説明

金網フェンス

【課題】本発明は金網柵に近づき難く、かつ飛び越え難く、又柵の下部潜行侵入を防止する金網フェンスを得ることを目的とする。
【解決手段】並列縦線1,1’と並列横線2,2’とを交互に交差緩着3,3’させて本柵4を形成し、本柵4の下部4’に、上記並列縦線1,1’に対応する短縦線1”と交差緩着3,3’させた並列横線2,2’とよりなる裾柵5を配置し、裾柵5の基部横線2aを上記本柵4の下部に昇降回動自在に遊支し、該遊支部の下方に上記本柵4の下端部4’を延長してなる金網フェンス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は猪などの動物の進入を防衛する金網フェンスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の縦線と横線とを交互に前後に波形屈曲部相互又は直線部と波形屈曲部とを交差させ、縦線の上下端を上下に延長し、延長下端を地面に埋設して動物の地面下潜行進入及び延長上端により上端飛び越え進入を防止した(例えば特許文献1、2)。
【0003】
しかし延長下端を埋設しても、上端を飛び越える猪などの動物の進入を防止し難いという問題があった。
【特許文献1】特開2002−81231号公報
【特許文献2】登録意匠1253933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は金網柵に近づき難く、かつ飛び越え難く、又柵の下部潜行進入を防止する金網フェンスを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に並列縦線と並列横線とを交互に交差緩着させて本柵を形成し、本柵の下部に、上記並列縦線に対応する短縦線と交差緩着させた並列横線とよりなる裾柵を配置し、裾柵の基部横線を上記本柵の下部に昇降回動自在に遊支し、該遊支部の下方に上記本柵の下端部を延長してなる金網フェンス、
第2に上記緩着が、上記縦線と上記横線との交差部に形成した互に対向する波形屈曲部を係合させてなる上記第1発明記載の金網フェンス、
第3に上記緩着が、上記縦線と上記横線との交差部に形成した直線部と波形屈曲部とを係合させてなる上記第1発明記載の金網フェンス、
第4に上記第2発明記載の緩着と、第3発明記載の緩着とを縦方向及び又は横方向に交互に形成した上記第1発明記載の金網フェンス、
によって構成される。
【0006】
従って猪などの動物が上記フェンスに近づくと裾柵が手前地面に向って下向に傾斜し、裾柵の手前縁が地面に接地しているため猪のような蹄動物は短縦線間に蹄が進入するおそれがあって近寄ることができず、上記フェンスを飛び越えることができない。
【0007】
又上記裾柵を上記遊支部の上方に押し上げて地面と裾柵との間に進入しても上記フェンスの下端部に阻止されてフェンス内に進入することができない。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述のように構成したので、猪などの動物は上記本柵に近づくことができず、本柵を飛び越えることができないし、裾柵の下に潜っても本柵の下端部に阻止されて本柵を潜って進入することができないという効果がある。
【0009】
又縦横線は交差緩着し、そのため本柵と裾柵とは菱形に傾倒又は変形し得て傾斜地面において縦線を直立し得る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
両端部を小間隔tに中間部を比較的大間隔Tに等長の鋼製縦線1,1’を並列し、3条1組の等長の鋼製横線2,2’を複数組並列する。
【0011】
上記並列縦線1,1’と並列横線2,2’とは交差緩着3,3’させて本柵4を形成し、本柵4の下部に手前に向って裾柵5を横向コイル6等によって遊支する。
【0012】
裾柵5は上記並列縦線1,1’と対応する複数の短縦線1”,1”と、これに交差緩着3,3’させた並列横線2,2’とによって形成され、
【0013】
裾柵5の基部横線2aと上記本柵4の下部横線2”とを上記横向コイル6又はリング或はフック等内に配置して該裾柵5を横向コイル6等の上下に昇降回動自在に遊支し(図2(イ)(ロ)図)、
【0014】
該コイル6による遊支部の下方に上記本柵4の下端部4’を延長し、延長端を地面7に支持して図1、図2(イ)(ロ)図に示す金網フェンスHを形成する。
【0015】
上記緩着部3,3’は上記縦線1,1’と上記横線2,2’とのそれぞれの交差部に形成され、図3に示すように互に対向する波形屈曲部7,7’を係合させてなるものであり、
【0016】
又、上記縦線1,1’と上記横線2,2’とのそれぞれの交差部に形成した直線部8と波形屈曲部7又は7’とを係合させてなり、
【0017】
或は上記対向波形屈曲部7,7’の係合緩着3と、直線部8と波形屈曲部7’との係合緩着3’とを縦方向及び横方向に交互に形成することができる(図3にその状態を示す)。
【0018】
図5に示すように隣接本柵4,4の両側縦線1,1を縦コイル6’で遊支して本柵4及び裾柵5を横方向に並列することが可能である。
【0019】
上記本柵4を地面9に直立させると裾柵5は図1、図2(イ)図に示すように前方に傾斜して先端が地面に接する。
【0020】
この状態では猪などの有蹄動物は裾柵5を踏むことができないため、本柵4に近寄ることができないから本柵4を飛び越えることはできない。
【0021】
図2(ロ)図に示すように頭部で横コイル6による遊支部の上方に裾柵5を持上げて裾柵5の下に進入したとしても本柵4の下端部4’に阻止されて本柵4を潜ることはできない。
【産業上の利用可能性】
【0022】
傾斜地面9では図1仮想線で示すように並列縦線1,1’を傾けることによって該縦線1,1’を直立させて使用することができる。その際交差緩着部3,3’では縦横線1,2又は1’,2’が互に斜交するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の金網フェンスを示す斜視図である。
【図2】(イ)(ロ)図は金網フェンスの本柵及び裾柵を示す側面図である。
【図3】図1の一部拡大斜視図である。
【図4】(イ)図は図1の一部平面図、(ロ)図は本柵の下端隅部及び裾柵の一部正面図、(ハ)図は(ロ)図を右方から見た側面図である。
【図5】図1の横方向接続斜視図である。
【図6】図5の分解図であって(イ)図は本柵の正面図、(ロ)図は横向コイルの正面図、(ハ)図は裾柵の正面図、(ニ)図は縦向コイルの正面図、(ホ)図は本柵の一部正面図である。
【符号の説明】
【0024】
1,1’ 並列縦線
1” 短縦線
2,2’ 並列横線
2” 下部横線
2a 基部横線
3,3’ 交差緩着部
4 本柵
4’ 下部
5 裾柵
6 横向コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列縦線と並列横線とを交互に交差緩着させて本柵を形成し、
本柵の下部に、上記並列縦線に対応する短縦線と交差緩着させた並列横線とよりなる裾柵を配置し、
裾柵の基部横線を上記本柵の下部に昇降回動自在に遊支し、
該遊支部の下方に上記本柵の下端部を延長してなる金網フェンス。
【請求項2】
上記緩着が、上記縦線と上記横線との交差部に形成した互に対向する波形屈曲部を係合させてなる請求項1記載の金網フェンス。
【請求項3】
上記緩着が、上記縦線と上記横線との交差部に形成した直線部と波形屈曲部とを係合させてなる請求項1記載の金網フェンス。
【請求項4】
請求項2記載の緩着と、請求項3記載の緩着とを縦方向及び又は横方向に交互に形成した請求項1記載の金網フェンス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−291699(P2007−291699A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119996(P2006−119996)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(594116334)筑豊金網工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】