金具の整列方法及び整列装置
【課題】 段替えにより形状、サイズ等の異なる異品種の金具を生産する場合に対しても、ランダムに収容された状態から1個ずつ均一な間隔で搬送し、同一の整列状態に揃えて取り出すことができる金具の整列方法及び整列装置を提供する。
【解決手段】 一側面に開口部25aを有し底面が階段部26になった容器25内にランダムな状態で収容された複数の金具が、容器を前後に揺動することによって開口部から外部にスムーズに落下供給される。供給された金具が、搬送ベルト45の1個所に設けた収容部42に保持され、保持された金具が搬送ベルト45に間隔を隔てて配置された磁石49aによって1個ずつ吸着されることにより、1個ずつに分けられて等間隔で搬送される。さらに、金具の載置状態をカメラ72により認識し、それに基づいてロボット61により挟持して取り出し、金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する。
【解決手段】 一側面に開口部25aを有し底面が階段部26になった容器25内にランダムな状態で収容された複数の金具が、容器を前後に揺動することによって開口部から外部にスムーズに落下供給される。供給された金具が、搬送ベルト45の1個所に設けた収容部42に保持され、保持された金具が搬送ベルト45に間隔を隔てて配置された磁石49aによって1個ずつ吸着されることにより、1個ずつに分けられて等間隔で搬送される。さらに、金具の載置状態をカメラ72により認識し、それに基づいてロボット61により挟持して取り出し、金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金具を整列させる金具の整列方法及びこれに用いる整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防振装置に用いられる金具の整列方法及び整列装置としては、例えば特許文献1に示すように、互いに同一平面に平行に延びて同一方向に回転する一対の支持ローラ上に多数の円筒形部品を、供給手段を用いて不規則な姿勢でランダムに載置し、支持ローラを回転させて、円筒形部品を複数個単位で一対の支持ローラ間に整列させ、その後、整列された円筒形部品を一対の支持ローラから取り出して後に続く供給装置に位置決めセットするようにしたものが知られている。しかし、この整列装置は、1種類の円筒形部品に使用されるものであり、同様の構造の円筒形部品でも、寸法が異なったり鍔の有無等の違いがあるような場合には、この整列装置を使用することができなかった。そのために、異なる品種の円筒形部品に対しては、品種毎に装置の改造を行ったりあるいは新たな装置を用意する必要があり、装置コストや装置の設置取替えのためのコストが非常に高価になり、特に少量多品種の円筒形部品の場合に大きな問題になっている。
【特許文献1】特開平10−76431号公報
【0003】
これに対して、例えば特許文献2に示すように、上昇動,下降動可能な基台をその最上昇点で90°反転させるようにした昇降装置と、加振用バイブレータを備えたホッパと、加振用バイブレータを備えたシュートとからなる鋳造製品の供給装置が知られている。この供給装置は、鍛造品を収容したコンテナを昇降装置内の基台上に設置し、基台の上昇及びその最上昇点での反転動作によってコンテナ内の鍛造品を一度のホッパ内に放出すると、バイブレータの作動によってホッパから徐々に鍛造品がシュートに送り出され、さらにバイブレータの作動によってシュート内に送り出された鍛造品が略均等に分布するようになり、熱処理炉の搬送コンベア上に鍛造品が略整列した形で供給されるようになっている。しかし、この供給装置は、単にバイブレータの作動によって鍛造品を略均等に揃えるものであって、同一間隔で鍛造品を配列するものではなく、配列品をロボット等の取り出し手段で別の台に同一の整列状態にして配列させるものではない。このような装置の構造であるために、鍛造品を同一の整列状態に揃えて整列させることは困難である。
【特許文献2】特開昭59−97920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題を解決しようとするもので、段替えにより形状、サイズ等の異なる異品種の金具を生産する場合に対しても、ランダムに収容された状態から1個ずつ均一な間隔で搬送し、同一の整列状態に揃えて取り出すことができる簡易な金具の整列方法及びこれに用いる金具の整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、一側面が開口部になっている箱状の容器内にランダムな状態で収容された複数の金具を、押出し手段によって開口部から容器外部に落下供給する供給工程と、間隔を隔てて磁石が配置された搬送手段により、供給工程において落下供給される金具を1ヶ所で受け止めて収容し、収容された金具を磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送工程と、搬送手段により取出し位置まで搬送された金具に対して、カメラにより金具の載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に、金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する整列工程とからなることにある。
【0006】
上記のように構成した本発明においては、供給工程において、一側面に開口部を有する容器内にランダムな状態で収容された複数の金具が、押出し手段によって開口部から外部にスムーズに落下供給される。ここでいう押出し手段とは、シリンダなどで直接金具を押し込むものや、パーツフィーダのように振動を加えて金具を次工程へ押し出す場合も含むものとする。押出し手段を有しているので次工程へ送る金具の供給量をコントロールすることができ、多く供給しすぎることによる次工程での供給オーバー状態や供給不足のようなトラブルがない。つぎに、搬送工程において、容器から落下供給された金具が搬送手段により1ヶ所で受け止められて保持され、さらに保持された金具が間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着されることにより、搬送手段によって複数の金具が1個ずつに分けられて等間隔で搬送される。ここでいう搬送手段とは、金具を次工程へ搬送できるものであれば特に形状は限定されず、コンベアやターンテーブルなどであってもよい。間隔を隔てて配置された磁石によって、金具が不規則な状態で重ね合わされて搬送されることが無くなるので、次工程でのチャック不良やカメラによる誤認識のトラブルを防止することができる。つぎに、整列工程において、搬送手段により等間隔で取出し位置まで搬送された金具の載置状態をカメラにより認識することができ、認識した載置状態に基づいて金具をロボットにより挟持して取り出し、さらに金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬することができる。その結果、本発明によれば、特定の形状にしか対応できないような工程を用いていないので、形状、サイズ等の異なる異品種の金具に対しても、同じ供給工程、搬送工程及び整列工程を用いてランダムな収容状態から1個ずつに確実に分離して等間隔で搬送し、正確に判別した後に同一の整列状態に揃えて取り出すことができる。
【0007】
また、本発明の金具の整列方法においては、押出し手段により、容器が開口部方向に向けて前後に揺動されることが好ましい。このように、容器が開口部方向に向けて揺動されることにより、複数のランダムに積まれた金具が、スムーズにほぐされて開口部から外部に円滑に供給される。
【0008】
また、本発明の金具の整列方法においては、容器の底面が開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にされていることが好ましい。このように、容器の底面が開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にされていることにより、容器内に収容された金具が階段状の底面に沿ってスムーズに開口部に送られ、開口部から外部に円滑に供給される。
【0009】
また、上記金具の整列方法において、搬送手段が無端状の搬送ベルトであり、搬送ベルトは供給工程において落下供給される複数の金具を収容できる凹部を有することが好ましい。このように、無端状の搬送ベルトによって形成された凹部を設けることにより、搬送ベルトの凹部に供給工程から落下供給される複数の金具を一時的に収容することができ、収容された複数の金具が等間隔で搬送されて、取り出し位置である水平部分に1個ずつスムーズに供給される。
【0010】
また、本発明の他の特徴としては、一側面が開口部になっている箱状の容器内に複数の金具をランダムな状態で収容し、収容された複数の金具を押出し手段によって開口部から容器外部に落下供給する供給装置と、供給装置により落下供給される金具を受け止めて1ヶ所に収容すると共に、収容された金具を間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送装置と、搬送装置により取出し位置まで搬送された金具を、カメラによりその載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する金具取出整列装置とを備えたことにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、一側面に開口部を有する容器内にランダムな状態で収容された複数の金具が、押出し手段によって開口部から外部にスムーズに落下供給され、この金具が搬送手段の1ヶ所で保持され、さらに保持された金具が間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着されることにより、複数の金具が1個ずつに分けられて搬送手段によって等間隔で搬送され、さらに、この金具を、カメラにより載置状態を認識して載置状態に基づいてロボットにより挟持して取り出し、さらに金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬することができる。その結果、本発明においては、特定の形状にしか対応できないような工程を用いておらず、形状、サイズ等の異なる異品種の金具に対しても、同じ整列方法、整列装置を用いてランダムな収容状態から1個ずつに分離して等間隔で搬送し、同一の整列状態に揃えて取り出すことができるので、金具の品種毎に装置の改造を行ったり新たな装置を用意する必要がなく、装置コストや装置の設置取替えのためのコストが不要になり、特に少量多品種の金具に対して、その整列のためのコストを大幅に削減できる。
【0012】
また、本発明によれば、供給装置の容器を開口部方向に向けて揺動することにより、複数のばらばらに積まれた金具を、スムーズにほぐして開口部から外部に円滑に供給することができる。また、揺動する速度を調整することにより、金具の慣性力と摩擦力を利用して安定した供給が可能になる。なお、金具が円筒形である場合は、非常に転がり安いので、容器の底面を傾斜させた場合は供給量を制御できなくなるおそれがあるが、容器の底面を開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にすることにより、階段状の平面部に金具を一時的に残すことができ、金具が過剰に供給されてしまうことを防ぐことができる。また、前後の揺動により階段状の立壁部分で金具を押し出すことができるので、確実に金具を供給することができ、供給量が不安定になることはない。よって、容器内に収容された金具を階段状の底面に沿ってスムーズに開口部に送ることができる。また、本発明においては、搬送手段として無端状の搬送ベルトを用い、搬送ベルトの凹部により供給工程から落下供給される複数の金具を収容し、収容された複数の金具が搬送ベルトの動きによって攪拌されるので、搬送ベルトに間隔を隔てて配置された磁石に触れる確率が高くなる。その結果、磁石によって金具を確実に1個ずつ吸着して、取出し位置に等間隔でスムーズに供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図1、図2及び図3は、実施例に係る円筒形金具である防振装置の内筒金具及び外筒金具を熱処理するために搬送するベルトコンベア上に等間隔で整列させる整列装置を一部破断正面図、側面図及び平面図(一部省略)により示したものである。図4〜図7は、整列装置の一部である供給装置及び搬送装置を一部破断正面図、平面図及び左右側面図により示したものである。
【0014】
整列装置は、鋼材枠で形成された支持枠10を備えており、支持枠10内の台11上に、前側にて一体となって載置されている左側の供給装置13A及び右側の搬送装置30Aと、その後側にて一体となって載置されている左側の供給装置13B及び右側の搬送装置30Bと、搬送装置30Bの後側にて載置されて支持枠10の右外に伸びた内外筒金具を整列状態で載置されるベルトコンベア77と、さらに支持枠10内の上側に支持枠10に取り付けられた金具取出整列装置60と、整列装置の動作を制御する電気制御装置80とを備えている。なお、本実施例において、装置の左右及び前後については、図1及び図4を基準としてその左右方向及び前後方向に合わせるものとする。
【0015】
整列装置は、供給装置13A,13Bにより、容器内にランダムに積載された内外金具をスムーズに搬送装置30A,30Bに供給する供給工程を行い、搬送装置30A,30Bにより、供給装置から供給された内外筒金具を等間隔で配列して取出し位置に搬送する搬送工程を行い、金具取出整列装置60により、取出し位置に供給された内外筒金具をロボットによって取り出し、これを整列状態に是正してベルトコンベア77まで運搬して整列させる整列工程を行うものである。供給装置13A及び搬送装置30Aは、外筒金具用であり、供給装置13B及び搬送装置30Bは内筒金具用であるが、両者は同一構造であり、したがって、以下両者をまとめて供給装置13A及び搬送装置30Aとして説明する。
【0016】
供給装置13Aは、搬送装置30Aと共通の底板14上にてその前後縁に互いに対向して立設された一対の垂直に支持板15,16に挟まれて、下側の箱状の基部17と、基部17の上方に空間K1を隔ててシュート24を設けている。基部17内の右側の前面17aには電動モータ18が固定されており、前方に突出したその回転軸にスプロケット18aが固定されている。スプロケット18aは、後述する搬送装置30A側の第1スプロケット35との間に巻装されたチェーン19によって連結されている。空間K1内には、基部17の上面右側に電磁シリンダ21が左右に向けて取りつけられており、その右方に突出したロッド21aの右端側がシュート24底面に固定されている。また、基部17上面の左側には、左側に単に左右に伸縮するシリンダ22が取り付けられており、その右端側がシュート24底面に固定されている。
【0017】
電磁シリンダ21は、シリンダ22と共にシュート24を支持しており、ロッド21aが図4に示す位置を基準として右方への突出動作と左方への後退動作を1回ずつ繰り返すもので、それによりシュート24を左右に揺動させることができるようになっている。なお、本実施例では、電気制御装置80の制御により、電磁シリンダ21による右方向への突出動作の速さより左方向への後退動作の速さが速くなるようにされている。電磁シリンダ21による右方向への突出動作の速さを左方向への後退動作の速さと同一又は速くすることもできる。
【0018】
シュート24は、下側の左右に長い容器25と、容器25の右端近傍を除いてその上に一体で取り付けられたホッパ27とを有しており、容器25とホッパ27の空間は上下に繋がっている。容器25は、前後の幅が基部17より短く、その左右両端側が基部17の左右両端からわずかに外方に延びており、ホッパ27から外れた右端側が右側面及び上面が開放された開口部25aになっている。容器25は、前側板と後側板が互いに平行に左右に延びており、開口部25aまでストレートに延びている。ホッパ27は、前後の幅が基部17の前後幅と略同等であり、下端側で前後に傾斜した傾斜部27aにより前後幅方向に絞られて、容器25に連結されている。容器25内の底面には、階段部26が設けられている。階段部26は、幅が容器25底面の前後長さに合わされると共に、左右長さが底面の左右長さに対して一定寸法ずつ短くなっている複数の鋼製の薄板が、左端を容器25左端に合わせて下側から長い順に積み重ねられたものであり、左側から右側に向けて少しずつ下がる階段状にされている。
【0019】
また、容器25の前後面の左右両端側には、それぞれ取付板25bが前後外方に突出しており、各取付板25bの下面にそれぞれプーリ28が回動可能に取り付けられている。また、基部17上面の前後端かつ左右端には、プーリ28に対向してプーリ29が設けられており、上下に対向するプーリ28,29間には、ベルト29aが巻装されている。このように、ベルト29aを介して容器25を基部17に繋げたことにより、容器25が左右方向の揺動に応じて、容器25の前後への揺れ等の不要な動きを抑えることができる。
【0020】
搬送装置30Aは、供給装置13Aの左側において、底板14上の前後両側縁に垂直に立設された一対の側板31,32を有しておリ、その間が空間K2になっている。側板31,32は、左側縁が基部17上端位置から右上に向けて略60°に傾斜した傾斜縁32aとなっており、ホッパ27の上端よりわずかに上方で水平縁32bになっている。搬送装置30A側に延びた上記容器25先端は、傾斜縁32aの内側までわずかに突出している。空間K2内の下側中央には、両側板31,32の対向面側に大径の円盤状である一対の収容板部材33が側板31,32に沿って配置されており、収容板部材33の中心にて外方に向けて突出した中心筒状部33aにて側板31,32に回動可能に取り付けられている。
【0021】
収容板部材33は、外周縁に沿って歯が突出したスプロケットになっており、中心筒状部33aの径方向外側に同軸状に配置されて厚さ方向に貫通した多数の小孔33bを有している。収容板部材33は、その左端が容器25先端のわずか右下になるように配置されている。収容板部材33の最下端側の小孔33b位置において、側板31,32側に発光素子と受光素子が対向して取り付けられてなる金具検知装置34が設けられている。金具検知装置34は、受光素子が発光素子からの光を受けたときは、両収容板部材33間に外筒金具74が供給されていなく、受光素子が発光素子からの光を受けないときに、外筒金具74が供給されている、と判別できるようになっている。
【0022】
収容板部材33の左側でかつ容器25右端のわずか下側には、側板31,32間を前後に水平に延びた回転軸35aが側板31,32に回転可能に取り付けられている。回転軸35aの側板31近傍位置には駆動用の第1スプロケット35が取り付けられている。第1スプロケット35は、上記チェーン19によってスプロケット18aに連結されて、電動モータ18の駆動により回転するようになっている。なお、第1スプロケット35は、チェーン19と共に、後述する搬送ベルト45に対する共通のスプロケットとなっている。
【0023】
収容板部材33を挟んだ左右両側の底板14近傍には、搬送用の回転軸36a,37aが前後に水平に延びて側板31,32に回動可能に取り付けられている。回転軸36a,37aの側板31,32近傍位置には、それぞれ一対の第2及び第3スプロケット36,37が取り付けられている。また、側板31,32の上端水平縁32bの左右両端近傍には、搬送用の回転軸38a,39aが前後に水平に延びて側板31,32に回動可能に取り付けられている。回転軸38a,39aの側板31,32近傍位置には、それぞれ一対の第4及び第5スプロケット38,39が取り付けられている。一対の第4及び第5スプロケット38,39間には、案内板部材41が、水平に前後に延びて側板31,32に固定されており、後述する搬送ベルト45の下面を支えると共に、その左右中間位置を搬送ベルト45から外筒金具74を取出す取出し位置として規定している。
【0024】
上記各一対の第1スプロケット35、第2及び第3スプロケット36,37、第4及び第5スプロケット38,39の外周には、幅方向両端にチェーン51を有する無端ベルトタイプの搬送ベルト45がその内周側を噛合わせて巻き付けられている。また、搬送ベルト45は、第1スプロケット35と第4スプロケット38の間において、右下方に向けて凹まされており、その外周側が一対の収容板部材33の下側略半分にてその外周スプロケットに噛合って係合している。このように、搬送ベルト45は、第1スプロケット35と第4スプロケット38の間で下方に向けて凹まされており、一対の収容板部材33との間に形成された凹み部分が、容器25の開口部25aから落下した外筒金具74を収容する収容部42にされている。また、第3スプロケット37と第5スプロケット39間の上下中間位置には、案内板部材43が、搬送ベルト45に沿ってその左側にて上下に対してわずかに傾斜して前後に延びて側板31,32に固定されており、搬送ベルト45を左方向に変形しないように支えている。
【0025】
搬送ベルト45は、図8〜図11に示すように、6個の長方形の長尺状の支持板材46A〜46Cを一単位として、長手方向を横にして長辺間を互いに隙間を隔てて等間隔で配列し、その長手方向両端側で一対のチェーン51に取り付けることにより形成されている。チェーン51は、互いに並列に歯が噛合う隙間を隔てて配置された一対の円筒部53を軸方向両端で長方形の小片である連結片54で連結してなる単位要素52を同一の隙間を隔てて並列に多数配置して、これを連結して所定の長さの無端リング状にしたものである。各単位要素52間の連結は、両単位要素52の隣接する端部側でかつ円筒部53の軸方向両側の一対の連結片54間を一対の外連結片55,56で挟んで固定することにより行われる。一方の外連結片55は,長方形の小片であるが、他方の外連結片56は、長方形の小片の円筒部53取付側の反対面においてその長手方向中間位置でかつ幅方向一端かた盤面に垂直に突出した係合片57を設けており、係合片57には1個又は2個の取付孔(図示しない)を設けている。
【0026】
支持板部材は、長方形の長尺状の剛性を有する樹脂製の板材であり、長手方向両端の形状等が異なる3種類46A,46B,46Cとなっている。支持板部材46Aは、図9に示すように、その長手方向両端にて、チェーン51の外連結片56側からその取付孔(図示しない)を介してボルト47aで締め付けることにより外連結片56に取り付けられている。支持板部材46Bは、図10に示すように、長手方向両端側が薄肉になっており、さらに両端で上側に折り返してその間に隙間を設けた折返し部48aになっており、その下側が支持部48bになっている。支持板部材46Bは、支持部48bにてチェーン51の外連結片56側からボルト48cにより締付けられて外連結片56に取り付けられている。折返し部48aの隙間には、後述するゴムシート59の端部が挿嵌されるようになっている。支持板部材46Cは、図11示すように、長手方向中央に円柱状の磁石49aが埋められた長方形の保持部49bが設けられており、長手方向両端側が支持部49cになっており、支持部49cにてチェーン51の外連結片56側からボルト49dで締付けることにより外連結片56に取り付けられている。
【0027】
3種類の支持板部材46A,46B,46Cは、図8に示すように、46A,46B,46B,46C,46B,46Bの順に配列され一単位をなしている。さらに一単位の内の支持板部材46Aの幅方向中間から、次の一単位の支持板部材46Aの幅方向中間にかけて、ゴム弾性体製の薄板であるゴムシート59が設けられている。ゴムシート59は、長手方向両端側が一対の支持板部材46Aにおいて、その両端にてボルト47bで締め付けることにより固定されており、また、2,3,5,6,番目の支持板部材46Bの両端において折返し部48aの隙間に挿嵌されることにより搬送方向に多少の動きが可能なように固定されており、さらに、4番目の支持板部材46Cの両端において、ボルト49eで締め付けることにより固定されている。ゴムシート59は、柔軟性があるため、搬送ベルト45の多少の曲りにも追従可能であり、また支持板部材の一単位に合わせて短く分割されているので、取り外しも容易になっている。ゴムシート59は、各支持板部材46A,46B,46C間の隙間を覆って外筒金具の引っ掛かりを防止すると共に、支持板部材と金具の接触による騒音の発生を抑えることができる。
【0028】
なお、側板31,32の右端側には、側板に挟まれて回収箱85が搬送ベルト45に接近して配設されており、さらに、側板32の上下中間位置には前方に向けて傾斜した誘導板86が取り付けられて、搬送ベルト45に接近して配置されている。搬送ベルト45に磁石で吸着された金具の内、取出し位置で不良品判定されたものについては、取出されることなくそのまま搬送ベルト45で運搬される。この誘導板86は、この不良品金具を、誘導板86でその位置を前方にずらせることにより、磁石49aの吸引力を排除して下方に落下させて、下方に設置された回収箱85に回収させるものである。
【0029】
金具取出整列装置60は、搬送装置30Aの上方に配置されており、ロボット61と、ロボット61を左右方向に導く横方向ガイド部67と、横方向ガイド部67を前後方向に導く縦方向ガイド部69と、横方向ガイド部67を前後へ移動させる前後駆動部71と、ロボット61の上端に取り付けられて搬送装置30Aの取出し位置を撮影するカメラ72と、カメラ72からの画像によりロボット61の動作を制御する制御部75とを備えている。金具取出整列装置60は、外筒金具74用の供給装置13A及び搬送装置30Aと、内筒金具用の供給装置13B及び搬送装置30Bとで共用される。
【0030】
ロボット61は、下側にロボット本体62、上側にロボット駆動部66を同軸状に有している。ロボット駆動部66は、ロボット本体62を支持して上下方向及び左右方向に移動させると共に軸を中心として回動させるものである。ロボット本体62は、図12−1に示すように、ロボット駆動部66に上下動及び回動可能に取り付けられた円筒基部63と、円筒基部63の径方向両側面から突出して軸直角方向に伸縮可能に支持された複数の水平棒64aと共にその先端が鉛直に延びた鉛直棒64bとからなる左右一対の幅調節腕部64と、一対の鉛直棒の64b下端対向面側にて水平方向を中心として回動可能に支持された一対の棒状の回動調節腕部65を備えている。回動調節腕部65の対向する側は三角形状の複数の突出部になっており、内外筒金具を把持できるようになっている。
【0031】
カメラ72は、搬送ベルト45の取出し位置を撮影し、その映像出力を制御部75に出力するようになっている。本実施例において、軸方向一端に外フランジ部を一体で設けた鍔付き外筒金具74の取出し位置での形態については、図12−2に示すように横たえられた状態Iと、図12−3に示すように鍔を下側にして軸方向を上下に向けた状態IIと、図12−4に示すように鍔を上側にして軸方向を上下に向けた状態IIIの3種類に限られる。状態IIIがベルトコンベア77に搭載される鍔付き外筒金具74の規定の整列状態である。なお、内筒金具の場合は、フランジ部を有していない円筒形なので、横向きすなわち水平状態と縦向きすなわち垂直状態の2通りとなる。
【0032】
制御部75は、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等により構成されており、RAMには予め外筒金具74の取出し位置での3つの形態I,II,III及び図示しない内筒金具の2つの形態を記憶している。制御部75は、入力側にカメラ72が接続され、出力側にロボット駆動部66、前後駆動部71が接続されている。また、電気制御装置80との間が、信号の送受信を行うための送受信線81で接続されている。制御部75は、電気制御装置80との協働により、ROMに記憶された図15に示す「金具取出是正プログラム」を実行する。
【0033】
つぎに、金具取出整列装置60による、外筒金具74の取出し及び配置是正動作について説明する。外筒金具74が上記状態Iのように横たえられた場合、まず回転調節腕部65を傾けて外筒金具74の軸線に対して直角になるようにし、さらに幅調節腕部64の幅を狭めて回転調節腕部65によって外筒金具74の筒部を把持し、その後、回転調節腕部65を水平状態になるように回動させることにより、外筒金具74が整列状態IIIにされる。この状態で、ロボット駆動部66によって円筒基部63を180°回動させ、ロボット61をベルトコンベア77まで移動させることにより、図12−5に示すように外筒金具74をベルトコンベア77上に載置させることができる。
【0034】
状態IIの場合は、水平状態の回転調節腕部65によって筒部を把持し、回転調節腕部65を180°回動させることにより外筒金具74が状態IIIにされ、同様にベルトコンベア77載置させることができる。また、状態IIIの場合は、円筒基部63を軸を中心として180°回動させることにより、同様にベルトコンベア77に載置させることができる。なお、内筒金具についても、外筒金具74の状態I,IIIに合わせて同様にロボット61を操作することにより、同様に整列状態でベルトコンベア77に載置させることができる。
【0035】
電気制御装置80は、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等により構成されている。電気制御装置80の入力側には、金具検知装置34が接続され、出力側に電動モータ18と、電磁シリンダ21が接続されている。電気制御装置80は、制御部75等との協働により、ROMに記憶された図14に示す「金具供給搬送制御プログラム」を実行するものである。
【0036】
つぎに、上記実施例の動作について説明する。
まず、電気制御装置80が「金具供給搬送制御プログラム」の実行を開始し(S90〜S91)、制御部75が「金具取出是正制御プログラム」の実行を開始し(S100〜S101)、その制御に基づいて、供給装置13Aによる搬送装置30Aの収容部42に外筒金具74を供給する供給工程が実行される。シュート24の容器25内にホッパ27から多数の外筒金具74が投入され、容器25内にランダムな状態で積載して収容される。現時点で、収容部42内には外筒金具74は供給されていないので、金具検知装置34から金具無しの信号が電気制御装置80に入力される(S92)。これに応じて電気制御装置80は、電磁シリンダ21のロッド21aを左右に1往復移動させ、容器25を左右に揺動させる(S93〜S94)。収容部42に外筒金具74が収容されるまで、電磁シリンダ21の揺動が繰り返される(S92〜S94)。ここで、電磁シリンダ21による右方向への突出動作の速さより左方向への後退動作の速さが速くなるようにされているので、シリンダの後退時には金具に慣性力が働き、前進時には摩擦力が働くことにより、外筒金具74を前方に安定して押し出すことができる。
【0037】
なお、容器25内の底面には、左側から右側に向けて下がる階段状にされた階段部26が設けられているため、階段状の平面部に金具を一時的に残すことができ、金具が過剰に供給されてしまうことを防ぐことができる。また、前後方向の揺動により階段状の立壁部分で金具を押し出すことができるので、容器25の左右への揺動に応じて、外筒金具74が階段部26によってスムーズに開口部25aに供給される。また、容器25は、前側板と後側板が互いに平行に左右に延びており、開口部25aまでストレートに延びているため、開口部25a側で外筒金具74の前後側板間での引っ掛かりによる固着状態の発生が避けられ、開口部25aからの外筒金具74の外部への落下供給がさらに円滑に行われる。これにより、開口部25aの下方に配設された収容部42内に多数の外筒金具74がランダムな状態で収容される。これにより、金具検知装置34から金具ありの信号が入力される(S92)。
【0038】
これに応じて、電気制御装置80は、電動モータ18の所定時間の回動を開始させ、スプロケット18aの回動がチェーン19を介して伝えられて、第1スプロケット35が回動し、搬送工程が開始される。これにより、第1スプロケット35に巻装された搬送ベルト45が、第2〜第5スプロケット36〜39及び一対の収容板部材33を回動させつつ、これに沿って移動する(S92,S93,S95)。搬送ベルト45の移動に応じて、収容部42に収容された多数の外筒金具74が、搬送ベルト45の内の支持板部材46Cに埋設された磁石49aにより1個ずつ吸着され、搬送ベルト45に、複数の外筒金具74が1個ずつに分けられて等間隔で搬送される。電動モータ18の所定時間の回動により、搬送ベルト45は、上記一単位の長さだけ移動させられた後に停止させられる。なお、搬送ベルト45の一単位の移動により、案内板部材41の上の取出し位置において、搬送ベルト45の一単位の中の、磁石49aが埋め込まれた支持板部材46Cが左右中央に配置されるように、予め搬送ベルト45の位置が調整されている。すなわち、搬送ベルト45に1個ずつ等間隔で固定された外筒金具74が、取出し位置の中央に配置されるようになる。
【0039】
このように、本実施例においては、搬送装置30Aとして無端ベルトである搬送ベルト45を、第1スプロケット35と第4スプロケット38の間において一対の収容板部材33の下側略半分にて右下方に向けて凹まされて収容部42を構成することにより、簡易な構成で供給装置13Aから落下供給される複数の外筒金具74を収容することができる。さらに、搬送ベルト45の動きによって収容部42に収容された外筒金具74が攪拌され、搬送ベルト45に等間隔で埋設された磁石49aに接触するので、磁石49aによって確実に1個ずつ吸着されて収容部42から等間隔で搬送されて取出し位置にスムーズに供給される。
【0040】
そして、搬送ベルト45の取出し位置を撮影しているカメラ72からの映像信号が制御部75によって電気制御装置80に入力され、電気制御装置80において取出し位置に外筒金具74があるか否かが判定される(S97)。取出し位置に金具がないときは、搬送ベルト45のさらに一単位分の回動が行われ、取出し位置に外筒金具74が供給されるまでこの処理が繰り返される(S95〜S97)。取出し位置に金具が供給されると、その位置で金具取出整列装置60による外筒金具74の取出し及び整列状態への是正操作が行われることに対応して、電気制御装置80では所定時間のカウントが行われ、所定時間のカウントが終了すると、プログラムはS92に戻される(S98)。
【0041】
制御部75では、「金具取出し是正制御プログラム」の実行により整列工程が開始され、搬送ベルト45の取出し位置を撮影しているカメラ72からの映像信号が入力され(S100,S101)、取出し位置に外筒金具74があるか否かが判定される(S102)。取出し位置に外筒金具74がないときは、金具の取り出し操作が行われなく、判定処理が繰り返し行われる(S102)。取出し位置に外筒金具74が供給されると、制御部75において、RAMに記憶された形態データに基づいて外筒金具74の搬送ベルト45上での載置形態が上記形態I,II,IIIの何れであるかの識別が行われる(S103)。さらに、載置形態の識別結果に応じて、形態I,II,IIIのいずれかの選択が行われる(S104)。
【0042】
形態I,II,IIIのいずれかの選択により、選択形態に応じて制御部75の制御に基づいてロボットによる金具の取出し是正操作が行われる(S105,S106,S107)。まず、前後駆動部71により横方向ガイド部67が縦方向ガイド部69に沿って搬送ベルト45上に移動させられ、つぎにロボット駆動部66が横方向ガイド部67に沿って取出し位置上に移動する。さらに、ロボット61が、形態I,II,IIIに応じて、上記操作に従って外筒金具74を把持して取出し、さらに載置状態を整列状態に是正して、ベルトコンベア77上の規定位置に載置させる。このような外筒金具74の取出し是正操作が終了すると、プログラムはS102に戻され、以下制御部75により上記S102〜S107の処理が繰り返し行われる。このように、整列工程においては、搬送ベルト45により等間隔で取出し位置まで搬送された外筒金具74を、カメラ72により載置状態を認識することができ、認識した載置状態に基づいてロボット61により外筒金具74を挟持して取り出し、さらに外筒金具74を整列状態に是正して、ベルトコンベア77の整列位置まで運搬することができる。
【0043】
以上に説明したように、本実施例においては、一側面に開口部25aを有する容器25内にランダムな状態で収容された複数の外筒金具74が、開口部25aから外部にスムーズに落下供給され、収容部42で保持され、さらに保持された金具が搬送ベルト45の間隔を隔てて配置された磁石49aによって1個ずつ吸着されることにより、複数の外筒金具74が1個ずつに分けられて搬送ベルト45によって等間隔で搬送され、さらに、外筒金具74の載置状態を、カメラ72により認識して載置状態に基づいてロボット61により外筒金具を挟持して取り出し、同じ整列状態に是正してベルトコンベア77の整列位置まで運搬することができる。そのため、本実施例においては、段替えにより形状、サイズ等の異なる異品種の内外筒金具を整列させる場合に対しても、同じ整列装置を用いてランダムな収容状態から1個ずつに分離して等間隔で搬送し、同一の整列状態に揃えて取り出すことができる。その結果、本実施例によれば、金具の品種毎に装置の改造を行ったり新たな装置を用意する必要がないので、装置コストや装置の設置取替えのためのコストが不要になり、その整列のためのコストを大幅に削減できる。特に、少量多品種の円筒形金具に対して、整列のためのコスト削減の効果が非常に大きくなる。
【0044】
なお、以上の説明では、外筒金具74について供給装置13A、搬送装置30A及び金具取出整列装置60を用いて、ベルトコンベア77の規定位置に配置する操作について行われたが、内筒金具についても、同様に供給装置13B、搬送装置30B及び金具取出整列装置60を用いて、ベルトコンベア77の規定位置に配置する操作について行われる。実際には、両者が交互に行われ、ベルトコンベア77上に外筒金具74と内筒金具が等間隔で交互に配置されるようになっている。
【0045】
なお、上記実施例においては、供給装置の容器25内に階段部26を設けているが、これに限らず、単に傾斜のみとすることもでき、また、容器25を左右に揺動させる代りに、押出し部材により物理的に金具を開口部側に押し出すようにすることもできる。また、上記実施例に示した整列装置は、供給装置13A、搬送装置30A、金具取出整列装置60が一体で構成されているが、例えば供給装置13A、搬送装置30A、金具取出整列装置60をそれぞれ単独で、あるいは2つを組み合わせて使用することも可能である。さらに、上記実施例は、円筒形の内外筒金具に対して、本発明を適用したものであるが、円筒形の金具に限らず、楕円筒形、多角形筒形、板状、それ以外の金具に対しても同様に適用できる。その他、上記実施例に示した円筒形金具の整列装置の供給装置、搬送装置、金具取出整列装置の各部分の構成については、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、一側面に開口部を有する容器内にランダムな状態で収容された複数の金具が、押出し手段によって開口部から外部にスムーズに落下供給され、搬送手段において供給された金具が1ヶ所で保持され、さらに保持された金具が間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着されることにより、複数の金具が1個ずつに分けられて等間隔で搬送され、さらに、この金具を、カメラにより載置状態を認識して載置状態に基づいてロボットにより挟持して取り出し、さらに金具を整列状態に是正して整列位置まで運搬することができる。そのため、本発明は、形状、サイズ等の異なる異品種の金具に対しても、同一の整列装置により複数のばらばらに積まれた状態から整列状態に揃えて整列位置に配列させることができるので、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施例である内外筒金具の整列装置を概略的に示す一部破断正面図である。
【図2】同整列装置を概略的に示す右側面図である。
【図3】同整列装置で金具取出整列装置を除いた状態を概略的に示す平面図である。
【図4】同整列装置の内の供給装置と整列装置を概略的に示す一部破断正面図である。
【図5】同供給装置と整列装置を概略的に示す平面図である。
【図6】同供給装置と整列装置を概略的に示す左側面図である。
【図7】同供給装置と整列装置を概略的に示す右側面図である。
【図8】同整列装置の搬送ベルトを概略的に示す平面図である。
【図9】同搬送ベルトを概略的に示す図8のIX−IX線方向の断面図である。
【図10】同搬送ベルトを概略的に示す図8のX−X線方向の断面図である。
【図11】同搬送ベルトを概略的に示す図8のXI−XI線方向の断面図である。
【図12−1】金具取出整列装置のロボットを概略的に示す正面図である。
【図12−2】同ロボットによる配置形態Iの外筒金具の把持状態を示す模式図である。
【図12−3】同ロボットによる配置形態IIの外筒金具の把持状態を示す模式図である。
【図12−4】同ロボットによる配置形態IIIの外筒金具の把持状態を示す模式図である。
【図12−5】同ロボットにより把持した外筒金具をベルトコンベア上に載置した状態を示す模式図である。
【図13】整列装置の電気的な回路構成を概略的に示すブロック図である。
【図14】電気制御装置により実行される「金具供給搬送制御プログラム」のフローチャートである。
【図15】金具取出整列装置の制御部により実行される「金具取出是正制御プログラム」のフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
10…支持枠、13A,13B…供給装置、18…電動モータ、21…電磁シリンダ、24…シュート、25…容器、25a…開口部、26…階段部、27…ホッパ、30A,30B…搬送装置、33…収容板部材、34…金具検知装置、35〜39…第1〜第5スプロケット、42…収容部、45…搬送ベルト、46A,46B,46C…支持板部材、49a…磁石、51…チェーン、59…ゴムシート、60…金具取出整列装置、61…ロボット、62…ロボット本体、66…ロボット駆動部、71…前後駆動部、72…カメラ、74…外筒金具、75…制御部、77…ベルトコンベア、80…電気制御装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、金具を整列させる金具の整列方法及びこれに用いる整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防振装置に用いられる金具の整列方法及び整列装置としては、例えば特許文献1に示すように、互いに同一平面に平行に延びて同一方向に回転する一対の支持ローラ上に多数の円筒形部品を、供給手段を用いて不規則な姿勢でランダムに載置し、支持ローラを回転させて、円筒形部品を複数個単位で一対の支持ローラ間に整列させ、その後、整列された円筒形部品を一対の支持ローラから取り出して後に続く供給装置に位置決めセットするようにしたものが知られている。しかし、この整列装置は、1種類の円筒形部品に使用されるものであり、同様の構造の円筒形部品でも、寸法が異なったり鍔の有無等の違いがあるような場合には、この整列装置を使用することができなかった。そのために、異なる品種の円筒形部品に対しては、品種毎に装置の改造を行ったりあるいは新たな装置を用意する必要があり、装置コストや装置の設置取替えのためのコストが非常に高価になり、特に少量多品種の円筒形部品の場合に大きな問題になっている。
【特許文献1】特開平10−76431号公報
【0003】
これに対して、例えば特許文献2に示すように、上昇動,下降動可能な基台をその最上昇点で90°反転させるようにした昇降装置と、加振用バイブレータを備えたホッパと、加振用バイブレータを備えたシュートとからなる鋳造製品の供給装置が知られている。この供給装置は、鍛造品を収容したコンテナを昇降装置内の基台上に設置し、基台の上昇及びその最上昇点での反転動作によってコンテナ内の鍛造品を一度のホッパ内に放出すると、バイブレータの作動によってホッパから徐々に鍛造品がシュートに送り出され、さらにバイブレータの作動によってシュート内に送り出された鍛造品が略均等に分布するようになり、熱処理炉の搬送コンベア上に鍛造品が略整列した形で供給されるようになっている。しかし、この供給装置は、単にバイブレータの作動によって鍛造品を略均等に揃えるものであって、同一間隔で鍛造品を配列するものではなく、配列品をロボット等の取り出し手段で別の台に同一の整列状態にして配列させるものではない。このような装置の構造であるために、鍛造品を同一の整列状態に揃えて整列させることは困難である。
【特許文献2】特開昭59−97920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題を解決しようとするもので、段替えにより形状、サイズ等の異なる異品種の金具を生産する場合に対しても、ランダムに収容された状態から1個ずつ均一な間隔で搬送し、同一の整列状態に揃えて取り出すことができる簡易な金具の整列方法及びこれに用いる金具の整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、一側面が開口部になっている箱状の容器内にランダムな状態で収容された複数の金具を、押出し手段によって開口部から容器外部に落下供給する供給工程と、間隔を隔てて磁石が配置された搬送手段により、供給工程において落下供給される金具を1ヶ所で受け止めて収容し、収容された金具を磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送工程と、搬送手段により取出し位置まで搬送された金具に対して、カメラにより金具の載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に、金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する整列工程とからなることにある。
【0006】
上記のように構成した本発明においては、供給工程において、一側面に開口部を有する容器内にランダムな状態で収容された複数の金具が、押出し手段によって開口部から外部にスムーズに落下供給される。ここでいう押出し手段とは、シリンダなどで直接金具を押し込むものや、パーツフィーダのように振動を加えて金具を次工程へ押し出す場合も含むものとする。押出し手段を有しているので次工程へ送る金具の供給量をコントロールすることができ、多く供給しすぎることによる次工程での供給オーバー状態や供給不足のようなトラブルがない。つぎに、搬送工程において、容器から落下供給された金具が搬送手段により1ヶ所で受け止められて保持され、さらに保持された金具が間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着されることにより、搬送手段によって複数の金具が1個ずつに分けられて等間隔で搬送される。ここでいう搬送手段とは、金具を次工程へ搬送できるものであれば特に形状は限定されず、コンベアやターンテーブルなどであってもよい。間隔を隔てて配置された磁石によって、金具が不規則な状態で重ね合わされて搬送されることが無くなるので、次工程でのチャック不良やカメラによる誤認識のトラブルを防止することができる。つぎに、整列工程において、搬送手段により等間隔で取出し位置まで搬送された金具の載置状態をカメラにより認識することができ、認識した載置状態に基づいて金具をロボットにより挟持して取り出し、さらに金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬することができる。その結果、本発明によれば、特定の形状にしか対応できないような工程を用いていないので、形状、サイズ等の異なる異品種の金具に対しても、同じ供給工程、搬送工程及び整列工程を用いてランダムな収容状態から1個ずつに確実に分離して等間隔で搬送し、正確に判別した後に同一の整列状態に揃えて取り出すことができる。
【0007】
また、本発明の金具の整列方法においては、押出し手段により、容器が開口部方向に向けて前後に揺動されることが好ましい。このように、容器が開口部方向に向けて揺動されることにより、複数のランダムに積まれた金具が、スムーズにほぐされて開口部から外部に円滑に供給される。
【0008】
また、本発明の金具の整列方法においては、容器の底面が開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にされていることが好ましい。このように、容器の底面が開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にされていることにより、容器内に収容された金具が階段状の底面に沿ってスムーズに開口部に送られ、開口部から外部に円滑に供給される。
【0009】
また、上記金具の整列方法において、搬送手段が無端状の搬送ベルトであり、搬送ベルトは供給工程において落下供給される複数の金具を収容できる凹部を有することが好ましい。このように、無端状の搬送ベルトによって形成された凹部を設けることにより、搬送ベルトの凹部に供給工程から落下供給される複数の金具を一時的に収容することができ、収容された複数の金具が等間隔で搬送されて、取り出し位置である水平部分に1個ずつスムーズに供給される。
【0010】
また、本発明の他の特徴としては、一側面が開口部になっている箱状の容器内に複数の金具をランダムな状態で収容し、収容された複数の金具を押出し手段によって開口部から容器外部に落下供給する供給装置と、供給装置により落下供給される金具を受け止めて1ヶ所に収容すると共に、収容された金具を間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送装置と、搬送装置により取出し位置まで搬送された金具を、カメラによりその載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する金具取出整列装置とを備えたことにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、一側面に開口部を有する容器内にランダムな状態で収容された複数の金具が、押出し手段によって開口部から外部にスムーズに落下供給され、この金具が搬送手段の1ヶ所で保持され、さらに保持された金具が間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着されることにより、複数の金具が1個ずつに分けられて搬送手段によって等間隔で搬送され、さらに、この金具を、カメラにより載置状態を認識して載置状態に基づいてロボットにより挟持して取り出し、さらに金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬することができる。その結果、本発明においては、特定の形状にしか対応できないような工程を用いておらず、形状、サイズ等の異なる異品種の金具に対しても、同じ整列方法、整列装置を用いてランダムな収容状態から1個ずつに分離して等間隔で搬送し、同一の整列状態に揃えて取り出すことができるので、金具の品種毎に装置の改造を行ったり新たな装置を用意する必要がなく、装置コストや装置の設置取替えのためのコストが不要になり、特に少量多品種の金具に対して、その整列のためのコストを大幅に削減できる。
【0012】
また、本発明によれば、供給装置の容器を開口部方向に向けて揺動することにより、複数のばらばらに積まれた金具を、スムーズにほぐして開口部から外部に円滑に供給することができる。また、揺動する速度を調整することにより、金具の慣性力と摩擦力を利用して安定した供給が可能になる。なお、金具が円筒形である場合は、非常に転がり安いので、容器の底面を傾斜させた場合は供給量を制御できなくなるおそれがあるが、容器の底面を開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にすることにより、階段状の平面部に金具を一時的に残すことができ、金具が過剰に供給されてしまうことを防ぐことができる。また、前後の揺動により階段状の立壁部分で金具を押し出すことができるので、確実に金具を供給することができ、供給量が不安定になることはない。よって、容器内に収容された金具を階段状の底面に沿ってスムーズに開口部に送ることができる。また、本発明においては、搬送手段として無端状の搬送ベルトを用い、搬送ベルトの凹部により供給工程から落下供給される複数の金具を収容し、収容された複数の金具が搬送ベルトの動きによって攪拌されるので、搬送ベルトに間隔を隔てて配置された磁石に触れる確率が高くなる。その結果、磁石によって金具を確実に1個ずつ吸着して、取出し位置に等間隔でスムーズに供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図1、図2及び図3は、実施例に係る円筒形金具である防振装置の内筒金具及び外筒金具を熱処理するために搬送するベルトコンベア上に等間隔で整列させる整列装置を一部破断正面図、側面図及び平面図(一部省略)により示したものである。図4〜図7は、整列装置の一部である供給装置及び搬送装置を一部破断正面図、平面図及び左右側面図により示したものである。
【0014】
整列装置は、鋼材枠で形成された支持枠10を備えており、支持枠10内の台11上に、前側にて一体となって載置されている左側の供給装置13A及び右側の搬送装置30Aと、その後側にて一体となって載置されている左側の供給装置13B及び右側の搬送装置30Bと、搬送装置30Bの後側にて載置されて支持枠10の右外に伸びた内外筒金具を整列状態で載置されるベルトコンベア77と、さらに支持枠10内の上側に支持枠10に取り付けられた金具取出整列装置60と、整列装置の動作を制御する電気制御装置80とを備えている。なお、本実施例において、装置の左右及び前後については、図1及び図4を基準としてその左右方向及び前後方向に合わせるものとする。
【0015】
整列装置は、供給装置13A,13Bにより、容器内にランダムに積載された内外金具をスムーズに搬送装置30A,30Bに供給する供給工程を行い、搬送装置30A,30Bにより、供給装置から供給された内外筒金具を等間隔で配列して取出し位置に搬送する搬送工程を行い、金具取出整列装置60により、取出し位置に供給された内外筒金具をロボットによって取り出し、これを整列状態に是正してベルトコンベア77まで運搬して整列させる整列工程を行うものである。供給装置13A及び搬送装置30Aは、外筒金具用であり、供給装置13B及び搬送装置30Bは内筒金具用であるが、両者は同一構造であり、したがって、以下両者をまとめて供給装置13A及び搬送装置30Aとして説明する。
【0016】
供給装置13Aは、搬送装置30Aと共通の底板14上にてその前後縁に互いに対向して立設された一対の垂直に支持板15,16に挟まれて、下側の箱状の基部17と、基部17の上方に空間K1を隔ててシュート24を設けている。基部17内の右側の前面17aには電動モータ18が固定されており、前方に突出したその回転軸にスプロケット18aが固定されている。スプロケット18aは、後述する搬送装置30A側の第1スプロケット35との間に巻装されたチェーン19によって連結されている。空間K1内には、基部17の上面右側に電磁シリンダ21が左右に向けて取りつけられており、その右方に突出したロッド21aの右端側がシュート24底面に固定されている。また、基部17上面の左側には、左側に単に左右に伸縮するシリンダ22が取り付けられており、その右端側がシュート24底面に固定されている。
【0017】
電磁シリンダ21は、シリンダ22と共にシュート24を支持しており、ロッド21aが図4に示す位置を基準として右方への突出動作と左方への後退動作を1回ずつ繰り返すもので、それによりシュート24を左右に揺動させることができるようになっている。なお、本実施例では、電気制御装置80の制御により、電磁シリンダ21による右方向への突出動作の速さより左方向への後退動作の速さが速くなるようにされている。電磁シリンダ21による右方向への突出動作の速さを左方向への後退動作の速さと同一又は速くすることもできる。
【0018】
シュート24は、下側の左右に長い容器25と、容器25の右端近傍を除いてその上に一体で取り付けられたホッパ27とを有しており、容器25とホッパ27の空間は上下に繋がっている。容器25は、前後の幅が基部17より短く、その左右両端側が基部17の左右両端からわずかに外方に延びており、ホッパ27から外れた右端側が右側面及び上面が開放された開口部25aになっている。容器25は、前側板と後側板が互いに平行に左右に延びており、開口部25aまでストレートに延びている。ホッパ27は、前後の幅が基部17の前後幅と略同等であり、下端側で前後に傾斜した傾斜部27aにより前後幅方向に絞られて、容器25に連結されている。容器25内の底面には、階段部26が設けられている。階段部26は、幅が容器25底面の前後長さに合わされると共に、左右長さが底面の左右長さに対して一定寸法ずつ短くなっている複数の鋼製の薄板が、左端を容器25左端に合わせて下側から長い順に積み重ねられたものであり、左側から右側に向けて少しずつ下がる階段状にされている。
【0019】
また、容器25の前後面の左右両端側には、それぞれ取付板25bが前後外方に突出しており、各取付板25bの下面にそれぞれプーリ28が回動可能に取り付けられている。また、基部17上面の前後端かつ左右端には、プーリ28に対向してプーリ29が設けられており、上下に対向するプーリ28,29間には、ベルト29aが巻装されている。このように、ベルト29aを介して容器25を基部17に繋げたことにより、容器25が左右方向の揺動に応じて、容器25の前後への揺れ等の不要な動きを抑えることができる。
【0020】
搬送装置30Aは、供給装置13Aの左側において、底板14上の前後両側縁に垂直に立設された一対の側板31,32を有しておリ、その間が空間K2になっている。側板31,32は、左側縁が基部17上端位置から右上に向けて略60°に傾斜した傾斜縁32aとなっており、ホッパ27の上端よりわずかに上方で水平縁32bになっている。搬送装置30A側に延びた上記容器25先端は、傾斜縁32aの内側までわずかに突出している。空間K2内の下側中央には、両側板31,32の対向面側に大径の円盤状である一対の収容板部材33が側板31,32に沿って配置されており、収容板部材33の中心にて外方に向けて突出した中心筒状部33aにて側板31,32に回動可能に取り付けられている。
【0021】
収容板部材33は、外周縁に沿って歯が突出したスプロケットになっており、中心筒状部33aの径方向外側に同軸状に配置されて厚さ方向に貫通した多数の小孔33bを有している。収容板部材33は、その左端が容器25先端のわずか右下になるように配置されている。収容板部材33の最下端側の小孔33b位置において、側板31,32側に発光素子と受光素子が対向して取り付けられてなる金具検知装置34が設けられている。金具検知装置34は、受光素子が発光素子からの光を受けたときは、両収容板部材33間に外筒金具74が供給されていなく、受光素子が発光素子からの光を受けないときに、外筒金具74が供給されている、と判別できるようになっている。
【0022】
収容板部材33の左側でかつ容器25右端のわずか下側には、側板31,32間を前後に水平に延びた回転軸35aが側板31,32に回転可能に取り付けられている。回転軸35aの側板31近傍位置には駆動用の第1スプロケット35が取り付けられている。第1スプロケット35は、上記チェーン19によってスプロケット18aに連結されて、電動モータ18の駆動により回転するようになっている。なお、第1スプロケット35は、チェーン19と共に、後述する搬送ベルト45に対する共通のスプロケットとなっている。
【0023】
収容板部材33を挟んだ左右両側の底板14近傍には、搬送用の回転軸36a,37aが前後に水平に延びて側板31,32に回動可能に取り付けられている。回転軸36a,37aの側板31,32近傍位置には、それぞれ一対の第2及び第3スプロケット36,37が取り付けられている。また、側板31,32の上端水平縁32bの左右両端近傍には、搬送用の回転軸38a,39aが前後に水平に延びて側板31,32に回動可能に取り付けられている。回転軸38a,39aの側板31,32近傍位置には、それぞれ一対の第4及び第5スプロケット38,39が取り付けられている。一対の第4及び第5スプロケット38,39間には、案内板部材41が、水平に前後に延びて側板31,32に固定されており、後述する搬送ベルト45の下面を支えると共に、その左右中間位置を搬送ベルト45から外筒金具74を取出す取出し位置として規定している。
【0024】
上記各一対の第1スプロケット35、第2及び第3スプロケット36,37、第4及び第5スプロケット38,39の外周には、幅方向両端にチェーン51を有する無端ベルトタイプの搬送ベルト45がその内周側を噛合わせて巻き付けられている。また、搬送ベルト45は、第1スプロケット35と第4スプロケット38の間において、右下方に向けて凹まされており、その外周側が一対の収容板部材33の下側略半分にてその外周スプロケットに噛合って係合している。このように、搬送ベルト45は、第1スプロケット35と第4スプロケット38の間で下方に向けて凹まされており、一対の収容板部材33との間に形成された凹み部分が、容器25の開口部25aから落下した外筒金具74を収容する収容部42にされている。また、第3スプロケット37と第5スプロケット39間の上下中間位置には、案内板部材43が、搬送ベルト45に沿ってその左側にて上下に対してわずかに傾斜して前後に延びて側板31,32に固定されており、搬送ベルト45を左方向に変形しないように支えている。
【0025】
搬送ベルト45は、図8〜図11に示すように、6個の長方形の長尺状の支持板材46A〜46Cを一単位として、長手方向を横にして長辺間を互いに隙間を隔てて等間隔で配列し、その長手方向両端側で一対のチェーン51に取り付けることにより形成されている。チェーン51は、互いに並列に歯が噛合う隙間を隔てて配置された一対の円筒部53を軸方向両端で長方形の小片である連結片54で連結してなる単位要素52を同一の隙間を隔てて並列に多数配置して、これを連結して所定の長さの無端リング状にしたものである。各単位要素52間の連結は、両単位要素52の隣接する端部側でかつ円筒部53の軸方向両側の一対の連結片54間を一対の外連結片55,56で挟んで固定することにより行われる。一方の外連結片55は,長方形の小片であるが、他方の外連結片56は、長方形の小片の円筒部53取付側の反対面においてその長手方向中間位置でかつ幅方向一端かた盤面に垂直に突出した係合片57を設けており、係合片57には1個又は2個の取付孔(図示しない)を設けている。
【0026】
支持板部材は、長方形の長尺状の剛性を有する樹脂製の板材であり、長手方向両端の形状等が異なる3種類46A,46B,46Cとなっている。支持板部材46Aは、図9に示すように、その長手方向両端にて、チェーン51の外連結片56側からその取付孔(図示しない)を介してボルト47aで締め付けることにより外連結片56に取り付けられている。支持板部材46Bは、図10に示すように、長手方向両端側が薄肉になっており、さらに両端で上側に折り返してその間に隙間を設けた折返し部48aになっており、その下側が支持部48bになっている。支持板部材46Bは、支持部48bにてチェーン51の外連結片56側からボルト48cにより締付けられて外連結片56に取り付けられている。折返し部48aの隙間には、後述するゴムシート59の端部が挿嵌されるようになっている。支持板部材46Cは、図11示すように、長手方向中央に円柱状の磁石49aが埋められた長方形の保持部49bが設けられており、長手方向両端側が支持部49cになっており、支持部49cにてチェーン51の外連結片56側からボルト49dで締付けることにより外連結片56に取り付けられている。
【0027】
3種類の支持板部材46A,46B,46Cは、図8に示すように、46A,46B,46B,46C,46B,46Bの順に配列され一単位をなしている。さらに一単位の内の支持板部材46Aの幅方向中間から、次の一単位の支持板部材46Aの幅方向中間にかけて、ゴム弾性体製の薄板であるゴムシート59が設けられている。ゴムシート59は、長手方向両端側が一対の支持板部材46Aにおいて、その両端にてボルト47bで締め付けることにより固定されており、また、2,3,5,6,番目の支持板部材46Bの両端において折返し部48aの隙間に挿嵌されることにより搬送方向に多少の動きが可能なように固定されており、さらに、4番目の支持板部材46Cの両端において、ボルト49eで締め付けることにより固定されている。ゴムシート59は、柔軟性があるため、搬送ベルト45の多少の曲りにも追従可能であり、また支持板部材の一単位に合わせて短く分割されているので、取り外しも容易になっている。ゴムシート59は、各支持板部材46A,46B,46C間の隙間を覆って外筒金具の引っ掛かりを防止すると共に、支持板部材と金具の接触による騒音の発生を抑えることができる。
【0028】
なお、側板31,32の右端側には、側板に挟まれて回収箱85が搬送ベルト45に接近して配設されており、さらに、側板32の上下中間位置には前方に向けて傾斜した誘導板86が取り付けられて、搬送ベルト45に接近して配置されている。搬送ベルト45に磁石で吸着された金具の内、取出し位置で不良品判定されたものについては、取出されることなくそのまま搬送ベルト45で運搬される。この誘導板86は、この不良品金具を、誘導板86でその位置を前方にずらせることにより、磁石49aの吸引力を排除して下方に落下させて、下方に設置された回収箱85に回収させるものである。
【0029】
金具取出整列装置60は、搬送装置30Aの上方に配置されており、ロボット61と、ロボット61を左右方向に導く横方向ガイド部67と、横方向ガイド部67を前後方向に導く縦方向ガイド部69と、横方向ガイド部67を前後へ移動させる前後駆動部71と、ロボット61の上端に取り付けられて搬送装置30Aの取出し位置を撮影するカメラ72と、カメラ72からの画像によりロボット61の動作を制御する制御部75とを備えている。金具取出整列装置60は、外筒金具74用の供給装置13A及び搬送装置30Aと、内筒金具用の供給装置13B及び搬送装置30Bとで共用される。
【0030】
ロボット61は、下側にロボット本体62、上側にロボット駆動部66を同軸状に有している。ロボット駆動部66は、ロボット本体62を支持して上下方向及び左右方向に移動させると共に軸を中心として回動させるものである。ロボット本体62は、図12−1に示すように、ロボット駆動部66に上下動及び回動可能に取り付けられた円筒基部63と、円筒基部63の径方向両側面から突出して軸直角方向に伸縮可能に支持された複数の水平棒64aと共にその先端が鉛直に延びた鉛直棒64bとからなる左右一対の幅調節腕部64と、一対の鉛直棒の64b下端対向面側にて水平方向を中心として回動可能に支持された一対の棒状の回動調節腕部65を備えている。回動調節腕部65の対向する側は三角形状の複数の突出部になっており、内外筒金具を把持できるようになっている。
【0031】
カメラ72は、搬送ベルト45の取出し位置を撮影し、その映像出力を制御部75に出力するようになっている。本実施例において、軸方向一端に外フランジ部を一体で設けた鍔付き外筒金具74の取出し位置での形態については、図12−2に示すように横たえられた状態Iと、図12−3に示すように鍔を下側にして軸方向を上下に向けた状態IIと、図12−4に示すように鍔を上側にして軸方向を上下に向けた状態IIIの3種類に限られる。状態IIIがベルトコンベア77に搭載される鍔付き外筒金具74の規定の整列状態である。なお、内筒金具の場合は、フランジ部を有していない円筒形なので、横向きすなわち水平状態と縦向きすなわち垂直状態の2通りとなる。
【0032】
制御部75は、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等により構成されており、RAMには予め外筒金具74の取出し位置での3つの形態I,II,III及び図示しない内筒金具の2つの形態を記憶している。制御部75は、入力側にカメラ72が接続され、出力側にロボット駆動部66、前後駆動部71が接続されている。また、電気制御装置80との間が、信号の送受信を行うための送受信線81で接続されている。制御部75は、電気制御装置80との協働により、ROMに記憶された図15に示す「金具取出是正プログラム」を実行する。
【0033】
つぎに、金具取出整列装置60による、外筒金具74の取出し及び配置是正動作について説明する。外筒金具74が上記状態Iのように横たえられた場合、まず回転調節腕部65を傾けて外筒金具74の軸線に対して直角になるようにし、さらに幅調節腕部64の幅を狭めて回転調節腕部65によって外筒金具74の筒部を把持し、その後、回転調節腕部65を水平状態になるように回動させることにより、外筒金具74が整列状態IIIにされる。この状態で、ロボット駆動部66によって円筒基部63を180°回動させ、ロボット61をベルトコンベア77まで移動させることにより、図12−5に示すように外筒金具74をベルトコンベア77上に載置させることができる。
【0034】
状態IIの場合は、水平状態の回転調節腕部65によって筒部を把持し、回転調節腕部65を180°回動させることにより外筒金具74が状態IIIにされ、同様にベルトコンベア77載置させることができる。また、状態IIIの場合は、円筒基部63を軸を中心として180°回動させることにより、同様にベルトコンベア77に載置させることができる。なお、内筒金具についても、外筒金具74の状態I,IIIに合わせて同様にロボット61を操作することにより、同様に整列状態でベルトコンベア77に載置させることができる。
【0035】
電気制御装置80は、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等により構成されている。電気制御装置80の入力側には、金具検知装置34が接続され、出力側に電動モータ18と、電磁シリンダ21が接続されている。電気制御装置80は、制御部75等との協働により、ROMに記憶された図14に示す「金具供給搬送制御プログラム」を実行するものである。
【0036】
つぎに、上記実施例の動作について説明する。
まず、電気制御装置80が「金具供給搬送制御プログラム」の実行を開始し(S90〜S91)、制御部75が「金具取出是正制御プログラム」の実行を開始し(S100〜S101)、その制御に基づいて、供給装置13Aによる搬送装置30Aの収容部42に外筒金具74を供給する供給工程が実行される。シュート24の容器25内にホッパ27から多数の外筒金具74が投入され、容器25内にランダムな状態で積載して収容される。現時点で、収容部42内には外筒金具74は供給されていないので、金具検知装置34から金具無しの信号が電気制御装置80に入力される(S92)。これに応じて電気制御装置80は、電磁シリンダ21のロッド21aを左右に1往復移動させ、容器25を左右に揺動させる(S93〜S94)。収容部42に外筒金具74が収容されるまで、電磁シリンダ21の揺動が繰り返される(S92〜S94)。ここで、電磁シリンダ21による右方向への突出動作の速さより左方向への後退動作の速さが速くなるようにされているので、シリンダの後退時には金具に慣性力が働き、前進時には摩擦力が働くことにより、外筒金具74を前方に安定して押し出すことができる。
【0037】
なお、容器25内の底面には、左側から右側に向けて下がる階段状にされた階段部26が設けられているため、階段状の平面部に金具を一時的に残すことができ、金具が過剰に供給されてしまうことを防ぐことができる。また、前後方向の揺動により階段状の立壁部分で金具を押し出すことができるので、容器25の左右への揺動に応じて、外筒金具74が階段部26によってスムーズに開口部25aに供給される。また、容器25は、前側板と後側板が互いに平行に左右に延びており、開口部25aまでストレートに延びているため、開口部25a側で外筒金具74の前後側板間での引っ掛かりによる固着状態の発生が避けられ、開口部25aからの外筒金具74の外部への落下供給がさらに円滑に行われる。これにより、開口部25aの下方に配設された収容部42内に多数の外筒金具74がランダムな状態で収容される。これにより、金具検知装置34から金具ありの信号が入力される(S92)。
【0038】
これに応じて、電気制御装置80は、電動モータ18の所定時間の回動を開始させ、スプロケット18aの回動がチェーン19を介して伝えられて、第1スプロケット35が回動し、搬送工程が開始される。これにより、第1スプロケット35に巻装された搬送ベルト45が、第2〜第5スプロケット36〜39及び一対の収容板部材33を回動させつつ、これに沿って移動する(S92,S93,S95)。搬送ベルト45の移動に応じて、収容部42に収容された多数の外筒金具74が、搬送ベルト45の内の支持板部材46Cに埋設された磁石49aにより1個ずつ吸着され、搬送ベルト45に、複数の外筒金具74が1個ずつに分けられて等間隔で搬送される。電動モータ18の所定時間の回動により、搬送ベルト45は、上記一単位の長さだけ移動させられた後に停止させられる。なお、搬送ベルト45の一単位の移動により、案内板部材41の上の取出し位置において、搬送ベルト45の一単位の中の、磁石49aが埋め込まれた支持板部材46Cが左右中央に配置されるように、予め搬送ベルト45の位置が調整されている。すなわち、搬送ベルト45に1個ずつ等間隔で固定された外筒金具74が、取出し位置の中央に配置されるようになる。
【0039】
このように、本実施例においては、搬送装置30Aとして無端ベルトである搬送ベルト45を、第1スプロケット35と第4スプロケット38の間において一対の収容板部材33の下側略半分にて右下方に向けて凹まされて収容部42を構成することにより、簡易な構成で供給装置13Aから落下供給される複数の外筒金具74を収容することができる。さらに、搬送ベルト45の動きによって収容部42に収容された外筒金具74が攪拌され、搬送ベルト45に等間隔で埋設された磁石49aに接触するので、磁石49aによって確実に1個ずつ吸着されて収容部42から等間隔で搬送されて取出し位置にスムーズに供給される。
【0040】
そして、搬送ベルト45の取出し位置を撮影しているカメラ72からの映像信号が制御部75によって電気制御装置80に入力され、電気制御装置80において取出し位置に外筒金具74があるか否かが判定される(S97)。取出し位置に金具がないときは、搬送ベルト45のさらに一単位分の回動が行われ、取出し位置に外筒金具74が供給されるまでこの処理が繰り返される(S95〜S97)。取出し位置に金具が供給されると、その位置で金具取出整列装置60による外筒金具74の取出し及び整列状態への是正操作が行われることに対応して、電気制御装置80では所定時間のカウントが行われ、所定時間のカウントが終了すると、プログラムはS92に戻される(S98)。
【0041】
制御部75では、「金具取出し是正制御プログラム」の実行により整列工程が開始され、搬送ベルト45の取出し位置を撮影しているカメラ72からの映像信号が入力され(S100,S101)、取出し位置に外筒金具74があるか否かが判定される(S102)。取出し位置に外筒金具74がないときは、金具の取り出し操作が行われなく、判定処理が繰り返し行われる(S102)。取出し位置に外筒金具74が供給されると、制御部75において、RAMに記憶された形態データに基づいて外筒金具74の搬送ベルト45上での載置形態が上記形態I,II,IIIの何れであるかの識別が行われる(S103)。さらに、載置形態の識別結果に応じて、形態I,II,IIIのいずれかの選択が行われる(S104)。
【0042】
形態I,II,IIIのいずれかの選択により、選択形態に応じて制御部75の制御に基づいてロボットによる金具の取出し是正操作が行われる(S105,S106,S107)。まず、前後駆動部71により横方向ガイド部67が縦方向ガイド部69に沿って搬送ベルト45上に移動させられ、つぎにロボット駆動部66が横方向ガイド部67に沿って取出し位置上に移動する。さらに、ロボット61が、形態I,II,IIIに応じて、上記操作に従って外筒金具74を把持して取出し、さらに載置状態を整列状態に是正して、ベルトコンベア77上の規定位置に載置させる。このような外筒金具74の取出し是正操作が終了すると、プログラムはS102に戻され、以下制御部75により上記S102〜S107の処理が繰り返し行われる。このように、整列工程においては、搬送ベルト45により等間隔で取出し位置まで搬送された外筒金具74を、カメラ72により載置状態を認識することができ、認識した載置状態に基づいてロボット61により外筒金具74を挟持して取り出し、さらに外筒金具74を整列状態に是正して、ベルトコンベア77の整列位置まで運搬することができる。
【0043】
以上に説明したように、本実施例においては、一側面に開口部25aを有する容器25内にランダムな状態で収容された複数の外筒金具74が、開口部25aから外部にスムーズに落下供給され、収容部42で保持され、さらに保持された金具が搬送ベルト45の間隔を隔てて配置された磁石49aによって1個ずつ吸着されることにより、複数の外筒金具74が1個ずつに分けられて搬送ベルト45によって等間隔で搬送され、さらに、外筒金具74の載置状態を、カメラ72により認識して載置状態に基づいてロボット61により外筒金具を挟持して取り出し、同じ整列状態に是正してベルトコンベア77の整列位置まで運搬することができる。そのため、本実施例においては、段替えにより形状、サイズ等の異なる異品種の内外筒金具を整列させる場合に対しても、同じ整列装置を用いてランダムな収容状態から1個ずつに分離して等間隔で搬送し、同一の整列状態に揃えて取り出すことができる。その結果、本実施例によれば、金具の品種毎に装置の改造を行ったり新たな装置を用意する必要がないので、装置コストや装置の設置取替えのためのコストが不要になり、その整列のためのコストを大幅に削減できる。特に、少量多品種の円筒形金具に対して、整列のためのコスト削減の効果が非常に大きくなる。
【0044】
なお、以上の説明では、外筒金具74について供給装置13A、搬送装置30A及び金具取出整列装置60を用いて、ベルトコンベア77の規定位置に配置する操作について行われたが、内筒金具についても、同様に供給装置13B、搬送装置30B及び金具取出整列装置60を用いて、ベルトコンベア77の規定位置に配置する操作について行われる。実際には、両者が交互に行われ、ベルトコンベア77上に外筒金具74と内筒金具が等間隔で交互に配置されるようになっている。
【0045】
なお、上記実施例においては、供給装置の容器25内に階段部26を設けているが、これに限らず、単に傾斜のみとすることもでき、また、容器25を左右に揺動させる代りに、押出し部材により物理的に金具を開口部側に押し出すようにすることもできる。また、上記実施例に示した整列装置は、供給装置13A、搬送装置30A、金具取出整列装置60が一体で構成されているが、例えば供給装置13A、搬送装置30A、金具取出整列装置60をそれぞれ単独で、あるいは2つを組み合わせて使用することも可能である。さらに、上記実施例は、円筒形の内外筒金具に対して、本発明を適用したものであるが、円筒形の金具に限らず、楕円筒形、多角形筒形、板状、それ以外の金具に対しても同様に適用できる。その他、上記実施例に示した円筒形金具の整列装置の供給装置、搬送装置、金具取出整列装置の各部分の構成については、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、一側面に開口部を有する容器内にランダムな状態で収容された複数の金具が、押出し手段によって開口部から外部にスムーズに落下供給され、搬送手段において供給された金具が1ヶ所で保持され、さらに保持された金具が間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着されることにより、複数の金具が1個ずつに分けられて等間隔で搬送され、さらに、この金具を、カメラにより載置状態を認識して載置状態に基づいてロボットにより挟持して取り出し、さらに金具を整列状態に是正して整列位置まで運搬することができる。そのため、本発明は、形状、サイズ等の異なる異品種の金具に対しても、同一の整列装置により複数のばらばらに積まれた状態から整列状態に揃えて整列位置に配列させることができるので、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施例である内外筒金具の整列装置を概略的に示す一部破断正面図である。
【図2】同整列装置を概略的に示す右側面図である。
【図3】同整列装置で金具取出整列装置を除いた状態を概略的に示す平面図である。
【図4】同整列装置の内の供給装置と整列装置を概略的に示す一部破断正面図である。
【図5】同供給装置と整列装置を概略的に示す平面図である。
【図6】同供給装置と整列装置を概略的に示す左側面図である。
【図7】同供給装置と整列装置を概略的に示す右側面図である。
【図8】同整列装置の搬送ベルトを概略的に示す平面図である。
【図9】同搬送ベルトを概略的に示す図8のIX−IX線方向の断面図である。
【図10】同搬送ベルトを概略的に示す図8のX−X線方向の断面図である。
【図11】同搬送ベルトを概略的に示す図8のXI−XI線方向の断面図である。
【図12−1】金具取出整列装置のロボットを概略的に示す正面図である。
【図12−2】同ロボットによる配置形態Iの外筒金具の把持状態を示す模式図である。
【図12−3】同ロボットによる配置形態IIの外筒金具の把持状態を示す模式図である。
【図12−4】同ロボットによる配置形態IIIの外筒金具の把持状態を示す模式図である。
【図12−5】同ロボットにより把持した外筒金具をベルトコンベア上に載置した状態を示す模式図である。
【図13】整列装置の電気的な回路構成を概略的に示すブロック図である。
【図14】電気制御装置により実行される「金具供給搬送制御プログラム」のフローチャートである。
【図15】金具取出整列装置の制御部により実行される「金具取出是正制御プログラム」のフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
10…支持枠、13A,13B…供給装置、18…電動モータ、21…電磁シリンダ、24…シュート、25…容器、25a…開口部、26…階段部、27…ホッパ、30A,30B…搬送装置、33…収容板部材、34…金具検知装置、35〜39…第1〜第5スプロケット、42…収容部、45…搬送ベルト、46A,46B,46C…支持板部材、49a…磁石、51…チェーン、59…ゴムシート、60…金具取出整列装置、61…ロボット、62…ロボット本体、66…ロボット駆動部、71…前後駆動部、72…カメラ、74…外筒金具、75…制御部、77…ベルトコンベア、80…電気制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面が開口部になっている箱状の容器内にランダムな状態で収容された複数の金具を、押出し手段によって前記開口部から前記容器外部に落下供給する供給工程と、
間隔を隔てて磁石が配置された搬送手段により、前記供給工程において落下供給される金具を1ヶ所で受け止めて収容し、収容された金具を前記磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送工程と、
前記搬送手段により取出し位置まで搬送された金具に対して、カメラにより金具の載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に、金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する整列工程と
からなることを特徴とする金具の整列方法。
【請求項2】
前記押出し手段により、前記容器が前記開口部方向に向けて前後に揺動されることを特徴とする前記請求項1に記載の金具の整列方法。
【請求項3】
前記容器の底面が前記開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にされていることを特徴とする前記請求項2に記載の金具の整列方法。
【請求項4】
前記搬送手段が無端状の搬送ベルトであり、該搬送ベルトは前記供給工程において落下供給される複数の金具を収容できる凹部を有することを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載の金具の整列方法。
【請求項5】
一側面が開口部になっている箱状の容器内に複数の金具をランダムな状態で収容し、収容された複数の金具を押出し手段によって前記開口部から該容器外部に落下供給する供給装置と、
前記供給装置により落下供給される金具を受け止めて1ヶ所に収容すると共に、収容された金具を間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送装置と、
該搬送装置により取出し位置まで搬送された金具を、カメラによりその載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する金具取出整列装置と
を備えたことを特徴とする金具の整列装置。
【請求項1】
一側面が開口部になっている箱状の容器内にランダムな状態で収容された複数の金具を、押出し手段によって前記開口部から前記容器外部に落下供給する供給工程と、
間隔を隔てて磁石が配置された搬送手段により、前記供給工程において落下供給される金具を1ヶ所で受け止めて収容し、収容された金具を前記磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送工程と、
前記搬送手段により取出し位置まで搬送された金具に対して、カメラにより金具の載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に、金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する整列工程と
からなることを特徴とする金具の整列方法。
【請求項2】
前記押出し手段により、前記容器が前記開口部方向に向けて前後に揺動されることを特徴とする前記請求項1に記載の金具の整列方法。
【請求項3】
前記容器の底面が前記開口部に向けてわずかずつ下がった階段状にされていることを特徴とする前記請求項2に記載の金具の整列方法。
【請求項4】
前記搬送手段が無端状の搬送ベルトであり、該搬送ベルトは前記供給工程において落下供給される複数の金具を収容できる凹部を有することを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載の金具の整列方法。
【請求項5】
一側面が開口部になっている箱状の容器内に複数の金具をランダムな状態で収容し、収容された複数の金具を押出し手段によって前記開口部から該容器外部に落下供給する供給装置と、
前記供給装置により落下供給される金具を受け止めて1ヶ所に収容すると共に、収容された金具を間隔を隔てて配置された磁石によって1個ずつ吸着して搬送する搬送装置と、
該搬送装置により取出し位置まで搬送された金具を、カメラによりその載置状態を認識し、認識した載置状態に基づいてロボットにより金具を挟持して取り出すと共に金具を同じ整列状態に是正して整列位置まで運搬する金具取出整列装置と
を備えたことを特徴とする金具の整列装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−1】
【図12−2】
【図12−3】
【図12−4】
【図12−5】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−1】
【図12−2】
【図12−3】
【図12−4】
【図12−5】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−206305(P2006−206305A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24017(P2005−24017)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】
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