説明

重質原油と残油の脱メタル用カーボン担体触媒

【課題】重質原油と残油から不純物である重金属(メタル)と硫黄の除去に関し、特に重質原油と残油の脱メタル(HDM)と脱硫(HDS)用の触媒調製に関する。
【解決手段】 スチームで賦活され、細孔構造として、0.7−1.8cc/gの全細孔容積を持ち、200−2000Åの細孔径を持つ細孔が20%又はそれ以上を占め、細孔径が380−900Åの範囲の細孔の容積比が200−2000Åの範囲の細孔径を持つ細孔の容積に対して40%又はそれ以上である押出成型カーボン担体を有する、重質原油と残油の水素化処理用、特に脱メタル用触媒である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い細孔容積を有する炭素上に担持され、第VIB族の活性要素、第VIII族の非貴金属および第VA族の添加物を含む触媒であり、水素化処理(HDT)により重質原油と残油の脱メタル(HDM)と脱硫(HDS)用の触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
より軽質な製品と中間留分への需要増加は今後も続き、同時に重質油の需要は減少している。この需要傾向に合わせるため、かなりの量の重質油は改質されなければならない。より重質な原油は種々の不純物を含むので精製プロセスは改良されてきている。プロセス技術だけでは、より厳しい環境規制に対応するのは困難である。従って、より活性の高い、より選択性の良い、より長寿命で安定な新規の触媒開発の努力が行われている。
主たるコーク前駆体である高い濃度のアスファルテンの存在は、触媒が運転時間と伴に活性低下する主原因となり、水素化処理での懸念要因となっている。触媒の活性は時間と共に低下するが初期の数時間で大きく変化し、その後安定する。数時間の間に触媒初期重量の25%のものコークが堆積することによって、触媒表面積の50−60%が減少する。この表面積の減少は触媒の小さな細孔の閉塞によるものである。
【0003】
原料の脱硫や分解の際には触媒の劣化要因となるバナジウムとニッケルの存在が特に重要である。メタルは通常ポリフィリンと非ポリフィリン化合物に分布し、これらの金属を含む化合物は水素化処理の過程で触媒に堆積する。これらの化合物は大きな構造を持つため触媒の中へは浸透せず、触媒細孔の入口にメタル硫化物として堆積し、反応物が細孔内に入るのを妨ぐ。これが触媒が失活する原因となるので、脱メタル(HDM)触媒は主要な特徴として、大きな細孔径と大きな細孔容積を持ち、高いメタル堆積許容能力を持たなければならない。
【0004】
新しいタイプの水素化処理触媒の開発のために種々のアプローチが報告されており、それらには、異なった担体材料、異なった活性金属を用いたり、幾つかの添加物によって担体や触媒を修飾する方法がある。
【0005】
水素化処理にカーボン担体の使用も検討されている。カーボン担体は従来のアルミナやシリカのような担体触媒と比較して、高い脱硫活性を示すことが時に認められている。カーボン担体の使用には幾つかの利点がある。高表面積ゆえ活性金属を多く含侵でき、細孔制御が容易であるため拡散の制限を緩和できる。活性金属あるいは反応中に堆積した重金属の回収はカーボンを燃焼すれば容易となる。先に述べたように水素化処理で懸念されるコークの堆積による急激な活性低下を、カーボン担体は軽減するので特に魅力的である。不利な点の一つは機械的強度が低いところであるが、異なる種類のバインダを用いれば強度は改善され得る。
【0006】
原料となるカーボンそのものは一般的に活性を持たず、水素化処理触媒の担体としては使用できない。しかし、スチーム処理、HNO3、Na2CO3、NaOH、HCl酸化により塩基や酸基の特性を調製する方法が幾つかある。原料となるカーボンは極弱い塩基サイトと、その10倍の数の極弱い酸基サイトを持つと報告されている。この原料となるカーボンをスチームで処理すると、弱い酸基サイトが消費されて塩基サイトが出現する。しかし硝酸或いは(NH4228で処理すると、塩基性サイトが消費されて酸性サイトを生み出す。(NH4228で炭素を酸化するうちに、強い酸性であるカルボキシル基を担体表面に賦与できる。
【0007】
カーボン担体と活性金属の相互作用は比較的弱く、触媒は効率的に硫化され、より活性の高い活性点が期待できる。相互作用が弱い為、この触媒上では、CoMoS Type II構造の形成に有利となる。一般的にアルミナ担体では低温硫化でCoMoS Type Iが形成され、高温では、より活性の高いCoMoS Type IIが主に形成される。メスバウワー分光計やX線吸収スペクトロスコーピーによる研究で、硫化触媒上にCoMoSが多く存在することが観察されている。他の研究では、より活性の高い八面体種がカーボン担体には容易に形成されることが指摘された。チオフェンの脱硫でのカーボン担体触媒の高活性は、表面の酸基質によるものである。硝酸よりも(NH4228で処理されたカーボンの方が、より酸基質となることが見出されている。これは主に(NH4228処理によるカーボン担体上へのカルボキシル基の形成によるものであり、これらの酸基サイトがチオフェン脱硫活性を向上させる。しかしながらカーボン担体と活性金属の弱い相互作用は、予備硫化の時点に金属硫化物の塊が形成されて、脱硫活性が低下する可能性も高い。一方、カーボン担体上では活性金属と反応物である硫黄化合物が強く結合するので、これが高い活性の要因であることも提案されている。
【0008】
重質原油や残油の水素化処理に適した触媒開発のアプローチにはいくつかあり、一つには、触媒担体の細孔構造の改良がある。細孔径の拡大と細孔容積の増加は拡散の制限を最小限とし、メタル堆積許容能力の向上に適した方法である。重質原料の水素処理やそれに類似のプロセスの触媒調製には、以下の特許にあるように種々の方法が採られてきた(特許文献1〜17)。
【0009】
特許文献18は常圧軽質軽油の脱硫と脱アロマ用のカーボン担体に関するもので、比表面積600m2/g、全細孔容積0.3cc/g、平均細孔径が少なくとも12Åのカーボン担体にW 35.9wt%、Ni 7.0wt%、P 1.1wt%を担持した触媒が充填され、硫化された触媒は水素存在下、340℃、800psig、53kg/cm2G、LHSV 2.0h-1、水素流量2000 SCFB、356m3/m3で試験された。
【0010】
特許文献19では水素化脱アロマ、脱硫触媒の調製にカーボン担体を使用すること開示しており、BET比表面積900m2/g、細孔容積0.8cc/g、細孔径20Åの触媒はMoO3 18.6wt%、NiO 3.8wt%が担持されている。ヘプタモリブデイトアンモニウムと硝酸ニッケルが、それぞれ活性金属とプロモータの担持に使われている。触媒は水素存在下で、380℃、1500psig、100kg/cm2G、LHSV 1.0h-1、水素流量4000SCFB、713m3/m3、の条件で中間留分に関する試験が行われている。
【0011】
特許文献20は脱窒素触媒の調製にカーボン担体の使用を開示している。触媒は中間留分からアロマと窒素化合物の除去に使用されている。触媒は1600m2/gの高比表面積と、細孔容積0.82cc/g、平均細孔径20Åのカーボン担体を持ち約Mo 12wt%、Co 5wt%、Cr 3wt%を含む。
【0012】
これら背景技術は水素化処理プロセスの継続した変遷と触媒活性の改良を明示している。しかし本発明のシナリオでは重質原油の生産が増加していることと残油の需要が減少していることが一番主要な課題であり、そのため重質原油や残油の改質が必要なことである。
【0013】
上述の文献が提供する触媒は全て、通常急速に活性低下する。本発明が提供する触媒は、活性炭上に担持され、重質原油と残油の水素化において、高い安定性を保持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第 3,770,617 号明細書
【特許文献2】米国特許第 3,864,416号明細書
【特許文献3】米国特許第 4,016,106号明細書
【特許文献4】米国特許第 4,082,695号明細書
【特許文献5】米国特許第 4,328,127号明細書
【特許文献6】米国特許第 4,332,782号明細書
【特許文献7】米国特許第 4,422,960号明細書
【特許文献8】米国特許第 4,456,701号明細書
【特許文献9】米国特許第 4,508,841号明細書
【特許文献10】米国特許第 4,520,128号明細書
【特許文献11】米国特許第 4,572,778号明細書
【特許文献12】米国特許第 4,613,427号明細書
【特許文献13】米国特許第 4,870,044号明細書
【特許文献14】米国特許第 5,210,061号明細書
【特許文献15】米国特許第 5,531,976号明細書
【特許文献16】米国特許第 5,928,499号明細書
【特許文献17】米国特許第 6,015,485号明細書
【特許文献18】米国特許第 5,472,595号明細書
【特許文献19】米国特許第 5,837,640号明細書
【特許文献20】米国特許第 6,162,351号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の主要な目的は重質原油と残油の改質に必要な水素化処理触媒を開発することである。
【0016】
重質原油と残油から不純物である重金属(メタル)と硫黄の除去に関する発明、特に重質原油と残油の脱メタル(HDM)と脱硫(HDS)用の触媒調製に関する発明、より特別にはカーボンを担体とした触媒によって重質原油と残油の改質を主要な目的とする発明である。
【0017】
本発明は、不純物である高濃度のメタルと硫黄を含む炭化水素を水素化処理で精製することを目的とする。もう一つの目的は、特に高濃度のメタル、硫黄を含有する重質原油と残油を含む炭化水素の水素化処理に最適な触媒を調製する方法に関するものである。本発明の方法に従った水素化処理プロセスは、十分な水素存在下で炭化水素油と一つの或いは複数の適正な触媒を接触させる工程からなる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、スチームで賦活され、細孔構造として、0.7−1.8cc/gの全細孔容積を持ち、200−2000Åの細孔径を持つ細孔が20%又はそれ以上を占め、細孔径が380−900Åの範囲の細孔の容積比が200−2000Åの範囲の細孔径を持つ細孔の容積に対して40%又はそれ以上である押出成型カーボン担体を有する、重質原油と残油の水素化処理用、特に脱メタル用触媒である。
【0019】
また、本発明は、触媒活性要素として、約1−25重量%の水素化用成分第VIB族の遷移金属、約0.5−10重量%の第VIII族非貴金属および0.1−10重量%の第VA族非金属が上記担体に担持された、重質原油と残油の水素化処理用触媒である。
【0020】
さらに、本発明は、触媒活性要素として、6−15重量%の水素化用成分第VIB族の遷移金属、1−6重量%の第VIII族非貴金属および0.1−4重量%の第VA族非金属が上記担体に担持された、重質原油と残油の水素化処理用触媒である。
【0021】
また、本発明は、炭化水素、特に、高濃度のメタル、硫黄を含有する重質原油と残油の水素化処理用の触媒を製造する方法を提供する。
【0022】
また、本発明は、上記触媒の、水素化処理の条件が、温度は100−500℃の範囲であり、圧力は大気圧−350kg/cm2であり、LHSVは0.05−15h-1であり、水素循環量は90−2000m3/m3である重質原油と残油の水素化処理用途である。
【0023】
また、本発明は、上記触媒の、水素化処理の条件が、温度は200−500℃の範囲であり、圧力は35−280kg/cm2であり、LHSVは0.1−10h-1であり、水素循環量は180−1200m3/m3である重質原油と残油の水素化処理用途である。
【0024】
また、本発明は、上記触媒の、 水素化処理の条件が、温度は350−450℃の範囲であり、圧力は 40−210kg/cm2であり、LHSVは0.1−2h-1であり、水素循環量は180−1200m3/m3である重質原油と残油の水素化処理用途である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明で用いられるカーボン担体の細孔分布である。
【図2】異なる反応条件における脱メタル活性を示す曲線である。
【図3】異なる反応条件における脱硫活性を示す曲線である。
【図4】異なる反応条件におけるAPI比重の改善を示す曲線である。
【図5】運転時間に対する触媒上のメタル重量%(MOC)を示す曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
更に、本発明の触媒は不活性なカーボンを担体として調製される。Ti、Zr、Cr、Mn、Mo、W、Ni、Co、Zn、Pのグループから少なくとも一つが選択され、Mo、W、或いはCo、および、或いはNiの好ましくは酸化物、および、或いは硫化物が触媒に含まれなければならない。これら水素化プロモータに、一つ若しくは複数のP化合物があっても良い。
触媒活性要素はMo,Ni、Co又はPであることが好ましい。Wもまた好ましい。
【0027】
本発明では、触媒は共担持法で調製され、あらゆる活性を持つ金属、若しくはVIB族、VIII族の金属、および、或いは、P酸化物、好ましくは燐酸を含む水溶液に一元酸化物、或いは二元酸化物が浸される。その後、担持されたサンプルは最終的に酸化状態の触媒を得るため乾燥と仮焼される。
【0028】
上記で調製された特別な性状のカーボン担体は、ヘプタモリブデイトアンモニウム、パラモリブデイトアンモニウム、アンモニウムオキシレイト、或いは触媒の重量基準で1−25wt%のモリブデン酸化物、好ましくは5−20wt%の金属酸化物を含む、VIB族のいかなる金属の可溶塩の水溶液に24時間浸漬される。
【0029】
水溶液は、また乾燥触媒重量基準で0.5−10wt%のCo酸化物、或いはNi酸化物、好ましくは1−5wt%の組成となる硝酸Co、或いは硝酸Niを含む。
【0030】
特別には溶液は0.1−10wt%、好ましくは0.1−4wt%のP酸化物の組成となる燐酸、或いは燐酸アンモニウムを含む。幾つかの他の形態では、また1−5wt%のFe23を含む。
【0031】
水素化処理に適した条件は、100−500℃、好ましくは200−500℃、より好ましくは350−450℃の範囲であり、圧力は大気圧−5000psig、好ましくは500−4000psig、さらに好ましくは600−3000psig、LHSVは0.05−15h-1、好ましくは0.1−10、さらに好ましくは0.1−2.0、水素循環量は500−10000CSFB、好ましくは1000−7000SCFBである。
【0032】
本発明において、炭素は、高表面積と高細孔容積を持ち、(i)VIB族の遷移金属、(ii)プロモータとしてのVIII族の金属及び(iii)リン等のVA族の添加物を含む担体として、重質原油と残油の脱メタル用に用いられる。
【0033】
触媒は、1−25重量%、好ましくは、6−15重量%のモリブデンをMoO3として、0.5より10重量%、好ましくは、1−6重量%のコバルト又はニッケルをCoO又はNiOとして、及び0.1より10重量%、好ましくは、0.1−4重量%の酸化リンの形でのリン等のVA族の非金属を含む。本発明の原料のいくつかもまた、1−5重量%のFe23及びキレート剤(キレート剤/ニッケル比:l〜1.2)を含む。
【0034】
触媒の特徴は、細孔構造として200−2000Åの細孔径を持つ細孔が20%か、それ以上である。
【0035】
キレート剤を用いて調製した触媒はより良好に活性金属が触媒に分散されるため高脱硫活性を持つ。
【0036】
長時間試験により、活性炭上にモリブデンが担持されているだけの触媒では、運転経過時間に対して良好な安定性及び高いメタル堆積許容能力を維持することが示された。
【0037】
同様に、本発明は、重質原油と残油の脱メタル及び脱硫に関する。詳しくは、本発明は、重質原油と残油の脱メタル(HDM)及び脱硫(HDS)用の触媒の調製に関する。
【0038】
更に詳しくは、本発明は、炭素を担体とする触媒を用いた接触水素化処理(HDT)による、重質原油と残油の改質に関する。
【0039】
押出成型カーボン担体は一般的な方法で作られる。カーボン担体の原材料は、石炭チャー、ココナツシエル、ピート、リグナイト、褐炭、瀝青炭、石油コークス、その他で良い。カーボン担体の原材料は、8−32メッシュのサイズの粗粒に粗粉砕され、200−300℃で脱揮発され、その後280メッシュより小さいサイズの粒子が75−85重量%以上になるまで微粉砕される。タール、ピッチ、デンプンのようなバインダー約0.5部と脱揮発された炭素原材料の1部を混合し、10−20重量%の水を加えて均一に混練する。この混練物を300−600Mpa、3059−6108 kg/cm2の圧力で押出成型機のダイスを通して押出成型する。ダイスの径はカーボン担体の用途に応じて選ばれるが、本発明では1−2mmが使用された。
【0040】
一般的に押出成型カーボン担体の賦活にはロータリーキルン法が知られている。使用する賦活ガスはスチーム、二酸化炭素、空気、或いはこれらの混合ガスで良いが、二酸化炭素は反応性が低く、より長い賦活時間が必要となり、20オングストローム以下のミクロポアのみの発達に効果的である。
【0041】
本発明では、反応性が高く最適な細孔分布の実現が可能なスチームの使用が、より好ましい。まず押出成型担体を140℃の空気中、或いは燃焼ガス中で乾燥後、400−600℃で炭化し炭化物をロータリーキルンに供給し、800−950℃の温度でスチームで賦活する。これらの工程で押出成型担体は1−2mm径で3−8mm長の活性炭となる。最適な賦活時間は原料のカーボン源の賦活され易さ、所望する細孔容積、比表面積、細孔分布等に応じて選定される。すなわち賦活時間が短いと細孔は未発達となり、賦活時間を長くすると、その結果、得られた押出成型活性炭担体の圧壊強度は低下して実用上の使用に耐えなくなるのと、また歩留まりも悪く経済性も低くなる。細孔構造として0.7−1.8cc/gの全細孔容積を持ち、200−2000Åの細孔径を持つ細孔が20%か、それ以上を占め、細孔径380−900Åの範囲の細孔の容積の割合が200−2000Åの範囲の細孔径を持つ細孔の40%か、それ以上持つ活性炭を得るための、本発明での標準的な賦活時間は、好ましくは4−12時間、より好ましくは6−9時間である。細孔分布は水銀ポロシメータで測定された。カーボン担体の細孔分布を図1に示す。
【0042】
担体は押出成型品、ペレット、或いは球でも良いが、好ましくは径が1−2mm、長さ3−8mmの押出成型担体で、細孔構造として0.7−1.8cc/gの全細孔容積を持ち、200−2000Åの細孔径を持つ細孔が20%か、それ以上を占め、細孔径が380−900Åの範囲の細孔の容積の割合が200−2000Åの範囲の細孔径を持つ細孔の40%か、それ以上持つ。
【0043】
本発明では触媒は共担持法で調製され、あらゆる活性を持つ金属、或いはVIB族、VIII族の金属、そして、或いはP酸化物、好ましくは燐酸を含む水溶液に、一元酸化物、或いは二元酸化物が浸される。担持されたサンプルは最終形態として酸化状態の触媒を得るため乾燥と仮焼される。
【0044】
活性炭担体は、ヘプタモリブデイトアンモニウム、パラモリブデイトアンモニウム、アンモニウムオキシレイト、或いは触媒の重量基準で1−25wt%のモリブデン酸化物、好ましくは5−15wt%の金属酸化物を含む、VIB族のいかなる金属の可溶塩の水溶液に24時間浸漬される。水溶液は、また乾燥触媒重量基準で0.5−10wt%のCo酸化物、好ましくは1−5wt%の組成となる硝酸Coを含む。特別には溶液はP酸化物が0.1−10wt%、好ましくは0.1−4wt%の組成となる燐酸、或いは燐酸アンモニウム、或いは他のP化合物を含む。触媒の幾らかは1−5wt%の酸化鉄とキレート剤を含む場合もある。
【0045】
本発明の特別な形態は周期律表のIIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IB、IIB族の遷移金属からなるグループから選ばれた少なくとも一つの水素化プロモータ、好ましくはLa、Ce、Fe、Ti、Cr、Mo、W、Mn、Ni、Coの化合物。最も好ましい水素化用化合物はMo、Co、Niの酸化物、および、或いは硫化物で、これら化合物の二つ、或いはそれ以上からなる。これら水素化プロモータに、一つ若しくは複数のP化合物があっても良い。
【0046】
活性金属とプロモータを担体に含浸後、室温で数時間乾燥させた後、200℃、好ましくは120−180℃で7時間乾燥させ、窒素雰囲気下300−600℃で5時間仮焼する。この間に活性金属とプロモータの塩は酸化物の形態に変化される。
【0047】
脱メタル、脱硫の活性と選択性、安定性を賦与するために活性金属と共に炭素種も、また導入されてきている。この観点から、水素化処理触媒調製で活性金属の分散性を向上させるためにキレート剤を使用することは良く知られている。この場合、好ましいキレート剤はEDTAと、ジアンモニウムエチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシルエチレンジアミンテトラ酢酸を含むEDTAの誘導化合物である。他のキレート剤としてジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチレングリコールビスN,N’−テトラ酢酸、シクロヘキサジアミンテトラ酢酸、テトラエチレンパンタアミンが活性金属の分散に使われる。触媒上に炭素種が存在する優位性は幾つかあり、炭素種の沈着は硫化状態の活性サイトをシンタリングから隔離し安定化させる。炭素種は担体と硫化状態の活性層間に挿入され、担体と活性サイト間の相互作用を減少させ、その結果水素化処理活性を向上させる。炭素種を使う他の理由は、化学作用を持ち、より活性なカーバイド様構造、CoMoCが形成されうるからである。
【0048】
本発明において、水素化処理工程は、固定床反応器で、適した条件下で、高い濃度のメタル及び硫黄を含む重質炭化水素原料を用いて行われる。本発明の水素化処理工程に適した条件は、100−500℃、好ましくは200−500℃、より好ましくは350−450℃の範囲である。水素化処理工程は最適な圧力条件で行い、大気圧−5000psig、350kg/cm2、好ましくは500−4000psig、35−280kg/cm2、さらに好ましくは600−3000psig、40−210kg/cm2である。液時間空塔速度(LHSV)は0.05−15h-1、好ましくは0.1−10、さらに好ましくは0.1−2.0である。水素化処理工程では水素ガスは500−10000SCFB、90−2000 m3/m3、好ましくは1000−7000SCFB、180−1200 m3/m3で循環される。
【0049】
酸化状態の触媒は使用前に系内で硫化される。活性金属やプロモータを酸化物より活性な硫化形態にするため、定められた条件下で硫化する。硫化条件は圧力300−500psig、20−35kg/cm2、温度260−320℃、LHSV 1−6h-1が好ましい。硫化剤は軽油に1.7wt%の硫黄を含む。また軽油に0.5−4wt%、好ましくは1−2wt%の硫黄を含むように二硫化炭素、メチルサルファイド、ジメチルジサルファイドのような硫黄化合物を含んでも良い。
【0050】
触媒は固定床反応器に同体積のカーボランダムで希釈充填される。触媒は常圧、120℃で2時間乾燥後、150℃で軽油に2時間浸した後、硫化剤を注入して3−10時間硫化する。
【0051】
より高い分解率、脱メタル、脱硫を達成するには、より高い温度が良いが触媒には逆効果となる。すなわち触媒はより高い温度では重質原料のコーキングで早く失活するので温度を最適化する必要がある。
【0052】
従って、水素化処理工程は最適な圧力条件で行い、大気圧−5000psig、350 kg/cm2、好ましくは500−4000psig、35−280kg/cm2、さらに好ましくは600−3000psig、40−210kg/cm2である。より高い圧力はコーク生成の抑制と分解率の向上に好ましいが、操作の安全性と運転コストは高くなる。
【0053】
LHSVは0.05−15h-1、好ましくは0.1−10、さらに好ましくは0.1−2.0である。水素化処理工程では水素ガスは500−10000SCFB、90−2000m3/m3、好ましくは1000−7000SCFB、180−1200m3/m3で循環される。その水素の純度は80−100%である。
【実施例】
【0054】
触媒調製法の詳細と活性について、幾つかの結果が以下の実施例に述べられているが、これらは本発明の範囲を制約するものでは無い。
【0055】
実施例1
ここでの方法は周期律表のIIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IB、IIB族の遷移金属からなるグループから選ばれた少なくとも一つの水素化プロモータ、好ましくはLa、Ce、Fe、Ti、Cr、Mo、W、Mn、Ni、Coの金属化合物を含む。最も好ましい水素化化合物はMo、Co、Niの酸化物、および、或いは硫化物で、これら化合物の二つ、或いはそれ以上からなる。これら水素化プロモータに加えて、一つ或いはそれ以上のP化合物があっても良い。本発明では触媒は共担持法で調製される。あらゆる活性を持つ金属、或いはVIB族、VIII族の金属、および、或いはP酸化物、好ましくは燐酸を含む水溶液に担体が浸漬される。担持されたサンプルは最終形態として酸化状態の触媒を得るため乾燥と仮焼される。この場合、触媒は触媒の重量基準で8−15wt%のMoO3と1−5wt%のNiOと0.5−1.5wt%のPを含む。
【0056】
本発明では高い濃度のメタル、硫黄、窒素、アスファルテンを含む重質油が原料として使用されるが、実施例では重質原油と水添したディーゼル(50/50wt%)混合油を原料として使用し、その性状が表1に示されている。
【0057】
【表1】

【0058】
本実施例では10mlの酸化状態の触媒は使用前に系内で硫化される。活性金属とプロモータの酸化物を、より活性な硫化形態にするため、定められた条件下で硫化する。硫化条件は圧力300−500psig、20−35 kg/cm2、温度 260−320℃、LHSV 1−6h-1が好ましい。硫化剤は軽油に1.7wt%の硫黄を含む。軽油に0.5−4wt%、好ましくは1−2wt%の硫黄を含むように二硫化炭素、メチルサルファイド、ジメチルジサルファイドのような硫黄化合物を含んでも良い。
【0059】
本発明では固定床マイクロ反応器が脱メタル、脱硫活性の初期評価に使われる。水素化処理条件は320−400℃、全圧600−800psig、40−60kg/cm2 、LHSV 約1、水素は炭化水素に対して5000SCFB、890 m3/m3。表2に示す触媒TS−1の活性は、次の式で計算される金属(Ni+V)と硫黄の転化率として報告される。
【0060】
【数1】

【0061】
実施例2
本実施例では触媒は実施例1と同様の方法で調製される。ここでは周期律表のVIB、VIII族の遷移金属からなるグループから選ばれた少なくとも一つの水素化プロモータ、好ましくはMo、Fe、Ni、Coの化合物のからなる。最も好ましい水素化用の化合物はMo、Fe、Niの酸化物、および、或いは硫化物で、これら化合物の二つ、或いはそれ以上からなる。ここでのサンプルは特に触媒の重量基準で8−16wt%のMoO3、2−6wt%のNiO、1−5wt%のFe23を含む。触媒の活性は実施例1と同様の方法で評価する。触媒は、また予備硫化される。触媒TS−2の活性を表2に示す。
【0062】
実施例3及び4
本実施例では共担持法で触媒は調製される。
あらゆる活性を持つ金属、および、或いはVIB族、VIII族の金属、および、或いはP酸化物、好ましくは燐酸を含む水溶液に担体を浸漬する。この後、乾燥と仮焼後、酸化状態となった触媒が得られる。触媒は触媒の重量基準で8−15wt%のMoO3、1−5wt%のCoO、0.5−1.5wt%のPを含む。触媒の活性は実施例1と同様の方法で評価する。触媒TS−3 とTS−4の活性を表2に示す。
【0063】
実施例5
本実施例では触媒は実施例2と同様の方法で調製する。ここでは、より多くの量の活性金属とプロモータを含む。実施例1と同様の条件での触媒TS−5の活性を評価する。HDM及びHDS転化率を表2に示す。
【0064】
実施例6
本実施例では触媒は初期湿潤法で調製される。この方法では担体はVIB族、VIII族の活性金属、および、或いはP酸化物を含む水溶液に接触される。この後、乾燥と仮焼後、酸化状態となった触媒が得られる。触媒は4−16wt%のMoO3を含む。触媒の活性は実施例1と同様の方法で評価する。触媒TS−6の活性を表2に示す。
【0065】
実施例7
本実施例では実施例5と同様の方法で触媒を調製する。触媒は、より多くの量の活性金属を含む。触媒の活性は実施例1と同様の方法で評価する。触媒は予備硫化される。触媒TS−7の活性を表2に示す。
【0066】
実施例8
本実施例では1,2−シクロヘキサンジアミンN,N,N’,N’−テトラ酢酸(CyDTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジアンモニウムエチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシルエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチルトリアミンペンタ酢酸、エチレングリコールビス−N,N’−テトラ酢酸、シクロヘキサジアミンテトラ酢酸、テトラエチレンペンタアミンを含むキレート剤で触媒は調製される。ここでの最も好ましいキレート剤は1,2−シクロヘキサンジアミンN,N,N’,N’−テトラ酢酸(CyDTA)である。2.433グラムのキレート剤を水酸化アンモニウムに溶かす。1.7032グラムの硝酸ニッケルを蒸留水に溶かし、アンモニウム溶液をNi溶液に加える。Ni(NO32溶液をCyDTA溶液に加え、上澄み液を得る。このように準備したNiとCyDTAを含む溶液にアンモニウムヘプタモリブデイト溶液を加える。金属を担体に担持するために、乾燥させた担体の活性炭に、この混合溶液を加える。含浸されたサンプルは実施例1と同様の方法で乾燥後、仮焼する。触媒は5−15wt%のMoO3、最も好ましくは15wt%程度のMoO3と1−10wt%のNiO、最も好ましくは5wt%程度のNiOを含む。触媒の活性は実施例1と同様の方法で評価する。触媒TS−8の活性を表2に示す。
【0067】
【表2】

【0068】
実施例1−8に開示された結果から、以下の観察ができる。
a) 活性炭担体に活性金属のみが担持された触媒は、より高い脱メタル活性を示す。
b) キレート剤を使って調製した触媒は、より高い脱硫活性を示す。しかし脱メタル活性は中程度である。
【0069】
実施例9
表2の観察から、実施例6に記載(TS−6)のメタル堆積許容能力に関して触媒の安定性を調べた。本発明の特定の関心は超重質原油や残油から不純物のメタルを除去することであるが、重質原油や残油を処理する際の主な問題は触媒の急速な失活である。一般的に製油所では触媒活性をある一つのレベルに置き、その後反応器の温度を上げることによって、その活性レベルを保つ。重質原油や残油の水素化処理の際にコークやメタルが触媒の表面に堆積し、その結果、触媒が失活する。従って重質原油や残油の水素化処理においては触媒の安定性は非常に重要である。この特別な場合において、周期律表のIIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIII、IB、IIB族の遷移金属からなるグループ、好ましくはLa、Ce、Fe、Ti、Cr、Mo、W、Mn、Ni、Coの金属化合物から選ばれた少なくとも一つの水素化プロモータを含む触媒の長時間の安定性を、残油を原料として調べた。
【0070】
本実施例では水素化用の化合物はMo、Co、Niの酸化物、および、或いは硫化物、およびこれらの化合物の二つ、或いはそれ以上の混合物が最も好ましい。これら水素化プロモータに加えて、一つ、或いはそれ以上のP化合物もあっても良い。本形態では触媒は共担持法で調製された。ここでの方法では担体はVIB族、VIII族の活性金属、および、或いはP酸化物を含む水溶液に浸漬される。この後、乾燥と仮焼後、酸化状態となった触媒が得られる。触媒は約8wt%のMoO3を含む。
【0071】
ここでの特別なケースとして、100mlの酸化状態の触媒がパイロット設備の反応器に充填される。この全体の触媒は5層に分割され、それぞれの層はhelly packで隔離される。水素で液体が良く分散されるように、おおよそ15cmのhelly packが反応器の上部に使われる。反応器は三つのゾーンに分けて加熱制御される。酸化状態の触媒は硫化水素、二硫化炭素、ジメチルサルファイド、ジメチルジサルファイドを含む硫化剤によって系内で硫化される。最も好ましい硫化剤はジメチルジサルファイドが良い。水素存在下での硫化で、活性金属とプロモータは配位不飽和なサイトを残した四価、或いはそれ以下の原子価金属の硫化物に転換される。この配位不飽和サイトは水素化処理の活性点である。この場合、硫化は触媒が完全に硫化されるように異なる温度で行われる。好ましい硫化条件は圧力10−30kg/cm2、温度230−360℃、LHSV 1−6h-1の範囲である。硫化剤は軽油に1.7wt%の硫黄を含む。硫化は異なる2つの温度で行い、より低温の260℃で2−5時間程度、次に約320℃で5−15時間行う。
【0072】
硫化の後、適切な水素化処理条件で新鮮な水素と伴に炭化水素油が触媒層に送入される。原料は触媒層が200−460℃、好ましくは320−420℃、例えば400℃程度、圧力50−200kg/cm2、好ましくは80−120kg/cm2、例えば100kg/cm2程度で受け入れられる。液時間空塔速度LHSVは0.2−2、好ましくは0.3−1.5、最も好ましくは0.5−1.0h-1.水素流量は100−8000SCFB、好ましくは2000−6000SCFB、最も好ましくは5000SCFB、180−1200m3/m3で、好ましくは890m3/m3導入される。本実施例で処理される炭化水素油は表3に示す性状の残油である。
【0073】
【表3】

【0074】
脱メタル、脱硫率はそれぞれ図2、図3に示されている。この特別な触媒は長い運転時間に亘り、脱メタル、脱硫、どちらの活性も維持している。図4は運転経過時間(TOS)に対してAPI比重の改善を示している。原料油と生成油のメタル含有量を基準に触媒上のメタル(MOC)が評価され、その値が図5に示されている。
【0075】
表2と図2、3、4、5から以下が注記される。
a) 重質原油の残油を原料とした本実施例では、触媒TS−5とTS−6の脱メタル活性は他の触媒よりも高い。
b) 触媒TS−6は活性金属しか含んでいないが、触媒TS−5は活性金属と適量のプロモータを含む。
c) 触媒TS−6は触媒TS−5に比べ、僅かに低い活性を示すが運転経過時間に対して比較的、より安定である。
d) キレート剤で調製された触媒TS−8は、より高い脱硫活性を示すが、脱メタル活性は中程度である。
e) 長時間安定性試験に使われた触媒TS−6は非常に優れた性能を示す。2700時間運転しても、この触媒は脱メタル活性と脱硫活性を維持している。この試験で処理された炭化水素油は非常に高い濃度のメタル(703.5 wppm)、硫黄(6.23wt%)、そしてアスファルテン(21.83wt%)を含んでいるのは注目に値する。
f) 2700時間の間に初期の触媒に堆積したメタル(MOC)は約182wt%と非常に高い。従って、この触媒のメタル堆積許容能力は、かなり高いものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチームで賦活され、細孔構造として、0.7−1.8cc/gの全細孔容積を持ち、200−2000Åの細孔径を持つ細孔が20%又はそれ以上を占め、細孔径が380−900Åの範囲の細孔の容積比が200−2000Åの範囲の細孔径を持つ細孔の容積に対して40%又はそれ以上である押出成型カーボン担体を有する、重質原油と残油の水素化処理用、特に脱メタル用触媒。
【請求項2】
触媒活性要素として、約1−25重量%の水素化用成分第VIB族の遷移金属、約0.5−10重量%の第VIII族非貴金属および0.1−10重量%の第VA族非金属が請求項1に記載した担体に担持された、重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項3】
触媒活性要素として、6−15重量%の水素化用成分第VIB族の遷移金属、1−6重量%の第VIII族非貴金属および0.1−4重量%の第VA族非金属が請求項1に記載した担体に担持された、重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項4】
触媒活性要素がMo,Ni又はCo及びPである請求項2又は3に記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項5】
さらに、1,2−シクロヘキサンジアミンN,N,N’,N’−テトラ酢酸(CyDTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジアンモニウムエチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシルエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチルトリアミンペンタ酢酸、エチレングリコールビスN,N’テトラ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸及び、テトラエチレンペンタアミンより選ばれるキレート剤を含む請求項2ないし4のいずれかに記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項6】
さらに、1−5重量%のFe23を含む請求項2ないし5のいずれかに記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項7】
少なくとも2700時間の間、脱メタルと脱硫活性を維持する請求項2ないし6のいずれかに記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項8】
非常に高いメタル堆積許容能力を持つ請求項2ないし6のいずれかに記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項9】
水素化処理の条件が、温度は100−500℃の範囲であり、圧力は大気圧−350kg/cm2であり、LHSVは0.05−15h-1であり、水素循環量は90−2000m3/m3である請求項2ないし8のいずれかに記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項10】
水素化処理の条件が、温度は200−500℃の範囲であり、圧力は 35−280kg/cm2であり、LHSVは0.1−10h-1であり、水素循環量は180−1200m3/m3である請求項2ないし8のいずれかに記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。
【請求項11】
水素化処理の条件が、温度は350−450℃の範囲であり、圧力は40−210kg/cm2であり、LHSVは0.1−2h-1であり、水素循環量は180−1200m3/m3である請求項2ないし8のいずれかに記載した重質原油と残油の水素化処理用触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−214297(P2010−214297A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64357(P2009−64357)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(509076797)インスティテュート・メキシカーノ・デル・ペテロレオ (1)
【出願人】(000222174)東洋エンジニアリング株式会社 (69)
【Fターム(参考)】