成物におけるルテニウムの濃度(重量ppm)であり、mは約0.012であり、Cは約−8.7である]
に従って低圧オフガス中の濃度に維持され、前記酢酸の製造方法は
(1)メタノールおよび/またはその反応性誘導体を第1カルボニル化反応帯域にてイリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と沃化メチル助触媒と酢酸メチルと酢酸と水とからなる液体反応組成物中でカルボニル化させ;
(2)液体反応組成物を溶解および/または同伴された一酸化炭素および他のガスと一緒に前記カルボニル化反応帯域から抜き取り;
(3)必要に応じ前記抜き取られた液体反応性組成物を1つもしくはそれ以上の更なる反応帯域に通過させて、溶解および/または同伴された一酸化炭素の少なくとも1部を消費させ;
(4)工程(2)および適宜の工程(3)からの前記組成物を1つもしくはそれ以上のフラッシュ分離段階に移送して、(i)凝縮性成分と低圧オフガスとからなる蒸気フラクション(凝縮性成分は酢酸生成物と一酸化炭素および抜き取られた液体カルボニル化反応組成物と共に溶解および/または同伴された他のガスとを含む)、および(ii)イリジウムカルボニル化触媒とルテニウム促進剤と酢酸溶剤とからなる液体フラクションを形成させ;
(5)凝縮性成分を低圧オフガスから分離し;
(6)液体フラクションをフラッシュ分離段階から第1カルボニル化反応帯域まで循環させて、酢酸生成物回収に際し触媒および/または促進剤の損失を減少させる
工程からなることを特徴とする低圧オフガスにおける一酸化炭素の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−265275(P2010−265275A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137786(P2010−137786)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【分割の表示】特願2004−505302(P2004−505302)の分割
【原出願日】平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願人】(591001798)ビーピー ケミカルズ リミテッド  (66)
【氏名又は名称原語表記】BP CHEMICALS LIMITED
【Fターム(参考)】