酸化染毛用泡状組成物
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器から酸化染毛剤組成物が泡として分配される。酸化染毛剤組成物は、泡安定剤を含有し、かつ界面活性剤は実質的に含まない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の染毛用泡状製品を生成するような発泡式分配容器と組み合わせて使用するための、酸化染毛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
染毛剤に関する未解決の課題としては、適用の容易さと、皮膚の着色及び不均一な染毛の原因になる適用の厄介さに対する懸念とが挙げられる。最近のトレンドは、消費者が、泡状製品の操作性がジェル、クリーム又は液体と比較して好ましいものであることを見出していることを示す。
【0003】
泡状製品は、2つの方法のうちのいずれかで製造されることが既知である。第1の方法は圧縮ガス(エアロゾル)を使用するものであり、消費者により分配容器から排出された圧縮ガスを、組成物と混合する方法である。市販例には、カネボウコスメティックスのSimpro染毛剤が挙げられる。英国特許第GB2188257(A)号は、加圧分配容器中の、泡の形態で分配されるシャンプー又は染料などの2成分製品を分配する装置を議論する。
【0004】
これらの例などのように、加圧システムに関連する未解決の課題には、酸素から隔離、又は顕色剤を色調剤成分(カップラー、第1原色など)から隔離する必要がある酸化染毛剤が、染毛剤の使用がユーザにより所望されるまでの間に、ラジカルにより反応を開始することが挙げられる。消費者には、顕色剤と色調剤成分とを混合し、かつ加圧系を維持することはできないことから、成分の混合は分配容器によって実施されなければならず、あるいは予め混合されかつ分配容器により酸素から隔離されなければならない。分配する直前に成分を分離する分配容器では、色調剤成分対顕色剤の比の調節性は乏しい。更に、酸化染毛剤を酸素から隔離し続けることのできる、費用効率が高いパッケージを製造することは困難である。したがって、酸化染毛剤組成物のパッケージングと安定性には、エアゾール製品にまつわる問題が生じる傾向がある。
【0005】
泡状製品を製造する第2の方法は、ポンプ式フォーマー又はしぼり出し式フォーマーの形態の、非加圧式分配容器によるものである。ポンプ式フォーマーの市販例には、染毛用製品Youngrace Bubbleが挙げられる。しぼり出し式フォーマーの市販例には、花王のプリティアふんわり泡カラー、リーゼバブルヘアカラー又はブローネ泡カラー製品が挙げられる。同様に、米国特許第2004/0213752(A1)号も参照されたい。更に、米国特許第7,040,507号は、液体毛髪染料を泡へと変化させるための、泡タイプの毛髪染料用装置について議論している。
【0006】
組成物に曝露されるバネなどの金属部品を使用するので、ポンプ式フォーマーを酸化染毛剤組成物に使用することは困難である場合がある。酸化染毛剤組成物のpHを高くし、かつポンピング機構の金属部品(バネなど)と反応する酸化剤を存在させると、ポンプ式フォーマーが損傷を受け、酸化された金属イオンにより組成物の品質が低下することになる。
【0007】
しぼり出し式フォーマーに関連する未解決の課題には、顕色剤組成物と色調剤組成物を一緒に混合して酸化染毛剤組成物を形成させた場合に、生じる泡が乏しいことが挙げられる。国際公開第2008/136433(A1)号を参照されたい。ヘッドスペース中に泡が存在すると、泡の品質が、液体様の、消費者により所望されないものへと変化する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許第GB2188257(A)号
【特許文献2】米国特許第2004/0213752(A1)号
【特許文献3】米国特許第7,040,507号
【特許文献4】国際公開第2008/136433(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内に液体酸化染毛剤組成物を有する、酸化染毛剤製品を提供することは望ましい。分配する前に、消費者により激しく振とうさせることができ、かつ許容可能な泡と、許容可能な染毛結果を提供する製品が所望される。加えて、酸化染毛製品を使用した場合の、毛髪へのダメージを、最小限に抑えることが更に求められている。
【0010】
酸化染毛剤組成物中の界面活性剤を減量させると、製品にまつわる未解決のニーズに応えることができ、更には所望される利益を提供することができることが判明している。
【0011】
酸化染毛剤組成物の特定のレオロジー特性が、適用時の厄介さを軽減させることが判明している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、酸化染毛剤組成物を含む酸化染毛剤製品に関する。組成物は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内に含有される。組成物は、毛髪染料、アルカリ化剤、酸化剤、並びに高分子乳化剤、高分子泡安定剤及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤を含む。酸化染毛剤組成物は界面活性剤を実質的含まない。酸化染毛剤組成物を、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器から分配すると、比泡体積約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの泡が生じる。
【0013】
本発明は、酸化染毛剤組成物を形成するための成分を含むキットも包含する。キットは、色調剤組成物成分、顕色剤組成物成分、及び手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を含む。色調剤組成物成分は、毛髪染料及びアルカリ化剤、並びに任意選択的に、高分子乳化剤、高分子泡安定剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、泡安定剤を含む。顕色剤組成物成分は、酸化剤、並びに任意選択的に、高分子乳化剤、高分子泡安定剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、泡安定剤を含む。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分の混合物を、比泡体積約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの泡として分配することができる。色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分は、界面活性剤を本質的に含まない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の実施形態の断面図の例示。
【図1A】図1の1A−1Aに沿って取った、分配容器の散布開口部又は混合チャンバ退出開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図1B】図1の1B−1Bに沿って取った、分配容器のヘッド開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図2】図1の分配容器の分配容器ヘッドの分解図。
【図3】本開示の手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の代替え的な実施形態の断面図。
【図3A】図3の3A−3Aに沿って取った、分配容器の散布開口部又は混合チャンバ退出開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図3B】図3の3B−3Bに沿って取った、分配容器のヘッド開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図4】図3の分配容器の分配容器ヘッドの分解図。
【図5】下記の粘度試験法に記載される混合デバイスの透視図。
【図6】下記の粘度試験法に記載される混合デバイスの正面図。
【図7】下記の粘度試験法に記載される混合デバイスの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
驚くべきことに、界面活性剤ではない泡安定剤は、塩基性pH環境、及び毛髪酸化組成物の過酸化水素環境において安定である。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器から分配される泡を安定化させるためには、泡安定剤を使用することができる。本明細書に記載される組成物のレオロジー特性は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器で使用して所望の泡を得るに当たり適切なものでもある。したがって、本発明の組成物は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器から分配する際に、一貫して許容可能な泡を生成することができる。
【0016】
界面活性剤は、懸濁剤として酸化染毛剤組成物に幅広く使用されるものであり、染毛用泡では泡安定剤として使用される。染毛用泡に使用される場合、界面活性剤は、分配される組成物の重量の0.1重量%(1000ppm)〜20重量%(200000ppm)の量で存在させることができ、典型的には少なくとも1.9重量%(19000ppm)の量で例証される。
【0017】
酸化染毛剤組成物に界面活性剤を使用すると、組成物を撹拌した際に、例えば激しく振とうした際に分配容器の収容容器内で泡の形成に寄与することが判明している。本発明の酸化染毛剤組成物には、許容可能な品質の泡を生成し維持するために界面活性剤を存在させる必要はない。界面活性剤は、加工助剤(例えば一部の成分を懸濁させるための補助剤、又は起泡以外に機能)として、少量存在する場合もあるが、組成物が界面活性剤を実質的に含まないことは好ましい。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語、「界面活性剤を実質的に含まない」は、組成物に意図的に添加されるアニオン性、カチオン性又は両性界面活性剤が存在しないことを意味する。一実施形態では、組成物はアニオン性、カチオン性、両性及び非イオン性界面活性剤を実質的に含まない。保管時に安定化させるために界面活性剤を必要とする、ポリマーなどの成分の存在により、微量の界面活性剤が存在する場合があり、あるいはポリマーを製造するための重合プロセスに起因して界面活性剤が存在する。「微量」とは、界面活性剤の濃度が500ppm未満、例えば0ppm〜500ppm、好ましくは200ppm未満、例えば0ppm〜200ppm、好ましくは100ppm未満、例えば0ppm〜100ppmであることが意図される。概して、組成物は、分配される酸化染毛剤組成物に基づき0.05重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、より好ましくは0.01重量%未満で含有する。
【0019】
界面活性剤ではないある種の材料は、毛髪酸化着色組成物において、泡安定剤として機能できることが判明している。本明細書で使用するとき、用語、「泡安定剤」とは、泡の気泡の液体フィルムを安定化させるために役立つ成分だけでなく、泡を生成する成分も包含され得る。したがって、起泡剤も泡安定剤の意に包含される。これらの所望される剤は、形成される酸化染毛剤組成物の泡を安定化させ、かつ所望される時間枠の間維持させることができる。
【0020】
泡形成及び安定性
泡は、液体中にガス気泡が分散することにより構成される。ガス気泡は、互いの接触により破裂することから、この接触を遅らせるために添加剤が必要とされる。泡中の2つの気泡間の二層フィルムの表面はほぼ平らである一方、気泡が3つ面している場所では平衡状態になった境界の表面は湾曲している。吸収により生じる、フィルムの薄化プロセスを減速させるか、更には止めさえして、かつ泡を安定化させる化学物理特性が既知である。
【0021】
泡安定剤
本発明の組成物に使用される泡安定剤は、発泡利益及び/又は泡安定化利益をもたらすよう選択され、かつ過酸化水素又はペルオキシモノ炭酸イオンなどの酸化剤の存在下で、あるいはアルカリ環境の存在下で安定である。泡安定剤は、色調剤組成物成分又は顕色剤組成物成分などとして、染毛剤組成物の下位成分として存在し得る。
【0022】
好適な泡安定剤としては、高分子泡安定剤及び高分子乳化剤が挙げられる。本組成物の起泡安定剤は、泡の形成及び安定化に伝統的に使用される界面活性剤を、本質的に含まない。高分子乳化剤及び高分子泡安定剤の組み合わせも本発明で具体化される。
【0023】
高分子泡安定剤
本明細書で使用するのに好適な高分子泡安定剤としては、メチルセルロース(METHOCEL 40−101として販売されるヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びMETHOCEL A4MPとして販売されるメチルセルロース)及びエチルセルロース(NATROSOL PLUSとして販売されるセセチル(cecetyl)ヒドロキシエチルセルロース)などのセルロース材料が挙げられる。
【0024】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、次式を有するものである:
【0025】
【化1】
【0026】
メチルセルロースは、次式を有するものである:
【0027】
【化2】
【0028】
これらの構造に関し、「n」は、所望の粘度のメチルセルロース材料が得られるよう選択される。METHOCEL 40−101は約75,000MPas(20℃にて2%の水溶液に関するUbbelohdeチューブ粘度計による)の粘度を有し、及びMETHOCEL A4MPは約4000〜5000MPas(20℃にて2%の水溶液に関するUbbelohdeチューブ粘度計による)の粘度を有する。
【0029】
他の好適な泡安定剤としては、アクリル酸/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーなどの(メタ)アクリルポリマー、C10〜30アルキルアクリレートと1つ以上のアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、又はスクロースのアリールエーテル若しくはペンタエリスリトールのアリールエーテルにより架橋された1つの単純なエステルとのコポリマーが挙げられる。GoodrichからPEMULEN TR−1及びPEMULEN TR−2として市販される。PEMULEN TR−1ポリマーが好ましい。SEPPICより製造されるアクリレートコポリマーであるCAPIGEL 98も好適である。
【0030】
本明細書で使用するに当たり好適な他の泡安定剤は、酸/アクリル酸コポリマー主鎖、及び側鎖として疎水性基を結合するモノマーから、乳化重合プロセスにより合成された、疎水性改質されたアルカリ可溶エマルションポリマーである。このような材料の一例は、Rohm Haasから市販される、INCI名がアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマーであるACULYN(商標)22である。
【0031】
他の好適な泡安定剤としては、乳化重合により酸及びアクリル酸コモノマーから合成された、アルカリ可溶性アニオン性ポリマーのエマルションが挙げられる。このような材料の一例は、Rohm Haasから市販される、INCI名がアクリレートコポリマーであるACULYN(商標)33である。
【0032】
ACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物を使用することもできる。一実施形態は、酸化染毛剤組成物の重量、あるいは顕色剤組成物などの下位成分の重量に基づき、1:2〜1:5比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。他の実施形態では、顕色剤組成物の重量に基づき1:3〜1:5比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。一実施形態では、顕色剤組成物の重量に基づき1:3〜1:4比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる他の実施形態では、顕色剤組成物の重量に基づき4:1〜1:1比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。他の実施形態では、顕色剤組成物の重量比の重量に基づき3:1〜2:1比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。
【0033】
ビニルピロリドン(VP)を含むポリマーであるポリクオタニウム55、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPA)及びメタクリロイル(methacryoyl)アミノプロピルラウリルジモニウム塩化物(MAPLAC)も本明細書で使用するに当たり好適であり、かつ以下の構造を有する:
【0034】
【化3】
【0035】
ポリクオタニウム−55は、商品名STYLEZE(登録商標)で市販され、10〜20の種類がある。n、m及びpの程度は、モノマー比に応じて決定される。STYLEZE(登録商標)−10は、モノマー比0.85VP:0.11DMAPA:0.4MAPLACを有する。STYLEZE(登録商標)−20は、モノマー比0.85VP:0.11DMAPA:0.4MAPLACを有する。
【0036】
他の好適な泡安定剤としては、ポリオキシエチレン、概して、x、y及びzの平均値がそれぞれ31、54及び31である、下式と一致するポリオキシプロピレンブロックポリマーが挙げられる。
【0037】
【化4】
【0038】
商品名POLOXAMER 334で販売される。
【0039】
他の好適な泡安定剤としては、商品名PLURONIC P104及びPLURONIC F108(例えばBASF)で販売されている、一級ヒドロキシル基で終端しているポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックポリマーが挙げられる。
【0040】
高分子乳化剤
泡乳化剤として使用するに当たり好適なポリマー材料としては、多糖類、セルロース材料、アミン担持ポリマー、ポリシロキサン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
好適な多糖類としては、キサンタンガム、カラゲニンガム、グアーグアー(guar-guar)、カチオン性グアー、ヒドロキシプロピルグアーガム、寒天、イナゴマメガム、アルギネート、チロース、これらの材料のうちの任意の塩(ナトリム塩など)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
好適なセルロース材料としては、セルロースエーテル(例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなど)、セルロース混合型エーテル(例えばカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メトキシヒドロキシアルキルセルロースなど)、メチルヒドロキシアルキルセルロース(例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシブチルセルロースなど);及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
好適なアミン担持ポリマーとしては、通常、アルキル化又はカルボキシメチル化により(但し、キチンの他の改質方法も好適である)、塩基条件下で可溶であるよう改質された、多くの場合キトサンとして既知である脱アクチル化(deacytylated)キチンが挙げられる。Chitosan Derivatives Obtained By Chemical Modifications For Biomedical And Environmental Applications;International Journal of Biological Macromolecules;43巻,5版,2008年12月1日,401〜414頁を参照されたい。
【0044】
好適なポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フルオロ、グリコシド及び/又はアルキル基により修飾されたシリコーン化合物が挙げられる。本発明に従う好ましいシリコーン化合物としては、商標名ABIL(登録商標)でGoldschmidt AG(Essen)から入手可能なポリシロキサン−ポリエーテルコポリマー(別名、ジメチコンコポリオール)、特にABIL(登録商標)B 8843、ABIL(登録商標)B 8851、ABIL(登録商標)B 8852、ABIL(登録商標)B 8863、ABIL(登録商標)B 88183、及びABIL(登録商標)B 88184などのB 88製品群の、ポリシロキサン−ポリエーテルコポリマーが挙げられる。
【0045】
起泡安定剤は、界面活性剤を必要とせずに泡を形成及び/又は安定化させるのに十分な量で、分配されることになる酸化染毛剤組成物中に存在する。したがって、組成物が界面活性剤を実質的に含まない場合に泡を形成し及び/又は維持するのに十分な泡安定剤が存在する。概して、泡安定剤は、酸化染毛剤組成物の1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の量で存在する。複数部材キットの場合、泡安定剤は1つ以上の成分の中に存在し得る。好ましくは、泡安定剤は酸化剤を含有している成分(顕色剤)の中に存在する。これは、単独の顕色剤組成物を、複数の異なるヘアカラーを形成する、複数の異なる毛髪染料(色調)配合物と共に使用することができることを理由とする。泡安定剤は、顕色剤組成物中に、顕色剤組成物の1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、好ましくは5%〜20重量%存在し得る。
【0046】
発泡体
本明細書で使用するとき、用語、「泡」は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を通過した後に、形状を維持する気泡を担持し、かつ分配容器の種類とは独立して体積を与える、酸化染毛剤組成物を意味する。好ましくは泡は均一な気泡サイズを含む。好ましくは、分配直後の泡の体積は、約6mL/g〜約14mL/gの固定体積であり、例えば約7.5mL/g〜約12mL/g、より好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gである。
【0047】
分配直後に泡が体積を維持する最小時間は、少なくともユーザの手から毛髪上の所望される位置に移すのに十分長いものであり、例えば泡は、実質的に形状、及び泡の固有体積を少なくとも10秒、例えば少なくとも12秒、又は少なくとも15秒維持する。例えば美容師によりボウルいっぱいに満たされた量などの量の泡は、一度に容易にボウルいっぱいに作成し、頭部に塗り広げることができる。
【0048】
毛髪上の皮脂の量は、泡に影響を与え、崩壊させる恐れがある。毛髪上の皮脂の量がより多くなると、毛髪上での泡の崩壊はより早くなる。
【0049】
泡が時期尚早に崩壊し、液体様になった(あるいはなんらかの液体が泡の下の手で液だまりを形成する)場合、ユーザの手の何らかの動きが泡を滑らせ、滴らせ、ないしは別の方法で、泡が所望の場所に届く前に泡をユーザの手から移動させることは望ましくないと考えられる。泡が液体用の状態で分配される場合も、酸化染毛剤組成物は毛髪表面に適用する際にパッケージから飛び散り、及び漏れ出し、肌又は他の表面を着色し(カウンター、キャビネット、床など)、続いて毛髪から滴り落ちる。
【0050】
着色動作を実行するためには、酸化染毛剤組成物を毛髪上に送達し、かつ分散させる必要がある。そのため、酸化染毛用泡状組成物は、通常、染毛のために割り当てられる時間内に崩壊させる必要がある。泡の崩壊は、3〜10分程度の素早さで生じ得るが、最大で15分、又は最大で30分、又は更には最大で1時間であってもよい。所望される場合には、この時間をより長いものにすることも可能であるが、所望される着色時体験と、得られる目的とされる染色結果は一致すべきである。
【0051】
酸化染毛用泡状組成物の染料は、酸化剤と混合させた時に形成される。理想的には、染料は、酸化染料前駆体を毛幹に遊走させた後に形成され、次いで結合して色素分子又は発色団を形成する。
【0052】
泡が組成物よりも空気を多く含有し、投与量当たりの組成物の量が減少するため、「空気を含み過ぎる」泡(気泡サイズがより大きく、又は液体よりも空気のほうがより多く存在する)は、ユーザに酸化染毛剤組成物をより頻繁に適用させるようになる。
【0053】
レオロジー特性
酸化染毛剤組成物は、酸化染毛剤組成物との接触時に所望されるユーザ体験を確実なものにするような、所望されるレオロジー特性を使用時に有する。本発明の組成物は、消費者により配合物が使用される間、異なる応力/ひずみ力にさらされる。配合物は、所望される酸化染毛剤組成物を形成するために、例えば2成分を保有する分配容器を振とうさせるなどして2成分を共に混合することで形成される次いで、配合物にしぼり出し起泡機関などの起泡手段を通過させることで起泡させ、ユーザの手に吐出させる。次いで、毛髪などの所望される表面に配合物を適用し、泡を崩壊させ、毛髪などの所望される表面上に液体を形成させる。発泡させた酸化染毛剤組成物が崩壊した後の酸化染毛剤組成物で得られる粘度には、組成物がユーザの頭部上の毛髪などの、組成物が適用された表面から滴り落ちたりあるいは流れることがないような粘度が選択されることが所望される。
【0054】
本明細書で使用するとき、用語、「低せん断粘度」は、以下の方法に従ってせん断速度0.01s-1で組成物が測定されたことを意味する。低せん断粘度は、(1)収容容器内に位置する組成物の粘度、及び(2)組成物の「泡崩壊後」の粘度を表すものと考えられる。換言すれば、泡崩壊後とは、組成物が分配容器により発泡され、次いで崩壊したときを意味する。レオロジー特性において、低せん断粘度は、組成物がユーザにより混合又は振とうされる際に、収容容器内のヘッドスペースで生成される泡の量を減少させる様に働く。更に、泡崩壊後の組成物のレオロジー特性において、低せん断粘度は、所望される表面上に組成物がとどまるか、あるいは泡崩壊後に組成物が表面から流れる又は滴り落ちるかのいずれかに関し重要である。液体と比較して、泡は粘度が異なっている場合があることから、低せん断粘度の測定は、発泡させた状態の酸化染毛剤組成物に好適でない恐れがある。
【0055】
染毛剤組成物の低せん断粘度は、500MPa(500cps)超であり、好ましくは約500MPas(500cps)〜約10,000MPa(10,000cps)、好ましくは約500MPa(500cps)〜約9000MPa(9000cps)、及び好ましくは約500MPa(500cps)〜約5000MPa(5000cps)である。より明るい色調(金色)のものは、約500MPa(500cps)〜約2300MPa(2300cps)の低せん断粘度を有し得る。茶色のものは、約1000mPas(1000cps)〜約3200mPa(3200cps)の低せん断粘度を有し得る。黒色のものは、約1000mPas(1000cps)〜約3000mPa(3000cps)の低せん断粘度を有し得る。赤色のものは、約1000mPas(1000cps)〜約6500mPa(6500cps)の低せん断粘度を有し得る。
【0056】
本明細書で使用するとき、用語、「高せん断粘度」は、以下の方法に従ってせん断速度500s-1で組成物が測定されることを意味する。高せん断粘度は、大抵の場合、泡を形成するために高せん断速度の空気及び液体組成物が使用される混合チャンバなどの起泡手段を介し、収容容器から分配ヘッド開口部へと移動する、酸化染毛剤組成物の粘度を表すものと考えられる。酸化染毛剤組成物の高せん断粘度は200MPa(200cps)未満、好ましくは100MPa(100cps)未満、好ましくは約1MPa(1cps)〜約200MPa(200cps)である。一実施形態では、酸化染毛剤組成物の高せん断粘度は、約20MPa(20cps)〜約100MPa(100cps)である。
【0057】
【表1】
【0058】
表1は、レオロジー特性が相対的に一定であり、かつ変化しない、3種の比較配合物を示すものである。本出願の酸化染毛剤組成物を、静止させた状態(低せん断粘度)で市販の染毛用泡製品と比較した場合に、本組成物のレオロジー特性が、より高い粘度を有するものであることが分かる。粘度をより高いものにすると、収容容器内で泡を形成し、泡の固有体積を変更する事に関する、特定の課題が対処される。これは更に、組成物を適用し、泡を崩壊させた後に、毛髪から酸化染毛剤組成物が滴るという課題に対処する。
【0059】
酸化染毛剤組成物には、レオロジー、溶媒の量、アルカリ化剤含有量、塩類含有量及び染料選択に影響を与える成分を含有させることもできる。
【0060】
例えば、合計染料含量がより高く、かつ黒髪色などの暗い色調を表すアンモニア含量がより少ない染毛用処方の低せん断粘度は、約500MPa(500cps)〜約10,000MPa(10,000cps)であるが、500cpsよりも10,000cpsに近い傾向があり、その一方で、合計染料含量が低く、かつブロンドカラーなどの明るい色調を表すアンモニア含量がより高い染毛用処方の中程度せん断粘度は、約500MPa(500cps)〜約10,000MPa(10,000cps)であるが、10,000cpsよりも500cpsに近い傾向がある。
【0061】
追加の酸化染毛剤成分
溶媒
酸化染毛剤組成物は、水、低級脂肪族アルコール(例えば、炭素原子を1〜4個有する、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールなどの脂肪族アルコール)又はグリセリン及び1,2−プロピレングリコールなどのグリコールといった溶媒を含み得る。溶媒は、酸化染毛剤組成物、又は下位成分(色調剤組成物又は顕色剤組成物)に、0.1〜30重量%の濃度で使用することができる。
【0062】
アルカリ化剤
酸化染毛剤組成物は、一般的に色調剤組成物であり、アルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン資源又はアンモニア資源を含む。アルカノールアミド、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、グアニジウム塩、並びにアルカリ金属及びアンモニウムの水酸化物及び炭酸塩(水酸化ナトリウム及び炭酸アンモニウムなど)などの当該技術分野において既知である任意の剤を使用することができる。特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオン資源をもたらすものである。いずれのアンモニウムイオン資源も本明細書で用いるのに好適である。好ましい資源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物である。同様に好適なアルカリ化剤としては、例えば、リン酸、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸又は酒石酸、塩酸、及びこれらの混合物などの無機酸及び有機酸といった酸(acidulent)が挙げられる。
【0063】
酸化染毛剤組成物又は色調剤組成物には、約0.1重量%〜約10重量%、例えば約0.5重量%〜約5重量%、約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤(アンモニウムイオンなどの資源)が含まれ得る。
【0064】
酸化剤
本明細書において、概して顕色剤組成物である酸化染毛剤組成物は、酸化剤資源を少なくとも1つ含み得る。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。水溶性過酸素酸化剤は、当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、並びに有機過酸化物、例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物、並びに無機過水和物塩の漂白化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩は、一水和物、四水和物などとして組み込まれてもよい。アルキル及びアリール過酸化物、並びに/又はペルオキシダーゼも用いてもよい。また必要に応じて、2つ以上のそのような酸化剤の混合物を用いることもできる。酸化剤は、水溶液中に提供されてもよいし、又は使用前に溶解される粉末として提供されてもよい。本発明による組成物に用いるのに好ましいのは、過酸化水素、過炭酸塩、過硫酸塩及びこれらの組み合わせである。
【0065】
酸化剤は、酸化染毛剤組成物又は顕色剤組成物の約0.1重量%〜約40重量%、好ましくは約1%〜約30重量%、及び最も好ましくは約2%〜約30重量%を含み得る。本明細書で使用するに当たり別の可能性のある酸化剤は、ペルオキシモノ炭酸イオン資源である。好ましくは、このような資源は、過酸化水素資源及び炭酸水素イオン資源からその場で形成される。このような酸化剤は、9.5以下、好ましくは7.5〜9.5、より好ましくは約9のpHにおいて、特に効果的であることが分かっている。更に、この系はまた、アンモニア又はアンモニウムイオン資源と組み合わせると特に効果的である。この酸化剤は、高い色落ちの実現に特に関連して、所望の髪色結果に改善をもたらし、一方で、におい、皮膚及び頭皮の刺激、並びに毛髪繊維へのダメージを大幅に低減することが明らかになった。
【0066】
したがって、ペルオキシモノ炭酸イオンの任意の資源を利用することができる。本明細書に用いるのに好適な資源としては、炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンのナトリウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、アルギニン塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、及びアンモニウム塩、並びにこれらの混合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。また、炭酸イオン及び酸化剤の双方の供給源を得るために、過炭酸塩も使用してもよい。炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びこれらの混合物である。
【0067】
酸化剤は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、及び最も好ましくは約1重量%〜約8重量%の炭酸水素イオンを含むことができ、かつ酸化剤の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、及び最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の過酸化水素資源を含むことができる。
【0068】
pH
本発明の組成物は、8〜12、好ましくは8〜10のpHを有してよい。ペルオキシモノカーボネートイオンを含む実施形態の場合、好ましくは、pHは9.5以下であり、より好ましくは約9.5〜約7.5、更により好ましくは約9.5〜約8.4、最も好ましくは約9.4〜約8.5、更により好ましくはpH約9.3又は9.0である。
【0069】
色調剤組成物又は顕色剤組成物などのなどの、染毛剤組成物の任意の下位成分は、染毛剤組成物とは異なるpHを有してもよい。例えば、色調剤組成物がアルカリ化剤を含む場合、色調剤組成物はアルカリ性のpH、例えば8超のpHを有し得る。
【0070】
本組成物のpHは、Mettler Toledo製MP220又はMP225 pH装置(実験室用標準pH電極を装着)を使用して決定できる。装置は、毎回使用前に、較正用標準緩衝溶液及び標準較正手順を使用して較正される。
【0071】
毛髪染料
毛髪染料を含有する酸化染毛剤組成物には、当該技術分野において既知であるものから選択することができる毛髪染料(例えば酸化染料前駆体)を含有させることができ、毛髪染料による着色は、酸化剤(例えば過酸化水素)の作用により、又は大気の酸素の存在下で生じる(必要がある場合には好適な酵素系と共に)。毛髪染料は、酸化染料前駆体、直接染料、又はこれらの混合物であり得る。
【0072】
酸化染料前駆体
酸化染毛剤組成物は、以降で酸化染料前駆体として参照される、一次中間体又はカップラーの形態の酸化染料化合物を含有し得る。使用に好適な化合物は、それらが塩基である場合に限り、遊離塩基として、又は例えば、塩酸、臭化水素酸、クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、酒石酸若しくは硫酸などの、生理学的に適合性のある、それらの有機酸塩若しくは無機酸塩の形態で使用してもよく、あるいは、それらが芳香族ヒドロキシル基を有する場合に限り、塩基塩、例えばアルカリフェノレートの形態で使用してもよい。
【0073】
これらの酸化染料前駆体は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン、アミノフェノール、芳香族ジオール、及びこれらの誘導体が挙げられる(酸化染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、「Cosmetic Science and Technology」(Sagarin,Interscience,Special Edn.Vol.2,308〜310頁)に見出すことができる)。
【0074】
以下に詳細に述べられる前駆体は、単に例示されたものであり、本明細書における毛髪ケア組成物又は色調剤組成物などの下位成分を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。前駆体は以下のものである:1,7−ジヒドロキシナフタレン(1,7−ナフタレンジオール);1,3−ジアミノベンゼン(m−フェニレンジアミン);1−メチル−2,5−ジアミノベンゼン(トルエン−2,5−ジアミン);1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン);1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール);1,3−ジヒドロキシ−4−クロロベンゼン,(4−クロロレゾルシノール);1−ヒドロキシ−2−アミノベンゼン,(o−アミノフェノール);1−ヒドロキシ−3−アミノベンゼン(m−アミノフェノール);1−ヒドロキシ−4−アミノ−ベンゼン(p−アミノフェノール);1−ヒドロキシナフタレン(1−ナフトール);1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−ナフタレンジオール);2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−ナフタレンジオール);1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン);1−ヒドロキシ−4−メチルアミノベンゼン(p−メチルアミノフェノール);6−ヒドロキシベンゾ−モルホリン(ヒドロキシベンゾモルホリン);1−メチル−2−ヒドロキシ−4−アミノベンゼン(4−アミノ−2−ヒドロキシ−トルエン);1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン(2−メチル−5−ヒドロキシ−エチルアミノ−フェノール);1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(1,2,4−トリヒドロキシベンゼン);1−フェノール−3−メチルピラゾール−5−オン(フェニルメチルピラゾロン);1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン(2,4−ジアミノフェノキシ−エタノールHCl);1−ヒドロキシ−3−アミノ2,4−ジクロロベンゼン(3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール);1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン(2−メチルレゾルシノール);1−アミノ−4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン(N,N−ビス(2−ヒドロキシ−エチル)−p−フェニレン−ジアミン);2,4,5,6−テトラアミノピリミジン(HCレッド16);1−ヒドロキシ−3−メチル−4−アミノベンゼン(4−アミノ−m−クレゾール);1−ヒドロキシ−2−アミノ−5−メチルベンゼン(6−アミノ−m−クレゾール);1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン(1,3−ビス−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン);1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン(ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンサルフェート);1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン,(2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール);1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン(5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾール);1−ヒドロキシ−2−アミノ−6−メチルベンゼン(6−アミノ−o−クレゾール);1−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン(ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシ−アニリンHCl);2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン(2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン);3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン(2,6−ジメトキシ−3,5−ピリジンジアミン);5,6−ジヒドロキシインドール(5,6−ジヒドロキシ−インドール);4−アミノ−2−アミノメチルフェノール(2−アミノエチル−p−アミノ−フェノールHCl);2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェネトールHCl);2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン(2,4−ジアミノ−5−メチルフェノキシエタノールHCl);5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール(5−アミノ−4−クロロ−o−クレゾール);1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)N(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール(ヒドロキシプロピル−ビス−(N−ヒドロキシ−エチル−p−フェニレンジアミン)HCL);6−ヒドロキシインドール(6−ヒドロキシ−インドール);2,3−インドリンジオン(ISATIN);3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン(HCブルーNO.7);1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン(2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン);2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン);5−アミノ−サリチル酸;1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)ベンゼン(2,6−ヒドロキシエチルアミノ−トルエン);4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン(2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノール硫酸塩);
2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン(PEG−3,2’,2’−ジ−p−フェニレンジアミン);5,6−ジヒドロキシインドリン(ジヒドロキシインドリン);N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン(m−ジメチル−アミノ−フェニル尿素);2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン硫酸塩水和物(4−フルオロ−6−メチル−m−フェニレンジアミン硫酸塩);1−アセトキシ−2−メチルナフタレン(1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール硫酸塩);1−アセトキシ−2−メチルナフタレン(2−メチル−1−ナフトール);2−アミノ−5−エチルフェノール(2−アミノ−5−エチルフェノール);2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール(3−アミノ−2,4−ジクロロフェノール);及びp−アニリノアニリン(N−フェニル−P−フェニレンジアミン)。
【0075】
色調剤組成物に含有させる酸化染料前駆体の合計量は、最大で色調剤組成物の約12重量%であり、特に約0.05重量%〜約6重量%である。
【0076】
直接染料
本発明の組成物はまた、染色を提供するのに、特に強度に関して十分な量で、相溶性の直接染料を含んでもよい。典型的には、そのような量は、色調剤組成物の約0.05重量%〜約4重量%の範囲であろう。好適な直接染料としては、アシッドイエロー1;アシッドオレンジ3;ディスパースレッド17;ベーシックブラウン17;アシッドブラック52;アシッドブラック1;ディスパースバイオレット4;4−ニトロ−o−フェニレンジアミン;2−ニトロ−p−フェニレンジアミン;ピクラミン酸;HCレッドNo.13;1,4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−2−ニトロベンゼン;HCイエローNo.5;HCレッドNo.7;HCブルーNo.2;HCイエローNo.4;HCイエローNo.2;HCオレンジNo.1;HCレッドNo.1;2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン;HCレッドNo.3;4−アミノ−3−ニトロフェノール;2−ヒドロキシエチルアミノ−5−ニトロアニソール;3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール;2−アミノ−3−ニトロフェノール;6−ニトロ−o−トルイジン;3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール;2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン;HCイエローNo.11;HCバイオレットNo.1;HCオレンジNo.2;HCオレンジNo.3;HCイエローNo.9;4−ニトロフェニルアミノエチル尿素;HCレッドNo.10;HCレッドNo.11;2−ヒドロキシエチルピクラミン酸;HCブルーNo.12;HCイエローNo.6;ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン;HCイエローNo.12;HCブルーNo.10;HCイエローNo.7;HCイエローNo.10;HCブルーNo.9;N−エチル−3−ニトロPABA;4−アミノ−2−ニトロフェニル−アミン−2’−カルボン酸;2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール;6−ニトロ−2,5−ピリジンジアミン;HCバイオレットNo.2;2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール;4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール;HCイエローNo.13;1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ニトロキノキサリン;HCレッドNo.14;HCイエローNo.15;HCイエローNo.14;3−アミノ−6−メチルアミノ−2−ニトロピリジン;2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3−イル)アゾ)ピリジン;ベーシックレッドNo.118;ベーシックオレンジNo.69;N−(2−ニトロ−4−アミノフェニル)−アリルアミン;4−[(4−アミノ−3−メチルフェニル)(4−イミノ−3−メチル−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)メチル]−2−メチル−ベンゼンアミン−ヒドロクロリド;2−[[4−(ジメチル−アミノ)フェニル]アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド;1−メチル−4−[(メチルフェニル−ヒドラゾノ)メチル]−ピリジニウム、メチルサルフェート;2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド;ベーシックレッド22;ベーシックレッド76;ベーシックブラウン16;ベーシックイエロー57;7−(2’,4’−ジメチル−5’−スルホフェニルアゾ)−5−スルホ−8−ヒドロキシナフタレン;アシッドオレンジ7;アシッドレッド33;1−(3’−ニトロ−5’−スルホ−6’−オキソフェニルアゾ)−オキソ−ナフタレンクロミウム錯体;アシッドイエロー23;アシッドブルー9;ベーシックバイオレット14;ベーシックブルー7;ベーシックブルー26;キノフタラノン又は2−キノリルインダンジオンのモノ−&ジスルホン酸(主に後者)の混合物のナトリウム塩;ベーシックレッド2;ベーシックブルー99;ディスパースレッド15;アシッドバイオレット43;ディスパースバイオレット1;アシッドブルー62;ピグメントブルー15;アシッドブラック132;ベーシックイエロー29;ディスパースブラック9;1−(N−メチルモルホリウム−プロピルアミノ)−4−ヒドロキシ−アントラキノンメチルサルフェート;N,N−ジメチル−3−((4−(メチルアミノ)−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−1−イル)アミノ)−N−プロピルプロパン−1−アミニウムブロミド,HCブルーNo.8;HCレッドNo.8;HCグリーンNo.1;HCレッドNo.9;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノリン;アシッドブルー199;アシッドブルー25;アシッドレッド4;ヘナレッド;インディゴ;コチニール;HCブルーNo.14;ディスパースブルー23;ディスパースブルー3;ディスパースブルー377;ベーシックレッド51;ベーシックオレンジ31;ベーシックイエロー87;及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい直接染料としては、ディスパースブラック9、HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー15、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、HCレッド3、ディスパースバイオレット1、HCブルー2、ディスパースブルー3、ディスパースブルー377、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー87、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
更に、特定の色合いを得るために、例えば、ヘナ又はインディゴのような植物色素、トリフェニルメタン染料、芳香族ニトロ染料、アゾ染料、キノン染料、カチオン性染料(塩基性染料)又はアニオン性染料(酸性染料)等の従来の天然及び/又は合成の直接染料を着色剤に更に含有させることが可能である。
【0078】
ラジカルスカベンジャー
色調剤組成物は更にラジカルスカベンジャー供給源を含み得る。本明細書で使用するとき、用語「ラジカルスカベンジャー」は、炭酸塩ラジカルと反応してその炭酸塩ラジカルを一連の速い反応によって、より反応性の低い種、即ち炭酸塩ラジカルスカベンジャーへと変換させることのできる種である。
【0079】
本明細書に用いるのに好適なラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル及びこれらの混合物の部類から選択してよい。特に好ましい化合物は次のものである:モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、並びに、これらのカリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩などの塩、並びにこれらの混合物。
【0080】
特に好ましい化合物はグリシン、サルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、3アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物である。
【0081】
本発明の組成物は、色調剤組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーを含む。
【0082】
好ましくは、ラジカルスカベンジャーは、ラジカルスカベンジャー対カーボネートイオンの重量比が、2:1〜1:4となるような量で存在する。ラジカルスカベンジャーはまた、アルカリ化剤と同一の種にならないように好ましく選択される。本発明の一実施形態によると、ラジカルスカベンジャーは、毛髪繊維への適用前に毛髪染色組成物中でその場形成されてもよい。
【0083】
香料
酸化染毛剤組成物は、香料成分も含み得る。多くの既知の香料原材料、特に油の形態の香料原材料が、泡の急速な崩壊を誘導する泡不安定化剤として作用し得ることが判明している。香料原材料の多成分ブレンドからなる香料のうち、香料の最大で30重量%が1.5〜2.5の範囲のClogPを有する香料原材料から本質的になり、かつ香料の残部が1.5未満のClogPを有する香料原材料から本質的になる香料は、本発明の組成物に、泡を急速に崩壊させる香料として使用することができる。好ましい香料は、それぞれが最大で1.5のClogPを有する、香料原材料の多成分ブレンドを含むものである。すべての香料原材料のうち、最も好ましい材料は、pH 10〜11にて安定なものである。
【0084】
これまでに多くの香料成分のlogPが報告されており、例えば、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Daylight CIS)(Irvine,Calif)から利用可能なPomona92データベースには、元文献の引用と共に多くのlogP値が包含されている。ただし、logP値は、同様にDaylight CISからも入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も便利に計算される。このプログラムはまた、それらがPomona92データベースにおいて入手可能な場合には、実験的なlogPの値も一覧にしている。「logPの計算値」(ClogP)は、Hansch及びLeoのフラグメント手法(Hansch and Leo(cf.、A.Leo、in Comprehensive Medicinal Chemistry、Vol.4、C.Hansch、P.G.Sammens、J.B.Taylor、and C.A.Ramsden、Eds.p.295、Pergamon Press、1990,参考文献として本明細書に含まれる))により決定される。このフラグメント手法は、各香料成分の化学構造を基に、原子の数と種類、原子の結合性、及び化学結合をも考慮に入れている。ClogP値は、最も信頼でき、物理化学的特性の評価に広く用いられており、好ましくは本発明で有用な香料成分の選択においてlogP実験値の代わりに用いられる。
【0085】
コンディショニング剤
酸化染毛剤組成物には、コンディショニング剤を含有させることもできるが、コンディショニング剤は、時期尚早に泡を崩壊させるなどして泡の形成又は安定化を阻害することのないよう、注意深く選択する必要がある。所望により、コンディショニング剤を含む別個のコンディショニング組成物を酸化染毛剤製品と共に使用することもできる。好適なコンディショニング剤は、シリコーン材料、アミノシリコーン、脂肪アルコール、高分子樹脂、ポリオールとカルボン酸のエステル、カチオン性ポリマー、不溶性油及び油から誘導される材料、並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質としては、鉱油及びその他の油、例えばグリセリン及びソルビトールが挙げられる。特に有用なコンディショニング物質は、カチオン性ポリマーである。カチオン性ポリマー型のコンディショナは、一級、二級、三級及び四級アミン基であって、ポリマー主鎖の一部を形成するか又はポリマー主鎖に直接結合する側鎖置換基に含まれることのあるアミン基から選択される少なくとも1つのアミン基の単位を含むものから選択することができる。
【0086】
シリコーンは、ポリアルキルシロキサン油、トリメチルシリル又はヒドロキシジメチルシロキサン末端基を含有する直鎖ポリジメチルシロキサン油、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルフェニルシロキサン又はポリジメチルジフェニルシロキサン油、シリコーン樹脂、その一般的構造中に、1つ又は多数の有機官能基(類)を有する有機官能シロキサン(同一又は異なり、シロキサン鎖に直接結合する)又はこれらの混合物から選択されることができる。前記有機官能基は、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基、(過)フッ素化基、チオール基、置換又は非置換アミノ基、カルボキシレート基、ヒドロキシレート基、アルコキシル化基、クオタニウムアンモニウム基、両性及びベタイン基から選択される。シリコーンは、純流体として、又は事前に形成されたエマルションの形態として、使用され得る。
【0087】
コンディショニング剤は概してコンディショニング組成物の約0.05重量%〜約20重量%の濃度で使用することができ、例えばコンディショニング組成物の約0.1重量%〜約15重量%、約0.2重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約2重量%の濃度で使用することができる。
【0088】
酸化染毛剤製品
酸化染毛剤製品は、収容容積を含む収容容器、混合チャンバ及び分配ヘッドを取り付けた手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を含む。収容容器は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を作動させた時に、酸化染毛剤組成物が液体対空気比約1:6〜約1:15で空気と混合され、かつ酸化染毛剤組成物が泡として分配されるよう、酸化染毛剤組成物を含有し得る。
【0089】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、所望により、1ストローク又は1しぼり出し当たりの泡吐出量が約0.5グラム/ストローク、約5.0グラム/ストローク、好ましくは約0.8グラム/ストローク〜約4.0グラム/ストローク、好ましくは約1.0グラム/ストローク〜約4.0グラム/ストロークであるよう設計される。一実施形態では、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、所望により、1ストローク又は1しぼり出し当たりの泡吐出量が約1.8グラム/ストローク〜約2.2グラム/ストロークであるよう設計される。
【0090】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、所望により、1ストローク又は1しぼり出し当たりの泡吐出量が約3mL/ストローク〜約70mL/スロトーク、好ましくは約76mL/ストローク〜約48mL/ストローク、好ましくは約8mL/ストローク〜約44mL/ストローク、好ましくは約18mL/ストローク〜約22mL/ストロークであるよう設計される。
【0091】
出願者らは、泡の固有体積がこの範囲に収まると、発泡させた酸化染毛剤組成物が湿潤しすぎていることも(移動や滴下が生じる)、あるいは乾燥しすぎていることも(製品付着が少量)なく、ユーザにより所望される体験が与えられることを見出した。比泡体積は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(以下に詳細に記載する)の選択により左右され得る。多くの場合、ポンプ式フォーマーは比泡体積の範囲が狭く、その一方で、しぼり出し式フォーマーでは、ユーザがしぼり出しに加える圧力量を変化させることができることから、比泡体積の範囲が幅広いものになる。
【0092】
泡を生成するための手動式のノンエアゾールタイプの分配容器が当該技術分野において周知である。これらの泡分配容器は泡形態で分配される液体を保持するための収容容器を含み、収容容器は、収容容器上に取り付けることができ、又は収容容器の開口部内に取り付けることのできる組立品を備える。組立品は、収容容器に延び、ひいては混合チャンバに延びるディップチューブ、収容容器から液体を汲み出すための液体ポンプ、及び泡を生成するために、混合チャンバ内の液体を空気と混合させるためのエアポンプ、を含む。泡は混合チャンバから分配され、分配開口部を含む分配ヘッドの外側にある分配チャネルを通過する。分配チャネルには、均質な泡が形成されるようシーブ又はスクリーンなどの1つ以上の多孔質要素を配置することができる。
【0093】
市販の泡状染毛剤と比べて、本明細書に記載のレオロジー特性を有する酸化染毛剤組成物を分配するのに必要とされる仕事量は優れている。市販の泡状染毛剤に関し特有なことに、本出願の酸化染毛剤組成物と比較して、せん断粘度が相対的に低いことから、市販の系内では、液体よりも空気を動かす際により多くの仕事量が見込まれる。特定のレオロジー特性を有する本発明の酸化染毛剤組成物に関し、系内では、空気よりも液体を動かす際により多くの仕事量が見込まれる。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器の外側をしぼることで、酸化染毛剤組成物を分配することができる。それに伴い、分配ヘッドの分配ヘッド開口部を通して泡を分配することができる。
【0094】
所望されるレオロジー特性を有する酸化染毛剤組成物の使用、及び酸化染毛剤組成物を移動させるために必要とされる仕事量は、本明細書での使用が好適な手動式のノンエアゾールタイプの分配容器で生成される、せん断力の強さに関し、独特の問題を更に保有している。所望されるレオロジー特性を有する酸化染毛剤組成物の使用は、空気対液体比に更に影響を与える。仕事量、せん断力の生成、及び空気対液体比は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の構造によるところのものである。
【0095】
空気対液体比は、約1:6〜約1:15,好ましくは約1:8約1:12、好ましくは1:10である。
【0096】
好適な手動式のノンエアゾールタイプの分配容器構造には、ディップチューブの寸法、混合チャンバへの空気の進入口の寸法、混合チャンバからの進入及び退出開口部を含む混合チャンバの寸法、分配チャネルの寸法、多孔質要素(スクリーン又はメッシュなど)及び分配ヘッド開口部が含まれる。
【0097】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、ポンプ又はしぼり出し式フォーマーであり得る。好適なポンプ式フォーマーの例は、欧州特許第0613728(B1)号、国際公開第97/013585(A1)号及び欧州特許第1716933(A1)号に例示されるものである。好適なしぼり出し式フォーマーは:米国特許第3,709,437号;同第3,937,364号;同第4,022,351号;同第4,147,306号;同第4,184,615号;同第4,615,467号;及び仏国特許第2,604,622号に例示されるものである。本明細書で有用なしぼり出し式フォーマーの1つの具体例は、米国特許第6,604,693号(Taplastに譲渡)で議論されるものなどのように、並びにより具体的にはこの特許の第2段落65行〜第4段落67行までで議論されるものなどのように、直立位置又は反転位置から分配することのできるしぼり出し式フォーマーである。
【0098】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は収容容器を含む。収容容器は、収容容器内に収容される染毛剤組成物の体積よりも収容容器の容積が大きいものになるような容積を有する。収容容器のうち、染毛剤組成物に占有されない領域がヘッドスペースである。ヘッドスペースは、染毛剤組成物、あるいは染毛剤組成物の気泡を比較的含まない状態のままであるべきである。染毛剤組成物を含有させた状態で収容容器を振とう又は反転させた場合、ヘッドスペースは、染毛剤組成物、あるいは染毛剤組成物の気泡を比較的含まない状態のままであるべきである。本章において使用するとき、「比較的含まない」は、ヘッドスペース容積の50%未満、75%未満、90%未満、75%〜100%が、染毛剤組成物又はそれらの気泡を含まないことを意味する。
【0099】
収容容器は、染毛剤組成物を発泡させるための機構(ディップチューブなど)の任意の部分に染毛剤組成物を含有させ、かつ尚もヘッドスペースを有するのに十分な容積を有するよう選択される。一実施形態では、収容容器の容積は約100mL〜約500mL、約150mL〜約400mLであるよう選択される(例えば250mL)。収容容器の容積対染毛剤組成物の体積比は、約0.30〜約0.70である(例えば、約0.40〜約0.55)。
【0100】
収容容器の形状は、染毛剤組成物を収容容器に含有させた場合に、体積置換当たりに必要とされる力が最適化され得るよう選択することができる。一実施形態では、体積置換当たりに必要とされる力は、ボトルの垂直軸(ボトルの頂部又は底部)から見た場合に、ボトルの形状が楕円断面を有するように選択された場合に最適化される。楕円断面は、ネジ式キャップ又はスナップ式キャップに好適な頸部を使用して収容容器を閉めることができるように、好ましくは同軸である。楕円断面の長軸は、収容容器表面に適用される力と垂直になるよう位置づけされる。
【0101】
図1は、フォーマー組立品(1)及び収容容器(3)を含む染毛剤組成物製品(25)の一般的な構造を例示する。
【0102】
染毛剤組成物を含有する収容容器の容積(27)を有する収容容器(3)は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)を分配動作(例えば「ストローク」)させた際に、染毛剤組成物が収容容器(3)から輸送されるように混合チャンバ(5)と流体連通している。流体接続部はディップチューブ(7)である。比較的粘度の高い染毛剤組成物に関しては、ディップチューブ(7)の直径は、分配を容易にし(分配に必要とされる力の量を少なくする)、かつ所望される泡の固有体積を得るために、大きくする必要がある。
【0103】
ディップチューブ(7)の直径は、好ましくは直径が2.0mm超、好ましくは約2.0mm〜約5.0mm、より好ましくは約2.5mm〜約4.0mmになるよう選択される。直径が約2.0mm〜約4.0mmのディップチューブ(7)に関し、液体粘度は、液体を収容容器(3)から、分配時にユーザにより加えられる力(例えば「ストローク」)の量がより少ない混合チャンバ(5)へと輸送しつつ、本明細書で述べるような所望される泡密度を実現する。
【0104】
混合チャンバ(5)は、少なくとも1つの空気進入開口部(9)、少なくとも1つの液体進入開口部(11)及び少なくとも1つの混合チャンバ進入開口部(13)を含む。混合チャンバ(5)は、内部容積と、混合チャンバ(5)の内部容積を画定する外壁を更に含む。混合チャンバ(5)は、染毛剤組成物と空気を組み合わせることで、染毛剤組成物の発泡体を形成し始めることを可能にする。様々な開口部(9,11,13)領域を変更(記載の開口部の平面図は、混合チャンバ(5)の外壁の一部を含む)することで、泡の固有の密度に影響を与えることができ、具体的には液体対空気比が適切なものになるように空気進入開口部(9)及び液体進入開口部(11)の相関関係に影響を与えることができる。
【0105】
空気進入開口部(9)は、収容容器(3)のヘッドスペースに入った空気を輸送させるのに好適なものである。混合チャンバ(5)には、1つ以上の空気進入開口部(9)を含ませることができる。一実施形態では、混合チャンバ(5)は、進入開口部(9)を1つ含む。空気進入開口部(9)の面積は約0.62mm2(約0.2mm直径の円形の空気進入開口部)〜約3.14mm2(約1mm直径の円形の空気進入開口部)であってよく、好ましくは約1.26mm2(約0.4mm直径の円形の空気進入開口部)〜約1.88mm2(約0.8mm直径の円形の空気進入開口部)である。空気進入開口部(9)が1つ以上選択された場合、空気進入開口部(9)の合計面積のすべてが使用されるべきである。混合チャンバ(5)への空気進入開口部(9)を介する空気の輸送は、混合チャンバ(5)に間接的に輸送させるものであってよく、あるいは混合チャンバ(5)に直接輸送させるものであってもよい。
【0106】
同様にして、液体進入開口部(11)は、収容容器(3)から、好ましくはディップチューブ(7)を介し混合チャンバ(5)へと染毛剤組成物を流動的に輸送するのに好適である。一実施形態では、混合チャンバ(5)は液体進入開口部(11)を1つ以上含む。一実施形態では、混合チャンバ(5)は、液体進入開口部(11)を3つ含む。液体進入開口部(11)の面積は、約1.5mm2〜約3mm2でなくてはならない。一実施形態では、液体進入開口部(11)は、約1.8mm2〜約2.3mm2でなくてはならない。液体進入開口部(9)が1つ以上選択された場合、空気進入開口部(9)の合計面積のすべてが使用されるべきである。例えば、3つの液体進入開口部(11)の合計面積が2.0mm2である場合、液体進入開口部(11)の3つすべてを合わせた合計面積と等しい。収容容器(3)から混合チャンバ(5)への流体輸送路は、混合チャンバ(5)に間接的な連通経路であり得、あるいは混合チャンバ(5)に直接的な連通経路であり得る。
【0107】
本明細書で使用するとき、用語、「間接的な連通」は、混合チャンバ(5)への空気又は染毛剤組成物の輸送路が、混合チャンバ(5)に入る前に、何らかの他の物理構造を通過する経路を通ることを意味する。例えば、空気又は染毛剤組成物は、各開口部(9,11)を通って混合チャンバ(5)に入る前に、混合チャンバ(5)の外壁と接触するようになる。一実施形態では、間隙容積(30)が、混合チャンバ(5)の外壁と隣接している。空気又は染毛剤組成物は、収容容器から、ディップチューブ(7)を介し、混合チャンバ(5)の外部間隙容積(30)へと輸送される。間隙容積(30)は、それぞれ、空気進入開口部(9)及び/又は液体進入開口部(11)と空気及び/又は液体連通する。
【0108】
本明細書で使用するとき、用語、「直接連通する」は、混合チャンバ(5)への空気又は染毛剤組成物の輸送路が、直接的に混合チャンバ(5)を通るものであることを意味する。例えば、空気又は染毛剤組成物は、開口部(9,11)のそれぞれを介し、混合チャンバ(5)の外側の成分と接触すること無く混合チャンバ(5)の内部容積で接触するようになる。
【0109】
一実施形態では、混合チャンバ退出開口部(13)は、混合チャンバ(5)内部の圧力が上昇するように選択される。混合チャンバ(5)は、1つ以上の混合チャンバ開口部(13)を含み得る。一実施形態では、混合チャンバ(5)は混合チャンバ退出開口部(13)を1つ含む。
【0110】
混合チャンバ(5)は、混合チャンバ(5)の内部容積を生成する外側壁を有する。外側壁の頂端が、周長を確定する。混合チャンバ退出開口部(13)は、混合チャンバ(5)の頂端の周長と同じ大きさの面積にすることもできるが、好ましくは、混合チャンバ(5)内の圧力を増加させるために、混合チャンバ(5)の頂端の周長の面積よりも小さくなるような面積が選択される。混合チャンバ退出開口部(13)の面積は、約0.314mm2(0.1mm直径の円形開口部)〜約9.42mm2(3mm直径の円形開口部)であり得る。一実施形態では、混合チャンバ退出開口部(13)は、約2.512mm2(0.8mm直径の円形開口部)〜約5.652mm2(1.8mm直径の円形開口部)の面積を含む。混合チャンバ退出開口部(13)が1つ以上存在する場合、すべての混合チャンバ退出開口部の合計面積を考慮しなくてはならない。
【0111】
一実施形態では、散布プレート(29)が、混合チャンバ退出開口部(13)を含む。散布プレート(29)は、混合チャンバ(5)構造の一部であってよく、あるいは混合チャンバ(5)と適合する別個の要素であってもよい。
【0112】
混合チャンバ(5)は、フォーマー組立品(1)と流体連通される。染毛剤組成物は、液体進入開口部(11)を介し混合チャンバ(5)へと入り、空気進入開口部(9)を介し混合チャンバ(5)に入る空気と混合される。
【0113】
空気は、ストローク後に、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の収容容器(3)のヘッドスペースに入る。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の収容容器(3)のヘッドスペースへの、空気の制御された取り込み又は排出は、ボールバルブ(23)あるいはシリコーンシール又はガスケットにより実現することができる。ボールバルブあるいはシリコーンシール又はガスケットは、ヘッドスペースと連通させてフォーマー組立品(1)に位置させることができる。一実施形態では、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)に分配動作させた場合に、ヘッドスペース内の空気が、空気進入開口部(9)を介し混合チャンバへと輸送されるように、ボールバルブ(23)、シリコーンシール又はガスケットが、収容容器(3)のヘッドスペースへの、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の外気の進入を排除するよう、ボールバルブ(23)、シリコーンシール又はガスケットを、リザーバ(3)と、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の外気とを連通させるよう位置させることができる。分配(「ストローク」)後、ボールバルブ(23)、シリコーンシール又はガスケットは、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の外気を、収容容器(3)内に進入させ、次のストロークのためにヘッドスペースを再充填する。
【0114】
染毛剤組成物及び空気は混合チャンバ(5)に入り、泡状の染毛剤組成物を形成し、泡状の染毛剤組成物は混合チャンバ退出開口部(13)を介して混合チャンバ(5)から出て、泡流体接続部(17)を通ってフォーマー組立品(1)へと移動し、フォーマー分配開口部(19)を出る。混合チャンバ退出開口部(13)及びフォーマー分配開口部(19)の間にある泡流体接続部(17)は、泡の固有体積を変更するために使用することのできるスクリーン又はメッシュ(21a,21b,21c)を、内部に1つ以上備える。泡の固有体積を変更するためには、メッシュの数、メッシュの開口部の大きさ及びメッシュ内の開口部の密度を利用することができる。一実施形態では、少なくとも2枚のメッシュ(21a,21b)が利用される。この場合、2枚のメッシュ(21a,21b)は互いに隣接している。メッシュには直径区分及び深さ区分を含む。直径区分(メッシュの最も長い表面積)は、メッシュのうちの他のメッシュと隣接し得る部分である。
【0115】
泡のしぼり出し及び分配を最適にする角度に収容容器(3)を傾けたときに、収容容器(3)内の染毛剤組成物の利用効率が最大化されるよう収容容器(3)の最下の前方コーナーに向けてディップチューブ(7)の少なくとも下端を曲げることができる。ディップチューブ(7)の最下端の傾斜角は、好ましくはフォーマー分配開口部(19)の傾斜角を模し、いずれもが好ましくは分配ヘッド開口部(19)に最も近いメッシュを通る水平軸から約30°〜約45°の角度で下に移動させた角度である。
【0116】
一実施形態では、混合チャンバ退出部及び分配ヘッド開口部の間の流体接続部に1〜3枚のメッシュが存在する。一実施形態では、2枚のメッシュ(21a,21b)が混合チャンバ退出開口部(13)にごく近接して泡流体接続部(17)に位置し、1枚のメッシュ(21c)がフォーマー分配開口部(19)にごく近接して位置する。この場合、2枚のメッシュ(21a,21b)は約170マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有し、1枚のメッシュ(21c)は約70マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有する。
【0117】
一実施形態では、2枚のメッシュ(21a,21b)が混合チャンバ退出開口部(13)にごく近接して泡流体接続部(17)に位置し、1枚のメッシュ(21c)がフォーマー分配開口部(19)にごく近接して位置する。この場合、2枚のメッシュ(21a,21b)は約170マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有し、1枚のメッシュ(21c)は約70マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有する。各メッシュは、好ましくは射出成形ウェハとして提供され、あるいは円筒形の側壁と、円筒形の側壁の一端を覆って延びるスクリーンとを有するディスクとして提供される。スクリーンは、円筒形の側壁の全長の軸方向に延びる(円筒形の側壁の上縁から、円筒形の側壁の下縁へとy軸に沿って延びる)ものではない。本項で使用するとき、「隣接する」は、各ウェハ又はディスクの2つの円筒形の側壁が、直接互いに隣り合っていることを意味する。しかしながら、各ウェハのそれぞれは、好ましくは、2つのウェハ又はディスクが互いに接触する場合でさえも、第1ディスクのスクリーンを第2ディスクのスクリーンから分離する間隙が存在するようにスクリーンが面している方向に配向される。
【0118】
次に図3を参照すると、メッシュが2枚のみ(21a,21c)利用され、このうち1枚(21a)が混合チャンバ退出開口部(13)にごく近接し、もう1枚(21c)がフォーマー分配開口部(19)にごく近接して位置する、特に好ましい実施形態が例示される。
【0119】
混合チャンバ退出開口部(13)の大きさ、メッシュ(21a,21b,21c)の枚数、及びメッシュのスクリーンの開口部寸法を変化させることで、所望される泡の固有体積を実質的に保存しながら所望される量の泡を吐出させるのに必要とされる仕事量を減らすことができる。例えば、図1に例示される実施例の例示的な実施では、直径1mmの混合チャンバ退出開口部(13)が散布プレート(29)に提供される[開口部の面積はpi*直径である]。上の実施形態では、3枚のメッシュウェハ又はディスクが泡流体接続部(17)に提供され、最初の2枚(21a,21b)のそれぞれのメッシュ開口部サイズは約170マイクロメートル(μ)であり、3枚目のメッシュのメッシュ開口部サイズは約70マイクロメートル(μ)である。染毛剤で処理するために毛髪などの所望される表面上に単回適用するため、十分な量の製品が手に分配されたときに、しぼり出しは最終的に完了したことになる。あるいは、しぼり出しは、ボトル又は収容容器の外れた(すなわちほぞ穴で接合する)使用感、並びに最大応力持時間のいずれか又は両方が、ユーザに再度しぼり出す必要があることを示すまで、保持される。
【0120】
図3に解説する実施形態の例示的な実装において、第2メッシュ(21b)は省略され、散布プレート(29)[開口部面積はpi*直径]内の混合チャンバ退出開口部は1.75mmに拡大され、泡流体接続部(17)に配置された第1メッシュ(21a)のメッシュ開口部寸法は約170マイクロメートル(μ)であり、かつメッシュウェハ又はディスク(21c)のメッシュ開口部寸法は約70マイクロメートル(μ)である。
【0121】
キット
酸化染毛剤製品は、多くの場合、手袋及び取扱説明書と共に梱包される色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分を含有しているキットとして販売される。所望により、コンディショニング組成物成分も包含される。ユーザは色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分を組み合わせ、次いで泡形態の混合した組成物を所望の毛髪表面に適用する。
【0122】
本出願の色調剤組成物成分には、酸化染料前駆体、カップラー及び直接染料から選択される毛髪染料を少なくとも1つ含有させることができる。色調剤組成物成分に含有させられる追加材料としては、アルカリ化剤、香料、溶媒、ラジカルスカベンジャー、増粘剤及び泡安定剤が挙げられる。色調剤組成物は界面活性剤を実質的に含まない。
【0123】
本出願の顕色剤組成物成分には、溶媒、酸化剤及び泡安定剤を含有させることができる。顕色剤組成物成分は界面活性剤を実質的に含まない。
【0124】
本出願のキットには、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器が包含される。分配容器は、色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分の混合物を、比泡体積約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの泡として分配することができる。
【0125】
キットには2つ以上の容器を含有させることができる。一実施形態では、色調剤組成物成分は1つの容器に収容され、顕色剤組成物成分は手動のノンエアゾールタイプの容器内に収容される。
【0126】
キット用の追加成分としては、コンディショナ組成物及び色調回復組成物(refreshing color composition)が挙げられる。コンディショナ組成物は、コンディショニング剤を含み得る。色調回復組成物は、コンディショニング剤及び直接染料を含み得る。
【0127】
使用方法
染毛製品は、通常、別個の容器に個包装された下位成分(好適なキャリア中に酸化染料前駆体、アルカリ化剤、及び増粘剤を含む色調剤組成物、並びに酸化剤を含む顕色剤組成物など)を含む、キットの形態で販売される。一般的に、染毛組成物の色調組成物:顕色剤組成物の重量比は、顕色剤組成物及び色調組成物の強度に応じ5:1〜1:5の範囲であり、例えば1:1、1:1.5、1:2、1:3及び1:4である。
【0128】
ユーザは使用直前に色調剤組成物及び顕色剤組成物を手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器内で共に混合する。ユーザは次に、色調剤組成物及び顕色剤組成物を混合するために振とうしてもよい。振とうとは、色調剤組成物と顕色剤組成物を混合させるために最低でも10秒にわたって垂直に往復運動させるか、回転させながら往復運動させるかであり得る。ユーザは次いで、手袋をはめたユーザの手に、あるいは毛髪上に泡(発泡した染毛剤組成物)を直接分配するために、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を作動させる。泡は、分配後約10秒〜30分の間に崩壊し始めてもよい。以降、表中に与える例示組成物が、好適な組成物を解説する。
【0129】
好ましい分配容器は、収容容積、混合チャンバ、分配ヘッド、混合チャンバの混合チャンバ退出開口部と分配ヘッドの分配ヘッド開口部との間に配置された少なくとも1枚のメッシュ、を包含する収容容器が取り付けられている。少なくとも1枚のメッシュのそれぞれのスクリーン開口部サイズは、約70マイクロメートル〜約170マイクロメートルの範囲である。更に、分配容器は、混合チャンバ及び収容容器の容積と流体連通しているディップチューブを包含する。
【0130】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器の外側をしぼることで泡を分配することができる。それに伴い、分配ヘッドの分配ヘッド開口部を通して泡を分配することができる。一実施形態に従うと、収容容器の外面を9.07kg〜9.98kg(20〜22lbs)の範囲の力で約0.5秒〜約3秒しぼることになる。あるいはしぼりは、収容容器の外面におよそ98.1kg/s2の規模及び速度で力を加えることで実施される。
【0131】
次に、本開示のフォーマーを用いて毛髪を着色する、より具体的な方法又はプロセスを記載する。少なくとも100グラム、好ましくは約110g、及びより好ましくは120gの染毛用泡により毛髪を着色する方法には、以下の工程を含む:
(1)収容容積、混合チャンバ、分配ヘッド、混合チャンバの混合チャンバ退出開口部と分配ヘッドの分配ヘッド開口部との間に配置された少なくとも1枚のメッシュ、並びに混合チャンバ及び収容容積と流体連通しているディップチューブ、を包含する収容容器が取り付けられている、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内で、顕色剤組成物及び色調剤組成物を混ぜ合わせることで、染毛剤組成物を調製する工程。各少なくとも1枚のメッシュは約70マイクロメートル〜約170マイクロメートルの範囲のスクリーン開口部サイズを有し、しぼることのできる収容容器の一部は、面する方向からの力の適用及び維持により、収容容器内の染毛剤組成物をディップチューブ内へと圧搾し移動させるものである。
(2)色調剤組成物及び顕色剤組成物を混合し、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を振とうすることで、染毛剤組成物を形成する工程。本明細書で使用するとき、「振とう」としては、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を少なくとも複数回前後に回転させることで染毛剤組成物を形成することが挙げられる。
(3)分配ヘッド開口部を通して泡を押し出すよう、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器の外面をしぼることで、発泡した染毛剤組成物の形態で、収容容器から染毛剤組成物を分配する工程。
(4)着色する毛髪に、発泡した染毛剤組成物を適用する工程。
(5)工程(2)及び(3)を複数回繰り返す工程。複数回とは60回未満であり、好ましくは50回未満、より好ましくは45回未満である。
(6)毛髪に適用した発泡した染毛剤組成物を、毛髪を染色するのに必要とされる既定の時間にわたり毛髪と反応させる工程。染毛剤組成物は染色が時間内に達成されるよう処方される。既定の時間は好ましくは40分を超過しないものであり、例えば10〜30分の間である。
(7)適用した染毛剤組成物を全く残さないように毛髪を水ですすぎ洗いする工程。
【0132】
この方法には、所望により着色後ケア組成物で毛髪及び頭皮を処理する追加工程(8)が包含されても良い。
【0133】
一実施形態では、発泡した染毛剤組成物は毛髪上で液体へと崩壊し、毛髪上に5〜30分とどまる(すべての毛髪への均一な適用を確実なものとする)。次いで消費者が彼/彼女の毛髪を水でしっかりとすすぎ、乾燥させる。
【0134】
存在する場合、追加のコンディショニング剤を第3の容器内に提供することができる。一実施形態では、第3の容器の内容物を、染毛剤組成物の直後に後処理剤として適用すること(追加のすすぎ工程の後)もできる。
【0135】
本発明に従う染毛方法には、本発明の組成物を毛髪に適用し、好ましくは混合物を数分間作用させる(すべての毛髪への均一な適用を確実なものとする)実施形態も含む。次に、顕色させるために、約20分未満、好ましくは約15分未満、より好ましくは約5分〜約10分、最も好ましくは約10分、組成物を毛髪上に残留させる。次に、消費者は、自分の毛髪を水道水で十分にすすぎ、通常通り毛髪を乾燥及び/又は整髪する。
【0136】
本発明の更なる代替的実施形態に従うと、染毛方法は順次染毛を行う方法であり、少なくとも2工程の染毛処理が順次行われる。各処理間の時間間隔は1〜60日、好ましくは1〜40日、より好ましくは1〜28日、更により好ましくは1〜14日、最も好ましくは1〜7日である。このような実施形態においては、頭上に組成物を保持する時間は約20分未満でもよく、好ましくは約10分未満、最も好ましくは約2分〜約5分である。
【0137】
試験方法
粘度
サンプルの調製
色調剤組成物及び顕色剤組成物を組み合わせ、酸化染毛剤組成物を作製する。酸化染毛剤組成物のサンプル調製は、以下のような手順であるべきである:
1.重量比1:1の色調剤組成物及び顕色剤組成物を、密閉することができ、そこから分配することのできる容器内で混ぜる。容器は密閉させるかあるいは蓋をすべきである。
2.密閉させることができる容器を、次に機械ミキサー(以下に記載)に配置し、15秒間振とうする。
3.密閉することができる容器の内容物を、100 tall分配容器(FlackTek Inc.から入手可能)に注ぎ入れ、次に1950rpmに設定したDAC 800 FVZスピードミキサー(FlackTek Inc.)に10秒間配置し、サンプルから出てきた任意の気泡を吸い取った。
4.サンプルの頂部の気泡又は泡を含有させるよう時計皿を使用しながら、粘度を測定するのに好適な容器内に液体をデカントする。
5.次にサンプルの粘度を測定した。
【0138】
機械ミキサー
機械ミキサー(31)は、消費者による振とう動作を再現するための装置である。振とう動作とは、手首を伸ばした状態で肘を旋回点(支点)として用い、旋回点で腕を上下に動かす動作である。
【0139】
図5の機械ミキサー(31)は、頂部壁(33)、底部壁(35)、2枚の垂直な側壁(37a,37b)、中央パネル(39)、背部パネル(11)及び蝶番式ドア(43)(密閉型デバイスにアクセスするために蝶番式に開閉することができる)を有する密閉型デバイスである。下に更に記載される金属製のバー(45)及びドア安全スイッチ(47)が、中央パネル(39)と蝶番式ドア(43)との間にある中央パネル(39)の一面に位置する。空調制御用ソレノイドモーター(49)、電気式排気装置(51)、空気レギュレーター(53)、電力供給装置(55)及び安全リレー(57)が中央パネル(43)及び背側パネル(41)の間の中央パネル(43)の第2面に位置する。
【0140】
図6(蝶番式ドア(43)、頂部壁(33)、底部壁(35)又は2枚の垂直な側壁(37a,37b)は省略)の機械ミキサー(31)は、長さ45.16cmの金属製のバー(45)を含む。この金属製のバー(45)は、一端に旋回点(59)を有し、かつもう一端に、機械ミキサー(1)を作動させている間に酸化染毛剤組成物の容器を保持することができるクランプ手段(61)を有する。金属製のバー(45)は、θとして示される角度44°(34.5cm arc)の範囲で上下方向に移動すべきである。旋回点(59)は、所望される角度範囲で、15秒の間に45サイクル(上下動作)作動させることのできる空調制御用ソレノイドモーター(49)により作動する。
【0141】
図7(背側パネル(41),頂部壁(33),底部壁(35)又は2枚の垂直な側壁(37a,37b)は省略)では、空調制御用ソレノイドモーター(49)を見ることができる。この場合ソレノイドモーター(49)は、電気式排気装置(51)に接続されている。電気式排気装置(51)は、空調制御用ソレノイドモーター(49)を稼働させるための空気圧を生成する空気レギュレーター(53)に接続される。空気レギュレーター(53)は電力供給装置(55)に接続され、かつ好ましくは機械ミキサー(31)の空気加圧系である安全リレー(57)に接続される。安全リレー(57)は、2つの部分(47a,47b)を含むドア安全スイッチ(47)と接続される。第一部分(47a)は蝶番式ドア(43)上に部分的に配置され、及び第2部分(47b)は頂部壁(33)、底部壁(35)、2枚の垂直壁(37a,37b)、中央パネル(39)及び蝶番式ドア(43)により囲まれた空間の内側に配置されるものであり、2つの部分(47a,47b)は安全リレー(57)の回路を完結させるために互いに隣接させて配置される。蝶番式ドア(43)を開けるとドア安全スイッチ(47)の2つの部分(47a,47b)が引き離され、安全リレー(57)の回路が不完全なものとなり、機械ミキサーが停止する。
【0142】
プログラム制御可能な継電器(63)、開始ボタン(65)、停止ボタン(67)が密閉型デバイスの外側に配置されると好ましい。プログラム制御可能な継電器(63)は、端末ストリップ(69)、母線又はその他の類似デバイスを介して電力供給装置(55)に接続させることができる。プログラム制御可能な継電器(63)により、作動時間、可動角の修正、動作速度などを設定できる。開始ボタン(65)及び停止ボタン(67)は同様に密閉型デバイスの外側に配置され、好ましくは蝶番式ドア(43)に隣接して配置される。プログラム制御可能な継電器(63)が利用される場合、各サンプルについて所望される設定を入力することができ、かつ開始ボタン(65)及び停止ボタン(67)により機械ミキサー(31)の動作を制御することができる。
【0143】
低せん断粘度及び高せん断粘度
上記に定義されるような低せん断粘度及び高せん断粘度を、次の形状を有するTA InstrumentsのAR2000レオメーターにより測定する:
40mm 2°ステンレス鋼スチールコーン
40mmステンレススチールプレート
DIN規格又は同心円錐形シリンダ
収集したデータを、次いでTA Instruments AR2000レオメーターのデータ解析プログラムを用いてグラフ化し、実施の開始点を低せん断粘度として記録する。記録したデータの相関関係を確実なものにするためにも、データは少なくとも2度実施したものであるべきである。
【0144】
低せん断粘度は0.01s-1で測定され、及び高せん断粘度は500s-1で測定される。
【0145】
比泡体積
比泡体積を、100mLのビーカーを質量計(mass balance)に配置し、ビーカーの質量を風袋引き(tarring)し、次いで発泡式分配容器から100mLビーカーに泡の体積が100mLに等しくなるまで分配することにより測定する。100mLの泡から得られる、分配終了時から5秒時点の質量を記録する。泡の質量により体積(100)を除し、泡の固有体積をmL/g単位で得る。
【0146】
配合例
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
【表4】
【0150】
【表5】
【0151】
各色調剤配合物を顕色剤配合物と混合させて、酸化染毛剤組成物を提供することができる。色調配合物対顕色剤配合物の重量比は、必要とされる正確な色度、及び所望される色度を得るのに必要とされる漂白の程度に応じて変化させることができる。一般的に、色調剤配合物:顕色剤配合物の重量比は顕色剤組成物及び色調剤組成物の強度に応じ5:1〜1:5の範囲であり、例えば1:1、1:2及び1:3である。
【0152】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるものではない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0153】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、本明細書中に参照により全てが組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0154】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の染毛用泡状製品を生成するような発泡式分配容器と組み合わせて使用するための、酸化染毛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
染毛剤に関する未解決の課題としては、適用の容易さと、皮膚の着色及び不均一な染毛の原因になる適用の厄介さに対する懸念とが挙げられる。最近のトレンドは、消費者が、泡状製品の操作性がジェル、クリーム又は液体と比較して好ましいものであることを見出していることを示す。
【0003】
泡状製品は、2つの方法のうちのいずれかで製造されることが既知である。第1の方法は圧縮ガス(エアロゾル)を使用するものであり、消費者により分配容器から排出された圧縮ガスを、組成物と混合する方法である。市販例には、カネボウコスメティックスのSimpro染毛剤が挙げられる。英国特許第GB2188257(A)号は、加圧分配容器中の、泡の形態で分配されるシャンプー又は染料などの2成分製品を分配する装置を議論する。
【0004】
これらの例などのように、加圧システムに関連する未解決の課題には、酸素から隔離、又は顕色剤を色調剤成分(カップラー、第1原色など)から隔離する必要がある酸化染毛剤が、染毛剤の使用がユーザにより所望されるまでの間に、ラジカルにより反応を開始することが挙げられる。消費者には、顕色剤と色調剤成分とを混合し、かつ加圧系を維持することはできないことから、成分の混合は分配容器によって実施されなければならず、あるいは予め混合されかつ分配容器により酸素から隔離されなければならない。分配する直前に成分を分離する分配容器では、色調剤成分対顕色剤の比の調節性は乏しい。更に、酸化染毛剤を酸素から隔離し続けることのできる、費用効率が高いパッケージを製造することは困難である。したがって、酸化染毛剤組成物のパッケージングと安定性には、エアゾール製品にまつわる問題が生じる傾向がある。
【0005】
泡状製品を製造する第2の方法は、ポンプ式フォーマー又はしぼり出し式フォーマーの形態の、非加圧式分配容器によるものである。ポンプ式フォーマーの市販例には、染毛用製品Youngrace Bubbleが挙げられる。しぼり出し式フォーマーの市販例には、花王のプリティアふんわり泡カラー、リーゼバブルヘアカラー又はブローネ泡カラー製品が挙げられる。同様に、米国特許第2004/0213752(A1)号も参照されたい。更に、米国特許第7,040,507号は、液体毛髪染料を泡へと変化させるための、泡タイプの毛髪染料用装置について議論している。
【0006】
組成物に曝露されるバネなどの金属部品を使用するので、ポンプ式フォーマーを酸化染毛剤組成物に使用することは困難である場合がある。酸化染毛剤組成物のpHを高くし、かつポンピング機構の金属部品(バネなど)と反応する酸化剤を存在させると、ポンプ式フォーマーが損傷を受け、酸化された金属イオンにより組成物の品質が低下することになる。
【0007】
しぼり出し式フォーマーに関連する未解決の課題には、顕色剤組成物と色調剤組成物を一緒に混合して酸化染毛剤組成物を形成させた場合に、生じる泡が乏しいことが挙げられる。国際公開第2008/136433(A1)号を参照されたい。ヘッドスペース中に泡が存在すると、泡の品質が、液体様の、消費者により所望されないものへと変化する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許第GB2188257(A)号
【特許文献2】米国特許第2004/0213752(A1)号
【特許文献3】米国特許第7,040,507号
【特許文献4】国際公開第2008/136433(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内に液体酸化染毛剤組成物を有する、酸化染毛剤製品を提供することは望ましい。分配する前に、消費者により激しく振とうさせることができ、かつ許容可能な泡と、許容可能な染毛結果を提供する製品が所望される。加えて、酸化染毛製品を使用した場合の、毛髪へのダメージを、最小限に抑えることが更に求められている。
【0010】
酸化染毛剤組成物中の界面活性剤を減量させると、製品にまつわる未解決のニーズに応えることができ、更には所望される利益を提供することができることが判明している。
【0011】
酸化染毛剤組成物の特定のレオロジー特性が、適用時の厄介さを軽減させることが判明している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、酸化染毛剤組成物を含む酸化染毛剤製品に関する。組成物は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内に含有される。組成物は、毛髪染料、アルカリ化剤、酸化剤、並びに高分子乳化剤、高分子泡安定剤及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤を含む。酸化染毛剤組成物は界面活性剤を実質的含まない。酸化染毛剤組成物を、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器から分配すると、比泡体積約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの泡が生じる。
【0013】
本発明は、酸化染毛剤組成物を形成するための成分を含むキットも包含する。キットは、色調剤組成物成分、顕色剤組成物成分、及び手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を含む。色調剤組成物成分は、毛髪染料及びアルカリ化剤、並びに任意選択的に、高分子乳化剤、高分子泡安定剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、泡安定剤を含む。顕色剤組成物成分は、酸化剤、並びに任意選択的に、高分子乳化剤、高分子泡安定剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、泡安定剤を含む。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分の混合物を、比泡体積約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの泡として分配することができる。色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分は、界面活性剤を本質的に含まない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の実施形態の断面図の例示。
【図1A】図1の1A−1Aに沿って取った、分配容器の散布開口部又は混合チャンバ退出開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図1B】図1の1B−1Bに沿って取った、分配容器のヘッド開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図2】図1の分配容器の分配容器ヘッドの分解図。
【図3】本開示の手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の代替え的な実施形態の断面図。
【図3A】図3の3A−3Aに沿って取った、分配容器の散布開口部又は混合チャンバ退出開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図3B】図3の3B−3Bに沿って取った、分配容器のヘッド開口部付近に配置したメッシュの拡大図。
【図4】図3の分配容器の分配容器ヘッドの分解図。
【図5】下記の粘度試験法に記載される混合デバイスの透視図。
【図6】下記の粘度試験法に記載される混合デバイスの正面図。
【図7】下記の粘度試験法に記載される混合デバイスの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
驚くべきことに、界面活性剤ではない泡安定剤は、塩基性pH環境、及び毛髪酸化組成物の過酸化水素環境において安定である。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器から分配される泡を安定化させるためには、泡安定剤を使用することができる。本明細書に記載される組成物のレオロジー特性は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器で使用して所望の泡を得るに当たり適切なものでもある。したがって、本発明の組成物は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器から分配する際に、一貫して許容可能な泡を生成することができる。
【0016】
界面活性剤は、懸濁剤として酸化染毛剤組成物に幅広く使用されるものであり、染毛用泡では泡安定剤として使用される。染毛用泡に使用される場合、界面活性剤は、分配される組成物の重量の0.1重量%(1000ppm)〜20重量%(200000ppm)の量で存在させることができ、典型的には少なくとも1.9重量%(19000ppm)の量で例証される。
【0017】
酸化染毛剤組成物に界面活性剤を使用すると、組成物を撹拌した際に、例えば激しく振とうした際に分配容器の収容容器内で泡の形成に寄与することが判明している。本発明の酸化染毛剤組成物には、許容可能な品質の泡を生成し維持するために界面活性剤を存在させる必要はない。界面活性剤は、加工助剤(例えば一部の成分を懸濁させるための補助剤、又は起泡以外に機能)として、少量存在する場合もあるが、組成物が界面活性剤を実質的に含まないことは好ましい。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語、「界面活性剤を実質的に含まない」は、組成物に意図的に添加されるアニオン性、カチオン性又は両性界面活性剤が存在しないことを意味する。一実施形態では、組成物はアニオン性、カチオン性、両性及び非イオン性界面活性剤を実質的に含まない。保管時に安定化させるために界面活性剤を必要とする、ポリマーなどの成分の存在により、微量の界面活性剤が存在する場合があり、あるいはポリマーを製造するための重合プロセスに起因して界面活性剤が存在する。「微量」とは、界面活性剤の濃度が500ppm未満、例えば0ppm〜500ppm、好ましくは200ppm未満、例えば0ppm〜200ppm、好ましくは100ppm未満、例えば0ppm〜100ppmであることが意図される。概して、組成物は、分配される酸化染毛剤組成物に基づき0.05重量%未満、好ましくは0.02重量%未満、より好ましくは0.01重量%未満で含有する。
【0019】
界面活性剤ではないある種の材料は、毛髪酸化着色組成物において、泡安定剤として機能できることが判明している。本明細書で使用するとき、用語、「泡安定剤」とは、泡の気泡の液体フィルムを安定化させるために役立つ成分だけでなく、泡を生成する成分も包含され得る。したがって、起泡剤も泡安定剤の意に包含される。これらの所望される剤は、形成される酸化染毛剤組成物の泡を安定化させ、かつ所望される時間枠の間維持させることができる。
【0020】
泡形成及び安定性
泡は、液体中にガス気泡が分散することにより構成される。ガス気泡は、互いの接触により破裂することから、この接触を遅らせるために添加剤が必要とされる。泡中の2つの気泡間の二層フィルムの表面はほぼ平らである一方、気泡が3つ面している場所では平衡状態になった境界の表面は湾曲している。吸収により生じる、フィルムの薄化プロセスを減速させるか、更には止めさえして、かつ泡を安定化させる化学物理特性が既知である。
【0021】
泡安定剤
本発明の組成物に使用される泡安定剤は、発泡利益及び/又は泡安定化利益をもたらすよう選択され、かつ過酸化水素又はペルオキシモノ炭酸イオンなどの酸化剤の存在下で、あるいはアルカリ環境の存在下で安定である。泡安定剤は、色調剤組成物成分又は顕色剤組成物成分などとして、染毛剤組成物の下位成分として存在し得る。
【0022】
好適な泡安定剤としては、高分子泡安定剤及び高分子乳化剤が挙げられる。本組成物の起泡安定剤は、泡の形成及び安定化に伝統的に使用される界面活性剤を、本質的に含まない。高分子乳化剤及び高分子泡安定剤の組み合わせも本発明で具体化される。
【0023】
高分子泡安定剤
本明細書で使用するのに好適な高分子泡安定剤としては、メチルセルロース(METHOCEL 40−101として販売されるヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びMETHOCEL A4MPとして販売されるメチルセルロース)及びエチルセルロース(NATROSOL PLUSとして販売されるセセチル(cecetyl)ヒドロキシエチルセルロース)などのセルロース材料が挙げられる。
【0024】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、次式を有するものである:
【0025】
【化1】
【0026】
メチルセルロースは、次式を有するものである:
【0027】
【化2】
【0028】
これらの構造に関し、「n」は、所望の粘度のメチルセルロース材料が得られるよう選択される。METHOCEL 40−101は約75,000MPas(20℃にて2%の水溶液に関するUbbelohdeチューブ粘度計による)の粘度を有し、及びMETHOCEL A4MPは約4000〜5000MPas(20℃にて2%の水溶液に関するUbbelohdeチューブ粘度計による)の粘度を有する。
【0029】
他の好適な泡安定剤としては、アクリル酸/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーなどの(メタ)アクリルポリマー、C10〜30アルキルアクリレートと1つ以上のアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、又はスクロースのアリールエーテル若しくはペンタエリスリトールのアリールエーテルにより架橋された1つの単純なエステルとのコポリマーが挙げられる。GoodrichからPEMULEN TR−1及びPEMULEN TR−2として市販される。PEMULEN TR−1ポリマーが好ましい。SEPPICより製造されるアクリレートコポリマーであるCAPIGEL 98も好適である。
【0030】
本明細書で使用するに当たり好適な他の泡安定剤は、酸/アクリル酸コポリマー主鎖、及び側鎖として疎水性基を結合するモノマーから、乳化重合プロセスにより合成された、疎水性改質されたアルカリ可溶エマルションポリマーである。このような材料の一例は、Rohm Haasから市販される、INCI名がアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマーであるACULYN(商標)22である。
【0031】
他の好適な泡安定剤としては、乳化重合により酸及びアクリル酸コモノマーから合成された、アルカリ可溶性アニオン性ポリマーのエマルションが挙げられる。このような材料の一例は、Rohm Haasから市販される、INCI名がアクリレートコポリマーであるACULYN(商標)33である。
【0032】
ACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物を使用することもできる。一実施形態は、酸化染毛剤組成物の重量、あるいは顕色剤組成物などの下位成分の重量に基づき、1:2〜1:5比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。他の実施形態では、顕色剤組成物の重量に基づき1:3〜1:5比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。一実施形態では、顕色剤組成物の重量に基づき1:3〜1:4比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる他の実施形態では、顕色剤組成物の重量に基づき4:1〜1:1比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。他の実施形態では、顕色剤組成物の重量比の重量に基づき3:1〜2:1比(重量)でACULYN(商標)22及びACULYN(商標)33の混合物が用いられる。
【0033】
ビニルピロリドン(VP)を含むポリマーであるポリクオタニウム55、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPA)及びメタクリロイル(methacryoyl)アミノプロピルラウリルジモニウム塩化物(MAPLAC)も本明細書で使用するに当たり好適であり、かつ以下の構造を有する:
【0034】
【化3】
【0035】
ポリクオタニウム−55は、商品名STYLEZE(登録商標)で市販され、10〜20の種類がある。n、m及びpの程度は、モノマー比に応じて決定される。STYLEZE(登録商標)−10は、モノマー比0.85VP:0.11DMAPA:0.4MAPLACを有する。STYLEZE(登録商標)−20は、モノマー比0.85VP:0.11DMAPA:0.4MAPLACを有する。
【0036】
他の好適な泡安定剤としては、ポリオキシエチレン、概して、x、y及びzの平均値がそれぞれ31、54及び31である、下式と一致するポリオキシプロピレンブロックポリマーが挙げられる。
【0037】
【化4】
【0038】
商品名POLOXAMER 334で販売される。
【0039】
他の好適な泡安定剤としては、商品名PLURONIC P104及びPLURONIC F108(例えばBASF)で販売されている、一級ヒドロキシル基で終端しているポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックポリマーが挙げられる。
【0040】
高分子乳化剤
泡乳化剤として使用するに当たり好適なポリマー材料としては、多糖類、セルロース材料、アミン担持ポリマー、ポリシロキサン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
好適な多糖類としては、キサンタンガム、カラゲニンガム、グアーグアー(guar-guar)、カチオン性グアー、ヒドロキシプロピルグアーガム、寒天、イナゴマメガム、アルギネート、チロース、これらの材料のうちの任意の塩(ナトリム塩など)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
好適なセルロース材料としては、セルロースエーテル(例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなど)、セルロース混合型エーテル(例えばカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メトキシヒドロキシアルキルセルロースなど)、メチルヒドロキシアルキルセルロース(例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシブチルセルロースなど);及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
好適なアミン担持ポリマーとしては、通常、アルキル化又はカルボキシメチル化により(但し、キチンの他の改質方法も好適である)、塩基条件下で可溶であるよう改質された、多くの場合キトサンとして既知である脱アクチル化(deacytylated)キチンが挙げられる。Chitosan Derivatives Obtained By Chemical Modifications For Biomedical And Environmental Applications;International Journal of Biological Macromolecules;43巻,5版,2008年12月1日,401〜414頁を参照されたい。
【0044】
好適なポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フルオロ、グリコシド及び/又はアルキル基により修飾されたシリコーン化合物が挙げられる。本発明に従う好ましいシリコーン化合物としては、商標名ABIL(登録商標)でGoldschmidt AG(Essen)から入手可能なポリシロキサン−ポリエーテルコポリマー(別名、ジメチコンコポリオール)、特にABIL(登録商標)B 8843、ABIL(登録商標)B 8851、ABIL(登録商標)B 8852、ABIL(登録商標)B 8863、ABIL(登録商標)B 88183、及びABIL(登録商標)B 88184などのB 88製品群の、ポリシロキサン−ポリエーテルコポリマーが挙げられる。
【0045】
起泡安定剤は、界面活性剤を必要とせずに泡を形成及び/又は安定化させるのに十分な量で、分配されることになる酸化染毛剤組成物中に存在する。したがって、組成物が界面活性剤を実質的に含まない場合に泡を形成し及び/又は維持するのに十分な泡安定剤が存在する。概して、泡安定剤は、酸化染毛剤組成物の1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の量で存在する。複数部材キットの場合、泡安定剤は1つ以上の成分の中に存在し得る。好ましくは、泡安定剤は酸化剤を含有している成分(顕色剤)の中に存在する。これは、単独の顕色剤組成物を、複数の異なるヘアカラーを形成する、複数の異なる毛髪染料(色調)配合物と共に使用することができることを理由とする。泡安定剤は、顕色剤組成物中に、顕色剤組成物の1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、好ましくは5%〜20重量%存在し得る。
【0046】
発泡体
本明細書で使用するとき、用語、「泡」は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を通過した後に、形状を維持する気泡を担持し、かつ分配容器の種類とは独立して体積を与える、酸化染毛剤組成物を意味する。好ましくは泡は均一な気泡サイズを含む。好ましくは、分配直後の泡の体積は、約6mL/g〜約14mL/gの固定体積であり、例えば約7.5mL/g〜約12mL/g、より好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gである。
【0047】
分配直後に泡が体積を維持する最小時間は、少なくともユーザの手から毛髪上の所望される位置に移すのに十分長いものであり、例えば泡は、実質的に形状、及び泡の固有体積を少なくとも10秒、例えば少なくとも12秒、又は少なくとも15秒維持する。例えば美容師によりボウルいっぱいに満たされた量などの量の泡は、一度に容易にボウルいっぱいに作成し、頭部に塗り広げることができる。
【0048】
毛髪上の皮脂の量は、泡に影響を与え、崩壊させる恐れがある。毛髪上の皮脂の量がより多くなると、毛髪上での泡の崩壊はより早くなる。
【0049】
泡が時期尚早に崩壊し、液体様になった(あるいはなんらかの液体が泡の下の手で液だまりを形成する)場合、ユーザの手の何らかの動きが泡を滑らせ、滴らせ、ないしは別の方法で、泡が所望の場所に届く前に泡をユーザの手から移動させることは望ましくないと考えられる。泡が液体用の状態で分配される場合も、酸化染毛剤組成物は毛髪表面に適用する際にパッケージから飛び散り、及び漏れ出し、肌又は他の表面を着色し(カウンター、キャビネット、床など)、続いて毛髪から滴り落ちる。
【0050】
着色動作を実行するためには、酸化染毛剤組成物を毛髪上に送達し、かつ分散させる必要がある。そのため、酸化染毛用泡状組成物は、通常、染毛のために割り当てられる時間内に崩壊させる必要がある。泡の崩壊は、3〜10分程度の素早さで生じ得るが、最大で15分、又は最大で30分、又は更には最大で1時間であってもよい。所望される場合には、この時間をより長いものにすることも可能であるが、所望される着色時体験と、得られる目的とされる染色結果は一致すべきである。
【0051】
酸化染毛用泡状組成物の染料は、酸化剤と混合させた時に形成される。理想的には、染料は、酸化染料前駆体を毛幹に遊走させた後に形成され、次いで結合して色素分子又は発色団を形成する。
【0052】
泡が組成物よりも空気を多く含有し、投与量当たりの組成物の量が減少するため、「空気を含み過ぎる」泡(気泡サイズがより大きく、又は液体よりも空気のほうがより多く存在する)は、ユーザに酸化染毛剤組成物をより頻繁に適用させるようになる。
【0053】
レオロジー特性
酸化染毛剤組成物は、酸化染毛剤組成物との接触時に所望されるユーザ体験を確実なものにするような、所望されるレオロジー特性を使用時に有する。本発明の組成物は、消費者により配合物が使用される間、異なる応力/ひずみ力にさらされる。配合物は、所望される酸化染毛剤組成物を形成するために、例えば2成分を保有する分配容器を振とうさせるなどして2成分を共に混合することで形成される次いで、配合物にしぼり出し起泡機関などの起泡手段を通過させることで起泡させ、ユーザの手に吐出させる。次いで、毛髪などの所望される表面に配合物を適用し、泡を崩壊させ、毛髪などの所望される表面上に液体を形成させる。発泡させた酸化染毛剤組成物が崩壊した後の酸化染毛剤組成物で得られる粘度には、組成物がユーザの頭部上の毛髪などの、組成物が適用された表面から滴り落ちたりあるいは流れることがないような粘度が選択されることが所望される。
【0054】
本明細書で使用するとき、用語、「低せん断粘度」は、以下の方法に従ってせん断速度0.01s-1で組成物が測定されたことを意味する。低せん断粘度は、(1)収容容器内に位置する組成物の粘度、及び(2)組成物の「泡崩壊後」の粘度を表すものと考えられる。換言すれば、泡崩壊後とは、組成物が分配容器により発泡され、次いで崩壊したときを意味する。レオロジー特性において、低せん断粘度は、組成物がユーザにより混合又は振とうされる際に、収容容器内のヘッドスペースで生成される泡の量を減少させる様に働く。更に、泡崩壊後の組成物のレオロジー特性において、低せん断粘度は、所望される表面上に組成物がとどまるか、あるいは泡崩壊後に組成物が表面から流れる又は滴り落ちるかのいずれかに関し重要である。液体と比較して、泡は粘度が異なっている場合があることから、低せん断粘度の測定は、発泡させた状態の酸化染毛剤組成物に好適でない恐れがある。
【0055】
染毛剤組成物の低せん断粘度は、500MPa(500cps)超であり、好ましくは約500MPas(500cps)〜約10,000MPa(10,000cps)、好ましくは約500MPa(500cps)〜約9000MPa(9000cps)、及び好ましくは約500MPa(500cps)〜約5000MPa(5000cps)である。より明るい色調(金色)のものは、約500MPa(500cps)〜約2300MPa(2300cps)の低せん断粘度を有し得る。茶色のものは、約1000mPas(1000cps)〜約3200mPa(3200cps)の低せん断粘度を有し得る。黒色のものは、約1000mPas(1000cps)〜約3000mPa(3000cps)の低せん断粘度を有し得る。赤色のものは、約1000mPas(1000cps)〜約6500mPa(6500cps)の低せん断粘度を有し得る。
【0056】
本明細書で使用するとき、用語、「高せん断粘度」は、以下の方法に従ってせん断速度500s-1で組成物が測定されることを意味する。高せん断粘度は、大抵の場合、泡を形成するために高せん断速度の空気及び液体組成物が使用される混合チャンバなどの起泡手段を介し、収容容器から分配ヘッド開口部へと移動する、酸化染毛剤組成物の粘度を表すものと考えられる。酸化染毛剤組成物の高せん断粘度は200MPa(200cps)未満、好ましくは100MPa(100cps)未満、好ましくは約1MPa(1cps)〜約200MPa(200cps)である。一実施形態では、酸化染毛剤組成物の高せん断粘度は、約20MPa(20cps)〜約100MPa(100cps)である。
【0057】
【表1】
【0058】
表1は、レオロジー特性が相対的に一定であり、かつ変化しない、3種の比較配合物を示すものである。本出願の酸化染毛剤組成物を、静止させた状態(低せん断粘度)で市販の染毛用泡製品と比較した場合に、本組成物のレオロジー特性が、より高い粘度を有するものであることが分かる。粘度をより高いものにすると、収容容器内で泡を形成し、泡の固有体積を変更する事に関する、特定の課題が対処される。これは更に、組成物を適用し、泡を崩壊させた後に、毛髪から酸化染毛剤組成物が滴るという課題に対処する。
【0059】
酸化染毛剤組成物には、レオロジー、溶媒の量、アルカリ化剤含有量、塩類含有量及び染料選択に影響を与える成分を含有させることもできる。
【0060】
例えば、合計染料含量がより高く、かつ黒髪色などの暗い色調を表すアンモニア含量がより少ない染毛用処方の低せん断粘度は、約500MPa(500cps)〜約10,000MPa(10,000cps)であるが、500cpsよりも10,000cpsに近い傾向があり、その一方で、合計染料含量が低く、かつブロンドカラーなどの明るい色調を表すアンモニア含量がより高い染毛用処方の中程度せん断粘度は、約500MPa(500cps)〜約10,000MPa(10,000cps)であるが、10,000cpsよりも500cpsに近い傾向がある。
【0061】
追加の酸化染毛剤成分
溶媒
酸化染毛剤組成物は、水、低級脂肪族アルコール(例えば、炭素原子を1〜4個有する、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールなどの脂肪族アルコール)又はグリセリン及び1,2−プロピレングリコールなどのグリコールといった溶媒を含み得る。溶媒は、酸化染毛剤組成物、又は下位成分(色調剤組成物又は顕色剤組成物)に、0.1〜30重量%の濃度で使用することができる。
【0062】
アルカリ化剤
酸化染毛剤組成物は、一般的に色調剤組成物であり、アルカリ化剤、好ましくはアンモニウムイオン資源又はアンモニア資源を含む。アルカノールアミド、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及び2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、グアニジウム塩、並びにアルカリ金属及びアンモニウムの水酸化物及び炭酸塩(水酸化ナトリウム及び炭酸アンモニウムなど)などの当該技術分野において既知である任意の剤を使用することができる。特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニウムイオン資源をもたらすものである。いずれのアンモニウムイオン資源も本明細書で用いるのに好適である。好ましい資源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩、アンモニア及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、アンモニア、及びこれらの混合物である。同様に好適なアルカリ化剤としては、例えば、リン酸、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸又は酒石酸、塩酸、及びこれらの混合物などの無機酸及び有機酸といった酸(acidulent)が挙げられる。
【0063】
酸化染毛剤組成物又は色調剤組成物には、約0.1重量%〜約10重量%、例えば約0.5重量%〜約5重量%、約1重量%〜約3重量%のアルカリ化剤(アンモニウムイオンなどの資源)が含まれ得る。
【0064】
酸化剤
本明細書において、概して顕色剤組成物である酸化染毛剤組成物は、酸化剤資源を少なくとも1つ含み得る。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。水溶性過酸素酸化剤は、当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、並びに有機過酸化物、例えば過酸化尿素、メラミン過酸化物、並びに無機過水和物塩の漂白化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩は、一水和物、四水和物などとして組み込まれてもよい。アルキル及びアリール過酸化物、並びに/又はペルオキシダーゼも用いてもよい。また必要に応じて、2つ以上のそのような酸化剤の混合物を用いることもできる。酸化剤は、水溶液中に提供されてもよいし、又は使用前に溶解される粉末として提供されてもよい。本発明による組成物に用いるのに好ましいのは、過酸化水素、過炭酸塩、過硫酸塩及びこれらの組み合わせである。
【0065】
酸化剤は、酸化染毛剤組成物又は顕色剤組成物の約0.1重量%〜約40重量%、好ましくは約1%〜約30重量%、及び最も好ましくは約2%〜約30重量%を含み得る。本明細書で使用するに当たり別の可能性のある酸化剤は、ペルオキシモノ炭酸イオン資源である。好ましくは、このような資源は、過酸化水素資源及び炭酸水素イオン資源からその場で形成される。このような酸化剤は、9.5以下、好ましくは7.5〜9.5、より好ましくは約9のpHにおいて、特に効果的であることが分かっている。更に、この系はまた、アンモニア又はアンモニウムイオン資源と組み合わせると特に効果的である。この酸化剤は、高い色落ちの実現に特に関連して、所望の髪色結果に改善をもたらし、一方で、におい、皮膚及び頭皮の刺激、並びに毛髪繊維へのダメージを大幅に低減することが明らかになった。
【0066】
したがって、ペルオキシモノ炭酸イオンの任意の資源を利用することができる。本明細書に用いるのに好適な資源としては、炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンのナトリウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、アルギニン塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、及びアンモニウム塩、並びにこれらの混合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。また、炭酸イオン及び酸化剤の双方の供給源を得るために、過炭酸塩も使用してもよい。炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びこれらの混合物である。
【0067】
酸化剤は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、及び最も好ましくは約1重量%〜約8重量%の炭酸水素イオンを含むことができ、かつ酸化剤の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、及び最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の過酸化水素資源を含むことができる。
【0068】
pH
本発明の組成物は、8〜12、好ましくは8〜10のpHを有してよい。ペルオキシモノカーボネートイオンを含む実施形態の場合、好ましくは、pHは9.5以下であり、より好ましくは約9.5〜約7.5、更により好ましくは約9.5〜約8.4、最も好ましくは約9.4〜約8.5、更により好ましくはpH約9.3又は9.0である。
【0069】
色調剤組成物又は顕色剤組成物などのなどの、染毛剤組成物の任意の下位成分は、染毛剤組成物とは異なるpHを有してもよい。例えば、色調剤組成物がアルカリ化剤を含む場合、色調剤組成物はアルカリ性のpH、例えば8超のpHを有し得る。
【0070】
本組成物のpHは、Mettler Toledo製MP220又はMP225 pH装置(実験室用標準pH電極を装着)を使用して決定できる。装置は、毎回使用前に、較正用標準緩衝溶液及び標準較正手順を使用して較正される。
【0071】
毛髪染料
毛髪染料を含有する酸化染毛剤組成物には、当該技術分野において既知であるものから選択することができる毛髪染料(例えば酸化染料前駆体)を含有させることができ、毛髪染料による着色は、酸化剤(例えば過酸化水素)の作用により、又は大気の酸素の存在下で生じる(必要がある場合には好適な酵素系と共に)。毛髪染料は、酸化染料前駆体、直接染料、又はこれらの混合物であり得る。
【0072】
酸化染料前駆体
酸化染毛剤組成物は、以降で酸化染料前駆体として参照される、一次中間体又はカップラーの形態の酸化染料化合物を含有し得る。使用に好適な化合物は、それらが塩基である場合に限り、遊離塩基として、又は例えば、塩酸、臭化水素酸、クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、酒石酸若しくは硫酸などの、生理学的に適合性のある、それらの有機酸塩若しくは無機酸塩の形態で使用してもよく、あるいは、それらが芳香族ヒドロキシル基を有する場合に限り、塩基塩、例えばアルカリフェノレートの形態で使用してもよい。
【0073】
これらの酸化染料前駆体は、当該技術分野において周知であり、芳香族ジアミン、アミノフェノール、芳香族ジオール、及びこれらの誘導体が挙げられる(酸化染料前駆体の代表的ではあるが非包括的なリストは、「Cosmetic Science and Technology」(Sagarin,Interscience,Special Edn.Vol.2,308〜310頁)に見出すことができる)。
【0074】
以下に詳細に述べられる前駆体は、単に例示されたものであり、本明細書における毛髪ケア組成物又は色調剤組成物などの下位成分を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。前駆体は以下のものである:1,7−ジヒドロキシナフタレン(1,7−ナフタレンジオール);1,3−ジアミノベンゼン(m−フェニレンジアミン);1−メチル−2,5−ジアミノベンゼン(トルエン−2,5−ジアミン);1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン);1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール);1,3−ジヒドロキシ−4−クロロベンゼン,(4−クロロレゾルシノール);1−ヒドロキシ−2−アミノベンゼン,(o−アミノフェノール);1−ヒドロキシ−3−アミノベンゼン(m−アミノフェノール);1−ヒドロキシ−4−アミノ−ベンゼン(p−アミノフェノール);1−ヒドロキシナフタレン(1−ナフトール);1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−ナフタレンジオール);2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−ナフタレンジオール);1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン);1−ヒドロキシ−4−メチルアミノベンゼン(p−メチルアミノフェノール);6−ヒドロキシベンゾ−モルホリン(ヒドロキシベンゾモルホリン);1−メチル−2−ヒドロキシ−4−アミノベンゼン(4−アミノ−2−ヒドロキシ−トルエン);1−メチル−2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン(2−メチル−5−ヒドロキシ−エチルアミノ−フェノール);1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(1,2,4−トリヒドロキシベンゼン);1−フェノール−3−メチルピラゾール−5−オン(フェニルメチルピラゾロン);1−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)−2,4−ジアミノベンゼン(2,4−ジアミノフェノキシ−エタノールHCl);1−ヒドロキシ−3−アミノ2,4−ジクロロベンゼン(3−アミノ−2,4−ジクロロ−フェノール);1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン(2−メチルレゾルシノール);1−アミノ−4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン(N,N−ビス(2−ヒドロキシ−エチル)−p−フェニレン−ジアミン);2,4,5,6−テトラアミノピリミジン(HCレッド16);1−ヒドロキシ−3−メチル−4−アミノベンゼン(4−アミノ−m−クレゾール);1−ヒドロキシ−2−アミノ−5−メチルベンゼン(6−アミノ−m−クレゾール);1,3−ビス−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン(1,3−ビス−(2,4−ジアミノ−フェノキシ)−プロパン);1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジアミノベンゼン(ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミンサルフェート);1−メトキシ−2−アミノ−4−(2’−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン,(2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール);1−ヒドロキシ−2−メチル−5−アミノ−6−クロロベンゼン(5−アミノ−6−クロロ−o−クレゾール);1−ヒドロキシ−2−アミノ−6−メチルベンゼン(6−アミノ−o−クレゾール);1−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン(ヒドロキシエチル−3,4−メチレンジオキシ−アニリンHCl);2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン(2,6−ジヒドロキシ−3,4−ジメチルピリジン);3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン(2,6−ジメトキシ−3,5−ピリジンジアミン);5,6−ジヒドロキシインドール(5,6−ジヒドロキシ−インドール);4−アミノ−2−アミノメチルフェノール(2−アミノエチル−p−アミノ−フェノールHCl);2,4−ジアミノ−5−メチルフェネトール(2,4−ジアミノ−5−メチル−フェネトールHCl);2,4−ジアミノ−5−(2’−ヒドロキシエチルオキシ)トルエン(2,4−ジアミノ−5−メチルフェノキシエタノールHCl);5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール(5−アミノ−4−クロロ−o−クレゾール);1,3−ビス(N(2−ヒドロキシエチル)N(4−アミノ−フェニル)アミノ)−2−プロパノール(ヒドロキシプロピル−ビス−(N−ヒドロキシ−エチル−p−フェニレンジアミン)HCL);6−ヒドロキシインドール(6−ヒドロキシ−インドール);2,3−インドリンジオン(ISATIN);3−アミノ−2−メチルアミノ−6−メトキシピリジン(HCブルーNO.7);1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン(2,4−ジヒドロ−5−メチル−2−フェニル−3H−ピラゾール−3−オン);2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン);5−アミノ−サリチル酸;1−メチル−2,6−ビス(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)ベンゼン(2,6−ヒドロキシエチルアミノ−トルエン);4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン(2,5,6−トリアミノ−4−ピリミジノール硫酸塩);
2,2’−[1,2−エタンジイル−ビス−(オキシ−2,1−エタンジイルオキシ)]−ビス−ベンゼン−1,4−ジアミン(PEG−3,2’,2’−ジ−p−フェニレンジアミン);5,6−ジヒドロキシインドリン(ジヒドロキシインドリン);N,N−ジメチル−3−ウレイドアニリン(m−ジメチル−アミノ−フェニル尿素);2,4−ジアミノ−5−フルオロトルエン硫酸塩水和物(4−フルオロ−6−メチル−m−フェニレンジアミン硫酸塩);1−アセトキシ−2−メチルナフタレン(1−ヒドロキシエチル−4,5−ジアミノピラゾール硫酸塩);1−アセトキシ−2−メチルナフタレン(2−メチル−1−ナフトール);2−アミノ−5−エチルフェノール(2−アミノ−5−エチルフェノール);2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール(3−アミノ−2,4−ジクロロフェノール);及びp−アニリノアニリン(N−フェニル−P−フェニレンジアミン)。
【0075】
色調剤組成物に含有させる酸化染料前駆体の合計量は、最大で色調剤組成物の約12重量%であり、特に約0.05重量%〜約6重量%である。
【0076】
直接染料
本発明の組成物はまた、染色を提供するのに、特に強度に関して十分な量で、相溶性の直接染料を含んでもよい。典型的には、そのような量は、色調剤組成物の約0.05重量%〜約4重量%の範囲であろう。好適な直接染料としては、アシッドイエロー1;アシッドオレンジ3;ディスパースレッド17;ベーシックブラウン17;アシッドブラック52;アシッドブラック1;ディスパースバイオレット4;4−ニトロ−o−フェニレンジアミン;2−ニトロ−p−フェニレンジアミン;ピクラミン酸;HCレッドNo.13;1,4−ビス−(2’−ヒドロキシエチル)−アミノ−2−ニトロベンゼン;HCイエローNo.5;HCレッドNo.7;HCブルーNo.2;HCイエローNo.4;HCイエローNo.2;HCオレンジNo.1;HCレッドNo.1;2−クロロ−5−ニトロ−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン;HCレッドNo.3;4−アミノ−3−ニトロフェノール;2−ヒドロキシエチルアミノ−5−ニトロアニソール;3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノール;2−アミノ−3−ニトロフェノール;6−ニトロ−o−トルイジン;3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール;2−ニトロ−5−グリセリルメチルアニリン;HCイエローNo.11;HCバイオレットNo.1;HCオレンジNo.2;HCオレンジNo.3;HCイエローNo.9;4−ニトロフェニルアミノエチル尿素;HCレッドNo.10;HCレッドNo.11;2−ヒドロキシエチルピクラミン酸;HCブルーNo.12;HCイエローNo.6;ヒドロキシエチル−2−ニトロ−p−トルイジン;HCイエローNo.12;HCブルーNo.10;HCイエローNo.7;HCイエローNo.10;HCブルーNo.9;N−エチル−3−ニトロPABA;4−アミノ−2−ニトロフェニル−アミン−2’−カルボン酸;2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール;6−ニトロ−2,5−ピリジンジアミン;HCバイオレットNo.2;2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール;4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール;HCイエローNo.13;1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ニトロキノキサリン;HCレッドNo.14;HCイエローNo.15;HCイエローNo.14;3−アミノ−6−メチルアミノ−2−ニトロピリジン;2,6−ジアミノ−3−((ピリジン−3−イル)アゾ)ピリジン;ベーシックレッドNo.118;ベーシックオレンジNo.69;N−(2−ニトロ−4−アミノフェニル)−アリルアミン;4−[(4−アミノ−3−メチルフェニル)(4−イミノ−3−メチル−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン)メチル]−2−メチル−ベンゼンアミン−ヒドロクロリド;2−[[4−(ジメチル−アミノ)フェニル]アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド;1−メチル−4−[(メチルフェニル−ヒドラゾノ)メチル]−ピリジニウム、メチルサルフェート;2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1,3−ジメチル−1H−イミダゾリウムクロリド;ベーシックレッド22;ベーシックレッド76;ベーシックブラウン16;ベーシックイエロー57;7−(2’,4’−ジメチル−5’−スルホフェニルアゾ)−5−スルホ−8−ヒドロキシナフタレン;アシッドオレンジ7;アシッドレッド33;1−(3’−ニトロ−5’−スルホ−6’−オキソフェニルアゾ)−オキソ−ナフタレンクロミウム錯体;アシッドイエロー23;アシッドブルー9;ベーシックバイオレット14;ベーシックブルー7;ベーシックブルー26;キノフタラノン又は2−キノリルインダンジオンのモノ−&ジスルホン酸(主に後者)の混合物のナトリウム塩;ベーシックレッド2;ベーシックブルー99;ディスパースレッド15;アシッドバイオレット43;ディスパースバイオレット1;アシッドブルー62;ピグメントブルー15;アシッドブラック132;ベーシックイエロー29;ディスパースブラック9;1−(N−メチルモルホリウム−プロピルアミノ)−4−ヒドロキシ−アントラキノンメチルサルフェート;N,N−ジメチル−3−((4−(メチルアミノ)−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−1−イル)アミノ)−N−プロピルプロパン−1−アミニウムブロミド,HCブルーNo.8;HCレッドNo.8;HCグリーンNo.1;HCレッドNo.9;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノリン;アシッドブルー199;アシッドブルー25;アシッドレッド4;ヘナレッド;インディゴ;コチニール;HCブルーNo.14;ディスパースブルー23;ディスパースブルー3;ディスパースブルー377;ベーシックレッド51;ベーシックオレンジ31;ベーシックイエロー87;及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい直接染料としては、ディスパースブラック9、HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー15、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、HCレッド3、ディスパースバイオレット1、HCブルー2、ディスパースブルー3、ディスパースブルー377、ベーシックレッド51、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー87、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
更に、特定の色合いを得るために、例えば、ヘナ又はインディゴのような植物色素、トリフェニルメタン染料、芳香族ニトロ染料、アゾ染料、キノン染料、カチオン性染料(塩基性染料)又はアニオン性染料(酸性染料)等の従来の天然及び/又は合成の直接染料を着色剤に更に含有させることが可能である。
【0078】
ラジカルスカベンジャー
色調剤組成物は更にラジカルスカベンジャー供給源を含み得る。本明細書で使用するとき、用語「ラジカルスカベンジャー」は、炭酸塩ラジカルと反応してその炭酸塩ラジカルを一連の速い反応によって、より反応性の低い種、即ち炭酸塩ラジカルスカベンジャーへと変換させることのできる種である。
【0079】
本明細書に用いるのに好適なラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸のエステル及びこれらの混合物の部類から選択してよい。特に好ましい化合物は次のものである:モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、並びに、これらのカリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩などの塩、並びにこれらの混合物。
【0080】
特に好ましい化合物はグリシン、サルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペリジン、エチルアミン、3アミノ−1−プロパノール及びこれらの混合物である。
【0081】
本発明の組成物は、色調剤組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーを含む。
【0082】
好ましくは、ラジカルスカベンジャーは、ラジカルスカベンジャー対カーボネートイオンの重量比が、2:1〜1:4となるような量で存在する。ラジカルスカベンジャーはまた、アルカリ化剤と同一の種にならないように好ましく選択される。本発明の一実施形態によると、ラジカルスカベンジャーは、毛髪繊維への適用前に毛髪染色組成物中でその場形成されてもよい。
【0083】
香料
酸化染毛剤組成物は、香料成分も含み得る。多くの既知の香料原材料、特に油の形態の香料原材料が、泡の急速な崩壊を誘導する泡不安定化剤として作用し得ることが判明している。香料原材料の多成分ブレンドからなる香料のうち、香料の最大で30重量%が1.5〜2.5の範囲のClogPを有する香料原材料から本質的になり、かつ香料の残部が1.5未満のClogPを有する香料原材料から本質的になる香料は、本発明の組成物に、泡を急速に崩壊させる香料として使用することができる。好ましい香料は、それぞれが最大で1.5のClogPを有する、香料原材料の多成分ブレンドを含むものである。すべての香料原材料のうち、最も好ましい材料は、pH 10〜11にて安定なものである。
【0084】
これまでに多くの香料成分のlogPが報告されており、例えば、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Daylight CIS)(Irvine,Calif)から利用可能なPomona92データベースには、元文献の引用と共に多くのlogP値が包含されている。ただし、logP値は、同様にDaylight CISからも入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も便利に計算される。このプログラムはまた、それらがPomona92データベースにおいて入手可能な場合には、実験的なlogPの値も一覧にしている。「logPの計算値」(ClogP)は、Hansch及びLeoのフラグメント手法(Hansch and Leo(cf.、A.Leo、in Comprehensive Medicinal Chemistry、Vol.4、C.Hansch、P.G.Sammens、J.B.Taylor、and C.A.Ramsden、Eds.p.295、Pergamon Press、1990,参考文献として本明細書に含まれる))により決定される。このフラグメント手法は、各香料成分の化学構造を基に、原子の数と種類、原子の結合性、及び化学結合をも考慮に入れている。ClogP値は、最も信頼でき、物理化学的特性の評価に広く用いられており、好ましくは本発明で有用な香料成分の選択においてlogP実験値の代わりに用いられる。
【0085】
コンディショニング剤
酸化染毛剤組成物には、コンディショニング剤を含有させることもできるが、コンディショニング剤は、時期尚早に泡を崩壊させるなどして泡の形成又は安定化を阻害することのないよう、注意深く選択する必要がある。所望により、コンディショニング剤を含む別個のコンディショニング組成物を酸化染毛剤製品と共に使用することもできる。好適なコンディショニング剤は、シリコーン材料、アミノシリコーン、脂肪アルコール、高分子樹脂、ポリオールとカルボン酸のエステル、カチオン性ポリマー、不溶性油及び油から誘導される材料、並びにこれらの混合物から選択される。追加の物質としては、鉱油及びその他の油、例えばグリセリン及びソルビトールが挙げられる。特に有用なコンディショニング物質は、カチオン性ポリマーである。カチオン性ポリマー型のコンディショナは、一級、二級、三級及び四級アミン基であって、ポリマー主鎖の一部を形成するか又はポリマー主鎖に直接結合する側鎖置換基に含まれることのあるアミン基から選択される少なくとも1つのアミン基の単位を含むものから選択することができる。
【0086】
シリコーンは、ポリアルキルシロキサン油、トリメチルシリル又はヒドロキシジメチルシロキサン末端基を含有する直鎖ポリジメチルシロキサン油、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルフェニルシロキサン又はポリジメチルジフェニルシロキサン油、シリコーン樹脂、その一般的構造中に、1つ又は多数の有機官能基(類)を有する有機官能シロキサン(同一又は異なり、シロキサン鎖に直接結合する)又はこれらの混合物から選択されることができる。前記有機官能基は、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基、(過)フッ素化基、チオール基、置換又は非置換アミノ基、カルボキシレート基、ヒドロキシレート基、アルコキシル化基、クオタニウムアンモニウム基、両性及びベタイン基から選択される。シリコーンは、純流体として、又は事前に形成されたエマルションの形態として、使用され得る。
【0087】
コンディショニング剤は概してコンディショニング組成物の約0.05重量%〜約20重量%の濃度で使用することができ、例えばコンディショニング組成物の約0.1重量%〜約15重量%、約0.2重量%〜約10重量%、約0.2重量%〜約2重量%の濃度で使用することができる。
【0088】
酸化染毛剤製品
酸化染毛剤製品は、収容容積を含む収容容器、混合チャンバ及び分配ヘッドを取り付けた手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を含む。収容容器は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を作動させた時に、酸化染毛剤組成物が液体対空気比約1:6〜約1:15で空気と混合され、かつ酸化染毛剤組成物が泡として分配されるよう、酸化染毛剤組成物を含有し得る。
【0089】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、所望により、1ストローク又は1しぼり出し当たりの泡吐出量が約0.5グラム/ストローク、約5.0グラム/ストローク、好ましくは約0.8グラム/ストローク〜約4.0グラム/ストローク、好ましくは約1.0グラム/ストローク〜約4.0グラム/ストロークであるよう設計される。一実施形態では、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、所望により、1ストローク又は1しぼり出し当たりの泡吐出量が約1.8グラム/ストローク〜約2.2グラム/ストロークであるよう設計される。
【0090】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、所望により、1ストローク又は1しぼり出し当たりの泡吐出量が約3mL/ストローク〜約70mL/スロトーク、好ましくは約76mL/ストローク〜約48mL/ストローク、好ましくは約8mL/ストローク〜約44mL/ストローク、好ましくは約18mL/ストローク〜約22mL/ストロークであるよう設計される。
【0091】
出願者らは、泡の固有体積がこの範囲に収まると、発泡させた酸化染毛剤組成物が湿潤しすぎていることも(移動や滴下が生じる)、あるいは乾燥しすぎていることも(製品付着が少量)なく、ユーザにより所望される体験が与えられることを見出した。比泡体積は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(以下に詳細に記載する)の選択により左右され得る。多くの場合、ポンプ式フォーマーは比泡体積の範囲が狭く、その一方で、しぼり出し式フォーマーでは、ユーザがしぼり出しに加える圧力量を変化させることができることから、比泡体積の範囲が幅広いものになる。
【0092】
泡を生成するための手動式のノンエアゾールタイプの分配容器が当該技術分野において周知である。これらの泡分配容器は泡形態で分配される液体を保持するための収容容器を含み、収容容器は、収容容器上に取り付けることができ、又は収容容器の開口部内に取り付けることのできる組立品を備える。組立品は、収容容器に延び、ひいては混合チャンバに延びるディップチューブ、収容容器から液体を汲み出すための液体ポンプ、及び泡を生成するために、混合チャンバ内の液体を空気と混合させるためのエアポンプ、を含む。泡は混合チャンバから分配され、分配開口部を含む分配ヘッドの外側にある分配チャネルを通過する。分配チャネルには、均質な泡が形成されるようシーブ又はスクリーンなどの1つ以上の多孔質要素を配置することができる。
【0093】
市販の泡状染毛剤と比べて、本明細書に記載のレオロジー特性を有する酸化染毛剤組成物を分配するのに必要とされる仕事量は優れている。市販の泡状染毛剤に関し特有なことに、本出願の酸化染毛剤組成物と比較して、せん断粘度が相対的に低いことから、市販の系内では、液体よりも空気を動かす際により多くの仕事量が見込まれる。特定のレオロジー特性を有する本発明の酸化染毛剤組成物に関し、系内では、空気よりも液体を動かす際により多くの仕事量が見込まれる。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器の外側をしぼることで、酸化染毛剤組成物を分配することができる。それに伴い、分配ヘッドの分配ヘッド開口部を通して泡を分配することができる。
【0094】
所望されるレオロジー特性を有する酸化染毛剤組成物の使用、及び酸化染毛剤組成物を移動させるために必要とされる仕事量は、本明細書での使用が好適な手動式のノンエアゾールタイプの分配容器で生成される、せん断力の強さに関し、独特の問題を更に保有している。所望されるレオロジー特性を有する酸化染毛剤組成物の使用は、空気対液体比に更に影響を与える。仕事量、せん断力の生成、及び空気対液体比は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の構造によるところのものである。
【0095】
空気対液体比は、約1:6〜約1:15,好ましくは約1:8約1:12、好ましくは1:10である。
【0096】
好適な手動式のノンエアゾールタイプの分配容器構造には、ディップチューブの寸法、混合チャンバへの空気の進入口の寸法、混合チャンバからの進入及び退出開口部を含む混合チャンバの寸法、分配チャネルの寸法、多孔質要素(スクリーン又はメッシュなど)及び分配ヘッド開口部が含まれる。
【0097】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は、ポンプ又はしぼり出し式フォーマーであり得る。好適なポンプ式フォーマーの例は、欧州特許第0613728(B1)号、国際公開第97/013585(A1)号及び欧州特許第1716933(A1)号に例示されるものである。好適なしぼり出し式フォーマーは:米国特許第3,709,437号;同第3,937,364号;同第4,022,351号;同第4,147,306号;同第4,184,615号;同第4,615,467号;及び仏国特許第2,604,622号に例示されるものである。本明細書で有用なしぼり出し式フォーマーの1つの具体例は、米国特許第6,604,693号(Taplastに譲渡)で議論されるものなどのように、並びにより具体的にはこの特許の第2段落65行〜第4段落67行までで議論されるものなどのように、直立位置又は反転位置から分配することのできるしぼり出し式フォーマーである。
【0098】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器は収容容器を含む。収容容器は、収容容器内に収容される染毛剤組成物の体積よりも収容容器の容積が大きいものになるような容積を有する。収容容器のうち、染毛剤組成物に占有されない領域がヘッドスペースである。ヘッドスペースは、染毛剤組成物、あるいは染毛剤組成物の気泡を比較的含まない状態のままであるべきである。染毛剤組成物を含有させた状態で収容容器を振とう又は反転させた場合、ヘッドスペースは、染毛剤組成物、あるいは染毛剤組成物の気泡を比較的含まない状態のままであるべきである。本章において使用するとき、「比較的含まない」は、ヘッドスペース容積の50%未満、75%未満、90%未満、75%〜100%が、染毛剤組成物又はそれらの気泡を含まないことを意味する。
【0099】
収容容器は、染毛剤組成物を発泡させるための機構(ディップチューブなど)の任意の部分に染毛剤組成物を含有させ、かつ尚もヘッドスペースを有するのに十分な容積を有するよう選択される。一実施形態では、収容容器の容積は約100mL〜約500mL、約150mL〜約400mLであるよう選択される(例えば250mL)。収容容器の容積対染毛剤組成物の体積比は、約0.30〜約0.70である(例えば、約0.40〜約0.55)。
【0100】
収容容器の形状は、染毛剤組成物を収容容器に含有させた場合に、体積置換当たりに必要とされる力が最適化され得るよう選択することができる。一実施形態では、体積置換当たりに必要とされる力は、ボトルの垂直軸(ボトルの頂部又は底部)から見た場合に、ボトルの形状が楕円断面を有するように選択された場合に最適化される。楕円断面は、ネジ式キャップ又はスナップ式キャップに好適な頸部を使用して収容容器を閉めることができるように、好ましくは同軸である。楕円断面の長軸は、収容容器表面に適用される力と垂直になるよう位置づけされる。
【0101】
図1は、フォーマー組立品(1)及び収容容器(3)を含む染毛剤組成物製品(25)の一般的な構造を例示する。
【0102】
染毛剤組成物を含有する収容容器の容積(27)を有する収容容器(3)は、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)を分配動作(例えば「ストローク」)させた際に、染毛剤組成物が収容容器(3)から輸送されるように混合チャンバ(5)と流体連通している。流体接続部はディップチューブ(7)である。比較的粘度の高い染毛剤組成物に関しては、ディップチューブ(7)の直径は、分配を容易にし(分配に必要とされる力の量を少なくする)、かつ所望される泡の固有体積を得るために、大きくする必要がある。
【0103】
ディップチューブ(7)の直径は、好ましくは直径が2.0mm超、好ましくは約2.0mm〜約5.0mm、より好ましくは約2.5mm〜約4.0mmになるよう選択される。直径が約2.0mm〜約4.0mmのディップチューブ(7)に関し、液体粘度は、液体を収容容器(3)から、分配時にユーザにより加えられる力(例えば「ストローク」)の量がより少ない混合チャンバ(5)へと輸送しつつ、本明細書で述べるような所望される泡密度を実現する。
【0104】
混合チャンバ(5)は、少なくとも1つの空気進入開口部(9)、少なくとも1つの液体進入開口部(11)及び少なくとも1つの混合チャンバ進入開口部(13)を含む。混合チャンバ(5)は、内部容積と、混合チャンバ(5)の内部容積を画定する外壁を更に含む。混合チャンバ(5)は、染毛剤組成物と空気を組み合わせることで、染毛剤組成物の発泡体を形成し始めることを可能にする。様々な開口部(9,11,13)領域を変更(記載の開口部の平面図は、混合チャンバ(5)の外壁の一部を含む)することで、泡の固有の密度に影響を与えることができ、具体的には液体対空気比が適切なものになるように空気進入開口部(9)及び液体進入開口部(11)の相関関係に影響を与えることができる。
【0105】
空気進入開口部(9)は、収容容器(3)のヘッドスペースに入った空気を輸送させるのに好適なものである。混合チャンバ(5)には、1つ以上の空気進入開口部(9)を含ませることができる。一実施形態では、混合チャンバ(5)は、進入開口部(9)を1つ含む。空気進入開口部(9)の面積は約0.62mm2(約0.2mm直径の円形の空気進入開口部)〜約3.14mm2(約1mm直径の円形の空気進入開口部)であってよく、好ましくは約1.26mm2(約0.4mm直径の円形の空気進入開口部)〜約1.88mm2(約0.8mm直径の円形の空気進入開口部)である。空気進入開口部(9)が1つ以上選択された場合、空気進入開口部(9)の合計面積のすべてが使用されるべきである。混合チャンバ(5)への空気進入開口部(9)を介する空気の輸送は、混合チャンバ(5)に間接的に輸送させるものであってよく、あるいは混合チャンバ(5)に直接輸送させるものであってもよい。
【0106】
同様にして、液体進入開口部(11)は、収容容器(3)から、好ましくはディップチューブ(7)を介し混合チャンバ(5)へと染毛剤組成物を流動的に輸送するのに好適である。一実施形態では、混合チャンバ(5)は液体進入開口部(11)を1つ以上含む。一実施形態では、混合チャンバ(5)は、液体進入開口部(11)を3つ含む。液体進入開口部(11)の面積は、約1.5mm2〜約3mm2でなくてはならない。一実施形態では、液体進入開口部(11)は、約1.8mm2〜約2.3mm2でなくてはならない。液体進入開口部(9)が1つ以上選択された場合、空気進入開口部(9)の合計面積のすべてが使用されるべきである。例えば、3つの液体進入開口部(11)の合計面積が2.0mm2である場合、液体進入開口部(11)の3つすべてを合わせた合計面積と等しい。収容容器(3)から混合チャンバ(5)への流体輸送路は、混合チャンバ(5)に間接的な連通経路であり得、あるいは混合チャンバ(5)に直接的な連通経路であり得る。
【0107】
本明細書で使用するとき、用語、「間接的な連通」は、混合チャンバ(5)への空気又は染毛剤組成物の輸送路が、混合チャンバ(5)に入る前に、何らかの他の物理構造を通過する経路を通ることを意味する。例えば、空気又は染毛剤組成物は、各開口部(9,11)を通って混合チャンバ(5)に入る前に、混合チャンバ(5)の外壁と接触するようになる。一実施形態では、間隙容積(30)が、混合チャンバ(5)の外壁と隣接している。空気又は染毛剤組成物は、収容容器から、ディップチューブ(7)を介し、混合チャンバ(5)の外部間隙容積(30)へと輸送される。間隙容積(30)は、それぞれ、空気進入開口部(9)及び/又は液体進入開口部(11)と空気及び/又は液体連通する。
【0108】
本明細書で使用するとき、用語、「直接連通する」は、混合チャンバ(5)への空気又は染毛剤組成物の輸送路が、直接的に混合チャンバ(5)を通るものであることを意味する。例えば、空気又は染毛剤組成物は、開口部(9,11)のそれぞれを介し、混合チャンバ(5)の外側の成分と接触すること無く混合チャンバ(5)の内部容積で接触するようになる。
【0109】
一実施形態では、混合チャンバ退出開口部(13)は、混合チャンバ(5)内部の圧力が上昇するように選択される。混合チャンバ(5)は、1つ以上の混合チャンバ開口部(13)を含み得る。一実施形態では、混合チャンバ(5)は混合チャンバ退出開口部(13)を1つ含む。
【0110】
混合チャンバ(5)は、混合チャンバ(5)の内部容積を生成する外側壁を有する。外側壁の頂端が、周長を確定する。混合チャンバ退出開口部(13)は、混合チャンバ(5)の頂端の周長と同じ大きさの面積にすることもできるが、好ましくは、混合チャンバ(5)内の圧力を増加させるために、混合チャンバ(5)の頂端の周長の面積よりも小さくなるような面積が選択される。混合チャンバ退出開口部(13)の面積は、約0.314mm2(0.1mm直径の円形開口部)〜約9.42mm2(3mm直径の円形開口部)であり得る。一実施形態では、混合チャンバ退出開口部(13)は、約2.512mm2(0.8mm直径の円形開口部)〜約5.652mm2(1.8mm直径の円形開口部)の面積を含む。混合チャンバ退出開口部(13)が1つ以上存在する場合、すべての混合チャンバ退出開口部の合計面積を考慮しなくてはならない。
【0111】
一実施形態では、散布プレート(29)が、混合チャンバ退出開口部(13)を含む。散布プレート(29)は、混合チャンバ(5)構造の一部であってよく、あるいは混合チャンバ(5)と適合する別個の要素であってもよい。
【0112】
混合チャンバ(5)は、フォーマー組立品(1)と流体連通される。染毛剤組成物は、液体進入開口部(11)を介し混合チャンバ(5)へと入り、空気進入開口部(9)を介し混合チャンバ(5)に入る空気と混合される。
【0113】
空気は、ストローク後に、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の収容容器(3)のヘッドスペースに入る。手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の収容容器(3)のヘッドスペースへの、空気の制御された取り込み又は排出は、ボールバルブ(23)あるいはシリコーンシール又はガスケットにより実現することができる。ボールバルブあるいはシリコーンシール又はガスケットは、ヘッドスペースと連通させてフォーマー組立品(1)に位置させることができる。一実施形態では、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)に分配動作させた場合に、ヘッドスペース内の空気が、空気進入開口部(9)を介し混合チャンバへと輸送されるように、ボールバルブ(23)、シリコーンシール又はガスケットが、収容容器(3)のヘッドスペースへの、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の外気の進入を排除するよう、ボールバルブ(23)、シリコーンシール又はガスケットを、リザーバ(3)と、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の外気とを連通させるよう位置させることができる。分配(「ストローク」)後、ボールバルブ(23)、シリコーンシール又はガスケットは、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器(25)の外気を、収容容器(3)内に進入させ、次のストロークのためにヘッドスペースを再充填する。
【0114】
染毛剤組成物及び空気は混合チャンバ(5)に入り、泡状の染毛剤組成物を形成し、泡状の染毛剤組成物は混合チャンバ退出開口部(13)を介して混合チャンバ(5)から出て、泡流体接続部(17)を通ってフォーマー組立品(1)へと移動し、フォーマー分配開口部(19)を出る。混合チャンバ退出開口部(13)及びフォーマー分配開口部(19)の間にある泡流体接続部(17)は、泡の固有体積を変更するために使用することのできるスクリーン又はメッシュ(21a,21b,21c)を、内部に1つ以上備える。泡の固有体積を変更するためには、メッシュの数、メッシュの開口部の大きさ及びメッシュ内の開口部の密度を利用することができる。一実施形態では、少なくとも2枚のメッシュ(21a,21b)が利用される。この場合、2枚のメッシュ(21a,21b)は互いに隣接している。メッシュには直径区分及び深さ区分を含む。直径区分(メッシュの最も長い表面積)は、メッシュのうちの他のメッシュと隣接し得る部分である。
【0115】
泡のしぼり出し及び分配を最適にする角度に収容容器(3)を傾けたときに、収容容器(3)内の染毛剤組成物の利用効率が最大化されるよう収容容器(3)の最下の前方コーナーに向けてディップチューブ(7)の少なくとも下端を曲げることができる。ディップチューブ(7)の最下端の傾斜角は、好ましくはフォーマー分配開口部(19)の傾斜角を模し、いずれもが好ましくは分配ヘッド開口部(19)に最も近いメッシュを通る水平軸から約30°〜約45°の角度で下に移動させた角度である。
【0116】
一実施形態では、混合チャンバ退出部及び分配ヘッド開口部の間の流体接続部に1〜3枚のメッシュが存在する。一実施形態では、2枚のメッシュ(21a,21b)が混合チャンバ退出開口部(13)にごく近接して泡流体接続部(17)に位置し、1枚のメッシュ(21c)がフォーマー分配開口部(19)にごく近接して位置する。この場合、2枚のメッシュ(21a,21b)は約170マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有し、1枚のメッシュ(21c)は約70マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有する。
【0117】
一実施形態では、2枚のメッシュ(21a,21b)が混合チャンバ退出開口部(13)にごく近接して泡流体接続部(17)に位置し、1枚のメッシュ(21c)がフォーマー分配開口部(19)にごく近接して位置する。この場合、2枚のメッシュ(21a,21b)は約170マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有し、1枚のメッシュ(21c)は約70マイクロメートル(μ)の開口部寸法を有する。各メッシュは、好ましくは射出成形ウェハとして提供され、あるいは円筒形の側壁と、円筒形の側壁の一端を覆って延びるスクリーンとを有するディスクとして提供される。スクリーンは、円筒形の側壁の全長の軸方向に延びる(円筒形の側壁の上縁から、円筒形の側壁の下縁へとy軸に沿って延びる)ものではない。本項で使用するとき、「隣接する」は、各ウェハ又はディスクの2つの円筒形の側壁が、直接互いに隣り合っていることを意味する。しかしながら、各ウェハのそれぞれは、好ましくは、2つのウェハ又はディスクが互いに接触する場合でさえも、第1ディスクのスクリーンを第2ディスクのスクリーンから分離する間隙が存在するようにスクリーンが面している方向に配向される。
【0118】
次に図3を参照すると、メッシュが2枚のみ(21a,21c)利用され、このうち1枚(21a)が混合チャンバ退出開口部(13)にごく近接し、もう1枚(21c)がフォーマー分配開口部(19)にごく近接して位置する、特に好ましい実施形態が例示される。
【0119】
混合チャンバ退出開口部(13)の大きさ、メッシュ(21a,21b,21c)の枚数、及びメッシュのスクリーンの開口部寸法を変化させることで、所望される泡の固有体積を実質的に保存しながら所望される量の泡を吐出させるのに必要とされる仕事量を減らすことができる。例えば、図1に例示される実施例の例示的な実施では、直径1mmの混合チャンバ退出開口部(13)が散布プレート(29)に提供される[開口部の面積はpi*直径である]。上の実施形態では、3枚のメッシュウェハ又はディスクが泡流体接続部(17)に提供され、最初の2枚(21a,21b)のそれぞれのメッシュ開口部サイズは約170マイクロメートル(μ)であり、3枚目のメッシュのメッシュ開口部サイズは約70マイクロメートル(μ)である。染毛剤で処理するために毛髪などの所望される表面上に単回適用するため、十分な量の製品が手に分配されたときに、しぼり出しは最終的に完了したことになる。あるいは、しぼり出しは、ボトル又は収容容器の外れた(すなわちほぞ穴で接合する)使用感、並びに最大応力持時間のいずれか又は両方が、ユーザに再度しぼり出す必要があることを示すまで、保持される。
【0120】
図3に解説する実施形態の例示的な実装において、第2メッシュ(21b)は省略され、散布プレート(29)[開口部面積はpi*直径]内の混合チャンバ退出開口部は1.75mmに拡大され、泡流体接続部(17)に配置された第1メッシュ(21a)のメッシュ開口部寸法は約170マイクロメートル(μ)であり、かつメッシュウェハ又はディスク(21c)のメッシュ開口部寸法は約70マイクロメートル(μ)である。
【0121】
キット
酸化染毛剤製品は、多くの場合、手袋及び取扱説明書と共に梱包される色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分を含有しているキットとして販売される。所望により、コンディショニング組成物成分も包含される。ユーザは色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分を組み合わせ、次いで泡形態の混合した組成物を所望の毛髪表面に適用する。
【0122】
本出願の色調剤組成物成分には、酸化染料前駆体、カップラー及び直接染料から選択される毛髪染料を少なくとも1つ含有させることができる。色調剤組成物成分に含有させられる追加材料としては、アルカリ化剤、香料、溶媒、ラジカルスカベンジャー、増粘剤及び泡安定剤が挙げられる。色調剤組成物は界面活性剤を実質的に含まない。
【0123】
本出願の顕色剤組成物成分には、溶媒、酸化剤及び泡安定剤を含有させることができる。顕色剤組成物成分は界面活性剤を実質的に含まない。
【0124】
本出願のキットには、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器が包含される。分配容器は、色調剤組成物成分及び顕色剤組成物成分の混合物を、比泡体積約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの泡として分配することができる。
【0125】
キットには2つ以上の容器を含有させることができる。一実施形態では、色調剤組成物成分は1つの容器に収容され、顕色剤組成物成分は手動のノンエアゾールタイプの容器内に収容される。
【0126】
キット用の追加成分としては、コンディショナ組成物及び色調回復組成物(refreshing color composition)が挙げられる。コンディショナ組成物は、コンディショニング剤を含み得る。色調回復組成物は、コンディショニング剤及び直接染料を含み得る。
【0127】
使用方法
染毛製品は、通常、別個の容器に個包装された下位成分(好適なキャリア中に酸化染料前駆体、アルカリ化剤、及び増粘剤を含む色調剤組成物、並びに酸化剤を含む顕色剤組成物など)を含む、キットの形態で販売される。一般的に、染毛組成物の色調組成物:顕色剤組成物の重量比は、顕色剤組成物及び色調組成物の強度に応じ5:1〜1:5の範囲であり、例えば1:1、1:1.5、1:2、1:3及び1:4である。
【0128】
ユーザは使用直前に色調剤組成物及び顕色剤組成物を手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器内で共に混合する。ユーザは次に、色調剤組成物及び顕色剤組成物を混合するために振とうしてもよい。振とうとは、色調剤組成物と顕色剤組成物を混合させるために最低でも10秒にわたって垂直に往復運動させるか、回転させながら往復運動させるかであり得る。ユーザは次いで、手袋をはめたユーザの手に、あるいは毛髪上に泡(発泡した染毛剤組成物)を直接分配するために、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を作動させる。泡は、分配後約10秒〜30分の間に崩壊し始めてもよい。以降、表中に与える例示組成物が、好適な組成物を解説する。
【0129】
好ましい分配容器は、収容容積、混合チャンバ、分配ヘッド、混合チャンバの混合チャンバ退出開口部と分配ヘッドの分配ヘッド開口部との間に配置された少なくとも1枚のメッシュ、を包含する収容容器が取り付けられている。少なくとも1枚のメッシュのそれぞれのスクリーン開口部サイズは、約70マイクロメートル〜約170マイクロメートルの範囲である。更に、分配容器は、混合チャンバ及び収容容器の容積と流体連通しているディップチューブを包含する。
【0130】
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器の外側をしぼることで泡を分配することができる。それに伴い、分配ヘッドの分配ヘッド開口部を通して泡を分配することができる。一実施形態に従うと、収容容器の外面を9.07kg〜9.98kg(20〜22lbs)の範囲の力で約0.5秒〜約3秒しぼることになる。あるいはしぼりは、収容容器の外面におよそ98.1kg/s2の規模及び速度で力を加えることで実施される。
【0131】
次に、本開示のフォーマーを用いて毛髪を着色する、より具体的な方法又はプロセスを記載する。少なくとも100グラム、好ましくは約110g、及びより好ましくは120gの染毛用泡により毛髪を着色する方法には、以下の工程を含む:
(1)収容容積、混合チャンバ、分配ヘッド、混合チャンバの混合チャンバ退出開口部と分配ヘッドの分配ヘッド開口部との間に配置された少なくとも1枚のメッシュ、並びに混合チャンバ及び収容容積と流体連通しているディップチューブ、を包含する収容容器が取り付けられている、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内で、顕色剤組成物及び色調剤組成物を混ぜ合わせることで、染毛剤組成物を調製する工程。各少なくとも1枚のメッシュは約70マイクロメートル〜約170マイクロメートルの範囲のスクリーン開口部サイズを有し、しぼることのできる収容容器の一部は、面する方向からの力の適用及び維持により、収容容器内の染毛剤組成物をディップチューブ内へと圧搾し移動させるものである。
(2)色調剤組成物及び顕色剤組成物を混合し、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を振とうすることで、染毛剤組成物を形成する工程。本明細書で使用するとき、「振とう」としては、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を少なくとも複数回前後に回転させることで染毛剤組成物を形成することが挙げられる。
(3)分配ヘッド開口部を通して泡を押し出すよう、手動式のノンエアゾールタイプの分配容器の収容容器の外面をしぼることで、発泡した染毛剤組成物の形態で、収容容器から染毛剤組成物を分配する工程。
(4)着色する毛髪に、発泡した染毛剤組成物を適用する工程。
(5)工程(2)及び(3)を複数回繰り返す工程。複数回とは60回未満であり、好ましくは50回未満、より好ましくは45回未満である。
(6)毛髪に適用した発泡した染毛剤組成物を、毛髪を染色するのに必要とされる既定の時間にわたり毛髪と反応させる工程。染毛剤組成物は染色が時間内に達成されるよう処方される。既定の時間は好ましくは40分を超過しないものであり、例えば10〜30分の間である。
(7)適用した染毛剤組成物を全く残さないように毛髪を水ですすぎ洗いする工程。
【0132】
この方法には、所望により着色後ケア組成物で毛髪及び頭皮を処理する追加工程(8)が包含されても良い。
【0133】
一実施形態では、発泡した染毛剤組成物は毛髪上で液体へと崩壊し、毛髪上に5〜30分とどまる(すべての毛髪への均一な適用を確実なものとする)。次いで消費者が彼/彼女の毛髪を水でしっかりとすすぎ、乾燥させる。
【0134】
存在する場合、追加のコンディショニング剤を第3の容器内に提供することができる。一実施形態では、第3の容器の内容物を、染毛剤組成物の直後に後処理剤として適用すること(追加のすすぎ工程の後)もできる。
【0135】
本発明に従う染毛方法には、本発明の組成物を毛髪に適用し、好ましくは混合物を数分間作用させる(すべての毛髪への均一な適用を確実なものとする)実施形態も含む。次に、顕色させるために、約20分未満、好ましくは約15分未満、より好ましくは約5分〜約10分、最も好ましくは約10分、組成物を毛髪上に残留させる。次に、消費者は、自分の毛髪を水道水で十分にすすぎ、通常通り毛髪を乾燥及び/又は整髪する。
【0136】
本発明の更なる代替的実施形態に従うと、染毛方法は順次染毛を行う方法であり、少なくとも2工程の染毛処理が順次行われる。各処理間の時間間隔は1〜60日、好ましくは1〜40日、より好ましくは1〜28日、更により好ましくは1〜14日、最も好ましくは1〜7日である。このような実施形態においては、頭上に組成物を保持する時間は約20分未満でもよく、好ましくは約10分未満、最も好ましくは約2分〜約5分である。
【0137】
試験方法
粘度
サンプルの調製
色調剤組成物及び顕色剤組成物を組み合わせ、酸化染毛剤組成物を作製する。酸化染毛剤組成物のサンプル調製は、以下のような手順であるべきである:
1.重量比1:1の色調剤組成物及び顕色剤組成物を、密閉することができ、そこから分配することのできる容器内で混ぜる。容器は密閉させるかあるいは蓋をすべきである。
2.密閉させることができる容器を、次に機械ミキサー(以下に記載)に配置し、15秒間振とうする。
3.密閉することができる容器の内容物を、100 tall分配容器(FlackTek Inc.から入手可能)に注ぎ入れ、次に1950rpmに設定したDAC 800 FVZスピードミキサー(FlackTek Inc.)に10秒間配置し、サンプルから出てきた任意の気泡を吸い取った。
4.サンプルの頂部の気泡又は泡を含有させるよう時計皿を使用しながら、粘度を測定するのに好適な容器内に液体をデカントする。
5.次にサンプルの粘度を測定した。
【0138】
機械ミキサー
機械ミキサー(31)は、消費者による振とう動作を再現するための装置である。振とう動作とは、手首を伸ばした状態で肘を旋回点(支点)として用い、旋回点で腕を上下に動かす動作である。
【0139】
図5の機械ミキサー(31)は、頂部壁(33)、底部壁(35)、2枚の垂直な側壁(37a,37b)、中央パネル(39)、背部パネル(11)及び蝶番式ドア(43)(密閉型デバイスにアクセスするために蝶番式に開閉することができる)を有する密閉型デバイスである。下に更に記載される金属製のバー(45)及びドア安全スイッチ(47)が、中央パネル(39)と蝶番式ドア(43)との間にある中央パネル(39)の一面に位置する。空調制御用ソレノイドモーター(49)、電気式排気装置(51)、空気レギュレーター(53)、電力供給装置(55)及び安全リレー(57)が中央パネル(43)及び背側パネル(41)の間の中央パネル(43)の第2面に位置する。
【0140】
図6(蝶番式ドア(43)、頂部壁(33)、底部壁(35)又は2枚の垂直な側壁(37a,37b)は省略)の機械ミキサー(31)は、長さ45.16cmの金属製のバー(45)を含む。この金属製のバー(45)は、一端に旋回点(59)を有し、かつもう一端に、機械ミキサー(1)を作動させている間に酸化染毛剤組成物の容器を保持することができるクランプ手段(61)を有する。金属製のバー(45)は、θとして示される角度44°(34.5cm arc)の範囲で上下方向に移動すべきである。旋回点(59)は、所望される角度範囲で、15秒の間に45サイクル(上下動作)作動させることのできる空調制御用ソレノイドモーター(49)により作動する。
【0141】
図7(背側パネル(41),頂部壁(33),底部壁(35)又は2枚の垂直な側壁(37a,37b)は省略)では、空調制御用ソレノイドモーター(49)を見ることができる。この場合ソレノイドモーター(49)は、電気式排気装置(51)に接続されている。電気式排気装置(51)は、空調制御用ソレノイドモーター(49)を稼働させるための空気圧を生成する空気レギュレーター(53)に接続される。空気レギュレーター(53)は電力供給装置(55)に接続され、かつ好ましくは機械ミキサー(31)の空気加圧系である安全リレー(57)に接続される。安全リレー(57)は、2つの部分(47a,47b)を含むドア安全スイッチ(47)と接続される。第一部分(47a)は蝶番式ドア(43)上に部分的に配置され、及び第2部分(47b)は頂部壁(33)、底部壁(35)、2枚の垂直壁(37a,37b)、中央パネル(39)及び蝶番式ドア(43)により囲まれた空間の内側に配置されるものであり、2つの部分(47a,47b)は安全リレー(57)の回路を完結させるために互いに隣接させて配置される。蝶番式ドア(43)を開けるとドア安全スイッチ(47)の2つの部分(47a,47b)が引き離され、安全リレー(57)の回路が不完全なものとなり、機械ミキサーが停止する。
【0142】
プログラム制御可能な継電器(63)、開始ボタン(65)、停止ボタン(67)が密閉型デバイスの外側に配置されると好ましい。プログラム制御可能な継電器(63)は、端末ストリップ(69)、母線又はその他の類似デバイスを介して電力供給装置(55)に接続させることができる。プログラム制御可能な継電器(63)により、作動時間、可動角の修正、動作速度などを設定できる。開始ボタン(65)及び停止ボタン(67)は同様に密閉型デバイスの外側に配置され、好ましくは蝶番式ドア(43)に隣接して配置される。プログラム制御可能な継電器(63)が利用される場合、各サンプルについて所望される設定を入力することができ、かつ開始ボタン(65)及び停止ボタン(67)により機械ミキサー(31)の動作を制御することができる。
【0143】
低せん断粘度及び高せん断粘度
上記に定義されるような低せん断粘度及び高せん断粘度を、次の形状を有するTA InstrumentsのAR2000レオメーターにより測定する:
40mm 2°ステンレス鋼スチールコーン
40mmステンレススチールプレート
DIN規格又は同心円錐形シリンダ
収集したデータを、次いでTA Instruments AR2000レオメーターのデータ解析プログラムを用いてグラフ化し、実施の開始点を低せん断粘度として記録する。記録したデータの相関関係を確実なものにするためにも、データは少なくとも2度実施したものであるべきである。
【0144】
低せん断粘度は0.01s-1で測定され、及び高せん断粘度は500s-1で測定される。
【0145】
比泡体積
比泡体積を、100mLのビーカーを質量計(mass balance)に配置し、ビーカーの質量を風袋引き(tarring)し、次いで発泡式分配容器から100mLビーカーに泡の体積が100mLに等しくなるまで分配することにより測定する。100mLの泡から得られる、分配終了時から5秒時点の質量を記録する。泡の質量により体積(100)を除し、泡の固有体積をmL/g単位で得る。
【0146】
配合例
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
【表4】
【0150】
【表5】
【0151】
各色調剤配合物を顕色剤配合物と混合させて、酸化染毛剤組成物を提供することができる。色調配合物対顕色剤配合物の重量比は、必要とされる正確な色度、及び所望される色度を得るのに必要とされる漂白の程度に応じて変化させることができる。一般的に、色調剤配合物:顕色剤配合物の重量比は顕色剤組成物及び色調剤組成物の強度に応じ5:1〜1:5の範囲であり、例えば1:1、1:2及び1:3である。
【0152】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるものではない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0153】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、本明細書中に参照により全てが組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0154】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化染毛剤製品であって:
a)界面活性剤を実質的に含まず、次のものを含む酸化染毛剤組成物:
毛髪染料、
アルカリ剤、好ましくは塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩塩、アンモニア及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルカリ化剤、
酸化剤、好ましくは過酸化水素、過炭酸塩、過リン酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される酸化剤と、並びに
高分子乳化剤、高分子泡安定剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤;と、
b)手動式のノンエアゾールタイプの分配容器と、を含み、
前記組成物が前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内に収容され、前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器が作動する場合に、前記組成物が約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、より好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの比泡体積(specific foam volume)を有する泡として分配される、酸化染毛剤製品。
【請求項2】
前記泡安定剤が:
(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、セセチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物;
(2)アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー;アクリレートコポリマー;及びこれらの混合物、
(3)アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;
(4)ビニルピロリドン(VP)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPA)、及びメタクリロイルアミノプロピルラウリルジモニウムクロリド(MAPLAC);
(5)一級ヒドロキシル基で終端しているポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックポリマー;又は
(6)多糖類、セルロース系材料、アミン担持ポリマー、天然資源から得られる酸ポリマー、加工デンプン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリシロキサン、及びこれらの混合物:からなる群から選択される高分子泡安定剤である、請求項1に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項3】
前記泡安定剤が前記組成物の約4〜約25重量%、好ましくは約5〜約15重量%、及びより好ましくは約5〜約10重量%の量で存在する、請求項1に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項4】
前記組成物に基づき200ppm未満の界面活性剤を含有する、請求項1に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項5】
酸化染毛剤製品であって、
毛髪染料、
アルカリ化剤
酸化剤、並びに
高分子乳化剤、高分子泡安定剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤、を含み、
前記酸化染毛剤組成物は500mPas超、好ましくは約500mPa・s〜約10,000mPa・sの低せん断粘度を有し、かつ前記酸化染毛剤組成物は200mPa・s未満、好ましくは100mPa・s未満の高せん断粘度を有する、酸化染毛剤製品。
【請求項6】
酸化染毛剤組成物を形成するための成分を含むキットであって、
前記キットは、
毛髪染料及びアルカリ化剤を含む色調剤組成物成分、
酸化剤を含む顕色剤組成物成分;
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器であって、前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の混合物を、約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの比泡体積を有する泡として分配することができる、分配容器、を含み、
高分子乳化剤、高分子泡安定剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤は、前記色調剤組成物成分又は前記顕色剤組成物成分のいずれか中に存在し、前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の前記混合物は界面活性剤を実質的に含まない、キット。
【請求項7】
前記泡安定剤が、
(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、セセチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物;
(2)アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー;アクリレートコポリマー;及びこれらの混合物、
(3)アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;
(4)ビニルピロリドン(VP)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPA)、及びメタクリロイルアミノプロピルラウリルジモニウムクロリド(MAPLAC);
(5)一級ヒドロキシル基で終端しているポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックポリマー;又は
(6)多糖類、セルロース系材料、アミン担持ポリマー、天然資源から得られる酸ポリマー、加工デンプン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリシロキサン、及びこれらの混合物:からなる群から選択される高分子泡安定剤である、請求項6に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項8】
前記泡安定剤が、重量比1:2〜1:5、好ましくは1:3〜1:5、又は4:1〜1:1の、(2)アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー;アクリレートコポリマー;及びこれらの混合物、好ましくはAculyn(商標)22、並びに(3)アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;好ましくはAculyn(商標)33の混合物から選択される、請求項2又は7に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項9】
前記泡安定剤が、前記顕色剤組成物成分の約4〜約25重量%、好ましくは約5〜約15重量%、より好ましくは約5〜約10重量%の範囲の量で存在する、請求項6に記載のキット。
【請求項10】
前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物の前記混合物が、200ppm未満の界面活性剤を含む、請求項6に記載のキット。
【請求項11】
前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器には、収容容積、混合チャンバ及び分配ヘッドを有する収容容器が取り付けられ、前記収容容器は前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の混合物を含有させることのできるものであり、前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を作動させた場合に、前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の混合物は混合物対空気の比が約1:6〜約1:15になるよう混合され、かつ泡として分配される、請求項6に記載のキット。
【請求項12】
前記混合チャンバが液体進入開口部を少なくとも1つと、泡退出開口部及び空気進入開口部を含む、請求項6に記載のキット。
【請求項13】
前記組成物が毛髪染料を0.5%〜6%、アルカリ化剤を0.1〜10%、酸化剤を0.1〜40%、及び泡安定剤を1〜25%含む、請求項1又は5に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項1】
酸化染毛剤製品であって:
a)界面活性剤を実質的に含まず、次のものを含む酸化染毛剤組成物:
毛髪染料、
アルカリ剤、好ましくは塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、過炭酸塩塩、アンモニア及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルカリ化剤、
酸化剤、好ましくは過酸化水素、過炭酸塩、過リン酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される酸化剤と、並びに
高分子乳化剤、高分子泡安定剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤;と、
b)手動式のノンエアゾールタイプの分配容器と、を含み、
前記組成物が前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器内に収容され、前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器が作動する場合に、前記組成物が約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、より好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの比泡体積(specific foam volume)を有する泡として分配される、酸化染毛剤製品。
【請求項2】
前記泡安定剤が:
(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、セセチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物;
(2)アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー;アクリレートコポリマー;及びこれらの混合物、
(3)アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;
(4)ビニルピロリドン(VP)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPA)、及びメタクリロイルアミノプロピルラウリルジモニウムクロリド(MAPLAC);
(5)一級ヒドロキシル基で終端しているポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックポリマー;又は
(6)多糖類、セルロース系材料、アミン担持ポリマー、天然資源から得られる酸ポリマー、加工デンプン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリシロキサン、及びこれらの混合物:からなる群から選択される高分子泡安定剤である、請求項1に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項3】
前記泡安定剤が前記組成物の約4〜約25重量%、好ましくは約5〜約15重量%、及びより好ましくは約5〜約10重量%の量で存在する、請求項1に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項4】
前記組成物に基づき200ppm未満の界面活性剤を含有する、請求項1に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項5】
酸化染毛剤製品であって、
毛髪染料、
アルカリ化剤
酸化剤、並びに
高分子乳化剤、高分子泡安定剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤、を含み、
前記酸化染毛剤組成物は500mPas超、好ましくは約500mPa・s〜約10,000mPa・sの低せん断粘度を有し、かつ前記酸化染毛剤組成物は200mPa・s未満、好ましくは100mPa・s未満の高せん断粘度を有する、酸化染毛剤製品。
【請求項6】
酸化染毛剤組成物を形成するための成分を含むキットであって、
前記キットは、
毛髪染料及びアルカリ化剤を含む色調剤組成物成分、
酸化剤を含む顕色剤組成物成分;
手動式のノンエアゾールタイプの分配容器であって、前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の混合物を、約6mL/g〜約14mL/g、好ましくは約7.5mL/g〜約12mL/g、及びより好ましくは約8mL/g〜約10.5mL/gの比泡体積を有する泡として分配することができる、分配容器、を含み、
高分子乳化剤、高分子泡安定剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される泡安定剤は、前記色調剤組成物成分又は前記顕色剤組成物成分のいずれか中に存在し、前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の前記混合物は界面活性剤を実質的に含まない、キット。
【請求項7】
前記泡安定剤が、
(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、セセチルヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物;
(2)アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー;アクリレートコポリマー;及びこれらの混合物、
(3)アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;
(4)ビニルピロリドン(VP)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPA)、及びメタクリロイルアミノプロピルラウリルジモニウムクロリド(MAPLAC);
(5)一級ヒドロキシル基で終端しているポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックポリマー;又は
(6)多糖類、セルロース系材料、アミン担持ポリマー、天然資源から得られる酸ポリマー、加工デンプン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリシロキサン、及びこれらの混合物:からなる群から選択される高分子泡安定剤である、請求項6に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項8】
前記泡安定剤が、重量比1:2〜1:5、好ましくは1:3〜1:5、又は4:1〜1:1の、(2)アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー;アクリレートコポリマー;及びこれらの混合物、好ましくはAculyn(商標)22、並びに(3)アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;好ましくはAculyn(商標)33の混合物から選択される、請求項2又は7に記載の酸化染毛剤組成物。
【請求項9】
前記泡安定剤が、前記顕色剤組成物成分の約4〜約25重量%、好ましくは約5〜約15重量%、より好ましくは約5〜約10重量%の範囲の量で存在する、請求項6に記載のキット。
【請求項10】
前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物の前記混合物が、200ppm未満の界面活性剤を含む、請求項6に記載のキット。
【請求項11】
前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器には、収容容積、混合チャンバ及び分配ヘッドを有する収容容器が取り付けられ、前記収容容器は前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の混合物を含有させることのできるものであり、前記手動式のノンエアゾールタイプの分配容器を作動させた場合に、前記色調剤組成物成分及び前記顕色剤組成物成分の混合物は混合物対空気の比が約1:6〜約1:15になるよう混合され、かつ泡として分配される、請求項6に記載のキット。
【請求項12】
前記混合チャンバが液体進入開口部を少なくとも1つと、泡退出開口部及び空気進入開口部を含む、請求項6に記載のキット。
【請求項13】
前記組成物が毛髪染料を0.5%〜6%、アルカリ化剤を0.1〜10%、酸化剤を0.1〜40%、及び泡安定剤を1〜25%含む、請求項1又は5に記載の酸化染毛剤組成物。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2013−514996(P2013−514996A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544902(P2012−544902)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061060
【国際公開番号】WO2011/075657
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061060
【国際公開番号】WO2011/075657
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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