説明

野菜処方炭酸飲料及びその製造方法、並びに野菜処方アルコール炭酸飲料及びその製造方法

【課題】野菜成分(搾汁)の不溶性固形分を均質化・分散化処理して沈澱を抑制するとともに、炭酸を加えることにより、野菜特有の風味、清涼感、色合い、口当たり等を改善して、新たな野菜処方炭酸飲料及びアルコール炭酸飲料を提供する。
【解決手段】野菜処方炭酸飲料の製造方法は、少なくとも野菜成分と炭酸を不可欠成分として組成され、主原料となる不溶性固形分を含む野菜の搾汁と、果汁ないしは酸味料を混合・溶解し、かつ、pH調整するとともに、増粘多糖類を添加して均質化・分散化処理した後、甘味料その他の添加物と、香料を加えて定量調合したメスアップ液(A)を均質化処理し(B)、ついで達温殺菌・急冷処理し(C)、比例混合(D)後に炭酸ガスを吹き込み処理し(E)、容器に充填・封入した後、さらに低温殺菌・冷却処理(F)して最終飲料を得るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果汁その他の植物成分を含有する炭酸飲料及びその製造方法に係り、詳しくは、少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分と炭酸を不可欠成分として組成した野菜処方炭酸飲料及びその製造方法に関する。
【0002】
並びに、果汁その他の植物成分を含有する果実酒等のアルコール炭酸飲料及びその製造方法に係り、詳しくは、少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分と炭酸とアルコールを不可欠成分として混成した野菜処方アルコール炭酸飲料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来より、口当たりや風味の改善を目的として種々の果汁入り炭酸飲料が提案されている。こうしたなかで、果汁等の植物成分と炭酸ガスを含有し、植物成分の豊かな味わいと炭酸ガスの爽やかな刺激感(爽快感)をバランス良く備えた植物成分含有炭酸飲料の提案があった(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】国際公開第02/067702号パンフレット (再公表特許WO2002/067702号公報)
【0004】
上記従来例において、植物成分として果物又は野菜の搾汁を含むとの記載があるが、野菜成分を不可欠成分とする処方とはなっていない。果汁と野菜汁で区別した処方(処理条件)を開示しておらず、甘味(量)の調整により果汁と炭酸ガスの両方を多く含みながら風味や爽快感(清涼感)を改善することを目的効果としている。
【0005】
ところで、従来のトマトジュースその他の野菜ジュース(不溶性固形分を含む)では、高温殺菌をおこなうので、野菜特有の風味や清涼感が損なわれるという問題がある一方、野菜特有の風味を嫌忌する人(消費者)もいる。また、飲料液の不溶性固形分は、味覚やのどごしにおいて重要な要素であるが、静置しておくと沈殿するという問題があり、炭酸飲料では容器(飲料液)を振ることは好ましくないので、飲料開発の障害となっていた。
【0006】
したがって、これまでに不溶性固形分を含む野菜ジュースの炭酸飲料及び炭酸アルール飲料を開発したものはとくにみあたらない。
【0007】
なお、本発明において、ジュースは不溶性固形分を含む搾汁液と同義であり、精密濾過等により不溶性固形分を除去した透明搾汁液とは区別して扱う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明が解決しようとする問題点は、不溶性固形分を含む野菜成分を不可欠成分とする炭酸飲料及びアルコール炭酸飲料を開発する点にある。
【0009】
具体的には、炭酸入りとすることにより、野菜特有の風味や清涼感を温存し、かつ、色合いや口当たりを改善する点である。
【0010】
このために、不溶性固形分の沈澱抑制を図り、野菜成分(ジュース)についても炭酸入り飲料を開発可能とする点である。技術的には不溶性固形分の均質化・分散化をおこなう処理技術を確立する点である。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分と炭酸を不可欠成分として組成した野菜処方炭酸飲料及びその製造方法、並びに、少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分と炭酸とアルコールを不可欠成分として混成した野菜処方アルコール炭酸飲料及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
課題を解決するために本発明は、少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分を5重量パーセント以上の割合で調合した飲料液に炭酸ガスを圧入してなる野菜処方炭酸飲料である。
【0013】
具体的には、以下の処方を有することを特徴とするものである。
(1)不溶性固形分を含む野菜成分を5〜80重量パーセントの割合で含有する。
(2)不溶性固形分は均質化処理により沈澱抑制されている。すなわち、不溶性固形分は均質化処理により膨潤したセルロース繊維に捕捉され、飲料液中に均質化・分散化している。
(3)炭酸ガスを1.0〜2.0容量パーセントの割合で含有する。
(4)野菜成分を含む原料を調合し、かつ、pH4.0以下に調整したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して98℃を超えない達温殺菌処理及び直後の急冷処理を施している。
(5)比例混合液(水配合希釈液に同じ)に炭酸ガスを吹き込み、容器充填・封入後に75℃を超えない低温殺菌処理及び冷却処理を施している。
【0014】
また、上記野菜処方炭酸飲料の製造方法であって、少なくとも野菜成分と炭酸を不可欠成分として組成され、主原料となる不溶性固形分を含む野菜の搾汁と、果汁ないしは酸味料を混合・溶解し、かつ、pH4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して均質化・分散化処理(第1の均質化処理に同じ)した後、甘味料その他の添加物と、香料を加えて定量調合したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して、第2の均質化処理を選択的に施し、達温殺菌・急冷処理し、比例混合(水配合希釈)後に炭酸ガスを圧入処理し、容器に充填・封入した後、さらに低温殺菌・冷却処理して最終飲料を得ることを特徴とするものである。
【0015】
一方、少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分を5重量パーセント以上の割合で調合し、かつ、アルコール成分を1〜30重量パーセントの割合で混成した飲料液に炭酸ガスを圧入してなる野菜処方アルコール炭酸飲料である。
【0016】
具体的には、以下の処方を有することを特徴とするものである。
(1)不溶性固形分を含む野菜成分を5〜80重量パーセントの割合で含有する。
(2)不溶性固形分は均質化処理により沈殿抑制されている。すなわち、不溶性固形分は均質化処理により膨潤したセルロース繊維に捕捉され、飲料液中に均質化・分散化している。
(3)炭酸ガスを1.0〜2.0容量パーセントの割合で含有する。
(4)アルコール成分を1〜30重量パーセントの割合で含有する。
(5)野菜成分及びアルコールを含む原料を調合し、かつ、pH4.0以下に調整したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して98℃を超えない達温殺菌処理及び直後の急冷処理を施している。
(6)比例混合液(水配合希釈液に同じ)に炭酸ガスを吹き込み、容器充填・封入後に75℃を超えない低温殺菌及び冷却処理を施している。
【0017】
また、上記野菜処方アルコール炭酸飲料の製造方法であって、少なくとも野菜成分と炭酸とアルコールを不可欠成分として混成され、主原料となる不溶性固形分を含む野菜の搾汁と、果汁ないしは酸味料を混合・溶解し、かつ、pH4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して均質化・分散化処理(第1の均質化処理に同じ)した後、甘味料その他の添加物と、香料を加え、さらにアルコールを添加して定量調合したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して、第2の均質化処理を選択的に施し、達温殺菌・急冷処理し、比例混合(水配合希釈)後に炭酸ガスを圧入処理し、容器に充填・封入した後、さらに低温殺菌・冷却処理して最終飲料を得ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、主原料である野菜ジュースの不溶性固形分が均質化処理により沈澱抑制されるので、炭酸飲料(及びアルコール炭酸飲料)において不溶性成分が沈澱することの不都合を解決することができる。この、沈澱抑制は、不溶性固形分が均質化処理により膨潤したセルロース繊維に捕捉され、飲料液中に均質化・分散化するものである。
【0019】
このため、不溶性固形分を含む野菜成分(搾汁)を温存し、かつ、炭酸を加えることにより、野菜特有の風味、清涼感、色合い、口当たり等を改善して、野菜処方の新たな炭酸飲料及びアルコール炭酸飲料を提供することができる。
【0020】
しかも、炭酸入りとすることで、pH調整後の野菜ジュースに対する殺菌処理を低温短時間でおこなうことができ、当然のことながら最終飲料液中の残存空気(溶存酸素)が炭酸ガスに置換されるので、長期保存可能で風味等の劣変を抑制可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良形態は、図1及び図2に処理フロー図を示すように、上記野菜処方炭酸飲料の製造方法において、以下の処理工程を包含するものである。
【0022】
(A)原料組成中に5重量パーセント(以下、%と表記)以上を含有する野菜の搾汁(不溶性固形分を含む)と、pH調整用の果汁ないしは酸味料を混合・溶解し、かつ、pH4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して50〜80℃に加熱後、100〜200kg/cm2 の差圧を施して均質化・分散化処理し(第1の均質化処理工程)、30℃以下に冷却後、甘味料その他の添加物と、香料を加えて定量調合するメスアップ処理工程。
【0023】
(B)メスアップ液(定量調合飲料液)に対して、選択的に施され、液中の固形分をさらに均質化・分散化処理する第2の均質化処理工程。
【0024】
(C)90〜98℃で達温殺菌し、10℃以下に急冷する達温殺菌・急冷処理工程。
【0025】
(D)比例混合機を用いて最終飲料液の配合割合(炭酸ガスを除く)に水希釈する比例混合処理工程。
【0026】
(E)炭酸ガス圧入機を用いて比例混合液に1.0〜2.0容量%の割合で炭酸ガスを吹き込む炭酸ガス圧入処理工程。
【0027】
(F)容器に充填・封入した後、選択的に施され、65〜75℃の温度条件下で10〜20分間保持した後、30℃以下に冷却する低温殺菌・冷却処理工程。
【0028】
また、上記野菜処方アルコール炭酸飲料の製造方法において、図3及び図4に処理フロー図を示すように、以下の処理工程を包含するものである。
【0029】
(a)原料組成中に5重量%以上を含有する野菜の搾汁(不溶性固形分を含む)と、pH調整用の果汁ないしは酸味料とを混合・溶解し、かつ、pH4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して50〜80℃に加熱後、100〜200kg/cm2 の差圧を施して均質化・分散化処理し(第1の均質化処理工程)、30℃以下に冷却後、甘味料その他の添加物と、香料を加えた後、1〜30重量%のアルコールを添加して定量調合するメスアップ処理工程。
【0030】
(b)メスアップ液(定量調合飲料液)に対して、選択的に施され、液中の固形分をさらに均質化・分散化する第2の均質化処理工程。
【0031】
(c)90〜98℃で達温殺菌し、10℃以下に急冷する達温殺菌・急冷処理工程。
【0032】
(d)比例混合機を用いて最終飲料液の配合割合(炭酸ガスを除く)に水希釈する比例混合処理工程。
【0033】
(e)炭酸ガス圧入機を用いて比例混合液に1.0〜2.0容量%の割合で炭酸ガスを吹き込む炭酸ガス圧入処理工程。
【0034】
(f)容器に充填・封入した後、選択的に施され、65〜75℃の温度条件下で10〜20分間保持した後、30℃以下に冷却する低温殺菌・冷却処理工程。
【実施例】
【0035】
本発明方法の一実施例を添付図面を参照して以下説明する。当然のことながら、本発明は実施例における構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り本発明の保護範囲に含まれる。
【0036】
図5は野菜成分としてトマトジュースを処方したトマト(リコピン強化)炭酸飲料の製造方法(以下、第1実施例方法)及びトマト(リコピン強化)アルコール炭酸飲料の製造方法(以下、第2実施例方法)を示すメスアップ処理工程A(a)の説明図である。
【0037】
図示するように、第1実施例方法のメスアップ処理工程Aにおいて、不溶性成分を含む10倍濃縮トマトジュース0.5〜8重量%(最終飲料液の成分割合では5〜80重量%)、pH調整用の5倍濃縮レモン果汁0.2〜2重量%(最終飲料液の成分割合では1〜10重量%)を配合し、pHを4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類0.05〜0.5重量%を添加して溶解液とする。これを50〜80℃に加熱後、均質機にかけ100〜200kg/cm2 の差圧を施して均質化・分散化処理する。そして、30℃以下に冷却後、甘味料0.01〜0.05重量%(ただし、甘味料200倍として)、トマトエキス〔リコピン〕0.05〜0.5重量%(ただし、リコピン含量1%として)、及び香料0〜0.2重量%を加えて定量調合している。
【0038】
一方、第2実施例方法のメスアップ処理工程aにおいては、上記処方にアルコール1〜30重量%を添加する。
【0039】
後流の処理工程は、図1及び図3に示したとおり共通であり、第2の均質化処理工程B(b)、達温殺菌・急冷処理工程C(c)、比例混合処理工程D(d)、炭酸ガス圧入処理工程E(e)、及び低温殺菌・冷却処理工程F(f)である。なお、第2の均質化処理工程B(b)は選択的におこなう。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、野菜処方の炭酸飲料及びアルコール炭酸飲料の製造技術として、それぞれ直ちに実施可能で、不溶性固形分を含む炭酸入りの飲料開発に貢献することが期待でき、産業上の利用価値が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】野菜処方炭酸飲料の製造方法を示す処理フロー図である。
【図2】メスアップ処理工程(A)の詳細を示すフロー説明図である。
【図3】野菜処方アルコール炭酸飲料の製造方法を示す処理フロー図である。
【図4】メスアップ処理工程(a)の詳細を示すフロー説明図である。
【図5】トマト(リコピン強化)炭酸飲料及びアルコール炭酸飲料に共通的なメスアップ処理工程を示すフロー説明図である。
【符号の説明】
【0042】
A メスアップ処理工程
B 第2の均質化処理工程
C 達温殺菌・急冷処理工程
D 比例混合処理工程
E 炭酸ガス圧入処理工程
F 低温殺菌・冷却処理工程
a メスアップ処理工程
b 第2の均質化処理工程
c 達温殺菌・急冷処理工程
d 比例混合処理工程
e 炭酸ガス圧入処理工程
f 低温殺菌・冷却処理工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果汁その他の植物成分を含有する炭酸飲料において、
少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分を5重量パーセント以上の割合で調合した飲料液に炭酸ガスを圧入してなることを特徴とする野菜処方炭酸飲料。
【請求項2】
果汁その他の植物成分を含有する炭酸飲料において、
少なくとも野菜成分と炭酸を不可欠成分として組成した飲料であって、
以下の処方を有することを特徴とする野菜処方炭酸飲料。
(1)不溶性固形分を含む野菜成分を5〜80重量パーセントの割合で含有する。
(2)不溶性固形分は均質化処理により沈殿抑制されている。
(3)炭酸ガスを1.0〜2.0容量パーセントの割合で含有する。
(4)野菜成分を含む原料を調合し、かつ、pH4.0以下に調整したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して98℃を超えない達温殺菌処理及び直後の急冷処理を施している。
(5)比例混合液(水配合希釈液に同じ)に炭酸ガスを吹き込み、容器充填・封入後に75℃を超えない低温殺菌処理及び冷却処理を施している。
【請求項3】
果汁その他の植物成分を含有する炭酸飲料において、
少なくとも野菜成分と炭酸を不可欠成分として組成され、主原料となる不溶性固形分を含む野菜の搾汁と、果汁ないしは酸味料を混合・溶解し、かつ、pH4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して均質化・分散化処理(第1の均質化処理に同じ)した後、甘味料その他の添加物と、香料を加えて定量調合したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して、第2の均質化処理を選択的に施し、達温殺菌・急冷処理し、比例混合(水配合希釈)後に炭酸ガスを圧入処理し、容器に充填・封入した後、さらに低温殺菌・冷却処理して得られる飲料であって、以下の処方又は性質を有することを特徴とする野菜処方炭酸飲料。
(イ)不溶性固形分を含む野菜成分を5〜80重量パーセントの割合で含有する。
(ロ)不溶性固形分は均質化処理により膨潤したセルロース繊維に捕捉され沈殿抑制されている。
(ハ)炭酸ガスを1.0〜2.0容量パーセントの割合で含有する。
(ニ)メスアップ液に対する達温殺菌が98℃を超えない。
(ホ)容器充填・封入後の低温殺菌が75℃を超えない。
【請求項4】
果汁その他の植物成分を含有する炭酸飲料の製造方法において、
少なくとも野菜成分と炭酸を不可欠成分として組成し、以下の処理工程を包含することを特徴とする野菜処方炭酸飲料の製造方法。
(A)原料組成中に5重量パーセント以上を含有する不溶性固形分を含む野菜の搾汁と、pH調整用の果汁ないしは酸味料を混合・溶解し、かつ、pH4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して50〜80℃に加熱後、100〜200kg/cm2 の差圧を施して均質化・分散化処理(第1の均質化処理に同じ)し、30℃以下に冷却後、甘味料その他の添加物と、香料を加えて定量調合するメスアップ処理工程。
(B)メスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して、選択的に施され、液中の固形分をさらに均質化・分散化処理する第2の均質化処理工程。
(C)90〜98℃で達温殺菌し、10℃以下に急冷する達温殺菌・急冷処理工程。
(D)比例混合機を用いて最終飲料液の配合割合(炭酸ガスを除く)に水希釈する比例混合処理工程。
(E)炭酸ガス圧入機を用いて比例混合液に1.0〜2.0容量パーセントの割合で炭酸ガスを吹き込む炭酸ガス圧入処理工程。
(F)容器に充填・封入した後、選択的に施され、65〜75℃の温度条件下で10〜20分間保持した後、30℃以下に冷却する低温殺菌・冷却処理工程。
【請求項5】
果汁その他の植物成分を含有する果実酒等のアルコール炭酸飲料において、
少なくとも不溶性固形分を含む野菜成分を5重量パーセント以上の割合で調合し、かつ、アルコール成分を1〜30重量パーセントの割合で混成した飲料液に炭酸ガスを圧入してなることを特徴とする野菜処方アルコール炭酸飲料。
【請求項6】
果汁その他の植物成分を含有する果実酒等のアルコール炭酸飲料において、
少なくとも野菜成分と炭酸とアルコールを不可欠成分として混成した飲料であって、
以下の処方を有することを特徴とする野菜処方アルコール炭酸飲料。
(1)不溶性固形分を含む野菜成分を5〜80重量パーセントの割合で含有する。
(2)不溶性固形分は均質化処理により沈殿抑制されている。
(3)炭酸ガスを1.0〜2.0容量パーセントの割合で含有する。
(4)アルコール成分を1〜30重量パーセントの割合で含有する。
(5)野菜成分及びアルコールを含む原料を調合し、かつ、pH4.0以下に調整したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して98℃を超えない達温殺菌処理及び直後の急冷処理を施している。
(6)比例混合液(水配合希釈液に同じ)に炭酸ガスを吹き込み、容器充填・封入後に75℃を超えない低温殺菌及び冷却処理を施している。
【請求項7】
果汁その他の植物成分を含有する果実酒等のアルコール炭酸飲料において、
少なくとも野菜成分と炭酸とアルコールを不可欠成分として混成され、主原料となる不溶性固形分を含む野菜の搾汁と、果汁ないしは酸味料を混合・溶解し、かつ、pH4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して均質化・分散化処理(第1の均質化処理に同じ)した後、甘味料その他の添加物と、香料を加え、さらにアルコールを添加して定量調合したメスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して、第2の均質化処理を選択的に施し、達温殺菌・急冷処理し、比例混合(水配合希釈)後に炭酸ガスを圧入処理し、容器に充填・封入した後、さらに低温殺菌・冷却処理して得られる飲料であって、以下の処方又は性質を有することを特徴とする野菜処方アルコール炭酸飲料。
(イ)野菜成分を5〜80重量パーセントの割合で含有する。
(ロ)不溶性固形分は均質化処理により膨潤したセルロース繊維に捕捉され沈殿抑制されている。
(ハ)炭酸ガスを1.0〜2.0容量パーセントの割合で含有する。
(ニ)アルコール成分を1〜30重量パーセントの割合で含有する。
(ホ)メスアップ液に対する達温殺菌が98℃を超えない。
(ヘ)容器充填・封入後の低温殺菌が75℃を超えない。
【請求項8】
果汁その他の植物成分を含有する果実酒等のアルコール炭酸飲料の製造方法において、少なくとも野菜成分と炭酸とアルコールを不可欠成分として混成し、以下の処理工程を包含することを特徴とする野菜処方アルコール炭酸飲料の製造方法。
(a)原料組成中に5重量パーセント以上を含有する不溶性固形分を含む野菜の搾汁と、pH調整用の果汁ないしは酸味料とを混合・溶解し、かつ、pHを4.0以下に調整するとともに、セルロース繊維を主原料とする増粘多糖類を添加して50〜80℃に加熱後、100〜200kg/cm2 の差圧を施して均質化・分散化処理(第1の均質化処理に同じ)し、30℃以下に冷却して甘味料その他の添加物と、香料を加えた後、1〜30重量パーセントのアルコールを添加して定量調合するメスアップ処理工程。
(b)メスアップ液(定量調合飲料液に同じ)に対して、選択的に施され、液中の固形分をさらに均質化・分散化する第2の均質化処理工程。
(c)90〜98℃で達温殺菌し、10℃以下に急冷する達温殺菌・急冷処理工程。
(d)比例混合機を用いて最終飲料液の配合割合(炭酸ガスを除く)に水希釈する比例混合処理工程。
(e)炭酸ガス圧入機を用いて比例混合液に1.0〜2.0容量パーセントの割合で炭酸ガスを吹き込む炭酸ガス圧入処理工程。
(f)容器に充填・封入した後、選択的に施され、65〜75℃の温度条件下で10〜20分間保持した後、30℃以下に冷却する低温殺菌・冷却処理工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−178053(P2009−178053A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17509(P2008−17509)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(508030671)株式会社マフィス (1)
【出願人】(508030693)三幸食品工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】