説明

金属部材を組み立てるための工具及び方法

強磁性の材料で作られた部材(2)と常磁性の材料で作られた部材(3)とを組み立てるための工具(1)が、第1の当接部(5)を設けた第1の工具部分(4)と、そして第1の電磁コイル(6)とを備える。本発明の上記工具はまた、第2の当接部(8)を有する第2の工具部分(7)を備え、この第2の工具部分(7)と上記第1の工具部分(4)とが次のような仕方で、すなわち上記第1の当接部及びこの第2の当接部(5、8)が選択的に、相互に相手に対し近づくことが可能であり又は相互に相手に対して離れることが可能であるような仕方で機械的に組み立てられ、上記第1の電磁コイル(6)は、常磁性の材料で作られた上記部材(3)及び/又は強磁性の材料で作られた上記部材(2)が上記第1の当接部及びこの第2の当接部(5、8)の間に置かれるときに、常磁性の材料で作られた上記部材(3)がこの第2の当接部(8)に向けて押し戻され、そして/又は強磁性の材料で作られた上記部材(2)が上記第1の当接部(5)に向けて引き付けられるような電磁束を生成するのに使用される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、概略的には、電磁力の助けで金属部材に衝撃を与えることによりこれらの部材を組み立てる分野に関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、強磁性の材料で作られた部材と常磁性の金属材料で作られた部材とを組み立てるための工具であって、第1の当接部を有する第1の工具部分と、そして第1の電磁コイルとを備える工具に関する。
【0003】
金属部材を一体に組み立てるためには、強い電磁場内にこれらの部材を置くことから構成される方法であって、これにより、この強い電磁場によって生成される強い加速度をこれらの部材の少なくとも1つが維持しそして他方の金属部材に向けて迅速に移動するような方法が知られている。この移動部材によって獲得される運動エネルギーは、組み立てられるべきこれら2つの金属部材間の衝突時に吸収される。そして、もし衝突時に放散されるエネルギーが十分な場合には、これらの金属部材の結晶構造が一緒に混合しこれにより、溶接に似た組立状態がこれらの部材間に少なくとも部分的に生成される。
【0004】
このことが、多くの金属部材組み立て用工具製造業者が、このような組立体の強度の増加と、このような組立体の生産コストの削減とに目標を置く種々の解決法を開発してきた理由である。
【0005】
組立工具は例えば、特許文献WO 97/00151に記述されている。部材は電磁コイル内に置かれ、そしてこのコイルが給電されると、これらの部材は機械的に変形しようとして、これらの部材の結晶構造の表面部分の混合によりこれらの部材の接着状態を生成する。組み立てられるためには、これらの部材はコイル内に位置され、それからコイル内で定位置に保持される必要がある。結果的に、組み立てられるべき部材へのアクセスをコイルが妨げるので、この位置を維持するのは困難である。したがって、長期間の製造用にこの組立方法を自動化するのが困難である。
【0006】
この関連から、本発明の目的は、強磁性の材料で作られた部材と常磁性の材料で作られた金属部材とを組み立てるための工具と、このような部材を組み立てる方法であって組立の自動化を可能にしそして組立に先立つ部材の位置決め作業を容易にする別の方法とを提供することである。
【0007】
この目的に対して、本発明の工具は、前に定義された序文によって与えられた一般的な定義に更に従うものであるが、本質的に次のことを特徴とする。すなわち、この工具が、第2の当接部を有する第2の工具部分を備え、この第2の工具部分と第1の工具部分とが次のような仕方で、すなわち第1及び第2の当接部が選択的に、相互に相手に対しより近づけられ又は相互に相手からより離れるように動かされることが可能であるような仕方で機械的に組み立てられ、第1の電磁コイルは、常磁性の材料で作られた部材及び/又は強磁性の材料で作られた部材が第1及び第2の当接部の間に置かれるときに、常磁性の金属材料で作られた部材が第2の当接部に向けて押し戻され、そして/又は強磁性の材料で作られた部材が第1の当接部に向けて引き付けられるような電磁束を生成するのに適する、ことを特徴とする。
【0008】
この同じ目的に対して、本発明は次のことを特徴とする組立方法に関連する。すなわち、− 強磁性の材料で作られた部材及び常磁性の金属材料で作られた部材が、第1及び第2の当接部の間に置かれるステップと、
− それから上記第1及び上記第2の当接部が共に相手に対しより近づけられるステップであって、常磁性の材料で作られた上記部材が、上記第2の当接部に触れることなしに上記第1の当接部と強磁性の材料で作られた上記部材とに接触するように、そして強磁性の材料で作られた上記部材が、上記第1の当接部に触れることなしに上記第2の当接部と常磁性の金属材料で作られた上記部材とに接触するように、上記第1及び上記第2の当接部が共に相手に対しより近づけられるステップと、
− それから上記第1及び上記第2の当接部が相互に相手からより離れるように動かされ、定められた間隔が、上記部材の間に生成され、強磁性の材料で作られた上記部材が上記第2の当接部に接触し、そして常磁性の材料で作られた上記部材が上記第1の当接部に接触するステップと、
− それから第1の電磁コイルが、上記両部材を相互に相手に対して投擲して(投げ付けて)強い衝撃を与えるように給電されるステップであって、上記両部材のうちの少なくとも一方の部材によって獲得される運動エネルギーが、この衝撃が与えられた後に上記両部材が一体に組み立てられた状態を維持するのに十分でなければならないような、第1の電磁コイルが給電されるステップとを含むことを特徴とする、組立方法に関連する。
【0009】
本発明による工具および方法のおかげで、組み立てられるべき部材は、これらの当接部材によって妨げられることなく当接部材の間に設置することができる。その理由は、後者(当接部)が相互に相手からより離れるように動かされるからである。それからこれらの当接部を相互に相手に対しより近づけることにより、組み立てられるべき部材の相対的位置決めがより容易になり、これらの当接部がこれらの部材の事前位置決めを可能にする。
【0010】
これに加えて、これらの部材の少なくとも一方を他方の部材に向けて激しく投擲するために第1の電磁コイルが給電されると、これらの当接部の少なくとも一方がこれらの部材のうちの一方の部材の運動を制限する。すると、この一方の部材が、この当接部と投擲された部材との間で押しつぶされ、これにより一方の部材を他方の部材に対して押し付けるための一種の万力を形成する。
【0011】
本発明による工具および方法のおかげで、一方の部材の他方の部材に対する投擲運動の最大振幅が、単にこれらの当接部の間の距離を調整することによって設定される。この距離が両部材間の間隔を定めることになる。これらの当接部の間のこの距離を定めることにより、第1の電磁コイルが給電されるときに部材に伝達されることになる運動エネルギーを簡単に事前設定することが可能である。言い換えれば、これらの当接部の間の距離と、組み立てられるべき一方の部材又は両方の部材に第1の電磁コイルによって伝達される電磁パワーとを制御することにより、これらの部材を組み立てるのに必要な最大エネルギーが簡単にそしてほぼ反復的に設定される。
【0012】
これらの部材間の間隔とこれらの部材間の運動の振幅とを設定できることで、これらの部材の組立の自動化が可能になる。
【0013】
一方の部材の他方の部材に対する相対的な運動の最大振幅は、当接部を相手当接部から離れるように動かした後に当接部の間に存在する距離から、当接部が部材を相互に相手部材に対して締め付けるときに当接部の間に存在する距離を差し引いたものに等しい。
【0014】
したがって、運動の最大振幅は正確に定義される。
【0015】
本発明による工具は、種々の大きさ及び形状の部材を組み立てるために使用される。その理由は、組み立てられるべき部材をコイルの内側におく必要がないからである。
【0016】
部材の運動の最大振幅の設定が可能であることに加えて、運動側の部材によって衝撃を与えられる部材の運動を防止するための抵抗力を生成するためにもまた、当接部の少なくとも一方が使用される。このために、当接部は、鍛鋼のような極度に剛性があり且つ硬い材料で作られる。このような材料は、衝撃の時点で当接部によって吸収されそして放散されるエネルギーの量を削減する。したがって、運動エネルギーの大きな部分が、当接部によって放散されることなしに部材間のインタフェースに直接に伝達され、一方の部材の材料が他方の部材内に拡散することが可能になる。
【0017】
磁気的衝撃溶接の間に使用されるエネルギーが高レベルであるおかげで、組立は固体状態の部材すなわち冷たい(車体工場の周囲温度の)部材で、極めて短時間でそして第3の材料を用意することなしに達成される。1〜10KJ/cmの部材間衝撃エネルギーが、常磁性の材料すなわちアルミニウムと強磁性の材料すなわち鋼との間の組立を達成するのに十分である。
【0018】
例えば、第2の工具部分が、強磁性の材料で作られた部材が第1及び第2の当接部の間に置かれるときに強磁性の材料で作られたこの部材を第2の当接部に向けて引き付けるのに適する磁化手段を備えるように構成することが可能である。
【0019】
強磁性の材料で作られた部材が第2の当接部に向けて引き付けられるので、この部材は第2の当接部との接触を維持しようとし、そして第2の当接部の動きに追随しようとする。この機能のおかげで、第2の当接部を動かすことがまた、強磁性の材料で作られたこの部材をうごかすことになり、これにより強磁性の材料で作られたこの部材を工具に対して相対的に位置させることがより容易になる。強磁性の材料で作られたこの部材が第2の当接部に向けて引き付けられ且つ第2の当接部との接触を維持するという事実は、部材間での衝撃生成時における利点である。その理由は、第2の当接部がその後第2の工具部分上で抵抗力を働かせ、主として組立の達成に使用される運動エネルギーの最適使用を可能にするからである。
【0020】
例えば、磁化手段が第2の電磁コイルであるように構成することが可能である。これにより、これらの当接部を相互に相手に対しより近づけた後に、そして第1の電磁コイルに給電する前に、強磁性の材料で作られた部材(第1及び第2の当接部の間に置かれる)を第2の当接部に向けて引き付けるのに適する磁化手段を形成する第2の電磁コイルが給電される。
【0021】
理想的には、給電されたときにこの第2の電磁コイルは、強磁性の材料で作られた上記部材を第2の当接部に対して相対的に運動不能化することを可能にする。これは、本発明の工具及び方法を自動化するための利点である。その理由は、強磁性の材料で作られた上記部材の磁化が選択的であり、第2の電磁コイルが通電されるかどうかのみに依存するためである。
【0022】
上記工具が第1の電磁コイルに選択的に給電するのに適する第1の電源を備えるように、そして/又は第2の電磁コイルに選択的に給電するのに適する第2の電源を備えるように構成することもまた可能である。
【0023】
本発明の他の機能及び利点は、添付図面を参照して下に述べる説明から明確化される。この説明は表示のためであって、いかなる制限を課するものでもない。
【実施例】
【0024】
前に述べたように、本発明は、強磁性の材料で作られた部材2と常磁性の材料で作られた金属部材3との組立を可能にする組立工具1に関する。提示例において、強磁性の材料で作られた部材2は鋼板であり、常磁性の材料で作られた金属部材3はアルミニウム板である。
【0025】
本発明による工具1は、第1及び第2の工具部分4、7から構成される一種の締め具であり、図1及び図2a〜図2dの平面内でのこれら第1及び第2の工具部分の相対的運動を可能にするように一体に組み立てられる。これら第1及び第2の工具部分4、7は、組み立てられるべき部材2、3が第1及び第2の当接部5、8の間で締め付けられるのを可能にする締め具(クランプ)を形成するように、一体に組み立てられる。
【0026】
第1の工具部分4は、図1の平面内で第2の工具部分7に対して相対的に運動できる。こうするために、第1及び第2の工具部分は、当接部5、8が選択的に相互に相手から更に離れるように動かされ又は相手に対しより一体に近づけられることが可能なように、図の平面に垂直な軸16の周りに運動できる。
【0027】
第1の当接部5が、第1の工具部分4の一端に、第2の工具部分7の一端に形成される第2の当接部に対向して形成される。
【0028】
第1の電磁コイル6が、第1の導体ケーブルを第1の当接部の周りに巻くことによって形成される。この第1の当接部5は対称軸17を有し、これはまた第1の電磁コイル6の巻き軸としても機能する。
【0029】
第2の電磁コイル9が、第2の導体ケーブルを第2の当接部8の周りに巻くことによって形成される。この第2の当接部8は特定の対称軸18を有し、これはまた第2の電磁コイル9の巻き軸としても機能する。
【0030】
第1及び第2の当接部5、8の対称軸17、18は、組み立てられるべき部材と当接部との間の直接の接触をコイルに触れることなしに可能にするためにこれらの当接部が相互に対向するように、相互にほぼ同軸である。したがって、これらの当接部とこれらの部材との間のこの接触は、対称軸17、18にほぼ沿って位置決めされ、したがって、コイル6及び9の芯軸内にある。
【0031】
運動不能化手段12が、第1の当接部5に対する第2の当接部8の相対的運動を選択的に阻止するのに使用され、又は進行中の本方法のステップに依存してこの運動を選択的に許すのに使用される。
【0032】
運動不能化手段12は、第2の工具部分に相対的に第1の工具部分を取り付けるためのピン又は部材である。この手段は、例えばシリンダの助けにより作動される。
【0033】
強磁性の材料で作られた部材を形成する鋼板2が、第2の当接部8に対向して対称軸18に対してほぼ垂直に置かれる。
【0034】
常磁性の材料で作られた部材を形成するアルミニウム板3が、第1の当接部5に対向して対称軸17に対してほぼ垂直に置かれる。
【0035】
これらの当接部のおかげで、本発明の工具は板形状の部材の点溶接を生成するのに特に適している。第2の当接部は、部材2の平らな圧迫を可能にするようにやや平らな形状を有し、他方、第1の当接部はその反対に、第1の電磁コイル6によって生成される電磁場を軸17及び18と同軸の区域に集中させるためにやや丸屋根状の形状を有する。
【0036】
第1及び第2の電源10及び11が第1及び第2の電磁コイル6及び9にそれぞれ接続される。
【0037】
第1の電源は、極度に高パワーでなければならない(百万アンペアまで))。その理由は、数マイクロ秒という極めて短い時間にアルミ板を鋼板に対して推進させることになる第1の電磁コイルに給電するための電気エネルギーをこの電源が生成するからである。本工具は、板部材又は金属シートの厚さ及び剛性に応じて、そしてコイルの芯の端部(工具1の当接部5及び8に対応するコイルの芯の端部)においてこれらの板部材に衝撃を与える前にこれらの板部材を相互に相手から分離することの容易性に応じて必要な大きさが定められる。
【0038】
高レベルの電気エネルギーであって運動エネルギーに変換されそれ自体が、2つの金属を連接する拡散層を形成する金属的結合エネルギーに再変換される電気エネルギーを得るために、電磁動的パラメータが調整される。この溶接は、数キロジュール/mmの表面エネルギー密度で遂行される。
【0039】
図2a、図2b、図2c及び図2dは、図1の板部材/金属薄板2、3の組立を可能にする本発明に基づいて工具を使用する際の個別のステップを表わす。
【0040】
これら2つの部材が、アルミニウム部材3が第1の当接部5と第1の電磁コイル6の芯とに対向するように、そして鋼部材2が第2の当接部8とそしてしたがって第2の電磁コイル9の芯とに対向するように、これらの当接部の間に置かれる。
【0041】
図2aに表わされる第1のステップにおいて、これらの当接部の間でこれらの部材を相互に相手に対して締め付けるために、そしてこれらの部材の間の間隔をゼロに減少させるために、これらの当接部が相互に相手に対しより近づけられる。それから、これら2つの板部材の合計の厚さにほぼ相当する当接部5、8の間の間隔19が計測される。この計測は、第1及び第2の工具部分の相対的位置感知器によって行われ、この分離値19が記憶される。
【0042】
図2bに表わされる第2のステップにおいて、定められた間隔13がこれらの板部材2、3の間にできるように、第2の当接部が、離れる向きに動かされる。
【0043】
これを行うために、これらの当接部を分離する距離(前に計測され記憶されている分離値)が、部材2、3の間に生成されるべき間隔13の値だけ増大される。
【0044】
第1の当接部から第2の当接部8を分離するのと同時、又は第2の当接部8を分離した後のどちらかに、第2の電磁コイル9に給電することによって鋼部材2が第2の当接部8に向けてそしてアルミニウム部材3から離れる方向に引き付けられる。
【0045】
図2cで、鋼部材2が第2の平らな当接部に対して押し付けられている状態を示す。
【0046】
鋼部材2を第2の当接部8に押し付けることを可能にする第2の電磁コイル9の給電が、図3の電流曲線14から分かるように、図2bのステップの直ぐ後で始まる。
【0047】
金属板部材2と3との間の分離値13が設定されると(この分離値は一般に1〜2mm)、図3の電流曲線15から分かるように、第1の電磁コイル6が第1の電源10の助けで給電される。電流の強さ15が数マイクロ秒で急速に増大する。それから、アルミニウム板部材3が第2の当接部8に向けて押し戻され、板部材間の間隔13にわたって移動しながら大量の運動エネルギーを獲得する。板部材が相互に打撃し合い、アルミニウム板部材3によって獲得された運動エネルギーが部材2、3の間の金属結合を生成する。
【0048】
衝突の後に、第2の電磁コイル9の給電が、それから第1の電磁コイル6の給電が、遮断される。これらの遮断は、図3中の点2dの後に生じる(曲線14及び15参照)。
【0049】
特定の実施例によれば、第1及び第2の工具部分がこれらの当接部を相互に近づけそして、離すという自動作業を可能にするように、位置的に制御される。同様に、これらの電源は、工具に命令する全てのステップ自動化が可能なように制御される。一実施例によれば、これらのコイルは、当接部へのアクセスの可能性について助力するように、当接部の端部からある距離離れた位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】組み立てられるべき部材が金属板の形状である場合の、本発明に基づく工具を表わす。
【図2】本発明に基づく手順を適用する4つのステップを表わす。これらのステップは、本発明の工具で遂行される。
【図3】時間に対する電流の曲線14及び15を表わす。これらの曲線14及び15は、第1及び第2の電磁コイルの端子の電流にそれぞれ対応する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性の材料で作られた部材(2)と常磁性の金属材料で作られた部材(3)とを組み立てるための工具(1)であって、第1の当接部(5)を有する第1の工具部分(4)と、そして第1の電磁コイル(6)とを備える工具(1)において、
該工具が、第2の当接部(8)を有する第2の工具部分(7)を備え、
該第2の工具部分(7)と該第1の工具部分(4)とが次のような仕方で、すなわち該第1及び該第2の当接部(5、8)が選択的に、相互に相手に対しより近づけられ又は相互に相手からより離れるように動かされることが可能であるような仕方で機械的に組み立てられ、該第1の電磁コイル(6)は、該部材(2、3)の一方又は両方が該第1及び該第2の当接部(5、8)の間に置かれるときに、常磁性の材料で作られた該部材(3)が該第2の当接部(8)に向けて押し戻され、そして/又は強磁性の材料で作られた該部材(2)が該第1の当接部(5)に向けて引き付けられるような電磁束を生成するのに適することを特徴とする、部材を組み立てるための工具(1)。
【請求項2】
該第2の工具部分(7)が、強磁性の材料で作られた該部材(2)が該第1及び該第2の当接部(5、8)の間に置かれるときに、強磁性の材料で作られた該部材(2)を該第2の当接部(8)に向けて引き付けるのに適した磁化手段(9)を備えることを特徴とする、請求項1による組立工具(1)。
【請求項3】
該磁化手段(9)が第2の電磁コイルであることを特徴とする、請求項2による組立工具(1)。
【請求項4】
該組立工具(1)が、該第1の電磁コイル(6)に選択的に給電するのに適した第1の電源(10)を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の組立工具(1)。
【請求項5】
該組立工具(1)が、該第2の電磁コイル(9)に選択的に給電するのに適した第2の電源(11)を備えることを特徴とする、請求項3と組み合わせたときの請求項1〜4のいずれかに記載の組立工具(1)。
【請求項6】
該組立工具(1)が、該第1の当接部(5)に対する該第2の当接部(8)の相対的運動を選択的に阻止するのに適した運動不能化手段(12)を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の組立工具(1)。
【請求項7】
該第1及び該第2の工具部分(4、7)が、該部材(2、3)を該第1及び該第2の当接部(5、8)の間に締め付けることを可能にする挟み具を形成するように、一体に組み立てられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の組立工具(1)。
【請求項8】
− 強磁性の材料で作られた部材(2)及び常磁性の金属材料で作られた部材(3)が、第1及び第2の当接部(5、8)の間に置かれるステップと、
− それから該第1及び該第2の当接部(5、8)が一緒に相手に対しより近づけられるステップであって、常磁性の材料で作られた該部材(3)が、該第2の当接部(8)に触れることなしに該第1の当接部(5)と強磁性の材料で作られた該部材(2)とに接触するように、そして強磁性の材料で作られた該部材(2)が、該第1の当接部(5)に触れることなしに該第2の当接部(8)と常磁性の材料で作られた該部材(3)とに接触するように、該第1及び該第2の当接部(5、8)が一緒に相手に対しより近づけられるステップと、
− それから該第1及び該第2の当接部(5、8)が相互に相手からより離れるように動かされ、定められた間隔が該部材(2、3)の間に生成され、強磁性の材料で作られた該部材(2)が該第2の当接部(8)に接触し、そして常磁性の材料で作られた該部材(3)が該第1の当接部(5)に接触するステップと、
− それから第1の電磁コイル(6)が、該部材(2、3)を相互に相手に対して投擲して強い衝撃を与えるように給電されるステップであって、該部材のうちの少なくとも一方の部材(3)によって獲得される運動エネルギーが、該衝撃が与えられた後に該部材(2、3)が一体に組み立てられた状態を維持するのに十分でなければならないような、第1の電磁コイル(6)が給電されるステップとを含むことを特徴とする、組立方法。
【請求項9】
常磁性の該材料(3)がアルミニウムであり、強磁性の該材料(2)が鋼であることを特徴とする、請求項8に記載の組立方法。
【請求項10】
該第1及び該第2の当接部(5、8)を相互に相手に対しより近づけた後に、そして該第1の電磁コイル(6)に給電する前に第2の電磁コイル(9)が給電されて、強磁性の材料で作られた該部材(2)が該第1及び該第2の当接部(5、8)の間に置かれるときに、強磁性の材料で作られた該部材(2)を該第2の当接部(8)に向けて引き付けるのに適した磁化手段(9)を形成することを特徴とする、請求項8又は9のいずれかに記載の組立方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−534284(P2008−534284A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503558(P2008−503558)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050266
【国際公開番号】WO2006/103367
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(503041797)ルノー・エス・アー・エス (286)
【Fターム(参考)】