説明

録画再生装置、録画再生方法及びプログラム

【課題】視聴者が番組の途中で中座した場合の視聴支援を、より簡易な構成で行うことが可能な録画再生装置、録画再生方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】番組データを含む放送波を受信するチューナ手段と、前記番組データを表示する表示手段と、前記表示手段の表示面方向に存在する物体を赤外線を用いて検知する検知手段と、前記検知手段からの検知信号に基づいて視聴者の存否を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記番組データの録画及び再生を行う録画再生制御手段と、を備え、前記録画再生制御手段は、前記視聴者が不在と判定された場合に、前記番組データの録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、当該番組データの録画中に前記視聴者が存在と判定された場合に、録画状態を維持しつつ前記再生開始位置から再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画再生装置、録画再生方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TV局から放送される番組データの録画及び再生を行う録画再生装置が知られている。この種の録画再生装置としては、例えば、チューナ装置を内蔵又は外付けし、該チューナ装置が受信した番組データを、ハードディスク等の記録装置に記録(録画)できるようにしたPC(パーソナルコンピュータ)やレコーダ装置、さらには、ハードディスク等の記録装置を外付け又は内蔵し、該記録装置に番組データを記録するテレビジョン受像機がある。
【0003】
また、従来、上述した録画再生装置に係る技術として、視聴者が番組の視聴中に中座した場合であっても、見逃した場面の視聴を可能とする技術が提案されている。例えば、特許文献1には、撮影手段によって撮影された視聴者の顔画像から個人を認識する機能を有した放送信号受信システムにおいて、一定時間以上顔画像が検出できない場合に、その時刻の録画位置を記録するとともに、簡易録画機能を無効とした通常録画状態で受信番組の録画を継続し、顔画像が再び検出され且つその認識結果が最初の人物と同じ人物である場合に、通常録画状態を継続しつつ、録画しておいた番組を前記録画位置に戻って再生する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3862027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、視聴者の存否を撮像手段(カメラ)を用いて行うため、装置構成が複雑化し消費電力が高くなるという問題がある。また、撮像手段による撮像範囲は、LCD等の表示装置で表示が正常に見える範囲(以下、視野角という)よりも一般に狭くなるため、視聴者が表示装置の視野角内に存在する場合であっても、その視聴者を検出できない可能性がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、視聴者が番組の途中で中座した場合の視聴支援を、より簡易な構成で行うことが可能な録画再生装置、録画再生方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は番組データを含む放送波を受信するチューナ手段と、前記番組データを表示する表示手段と、前記表示手段の表示面方向に存在する物体を赤外線を用いて検知する検知手段と、前記検知手段からの検知信号に基づいて視聴者の存否を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記番組データの録画及び再生を行う録画再生制御手段と、を備え、前記録画再生制御手段は、前記視聴者が不在と判定された場合に、前記番組データの録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、当該番組データの録画中に前記視聴者が存在と判定された場合に、録画状態を維持しつつ前記再生開始位置から再生を開始することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、チューナ手段が、番組データを含む放送波を受信する受信工程と、表示手段が、前記番組データを表示する表示工程と、検知手段が、前記表示手段の表示面方向に存在する物体を赤外線を用いて検知する検知工程と、判定手段が、前記検知工程による検知信号に基づいて視聴者の存否を判定する判定工程と、録画再生制御手段が、前記判定工程での判定結果に応じて前記番組データの録画及び再生を行う録画再生制御工程と、を含み、前記録画再生制御手段は前記録画再生制御工程において、前記視聴者が不在と判定された場合に、前記番組データの録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、当該番組データの録画中に前記視聴者が存在と判定された場合に、録画状態を維持しつつ前記再生開始位置から再生を開始することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、番組データを含む放送波を受信するチューナ手段と、前記番組データを表示する表示手段と、前記表示手段の表示面方向に存在する物体を赤外線を用いて検知する検知手段と、を備える録画再生装置を、前記検知手段からの検知信号に基づいて、視聴者の存否を判定する判定手段と、前記判定手段により視聴者が不在と判定された場合に、前記番組データの録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、当該番組データの録画中に前記判定手段により前記視聴者が存在と判定された場合に、録画状態を維持しつつ前記再生開始位置から再生を開始する録画再生制御手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、視聴者が番組の途中で中座した場合の視聴支援を、より簡易な構成で行うことが可能な録画再生装置、録画再生方法及びプログラムを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態の録画再生装置に係るコンピュータの一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、人感センサの検知範囲を説明するための図である。
【図3】図3は、人感センサの検知範囲を説明するための図である。
【図4】図4は、図1に示したコンピュータのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図5は、視聴支援処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、復帰処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる録画再生装置、録画再生方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されないものとする。
【0013】
本発明の実施の一形態を図1乃至図6に基づいて説明する。本実施の形態は録画再生装置としてノートブック型のパーソナルコンピュータ(PC)を適用した例である。なお、以下の説明ではPCをコンピュータと称する。
【0014】
図1は、コンピュータ10のディスプレイユニット12を開いた状態における斜視図である。コンピュータ10は、本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)13等から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD13の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0015】
ディスプレイユニット12は、本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。また、ディスプレイユニット12におけるLCD13の外枠部には人感センサ14が取付けられている。人感センサ14は、焦電型や反射型の赤外線センサであって、LCD13の表示面方向に赤外線を照射することで表示面方向に存在する物体の検知を行う。
【0016】
ここで、図2及び図3を参照して、人感センサ14の検知可能な範囲(以下、検知範囲という)について説明する。図2は、コンピュータ10の上面方向から見た、人感センサ14の検知範囲Aを概略的に示す図である。また、図3は、コンピュータ10の左側面方向から見た、人感センサ14の検知範囲Aを概略的に示す図である。
【0017】
図2及び図3に示すように、人感センサ14の検知範囲は、ディスプレイユニット12が開閉された状態で、ディスプレイユニット12と対向する方向、即ちLCD13の表示面方向に広がりを有するよう設計されている。人感センサ14は、この検知範囲に存在する物体を検知し、その検知信号をEC/KBC122、サウスブリッジ116及びノースブリッジ112を介してCPU111へ出力する。
【0018】
なお、人感センサ14の検知範囲は、LCD13の表示画面を正常に観察することが可能な視野角と対応させることがより好ましい。また、人感センサ14が取付けられる位置は本実施形態の例に限らず、本体11の側面部等、LCD13の表示面方向に検知範囲を実現することが可能な位置であれば、特に問わないものとする。
【0019】
図1に戻り、本体11は、薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード15、コンピュータ10を電源オン/オフするためのパワーボタン16、入力操作パネル17、タッチパッド18及びスピーカ19等が設けられている。
【0020】
入力操作パネル17は、ユーザにより押下されたボタンに対応するイベントをシステムに入力するものであり、複数の機能をそれぞれ起動するための複数のボタンを備えている。入力操作パネル17が備えるボタンには、例えばTV放送(番組)の視聴や録画/再生を行う機能を起動するためのTV起動ボタンがある。この、TV起動ボタンがユーザにより押下されると、TV機能を実現させるための後述するTV機能プログラムが自動的に起動される。
【0021】
次に、図4を参照して、コンピュータ10のシステム構成について説明する。ここで、図4は、コンピュータ10のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図4に示すように、コンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、メモリ113、ビデオコントローラ114、オーディオコントローラ115、サウスブリッジ116、BIOS−ROM117、ハードディスクドライブ(HDD)118、光ディスクドライブ(ODD)119、ネットワークコントローラ120、TVチューナ121及びエンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)122を備えている。なお、同図では、CPU111と各部とが、ノースブリッジ112及びサウスブリッジ116を介して接続される構成としたが、これに限らず、例えばCPU111と各部とが一のバスを介して接続される構成としてもよい。
【0023】
CPU111は、コンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであって、BIOS−ROM117に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)を実行する。なお、システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0024】
また、CPU111は、HDD118からメモリ113にロードされるオペレーティングシステム1181や、TV機能プログラムを含む各種の制御プログラム1182を実行する。
【0025】
ここで、TV機能プログラムは、TV局から放送される番組データの視聴に係る各種の機能(TV機能)を実現させるためのアプリケーションプログラムである。具体的に、TV機能プログラムは、TVチューナ121が受信した番組データ(以下、単に番組という)を、ノースブリッジ112及びサウスブリッジ116を介してHDD118の所定の領域に記録(録画)し、この録画した番組を再生する機能を有している。
【0026】
また、TV機能プログラムは、TVチューナ121によって受信された番組や、再生の対象となった番組に含まれる映像データを、高画質化するための機能を有している。なお、制御プログラム1182によって高画質化された番組は、ノースブリッジ112を介して、ビデオコントローラ114のビデオメモリ(VRAM)1141に書き込まれるとともに、当該番組に含まれる音声データがオーディオコントローラ115に出力される。
【0027】
また、TV機能プログラムは、各番組の放送予定(放送局、放送開始日時、放送終了時刻等)や番組内容を示した番組表等の付加情報を、TVチューナ121を介して取得し、ノースブリッジ112を介してビデオコントローラ114に出力することで、LCD13に表示させる機能を有している。
【0028】
さらに、TV機能プログラムは、後述する視聴支援処理(図5参照)及び復帰処理(図6参照)を実行する機能を有している。なお、TV機能プログラムは、オペレーティングシステム1181上で実行される形態としてもよいし、オペレーティングシステム1181とは独立して実行される形態としてもよい。
【0029】
ノースブリッジ112はCPU111のローカルバスとサウスブリッジ116との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112には、メモリ113をアクセス制御するメモリコントローラが内蔵されている。また、ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス等を介してビデオコントローラ114との通信及びオーディオコントローラ115との通信を実行する機能も有している。
【0030】
メモリ113は、コンピュータ10の主記憶装置となる揮発性メモリであって、CPU111が各種の制御プログラムを実行する際の作業領域として機能する。
【0031】
ビデオコントローラ114は、コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD13を制御する表示コントローラである。ビデオコントローラ114は、VRAM1141に書き込まれた映像データをLCD13に表示する。
【0032】
オーディオコントローラ115は、コンピュータ10のスピーカ19による音声出力を制御するオーディオ再生コントローラである。オーディオコントローラ115は、ノースブリッジ112を介して入力される音声データをスピーカ19から出力する。
【0033】
サウスブリッジ116は、LPC(Low Pin Count)バス上の各デバイス及びPCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ116は、HDD118及びODD119を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)やATAPI(Advanced Technology Attachment Packet Interface)等のコントローラを内蔵している。また、サウスブリッジ116は、時間の計時を行うRTC(Real Time Clock)1161を内蔵している。さらに、サウスブリッジ116は、ネットワークコントローラ120やTVチューナ121を制御する機能及びBIOS−ROM117をアクセス制御するための機能も有している。
【0034】
HDD118は、コンピュータ10の補助記憶装置であって、オペレーティングシステム1181、制御プログラム1182及び設定情報(図示せず)等を格納する。光ディスクドライブ(ODD)119は、ビデオコンテンツが格納されたDVD、CD等の記憶メディアを駆動するためのドライブユニットである。ネットワークコントローラ120は、例えばインターネット等の外部ネットワークとの通信を実行する通信装置である。TVチューナ121は、アナログ又はデジタルで放送されるTV放送波を受信するための受信装置である。
【0035】
EC/KBC122は、電力管理のためのエンベデッドコントローラ(EC)と、キーボード15及びタッチパッド18を制御するためのキーボードコントローラ(KBC)とが集積されたマイクロコンピュータである。EC/KBC122は、ユーザによるパワーボタン16の操作に応じて本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。また、EC/KBC122は、ユーザによる入力操作パネル17のボタン操作に応じて、コンピュータ10をパワーオンする機能を有している。
【0036】
上記の構成において、パワーボタン16がユーザによって押下されると、図示しない電源装置からコンピュータ10の各部に電力が供給され、CPU111によりオペレーティングシステムが起動される。一方、CPU111は、キーボード15やタッチパッド18に対する操作がない状態で所定の時間が経過した場合、又は、後述する視聴支援処理において、人感センサ14による検出結果によりユーザが不在で且つ、番組の録画が終了したと判断した場合に、電力装置からの電力供給量を制御し、コンピュータ10をスタンバイやハイバネーション等の省電力状態へと移行させる。
【0037】
コンピュータ10の省電力状態では、EC/KBC122にのみ電力が供給されるよう制御され、コンピュータ10全体の消費電力が通常動作時より低く抑えられる。なお、EC/KBC122は、省電力動作時において、自己のEC/KBC122に接続された各部(人感センサ14、キーボード15、パワーボタン16、入力操作パネル17及びタッチパッド18)の検知信号に応じて、電源装置から各部への電力供給を開始させることで、省電力状態からの復帰(ウェイクアップ)を行う。
【0038】
以下、図5を参照して、コンピュータ10の動作について説明する。ここで、図5は、CPU111とTV機能プログラムとの協働により実行される視聴支援処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、入力操作パネル17のTV起動ボタンがユーザにより押下され、バックグラウンドで番組の視聴が行われているものとする(ステップS11)。
【0039】
まず、CPU111は、人感センサ14からの検知信号に基づいて、この人感センサ14の検知範囲にユーザが存在するか否か、即ちLCD13に表示される番組の視聴者が存在するか否かを判定する(ステップS12)。
【0040】
例えば、人感センサ14として反射型の赤外線センサを用いた場合、以下の判定指標に基づきユーザの存否を判定することができる。具体的には、センサ反応距離が第1所定時間(以下、不在判定時間という)の間変化しなかった場合に、ユーザが不在と判定する。また、センサ反応距離の変化を第2所定時間(以下、存在判定時間)以上の間確認した場合に、ユーザが存在する判定する。なお、不在判定時間及び存在判定時間の計時は、CPU111のローカルバスに流れるバスクロックや、サウスブリッジ116のRTC1161等から得られる時刻情報に基づいて行われるものとする。
【0041】
また、人感センサ14として焦光型の赤外線センサを用いた場合には、以下の判定指標に基づきユーザの存否を判定することができる。具体的には、不在判定時間の間動体を検知できなかった場合にユーザが不在と判定する。また、動体を連続的に検知した時間が存在判定時間を経過した場合に、ユーザが存在と判定する。
【0042】
このように、本実施形態では、撮像素子等と比べて消費電力の低い赤外線センサを人感センサ14として用い、この赤外線センサによる検知信号の信号変化を指標に視聴者の存否を判定するため、簡易な構成で視聴者の存否判定を実現することができる。
【0043】
なお、不在判定時間及び存在判定時間には任意の値を設定できるものとする。また、検知範囲内における検知位置の時間的な変化に基づき、存在判定時間を経過した後も検知範囲に留まっていると判定した場合にのみ、ユーザが存在と判定することがより好ましい。
【0044】
ステップS12において、ユーザが存在と判定した場合(ステップS12;存在)、CPU111は、ステップS12以降を実行せず、人感センサ14による検知信号の監視を継続する。一方、ステップS12において、ユーザが不在と判定した場合(ステップS12;不在)、現在視聴中の番組の録画を開始する(ステップS13)。なお、番組の録画は、当該番組の番組情報に含まれる放送予定(放送局、放送開始時刻、放送終了時刻)に基づいて、放送終了時刻まで継続される。
【0045】
次いで、CPU111は、ステップS13で録画を開始した番組の録画開始位置、即ち録画中の番組の先頭を、当該番組の再生を開始する位置(以下、再生開始位置という)に設定する(ステップS14)。
【0046】
続いて、CPU111は、人感センサ14からの検知信号に基づいて、この人感センサ14の検知範囲にユーザが存在するか否かを判定する(ステップS15)。ここで、ユーザが不在と判定した場合(ステップS15;不在)、CPU111は録画中の番組が終了したか否か、即ち、当該番組の放送終了時刻に達したか否かを判定する(ステップS16)。ここで、放送終了時刻に達していない場合には(ステップS16;No)、ステップS15に再び戻る。
【0047】
また、ステップS15において、ユーザが存在と判定した場合(ステップS15;存在)、CPU111は、直前に設定した再生開始位置から録画中の番組を再生(追っかけ再生)する、タイムシフト再生を行う(ステップS17)。これにより、ユーザは中座していた間の場面(番組)を視聴することができる。なお、タイムシフト再生は、公知公用の技術を用いることが可能である。
【0048】
続いて、CPU111は、人感センサ14からの検知信号に基づいて、この人感センサ14の検知範囲にユーザが存在するか否かを判定する(ステップS18)。ここで、ユーザが存在すると判定した場合(ステップS18;存在)、CPU111は、タイムシフト再生による再生位置が番組の終端に到達したか否かを判定する(ステップS19)。番組の終端に到達したと判定した場合(ステップS19;Yes)、CPU111は、再生開始位置をクリアした後(ステップS20)、本処理を終了する。
【0049】
また、ステップS19において、再生位置が番組の終端に達していないと判定した場合(ステップS19;No)、ステップS18に再び戻る。このステップS18において、CPU111は、ユーザが不在と判定すると(ステップS18;不在)、タイムシフト再生を停止し(ステップS21)、この再生停止位置を再生開始位置に設定し直した後(ステップS22)、ステップS15に再び戻る。
【0050】
一方、ステップS16において、録画対象の番組が終了と判定した場合(ステップS16;Yes)、CPU111は、この番組の録画を停止すると(ステップS23)、コンピュータ10を省電力状態に移行させた後(ステップS24)、本処理を終了する。
【0051】
これにより、ユーザは番組の視聴中に中座した場合であっても、この番組の終了までに戻れば中座していた間の場面を視聴することができる。また、番組の終了までに戻らなかった場合には、コンピュータ10を省電力状態に移行させることができるため、不要な電力消費が行われてしまうことを防止することができる。
【0052】
次に、図6を参照して、上記ステップS24の処理により省電力状態とされたコンピュータ10の復帰時の動作について説明する。ここで、図6は、CPU111とTV機能プログラムとの協働により実行される復帰処理の手順を示すフローチャートである。
【0053】
まず、人感センサ14、キーボード15、パワーボタン16、入力操作パネル17又はタッチパッド18からの検知信号に応じ、EC/KBC122が各部への電力供給を開始させることで、コンピュータ10を省電力状態から復帰する(ステップS31)。省電力状態からの復帰に伴いCPU111は、再開開始位置が設定されているか否かを判定する(ステップS32)。ここで、再開開始位置が設定されていないと判定した場合(ステップS32;No)、本処理を直ちに終了し省電力状態に移行する前の動作を復元する。
【0054】
一方、ステップS32において、再開開始位置が設定されていると判定した場合(ステップS32;Yes)、CPU111は、省電力状態に移行する前に録画した番組即ち図4の視聴支援処理で録画した番組の再生を、この再開開始位置から開始する(ステップS33)。
【0055】
そして、CPU111は、ステップS33の再生による再生位置が番組の終端に到達したと判定すると(ステップS34;Yes)、再生開始位置をクリアした後(ステップS35)、本処理を終了する。なお、番組の再生途中(ステップS34;No)に、番組切り替え等の他の処理が指示された場合には、本処理を直ちに終了し、指示された処理を行うものとする。
【0056】
これにより、ユーザは番組の視聴中に中座し且つ、この番組の終了後に戻ったとしても、中座していた間の場面を視聴することができる。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、赤外線を用いた人感センサ14の検知信号に基づいて視聴者の存否を判定し、視聴者が不在と判定した場合に、番組の録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、番組の録画中に視聴者が存在と判定した場合に、再生開始位置からタイムシフト再生を行う。これにより、視聴者が番組の途中で中座した場合であっても、視聴者が戻り次第見逃した場面の再生を自動的に行うことができるため、視聴者が番組の途中で中座した場合の視聴支援を、より簡易な構成で行うことが可能となる。
【0058】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加、組み合わせ等が可能である。
【0059】
例えば、上記実施形態では、ユーザの存在を確認した後、直ちにタイムシフト再生を行う形態としているが、これに限らず、ユーザにタイムシフト再生を行うか否かを確認する確認画面をLCD13に表示させる形態としてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、録画再生装置としてコンピュータ10を用いた例を説明したが、これに限らず、チューナ装置が受信した番組データをハードディスク等の記録装置に記録(録画)できるようにしたレコーダ装置、ハードディスク等の記録装置を外付け又は内蔵し、該記録装置に番組データを記録するテレビジョン受像機等に適用する形態としてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、TV機能プログラムをHDD118に予め格納する形態としたが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0062】
また、上記TV機能プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記TV機能プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる録画再生装置、録画再生方法及びプログラムは、TV番組の録画及び再生を行う装置に有用であり、特に、視聴者の存否に応じて番組の録画及び再生を行う場合に適している。
【符号の説明】
【0064】
10 コンピュータ
11 本体
12 ディスプレイユニット
13 LCD
14 人感センサ
15 キーボード
16 パワーボタン
17 入力操作パネル
18 タッチパッド
19 スピーカ
111 CPU
112 ノースブリッジ
113 メモリ
114 ビデオコントローラ
115 オーディオコントローラ
116 サウスブリッジ
1161 RTC
117 BIOS−ROM
118 HDD
1181 オペレーティングシステム
1182 制御プログラム
119 ODD
120 ネットワークコントローラ
121 TVチューナ
122 EC/KBC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組データを含む放送波を受信するチューナ手段と、
前記番組データを表示する表示手段と、
前記表示手段の表示面方向に存在する物体を赤外線を用いて検知する検知手段と、
前記検知手段からの検知信号に基づいて視聴者の存否を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じて前記番組データの録画及び再生を行う録画再生制御手段と、
を備え、
前記録画再生制御手段は、前記視聴者が不在と判定された場合に、前記番組データの録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、当該番組データの録画中に前記視聴者が存在と判定された場合に、録画状態を維持しつつ前記再生開始位置から再生を開始することを特徴とする録画再生装置。
【請求項2】
前記録画再生制御手段は、前記番組データの再生中に前記視聴者が再度不在と判定された場合に、当該番組データの再生を停止するとともにこの再生停止位置を前記再生開始位置に設定することを特徴とする請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項3】
前記録画再生制御手段は、前記視聴者が不在と判定されている間に前記番組データの録画を完了した場合に、自己の装置を省電力状態に移行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の録画再生装置。
【請求項4】
前記省電力状態から通常の電力状態に復帰させる復帰手段を更に備え、
前記録画再生手段は、前記復帰手段による復帰後、前記省電力状態へ移行する直前に録画した番組データを、前記再生開始位置から再生することを特徴とする請求項3に記載の録画再生装置。
【請求項5】
前記復帰手段は、前記検知手段からの検知信号に基づいて、前記省電力状態から通常の電力状態に復帰させることを特徴とする請求項4に記載の録画再生装置。
【請求項6】
前記録画再生手段は、前記番組データの再生が当該番組データの終端に到達すると、前記再生開始位置をクリアすることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の録画再生装置。
【請求項7】
前記検知手段は、反射型又は焦光型の赤外線センサであって、
前記録画再生制御手段は、前記検知手段により検知される物体の距離又は動きが第1所定時間の間変化がない場合に前記視聴者が不在と判定し、前記検知手段により検知される物体の距離又は動きの変化が第2所定時間以上あった場合に前記視聴者が存在と判定することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の録画再生装置。
【請求項8】
チューナ手段が、番組データを含む放送波を受信する受信工程と、
表示手段が、前記番組データを表示する表示工程と、
検知手段が、前記表示手段の表示面方向に存在する物体を赤外線を用いて検知する検知工程と、
判定手段が、前記検知工程による検知信号に基づいて視聴者の存否を判定する判定工程と、
録画再生制御手段が、前記判定工程での判定結果に応じて前記番組データの録画及び再生を行う録画再生制御工程と、
を含み、
前記録画再生制御手段は前記録画再生制御工程において、前記視聴者が不在と判定された場合に、前記番組データの録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、当該番組データの録画中に前記視聴者が存在と判定された場合に、録画状態を維持しつつ前記再生開始位置から再生を開始することを特徴とする録画再生方法。
【請求項9】
番組データを含む放送波を受信するチューナ手段と、前記番組データを表示する表示手段と、前記表示手段の表示面方向に存在する物体を赤外線を用いて検知する検知手段と、を備える録画再生装置を、
前記検知手段からの検知信号に基づいて、視聴者の存否を判定する判定手段と、
前記判定手段により視聴者が不在と判定された場合に、前記番組データの録画を開始するとともにこの録画開始位置を再生開始位置に設定し、当該番組データの録画中に前記判定手段により前記視聴者が存在と判定された場合に、録画状態を維持しつつ前記再生開始位置から再生を開始する録画再生制御手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−130291(P2011−130291A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288264(P2009−288264)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】