説明

銀行券及び/又は紙幣などを整然と収納するための設備

【解決手段】銀行券(52)及び/又は紙幣などを、例えば、自動機械(39)用の銀行券(52)を、整然と、積層体(53)を形成して収納するための設備(43)。設備(43)は、積み重ね方向に向いたそれぞれの軸(83、84)と、積層体の端部の積み重ね面(77)に隣接する端末区画(86)によってコイルを画定している、2つの渦巻き状要素(81、82)を備えている。渦巻き状要素(81、82)は、軸(83、84)の周りに回転させることができ、入ってくる銀行券(52)の先導部分をコイルの間に横方向に受け入れ、コイルを通して、回転の結果として、銀行券(52)を積み重ね面(77)の上に動かし、銀行券をコイルから端末区画(86)近くで係合解除するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券及び/又は紙幣などを整然と収納するための設備に関する。より具体的には、本発明は、銀行券及び/又は紙幣などを整然と収納するための設備に関しており、同設備は、積層体を形成するために設けられている。
【背景技術】
【0002】
この型式の設備は、銀行券を預け入れるための現金自動預払機(ATM)及びセルフサービス機に用いられ、その際、預け入れられた銀行券は、後での処理に備えて、機械に一体化されている貯蔵所の中に、又は取り外し可能なボックスの中に積み重ねられる。
【0003】
これらの設備は、更に、銀行券の預け入れと引き出しのために、現金自動預払機(ATM)又はセルフサービス機に用いることができ、一般に循環利用ボックスを備えており、ボックスの中には、適切に検査された後、預け入れられた銀行券が積み重ねられ、それぞれの積層体を形成する。銀行券は、支払い操作の後に引き出すことができ、一方ボックスは、空にするか又は補充するために取り外すことができる。
【0004】
銀行券を整然と収納する設備の基本的な要件は、収納する銀行券の枚数に関係する容積を持っていること、信頼性が高いこと、及び擦り切れているか又はくしゃくしゃの銀行券があっても高速で作動することである。
【0005】
既知の構造では、銀行券及び/又は紙幣などを整然と収納するための設備は、銀行券の入力領域と積層体の積み重ね面との間に分離空間を有するボックスを備えている。銀行券は、一度に一枚取込まれ、積み重ね面上で、例えば直立位置で駆動され、その長い方の辺の上に支持される。入力部と積み重ね面の間を分離するために、弾性スポークを備えたスクラッチローラーが設けられ、積層体の上部で作動し、銀行券を、それぞれの分離空間から間隔を空けた状態に維持する。可動押圧機構は、積層体形成の空間を調整し、一方、ガイド部材は、入ってくる銀行券をスクラッチローラーのスポークに向かわせる。
【0006】
銀行券の取込みと積み重ねの段階は、詳しくは、摩耗の状態と、折り曲げと巻き癖が付いているか否かによっては、深刻な欠点に悩まされる。擦り切れた、又は裂けた銀行券は、実際、積層体に達する前に曲がり、又はガイド部材と干渉することになり易い。そうすると、最後に積み重ねられた銀行券の変形した部分は、挿入の空間に突き出て、入ってくる銀行券に干渉しかねず、どちらの場合も、ロックする危険性は明らかである。
【0007】
設備が多様な金種の銀行券を収納するために提供されているとき、特に、預け入れられた銀行券の引き出しに備えている循環利用設備の場合には、更に危険なことが起こる。
現金自動預払機又はセルフサービス機の貯蔵所又はボックスの中に銀行券を取込んで整然と積み重ねるのをやり易くするための装置の例が、幾つか知られている。これらの装置は、一般に、複雑であり、及び/又は厄介で高価であり、銀行券を様々な応力に曝し、摩耗の問題が増すことになる。更に、これらの装置は、異なる寸法の銀行券を一緒に処理するには、難しい面がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、銀行券を整然と収納するための設備であって、抑制された寸法と比較的大きな容量を有し、擦り切れた、及び/又は折り曲げられ又は巻き癖が付いている銀行券の場合でも高い信頼性を備えている設備を提供することである。
【0009】
本発明によれば、銀行券を整然と収納するための設備は、少なくとも1つの渦巻き状要素を含んでおり、渦巻き状要素は、積層体形成の方向に向いた軸と、積み重ね面に隣接する端末区画によってコイルを画定している。渦巻き状要素は、軸の周りに回転するように設けられており、入ってくる銀行券の先導部分を、コイルとコイルの間の受け入れ空間内に横方向に受け入れ、そして、銀行券を軸方向に、コイルを通してそして回転の結果として、受け入れ空間から積み重ね面まで、コイルから端末区画近くで係合解除させるよう、動かすことができるように、配置されている。
【0010】
本発明の別の目的は、現金自動預払機又はセルフサービス機で用いるための、抑制された寸法と比較的大きな容量を有する、銀行券を整然と収納するためのボックスであって、擦り切れた、及び/又は折り曲げられ又は巻き癖が付いている銀行券を迅速に高い信頼性をもって処理することのできる、ボックスを実現することである。
【0011】
別の特徴に依れば、本発明のボックスは、それぞれ、銀行券を、積層体を形成して収納し、銀行券を積層体から分離させて送出することができるように事前に調整されている。ボックスは、2つの渦巻き状要素を含んでおり、渦巻き状要素は、積み重ね方向に向いた軸と、積み重ね面に隣接する端末区画によって、それぞれのコイルを画定している。渦巻き状要素は、コイルの軸の周りに回転させることができ、入ってくる銀行券の一部分を横方向に受け入れ、そして銀行券を、コイルを通してそして回転の結果として、積み重ね面まで、コイルから端末区画近くで係合解除させるよう、動かすことができるように、配置されている。
【0012】
設備又はボックスは、銀行券を積層体から一枚ずつ分離させるための分離ローラーを含んでおり、積み重ね面が分離ローラーから間隔を空けて配置される預け入れ状態と、積み重ね面が分離ローラーと接触している引き出し状態とを画定することができる。移転装置は、渦巻き状要素を作動位置と非作動位置の間で動かして、作動位置の預け入れ状態にあるときは、端末区画は、積み重ね方向に分離ローラーから下側で、積み重ね面に隣接し、非作動位置の引き出し状態にあるときは、端末区画は、分離ローラーより上側にあり、取り出される銀行券と干渉しないように、事前に設定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の特徴は、単に非限定的な実施例として提供する以下の説明を添付図面と関連付けて読めば、明白になるであろう。
図1は、銀行券の預け入れと引き出しのための現金自動預払機(ATM)39を示しており、この機械は、上部に循環利用モジュール41と、下部に、型番41と連通する1つ又は複数の経路が設けられた収納金庫42とを備えている。
【0014】
現金自動預払機39は、本発明による銀行券を整然と収納するための複数の設備を使用しており、代表的には、収納金庫42内に取り外し可能に収納されるボックス43を備えている。以下の説明では、ボックス43は、収納されている銀行券を選択的に引き出すためにも事前に調整されている。
【0015】
循環利用モジュール41は、実質的に既知の型式のものであり、前方に、銀行券を預け入れるための入口44と、銀行券を引き出すため及び拒絶するための出口45と、ユーザーと通信するインターフェースとしてのタッチパネル46とを備えている。図示していないが、モジュール41は、内側に、電子制御ユニットと、銀行券確認装置と、一時的預け入れ(エスクロー)装置と、銀行券を、収納金庫42の1つ又は複数の経路から及び経路へと、そして様々な装置の間で動かすための機構とを含んでいる。
【0016】
収納金庫42は、例えば前部に、ロック47付のドアによって閉じられる、ボックスへのアクセス口の羽根を有している。幾つかの搬送及び迂回機構48(図4参照)が、詳しく図示してはいないが、ドア47の後ろに配置されており、収納金庫42の内側で、銀行券を、モジュール41とボックス43の間で選択的に搬送する。
【0017】
ボックス43は、ガイド49の特殊な構造48の上に重ね合わせた状態に配置され(図4参照)、前部の羽根を通して取り外すためにアクセス可能になっている。
各ボックス43は、銀行券52を積み重ねてそれぞれの積層体53を形成し整然と収納するための、実質的に長い平行六面体形でロック付きカバー51が設けられたケーシング50を含んでいる(図2、図3、及び図4)。従来型のケーシング50の前方は、下部にスリット54付きの凹部があり、銀行券52を、スリットを通して入れて収納するか、又は、引き出すか又は他の目的で出すことができるようになっている。内側には、2つの側面56a及び56b(図5)と、使用時には水平となる拘束面57も設けられている。
【0018】
ボックス43は、スリット54から入ってくる銀行券52が収納され、積層体53を形成する預け入れの状態と、収納された銀行券が積層体53から一枚ずつ分離され、スリット54から出て行く引き出しの状態の間で設定することができる。以下に更に詳しく述べる様に、取込/払出要素、積層体分離部材、及び積層体の移動機構が設けられている。
【0019】
預け入れ状態では、積層体53は、積層体分離部材から、挿入の空間「Si」だけ分離され、その中で、分離部材は、積層体53を整列状態に保持し直し、銀行券を積み重ね易くするよう作動する。整形ブロック58(図8)とガイドプレート59は、入力又は出力時の銀行券52の経路を画定する。
【0020】
整形ブロック58は、前後の平面上の区画と弧状の中間区画を画定している。前方区画は、表面57の下にあり、スリット54と同一平面にある。後方区画は、表面57と同一平面にあり、中間区画は、後方区画と接続している部分では実質的に垂直な接線面を有している。ガイドプレート59は、ブロック58の前方区画と相対している前方区画と、ブロック58の中間区画と相対している弧状区画と、自由区画とを有している。この自由区画は、垂直に伸張し、挿入空間「Si」から上方の限界を示している。
【0021】
ボックス43は、銀行券の取込/払出のための要素として、軸62に楔止めされているモーターローラー61と、引っ張りローラー60と、ピンチローラー63とを含んでおり、軸62は、現金自動預払機39のモーター64によって駆動される(図4と図7参照)。詳しくは、軸62の端部は、ケーシング50の側面から突き出して被駆動歯車66を支持しており、モーター64は、歯車67の付いた出力軸を有しており、被駆動歯車66は、ボックスを構造49に搭載した瞬間に歯車67と回転的に係合するようになっている。
【0022】
ボックス43が機械39に搭載された状態では、スリット54は、搬送機構48の2つの入/出力ローラー68の正面にあり(図8)、銀行券の通過は、光電子対69によって検出される。預け入れ状態では、ローラー68によって入れられる銀行券52は、ブロック58とプレート59の間のスリット54を横切る。その後、銀行券は、モーターローラー61とピンチローラー63によって取り上げられる。銀行券は、反時計周りに回転するローラー61の動作に合わせて、ブロック58から挿入の空間「Si」に現れ、プレート59の自由部分によって案内される。銀行券の位置は、実質的に垂直で、運動面「Lbn」で定義されている。
【0023】
運動面「Lbn」に関して、入力部付近には、引っ張りローラー60が、モーターローラー61とは反対の部分に干渉するように配置されており、入ってくる銀行券を横断方向に変形させて取込み方向に沿って堅くするような大きさに作られている。
【0024】
引き出す状態では、積層体53から分離され、表面「Lbn」上に置かれている銀行券52(図13)は、モーターローラー61とピンチローラー63の間に挟まれる。銀行券は、ローラー61の動作に合わせて、ブロック58から現れ、スリット54を横断し、ローラー68によって取出され、機械39の機構48によって搬送される。
【0025】
積層体53の移動機構に関して、ボックス43は、一対の長い歯付ベルト71a及び71b(図5と図8)と、案内及び駆動用の歯付プーリ72a、73a及び72b、73bと、実質的に垂直な押圧プレート74と、モーター76を含んでいる。
【0026】
歯付ベルト71aと71bは、短い寸法の銀行券の長さより短い距離で互いに隣接しており、ボックスの後壁から前方へ、ブロック58の後区画まで伸張している。歯付プーリは、拘束面57の下に配置されており、モーター76は、戻り歯車を通して、モータープーリ73aと73bを駆動する。ベルト71aと71bの上方分岐は、拘束面57の対応するスロット内に収容され、よく知られているように、この面から僅かに突き出ている。
【0027】
押圧プレート74は、歯付ベルト71a及び71bの上方分岐に固定されており、ボックスの全有効長に亘って運動する能力を有している。積層体53の銀行券は、ベルトの上方分岐上に長い方の縁部で支持されており、最初に入った銀行券は、プレート74と接触するのに対して、最後に入った銀行券は、続いて入ってくる銀行券のための、積層体の積み重ね面77を画定する。センサー78は、プレート74の最終ストロークと、ボックスが満載である状態を認識する。
【0028】
預け入れ状態では、表面77は、運動面「Lbn」及びガイドプレート59から距離「Pm」にある。更に、積層体53は、側面56aと56bの間に、又は停止部材79aと79bの間に拘束され、上部では、例えば、ボックス51によって支持されている停止タイル80によって拘束される。停止部材79a及び79bとタイル80は、水平方向と高さを調整することができ、ボックスが銀行券の所定の金種に限定される場合は、それぞれ、積層体の銀行券に最適の限界が画定される。
【0029】
本発明によれば、ボックス43によって代表的に示されている設備は、入力と積層体の間の分離部材として、少なくとも1つの渦巻き状要素、具体的には2つの渦巻き状要素81と82を含んでおり(図5、図7、図8、図15)、積み重ね方向に向いた各軸83、84を有するコイルを画定している。積み重ねるための作動状態では、要素81と82は、それら自体が挿入の空間「Si」内を伸張し、画定されたコイルの間に受け入れ空間88を画定する。空間「Si」は、入ってくる銀行券の表面「Lbn」が交差し、下向きには、渦巻き状要素81と82の各端末区画86によって限定される。端末区画86は、積層体の銀行券52の限界と、それらを垂直な姿勢に保つための安定した支持を構成する。
【0030】
各渦巻き状要素81、82は、各軸83、84の周りに回転するように設けられており、入ってくる銀行券52の先導部分を、受け入れ空間88内に、横方向に(図8では下から)受け入れるように配置されている。要素81、82は、銀行券52を、各コイルを通して回転させた結果として、受け入れ空間88から積み重ね面77まで軸方向に動かし、コイルから端末区画86付近で係合解除する。
【0031】
渦巻き状要素の動作は、従って、緩く係合されている要素を引きずって動かす渦巻管が遂行する動作と同様である。それに対して、端末区画86は、渦巻き状要素が停止しているか、又は要素が回転しているときの何れかに、積層体53の銀行券に逆の動作を遂行する。その様な構造にすると、渦巻き状要素81、82は、整列状態にある積層体と、銀行券の取込/払出のための要素との間で、分離部材の機能を効果的に果たす。
【0032】
渦巻き状要素81、82は、受け入れ空間88内で所与の傾斜(約15°)を有する円筒形の螺旋形ワイヤーで形成することができる。コイルの傾斜は、端末区画86に相当する実質的にゼロ傾斜となる部分まで小さくなり、全長は結果として約1.5巻きとなる。
【0033】
実質的にゼロ傾斜の部分は、約200°の角度「α」に亘って伸張している(図15参照)。従って、区画86は、実質的に平坦で、軸83、84に垂直な支持面を画定している。螺旋形ワイヤーの自由端は、要素81、82に隣接するコイルから銀行券を係合解除するための広い空間を残している。螺旋形ワイヤーは、例えば、比較的堅い鋼であり、厚さは約2÷4mmである。最大高さが「H」の銀行券又は他の紙幣又はカードでは、各要素81、82の直径は、0.4Hから1.2Hの間に、望ましくは0.7H÷1.0Hの間隔に含まれている。コイルのコンプライアンスは厳しく制限されており、作動状態での変形は数mmである。
【0034】
区画86の反対側の部分によって、渦巻き状要素81、82は、所定の角度位置に従って、各平円盤形支持体91及び92の取付縁部に固定されている。これらの支持体は、回転できるように、プレート93の上に、実質的に垂直に、ガイドプレート59から上方に積み重ね方向「St」に沿って配置された状態に取り付けられている。プレート93は、側面56aと56bの間を横断方向に伸張しているキャリッジ94を曲げて構成されている。
【0035】
平円盤形支持体91及び92は、それぞれが、取付縁部に丸みが付いた円錐台区画と、円錐台区画に対し反対の部分がプレート93から突き出しているハブとを呈している。円錐台区画は丸い頂点を有しており、渦巻き状要素81、82と共同で、受け入れ空間88と隣接しており、預け入れ状態では、ガイドプレート59から少し上にある。支持体91と92のハブは、同じ円錐ギア96及び97の一部分であり、このギアは、プレート93に支持されている伝動軸101の対応する同一の駆動ギア98及び99と係合している。
【0036】
渦巻き状要素81、82は、並べて配置され、実質的に同一平面にあり拘束面57と平行なそれぞれの軸83と84を有している(図15参照)。要素81と82のコイルは、互いに間隔を空けて配置されており、積み重ねられる銀行券の側方及び上方領域で作動する。好都合に、コイルの上方区域と拘束面の間の距離は、高い寸法の銀行券の高さより大きくなるように配置されている。
【0037】
ガイドプレート59は、上部に、180°を少し越えた伸張部と上向きの凹部を有する2つの弧形状縁部102と103を画定しており、その中に、要素81と82のコイルが自由に収容されている。停止タイル80は、その上方に、要素81、82の両側に配置されており、入った瞬間に、銀行券の上縁部が、上部区域に対応するコイルの内側部分に接触するのを防いでいる。
【0038】
渦巻き状要素81と82は、押圧プレート74に向かって伸張しており、巻き方向が逆である。ギア96と97の間及びギア98と99の間の連結は、渦巻き状要素81と82を、同時に、反対の回転方向に従って回転させるようになっている。
【0039】
更に、コイルの巻き方向と渦巻き状要素81、82の回転方向は、端末区画86からの銀行券の係合解除が、銀行券52の中央領域から始まり、漸進的に側方領域に向かって続くようになっている。これにより、端末区画86の自由端は、運動時に、重なっている銀行券の上で滑らかに動作し、これは、運動の間、そして後続の銀行券が係合解除されるまで続く。
【0040】
ボックス43は、更に、運搬歯車104を含んでおり(図8)、この運搬歯車は、拘束面57から少し突き出ており、ベルト71a、71bより上方に配置されており、使用時は、例えば、ローラー61との接続に依存して、連続して回転する。運搬歯車104は、最後に積み重ねられた銀行券の下部縁を、積み重ね方向「St」に推し動かし、渦巻き状要素81及び82の端末区画86の下部に軽い圧力を加える。
【0041】
押圧プレート74の中間領域内に数mmの突起106を設けると、積層体53を限られた枚数で構成する場合、銀行券が効果的に円滑に積み重ねられるようになる。
2つの端末区画86の動作が円滑であれば、擦り切れた銀行券が在る場合でも、積み重ね易くなり、積層体53を比較的小さく、引き出し操作に最適な状態の下に維持する。同時に、渦巻き状要素81、82のコイル及び端末区画の動作は、繊細で、擦り切れた銀行券に応力や追加の摩耗を生じさせない。
【0042】
ボックス43は、図示していないが、渦巻き状要素81、82の制御及び回転命令のための電子回路を備えたサーボ機構を提供している。サーボ機構の情報は、積み重ねられる銀行券の通過に関する情報に対し、要素81、82の角度位相を検出するためサーボ制御を行うので、入ってくる銀行券は、コイルによって妨げられず、受け入れ空間88内で完全に自由に位置決めされる。制御回路とサーボ機構のモーターは、現金自動預払機39内に一体化されているが、回路とモーターを同じボックス43に取り付けてもよいのは明白である。
【0043】
一例として、各ボックス43用のサーボ機構は、モーター107を含んでおり(図4と図7)、出力軸と歯車108は、ガイド構造49に取り付けられており、現金自動預払機39の一体制御によって駆動される。ボックス43は被駆動歯車109を含んでおり、被駆動歯車109は、軸111に楔止めされており、ボックスを構造49内に取り付けると同時に歯車108と係合するように作られている。歯車109は、軸111と軸101に楔止めされている歯付プーリ112と113及び歯付ベルト114を通して、伝動軸101に接続されている。
【0044】
光電センサー115は、伝動軸101の角度位置を認識し、一方、機械39の電子ユニットは、光電対69からの通過の情報に応答し、モーター107の回転速度を変えて、渦巻き状要素81、82を、積み重ねられる銀行券の先導縁と位相が合うように動的に維持する。言い換えると、モーター107の平均速度は、入ってくる銀行券が連続して流れるように、銀行券の先導縁が、コイルの羽根を常に見出すような速度になっている。サーボ機構の動作は、銀行券の、空間「Si」内に入ってくる時間に関する遅れ又は進みを相殺するため、モーター107を加速又は減速する。
【0045】
ボックス43は、更に、例えば、軸117に楔止めされたハブに取り付けられている、比較的屈伸性のあるゴム又はプラスチック製の小さいベルト又は薄いプレートの様な、1つ又は複数のショベル要素116を含んでいる(図6)。1つ又は複数のショベル要素116は、整形ブロック58の上部に配置されており、運動すると、それぞれのスロットを通して拘束面57から突き出る。更に、軸117は、回転時に、引っ張りローラー60を空転支持している。
【0046】
軸117は、渦巻き状要素と映画的に接続されており、一方、1つ又は複数のショベル要素116は、図9から図11に示している様に、要素81、82のコイルの動作と同期して、入ってくる銀行券の下方後縁部を押し、積み重ね易くする。1つ又は複数の要素116と渦巻き状要素81、82の間の接続は、例えば、軸117と軸111に楔止めされている歯付プーリ118と119によって、そしてプーリ118及び119と係合している歯付ベルト121を介して、実現される。
【0047】
積み重ねを準備する場合、積層体の移動機構は、光電セル69の通過の信号に応答して始動し、押圧プレート74を、銀行券の厚さと実質的に等しいストロークだけ押し戻す。これにより、銀行券の抵抗の動作が少なくなる。代わりに、渦巻き状要素81、82が許容する隙間の観点から、2枚以上の銀行券が取込まれた後、例えば、約10枚が積み重ねられた後で、押圧プレートを戻すこともできる。
【0048】
銀行券の引き出しの場合、ボックス43は、積層体53の銀行券を一枚ずつ分離させる。このため、分離ローラー122が、軸62の上方に配置される軸123に楔止めされている。ローラー122は、側面56aと56bの間の中間位置に、表面「Lbn」と実質的に接する状態で配置されている。積層体53は、更に、その移動機構によって挿入の空間「Si」を乗り越えて、現在取り出し操作の表面となっている積み重ね面77をローラー122に押し当てるまで動かすことができる。
【0049】
分離ローラー122は、モーターローラー61と同じ直径を有しており、高摩擦区画を含んでいる。一対のプーリ124及び126と歯付ベルト127は、軸123を軸62と接続して、確実に同期して同じ回転方向に回転するようにしている。
【0050】
銀行券の分離は、ローラー61及び122の、取込み時の回転の方向とは逆の回転方向と関係付けられている。詳しくは、分離ローラー122は、積層体53から、表面77によってその高摩擦区画を介して支持されている銀行券を分離させる。その後、モーターローラー61は、表面77が、ローラー122の、高摩擦区画の外側の区画と接触するのに応じて、分離された銀行券を動かし、それを、スリット54を通して取出す。光電センサー128は、高摩擦センサーの角度位置に関連付けられており、既知の技法に合致する、取り出し工程に機能的な軸123の位置情報を提供する。
【0051】
本発明の別の態様によれば、ボックス43によって代表的に示されている設備は、ガイド及び接続の部材と、渦巻き状要素81、82を上に定義した作動位置と非作動位置の間で動かすための循環作動機構132を含んでいる。
【0052】
先に述べた様に、預け入れの状態に関わる作動位置では(図6、図7、図8)、渦巻き状要素の端末区画86は、積み重ね面77に接触又は隣接している。区画86は、分離ローラー122から、積み重ね方向に下側にあり、ガイドプレート59の弧形状縁部102と103に対して突き出ている。
【0053】
引き出す状態に対応する非作動位置(図12と図13)では、端末区画86は、積み重ね面77から上側にある。端末区画は、ガイドプレート59の弧形状縁部102と103に対して引き込まれ、表面77から間隔を空けて配置されており、取り出される銀行券52に干渉しない。
【0054】
運動面「Lbn」(図18)を、積み重ね面77の位置に関して識別する(図18)ために、ローラー122の軸123は、弾性的に屈伸する支持部134に取り付けられており、その動きは、光センサー136を通して認識可能である。積み重ね面77の位置は、例えば、機械39の統合電子制御部に含まれている各位置計数器内に収納されているモーター76のステップとして、表面「Lbn」と呼ばれる。
【0055】
位置計数器は、渦巻き状要素81、82の移転後に非作動位置で、そして移動機構の同期化サイクル後に、リセットされ、それによって、積層体53は、表面77が運動面「Lbn」上に来るまで動かされる。表面「Lbn」に達したことは、図18にストロークと点線で示している様に、積層体53がローラー122を動かし、センサー136の信号送信と、その後に続く移動機構の拘束が行われたときに認識される。銀行券が無い場合は、この動作は、押圧プレート74によって直接遂行される。
【0056】
同期化サイクルは、設備の初期化の段階では、積層体を積み重ね方向「St」と反対の方向に移転させるように移動機構を作動させることによって提供することができる。同期化サイクルは、銀行券の預け入れの新たな段階毎に、或いはそれが必要か又は有用であるとされるときに、預け入れの状態で周期的に繰り返すことができる。
【0057】
ガイド及び接続の部材は、キャリッジ94と関係しており、使用時には水平なガイドスロット137a及び137b(図5と図12)と、アーム138a及び138bを含んでいる。スロット137aと137bは、側面56a、56bに設けられており、これらの側面は、アーム138aと138bの支点を支持している。作動機構132は、ピン141によって画定される制御作動要素を含んでいる。
【0058】
詳しくは、キャリッジ94は、ボックス43の上部に配置されており、ガイドピン142a、142bと接続ピンを含んでいる。ピン142a、142bは、スロット137a及び137b内を滑動可能に駆動され、一方、接続ピンは、アーム138a、138bの末端部分に取り付けられている。スロット137a及び137bとアーム138a及び138bは、アーム137a上のピン141の組み合わせ動作で、渦巻き状要素81及び82の作動位置と非作動位置を画定する(図7、図9、図14)。
【0059】
光電センサー144は、渦巻き状要素81及び82の作動位置に対応するキャリッジ94の位置を認識するように事前設定されている。歯付ベルト114とプーリ112及び113は、キャリッジ94を移転させて作動位置に戻した後、渦巻き状要素とショベル要素が同期化と角度位相を維持するのを保証する。
【0060】
本発明の別の特性によれば、作動機構132(図16と図17)は、モーターローラー61と分離ローラー122の回転の方向に敏感な制御部材145を有している。機構132は、ローラー61と122を回転させる同じモーター64から動力を得る。
【0061】
具体的には、機構132は、ギア147のチェーンを通して軸123と接続されている駆動ギア146と、軸149上で回転可能な、ピン141を制御するための被駆動ギア148とを含んでいる。制御部材145は、やはり軸149上で回転可能な摩擦要素151を含んでおり、摩擦要素は被駆動ギア148と協働する。要素151は、回転に関して、駆動ギア146と、従って、軸149上で回転可能な歯車152及び回転方向にギア146と一体である歯車153という一対の歯車152と153を通して、軸123と接続されている。
【0062】
被駆動ギア148は、駆動ギア146と係合可能な部分的に歯切りされた部分154と、歯切りされていない自由区画156とを有している。ピン141は、被駆動ギア148と回転に関して一体であり、ボックス43の構造内に設けられている2つの終端ストロークストッパ157と158の間で移転させることができる。
【0063】
終端ストロークストッパ157と158は、自由区画156の末端部分と関係付けられているので、ピンがストッパ157又は158の一方に押し付けて拘束されるとき、駆動ギア146の歯は、自由区画156の正面になり、従って、部分的に歯の切られた部分154から係合解除される。終端ストロークストッパ157の位置は、渦巻き状要素の作動位置に対応しており、他方のストッパ158は、各非作動位置に対応している。
【0064】
制御要素として、ピン141は、キャリッジ94を、銀行券を預け入れる状態の時には拘束された状態に、そして移行の間には引き出す状態に向けて維持するよう事前に設定されている。作動要素の機能において、ピン141は、モーター64の動作の下に、部分的に歯の切られた部分154と駆動ギア148との係合に伴って、キャリッジ94を積極的に動かすよう事前に設定されている。
【0065】
使用状態では、駆動ギア146は、自由区画156に面しており、被駆動ギア148に対して何の作用もしない。摩擦要素152は、ギア148上を滑動し、ギア148に作用して、モーター64の回転の方向に従って、ピン141をストッパ158又はストッパ157に押し付ける。
【0066】
摩擦要素151は、第2ギア148を、第1ストッパ157から第2ストッパ158まで、又は第2ストッパから第1ストッパまで、歯の切られた部分154が駆動ギア146と係合する状態になるまで、そしてモーター64の逆方向の運動に応答して、回転させるよう事前に設定されている。部分的に歯の切られた部分154は、約180°伸張しており、一方、ピン141の軌道は、約220°である。ピン141は、キャリッジ94のアーム138aに設けられているカム部分159と協働するようになっており、ボックス構造の終端ストロークの位置は、ピンの特別死点の位置に対応している。
【0067】
摩擦要素152は、被駆動ギアとピン141の上を連続して滑動する。伝達されるトルクは、意図的に弱くなっており、キャリッジ94の実質的な移転を起こすには不十分で、最低値は装置が吸収する動力まで下がる。しかしながら、特別死点に対応するピンの拘束位置は、特別死点を乗り越えるのに必要な開始トルクが制限され、摩擦要素152が加えるトルクより少ないような位置である。このような寸法関係になっているので、運動の方向が逆転する度に、摩擦要素のトルクによって、被駆動ギア148と、従ってピン141は、それぞれの死点の位置の前で約20°回転し、部分的に歯の切られた部分154と駆動ギア146の係合状態を定め、ギア146は、今度は、被駆動ギア148に積極的に作用し、ピン141は、カム部分159を通してアーム138aを積極的に動かし、それによって、キャリッジ94を動かすか、又はアーム138aと、従ってキャリッジ94の位置を所望の方法で制御する。
【0068】
他の死点に到達するのに対応する180°回転した後、歯の切られた部分154が中断するので、駆動ギア146の積極的な制御が終了する。それにも関わらず、摩擦要素は、被駆動ギアと関係ピンを約20°に亘って、キャリッジを実質的に移転させること無く、ピン141が特別死点の他の位置にある終端ストロークストッパに接触しなくなるまで、回転させ続ける。
【0069】
モーター軸の回転方向の逆転に続いて、ピン141が移転すると、銀行券の積層体を預け入れ状態と引き出し状態の間で動かすための移動機構が作動する。
カム部分159とピン141の間の動作は、ピンが、渦巻き状要素の非作動位置と作動位置の間でキャリッジ94の移転を積極的に制御するように、一方向であり、一方、移動機構は、実質的に渦巻き状要素の運動に追随して、これが容易になるように、積層体を動かす。
【0070】
引き出し状態から預け入れ状態に変わる場合は、キャリッジ94が或る位置に達し、要素81及び82の端末区画を位置「Lbn」から距離「Pm」に搬送したことを光電センサー144が認識したときに、モーター64が拘束される。
【0071】
それに対して、渦巻き状要素の作動位置と非作動位置の間でのキャリッジ94の移転は、積極的に起動される。積層体の移動機構が、押圧プレート74と銀行券の積層体53を介して、これを提供する。この場合、第2位置と第1位置の間の運動でピン141に追随するのは、アーム138aのカム部分である。積層体53の運動は、過度の取り出し操作を回避するため、機構132の作動サイクルに関して予測される。銀行券の積層体が分離ローラー122を動かすと、移転は終了し、センサー136の信号でモーター76が拘束され、積み重ね面77が分離操作の位置に達していることが信号送信される。
【0072】
本質的に、本発明の原理は同じままで、銀行券及び/又は紙を整然と収納するための設備に関する実施形態及び構造の詳細は、非限定的な例として説明及び図示してきたものに対して、請求している本発明の範囲から逸脱すること無く、様々に変えることができる。
【0073】
一例として、先に述べた設備は、本発明の範囲から逸脱すること無く、銀行券とは異なる、紙幣又はカードの類の様な他の平らな要素を、ここに述べているのとは違った寸法の構成要素の前に、対応する積層体を形成して収納するのに用いることができる。積層体の運動は、例えば、モーターによってばね負荷を掛け又は取り除いて、消極的な制御で行うこともできる。
【0074】
一対の渦巻き状要素の代わりに、1つの渦巻き状要素を使用して、銀行券上の渦巻き状要素の回転動作に適した対比要素を提供してもよい。一方で、好都合であれば、異なる類型の銀行券及び紙幣を考慮して、2つ以上の渦巻き状要素を、また異なる寸法のものを、設けてもよい。
【0075】
本発明の設備は、堅い渦巻き状要素81、82に代えて、預け入れ状態と引き出し状態の間で構成が変化することに伴って積層体の移動機構が変形するようになっている制御された屈伸性を有する渦巻き状要素を使用してもよい。端末区画86は、表面「Lbn」を越えて動かされ、ロック機構が、その様な区画を、面「Lbn」から上下に保持し、渦巻き状要素を圧縮された状態に維持する。設備が預け入れ状態に戻り、押圧プレートが移転すると、ロック解除機構は、端末区画86の係止を解除し、その結果、要素81と82が解放される。制御された屈伸性を有する渦巻き状要素は、面77が距離「Pm」に達するまで、積層体53を圧縮された状態に維持する。
【0076】
銀行券の積層体は、押圧プレート用の歯付ベルトを必要とすること無く、上から積み重ね、又は下から積み重ねて、垂直方向に伸張させることもできる。第1の解決法では、渦巻き状要素が装置の上部に配置されており、積層体は、押圧プレートにモ−ターを取り付けるか、又は押圧プレートをばねで押すことによって、上向きに押し上げられる。第2の解決法は、単純化し、積層体の寸法を小さくするため、下部に渦巻き状要素を設け、押圧プレートは、重力で、及び/又は軽いばねで、銀行券の積層体を下向きに押し下げる。
【0077】
銀行券の通過の表示は、説明に示したものとは異なる部分に配置した光電要素によって供給してもよい。他のセンサー、及び/又は、設備が設置されているシステムによって供給される情報を、提供してもよい。
【0078】
渦巻き状要素を、積み重ね位置と、取り出し操作のための引き込み位置との間で移転させるのは、特定の機構で、例えば別のモーターで制御して、行ってもよい。
取込又は払出操作に関わる要素の回転方向を感知して制御する、上記循環作動機構は、渦巻き状要素が異なる分離部材、例えば、既知の型式の銀行券を預け入れ及び引き出すための設備の分離部材と同様の分離部材を設けている設備にも用いることができる。
【0079】
1つ又は複数の渦巻き状要素を、作動位置と非作動位置の間で移転させるためのエネルギーは、押圧プレートのモーターを作動させるのではなく、分離ローラーのモーターから引き出してもよい。
【0080】
この他の変型例として、1つ又は複数の渦巻き状要素を移転させること、及び、一般的には、入力部と積層体の間で分離部材を移転させることは、押圧プレートの作動モーターから引き出すことができ、一方、循環作動機構の動作は、拘束要素を特別死点の一方の位置から他方の位置へ移転させることに限定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】預け入れ又は循環利用ボックスによって代表的に示した、銀行券を整然と収納するための設備を使用する、現金自動預払機の一体斜視図である。
【図2】本発明による銀行券を収納するための設備の代表的なボックスを斜視図で示している。
【図3】図2のボックスの下方斜視図である。
【図4】本発明による設備の代表的なボックスと、ボックスを搭載することができる現金自動預払機の細部の部分斜視図を示している。
【図5】所与の機能状態にある、図4のボックスの或る構成要素の上方図を示している。
【図6】図5のボックスの細部の別の上方図を示している。
【図7】図5のボックスの機能状態にある、本発明による設備の或る構成要素の概略平面図である。
【図8】本発明による設備の概略断面側面図である。
【図9】本発明の設備の或る構成要素の、或る作動段階における概略側面図を示している。
【図10】本発明の設備の或る構成要素の、別の作動段階における概略側面図を示している。
【図11】本発明の設備の或る構成要素の、又別の作動段階における概略側面図を示している。
【図12】別の機能状態にある、図5の構成要素を示している。
【図13】図12の機能状態にある、図8の或る構成要素を示している。
【図14】図12の機能状態にある、図5の概要を示している。
【図15】本発明による設備の或る構成要素の概略後面図を示している。
【図16】本発明による設備の或る機構の側方概略図を示している。
【図17】図16の機構の概略斜視図を示している。
【図18】本発明による設備の或る細部の概略側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀行券(52)及び/又は紙幣などを、例えば、自動機械(39)用の銀行券(52)を、整然と収納するための、積層体(53)を形成するために提供されている、設備(43)において、
少なくとも1つの渦巻き状要素(81、82)であって、積み重ね方向に向いた軸(83、84)と、前記積層体の端部の積み重ね面(77)に隣接する端末区画(86)とによってコイルを画定している、少なくとも1つの渦巻き状要素(81、82)を備えており、
前記少なくとも1つの渦巻き状要素(81、82)は、前記軸(83、84)の周りに回転させることができ、前記コイルの間に、前記銀行券(52)の先導部分を受け入れ、前記回転の結果として、前記銀行券(52)を前記積み重ね面(77)の上に動かし、前記銀行券を前記コイルから前記端末区画(86)付近で係合解除するように配置されていることを特徴とする、設備(43)。
【請求項2】
前記渦巻き状要素(81、82)は、前記入ってくる銀行券のための前記コイルの間の受け入れ空間(88)内に所与の傾斜を有している螺旋形ワイヤーで形成されており、前記コイルの傾斜は、前記端末区画(86)に相当する実質的にゼロ傾斜の部分まで、小さくなってゆくことを特徴とする、請求項1に記載の設備(43)。
【請求項3】
高さが「H」の銀行券(52)又は他の紙幣又はカードに対し、前記設備(43)は、前記渦巻き状要素(81、82)が、0.4Hから1.2Hの間の直径を有する円筒形をしていることを特徴とする、請求項1に記載の設備(43)。
【請求項4】
積み重ねられることになる前記銀行券の通過に関する情報に応答して、前記1つ又は複数の渦巻き状要素(81、82)の角度位相を制御し、前記入ってくる銀行券が、前記コイルの間の前記受け入れ空間(88)に対する位置決めの自由度を有するようにするための、前記1つ又は複数の渦巻き状要素を回転させるサーボ機構を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の、銀行券(52)を収納するための設備(43)。
【請求項5】
前記銀行券(52)の長い方の縁部の一方と前記銀行券の直立位置に対応する、前記積層体(53)のための拘束面(57)を更に備えており、前記設備(43)は、前記1つ又は複数の渦巻き状要素(81、82)の前記コイルが前記拘束面(57)から離れて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の、銀行券(52)を収納するための設備(43)。
【請求項6】
前記拘束面(57)から僅かに突き出ており、使用時は回転可能であり、最後に積み重ねられた銀行券(52)の下縁部を、前記積み重ね方向に押すために設けられている運搬歯車(104)を特徴とする、請求項5に記載の設備(43)。
【請求項7】
前記銀行券は直立位置で収納されており、前記設備は、前記渦巻き状要素(81、82)の回転と同期して作動させ、入ってきて積み重ねられる銀行券(52)の後縁部を押すことができるショベル要素(116)を特徴とする、請求項1に記載の、銀行券(52)を収納及び送出するための設備(43)。
【請求項8】
入力部に、積み重ねられることになる前記銀行券を前進させるためのローラー(61)を更に備えており、前記ローラー(61)は、前記入力部の近くで、前記銀行券の運動面に関して一方の側にあり、前記設備(43)は、前記銀行券を横断方向に変形させて取込方向に沿って剛性を上げるために、前記運動面に関して反対側に干渉するように配置されている引っ張りローラー(60)を更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の銀行券(52)を収納するための設備(43)。
【請求項9】
機械に取り外し可能に取り付けることのできる、前記銀行券(52)を積み重ねるためのボックスによって例証されていることを特徴とする、請求項1に記載の、銀行券(52)を収納するための設備(43)。
【請求項10】
前記銀行券(52)は、その長い方の縁部の上に直立位置で収納されており、前記設備(43)は、前記縁部のための歯付ベルト(71a、71b)と、前記支持ベルト(71a、71b)の上に載せられている前記積層体(53)の最初の銀行券に対する押圧プレート(74)とを更に含んでおり、前記設備(43)は、前記積層体(53)が、形成時に、前記押圧プレート(74)と1つ又は複数の前記渦巻き状要素の末端部分(86)との間で積み重ね方向に制限されており、前記銀行券(52)の積層体(53)が、前記押圧プレート(74)と前記支持ベルト(71a、71b)によって動かされ、係合解除の空間を残し、前記末端部分(86)より下側で、前記積層体(53)の最後の銀行券の上に積み重ねられる前記銀行券の位置決めをやり易くすることを特徴とする、請求項1に記載の、銀行券(52)を収納するための設備(43)。
【請求項11】
前記渦巻き状要素(81、82)は比較的剛性があることを特徴とする、請求項1に記載の設備(43)。
【請求項12】
前記積層体(53)から前記銀行券(52)を一枚ずつ分離させるための分離ローラー(122)と、前記積み重ね面(77)が前記分離ローラー(122)から間隔を空けて配置される預け入れ状態と前記積み重ね面(77)が前記分離ローラー(122)と接触している引き出し状態とを画定する前記積層体(53)の移動機構と、を更に備えており、前記設備(43)は、前記渦巻き状要素(81、82)を、作動位置と非作動位置の間で動かすための移転装置を備えており、前記作動位置の前記預け入れ状態では、前記端末区画(86)は、前記積み重ね方向に前記分離ローラー(122)の下側で、前記積み重ね面(77)に隣接しており、前記非作動位置の前記引き出し状態では、前記端末区画(86)は、前記積み重ね面(77)及び、前記分離ローラー(122)の上側にあって、取り出されている銀行券(52)に干渉しないことを特徴とする、請求項1に記載の、銀行券(52)を収納及び送出するための設備(43)。
【請求項13】
前記銀行券(52)の長い方の縁部の一方と前記銀行券の直立位置に対応する、前記積層体(53)のための拘束面(57)を更に備えており、前記設備(43)は、前記1つ又は複数の渦巻き状要素(81、82)の前記コイルが、前記拘束面(57)から間隔を空けて配置されており、前記拘束面(57)は、実質的に水平であり、前記分離ローラー(122)は、前記拘束面(57)より上にあることを特徴とする、請求項12に記載の、銀行券(52)を収納及び送出するための設備(43)。
【請求項14】
前記渦巻き状要素のための支持キャリッジ(94)と、ショベル要素(116)を更に備えており、前記ショベル要素は、前記渦巻き状要素(81、82)の回転と同期して作動させ、入ってきて積み重ねられることになる銀行券(52)の後縁部を押し離すことができ、前記ショベル要素(116)は、前記支持キャリッジ(94)によって支持されている中間伝達部材を通して、前記渦巻き状要素(81、82)と回転に関して接続されている回転可能なハブによって支持されていることを特徴とする、請求項13に記載の、銀行券(52)を収納及び送出するための設備(43)。
【請求項15】
前記回転方向によって前記銀行券(52)の取込及び払出機能を有する1つ又は複数のモーターローラー(61)を更に含んでおり、前記1つ又は複数の渦巻き状要素(81、82)のための前記移転装置は、第1位置と第2位置との間で移転させることのできる作動機構と、前記ローラー又はモーターローラー(61)の回転方向に反応する制御部材を有する循環作動機構(132)を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の設備(43)。
【請求項16】
前記積層体(53)の前記移動機構は、前記渦巻き状要素(81、82)を前記作動位置から前記非作動位置へと、前記作動機構(132)の前記第1位置と前記第2位置の間の移転と連係させて、積極的に動かすようになっており、前記作動機構(132)は、前記1つ又は複数の渦巻き状要素(81、82)を前記作動位置へと、前記作動機構(132)の前記第2位置と前記第1位置の間の移転と連係させて、積極的に動かすように事前に設定されていることを特徴とする、請求項15に記載の設備(43)。
【請求項17】
前記銀行券(52)を前記積層体(53)から一枚ずつ分離させる分離ローラー(122)と、前記積み重ね面(77)が前記分離ローラー(122)から間隔を空けて配置されている預け入れ状態と前記積み重ね面(77)が前記分離ローラー(122)と接触している引き出し状態とを画定する前記積層体(53)の移動機構と、を備えており、前記設備(43)は、前記1つ又は複数の渦巻き状要素(81、82)が、屈伸性であり、前記預け入れ状態と前記引き出し状態の間で状態が変化することに伴って、前記積層体(53)の前記移動機構によって変形させることができることを特徴とする、請求項1に記載の設備(43)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの渦巻き状要素(81)と機能的に同一である別の渦巻き状要素(82)を備えており、前記2つの渦巻き状要素(81、82)は、積み重ねられることになる前記銀行券の両側部で作動することを特徴とする、請求項1に記載の設備(43)。
【請求項19】
前記2つの渦巻き状要素(81、82)は、同期して作動し、互いに反対方向の巻き及び回転を有していることを特徴とする、請求項18に記載の設備(43)。
【請求項20】
前記渦巻き状要素(81、82)は比較的剛性があり、前記2つの渦巻き状要素(81、82)の回転方向は、前記コイルからの前記端末区画付近での係合解除と連係させて、前記銀行券を平坦にするよう事前に設定されていることを特徴とする、請求項19に記載の、銀行券(52)を収納するための設備(43)。
【請求項21】
前記銀行券を入力及び出力するためのアクセス口を有しており、前記設備は、前記アクセス口に隣接する、前記銀行券(52)を案内して収納又は送出するための、前記渦巻き状要素(81、82)の前記コイルの外側にあるガイド要素を特徴とする、請求項1に記載の設備(43)。
【請求項22】
銀行券(52)及び/又は紙幣などを、例えば、自動機械(39)用の銀行券(52)を、預け入れ、払い出すための、積層体(53)の形成及び分離操作のために提供されている、ボックス(43)であって、前記銀行券(52)を前記積層体(53)から一枚ずつ分離させる分離ローラー(122)を備えており、前記積層体(53)の積み重ね面(77)は、前記預け入れ状態では、前記分離ローラー(122)から間隔を空けて配置されており、前記払い出し状態では、前記分離ローラー(122)と接触している、ボックス(43)において、
積み重ね方向に向いた軸(83、84)と各端末区画(86)とによってコイルを画定し、作動位置と非作動位置の間に配置可能な、少なくとも1つの渦巻き状要素(81、82)を備えており、
前記作動位置の前記預け入れ状態では、前記端末区画(86)は、前記積み重ね面(77)に隣接し、前記積層体(53)の限界及び/又は支持を、積み重ね方向に前記分離ローラー(122)より下側に構成しており、
前記非作動位置の前記払い出し状態では、前記端末区画(86)は、前記分離ローラー(122)より上側にあり、前記銀行券に干渉せず、
前記1つ又は複数の渦巻き状要素(81、82)は、それぞれの軸(83、84)の周りに回転するようになっており、前記作動位置の前記預け入れ状態では、前記入ってくる銀行券(52)の先導部分を前記コイルの間に受け入れ、前記銀行券を、前記回転の結果として、前記積み重ね面(77)まで動かし、前記コイルから前記端末区画(86)近くで係合解除するように配置されていることを特徴とする、ボックス(43)。
【請求項23】
銀行券(52)及び/又は紙幣など、例えば、自動機械(39)用の銀行券(52)、を整然と収納するための、積層体(53)を形成するために提供されている、ボックスであって、前記銀行券(52)を取込むためのモーターローラー(61)と、積み重ね面(77)が前記分離ローラー(122)から間隔を空けて配置されている預け入れ状態を画定する、前記積層体(53)の移動機構と、を備えている、ボックスにおいて、
前記積み重ね方向に向いた軸と、前記積層体(53)の支持機能を備えた端末区画によって各コイルを画定する2つの渦巻き状要素(81、82)を備えており、
前記渦巻き状要素(81、82)は、前記軸の周りに回転させることができ、前記入ってくる銀行券を、前記コイルの間に横方向に受け入れ、前記銀行券を、前記回転の結果として、前記積み重ね面(77)まで動かし、前記コイルから前記端末区画近くで係合解除するように配置されていることを特徴とする、ボックス。
【請求項24】
前記ボックスは、自動機械(39)内に、取り外し可能に取り付けることができ、それぞれのシート、第1出力部材を有する第1モーター、及び第2出力部材を有する第2モーターを備えており、前記ボックスは、前記銀行券(52)を取込むために前記ローラー(61)と回転において接続されている第1ニップ部材と、前記渦巻き状要素(81、82)のための第2ニップ部材を更に含んでおり、前記第1ニップ部材と前記第2ニップ部材は、電動化するために、前記ボックスが前記シート内に取り付けられると、それぞれ、自動機械(39)の前記第1出力部材及び前記第2出力部材と係合可能であることを特徴とする、請求項23に記載のボックス。
【請求項25】
前記縁部のための支持ベルト(71a、71b)と、前記積層体(53)のための押圧プレート(74)を更に備えており、前記ボックスは、前記積層体(53)が、積み重ね方向に、前記押圧プレート(74)と前記渦巻き状要素(81、82)の前記末端部分の間に制約されており、前記銀行券(52)の積層体(53)は、前記押圧プレート(74)と前記支持ベルト(71a、71b)の動作の下に動かして、係合解除の空間を残し、銀行券を受け入れて前記積層体(53)の最後に積み重ねられた銀行券の上に積み重ねることができるようになっていることを特徴とする、請求項23に記載の、銀行券(52)をその長い方の縁部の上に直立位置で積み重ねるためのボックス。
【請求項26】
前記積層体(53)から前記銀行券(52)を一枚ずつ分離させる分離ローラー(122)を備えており、前記積み重ね面(77)が前記分離ローラー(122)から間隔を空けて配置される預け入れ状態と、前記積み重ね面(77)が前記分離ローラー(122)と接触している引き出し状態とを画定するボックスであって、前記ボックスは、前記渦巻き状要素(81、82)を作動位置と非作動位置の間で動かすための移転装置を備えており、前記預け入れ状態の前記作動位置では、前記端末区画は、積み重ね方向に前記分離ローラー(122)より下側で、前記積み重ね面(77)に隣接し、前記引き出し状態の前記非作動位置では、前記端末区画は、前記分離ローラー(122)より上側にあり、前記取り出される銀行券(52)に干渉しないことを特徴とする、請求項23に記載のボックス。
【請求項27】
銀行券(52)及び/又は紙幣など、例えば、自動機械(39)用の銀行券(52)、を預け入れ、払い出すための、積層体(53)の形成と前記積層体(53)からの前記銀行券(52)の分離及び送出のために提供されているボックス(43)であり、前記銀行券(52)の取込/払出の要素と、前記積層体(53)から前記銀行券(52)を一枚ずつ分離させる分離ローラー(122)と、前記取込/払出要素及び前記分離ローラー(122)のためのモーター部材と、前記銀行券(52)の入/出力領域と前記積層体(53)の積み重ね面(77)と間の分離部材と、を有しているボックス(43)であって、預け入れ状態では、前記積み重ね面(77)は前記分離ローラー(122)から間隔を空けて配置されており、一方、前記モーター部材は前記銀行券を取込むための所与の回転方向で回転しており、払い出し状態では、前記積み重ね面(77)は前記分離ローラー(122)と接触しており、一方、前記モーター部材は、前記銀行券の分離と払出しのために反対方向に回転している、ボックス(43)において、
前記分離ローラーを、前記積み重ね方向に前記分離ローラー(122)より下流の作動位置と、前記分離ローラー(122)より上流の非作動位置の間で動かすための移転装置を備えており、
前記移転装置は、前記モーター部材によって電動化されており、前記モーター部材の回転方向に反応する制御部材と、預け入れ又は払い出しの現下の状態に従って前記分離部材の運動及び/又は移動を制御するための作動機構とを有する循環作動装置(132)を備えていることを特徴とする、ボックス(43)。
【請求項28】
前記移転装置は、駆動ギア(146)と、前記作動機構を制御するための被駆動ギア(148)と、前記被駆動ギア(148)用の摩擦要素(151)とを含んでおり、前記被駆動ギア(148)は、前記駆動ギア(146)と係合可能な部分的に歯の切られた部分(154)と、歯の切られていない自由区画(156)とを有しており、
前記作動機構は、前記被駆動ギア(148)によって、前記歯の切られていない自由区画(156)の両末端部分と関係付けられている2つの終端ストローク位置の間で移転させることができ、終端ストロークの一方の位置は、前記渦巻き状要素(81、82)の前記作動位置に対応し、終端ストロークの他方の位置は、前記渦巻き状要素(81、82)の非作動位置に対応しており、
前記作動機構は、前記部分的に歯の切られた部分(154)と前記駆動ギア(146)の間を係合させて、前記キャリッジに積極的に作用するよう事前に設定されており、
前記摩擦要素(151)は、前記駆動ギア(146)の回転方向に従って、前記被駆動ギア(148)を、終端ストロークの一方の位置と他方の位置にそれぞれ関係付けられている第1ストッパ(157)又は第2ストッパ(158)に向けて回転するように押し、
前記摩擦要素(151)は、前記駆動ギア(146)の運動方向が逆転する瞬間に、前記被駆動ギア(148)を、前記第1ストッパ(157)又は前記第2ストッパ(158)から、前記駆動ギア(146)の歯と係合する状態になるまで回転させるように事前に処置されていることを特徴とする、請求項27に記載のボックス(43)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2009−526298(P2009−526298A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553782(P2008−553782)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051303
【国際公開番号】WO2007/090899
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508241244)シーティーエス・キャッシュプロ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (1)
【Fターム(参考)】