説明

銀コート銅粉及びその製造法、該銀コート銅粉を含有する導電性ペースト、導電性接着剤、導電性膜、及び電気回路

【課題】 本発明は、導電性及び耐マイグレーション性に優れた銀コート銅粉とその製造法、該銀コート銅粉を含有する導電性ペースト、導電性接着剤、導電性膜、及び電気回路に関する。
【解決手段】 銅粉末と銀微粒子粉末とを混合攪拌して銅粉末の粒子表面に銀微粒子粉末を付着させる銀コート銅粉の製造法において、全処理工程を乾式で行うと共に、銀微粒子粉末として粒子表面を分散剤により表面被覆された銀微粒子粉末を用いることで、導電性及び耐マイグレーション性に優れた銀コート銅粉を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性及び耐マイグレーション性に優れた銀コート銅粉とその製造法、該銀コート銅粉を含有する導電性ペースト、導電性接着剤、導電性膜、及び電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
金属微粒子粉末は、プリント配線板の回路形成用部材、各種電気的接点用部材、コンデンサ等の電極用部材などへの導電性粒子粉末として用いられ、これら部材は各種電子デバイスに幅広く使用されている。
【0003】
前述の用途に用いられる導電性粒子粉末としては、金、銀、パラジウム、銅、アルミニウム等の導電性金属微粒子が知られているが、金やパラジウムは高価であるため、一般には、高い導電性が要求される分野では銀が、それ以外の分野では銅が導電性粒子粉末として用いられることが多い。
【0004】
しかしながら、銀は金やパラジウムに次いで高価であり、また、長期にわたって高湿環境において電圧が印加された場合、マイグレーション現象が起き易く、電極間又は配線間がショートするという問題を有している。
【0005】
一方、銅は安価であり、マイグレーション現象の発生が比較的少ないが、導電性銅ペーストは導電性銀ペーストに比べると導電性が低く、また、耐酸化性に劣るため、導電性ペーストを加熱する際酸化し易く、銅粒子表面に酸化膜を形成して導電性が低下するという問題を有している。
【0006】
これまでに、銅粉の導電性及び耐酸化性を向上させることを目的として、銅粒子表面に銀を被覆させる方法が提案されており、銀粉末と銅粉末を機械的に強制接合させた銀−銅複合粉末(特許文献1)、銀イオンと金属銅との置換反応により、銅粒子の表面に銀が被覆された銀被覆銅粉(特許文献2乃至4)、銀めっき銅粉(特許文献5)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭56−155259号公報
【特許文献2】特開2002−245849号公報
【特許文献3】特開2004−68111号公報
【特許文献4】特開2006−161081号公報
【特許文献5】特開平9−282935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
即ち、前出特許文献1には、銀粉末と銅粉末を機械的に強制接合させた銀−銅複合粉末が記載されているが、銅粉末表面に付着させる銀粉末の表面性(表面処理)については何も考慮されていないことから、後出比較例に示す通り、分散剤によって表面処理されていない銀粒子を銅粉末に機械的に付着させた場合には、銀粒子同士が凝集する傾向にあるため、マイグレーション現象が生じやすいという問題を有している。
【0009】
また、前出特許文献2乃至特許文献4には、銀イオンと金属銅との置換反応により、銅粒子の表面に銀が被覆された銀被覆銅粉とその製造方法が記載されているが、いずれも水溶液中での湿式反応であるため、銅粉の酸化が生じると共に、粒子表面が銀によって均一に被覆されることにより、マイグレーション現象が生じやすいという問題を有している。
【0010】
また、前出特許文献5には、銀めっき銅粉が記載されているが、銀めっき銅粉は、ペースト混練時に銀めっきの剥離が発生し易く、マイグレーション現象が生じやすいという問題を有している。
【0011】
そこで、本発明は、導電性及び耐マイグレーション性に優れた銀コート銅粉を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0013】
即ち、本発明は、銅粉の表面に、分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子粉末が付着しており、銅粉の平均粒子径(D50)と銀微粒子の平均粒子径(DSEM)との比(D50/DSEM)が3〜200の範囲であることを特徴とする銀コート銅粉である(本発明1)。
【0014】
また、本発明は、レーザー回折散乱粒度分布による平均粒子径(D50)が0.1〜30μmであることを特徴とする本発明1の銀コート銅粉である(本発明2)。
【0015】
また、本発明は、銅粉100重量部に対して分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子の付着量が1〜100重量部であることを特徴とする本発明1又は本発明2の銀コート銅粉である(本発明3)。
【0016】
また、本発明は、銀微粒子粉末の表面被覆に用いる分散剤が、数平均分子量1,000以上の高分子系分散剤から選ばれる1種又は2種以上からなることを特徴とする本発明1から本発明3の銀コート銅粉である(本発明4)。
【0017】
また、本発明は、銅粉末と銀微粒子粉末とを混合攪拌して銅粉末の粒子表面に銀微粒子粉末を付着させる銀コート銅粉の製造法において、全処理工程を乾式で行うと共に、銀微粒子粉末として粒子表面を分散剤により表面被覆された銀微粒子粉末を用いることを特徴とする本発明1から本発明4の製造法である(本発明5)。
【0018】
また、本発明は、本発明1から本発明4の銀コート銅粉を含む導電性接着剤である(本発明6)。
【0019】
また、本発明は、本発明1から本発明4の銀コート銅粉を含む導電性ペーストである(本発明7)。
【0020】
また、本発明は、本発明7の導電性ペーストを用いて形成された導電性膜である(本発明8)。
【0021】
また、本発明は、本発明7の導電性ペーストを用いて形成された電気回路である(本発明9)。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る銀コート銅粉は、導電性、導電性及び耐マイグレーション性に優れているので、導電性ペースト及び導電性接着剤等の原料として好適である。
【0023】
本発明に係る銀コート銅粉を用いた導電性ペースト並びに導電性接着剤は、耐マイグレーション性及び導電性に優れたプリント配線基板等を提供することができるので、各種電子デバイスに用いられる導電性ペースト及び導電性接着剤として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0025】
まず、本発明に係る銀コート銅粉について述べる。
【0026】
本発明に係る銀コート銅粉は、銅粉の表面に、分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子粉末が付着していることを特徴とする銀コート銅粉である。
【0027】
本発明における銅粉としては、その種類、製法等に制限はなく、通常の電解法、還元法、アトマイズ法、機械的粉砕などから得られる銅粉を用いることができる。
【0028】
本発明における銅粉の粒子形状は特に限定されず、球状、樹枝状、鱗片状、フレーク状、針状、板状、粒状等を用いることができる。また、形状の異なる銅粉を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
銅粉のレーザー回折散乱粒度分布による平均粒子径(D50)は0.1〜30μmであり、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜10μmである。平均粒子径(D50)の異なる銅粉を組み合わせて用いてもよい。平均粒子径(D50)が0.1μm未満の場合には、粒子の微細化によって表面酸化が起こりやすくなり、導電性が低下するため好ましくない。また、平均粒子径(D50)が30μmを超える場合には、これを用いて得られる銀コート銅粉と該銀コート銅粉より得られた導電性ペーストの印刷性及び充填性が低下するため、高い導電性を有する導電性ペーストを得ることが困難となる。
【0030】
本発明における銅粉のBET比表面積値は、0.1〜4.0m/gであることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0m/gである。BET比表面積値が4.0m/gを超える場合には、粒子粉末の表面積が大きすぎるため表面酸化が起こりやすくなり、導電性が低下するため好ましくない。
【0031】
本発明における銀微粒子粉末としては、その種類、製法等に制限はなく、通常の機械的粉砕法、アアトマイズ法、湿式還元法、電解法、気相法などの公知の方法で得られた銀微粒子粉末を用いることができる。
【0032】
本発明における銀微粒子の粒子形状は特に限定されず、球状、粒状、不定形、樹枝状、フレーク状、鱗片状、板状、針状等を用いることができるが、球状、粒状もしくは不定形であることが好ましい。
【0033】
銀微粒子粉末の平均粒子径(DSEM)は、0.01〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.02〜2μm、更により好ましくは0.03〜1μmである。平均粒子径(DSEM)が0.01μm未満の場合には、銀微粒子粉末の微細化により活性が高すぎて不安定あるため、常温におけるハンドリングが困難である。
【0034】
本発明に係る銀コート銅粉は、銅粉の平均粒子径(D50)と銀微粒子粉末の平均粒子径(DSEM)との比(D50/DSEM)が3〜200の範囲であり、好ましくは4〜150、より好ましくは5〜100である。銅粉の平均粒子径(D50)と銀微粒子粉末の平均粒子径(DSEM)との比(D50/DSEM)が3未満の場合には、銅粉の平均粒子径(D50)に対して銀微粒子粉末の平均粒子径(DSEM)が大きすぎるため、銅粉の粒子表面へ銀微粒子粉末をコートすることが困難となる。銅粉の平均粒子径(D50)と銀微粒子粉末の平均粒子径(DSEM)との比(D50/DSEM)が200を超える場合には、工業的に容易に製造することが困難となる。
【0035】
銀微粒子粉末の粒子表面を被覆する分散剤としては、数平均分子量が1,000以上の高分子系分散剤を用いることができる。
【0036】
前記高分子系分散剤としては、一般に顔料分散剤として市販されているものを使用することができ、具体的には、ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−205、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−106、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、(ビックケミー・ジャパン株式会社製);EFKA 4008、EFKA 4009、EFKA 4046、EFKA 4047、EFKA 4010、EFKA 4015、EFKA 4020、EFKA 4050、EFKA 4055、EFKA 4060、EFKA 4080、EFKA 4300、EFKA 4330、EFKA 4400、EFKA 4401、EFKA 4402、EFKA 4403、EFKA 4406、EFKA 4800、EFKA 5010、EFKA 5044、EFKA 5244、EFKA 5054、EFKA 5055、EFKA 5063、EFKA 5064、EFKA 5065、EFKA 5066、EFKA 5070(BASFジャパン株式会社製);SOLSPERSE 3000、SOLSPERSE 13240、SOLSPERSE 13940、SOLSPERSE 16000、SOLSPERSE 17000、SOLSPERSE 18000、SOLSPERSE 20000、SOLSPERSE 21000、SOLSPERSE 24000SC、SOLSPERSE 24000GR、SOLSPERSE 26000、SOLSPERSE 27000、SOLSPERSE 28000、SOLSPERSE 31845、SOLSPERSE 32000、SOLSPERSE 32500、SOLSPERSE 32550、SOLSPERSE 34750、SOLSPERSE 35100、SOLSPERSE 35200、SOLSPERSE 36000、SOLSPERSE 36600、SOLSPERSE 37500、SOLSPERSE 38500、SOLSPERSE 39000、SOLSPERSE 41000(日本ルーブリゾール株式会社製);アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB881、アジスパーPN−411、アジスパーPA−111、(味の素ファインテクノ株式会社製);DISPARLON KS−860、DISPARLON KS−873N、DISPARLON 7004、DISPARLON 1831、DISPARLON 1850、DISPARLON 1860、DISPARLON DA−7301、DISPARLON DA−325、DISPARLON DA−375、DISPARLON DA−234(楠本化成株式会社製);フローレン DOPA−15B、フローレン DOPA−17HF、フローレン DOPA−22、フローレン DOPA−33、フローレン G−700、フローレン G−820、フローレン G−900(共栄社化学株式会社製)等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、1種類又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0037】
分散剤の数平均分子量は1,000以上であることが好ましく、より好ましくは1,000〜150,000、更により好ましくは5,000〜100,000である。数平均分子量が1,000未満の分散剤を表面処理した銀微粒子粉末は、分散剤を処理した効果が不十分であり、銀微粒子が凝集する傾向があるため、銅粉への付着処理が困難である。一方、数平均分子量が150,000を超える場合には分散剤の粘度が上がり、銀微粒子粉末への表面被覆処理が困難となるため好ましくない。
【0038】
また、上記分散剤として、酸価とアミン価の両方を有する分散剤もしくは、酸価を有する分散剤とアミン価を有する分散剤とを併用することが好ましく、該特性を有する分散剤を銀微粒子粉末に表面処理することにより、銀微粒子を銅粉の粒子表面へより効果的に処理することが可能となる。
【0039】
酸価を有する分散剤としては、代表的なものとして、DISPERBYK−102、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、BYK−220S、EFKA 5010、EFKA 5065、EFKA 5066、EFKA 5070、SOLSPERSE 3000、SOLSPERSE 16000、SOLSPERSE 17000、SOLSPERSE 18000、SOLSPERSE 21000、SOLSPERSE 27000、SOLSPERSE 28000、SOLSPERSE 36000、SOLSPERSE 36600、SOLSPERSE 38500、SOLSPERSE 39000、SOLSPERSE 41000、アジスパーPN−411、アジスパーPA−111等である。
【0040】
アミン価を有する分散剤としては、代表的なものとして、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−182、DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、BYK−9077、EFKA 4046、EFKA 4047、EFKA 4015、EFKA 4020、EFKA 4050、EFKA 4055、EFKA 4060、EFKA 4080、EFKA 4300、EFKA 4330、EFKA 4400、EFKA 4401、EFKA 4402、EFKA 4403、EFKA 4800、SOLSPERSE 20000等である。
【0041】
酸価とアミン価の両方を有する分散剤としては、代表的なものとして、ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−205、DISPERBYK−101、DISPERBYK−106、DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−180、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−202、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2070、BYK−9076、EFKA 4008、EFKA 4009、EFKA 4010、EFKA 4406、EFKA 5044、EFKA 5244、EFKA 5054、EFKA 5055、EFKA 5063、EFKA 5064、SOLSPERSE 13240、SOLSPERSE 13940、SOLSPERSE 24000SC、SOLSPERSE 24000GR、SOLSPERSE 26000、SOLSPERSE 31845、SOLSPERSE 32000、SOLSPERSE 32500、SOLSPERSE 32550、SOLSPERSE 34750、SOLSPERSE 35100、SOLSPERSE 35200、SOLSPERSE 37500、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB881等である。
【0042】
分散剤の被覆量は、銀微粒子のBET表面積値にもよるが、銀微粒子粉末に対して0.1〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜4.0重量%である。0.1重量%未満の場合には、分散剤の処理量が不十分であり、銀微粒子粉末が凝集しやすいため、銅粉への付着処理が困難である。5.0重量%を超える場合には、銀微粒子粉末の凝集を抑制することはできるが、導電性に関与しない有機物成分が増えるため好ましくない。
【0043】
本発明に係る銀コート銅粉のレーザー回折散乱粒度分布による平均粒子径(D50)は0.1〜30μmであり、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.1〜10μmである。平均粒子径(D50)の異なる銀コート銅粉を組み合わせて用いてもよい。平均粒子径(D50)が0.1μm未満の場合には、粒子の微細化によって表面酸化が起こりやすくなり、導電性が低下するため好ましくない。また、平均粒子径(D50)が30μmを超える場合には、これを用いて得られた導電性ペーストの印刷性及び充填性が低下するため、高い導電性を有する導電性ペーストを得ることが困難となる。
【0044】
本発明に係る銀コート銅粉の粒子形状は特に限定されず、球状、樹枝状、フレーク状、鱗片状、針状、板状、粒状等を用いることができる。また、形状の異なる銀コート銅粉を組み合わせて用いてもよい。
【0045】
本発明に係る銀コート銅粉のBET比表面積値は、0.1〜7.0m/gであることが好ましく、より好ましくは0.2〜6.0m/gである。BET比表面積値が7.0m/gを超える場合には、粒子粉末の表面積が大きすぎるため表面酸化が起こりやすくなり、導電性が低下するため好ましくない。
【0046】
本発明に係る銀コート銅粉に付着している銀微粒子の割合は、銅粉のBET比表面積値にもよるが、銅粉100重量部に対して分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子が1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜80重量部、更により好ましくは3〜60重量部である。分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子による被覆量が1重量部未満の場合には、銀微粒子の付着量が少なすぎるため、銀微粒子を被覆したことによる十分な導電性向上効果が得られない。また、芯材である銅粉の露出面が多くなり、銅粉が酸化されて十分な導電性を確保することが困難となる。一方、銀微粒子は高価であるため、耐酸化性及び導電性の改善効果と、得られる銀コート銅粉のコストとのバランスを考慮すると、その上限は100重量部である。また、粒子表面の銀微粒子の存在量が増えるため、銀のマイグレーション現象が起こりやすくなるため好ましくない。
【0047】
本発明に係る銀コート銅粉のT−C量(全炭素量)は、0.1〜4%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜3%、更により好ましくは0.1〜2%である。T−C量が4%を超える場合には、導電性に関与しない有機物成分が増えるため好ましくない。
【0048】
本発明に係る銀コート銅粉は、銅粉の粒子表面が銀微粒子によって均一に被覆されている必要はなく、銅粉の一部が露出していても差し支えない。銅粉の粒子表面が均一に被覆されている場合、耐マイグレーション性が低下するため好ましくない。
【0049】
次に、本発明に係る銀コート銅粉の製造方法について述べる。
【0050】
本発明に係る銀コート銅粉は、銅粉末と粒子表面を分散剤により表面被覆された銀微粒子粉末とを混合攪拌して銅粉末の粒子表面に銀微粒子粉末を付着させることによって得ることができる。
【0051】
分散剤による銀微粒子の被覆処理は、分散剤と銀微粒子とを適当な溶媒中で混合攪拌した後、濾別・乾燥することによって行う。溶媒としては、分散剤が溶解するものであれば何を用いてもよい。乾燥は、銀微粒子の焼結が生じないよう、低温で行うことが好ましい。
【0052】
銅粉と分散剤により表面被覆された銀微粒子粉末との混合攪拌は、粉体層に機械的エネルギーを加えることのできる装置が好ましく、例えば、ボール型混練機、ホイール型混練機を用いることができ、ボール型混練機がより効果的に使用できる。
【0053】
前記ボール型混練機としては、振動ミル、回転ミル、サンドグラインダ等があり、好ましくは振動ミルである。前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等がある。
【0054】
本発明においては、銅粉と分散剤により表面被覆された銀微粒子粉末との混合攪拌は、全工程を乾式で行うと共に、銅粉の酸化による導電性の低下を防止するためにN雰囲気下で行うことが好ましい。
【0055】
次に、本発明に係る銀微粒子を含む導電性ペーストについて述べる。
【0056】
本発明に係る導電性ペーストは、本発明に係る銀コート銅粉及び溶剤からなり、必要に応じて、バインダー樹脂、硬化剤、分散剤、レオロジー調整剤等の他の成分を配合してもよい。また、本発明の趣旨を損なわない範囲で、本発明に係る銀コート銅粉の他に白金、金、銀、銅、パラジウム等の金属粉末やカーボンなど任意の導電性フィラーを組み合わせることができる。
【0057】
バインダー樹脂としては、当該分野において公知のものを使用することができ、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース誘導体等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル等の各種変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン系樹脂、レゾール樹脂及びガラスフリット等の無機バインダー等が挙げられる。これらバインダー樹脂は、単独でも、又は2種類以上を併用することもできる。
【0058】
溶剤としては、当該分野において公知のものを使用することができ、例えば、テトラデカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テトラリン及び石油系芳香族炭化水素混合物等の炭化水素系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル又はグリコールエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;テルピネオール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール等のテルペンアルコール;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶剤;γ−ブチロラクトン、ジオキサン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及び水等が挙げられる。溶剤は、単独でも、又は2種類以上を併用することもできる。
【0059】
導電性ペースト中の銀コート銅粉の含有量は用途に応じて様々であるが、例えば配線形成用途の場合などは可能な限り100重量%に近いことが好ましい。
【0060】
本発明に係る導電性ペーストは、各成分を、ライカイ機、ポットミル、三本ロールミル、回転式混合機、二軸ミキサー等の各種混練機、分散機を用いて、混合・分散させることにより得ることができる。
【0061】
本発明に係る導電性ペーストは、スクリーン印刷、凹版印刷、平板印刷、インクジェット法、グラビア印刷、転写印刷、ロールコート、フローコート、スプレー塗装、スピンコート、ディッピング、ブレードコート、めっき等各種塗布方法に適用可能である。
【0062】
また、本発明に係る導電性ペーストは、FPD(フラットパネルディスプレイ)、太陽電池、有機EL等の電極形成やLSI基板の配線形成、更には微細なトレンチ、ビアホール、コンタクトホールの埋め込み等の配線形成材料として用いることができる。また、積層セラミックコンデンサや積層インダクタの内部電極形成用等の高温での焼成用途はもちろん、低温焼成が可能であることからフレキシブル基板やICカード、その他の基板上への配線形成材料及び電極形成材料として好適である。また、導電性被膜として電磁波シールド膜や赤外線反射シールド等にも用いることができる。エレクトロニクス実装においては電子部品と絶縁基材を接続する導電性接着剤、鉛代替はんだ材として用いることもできる。
【0063】
<作用>
本発明において重要な点は、銅粉の表面に、分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子粉末が付着していることを特徴とする銀コート銅粉は、導電性及び耐マイグレーション性に優れているという事実である。
【0064】
本発明に係る銀コート銅粉が導電性及び耐マイグレーション性に優れている理由について、本発明者は次のように考えている。即ち、本発明の製造法は、これまでに知られている銀イオンと金属銅との置換反応により銅粒子の表面に銀を被覆する方法や、銀めっき法のように水溶液中で処理を行わないため、銅粉が水溶液中で酸化することによる導電性の低下を防ぐことができる。また、めっき処理のように粒子表面が銀で一面に覆われた場合、マイグレーション現象が生じやすいが、本発明の銀コート銅粉は銅粒子の粒子表面が均一に被覆されていないため、マイグレーション現象の発生を抑制できたものと考えている。更に、銀微粒子の粒子表面が分散剤で処理されていることにより、付着させた銅粒子表面からの銀微粒子のはがれが起きにくいことも、耐マイグレーション性に優れている一因と考えている。
【実施例】
【0065】
以下に、本発明における実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0066】
分散剤によって表面処理された銀微粒子の平均粒子径(DSEM)は、走査型電子顕微鏡写真「S−4800」(HITACHI製)を用いて粒子の写真を撮影し、該写真を用いて粒子100個以上について粒子径を測定し、その平均値を算出し、平均粒子径(DSEM)とした。
【0067】
なお、銀コート銅粉の銀微粒子による銅粉の被覆状態は、上記走査型電子顕微鏡写真「S−4800」(HITACHI製)によって粒子を観察することにより行った。
【0068】
銅粉及び銀コート銅粉の平均粒子径(D50)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定器「LMS−2000e」(株式会社セイシン企業製)を用いて測定し、粒度分布測定において累積値が50%となる粒子径として示した。
【0069】
銅粉、分散剤によって表面処理された銀微粒子及び銀コート銅粉の比表面積は、「モノソーブMS−11」(カンタクロム株式会社製)を用いて、BET法により測定した値で示した。
【0070】
銅粉、銀微粒子の粒子表面に処理されている分散剤及び銀コート銅粉の炭素量(T−C)は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用い、炭素量を測定することにより求めた。
【0071】
銀コート銅粉を構成する銅及び銀の含有量は、試料0.2g、硝酸5ml及びイオン交換水10mlを50mlのフッ素樹脂製ビーカーへ入れ、240℃で15分保持して溶解させ、この溶液を「誘導結合プラズマ発光分光分析装置 iCAP6500Duo」(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて測定した。
【0072】
導電性塗膜の比抵抗は、後述する導電性ペーストを厚み50μmのポリイミドフィルム上に塗布し、120℃で10分間予備乾燥した後、210℃で10分間加熱させることにより得られた導電性膜について、4端子電気抵抗測定装置「ロレスタGP/MCP−T610」(株式会社ダイアインスツルメンツ製)を用いて測定し、シート抵抗と膜厚より比抵抗を算出した。
【0073】
導電性塗膜の耐マイグレーション性は、厚み50μmのポリイミドフィルム上に、後述する導電性ペーストを用いて、中央に0.75mmのギャップのある線幅0.75mm、長さ25.0mmのパターンを乾燥膜厚が10〜30μmになるようにスクリーン印刷し、150℃で30分加熱乾燥したものを試料とした。次いで、上記ギャップ間に注射器ニチペットLe(株式会社ニチリョー製)で蒸留水0.02mlをゆるやかに滴下し、直流電源 R6142(株式会社ADVANTEST製)で3V印加し、デジタルマルチメータ R6871E(株式会社ADVANTEST製)で電流値を測定して、電流値が0.1mAになるまでの時間を測定し、5回の測定値の平均値で評価した。時間が長いほど耐マイグレーション性は良好であることを示す。
【0074】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0075】
銀微粒子1:
銀微粒子 100gにメタノール 155gを加えて攪拌した後、20gのメタノールにDISPERBYK−106 1.4g(銀微粒子に対して分散剤が1.4wt%に相当)を添加・攪拌して調整したDISPERBYK−106のメタノール溶液を上記銀微粒子のメタノール溶液に加え、温度40℃において100分間攪拌・混合を行った。
【0076】
得られた混合溶液を40℃において減圧乾燥を行い、分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子1を得た。
【0077】
得られた銀微粒子1は、平均粒子径DSEMが78nm、BET比表面積値が3.4m/g、T−Cが0.91%の不定形粒子であった。
【0078】
銀微粒子2〜7:
銀微粒子の種類、分散剤の種類及び添加量を変化させた以外は、前記銀微粒子1と同様にして分散剤によって粒子表面が被覆された銀微粒子粉末を得た。得られた銀微粒子粉末の特性を表1に示す。
【0079】
【表1】

【0080】
銅粉1〜4:
銅粉として表2に示す特性を有する銅粉を用意した。
【0081】
【表2】

【0082】
<実施例1−1:銀コート銅粉の製造>
銅粉1(形状:樹枝状、平均粒子径D50:4.0μm、BET比表面積値:0.35m/g、T−C:0.02%)2kgを振動ミル「MB1」(メディア:φ11m/mの樹脂コート球 3.9kg)(製品名、中央化工機株式会社製)に投入し、次いで、銀微粒子1(形状:不定形、平均粒子径DSEM:78nm、BET比表面積値:3.4m/g)200gを添加し、回転数1200rpm、振幅6mmで180分間混合攪拌を行い、実施例1−1の銀コート銅粉を得た。
【0083】
得られた銀コート銅粉の粒子形状は樹脂状、平均粒子径(D50)は3.7nm、BET比表面積値は0.40m/gであり、T−Cは0.15%、Ag含有量は8.92%、Cu含有量は90.93%であった。銅粉の平均粒子径(D50)と銀微粒子粉末の平均粒子径(DSEM)との比(D50/DSEM)は51であった。SEM観察の結果、銅粉の表面に銀が存在していることを確認した。
【0084】
<実施例2−1:導電性ペーストの製造>
実施例1−1の銀コート銅粉100重量部に対してポリエステル樹脂のジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート溶液(固形分35%)及び硬化剤1.4重量部と、導電性ペーストにおける銀コート銅粉の含有量が70wt%となるようにジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートとジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの混合溶液を加え、プレミックスを行った後、3本ロールを用いて均一に混練・分散処理を行い、導電性ペーストを得た。
【0085】
得られた導電性ペーストを、厚み50μmのポリイミドフィルム上に塗布し、比抵抗値測定用は210℃で10分間加熱乾燥し、耐マイグレーション測定用は150℃で10分間加熱乾燥して導電性塗膜を得た。
【0086】
得られた導電性塗膜の比抵抗値は1.6×10−2Ω・cmであり、耐マイグレーション性は592secであった。
【0087】
前記実施例1−1及び実施例2−1に従って銀コート銅粉及び導電性ペーストを作製した。各製造条件及び得られた銀コート銅粉及び導電性ペーストの諸特性を示す。
【0088】
実施例1−2〜1−5及び比較例1−1〜1−4:
銅粉の種類、銀微粒子の種類及び添加量を変化させた以外は、前記実施例1−1と同様にして銀コート銅粉を得た。
【0089】
このときの製造条件を表3に、得られた銀コート銅粉の諸特性を表4に示す。
【0090】
【表3】

【0091】
【表4】

【0092】
実施例2−2〜2−5及び比較例2−1〜2−7:
銀コート銅粉の種類を種々変化させた以外は、前記実施例2−1の導電性ペーストの作製方法に従って導電性ペースト及び導電性塗膜を製造した。なお、比較例2−7の導電性粒子は市販の銀メッキ銅粉(粒子形状:樹脂状、平均粒子径(D50):12.27nm、BET比表面積値:0.55m/g、T−C:0.09%、Ag含有量:10.08%、Cu含有量:89.92%)である。
【0093】
このときの製造条件及び得られた導電性塗膜の諸特性を表5に示す。
【0094】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係る銀コート銅粉は、導電性、導電性及び耐マイグレーション性に優れているので、導電性ペースト及び導電性接着剤等の原料として好適である。
【0096】
本発明に係る銀コート銅粉を用いた導電性ペースト並びに導電性接着剤は、耐マイグレーション性及び導電性に優れたプリント配線基板等を提供することができるので、各種電子デバイスに用いられる導電性ペースト及び導電性接着剤として好適である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅粉の表面に、分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子粉末が付着しており、銅粉の平均粒子径(D50)と銀微粒子の平均粒子径(DSEM)との比(D50/DSEM)が3〜200の範囲であることを特徴とする銀コート銅粉。
【請求項2】
レーザー回折散乱粒度分布による平均粒子径(D50)が0.1〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の銀コート銅粉。
【請求項3】
銅粉100重量部に対して分散剤により粒子表面が被覆された銀微粒子の付着量が1〜100重量部である請求項1又は請求項2記載の銀コート銅粉。
【請求項4】
銀微粒子粉末の表面被覆に用いる分散剤が、数平均分子量1,000以上の高分子系分散剤から選ばれる1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の銀コート銅粉。
【請求項5】
銅粉末と銀微粒子粉末とを混合攪拌して銅粉末の粒子表面に銀微粒子粉末を付着させる銀コート銅粉の製造法において、全処理工程を乾式で行うと共に、銀微粒子粉末として粒子表面を分散剤により表面被覆された銀微粒子粉末を用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の銀コート銅粉の製造法。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の銀コート銅粉を含む導電性接着剤。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の銀コート銅粉を含む導電性ペースト。
【請求項8】
請求項7記載の導電性ペーストを用いて形成された導電性膜。
【請求項9】
請求項7記載の導電性ペーストを用いて形成された電気回路。

【公開番号】特開2012−214898(P2012−214898A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−82434(P2012−82434)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000166443)戸田工業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】