説明

金属含有溶液の処理方法

他の還元剤をも含む無電解メッキ液又は金属含有溶液を処理する方法。本方法は、アノード、カソード及び該アノードと該カソードとを分離する水素イオン透過性膜を含む反応容器を準備すること、金属含有液体をアノードと接触させること、陰極電解液をカソードと接触させること、アノード及びカソードに電流を流して存在する還元剤を酸化すること、使用済み陰極電解液及び部分的処理済み液体を電極から、場合によっては反応容器から別個の貯槽に取り出すことを含む。部分的処理済み液体及び陽極電解液を、それぞれカソード及びアノードと接触させ、再びアノード及びカソードに電流を流して、金属イオンの過半数をカソード上にメッキさせる。還元剤を酸化する工程及び金属イオンをメッキする工程は、順番を変えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解により金属含有溶液を処理するプロセス及び装置に関する。本プロセス及び装置は、溶液から金属を除去して、廃棄するために環境的に許容され得る溶液とし、溶液から有価値金属を回収する。
【背景技術】
【0002】
無電解メッキは、金属コーティングを対象物に導入するために一般的に用いられている方法である。無電解メッキによって対象物を被覆するために、金属化合物は溶液中に置かれ、続いて元素状金属は化学反応を介して堆積する。無電解メッキは、物品上に、ニッケル、銅、銀、金、白金又はパラジウムなどの金属を高度に均一にコーティングするために用いることができる。無電解メッキは、エレクトロニクス産業、例えば半導体ウェハの処理などに頻繁に用いられる。
【0003】
経時的及び使用により、無電解メッキ溶液は消費されてしまい、及び/又はメッキプロセスの副産物で汚染されるようになり、交換が必要になる。しかし、使用済みメッキ溶液は、環境的に考慮を要する金属化合物を含む。使用済みメッキ溶液は、さらに、爆発及び火災の危険性を有する多量の水素ガスを発生させる傾向もある。結果として、使用済みメッキ溶液を処理するために種々の方法が考案されている。
【0004】
米国特許6,391,209号明細書(開示内容を本願明細書に援用する)には、使用済みメッキ溶液の処理のための多数の従来方法が記載されている。これらは、過酸化水素などの酸化剤で溶液を処理することを含む。別の方法は、金属の化学的還元及びその後の有機錯化剤の沈殿を含む。メッキ溶液もまた、オゾン、紫外線又は過酸化水素又はこれらの組み合わせに暴露させることによって処理することができる。
【0005】
米国特許5,730,856号明細書(開示内容は本願明細書に援用される)には、電解酸化と同時に振動撹拌装置による振動及び流動化によって無電解メッキ溶液を処理する方法が記載されている。
【0006】
電気化学セルは、無電解メッキ溶液などの金属含有溶液から金属を除去するために用いられている。米国特許6,162,333号明細書(Lemonら)(開示内容は本願明細書に援用される)には、そのようなセルが記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
還元剤をも含む金属含有液体を処理する方法が提供される。本方法は、アノード、カソード及び該アノードと該カソードとを分離する水素イオン透過性膜を含む反応容器を準備し;被処理金属含有液体を該反応容器内で該アノードと接触させ;陰極電解液を該カソードと接触させ;該アノード及び該カソードを電源と電通状態にして、金属含有液体中の還元剤の少なくとも過半数が酸化されて中間液体及び使用済み陰極電解液を発生させる迄該アノード及び該カソードに電流を流し(1回目の電解);使用済み陰極電解液をカソードとの接触状態から、中間液体をアノードとの接触状態から、場合によっては反応容器から、それぞれ別個に第1及び第2の貯槽に取り出し;中間液体をカソードと接触させ;陽極電解液をアノードと接触させ;アノード及びカソードを電源と電通状態にして、中間液体中の金属イオンの過半数がカソード上にメッキされ、処理済み溶液を提供するまでアノード及びカソードに電流を流す(2回目の電解)ことを含む。
【0008】
処理方法の工程の順番は、本方法がアノード、カソード及び該アノードと該カソードとを分離する水素イオン透過性膜を含む反応容器を準備し;反応容器内で金属含有液体をカソードと接触させ;反応容器内で陽極電解液をアノードと接触させ;アノード及びカソードを電源と電通状態にして、金属含有液体中の金属イオンの少なくとも過半数がカソード上に析出して中間液体を発生させるまでアノード及びカソードに電流を流し;中間液体をカソードとの接触状態から、陽極電解液をアノードとの接触状態から、場合によっては反応容器から、それぞれ第1及び第2の貯槽に取り出し;中間液体をアノードと接触させ;陰極電解液をカソードと接触させ;アノード及びカソードを電源と電通状態にして、金属含有液体中の還元剤の少なくとも過半数が酸化されて処理済み溶液を提供するまでアノード及びカソードに電流を流すことを含むように変えてもよい。使用済み陰極電解液もまた提供される。
【0009】
本方法において、陰極電解液は第二鉄塩溶液でもよく、一実施形態では硫酸第二鉄溶液であり、一実施形態では陽極電解液は硫酸ナトリウム溶液でもよい。陰極電解液及び陽極電解液は、反応容器内の対応する被処理液体とほぼ等しいイオン濃度を有するものでもよい。
【好ましい実施形態】
【0010】
図1を参照しながら金属含有液体を処理する装置の一実施形態を記載する。処理装置10は、反応容器12を具備する。反応容器12の内部には、アノード14及びカソード16がある。アノードは、ステンレススチールなどの処理中に酸化されない任意の金属でよく、カソードは真鍮でよい。アノード14及びカソード16は、いくつかの実施形態において直流電源でよい電源15と電通状態にある。さらに、反応容器12内には、水素イオン透過性膜18が含まれており、反応容器12を分けて反応容器12内にアノード14及びカソード16をそれぞれ含む2つの別個の容積部分を与える。
【0011】
無電解メッキ溶液又は類似の金属含有液体は、反応容器12内に置かれて、アノード14と接触する。陰極電解液は、反応容器12内に置かれて、カソード16と接触する。陰極電解液は、好ましくは金属含有液体とほぼ同じイオン濃度を有する。陰極電解液は、任意の非電気化学的反応性塩の溶液でよい。非電気化学的反応性塩は、硫酸第二鉄などの第二鉄塩でよい。「非電気化学的反応性」とは、塩のカチオン成分又はアニオン成分のいずれも処理条件下で反応して、副反応を生じさせないことをいう。例えば、塩化物イオンを発生させる塩は、非電気化学的反応性とは考えられない。なぜなら、塩化物イオンは、反応条件下で酸化されて塩素ガスを発生するからである。
【0012】
電源15と電通状態に置かれているアノード14及びカソード16は、電流によって駆動される。特定の一実施形態において、印加される電流は約1A〜約10Aの間であるが、他の電流レベルを用いることもできる。電解は、金属含有溶液中の還元剤の少なくとも過半数がアノード14において酸化されるまで進行させる。この酸化は、還元剤により水素ガスが発生することを防止する。同時に、陰極電解液中のイオンは還元される。硫酸第二鉄溶液の場合には、硫酸第一鉄が形成される。
【0013】
好ましくは、電解は、還元剤の実質的に全量が酸化されるまで続けられる。反応の進行は、酸化−還元電位(ORP)、比色分析(種の1種が可視光線又は紫外線を吸収する場合)、その他公知の方法によってモニターすることもできる。化学量論的計算に基づいて、還元剤の全量を酸化するに十分な時間及び十分な電流下で処理が続けられてもよい。例えば、還元剤の濃度が1g/Lで、還元剤が58 g/molのモル質量を有し、1分子当たり6電子を還元プロセス中に放すならば、完全な電解は5Aの印加電流(100%電流効率と仮定して)で33分間を要するであろう:
【0014】
(数1)
1g÷ (58 g/mole) × (6 mole e-/mole) × (96,500 coulomb/mole e-) ÷ (5 coulomb/sec) ÷ (60 sec/min) = 33 min
中間溶液、すなわち還元剤の少なくとも過半数が酸化された金属含有溶液は、アノードとの接触状態から取り出される。いくつかの実施形態において中間溶液は反応容器12から第1の貯槽20に取り出され、いくつかの実施形態において使用済み陰極電解液はカソードとの接触状態から第2の貯槽21に取り出される。必要であれば、中間溶液は次いで反応容器12に戻され、カソード16と接触状態に置かれる。陽極電解液を次に反応容器12内でアノード14と接触させる。
【0015】
陽極電解液は、好ましくは、中間溶液とほぼ同じイオン濃度を有する。陽極電解液は非電気化学的反応性塩溶液であり、硫酸ナトリウムなどのナトリウム塩でよいが、硫酸第一鉄などの硫酸塩でもよい。アノード14及びカソード16は、電源15と電通状態に置かれ、再び電流により駆動される。典型的には、いくつかの実施形態において、印加電流は約1A〜約10Aの間であるが、他の電流レベルを用いることもできる。中間溶液内の酸化剤(すなわち金属イオン)の少なくとも過半数がカソード16上に元素状金属として析出するまで、電解を進行させる。水素ガスは、水の電解の結果としてアノード14から発生するであろう。
【0016】
好ましくは、金属イオンの実質的に全量がカソード16上に析出する。反応の進行はORP、比色分析その他公知の方法によってモニターすることができるし、あるいは上述のように化学量論的計算に基づいて還元剤の全量を酸化するために十分な時間及び十分な電流で処理を続けてもよい。
【0017】
第2の電解工程の終わりに、カソードと接触している処理済み液体(ここから金属化合物及び還元剤が取り出される)は、貯蔵又は廃棄のために、容器25に排出される。使用済み陽極電解液もまた、貯蔵又は廃棄のために、別個の貯槽26に取り出されてもよい。このプロセスは、廃メッキ溶液を生じさせる。廃メッキ溶液中では還元剤が酸化されてしまったのでその後H2ガスを発生できず、また廃メッキ溶液からメッキ金属イオンが取り除かれてしまっている。さらに、第1の電解工程からの硫酸第一鉄溶液は貯槽21内に保存され、空気又は酸素を硫酸第一鉄溶液に曝気することによって硫酸第二鉄を再生することもできる。
【0018】
プロセスは、逆の順番で行われてもよく、すなわち、酸化剤の除去を最初に行い、次いで還元剤の酸化を行うこともできる。このような例において、無電解メッキ溶液又は類似の金属含有液体は反応容器12内に置かれて、カソード16と接触する。陽極電解液は反応容器12内に置かれて、アノード14と接触する。陽極電解液は、好ましくは金属含有液体とほぼ同じイオン濃度を有する。陽極電解液は、任意の非電気化学的反応性塩溶液でよい。例えば、陽極電解液は硫酸ナトリウムなどのナトリウム塩でよいが、硫酸第一鉄などの硫酸塩でもよい。アノード14及びカソード16は、好ましくは直流電源である電源15と電通状態に置かれる。金属含有液体中の酸化剤(即ち金属イオン)の少なくとも過半数が元素状金属としてカソード16上に析出するまで、電解を進行させる。水素ガスは水の電解の結果としてアノード14から発生する。好ましくは、金属イオンの実質的に全量がカソード上に析出する。反応の進行は、ORP、比色分析その他公知の方法によってモニターすることもできるし、又は上述のように化学量論的計算に基づいて還元剤の全量を酸化するために十分な時間及び十分な電流で処理を続けてもよい。
【0019】
中間溶液、すなわち金属イオンの少なくとも過半数が除去されたメッキ溶液は、次いで、カソードとの接触状態から取り出される。いくつかの実施形態において、中間溶液は反応容器12から貯槽21に取り出され、使用済み陽極電解液はアノードとの接触状態から貯槽26に取り出される。中間溶液は、必要であれば、次いで、反応容器12に戻されアノード14と接触状態に置かれる。陰極電解液は、次いで反応容器12内でカソード16と接触状態に置かれる。陰極電解液は、任意の非電気化学的反応性塩溶液でよい。適切な溶液としては、硫酸第二鉄などの第二鉄塩溶液及び硫酸ナトリウム溶液を挙げることができる。
【0020】
陰極電解液は、好ましくは中間溶液とほぼ同じイオン濃度を有する。アノード14及びカソード16は、電源15と電通状態で再び電流によって駆動される。上述のように、いくつかの実施形態において、電流は典型的には約1A〜約10Aの間であるが、他の電流レベルを用いることもできる。中間溶液中の還元剤の少なくとも過半数がアノード14において酸化されるまで、電解を進行させる。好ましくは、還元剤の実質的全量が酸化される。この酸化は、還元剤による水素ガスの発生を防止する。同時に、陰極電解液中のイオンは還元される。硫酸第二鉄溶液の場合、硫酸第一鉄が形成する。反応の進行は、ORP、比色分析その他公知の方法によりモニターすることもできるし、あるいは上述のように化学量論的計算に基づいて還元剤の全量を酸化するために十分な時間及び十分な電流で反応を続けてもよい。
【0021】
第2の電解工程の終わりに、アノードと接触状態にある処理済み液体(金属化合物及び還元剤が取り出されてしまっている)は貯蔵又は廃棄のために、容器26に排出される。使用済み陰極電解液もまた、貯蔵、リサイクル又は廃棄のために、別個の貯槽25に取り出されてもよい。硫酸第一鉄溶液が貯槽25内に保存されている場合、空気又は酸素を硫酸第一鉄溶液に曝気することによって硫酸第二鉄を再生することができる。プロセスは、廃メッキ溶液を生じさせる。廃メッキ溶液中では還元剤が酸化されてしまったのでその後H2ガスを発生させず、廃メッキ溶液からはメッキ金属イオンが取り出されてしまっている。
【0022】
反応容器12は、不活性ガス源30と流体連通しているスパージャー28をさらに含むものでもよい。不活性ガスは、例えば、窒素又はヘリウム又はアルゴンなどの希ガスでよい。反応容器12は、蒸気トラップ24及び冷却水が循環する冷却ジャケット又はコイルチューブなどの熱交換器29をさらに含むものでもよい。ベント32が存在していてもよい。ベント32は、好ましくは水素ガススクラバー(図示せず)と流体連通状態にある。
【0023】
メッキ液体の処理中、メッキ液体に窒素、ヘリウム又はアルゴンなどの不活性ガスを噴霧してもよい。メッキ液体の処理中に放出される水素ガスは、次いで不活性ガスと一緒に掃引されて、噴霧ガスを創製する。噴霧ガスと一緒に運ばれた液体の残量は、蒸気トラップ24によって除かれる。次いで、少なくとも部分的に乾燥した噴霧ガスがベント32を通して、好ましくは水素ガススクラバー(図示せず)に排出される。
【0024】
処理中に熱もまた発生するかもしれないが、熱交換器29によって除かれる。メッキ液体の温度は、排出又はさらなる処理のために適する温度に維持され得る。例えば、メッキ液体は、処理中、約50℃以下の温度に維持されてもよい。液体は、例えばイオン交換樹脂との接触により、更に処理されてもよい。
【実施例】
【0025】
以下の実施例は、本発明の実施形態を更に説明する。実施例は、本プロセスをいかなる態様にも限定するものと解すべきではない。
以下のように、酸化剤としてコバルトイオンを及び還元剤としてジメチルアミンボラン(DMAB)を含む使用済み無電解メッキ溶液を処理して、析出及び水素ガスの自然発生を防止することができる。
第1工程:使用済み無電解メッキ溶液を上述のようにアノードと接触させる(すなわち、陽極電解液として作用する)。陰極電解液は、硫酸第二鉄水溶液である。電流の印加により、アノードにおける酸化反応は:
DMAB → DMA + B(OH)3 + 6e-
カソードにおける還元反応は:
Fe3+ + e- → Fe2+
次いで、陰極電解液及び陽極電解液を装置から取り除く。
第2工程:上述の第1工程からの使用済み無電解メッキ溶液(すなわち、DMABが酸化されたばかりの溶液)をカソードと接触させる(すなわち、陰極電解液として作用する)。陽極電解液は硫酸ナトリウムを含む水溶液である。電流の印加により、カソードにおける還元反応は:
Co2+ + 2e- → Co;
アノードにおける酸化反応は:
2H2O → 4H+ + O2 + 4e-
結果は、コバルトイオンが除去され、DMABが酸化されてしまった使用済み無電解メッキ溶液が生じるので、溶液は析出せず(will not plate out)、水素ガスは自然発生しない。
【0026】
本装置及びプロセスは、従来のシステムよりも有利である。なぜなら、迅速かつ経済的に且つ水素ガス発生を最小にして、金属及び金属化合物をメッキ液体から取り除くことができ、アノードにおける還元剤の酸化とカソードにおける酸化剤の還元を別々に行い、こうして制御不能的に進行して水素ガスを発生するであろう還元剤と酸化剤とのバルク溶液内での相互の直接反応を防止するからである。
【0027】
プロセス全体は、プログラム可能なコントローラで制御することができ、プロセスからの記録されたデータは、データを遠隔的に検索することができるコンピュータに送られてもよい。装置及びプロセスは、システム運転を連続的にモニターして、故障を検出し、圧力及び/又は温度を制御し、及びバルブを連続操作し、信頼性を高め、オペレータの関与を最小化する完全自動化マイクロプロセッサコントローラを含んでいてもよい。
【0028】
装置は、温度又は圧力の暴走などの潜在的危険性を検出して、システムの完全性を保証するアラームを含むものでもよい。アラーム及び警告状態は、オペレータインターフェースに表示されてもよいし、アラーム警報機によりなされてもよい。
【0029】
本明細書に記載した実施形態は単に例示であり、当業者は本発明の範囲を逸脱しない限り変更及び変形をなすことができることは理解されたい。このような変更及び変形のすべては本発明の範囲に含まれる。本明細書に記載されたいずれの実施形態も選択的であるばかりでなく組み合わせることもできることは理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、無電解メッキ液を処理する装置の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元剤をも含む金属含有液体を処理する方法であって、
アノード、カソード及び該アノードと該カソードとを分離する水素イオン透過性膜を含む反応容器を準備し;
被処理金属含有液体を反応容器内で該アノードと接触させ;
陰極電解液を該カソードと接触させ;
該アノード及び該カソードを電源と電通状態にして、金属含有液体中の還元剤の少なくとも過半数が酸化されて中間液体及び使用済み陰極電解液を発生させるまで、電流を該アノード及び該カソードに流す1回目の電通と;
使用済み陰極電解液を該カソードとの接触状態から、該中間液体を該アノードとの接触状態から、場合によっては反応容器から、第1及び第2の貯槽へそれぞれ別個に取り出し;
該中間液体をカソードと接触させ;
該陽極電解液をアノードと接触させ;
該アノード及び該カソードを電源と電通状態にして、中間液体中の金属イオンの過半数が該カソード上に析出して処理済み溶液を提供するまで、電流を該アノード及び該カソードに流す2回目の電通と、
を含む方法。
【請求項2】
前記陰極電解液は、金属含有液体とほぼ等しいイオン濃度を有する非電気化学的反応性塩溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記陰極電解液は硫酸第二鉄溶液であり、前記使用済み陰極電解液は硫酸第一鉄溶液である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
硫酸第一鉄溶液に空気及び酸素からなる群より選択される気体を曝気することにより、硫酸第一鉄溶液から硫酸第二鉄溶液を再生することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記陽極電解液は、中間液体とほぼ等しいイオン濃度のナトリウム塩溶液及び硫酸塩溶液からなる群より選択される溶液である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記陽極電解液は、硫酸ナトリウム及び硫酸第一鉄からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記陽極電解液は、中間液体とほぼ等しいイオン濃度のナトリウム塩溶液及び硫酸塩溶液からなる群より選択される溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記陽極電解液は、硫酸ナトリウム及び硫酸第一鉄からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
アノード及びカソードを電源と電気連通状態にする2回の電通のうち少なくとも一方における電流は、約1A〜約10Aの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
還元剤をも含む金属含有液体を処理する方法であって、
アノード、カソード及び該アノードと該カソードとを分離する水素イオン透過性膜を含む反応容器を準備し;
反応容器内で金属含有液体を該カソードと接触させ;
反応容器内で陽極電解液を該アノードと接触させ;
該アノード及び該カソードを電源と電通状態にして、金属含有液体中の金属イオンの少なくとも過半数が該カソード上にメッキされて、中間液体を発生させるまで該アノード及び該カソードに電流を流し;
中間液体を該カソードとの接触状態から、陽極電解液を該アノードとの接触状態から、場合によっては反応容器から、それぞれ第1及び第2の貯槽に別個に取り出し;
中間液体を該アノードと接触させ;
陰極電解液を該カソードと接触させ;
アノード及びカソードを電源と電通状態にして、金属含有液体中の還元剤の少なくとも過半数が酸化されて処理済み溶液を提供するまで電流を該アノード及び該カソードに流す2回目の電通と
を含む方法。
【請求項11】
前記陰極電解液は、中間液体とほぼ等しいイオン濃度を有する第二鉄塩の溶液である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第二鉄塩は硫酸第二鉄であり、前記使用済み陰極電解液は硫酸第一鉄溶液である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
硫酸第一鉄溶液に空気及び酸素からなる群より選択される気体を曝気することにより、硫酸第一鉄溶液から硫酸第二鉄溶液を再生することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記陽極電解液は、中間液体とほぼ等しいイオン濃度のナトリウム塩溶液及び硫酸塩溶液からなる群より選択される溶液である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記陽極電解液は、硫酸ナトリウム及び硫酸第一鉄からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記陽極電解液は、中間液体とほぼ等しいイオン濃度のナトリウム塩溶液及び硫酸塩溶液からなる群より選択される溶液である、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記陽極電解液は、硫酸ナトリウム及び硫酸第一鉄からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アノード及び前記カソードを電源と電通状態に置く2回の電通のうち少なくとも一方の電流は約1A〜約10Aの間にある、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−521402(P2007−521402A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547236(P2006−547236)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/042821
【国際公開番号】WO2005/066078
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(591051184)ザ・ビーオーシー・グループ・インコーポレーテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】THE BOC GROUP INCORPORATED
【Fターム(参考)】