説明

銑鉄又は液状鋼原材料を製造するためのプロセス及び装置

熔融還元ユニット(1)、特に溶融ガス化炉において銑鉄又は液状鋼原材料を生産するプロセスであって、鉄鉱石含有装入材料と、必要に応じて添加剤とが、少なくとも1つの還元ユニット(R,R,R,R)において還元ガスの手段によって少なくとも部分的に還元される。本発明によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料の第1の部分は、炭素担持体と、酸素含有ガスとを供給されつつ熔融ユニット中において熔融され、同時に還元ガスが形成される。この還元ガスは、還元ユニット(R,R,R,R)に供給され、還元ユニットを通過した後に炉頂ガスとして引き抜かれ、少なくとも部分的に還元された装入材料の第2の部分は、還元と熔融とのために熔融還元ユニットに供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熔融ユニット、特に熔融ガス化炉において銑鉄又は液状鋼原材料を製造するためのプロセスに関し、鉄鉱石含有装入材料、特に微細鉱石と必要に応じて添加剤とは、少なくとも1つの還元ユニットにおいて還元ガスによって少なくとも部分的に還元される。
【0002】
また、本発明は、熔融ユニット、特に熔融ガス化炉と、鉄鉱石含有装入材料及び必要に応じて添加剤を、炭素担持体、特に石炭及び酸素含有ガスを供給しつつ熔融ユニットにおいて形成した還元ガスによって還元するための少なくとも1つの還元ユニットとを用いて、本発明によるプロセスによって銑鉄又は液状鋼原材料を製造するための設備に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術からは、銑鉄又は液状鋼原材料を熔融還元プロセスにおいて生産することができることが知られている。特に、石炭を供給しつつ熔融ユニットにおいて生産された還元ガスを、鉄含有鉱石を還元するために使用することが知られている。
【0004】
このような設備の効率を高めるために、特許文献1は、溶融ガス化炉において形成された還元ガスを処理された形態でブラスト炉において使用し、排出ガスを使用して、プロセスの効率を高めることができることを開示している。この場合に、排出ガスがブラスト炉のための高い熱量値を有することは欠点であり、達成されるプロセスの効率は制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許第4421673号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、特に、銑鉄又は液状鋼原材料1トンあたりに必要とされる石炭の量を減少させて少量の二酸化炭素(CO)しか生じないようにすることによって、プロセスの効率をさらに高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載された発明によるプロセスと、請求項24に記載された装置とによって達成される。
【0008】
本発明によるプロセスによれば、少なくとも部分的に還元された装入材料の第1の部分は、炭素担持体、特に石炭と、酸素含有ガスとが供給されつつ熔融ユニット中において熔融され、同時に還元ガスが形成され、この還元ガスが還元ユニットに供給され、還元ガスは還元ユニットを通過した後に炉頂ガスとして引き抜かれ、少なくとも部分的に還元された装入材料の第2の部分は、還元と熔融とのために熔融還元ユニットに供給される。また、少なくとも部分的に還元された装入材料は、低還元鉄(LRI)と称され、この中間生成物は後続の鉄鉱石生産又は液状鋼原材料製品の生産の段階のための装入材料としての役目を果たす。また、このプロセスによって、少なくとも部分的に還元された装入材料、すなわち低還元鉄(LRI)が、熔融ユニットに加えて設けられた熔融還元ユニットにおいてプロセス処理されることが可能となり、既に部分的に行われた還元のために大きな比率の還元剤が熔融還元ユニットにおいて節約され、これによって銑鉄又は液状鋼原材料の生産の全体的な収支が、特に石炭のような必要とされるプロセス材料に関して削減される。さらに、熔融還元ユニットの生産性を同時に高めることができる。生産される少なくとも部分的に還元された装入材料の全体量のうち、第1の部分のみが、例えば熔融ガス化炉のような熔融ユニットにおいてプロセス処理される。
【0009】
本発明によるプロセスの有利な改良によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料のうちの第2の部分の量は、望ましい炉頂ガスの量、及び/又は送出ガスの量、及び/又は送出ガスの質にしたがって設定される。少なくとも1つの還元ユニットから排出される還元ガスは、炉頂ガスと呼ばれる。適切な処理の後、この炉頂ガスはエネルギー源として使用することができ、処理されたガスを、例えば発電のような別のプロセスにおいて送出ガスとして使用することができる。
【0010】
送出ガスの品質は、ガス分析、すなわち、送出ガスの組成と結果的な発熱量によって規定される。送出ガスの組成はとりわけ、例えば熔融還元ユニットの中で生産されたLRIの量に依存する。生産されるLRIの量が多いほど、発熱量と送出ガスの量は小さくなる。この理由は、大量の炉頂ガスが還元ユニットにおいて再利用される際に、一酸化炭素(CO)と水素(H)との比率は常に低くなり、送出ガス中のCO2の比率は増加するということである。Hの比率が低下するので、送出ガスの量は低下する。LRIの生産量が大きいと、より大量のHが消費されて、結果的により多くの水(HO)が生産される。この水は、炉頂ガススクラバーにおいて分離される。
【0011】
送出ガスとして排出され、処理することができる炉頂ガスの特定の使用は、所定の量が供給されることを前提としており、よって、炉頂ガスの量は還元されたLRIの量に関連して変化し、したがって、還元プロセスを、炉頂ガスを処理するさらなるプロセスの要求に適応させることができる。
【0012】
本発明によるプロセスのさらなる有利な改良によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料(LRI)の第2の部分の量は熔融ユニットにおいて得られる銑鉄の量の0〜1.2倍である。したがって、必要に応じて、第2の部分は0へ戻すことができ、あるいは熔融ユニットにおいて生産される銑鉄の量よりも多い程度まで増加することができる。還元ガスが熔融ユニットにおいて生産されるという事実により、LRIの量が特定の範囲の中で変化するということが技術的に望ましいことが証明され、したがって、有利な釣り合いが還元ユニットと熔融ユニットとの間に見出された。
【0013】
本発明によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料の第2の部分の量は、熔融還元ユニットの中に装入される全ての鉄担持体のうちの鉄分に対して、10〜60%、特に20〜40%である。熔融還元ユニット中に装入されるLRIは、鉄含有装入材料を置換する。還元材料又はさらなるプロセス補助材をも熔融還元ユニットにおいて使用しなければならないという必要性のために、最大60%までのLRIが使用されると有利であることが見出された。この場合、技術的には従来のパーセンテージは、熔融還元ユニットにおける全ての鉄担持体の鉄分に関係している。
【0014】
本発明によるプロセスの1つの特定の改良によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料の第2の部分の場合、及び/又は熔融ユニットにおいて使用される装入材料の場合における還元度は、40〜95%、特に65〜75%に設定される。これら還元度は、下流の熔融ユニット又は熔融還元ユニットにおける、予備還元された中間製品の迅速なプロセス処理を確実にし、よってこれらユニットにおいて必要な還元剤の量を少なく維持することができる。また、還元ユニットにおける還元プロセスは、還元度、又は還元ガスの量、又は還元ガスの組成によって構成することができ、広いパラメータの範囲において安定して行うことができる柔軟なプロセスを得ることができる。
【0015】
本発明によるプロセスの特定の改良によれば、鉄鉱石を含有する装入材料の少なくとも部分的な還元は、直列に接続された2つ〜6つの、特に3つ又は4つの還元ユニットにおいて行われ、還元ガスは、還元される鉄鉱石含有装入材料に対して逆方向に流れる。前後に配置された複数の還元ユニットは、個々の還元ユニットの温度をより正確に制御することを可能とし、温度管理を装入材料のそれぞれ又は還元度に適応させることを可能にする。さらに、個々のユニットを予備加熱ユニットとして作動させることができる。
【0016】
本発明によるプロセスの可能性のある改良によれば、鉄鉱石含有装入材料及び必要に応じて添加剤の還元が、直列に接続された還元ユニットの少なくとも2つの相互に並行な列において行われる。直列に接続された還元ユニットの2つ以上の列の使用は、還元された装入材料の量を対応して使用する、又は増加することを可能にし、熔融ユニットにおいて生産された還元ガスを常に使用することを可能にする。このことは、少なくとも部分的に還元された鉄鉱石含有装入材料を、熔融ユニットだけではなく熔融還元ユニットにも供給することができる量で生産することができるという結果をもたらす。
【0017】
本発明によるプロセスの好ましい改良によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料は、例えば高温ブリケッティングのような、成形(compacting)、特に高温成形にまわされる。これは、還元された装入材料の取り扱いをより簡単にすること、特に再酸化及びさらなる工程におけるダストの生成を回避することを可能にする。成形は、還元された装入材料の空孔度及び比表面積を減少させる効果と、微小粒分を大幅に排除する効果を有する。結果として、酸化は更なる工程(搬送及び貯蔵)中において抑制され、同時に成形された材料の流れ挙動もまた改善される。既存の成形工程は高温の材料によって行われ、よってこの材料は還元ユニットにおける処理の後に冷却されないが、直接プロセスすることができる。このことによって、エネルギー収支が改善され、直接的なプロセス処理を成形において行うか、又は続いて熔融ユニット若しくは溶融還元ユニットにおいて行うことが可能になるという結果が得られる。特に、高温ブリケッティングは有利であることが見出された。
【0018】
本発明によるプロセスの特定の改良によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料の第2の部分は、鉄担持体として、特に焼結物の代わりに熔融還元ユニット中に装入される。焼結物は、まず、複雑なプロセスにおいて焼結可能な鉄鉱石に基づいて生産される必要があり、ガス及びダストの形態の問題となる放出が生じる非常に大きな可能性を引き起こすという欠点を有している。前述の第2の部分(LRI)の使用は、焼結物のかなりの部分を置換することができる。さらに、すでに行われた還元の故に、熔融還元ユニットにおいて必要とされる炭素担持体、特にコークスの量を大幅に削減することをも可能とし、これによってかなりのコスト上の利点を達成することができる。
【0019】
特に有利には、本発明によれば、少なくとも部分的に還元された装入材料は、高温の状態で溶融ユニット及び/又は溶融還元ユニット中に、場合によっては低温の部分的に還元された装入材料の混合物とともに、導入することができる。高温での装入によってエネルギーを節約することが可能となり、低温の部分的に還元された装入材料との混合によって、装入中又はさらなる処理プロセスにおいてこのような材料の温度を適応させることが可能となる。
【0020】
本発明によるプロセスの特定の改良においては、少なくとも部分的に還元された装入材料が、高温成形されて、酸化を避けるために特に水浴中への焼入れによって冷却される。
【0021】
少なくとも部分的に還元された材料をさらに直接的に生産することが意図されていないか若しくは不可能な場合に対しては、酸化を回避するために装入材料を冷却する必要があり、これによって前記材料を保護ガス雰囲気無しに貯蔵することができる。水浴中への焼入れは、低コストの変形態様であることが見出された。
【0022】
本発明によるプロセスの特に有利な改良によれば、装入材料の還元は還元ユニットの流動床、特に循環流動床又はバブリング流動床において行われる。
【0023】
流体の流れが貫流する充填層は、一旦所定の流量に達すると流動床を形成する。高い流量においては、泡が流動床において形成される。
【0024】
装入材料の粒形、粒径、又は密度によっては、固体物の特定の体積比率で流動床が形成される。この場合の流速は、粒子の沈降速度よりも低い。破裂する泡によって乱された表面を有する、きっちり詰まった吊り層が形成される。鉛直方向における激しい混合が有利である。
【0025】
非常に高い流速では、流動床からの微細粒子の排出が増加し、これら粒子はサイクロンによる固体分離に戻される。バブリング流動床の上の循環流動床の利点はきわめて高い流量において生じ、例えば還元ガスと還元される装入材料との親密な混合を通じて効果的な還元プロセスを可能にする。
【0026】
流動床のタイプは装入材料によって、特に粒径又は粒径分布によって選択される。バブリング流動床は、還元される装入材料の粒径が8mm以下であって、平均粒径d50が約0.5〜2.0mmの場合に使用される。循環流動床は、粒径が0.1〜1mmであって、平均粒径d50が0.5mmの場合に使用される。
【0027】
本発明によるプロセスの代替的な改良によれば、装入材料の還元は、還元シャフト炉、回転式管状炉、又は回転式炉型炉において行われ、装入材料は、ペレット及び/又は塊状鉱石及び/又は焼結物の形で使用される。これは、種々の還元ユニットを使用して異なる装入材料を使用することを可能にする。
【0028】
本発明によるプロセスのさらなる代替的な改良は、多段還元炉中の上下に重なった複数の段階で行われる装入材料の還元によって見出され、装入材料はクリヤラ(cleaer)による限定された誘導を受ける。この限定された誘導は、凝集傾向を有する装入材料さえをも処理することを可能にする。
【0029】
本発明によるプロセスの特定の有利な改良によれば、過剰な還元ガスがダスト除去され、スクラバー洗浄され、必要に応じて炉頂ガスと混合され、循環ガスとして圧縮され、この循環ガスからの少なくとも幾分かのCOの分離のためのCO分離ユニットに供給され、続いてプロダクトガスとしてダスト除去装置の中に送られるか、又は還元ユニットの中に直接送られる。固体分の分離を行うスクラブ洗浄後、炉頂ガスとの混合及びCOの分離の後に、還元ユニットに直接供給されない過剰な還元ガスは、高品質還元ガスとして再利用することができる。この場合、還元ガスの量は増加させることができ、炉頂ガスは送出ガスとしての使用に加えてさらなる使用のために送出することができる。
【0030】
本発明によるプロセスの特定の改良によれば、溶融ユニットにおける圧力は、過剰な還元ガスを洗浄するスクラバーによって設定される。通常、環状ギャップスクラバーが過剰な還元ガスの洗浄に使用され、よって、反対圧力、したがって溶融ユニット中の圧力は、スクラバーにおける流れ抵抗の変化、例えば環状ギャップを変化させることによって容易に設定することができる。
【0031】
特に有利には、本願によればプロダクトガスは、ダスト除去装置の中に戻されるか又は直接還元ユニットに戻される前に加熱される。加熱によって、還元ユニットにおける処理温度は特定的に設定することができ、望ましくない温度変化を避けることができる。プロセスのエネルギー収支はこれによって改良される。
【0032】
本発明によるプロセスの有利な改良によれば、炉頂ガスは冷却され、ダスト除去された過剰の還元ガスと混合される前にスクラブ洗浄され、炉頂ガスから排出された熱は、プロダクトガスがダスト除去装置中に、又は還元ユニット中に戻される前に、プロダクトガスを加熱するために使用される。炉頂ガスの熱は、プロダクトガスの温度を設定するために使用され、同時に高温の炉頂ガスは、さらなる使用又は処理のステップのために引き渡すことができる程度にまで冷却される。
【0033】
本発明によるプロセスの特定の変形体によれば、分離されたCOは炉頂ガスとともに送出ガスとして排出される。通常、CO分離ユニットにおいて分離された炉頂ガスは、いわゆる排ガスとしてCO分離ユニットから排出され、プロセスは、主に少量の他のガスがCOとともに排出されるように調整される。炉頂ガスの幾分かと混合することによって、送出ガスとしてのさらなる使用のために送出することができるプロセスガスを生産することができる。
【0034】
本発明によるプロセスの可能な改良によれば、溶融ユニットにおいて形成される循環ガスの量及び炭素担持体、特に石炭の量は少なくとも部分的に還元された装入材料の量にしたがって設定される。溶融ユニットにおける石炭の量は、一方では溶融ユニット中の温度を規定し、他方では還元用に入手可能な還元ガスの量を規定する。したがってプロセスは、例えば石炭のようなプロセス材料を、広い範囲のパラメータ又は広い範囲の量内で適用することによって操業することができる。
【0035】
本発明によれば、還元ガスは還元ユニットにおいて部分的に燃焼され、一方、酸素は還元ユニットの温度を設定するように供給される。結果として、還元ユニットの温度を、またそれによって還元ユニットのプロセス温度を特定的に設定するか、又は変化させることが可能となる。複数の還元ユニットを使用する場合には、部分的燃焼は還元ユニットそれぞれにおいて行うことができ、還元段階それぞれがその温度及び還元ガスの還元能に対して影響されるようにすることができる。
【0036】
本発明による工程の好適な改良によれば、装入材料は添加剤、特に石灰石、酸化カルシウム、消石灰、ドロマイト、焼成或いは水化ドロマイト、又はクォーツと混合され、好ましくは少なくとも1つの還元ユニット中に装入される前に乾燥され、装入材料と添加剤とはほぼ等しい粒径を有している。付加的物質との有利な混合は、非常に均一な還元を可能にし、粒径は、短い還元時間及び均一な還元を保証できるような方法で適合されなければならない。装入材料が、高い臨界的な湿度を有する(典型的には8%を超える湿度の値)場合には、還元ユニット中のエネルギー消費は前以って行われる乾燥によって減少する。また、乾燥も低湿度(約4%の湿度未満のような)の場合に有利であることが見出され、これは、装入材料が搬送システム及び供給容器中において流れることができるということを保証する。また、低湿度の場合には、装入材料は前以って行われる乾燥無しでも使用することができる。
【0037】
本発明による装置によれば、還元ユニットの能力は、大量の還元された装入材料が、還元ガス生成装置としても作用する溶融ユニットによって形成されるように適合させることができる。下流の高温成形によって、少なくとも部分的に還元された塊状の装入材料が生成され、銑鉄生産のための高品質の装入材料を形成する。直列に接続された少なくとも2つの並列した還元ユニットに基づいて、設備を非常に柔軟に操業することができる。ここでは、3つ又は4つの還元ユニットからなる複数の列を有するのが通常である。例えば、点検作業のために、還元ユニットの1列だけを作動させて、他の列を点検することが可能である。さらに、炭素担持体の量を増加することなく、又はほんの少しだけ増加して、少なくとも部分的に還元された装入材料の量を広い範囲内で適合させることが考えられる。
【0038】
本発明による設備の可能性のある変形体によれば、高温成形のための装置のうちの1つは、成形された少なくとも部分的に還元された装入材料を受け取るか、又はさらに還元するための、装入物搬送装置又は還元シャフトに接続され、この搬送装置又はシャフトは溶融ユニットの上に配置されて溶融ユニット中への装入を可能にしている。溶融ユニット中への装入のために還元シャフトを使用することは、溶融ユニット中への装入に遅延が生じたとしても、成形された少なくとも部分的に還元された装入材料の酸化を回避することを可能にする。装入容器を使用することによって非常に簡単な方法が得られ、ここでは酸化を避けるために遮蔽ガスを供給することも可能である。装入容器による装入又は還元シャフトからの装入は、搬送スクリュー、クレアラ、又は重力によるロータリーセル移動ユニット、又は搬送装置による他のもののような排出要素を利用して行うことができる。
【0039】
本発明による設備の特定の変形体によれば、高温成形のための装置の少なくとも1つは、成形された少なくとも部分的に還元された装入材料を焼入れするための装置に接続されている。直接焼入れ、及びそれに関連する冷却は、望ましくない酸化を避けることを可能にし、このことは、少なくとも部分的に還元された装入材料を貯蔵することができる時間を明確に増加させる。
【0040】
本発明による設備の特定の有利な実施形態によれば、高温成形のための装置の1つは、成形された少なくとも部分的に還元された装入材料を熔融還元ユニットに導入することができるような方法で、熔融還元ユニット、特にブラスト炉、低シャフト型電気炉、又は熔融浴炉に接続されている。したがって、溶融ユニットは1つ以上の還元ユニット及びさらなる熔融還元ユニットに接続されており、これによって溶融ユニット又は熔融還元ユニットへの柔軟な装入が可能となる。これとともに、複数のユニットの結合は、明白に少量のCOによる銑鉄の生産を可能にする。炉のタイプは必要に応じて選択することが可能であり、よって、例えば溶融ユニットと還元ユニットを追加することによって、殆どの既存の設備との結合が可能である。
【0041】
本発明による設備の可能性のある実施形態は、還元ガスからダストを分離するためのダスト除去装置、特に乾式ダスト除去装置、好ましくはサイクロン又は還元サイクロンに、ラインによって接続された熔融ユニットによって達成され、ダストを除去された還元ガスを還元ガス供給ラインによって還元ユニットの列に供給することが可能になる。ダスト除去は、微細物質及びダストを除去することによって還元ガスの品質を改善することを可能にする。乾式ダスト除去装置の使用は、還元ガスの冷却を低く抑えることを可能にし、よって前記ガスを、さらなる加熱を殆ど行うこと無しに、還元ユニットへ供給することができる。
【0042】
本発明による設備のさらなる可能性のある実施形態は、還元ガス供給ラインを過剰な還元ガスのためのスクラバーに、還元ユニットに必要とされない還元ガスを排出し、洗浄することができるように、接続することによって達成される。このようにして、還元ガスの幾分かを排出し、特にスクラバーによって別に処理することが可能であり、これによって固体物は大幅に除去される。過剰な洗浄された還元ガスは、次いでさらなる使用のために送出される。
【0043】
本発明による設備の特定の有利な実施形態によれば、スクラバーは、再循環ガスラインによって、スクラブ洗浄された還元ガスからCOを分離するための、特に圧力変化を伴う吸着プロセス又は吸収プロセスに基づいたCO分離ユニットに接続され、これによって形成されたプロダクトガスを、プロダクトガスラインによってダスト除去装置又は還元ユニットに供給することを可能にしている。
【0044】
CO分離ユニットは、例えば溶媒としての低温のメタノールに基づくレクティソールプロセスのような物理的吸収プロセスは別として、様々な技術又は上述したプロセスに基づき使用することができ、モノエタノールアミンにもとづくMBAプロセス、及びジエタノールアミンに基づくDEAプロセス、又は反応抑制物質を有する炭酸カリウムに基づくベンフィールドプロセスのような化学的吸収プロセスもまた、使用することができる。これら既知のプロセスの代替として、圧力によるモルキュラーシーブの選択的吸着挙動を使用する特に圧力変化型プロセスを使用する吸着プロセスを使用することも可能である。この点では、低圧段階を準大気圧で真空圧力変化型プロセスを有する通常型と同様に使用する場合には特に有利である。
【0045】
本発明による設備の有利な実施形態によれば、還元ユニットの列のうちの少なくとも1つが炉頂ガス排出ラインによって再循環ガスラインに接続されて、還元ユニットから排出された炉頂ガスがスクラブ洗浄された過剰な還元ガスと混合されてCO分離ユニットへ圧縮機によって供給される。炉頂ガスの含有物によって、過剰な還元ガス及び炉頂ガスを、COを含有しないようにすることが可能であり、これによって高い還元能を有する還元ガスを生成することができる。このように得られたプロダクトガスは、高品質の還元ガスとして還元ユニットにおいて再度使用することができ、よって大量の装入材料を、溶融ユニットにおいて使用されなければならない量より多くの炭素担持体なしに還元することができる。
【0046】
本発明による設備の特定の有利な実施形態は、炉頂ガスを冷却し、プロダクトガスを加熱するための少なくとも1つの熱交換器をそれぞれが有する炉頂ガスライン及びプロダクトガスラインによって達成され、炉頂ガスから取り除かれた熱をプロダクトガスに供給することができる。このように、炉頂ガスから熱を引き抜くことができ、これによって対応して、非常に高温のガスを冷却し、プロダクトガスを還元ガス中に導入する前に加熱することができる。
【0047】
本発明による設備の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの酸化物乾燥機が、鉄鉱石含有装入材料及び必要に応じて添加物を混合及び乾燥するために設けられ、前記乾燥機は搬送装置及び供給容器によって還元ユニットの列に接続されている。乾燥及び混合は均一な混合物を達成し、均一な混合物は還元ユニットにおいて均一な還元を可能にする。
【0048】
本発明は、限定するわけではない典型的な実施形態に基づく例と図面とによって以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】微細鉱石の直接還元/熔融プロセスのプロセスダイアグラムを示す図である。
【図2】本発明による微細鉱石の直接還元プロセスのプロセスダイアグラムを示す図である。
【図3】本発明による、ブラスト炉との組み合わせにおいてCO分離のための圧力変化プロセスを有する設備に基づく、プロセスの例を示す図である。
【図4】本発明による、ブラスト炉との組み合わせにおいてCO分離のための真空圧力変化プロセスを有する設備に基づく、プロセスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、微細鉱石のための直接還元/熔融プロセスのためのプロセスダイアグラム及び設備を示している。例えば熔融ガス化炉1のような溶融ユニットにおいて、少なくとも部分的に還元された微細鉱石が熔融され、一方、例えば石炭のような炭素担持体が添加され、よって還元ガスを形成し、この還元ガスは直列に接続された複数の還元ユニットR〜Rの列に導入される。このように、還元ガスは、還元される鉱石及び必要に応じて添加物に対して逆方向に流れ、鉄鉱石及び添加物は、還元ユニットRの中に供給される前に混合され、乾燥される。少なくとも部分的に還元された微細鉱石は高温成形ユニット12において塊形状にされて、殆どがまだ高温の状態で装入容器26に導入され、溶融ユニット1において銑鉄REに熔融される。また、装入容器は、還元シャフトとして構成することができる。還元ガスの処理のさらなる詳細は、図2に基づいてより詳細に説明される。
【0051】
図2は、本発明による微細鉱石の直接還元/熔融プロセスのためのプロセスダイアグラム及び設備を示している。この設備は直列に接続された還元ユニットR〜Rの2つの列を有し、これら2つの列は互いに並行して配置され、かつ接続されており、よって図1に示されたダイアグラムに類似して、還元ガスは還元ユニットに、還元ガスによって少なくとも部分的に還元される装入材料に対して反対方向に誘導される。両列は、還元ガスラインによって溶融ユニット1からの還元ガスを供給される。
【0052】
しかしながら、また、本発明によるプロセスは、図1による設備によって操業することもでき、還元は、直列に接続された還元ユニットの1つの列でのみ操業される。
【0053】
還元ガスは、塊状石炭K、微細石炭FK、又は石炭ダストKSのような炭素担持体を熔融ユニット1に添加することによって生成される。微細石炭又は石炭ダストはこの場合、溶融ユニットの中に噴出される。銑鉄REは、溶融ユニット1からスラグとともに引き抜かれる。
【0054】
例えばサイクロン2のような乾式分離装置における還元ガスの洗浄の後、この還元ガスは還元ユニットへ供給される。分離装置2において分離された固体分は溶融ユニット1の中に戻される。
【0055】
分離装置2における洗浄の後、過剰な還元ガスはスクラバー3に供給され、さらに洗浄される。スクラバーは、例えば環状ギャップスクラバーとして構成することができ、スクラバーを通じた流れを環状のギャップによって調整し、これによって溶融ユニット1中の圧力をスクラバー3によって調整することが出来る。
【0056】
スクラバーでスクラブ洗浄された還元ガスは、次いで還元ユニットRから引き抜かれた炉頂ガスと混合され、再循環ガスとして圧縮機4によってCO分離装置5へ供給される。主にCOを含有する分離されたガス部分は、排ガス(tail gas)ライン6によって排ガスとして排出され、この排ガスライン6は送出ガスライン7に開口し、よって過剰な炉頂ガスは排ガスとともに送出ガスEGとして排出することができる。COを洗浄された再循環ガスは、プロダクトガスライン8によってプロダクトガスとして分離装置2へ、又は直接還元ユニットRへ案内される。
【0057】
炉頂ガスは熱交換器9、9aによって冷却することができ、それによって引き抜かれた熱は熱交換器10に供給され、プロダクトガスを加熱するために使用される。さらに、熱交換器における冷却の後、炉頂ガスはスクラバー16、16aにおいて洗浄することができる。
【0058】
還元ガス、及び必要に応じてプロダクトガスは、還元ユニットRに供給される。これらガスは、装入材料E、及び場合によっては添加物Zに対して反対方向に、複数の還元ユニットを通じて流れる。還元ユニットRは、装入材料及び添加物を予備加熱するための予備加熱ユニットとして操業される。装入材料及び添加物はまず混合されて酸化物乾燥機11において乾燥されて、好適な装置によって還元ユニットRに供給される。
【0059】
少なくとも部分的に還元された装入材料と、必要に応じて添加物とは、2列の還元ユニットRから排出され、高温成形のための2つの装置12、13に供給されて、プロダクトを塊状形状の生産物、例えばブリケットを生産する。
【0060】
この生産物は、例えば焼入れ槽のような焼入れのための装置14に供給し、冷却することができ、これによって酸化を回避することができる。少なくとも部分的に還元された微細鉱石のような装入材料、特に微細鉄鉱石と必要に応じて添加物とを備える、還元において生産された塊状の生産物は、低度還元鉄(Low Reduced Iron:LRI)と称され、熔融還元プロセスのための高品質装入材料を主に構成する。
【0061】
LRIは高温状態で熔融還元ユニット15中に直接挿入することができ、この熔融還元ユニット15は有利にはブラスト炉とすることができる。また、代替的に、低温のLRI又は高温のLRIと低温のLRIの混合物も、熔融還元ユニットに挿入することができる。少なくとも部分的に還元された装入材料と、必要に応じて添加物とは、ブリケットとして又は焼結物の代わりの鉄担持体としての他の塊状物として熔融還元ユニットに導入することができ、少なくともいくらかの焼結物の必要をなしに済ますことができる。このことによって、大量の焼結物及び/又はペレット及び/又は塊状鉱石を、焼結設備における焼結プロセスにおいて節約することが可能になる。焼結物の節約は、焼結中に発生する排出ガス及び燒結に必要とされるコークスを明確に削減することができるので、特に有利である。さらに、焼結物の代わりに導入されるLRIが特定のエネルギー消費を低下させるので、ブラスト炉において必要とされるコークスの量もまた減少される。同時に、削減される特定のコークス消費によって、ブラスト炉の特定のアウトプットは増加する。可能性のあるプロセスフローが、図3による実際の例に基づいた例示の方法によって後述される。
【0062】
この設備は直列に接続された複数の還元ユニットの列19を備え、これら還元ユニットは、実際の場合には熔融ガス化炉1である溶融ユニットに接続されている。
【0063】
このプラントは、FINEX(登録商標)設備18として知られている。さらに、熔融ガス化炉1は、直列に接続された複数の還元ユニットのさらなる列21に接続されている。この列において生産された少なくとも部分的に還元された装入材料と添加物とは、低還元鉄(LRI)として参照されている。このプラント20は、対応してLRI設備として参照されている。LRI設備は、熔融ガス化炉1からの還元ガスによって同様に操業され、よって、還元ユニットの2つの列は互いに実質的に並行して操業される。LRIは通常、60〜70%の還元度を有する。
【0064】
鉱石、特に鉄鉱石の濃縮物22が装入材料として考慮され、酸化鉄の富化によって、天然に存在する鉱石をベースとして鉱石の濃縮物を生産する。濃縮物とは別に、焼結鉱石23が使用される。これらは、通常焼結設備に添加される、小さな粒径を有する鉱石であり、すなわち微細鉱石に分類される鉱石である。
【0065】
さらに、石炭24と添加物25とが使用され、石炭は熔融ガス化炉に装入されて、還元ガスと熔融銑鉄とを生成する。
【0066】
毎年の基準量は以下のとおりである。
・濃縮物400万トン
・焼結鉱170万トン
・石炭170万トン
・添加物70万トン
・酸素設備17からの酸素量130000Nm3/時:1年に生産できる概量
・銑鉄200万トン
・LRI220万トン
220万トンのLRIは、焼結物の代わりとして、例えばブラスト炉のような熔融還元ユニットに供給することができる。さらに、約364MWのエネルギー量を有する送出ガスEGが生産され、例えば発電プラントのような外部使用のために送出することができる。LRI及び焼結物と、コークス及び添加物とに基づいて、約400万トンの銑鉄をブラスト炉において連続的に生産することができる。
【0067】
ブラスト炉におけるLRIの使用は、焼結物の60%までをLRIで置換することを可能にし、ブラスト炉の操業モードへの適応によってさらに増加させることが可能である。結果として、焼結設備を小型化するか、又は焼結排気ガス及び焼結に必要とされるコークスを削減することができる。
【0068】
さらなる利点は、ブラスト炉において必要とされるコークスの量を対応させて削減することができることであり、全鉄担持体の鉄分の40〜50%にLRIを使用すると、銑鉄1トン当たり約150〜200kgのコークスを節約することができる。LRI設備とブラスト炉とを有するFINEX(登録商標)設備の操業では、銑鉄の総量の約25〜40%がFINEX(登録商標)設備の溶融ユニットによって生産され、約60〜75%がブラスト炉によって生産される。コークス及び炭素担持体全体の消費の削減を別にして、本発明によるプロセスの場合には送出ガスの量が減少し、よって環境への影響の少ない、より効率的なプロセスが保証される。結果として、生産される銑鉄1トン当たりの大幅なコストに関する利点を達成することができる。特定されている量は、使用されるCO分離装置のタイプによって影響を受ける。
【0069】
図4には、修正されたCO分離装置の効果が示されている。真空圧変化プロセスが、再循環ガスからのCOの分離のための圧力変化プロセスの代わりに使用され、よって設備によって生産することができるLRIの量は大幅に増加することができる。濃縮物、焼結鉱石、及び添加物の量の適応によって、LRIの量を約220万トンから280万トンへ成功裏に増加させる一方、送出ガスの量を減少させることができる。炭素担持体の必要量は変化させずに維持される。送出ガスEGの熱量は、真空圧変更プロセスが使用される場合に減少する。
【0070】
これにより、プロセスはCOのさらに効果的な分離を使用し、このプロセスは、最小圧力を実質的に真空レベルまで下げることによって達成される。
【符号の説明】
【0071】
1・・・熔融ユニット
2・・・分離装置
3・・・スクラバー
4・・・圧縮機
5・・・CO2分離装置
6・・・排ガスライン
7・・・送出ガスライン
8・・・プロダクトガスライン
9、9a・・・熱交換器
10・・・熱交換器
11・・・酸化物乾燥機
12、13・・・高温成形のための装置
14・・・焼入れのための装置
15・・・溶融還元ユニット
16、16a・・・スクラバー
17・・・酸素設備
18・・・FINEX(登録商標)設備
19・・・直列に接続された還元ユニット(R,R,R,R)の列
20・・・LRI設備
21・・・直列に接続された還元ユニット(R,R,R,R)の更なる列
22・・・鉱石の濃縮物
23・・・焼結鉱石
24・・・石炭
25・・・添加物
26・・・装入容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熔融還元ユニット、特に溶融ガス化炉において銑鉄又は液状鋼原材料を生産するプロセスであって、
鉄鉱石含有装入材料、特に微細鉱石と、必要に応じて添加剤とが、少なくとも1つの還元ユニットにおいて還元ガスの手段によって少なくとも部分的に還元されるプロセスにおいて、
前記少なくとも部分的に還元された装入材料の第1の部分は、炭素担持体、特に石炭と、酸素含有ガスとを供給されている熔融ユニット中において熔融され、同時に還元ガスが形成され、該還元ガスが、前記還元ユニットに供給され、前記還元ユニットを通過した後に炉頂ガスとして、又は送出ガスとして引き抜かれ、
前記少なくとも部分的に還元された装入材料の第2の部分は、還元と熔融とのために熔融還元ユニットに供給されることを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記少なくとも部分的に還元された装入材料のうちの前記第2の部分の量は、望ましい炉頂ガスの量、及び/又は送出ガスの量、及び/又は送出ガスの質にしたがって設定されることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記少なくとも部分的に還元された装入材料の前記第2の部分の量は、前記熔融ユニットにおいて得られる銑鉄の量の0〜1.2倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記少なくとも部分的に還元された装入材料の前記第2の部分の量は、前記熔融還元ユニットの中に装入される全ての鉄担持体のうちの鉄分に対して、10〜60%、特に20〜40%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記少なくとも部分的に還元された第2の部分の場合、及び/又は熔融ユニットにおいて使用される装入材料の場合における還元度は、40〜95%、特に65〜75%に設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記鉄鉱石含有装入材の少なくとも部分的な還元は、直列に接続された2〜6の、特に3又は4の還元ユニットにおいて行われ、還元ガスは、還元される前記鉄鉱石含有装入材料に対して逆方向に導かれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記鉄鉱石含有装入材料、及び場合によっては添加剤の還元が、直列に接続された還元ユニットの少なくとも2つの相互に並行な列において行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記少なくとも部分的に還元された装入材料は、例えば高温ブリケッティングのような、成形、特に高温成形にまわされることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記少なくとも部分的に還元された装入材料の前記第2の部分は、鉄担持体として、特に焼結物の代わりに、前記熔融還元ユニット中に装入されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記少なくとも部分的に還元された装入材料は、高温の状態で溶融ユニット及び/又は溶融還元ユニット中に、場合によっては低温の部分的に還元された装入材料の混合物とともに導入されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記少なくとも部分的に還元された装入材料が、高温成形されて、酸化を避けるために特に水浴中への焼入れによって冷却されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記装入材料の還元は、還元ユニットにおいて、流動床、特に循環流動床又はバブリング流動床において行われることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記装入材料の還元は、還元シャフト炉、回転式管状炉、又は回転式炉床炉において行われ、前記装入材料は、ペレット及び/又は塊状鉱石及び/又は焼結物の形で使用されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記装入材料の還元は、多段還元炉中の上下に重なった複数の段階で行われ、前記装入材料はクリヤラの手段による限定された誘導を受けることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記熔融ユニットから引き抜かれた還元ガスは、ダスト除去装置、好ましくはサイクロン又は還元サイクロン中において、特に乾燥状態で、ダスト除去され、少なくとも1つの前記還元ユニットに供給されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
過剰な還元ガスがダスト除去され、スクラブ洗浄され、場合によっては炉頂ガスと混合され、循環ガスとして圧縮され、前記循環ガスからの少なくとも幾分かのCOの分離のためのCO2分離ユニットに供給され、続いてプロダクトガスとして前記ダスト除去装置の中に送られるか、又は前記還元ユニットの中に直接送られることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記溶融ユニットにおける中の圧力は、前記過剰な還元ガスをスクラブ洗浄するスクラバーの手段によって設定されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記プロダクトガスは、前記ダスト除去装置の中に戻されるか又は直接還元ユニットに戻される前に加熱されることを特徴とする請求項16又は17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記炉頂ガスは冷却され、ダスト除去された前記過剰の還元ガスと混合される前にスクラブ洗浄され、前記炉頂ガスから排出された熱は、前記プロダクトガスを、前記ダスト除去装置の中に又は前記還元ユニットの中に戻される前に加熱するために使用されることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
分離されたCOは前記炉頂ガスとともに送出ガスとして排出されることを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記溶融ユニットにおける前記循環ガスの量及び炭素担持体、特に石炭の量は、前記少なくとも部分的に還元された装入材料の量によって設定されることを特徴とする請求項16〜20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記還元ガスは前記還元ユニットにおいて部分的に燃焼され、一方、酸素は前記還元ユニットの温度を設定するように供給されることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記装入材料は、添加剤、特に石灰石、酸化カルシウム、消石灰、ドロマイト、焼成或いは水化ドロマイト、又はクォーツと混合され、好ましくは少なくとも1つの前記還元ユニット中に装入される前に乾燥され、前記装入材料と前記添加剤とは、ほぼ等しい粒径を有していることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
熔融ユニット(1)、特に熔融ガス化炉と、
鉄鉱石含有装入材料及び必要に応じて添加剤を、炭素担持体、特に石炭及び酸素含有ガスを供給しつつ前記熔融ユニット(1)において形成した還元ガスによって還元するための少なくとも1つの還元ユニット(R, R, R, R)と、
を有する、請求項1〜23のいずれか一項に記載のプロセスによって銑鉄又は液状鋼原材料を製造するための設備であって、
少なくとも2列の、2つ〜6つの、特に3つ又は4つの直列に接続された還元ユニットが設けられ、前記列それぞれの下流には高温成形のための装置(12、13)、特に高温ブリケッティング装置が設けられていることを特徴とする設備。
【請求項25】
前記高温成形のための装置(12、13)のうちの1つは、成形された少なくとも部分的に還元された装入材料を受け取るか、又はさらに還元するための、装入物搬送装置(26)又は還元シャフト炉に接続され、この搬送装置又はシャフト炉は前記溶融ユニット(1)の上に配置されて、前記溶融ユニット中への装入を可能にしていることを特徴とする請求項24に記載の設備。
【請求項26】
前記高温成形のための装置(12、13)のうちの1つは、前記成形された少なくとも部分的に還元された装入材料を焼入れするための装置に接続されていることを特徴とする請求項24又は25に記載の設備。
【請求項27】
前記高温成形のための装置(12、13)のうちの1つは熔融還元ユニット(15)、特にブラスト炉、低シャフト型電気炉、又は熔融浴炉に結合され、前記成形された少なくとも部分的に還元された装入材料を前記熔融還元ユニット(15)に導入することができることを特徴とする請求項24〜26のいずれか一項に記載の設備。
【請求項28】
前記熔融ユニット(1)は、前記還元ガスからダストを分離するためのダスト除去装置(2)、特に乾式ダスト除去装置、好ましくはサイクロン又は還元サイクロンに、所定のラインによって接続されており、ダストを除去された前記還元ガスを、還元ガス供給ラインによって還元ユニットの列(19、21)に供給することを可能にすることを特徴とする請求項24〜27のいずれか一項に記載の設備。
【請求項29】
前記還元ガス供給ラインは過剰な還元ガスのためのスクラバー(3)に、前記還元ユニットに必要とされない還元ガスを排出し、洗浄することができるように、接続されていることを特徴とする請求項24〜28のいずれか一項に記載の設備。
【請求項30】
前記スクラバー(3)は、再循環ガスラインによって、スクラブ洗浄された前記還元ガスからCOを分離するための、特に、圧力変化を有する吸着プロセス又は化学吸着プロセスに基づいたCO分離ユニット(5)に接続され、これによって形成されたプロダクトガスを、プロダクトガスラインによって前記分離装置(2)又は前記還元ユニット(R,R,R,R)に供給することを可能にすることを特徴とする請求項29に記載の設備。
【請求項31】
前記還元ユニットの列(19、21)のうちの少なくとも1つが、炉頂ガス排出ラインによって前記再循環ガスラインに接続され、よって、前記還元ユニット(R,R,R,R)から排出された炉頂ガスを、洗浄された前記過剰な還元ガスと混合されて前記CO分離ユニット(5)へ圧縮機(4)によって供給することができることを特徴とする請求項30に記載の設備。
【請求項32】
前記炉頂ガスライン及び前記プロダクトガスラインのそれぞれが、前記炉頂ガスを冷却し、前記プロダクトガスを加熱するための少なくとも1つの熱交換器(9、9a)を有し、前記炉頂ガスから取り除かれた熱を前記プロダクトガスに供給することができることを特徴とする請求項31に記載の設備。
【請求項33】
少なくとも1つの酸化物乾燥機(11)が、前記鉄鉱石含有装入材料及び必要に応じて前記添加物を混合及び乾燥するために設けられ、前記乾燥機は搬送装置及び供給容器によって前記還元ユニットの列(19、21)に接続されていることを特徴とする請求項24〜32のいずれか一項に記載の設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−522126(P2011−522126A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512050(P2011−512050)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055047
【国際公開番号】WO2009/146982
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(595031362)シーメンス・ファオアーイー・メタルズ・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー (23)
【Fターム(参考)】