説明

鉛酸電池用の機器および方法

双極鉛酸電池は、その中に電解質がゲル化形態で保持される圧縮抵抗性分離器を備え、そこで、擬似双極電極が圧力下にて電解槽集積体内で維持される。最も好ましくは、陰性活性材料が圧縮抵抗性スペーサ構造物をさらに含み、かつ、電池が、各単一の電解槽が充電周期の最中に気体を独立して通気することができるVR‐BLABとして構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年8月14日に出願された、整理番号61/088,911を有する我々の米国仮出願に対して優先権を主張する。
【0002】
本発明の分野はエネルギー貯蔵機器であり、より具体的には、双極鉛酸電池(BLAB)および弁調整双極鉛酸電池(VR‐BLAB)である。
【背景技術】
【0003】
双極鉛酸電池の一般概念は数十年の間十分に知られており、単一の鉛薄板から作られた最初の動作可能な電池はピーター・カピツァ(Peter Kapitsa)により1930年代に報告された。その明白な簡潔さにもかかわらず、双極薄膜電池は多数の重大な利点を提供する。例えば、内部経路長が比較的短くかつ電極面積が比較的大きい際に、内部抵抗は典型的に非常に低く、最小の発熱において迅速な充電および放電の周期を結果的にもたらす。ハイブリッド車、および、自動車と機関車における回生制動システムにとって双極鉛酸電池を魅力的にするのは、これらおよび他の利点である。さらに、それらの双極構成により、重量が減らされかつ生産が簡素化される。
【0004】
しかしながら、いくつかの欠点が、双極鉛酸電池の広範な使用をこれまで妨げてきた。とりわけ、鉛は負荷下でずれるために極めて粗末な建設資材であり(すなわち、鋼等のより強い支持物に取り付けられない限り、鉛の薄板がそれ自体の重量下で脱落することになる)、追加の材料が増加した重量を結果的にもたらす鉛を支持するために度々必要である。なおさらに、鉛のずれは表面割れおよび裂け目の形成に繋がり、これはほとんどの場合において腐食(応力腐食)を加速することになる。
【0005】
双極電極の全重量を減らすために、非伝導性担体材料を用いることができ、その後、例えば、可塑性ハニカム構造が鉛で充填された欧州特許出願公開第0 607 620号、あるいは、2つの相対しかつ電気的に接続された力布が非伝導性可塑性板の両側に配列された欧州特許出願公開第0 848 442号に記載されているように、活性電極材料を当該材料に充てがうことができる。同様に、米国特許第5,126,218号で教示されているように、半化学量論的二酸化チタン材料を含む導電栓が、非伝導性軽量担体に、担体の両側を接続する伝導経路を提供するために用いられた一方で、米国特許第3,819,412号は、同じ目的のための鉛の締め具の使用を教示する。代替的には、英国特許出願公開第2 371 402号に記載されているように、伝導性材料を他の非伝導性重合体板に直接組み込み、そのようにして双極電極を形成することが記載された。このような電極構成は潜在的な容量/重量比を有利に増加させるものの、いくつかの欠点がそれでもなお残っている。
【0006】
例えば、鉛の陽極腐食は従来の鉛酸電池にとってありふれた故障モードであり、当該技術分野における通常の技術を有する者に十分知られている。応力腐食の亀裂に沿った支持格子の破断が、検査により度々明らかにされる。鉛格子が破断する際に、活性材料は典型的に格子から取り外されて電解槽の底における泥空間内に堆積し、電解槽内で短絡を引き起こす橋絡を最終的に形成する。このような問題を克服するために、(例えば、商業的な電解合成において用いられるもののような)大きい工業用鉛電極は、ずれを解消するために鉛薄板に挿入および溶接された鋼板を度々用いる。このような電極は、濃硫酸中の電気化学機器の寿命を有利に増加させ、かつ応力腐食を度々遅らせるか防止さえする。しかしながら、このような構成は、相当な重量および寸法要件が原因で、双極鉛酸電池にとって典型的に望ましくない。
【0007】
さらに、双極電極を有する鉛酸電池の故障に寄与する主な要因の1つは、双極電極(双極子)の端の周辺における封止物を通じた電解質の移動であり、これは典型的にマランゴニ効果により推進される。この封止問題は、信頼できかつ恒久的な方法で封止することが実質的に不可能となった双極子の陽極側で特に持続する。このような故障事象では、電解質が双極子の陽極側と陰極側との間に伝導橋絡を引き起こし、双極子をより堅く封止する多数の試みが着手されてきた。しかしながら、多くの要因、特に熱膨張、マランゴニ効果、および、鉛酸電池内の比較的侵食性の環境が原因で、このような試みは申し分ない結果をもたらしていない。なおさらに、陽電極材料は徐々に落ちて電極の下方の空間内に堆積する傾向があり、最終的に短絡および電池の機能低下に繋がる。
【0008】
従って、改善した電池の構成および寿命と周期を改善する方法を提供する、満たされていない必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、公知のBLABの多数の不利点を克服する、様々なBLABの構成および方法を対象とする。より具体的には、本明細書で提示されているBLABは、ゲル化形態にある電解質を保持する圧縮抵抗性分離器を備え、これは電解槽集積体の相当な圧縮を可能にする(このようにして、陽性活性材料の脱落を解消する)だけでなく、(双極子が溶媒の移動に対して保護するいかなる封止物も有しない場合でさえ)電解質の移動と関連する問題を伴わずにBLABの作動を可能にもする。なおさらに、好適なBLABにおける電極が擬似双極電極として構成されるため、そうでなければ電極における細穴欠陥と関連する問題は回避され、電力対重量比は実質的に増加する。
【0010】
本発明の主要部の1つの例示的な態様では、双極鉛酸電池は、ゲル化形態にある電解質をさらに含む圧縮抵抗性分離器により分離される、第1双極電極および第2双極電極を含む。最も好ましくは、分離器は焼成シリカおよび不活性充填材を備え、かつ/または、電解質は、双極電極により形成された電解槽の封止を伴わずに、電池の作動を可能にするのに十分な程度にゲル化される。なお第1双極電極および第2双極電極さらに好適な態様では、電解槽は双極電極の間に空所を含み、伝熱性材料は、電解質集積体の内部から熱を放散するのを促進するように、空所の少なくとも一部の中に配置される。さらに、一方向弁(例えば、カモノハシ弁)が電解槽に連結され、それにより電解槽からの気体の通気を可能にすることは、一般的に好適である。
【0011】
加えて、意図されている双極電池内の電極のうち少なくとも1つが擬似双極電極であることは好適である。例えば、適切な擬似双極電極は担体内で形成された開口部を有する非伝導性担体を備え、伝導性材料が開口部のうち少なくともいくつかの中に配置され、薄い鉛箔が電極の両面に積層される。
【0012】
従って、本発明の主要部の別の例示的な態様では、双極鉛酸電池は、担体の第1表面と第2表面との間に形成された複数の開口部を有する、非伝導性担体を有する擬似双極電極を含む。伝導性材料は複数の開口部内に配置され、第1鉛箔および第2鉛箔は第1表面および第2表面にそれぞれ連結される。最も好ましくは、陽性活性材料の層は第1箔に連結され、陰性活性材料の層は第2箔に連結され、そこで、陰性活性材料の層は圧縮抵抗性スペーサ構造物をさらに含む場合がある。このような電池では、第1圧縮抵抗性分離器および第2圧縮抵抗性分離器が、陽性活性材料の層および陰性活性材料の層にそれぞれ連結され、そこで、第1圧縮抵抗性分離器および第2圧縮抵抗性分離器はゲル化形態にある電解質を備えることが、なおさらに意図される。
【0013】
本発明の主要部に制限しないものの、非伝導性担体が合成重合体および/または陶磁材料から製造されることと、伝導性材料が鉛を含むこととは、典型的に好適である。同様に、スペーサ構造物が合成重合体および/または陶磁から作られることは、一般的に好適である。圧縮抵抗性分離器については、分離器材料が焼成シリカおよび不活性充填材を含むことが、典型的に好適である。さらに、および、第2擬似双極電極が電解槽を形成する擬似双極電極に連結される場合では、電池は、電解槽からの気体の通気を可能にする一方向弁、および/または、電解槽内に形成された空所の少なくとも一部の中に配置された伝熱性材料も含む場合がある。
【0014】
従って、および別の斜視図から見ると、本発明者は、その中にて、ゲル化形態にある電解質を含む圧縮抵抗性分離器が、第1双極電極の陽性活性材料と第2双極電極の陰性活性材料との間に設置される電池内において、電解質の移動を減らす方法を意図している。その後、第1双極電極と第2双極電極および分離器は電池の電解槽を形成するように整列され、少なくとも10kPa(最も好ましくは、20kPaから150kPaの間)の力学的圧力が第1電極および第2電極に印加される。
【0015】
以前のように、双極電極が擬似双極電極として構成され、具体的には、双極電極が第1表面および第2表面を有する担体を備えるように、第1鉛箔および第2鉛箔が第1表面および第2表面にそれぞれ連結されることは、一般的に好適である。圧縮抵抗性分離器が焼成シリカおよび不活性充填材を備えること、および、陰性活性材料が圧縮抵抗性スペーサ構造物をさらに含むことは、なおさらに好適である。加えて、電解槽は第1双極電極と第2双極電極との間に空所を有する場合があり、これは伝熱性材料で充填されることが好ましい。さらに、および所望の場合では、一方向弁を電解槽に連結し、それにより、電解槽からの気体の通気を可能にすることができる。
【0016】
本発明の様々な目的、特徴、態様および利点が、本発明の好適な実施形態の次に続く発明を実施するための形態からより明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の主要部に係る1つの例示的なVR‐BLABの写真である。
【図2】本発明の主要部に係るVR‐BLABの略図である。
【図3A】本発明の主要部に係る擬似双極電極の異なる視界の概略的な例解である。
【図3B】本発明の主要部に係る擬似双極電極の細部の異なる視界の概略的な例解である。
【図4】本発明の主要部に係る電池のパルス性能を示すグラフである。
【図5A】BLABの充電/放電周期に関するデータおよび比較例を例解する表である。
【図5B】BLABの充電/放電周期に関するデータおよび比較例を例解する表である。
【図5C】BLABの充電/放電周期に関するデータおよび比較例を例解する表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によれば、双極鉛酸電池、最も好ましくは弁調整BLABが、双極漏出、応力腐食、および比較的高い重量という公知の問題を簡素かつ的確な方法で解決するやり方で構築される。
【0019】
特に好適な方法および機器では、電池の分離器は電解質をゲル化する材料を備え、そのようにして双極子の周辺における漏出を防ぐ。最も好ましくは、このような分離器は、電池の作動パラメータをなおさらに改善するために、圧縮に耐えるように構成される。所望の場合では、意図されている電池は、その中に(典型的には非伝導性の)軽量板状材料が複数の窓を有する擬似双極子電極も含むことになる。窓はその後鉛で充填され、板は2つの薄い鉛膜の間に積層され、そのようにして、双極構造の基礎を成すことができる複合構造物を得る。
【0020】
本発明の主要部を限定しないものの、陰性活性材料(NAM)が双極子に伝導的に連結され、かつ格子またはそうでなければ細孔性構造物を、格子または構造物が双極子と接触するNAMを保持する一方でNAMが圧縮されることを防ぐように含むことは、さらに特に好適である。好ましくは、このような格子(例えば、骨格構造物)は、完全に帯電した状態におけるNAMの厚さと同じ高さを有利に有することになる。従って、電極性能に悪影響を及ぼすことなく、双極子を望ましい圧力まで両側で圧縮することができる。その後、双極子の空所充填および封止が伝熱性材料を用いて、最も好ましくは粘着性材料を用いて実施され、そのようにして熱放散用の経路を形成する。さらに、このような電池が、電池内の異なる電解槽からの気体の異なる分量の独立した通気を可能にする単向弁をさらに含むことは、一般的に好適である。このような場合では、単向弁がカモノハシ弁であり、かつ共通空間に通気し、その後、当該共通空間から通気された気体を1つ以上の制御弁を介して放出することができることは、特に好適である。
【0021】
例えば、図1は本発明の主要部に係る1つの例示的なVR‐BLABの写真であり、そこで、電池100は、電解槽を共に保持する枠および終板を有する。共通通気弁160は枠から突出し、末端部101Aおよび101Bは末端単極電極(この図では見えない)に電気的に接続される。図2は、複数の双極電極210を備える別の例示的な電池200の、より詳細でかつ概略的な例解である。双極電極210のそれぞれは擬似双極電極として構成され(図3Bを参照されたい)、かつ、その各側に陽性活性材料214および陰性活性材料216が鉛箔を介して連結される、非伝導性担体212を含むことが好ましい(図示せず、図3Aを参照されたい)。隣接する双極電極は、ゲル化した電解質を含む圧縮抵抗性分離器220により分離され、そこで、陽性活性材料214と、陰性活性材料216と、ゲル化した電解質を含む圧縮抵抗性分離器220とは、電池の電解槽230を形成する。電解槽は電解槽集積体として組み立てられ、集積体の外側の陽性活性材料および陰性活性材料は単極末端電極240Aおよび240Bにそれぞれ電気的に連結される。
【0022】
双極電極のそれぞれは、分離器とともに電極の集積を可能にするように、枠を用いて組み立てられることが好ましい。特に好適な態様では、そのようにして形成された電解槽は、電解槽からの電解質の漏出と、電解質の移動とを回避するために、通常は封止される必要があるだろう空所を有することになる。しかしながら、電解質が分離器内にゲル化形態で保持されるので、漏出は完全に回避され、電解槽を封止することなく電池を作動させることができる。さらに、分離器が圧縮抵抗性であるので、顕著な力を末端電極上にかけ、そのようにして電解槽集積体を圧縮して陽性電極材料の脱落を回避することができる。望ましい場合には、その後、電解槽内の空所の少なくともいくつかは伝熱性材料260で充填され、電池の内部から外部への熱伝達を容易にする。さらに、各電解槽は一方向弁252を設けられ、電解槽の上方にある共通空間への気体(圧倒的にH)の通気を可能にし、その後、当該電解槽を共通弁250を介して通気し、気体を電池の外側の場所に伝達することができることは、一般的に好適である。
【0023】
図3Aは双極電極のさらに詳細で概略的な例解を提供し、当該図中において、左パネルが電極の片側を描写し、右パネルが電極の反対側を描写し、かつ、当該図中において、中心部分が部分分解側面図を描写している。ここで、非伝導性担体312は中心に位置する。鉛箔312Aおよび312Bは担体312の両側(典型的には積層される)に連結され、陽性活性材料314および陰性活性材料316は鉛箔312Aおよび312Bにそれぞれ連結される。陰性活性材料内に配置されるのは、圧縮抵抗性スペーサ構造物316’(格子、不規則な形の網目状物、または他の構造物として典型的に構成される)である。その後、第1圧縮抵抗性分離器および第2圧縮抵抗性分離器320は、それぞれの活性材料を保護する。
【0024】
図3Bは擬似双極子の別の詳細な図を示し、当該図中において、非伝導性担体312は板状担体のそれぞれの表面を接続する開口部312’(破線)を有する。開口部内に設置されるのは進み要素313(または他の伝導性材料)であり、そのようにして表面間に電流接続を提供する。最も好ましくは、進み要素が鉛箔を対向表面上で電気的に接続するように、鉛箔312A(および312B、図示せず)は担体上に積層される。この組立体上に、その後、陰性活性材料および陽性活性材料が加えられる(図示せず)。最も典型的には、鉛箔は、陰性活性材料および/または陽性活性材料の層の厚さより大きい厚さを有する。
【0025】
結果的に、双極(最も好ましくは、擬似双極)鉛酸電池を生産することができ、当該電池内において第1および第2の(擬似)双極電極が圧縮抵抗性分離器により分離され、当該分離器内において電解質がゲル化形態で保持されることを、十分に理解されたい。最も好ましくは、そのために、このような電池は、非伝導性担体の第1表面と第2表面との間に複数の開口部を有する当該担体から形成される擬似双極電極を含むことになり、そこで、伝導性材料が開口部内に配置される。本発明の主要部に限定しないものの、第1鉛箔および第2鉛箔は第1表面および第2表面にそれぞれ連結され、陽性活性材料の層が第1箔に連結される一方で、陰性活性材料の層が第2箔に連結される。陰性活性材料の層が圧縮抵抗性スペーサ構造物も含むことは、なおさらに一般的に好適である。典型的には、意図されている電池は、陽性活性材料の層および陰性活性材料の層にそれぞれ連結された、第1圧縮抵抗性分離器および第2圧縮抵抗性分離器を有することになり、そこで、第1圧縮抵抗性分離器および第2圧縮抵抗性分離器はゲル化形態にある電解質を備える。
【0026】
本明細書で用いられる際の用語「圧縮抵抗性分離器」は、厚さの損失を伴わずに、または、10%以下である厚さの損失を伴って、電池集積体内で少なくとも30kPaの力学的圧縮に耐えることができる分離器を指す。しかしながら、最も典型的には、好適な圧縮抵抗性分離器は、10%以下、より好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下である厚さの損失を伴う電池集積体内において、少なくとも50kPaの圧力、さらにより典型的には約100kPaの圧力に耐えることになる。結果的に、好適な分離器は、このような圧力に耐えるのに適した陶磁材料または重合体材料を備えることになる。
【0027】
さらに、本発明の主要部に係る分離器が、電池の活性材料と接触している間に電解質を保持する能力も有することは、特に好適である。このような能力はゲル化形態にある電解質の保持により実現されることが好ましく、そこで、全ての既知のゲル化剤が本発明における使用に適していると見なされる。例えば、適切なゲル化剤は有機重合体または無機材料であってよい。本発明の主要部の1つの特に好適な態様では、電解質は微細孔性ゲル形成分離器内で不動化され、そのようにして、双極子の陽性側と陰性側との間で伝導橋絡を防ぎ、ひいては、双極電池が、従来の鉛酸電池の寿命と同程度またはより良好な暦上および周期上の寿命を有することを可能にする。
【0028】
他の適切な分離器の中でも、本発明者は、AJS(酸ゼリー化分離器)(例えば、Daramic,LLCより市販されている)が圧縮力に耐える能力があるだけでなく、電極境界を超える電解質の移動を阻む能力もあることを発見している。このような利点は、BLABの分野において認識されていない。実際に、本発明者は、このような電解質の不動化を用いて、BLAB内の電解槽の封止を全く伴わずに、連続的に(すなわち、いくつかの充電/放電周期にわたって)作動することができるBLABを作ることができることを発見した。DaramicのAJSは、6重量%から8重量%の乾燥焼成シリカで充填された合成微細孔性材料である。AJSが1.28のs.g.(比重)の電解質で飽和する際に、そのシリカ成分は後者と反応してゲルを生成する。従って、空気中でさえ何も漏出しないように、水素結合またはファンデルワールス力により、および/または分離器内の細孔により、電解質が不動化することが意図されている。ゲル電解質の制限された移動性は、伝導橋絡が双極子の陽性側と陰性側との間で起こることを防ぐ。さらなる適切な材料が米国特許第6,124,059号に記載されており、これは参照により本明細書にて組み込まれる。しかしながら、本発明の主要部の代替的な態様では、寸法的に安定な材料(すなわち、10%未満、より好ましくは5%未満の厚さの損失において、100kPaの力の圧縮に耐えることができる材料)のゲル化電解質との全ての組み合わせが、本発明における使用に適していると見なされることに留意されたい。
【0029】
公知の単極VRLA(弁調整鉛酸)電池が、(双極子電極が全く存在しない際に)活性材料を分流する電解質の橋絡についての問題を有さず、たとえ単極構成内の分離器が漏出することになるだろう場合であっても、電池は影響を及ぼされることにならないだろうということに留意されたい。それに対して、双極電池は、公知技術で確実に是正されていない重大な漏出問題を有する。従って、AJSを用いる電解質の不動化は独特かつ効果的な解決法を提供する。異なる斜視図から見る場合、双極構成内のAJS材料が、微細孔内でのゲル化および保持により、陰極液および陽極液の両方を不動化することを十分に理解されたい。
【0030】
AJS材料のさらなる重要な利点は、鉛酸電池、特にVRLA内の双極子に典型的に印加される圧縮力下において、その非常に限定された寸法収率であることを特に十分に理解されたい。圧縮下で度々降伏する、通常用いられるAGM(繊維状吸収性ガラスマット)分離器とは違い、AJS材料は、30kPaから100kPaの所望の圧力、およびさらにより高い圧力に対する活性材料の圧縮を可能にする。
【0031】
分離器材料の圧縮については、ほとんどの単極電池構造において、単極の群が既に挿入された分離器とともに接続されるので、破壊を伴わない従来の単極電池の製造の最中に、上記圧縮力を電池に印加することはほとんど不可能であることに留意されたい。その後、板の群は可塑性箱の空洞に押し込まれ、連続する電解槽を作る。従って、電極を箱に押し込むためには、いくらかの隙間を供給しなければならず、あるいは、摩擦により活性材料の一部が擦り取られることになるだろう。従って、電極が脱落することを防ぐあらゆる圧力は、箱が寸法的に安定である際に循環の最中に発生される。
【0032】
BLABの場合では、循環の前の組み立ての後で、全ての電解槽の全域に圧力を印加することができる。各電極とその分離器は順に重ねて組み立てられかつきつく押し付けられ、組み立ての最中および循環の最中に脱落が全く起こらないことになるように、外部治具を用いて填塞圧力を設定することができる。活性材料が縮む場合(陽極内の二酸化鉛と比較した硫酸鉛と、陰極内の硫酸鉛と比較した鉛とに占有された体積を考慮されたい)、脱落は充電の最中に最も起こり得ることを特に十分に理解されたい。従って、BLAB電池内の意図されている分離器材料の特有のかつこれまで認識されていない利点は、体積が活性材料の厚さの変化により変化するので、材料が圧縮下で屈服せず、および/または電解質を滴下しないことである。従来のゲル化電解質はこれらの利点を提供できない。
【0033】
このような圧縮は陽性活性材料(PAM、典型的には、酸化鉛類と塩基性硫酸鉛類との組み合わせから作られる)がその脱落を軽減することに対して望ましいものの、その孔隙率および厚さを減らすことにより陰性活性材料(NAM)に対しては不利である。NAMの圧縮に関連する問題のうち少なくともいくつかを回避するために、本発明者は骨格構造物を現在組み込んでおり、当該構造物にはNAMが連結され、かつ、当該構造物は陰性の電極表面と接触する。
【0034】
本発明の主要部の特に好適な態様では、骨格構造物は、NAMの厚さに等しい厚さのガラス繊維の網目状物で作られる格子を含む。その後、陰性の糊状物は、その表面が分離器に面する状態でさえ、網目状物の空洞内に充填される(格子電線の過剰な貼り付けは全くない)。このような設計により、AJSによりかけられた圧縮からのNAMの保護が可能になる。AJSは、NAMとの良好な調和を有する一方で、力を後者にかけることを阻止される。当然ながら、有孔板および他の小孔性かつ構造的に安定な材料(典型的には非伝導性)を含む、多数の代替的な骨格構造物も適切であることに留意されたい。最も好ましくは、骨格構造物は硫酸中で安定である材料で作られ、かつ所要の力学的特性を有する(例えば、ABS、PP、またはPC等の熱可塑性材料)。骨格材料は、100%の充電状態におけるNAMと同じ厚さを典型的に有し、そのようにして、骨格材料の空所内に含まれる分離器のNAMの間で控え壁として働くことになる。
【0035】
結果的に、および異なる斜視図から見る場合、本発明者が、第1双極電極の陽性活性材料と第2双極電極の陰性活性材料との間に、ゲル化形態にある電解質を備える圧縮抵抗性分離器を設置することにより、双極鉛酸電池内の電解質の移動を減らすか完全に除去する方法も意図していることに留意されたい。第1双極電極と第2双極電極および分離器が組み立てられ、またはそうでなければ電池の電解槽を形成するように整列された時点で、少なくとも10kPaの力学的圧力が第1双極電極および第2双極電極に印加され、そのようにしてBLABの構成部を形成する。ほとんどの場合において、より高い圧力(例えば、20kPaから150kPaの間、およびさらにより高い)が、より長い寿命を可能にして陽性活性材料の脱落を減らすために印加される。
【0036】
圧力が10kPa以上である場合、陰性活性材料を望ましくない圧密から保護することができることにさらに留意されたい。最も典型的には、このような保護は、陰性活性材料がスペーサ構造物の空所内に配置されるように、圧縮抵抗性スペーサ構造物を含めることにより実現される。このようなスペーサ構造物にとって適切な多数の構成および材料があり、それらの全てが本発明における使用に適していると見なされる。しかしながら、スペーサ構造物が格子として構成され、かつ耐酸性重合体材料から製造されることが特に好適である。スペーサ構造物の圧縮抵抗性については、スペーサ構造物が10%未満、より好ましくは5%未満の厚さの損失において、少なくとも100kPaの圧力に耐えることができることが一般的に好適である(上記を参照されたい)。
【0037】
本発明の主要部に係る電池において、全ての既知の双極子電極を用いることができることがさらに意図されている。しかしながら、双極子電極は擬似双極子として構成されることが一般的に好適である。このような構成は、双極子内の細穴形成に起因する公知の双極電池の性能減衰を有利に克服する。1つの好適な実施形態では、2つの従来の鉛箔が、(例えば、薄い可塑性材料で作られた)非伝導性基板に当該基板の各側上で積層される。その後、鉛箔は、図3B内で概略的に例解されているように、可塑性担体内の穿孔を通じて互いに電気的に接続される。例えば、基板の中心にある正方形の様式内に位置する溝穴として、穿孔を構成することができる。その後、溝穴は、基板と同じ厚さの純鉛挿入物で充填される。望ましい場合には、50/50の鉛/錫半田の薄層で鉛挿入物を両側で被覆することができ、電池型エポキシ(または他の粘着物)の薄層を基板の両側に塗布してよい。2つの薄い鉛箔(例えば、0.07mmの厚さ)は基板のそれぞれの側に位置付けられ、その全体のサンドイッチ状物が圧迫の熱圧盤の間に設置される。1,000kPaから3,000kPaの120℃での圧縮下において、鉛箔は挿入物に確実に半田付けされ、そのようにして基板に積層された状態になる。このような擬似双極構造物は陽性鉛箔内の細穴に敏感でなく、そのようにして、そうでなければ伝導格子上に貼り付けることが不可能だろう薄い純鉛箔の使用を可能にすることに特に留意されたい。
【0038】
注目すべきことには、このような擬似双極子は電流の多少均一な流れおよび低いオーム抵抗を有する。さらに、純鉛が陽極腐食に対して最良の抵抗性を有するために、純鉛箔を陽極側に用いる利点もある。さらに、電池集積体の圧縮は、鉛の表面上に形成された二酸化鉛の、高密度で亀裂のない保護層陽極側における腐食活性をあまり軽減しない。さらなる利点の中でも、擬似双極子は、可塑性基板のエポキシとの相溶性のために、電池集積体に組み立てることが非常に容易である。
【0039】
AJSからの電解質の漏出が乾燥封止表面を許容している場合、双極子の周辺にある空隙を直ちに伝熱性材料で充填することができることを、なおさらに十分に理解されたい。例えば、適切な材料としては、エポキシ、珪素、またはアクリル等の工業的に利用可能な粘着性材料が挙げられ、その後、これらは、周辺封止のためよりもむしろ、熱放散経路を作り出すために主として用いられる。−30℃から+70℃の間で接着剤として機能する、多くの他の温度安定性材料も充填材として適切である。充填材材料は良好な接触を提供し、結果として、電池の内部成分により発生した熱のための伝導経路を作り出す。
【0040】
本発明の主要部のさらに別の態様では、薄型電解槽を有する従来の双極VRLA(弁調整鉛酸)電池において、各電解槽用の圧力緩和弁(PRV)を提供することは、酸素再結合循環に必要であると考えられるために、度々非常に困難かつ費用がかかることに留意されたい。単一のPRVが、直列に接続されかつ共通筐体内に組み立てられた多重の電解槽を統御することができることが、Exideの「Optima」といったようなVRLA電池により、近年首尾よく証明された。Optimaの電池は、PRVに誘導する通気導管を有する共通本体内に組み立てられる、6つの巻状の単極設計の2ボルト電解槽を有する。しかしながら、本発明者は、このような構成を少なくとも24個の電解槽(または、より可能性が高いのは、100個以上と多い電解槽)を備え得る双極構成に拡張することもできることを意図している。
【0041】
多数の電解槽の調整通気を実施する試みにおいて、本発明者は、各電解槽が単一の管を受容している状態で、薄壁で小径の可塑性管を用いてきた。各管のごく一部が上方に突き出しており、電池蓋内に成形されたおよそ5mm×4mmの横断面の縦導管内で途切れた。導管の長さは電池集積体内の電解槽の数量に依存した。その後、その共通導管は単一のPRVに接続された。この設計は機能的であると判明したものの、さらなる改善が以下のように導入された。各管の上端2から4mmは加熱した圧盤を用いた圧迫において崩され、互いに接する2つの平壁を形成し、そのようにしてカモノハシ弁を形成した。そのようにして修正された管は、過剰な気体を1つまたは複数の電解槽から導管へ通す一方で、導管からの気体を他の電解槽に入り込ませないことにより、電解槽のそれぞれに対して一方向緩和特性として機能することができた。通気管に対するこの簡素であるが効果的な修正は、高電圧双極電池の充電の最中に、電解槽の電圧平衡を著しく改善してきた。端部で扁平な薄壁の可塑性管は、過剰な気体を電解槽の外へ通す一方で、当該気体を他の電解槽に入り込ませないことにより、一方向気体の緩和特性として働いた。
【実施例】
【0042】
VR‐BLABを、94mm×94mmの有効面積を有する図1に描写されているそれと同様に構築した。板1枚当たりの乾燥PAMは0.12mmの厚さで3.3gであり、板1枚当たりの乾燥NAMは0.11mmの厚さで3.2gであった。酸は1.28の比重を有する硫酸であった。分離器は0.2mmの厚さを有するゲル形成AJSであった。作用電解質は1.280g/cc(20℃)の比重を有する硫酸であり、電池は単一の圧力緩和弁を有した。集積体の圧縮は100kPaであった。基板材料のPb‐Sn合金は0.5mmの厚さを有し、枠材料はポリカーボネートであり、終板を5mmのアルミニウム板から形成した。図4は、グラフ内に示されているような電流および電圧を含む、始動モータ上における迅速な放電試験からの例示的な結果を描写する。当該図から容易に解釈することができるように、電池は非常に短い時間内で予想通りの電圧において著しい電流を供給した。
【0043】
循環効率を試験するために、本発明の主要部に係る2つのVR‐BLABおよび比較用の市販のVRLAを用いて2つの異なる循環プログラムを実行し、そこで、中等度プロファイルおよび侵略的プロファイルを用いて循環を実行した。(a)中等度の循環プログラムを以下のように実行した:0.8Aの定電流、14.4Vの電圧遮断を伴う第1段階と、容量が1.57Ahに等しくなるまでの14.4Vの低電圧における第2段階とを有する、2つの段階で充電した。充電の後に10分の休眠期間が続いた。放電は1.5時間の間10.5Vで電圧遮断を伴って1Aにあり、循環を2.1Ah(C/3で70%の定格容量)で止めた。(b)侵略的な循環プログラムを以下のように実行した:0.9Aの定電流、14.7Vの電圧遮断を伴う第1段階と、14.7Vの低電圧、4.5時間の時間遮断における第2段階とを有する、2つの段階で充電し、その後に10分の休眠期間が続いた。放電は10.5Vでの電圧遮断まで1.7Aにあり、循環を2.45Ah(C/2で70%の定格容量)で止めた。本発明の主要部に係る2つのBLABに関する結果を図5A〜5Cの表内に描写し、当該図中において、189‐1A(図5A)および189‐1B(図5B)に関する結果は本明細書に記載されているBLABからの結果である一方で、189‐3(図5C)に関する結果を市販の12Vで4Ahの電池(McMaster Carr製電池)のために示す。当該図から容易に見られるように、VR‐BLABは同程度の性能を有し、試験した循環にわたって電力特性を維持した。
【0044】
しかしながら、本発明の主要部に係る電池が著しくより高いエネルギー密度を有することに留意されたい。最も典型的には、意図されている電池は、少なくとも35Wh/kgの電力密度、より典型的には少なくとも38Wh/kgの電力密度、最も典型的には少なくとも40Wh/kgの電力密度を実現することになる。それに対し、現在のモノブロック技術は、最良の状況において35Wh/kgのエネルギー密度を可能にすることになる。
【0045】
従って、改善された双極鉛酸電池の特定の実施形態および用途が開示されてきた。しかしながら、より多くの修正が、既に記載されたものに加えて、本明細書中における本発明の概念から逸脱することなく可能であることは、当業者にとって明白であるはずである。従って、添付の特許請求の範囲の趣旨以外において、本発明の主要部は減縮されることはない。さらに、本明細書および本特許請求の範囲の両方を解釈する際には、文脈と一致する、可能な限り最も広範な様態で全ての用語を解釈されたい。具体的には、用語「含む(備える)」および「含んでいる(備えている)」を、非排他的な様態で要素、成分(構成部)、またはステップを指し、参照された要素、成分(構成部)、またはステップが存在し、あるいはこれらを利用し、あるいは、明白に参照されていない他の要素、成分(構成部)、またはステップと組み合わせることができることを示すと解釈されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
双極鉛酸電池内の電解質の移動を減らす方法であって、前記方法は、
第1双極電極の陽性活性材料と第2双極電極の陰性活性材料との間に、ゲル化形態にある前記電解質を備える圧縮抵抗性分離器を設置するステップと、
前記電池の電解槽を形成するように前記第1双極電極と前記第2双極電極および前記分離器を整列させ、少なくとも10kPaの力学的圧力を前記第1双極電極および前記第2双極電極に印加するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記双極電極が擬似双極電極として構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記双極電極が第1表面および第2表面を有する担体を備え、第1鉛箔および第2鉛箔は前記第1表面および前記第2表面にそれぞれ連結される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮抵抗性分離器が焼成シリカおよび不活性充填材を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記陰性活性材料が圧縮抵抗性スペーサ構造物をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記圧力が20kPaから150kPaの間にある、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電解槽が前記第1双極電極と前記第2双極電極との間にある空所を含み、かつ伝熱性材料を前記空所の一部に充填する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
一方向弁を前記電解槽に連結し、それにより、前記電解槽からの気体の通気を可能にするステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ゲル化形態にある電解質を含む圧縮抵抗性分離器により分離される第1双極電極および第2双極電極を備える、双極鉛酸電池。
【請求項10】
前記圧縮抵抗性分離器が焼成シリカおよび不活性充填材を備える、請求項9に記載の双極電池。
【請求項11】
前記第1電極の陰性活性材料および前記第2電極の陰性活性材料および前記圧縮抵抗性分離器が電解槽を形成し、前記電解質が前記電解槽の封止を伴わずに前記電池の動作を可能にするのに十分な程度にゲル化される、請求項9に記載の双極電池。
【請求項12】
前記電解槽が前記第1双極電極と前記第2双極電極との間に空所を含み、かつ伝熱性材料が前記空所の少なくとも一部の中に配置される、請求項11に記載の双極電池。
【請求項13】
前記電解槽に連結され、それにより、前記電解槽からの気体の通気を可能にする一方向弁をさらに備える、請求項12に記載の双極電池。
【請求項14】
前記電極のうち少なくとも1つが擬似双極電極である、請求項9に記載の双極電池。
【請求項15】
前記擬似双極電極が、非伝導性担体の第1表面と第2表面との間に形成された複数の開口部を有する前記担体を備え、伝導性材料が前記複数の開口部内に配置され、前記擬似双極電極が、前記第1表面および前記第2表面にそれぞれ連結された第1鉛箔および第2鉛箔を備える、請求項14に記載の双極電池。
【請求項16】
非伝導性担体の第1表面と第2表面との間に形成された複数の開口部を有する前記担体と、前記複数の開口部内に配置される伝導性材料とを備える擬似双極電極と、
前記第1表面および前記第2表面にそれぞれ連結された第1鉛箔および第2鉛箔と、
前記第1箔に連結された陽性活性材料の層と、前記第2箔に連結された陰性活性材料の層とであって、前記陰性活性材料の層が圧縮抵抗性スペーサ構造物をさらに含む、層と、
前記陽性活性材料の層および前記陰性活性材料の層にそれぞれ連結された第1圧縮抵抗性分離器および第2圧縮抵抗性分離器であって、前記第1圧縮抵抗性分離器および前記第2圧縮抵抗性分離器がゲル化形態にある電解質を備える、圧縮抵抗性分離器と、
を備える、双極鉛酸電池。
【請求項17】
前記非伝導性担体が合成重合体および陶磁のうち少なくとも1つを含む材料から製造され、かつ前記伝導性材料が鉛を含む、請求項16に記載の双極電池。
【請求項18】
前記圧縮抵抗性スペーサ構造物が合成重合体および陶磁のうち少なくとも1つを含む、請求項16に記載の双極電池。
【請求項19】
前記第1圧縮抵抗性分離器および前記第2圧縮抵抗性分離器が焼成シリカおよび不活性充填材を備える、請求項16に記載の双極電池。
【請求項20】
前記擬似双極電極に連結されて電解槽を形成する第2疑似双極電極をさらに含み、かつ、(a)前記電解槽に連結され、それにより前記電解槽からの気体の通気を可能にする一方向弁、および、(b)前記電解槽内の空所の少なくとも一部の中にある伝熱性材料のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項16に記載の双極電池。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2011−530800(P2011−530800A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523009(P2011−523009)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/042122
【国際公開番号】WO2010/019291
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(511036886)エーアイシー ブラブ カンパニー (1)
【出願人】(311011162)
【出願人】(311011151)
【出願人】(311011140)
【Fターム(参考)】