説明

金属半製品の熱処理のための縦型真空炉

【課題】建設の手間を最適化し、炉の構造を小型化して熱処理プロセスの省エネルギー化を促進すると共に、機能的なユニットにおいてガス供給及び装入によって影響を受けるが、装入物が上から処理室内に装入される場合にも下から装入される場合にも同様に適用可能であるように構成されることにより、熱処理プロセスにおける真空炉の有用性を高めた縦型真空炉を提供する。
【解決手段】金属半製品の熱処理用の縦型真空炉、好適には、垂直に立てて置かれた状態(直立形態)または吊り下げられた状態(吊下形態)で装入される装入物(例えば長尺丸物ワーク群)を処理するための縦型真空炉であって、処理室2の側周部に複数の第1のガス供給開口部1.3が配置され、処理室2の上部または下部に少なくとも1つの第2のガス供給開口部2.1が配置された縦型真空炉を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属半製品の熱処理のための縦型真空炉に関し、より詳細には、垂直に立てて置かれた状態(直立形態)または吊り下げられた状態(吊下形態)で装入される長尺丸物ワーク群を処理するための縦型真空炉に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の真空炉では、特開平3−188214号公報(特許文献1)に記載されているように、適切な構成の冷却機構によって、被熱処理材料を均一かつ急速に冷却し、その結果、処理室内に流入した冷媒ガス流を、冷却の適切な時期(例えば硬化後)に真空室において交換し得ることが知られている。
【0003】
真空熱処理炉における加熱後の被処理品の冷却に際し、冷媒ガスが、例えば、第一ガス供給管を介して流入し、その後、断熱層と流路筒との間の間隙を通って上方に導かれ、上ガス流通口から処理室内に流入すると共に、さらに、下部のガス流路切替弁を開くことによって、冷媒ガスは下ガス流通口から流出し、最終的に、処理室及び上ガス流通口を通って外部に排出される。
【0004】
その一方で、切替弁を閉じることによって、ガスは、第二ガス供給管を介して導入され、ノズルを介して処理室の上下に吹き込まれ、上下部ガス流通口から流出し、ガス排出管から炉外に排出される。
【0005】
このため、冷媒ガスの流れを、被処理品の状態に適するものに設定ないし変更し得るとされている。
【0006】
しかし、このプロセスは、熱交換器を有する送風機等の外部冷却ユニットによってしか実施できないという欠点がある。
【0007】
この熱処理プロセスのために、装入物の搬送を行う装入システムを検討すると、次のことが示されている。
【0008】
ドイツ特許DE1942801 C3号明細書(特許文献2)によれば、下部が開口したカバーが内部に配置されかつ下部が開口した保護ガス炉と、該保護ガス炉の下部に隣り合って配置された装入装置及び急冷装置とから構成される熱処理設備が知られている。
【0009】
この装入装置は、設置テーブル、運搬装置及び吊上げ装置から構成されており、急冷装置は、硬化槽及び焼きなまし被処理品用の昇降装置を備えている。この昇降装置は、炉がその縦軸に対して平行に配置された軸を中心に吊上げ装置の或る位置と急冷装置の或る位置との間を上下しながら旋回可能であるように、構成されている。
【0010】
カバーは、炉内で、その縦軸を中心に回転可能に設置されており、焼きなまし被処理品の支持装置を収容するための軸受けを有している。この炉には、該炉の縦軸を中心に旋回可能な鉤付き滑車装置が備えられている。
【0011】
しかし、この熱処理設備は、真空密封式であるようには構成されていない。いわゆる2室式設備として急冷槽は加熱室から分離されており、炉内には追加的な装入物固定具が必要であると共に、急冷槽内には追加的なキャリアプレートが必要である。炉全体は、旋回可能に実施されていなければならない。レトルトを介した間接加熱は、特に、エネルギー的には不利に作用し、技術的には加熱時間をより長くする。
【0012】
さらに、ドイツ特許DE3218461 C2号明細書(特許文献3)には、金属半製品を装入しながら熱処理するための設備が開示されている。この設備は、上向きに開口するチャンバ炉及び炉チャンバと、装入物収容フレームを把持する装置と、該装入物収容フレームを収容するための下向きに開口する吊上げ可能なチャンバとを備えている。吊上げ可能なチャンバは、保護ガスまたは反応ガスの供給が可能であると共に、炉チャンバを気密に閉鎖する。
【0013】
チャンバ炉への装入及びチャンバ炉からの取出しのために、吊上げ装置が使用されている。ここで、吊上げ可能なチャンバは、レトルトのような、炉チャンバ内に入る熱処理チャンバとして構成されており、この中には、外部及び/または上部から操作可能な装入物収容フレーム把持装置が配置されている。
【0014】
この設備もまた、真空密封式ではない。この設備に装入するためには、高さ調節可能なテーブルと、炉内に追加的な装入物固定具と、急冷槽内にさらなる高さ調節可能なテーブルとが必要である。
【0015】
この炉全体は、旋回可能に運転されなければならない。レトルトを介した間接加熱は、加熱時間をより長くするため、ここでもエネルギー的及び技術的な不利益が生じる。
【0016】
さらに、欧州特許出願公開EP0317832 A1号公報(特許文献4)によれば、上方から装入可能な炉の内部に、装入する複数の対象物を支持するための複数の平面体を備えた装入装置が記載されている。この装置は、炉床プレートと、該炉床プレート上に配置された中央案内棒とを備えている。
【0017】
装入装置は、装入物を支持するための、スタッキングされた複数の同軸のトレイからなるトレイアセンブリを有し、各トレイは、1つの中央穴を備え、各トレイの下面に固定された支持脚部によって互いから離隔されている。
【0018】
各トレイは、重なり合った位置において、支持脚部によって保持されている。この支持脚部は、すぐ下に配置されたトレイに収容されることができる。
【0019】
装入装置はベースプレートをさらに有し、ベースプレートには、炉床プレート上に配置された案内棒と係合する中央位置決め孔が設けられている。
【0020】
複数のトレイのうちの最も下にあるトレイは、このベースプレートに固定され、該ベースプレートによって支持される複数の脚部によって支持されている。選択的に、互いに異なる大きさの黒体放射体が1つずつ、重なり合う複数のトレイから選択された1つのトレイの中央開口部内に挿入される。
【0021】
この装入装置は、特殊でかつ構造上手間がかかる装入物収容フレームを必要とする。
【0022】
全体的にみれば、調査したこれらの熱処理設備は、縦型真空炉におけるエネルギー的に有利な要件及び搬送的にコンパクトな装入のプロセスを満足するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平3−188214号公報
【特許文献2】ドイツ特許出願DE1942801 C3号公報
【特許文献3】ドイツ特許出願DE3218461 C2号公報
【特許文献4】欧州特許出願公開EP0317832 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の課題は、金属半製品の熱処理用の縦型真空炉、好適には、垂直に立てて置かれた状態または吊り下げられた状態で装入される長尺丸物ワーク群を処理するための縦型真空炉であって、建設の手間を最適化し、炉の構造を小型化して熱処理プロセスの省エネルギー化を促進すると共に、機能的なユニットにおいてガス供給及び装入によって影響を受けるが、装入物が上から処理室内に装入される場合にも下から装入される場合にも同様に適用可能であるように構成されることにより、熱処理プロセスにおける真空炉の有用性を高めた縦型真空炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この課題は、本発明によれば、請求項1ないし請求項10に記載の特徴によって解決される。
【0026】
本発明の縦型真空炉は、まず、処理室の側周部に配置された複数の第1のガス供給開口部を含みかつ、処理室の上部または下部に配置された少なくとも1つの第2のガス供給開口部を含むように構成されている。これらの特徴は、装入物が上から処理室内に装入される場合にも下から装入される場合にも同様に適用可能であるので、熱処理プロセスにおける真空炉の有用性を確実に高めるという機能的条件を満たすものである。
【0027】
好適には、複数の第1のガス供給開口部及び少なくとも1つの第2のガス供給開口部はそれぞれ、装入物の部分的な冷却を行うための閉鎖可能な開口部として構成されるので、装入物の構成に応じてガスの供給及び冷却を個々に適合させることが可能であり、このため、省エネルギー冷却という目標の達成を支援する。ここでは、省エネルギー効果を確保するために、外側シェルと処理室の間に断熱材として耐熱性ガス供給管を配置することができる。
【0028】
また、装入物の搬送及びエネルギー効率の良い熱処理を行うために、処理室内の上部または下部に、側周部の複数の第1のガス供給開口部及び少なくとも1つの第2のガス供給開口部にそれぞれ連通した空間にありかつ小型の機能ユニットとして形成された装入物回転装置が配置されている。このため、加熱及び冷却時の均一な、ひいてはエネルギー効率の良い熱処理が確保される。
【0029】
その後、一般的な外部の吊上げまたは運搬手段により、処理室への装入/処理室からの取出しを、様々な実施の変形形態に応じて、上底部(炉頂部)または下底部(炉底部)から行うことが可能である。
【0030】
加熱の一部のプロセスにおいてエネルギー効率を高めるために有効であるものは、処理室内に配置された加熱装置である。加熱装置は、本発明によれば、マルチゾーン調節装置を備えるマルチゾーン加熱装置として実施されている。
【0031】
さらに、本発明は、
・上からの装入の場合に、装入物を構成する吊下形態のワークを、装入物回転装置に、嵌合保持または押圧保持された状態で収容することにおいても、
・下からの装入の場合に、装入物を構成する直立形態のワークを装入物回転装置に収容することにおいても、
全体として、完全に、本発明に係る課題を解決することを可能にする。
【0032】
従って、本発明の全ての特徴は、その包括的な使用において、建設の手間を最適化し、炉の構造を小型化するという本発明の目的に適う全体的な作用に統合される。このことは、真空炉における全熱処理プロセスの省エネルギー化を促進し、装入物を処理室の上から装入する炉にも下から装入する炉にも適用され得るように構成することにより、真空炉の有用性を高める。これはまた、ガス供給にも関連している。
【0033】
さらに、縦型真空炉は、少なくとも以下の特徴の組合せを有していることが好ましい。
a)処理室の側周部に配置された閉鎖可能な複数の第1のガス供給開口部及び、閉鎖可能な少なくとも1つの第2のガス供給開口部と、
b)側周部の第1のガス供給開口部及び第2のガス供給開口部にそれぞれ連通した空間にあり、小型の機能ユニットとして形成された装入物回転装置と、
c)上からの装入の場合に、装入物回転装置に配置される吊下形態の装入物を形成するワーク、または、下からの装入の場合に、装入物回転装置上に配置される直立形態の装入物を形成するワーク。
【0034】
これらの組み合わされた構成は、
・外側シェルと処理室の間に断熱材として耐熱性ガス供給管を付加することができ、
・処理室内へ、選択的に、上底部または下底部から装入することが可能であり、
・マルチゾーン加熱装置及びマルチゾーン調節装置によって、より完全なものになり、そのため、エネルギー効果及び搬送効果が驚くほど向上した、縦型真空炉の新規の包括的な機能ユニットを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の縦型真空炉の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明について、図面を参照して、本発明に係る金属半製品(例えば長尺丸物ワーク)の熱処理用の縦型真空炉の原理に基づき、より詳細に説明する。図面においては、特徴的な詳細が抜粋されて示されている。
【0037】
先ず、図1を参照されたい。基本的に、金属半製品の熱処理用の縦型真空炉は、外側シェル1を備え、外側シェル1内には、上部(上端部)、下部(下端部)及び側周部によって画定される処理室2が設けられており、処理室2内において、長尺丸物ワーク群(集合的に「装入物3」と呼ぶ)の加熱及び冷却などの熱処理が行われる。炉には、開閉可能な上蓋(例えば可動ルーフ部)または下蓋(例えば可動ハッチ部)が設けられており、上蓋を開放して装入物3を上から処理室2内へ装入するか、または下蓋を開放して装入物3を下から処理室2内へ装入することができるようになっている。
【0038】
図1の断面図のうち、炉の下部を拡大してより詳細に示したものが詳細B)である。詳細A)は、後述する別の実施形態における処理室2の上部を拡大してより詳細に示した図である。装入物3は、詳細A)では吊下形態の装入物3.1として、詳細B)では直立形態の装入物3.2として、それぞれ示されている。
【0039】
装入物3は、詳細B)に示した実施形態のように、装入物回転装置(例えばターンテーブル)3.3.1上に搭載された装入物収容フレーム(例えば熱処理治具)3.3上に、垂直に立てて置かれることができる。あるいは、装入物3は、詳細A)に示した実施形態のように、処理室内の上部に配置された装入物回転装置(詳細Aには図示せず)に装着される装入物収容フレーム3.3から吊り下げられて配置されることもできる。いずれの実施形態においても、装入物の種類や熱処理条件等に応じて、装入物回転装置の回転速度を調整することが可能である。具体的には、装入物回転装置は、例えば予めプログラミングされた滞留時間等に合わせてモータ駆動によって一定サイクルで回転する機構(小型の機能ユニット)として形成することができる。
【0040】
さらに、処理室2内に装入された装入物を加熱するための加熱装置4(例えば発熱体)及び加熱された装入物の冷却に用いるガスを冷却するための冷却装置5を設けることにより、真空炉における全熱処理プロセスを遂行することができる。装入物3を加熱する際及び冷却ガス流を装入物3に吹き付ける際には、上記した処理室内の下部または上部に配置された装入物回転装置によって装入物を回転させることで、ムラのない均一な温度及びガス分布を実現することができる。
【0041】
本発明によれば、処理室2の側周部には複数の第1のガス供給開口部1.3が設けられ、これらは詳細C)において複数の閉鎖可能な第1のガス供給開口部1.3.1として示されている。閉鎖可能な第1のガス供給開口部1.3.1は、加熱時に閉鎖され、冷却ガス導入時に開放されることになるが、例えば処理される装入物の長さが短いなどの理由で必ずしも全ての開口部から冷却ガスを供給する必要がない場合などには、一部の開口部が開放され、残りの開口部が閉鎖されたままであるように、選択的に開閉されるように構成されることができる。このような構成は、装入物3の形状等に応じて処理室2内に部分的に無駄なく冷却ガスを供給することを可能にし、炉の省エネルギー化に寄与する。さらに、処理室2内の下部には、1つの第2のガス供給開口部2.1が設けられ、これは詳細D)において閉鎖可能な第2のガス供給開口部2.1.1として示されている。第2のガス供給開口部2.1.1は、本実施形態では1つしか設けられていないが、ユーザの要求に応じて複数設けることもでき、その場合には、上記した複数の第1のガス供給開口部と同様に、加熱時に閉鎖され、冷却ガス導入時に一部の開口部が開放され、残りの開口部が閉鎖されたままであるようにして、部分的な冷却を行うことができる。
【0042】
本発明の原理は、様々な構造、すなわち、吊下形態の装入物にも、直立形態の装入物にも適用することができ、包括的な熱処理のプロセスにおいて、個別のガス供給及び省エネルギー冷却を保証し得る。
【0043】
従って、各装入物について加熱及びその後の冷却を交互に繰り返すこのプロセスは、本発明に係る実施形態を総合的に相互作用させることによって、改善され、エネルギーが節約される。この効果は、詳細A)に示されているような、外側シェル1と処理室2の間に断熱材として配置されている耐熱性ガス供給管6によって、さらに高められる。
【0044】
本明細書では詳細に説明されていないが、この機能及び構造に応じた縦型真空炉の実施形態では、装入物の装入/取出しのために、通常は外部から操作される吊上げ手段または運搬手段により、炉の上または下から装入物を装入する各変形形態が可能になる。このため、真空炉の種類に応じて有利な装入を行うことが可能になる。
【0045】
従って、上述の変形形態は、ユーザの条件に応じて、
・上からの装入の場合には、吊下形態の装入物3.1を形成するワークが、装入物回転装置3.3.1の装入物収容フレーム3.3に、嵌合保持されるかまたはクランプ等によって押圧保持された状態で収容されるようにして実施可能であり、または、
・下からの装入の場合には、直立形態の装入物3.2を形成するワークが、装入物回転装置3.3.1上の装入物収容フレーム3.3に収容されるようにして実施可能である。
【0046】
当然ながら、本発明に係る真空炉には、本明細書では詳細に説明及び図示されていないガス排出部も設けられている。ガス排出部は、通常と同様に処理室2の上部または下部に配置され得るが、本発明に関連するプロセスでは特別な意味を有していない。
【符号の説明】
【0047】
1 外側シェル
1.1 上底部
1.2 下底部
1.3 第1のガス供給開口部
1.3.1 閉鎖可能な第1のガス供給開口部
2 処理室
2.1 第2のガス供給開口部
2.1.1 閉鎖可能な第2のガス供給開口部
3 装入物
3.1 吊下形態の装入物
3.2 直立形態の装入物
3.3 装入物収容フレーム
3.3.1 装入物回転装置
4 加熱装置
4.1 マルチゾーン加熱装置
5 冷却装置
6 ガス供給管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属半製品の熱処理のための縦型真空炉であって、外側シェル(1)と、該外側シェル内に配設され、上部、下部及び側周部によって画定される処理室(2)と、該処理室(2)内において装入物(3)を吊下形態(3.1)または直立形態(3.2)で保持するための装入物収容フレーム(3.3)と、前記処理室(2)内に装入された前記装入物(3)を加熱するための加熱装置(4)と、加熱された前記装入物(3)の冷却に用いるガスを冷却するための冷却装置(5)と、前記処理室(2)内へ冷却ガスを供給するためのガス供給手段及び前記処理室(2)から前記冷却ガスを排出するためのガス排出手段を備え、
前記処理室(2)が、
a)前記側周部に配置された複数の第1のガス供給開口部(1.3)と、
b)前記上部または前記下部に配置された少なくとも1つの第2のガス供給開口部(2.1)とを備え、
前記第1のガス供給開口部(1.3)及び前記第2のガス供給開口部(2.1)が、前記ガス供給手段を形成していることを特徴とする縦型真空炉。
【請求項2】
前記複数の第1のガス供給開口部(1.3)が、部分的な冷却を行うために、一部の前記開口部が開放され、残りの前記開口部が閉鎖されたままであるように、選択的に閉鎖可能な第1のガス供給開口部(1.3.1)として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の縦型真空炉。
【請求項3】
前記第2のガス供給開口部(2.1)を複数備え、該複数の第2のガス供給開口部(2.1)が、部分的な冷却を行うために、一部の前記開口部が開放され、残りの前記開口部が閉鎖されたままであるように、選択的に閉鎖可能な第2のガス供給開口部(2.1.1)として構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の縦型真空炉。
【請求項4】
前記外側シェル(1)と前記処理室(2)との間に、断熱材として耐熱性ガス供給管(6)が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の縦型真空炉。
【請求項5】
前記処理室(2)内の上部または下部に配置された装入物回転装置(3.3.1)をさらに含み、該装入物回転装置(3.3.1)が、前記第1のガス供給開口部(1.3)及び前記第2のガス供給開口部(2.1)にそれぞれ連通した空間にあり、前記装入物回転装置(3.3.1)により前記装入物を回転させ得るようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の縦型真空炉。
【請求項6】
前記加熱装置(4)が、マルチゾーン加熱装置(4.1)として構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の縦型真空炉。
【請求項7】
前記マルチゾーン加熱装置(4.1)が、マルチゾーン調節装置を備えていることを特徴とする請求項6に記載の縦型真空炉。
【請求項8】
前記吊下形態(3.1)の前記装入物(3)を形成するワークが、上から前記処理室(2)内に装入され、前記装入物回転装置(3.3.1)に装着されて共に回転する前記装入物収容フレーム(3.3)に、嵌合保持または押圧保持された状態で収容されるようにしたことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の縦型真空炉。
【請求項9】
前記直立形態(3.2)の前記装入物(3)を形成するワークが、下から前記処理室(2)内に装入され、前記装入物回転装置(3.3.1)に装着されて共に回転する前記装入物収容フレーム(3.3)に収容されるようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の縦型真空炉。
【請求項10】
前記複数の第1のガス供給開口部(1.3)が、部分的な冷却を行うために、一部の前記開口部が開放され、残りの前記開口部が閉鎖されたままであるように、選択的に閉鎖可能な第1のガス供給開口部(1.3.1)として構成されており、
前記第2のガス供給開口部(2.1)を複数備え、該複数の第2のガス供給開口部(2.1)が、部分的な冷却を行うために、一部の前記開口部が開放され、残りの前記開口部が閉鎖されたままであるように、選択的に閉鎖可能な第2のガス供給開口部(2.1.1)として構成されており、
前記処理室(2)内の下部に配置された装入物回転装置(3.3.1)をさらに含み、該装入物回転装置(3.3.1)が、前記閉鎖可能な第1のガス供給開口部(1.3.1)及び前記閉鎖可能な第2のガス供給開口部(2.1.1)にそれぞれ連通した空間にあり、前記装入物回転装置(3.3.1)により、下から装入された前記直立形態(3.2)の前記装入物(3)を回転させ得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の縦型真空炉。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−24486(P2013−24486A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160479(P2011−160479)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(310010243)Ipsen株式会社 (9)
【Fターム(参考)】