説明

重量を用いたトナーボトルの存在及びレベル検知

【課題】画像形成装置内に挿入されたトナーカセットの充満レベルを検出する。
【解決手段】画像形成装置は、充満及び部分的充満トナーカセットの存在を区別するように構成されている。画像形成装置は、現像ステーションに位置しているロードセルを含む。ロードセルは、少なくとも装置内へのトナーカセットの挿入中にトナーカセットの質量を検知するように構成されている。プロセッサは、質量差分に基づいて、トナーカセット内に含まれるトナー容量を判定するように構成されている。コントローラは、画像形成装置の動作を制御するために現像ステーション内のモータを駆動又は一時停止するように構成されている。コントローラは、トナー容量に基づいて動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、画像形成装置内に挿入されたカセット内のトナーレベルを検出するシステム、より具体的には、検知された質量を利用するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
公知の印刷処理の方法において、トナー粒子は、現像ステーションに含まれるキャリアビーズと混合する。そして、混合物は、感光体ドラムの表面部分に転写される。トナー粒子は、ドラム表面から、転写ベルト上を移動する画像担持基体に転写される。そして、トナー粒子は、画像担持基体上で溶解される。
【0003】
混合物は、トナー粒子に対するキャリアビーズの所定の等しい割合量を含むことが望ましい。不均衡な割合量は、カセットに含まれるカートリッジ内のトナーの低レベルを示す。画像形成装置が低レベルのトナーで動作し続けた場合には、装置のステーションを損傷するリスクが増加する。例えば、キャリアビーズは、傷つきやすい感光体ドラムの表面を損傷する可能性がある。この損傷は、長期にわたって画像品質不良及びより永続的な機械的問題をもたらす可能性がある。
【0004】
多くのオペレータによって実践される現在の技術は、振り動かしアプローチである。継続動作のために低レベルのトナーカセットを再挿入する試みにおいて、オペレータは、画像形成装置の本体からカセットを取り外し、残りのトナー容量を分配するようにカセットを振り動かし、さらなる印刷サイクルにおいて利用するためにカセットを再挿入する。この技術は、一定のトナー容量の代わりに、ある空気容量を引き込んで動作するように機械にストレスを加えることから、ステーションを損傷するリスクをもたらす可能性がある。カセット内のトナー容量を評価するのに使用される1つの方法は、画像担持装置から排出される媒体シートの枚数を自動的に追跡することを含む。この技術に関連する1つの不都合は、評価がシートについての平均トナー消費量からのものに基づいているということである。出力が画像を描画するためにさらなるトナーを必要とする場合には、偏差は考慮されない。したがって、示されたトナーレベルは、実際の容量と一致しない可能性がある。
【0005】
画像形成装置内に挿入された充満レベルと低レベルのトナーカセットを区別する現在のシステムはない。装置の寿命を延長するために新品と使用済みのカセットを区別することがシステムにとって望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の例示的な実施形態は、充満及び部分的充満のトナーカセットの存在を区別するように構成された画像形成装置に関する。画像形成装置は、現像ステーション内に位置しているロードセルを含む。ロードセルは、少なくとも装置内へのトナーカセットの挿入中にトナーカセットの質量を検知するように構成されている。プロセッサは、質量差分に基づいてトナーカセット内に含まれるトナー容量を判定するように構成されている。コントローラは、画像形成装置の動作を制御するために現像ステーション内のモータを駆動又は一時停止するように構成されている。コントローラは、トナー容量に基づいて動作を制御する。
【0007】
本開示の第2の実施形態は、検出されたトナーカセットに基づいて印刷動作を制御するように構成された画像形成装置に関する。画像形成装置は、現像ステーションを含む。オーガ機構は、固定栓内に回転位置においてオーガスクリューを含む。オーガスクリューは、トナーカセットからトナーを引き込むように構成されている。モータは、オーガスクリューを回転させるように構成されている。ドックステーションは、トナーカセットを支持する。装置は、さらに、ドックステーションの前部に位置しているロードセルを含む。ロードセルは、より具体的には、オーガスクリューとトナーカセットとの間の接合部分から離隔されて位置している。ロードセルは、トナーカセットによってなされる偏位を検出するように構成されている。ロードセルは、さらに、トナーカセットの質量を検出するように構成されている。質量は、トナーカセット内に含まれるトナーの容量を表す。
【0008】
本開示の第3の実施形態は、画像形成装置内に挿入されたカセット内のトナーの充満レベル検出する方法に関する。本方法は、画像形成装置の現像ステーション内にトナーカセットを少なくとも部分的に挿入することを含む。ロードセルは、トナーカセットによって偏位されるものとして測定される。プロセッサは、ロードセルが偏位されたとき、充満トナーカセットを表す充満質量を探索する。質量を表す信号は、プロセッサに対して送信される。コントローラは、信号に基づいて印刷サイクルの動作を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本開示の実施形態にかかる印刷動作を制御するためにロードセルを使用するコンピュータシステムの機能ブロック図である。
【図2】図2は、画像形成装置に組み込まれたロードセルの概略図である。
【図3】図3は、本開示の実施形態にかかるロードセルを含む現像機構の上面図である。
【図4】図4は、部分的に挿入されたトナーカセットに対する位置関係におけるロードセルの側面図である。
【図5】図5は、本開示を組み込むシステムを図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本特許出願は、画像形成装置内に挿入されたトナーカセットの質量を検知するロードセルに関する。ロードセルは、カセットのトナー充満レベルを判定するために質量を使用するシステム内に組み込まれる。画像形成装置の動作は、充満レベルに基づいている。
【0011】
本願明細書において、画像形成装置は、例えば、複写機、レーザプリンタ、製本機、ファクシミリ装置、又は、多機能機(例えば、読み取り、印刷、保管、電子メール、及び、ファクシミリ等の1つ以上の機能を含む)等、印刷媒体上に画像を描画する任意の機器を含むことができる。「印刷媒体」は、通常、紙、プラスチック、又は、画像を担持する他の適切な印刷媒体基体からなる薄い物理シートとすることができる。
【0012】
用語「ソフトウェア」は、本願明細書においては、ソフトウェアの目的であるタスクを実行するようにコンピュータ又は他のディジタルシステムを構成するためにコンピュータ又は他のディジタルシステムによって実行可能な命令の任意の集まり又は集合を包含することを目的としている。用語「ソフトウェア」は、本願明細書においては、例えば、RAM、ハードディスク、光ディスク等の記憶媒体に記憶されたそのような命令を包含することを目的としており、また、ROM等に記憶されたソフトウェアであるいわゆる「ファームウェア」を包含することも目的としている。そのようなソフトウェアは、様々な方法で編成されてもよく、ライブラリ、リモートサーバ等に記憶されたインターネットベースのプログラム、ソースコード、解釈コード、オブジェクトコード、直接実行可能なコード等として編成されたソフトウェアコンポーネントを含んでもよい。ソフトウェアは、システムレベルコード又はある機能を実行するためにサーバ若しくは他の場所に存在する他のソフトウェアに対するコールを呼び出してもよいということが考えられる。
【0013】
図1に図示された方法は、コンピュータ上で実行され得るコンピュータプログラム製品に実装され得る。コンピュータプログラム製品は、例えば、ディスク、ハードドライブ、又は同様のもの等、制御プログラムが記録された持続性コンピュータ読み取り可能記録媒体を備えていてもよい。持続性コンピュータ読み取り可能媒体の一般的形式は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は、他の任意の磁気記憶媒体、CD−ROM、DVD、又は、他の任意の光媒体、RAM、PROM、EPROM、フラッシュEPROM、又は、他のメモリチップ若しくはカートリッジ、又は、コンピュータがそこから読み取って使用することができる他の任意の有形的表現媒体を含む。
【0014】
代わりに、本方法は、例えば、制御プログラムが、電波及び赤外線データ通信中等に生成されるような音波又は光波等の伝送媒体を使用するデータ信号として具体化される伝送搬送波等、一時的媒体に実装されてもよい。
【0015】
図1を参照すると、コンピュータシステム10の機能ブロック図が示されている。図示されたコンピュータシステム10は、コンピュータシステム10の全体動作を制御するプロセッサ12を含む。プロセッサ12は、プロセッサ12に対して接続されたメモリ14に記憶された処理命令を実行する。コンピュータシステム10はまた、ネットワークインターフェースと、ユーザ入出力(I/O)インターフェースとを含む。I/Oインターフェースは、ユーザに対して情報を表示する1つ以上のディスプレイ、及び、命令を入力するためのキーボード又はタッチ若しくは書き込み可能スクリーン等のユーザ入力装置、及び/又は、ユーザ入力情報及びコマンド選択をプロセッサに対して通信するマウス、トラックボール、若しくは同様のもの等のカーソル制御機器と通信してもよい。コンピュータ10の様々な部品は、バス16によって全て接続されていてもよい。プロセッサ12は、図5に概説された方法を実行するための命令を実行する。コンピュータシステム10は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、パームトップコンピュータ、携帯情報端末機(PDA)、サーバコンピュータ、携帯電話機、ページャ、又は、例示的な本方法を実行するための命令を実行可能な他の計算装置(例えば複合プリンタ/複写機)等のPCであってもよい。
【0016】
上述したように、メモリ14は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気ディスク若しくはテープ、光ディスク、フラッシュメモリ、又は、ホログラムメモリ等、有形的コンピュータ読み取り可能媒体のいかなるタイプをも表していてもよい。1つの実施形態において、メモリ14は、ランダムアクセスメモリと読み出し専用メモリとの組み合わせを備える。いくつかの実施形態において、プロセッサ12及びメモリ14は、単一チップに結合されていてもよい。ネットワークインターフェースは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又は、インターネット等のコンピュータネットワークを介してコンピュータが他の機器と通信するのを許容し、変復調装置(MODEM)を備えていてもよい。メモリ14は、処理データとともに例示的な本方法を実行するための命令を記憶する。
【0017】
図1は、さらに、検知又は測定された質量値をコンピュータシステム10内に入力するためのロードセル220に対して接続されたコンピュータシステム10を図示している。質量データ20は、メモリ14に含まれる命令にしたがってプロセッサ12によって処理される。メモリ14は、百分率トナー容量生成(すなわち計算/変換コンポーネント)22、容量閾値比較コンポーネント24、第1の質量閾値比較コンポーネント26、及び、第2の質量閾値比較コンポーネント28のうちの少なくとも1つを記憶している。これらのコンポーネント22−28は、本方法を参照しながら後述される。検知された質量データは、データメモリ30に記憶された印刷命令を生成するための様々なコンポーネントにしたがって処理を受ける。
【0018】
検知されたの質量データは、プロセッサ12及びメモリ14、30を含むコントローラ32と通信される。コントローラ32は、印刷媒体上に画像を描画するための少なくとも1つのマーキング(又は印刷)エンジンの動作を制御するために少なくとも1つの画像形成装置100の一部として形成されていてもよい。代わりに、コントローラ32は、画像形成装置100と接続された別個の遠隔機器に含まれていてもよい。命令データは、印刷エンジンにおけるさらなる処理のためにコントローラ32から出力される。例えば、この命令データは、印刷サイクルを完了するためにモータ206の動作を制御してもよい。図2は、印刷サイクルの段階において使用される処理ステーションの概略図をより具体的に図示している。処理ステーションは、画像形成装置100内に組み込まれている。段階は、以下の記載に対応して連続的に遂行される。原画像担持要素(図示しない)がプラテン102上に置かれる。モータは、感光体104(同義語として「ドラム」と称される)を回転駆動する。帯電ステーション106は、ドラム104の表面を電気的に帯電させる。露光ステーション108は、原画像担持要素を走査する。露光ステーション108は、ドラム104の帯電された表面上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、像構造における光学像である。より具体的には、光源、ミラー、及び、少なくとも1つの集束レンズは、感光体ドラム104に対して像を露光する。現像ステーション110(以下、同義語として「現像機構」と称される)は、静電潜像を可視形態(すなわちトナー像)へと現像する。カートリッジ又はカセット等のトナー含有コンポーネント112は、キャリアビーズと混合する現像器ハウジング内にトナー粒子を分配する。現像器ロールは、帯電された感光体ドラム104の表面上にトナーを堆積させる。転写ステーション含有コンポーネント114は、現像された像を媒体シートに対して転写する。より具体的には、媒体シートは、トナー像に対して同期関係で転写ベルト116上を移動する。トレイ118は、スタックから媒体シートを供給する。基体搬送機構120は、トレイ118にスタックされた媒体の一番上のシートを、搬送経路に沿って配置されたローラ対122を用いて感光体ドラム104に向かって搬送する。転写ステーション含有コンポーネント114における電界は、媒体シート上にトナー粒子を転写するためのコロトロンを含む。溶解ステーション124は、熱及び圧力を加えることによって媒体に対して像を定着させる。複写された像を担持する媒体は、最後に排出トレイ142に運ばれる。クリーニングステーション144に含まれるブラシは、ドラム104の表面から残トナー粒子をこすり落とす。処理は、次の画像を形成するために繰り返される。
【0019】
トナー含有コンポーネント112は、様々なタイプの媒体上に有色及び/又はクリアトナーを印刷するために画像形成装置100内に設置された消耗品及び/又は交換式のハウジングである。トナー含有コンポーネント112は、一般に、第1の端部において開口(図示しない)を有する細長い本体を含む。開口は、現像機構110のオーガ204を受ける。トナー含有コンポーネント112は、感光体ドラム104に向かう粉状トナーの出口のために側壁に配置された開口を含む。開口(以下、同義語として「孔」と称される)は、より具体的には、トナー含有コンポーネント112の前端を通って配置されている。開口は、トナー含有コンポーネント112が画像形成装置100に回転可能に取り付けられたとき、分配器及び転写システムにより近くに配置されている。
【0020】
トナー含有コンポーネント112は、画像形成装置100内の現像機構110のドックステーション202に関して取り付ける。ドックステーション(同義語として「プラットフォーム」と称される)202は、画像形成装置100の内部に含まれ、前ドアパネル224を用いてアクセス可能とされる。ドックステーション202は、現像機構110の一部であってもよい。一般的な現像機構110が、モータ206から外側に延在しているオーガ204を含むように図3に図示されている。オーガ204及びモータ206は、双方とも、画像形成装置100の本体の一部を形成する。オーガ204は、モータ206によって回転駆動される回転オーガスクリュー208(同義語としてオーガ「ビット」と称される)を含む。同様にモータ206に対して取り付けられているものは、一旦トナー含有コンポーネント112が支持プレート212上に堅固に取り付けられるとトナー含有コンポーネント112を回転するためのギア210である。支持プレート212は、ギア210の外側に向いた面に対して固定的に結合されているものとして図示されている。固定栓214(同義語として「覆い」と称される)は、同様にモータから外側に延在している。固定栓214は、オーガビット208の終端を越えて延在している。固定栓214は、オーガスクリュー208の長手方向に沿って延在しており、さらに、オーガスクリュー208の円周面を包囲している。少なくとも1つの長手方向に延在している開口216は、固定栓214の円周長さ部分にわたって形成されている。長手方向に延在している開口216は、粉状トナーと回転オーガスクリュー208との接触をもたらす機能を果たす。
【0021】
本開示は、画像形成装置100内に組み込まれたロードセル220に関する。ロードセル220は、図3に図示されており、画像形成装置100の現像器領域に配置されたセンサ及び/又は検出機構を含む。ロードセル220は、画像形成装置100内に挿入されたトナー含有コンポーネント112の存在を検出する機能を果たす。ロードセル220は、さらに、トナー含有コンポーネント112の特性測定値を取るように構成されている。特性測定値は、カセット内に収容されてもよいトナー含有コンポーネント(すなわちカートリッジ)内に含まれるトナー充満レベルを示す。特性測定値は、カセット質量である。
【0022】
より具体的な詳細において、ロードセル220は、現像ステーション110内のオーガ機構204に関して位置している固定センサである。ロードセル220は、例えばギア210及びオーガスクリュー208等、現像ステーション110内の任意の可動部品との直接接触しないように離隔されていてもよい。現像器内に積み込むためにトナーが接合面において拾い上げられることから、ロードセル220がトナーカセット112と回転オーガスクリュー208との間の接合部分と接触から離れて位置しているということが重要である。したがって、ロードセル220は、トナー拾い上げ動作を妨害しないであろう位置に配置されていてもよい。
【0023】
1つの実施形態において、ロードセル220は、ドックステーション202に対して固定的に結合されていてもよい。1つの実施形態において、ロードセル220は、一般にオーガ204の下方である位置においてドックステーション202に対して取り付けられていてもよい。より具体的には、ロードセル220は、一般にオーガ204の長手方向範囲まで及ぶ中心軸Aの下方の位置に配置されていてもよい。
【0024】
図3は、ドックステーション202の前方部分に対して取り付けられたロードセル220を図示している。1つの実施形態において、ロードセル220は、栓204の終端218の領域の前方である位置においてドックステーション202に対して取り付けられてもよい。1つの実施形態において、ロードセルは、栓204の終端218と画像形成装置に対してアクセスするのに使用される前ドアパネル224との間に画定されるドックステーション202の前領域222に沿ったどこに位置していてもよい。現像機構110の前領域222に位置している場合、ロードセル220は、トナーカセット112の重みが挿入中にロードセル上に下方に加わったときに偏位するように構成されていてもよい。1つの実施形態において、ロードセル220は、トナー含有コンポーネント112が完全に挿入された後にそれを固定位置に嵌め込むように構成されていてもよい。この実施形態のロードセル220がオーガ204の遠位端(すなわち支持プレート212において)から離隔されて配置されるということが考えられる。この距離は、トナー含有コンポーネント112の長手方向範囲よりも大きい。換言すれば、完全に挿入されたトナー含有コンポーネント112は、ロードセル220と接触して偏位させなくてもよい。他の実施形態(図示しない)において、ロードセル220は、栓204の終端218の後方に位置していてもよい。1つの想定される実施形態において、ロードセル220’は、一般に完全に挿入されたトナーカセット112の長手方向範囲に沿った中間点の下方に配置されていてもよい。ロードセル220’についての代替位置は、さらに、図4において透視状態で図示されている。
【0025】
ロードセル220がトナー含有コンポーネント112に近接して配置されていることから、ロードセルは、ロードセルと、ロードセルの上で回転するトナー含有コンポーネント112との間の接触面における摩擦を低減するように構成された滑らかな減摩外側コーティングもまた含んでもよい。ロードセル220が固定され且つトナー含有コンポーネント112が回転可能であることから、テフロン(登録商標)又は同様の機能的コーティングが適切であり得る。
【0026】
1つの実施形態において、ロードセル220は、ある重量閾値(例えばより重いカセット)に一致するトナーカセット112が画像形成装置100内に挿入されたときにのみ偏位するように適合させる高さを含んでもよい。ロードセル220は、検知された偏位に基づいて、トナーカセット112の存在を検出するように構成されている。トナーカセット112は、栓204を受けるようにドックステーション202上にスライドされたときに、ロードセル220を偏位させてもよい。一旦ロードセル220が偏位された状態を検知すると、ロードセルは、図1のコントローラ32に対して信号を送信してもよい。1つの実施形態において、ロードセル220は、特性測定値を表す信号を送信してもよい。特性測定値は、質量(又は重量)値であってもよい。1つの実施形態において、プロセッサ12は(図1参照)、偏位信号が受信されたときに充満トナーカセットを表す質量信号を選択的に探索してもよい。他の実施形態において、プロセッサ12は、任意の充満レベルを有するトナーカセット112の質量を表す信号を探索してもよい。プロセッサ12は、カセット112内に含まれる百分率トナー容量を判定するための計算における変数として質量信号を含んでもよい。例えば、トナープロセッサは、入力トナーカセット質量値と参照値との間の質量差分を計算してもよい。参照値は、100%のトナー容量を有する充満トナーカセットの質量に対応していてもよい。他の実施形態において、プロセッサ12は、質量差分に基づいて、トナーカセット112内に含まれるトナー容量(以下、同義語として「トナーレベル」又は「トナー容量」と称される)を判定するように構成される。
【0027】
代替の実施形態は、ルックアップテーブル内の入力変数として、検知されたトナーカセット質量を使用することを含んでもよい。対応する出力値は、トナーカセット内の利用可能な及び/又は残存しているトナーの百分率レベルを示していてもよい。例えば、ロードセルシステムによって検知された質量値は、10%毎に又は25%毎にトナー容量レベルを表していてもよい。
【0028】
1つの実施形態において、受信された質量信号又は計算された出力値は、少なくとも第1の閾値と比較されてもよい。この閾値は、充満トナーカセットについてコントローラ32のメモリ14にプログラムされた参照質量に対応していてもよい及び/又は参照質量に近くてもよい。1つの実施形態において、閾値は、低レベルトナーカセットに近くてもよい。低トナーカセットの質量は、充満トナーカセットの質量の約1/10である。低レベル閾値が一致しない場合、カセットは、空状態を満たすとして判定されてもよい。
【0029】
コントローラ32は、質量又は計算された出力値が少なくとも1つの閾値に一致するかどうかに基づいて、印刷装置の動作を制御してもよい。コントローラ32は、トナー容量に基づいて画像形成装置100の動作を制御するために現像ステーション110のモータ206(図3参照)(及び/又は感光体ドラム104)を駆動又は一時停止するように構成されている。質量信号が充満トナーカセットに対応する(すなわち、それは第1の閾値に一致する)場合、コントローラ32は、トナーカセット112が装置内に完全に挿入されたときに印刷サイクルを開始するように構成されている。質量信号が充満トナーカセットに対応しない(すなわち、それは第1の閾値に一致しない)場合、質量信号は、第2の閾値と比較されてもよい。第2の閾値は、使用可能なトナー残量を有する部分的充満トナーカセットと、装置の内部ステーションをリスクにさらす低レベル又は空トナーカセットとを区別することを目的としている。この第2の閾値は、充満トナーカセットの約1/10の参照質量としてプログラムされていてもよい。
【0030】
質量信号又は計算された出力値が第2の閾値に一致した場合、コントローラ32は、印刷サイクルを開始するように構成されている。コントローラ32は、さらに、トナーカセット112が部分的に充満であることをユーザに通知する指標を活性化してもよい。この指標は、ディスプレイ上の可視的な表示灯又はメッセージを含んでもよい。この指標はまた、媒体上に画像を描画するために利用可能なトナー量又は容量を含んでもよい。指標は、追加的に又は代わりに、可聴警告を含んでもよい。一般に、コントローラ32が少なくとも1つのプログラムされた許容量を提供するということが考えられる。したがって、印刷サイクルは、判定された、画像形成装置100内に再挿入された部分的充満トナーカセットについて再開されてもよい。しかしながら、1つの実施形態において、コントローラ32は、ロードセル220が偏位状態にないときにはいかなる印刷サイクル動作をも阻止してもよい。したがって、低レベルトナーは、ロードセル220を部分的に又は完全に偏位させるほど十分重くない。
【0031】
質量信号が所定の第2の閾値に一致しない場合、コントローラ32は、印刷サイクル動作を阻止するように構成されてもよい。コントローラ32は、エラーを示してもよい。より具体的には、コントローラ32は、交換カセットが装置内に挿入されるまで、いかなる優先動作をも禁止するように構成されてもよい。したがって、プロセッサ12は、非偏位状態と次の偏位状態との双方に復帰するようにロードセル220を探索してもよい。
【0032】
図5は、本開示にかかる方法を図示している。メインメモリ(図1の14)は、プロセッサ12に動作を実行させる命令を記憶する。一連の動作は、開始S300において開始する。低レベルトナーカセット(以下、「古いカセット」と称される)が装置から取り外される。トナーカセットは、S302において少なくとも部分的に挿入される。1つの実施形態において、トナーカセットは、所定の充満レベルに一致した場合にのみロードセルを偏位させてもよい(すなわち、トナーカセットは、ロードセルを下方に所定距離偏位させる)。他の実施形態において、いかなる充満レベルトナーカセットの存在が、S304においてロードセルの偏位をもたらしてもよい。コントローラは、ロードセルが偏位状態にないとき、S306において印刷動作を阻止する。しかしながら、印刷動作は、代わりに、偏位されたロードセルによって測定された質量値に基づいていてもよい。ロードセルが偏位された場合には、プロセッサは、S308においてトナーカセットの質量を示す信号を探索する。ロードセルは、S310において質量信号をプロセッサに対して送信する。
【0033】
1つの実施形態(実施形態1と称される)において、トナー容量の百分率が容量百分率計算コンポーネント(図1の24)を用いてS312において計算される。質量値は、入力変数として使用される。プロセッサは、質量値に基づいて、トナーカセット内に含まれるトナー容量を出力してもよい。この容量は、充満トナー容量と比較されてもよく、トナーカセット内に残存している容量の百分率として表現されてもよい。他の実施形態において、質量差分が、質量値と参照充満トナー質量値との間で計算されてもよい。差分は、カセット内に残存しているトナーの容量を判定するのに同様に使用されてもよい。ルックアップテーブルが容量百分率を出力するのに使用されてもよい。
【0034】
1つの実施形態において、S314において、出力値が閾値と比較されてもよい。1つの実施形態において、この閾値は、所定の質量差分又は所定のトナー容量の百分率を含んでもよい。出力値が閾値に一致した場合には、コントローラは、S316において印刷サイクルを始めてもよい。しかしながら、コントローラは、代わりに、出力値が閾値に一致しない場合には、S318においてトナー容量の低レベルを示してもよい。コントローラは、S320において、ロードセルが交換カセットによって生じさせられる偏位を検知するまで印刷動作を始めるのを阻止してもよい。処理は、S302へと戻り、交換カセットが部分的充満又は充満レベルトナー容量を有するとして判定されるまで繰り返す。
【0035】
他の実施形態(実施形態2と称される)において、プロセッサは、S322において、受信された質量値を少なくとも第1の閾値と比較してもよい。この閾値は、充満トナーカセットに対応する質量に近くてもよい。質量信号が第1の閾値に一致した場合には、S316において印刷動作が始められてもよい。印刷動作が始められた場合、S322において、処理は終了する。しかしながら、質量信号が第1の閾値に一致しない場合には、S324において、質量値が第2の閾値と比較されてもよい。1つの実施形態において、この第2の閾値は、充満トナーカセットの質量の十分の一(1/10)に近くてもよい。この第2の閾値は、空トナーカセットを表していてもよい。したがって、コントローラは、S318において低レベルトナーカセットを示してもよく、第2の閾値が一致しないときに、S320において画像形成装置の動作を阻止してもよい。
【0036】
オペレータが、古いカセットを用いてさらなる印刷サイクルを得ようと試みるということが知られている。この動作の1つの態様は、トナー残量があるときには部分的充満トナーカセットが時期尚早には廃棄されないというものである。これらのオペレータは、通常、カセットを振り動かし、それを画像形成装置内に(部分的に又は完全に)再挿入する。
【0037】
1つの実施形態において、コントローラは、出力動作を阻止せずに古いカセットの再挿入を認識するようにプログラムされていてもよい。コントローラは、カセット内に含まれる残存している低レベルのトナーを利用しようとする試みにおいて、トナーカセットの少なくとも1回の振り動かしを許容してサイクルを再開するようにプログラムされていてもよい。コントローラは、第2の閾値を用いて、部分的に充満な古いカセットと空カセットとを区別してもよい。質量値が第2の閾値に一致した場合には、S322において、印刷動作がコントローラによって再開されてもよい。
【0038】
代わりに、1つの実施形態において、コントローラは、いかなる場合であっても、いかなる古いトナーボトルをも受け入れないようにプログラムされていてもよい。いずれにしても、コントローラは、充満トナーカセット交換品が装置内に設置されたとして検知されるまで、画像のいかなる出力をも一時停止してもよい。
【0039】
一連の行為又はイベントの形態で、制御方法が上で説明されて記載されたが、当然のことながら、本開示の様々な方法又は処理は、そのような行為又はイベントの説明された順序によって限定されるものではない。この点で、以下に具体的に与えられるものを除いて、いくつかの行為又はイベントが、本開示にしたがって本願明細書において説明されて記載されたものは別として、他の行為又はイベントともに異なる順序で及び/又は同時に起こってもよい。さらに留意すべきは、全ての説明された工程が本開示にかかる処理又は方法を実装するのに必要とされ得るとは限らず、1つ以上のそのような行為が組み合わされてもよいということである。本開示の説明された方法及び他の方法は、本願明細書において記載された制御機能を提供するために、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その組み合わせで実装されてもよく、限定されるものではないが上で説明されたシステムを含む任意のシステムで使用されてもよい。本開示は、本願明細書において説明されて記載された特定の用途及び実施形態に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置内に挿入されたトナーカセットの充満レベルを検出する方法において、
前記画像形成装置の現像ステーション内にトナーカセットを少なくとも部分的に挿入することと、
ロードセルが前記トナーカセットによって偏位されたかどうかを判定することと、
前記ロードセルの偏位が判定されたとき、充満トナーカセットを表す充満質量をプロセッサによって探索することと、
質量を表す信号をプロセッサに対して送信することと、
前記信号に基づいて印刷サイクルの動作を制御することとを備える、方法。
【請求項2】
充満トナーカセットと充満未満トナーカセットとの間を検出するために質量差分を使用することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
充満トナーカセットと等しい参照質量と前記質量を比較することをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記質量が充満トナーカセットと等しくない又はそれよりも大きくない場合に、充満トナーカセットの1/10と等しい参照質量と前記質量を比較することをさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記質量が前記参照質量未満である場合に印刷サイクル動作を阻止することをさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記ロードセルが偏位されていないと判定された場合に印刷サイクル動作を阻止することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ロードセルによって適所に前記トナーカセットを嵌め込むことをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
検出されたトナーカセットに基づいて印刷動作を制御するように構成された画像形成装置において、
固定栓内に回転可能に位置しておりトナーカセットからトナーを引き込むように構成されたオーガスクリューを有するオーガ機構と、
前記オーガスクリューを回転させるように構成されたモータと、
前記トナーカセットを支持するためのドックステーションと、を含む現像ステーションと、
前記ドックステーションの前部に位置しており且つ前記オーガスクリューと前記トナーカセットとの間の接合部分から離隔されているロードセルとを備え、
前記ロードセルが、前記トナーカセットによってなされる偏位を検出し且つ前記トナーカセット内に含まれるトナー容量を表す前記トナーカセットの質量を検出するように構成されている、画像形成装置。
【請求項9】
前記ロードセルから前記質量を表す信号を受信し、充満トナーカセット及び空トナーカセットに対応する値から選択された少なくとも1つの参照信号と前記信号を比較し、前記信号が少なくとも1つの閾値に一致するかどうかを判定するように構成されたプロセッサをさらに含む、請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記閾値に一致する前記信号に基づいて、前記モータの動作を制御するように構成されたコントローラをさらに含む、請求項9記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−98728(P2012−98728A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235401(P2011−235401)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】