金属板材の熱接合装置及び熱接合方法
本発明は金属板材の熱接合装置及び熱接合方法に関し、その有利な点は、金属板材の酸化膜除去と接合とが同時に行え、かつ、金属板材に強い接合圧力を加えて金属板材間の接合力を強化できる点にある。本発明は、重なった金属板材が上下方向に圧縮され、かつ、シェービング金型にシェービング刃が形成されている点でも有利なものである。したがって、金属板材の移動と共に、その重なる表面の酸化膜が除去される。また、シェービング金型に空間が形成されていることによって、過剰素材と金属板材の重なる表面にある酸化膜とが除去されると同時に、強い圧力で金属板材が接合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
発明の背景
（ａ）技術分野
本発明は、金属板材を熱接合するための装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、金属板材の酸化膜除去と接合とを同時に行え、かつ、金属板材に強い接合圧力を加えて金属板材間の接合力を強化できるという利点を有する、金属板材の熱接合装置及び熱接合方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
（ｂ）関連技術の説明
一般に、２枚の金属板材を接合させる方法としては溶接法が周知である。しかし、金属板材が厚い場合や金属板材の材料が互いに異なる場合には、溶接法によっては接合させ難い。特に、熱間圧延工程では、厚い金属板材を連続的に圧延するために、移動する厚い金属板材を迅速に接合しなければならない。したがって、熱間圧延工程では溶接法はほとんど使用されていない。
【０００３】
したがって、熱間圧延工程で金属板材を接合するために圧接法が使用される。しかし、圧接法では、両金属板材の接合面にある酸化膜などの不純物を除去しなければならない。したがって、酸化膜除去工程が追加的に先行されなければならない。
【０００４】
近年、酸化膜除去工程を接合工程と同時に行う方法が研究されている。
【０００５】
例えば、韓国特許公開第２００１−００６２４０４号には、切断されていない２枚の金属板材を重ねてから、三角柱状の突起部が形成されている上下の剪断刃で、金属板材の厚さ方向に対して傾いた方向に圧力を加えて金属板材を接合することが開示されている。この時、金属板材の接合力を強化するために、三角柱状の突起部が金属板材をクランプして、接合面を圧縮する。また、金属板材の接合面が厚さ方向に対して傾いて形成されるので、次の圧延工程では金属板材の接合が良好になる。
【０００６】
しかし、三角柱状の突起部によってクランプすると、接合面に加えられる圧力が小さくなったり、キズが発生したりする虞がある。
【０００７】
また、韓国特許第０２９３２８４号には、接合力を強化するために、接合される２枚の金属板材に凹凸を形成して傾くようにした後、一方の凹凸を他方の凹凸に強固に嵌合する方法が開示されている。
【０００８】
しかし、凹凸形成工程が追加的に必要になったり、凹凸が傾斜状に形成されるため金属板材を圧接するのに十分な圧力が得られなかったりする虞がある。
【０００９】
韓国特許第０３８２０１１号には、２枚の金属板材をクランプによって固定し、一方のクランプ面を基準に両金属板材を剪断した後、接合面に接合荷重を加えるための方法が開示されている。
【００１０】
上述のように、加熱された金属板材を接合する方法の殆どでは、金属板材の先端部に剪断面を形成すると同時に、金属板材の剪断面にクランプによって圧力を加える。
【００１１】
上記方法によれば、金属板材の先端部の接合のためには、剪断金型によって剪断面を形成し、簡単なクランプ操作によって剪断面に接合圧力を加える。
【００１２】
上記方法によれば、金属板材の幅に比べて長さが大きいため、金属板材の先端部に水平に圧力を加えることができない。したがって、金属板材の先端部を合わせる代わりに金属板材を重ねた後、重なった金属板材に剪断荷重を加えて接合する。例えば、クランプによって２枚の金属板材を固定した状態で金属板材面の垂直方向に圧力を加えて金属板材を剪断し、金属板材の表面に沿って接合圧力を加える。この場合には、金属板材を剪断すると同時に接合するため、接合面に酸化膜などの不純物が介入できない。しかし、金属板材を剪断力及びクランプ力にのみによって接合するため、接合面に垂直に加えられる接合圧力が弱くなる虞がある。このような問題点を解決するために、剪断刃の形状改善に関する研究が多数行われてきた。
【００１３】
対照的に、韓国特許第０２６１２０４号には、金属板材の先端面を重ねた後、重なった面に接合面を形成する方法が開示されている。この方法によれば、接合面の酸化膜を還元火炎によって機械的に除去した後、金属板材の接合部を加圧して金属板材を接合する。
【００１４】
しかし、この方法では、金属板材の重なった表面を接合するためには酸化膜除去工程を先行させねばならず、また、金属が幅方向に押し出されて金属板材の幅が広くなるために、追加的にトリミング工程が必要になる虞もある。
【００１５】
剪断によらずに強い鍛造圧力で金属板材を接合する場合には、接合圧力を強くすることができる。しかし、接合面の酸化膜除去のための先行工程が必要になったり、金属が金属板材の幅方向に押し出されたために追加的なトリミング工程が必要になったり等、数多の問題点が発生する虞がある。このような問題点を解決するために、金属板材の重なる部分の幅が残余部分よりも小さく形成されている。したがって、この場合には追加的なトリミング工程は不要である。
【００１６】
しかし、この場合にも、金属板材の重なる部分の幅を狭くする加工が必要になる虞がある。
【００１７】
この背景技術欄に開示した以上の情報は、本発明の背景の理解を助けるためのものであり、したがって、この国で当業者に既知の従来技術ではない情報も含まれている。
【００１８】
【特許文献１】韓国特許公開第２００１−００６２４０４号
【特許文献２】韓国特許第０２９３２８４号
【特許文献３】韓国特許第０３８２０１１号
【特許文献４】韓国特許第０２６１２０４号
【発明の開示】
【００１９】
発明の概要
本発明の第１の有利な点は、強いクランプ力を付与するクランプによって金属板材の重なり部に上下方向の圧力をかけるため、２枚の金属板材の移動が規制されるとともに強い接合圧力が維持される点にある。
【００２０】
本発明の第２の有利な点は、金属板材の接合時、金属が酸化膜とともに金属板材の幅方向に押し出される代わりに、金属がシェービング金型に形成した空間に押し出される点にある。
【００２１】
本発明の第３の有利な点は、酸化膜を除去したことと、密閉された接合金型内部の強い圧力で可塑性流動（plastic flow）により重なった金属板材を接合することとによって、接合力が強化される点にある。
【００２２】
本発明の第４の有利な点は、金属板材が接合金型に挿入される時に、接合金型内部のシェービング刃によって酸化膜を切削し、切削した酸化膜をシェービング金型の空間に集めることによって、接合工程と酸化膜除去工程とが同時に行われる点にある。
【００２３】
本発明によれば、各々の接合金型に入口部を外向きに高さが大きくなるラッパ型に形成し、かつ、金属板材をその接合箇所に正確に挿入することによって、後行金属板材の先端部と先行金属板材の先端部とが接合金型に挿入容易になる。また、本発明によれば、接合金型の下端部に複数の車輪を取り付けることによって、接合金型を金属板材とともに移動させ、同時に金属板材が接合される。
【００２４】
本発明によれば、上記問題点を解決するために、重なる金属板材が上下方向に圧縮され、過剰材料及び酸化膜が、金属板材の幅方向に押し出される代わりにシェービング金型の空間に押し出され、同時に、金属素材が可塑性流動によって圧接される。
【００２５】
本発明によれば、金属板材が接合金型内に挿入される時、金属板材の先端部に取り付けたシェービング金型のシェービング刃によって金属板材の重なり面が切削されて酸化膜が切削され、切削された酸化膜は、シェービング刃の先端部に形成された空間に集められる。したがって、酸化膜が自動的に除去されて金属板材が接合される。
【００２６】
本発明によれば、金属板材の接合時には可塑性流動によって金属板材の酸化膜と金属板材の先端部とがシェービング金型の空間に押し出されることによって、自動的に酸化膜を除去し、純粋な金属面を露出させた状態で金属板材が接合される。したがって、本発明によれば、酸化膜除去のための先行工程も過剰金属トリミングのための追加工程も必要なく、強力な接合と酸化膜除去とが同時に行われる。
【００２７】
また、本発明によれば、金属板材が移動する熱間連続圧延工程の場合には接合装置の下端部に車輪が形成され、これにより、移動する後行金属板材の慣性力によって後行金属板材の先端部がラッパ状挿入口を通して接合金型の内部に自動的に挿入されて接合装置を移動させる。また、本発明によれば、停止した先行金属板材が移動する接合金型のラッパ状挿入口を通して接合金型の内部に自動的に挿入されることによって、２枚の金属板材が自動的に接合位置に重なって、移動中に接合される。
【００２８】
本発明の一実施形態による、重なった金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する金属板材熱接合装置の一例は、以下のものを含む：
支持フレーム；
前記支持フレームの上部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された上部接合金型；
前記支持フレームの下部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された下部接合金型；
金属板材の酸化膜及び過剰金属を切削するシェービング刃が形成されたシェービング金型；
前記上部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した下部クランプ；並びに
前記下部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した上部クランプ。
【００２９】
前記上部及び下部接合金型のクランプシリンダは、下部及び上部クランプにシリンダロッドで各々連結されていることが可能である。
【００３０】
前記上部接合金型及び上部クランプは雄形状に形成され、前記下部クランプ及び下部接合金型は各々前記上部接合金型及び上部クランプを囲む雌形状に形成されて、前記上部接合金型及び下部クランプ、前記下部接合金型及び上部クランプが各々密に係合することが可能である。
【００３１】
前記シェービング金型の一側面に複数個のロッドが形成され、これらロッドを挿入する複数個のスプリング挿入孔が前記上部クランプの下部及び前記下部クランプの上部に水平に穿孔され、前記スプリング挿入孔には排出用スプリングを支持する支持部が形成されていることが可能である。
【００３２】
前記シェービング金型は、ロッドが形成された前記一側面の反対面が湾曲面に形成されていることが可能である。
【００３３】
各シェービング金型の、金属板材と接触する面にはダスト保管空間が形成されていることが可能である。
【００３４】
前記上部及び下部接合金型並びに下部及び上部クランプの左右側には金属板材を挿入するラッパ状挿入口が形成され、各入口部の高さが外側に向かって大きくなっていることが可能である。
【００３５】
前記上部クランプの上端及び下部クランプの下端に各々スライディングロッドが設置され、各スライディングロッドの下端又は上端にストッパが附設され、金属板材の厚さに合わせて上部及び下部クランプの位置を調整可能に構成されている。
【００３６】
前記スライディングロッドは突き出し用スプリングによって弾性支持されていることが可能である。
【００３７】
前記上部接合金型の上部が前記上部クランプの上方に延長され、この延長部に、前記上部クランプの上端に連結されたスライディングロッドが貫通することが可能である。
【００３８】
前記支持フレームの下端には車輪が設置されていることが可能である。
【００３９】
一方、重なる金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する方法の一例によれば、重ねた金属板材を接合する接合金型に金属板材を挿入すると同時に、重なる金属板材を切削するシェービング刃によって金属板材の重なる表面の酸化膜を除去することが可能である。
【００４０】
また、金属板材に圧力を加えて金属板材を接合すると共に、過剰金属を保管するための過剰金属保管空間に接合後の過剰金属を押し出すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００４１】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の一実施形態による、金属板材を熱接合（hot bond）するための装置の例について詳細に説明する。
【００４２】
図１は、本発明の一実施形態による接合金型の断面図を示す。
【００４３】
図１に示すように、本発明によれば金属板材は上部接合金型７及び下部接合金型８によって重ねられ、重なる表面５に垂直の圧縮荷重が付与される。この場合、クランプの先端部に設置されているシェービング金型１１によって金属板材の酸化膜が除去されると同時に、金属板材１の重なる表面５が接合される。
【００４４】
従来の剪断刃を使用した場合の接合力は、上部接合金型７及び下部接合金型８を使用した場合よりも強い可能性がある。しかしながら、重なる表面５と金属板材の先端部４とにある酸化膜を除去しなければならない、接合工程において金属板材１の幅方向に押し出される過剰金属６をトリミングする工程が追加されなければならない等、問題点が多い。
【００４５】
そこで図１に示すように、強い接合力を得るために、２枚の金属板材１が重なる前に重なる表面５にある酸化膜をシェービング刃１２で切削し、かつ、シェービング刃１２に過剰金属保管空間１４を形成することによって、過剰金属６をシェービング金型１１の過剰金属保管空間１４に押し出すと同時に、金属板材の先端部４にある酸化膜も過剰金属保管空間１４に排出するように構成してある。したがって、本発明の一実施形態によれば、追加のトリミング工程が不要になり、かつ重なった金属板材が強く接合される。
【００４６】
図１に示すように、右側金属板材３は下部接合金型８によって支持され、右側金属板材３の先端部に左側金属板材２の先端部が重なる。上部接合金型７が上部クランプ９に密着して下方に移動する時、上部接合金型７及び下部接合金型８の間に置かれている重なった金属板材１に圧縮荷重が上下方向に付与される。これにより、重なった金属板材１が加圧され、可塑性流動（plastic flow）によって接合される。
【００４７】
また、上部クランプ９の上部及び下部クランプ１０の下部には各々スライディングロッド１８を設置して、これらスライディングロッド１８の上部又は下部にストッパ１７を附設し、金属板材１の厚さに合わせて上部クランプ９及び下部クランプ１０の位置を調整可能に構成されている。更に、スライディングロッド１８は、突き出し用スプリング１６によって弾性支持されて、金属板材１を接合した後で接合金型７、８が分離される時、突き出し用スプリング１６の復元力によって上部クランプ９及び下部クランプ１０が上下に各々跳ね返って過剰金属６及び酸化膜クズを排出するように構成されている。
【００４８】
図２Ａ、図２Ｂ及び図２Ｃは、本発明の一実施形態による、接合金型に金属板材を挿入して重ねる過程を示す。
【００４９】
図２Ａ、図２Ｂ及び図２Ｃに示すように、左側金属板材２を左側のラッパ状挿入口１９から挿入ローラ２０によって接合金型７、８に強制的に挿入する。この場合、上部クランプ９に設置された排出用スプリング１５が左側金属板材２の挿入力によって収縮し、右側のシェービング金型１１のシェービング刃１２によって右側金属板材３の重なる表面５が切削される。これにより、右側金属板材３にある酸化膜が切削されると同時に、シェービング金型１１のダスト保管空間１３に酸化膜クズが集まる。同じ方法によって、右側金属板材３も、右側のラッパ状挿入口１９から挿入ローラ２０によって接合金型７、８に強制的に挿入する。この場合、右側金属板材３の挿入力によって下部クランプ１０に設置された排出用スプリング１５が収縮し、左側のシェービング金型１１のシェービング刃１２によって左側金属板材２の重なる表面５を切削する。これにより、左側金属板材２の酸化膜が切削されると同時に、酸化膜クズがダスト保管空間１３に集まる。このようにして、左側金属板材２及び右側金属板材３が、重なる表面５の酸化膜が除去された状態で重なる。
【００５０】
図３は、本発明の一実施形態による、接合金型で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程を示す。
【００５１】
図３Ａに示すように、下部接合金型８及びこれに対向する上部クランプ９によって右側金属板材３をクランプして右側に動かないようにし、上部接合金型７及びこれに対向する下部クランプ１０によって左側金属板材２をクランプして左側に動かないようにする。したがって、金属板材１はその幅方向に動くことができない。この状態で上部接合金型７を接合シリンダ２２によって下に移動させ、左側金属板材２及び右側金属板材３の重なる表面５に対し下向きに圧力を加える。
【００５２】
図３Ｂ、図３Ｃ及び図３Ｄに示すように、左側金属板材２及び右側金属板材３の重なった部分が可塑性流動を起こして接合される時には、過剰金属６及び酸化膜クズが押し出され、シェービング金型１１の湾曲面１２ａと上部及び下部クランプ９、１０との間に設けた過剰金属保管空間１４に排出される。また、上部接合金型７と上部シェービング金型１１、及び下部接合金型８と下部シェービング金型１１とが各々接当した時には、接合が完了すると同時に、過剰金属６の排出も完了する。したがって、酸化膜除去と２枚の金属板材１の接合とが同時に完了する。
【００５３】
図４は、本発明の一実施形態による、上部接合金型及びこれに連結された下部クランプの斜視図である。
【００５４】
図４に示すように、加熱して重なった金属板材１には接合荷重が加えられる。上部接合金型７は雄形状に形成され、下部クランプ１０はこの上部接合金型７を囲む雌形状に形成される。上部接合金型７及び下部クランプ１０が密係合することによって、金属板材１はその重なる位置が正確に固定され、当該金属板材１の幅方向には押し出されない。また、上部接合金型７のクランプシリンダ２１が下部クランプ１０にシリンダロッドで連結されることによって、上部接合金型７と下部クランプ１０の間に置かれた金属板材１がクランプされる。一方、下部クランプ１０の上部にはスプリング挿入孔が水平方向に複数個形成され、これらスプリング挿入孔にはシェービング金型１１の複数個のロッドが挿入される。スプリング挿入孔には支持部が形成され、排出用スプリング１５を支持する。したがって、シェービング金型１１は水平方向に移動することができ、スプリング挿入孔に挿入された排出用スプリング１５がシェービング金型１１に復元力を付与する。
【００５５】
図５は、本発明の一実施形態による、下部接合金型及びこれに連結された上部クランプの斜視図である。
【００５６】
図５に示すように、上部接合金型７の左側と下部接合金型８の右側とには各々ラッパ状挿入口１９に形成されている。ラッパ状挿入口１９の高さを外側に向かうほど大きくすることによって、加熱された金属板材１が上部接合金型７及び下部接合金型８に挿入しやすくなっている。上部クランプ９が雄形状に形成され、下部接合金型８がこの上部クランプ９を囲む雌形状に形成される。前記上部接合金型７及び下部クランプ１０と同様、下部接合金型８及び上部クランプ９が密に係合することによって、金属板材１の重なる位置が正確に固定され、金属板材１はその幅方向に押し出されない。また、下部接合金型８のクランプシリンダ２１が上部クランプ９にシリンダロッドで連結されて、下部接合金型８及び上部クランプ９の間に置かれた金属板材３をクランプする。一方、上部クランプ９の下部にはスプリング挿入孔が水平方向に複数個形成され、これらスプリング挿入孔にシェービング金型１１の複数個のロッドが挿入される。スプリング挿入孔には支持部が形成され、排出用スプリング１５を支持する。したがって、シェービング金型１１は、水平方向に移動することができ、スプリング挿入孔に挿入された排出用スプリング１５がシェービング金型１１に復元力を付与する。
【００５７】
図６及び図７に示すように、シェービング金型１１の一側面にはスプリング挿入孔に挿入される複数個のロッドが形成され、他側面には湾曲面１２ａが形成されている。金属板材１に接する湾曲面１２ａの一端にはシェービング刃１２が形成され、金属板材１の表面の酸化膜を切削する。また、金属板材１に接するシェービング金型１１の表面にはダスト保管空間１３が形成されている。シェービング金型１１は、排出用スプリング１５の弾性力によって突き出される。この状態で金属板材１が接合金型７、８に挿入され金属板材１の挿入力によって排出用スプリング１５が収縮すると、シェービング金型１１のシェービング刃１２によって金属板材１の重なる表面５が各々切削され、重なる表面５の酸化膜が除去される。また、金属板材１の先端部４とシェービング金型１１の湾曲面１２ａと上部及び下部クランプ９、１０との間には過剰金属保管空間１４が形成され、重なった金属板材１が圧縮され可塑性流動によって接合される時、この過剰金属保管空間１４に過剰金属６及び酸化膜クズが押し込まれる。更に、上部接合金型７及び下部接合金型８がシェービング金型１１を上下方向に摺動させて金属板材１の接合が完了すると、過剰金属６の排出が完了する。上部接合金型７及び下部接合金型８が分離すると、排出用スプリング１５の復元力によって、過剰金属保管空間１４に溜まった過剰金属６及び酸化膜クズが排出される。
【００５８】
図１及び図８に示すように、上部接合金型７の上部が上部クランプ９の上端上方まで延長されているため、上部クランプ９の上端に連結されたスライディングロッド１８は上部接合金型７の延長部を貫通する。したがって、重なる金属板材１に上部接合金型７から圧縮荷重が付与されると、上部接合金型７及び上部クランプ９が密着し、上部接合金型７の上端に設けた複数個のシリンダロッドに連結された接合シリンダ２２によって、重なる金属板材１が圧縮される。
【００５９】
図８〜図１０に示すように、支持フレーム２３の上部に上部接合金型７が固定され、支持フレーム２３の下部に下部接合金型８が固定されている。また、支持フレーム２３の下端には車輪２４が設置されている。したがって、移動中の後行金属板材が上部及び下部接合金型７、８の一側に設けたラッパ状挿入口１９から上部及び下部接合金型７、８に挿入されて上部及び下部接合金型７、８を押すと、停止中の先行金属板材が上部及び下部接合金型７、８の他側に設けたラッパ状挿入口１９から自動的に挿入される。その後、後行・先行金属板材１が上部及び下部接合金型７、８と共に同一速度で移動し、後行・先行金属板材１が接合される。
【００６０】
以上のように本発明によれば、たとえ金属板材１が厚すぎて溶接ができない場合でも、金属板材１を強い接合圧で加圧し、可塑性流動によって接合する。したがって、金属板材１が強固に接合される。また、金属板材１の重なる表面５にある酸化膜の除去と金属板材１の接合とが同時に行えるため、酸化膜除去のための追加の工程を設ける必要がない。よって、生産性が向上する。そして、移動中の金属板材１が接合金型７、８のラッパ状挿入口１９から接合金型７、８に挿入され正確な接合位置に置かれるため、金属板材１の接合が簡単になり、迅速に行える。また、接合金型の下端に車輪を取り付けることによって、移動中の金属板材を接合することができる。よって、連続的な接合も可能になる。
【００６１】
以上、現段階で実用的と考えられる実施形態との関連で本発明を説明したが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、むしろ、特許請求の範囲の思想および範囲内に含まれる種々の改変及び均等構成をもカバーすることを意図するものと理解すべきである。
【００６２】
本明細書及びこれに添付した特許請求の範囲全体に亘って、「含む（comprise）」という文言、及び"comprises"、"comprising"等その種々の活用形は、反対の明示的な記載がない限り記載構成要素が含まれているという意味であり、他のすべての構成要素を除外するわけではないものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【００６３】
【図１】本発明の一実施形態による接合金型の断面図
【図２Ａ】本発明の一実施形態によって接合金型内に金属板材を挿入して重ねさせる過程の図面
【図２Ｂ】本発明の一実施形態によって接合金型内に金属板材を挿入して重ねさせる過程の図面
【図２Ｃ】本発明の一実施形態によって接合金型内に金属板材を挿入して重ねさせる過程の図面
【図３Ａ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動（plastic flow）によって接合する過程の図面
【図３Ｂ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程の図面
【図３Ｃ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程の図面
【図３Ｄ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程の図面
【図４】本発明の一実施形態による上部接合金型及びそれに連結された下部クランプの斜視図
【図５】本発明の一実施形態による下部接合金型及びそれに連結された上部クランプの斜視図
【図６】本発明の一実施形態による、上部クランプ及び下部クランプに挿入されているシェービング金型の斜視図
【図７】本発明の一実施形態によるシェービング刃及びダスト保管空間の正面図
【図８】本発明の一実施形態による、金属板材を熱接合するための装置の正面図
【図９】本発明の一実施形態による、車輪付き金属板材熱接合装置の側面図
【図１０】本発明の一実施形態による、車輪付き金属板材熱接合装置の斜視図
【符号の説明】
【００６４】
１ 金属板材
２ 左側金属板材
３ 右側金属板材
４ 金属板材の先端部
５ 重なる表面
６ 過剰金属
７ 上部接合金型
８ 下部接合金型
９ 上部クランプ
１０ 下部クランプ
１１ シェービング金型
１２ シェービング刃
１２ａ 湾曲面
１３ ダスト保管空間
１４ 過剰金属保管空間
１５ 排出用スプリング
１６ 突き出し用スプリング
１７ ストッパ
１８ スライディングロッド
１９ ラッパ状挿入口
２０ 挿入ローラ
２１ クランプシリンダ
２２ 接合シリンダ
２３ 支持フレーム
２４ 車輪
２５ 油圧タンク
２６ 油圧ポンプ
２７ ヒータ挿入空間
【技術分野】
【０００１】
発明の背景
（ａ）技術分野
本発明は、金属板材を熱接合するための装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、金属板材の酸化膜除去と接合とを同時に行え、かつ、金属板材に強い接合圧力を加えて金属板材間の接合力を強化できるという利点を有する、金属板材の熱接合装置及び熱接合方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
（ｂ）関連技術の説明
一般に、２枚の金属板材を接合させる方法としては溶接法が周知である。しかし、金属板材が厚い場合や金属板材の材料が互いに異なる場合には、溶接法によっては接合させ難い。特に、熱間圧延工程では、厚い金属板材を連続的に圧延するために、移動する厚い金属板材を迅速に接合しなければならない。したがって、熱間圧延工程では溶接法はほとんど使用されていない。
【０００３】
したがって、熱間圧延工程で金属板材を接合するために圧接法が使用される。しかし、圧接法では、両金属板材の接合面にある酸化膜などの不純物を除去しなければならない。したがって、酸化膜除去工程が追加的に先行されなければならない。
【０００４】
近年、酸化膜除去工程を接合工程と同時に行う方法が研究されている。
【０００５】
例えば、韓国特許公開第２００１−００６２４０４号には、切断されていない２枚の金属板材を重ねてから、三角柱状の突起部が形成されている上下の剪断刃で、金属板材の厚さ方向に対して傾いた方向に圧力を加えて金属板材を接合することが開示されている。この時、金属板材の接合力を強化するために、三角柱状の突起部が金属板材をクランプして、接合面を圧縮する。また、金属板材の接合面が厚さ方向に対して傾いて形成されるので、次の圧延工程では金属板材の接合が良好になる。
【０００６】
しかし、三角柱状の突起部によってクランプすると、接合面に加えられる圧力が小さくなったり、キズが発生したりする虞がある。
【０００７】
また、韓国特許第０２９３２８４号には、接合力を強化するために、接合される２枚の金属板材に凹凸を形成して傾くようにした後、一方の凹凸を他方の凹凸に強固に嵌合する方法が開示されている。
【０００８】
しかし、凹凸形成工程が追加的に必要になったり、凹凸が傾斜状に形成されるため金属板材を圧接するのに十分な圧力が得られなかったりする虞がある。
【０００９】
韓国特許第０３８２０１１号には、２枚の金属板材をクランプによって固定し、一方のクランプ面を基準に両金属板材を剪断した後、接合面に接合荷重を加えるための方法が開示されている。
【００１０】
上述のように、加熱された金属板材を接合する方法の殆どでは、金属板材の先端部に剪断面を形成すると同時に、金属板材の剪断面にクランプによって圧力を加える。
【００１１】
上記方法によれば、金属板材の先端部の接合のためには、剪断金型によって剪断面を形成し、簡単なクランプ操作によって剪断面に接合圧力を加える。
【００１２】
上記方法によれば、金属板材の幅に比べて長さが大きいため、金属板材の先端部に水平に圧力を加えることができない。したがって、金属板材の先端部を合わせる代わりに金属板材を重ねた後、重なった金属板材に剪断荷重を加えて接合する。例えば、クランプによって２枚の金属板材を固定した状態で金属板材面の垂直方向に圧力を加えて金属板材を剪断し、金属板材の表面に沿って接合圧力を加える。この場合には、金属板材を剪断すると同時に接合するため、接合面に酸化膜などの不純物が介入できない。しかし、金属板材を剪断力及びクランプ力にのみによって接合するため、接合面に垂直に加えられる接合圧力が弱くなる虞がある。このような問題点を解決するために、剪断刃の形状改善に関する研究が多数行われてきた。
【００１３】
対照的に、韓国特許第０２６１２０４号には、金属板材の先端面を重ねた後、重なった面に接合面を形成する方法が開示されている。この方法によれば、接合面の酸化膜を還元火炎によって機械的に除去した後、金属板材の接合部を加圧して金属板材を接合する。
【００１４】
しかし、この方法では、金属板材の重なった表面を接合するためには酸化膜除去工程を先行させねばならず、また、金属が幅方向に押し出されて金属板材の幅が広くなるために、追加的にトリミング工程が必要になる虞もある。
【００１５】
剪断によらずに強い鍛造圧力で金属板材を接合する場合には、接合圧力を強くすることができる。しかし、接合面の酸化膜除去のための先行工程が必要になったり、金属が金属板材の幅方向に押し出されたために追加的なトリミング工程が必要になったり等、数多の問題点が発生する虞がある。このような問題点を解決するために、金属板材の重なる部分の幅が残余部分よりも小さく形成されている。したがって、この場合には追加的なトリミング工程は不要である。
【００１６】
しかし、この場合にも、金属板材の重なる部分の幅を狭くする加工が必要になる虞がある。
【００１７】
この背景技術欄に開示した以上の情報は、本発明の背景の理解を助けるためのものであり、したがって、この国で当業者に既知の従来技術ではない情報も含まれている。
【００１８】
【特許文献１】韓国特許公開第２００１−００６２４０４号
【特許文献２】韓国特許第０２９３２８４号
【特許文献３】韓国特許第０３８２０１１号
【特許文献４】韓国特許第０２６１２０４号
【発明の開示】
【００１９】
発明の概要
本発明の第１の有利な点は、強いクランプ力を付与するクランプによって金属板材の重なり部に上下方向の圧力をかけるため、２枚の金属板材の移動が規制されるとともに強い接合圧力が維持される点にある。
【００２０】
本発明の第２の有利な点は、金属板材の接合時、金属が酸化膜とともに金属板材の幅方向に押し出される代わりに、金属がシェービング金型に形成した空間に押し出される点にある。
【００２１】
本発明の第３の有利な点は、酸化膜を除去したことと、密閉された接合金型内部の強い圧力で可塑性流動（plastic flow）により重なった金属板材を接合することとによって、接合力が強化される点にある。
【００２２】
本発明の第４の有利な点は、金属板材が接合金型に挿入される時に、接合金型内部のシェービング刃によって酸化膜を切削し、切削した酸化膜をシェービング金型の空間に集めることによって、接合工程と酸化膜除去工程とが同時に行われる点にある。
【００２３】
本発明によれば、各々の接合金型に入口部を外向きに高さが大きくなるラッパ型に形成し、かつ、金属板材をその接合箇所に正確に挿入することによって、後行金属板材の先端部と先行金属板材の先端部とが接合金型に挿入容易になる。また、本発明によれば、接合金型の下端部に複数の車輪を取り付けることによって、接合金型を金属板材とともに移動させ、同時に金属板材が接合される。
【００２４】
本発明によれば、上記問題点を解決するために、重なる金属板材が上下方向に圧縮され、過剰材料及び酸化膜が、金属板材の幅方向に押し出される代わりにシェービング金型の空間に押し出され、同時に、金属素材が可塑性流動によって圧接される。
【００２５】
本発明によれば、金属板材が接合金型内に挿入される時、金属板材の先端部に取り付けたシェービング金型のシェービング刃によって金属板材の重なり面が切削されて酸化膜が切削され、切削された酸化膜は、シェービング刃の先端部に形成された空間に集められる。したがって、酸化膜が自動的に除去されて金属板材が接合される。
【００２６】
本発明によれば、金属板材の接合時には可塑性流動によって金属板材の酸化膜と金属板材の先端部とがシェービング金型の空間に押し出されることによって、自動的に酸化膜を除去し、純粋な金属面を露出させた状態で金属板材が接合される。したがって、本発明によれば、酸化膜除去のための先行工程も過剰金属トリミングのための追加工程も必要なく、強力な接合と酸化膜除去とが同時に行われる。
【００２７】
また、本発明によれば、金属板材が移動する熱間連続圧延工程の場合には接合装置の下端部に車輪が形成され、これにより、移動する後行金属板材の慣性力によって後行金属板材の先端部がラッパ状挿入口を通して接合金型の内部に自動的に挿入されて接合装置を移動させる。また、本発明によれば、停止した先行金属板材が移動する接合金型のラッパ状挿入口を通して接合金型の内部に自動的に挿入されることによって、２枚の金属板材が自動的に接合位置に重なって、移動中に接合される。
【００２８】
本発明の一実施形態による、重なった金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する金属板材熱接合装置の一例は、以下のものを含む：
支持フレーム；
前記支持フレームの上部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された上部接合金型；
前記支持フレームの下部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された下部接合金型；
金属板材の酸化膜及び過剰金属を切削するシェービング刃が形成されたシェービング金型；
前記上部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した下部クランプ；並びに
前記下部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した上部クランプ。
【００２９】
前記上部及び下部接合金型のクランプシリンダは、下部及び上部クランプにシリンダロッドで各々連結されていることが可能である。
【００３０】
前記上部接合金型及び上部クランプは雄形状に形成され、前記下部クランプ及び下部接合金型は各々前記上部接合金型及び上部クランプを囲む雌形状に形成されて、前記上部接合金型及び下部クランプ、前記下部接合金型及び上部クランプが各々密に係合することが可能である。
【００３１】
前記シェービング金型の一側面に複数個のロッドが形成され、これらロッドを挿入する複数個のスプリング挿入孔が前記上部クランプの下部及び前記下部クランプの上部に水平に穿孔され、前記スプリング挿入孔には排出用スプリングを支持する支持部が形成されていることが可能である。
【００３２】
前記シェービング金型は、ロッドが形成された前記一側面の反対面が湾曲面に形成されていることが可能である。
【００３３】
各シェービング金型の、金属板材と接触する面にはダスト保管空間が形成されていることが可能である。
【００３４】
前記上部及び下部接合金型並びに下部及び上部クランプの左右側には金属板材を挿入するラッパ状挿入口が形成され、各入口部の高さが外側に向かって大きくなっていることが可能である。
【００３５】
前記上部クランプの上端及び下部クランプの下端に各々スライディングロッドが設置され、各スライディングロッドの下端又は上端にストッパが附設され、金属板材の厚さに合わせて上部及び下部クランプの位置を調整可能に構成されている。
【００３６】
前記スライディングロッドは突き出し用スプリングによって弾性支持されていることが可能である。
【００３７】
前記上部接合金型の上部が前記上部クランプの上方に延長され、この延長部に、前記上部クランプの上端に連結されたスライディングロッドが貫通することが可能である。
【００３８】
前記支持フレームの下端には車輪が設置されていることが可能である。
【００３９】
一方、重なる金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する方法の一例によれば、重ねた金属板材を接合する接合金型に金属板材を挿入すると同時に、重なる金属板材を切削するシェービング刃によって金属板材の重なる表面の酸化膜を除去することが可能である。
【００４０】
また、金属板材に圧力を加えて金属板材を接合すると共に、過剰金属を保管するための過剰金属保管空間に接合後の過剰金属を押し出すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００４１】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の一実施形態による、金属板材を熱接合（hot bond）するための装置の例について詳細に説明する。
【００４２】
図１は、本発明の一実施形態による接合金型の断面図を示す。
【００４３】
図１に示すように、本発明によれば金属板材は上部接合金型７及び下部接合金型８によって重ねられ、重なる表面５に垂直の圧縮荷重が付与される。この場合、クランプの先端部に設置されているシェービング金型１１によって金属板材の酸化膜が除去されると同時に、金属板材１の重なる表面５が接合される。
【００４４】
従来の剪断刃を使用した場合の接合力は、上部接合金型７及び下部接合金型８を使用した場合よりも強い可能性がある。しかしながら、重なる表面５と金属板材の先端部４とにある酸化膜を除去しなければならない、接合工程において金属板材１の幅方向に押し出される過剰金属６をトリミングする工程が追加されなければならない等、問題点が多い。
【００４５】
そこで図１に示すように、強い接合力を得るために、２枚の金属板材１が重なる前に重なる表面５にある酸化膜をシェービング刃１２で切削し、かつ、シェービング刃１２に過剰金属保管空間１４を形成することによって、過剰金属６をシェービング金型１１の過剰金属保管空間１４に押し出すと同時に、金属板材の先端部４にある酸化膜も過剰金属保管空間１４に排出するように構成してある。したがって、本発明の一実施形態によれば、追加のトリミング工程が不要になり、かつ重なった金属板材が強く接合される。
【００４６】
図１に示すように、右側金属板材３は下部接合金型８によって支持され、右側金属板材３の先端部に左側金属板材２の先端部が重なる。上部接合金型７が上部クランプ９に密着して下方に移動する時、上部接合金型７及び下部接合金型８の間に置かれている重なった金属板材１に圧縮荷重が上下方向に付与される。これにより、重なった金属板材１が加圧され、可塑性流動（plastic flow）によって接合される。
【００４７】
また、上部クランプ９の上部及び下部クランプ１０の下部には各々スライディングロッド１８を設置して、これらスライディングロッド１８の上部又は下部にストッパ１７を附設し、金属板材１の厚さに合わせて上部クランプ９及び下部クランプ１０の位置を調整可能に構成されている。更に、スライディングロッド１８は、突き出し用スプリング１６によって弾性支持されて、金属板材１を接合した後で接合金型７、８が分離される時、突き出し用スプリング１６の復元力によって上部クランプ９及び下部クランプ１０が上下に各々跳ね返って過剰金属６及び酸化膜クズを排出するように構成されている。
【００４８】
図２Ａ、図２Ｂ及び図２Ｃは、本発明の一実施形態による、接合金型に金属板材を挿入して重ねる過程を示す。
【００４９】
図２Ａ、図２Ｂ及び図２Ｃに示すように、左側金属板材２を左側のラッパ状挿入口１９から挿入ローラ２０によって接合金型７、８に強制的に挿入する。この場合、上部クランプ９に設置された排出用スプリング１５が左側金属板材２の挿入力によって収縮し、右側のシェービング金型１１のシェービング刃１２によって右側金属板材３の重なる表面５が切削される。これにより、右側金属板材３にある酸化膜が切削されると同時に、シェービング金型１１のダスト保管空間１３に酸化膜クズが集まる。同じ方法によって、右側金属板材３も、右側のラッパ状挿入口１９から挿入ローラ２０によって接合金型７、８に強制的に挿入する。この場合、右側金属板材３の挿入力によって下部クランプ１０に設置された排出用スプリング１５が収縮し、左側のシェービング金型１１のシェービング刃１２によって左側金属板材２の重なる表面５を切削する。これにより、左側金属板材２の酸化膜が切削されると同時に、酸化膜クズがダスト保管空間１３に集まる。このようにして、左側金属板材２及び右側金属板材３が、重なる表面５の酸化膜が除去された状態で重なる。
【００５０】
図３は、本発明の一実施形態による、接合金型で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程を示す。
【００５１】
図３Ａに示すように、下部接合金型８及びこれに対向する上部クランプ９によって右側金属板材３をクランプして右側に動かないようにし、上部接合金型７及びこれに対向する下部クランプ１０によって左側金属板材２をクランプして左側に動かないようにする。したがって、金属板材１はその幅方向に動くことができない。この状態で上部接合金型７を接合シリンダ２２によって下に移動させ、左側金属板材２及び右側金属板材３の重なる表面５に対し下向きに圧力を加える。
【００５２】
図３Ｂ、図３Ｃ及び図３Ｄに示すように、左側金属板材２及び右側金属板材３の重なった部分が可塑性流動を起こして接合される時には、過剰金属６及び酸化膜クズが押し出され、シェービング金型１１の湾曲面１２ａと上部及び下部クランプ９、１０との間に設けた過剰金属保管空間１４に排出される。また、上部接合金型７と上部シェービング金型１１、及び下部接合金型８と下部シェービング金型１１とが各々接当した時には、接合が完了すると同時に、過剰金属６の排出も完了する。したがって、酸化膜除去と２枚の金属板材１の接合とが同時に完了する。
【００５３】
図４は、本発明の一実施形態による、上部接合金型及びこれに連結された下部クランプの斜視図である。
【００５４】
図４に示すように、加熱して重なった金属板材１には接合荷重が加えられる。上部接合金型７は雄形状に形成され、下部クランプ１０はこの上部接合金型７を囲む雌形状に形成される。上部接合金型７及び下部クランプ１０が密係合することによって、金属板材１はその重なる位置が正確に固定され、当該金属板材１の幅方向には押し出されない。また、上部接合金型７のクランプシリンダ２１が下部クランプ１０にシリンダロッドで連結されることによって、上部接合金型７と下部クランプ１０の間に置かれた金属板材１がクランプされる。一方、下部クランプ１０の上部にはスプリング挿入孔が水平方向に複数個形成され、これらスプリング挿入孔にはシェービング金型１１の複数個のロッドが挿入される。スプリング挿入孔には支持部が形成され、排出用スプリング１５を支持する。したがって、シェービング金型１１は水平方向に移動することができ、スプリング挿入孔に挿入された排出用スプリング１５がシェービング金型１１に復元力を付与する。
【００５５】
図５は、本発明の一実施形態による、下部接合金型及びこれに連結された上部クランプの斜視図である。
【００５６】
図５に示すように、上部接合金型７の左側と下部接合金型８の右側とには各々ラッパ状挿入口１９に形成されている。ラッパ状挿入口１９の高さを外側に向かうほど大きくすることによって、加熱された金属板材１が上部接合金型７及び下部接合金型８に挿入しやすくなっている。上部クランプ９が雄形状に形成され、下部接合金型８がこの上部クランプ９を囲む雌形状に形成される。前記上部接合金型７及び下部クランプ１０と同様、下部接合金型８及び上部クランプ９が密に係合することによって、金属板材１の重なる位置が正確に固定され、金属板材１はその幅方向に押し出されない。また、下部接合金型８のクランプシリンダ２１が上部クランプ９にシリンダロッドで連結されて、下部接合金型８及び上部クランプ９の間に置かれた金属板材３をクランプする。一方、上部クランプ９の下部にはスプリング挿入孔が水平方向に複数個形成され、これらスプリング挿入孔にシェービング金型１１の複数個のロッドが挿入される。スプリング挿入孔には支持部が形成され、排出用スプリング１５を支持する。したがって、シェービング金型１１は、水平方向に移動することができ、スプリング挿入孔に挿入された排出用スプリング１５がシェービング金型１１に復元力を付与する。
【００５７】
図６及び図７に示すように、シェービング金型１１の一側面にはスプリング挿入孔に挿入される複数個のロッドが形成され、他側面には湾曲面１２ａが形成されている。金属板材１に接する湾曲面１２ａの一端にはシェービング刃１２が形成され、金属板材１の表面の酸化膜を切削する。また、金属板材１に接するシェービング金型１１の表面にはダスト保管空間１３が形成されている。シェービング金型１１は、排出用スプリング１５の弾性力によって突き出される。この状態で金属板材１が接合金型７、８に挿入され金属板材１の挿入力によって排出用スプリング１５が収縮すると、シェービング金型１１のシェービング刃１２によって金属板材１の重なる表面５が各々切削され、重なる表面５の酸化膜が除去される。また、金属板材１の先端部４とシェービング金型１１の湾曲面１２ａと上部及び下部クランプ９、１０との間には過剰金属保管空間１４が形成され、重なった金属板材１が圧縮され可塑性流動によって接合される時、この過剰金属保管空間１４に過剰金属６及び酸化膜クズが押し込まれる。更に、上部接合金型７及び下部接合金型８がシェービング金型１１を上下方向に摺動させて金属板材１の接合が完了すると、過剰金属６の排出が完了する。上部接合金型７及び下部接合金型８が分離すると、排出用スプリング１５の復元力によって、過剰金属保管空間１４に溜まった過剰金属６及び酸化膜クズが排出される。
【００５８】
図１及び図８に示すように、上部接合金型７の上部が上部クランプ９の上端上方まで延長されているため、上部クランプ９の上端に連結されたスライディングロッド１８は上部接合金型７の延長部を貫通する。したがって、重なる金属板材１に上部接合金型７から圧縮荷重が付与されると、上部接合金型７及び上部クランプ９が密着し、上部接合金型７の上端に設けた複数個のシリンダロッドに連結された接合シリンダ２２によって、重なる金属板材１が圧縮される。
【００５９】
図８〜図１０に示すように、支持フレーム２３の上部に上部接合金型７が固定され、支持フレーム２３の下部に下部接合金型８が固定されている。また、支持フレーム２３の下端には車輪２４が設置されている。したがって、移動中の後行金属板材が上部及び下部接合金型７、８の一側に設けたラッパ状挿入口１９から上部及び下部接合金型７、８に挿入されて上部及び下部接合金型７、８を押すと、停止中の先行金属板材が上部及び下部接合金型７、８の他側に設けたラッパ状挿入口１９から自動的に挿入される。その後、後行・先行金属板材１が上部及び下部接合金型７、８と共に同一速度で移動し、後行・先行金属板材１が接合される。
【００６０】
以上のように本発明によれば、たとえ金属板材１が厚すぎて溶接ができない場合でも、金属板材１を強い接合圧で加圧し、可塑性流動によって接合する。したがって、金属板材１が強固に接合される。また、金属板材１の重なる表面５にある酸化膜の除去と金属板材１の接合とが同時に行えるため、酸化膜除去のための追加の工程を設ける必要がない。よって、生産性が向上する。そして、移動中の金属板材１が接合金型７、８のラッパ状挿入口１９から接合金型７、８に挿入され正確な接合位置に置かれるため、金属板材１の接合が簡単になり、迅速に行える。また、接合金型の下端に車輪を取り付けることによって、移動中の金属板材を接合することができる。よって、連続的な接合も可能になる。
【００６１】
以上、現段階で実用的と考えられる実施形態との関連で本発明を説明したが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、むしろ、特許請求の範囲の思想および範囲内に含まれる種々の改変及び均等構成をもカバーすることを意図するものと理解すべきである。
【００６２】
本明細書及びこれに添付した特許請求の範囲全体に亘って、「含む（comprise）」という文言、及び"comprises"、"comprising"等その種々の活用形は、反対の明示的な記載がない限り記載構成要素が含まれているという意味であり、他のすべての構成要素を除外するわけではないものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【００６３】
【図１】本発明の一実施形態による接合金型の断面図
【図２Ａ】本発明の一実施形態によって接合金型内に金属板材を挿入して重ねさせる過程の図面
【図２Ｂ】本発明の一実施形態によって接合金型内に金属板材を挿入して重ねさせる過程の図面
【図２Ｃ】本発明の一実施形態によって接合金型内に金属板材を挿入して重ねさせる過程の図面
【図３Ａ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動（plastic flow）によって接合する過程の図面
【図３Ｂ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程の図面
【図３Ｃ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程の図面
【図３Ｄ】本発明の一実施形態によって接合金型内で重なった金属板材を可塑性流動によって接合する過程の図面
【図４】本発明の一実施形態による上部接合金型及びそれに連結された下部クランプの斜視図
【図５】本発明の一実施形態による下部接合金型及びそれに連結された上部クランプの斜視図
【図６】本発明の一実施形態による、上部クランプ及び下部クランプに挿入されているシェービング金型の斜視図
【図７】本発明の一実施形態によるシェービング刃及びダスト保管空間の正面図
【図８】本発明の一実施形態による、金属板材を熱接合するための装置の正面図
【図９】本発明の一実施形態による、車輪付き金属板材熱接合装置の側面図
【図１０】本発明の一実施形態による、車輪付き金属板材熱接合装置の斜視図
【符号の説明】
【００６４】
１ 金属板材
２ 左側金属板材
３ 右側金属板材
４ 金属板材の先端部
５ 重なる表面
６ 過剰金属
７ 上部接合金型
８ 下部接合金型
９ 上部クランプ
１０ 下部クランプ
１１ シェービング金型
１２ シェービング刃
１２ａ 湾曲面
１３ ダスト保管空間
１４ 過剰金属保管空間
１５ 排出用スプリング
１６ 突き出し用スプリング
１７ ストッパ
１８ スライディングロッド
１９ ラッパ状挿入口
２０ 挿入ローラ
２１ クランプシリンダ
２２ 接合シリンダ
２３ 支持フレーム
２４ 車輪
２５ 油圧タンク
２６ 油圧ポンプ
２７ ヒータ挿入空間
【特許請求の範囲】
【請求項１】
金属板材を接合金型で可塑性流動によって熱接合するための装置であって、以下のものを含む装置：
金属板材に圧縮荷重を加えて重なった金属板材を加圧する上部接合金型及び下部接合金型、前記上部接合金型には重なる金属板材のうち左側金属板材の先端部が置かれ、前記下部接合金型には重なる金属板材のうち右側金属板材の先端部が置かれることによって、上部接合金型が下向きに移動する時、重なる加熱金属板材に接合荷重が作用し、前記上部接合金型及び下部接合金型が２枚の金属板材を重ねる；
シェービング金型を挿入するスプリング挿入孔とこれらスプリング挿入孔に排出用スプリングを支持する支持部とが形成された上部クランプ及び下部クランプ、前記上部接合金型が雄形状に形成されると共に前記下部クランプがこの上部接合金型に対応した雌形状に形成されることによって前記上部接合金型及び下部クランプが密係合すると金属板材が正確な重なり位置に固定され、前記下部接合金型が雌形状に形成されると共に前記上部クランプがこの下部接合金型に対応した雄形状に形成されることによって前記下部接合金型及び上部クランプが密係合すると金属板材の幅方向への押し出しが防止され、かつ、前記上部クランプのクランプシリンダをシリンダロッドで下部クランプに連結すると共に下部クランプのクランプシリンダをシリンダロッドで上部クランプに連結することによって、前記上部及び下部接合金型並びに下部及び上部クランプの間に置かれた金属板材がクランプされる；
シェービング刃とこのシェービング刃の手前に設けたダスト保管空間とを有し、前記上部及び下部接合金型に接当している下部及び上部クランプの各先端縁に挿入されて金属板材の表面の酸化膜を切削するシェービング金型、このシェービング金型の後部に設けた前記排出用スプリングの弾性によってシェービング金型を突出させた状態で前記上部及び下部接合金型に２枚の金属板材が同時に挿入されると、一方の金属板材の挿入力によって一側面の排出用スプリングが収縮すると共に他方の金属板材の表面が前記シェービング金型のシェービング刃によって切削されて重なり面にある酸化膜が除去され、重なった金属板材が圧縮されて可塑性流動によって接合される時には、シェービング金型の湾曲面と上部及び下部クランプと金属板材の各先端部とによって囲まれた過剰金属保管空間に金属板材の過剰金属及び酸化膜クズが押し出されることによって金属板材の接合と前記過剰金属保管空間への過剰金属の押し出しとが同時に行われ、前記過剰金属保管空間に溜まった酸化膜クズは前記スプリング挿入孔に設けた前記排出用スプリングの復元力によって排出されるように構成されており、かつ、前記過剰金属保管空間の体積が金属板材の重なる部分の体積の半分であり、シェービング金型の湾曲面が台形に形成されている。
【請求項２】
請求項１に記載の装置であって、
前記上部接合金型の上端部が前記上部クランプの上端上方に延長されると共に前記上部クランプの上端に連結されたスライディングロッドがこの延長部を貫通しており、前記上部接合金型が上部クランプと共に下向きに移動して重なった金属板材を圧縮するように構成され、
前記下部クランプの下端にストッパを設けることによって上部接合金型が金属板材の厚さに応じた一定の距離だけ金属板材を圧縮するように構成され、かつ、
前記上部及び下部接合金型が金属板材の接合後に分離されると、前記上部クランプの上端及び前記下部クランプの下端に設けた突き出し用スプリングの復元力によって、前記上部及び下部クランプが上下に突出し、過剰金属及び酸化膜クズを排出するように構成された装置。
【請求項３】
金属板材の熱接合方法であって、以下の段階を含む方法：
シェービング金型の先端部に形成したダスト保管空間に酸化膜クズを保管し、純粋な金属面を露出させた状態で金属板材を重ねる段階、この段階では、上部及び下部接合金型に接触している下部及び上部クランプに挿入されているシェービング金型の後部に設けた排出用スプリングの弾性によってシェービング金型が突出した状態で、接合金型にその左右のラッパ状挿入口から金属板材を強制的に挿入すると、金属板材の挿入力によって接合金型において排出用スプリングが収縮し、金属板材の重なる表面とその表面の酸化膜とがシェービング刃によって切削される；
金属板材の重なる表面に圧力荷重を加える段階、この段階では、下部接合金型及びこれと対を成す上部クランプで重なった金属板材のうち右側金属板材をクランプして右側に押されないようにすると共に、上部接合金型及びこれと対を成す下部クランプで重なった金属板材のうち左側金属板材をクランプして左側に押されないようにすることによって、上部及び下部接合金型と下部及び上部クランプとによる密係合構造によって金属板材が幅方向に押し出されないようにし、かつ、上部接合金型が接合シリンダによって下向きに移動すると、下部接合金型に置かれた左右金属板材の重なる表面が圧縮される；並びに
上部接合金型の下端部及びシェービング金型の下端部が一直線上に位置すると過剰金属の排出を完了させる段階、この段階では、台形に形成されたシェービング金型の湾曲面と上部クランプの下端部と金属板材の先端部とで囲まれた過剰金属保管空間に、金属板材の重なった表面にある酸化膜クズと共に過剰金属が押し出され、かつ、重なった左右金属板材が各々混ざって可塑性流動によって接合する時には、前記過剰金属保管空間の体積が金属板材の重なる部分の体積の半分である。
【請求項４】
請求項３に記載の方法であって、上部及び下部接合金型並びに上部及び下部クランプを支持するための適正数の支柱を有する支持フレームの下端部に車輪を設けることによって、移動中の後行金属板材が接合金型にその左側のラッパ状挿入口から挿入されると、後行金属板材がその慣性力によって接合装置を押してこれと共に移動させ、停止している先行金属板材を接合金型にその右側のラッパ状挿入口から自動的に挿入させて、後行・先行金属板材が接合金型と共に同一速度で移動する状態で後行・先行金属板材を重ねると同時に上部接合金型の圧力によって接合させる方法。
【請求項５】
２枚の金属板材の材料が互いに異なる請求項３に記載の方法。
【請求項６】
重なった金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する金属板材熱接合装置であって、以下のものを含む金属板材熱接合装置：
支持フレーム；
前記支持フレームの上部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された上部接合金型；
前記支持フレームの下部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された下部接合金型；
金属板材の酸化膜及び過剰金属を切削するシェービング刃が形成されたシェービング金型；
前記上部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した下部クランプ；並びに
前記下部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した上部クランプ。
【請求項７】
前記上部及び下部接合金型のクランプシリンダが下部及び上部クランプにシリンダロッドで各々連結されている請求項６に記載の装置。
【請求項８】
前記上部接合金型及び上部クランプは雄形状に形成され、前記下部クランプ及び下部接合金型は各々前記上部接合金型及び上部クランプを囲む雌形状に形成されて、前記上部接合金型及び下部クランプ、前記下部接合金型及び上部クランプが各々密に係合する請求項６に記載の装置。
【請求項９】
前記シェービング金型の一側面に複数個のロッドが形成され、これらロッドを挿入する複数個のスプリング挿入孔が前記上部クランプの下部及び前記下部クランプの上部に水平に穿孔され、前記スプリング挿入孔には排出用スプリングを支持する支持部が形成されている請求項６に記載の装置。
【請求項１０】
前記シェービング金型は、ロッドが形成された前記一側面の反対面が湾曲面に形成されている請求項９に記載の装置。
【請求項１１】
前記シェービング金型の、金属板材と接触する面にダスト保管空間が形成されている請求項６に記載の装置。
【請求項１２】
前記上部及び下部接合金型並びに下部及び上部クランプの左右側に金属板材を挿入するラッパ状挿入口が形成され、各入口部の高さが外側に向かって大きくなっている請求項６に記載の装置。
【請求項１３】
前記上部クランプの上端及び下部クランプの下端に各々スライディングロッドが設置され、各スライディングロッドの下端又は上端にストッパが附設され、金属板材の厚さに合わせて上部及び下部クランプの位置を調整可能に構成されている請求項６に記載の装置。
【請求項１４】
前記スライディングロッドが突き出し用スプリングによって弾性支持されている請求項１３に記載の装置。
【請求項１５】
前記上部接合金型の上部が前記上部クランプの上方に延長され、この延長部に、前記上部クランプの上端に連結されたスライディングロッドが貫通する請求項１３に記載の装置。
【請求項１６】
前記支持フレームの下端に車輪が設置されている請求項６に記載の装置。
【請求項１７】
重なる金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する方法であって、重ねた金属板材を接合する接合金型に金属板材を挿入すると同時に、重なる金属板材を切削するシェービング刃によって金属板材の重なる表面の酸化膜を除去する方法。
【請求項１８】
金属板材に圧力を加えて金属板材を接合すると共に、過剰金属を保管するための過剰金属保管空間に接合後の過剰金属を押し出す請求項１７に記載の方法。
【請求項１】
金属板材を接合金型で可塑性流動によって熱接合するための装置であって、以下のものを含む装置：
金属板材に圧縮荷重を加えて重なった金属板材を加圧する上部接合金型及び下部接合金型、前記上部接合金型には重なる金属板材のうち左側金属板材の先端部が置かれ、前記下部接合金型には重なる金属板材のうち右側金属板材の先端部が置かれることによって、上部接合金型が下向きに移動する時、重なる加熱金属板材に接合荷重が作用し、前記上部接合金型及び下部接合金型が２枚の金属板材を重ねる；
シェービング金型を挿入するスプリング挿入孔とこれらスプリング挿入孔に排出用スプリングを支持する支持部とが形成された上部クランプ及び下部クランプ、前記上部接合金型が雄形状に形成されると共に前記下部クランプがこの上部接合金型に対応した雌形状に形成されることによって前記上部接合金型及び下部クランプが密係合すると金属板材が正確な重なり位置に固定され、前記下部接合金型が雌形状に形成されると共に前記上部クランプがこの下部接合金型に対応した雄形状に形成されることによって前記下部接合金型及び上部クランプが密係合すると金属板材の幅方向への押し出しが防止され、かつ、前記上部クランプのクランプシリンダをシリンダロッドで下部クランプに連結すると共に下部クランプのクランプシリンダをシリンダロッドで上部クランプに連結することによって、前記上部及び下部接合金型並びに下部及び上部クランプの間に置かれた金属板材がクランプされる；
シェービング刃とこのシェービング刃の手前に設けたダスト保管空間とを有し、前記上部及び下部接合金型に接当している下部及び上部クランプの各先端縁に挿入されて金属板材の表面の酸化膜を切削するシェービング金型、このシェービング金型の後部に設けた前記排出用スプリングの弾性によってシェービング金型を突出させた状態で前記上部及び下部接合金型に２枚の金属板材が同時に挿入されると、一方の金属板材の挿入力によって一側面の排出用スプリングが収縮すると共に他方の金属板材の表面が前記シェービング金型のシェービング刃によって切削されて重なり面にある酸化膜が除去され、重なった金属板材が圧縮されて可塑性流動によって接合される時には、シェービング金型の湾曲面と上部及び下部クランプと金属板材の各先端部とによって囲まれた過剰金属保管空間に金属板材の過剰金属及び酸化膜クズが押し出されることによって金属板材の接合と前記過剰金属保管空間への過剰金属の押し出しとが同時に行われ、前記過剰金属保管空間に溜まった酸化膜クズは前記スプリング挿入孔に設けた前記排出用スプリングの復元力によって排出されるように構成されており、かつ、前記過剰金属保管空間の体積が金属板材の重なる部分の体積の半分であり、シェービング金型の湾曲面が台形に形成されている。
【請求項２】
請求項１に記載の装置であって、
前記上部接合金型の上端部が前記上部クランプの上端上方に延長されると共に前記上部クランプの上端に連結されたスライディングロッドがこの延長部を貫通しており、前記上部接合金型が上部クランプと共に下向きに移動して重なった金属板材を圧縮するように構成され、
前記下部クランプの下端にストッパを設けることによって上部接合金型が金属板材の厚さに応じた一定の距離だけ金属板材を圧縮するように構成され、かつ、
前記上部及び下部接合金型が金属板材の接合後に分離されると、前記上部クランプの上端及び前記下部クランプの下端に設けた突き出し用スプリングの復元力によって、前記上部及び下部クランプが上下に突出し、過剰金属及び酸化膜クズを排出するように構成された装置。
【請求項３】
金属板材の熱接合方法であって、以下の段階を含む方法：
シェービング金型の先端部に形成したダスト保管空間に酸化膜クズを保管し、純粋な金属面を露出させた状態で金属板材を重ねる段階、この段階では、上部及び下部接合金型に接触している下部及び上部クランプに挿入されているシェービング金型の後部に設けた排出用スプリングの弾性によってシェービング金型が突出した状態で、接合金型にその左右のラッパ状挿入口から金属板材を強制的に挿入すると、金属板材の挿入力によって接合金型において排出用スプリングが収縮し、金属板材の重なる表面とその表面の酸化膜とがシェービング刃によって切削される；
金属板材の重なる表面に圧力荷重を加える段階、この段階では、下部接合金型及びこれと対を成す上部クランプで重なった金属板材のうち右側金属板材をクランプして右側に押されないようにすると共に、上部接合金型及びこれと対を成す下部クランプで重なった金属板材のうち左側金属板材をクランプして左側に押されないようにすることによって、上部及び下部接合金型と下部及び上部クランプとによる密係合構造によって金属板材が幅方向に押し出されないようにし、かつ、上部接合金型が接合シリンダによって下向きに移動すると、下部接合金型に置かれた左右金属板材の重なる表面が圧縮される；並びに
上部接合金型の下端部及びシェービング金型の下端部が一直線上に位置すると過剰金属の排出を完了させる段階、この段階では、台形に形成されたシェービング金型の湾曲面と上部クランプの下端部と金属板材の先端部とで囲まれた過剰金属保管空間に、金属板材の重なった表面にある酸化膜クズと共に過剰金属が押し出され、かつ、重なった左右金属板材が各々混ざって可塑性流動によって接合する時には、前記過剰金属保管空間の体積が金属板材の重なる部分の体積の半分である。
【請求項４】
請求項３に記載の方法であって、上部及び下部接合金型並びに上部及び下部クランプを支持するための適正数の支柱を有する支持フレームの下端部に車輪を設けることによって、移動中の後行金属板材が接合金型にその左側のラッパ状挿入口から挿入されると、後行金属板材がその慣性力によって接合装置を押してこれと共に移動させ、停止している先行金属板材を接合金型にその右側のラッパ状挿入口から自動的に挿入させて、後行・先行金属板材が接合金型と共に同一速度で移動する状態で後行・先行金属板材を重ねると同時に上部接合金型の圧力によって接合させる方法。
【請求項５】
２枚の金属板材の材料が互いに異なる請求項３に記載の方法。
【請求項６】
重なった金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する金属板材熱接合装置であって、以下のものを含む金属板材熱接合装置：
支持フレーム；
前記支持フレームの上部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された上部接合金型；
前記支持フレームの下部に設置され、金属板材をクランプするためのクランプシリンダが設置された下部接合金型；
金属板材の酸化膜及び過剰金属を切削するシェービング刃が形成されたシェービング金型；
前記上部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した下部クランプ；並びに
前記下部接合金型に対応して設置され、前記シェービング金型を水平に移動可能に挿入した上部クランプ。
【請求項７】
前記上部及び下部接合金型のクランプシリンダが下部及び上部クランプにシリンダロッドで各々連結されている請求項６に記載の装置。
【請求項８】
前記上部接合金型及び上部クランプは雄形状に形成され、前記下部クランプ及び下部接合金型は各々前記上部接合金型及び上部クランプを囲む雌形状に形成されて、前記上部接合金型及び下部クランプ、前記下部接合金型及び上部クランプが各々密に係合する請求項６に記載の装置。
【請求項９】
前記シェービング金型の一側面に複数個のロッドが形成され、これらロッドを挿入する複数個のスプリング挿入孔が前記上部クランプの下部及び前記下部クランプの上部に水平に穿孔され、前記スプリング挿入孔には排出用スプリングを支持する支持部が形成されている請求項６に記載の装置。
【請求項１０】
前記シェービング金型は、ロッドが形成された前記一側面の反対面が湾曲面に形成されている請求項９に記載の装置。
【請求項１１】
前記シェービング金型の、金属板材と接触する面にダスト保管空間が形成されている請求項６に記載の装置。
【請求項１２】
前記上部及び下部接合金型並びに下部及び上部クランプの左右側に金属板材を挿入するラッパ状挿入口が形成され、各入口部の高さが外側に向かって大きくなっている請求項６に記載の装置。
【請求項１３】
前記上部クランプの上端及び下部クランプの下端に各々スライディングロッドが設置され、各スライディングロッドの下端又は上端にストッパが附設され、金属板材の厚さに合わせて上部及び下部クランプの位置を調整可能に構成されている請求項６に記載の装置。
【請求項１４】
前記スライディングロッドが突き出し用スプリングによって弾性支持されている請求項１３に記載の装置。
【請求項１５】
前記上部接合金型の上部が前記上部クランプの上方に延長され、この延長部に、前記上部クランプの上端に連結されたスライディングロッドが貫通する請求項１３に記載の装置。
【請求項１６】
前記支持フレームの下端に車輪が設置されている請求項６に記載の装置。
【請求項１７】
重なる金属板材に圧力を加えて金属板材を熱接合する方法であって、重ねた金属板材を接合する接合金型に金属板材を挿入すると同時に、重なる金属板材を切削するシェービング刃によって金属板材の重なる表面の酸化膜を除去する方法。
【請求項１８】
金属板材に圧力を加えて金属板材を接合すると共に、過剰金属を保管するための過剰金属保管空間に接合後の過剰金属を押し出す請求項１７に記載の方法。
【図１】
【図２Ａ】
【図２Ｂ】
【図２Ｃ】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図３Ｃ】
【図３Ｄ】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２Ａ】
【図２Ｂ】
【図２Ｃ】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図３Ｃ】
【図３Ｄ】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公表番号】特表２００８−５３２７７１（Ｐ２００８−５３２７７１Ａ）
【公表日】平成２０年８月２１日（２００８．８．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−５００６２８（Ｐ２００８−５００６２８）
【出願日】平成１８年３月８日（２００６．３．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＫＲ２００６／０００８１８
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０９６０１０
【国際公開日】平成１８年９月１４日（２００６．９．１４）
【出願人】（５０７３０１１５４）
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２０年８月２１日（２００８．８．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月８日（２００６．３．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＫＲ２００６／０００８１８
【国際公開番号】ＷＯ２００６／０９６０１０
【国際公開日】平成１８年９月１４日（２００６．９．１４）
【出願人】（５０７３０１１５４）
【Ｆターム（参考）】
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