説明

針一体型バイオセンサ装置

【課題】簡単な構造で採血量の増大を抑止できる針一体型バイオセンサカートリッジを得る。
【解決手段】 バイオセンサチップ7の表面に垂直な方向で画鋲形穿刺針27が駆動されて穿刺が行われる針一体型バイオセンサ装置61であって、一端側から画鋲形穿刺針27が進入し、他端側が試料採取口17となる穿刺針通路16を備えると共に、穿刺針通路16に連通し、バイオセンサチップ7が装着される装着室22を備えたセンサホルダ15と、センサホルダ15が着脱自在に装着される測定器本体63と、穿刺針通路16の一端側におけるセンサホルダ15に設けられ、画鋲形穿刺針27の穿刺駆動により装着室22内を負圧にする負圧発生機構32と、測定器本体63に設けられ、負圧発生機構32による負圧を解除可能な負圧解除機構41と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺採取した試料とバイオセンサチップに収容した試薬とを反応させて特定成分を検出する針一体型バイオセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バイオセンサチップとランセットを一体化したバイオセンサが開示されている(例えば特許文献1参照)。
図26(A)は特許文献1に記載されている従来のバイオセンサの斜視図、図26(B)はバイオセンサの分解斜視図である。
【0003】
図26に示すように、ランセット一体型のセンサ100は、チップ本体101、ランセット103、保護カバー105を有してなる。チップ本体101は、カバー101aと基板101bとを開閉可能に有しており、カバー101aの内面には内部空間102が形成されている。内部空間102は、ランセット103を移動可能に収納できる形状をしている。
【0004】
ランセット103の先端に設けられている針104は、ランセット103の移動に伴ってチップ本体101の内部空間102の前端部に形成されている開口部102aから出没可能となっている。
【0005】
内部空間101aの形状は、突起103aが位置する端部において、その幅がランセット103より若干狭くなるよう湾曲しており、互いの押圧力や摩擦力によってランセット103がチップ本体101に係止されるようになっている。
【0006】
保護カバー105は針104を挿嵌する管部105aを有しており、針104の移動に伴って管部105aもチップ本体101の内部に収納可能となっている。従って、使用前の状態では、保護カバー105を針104に被せて、針104を保護するとともに誤って使用者を傷付けないようにしている。なお、基板101bには、一対の電極端子106が設けられており、測定装置(図示省略)に電気的に接続できるようになっている。
【0007】
使用時には、保護カバー105を外して、ランセット103を押して針104をチップ本体101から突出させる。この状態で被検体を穿刺した後、針104をチップ本体101内部に収納し、チップ本体101の前端に設けられている開口部102aを穿刺口に近づけて、流出した血液を採取する。
【0008】
ところで、ランセット一体型のセンサ等による穿刺は、痛みを伴うことから、苦痛、負担を小さくすることが好ましい。一方で穿刺が不十分であると、所定の血液量を採取できず測定に失敗する場合がある。そこで、血液の採取を良好にして測定成功率を高めるために、ランセットで穿刺した後、ポンプ等の吸引手段を作動させて減圧し、穿刺孔から血液を吸い出す装置が提案された(例えば特許文献2,3参照)。
【0009】
これらの装置では、まず、ランセットを装置へ装填し、ランセット突出部に指先を押し当て、その開口を気密状態となるように封止する。次いで、開口から突出するランセットにより指先を穿刺した後、この状態で吸引手段を作動させ、穿刺孔から血液を吸い出し採取する。これにより、穿刺による苦痛、負担を小さくしながら、十分な血液が得られるようにして、血液の測定成功率を高めることを可能としていた。
【0010】
【特許文献1】WO02−056769号公報
【特許文献2】特願平10−183794号公報
【特許文献3】特願平10−330057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、吸引手段を用いた穿刺では、穿刺後にこの吸引手段を作動させて減圧し、血液を吸い出すことにより血液の採取を良好にし、測定成功率を高めるようになされるが、装置内全体を減圧するポンプを内蔵するため、装置構造が複雑となり、高価且つ大型となった。
また、穿刺後、或いは穿刺前後に渡ってこの減圧ポンプを作動させるため、操作が煩雑となり、測定を簡便に行えない問題もあった。
さらに、減圧ポンプにより装置内全体を減圧して吸引するため、採血量が増大するとともに、吸引状態が解除し難いと、血液採取部からの離脱が容易に行えず、採血量の増大が予想された。
【0012】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構造で採血量の増大を抑止できる針一体型バイオセンサ装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る上記目的は、バイオセンサチップの表面に垂直な方向で穿刺用器具が駆動されて穿刺が行われる針一体型バイオセンサ装置であって、
一端側から前記穿刺用器具が進入し、他端が試料採取口となる貫通穴を備えると共に、前記貫通穴に連通し、前記バイオセンサチップが装着される装着室を備えたセンサホルダと、
前記センサホルダが着脱自在に装着される測定器本体と、
前記貫通穴の一端側における前記センサホルダに設けられ、前記穿刺用器具の穿刺駆動により前記装着室内を負圧にする負圧発生機構と、
前記測定器本体に設けられ、前記負圧発生機構による負圧を解除可能な負圧解除機構と、
を備えたことを特徴とする針一体型バイオセンサ装置により達成される。
【0014】
上記構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、穿刺用器具が駆動されて穿刺が行われると、負圧発生機構によりセンサホルダの装着室内が負圧になる。そこで、この負圧が試料採取口を介して被検体の穿刺口に作用し、流出した試料が試料採取口へと吸引される。
そして、必要採取量に達した後、負圧解除機構により装着室内の負圧が解除されると、試料採取口への吸引も解除され、被検体からのセンサホルダの離脱が容易に行える。
また、負圧解除機構が測定器本体に設けられ、センサホルダには通気口のみを設ければ良いので、センサホルダの構造を簡略化できる。
【0015】
尚、上記構成の針一体型バイオセンサ装置において、前記負圧発生機構は、
前記貫通穴の一端側における前記センサホルダに基端開口が取り付けられ、前記穿刺用器具の穿刺方向に伸縮自在な蛇腹部材と、
前記蛇腹部材の先端開口に取り付けられ、前記穿刺用器具を前記蛇腹部材の内部に保持する穿刺駆動受け部と、
前記蛇腹部材を伸張方向に付勢する弾性付勢部材と、
前記センサホルダの通気口を塞いで前記装着室の負圧による外気流入を阻止する一方、前記装着室の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁と、
を備えることが望ましい。
【0016】
このような構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、負圧発生機構は、蛇腹部材と穿刺駆動受け部によって気密構造が形成される。穿刺駆動手段により穿刺駆動受け部が穿刺方向へ駆動されて蛇腹部材が圧縮される際、装着室は正圧になるが、逆流防止弁が開いて内部空気流出を可能とするので、蛇腹部材は容易に収縮することができる。そして、穿刺駆動手段による駆動力が解除されると、弾性付勢部材が蛇腹部材を伸張方向に付勢するが、逆流防止弁が通気口を塞いで装着室への外気流入を阻止することにより、センサホルダの装着室内を簡単な構造で負圧にできる。
【0017】
また、上記構成の針一体型バイオセンサ装置において、前記負圧発生機構は、
前記貫通穴の一端側を覆うように前記センサホルダに取り付けられ、伸縮可能な弾性フィルムと、
前記弾性フィルムの内方で前記穿刺用器具を保持する穿刺駆動受け部と、
前記穿刺用器具を穿刺方向に案内する移動ガイド部と、
前記センサホルダの通気口を塞いで前記装着室の負圧による外気流入を阻止する一方、前記装着室の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁と、
を備えることが望ましい。
【0018】
このような構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、負圧発生機構は、弾性フィルムによって気密構造が形成される。穿刺駆動手段により穿刺駆動受け部が穿刺方向へ駆動されると、弾性フィルムを伸ばしながら穿刺駆動受け部が穿刺方向へ移動することにより、装着室は正圧になるが、逆流防止弁が開いて内部空気流出を可能とするので、穿刺駆動受け部は容易に移動することができる。そして、穿刺駆動手段による駆動力が解除されると、弾性フィルムの復元力により穿刺駆動受け部を穿刺方向と反対方向に付勢するが、逆流防止弁が通気口を塞いで装着室への外気流入を阻止することにより、センサホルダの装着室内を簡単な構造で負圧にできる。
【0019】
また、上記構成の針一体型バイオセンサ装置において、前記負圧発生機構は、
前記貫通穴の一端側における前記センサホルダに開口端が取り付けられ、前記穿刺用器具の穿刺方向に伸縮自在な有底蛇腹部材と、
前記有底蛇腹部材の底部を伸張方向に付勢する弾性付勢部材と、
前記センサホルダの通気口を塞いで前記装着室の負圧による外気流入を阻止する一方、前記装着室の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁と、
を備えることが望ましい。
【0020】
このような構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、負圧発生機構は、有底蛇腹部材によって気密構造が形成される。穿刺駆動手段により有底蛇腹部材の底部が穿刺方向へ駆動されて有底蛇腹部材が圧縮される際、装着室は正圧になるが、逆流防止弁が開いて内部空気流出を可能とするので、有底蛇腹部材は容易に収縮することができる。そして、穿刺駆動手段による駆動力が解除されると、弾性付勢部材が有底蛇腹部材の底部を伸張方向に付勢するが、逆流防止弁が通気口を塞いで装着室への外気流入を阻止することにより、センサホルダの装着室内を簡単な構造で負圧にできる。
【0021】
また、上記構成の針一体型バイオセンサ装置において、前記負圧解除機構が、前記バイオセンサチップの装着方向に対し垂直な方向に前記逆流防止弁を変位させて前記通気口を開閉することができる弁開放機構を備えることが望ましい。
【0022】
このような構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、測定器本体に設けられた負圧解除機構の弁開放機構が、測定器本体に着脱自在とされたセンサホルダの通気口に対して簡単な構造で容易に係合することができ、逆流防止弁を確実に変位させることができる。
【0023】
また、上記構成の針一体型バイオセンサ装置において、前記試料採取口に、密着用ゲルが設けられることが望ましい。
このような構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、試料採取口の被検体に対する密着性を高めることができ、空気が漏れにくくなり、負圧を確実に穿刺口に作用させることが可能となる。また、被検体の広い範囲を吸引できる。
【0024】
また、上記構成の針一体型バイオセンサ装置において、
前記バイオセンサチップが、
スペーサ層を挟装して対向する2枚の電気絶縁性の基板と、
少なくとも一方の前記基板におけるスペーサ層側の表面に設けられた複数の検知用電極と、
2枚の前記基板間における前記検知用電極の対向部分に形成された中空反応部と、
前記中空反応部に連通して開口され前記穿刺用器具が貫通する試料導入口と、
前記中空反応部における前記検知用電極の近傍に設けられた試薬と、
を備えることが望ましい。
【0025】
このような構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、穿刺用器具が駆動されて被検体を穿刺した後、流出した試料が試料採取口から吸引されると、センサホルダに装着されたバイオセンサチップの試料導入口に、試料が毛管現象によって進入する。試料導入口に進入した試料が試薬に接触すると、試薬が試料によって溶解され、酵素反応が開始される。酵素反応が開始される結果、電子伝達体が蓄積され、一定時間蓄積された電子伝達体は、電気化学反応により、酸化される。従って、穿刺用器具の駆動動作で、穿刺、試料吸引、吸引試料の電気化学反応までが可能となる。
【0026】
また、上記構成の針一体型バイオセンサ装置において、前記バイオセンサチップが、
スペーサ層を挟装して対向する2枚の電気絶縁性の基板と、
少なくとも一方の前記基板におけるスペーサ層側の表面に設けられた複数の検知用電極と、
2枚の前記基板間における前記検知用電極の対向部分に形成された中空反応部と、
前記中空反応部の先端側に開口されて近傍を前記穿刺用器具が通過する試料導入口と、
前記中空反応部における前記検知用電極の近傍に設けられた試薬と、
を備えることが望ましい。
【0027】
このような構成の針一体型バイオセンサ装置によれば、穿刺用器具が駆動されて被検体を穿刺した後、流出した試料が試料採取口から吸引されると、センサホルダに装着されたバイオセンサチップの試料導入口に、試料が毛管現象によって進入する。試料導入口に進入した試料が試薬に接触すると、試薬が試料によって溶解され、酵素反応が開始される。酵素反応が開始される結果、電子伝達体が蓄積され、一定時間蓄積された電子伝達体は、電気化学反応により、酸化される。更に、穿刺用器具は、バイオセンサチップの先端側に開口された試料導入口近傍を通過すれば良いので、高い部品精度及び組立精度を必要とせず、製造コストを低減できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る針一体型バイオセンサ装置によれば、穿刺用器具が駆動されて穿刺が行われると、負圧発生機構によりセンサホルダの装着室内が負圧になるので、この負圧が試料採取口を介して被検体の穿刺口に作用する。そこで、流出した試料が試料採取口へと吸引される。
そして、必要採取量に達した後、負圧解除機構により装着室内の負圧が解除されると、試料採取口への吸引も解除される。
従って、被検体からのセンサホルダの離脱が容易に行え、簡単な構造で採取量の増大を抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る針一体型バイオセンサ装置の好適な実施形態を図面を参照して説明する。
なお、今回開示される各実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、下記する意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0030】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図、図2は図1に示した針一体型バイオセンサ装置におけるバイオセンサカートリッジの要部斜視図、図3は図2に示したバイオセンサカートリッジの分解斜視図である。
本第1実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置61は、図1乃至図3に示すように、板状に形成されたバイオセンサチップ7の表面に垂直な方向で穿刺用器具である画鋲形穿刺針27が駆動されて穿刺が行われる。
【0031】
針一体型バイオセンサ装置61は、一端側から画鋲形穿刺針27が進入し、他端が試料採取口17となる貫通穴としての穿刺針通路16を備えると共に、穿刺針通路16に連通し、バイオセンサチップ7が装着される装着室22を備えたセンサホルダ15と、センサホルダ15が着脱自在に装着される測定器本体63と、穿刺針通路16の一端側におけるセンサホルダ15に設けられ、画鋲形穿刺針27の穿刺駆動により装着室22内を負圧にする負圧発生機構32と、測定器本体63に設けられ、負圧発生機構32による負圧を解除可能な負圧解除機構41と、を備える。
尚、本実施形態の針一体型バイオセンサ装置61は、画鋲形穿刺針27を備えた負圧発生機構32を一体的に形成されたセンサホルダ15が、穿刺駆動手段38及び測定装置(図示せず)等を備えた測定器本体63に着脱自在に装着されるバイオセンサカートリッジ33として構成されている。
【0032】
図2に示すように、本実施形態のバイオセンサカートリッジ33は、センサホルダ15のバイオセンサ挿入部21にバイオセンサチップ7を装着した状態で、測定器本体63に装着して使用される。
センサホルダ15の上部には、画鋲形穿刺針27及び負圧発生機構32が設けられている。
負圧発生機構32は、穿刺針通路16の一端側(図中上端側)におけるセンサホルダ15に基端開口が取り付けられ、画鋲形穿刺針27の穿刺方向に伸縮自在な蛇腹部材29と、蛇腹部材29の先端開口に取り付けられ、画鋲形穿刺針27を蛇腹部材29の内部に保持する穿刺駆動受け部34と、蛇腹部材29を伸張方向に付勢する圧縮コイルバネ(弾性付勢部材)28と、センサホルダ15の通気口25を塞いで装着室22の負圧による外気流入を阻止する一方、装着室22の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁42と、を備える。
【0033】
画鋲形穿刺針27は、図3に示すように、穿刺駆動受け部34を構成するネジ式キャップ26の下面に、接着剤層3によって垂下して固定されている。
蛇腹部材29は、内部に圧縮コイルバネ28と画鋲形穿刺針27を同軸に収容した状態で、基端開口のネジ部31がセンサホルダ15のネジ部30にネジ固定され、先端開口のネジ部31にネジ式キャップ26がネジ固定される。
【0034】
図4は図2に示したバイオセンサチップの分解平面図、図5はバイオセンサチップの平面視を(A)、そのC−C断面を(B)、D−D断面を(C)に表したセンサ構造図である。
バイオセンサチップ7は、図4及び図5に示すように、対向する2枚の電気絶縁性の基板1,5と、これらの間に設けられるスペーサ層2とを有している。スペーサ層2は、接着剤層3とレジスト層4とからなる。
【0035】
基板1のスペーサ層2側の表面には、検知用電極6が設けられており、先端部(図4において上端部)は互いに対向する方向へL字状に曲げられて、所定間隔を保持している。バイオセンサチップ7の後端部7aにおいては、基板1が基板5及びスペーサ層2よりも延出しており、検知用電極6が端子8となって基板1上に露出している。
【0036】
検知用電極6は、作用極と対極で形成される2極法または作用極と対極、参照極で形成される3極法、あるいはそれ以上の極数の電極法であってもよい。ここで、3極法を採用すると、測定対象物質の電気化学測定の他に、導入される採血の移動速度の計測ができ、これによりヘマトクリット値が測定できる。また、2組以上の電極系で構成されていても良い。
【0037】
バイオセンサチップ7の先端から、2つの検知用電極6が対向している部分にかけて、基板1,5及びスペーサ層2により中空反応部14が形成されている。中空反応部14の先端は、試料導入口11となってバイオセンサチップ7の先端面に開口する。
スペーサ層2は、接着剤層3と、レジスト層4とを積層してなる。接着剤層3は、スクリーン印刷法により形成することができ、例えばアクリル樹脂系接着剤などが用いられ、約5〜500μmm、好ましくは約10〜100μmの厚さで形成される。接着剤層3はスペーサとしても作用する。また、接着剤層3中に試薬を含有させてもよい。
【0038】
そして、基板1,5の先端側に開口された試料導入口11の近傍を画鋲形穿刺針27が通過する。基板5の先端には、画鋲形穿刺針27に近接してバイオセンサ突起部10が突設されており、このバイオセンサ突起部10は試料を試料導入口11から中空反応部14へと導入するための毛管現象を促進させる。
更に、画鋲形穿刺針27は、バイオセンサチップ7の先端側に開口された試料導入口11の近傍を通過すれば良いので、本実施形態のバイオセンサカートリッジ33は高い部品精度及び組立精度を必要とせず、製造コストを低減できる。
【0039】
中空反応部14においては、検知用電極6は露出しており、中空反応部14における検知用電極6の直上或いは近傍に、例えば酵素とメディエータを固定化し血液中のグルコースと反応して電流を発生する不図示の試薬が設けられている。
従って、中空反応部14は、試料導入口11から採取された例えば血液等の試料が、試薬と生化学反応する部分となる。試料導入口11の周辺及び中空反応部14に界面活性剤、脂質を塗布することもできる。界面活性剤や脂質を塗布することにより、試料の移動を円滑にさせることが可能となる。
【0040】
なお、本実施形態では、試料導入口11がバイオセンサチップ7の先端面に、スペーサ層2を除去することにより形成されるが、試料導入口11は、後述の他の実施形態でも説明するように、閉じた穿孔として基板1,5に形成されるものであってもよい。また、接着剤層3及びレジスト層4は、図4に示すように、先端部と後端部とに分断され、この分断部分によって図5に示す空気排出口13を形成する。
【0041】
試薬としては、例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)やグリコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、コレステロールオキシダーゼ、ウリガーゼ等の酵素と、フェリシアン化カリウム、フェロセン、ベンゾキノン等の電子受容体が挙げられる。また、被検体の採血負担を考慮すると、中空反応部14の容積は1μL(マイクロリットル)以下が好ましく、特に300nL(ナノリットル)以下であることが好ましい。このような微小な中空反応部14とすることで、画鋲形穿刺針27の直径は小さくても検体の充分な血液量が採取可能となる。また、画鋲形穿刺針27は、直径が1000μm以下であることが好ましい。
【0042】
基板1,5及びスペーサ層2の材質としては、絶縁性材料のフィルムが選ばれ、絶縁性材料としては、セラミックス、ガラス、紙、生分解性材料(例えば、ポリ乳酸微生物生産ポリエステル等)、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂、UV硬化樹脂等のプラスチック材料を例示することができる。機械的強度、柔軟性、及びチップの作製や加工の容易さ等から、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料が好ましい。代表的なPET樹脂としては、メリネックスやテトロン(以上、商品名、帝人デュポンフィルム株式会社製)、ルミラー(商品名、東レ株式会社製)等が挙げられる。
【0043】
図6は図2に示したバイオセンサカートリッジのA−A断面図、図7は図2に示したバイオセンサカートリッジのB−B断面図、図8は測定器本体に装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した上面図、図9はセンサホルダを測定器本体に装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した底面図である。
【0044】
本実施形態に係るバイオセンサカートリッジ33のセンサホルダ15は、一端側から画鋲形穿刺針27が進入し、他端側が試料採取口17となる穿刺針通路16を備える。
この穿刺針通路16には、側部からバイオセンサチップ7の先端が突出される。これにより、画鋲形穿刺針27がバイオセンサ突起部10の近傍を通過することとなる。
【0045】
穿刺針通路16を構成する内壁の上部には環状溝18が形成されており、環状溝18は圧縮コイルバネ28の下端を支持するバネ受け部となっている。圧縮コイルバネ28の上端は、ネジ式キャップ26の下面に形成されたバネ受け部に支持される。
蛇腹部材29の先端開口に取り付けられて穿刺駆動受け部34を構成するネジ式キャップ26が圧縮コイルバネ28のバネ力に抗して駆動手段により押下されることで、負圧発生機構32の蛇腹部材29が圧縮される。
【0046】
本実施形態の負圧発生機構32は、蛇腹部材29とネジ式キャップ26によって気密構造が形成されると共に、圧縮コイルバネ28によって気密構造の負圧発生機構32に負圧発生のための付勢力が付与される。
【0047】
穿刺針通路16の外側には環状空間となる通気部37が形成され、通気部37は蛇腹部材29の内部を通気口25を介して外部へ開放している。つまり、センサホルダ15は、試料採取口17が形成された他端側を被検体に押し付けた状態で通気口25が塞がれれば気密となる。
通気口25の外部外周には固定用凹部24が形成され、固定用凹部24は後述する負圧解除機構41における弁開放機構80の中空ピン46が気密嵌入する際のシート面となる。
【0048】
センサホルダ15のバイオセンサ挿入部21には装着室22が設けられ、装着室22にはバイオセンサチップ7が装着される。
バイオセンサ挿入部21の上部には、図6及び図7に示すように、弁開放機構80のスライド用レール23が設けられる。また、バイオセンサ挿入部21の下面には、図7及び図9に示すように、測定器挿入用レール20が形成される。
【0049】
バイオセンサカートリッジ33は、バイオセンサ挿入部21が、測定器本体63側のバイオセンサカートリッジ固定具45を突出させた端子接続部44と結合され、電気的に接続される。
【0050】
センサホルダ15の試料採取口17の周囲には円環状の密着用ゲル19が同軸に設けられている。密着用ゲル19が設けられることで、試料採取口17の皮膚(被検体)52に対する密着性を高めることができる(図10参照)。そこで、試料採取口17の周囲から空気が漏れにくくなり、負圧を確実に穿刺口に作用させることが可能となる。また、皮膚52の広い範囲を吸引できるようになる。
【0051】
本実施形態のバイオセンサカートリッジ33は、穿刺駆動手段38及び測定装置等によって針一体型バイオセンサ装置61を構成する。
穿刺駆動手段38は、図1に示すように、穿刺駆動部39、穿刺駆動部用ガイド40及び穿刺駆動部用バネ35を備え、不図示の昇降機構部によって上下方向に昇降される。
穿刺駆動部39は、穿刺駆動部用ガイド40に案内されて昇降し、穿刺駆動部用バネ35のバネ力によりバイオセンサカートリッジ33の穿刺駆動受け部34を押圧駆動する。尚、穿刺駆動部39の駆動源としては、図例の穿刺駆動部用バネ35、或いは不図示のモーター等のアクチュエータが挙げられる。
【0052】
測定器本体63には、負圧解除機構41おける弁開放機構80が設けられている。この弁開放機構80は、測定器本体63に設けられた不図示の昇降機構部によって上下方向に昇降されるようになっている。
弁開放機構80は、昇降機構部に固定されるシリンダ本体83と、シリンダ本体83に対して突出方向へバネ付勢された移動部材81と、移動部材81の先端に設けられて内部空間を外部に連通させる中空ピン46と、中空ピン46の中空部に上下動自在に挿嵌される逆流防止弁42と、を備える。
【0053】
中空ピン46は、センサホルダ15の通気口25に抜脱自在に挿嵌され、通気口25を閉塞可能としている。中空ピン46の外周にはゴム製パッキン43が外嵌され、ゴム製パッキン43は押さえピン固定用凹部24に密接して気密シールを形成する。
逆流防止弁42は、上下動作により、負圧発生機構32の負圧による外気流入を阻止する一方、負圧発生機構32の正圧による内部空気流出を可能としている。
移動部材81には内部空間に連通する排気口36が設けられ、排気口36は逆流防止弁42が負圧発生機構32の内部空気を流出させる際の出口となる。
【0054】
次に、上記第1実施形態の針一体型バイオセンサ装置61の動作を説明する。
図10はバイオセンサカートリッジを測定器本体に装着した状態を(A)、穿刺駆動手段が下降した状態を(B)に表した動作説明図、図11は穿刺状態を(A)、吸引状態を(B)に表した動作説明図、図12は吸引解除状態を(A)、バイオセンサカートリッジを測定器本体から離脱した状態を(B)に表した動作説明図である。
【0055】
針一体型バイオセンサ装置61では、図10(A)に示すように、バイオセンサカートリッジ33が測定器本体63にセットされると、センサホルダ15の通気口25が弁開放機構80の中空ピン46の挿嵌により塞がれる。次いで、図10(B)に示すように、穿刺駆動手段38が下降し、穿刺駆動部用ガイド40が穿刺駆動受け部34及び蛇腹部材29に被せられる。
【0056】
図11(A)に示すように、穿刺駆動手段38の穿刺駆動部39が作動し、穿刺駆動受け部34が穿刺方向へ駆動されて蛇腹部材29が圧縮されると、画鋲形穿刺針27が穿刺方向へ移動して穿刺がなされる。この際、装着室22は正圧になるが、装着室22の内部空気が中空ピン46を通り、逆流防止弁42を押し上げ、排気口36から流出するので、蛇腹部材29は容易に圧縮することができる。
【0057】
図11(B)に示すように、穿刺がなされると、穿刺駆動部39が上昇して穿刺駆動手段38による駆動力が解除され、圧縮コイルバネ28が蛇腹部材29を伸張方向に付勢する。そこで、穿刺駆動受け部34が後退して皮膚52から画鋲形穿刺針27が抜かれると同時に、通気口25が弁開放機構80の逆流防止弁42によって塞がれ負圧が発生する。この負圧が皮膚52の穿刺口に作用し、流出した採血53が試料採取口17に吸引され、バイオセンサチップ7の試料導入口11へ導かれる。
【0058】
そして、必要採血量に達したことが測定装置によって検知されると、図12(A)に示すように、負圧解除機構41の弁開放機構80が昇降機構部によって上昇され、即座に通気口25から中空ピン46が抜脱されるので、外気が通気口25を介して負圧発生機構32の通気部37に流入して、穿刺口への吸引が解除される。
【0059】
すなわち、バイオセンサチップ7の中空反応部14ヘの採血53の導入が完了するまでは測定装置による制御で通気口25が塞がれ、負圧を解除するときには通気口25を開放する制御が行われる。そして、負圧解除機構41により装着室22内の負圧が解除されると、試料採取口17への吸引も解除され、皮膚52からのセンサホルダ15の離脱が容易に行える。
また、負圧解除機構41が測定器本体63に設けられ、センサホルダ15には通気口25のみを設ければ良いので、センサホルダ15の構造を簡略化できる。
【0060】
流出した採血53は、毛管現象によってバイオセンサチップ7の試料導入口11に進入する。採血53が中空反応部14の試薬に接触すると、試薬が採血53によって溶解され、酵素反応が開始される。酵素反応が開始される結果、反応層に共存させているフェリシアン化カリウムが還元され、還元型の電子伝達体であるフェロシアン化カリウムが蓄積される。その量は、基質濃度、すなわち血液中のグルコース濃度に比例する。一定時間蓄積された還元型の電子伝達体は、電気化学反応により、酸化される。したがって、バイオセンサカートリッジ33では、穿刺動作のみで、穿刺、試料吸引、吸引試料の電気化学反応までが可能となる。
【0061】
図示しない測定装置は、このとき計測される検知用電極6からの電流値に基づき、血糖値を演算・決定し、不図示の表示部に表示する。したがって、針一体型バイオセンサ装置61では、穿刺動作のみで、穿刺、試料吸引、吸引試料の電気化学反応、グルコース濃度(血糖値)の演算・決定、表示までが可能となる。
【0062】
測定結果が表示されたなら、図12(B)に示すように、穿刺駆動手段38が上昇され、端子接続部44からバイオセンサカートリッジ33が脱着されて、測定を完了する。
なお、測定に用いられたバイオセンサカートリッジ33は、再使用されずに廃棄される。
【0063】
したがって、この針一体型バイオセンサ装置61によれば、バイオセンサチップ7の表面に垂直な方向で穿刺が行われるバイオセンサカートリッジ33において、画鋲形穿刺針27が駆動されて穿刺が行われると、負圧発生機構32によりセンサホルダ15の装着室22内が負圧になるので、この負圧が試料採取口17を介して皮膚52の穿刺口に作用する。そこで、流出した採血53が試料採取口17へと吸引される。
【0064】
そして、必要採血量に達した後、負圧解除機構41により装着室22内の負圧が解除されると、試料採取口17への吸引も解除される。
従って、皮膚52からのセンサホルダ15の離脱が容易に行え、簡単な構造で採血量の増大を抑止できる。
【0065】
[第2の実施の形態]
図13は本発明の第2実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図、図14はバイオセンサチップを装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、バイオセンサチップを装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した部分断面上面図である。なお、以下の実施形態において、図1〜図12に示した第1実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の部材・部位と同等の部材・部位には、同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
【0066】
本第2実施形態の針一体型バイオセンサ装置61Aに係るバイオセンサカートリッジ33Aは、図13に示すように、負圧発生機構32Aは、穿刺針通路16の一端側(図中上端側)を覆うようにセンサホルダ15に取り付けられ、伸縮可能な弾性フィルム47と、弾性フィルム47の内方で市販の穿刺針(穿刺用器具)48を保持する穿刺駆動受け部34Aと、穿刺針48を穿刺方向に案内する移動ガイド部49と、センサホルダ15の通気口25を塞いで装着室22の負圧による外気流入を阻止する一方、装着室22の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁42と、を備える。
【0067】
円形シート状に形成された弾性フィルム47は、センサホルダ15の上部開口に、周縁を気密構造で固定される。即ち、この弾性フィルム47の周縁を保持している円環状の固定部材が、センサホルダ15のネジ部30に螺着されている。
弾性フィルム47の下面中央には、穿刺針48の基端が接着剤層3によって垂下して固定されている。尚、穿刺針48は、細軸タイプまたは軸からの穿刺針の突出長さが十分に長いものとなっている。
【0068】
図14に示すように、本第2実施形態のバイオセンサカートリッジ33Aにおいても、センサホルダ15のバイオセンサ挿入部21には、外部外周に固定用凹部24が形成された通気口25が設けられている。
他の構造は、上記第1実施形態のバイオセンサカートリッジ33と同一である。
【0069】
次に、上記第2実施形態の針一体型バイオセンサ装置61Aの動作を説明する。
図15は穿刺状態を(A)、吸引状態を(B)に表した動作説明図、図16は吸引解除状態を(A)、バイオセンサカートリッジを測定器本体から離脱した状態を(B)に表した動作説明図である。
【0070】
針一体型バイオセンサ装置61Aでは、図15(A)に示すように、穿刺駆動手段38の穿刺駆動部39が作動し、穿刺駆動受け部34Aが穿刺方向へ駆動されると、弾性フィルム47を伸ばしながら穿刺駆動受け部34Aが穿刺方向へ移動することにより、穿刺針48が穿刺方向へ移動して穿刺がなされる。この際、装着室22は正圧になるが、装着室22の内部空気が中空ピン46を通り、逆流防止弁42を押し上げ、排気口36から流出するので、穿刺駆動受け部34Aは容易に移動することができる。
【0071】
図15(B)に示すように、穿刺がなされると、穿刺駆動部39が上昇して穿刺駆動手段38による駆動力が解除され、弾性フィルム47の復元力が穿刺駆動受け部34Aを穿刺方向と反対方向に付勢する。そこで、穿刺駆動受け部34Aが後退して皮膚52から穿刺針48が抜かれると同時に、通気口25が弁開放機構80の逆流防止弁42によって塞がれ負圧が発生する。この負圧が皮膚52の穿刺口に作用し、流出した採血53が試料採取口17に吸引され、バイオセンサチップ7の試料導入口11へ導かれる。
【0072】
そして、必要採血量に達したことが測定装置によって検知されると、図16(A)に示すように、負圧解除機構41の弁開放機構80が昇降機構部によって上昇され、即座に通気口25から中空ピン46が抜脱されるので、外気が通気口25を介して負圧発生機構32Aの通気部37に流入して、穿刺口への吸引が解除される。これにより、皮膚52からのセンサホルダ15の離脱が容易に行える。
【0073】
上記第1実施形態と同様に測定結果が表示されたなら、図16(B)に示すように、穿刺駆動手段38が上昇され、端子接続部44からバイオセンサカートリッジ33Aが脱着されて、測定を完了する。
【0074】
本第2実施形態のバイオセンサカートリッジ33Aによれば、負圧発生機構32Aが、弾性フィルム47により気密性を確保して容易に形成できるとともに、装着室22内の負圧発生が他部材を使用せずに簡単な構造で実現できる。また、弾性フィルム47の伸縮性を変えることで、採血の吸引力も変えることができる。
【0075】
[第3の実施の形態]
図17は本発明の第3実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図、図18はバイオセンサチップを装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、バイオセンサチップを装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した部分断面上面図である。
【0076】
本第3実施形態の針一体型バイオセンサ装置61Bは、図17に示すように、負圧発生機構32Bは、穿刺針通路16の一端側(図中上端側)におけるセンサホルダ15に開口端が取り付けられ、穿刺針48の穿刺方向に伸縮自在な有底蛇腹部材29Bと、有底蛇腹部材29Bの底部65を伸張方向に付勢する圧縮コイルバネ28と、センサホルダ15の通気口25を塞いで装着室22の負圧による外気流入を阻止する一方、装着室22の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁42と、を備える。
【0077】
有底蛇腹部材29Bの底部65には保持部64が形成され、保持部64は市販の穿刺針48の基端を固定している。穿刺針48は、軸長、軸径とも一般的なノーマルタイプとなっている。このバイオセンサカートリッジ33Bでは、有底蛇腹部材29Bに直接保持部64を介して穿刺針48が固定でき、穿刺針48を備える負圧発生機構32Bが、少ない部品数で簡素な構造によって形成されている。
【0078】
また、穿刺針通路16の形成壁には移動ガイド部50が延設され、針移動ガイド50は穿刺針48の穿刺方向の移動を案内する。
さらに、センサホルダ15の皮膚52に対向する下面にはバイオセンサ固定部51が設けられ、バイオセンサ固定部51は装着されるバイオセンサチップ7Aの先端部を嵌入保持する。
【0079】
また、このバイオセンサカートリッジ33Bは、試料採取口17の周囲に密着用ゲル19が設けられていない。即ち、バイオセンサチップ7Aの試料導入口11が皮膚52に密接可能となっている。なお、図例のように、試料導入口11が密着する皮膚52を包囲するように密着用ゲル19が、センサホルダ15の下面に設けられていても良い。
図18に示すように、本第3実施形態のバイオセンサカートリッジ33Bにおいても、センサホルダ15のバイオセンサ挿入部21には、外部外周に固定用凹部24が形成された通気口25が設けられている。
【0080】
図19は図18に示したバイオセンサチップの分解平面図、図20はバイオセンサチップの平面視を(A)、そのE−E断面を(B)、F−F断面を(C)に表したセンサ構造図である。
本実施形態に用いられるバイオセンサチップ7Aは、図19及び図20に示すように、基板5に穿刺針通路16Bが穿設され、この穿刺針通路16Bに一致する試料導入口11Bが基板1に穿設されている。穿刺針通路16B及び試料導入口11Bは、中空反応部14に連通している。
即ち、穿刺針48が、穿刺針通路16Bから進入し、バイオセンサチップ7Aを貫通して、試料導入口11Bから突出するようになっている。他の構造は、上記第1実施形態のバイオセンサカートリッジ33と同一である。
【0081】
次に、上記第3実施形態の針一体型バイオセンサ装置61Bの動作を説明する。
図21はバイオセンサカートリッジを測定器本体に装着した状態を(A)、穿刺状態を(B)に表した動作説明図、図22は吸引状態を(A)、吸引解除状態を(B)に表した動作説明図である。
【0082】
針一体型バイオセンサ装置61Bは、図21(A)に示すように、バイオセンサカートリッジ33Bが測定器本体63の端子接続部44に装着され、センサホルダ15の試料採取口17を皮膚52に押し付けた後、図21(B)に示すように、穿刺駆動手段38の穿刺駆動部39が作動し、穿刺駆動受け部34Bが穿刺方向へ駆動されて有底蛇腹部材29Bが圧縮されると、穿刺針48が穿刺方向へ移動して穿刺がなされる。
この際、装着室22は正圧になるが、装着室22の内部空気が中空ピン46を通り、逆流防止弁42を押し上げ、排気口36から流出するので、有底蛇腹部材29Bは容易に圧縮することができる。
【0083】
図22(A)に示すように、穿刺がなされると、穿刺駆動部39が上昇して穿刺駆動手段38による駆動力が解除され、圧縮コイルバネ28が有底蛇腹部材29Bを伸張方向に付勢する。そこで、穿刺駆動受け部34Bが後退して皮膚52から穿刺針48が抜かれると同時に、通気口25が弁開放機構80の逆流防止弁42によって塞がれ負圧が発生する。この負圧が皮膚52の穿刺口に作用し、流出した採血53が試料採取口17に吸引され、バイオセンサチップ7Aの試料導入口11Aへ導かれる。
【0084】
そして、必要採血量に達したことが測定装置によって検知されると、図22(B)に示すように、負圧解除機構41の弁開放機構80が昇降機構部によって上昇され、即座に通気口25から中空ピン46が抜脱されるので、外気が通気口25を介して負圧発生機構32Bの通気部37に流入して、穿刺口への吸引が解除される。これにより、皮膚52からのセンサホルダ15の離脱が容易に行える。
上記第1実施形態と同様に測定結果が表示されたなら、穿刺駆動手段38が上昇され、端子接続部44からバイオセンサカートリッジ33Bが脱着されて、測定を完了する。
【0085】
本第3実施形態のバイオセンサカートリッジ33Bによれば、バイオセンサチップ7Aの試料導入口11を皮膚52に密接できるので、一回の測定に必要な採血53の量を少なくすることができる。
【0086】
[第4の実施の形態]
図23は本発明の第4実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図である。
本第4実施形態の針一体型バイオセンサ装置61Cは、図23に示すように、バイオセンサチップ7Aが装着される装着室22を有したセンサホルダ15Cと、センサホルダ15Cの一方の面(図中下面)に設けられ、皮膚52に密着する吸盤部67と、センサホルダ15Cの他方の面(図中上面)に設けられ、装着室22に連通する容積可変キャビティ69内の穿刺針27をバイオセンサチップ7Aの表面に垂直な方向で駆動し、装着室22を貫通させて吸盤部67から突出させる穿刺駆動手段38Cと、穿刺駆動手段38Cにより装着室22内を負圧にする負圧発生機構32Cと、センサホルダ15Cに設けられ、装着室22の負圧による外気流入を阻止する一方、装着室22の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁42と、を備える。
【0087】
吸盤部67は凹曲面67aが皮膚52に密着する。吸盤部67の中心部には試料採取口17Cが開口し、試料採取口17Cは負圧発生機構32Cの容積可変キャビティ69に連通し、装着室22に装着されたバイオセンサチップ7Aの試料導人口11と一致する。
【0088】
容積可変キャビティ69の内部には、試料採取口17Cに向けて穿刺針27が軸線方向に垂設されている。
穿刺針27は、容積可変キャビティ69が下方向へ変形することで、バイオセンサチップ7Aに対して垂直方向に駆動され、装着室22のバイオセンサチップ7Aを貫通して吸盤部67の試料採取口17から突出する。すなわち、穿刺針27は、穿刺針通路16B、中空反応部14、試料導入口11B、試料採取口17Cを通り突出する。容積可変キャビティ69の上面には、手指或いは不図示の駆動手段によって引き上げられる把持部71が突設されている。
【0089】
本実施形態の穿刺駆動手段38C及び負圧発生機構32Cは、容積可変キャビティ69を形成する弾性壁70によって構成されている。穿刺駆動手段38C及び負圧発生機構32Cが弾性壁70によって構成されることで、穿刺針27を備える容積可変キャビティ69が気密性を確保して形成できるとともに、容積可変キャビティ69を伸縮自在にし、伸長時の穿刺駆動力の発生、並びに収縮から復元時の試料吸引負圧の発生を、他部材を使用せずに、弾性壁70の弾性力のみにより、簡単な構造で実現することができる。また、弾性壁70の伸縮性を変えることで、採血の吸引力も変えることができる。
【0090】
また、本実施形態のバイオセンサカートリッジ33Cにおいて、センサホルダ15と吸盤部67と負圧発生機構32Cとは、軟質材料にて一体成形されている。そこで、製造を容易にして、製造コストを安価にできるとともに、容積可変キャビティ69を構成している負圧発生機構32C、装着室22及び吸盤部67の内部が、連続した一つの気密構造で形成できる。
【0091】
また、吸盤部67の皮膚52に対する密着性を高めることができ、負圧を確実に穿刺口に作用させることが可能となる。軟質材料としては、ゲル状の弾性材料、発泡性材料などが好ましい。
【0092】
次に、上記第4実施形態の針一体型バイオセンサ装置61Cの動作を説明する。
図24は穿刺準備状態を(A)、穿刺状態を(B)に表した動作説明図、図25は吸引状態を(A)、吸引解除状態を(B)に表した動作説明図である。
【0093】
針一体型バイオセンサ装置61Cは、図24(A)に示すように、バイオセンサカートリッジ33Cが測定器本体63の端子接続部44に装着され、吸盤部67を皮膚52に押し当てた後、把持部71が引き上げ駆動されると、容積可変キャビティ69内の穿刺針27が穿刺駆動手段38Cによる駆動方向とは逆方向(図中上方)に移動され、穿刺準備位置に配置される。すると、この移動によって増大した容積可変キャビティ69内の容積により負圧が生じ、負圧が装着室22を介して吸盤部67に作用し、吸盤部675が皮膚52に密着する。
【0094】
そこで、吸盤部67が皮膚52に密着することにより、位置ズレが防止され、穿刺予定位置が正確に穿刺される。また、吸盤部67の吸着により、穿刺予定部分の皮膚52が盛り上がって痛みの少ない良好な穿刺が可能となる。
【0095】
図24(B)に示すように、把持部71の引き上げが解除されると、容積可変キャビティ69が収縮し、穿刺針27が装着室22を貫通して吸盤部67から突出され、穿刺が行われる。この際、正圧となった容積可変キャビティ69内及び装着室22内の空気は、中空ピン46を通り、逆流防止弁42を押し上げ、排気口36から流出する
【0096】
穿刺後、図25(A)に示すように、内部空気を流出させ収縮した容積可変キャビティ69が弾性壁70の復元力によって元の容積に戻ろうとすると、逆流防止弁42が閉止され、容積可変キャビティ69内が負圧となる。この負圧が装着室22及び吸盤部67を介して試料採取口17に作用し、流出した採血53が装着室22に装着されたバイオセンサチップ7Aの試料導人口11へと吸引される。
【0097】
そして、必要採血量に達したことが測定装置によって検知されると、図25(B)に示すように、負圧解除機構41の弁開放機構80が昇降機構部によって上昇され、即座に通気口25から中空ピン46が抜脱されるので、外気が通気口25を介して負圧発生機構32Cの容積可変キャビティ69に流入して、穿刺口への吸引が解除される。これにより、皮膚52からのセンサホルダ15Cの離脱が容易に行える。
上記第1実施形態と同様に測定結果が表示されたなら、端子接続部44からバイオセンサカートリッジ33Cが脱着されて、測定を完了する。
【0098】
本第4実施形態のバイオセンサカートリッジ33Cによれば、バイオセンサチップ7Aの表面に垂直な方向で穿刺針27が駆動され、バイオセンサチップ7Aが装着される装着室22を有したセンサホルダ15Cと、センサホルダ15Cの一方の面に設けられた吸盤部69と、センサホルダ15Cの他方の面に設けられ、装着室22に連通する容積可変キャビティ69内の穿刺針27を吸盤部69から突出させる穿刺駆動手段38と、センサホルダ15Cに設けられ、装着室22の負圧による外気流入を阻止する一方、正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁42とを備えたので、簡単な構造で簡便に穿刺を行うことができる。
【0099】
尚、上記各実施形態における穿刺用器具としては、例えば中空の注射針や、ランセット(lancet;槍状刀)針や、カニューレ(cannula;套管)等が挙げられる。上記各実施形態では、穿刺用器具の一例としてランセット針が例示されている。また、穿刺用器具は、使用されるまで衛生的に収納されている必要があることから、抗菌・抗ウィルスに効果がある光触媒機能を針の表面に付与させても良い。その場合、酸化チタンまたは二酸化チタンの膜が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図である。
【図2】図1に示した針一体型バイオセンサ装置におけるバイオセンサカートリッジの要部斜視図である。
【図3】図2に示したバイオセンサカートリッジの分解斜視図である。
【図4】図2に示したバイオセンサチップの分解平面図である。
【図5】バイオセンサチップの平面視を(A)、そのC−C断面を(B)、D−D断面を(C)に表したセンサ構造図である。
【図6】図2に示したバイオセンサカートリッジのA−A断面図である。
【図7】図2に示したバイオセンサカートリッジのB−B断面図である。
【図8】測定器本体に装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した上面図である。
【図9】センサホルダを測定器本体に装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した底面図である。
【図10】バイオセンサカートリッジを測定器本体に装着した状態を(A)、穿刺駆動手段が下降した状態を(B)に表した動作説明図である。
【図11】穿刺状態を(A)、吸引状態を(B)に表した動作説明図である。
【図12】吸引解除状態を(A)、バイオセンサカートリッジを測定器本体から離脱した状態を(B)に表した動作説明図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図である。
【図14】バイオセンサチップを装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、バイオセンサチップを装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した部分断面上面図である。
【図15】穿刺状態を(A)、吸引状態を(B)に表した動作説明図である。
【図16】吸引解除状態を(A)、バイオセンサカートリッジを測定器本体から離脱した状態を(B)に表した動作説明図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図である。
【図18】バイオセンサチップを装着前のバイオセンサカートリッジを(A)、バイオセンサチップを装着後のバイオセンサカートリッジを(B)に表した部分断面上面図である。
【図19】図18に示したバイオセンサチップの分解平面図である。
【図20】バイオセンサチップの平面視を(A)、そのE−E断面を(B)、F−F断面を(C)に表したセンサ構造図である。
【図21】バイオセンサカートリッジを測定器本体に装着した状態を(A)、穿刺状態を(B)に表した動作説明図である。
【図22】吸引状態を(A)、吸引解除状態を(B)に表した動作説明図である。
【図23】本発明の第4実施形態に係る針一体型バイオセンサ装置の概略構成を表す構成図である。
【図24】穿刺準備状態を(A)、穿刺状態を(B)に表した動作説明図である。
【図25】吸引状態を(A)、吸引解除状態を(B)に表した動作説明図である。
【図26】(A)は従来のバイオセンサチップを示す斜視図である。(B)は従来のバイオセンサチップを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0101】
1,5…基板
2…スペーサ
3…接着剤層
4…レジスト層
6…検知用電極
7…バイオセンサチップ
8…端子
10…バイオセンサ突起部
11…試料導入口
13…空気排出口
14…中空反応部
15…センサホルダ
16…穿刺針通路(貫通穴)
17…試料採取口
19…密着用ゲル
21…バイオセンサ挿入部
22…装着室
25…通気口
26…ネジ式キャップ(穿刺駆動受け部)
27…画鋲形穿刺針(穿刺用器具)
28…圧縮コイルバネ(弾性付勢部材)
29…蛇腹部材
32…負圧発生機構
33…バイオセンサカートリッジ
34…穿刺駆動受け部
38…穿刺駆動手段
39…穿刺駆動部
40…穿刺駆動部用ガイド
41…負圧解除機構
42…逆流防止弁
44…端子接続部
46…中空ピン
52…皮膚(被検体)
53…採血(試料)
61…針一体型バイオセンサ装置
63…測定器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオセンサチップの表面に垂直な方向で穿刺用器具が駆動されて穿刺が行われる針一体型バイオセンサ装置であって、
一端側から前記穿刺用器具が進入し、他端側が試料採取口となる貫通穴を備えると共に、前記貫通穴に連通し、前記バイオセンサチップが装着される装着室を備えたセンサホルダと、
前記センサホルダが着脱自在に装着される測定器本体と、
前記貫通穴の一端側における前記センサホルダに設けられ、前記穿刺用器具の穿刺駆動により前記装着室内を負圧にする負圧発生機構と、
前記測定器本体に設けられ、前記負圧発生機構による負圧を解除可能な負圧解除機構と、
を備えたことを特徴とする針一体型バイオセンサ装置。
【請求項2】
前記負圧発生機構は、
前記貫通穴の一端側における前記センサホルダに基端開口が取り付けられ、前記穿刺用器具の穿刺方向に伸縮自在な蛇腹部材と、
前記蛇腹部材の先端開口に取り付けられ、前記穿刺用器具を前記蛇腹部材の内部に保持する穿刺駆動受け部と、
前記蛇腹部材を伸張方向に付勢する弾性付勢部材と、
前記センサホルダの通気口を塞いで前記装着室の負圧による外気流入を阻止する一方、前記装着室の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の針一体型バイオセンサ装置。
【請求項3】
前記負圧発生機構は、
前記貫通穴の一端側を覆うように前記センサホルダに取り付けられ、伸縮可能な弾性フィルムと、
前記弾性フィルムの内方で前記穿刺用器具を保持する穿刺駆動受け部と、
前記穿刺用器具を穿刺方向に案内する移動ガイド部と、
前記センサホルダの通気口を塞いで前記装着室の負圧による外気流入を阻止する一方、前記装着室の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の針一体型バイオセンサ装置。
【請求項4】
前記負圧発生機構は、
前記貫通穴の一端側における前記センサホルダに開口端が取り付けられ、前記穿刺用器具の穿刺方向に伸縮自在な有底蛇腹部材と、
前記有底蛇腹部材の底部を伸張方向に付勢する弾性付勢部材と、
前記センサホルダの通気口を塞いで前記装着室の負圧による外気流入を阻止する一方、前記装着室の正圧による内部空気流出を可能とする逆流防止弁と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の針一体型バイオセンサ装置。
【請求項5】
前記負圧解除機構が、前記バイオセンサチップの装着方向に対し垂直な方向に前記逆流防止弁を変位させて前記通気口を開閉することができる弁開放機構を備えることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の針一体型バイオセンサ装置。
【請求項6】
前記試料採取口に、密着用ゲルが設けられることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の針一体型バイオセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−95567(P2009−95567A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271693(P2007−271693)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】