説明

酸素燃焼システムの排煙脱硫方法及び装置

【課題】簡単な構成により排ガスが希釈される問題を回避し、発電設備におけるCOの分離回収動力の低減を図って発電効率を維持できる酸素燃焼システムの排煙脱硫方法を提供する。
【解決手段】酸素燃焼システム100の排ガス系統101からの硫黄酸化物を含む排ガスを吸収塔1に導入し吸収液を散布して排ガスの硫黄酸化物を除去し、吸収液を貯留する貯留タンク5内で酸化を行わせて石膏を生成する酸素燃焼システムの排煙脱硫方法であって、吸収塔1出口の排ガスの一部を吸収塔再循環ガス12として吸収塔1の吸収液中に再循環し、吸収塔再循環ガス12に酸素20を混合して吸収塔1に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素燃焼技術を適用した石炭焚ボイラ(簡略化のため酸素燃焼システムと称す)の排煙脱硫方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火力発電所等の石炭焚きボイラでは排煙脱硫装置を備えて排ガスの脱硫処理を行っている。排煙脱硫装置で最も普及している石灰石石膏法による湿式脱硫プロセスにおいては硫黄酸化物SOを硫酸塩の形で回収するための酸化用空気を必要とする。現在では吸収塔の上部から散布される吸収液に排ガスを接触させることで脱硫を行い、吸収塔の底部に形成される液溜りの吸収液に酸化用空気を吹き込んで酸化させることにより、脱硫と酸化を1塔で行うようにしたものが一般的である(特許文献1、2等参照)。
【0003】
一方、近年では二酸化炭素(CO)の排出削減のニーズが高まり、その対策として、火力発電所等の石炭焚きボイラ等に対して酸素燃焼技術を適用したCO回収システムの開発が進められており、新設設備は勿論、既設設備の改造にも酸素燃焼技術を適用することが検討されている。
【0004】
酸素燃焼による石炭焚きボイラは、排ガスからのCOの回収を容易にするために、空気ではなく純酸素を用いた燃焼を行うことで排ガスに窒素等の不活性ガスができるだけ混入しないようにし、これによって、排ガス中のCO濃度を90%程度まで高めることでCOの回収を容易にしている(特許文献3等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3842693号公報
【特許文献2】特開平07−108133号公報
【特許文献3】特開2010−112679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、石灰石石膏法の排煙脱硫装置を用いるシステムでは、上記したように排ガス処理の過程で酸化用の空気が必要であるため、酸素燃焼システムにおいては、吸収塔に吹き込んだ空気が排ガスと混合し排ガス中の窒素等の不活性ガスおよび酸素の過剰な増加を来し、せっかく高濃度化したCOを希釈してしまうという問題がある。このようなCO濃度の低下は、下流のCO回収装置での圧縮・冷却のための動力の増加を招き、発電設備全体の効率低下につながるという課題がある。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、主として既存の石灰石石膏法排煙脱硫装置を具備した石炭火力発電システムを、酸素燃焼技術を適用してCO回収装置を付加した発電システム(即ち「酸素燃焼システム」)に改造する場合を対象とし、簡単な構成により排ガスが希釈される問題を回避し、発電設備におけるCOの分離回収動力の低減を図って発電効率を維持できるようにした酸素燃焼システムの排煙脱硫方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、酸素燃焼システムの排ガス系統からの硫黄酸化物を含む排ガスを吸収塔に導入し吸収液を散布して排ガスの硫黄酸化物を除去し、吸収液を貯留する貯留タンク内で酸化を行わせて石膏を生成する酸素燃焼システムの排煙脱硫方法であって、吸収塔出口の排ガスの一部を吸収塔再循環ガスとして吸収塔の吸収液中に再循環し、前記吸収塔再循環ガスに酸素を混合して吸収塔に供給することを特徴とする酸素燃焼システムの排煙焼システム方法、に係るものである。
【0009】
上記酸素燃焼システムの排煙脱硫方法において、前記吸収塔再循環ガスが、吸収塔下流の排ガスの一部を前記酸素燃焼システムに再循環しているボイラ再循環ガスの一部であることは好ましい。
【0010】
又、上記酸素燃焼システムの排煙脱硫方法において、前記吸収塔再循環ガスに混合する酸素が、前記酸素燃焼システムに酸素を供給する酸素製造装置で製造した酸素であることは好ましい。
【0011】
又、上記酸素燃焼システムの排煙脱硫方法において、前記吸収塔に導入されるSO量を求め、該SO量に応じた設定酸素量が維持されるように、前記吸収塔再循環ガスの再循環量と酸素の供給量の少なくとも一方を制御することは好ましい。
【0012】
本発明は、酸素燃焼システムの排ガス系統に、硫黄酸化物を含む排ガスを導入し該排ガスに吸収液を散布して排ガスの硫黄酸化物を除去するスプレーノズルと、散布した吸収液を貯留する貯留タンクとを有する吸収塔が備えられている酸素燃焼システムの排煙脱硫装置であって、吸収塔出口の排ガスの一部を前記貯留タンクに再循環する吸収塔再循環ラインと、該吸収塔再循環ラインにガス混合器を介して酸素を供給する酸素供給ラインとを備えたことを特徴とする酸素燃焼システムの排煙脱硫装置、に係るものである。
【0013】
上記酸素燃焼システムの排煙脱硫装置において、前記吸収塔再循環ラインが、吸収塔下流の排ガスの一部を前記酸素燃焼システムに再循環しているボイラ再循環ガス系路のボイラ再循環ファン出口に接続されたことは好ましい。
【0014】
上記酸素燃焼システムの排煙脱硫装置において、前記吸収塔再循環ラインが、吸収塔下流の排ガスの一部を前記酸素燃焼システムに再循環しているボイラ再循環ガス系路とは別個に、吸収塔再循環ファンを備えて吸収塔出口に接続されていることは好ましい。
【0015】
又、上記酸素燃焼システムの排煙脱硫装置において、前記酸素供給ラインが、前記酸素燃焼システムに酸素を供給している酸素製造装置に接続されていることは好ましい。
【0016】
又、上記酸素燃焼システムの排煙脱硫装置において、前記吸収塔に導入されるSO濃度を検出するSO濃度検出手段と、該SO濃度検出手段による検出SO濃度からSO量を求め、該SO量に応じた設定酸素量が維持されるように、前記吸収塔再循環ガスの再循環量と酸素の供給量の少なくとも一方を制御する制御器とを備えたことは好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の酸素燃焼システムの排煙脱硫方法及び装置によれば、吸収塔下流の排ガスの一部を吸収塔再循環ガスとして吸収塔に再循環し、前記吸収塔再循環ガスに酸素を混合して供給するようにしたので、排ガスが希釈される問題を回避することでき、発電設備におけるCOの分離回収動力の低減を図れるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例を示す酸素燃焼システムの排煙脱硫装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図示例と共に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例を示す酸素燃焼システムの排煙脱硫装置の構成図であり、排煙脱硫装置を構成する吸収塔1は、酸素燃焼システム100の排ガス系統101からの排ガスを導入する排ガスの入口ダクト2を側面に有し、上面には排ガスの出口ダクト3を有している。吸収塔1の内部上方には、スプレーノズル(吸収液スプレーノズル)4が配置されており、スプレーノズル4は、吸収塔1の底部における貯留タンク5の吸収液を循環する循環ポンプ6により供給される吸収液を下方に向けてスプレーするよう配置されている。前記循環ポンプ6からの吸収液の一部は系外に取り出されて石膏の回収を行うようになっている。7は前記スプレーノズル4の上方に備えられたミストセパレータ(デミスタ)を示す。
【0021】
前記酸素燃焼システム100には、燃料としての石炭が供給されると共に、酸素製造装置8で製造した酸素20が供給されて、酸素燃焼が行われるようになっている。
【0022】
又、前記吸収塔1下流の出口ダクト3に一端が接続され途中にボイラ再循環ファン9を備えたボイラ再循環ガス系路10の他端が酸素燃焼システム100に接続されており、前記出口ダクト3に備えた排ガスダンパ10aにより、吸収塔1下流の排ガスの一部をボイラ再循環ファン9を介して前記酸素燃焼システム100に再循環するようにしている。
【0023】
尚、前記酸素製造装置8からの酸素20は、前記ボイラ再循環ガス系路10からの排ガスに混合して酸素燃焼システム100に供給するようにしてもよい。又、前記酸素燃焼システム100は流動層によって粒状の石炭を燃焼する流動層ボイラであってもよく、更に、微粉炭ミルを備え、前記ボイラ再循環ガス系路10からの排ガスを搬送用ガスとして微粉炭ミルに供給して、微粉炭を搬送用ガスにより搬送して前記酸素燃焼システム100に供給するようになっていてもよい。
【0024】
前記酸素燃焼システム100では石炭を酸素燃焼するため、前記酸素燃焼システム100からはCOが相当割合を占める排ガスが取り出されることになり、更に、この排ガスは吸収塔1を経た後、下流に備えたボイラ再循環ガス系路10によって再び排ガスの一部が前記酸素燃焼システム100に戻されるため、排ガス中のCO濃度は更に高められる。
【0025】
一方、前記したように石炭を燃焼する前記酸素燃焼システム100から排出される排ガスには硫黄酸化物SOが含まれているが、この排ガスは前記吸収塔1に備えたスプレーノズルから散布される吸収液と接触して脱硫される。更に、吸収液に回収された硫黄は硫酸塩の形で回収するための酸化を行う必要がある。
【0026】
このため、図1の実施例においては、前記ボイラ再循環ガス系路10におけるボイラ再循環ファン9の出口と、前記吸収塔1の貯留タンク5との間を吸収塔再循環ライン11で接続し、ボイラ再循環ガス系路10から分岐して取り出した排ガスを吸収塔再循環ガス12として前記貯留タンク5の吸収液中に吹き込むようにしている。尚、図示例では、前記ボイラ再循環ガス系路10の排ガスの一部を吸収塔の貯留タンク5に供給するようにした場合について説明したが、前記ボイラ再循環ガス系路10とは別系統の専用ブロワを持つ吸収塔再循環ラインにより吸収塔1下流の排ガスの一部を取り出して吸収塔1の貯留タンク5に供給するようにしてもよい。
【0027】
又、前記吸収塔再循環ライン11の途中に混合器13を備え、該混合器13を介して吸収塔再循環ガス12に酸素20を混合・供給するようにした酸素供給ライン14を備えている。ここで、前記酸素燃焼システム100では酸素燃焼のための酸素製造装置8を備えているので、この酸素製造装置8で製造した酸素20を前記酸素供給ライン14を介して前記吸収塔再循環ガス12に混合することができる。図中15は貯留タンク5に吹き込まれる吸収塔再循環ガス12を攪拌する攪拌ファンである。
【0028】
一方、前記吸収塔1には、該吸収塔1に導入されるSO濃度を検出するためのSO濃度検出手段16が備えてあり、該SO濃度検出手段16で検出した検出SO濃度が制御器17に入力されてSO量が求められている。SO濃度検出手段16としては、入口ダクト2の排ガス中のSO濃度を検出する入口濃度計16aを設け、該入口濃度計16aで検出した検出SO濃度と排ガスの流量から制御器17によってSO量を求めることができる。又、貯留タンク5の吸収液の酸化還元電位を検出する酸化還元電位計16bを設け、酸化還元電位計16bで検出した酸化還元電位から、制御器17によってSO量を間接的に求めることかできる。ここで、SO濃度検出手段16としては、前記入口濃度計16aと酸化還元電位計16bの一方を備えていればよい。
【0029】
そして、前記制御器17は、入口濃度計16aで検出したSO濃度、又は、酸化還元電位計16bで検出した酸化還元電位からSO量を求め、このSO量に応じた設定酸素量が維持されるように、前記吸収塔再循環ライン11に設けた調整弁18の開度、又は、前記酸素供給ライン14に設けた調整弁19の開度、或いはその両方を調整する制御を行うようになっている。
【0030】
上記したように構成した排煙脱硫装置の作動を説明する。
【0031】
石炭を燃焼する酸素燃焼システム100から排ガス系統101に排出される高CO濃度で且つ硫黄酸化物を含む排ガスは、入口ダクト2から吸収塔1内に導入され、その後出口ダクト3に向かう。この過程で、貯留タンク5内の吸収液がボイラ再循環ファン9によりスプレーノズル4に導かれて散布されることにより、散布した吸収液と吸収塔1に導入した排ガスとの気液接触が行われて脱硫が行われる。
SO+HO=HSO
【0032】
更に、吸収液中では、亜硫酸の解離が行われる。
SO=H+HSO(第1段)
HSO=H+SO2−(第2段)
【0033】
このとき、吸収塔1下流の排ガスの一部が、吸収塔再循環ライン11により吸収塔再循環ガス12として吸収塔1の貯留タンク5内に吹き込まれ、更に、吹き込まれた吸収塔再循環ガス12が攪拌ファン15により攪拌されて分散することにより、吸収塔再循環ガス12に含まれる酸素により前記亜硫酸イオンの酸化が行われ、これにより石膏の生成が行われる。
SO2−+1/2O=SO2−
【0034】
上記において、前記制御器17では、入口濃度計16aで検出したSO濃度、又は、酸化還元電位計16bで検出した酸化還元電位に基づいてSO量が求められるので、制御器17は、この求めたSO量に応じた設定酸素量が維持されるように、前記吸収塔再循環ライン11に備えた調整弁18、又は、酸素供給ライン14に設けた調整弁19を調整して、吸収塔再循環ガス12の再循環量と酸素20の供給量の少なくとも一方を制御する。
【0035】
ここで、酸素燃焼システム100から排出される排ガスには例えば3〜6%程度の酸素が含まれていることが分かっているので、制御器17は、吸収塔再循環ガス12に含まれる酸素で排ガス中のSO量の酸化が十分な場合には前記吸収塔再循環ガス12の再循環のみによって制御を行い、又、酸素燃焼システム100から排出される排ガス中のSO量が増加した場合には、吸収塔再循環ガス12の再循環量を増加することで必要な酸素量を確保する制御を行う。
【0036】
一方、排ガス中のSO量が増加し、吸収塔再循環ガス12の再循環量を増加しても酸化のための酸素量が不足する場合には、制御器17は調整弁19を調整して、前記酸素製造装置8からの酸素20(純酸素)を酸素供給ライン14により混合器13を介して貯留タンク5に供給する。これにより、排ガス中のSO量が大きく増加した場合にも、SO量に対応するように吸収塔1に供給する酸素量を増加して確実に酸化を行わせることができる。
【0037】
上記したように、吸収塔1下流の排ガスの一部を吸収塔再循環ガス12として吸収塔1に再循環し、前記吸収塔再循環ガス12に酸素20を混合して供給するようにしたので、従来の酸化空気を供給する場合のように高CO濃度の排ガスが希釈される問題を回避することができ、よって発電設備におけるCOの分離回収動力の大幅低減を図ることができる。
【0038】
更に、上記したように、吸収塔1下流の排ガスの一部を吸収塔再循環ガス12として吸収塔1に再循環することで、排ガス中の酸素を前記酸化反応に利用するようにしたので、酸素20(純酸素)の使用量を節減することができ、又、酸素供給ライン14の酸素20を混合器13を介して吸収塔再循環ガス12に混合して希釈するので、純酸素が吸収塔1に供給されることで、異常な酸化反応を引き起こすといった問題も防止できる。
【0039】
図1の実施例においては、ボイラ再循環ガス系路10のボイラ再循環ファン9出口に吸収塔再循環ライン11を接続したことにより、ボイラ再循環ファン9の動力を利用して吸収塔再循環ガス12を吸収塔1に再循環することで簡易なシステムを実現することができる。
【0040】
一方、図1の実施例では、前記ボイラ再循環ファン9を有するボイラ再循環ガス系路10に吸収塔再循環ライン11を分岐して設けた場合について例示したが、上記ボイラ再循環ガス系路10とは別個に、図示しない専用の吸収塔再循環ファンを有して前記吸収塔1下流に接続した吸収塔再循環ラインを設けた場合にも、前記吸収塔1下流の排ガスの一部を吸収塔1へ再循環することができる。このように吸収塔1下流の排ガスの一部を吸収塔1へ再循環する専用の吸収塔再循環ファン及び吸収塔再循環ラインを設けた場合には、前記ボイラ再循環ファン9と吸収塔再循環ファンを制御することによって、より安定した制御が実現できる。
【0041】
又、本発明は従来技術である、空気により燃料を燃焼させるボイラシステムにおいて、石灰石石膏法の排煙脱硫装置を備えた既存のボイラシステムを改造する場合にも有効であるが、酸素燃焼技術を適用することを前提とした、新設の酸素燃焼システムに設置する排煙脱硫装置であっても、吸収塔の設計、製作において、従来の手法がそのまま使えるので有効である。
【0042】
尚、本発明の酸素燃焼ボイラの排煙脱硫方法及び装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1 吸収塔
4 スプレーノズル
5 貯留タンク
8 酸素製造装置
9 ボイラ再循環ファン
10 ボイラ再循環ガス系路
11 吸収塔再循環ライン
12 吸収塔再循環ガス
13 混合器
14 酸素供給ライン
16 SO濃度検出手段
17 制御器
20 酸素
100 酸素燃焼システム
101 排ガス系統

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素燃焼システムの排ガス系統からの硫黄酸化物を含む排ガスを吸収塔に導入し吸収液を散布して排ガスの硫黄酸化物を除去し、吸収液を貯留する貯留タンク内で酸化を行わせて石膏を生成する酸素燃焼システムの排煙脱硫方法であって、吸収塔出口の排ガスの一部を吸収塔再循環ガスとして吸収塔の吸収液中に再循環し、前記吸収塔再循環ガスに酸素を混合して吸収塔に供給することを特徴とする酸素燃焼システムの排煙脱硫方法。
【請求項2】
前記吸収塔再循環ガスが、吸収塔下流の排ガスの一部を前記酸素燃焼システムに再循環しているボイラ再循環ガスの一部であることを特徴とする請求項1記載の酸素燃焼システムの排煙脱硫方法。
【請求項3】
前記吸収塔再循環ガスに混合する酸素が、前記酸素燃焼システムに酸素を供給する酸素製造装置で製造した酸素であることを特徴とする請求項1記載の酸素燃焼システムの排煙脱硫方法。
【請求項4】
前記吸収塔に導入されるSO量を求め、該SO量に応じた設定酸素量が維持されるように、前記吸収塔再循環ガスの再循環量と酸素の供給量の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1記載の酸素燃焼システムの排煙脱硫方法。
【請求項5】
酸素燃焼システムの排ガス系統に、硫黄酸化物を含む排ガスを導入し該排ガスに吸収液を散布して排ガスの硫黄酸化物を除去するスプレーノズルと、散布した吸収液を貯留する貯留タンクとを有する吸収塔が備えられている酸素燃焼システムの排煙脱硫装置であって、吸収塔出口の排ガスの一部を前記貯留タンクに再循環する吸収塔再循環ラインと、該吸収塔再循環ラインにガス混合器を介して酸素を供給する酸素供給ラインとを備えたことを特徴とする酸素燃焼システムの排煙脱硫装置。
【請求項6】
前記吸収塔再循環ラインが、吸収塔下流の排ガスの一部を前記酸素燃焼システムに再循環しているボイラ再循環ガス系路のボイラ再循環ファン出口に接続されたことを特徴とする請求項5記載の酸素燃焼システムの排煙脱硫装置。
【請求項7】
前記吸収塔再循環ラインが、吸収塔下流の排ガスの一部を前記酸素燃焼システムに再循環しているボイラ再循環ガス系路とは別個に、吸収塔再循環ファンを備えて吸収塔出口に接続されていることを特徴とする請求項5記載の酸素燃焼システムの排煙脱硫装置。
【請求項8】
前記酸素供給ラインが、前記酸素燃焼システムに酸素を供給している酸素製造装置に接続されていることを特徴とする請求項5記載の酸素燃焼システムの排煙脱硫装置。
【請求項9】
前記吸収塔に導入されるSO濃度を検出するSO濃度検出手段と、該SO濃度検出手段による検出SO濃度からSO量を求め、該SO量に応じた設定酸素量が維持されるように、前記吸収塔再循環ガスの再循環量と酸素の供給量の少なくとも一方を制御する制御器とを備えたことを特徴とする請求項5記載の酸素燃焼システムの排煙脱硫装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−148246(P2012−148246A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9376(P2011−9376)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】