鋸歯ワイヤー並びに鋸歯針布及び全スチール針布の製造方法及び製造装置
【課題】
布地用の繊維を処理する鋸歯及び全スチール針布を、その品質を損なうことなく迅速・確実に製造する方法を提供すること。
【解決手段】
カーディング処理中に布地用の繊維を処理するための鋸歯針布及び全スチール針布の製造方法において、ワイヤーの素材に、該ワイヤーの素材の長手方向において、連続して順に歯を設けることにより鋸歯ワイヤーが製造される。そして、その歯はベース領域から離れるように、長手方向に対して横断する方向に伸びる。この方法で製造された鋸歯ワイヤーは少なくとも歯の領域において硬化処理を受ける。前記硬化処理は、鋸歯ワイヤーの領域において酸素が排除された状況下のもとで行われる。好ましくは、鋸歯ワイヤーは加熱室を通過する。
布地用の繊維を処理する鋸歯及び全スチール針布を、その品質を損なうことなく迅速・確実に製造する方法を提供すること。
【解決手段】
カーディング処理中に布地用の繊維を処理するための鋸歯針布及び全スチール針布の製造方法において、ワイヤーの素材に、該ワイヤーの素材の長手方向において、連続して順に歯を設けることにより鋸歯ワイヤーが製造される。そして、その歯はベース領域から離れるように、長手方向に対して横断する方向に伸びる。この方法で製造された鋸歯ワイヤーは少なくとも歯の領域において硬化処理を受ける。前記硬化処理は、鋸歯ワイヤーの領域において酸素が排除された状況下のもとで行われる。好ましくは、鋸歯ワイヤーは加熱室を通過する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、布地用の繊維を処理する、特にカーディング処理に関連する鋸歯針布及び全スチール針布の製造方法に関する。この方法によれば、素材のワイヤーに、ワイヤーの長手方向に連続して配置された歯が設けられ、その歯はベース領域から長手方向に対して横切る方向に伸びる。そして、こうして作り出された鋸歯ワイヤーは、少なくとも歯の箇所において硬化処理を受ける。本発明はまた、前記製造方法により製造された鋸歯ワイヤー、前記製造方法を実行する装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
前記した類の方法により非合金鋼又は合金鋼から製造された鋸歯ワイヤーは、例えば、布地用の繊維を処理するカードすなわち梳毛機、梳綿機に使用される。この目的のため、鋸歯ワイヤーは、例えば、カードの円柱状の支持体（太鼓あるいはシリンダー）にコイル状に取り付けられる。
【０００３】
現代のカードにおいて、カードのシリンダーのための鋸歯針布及び全スチール針布を製造するため、数ｋｍの長さを有する鋸歯ワイヤーが必要とされる。布地用の繊維を処理するため、その上に配置されたワイヤー針布を備えたカードのシリンダーは、針布がシリンダーに供給された繊維を梳き、清掃できるように、円柱の軸を中心に回転させられる。シリンダー針布は、適切で平らな針布を備える静止した又は反対向きに駆動されるフラットなカードと協働する。この種の繊維処理において、満足のいくカーディングの結果を得るため及びカードのダメージ防止のため、鋸歯ワイヤーは、カーディングの結果又は操作の信頼性に否定的な影響を与える、シリンダーの回転軸から鋸歯ワイヤーの先端までの半径方向の間隔に一切変化がないように、高い精度で円柱状の支持体に固定されていなければならない。なぜなら、ワイヤーをシリンダーに装着する間に生じる局部的な不正確性でさえ、このように形成された鋸歯針布及び全スチール針布に、その全体の交換を要する程のダメージを生じさせ得るからである。
【０００４】
現代の高い性能を誇るカードにおいては、このことは機械の不稼働時間や必要となる材料の点で非常にコスト高となる。さらに、満足のいくカーディングの品質の保証との関連で、連続して配置された巻き線の不規則な軸方向変移量もまた、抑制されなければならない。さらに、カードの満足のいく耐用年数を得るため、鋸歯ワイヤーについて過度の摩耗が防止されなければならない。この目的のため、シリンダー上に装着される鋸歯ワイヤーの歯は、硬化処理を受ける。例えば、直火によりそれらをオーステナイト化温度まで熱し、その後急冷することができる。
【０００５】
特に、ワイヤーを熱する際、様々な厚さの酸化物又は酸化物の層が、ワイヤー上に形成され得る。そのような層は、支持体にコイル状に取り付けられた針布の所望の精度に関し、特有の問題を生ずる。鋸歯ワイヤーは、ワイヤー取付け装置により、回転する支持体に取り付けられる。ワイヤーの取付けに関する所望の精度を確保するため、ワイヤーは狭い案内を通り過ぎなければならない。この工程の間に、案内内におけるワイヤーの撓み及び摩擦の結果として、酸化物の微粒子がワイヤーの表面から欠け落ちて、取付け装置の中、特に案内の中に堆積し得る。案内のそのような汚れは、ワイヤーの取付けに関する質及びワイヤーの取付けが実行される速度に大きな影響を与え得る。さらに、欠け落ちる酸化物の微粒子を原因として、ワイヤー取付け装置、特にその案内を清掃するために頻繁にワイヤーの取付け工程を中断することが要求され得る。もしこれらの清掃のための中断が適時に実施されなければ、案内の汚れの増加を原因として上昇するワイヤーに作用する引張力は、ワイヤーが切れるほどの強さにまで上昇し得る。
【０００６】
これらの問題に関し、硬化処理中にできた酸化物又は酸化物の層をその処理後に取り除くことが既に提案されている。この目的のため、研磨の方法、例えば付着した酸化物をできるだけ多く取り除くために、硬化処理後に金属製の回転ブラシでワイヤーをブラッシングする方法が知られている。他の方法においては、酸化物の層を取り除くため、それ用の形状を付された研磨ホイールによってワイヤーが磨かれる。化学作用で酸化物を取り除く化学的な方法も知られている。
【０００７】
しかしながら、前記問題の観点から提案された酸化物を取り除く方法は、物質の機械的又は化学的な除去の結果として、ワイヤー自体もまた多かれ少なかれダメージを受けるという不都合を有する。さらに、ワイヤーの取付けに関する前記問題を回避するためになされる酸化物の層の除去によって、鋸歯ワイヤーの歯の側面及び先端が丸くなり、ワイヤーの歯が所望の鋭さをいくらか失うことにもなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明の目的は、前記問題点を考慮し、布地用の繊維を処理する鋸歯及び全スチール針布を、その品質を損なうことなく迅速・確実に製造することのできる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明によると、前記目的は、鋸歯ワイヤーの領域内で酸素が排除された状況下のもとに、硬化処理を行うことにより達成され、この鋸歯ワイヤーは加熱室を通過することが好ましい。
【００１０】
本発明の方法によれば、硬化処理中の酸素が排除されるため、酸化物又は酸化物の層は最初から回避され、既知の方法により製造されたワイヤーの使用時に生じる、ワイヤーの取付け処理を損ねたり、低速化を引き起こす汚染問題は、本発明のワイヤーによれば全く生じない。それゆえ、さもなければ必要とされる酸化物又は酸化物の層の除去の結果としての鋸歯ワイヤーの損傷が生じることはない。
【００１１】
さらに、本発明の鋸歯針布及び全スチール針布によれば、梳かれた繊維の品質は確実に改善されうる。なぜなら、上述した方策にも関わらず、先行技術により製造された針布は、多くの場合酸化物粒子を有しており、それらの酸化物粒子は、繊維を処理している間に針布から分離し、その布地用の繊維を汚染する。従来の方法により製造された針布の場合、これはカーディングの結果の悪化と、分離した酸化物粒子が、針布のさらなる摩耗をも生じさせるので、針布の耐用年数の減少も引き起こす。これらの問題は、本発明の方法により原則として解決される。なぜなら、鋸歯ワイヤーの表面上には、酸化物が全く形成されないからである。
【００１２】
本発明の方法では、鋸歯ワイヤーの歯は、従来技術の方法のように、硬化処理中に、好ましくはおよそ５００から１２００℃、特におよそ８００から１０００℃（場合によっては、例えば５００から８００℃の予熱の後）のオーステナイト化温度まで熱せられ、その後急冷却することができる。後に行う鋸歯ワイヤーの冷却（焼入れ）処理は、好ましくは酸素又は他の酸化ガスが排除された状況下においても実施される。便宜上、冷却工程のために、水又は、水と油のエマルジョン又は、油で作動する急冷槽が使用される。すなわち、連続的な操作で、鋸歯ワイヤーは初め熱せられ、その後急冷槽で冷却される。
【００１３】
ワイヤーの応力亀裂を避けるため、便宜上、冷却は油槽の中で実施される。本発明の特に好ましい実施形態において、鋸歯ワイヤーは、油槽を使った急冷を行ったにもかかわらずまだ存在する脆さを改善し又は靭性を向上させるため、焼きなまし、すなわち更なる熱処理を施すことができる。この追加的な熱処理はまた、便宜上、酸素又は他の酸化ガスが排除された状況下のもと、硬化処理されるべき歯の領域において実行される。
【００１４】
本発明の方法によれば、少なくとも鋸歯ワイヤーが硬化処理という範疇での加熱処理中に炎を通過するという点で、連続的な製造工程という範疇での連続的な操作を確保しながら、鋸歯ワイヤーをオーステナイト化温度まで熱することは実現可能である。これに関して、本発明による鋸歯ワイヤーの領域の酸素を確実に排除するため、非反応性不活性ガス雰囲気、例えば窒素雰囲気の中で炎が発生させられる。これと関連して、所望の酸素の排除が次のように確保され得る。炎を発生させるため、酸化作用物質と硬化処理される歯とが決して接触することのない態様で、燃焼ガス及び酸化作用物質、例えば酸素が加熱室に導入され、好ましくは炎を発生させるための燃焼工程中に完全に反応する。それゆえ、本発明の方法を実行するとき、ワイヤーを熱するために使用する炎は、便宜上、余分な酸素なしに発生させられる。
【００１５】
便宜上、歯と空気中の酸素との望まれざる接触は、不活性ガスの流れを加熱室が受ける時、実質上除くことができ、その場合、加熱室内で不活性ガスの過圧状態が維持される。
【００１６】
本発明の方法により製造される鋸歯ワイヤーは、満足のいく耐用年数を有するために、歯の先端領域にとりわけ高い硬度を備えていなければならない。他方、これらの鋸歯ワイヤーは、ベース領域において、円柱状の支持体上にコイル状に取り付けることができるような変形能をなお有していなければならない。これと関連して、歯の先端における鋸歯ワイヤーの微細構造は、通常マルテンサイトからなり、ベース領域では、組み込まれた（球状）セメンタイトを備えたフェライトからなる。本発明の方法を実施する際、ベース領域において所望の構造を成し遂げるため、便宜上、硬化処理前に、鋸歯ワイヤーは少なくともベース領域内について（球状化）焼きなましされる。ベース領域において所望の微細構造を確保するため、硬化処理の過程で利用される炎は、便宜上、歯の領域、特に歯の先端領域においてのみ加熱が行われるような方法より調整される
【００１７】
本発明の方法に関して使用されるワイヤーの素材は、ワイヤーの所望の断面形状を得るため、便宜上冷間圧延されて形状を付された形で提供される。
【００１８】
本発明を実施する際、好ましくは２つの異なったガスシステムが用いられる。１番目の制御され、調節された不活性ガスの導入をするためのシステムと、２番目の酸素及び燃焼ガスの所定の混合ガスをバーナー又は加熱室の中に導入するシステムが備えられている。これと関連して、動作状況とバーナーの状態（始動、停止など）によって、不活性ガスは、加熱室内における量及び圧力に関して制御される。酸化物が形成されないようにするため、歯が炎の中を通過する際に未燃酸素と接触しないよう、燃焼ガスと酸化作用物質の混合物及びバーナーの配置は選択される。さらに、不活性ガスの導入及びその結果として生じる流れの状態は、酸化作用物質と歯との接触を妨げるのに貢献する。
【発明の効果】
【００１９】
本発明による全スチール針布ワイヤーは、従来の方法で製造されたワイヤーと比べ、以下の点において有利である。
【００２０】
本発明により製造された針布ワイヤーは酸化物がないので、ワイヤー取付け装置の案内の中に酸化物の残留物が堆積しない。結局、このことは、従来の方法により生産された全スチール針布ワイヤーと比較して、本発明により製造されたワイヤー手段によって、著しく高いワイヤーの取付け速度を達成できることを意味している。さらに、本発明の方法により製造されたワイヤーを使用する際、案内とワイヤー取付け装置を清掃するために、ワイヤー取付け処理を中断する必要はない。さらに、案内の中でのワイヤーの喰付や破損は確実に防止される。
【００２１】
本発明の方法により製造された針布のさらに有利な点は、酸化物のないワイヤーにより製造された針布を使用する際、酸化物の残留物による布地用の繊維の汚れが完全に防止されることである。これと関連して、酸化物の残留物による布地用の繊維の汚れのもたらす前記不利益は、ブラシをかけたワイヤー又は砥石車で研磨されたワイヤーを使用することにより、実質上防止される。しかしながら、これらの周知の方法により製造されたワイヤーは、研磨や磨きにより針布ワイヤーの先端が歯の角や先端が望ましくない態様で丸くなり、これを活用するために必要とされる所望の鋭さを著しく失ってしまうという大きな不利益を有する。それゆえ、そのカーディングは、研磨処理のされていないワイヤーと比較して、性能が著しく低い。化学的な処理が施されたワイヤーに関しても、同様の不利益がある。
【００２２】
本発明に関する前記説明からわかるように、本発明の方法を実行する装置は、鋸歯ワイヤーが通過するための入口開口部及び出口開口部を有する硬化処理室及び、室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域中に不活性ガス雰囲気を発生させるための装置を備える。
【００２３】
歯の硬化処理のために必要とされる熱を得るために、前記装置は加熱室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域に炎を起こすためのバーナー装置を有する。歯の領域においてできる限り酸素の排除を確実にする混合物を発生させるため、そのバーナー装置は混合装置を有することができ、この混合装置を用いて、燃焼ガスと酸化作用物質、例えば酸素を所定の割合で混合でき、この混合は、このように作られる混合物が炎を得るために反応し又は燃焼する前に行える。
【００２４】
加えて、加熱室は不活性ガスを導入するためのノズル装置を有する。このノズル装置によって、不活性ガスの過圧状態が室内に生じるようにして、便宜上、不活性ガスはこの室内に導入される。そして、さらに、不活性ガスの導管により、酸化作用物質又は酸素が鋸歯ワイヤーの歯と接触することがないようになる。
【００２５】
本発明の装置の加熱室は、その下流に、熱せられた歯を冷却するための装置を有する。この冷却装置は、便宜上、酸素の排除された状況下で鋸歯ワイヤーが通過する油槽を有する。
【００２６】
さらに、本発明によると、鋸歯ワイヤーを焼きなましするための焼きなまし装置が、ワイヤーの通過方向おいて加熱室の上流に配置されている。
【００２７】
本発明の方法という意味合いで、ワイヤーの素材は通常、打抜き処理によって歯を備える。
【００２８】
本発明の方法により製造された鋸歯ワイヤーは、本質的に、硬化された歯を有することにより特徴付けられ、酸化物の残留物や機械的な研磨処理又は化学的処理によって角が丸められた歯を有していない。
【００２９】
上記のように、カーディング装置のシリンダーのための針布の製造に関し、本発明による方法が説明されている。さらに、本発明による方法は、テーカインローラー等の針布の製造のためにも使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３０】
以下、図面を参照して本発明について説明する。特に、明細書において詳細に説明されていないが、発明にとって重要な特徴を参照している。図に示された装置は筒状の室２０を備え、鋸歯ワイヤー１０は矢印Ｐで示される方向でその中へ運ばれる。そのワイヤーは最初に予熱装置３０を通り、５００から８００℃の間の温度にまで誘導的に予熱される。予熱装置３０を通過した後、対応する不活性ガス導入装置４０により、筒状の室２０内に不活性ガスが供給される。不活性ガス導入装置４０の下流において、不活性ガス雰囲気内に運ばれたワイヤー１０はその歯の領域において、酸素を排除した状況下にて加熱装置５０によりオーステナイト化温度にまで熱せられる。この目的のため、加熱室５０内にある歯の箇所に炎が作られる。適切なバーナー装置は、酸化作用物質が燃焼により完全に反応又燃焼し、酸化作用物質と鋸歯ワイヤーの歯とが接触しないような方法で、加熱室５０の中へ燃焼ガスと酸化作用物質を導入する混合装置を備える。
【００３１】
加熱装置５０の下流において、鋸歯ワイヤー１０は焼入れ装置６０を通過する。
【００３２】
発明の本質を記載するため、本発明の具体的な実施形態についてはその細部にわたって示しているが、本発明はその本質から逸脱することのない他の実施形態をも有する。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】本発明の方法を実行するのに適した装置の概略構成図である。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、布地用の繊維を処理する、特にカーディング処理に関連する鋸歯針布及び全スチール針布の製造方法に関する。この方法によれば、素材のワイヤーに、ワイヤーの長手方向に連続して配置された歯が設けられ、その歯はベース領域から長手方向に対して横切る方向に伸びる。そして、こうして作り出された鋸歯ワイヤーは、少なくとも歯の箇所において硬化処理を受ける。本発明はまた、前記製造方法により製造された鋸歯ワイヤー、前記製造方法を実行する装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
前記した類の方法により非合金鋼又は合金鋼から製造された鋸歯ワイヤーは、例えば、布地用の繊維を処理するカードすなわち梳毛機、梳綿機に使用される。この目的のため、鋸歯ワイヤーは、例えば、カードの円柱状の支持体（太鼓あるいはシリンダー）にコイル状に取り付けられる。
【０００３】
現代のカードにおいて、カードのシリンダーのための鋸歯針布及び全スチール針布を製造するため、数ｋｍの長さを有する鋸歯ワイヤーが必要とされる。布地用の繊維を処理するため、その上に配置されたワイヤー針布を備えたカードのシリンダーは、針布がシリンダーに供給された繊維を梳き、清掃できるように、円柱の軸を中心に回転させられる。シリンダー針布は、適切で平らな針布を備える静止した又は反対向きに駆動されるフラットなカードと協働する。この種の繊維処理において、満足のいくカーディングの結果を得るため及びカードのダメージ防止のため、鋸歯ワイヤーは、カーディングの結果又は操作の信頼性に否定的な影響を与える、シリンダーの回転軸から鋸歯ワイヤーの先端までの半径方向の間隔に一切変化がないように、高い精度で円柱状の支持体に固定されていなければならない。なぜなら、ワイヤーをシリンダーに装着する間に生じる局部的な不正確性でさえ、このように形成された鋸歯針布及び全スチール針布に、その全体の交換を要する程のダメージを生じさせ得るからである。
【０００４】
現代の高い性能を誇るカードにおいては、このことは機械の不稼働時間や必要となる材料の点で非常にコスト高となる。さらに、満足のいくカーディングの品質の保証との関連で、連続して配置された巻き線の不規則な軸方向変移量もまた、抑制されなければならない。さらに、カードの満足のいく耐用年数を得るため、鋸歯ワイヤーについて過度の摩耗が防止されなければならない。この目的のため、シリンダー上に装着される鋸歯ワイヤーの歯は、硬化処理を受ける。例えば、直火によりそれらをオーステナイト化温度まで熱し、その後急冷することができる。
【０００５】
特に、ワイヤーを熱する際、様々な厚さの酸化物又は酸化物の層が、ワイヤー上に形成され得る。そのような層は、支持体にコイル状に取り付けられた針布の所望の精度に関し、特有の問題を生ずる。鋸歯ワイヤーは、ワイヤー取付け装置により、回転する支持体に取り付けられる。ワイヤーの取付けに関する所望の精度を確保するため、ワイヤーは狭い案内を通り過ぎなければならない。この工程の間に、案内内におけるワイヤーの撓み及び摩擦の結果として、酸化物の微粒子がワイヤーの表面から欠け落ちて、取付け装置の中、特に案内の中に堆積し得る。案内のそのような汚れは、ワイヤーの取付けに関する質及びワイヤーの取付けが実行される速度に大きな影響を与え得る。さらに、欠け落ちる酸化物の微粒子を原因として、ワイヤー取付け装置、特にその案内を清掃するために頻繁にワイヤーの取付け工程を中断することが要求され得る。もしこれらの清掃のための中断が適時に実施されなければ、案内の汚れの増加を原因として上昇するワイヤーに作用する引張力は、ワイヤーが切れるほどの強さにまで上昇し得る。
【０００６】
これらの問題に関し、硬化処理中にできた酸化物又は酸化物の層をその処理後に取り除くことが既に提案されている。この目的のため、研磨の方法、例えば付着した酸化物をできるだけ多く取り除くために、硬化処理後に金属製の回転ブラシでワイヤーをブラッシングする方法が知られている。他の方法においては、酸化物の層を取り除くため、それ用の形状を付された研磨ホイールによってワイヤーが磨かれる。化学作用で酸化物を取り除く化学的な方法も知られている。
【０００７】
しかしながら、前記問題の観点から提案された酸化物を取り除く方法は、物質の機械的又は化学的な除去の結果として、ワイヤー自体もまた多かれ少なかれダメージを受けるという不都合を有する。さらに、ワイヤーの取付けに関する前記問題を回避するためになされる酸化物の層の除去によって、鋸歯ワイヤーの歯の側面及び先端が丸くなり、ワイヤーの歯が所望の鋭さをいくらか失うことにもなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明の目的は、前記問題点を考慮し、布地用の繊維を処理する鋸歯及び全スチール針布を、その品質を損なうことなく迅速・確実に製造することのできる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明によると、前記目的は、鋸歯ワイヤーの領域内で酸素が排除された状況下のもとに、硬化処理を行うことにより達成され、この鋸歯ワイヤーは加熱室を通過することが好ましい。
【００１０】
本発明の方法によれば、硬化処理中の酸素が排除されるため、酸化物又は酸化物の層は最初から回避され、既知の方法により製造されたワイヤーの使用時に生じる、ワイヤーの取付け処理を損ねたり、低速化を引き起こす汚染問題は、本発明のワイヤーによれば全く生じない。それゆえ、さもなければ必要とされる酸化物又は酸化物の層の除去の結果としての鋸歯ワイヤーの損傷が生じることはない。
【００１１】
さらに、本発明の鋸歯針布及び全スチール針布によれば、梳かれた繊維の品質は確実に改善されうる。なぜなら、上述した方策にも関わらず、先行技術により製造された針布は、多くの場合酸化物粒子を有しており、それらの酸化物粒子は、繊維を処理している間に針布から分離し、その布地用の繊維を汚染する。従来の方法により製造された針布の場合、これはカーディングの結果の悪化と、分離した酸化物粒子が、針布のさらなる摩耗をも生じさせるので、針布の耐用年数の減少も引き起こす。これらの問題は、本発明の方法により原則として解決される。なぜなら、鋸歯ワイヤーの表面上には、酸化物が全く形成されないからである。
【００１２】
本発明の方法では、鋸歯ワイヤーの歯は、従来技術の方法のように、硬化処理中に、好ましくはおよそ５００から１２００℃、特におよそ８００から１０００℃（場合によっては、例えば５００から８００℃の予熱の後）のオーステナイト化温度まで熱せられ、その後急冷却することができる。後に行う鋸歯ワイヤーの冷却（焼入れ）処理は、好ましくは酸素又は他の酸化ガスが排除された状況下においても実施される。便宜上、冷却工程のために、水又は、水と油のエマルジョン又は、油で作動する急冷槽が使用される。すなわち、連続的な操作で、鋸歯ワイヤーは初め熱せられ、その後急冷槽で冷却される。
【００１３】
ワイヤーの応力亀裂を避けるため、便宜上、冷却は油槽の中で実施される。本発明の特に好ましい実施形態において、鋸歯ワイヤーは、油槽を使った急冷を行ったにもかかわらずまだ存在する脆さを改善し又は靭性を向上させるため、焼きなまし、すなわち更なる熱処理を施すことができる。この追加的な熱処理はまた、便宜上、酸素又は他の酸化ガスが排除された状況下のもと、硬化処理されるべき歯の領域において実行される。
【００１４】
本発明の方法によれば、少なくとも鋸歯ワイヤーが硬化処理という範疇での加熱処理中に炎を通過するという点で、連続的な製造工程という範疇での連続的な操作を確保しながら、鋸歯ワイヤーをオーステナイト化温度まで熱することは実現可能である。これに関して、本発明による鋸歯ワイヤーの領域の酸素を確実に排除するため、非反応性不活性ガス雰囲気、例えば窒素雰囲気の中で炎が発生させられる。これと関連して、所望の酸素の排除が次のように確保され得る。炎を発生させるため、酸化作用物質と硬化処理される歯とが決して接触することのない態様で、燃焼ガス及び酸化作用物質、例えば酸素が加熱室に導入され、好ましくは炎を発生させるための燃焼工程中に完全に反応する。それゆえ、本発明の方法を実行するとき、ワイヤーを熱するために使用する炎は、便宜上、余分な酸素なしに発生させられる。
【００１５】
便宜上、歯と空気中の酸素との望まれざる接触は、不活性ガスの流れを加熱室が受ける時、実質上除くことができ、その場合、加熱室内で不活性ガスの過圧状態が維持される。
【００１６】
本発明の方法により製造される鋸歯ワイヤーは、満足のいく耐用年数を有するために、歯の先端領域にとりわけ高い硬度を備えていなければならない。他方、これらの鋸歯ワイヤーは、ベース領域において、円柱状の支持体上にコイル状に取り付けることができるような変形能をなお有していなければならない。これと関連して、歯の先端における鋸歯ワイヤーの微細構造は、通常マルテンサイトからなり、ベース領域では、組み込まれた（球状）セメンタイトを備えたフェライトからなる。本発明の方法を実施する際、ベース領域において所望の構造を成し遂げるため、便宜上、硬化処理前に、鋸歯ワイヤーは少なくともベース領域内について（球状化）焼きなましされる。ベース領域において所望の微細構造を確保するため、硬化処理の過程で利用される炎は、便宜上、歯の領域、特に歯の先端領域においてのみ加熱が行われるような方法より調整される
【００１７】
本発明の方法に関して使用されるワイヤーの素材は、ワイヤーの所望の断面形状を得るため、便宜上冷間圧延されて形状を付された形で提供される。
【００１８】
本発明を実施する際、好ましくは２つの異なったガスシステムが用いられる。１番目の制御され、調節された不活性ガスの導入をするためのシステムと、２番目の酸素及び燃焼ガスの所定の混合ガスをバーナー又は加熱室の中に導入するシステムが備えられている。これと関連して、動作状況とバーナーの状態（始動、停止など）によって、不活性ガスは、加熱室内における量及び圧力に関して制御される。酸化物が形成されないようにするため、歯が炎の中を通過する際に未燃酸素と接触しないよう、燃焼ガスと酸化作用物質の混合物及びバーナーの配置は選択される。さらに、不活性ガスの導入及びその結果として生じる流れの状態は、酸化作用物質と歯との接触を妨げるのに貢献する。
【発明の効果】
【００１９】
本発明による全スチール針布ワイヤーは、従来の方法で製造されたワイヤーと比べ、以下の点において有利である。
【００２０】
本発明により製造された針布ワイヤーは酸化物がないので、ワイヤー取付け装置の案内の中に酸化物の残留物が堆積しない。結局、このことは、従来の方法により生産された全スチール針布ワイヤーと比較して、本発明により製造されたワイヤー手段によって、著しく高いワイヤーの取付け速度を達成できることを意味している。さらに、本発明の方法により製造されたワイヤーを使用する際、案内とワイヤー取付け装置を清掃するために、ワイヤー取付け処理を中断する必要はない。さらに、案内の中でのワイヤーの喰付や破損は確実に防止される。
【００２１】
本発明の方法により製造された針布のさらに有利な点は、酸化物のないワイヤーにより製造された針布を使用する際、酸化物の残留物による布地用の繊維の汚れが完全に防止されることである。これと関連して、酸化物の残留物による布地用の繊維の汚れのもたらす前記不利益は、ブラシをかけたワイヤー又は砥石車で研磨されたワイヤーを使用することにより、実質上防止される。しかしながら、これらの周知の方法により製造されたワイヤーは、研磨や磨きにより針布ワイヤーの先端が歯の角や先端が望ましくない態様で丸くなり、これを活用するために必要とされる所望の鋭さを著しく失ってしまうという大きな不利益を有する。それゆえ、そのカーディングは、研磨処理のされていないワイヤーと比較して、性能が著しく低い。化学的な処理が施されたワイヤーに関しても、同様の不利益がある。
【００２２】
本発明に関する前記説明からわかるように、本発明の方法を実行する装置は、鋸歯ワイヤーが通過するための入口開口部及び出口開口部を有する硬化処理室及び、室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域中に不活性ガス雰囲気を発生させるための装置を備える。
【００２３】
歯の硬化処理のために必要とされる熱を得るために、前記装置は加熱室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域に炎を起こすためのバーナー装置を有する。歯の領域においてできる限り酸素の排除を確実にする混合物を発生させるため、そのバーナー装置は混合装置を有することができ、この混合装置を用いて、燃焼ガスと酸化作用物質、例えば酸素を所定の割合で混合でき、この混合は、このように作られる混合物が炎を得るために反応し又は燃焼する前に行える。
【００２４】
加えて、加熱室は不活性ガスを導入するためのノズル装置を有する。このノズル装置によって、不活性ガスの過圧状態が室内に生じるようにして、便宜上、不活性ガスはこの室内に導入される。そして、さらに、不活性ガスの導管により、酸化作用物質又は酸素が鋸歯ワイヤーの歯と接触することがないようになる。
【００２５】
本発明の装置の加熱室は、その下流に、熱せられた歯を冷却するための装置を有する。この冷却装置は、便宜上、酸素の排除された状況下で鋸歯ワイヤーが通過する油槽を有する。
【００２６】
さらに、本発明によると、鋸歯ワイヤーを焼きなましするための焼きなまし装置が、ワイヤーの通過方向おいて加熱室の上流に配置されている。
【００２７】
本発明の方法という意味合いで、ワイヤーの素材は通常、打抜き処理によって歯を備える。
【００２８】
本発明の方法により製造された鋸歯ワイヤーは、本質的に、硬化された歯を有することにより特徴付けられ、酸化物の残留物や機械的な研磨処理又は化学的処理によって角が丸められた歯を有していない。
【００２９】
上記のように、カーディング装置のシリンダーのための針布の製造に関し、本発明による方法が説明されている。さらに、本発明による方法は、テーカインローラー等の針布の製造のためにも使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３０】
以下、図面を参照して本発明について説明する。特に、明細書において詳細に説明されていないが、発明にとって重要な特徴を参照している。図に示された装置は筒状の室２０を備え、鋸歯ワイヤー１０は矢印Ｐで示される方向でその中へ運ばれる。そのワイヤーは最初に予熱装置３０を通り、５００から８００℃の間の温度にまで誘導的に予熱される。予熱装置３０を通過した後、対応する不活性ガス導入装置４０により、筒状の室２０内に不活性ガスが供給される。不活性ガス導入装置４０の下流において、不活性ガス雰囲気内に運ばれたワイヤー１０はその歯の領域において、酸素を排除した状況下にて加熱装置５０によりオーステナイト化温度にまで熱せられる。この目的のため、加熱室５０内にある歯の箇所に炎が作られる。適切なバーナー装置は、酸化作用物質が燃焼により完全に反応又燃焼し、酸化作用物質と鋸歯ワイヤーの歯とが接触しないような方法で、加熱室５０の中へ燃焼ガスと酸化作用物質を導入する混合装置を備える。
【００３１】
加熱装置５０の下流において、鋸歯ワイヤー１０は焼入れ装置６０を通過する。
【００３２】
発明の本質を記載するため、本発明の具体的な実施形態についてはその細部にわたって示しているが、本発明はその本質から逸脱することのない他の実施形態をも有する。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】本発明の方法を実行するのに適した装置の概略構成図である。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
特にカーディング処理中に布地用の繊維を処理するための鋸歯針布及び全スチール針布を製造する方法であって、
ワイヤーの素材に、該ワイヤーの素材の長手方向において、連続して順に歯を設けることにより鋸歯ワイヤーが製造され、
その歯の各々がベース領域から、長手方向に対して横断する方向に伸び、
鋸歯ワイヤーの領域において酸素が排除された状況下のもと、少なくとも歯の領域において鋸歯ワイヤーが硬化処理を受け、
好ましくは鋸歯ワイヤーが加熱室を通過する方法。
【請求項２】
硬化処理中、そして好ましくは予熱後に、鋸歯ワイヤーが好ましくはおよそ５００から１,２００℃、特におよそ８００から１,０００℃のオーステナイト化温度にまで熱せられ、その後急冷却される請求項１に記載の方法。
【請求項３】
冷却後、脆さを改善し、靭性を向上させるために、好ましくは酸素を排除した状況下のもとで鋸歯ワイヤーが焼きなましされる請求項２に記載の方法。
【請求項４】
少なくとも鋸歯ワイヤーの歯が、少なくとも硬化処理において熱せられている間に、炎を通過する請求項１ないし３のいずれか１に記載の方法。
【請求項５】
例えば窒素雰囲気などの非反応性不活性ガス雰囲気において炎が発生する請求項４に記載の方法。
【請求項６】
炎を発生させるため、酸化作用物質が硬化される歯に接触しないような態様で、燃焼ガス及び例えば酸素などの酸化作用物質が加熱室へ導入され、好ましくは、燃焼処理を生成する炎を発生させるための燃焼過程において酸化作用物質が完全に反応する請求項４又は５に記載の方法。
【請求項７】
不活性ガスが加熱室を通って流れる請求項１ないし６のいずれか１に記載の方法。
【請求項８】
周囲の酸素の侵入を防ぐため、加熱室が過圧状態の不活性ガスで満たされている請求項１ないし７のいずれか１に記載の方法。
【請求項９】
硬化処理を実行する前に、少なくともベース領域において鋸歯ワイヤーが焼きなましされる請求項１ないし８のいずれか１に記載の方法。
【請求項１０】
鋸歯ワイヤーが通過するための入口開口及び出口開口を有する加熱室と、前記加熱室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域内に不活性ガス雰囲気を発生させるための装置とを備える、請求項１ないし９のいずれか１に記載の方法を実行する装置。
【請求項１１】
前記加熱室が、前記加熱室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域において炎を発生させるためのバーナー装置を有する請求項１０に記載の装置。
【請求項１２】
前記バーナー装置が混合装置を備え、該混合装置において、炎を発生させるために混合物が加熱室で反応する前に、燃焼ガスと例えば酸素などの酸化作用物質とが所定の割合の混合物に混合することができる、請求項１１に記載の装置。
【請求項１３】
前記加熱室が、不活性ガスを導入するためのノズル装置を備える請求項１０ないし１２のいずれか１に記載の装置。
【請求項１４】
請求項１ないし９のいずれか１に記載の方法で製造された鋸歯ワイヤー。
【請求項１】
特にカーディング処理中に布地用の繊維を処理するための鋸歯針布及び全スチール針布を製造する方法であって、
ワイヤーの素材に、該ワイヤーの素材の長手方向において、連続して順に歯を設けることにより鋸歯ワイヤーが製造され、
その歯の各々がベース領域から、長手方向に対して横断する方向に伸び、
鋸歯ワイヤーの領域において酸素が排除された状況下のもと、少なくとも歯の領域において鋸歯ワイヤーが硬化処理を受け、
好ましくは鋸歯ワイヤーが加熱室を通過する方法。
【請求項２】
硬化処理中、そして好ましくは予熱後に、鋸歯ワイヤーが好ましくはおよそ５００から１,２００℃、特におよそ８００から１,０００℃のオーステナイト化温度にまで熱せられ、その後急冷却される請求項１に記載の方法。
【請求項３】
冷却後、脆さを改善し、靭性を向上させるために、好ましくは酸素を排除した状況下のもとで鋸歯ワイヤーが焼きなましされる請求項２に記載の方法。
【請求項４】
少なくとも鋸歯ワイヤーの歯が、少なくとも硬化処理において熱せられている間に、炎を通過する請求項１ないし３のいずれか１に記載の方法。
【請求項５】
例えば窒素雰囲気などの非反応性不活性ガス雰囲気において炎が発生する請求項４に記載の方法。
【請求項６】
炎を発生させるため、酸化作用物質が硬化される歯に接触しないような態様で、燃焼ガス及び例えば酸素などの酸化作用物質が加熱室へ導入され、好ましくは、燃焼処理を生成する炎を発生させるための燃焼過程において酸化作用物質が完全に反応する請求項４又は５に記載の方法。
【請求項７】
不活性ガスが加熱室を通って流れる請求項１ないし６のいずれか１に記載の方法。
【請求項８】
周囲の酸素の侵入を防ぐため、加熱室が過圧状態の不活性ガスで満たされている請求項１ないし７のいずれか１に記載の方法。
【請求項９】
硬化処理を実行する前に、少なくともベース領域において鋸歯ワイヤーが焼きなましされる請求項１ないし８のいずれか１に記載の方法。
【請求項１０】
鋸歯ワイヤーが通過するための入口開口及び出口開口を有する加熱室と、前記加熱室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域内に不活性ガス雰囲気を発生させるための装置とを備える、請求項１ないし９のいずれか１に記載の方法を実行する装置。
【請求項１１】
前記加熱室が、前記加熱室を通過する鋸歯ワイヤーの歯の領域において炎を発生させるためのバーナー装置を有する請求項１０に記載の装置。
【請求項１２】
前記バーナー装置が混合装置を備え、該混合装置において、炎を発生させるために混合物が加熱室で反応する前に、燃焼ガスと例えば酸素などの酸化作用物質とが所定の割合の混合物に混合することができる、請求項１１に記載の装置。
【請求項１３】
前記加熱室が、不活性ガスを導入するためのノズル装置を備える請求項１０ないし１２のいずれか１に記載の装置。
【請求項１４】
請求項１ないし９のいずれか１に記載の方法で製造された鋸歯ワイヤー。
【図１】
【公開番号】特開２００６−３３６１０８（Ｐ２００６−３３６１０８Ａ）
【公開日】平成１８年１２月１４日（２００６．１２．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１５３１３２（Ｐ２００６−１５３１３２）
【出願日】平成１８年６月１日（２００６．６．１）
【出願人】（５９６１３１７３５）グラフ ウント シー アーゲー (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１２月１４日（２００６．１２．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年６月１日（２００６．６．１）
【出願人】（５９６１３１７３５）グラフ ウント シー アーゲー (1)
【Ｆターム（参考）】
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