酸素に富むガスの製造装置及び方法
【課題】酸素に富む気体の製造装置と方法を提供すること。
【解決手段】酸素に富む気体を製造するための装置は、(a)第1及び第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、(c)重量Wbによって特徴づけされる充電式電源、及び(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を収容する複数の吸着床を含み、吸着剤の合計重量Waにより特徴づけされる圧力/真空スイング吸着ユニット、を含む装置であり、吸着剤、主気体ポンプ及び充電式電源の総重量Wtが、式
0.75Fp<Wt<2.02Fp
で特徴づけられ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、Wa、Wp及びWbはポンド単位である、酸素に富む気体の製造装置である。
【解決手段】酸素に富む気体を製造するための装置は、(a)第1及び第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、(c)重量Wbによって特徴づけされる充電式電源、及び(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を収容する複数の吸着床を含み、吸着剤の合計重量Waにより特徴づけされる圧力/真空スイング吸着ユニット、を含む装置であり、吸着剤、主気体ポンプ及び充電式電源の総重量Wtが、式
0.75Fp<Wt<2.02Fp
で特徴づけられ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、Wa、Wp及びWbはポンド単位である、酸素に富む気体の製造装置である。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
家庭内及びその他の住宅環境内における患者への治療用酸素の供給は、医療産業において重要な成長市場である。この市場の一部には、携帯式酸素濃縮器、特に連続的な酸素療法を必要とする患者が容易に持ち運びできるユニットの開発と商品化が含まれている。携帯式で持ち運びの簡単な酸素供給は、適切な気化又は圧力調節システムと気体送給カニューレを用いて貯蔵された液体又は圧縮酸素により行うことができる。それとは別に且つ好ましくは、酸素は、所望の純度、流量及び圧力で気体酸素を供給する、患者が持ち運ぶ小型空気分離装置によって供給してもよい。この装置を動作させるための電力は、充電式の電源、標準的には充電式バッテリーによって提供できる。小型空気分離装置は、圧力スイング吸着(PSA)法を用いた吸着ベースのシステムであることができる。
【0002】
呼吸酸素使用量は、一般に、酸素所要量が中程度の歩行可能患者については最高5リットル/分(23℃、1atmaの圧力での毎分のリットル数)までの範囲にある。この製品範囲内の持ち運びが簡単な充電式の携帯用酸素濃縮器の設計は、生成物気体流量、重量及び電源寿命又は運転時間(すなわち充電と充電との間の動作時間)を適切にバランスさせるべきである。このバランスは、数多くの動作及び設計パラメータの適正な選択を必要とし、技術設計者にとって大きな課題を提示するものである。例えば小型の吸着式空気分離ユニットにおいては、設計パラメータには、生成物純度、生成物送給圧力、プロセスサイクルのタイプ、プロセスサイクル圧力包絡線、吸着剤、吸着剤床の数と寸法、気体ポンプのタイプ、電源のタイプ、気体流量制御方法、電気制御システム及び製作材料を含めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
当該技術分野においては、最小限のシステム重量で所要の気体供給速度と運転時間を提供する携帯式の吸着ベースの酸素発生システムを設計するための方法が必要とされている。この必要性は、これらのシステムのための適切なプロセス及び機械的パラメータを規定する一方で設計者がこれらの必要条件のバランスをとることができるようにする最適化方法によって満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
小型で簡単に持ち運びできる吸着ベースの酸素濃縮器の最適化された設計の必要性は、本発明の様々な態様により満たされる。ここで詳細に説明するように、生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及び運転時間の任意の実施可能な組合せについて、1つの吸着ベースのシステムのための最小重量範囲を決定することができるということが見いだされた。これは、選択されたプロセスパラメータの関数として各々の可変重量システムの構成要素の重量を決定し、選択されたパラメータの様々な値でこれらの構成要素の重量を加算し、そして可変重量と選択されたパラメータの関係を表わす曲線を作ることによって達成することができる。この曲線は、一般には、選択されたプロセスパラメータの好ましい範囲内で最小重量を示す。選択されたプロセスパラメータは、プロセスサイクルの間の最小床圧力である。
【0005】
本発明の1つの態様は、酸素に富む気体を製造するための装置であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ(mover)、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbによって特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含む装置であり、
吸着剤、主気体ポンプ及び充電式電源の総重量Wtが、式
0.75Fp<Wt<2.02Fp
で特徴づけすることができ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、Wa、Wp及びWbはポンド単位である、装置に関する。
【0006】
バッテリーは、最大及び最小の実用充電量の間の時間単位で表した作動運転時間trにより特徴づけることができ、そして装置は、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のいずれかにより更に特徴づけることができる。
【0007】
複数の吸着床は、4つ以上の床を含むことができ、また4つの床からなることができる。
【0008】
第1及び第2のコンプレッサの各々は、スクロール、ダイヤフラム、ピストン及びロータリーベーンコンプレッサからなる群から選択することができる。第1及び第2のコンプレッサは、スクロールタイプのコンプレッサであることができる。該装置は更にコンサーバを含んでもよい。
【0009】
該装置は、12ポンド未満の合計重量を有することができ、10ポンド未満の合計重量を有してもよく、8ポンド未満の合計重量を有してもよい。
【0010】
吸着剤は、リチウム、カルシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム及び銀からなる群から選択される1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトXからなる群から選択することができる。吸着床は更に、空気からの水及び二酸化炭素の吸着について選択性のある付加的な吸着剤を更に含んでもよく、該付加的な吸着剤は、(1)活性アルミナ、及び(2)リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択された1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトX、からなる群から選択される。
【0011】
充電式電源は、バッテリーでよい。あるいはまた、充電式電源は燃料電池でよい。
【0012】
該装置は更に、主気体ポンプ、駆動モータ、充電式電源及び圧力/真空スイング吸着システムをとり囲む外部ケースと、該ケースの外側に取付けられたユーザー表示/制御パネルを含むことができる。この装置は、12ポンド未満の合計重量を有することができ、10ポンド未満の合計重量を有してもよく、8ポンド未満の合計重量を有してもよい。
【0013】
酸素に富む気体を製造するための装置は、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbと、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間trにより特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含むことができ、該装置は、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のうちのいずれかにより特徴づけることができ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、trは時間単位であり、そしてWa、Wp及びWbはポンド単位である。
【0014】
該装置は更に、電気配線及び制御システム、ケース又はハウジング、及びハウジングの外側に取り付けられたユーザー表示/制御パネルを含めた付加的要素であって、酸素発生装置と該付加的要素が一緒になって携帯式酸素濃縮器を形成するものと、該携帯式濃縮器ユニットをユーザーが持ち運ぶための手段を含むことができる。
【0015】
本発明のもう1つの態様は、酸素に富む生成物の気体を製造するための方法であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着システムを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含む方法であって、次の運転パラメーター、すなわち、
(1)充電式バッテリーが、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間中、0.02kWhと0.17kWhの間の電力を提供すること、
(2)吸着サイクル中の各々の吸着床内の吸着剤の合計実用容量が窒素1.2×10-4ポンドモルと6.7×10-4ポンドモルの間であること、
(3)第1のコンプレッサが給気/生成物提供工程中に1.14×10-4ポンドモルと4.01×10-4ポンドモルの間の加圧原料空気を移動させること、及び
(4)第2のコンプレッサが減圧工程及び排気工程中に3.47×10-4ポンドモルと9.96×10-4ポンドモルの廃気を移動させること、
のいずれかを特徴とすることができる、酸素に富む生成物の気体を製造するための方法に関する。
【0016】
圧力/真空スイング吸着システムは、4つの吸着床を有することができ、該吸着床の各々は、
(A)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造工程、
(B)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造/再加圧工程であって、その最終の再加圧工程を受けている別の床を加圧するために該生成物気体の一部分を使用する給気/生成物製造/再加圧工程、
(C)気体を抜き出すことにより床を減圧させ、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分を再加圧工程を受けている別の床に移す減圧工程、
(D)気体を抜き出すことにより床を更に減圧するパージ準備工程であり、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分をパージ工程を受けている別の床へ移すパージ準備工程、
(E)床が大気圧未満の最低床圧力に達するまで床の給気端部から気体を抜き出す排気工程、
(F)床の生成物端部へパージ気体を導入しながら床を排気し続けることにより床をパージし、当該パージ気体を工程(D)を受けている別の床から提供するパージ工程、
(G)床の生成物端部へ加圧気体を導入し、該加圧気体は工程(C)を受けている別の床から提供する再加圧工程、及び
(H)別の床からの生成物気体を床の生成物端部へ導入する最終再加圧工程、
を含む一連の吸着サイクル工程を順に受けることができる。最小床圧力は、0.25atmaと1.0atmaの間にあることができ、また、0.45atmaと0.8atmaの間にあることができる。酸素富化生成物気体の圧力は、1.2atmaと1.6atmaの間にあることができる。酸素富化生成物気体は、0.5〜3.0リットル/分(23℃及び1atmaの圧力で定義される)の範囲内の流量で提供することができる。
【0017】
本発明の別の態様は、酸素に富む生成物気体を製造するための方法であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、空気からの窒素の吸着について選択性の吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着ユニットを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含み、排気工程における最小圧力が0.35atmaと1.00atmaの間にあることができる方法を対象とする。
【0018】
本発明のもう1つの態様は、携帯式圧力/真空スイング吸着酸素濃縮器システムの設計のための方法であって、
(a)生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力、圧力/真空スイング吸着プロセスサイクル、吸着容器数、吸着容器内に収容される吸着剤、気体ポンプのタイプ、駆動モータに電力を供給するための再生可能電源のタイプ、及び最大及び最小の実用充填量の間の再生可能電源の運転時間を少なくとも含む設計パラメータを決めること、
(b)大気圧より低い一連の最小床圧力を選択し、そして圧力/真空スイング吸着プロセスサイクルにおける最低の床圧力である各々の最小床圧力について、気体ポンプ、電源、及び吸着容器内に収容される吸着剤の必要重量を決定すること、
(c)最小床圧力の各々の値について(b)で決定した吸着剤、気体ポンプ及び電源の重量を加算して、吸着剤、気体ポンプ及び電源の合計重量を最小床圧力の関数として提供すること、及び
(d)吸着剤、気体ポンプ及び電源の最小の総重量の範囲に対応する最小床圧力の範囲を選択すること、
を含む設計方法に関する。該最小床圧力の範囲は、0.45atmaと0.8atmaの間にあることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の態様のための典型的な圧力/真空スイング吸着システムの概略フローダイヤグラムである。
【図2】本発明の第1の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図3】本発明の第2の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図4】本発明の第3の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図5】本発明の第4の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図6】本発明の第5の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図7】本発明の第6の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図8】本発明の第7の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図9】本発明の第8の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図10】本発明の第1の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図11】本発明の第2の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図12】本発明の第3の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図13】本発明の第4の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図14】本発明の第5の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図15】本発明の第6の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図16】本発明の第7の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図17】本発明の第8の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図18】例1〜16について吸着剤重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【図19】例1〜16について主気体ポンプ重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【図20】例1〜16についてバッテリー重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【図21】例1〜16について時間で標準化したバッテリー重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここに記載されている本発明の態様は、例えば携帯式でユーザーが持ち運ぶ医療用酸素濃縮器システムにおいて利用される、小型圧力/真空スイング吸着(PVSA)システムを設計するための方法とその重量を最適化するための方法を対象としている。本発明の態様の開発において、生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及び運転時間の任意の操作可能な組合せについてPVSAシステムのための最小の重量又は望ましい重量範囲を決定できるということが見いだされた。これは、選択されたプロセスパラメータの関数として各々の可変重量システム構成要素の重量を決定し、選択されたパラメータの様々な値におけるこれらの構成要素の重量を加算し、そして可変重量の選択されたパラメータに対する曲線を作り出すことによって達成できる。この曲線は一般に、望ましい最小重量又は最小重量範囲を選択されたプロセスパラメータの関数として示す。この選択されたプロセスパラメータは、PVSAサイクルにおける再生の間の最小床圧力であることができる。
【0021】
ここに記載されるPVSAプロセスにおいては、吸着床圧力は、下記で説明されるとおり各サイクル中に、大気圧を超える圧力と大気圧より低い圧力の間で変動する。これは、運転圧力範囲が大気圧より高い床圧力を含み、そして減圧段階の終りで大気圧に近づく床圧力を含むことができる、圧力スイング吸着(PSA)プロセスと異なっている。PSAプロセスでは大気圧より低い圧力は利用されない。
【0022】
本発明の態様に従って設計することができる典型的なPVSAのプロセス及びシステムを、例示を目的として図1に示す。大気1を、第1の又は原料空気コンプレッサ9によりフィルタ3、入り口消音器5、及び管路7を通して吸い込む。原料空気コンプレッサ9は、駆動モータ13及び第2の又は真空廃気コンプレッサ15をも含む主気体ポンプ11の一部である。1.15〜1.80atmaの加圧原料空気がコンプレッサから排出され、空気供給管路17を通って回転式バルブアセンブリ19へと流れ、このバルブアセンブリは、吸着床供給管路21、23、25、27及び29、吸着床生成物管路31、33、35、37及び39、空気供給管路17、生成物管路51、及び廃気管路53に通じている。この典型的PVSAシステムでは、5つの吸着床41、43、45、47及び49が使用されるが、任意の数の複数の床を使用することができる。必要に応じ、任意の生成物気体貯蔵タンク(図示せず)を使用してもよい。生成物気体をユーザーへ送給するため、生成物管路51にカニューラ(図示せず)を接続してもよい。
【0023】
各々の吸着床は、空気から水、二酸化炭素及び窒素を吸着するのに選択性をもつ吸着剤を収容している。この吸着剤は、リチウム、カルシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム及び銀からなる群から選択された1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトXからなる群から選択することができる。ゼオライトXは、約1〜約1.25のケイ素対アルミニウム比を有することができる。吸着剤は、結合剤物質を用いて又は結合剤物質なしで(バインダレスとしても知られている)、ビーズ、押出物又はその他の当該技術分野において既知の形状に成形することができる。吸着剤は一般的に、窒素よりも水及び二酸化炭素を強く吸着し、従って吸着装置の原料空気入口に隣接する最初の吸着剤は、水及び二酸化炭素を優先的に除去する。この最初の吸着剤領域からの二酸化炭素を含まない乾燥した空気は、次に吸着装置内の残りの吸着剤へ進み、ここで窒素が選択的に吸着されて酸素富化生成物気体をもたらす。原料空気入口に隣接する最初の吸着剤はかくして、窒素除去に先立ち水及び二酸化炭素を除去することによる前処理を行う。
【0024】
随意に、各々の吸着床は、空気から水及び二酸化炭素を吸着するのに選択性をもつ前処理吸着剤を含有することもでき、この吸着剤は、(1)活性アルミナ、及び(2)リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択された1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトX、からなる群から選択することができる。一般的には、水選択性吸着剤(使用されている場合)は、吸着床の供給端部に隣接して位置する層を形成することになり、吸着床内の吸着剤全体の10〜40%を構成することができる。このオプションでは、床の残りは上述の吸着剤を含有し、そして前処理吸着剤層からの水及び二酸炭素を含まない空気から窒素を選択的に吸着する。
【0025】
真空廃気コンプレッサ15は、一般的には大気圧より低い圧力で、管路53を通して酸素欠乏PVSA廃気を抜き出し、管路57及び消音器57を介して大気に気体を放出する。駆動モータ13のための電力は、当該技術分野において既知の任意のタイプの充電式バッテリーでよい充電式電源59により提供される。あるいはまた、充電式電源は、燃料電池及び携帯式燃料貯蔵手段を含む携帯式燃料電池システムでもよい。燃料は、水素又はメタノールでよい。
【0026】
原料空気コンプレッサ9及び真空廃気コンプレッサ15は、当該技術分野において既知の任意のタイプのコンプレッサでよく、スクロール、ダイヤフラム、ピストン及びロータリーベーンコンプレッサから選択することができる。原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサは、単一の駆動モータにより直列式に駆動してもよく、共通の駆動軸により駆動してもよい。スクロールコンプレッサは、ここに記載した空気分離装置とともに使用するのに適切である。原料空気コンプレッサ9及び真空廃気コンプレッサ15を、単一の組合せ型スクロールタイプの主気体ポンプで組合せてもよい。
【0027】
回転バルブアセンブリ19は、特定のPVSAサイクル及び特定数の吸着床のために設計される。このアセンブリは、それぞれ吸着床41、43、45、47及び49の供給端部に取付けられた管路21、23、25、27及び29に接続された第1の回転バルブを含む。第1の回転バルブは、空気供給管路17及び廃気管路53にも接続されている。この第1の回転バルブは、下記で説明するとおりの予め定められたプロセスサイクル工程に従って吸着床の供給端部、空気供給管路及び廃気管路のいずれかの間の適切な流通を可能にする。第2の回転バルブが、それぞれ吸着床の生成物端部に取付けられている管路31、33、35、37及び39に接続されており、そしてまた生成物管路51にも接続されている。この第2の回転バルブは、下記で説明するとおりの予め定められたプロセスサイクル工程に従って吸着床の生成物端部及び生成物管路のいずれかの間の適切な流通を可能にする。2つの回転バルブは、単一の駆動モータにより動作させることができ、そして同じ回転速度で回転することができる。このタイプの回転バルブは、例えば、2002年11月15日付けで提出された通し番号10/295144号の同時係属米国特許出願明細書に記載されている。この特許出願明細書は参照によりここに組み入れられる。
【0028】
図1のPVSAシステムの運転は、表1に要約されている典型的PVSAサイクルにより説明することができる。
【0029】
【表1】
【0030】
工程1の初期部分、すなわち給気工程の間には、生成物気体が床から流出する前の短かい供給物加圧期間が存在してもよい。工程6の評価の間に、この工程中の最低の圧力として定義される最小床圧力に到達する。この典型的な10秒サイクルの所要時間、又はこのサイクル中の任意の工程の所要時間は、様々なプロセス又は生成物の必要条件を満たすのに必要とされるとおりに変更することができる。
【0031】
5つの吸着床の間のサイクル工程の関係を示すサイクルチャートを表2に提示しており、ここでは各々の床は表1の工程1〜10を順に進んでゆく。
【0032】
【表2】
【0033】
表1及び2を図1とともに使用することにより、当業者はこの典型的PVSAプロセスサイクルを理解することができる。この特定のサイクルを必要に応じて変更してもよく、その他のタイプのPVSAサイクルを適宜使用してもよい。
【0034】
上述の5床のPVSAシステム及びサイクルの別態様として、4床のシステム及びサイクルを使用してもよい。この4床システムは、図1のシステムの改造版であり、吸着床49、吸着床供給管路29及び吸着器生成物管路39が削除される。回転バルブ19は5床の代りに4床用に設計される。この別態様のサイクルでは、表1の5床サイクルでは加圧気体移送工程が2つであるのと比較して、そのような工程を1つだけ使用する。表3は、この4床サイクル工程を提示し、表4は、この4床サイクルのためのサイクルチャートを提示している(図1の床49はこの4床システムでは削除されていることに留意されたい)。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
完全に携帯式のユーザーが持ち運びする酸素濃縮器システムは、一般的に、図1の典型的PVSAシステムによって例示されているものに加えて、いくつかの構成要素を含む。これらの付加的な構成要素は、例えば、次に挙げるもの、すなわち、電気的配線及び制御システム、構造用の構成要素、ケース又はハウジング、ハウジングの外側に取付けられたユーザー表示/制御パネル、コンサーバ、生成物タンク、及び例えばハンドル、キャリングストラップ又は双対のショルダーストラップといったような、ユーザーが濃縮器ユニットを持ち運ぶための手段、のうちのいずれかを含むことができる。従って、携帯式のユーザーが持ち運びする酸素濃縮器システムの合計重量は、(a)先に説明した可変重量の構成要素(すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリー)と(b)直ぐ上で説明した付加的構成要素の総重量である。
【0038】
4床又は5床を用いる上述のもののような携帯式でユーザが持ち運びする酸素濃縮器システムは、例えば、最高3リットル/分の連続酸素生成物流量、容易に持ち運ばれる重量、そして1回の電源充電で少なくとも1〜2時間の作動時間、といったような望ましい基準を満たすように設計することができる。これらの基準を満たすシステムは、歩行可能な患者にとってより高い自由度とより高い生活水準をもたらし、そして酸素濃縮器の供給業者にとって魅力的な製品提供となる。
【0039】
上述のPVSA酸素濃縮器システムの態様は、好ましくは、これらの基準を満たし、そして少なくとも85モル%の酸素純度の酸素富化生成物を患者に提供する。携帯式酸素濃縮器システムは、患者が容易に持ち運びすべきものであり、12ポンド未満、好ましくは10ポンド未満、最も好ましくは8ポンド未満の合計重量を有するべきである。酸素療法を必要とする患者は通常病気であることから、最小限のシステム重量が極めて重要である。前述したとおり、最小重量のためにこれらのシステムを設計することは、重要な工学的課題である。
【0040】
生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及びシステム運転時間が規定されている場合、酸素濃縮器システムの合計重量は、重量がPVSA運転条件に左右される一部の構成要素と重量がPVSA運転条件とは基本的に無関係なその他の構成要素からなる。このシナリオにおける可変重量の構成要素には、電源(例えばバッテリー)、吸着床内の吸着剤の重量、及び主気体ポンプすなわち原料空気コンプレッサと真空廃気コンプレッサの組合せの重量が含まれる。このシナリオにおけるその他の全ての構成要素の重量は、生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及びシステム運転時間の選択とは無関係である。かくして、酸素濃縮器システムの合計重量は、可変重量の構成要素の重量を最小限にするPVSA運転条件を選択することによって最小にすることができる。
【0041】
本発明の態様は、以下で説明するようにPVSA運転条件を最適化することにより、可変重量の構成要素の重量を最小限にするための方法を対象とする。固定重量の構成要素(すなわち重量がPVSAサイクル運転条件とは基本的に無関係である構成要素)の重量を減らすことは、材料、モータ設計、電気系統などを改良することによって可能であるが、これらは本発明の態様により対処されるものではない。
【0042】
吸着剤重量の必要条件は、所望の酸素生成物純度が達成されるように原料空気から窒素を除去するのに必要とされる吸着剤の重量により決定することができる。吸着剤重量の必要条件は、次の関係
【0043】
【数1】
【0044】
により決定でき、この式中のnadsは1分あたりに除去されるべき窒素のモル数であり、nは1回の床サイクル中に1つの吸着床内の吸着剤によって吸着される窒素モル数で表わした窒素実用容量であり、Bは供給物(原料)のために新しい吸着床を利用できる、床数/分単位での速度であり、PVSAサイクル時間により決定される。パラメータnadsは次式
【0045】
【数2】
【0046】
により決定することができ、この式中のQpはモル/分単位の生成物流量であり、yO2,pは酸素百分率単位の生成物純度であり、yN2,fは百分率単位の原料中の窒素濃度であり、θO2は百分率単位の酸素回収率(すなわち、生成物気体中に存在する原料気体中の酸素の百分率)であり、yO2,fは百分率単位の供給原料中の酸素濃度である。吸着剤の窒素実用容量は、吸着剤が暴露される圧力包絡線に左右される。吸着剤の実用容量を決定するための好ましい方法は、二部位ラングミュアモデル(dual site Langmuir
model)を適用してパラメータを決定することができる複数の温度での酸素及び窒素純粋成分等温線を測定することであり(Myers, A.L., Activity
Coefficients of Mixtures Adsorbed on Heterogeneous Surfaces, AlChE J. 1983(29),
691参照)、
【0047】
【数3】
【0048】
この式のM1、b、M2及びdはフィットパラメータであり、pは圧力である。次にこのラングミュアモデルを使用して、多成分吸着モデル、すなわち理想吸着溶液理論(IAST)(Myers, A.L. and Prausnitz, J.M., Thermodynamics of Mixed Gas Adsorption, AlChE
J. 1915(1), 11参照)又はより好ましくは不均質理想吸着溶液理論(HIAST)(Mathias P.M. et al, Correlation of
Multicomponent Gas Adsorption by the Dual−Site Langmuir Model. Application to Nitrogen/Oxygen Adsorption on 5A Zeolite,
Ind. & Eng. Chem Res. 1996(35), 7参照)により実用容量を決定する。
【0049】
主気体ポンプの重量(すなわち、原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサの総重量)Wpは、サイクルの給気工程中に規定圧力で気体を提供するための2つのコンプレッサの必要条件及び該サイクルの真空及びパージ工程中の所要流量に基づいて決定することができる。主気体ポンプの重量は、コンプレッサの幾何形状に基づいて変わり、例えば、スクロールコンプレッサ中のインボリュートのサイズは気体圧縮比に基づいて変動する。主気体ポンプの重量には、主気体ポンプに電力供給しここでの分析のためには一定の重量とみなされる電動モータは含まれず、該モータは必要とされる原料気体及び廃気の圧縮負荷に応じて様々な速度で運転することができる。主気体ポンプの重量は、ここでの分析については、酸素生成速度に比例するように決定される。この場合バッテリーである充電式電源の重量は、PVSAサイクルの所要時間全体にわたる必要条件に対してエネルギー放出の関係を適用することによって最適化することができる。酸素発生器のその他の構成要素(アラーム、バルブモータなど)に対しバッテリーにより供給される電力は、約5Wであることができる。原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサを運転するためのバッテリーからの必要電力は、PVSAサイクル中に使用される圧力に基づいて圧縮の断熱動力により直接決定することができる。断熱動力は、次の式で与えられる。
【0050】
【数4】
【0051】
この式中、上点付きのmは質量流量であり、Rは気体定数、T1は入口気体の温度、p2は出口気体の圧力、p1はコンプレッサへの入口気体の圧力であり、kは定容熱容量に対する定圧熱容量の比であって、空気については1.4に等しい。圧縮モードで運転している場合、p2は空気供給圧力であり、p1は大気圧である。真空モードで運転している場合、p2は大気圧であり、p1は吸着剤床を出ていく廃気圧力である。
【0052】
バッテリー電力密度は、製造業者の仕様書から決定することができる。例えば最新のリチウムイオンバッテリーについては、エネルギー密度ρbattはlb/Whで示される。任意の所定の運転時間tr(時間単位)について、バッテリーの重量(ポンド単位)は、次の関係
【0053】
【数5】
【0054】
により表すことができる。この式中のηp及びηmは、それぞれコンプレッサと駆動モータの効率である。
【0055】
可変重量構成要素の全体重量は、サイクルの特性、具体的には運転圧力包絡線に対する各個々の構成要素の重量の関係から決定することができる。従って、可変重量構成要素の合計重量は、評価中の最小圧力pmin及び生成物圧力pprodの関数である。
【0056】
可変構成要素の望ましい重量は、まず最初に生成物流量、生成物圧力及び運転時間を選択することにより決定することができる。その後、合計重量関数を用いて、下記に示したように、3つの構成要素全ての総重量を単一の変数、すなわち最小床圧力の関数としてプロットすることができる。
【0057】
【数6】
【0058】
可変構成要素の望ましい重量は、まず最初に生成物流量、生成物圧力及び運転時間を選択することにより決定される。その後、合計重量関数を用いて、3つの構成要素全ての総重量を単一の変数、すなわち最小床圧力の関数としてプロットすることができる。一定の生産速度、生成物純度、生成物圧力及び運転時間での最小床圧力に対する可変重量構成要素の重量をプロットすることにより、思いも寄らぬことに、可変重量構成要素の最小重量又は所望最小重量範囲に対応する最小圧力又は所望最小圧力範囲が存在することが示される。
【実施例】
【0059】
以下の例は、この特徴を説明するが、本発明の態様をここに記載した特定の細目のいずれにも限定するものではない。各々の例は、(a)表1及び2に記載したPVSAサイクルを用いる図1の5床PVSAシステムと、(b)表3及び4に記載したサイクルを用いる4床PVSAシステムを使用して、様々な送給圧力、流量及び運転時間で、93モル%の酸素を含有する生成物を提供することに基づいている。吸着剤は、平均粒径が0.50mmであるビーズ形態の、ナトリウム及びリチウム交換された低シリカのX型ゼオライト(LSX)である。上記の窒素吸着式を用いて必要とされる吸着剤の重量を計算する際には、吸着剤容量の70%が窒素吸着のために利用される一方で吸着剤容量の残りの30%が水及び二酸化炭素の吸着に利用されるという事実を説明するため、70%という床利用率を使用した。
【0060】
主気体ポンプ11の駆動モータ13の効率は一般的に80%でよく、コンプレッサ9及び15の効率は一般的に70%でよい。システムは、充電式リチウムイオンバッテリー、例えばVartaが製造発売しこの製造メーカーの仕様によると12.46ポンド/kWhの一定エネルギー密度をもつものなど、により電力供給される。システムの合計重量は、一定重量の構成要素(ハウジング、管材料、電気配線など)の重量と吸着剤、主気体ポンプ(すなわち原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサ)及びバッテリーの可変重量の合計である。
【0061】
(例1)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて1時間の連続運転時間の間1.6atmの生成物圧力で93モル%の酸素を3リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシュミレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図2に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで3.6ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、3.6〜3.8ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.4〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.7ポンドの下限値と1.4ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.9ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.2ポンドの上限値の間にある。
【0062】
(例2)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例1を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図3に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで2.8ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.8〜3.0ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.5〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.7ポンドの下限値と1.3ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0063】
(例3)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて2時間の連続運転時間の間1.4atmの生成物圧力で93モル%の酸素を3リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシミュレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図4に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで2.9ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.9〜3.1ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.2ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.3ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0064】
(例4)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例3を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.40atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図5に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.8atmaで2.3ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.3〜2.5ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.7ポンドであり、バッテリーの重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0065】
(例5)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて3時間の連続運転時間の間1.2atmの生成物圧力で93モル%の酸素を1リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシミュレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図6に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで1.5ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、1.5〜1.6ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜0.8atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.7ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にある。
【0066】
(例6)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例5を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.40atmaと1.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図7に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで1.3ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、1.2〜1.3ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜約0.8atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.4ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にある。
【0067】
(例7)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて3時間の連続運転時間の間1.6atmの生成物圧力で93モル%の酸素を3リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシミュレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.5atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図8に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.9atmaで4.8ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、4.8〜5.0ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.8〜1.1atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.0ポンドの下限値と1.8ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.9ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.1ポンドの上限値の間にある。
【0068】
(例8)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例7を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.37atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図9に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.9atmaで4.0ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、4.0〜4.2ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.8〜約1.0atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.1ポンドの下限値と1.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.0ポンドの上限値の間にある。
【0069】
(例9)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転する4床システムであったことを除いて、例1を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図10に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで3.2ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、3.2〜3.4ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.5〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.3ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.6ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.2ポンドの上限値の間にある。
【0070】
(例10)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例2を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図11に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで2.7ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.7〜2.9ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.5〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.7ポンドの下限値と1.3ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.0ポンドの上限値の間にある。
【0071】
(例11)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例3を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図12に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.8atmaで2.6ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.6〜2.8ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0072】
(例12)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例4を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、なわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図13に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.8atmaで2.3ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.3〜2.4ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.7ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.0ポンドの上限値の間にある。
【0073】
(例13)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例5を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図14に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで1.4ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、1.4〜1.5ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.6ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.5ポンドの上限値の間にある。
【0074】
(例14)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例6を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図15に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜0.8atmaの最小床圧力の範囲内で1.2ポンドの最小合計可変重量を示す。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.4ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.5ポンドの上限値の間にある。
【0075】
(例15)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例7を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.5atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図16に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、1.0atmaよりもわずかに低いところで4.4ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、4.4〜4.6ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.8〜1.1atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.0ポンドの下限値と1.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.6ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.0ポンドの上限値の間にある。
【0076】
(例16)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例8を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.37atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図17に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、1.0atmaよりわずかに低いところで3.9ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、3.9〜4.1の望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.8〜1.0atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.0ポンドの下限値と1.5ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.0ポンドの上限値の間にある。
【0077】
(例17)
図1のPVSAシステムを、1〜3リットル/分の生成物流量、1.2atmaと1.6atmaの間の生成物送給圧力及び1時間と3時間の間の運転時間について、表1及び2に記載したサイクルを用いてシミュレートした。同様に図1のPVSAシステムを、同じ生成物流量、生成物送給圧力及び運転時間について、表3及び4に記載したサイクルを用いてシミュレートした。これらのシミュレーションについては、充電式バッテリーは、最大と最小の実用充電量の間の作動運転時間中に0.02kWhと0.17kWhの間の電力を提供する。サイクル中における各吸着床の吸着剤の合計実用容量は、窒素1.2×10-4ポンドモルと6.7×10-4ポンドモルの間である。原料空気コンプレッサ(第1のコンプレッサ)は、給気工程の間、1.14×10-4ポンドモルと4.01×10-4ポンドモルの間の加圧原料空気を移動させ、廃気コンプレッサ(第2のコンプレッサ)は、減圧工程及び排気工程の間、3.47×10-4ポンドモルと9.96×10-4ポンドモルの廃気を移動させる。
【0078】
例1〜16から得られた結果の要約を表5に提示する。これらの結果を、吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量についての望ましい運転範囲を生成物流量の関数として決定するのに利用した。これは、生成物流量の関数として例1〜16で決定された可変重量構成要素の各々について最小床圧力の上限値及び下限値に対応する上限及び下限重量の値をプロットすることによって行った。次に、重量対生成物流量の関係で表わした望ましい運転領域を画定するための線形の境界を、最小重量の全ての上限値と下限値がこの最適な運転領域内に含まれるように、各構成要素について作図した。更に、バッテリーの最小重量の範囲を単位運転時間に対して標準化し、生成物流量の関数としてプロットして、この標準化した変数に関して最適な運転領域を決定した。これらの例に基づいて、最小床圧力は一般的に、0.25atmaと1.0atmaの間に収まり、0.45〜0.8atmaの範囲内にあることができる。
【0079】
【表5】
【0080】
結果として得られた、個々の可変重量構成要素についてのプロット及び望ましい運転領域を、図18、19、20及び21に示す。図18は、(a)原点及び3リットル/分の生成物流量についての吸着剤重量範囲の下限重量を通って引かれた下限の線と、(b)原点及び1リットル/分の生成物流量についての吸着剤重量範囲の上限重量を通って引かれた上限の線を境界とする望ましい運転領域を図示している。かくして、1、2及び3リットル/分の生成物流量についての吸着剤の上限及び下限重量は全て、図18の上限及び下限の線により表される望ましい運転領域内に入る。
【0081】
図19は、主気体ポンプの重量の望ましい範囲が、それぞれ上限の線と下限の線を規定するスクロールタイプ及びダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサと廃気コンプレッサの重量の間にあり且つこれらの重量を含むことを示している。
【0082】
図20は、原点と、3リットル/分の生成物流量における上記の例の上限及び下限のバッテリー重量を通って引かれた上限及び下限の線を境界とする望ましい運転領域を図示している。かくして、1、2及び3リットル/分の生成物流量についての可変重量のバッテリーの上限及び下限重量は全て、上限及び下限の線により表される望ましい運転領域内に入る。
【0083】
図21は、(a)原点及び1ポンド/分の生成物流量における上記の例に対応する時間で標準化されたバッテリー重量範囲の下限の値を通って引かれた下限の線と、(b)原点及び3ポンド/分の生成物流量における上記の例に対応する時間で標準化されたバッテリー重量範囲の上限値を通って引かれた上限の線を境界とする、望ましい運転領域を図示している。かくして、1、2及び3リットル/分の生成物流量についての時間で標準化されたバッテリー重量の上限及び下限値は全て、図21の上限及び下限の線により表される望ましい運転領域内に入る。
【0084】
上述の最適化方法は、かくして、1〜3時間の連続した運転時間の間に1.2〜1.6atmaの生成物圧力範囲内で93モル%の酸素を1〜3リットル/分の速度で生産するための4床及び5床PVSAシステムの運転を網羅する。個々の構成要素についての対応する最適な重量範囲は、最小床圧力の望ましい運転範囲について分析的に決定された。更に、個々の可変重量構成要素について重量対生成物流量の関係に関して、望ましい運転領域が分析的に決定された。同様に、組合せた可変重量の合計重量について重量対生成物流量に関し、望ましい運転領域が分析的に決定された。これらを以下に要約する。
【0085】
上述の及び図18、19、20、21で例示された上述の望ましい運転領域は、個々の可変重量構成要素について次のように表わすことができる。
(a)吸着剤の重量Waについて、
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
(b)主気体ポンプの重量Wpについて、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
(c)バッテリーの重量Wbについて、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
(d)時間で標準化したベースでのバッテリー重量について、
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr。
これらの式中、Fpは、1分あたりのリットル数で表わした(23℃、1atmaでの)生成物流量であり、重量はポンド単位、時間trは時間単位である。上述のPVSAシステムの所要の動作特性は、上述の式のうちのいずれかにより特徴づけることができる。
【0086】
上記の(a)、(b)及び(c)の式を組合せることにより、合計の可変重量Wtを次のように表わすことができる。
0.75Fp<Wt<2.02Fp
この式のWtはポンド単位である。かくして、1リットル/分の93モル%酸素を発生させるように設計されたPVSAシステムの可変重量の構成要素の総重量は、0.75ポンドと2.02ポンドの間にあることができ、また、3リットル/分の93モル%酸素を発生させるために設計されたシステムは2.25ポンドと6.06ポンドの間にあることができる。この式を3リットル/分を上回る、及び1リットル/分を下回る生成物流量まで拡張して、PVSAシステムの構成要素の合計可変重量を決定してもよい。例えば、この式を使用して、0.5リットル/分と5リットル/分の間の合計可変重量を決定してもよく、この重量は、0.5リットル/分のシステムについては0.375ポンドと1.01ポンドの間、そして5リットル/分のシステムについては3.75ポンドと10.1ポンドの間の範囲となる。
【符号の説明】
【0087】
1 大気
3 フィルタ
5 入り口消音器
9 原料空気コンプレッサ
11 主気体ポンプ
13 駆動モータ
15 真空廃気コンプレッサ
19 回転式バルブアセンブリ
41、43、45、47、49 吸着床
【背景技術】
【0001】
家庭内及びその他の住宅環境内における患者への治療用酸素の供給は、医療産業において重要な成長市場である。この市場の一部には、携帯式酸素濃縮器、特に連続的な酸素療法を必要とする患者が容易に持ち運びできるユニットの開発と商品化が含まれている。携帯式で持ち運びの簡単な酸素供給は、適切な気化又は圧力調節システムと気体送給カニューレを用いて貯蔵された液体又は圧縮酸素により行うことができる。それとは別に且つ好ましくは、酸素は、所望の純度、流量及び圧力で気体酸素を供給する、患者が持ち運ぶ小型空気分離装置によって供給してもよい。この装置を動作させるための電力は、充電式の電源、標準的には充電式バッテリーによって提供できる。小型空気分離装置は、圧力スイング吸着(PSA)法を用いた吸着ベースのシステムであることができる。
【0002】
呼吸酸素使用量は、一般に、酸素所要量が中程度の歩行可能患者については最高5リットル/分(23℃、1atmaの圧力での毎分のリットル数)までの範囲にある。この製品範囲内の持ち運びが簡単な充電式の携帯用酸素濃縮器の設計は、生成物気体流量、重量及び電源寿命又は運転時間(すなわち充電と充電との間の動作時間)を適切にバランスさせるべきである。このバランスは、数多くの動作及び設計パラメータの適正な選択を必要とし、技術設計者にとって大きな課題を提示するものである。例えば小型の吸着式空気分離ユニットにおいては、設計パラメータには、生成物純度、生成物送給圧力、プロセスサイクルのタイプ、プロセスサイクル圧力包絡線、吸着剤、吸着剤床の数と寸法、気体ポンプのタイプ、電源のタイプ、気体流量制御方法、電気制御システム及び製作材料を含めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
当該技術分野においては、最小限のシステム重量で所要の気体供給速度と運転時間を提供する携帯式の吸着ベースの酸素発生システムを設計するための方法が必要とされている。この必要性は、これらのシステムのための適切なプロセス及び機械的パラメータを規定する一方で設計者がこれらの必要条件のバランスをとることができるようにする最適化方法によって満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
小型で簡単に持ち運びできる吸着ベースの酸素濃縮器の最適化された設計の必要性は、本発明の様々な態様により満たされる。ここで詳細に説明するように、生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及び運転時間の任意の実施可能な組合せについて、1つの吸着ベースのシステムのための最小重量範囲を決定することができるということが見いだされた。これは、選択されたプロセスパラメータの関数として各々の可変重量システムの構成要素の重量を決定し、選択されたパラメータの様々な値でこれらの構成要素の重量を加算し、そして可変重量と選択されたパラメータの関係を表わす曲線を作ることによって達成することができる。この曲線は、一般には、選択されたプロセスパラメータの好ましい範囲内で最小重量を示す。選択されたプロセスパラメータは、プロセスサイクルの間の最小床圧力である。
【0005】
本発明の1つの態様は、酸素に富む気体を製造するための装置であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ(mover)、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbによって特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含む装置であり、
吸着剤、主気体ポンプ及び充電式電源の総重量Wtが、式
0.75Fp<Wt<2.02Fp
で特徴づけすることができ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、Wa、Wp及びWbはポンド単位である、装置に関する。
【0006】
バッテリーは、最大及び最小の実用充電量の間の時間単位で表した作動運転時間trにより特徴づけることができ、そして装置は、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のいずれかにより更に特徴づけることができる。
【0007】
複数の吸着床は、4つ以上の床を含むことができ、また4つの床からなることができる。
【0008】
第1及び第2のコンプレッサの各々は、スクロール、ダイヤフラム、ピストン及びロータリーベーンコンプレッサからなる群から選択することができる。第1及び第2のコンプレッサは、スクロールタイプのコンプレッサであることができる。該装置は更にコンサーバを含んでもよい。
【0009】
該装置は、12ポンド未満の合計重量を有することができ、10ポンド未満の合計重量を有してもよく、8ポンド未満の合計重量を有してもよい。
【0010】
吸着剤は、リチウム、カルシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム及び銀からなる群から選択される1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトXからなる群から選択することができる。吸着床は更に、空気からの水及び二酸化炭素の吸着について選択性のある付加的な吸着剤を更に含んでもよく、該付加的な吸着剤は、(1)活性アルミナ、及び(2)リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択された1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトX、からなる群から選択される。
【0011】
充電式電源は、バッテリーでよい。あるいはまた、充電式電源は燃料電池でよい。
【0012】
該装置は更に、主気体ポンプ、駆動モータ、充電式電源及び圧力/真空スイング吸着システムをとり囲む外部ケースと、該ケースの外側に取付けられたユーザー表示/制御パネルを含むことができる。この装置は、12ポンド未満の合計重量を有することができ、10ポンド未満の合計重量を有してもよく、8ポンド未満の合計重量を有してもよい。
【0013】
酸素に富む気体を製造するための装置は、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbと、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間trにより特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含むことができ、該装置は、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のうちのいずれかにより特徴づけることができ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、trは時間単位であり、そしてWa、Wp及びWbはポンド単位である。
【0014】
該装置は更に、電気配線及び制御システム、ケース又はハウジング、及びハウジングの外側に取り付けられたユーザー表示/制御パネルを含めた付加的要素であって、酸素発生装置と該付加的要素が一緒になって携帯式酸素濃縮器を形成するものと、該携帯式濃縮器ユニットをユーザーが持ち運ぶための手段を含むことができる。
【0015】
本発明のもう1つの態様は、酸素に富む生成物の気体を製造するための方法であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着システムを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含む方法であって、次の運転パラメーター、すなわち、
(1)充電式バッテリーが、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間中、0.02kWhと0.17kWhの間の電力を提供すること、
(2)吸着サイクル中の各々の吸着床内の吸着剤の合計実用容量が窒素1.2×10-4ポンドモルと6.7×10-4ポンドモルの間であること、
(3)第1のコンプレッサが給気/生成物提供工程中に1.14×10-4ポンドモルと4.01×10-4ポンドモルの間の加圧原料空気を移動させること、及び
(4)第2のコンプレッサが減圧工程及び排気工程中に3.47×10-4ポンドモルと9.96×10-4ポンドモルの廃気を移動させること、
のいずれかを特徴とすることができる、酸素に富む生成物の気体を製造するための方法に関する。
【0016】
圧力/真空スイング吸着システムは、4つの吸着床を有することができ、該吸着床の各々は、
(A)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造工程、
(B)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造/再加圧工程であって、その最終の再加圧工程を受けている別の床を加圧するために該生成物気体の一部分を使用する給気/生成物製造/再加圧工程、
(C)気体を抜き出すことにより床を減圧させ、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分を再加圧工程を受けている別の床に移す減圧工程、
(D)気体を抜き出すことにより床を更に減圧するパージ準備工程であり、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分をパージ工程を受けている別の床へ移すパージ準備工程、
(E)床が大気圧未満の最低床圧力に達するまで床の給気端部から気体を抜き出す排気工程、
(F)床の生成物端部へパージ気体を導入しながら床を排気し続けることにより床をパージし、当該パージ気体を工程(D)を受けている別の床から提供するパージ工程、
(G)床の生成物端部へ加圧気体を導入し、該加圧気体は工程(C)を受けている別の床から提供する再加圧工程、及び
(H)別の床からの生成物気体を床の生成物端部へ導入する最終再加圧工程、
を含む一連の吸着サイクル工程を順に受けることができる。最小床圧力は、0.25atmaと1.0atmaの間にあることができ、また、0.45atmaと0.8atmaの間にあることができる。酸素富化生成物気体の圧力は、1.2atmaと1.6atmaの間にあることができる。酸素富化生成物気体は、0.5〜3.0リットル/分(23℃及び1atmaの圧力で定義される)の範囲内の流量で提供することができる。
【0017】
本発明の別の態様は、酸素に富む生成物気体を製造するための方法であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、空気からの窒素の吸着について選択性の吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着ユニットを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含み、排気工程における最小圧力が0.35atmaと1.00atmaの間にあることができる方法を対象とする。
【0018】
本発明のもう1つの態様は、携帯式圧力/真空スイング吸着酸素濃縮器システムの設計のための方法であって、
(a)生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力、圧力/真空スイング吸着プロセスサイクル、吸着容器数、吸着容器内に収容される吸着剤、気体ポンプのタイプ、駆動モータに電力を供給するための再生可能電源のタイプ、及び最大及び最小の実用充填量の間の再生可能電源の運転時間を少なくとも含む設計パラメータを決めること、
(b)大気圧より低い一連の最小床圧力を選択し、そして圧力/真空スイング吸着プロセスサイクルにおける最低の床圧力である各々の最小床圧力について、気体ポンプ、電源、及び吸着容器内に収容される吸着剤の必要重量を決定すること、
(c)最小床圧力の各々の値について(b)で決定した吸着剤、気体ポンプ及び電源の重量を加算して、吸着剤、気体ポンプ及び電源の合計重量を最小床圧力の関数として提供すること、及び
(d)吸着剤、気体ポンプ及び電源の最小の総重量の範囲に対応する最小床圧力の範囲を選択すること、
を含む設計方法に関する。該最小床圧力の範囲は、0.45atmaと0.8atmaの間にあることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の態様のための典型的な圧力/真空スイング吸着システムの概略フローダイヤグラムである。
【図2】本発明の第1の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図3】本発明の第2の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図4】本発明の第3の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図5】本発明の第4の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図6】本発明の第5の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図7】本発明の第6の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図8】本発明の第7の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図9】本発明の第8の態様を説明する5床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図10】本発明の第1の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図11】本発明の第2の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図12】本発明の第3の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図13】本発明の第4の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図14】本発明の第5の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図15】本発明の第6の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図16】本発明の第7の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図17】本発明の第8の別態様を説明する4床PVSAシステムについて個々の構成要素の可変重量及び構成要素の合計可変重量を最小床圧力に対しプロットしたものである。
【図18】例1〜16について吸着剤重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【図19】例1〜16について主気体ポンプ重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【図20】例1〜16についてバッテリー重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【図21】例1〜16について時間で標準化したバッテリー重量を生成物流量に対しプロットしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここに記載されている本発明の態様は、例えば携帯式でユーザーが持ち運ぶ医療用酸素濃縮器システムにおいて利用される、小型圧力/真空スイング吸着(PVSA)システムを設計するための方法とその重量を最適化するための方法を対象としている。本発明の態様の開発において、生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及び運転時間の任意の操作可能な組合せについてPVSAシステムのための最小の重量又は望ましい重量範囲を決定できるということが見いだされた。これは、選択されたプロセスパラメータの関数として各々の可変重量システム構成要素の重量を決定し、選択されたパラメータの様々な値におけるこれらの構成要素の重量を加算し、そして可変重量の選択されたパラメータに対する曲線を作り出すことによって達成できる。この曲線は一般に、望ましい最小重量又は最小重量範囲を選択されたプロセスパラメータの関数として示す。この選択されたプロセスパラメータは、PVSAサイクルにおける再生の間の最小床圧力であることができる。
【0021】
ここに記載されるPVSAプロセスにおいては、吸着床圧力は、下記で説明されるとおり各サイクル中に、大気圧を超える圧力と大気圧より低い圧力の間で変動する。これは、運転圧力範囲が大気圧より高い床圧力を含み、そして減圧段階の終りで大気圧に近づく床圧力を含むことができる、圧力スイング吸着(PSA)プロセスと異なっている。PSAプロセスでは大気圧より低い圧力は利用されない。
【0022】
本発明の態様に従って設計することができる典型的なPVSAのプロセス及びシステムを、例示を目的として図1に示す。大気1を、第1の又は原料空気コンプレッサ9によりフィルタ3、入り口消音器5、及び管路7を通して吸い込む。原料空気コンプレッサ9は、駆動モータ13及び第2の又は真空廃気コンプレッサ15をも含む主気体ポンプ11の一部である。1.15〜1.80atmaの加圧原料空気がコンプレッサから排出され、空気供給管路17を通って回転式バルブアセンブリ19へと流れ、このバルブアセンブリは、吸着床供給管路21、23、25、27及び29、吸着床生成物管路31、33、35、37及び39、空気供給管路17、生成物管路51、及び廃気管路53に通じている。この典型的PVSAシステムでは、5つの吸着床41、43、45、47及び49が使用されるが、任意の数の複数の床を使用することができる。必要に応じ、任意の生成物気体貯蔵タンク(図示せず)を使用してもよい。生成物気体をユーザーへ送給するため、生成物管路51にカニューラ(図示せず)を接続してもよい。
【0023】
各々の吸着床は、空気から水、二酸化炭素及び窒素を吸着するのに選択性をもつ吸着剤を収容している。この吸着剤は、リチウム、カルシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム及び銀からなる群から選択された1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトXからなる群から選択することができる。ゼオライトXは、約1〜約1.25のケイ素対アルミニウム比を有することができる。吸着剤は、結合剤物質を用いて又は結合剤物質なしで(バインダレスとしても知られている)、ビーズ、押出物又はその他の当該技術分野において既知の形状に成形することができる。吸着剤は一般的に、窒素よりも水及び二酸化炭素を強く吸着し、従って吸着装置の原料空気入口に隣接する最初の吸着剤は、水及び二酸化炭素を優先的に除去する。この最初の吸着剤領域からの二酸化炭素を含まない乾燥した空気は、次に吸着装置内の残りの吸着剤へ進み、ここで窒素が選択的に吸着されて酸素富化生成物気体をもたらす。原料空気入口に隣接する最初の吸着剤はかくして、窒素除去に先立ち水及び二酸化炭素を除去することによる前処理を行う。
【0024】
随意に、各々の吸着床は、空気から水及び二酸化炭素を吸着するのに選択性をもつ前処理吸着剤を含有することもでき、この吸着剤は、(1)活性アルミナ、及び(2)リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択された1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトX、からなる群から選択することができる。一般的には、水選択性吸着剤(使用されている場合)は、吸着床の供給端部に隣接して位置する層を形成することになり、吸着床内の吸着剤全体の10〜40%を構成することができる。このオプションでは、床の残りは上述の吸着剤を含有し、そして前処理吸着剤層からの水及び二酸炭素を含まない空気から窒素を選択的に吸着する。
【0025】
真空廃気コンプレッサ15は、一般的には大気圧より低い圧力で、管路53を通して酸素欠乏PVSA廃気を抜き出し、管路57及び消音器57を介して大気に気体を放出する。駆動モータ13のための電力は、当該技術分野において既知の任意のタイプの充電式バッテリーでよい充電式電源59により提供される。あるいはまた、充電式電源は、燃料電池及び携帯式燃料貯蔵手段を含む携帯式燃料電池システムでもよい。燃料は、水素又はメタノールでよい。
【0026】
原料空気コンプレッサ9及び真空廃気コンプレッサ15は、当該技術分野において既知の任意のタイプのコンプレッサでよく、スクロール、ダイヤフラム、ピストン及びロータリーベーンコンプレッサから選択することができる。原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサは、単一の駆動モータにより直列式に駆動してもよく、共通の駆動軸により駆動してもよい。スクロールコンプレッサは、ここに記載した空気分離装置とともに使用するのに適切である。原料空気コンプレッサ9及び真空廃気コンプレッサ15を、単一の組合せ型スクロールタイプの主気体ポンプで組合せてもよい。
【0027】
回転バルブアセンブリ19は、特定のPVSAサイクル及び特定数の吸着床のために設計される。このアセンブリは、それぞれ吸着床41、43、45、47及び49の供給端部に取付けられた管路21、23、25、27及び29に接続された第1の回転バルブを含む。第1の回転バルブは、空気供給管路17及び廃気管路53にも接続されている。この第1の回転バルブは、下記で説明するとおりの予め定められたプロセスサイクル工程に従って吸着床の供給端部、空気供給管路及び廃気管路のいずれかの間の適切な流通を可能にする。第2の回転バルブが、それぞれ吸着床の生成物端部に取付けられている管路31、33、35、37及び39に接続されており、そしてまた生成物管路51にも接続されている。この第2の回転バルブは、下記で説明するとおりの予め定められたプロセスサイクル工程に従って吸着床の生成物端部及び生成物管路のいずれかの間の適切な流通を可能にする。2つの回転バルブは、単一の駆動モータにより動作させることができ、そして同じ回転速度で回転することができる。このタイプの回転バルブは、例えば、2002年11月15日付けで提出された通し番号10/295144号の同時係属米国特許出願明細書に記載されている。この特許出願明細書は参照によりここに組み入れられる。
【0028】
図1のPVSAシステムの運転は、表1に要約されている典型的PVSAサイクルにより説明することができる。
【0029】
【表1】
【0030】
工程1の初期部分、すなわち給気工程の間には、生成物気体が床から流出する前の短かい供給物加圧期間が存在してもよい。工程6の評価の間に、この工程中の最低の圧力として定義される最小床圧力に到達する。この典型的な10秒サイクルの所要時間、又はこのサイクル中の任意の工程の所要時間は、様々なプロセス又は生成物の必要条件を満たすのに必要とされるとおりに変更することができる。
【0031】
5つの吸着床の間のサイクル工程の関係を示すサイクルチャートを表2に提示しており、ここでは各々の床は表1の工程1〜10を順に進んでゆく。
【0032】
【表2】
【0033】
表1及び2を図1とともに使用することにより、当業者はこの典型的PVSAプロセスサイクルを理解することができる。この特定のサイクルを必要に応じて変更してもよく、その他のタイプのPVSAサイクルを適宜使用してもよい。
【0034】
上述の5床のPVSAシステム及びサイクルの別態様として、4床のシステム及びサイクルを使用してもよい。この4床システムは、図1のシステムの改造版であり、吸着床49、吸着床供給管路29及び吸着器生成物管路39が削除される。回転バルブ19は5床の代りに4床用に設計される。この別態様のサイクルでは、表1の5床サイクルでは加圧気体移送工程が2つであるのと比較して、そのような工程を1つだけ使用する。表3は、この4床サイクル工程を提示し、表4は、この4床サイクルのためのサイクルチャートを提示している(図1の床49はこの4床システムでは削除されていることに留意されたい)。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
完全に携帯式のユーザーが持ち運びする酸素濃縮器システムは、一般的に、図1の典型的PVSAシステムによって例示されているものに加えて、いくつかの構成要素を含む。これらの付加的な構成要素は、例えば、次に挙げるもの、すなわち、電気的配線及び制御システム、構造用の構成要素、ケース又はハウジング、ハウジングの外側に取付けられたユーザー表示/制御パネル、コンサーバ、生成物タンク、及び例えばハンドル、キャリングストラップ又は双対のショルダーストラップといったような、ユーザーが濃縮器ユニットを持ち運ぶための手段、のうちのいずれかを含むことができる。従って、携帯式のユーザーが持ち運びする酸素濃縮器システムの合計重量は、(a)先に説明した可変重量の構成要素(すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリー)と(b)直ぐ上で説明した付加的構成要素の総重量である。
【0038】
4床又は5床を用いる上述のもののような携帯式でユーザが持ち運びする酸素濃縮器システムは、例えば、最高3リットル/分の連続酸素生成物流量、容易に持ち運ばれる重量、そして1回の電源充電で少なくとも1〜2時間の作動時間、といったような望ましい基準を満たすように設計することができる。これらの基準を満たすシステムは、歩行可能な患者にとってより高い自由度とより高い生活水準をもたらし、そして酸素濃縮器の供給業者にとって魅力的な製品提供となる。
【0039】
上述のPVSA酸素濃縮器システムの態様は、好ましくは、これらの基準を満たし、そして少なくとも85モル%の酸素純度の酸素富化生成物を患者に提供する。携帯式酸素濃縮器システムは、患者が容易に持ち運びすべきものであり、12ポンド未満、好ましくは10ポンド未満、最も好ましくは8ポンド未満の合計重量を有するべきである。酸素療法を必要とする患者は通常病気であることから、最小限のシステム重量が極めて重要である。前述したとおり、最小重量のためにこれらのシステムを設計することは、重要な工学的課題である。
【0040】
生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及びシステム運転時間が規定されている場合、酸素濃縮器システムの合計重量は、重量がPVSA運転条件に左右される一部の構成要素と重量がPVSA運転条件とは基本的に無関係なその他の構成要素からなる。このシナリオにおける可変重量の構成要素には、電源(例えばバッテリー)、吸着床内の吸着剤の重量、及び主気体ポンプすなわち原料空気コンプレッサと真空廃気コンプレッサの組合せの重量が含まれる。このシナリオにおけるその他の全ての構成要素の重量は、生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力及びシステム運転時間の選択とは無関係である。かくして、酸素濃縮器システムの合計重量は、可変重量の構成要素の重量を最小限にするPVSA運転条件を選択することによって最小にすることができる。
【0041】
本発明の態様は、以下で説明するようにPVSA運転条件を最適化することにより、可変重量の構成要素の重量を最小限にするための方法を対象とする。固定重量の構成要素(すなわち重量がPVSAサイクル運転条件とは基本的に無関係である構成要素)の重量を減らすことは、材料、モータ設計、電気系統などを改良することによって可能であるが、これらは本発明の態様により対処されるものではない。
【0042】
吸着剤重量の必要条件は、所望の酸素生成物純度が達成されるように原料空気から窒素を除去するのに必要とされる吸着剤の重量により決定することができる。吸着剤重量の必要条件は、次の関係
【0043】
【数1】
【0044】
により決定でき、この式中のnadsは1分あたりに除去されるべき窒素のモル数であり、nは1回の床サイクル中に1つの吸着床内の吸着剤によって吸着される窒素モル数で表わした窒素実用容量であり、Bは供給物(原料)のために新しい吸着床を利用できる、床数/分単位での速度であり、PVSAサイクル時間により決定される。パラメータnadsは次式
【0045】
【数2】
【0046】
により決定することができ、この式中のQpはモル/分単位の生成物流量であり、yO2,pは酸素百分率単位の生成物純度であり、yN2,fは百分率単位の原料中の窒素濃度であり、θO2は百分率単位の酸素回収率(すなわち、生成物気体中に存在する原料気体中の酸素の百分率)であり、yO2,fは百分率単位の供給原料中の酸素濃度である。吸着剤の窒素実用容量は、吸着剤が暴露される圧力包絡線に左右される。吸着剤の実用容量を決定するための好ましい方法は、二部位ラングミュアモデル(dual site Langmuir
model)を適用してパラメータを決定することができる複数の温度での酸素及び窒素純粋成分等温線を測定することであり(Myers, A.L., Activity
Coefficients of Mixtures Adsorbed on Heterogeneous Surfaces, AlChE J. 1983(29),
691参照)、
【0047】
【数3】
【0048】
この式のM1、b、M2及びdはフィットパラメータであり、pは圧力である。次にこのラングミュアモデルを使用して、多成分吸着モデル、すなわち理想吸着溶液理論(IAST)(Myers, A.L. and Prausnitz, J.M., Thermodynamics of Mixed Gas Adsorption, AlChE
J. 1915(1), 11参照)又はより好ましくは不均質理想吸着溶液理論(HIAST)(Mathias P.M. et al, Correlation of
Multicomponent Gas Adsorption by the Dual−Site Langmuir Model. Application to Nitrogen/Oxygen Adsorption on 5A Zeolite,
Ind. & Eng. Chem Res. 1996(35), 7参照)により実用容量を決定する。
【0049】
主気体ポンプの重量(すなわち、原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサの総重量)Wpは、サイクルの給気工程中に規定圧力で気体を提供するための2つのコンプレッサの必要条件及び該サイクルの真空及びパージ工程中の所要流量に基づいて決定することができる。主気体ポンプの重量は、コンプレッサの幾何形状に基づいて変わり、例えば、スクロールコンプレッサ中のインボリュートのサイズは気体圧縮比に基づいて変動する。主気体ポンプの重量には、主気体ポンプに電力供給しここでの分析のためには一定の重量とみなされる電動モータは含まれず、該モータは必要とされる原料気体及び廃気の圧縮負荷に応じて様々な速度で運転することができる。主気体ポンプの重量は、ここでの分析については、酸素生成速度に比例するように決定される。この場合バッテリーである充電式電源の重量は、PVSAサイクルの所要時間全体にわたる必要条件に対してエネルギー放出の関係を適用することによって最適化することができる。酸素発生器のその他の構成要素(アラーム、バルブモータなど)に対しバッテリーにより供給される電力は、約5Wであることができる。原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサを運転するためのバッテリーからの必要電力は、PVSAサイクル中に使用される圧力に基づいて圧縮の断熱動力により直接決定することができる。断熱動力は、次の式で与えられる。
【0050】
【数4】
【0051】
この式中、上点付きのmは質量流量であり、Rは気体定数、T1は入口気体の温度、p2は出口気体の圧力、p1はコンプレッサへの入口気体の圧力であり、kは定容熱容量に対する定圧熱容量の比であって、空気については1.4に等しい。圧縮モードで運転している場合、p2は空気供給圧力であり、p1は大気圧である。真空モードで運転している場合、p2は大気圧であり、p1は吸着剤床を出ていく廃気圧力である。
【0052】
バッテリー電力密度は、製造業者の仕様書から決定することができる。例えば最新のリチウムイオンバッテリーについては、エネルギー密度ρbattはlb/Whで示される。任意の所定の運転時間tr(時間単位)について、バッテリーの重量(ポンド単位)は、次の関係
【0053】
【数5】
【0054】
により表すことができる。この式中のηp及びηmは、それぞれコンプレッサと駆動モータの効率である。
【0055】
可変重量構成要素の全体重量は、サイクルの特性、具体的には運転圧力包絡線に対する各個々の構成要素の重量の関係から決定することができる。従って、可変重量構成要素の合計重量は、評価中の最小圧力pmin及び生成物圧力pprodの関数である。
【0056】
可変構成要素の望ましい重量は、まず最初に生成物流量、生成物圧力及び運転時間を選択することにより決定することができる。その後、合計重量関数を用いて、下記に示したように、3つの構成要素全ての総重量を単一の変数、すなわち最小床圧力の関数としてプロットすることができる。
【0057】
【数6】
【0058】
可変構成要素の望ましい重量は、まず最初に生成物流量、生成物圧力及び運転時間を選択することにより決定される。その後、合計重量関数を用いて、3つの構成要素全ての総重量を単一の変数、すなわち最小床圧力の関数としてプロットすることができる。一定の生産速度、生成物純度、生成物圧力及び運転時間での最小床圧力に対する可変重量構成要素の重量をプロットすることにより、思いも寄らぬことに、可変重量構成要素の最小重量又は所望最小重量範囲に対応する最小圧力又は所望最小圧力範囲が存在することが示される。
【実施例】
【0059】
以下の例は、この特徴を説明するが、本発明の態様をここに記載した特定の細目のいずれにも限定するものではない。各々の例は、(a)表1及び2に記載したPVSAサイクルを用いる図1の5床PVSAシステムと、(b)表3及び4に記載したサイクルを用いる4床PVSAシステムを使用して、様々な送給圧力、流量及び運転時間で、93モル%の酸素を含有する生成物を提供することに基づいている。吸着剤は、平均粒径が0.50mmであるビーズ形態の、ナトリウム及びリチウム交換された低シリカのX型ゼオライト(LSX)である。上記の窒素吸着式を用いて必要とされる吸着剤の重量を計算する際には、吸着剤容量の70%が窒素吸着のために利用される一方で吸着剤容量の残りの30%が水及び二酸化炭素の吸着に利用されるという事実を説明するため、70%という床利用率を使用した。
【0060】
主気体ポンプ11の駆動モータ13の効率は一般的に80%でよく、コンプレッサ9及び15の効率は一般的に70%でよい。システムは、充電式リチウムイオンバッテリー、例えばVartaが製造発売しこの製造メーカーの仕様によると12.46ポンド/kWhの一定エネルギー密度をもつものなど、により電力供給される。システムの合計重量は、一定重量の構成要素(ハウジング、管材料、電気配線など)の重量と吸着剤、主気体ポンプ(すなわち原料空気コンプレッサ及び真空廃気コンプレッサ)及びバッテリーの可変重量の合計である。
【0061】
(例1)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて1時間の連続運転時間の間1.6atmの生成物圧力で93モル%の酸素を3リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシュミレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図2に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで3.6ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、3.6〜3.8ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.4〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.7ポンドの下限値と1.4ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.9ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.2ポンドの上限値の間にある。
【0062】
(例2)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例1を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図3に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで2.8ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.8〜3.0ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.5〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.7ポンドの下限値と1.3ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0063】
(例3)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて2時間の連続運転時間の間1.4atmの生成物圧力で93モル%の酸素を3リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシミュレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図4に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで2.9ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.9〜3.1ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.2ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.3ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0064】
(例4)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例3を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.40atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図5に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.8atmaで2.3ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.3〜2.5ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.7ポンドであり、バッテリーの重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0065】
(例5)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて3時間の連続運転時間の間1.2atmの生成物圧力で93モル%の酸素を1リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシミュレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図6に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで1.5ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、1.5〜1.6ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜0.8atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.7ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にある。
【0066】
(例6)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例5を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.40atmaと1.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図7に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで1.3ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、1.2〜1.3ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜約0.8atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.4ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にある。
【0067】
(例7)
表1及び2のサイクルを用いて図1の5床システムについて3時間の連続運転時間の間1.6atmの生成物圧力で93モル%の酸素を3リットル/分発生させるように、PVSAシステムをシミュレートした。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.5atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図8に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.9atmaで4.8ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、4.8〜5.0ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.8〜1.1atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.0ポンドの下限値と1.8ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.9ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.1ポンドの上限値の間にある。
【0068】
(例8)
共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサからなる主気体ポンプを用いて、例7を反復した。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.37atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図9に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.9atmaで4.0ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、4.0〜4.2ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.8〜約1.0atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.1ポンドの下限値と1.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.0ポンドの上限値の間にある。
【0069】
(例9)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転する4床システムであったことを除いて、例1を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図10に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで3.2ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、3.2〜3.4ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.5〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.3ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.6ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.2ポンドの上限値の間にある。
【0070】
(例10)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例2を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図11に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.7atmaで2.7ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.7〜2.9ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.5〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.7ポンドの下限値と1.3ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.0ポンドの上限値の間にある。
【0071】
(例11)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例3を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと1.0atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図12に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、0.8atmaで2.6ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.6〜2.8ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にある。
【0072】
(例12)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例4を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、なわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図13に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.8atmaで2.3ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、2.3〜2.4ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜約0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.6ポンドの下限値と1.1ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.7ポンドであり、バッテリーの重量は0.5ポンドの下限値と1.0ポンドの上限値の間にある。
【0073】
(例13)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例5を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.35atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図14に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、約0.7atmaで1.4ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、1.4〜1.5ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である0.6〜0.9atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.6ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.5ポンドの上限値の間にある。
【0074】
(例14)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例6を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.4atmaと0.96atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図15に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.6〜0.8atmaの最小床圧力の範囲内で1.2ポンドの最小合計可変重量を示す。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は0.3ポンドの下限値と0.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は0.4ポンドであり、バッテリーの重量は0.3ポンドの下限値と0.5ポンドの上限値の間にある。
【0075】
(例15)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例7を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるスクロールタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.5atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図16に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、1.0atmaよりもわずかに低いところで4.4ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、4.4〜4.6ポンドの望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.8〜1.1atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.0ポンドの下限値と1.6ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.6ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.0ポンドの上限値の間にある。
【0076】
(例16)
PVSAシステムが表3及び4のサイクルに従って運転される4床システムであったことを除いて、例8を反復した。主気体ポンプは、共通のモータにより駆動されるダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサ及び廃気コンプレッサで構成されていた。各々の可変重量構成要素、すなわち吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量を、0.37atmaと1.06atmaの間の最小床圧力の値について前述の方法を用いて計算した。これらの重量を合計し、全てのデータを図17に示すとおりにプロットした。3つの個々の構成要素の重量は、最小床圧力の関数としての明らかな最小値を示さない。しかしながら、これらの重量を一緒にすると、最小床圧力に対する合計可変重量のプロットは、1.0atmaよりわずかに低いところで3.9ポンドの最小合計可変重量を示す。最小重量とそれより5%大きい重量の間の望ましい相対重量範囲を画定して、3.9〜4.1の望ましい合計可変重量範囲が得られた。これは、この例についての望ましいPVSA運転範囲である約0.8〜1.0atmaの最小床圧力の範囲に対応する。この望ましい圧力範囲内で、吸着剤の重量は1.0ポンドの下限値と1.5ポンドの上限値の間にあり、主気体ポンプの重量は1.1ポンドであり、バッテリーの重量は1.4ポンドの下限値と2.0ポンドの上限値の間にある。
【0077】
(例17)
図1のPVSAシステムを、1〜3リットル/分の生成物流量、1.2atmaと1.6atmaの間の生成物送給圧力及び1時間と3時間の間の運転時間について、表1及び2に記載したサイクルを用いてシミュレートした。同様に図1のPVSAシステムを、同じ生成物流量、生成物送給圧力及び運転時間について、表3及び4に記載したサイクルを用いてシミュレートした。これらのシミュレーションについては、充電式バッテリーは、最大と最小の実用充電量の間の作動運転時間中に0.02kWhと0.17kWhの間の電力を提供する。サイクル中における各吸着床の吸着剤の合計実用容量は、窒素1.2×10-4ポンドモルと6.7×10-4ポンドモルの間である。原料空気コンプレッサ(第1のコンプレッサ)は、給気工程の間、1.14×10-4ポンドモルと4.01×10-4ポンドモルの間の加圧原料空気を移動させ、廃気コンプレッサ(第2のコンプレッサ)は、減圧工程及び排気工程の間、3.47×10-4ポンドモルと9.96×10-4ポンドモルの廃気を移動させる。
【0078】
例1〜16から得られた結果の要約を表5に提示する。これらの結果を、吸着剤、主気体ポンプ及びバッテリーの重量についての望ましい運転範囲を生成物流量の関数として決定するのに利用した。これは、生成物流量の関数として例1〜16で決定された可変重量構成要素の各々について最小床圧力の上限値及び下限値に対応する上限及び下限重量の値をプロットすることによって行った。次に、重量対生成物流量の関係で表わした望ましい運転領域を画定するための線形の境界を、最小重量の全ての上限値と下限値がこの最適な運転領域内に含まれるように、各構成要素について作図した。更に、バッテリーの最小重量の範囲を単位運転時間に対して標準化し、生成物流量の関数としてプロットして、この標準化した変数に関して最適な運転領域を決定した。これらの例に基づいて、最小床圧力は一般的に、0.25atmaと1.0atmaの間に収まり、0.45〜0.8atmaの範囲内にあることができる。
【0079】
【表5】
【0080】
結果として得られた、個々の可変重量構成要素についてのプロット及び望ましい運転領域を、図18、19、20及び21に示す。図18は、(a)原点及び3リットル/分の生成物流量についての吸着剤重量範囲の下限重量を通って引かれた下限の線と、(b)原点及び1リットル/分の生成物流量についての吸着剤重量範囲の上限重量を通って引かれた上限の線を境界とする望ましい運転領域を図示している。かくして、1、2及び3リットル/分の生成物流量についての吸着剤の上限及び下限重量は全て、図18の上限及び下限の線により表される望ましい運転領域内に入る。
【0081】
図19は、主気体ポンプの重量の望ましい範囲が、それぞれ上限の線と下限の線を規定するスクロールタイプ及びダイヤフラムタイプの原料空気コンプレッサと廃気コンプレッサの重量の間にあり且つこれらの重量を含むことを示している。
【0082】
図20は、原点と、3リットル/分の生成物流量における上記の例の上限及び下限のバッテリー重量を通って引かれた上限及び下限の線を境界とする望ましい運転領域を図示している。かくして、1、2及び3リットル/分の生成物流量についての可変重量のバッテリーの上限及び下限重量は全て、上限及び下限の線により表される望ましい運転領域内に入る。
【0083】
図21は、(a)原点及び1ポンド/分の生成物流量における上記の例に対応する時間で標準化されたバッテリー重量範囲の下限の値を通って引かれた下限の線と、(b)原点及び3ポンド/分の生成物流量における上記の例に対応する時間で標準化されたバッテリー重量範囲の上限値を通って引かれた上限の線を境界とする、望ましい運転領域を図示している。かくして、1、2及び3リットル/分の生成物流量についての時間で標準化されたバッテリー重量の上限及び下限値は全て、図21の上限及び下限の線により表される望ましい運転領域内に入る。
【0084】
上述の最適化方法は、かくして、1〜3時間の連続した運転時間の間に1.2〜1.6atmaの生成物圧力範囲内で93モル%の酸素を1〜3リットル/分の速度で生産するための4床及び5床PVSAシステムの運転を網羅する。個々の構成要素についての対応する最適な重量範囲は、最小床圧力の望ましい運転範囲について分析的に決定された。更に、個々の可変重量構成要素について重量対生成物流量の関係に関して、望ましい運転領域が分析的に決定された。同様に、組合せた可変重量の合計重量について重量対生成物流量に関し、望ましい運転領域が分析的に決定された。これらを以下に要約する。
【0085】
上述の及び図18、19、20、21で例示された上述の望ましい運転領域は、個々の可変重量構成要素について次のように表わすことができる。
(a)吸着剤の重量Waについて、
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
(b)主気体ポンプの重量Wpについて、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
(c)バッテリーの重量Wbについて、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
(d)時間で標準化したベースでのバッテリー重量について、
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr。
これらの式中、Fpは、1分あたりのリットル数で表わした(23℃、1atmaでの)生成物流量であり、重量はポンド単位、時間trは時間単位である。上述のPVSAシステムの所要の動作特性は、上述の式のうちのいずれかにより特徴づけることができる。
【0086】
上記の(a)、(b)及び(c)の式を組合せることにより、合計の可変重量Wtを次のように表わすことができる。
0.75Fp<Wt<2.02Fp
この式のWtはポンド単位である。かくして、1リットル/分の93モル%酸素を発生させるように設計されたPVSAシステムの可変重量の構成要素の総重量は、0.75ポンドと2.02ポンドの間にあることができ、また、3リットル/分の93モル%酸素を発生させるために設計されたシステムは2.25ポンドと6.06ポンドの間にあることができる。この式を3リットル/分を上回る、及び1リットル/分を下回る生成物流量まで拡張して、PVSAシステムの構成要素の合計可変重量を決定してもよい。例えば、この式を使用して、0.5リットル/分と5リットル/分の間の合計可変重量を決定してもよく、この重量は、0.5リットル/分のシステムについては0.375ポンドと1.01ポンドの間、そして5リットル/分のシステムについては3.75ポンドと10.1ポンドの間の範囲となる。
【符号の説明】
【0087】
1 大気
3 フィルタ
5 入り口消音器
9 原料空気コンプレッサ
11 主気体ポンプ
13 駆動モータ
15 真空廃気コンプレッサ
19 回転式バルブアセンブリ
41、43、45、47、49 吸着床
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素に富む気体を製造するための装置であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbによって特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含む装置であり、
吸着剤、主気体ポンプ及び充電式電源の総重量Wtが、式
0.75Fp<Wt<2.02Fp
で特徴づけられ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、Wa、Wp及びWbはポンド単位である、酸素に富む気体の製造装置。
【請求項2】
バッテリーが、最大及び最小の実用充電量の間の時間単位で表した作動運転時間trにより特徴づけされ、そして当該装置が、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のうちのいずれかにより更に特徴づけされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の吸着床が4つ以上の床を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の吸着床が4つの床で構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第1及び第2のコンプレッサの各々が、スクロール、ダイヤフラム、ピストン及びロータリーベーンコンプレッサからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1及び第2のコンプレッサがスクロールタイプのコンプレッサである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
12ポンド未満の合計重量を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
10ポンド未満の合計重量を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
8ポンド未満の合計重量を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
吸着剤が、リチウム、カルシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム及び銀からなる群から選択される1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトXからなる群から選択されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
吸着床が、空気から水及び二酸化炭素を吸着するのに選択性をもつ付加的な吸着剤を更に含み、該付加的な吸着剤が、(1)活性アルミナ、及び(2)リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトX、からなる群から選択されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
コンサーバを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
充電式電源がバッテリーである、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
充電式電源が燃料電池である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
主気体ポンプ、駆動モータ、充電式電源及び圧力/真空スイング吸着システムをとり囲む外部ケースと、該ケースの外側に取付けられたユーザー表示/制御パネルを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
12ポンド未満の合計重量を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
10ポンド未満の合計重量を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
8ポンド未満の合計重量を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
酸素に富む気体を製造するための装置であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbと、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間trにより特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含み、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のうちのいずれかにより特徴づけされ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、trは時間単位であり、そしてWa、Wp及びWbはポンド単位である、酸素に富む気体の製造装置。
【請求項20】
電気配線及び制御システム、ケース又はハウジング、及びハウジングの外側に取り付けられたユーザー表示/制御パネルを含めた付加的要素を更に含み、当該酸素発生装置と当該付加的要素が一緒になって携帯式酸素濃縮器を形成するものと、当該携帯式濃縮器ユニットをユーザーが持ち運ぶための手段を更に含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
酸素に富む生成物の気体を製造するための方法であり、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着システムを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気、及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含む方法であって、次の運転パラメーター、すなわち、
(1)充電式バッテリーが、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間中、0.02kWhと0.17kWhの間の電力を提供すること、
(2)吸着サイクル中の各々の吸着床内の吸着剤の合計実用容量が窒素1.2×10-4ポンドモルと6.7×10-4ポンドモルの間であること、
(3)第1のコンプレッサが給気/生成物提供工程中に1.14×10-4ポンドモルと4.01×10-4ポンドモルの間の加圧原料空気を移動させること、及び
(4)第2のコンプレッサが減圧工程及び排気工程中に3.47×10-4ポンドモルと9.96×10-4ポンドモルの廃気を移動させること、
のいずれかを特徴とする、酸素に富む生成物気体の製造方法。
【請求項22】
圧力/真空スイング吸着システムが4つの吸着床を有し、該吸着床の各々は、
(A)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造工程、
(B)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造/再加圧工程であって、その最終の再加圧工程を受けている別の床を加圧するために該生成物気体の一部分を使用する給気/生成物製造/再加圧工程、
(C)気体を抜き出すことにより床を減圧させ、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分を再加圧工程を受けている別の床に移す減圧工程、
(D)気体を抜き出すことにより床を更に減圧するパージ準備工程であり、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分をパージ工程を受けている別の床へ移すパージ準備工程、
(E)床が大気圧未満の最低床圧力に達するまで床の給気端部から気体を抜き出す排気工程、
(F)床の生成物端部へパージ気体を導入しながら床を排気し続けることにより床をパージし、当該パージ気体を工程(D)を受けている別の床から提供するパージ工程、
(G)床の生成物端部へ加圧気体を導入し、該加圧気体は工程(C)を受けている別の床から提供する再加圧工程、及び
(H)別の床からの生成物気体を床の生成物端部へ導入する最終再加圧工程、
を含む一連の吸着サイクル工程を順に受ける、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
最小床圧力が0.25atmaと1.0atmaの間にある、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
最小床圧力が0.45atmaと0.8atmaの間にある、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
酸素富化生成物気体の圧力が1.2atmaと1.6atmaの間にある、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
酸素富化生成物気体が0.5〜3.0リットル/分(23℃及び1atma圧力で定義される)の範囲内の流量で提供される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
酸素に富む生成物気体を製造するための方法であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、空気からの窒素の吸着について選択性の吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着ユニットを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含み、排気工程における最小圧力が0.35atmaと1.00atmaの間にある、酸素に富む生成物気体の製造方法。
【請求項28】
携帯式圧力/真空スイング吸着酸素濃縮器システムの設計のための方法であって、
(a)生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力、圧力/真空スイング吸着プロセスサイクル、吸着容器数、吸着容器内に収容される吸着剤、気体ポンプのタイプ、駆動モータに電力を供給するための再生可能電源のタイプ、及び最大及び最小の実用充填量の間の再生可能電源の運転時間を少なくとも含む設計パラメータを決めること、
(b)大気圧より低い一連の最小床圧力を選択し、そして圧力/真空スイング吸着プロセスサイクルにおける最低の床圧力である各々の最小床圧力について、気体ポンプ、電源、及び吸着容器内に収容される吸着剤の必要重量を決定すること、
(c)最小床圧力の各々の値について(b)で決定した吸着剤、気体ポンプ及び電源の重量を加算して、吸着剤、気体ポンプ及び電源の合計重量を最小床圧力の関数として提供すること、及び
(d)吸着剤、気体ポンプ及び電源の最小の総重量の範囲に対応する最小床圧力の範囲を選択すること、
を含む設計方法。
【請求項29】
最小床圧力の範囲が0.45atmaと0.8atmaの間にある、請求項28に記載の方法。
【請求項1】
酸素に富む気体を製造するための装置であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbによって特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含む装置であり、
吸着剤、主気体ポンプ及び充電式電源の総重量Wtが、式
0.75Fp<Wt<2.02Fp
で特徴づけられ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、Wa、Wp及びWbはポンド単位である、酸素に富む気体の製造装置。
【請求項2】
バッテリーが、最大及び最小の実用充電量の間の時間単位で表した作動運転時間trにより特徴づけされ、そして当該装置が、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のうちのいずれかにより更に特徴づけされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の吸着床が4つ以上の床を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の吸着床が4つの床で構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
第1及び第2のコンプレッサの各々が、スクロール、ダイヤフラム、ピストン及びロータリーベーンコンプレッサからなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1及び第2のコンプレッサがスクロールタイプのコンプレッサである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
12ポンド未満の合計重量を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
10ポンド未満の合計重量を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
8ポンド未満の合計重量を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
吸着剤が、リチウム、カルシウム、亜鉛、銅、ナトリウム、カリウム及び銀からなる群から選択される1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトXからなる群から選択されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
吸着床が、空気から水及び二酸化炭素を吸着するのに選択性をもつ付加的な吸着剤を更に含み、該付加的な吸着剤が、(1)活性アルミナ、及び(2)リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上の金属カチオンと交換されたゼオライトX、からなる群から選択されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
コンサーバを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
充電式電源がバッテリーである、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
充電式電源が燃料電池である、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
主気体ポンプ、駆動モータ、充電式電源及び圧力/真空スイング吸着システムをとり囲む外部ケースと、該ケースの外側に取付けられたユーザー表示/制御パネルを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
12ポンド未満の合計重量を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
10ポンド未満の合計重量を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
8ポンド未満の合計重量を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
酸素に富む気体を製造するための装置であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するように適合されている第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで廃気を圧縮するように適合されている第2のコンプレッサを含み、重量Wpにより特徴づけされる主気体ポンプ、
(b)第1及び第2のコンプレッサを駆動するように適合された駆動モータ、
(c)重量Wbと、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間trにより特徴づけされる、駆動モータに電力を供給するように適合された充電式電源、及び
(d)加圧原料空気を生成物流量Fpの酸素に富む生成物と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含み、吸着床内に含まれる吸着剤の合計量が合計吸着剤重量Waにより特徴づけされる、圧力/真空スイング吸着ユニット、を含み、式
0.21Fp<Wa<0.61Fp、
0.36Fp<Wp<0.70Fp、
0.18Fp<Wb<0.71Fp、及び
0.10Fptr<Wb<0.40Fptr、
のうちのいずれかにより特徴づけされ、式中のFpはリットル/分(23℃、1atma圧力での)単位であり、trは時間単位であり、そしてWa、Wp及びWbはポンド単位である、酸素に富む気体の製造装置。
【請求項20】
電気配線及び制御システム、ケース又はハウジング、及びハウジングの外側に取り付けられたユーザー表示/制御パネルを含めた付加的要素を更に含み、当該酸素発生装置と当該付加的要素が一緒になって携帯式酸素濃縮器を形成するものと、当該携帯式濃縮器ユニットをユーザーが持ち運ぶための手段を更に含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
酸素に富む生成物の気体を製造するための方法であり、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着システムを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気、及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含む方法であって、次の運転パラメーター、すなわち、
(1)充電式バッテリーが、最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間中、0.02kWhと0.17kWhの間の電力を提供すること、
(2)吸着サイクル中の各々の吸着床内の吸着剤の合計実用容量が窒素1.2×10-4ポンドモルと6.7×10-4ポンドモルの間であること、
(3)第1のコンプレッサが給気/生成物提供工程中に1.14×10-4ポンドモルと4.01×10-4ポンドモルの間の加圧原料空気を移動させること、及び
(4)第2のコンプレッサが減圧工程及び排気工程中に3.47×10-4ポンドモルと9.96×10-4ポンドモルの廃気を移動させること、
のいずれかを特徴とする、酸素に富む生成物気体の製造方法。
【請求項22】
圧力/真空スイング吸着システムが4つの吸着床を有し、該吸着床の各々は、
(A)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造工程、
(B)床の給気端部へ加圧原料空気を導入しながら酸素富化生成物気体を床の生成物端部から抜き出す給気/生成物製造/再加圧工程であって、その最終の再加圧工程を受けている別の床を加圧するために該生成物気体の一部分を使用する給気/生成物製造/再加圧工程、
(C)気体を抜き出すことにより床を減圧させ、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分を再加圧工程を受けている別の床に移す減圧工程、
(D)気体を抜き出すことにより床を更に減圧するパージ準備工程であり、そこから抜き出した気体の少なくとも一部分をパージ工程を受けている別の床へ移すパージ準備工程、
(E)床が大気圧未満の最低床圧力に達するまで床の給気端部から気体を抜き出す排気工程、
(F)床の生成物端部へパージ気体を導入しながら床を排気し続けることにより床をパージし、当該パージ気体を工程(D)を受けている別の床から提供するパージ工程、
(G)床の生成物端部へ加圧気体を導入し、該加圧気体は工程(C)を受けている別の床から提供する再加圧工程、及び
(H)別の床からの生成物気体を床の生成物端部へ導入する最終再加圧工程、
を含む一連の吸着サイクル工程を順に受ける、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
最小床圧力が0.25atmaと1.0atmaの間にある、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
最小床圧力が0.45atmaと0.8atmaの間にある、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
酸素富化生成物気体の圧力が1.2atmaと1.6atmaの間にある、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
酸素富化生成物気体が0.5〜3.0リットル/分(23℃及び1atma圧力で定義される)の範囲内の流量で提供される、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
酸素に富む生成物気体を製造するための方法であって、
(a)加圧原料空気を提供するべく大気を圧縮するための第1のコンプレッサ及び大気より低い圧力から大気圧まで酸素欠乏廃気を圧縮するように適合された第2のコンプレッサを含む主気体ポンプ、第1及び第2のコンプレッサを駆動するための駆動モータ、及び駆動モータに電力を提供するための充電式バッテリーを提供し、該充電式電源が最大及び最小の実用充電量の間の作動運転時間によって特徴づけされること、
(b)加圧原料空気を酸素に富む生成物気体と酸素欠乏廃気とに分離するように適合され、空気からの窒素の吸着について選択性の吸着剤を含む複数の吸着床を含む圧力/真空スイング吸着ユニットを提供すること、及び
(c)少なくとも給気/生成物提供、減圧、排気及び再加圧の反復工程を含む吸着サイクルを通して吸着床の各々を順に運転すること、
を含み、排気工程における最小圧力が0.35atmaと1.00atmaの間にある、酸素に富む生成物気体の製造方法。
【請求項28】
携帯式圧力/真空スイング吸着酸素濃縮器システムの設計のための方法であって、
(a)生成物流量、生成物純度、生成物送給圧力、圧力/真空スイング吸着プロセスサイクル、吸着容器数、吸着容器内に収容される吸着剤、気体ポンプのタイプ、駆動モータに電力を供給するための再生可能電源のタイプ、及び最大及び最小の実用充填量の間の再生可能電源の運転時間を少なくとも含む設計パラメータを決めること、
(b)大気圧より低い一連の最小床圧力を選択し、そして圧力/真空スイング吸着プロセスサイクルにおける最低の床圧力である各々の最小床圧力について、気体ポンプ、電源、及び吸着容器内に収容される吸着剤の必要重量を決定すること、
(c)最小床圧力の各々の値について(b)で決定した吸着剤、気体ポンプ及び電源の重量を加算して、吸着剤、気体ポンプ及び電源の合計重量を最小床圧力の関数として提供すること、及び
(d)吸着剤、気体ポンプ及び電源の最小の総重量の範囲に対応する最小床圧力の範囲を選択すること、
を含む設計方法。
【請求項29】
最小床圧力の範囲が0.45atmaと0.8atmaの間にある、請求項28に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−245364(P2012−245364A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−172657(P2012−172657)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2010−98659(P2010−98659)の分割
【原出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172657(P2012−172657)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2010−98659(P2010−98659)の分割
【原出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】
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