説明

金属間結合したダイヤモンド複合体組成物及びこの組成物から物品を形成する方法

金属間結合したダイヤモンド複合体組成物及びその様な組成物を加工する方法が本発明により提供される。金属間結合したダイヤモンド複合体組成物は、好ましくは、ニッケルアルミナイド(NiAl)結合剤及びニッケルアルミナイド(NiAl)結合剤内に分散したダイヤモンド粒子を含む。更に、複合体組成物は、少なくとも約1,200℃の加工温度を有し、ダイヤモンド粒子がそのまま残り、高温方法によってグラファイトに転換したり、気化したりせずに加工される。又、高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を粉末化、加圧、及び焼結する工程を一般に含む複合体組成物の形成方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その開示全体が参照として本明細書に組み込まれる2005年4月1日出願の米国特許出願第60/667725号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、一般に耐摩耗性材料に関し、更に具体的に言えば、金属間結合した複合体組成物及びこの組成物から物品を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
耐摩耗性材料の分野においては、ダイヤモンドは、その硬度及び耐摩耗性により望ましい元素である。耐摩耗性のためにダイヤモンドを有する既知の組成物は、一般に、緻密性及び使用可能な強度を達成するために、比較的低い加工温度及び圧力を伴う樹脂又は延性金属結合剤を有する。加工温度は、加工中におけるダイヤモンドのグラファイト形成又は気化を防ぐために比較的低い。ダイヤモンドがグラファイトを形成すると、これらはその硬度を失い、従って、耐摩耗性を必要とする用途で使用することができない。
【0004】
石炭鉱業の分野においては、例えば、長年、従来のツールビットは、耐摩耗性において炭化タングステン(WC)を超え得る材料が未だ存在していないことから、一般に炭化物と呼ばれる、コバルト(Co)で結合されたWCから作製されている。操作中に、Co結合相の攻撃はツールビットの摩耗をもたらし、同時にWCビットは摩耗し、切削効率の低下を招き、更なる粉塵を発生し、その先端において熱を蓄積する。この熱は、取りも直さず、結合相についての攻撃を増加し、結果として、ツールビットは破壊するか切削ツールの本体から引き出される。
【0005】
更に、WCツールビットを製造するために使用されるタングステン鉱石の殆どは、カナダ、中国、及びロシア等の国々から輸出されている。同様に、コバルトも中国及び南アフリカ等の国々から輸出されている。従って、多くの国々は、その工業的必要性のためにタングステン及びコバルトの輸入に依存している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ツールの耐摩耗性及び鋭利性を改善するためにダイヤモンドを金属の中に埋め込むための試みがなされているが、これらの試みは、金属の加工中におけるダイヤモンドの乏しい耐酸化性及び乏しい熱安定性により成功していない。先に言及した通り、ダイヤモンドは、又、加工中にグラファイトを形成したり及び/又は気化したりする傾向があり、その結果、許容できない耐摩耗性を有する材料を作製することになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの好ましい形態において、本発明は、ニッケルアルミナイド(NiAl)結合剤及びニッケルアルミナイド(NiAl)結合剤内に分散したダイヤモンド粒子を含む、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物を提供する。この複合体組成物は、ダイヤモンド粒子がそのまま残り、加工中にグラファイトを形成したり、気化したりしない方法で、高温で加工される。
【0008】
その他の形態においては、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物は、耐酸化性、結合剤の強度、ダイヤモンドの保持、及び耐摩耗性を改善するための炭化チタン(TiC)を更に含む。なおその他の形態においては、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物は、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の延性を増加させるための、ホウ素(B)及びモリブデン(Mo)からなる群から選択される追加の合金元素を更に含む。
【0009】
また、本発明は、金属間結合したダイヤモンド複合体を形成する方法を含む。1つの方法は、金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を粉末化する工程と、金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を加圧して複合体物品を形成する工程と、金属間結合剤及びダイヤモンド粒子で形成された複合体物品を少なくとも約1,200℃の加工温度で焼結する工程とを含む。
【0010】
本発明の更なる形態は、ダイヤモンド粒子との組合せで、種々の合金元素を有する高温金属間結合剤を含む。これらの合金元素は、炭化セラミックと一緒に、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、チタン(Ti)を含む。延性に影響を及ぼすための追加の合金元素は、また、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、及びクロム(Cr)を含む本発明の種々の形態において与えられる。
【0011】
本発明の適用の更なる領域は、以降に用意される詳細な説明から明らかになる。本発明の好ましい実施形態を示す中での詳細な説明及び特定の実施例は、例示のみを目的とするものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、詳細な説明並びに添付の顕微鏡写真及び図面から更に十分に理解される。
【0013】
相当する参照符号は、図面の幾つかの図を通して相当する部分を示す。
【0014】
好ましい実施形態の以下の説明は、全くの単なる例示に過ぎず、決して本発明、その適用、又は使用を限定しようとするものではない。
【0015】
本発明は、一般に、高温金属間結合剤及びダイヤモンド(以降、ダイヤモンド粒子と称する)で作製された金属間結合したダイヤモンド複合体組成物を含む。高温金属間結合剤は、好ましくは、ニッケルアルミナイド(NiAl)であり、又、酸化を減少させるため、結合剤の強度、ダイヤモンドの保持、及び耐摩耗性のために炭化チタン(TiC)と、延性を増加するためにホウ素(B)及びモリブデン(Mo)のいずれか又は両方を含んでもよい。しかし、ニッケルアルミナイド(NiAl)は、高温結合剤としての炭化チタン(TiC)、ホウ素(B)又はモリブデン(Mo)の添加なしで、単独で優れた耐摩耗性を有する複合体組成物を形成した。ニッケルアルミナイド(NiAl)以外の又はそれに付加する高温金属間結合剤を形成する追加の合金元素は、又、以下で更に詳細に説明される本発明の教示により使用されてもよい。
【0016】
本発明の種々の形態による加工手法は、加工中におけるダイヤモンド粒子のグラファイト形成又は気化を防ぎながら比較的高温で行われる。その結果、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物は、優れた耐摩耗性を示す複合体物品を形成するために使用される。これらの方法は以下で更に詳細に説明される。
【0017】
図1を参照すると、種々のダイヤモンドサイズが本発明の教示により使用された。このサイズは、2〜10μm(上の左)、10〜15μm(上の右)、35〜40μm(下の左)、20〜25μm(下の右)の範囲から、限定されるものではない80〜100μm及び120〜140μm(示されない)までの及びそれを含むサイズの範囲であった。一般に、より大きなダイヤモンドサイズは、より小さなダイヤモンドサイズが、以下で更に詳細に説明されるある種の加工方法に耐える能力を減少することが証明されていることから、好ましい。
【0018】
図2を参照すると、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の加工方法が流れ図で例示される。一般に、高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子は均質混合物を形成するために粉末化される。次いで、均質混合物は、所望の形状で又は所望の用途、例えば、ツールビットのための基体上のコーティング形状で複合体物品を形成するために加圧される。次いで、加圧された複合体物品は、連続焼結、真空焼結、真空−加圧焼結、ホットプレス成形、及び熱間等静圧圧縮成形等であってこれらに限定されない方法により焼結される。この方法は、更なる加工工程のための更なる実施形態と共に、次に更に詳細に説明される。
【0019】
粉末化
高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子は、初めに、好ましくは、湿潤ボールミル操作で粉末化される。好ましくは、湿潤粉末化のために使用される流体はイソプロピルアルコールであるが、その他の流体も、本発明の範囲内にある限り使用されてもよい。高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子は容器に置かれ、本発明の1つの形態で約2時間粉末化される。粉末化操作の後、高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子は粉末を形成し、これは次いで、全ての流体が除去されるまで、好ましくは真空オーブンで乾燥される。本発明の教示による方法の1つの形態において、容器は、30分毎に周期的に閉鎖され、振盪され、次いで、乾燥機に戻される。流体が除去された後、高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子は、好ましくは、得られた粉末を解凝集するために一定時間再度粉末化される。
【0020】
粉末化操作の後、粉末は、高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子の自由流動粉末混合物を得るために、メッシュ篩、例えば、40メッシュに通される。次いで、混合物は所望の形状で複合体物品を形成するために加圧されるか、所望の最終使用又は用途のために基体上にコーティングとして加工される。
【0021】
焼結
次いで、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物から形成された複合体物品は、焼結方法により更に処理される。焼結方法としては、1つ又は複数の種々の焼結方法、例えば、無加圧若しくは連続焼結、真空焼結、真空−加圧焼結、ホットプレス成形、又は熱間等静圧圧縮成形等が挙げられてもよい。これらの焼結方法は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。その他の焼結方法も、本発明の教示の内に残す中で使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0022】
無加圧又は連続焼結方法では、複合体物品は、ぴったりとした蓋を有するグラファイトボートに置かれる。更に、置き板、好ましくは、グラファイトとの反応を防ぐために窒化ホウ素(BN)で被覆された置き板が、各ボートの底を保護するために使用される。好ましくは、複合体物品を含まないボート、又は「ダミー」ボートは、良好な熱平衡のために複合体物品を含む各ボートの前後に置かれる。
【0023】
1つの形態においては、ボートは、これらが加熱帯の中心に来て、次いで停止するまで連続焼結方法の炉中にある速度のベルトで運ばれる。ボートはある時間加熱され、その後炉の温度を上昇させ、ボートは更にある時間保持される。この第2の保持期間後に、ベルトは再び動き出し、ボートは、焼結方法を完了するためにある速度で運ばれる。1つの形態においては、ボートは、凡そ2,192°F(1,200℃)の加熱帯の中に毎分約1.5インチ(3.81cm)の速度で運ばれる。相当する保持期間は約1時間であり、炉の温度は約2,552°F(1,400℃)まで上げられる。次いで、ボートは約1時間の間保持され、その後ベルトは再び動き出し、複合体物品の加工を完了するために毎分約1.5インチ(3.81cm)の速度で移動される。
【0024】
代替の真空/加圧焼結方法では、複合体物品を含む同様のグラファイトボートが大きな管状炉の中心に置かれる。炉を、好ましくはアルゴン(Ar)でパージした後、温度は、真空下で、所与の速度で室温から第1の温度まで上昇される。この第1の温度で、炉は再度パージされ、温度は再びある時間第2の温度まで上昇される。温度は再度第3の温度まで上昇され、圧力が所与の水準まで上昇され、ある時間保持される。次いで、炉の出力が止められ、グラファイトボート及びその中に含まれる複合体物品は室温まで冷却される。
【0025】
1つの形態においては、炉は、初めに3サイクル、Arでパージされ、第1の温度は、毎分約50°F(10℃)の速度で得られる約1,832°F(1,000℃)である。第2の温度は約2,192°F(1,200℃)であり、第1の保持時間は約1時間である。第3の温度は、約1時間の期間、約300psigのArの圧力を伴う約2,507°F(1,375℃)である。
【0026】
代替のホットプレス法では、ダイ及びパンチは、高密度グラファイトが摩耗傾向を示すが、好ましくは高密度グラファイトから形成される。複合体物品は、初めに予備荷重され、次いで、ホットプレスは、多数サイクル、好ましくはArを使用してパージされる。次いで、真空が適用され、ある時間保持され、その後温度は第1の水準まで上昇され、ある時間安定化され、次いで、第2の温度まで上昇される。次いで、圧力は増加され、温度は再び第3の水準まで増加され、荷重は所与の水準まで増加される。温度はこの第3の水準である時間保持され、温度は、所定の範囲又は最大温度が達成されるまで圧力と共に更に増加される。
【0027】
1つの形態においては、予備荷重は約500ポンド(約225kg)であり、ホットプレスは3サイクルパージされる。真空は約8〜12時間保持され、第1の温度は約932°F(500℃)である。第2の温度は約1,832°F(1,000℃)であり、約1,500ポンド(約675kg)の荷重下で約5psiのArの圧力及び約2,192°F(1,200℃)の第3の温度が続く。第3の温度は約1時間保持され、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物により変動する最大又は最高温度は、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物が約1,500ポンド(約675kg)の荷重でホットプレスダイの押圧を受けるほんの少し下の温度として確立される。
【0028】
一般に、ホットプレス方法は、この方法の圧力が液状の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物を多孔性の複合体組成物の細孔に押圧し、閉じ込められたガスを押し潰すので高密度緻密体を生成する。更に、本明細書に記載されている焼結方法のための好ましい加工温度は、約2,192°F(1,200℃)〜約2,912°F(1,600℃)で、約15分〜約2時間以上の時間である。
【0029】
図3及び4を参照すると、加工後の高温金属間結合剤におけるダイヤモンドの存在が示される。図3は、1,400℃での連続焼結による金属間結合したダイヤモンド(IBD)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。図4は、加工後にダイヤモンドが如何に良く分散され、面取りされるかを示している、金属間結合したダイヤモンド配合物のホットプレス面のSEM像を示す。暗い相であるダイヤモンドは良く保存され、良く面取りされ、加工中にグラファイトに転換されず、気化もしていない。これらの顕微鏡写真は、任意の追加の合金元素なしの高温金属間結合剤としてのニッケルアルミナイド(NiAl)のみを有する金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の写真であり、従って、この金属間結合剤が、ダイヤモンドをグラファイト化及び気化から単独で保護することを証明している。
【0030】
高温金属間結合剤のための配合物は、好ましくは、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の特性を改善するために、本発明のその他の形態における追加の合金元素を伴うニッケルアルミナイド(NiAl)である。例えば、炭化チタン(TiC)は、複合体組成物の酸化を減少させ、結合剤の強度を改善し、ダイヤモンド保持を改善し、耐摩耗性を増加するために添加される。更に、ホウ素(B)及び/又モリブデン(Mo)は、複合体組成物の延性を改善するために添加される。その他の元素、例えば、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、又はクロム(Cr)等は、又、本発明の教示による複合体組成物の延性を改善するために使用されてもよい。
【0031】
或いは、高温金属間結合剤は、本発明の範囲内に残す中で、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、及びチタン(Ti)の組合せを含んでもよい。更に、高温金属間結合剤は、又、炭化セラミック、例えば、炭化チタン(TiC)、炭化ケイ素(SiC)、炭化タングステン(WC)、又は炭化ホウ素(BC)等を含んでもよい。
【0032】
本発明の原理により、高温加工中のダイヤモンドの保護に対する少なくとも1つのメカニズムは、ダイヤモンド粒子と高温金属間結合剤の熱膨張係数(CTE)の比較的接近した近接性、又は大きな差であることが確定された。例えば、ダイヤモンド粒子のCTEは、約1.0x10−6/℃であり、NiAlの高温金属間結合剤のCTEは、約14.0x10−6/℃である。これらのCTE値における大きな差は、ダイヤモンド粒子の周りを取り囲んでいる金属間結合剤の収縮をもたらし、従って、発生する圧縮応力によりダイヤモンドを物理的に締め付ける。これらの締め付け応力は、ダイヤモンドをグラファイトへの転換から守るためにダイヤモンド粒子に十分な応力を加えるものと考えられる。従って、ダイヤモンド粒子のCTEと比較してCTEにおいて比較的大きな差を有するその他の材料も、本発明の教示による結合剤として使用されてもよい。
【0033】
ダイヤモンドの容量は、高い値が、高温金属結合剤及び特定の最終使用又は用途によって使用されてもよいが、一般には約0.5容量%〜約80容量%である。ダイヤモンド粒子のサイズは、同様に高温金属間結合剤及び特定の用途によって、約1ミクロン〜約700ミクロンまで又はそれ以上の範囲である。
【0034】
その様な金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の用途は多数あり、例えば、石炭鉱業ツール、削岩用ビット、削岩用カッター、石工用カッター及びドリル、切削ツール、耐摩耗部品、回転カッター、工業ドリル、連続採鉱機、パーティクルボードカッター、セラミックタイルカッター及びルーター、並びに高熱伝導プラテン及び型材が挙げられる。これらの用途は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではないことを理解されるはずである。
【0035】
現在までに行われたテストでは、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物は、従来の炭化タングステン(WC)の耐摩耗性の800倍まで耐摩耗性を改善することを示した。以下の表Iは、炭化タングステン(WC)と比較した金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の種々の配合物を伴う、粉砕及びダイヤモンド切断ホイールテストの両方を含む、その様なテストの結果を示す。
【0036】
【表1】

【0037】
標準の金属組織学的手法を使用して複合体物品を研磨することを含む更なるテストは、極端に高い耐摩耗性を示した。1組のテストにおいては、新たな250μmダイヤモンド研磨ホイールに対する30時間の研磨後に、1%未満の摩耗が観察された。これらのテスト結果は、全くの例示であって、従来の炭化タングステン(WC)対する金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の改善された耐摩耗性を証明するものであり、決して本発明の範囲を限定しようとするものではないことが理解されるべきである。
【0038】
本発明の説明は全くの単なる例示であって、従って、本発明の本質から逸脱しない形は、本発明の範囲内にあることが意図される。その様な変形は、本発明の精神及び範囲から逸脱するものとはみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の教示による種々のサイズのダイヤモンド粒子を示す、倍率を増した一連の顕微鏡写真の図である。
【図2】本発明の教示による金属間結合したダイヤモンド複合体組成物の加工方法を示す、プロセスの流れ図である。
【図3】本発明の教示による、高温加工後の金属間複合体結合剤内のダイヤモンド粒子を示す、倍率を増した一連の顕微鏡写真の図である。
【図4】本発明の教示による、高温加工後の金属間複合体結合剤内の、面取りしたダイヤモンド粒子を示す、倍率を増した一連の顕微鏡写真の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケルアルミナイド(NiAl)結合剤及び前記ニッケルアルミナイド(NiAl)結合剤内に分散したダイヤモンド粒子を含む、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項2】
ダイヤモンド粒子が、組成物の約33重量%〜約35重量%を構成する、請求項1に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項3】
ダイヤモンド粒子が、組成物の約20重量%〜約70重量%を構成する、請求項1に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項4】
ダイヤモンド粒子が約1〜約140ミクロンのサイズである、請求項1に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項5】
炭化チタン(TiC)を更に含む、請求項1に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項6】
ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、又はクロム(Cr)からなる群から選択される追加の合金元素を更に含む、請求項1に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項7】
高温金属間結合剤及び前記高温金属間結合剤内に分散したダイヤモンド粒子を含み、前記高温金属間結合剤が、少なくとも約1,200℃の加工温度を有する合金を含む、金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項8】
高温金属間結合剤合金が、ニッケルアルミナイド(NiAl)、ニッケルアルミナイド(NiAl)とTiC(炭化チタン)、ニッケルアルミナイド(NiAl)とホウ素(B)、ニッケルアルミナイド(NiAl)とモリブデン(Mo)、ニッケルアルミナイド(NiAl)、ホウ素(B)、とモリブデン(Mo)、及びニッケルアルミナイド(NiAl)、ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、と炭化チタン(TiC)からなる群から選択される、請求項7に記載の金属間結合した複合体組成物。
【請求項9】
高温金属間結合剤合金が、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、及びチタン(Ti)からなる群から選択される、請求項7に記載の金属間結合した複合体組成物。
【請求項10】
高温金属間結合剤合金が、炭化セラミックを更に含む、請求項9に記載の金属間結合した複合体組成物。
【請求項11】
炭化セラミックが、炭化チタン(TiC)、炭化ケイ素(SiC)、炭化タングステン(WC)、及び炭化ホウ素(BC)からなる群から選択される、請求項10に記載の金属間結合した複合体組成物。
【請求項12】
ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、及びクロム(Cr)からなる群から選択される追加の合金元素を更に含む、請求項7に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項13】
ダイヤモンド粒子が、組成物の約20重量%〜約70重量%を構成する、請求項7に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項14】
ダイヤモンド粒子が約1〜約140ミクロンのサイズである、請求項7に記載の金属間結合したダイヤモンド複合体組成物。
【請求項15】
高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を含む金属間結合したダイヤモンド複合体であって、前記高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を粉末化する工程と、前記高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を加圧する工程と、前記高温金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を焼結して前記金属間結合したダイヤモンド複合体を形成する工程と
の方法により形成され、前記高温金属間結合剤が、少なくとも約1,200℃の加工温度を有する合金を含む複合体。
【請求項16】
結合剤内に配置されたダイヤモンド粒子を含み、前記ダイヤモンド粒子及び前記結合剤が、それぞれ熱膨張係数を定め、前記ダイヤモンド粒子の熱膨張係数と前記結合剤の熱膨張係数との差が相対的に大きい、金属間結合したダイヤモンド複合体。
【請求項17】
(a)金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を粉末化する工程と、
(b)前記金属間結合剤及び前記ダイヤモンド粒子を加圧する工程と、
(c)前記金属間結合剤及び前記ダイヤモンド粒子を、少なくとも約1,200℃の加工温度で焼結する工程と、
を含む、金属間結合したダイヤモンド複合体の形成方法。
【請求項18】
粉末化工程が溶剤における湿潤粉末化を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(b)の加圧前に、粉末化された金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を乾燥する工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程(b)の加圧前に、メッシュにより粉末化された金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を篩分する工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
金属間結合剤及びダイヤモンド粒子を焼結する工程が、連続焼結、真空焼結、真空−加圧焼結、ホットプレス法、及び熱間等静圧圧縮成形からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
金属間結合剤が、ニッケルアルミナイド(NiAl)、ニッケルアルミナイド(NiAl)とTiC(炭化チタン)、ニッケルアルミナイド(NiAl)とホウ素(B)、ニッケルアルミナイド(NiAl)とモリブデン(Mo)、ニッケルアルミナイド(NiAl)、ホウ素(B)、とモリブデン(Mo)、及びニッケルアルミナイド(NiAl)、ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、と炭化チタン(TiC)からなる群から選択される合金である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
ダイヤモンド粒子が、組成物の約20重量%〜約70重量%を構成する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
ダイヤモンド粒子が約1〜約140ミクロンのサイズの範囲である、請求項17に記載の金属間方法。
【請求項25】
ダイヤモンド粒子を含む金属間複合体組成物であって、少なくとも約1,200℃の温度を有する高温方法により、前記ダイヤモンド粒子がそのまま残り、前記高温方法によりグラファイトに転換したり、気化したりせずに形成される金属間複合体組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−538228(P2008−538228A)
【公表日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504207(P2008−504207)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010987
【国際公開番号】WO2006/107628
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507326216)ボード オブ トラスティーズ オブ サウザン イリノイ ユニバーシティー (1)
【Fターム(参考)】