説明

録画装置及び録画方法

【課題】複数の録画装置において放送データを分割して録画することが可能となる録画装置を提供する。
【解決手段】放送データを録画するために必要な情報である録画情報を取得する録画情報取得部203と、録画情報取得部203が取得した録画情報に基づいて自装置であるコンピュータ1aにおいて放送データを録画することが可能な保存領域202aと、保存領域202aの残量を参照する自装置保存領域残量参照部209と、自装置保存領域残量参照部209が参照した保存領域202aの残量が閾値未満となったときに、ネットワークを介して接続されたコンピュータ1b,1cに録画情報取得部203が取得した録画情報を転送する録画情報転送部213とを備える。これにより、複数の録画装置において放送データを分割して録画することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は録画装置及び録画方法に関し、特に、放送データを複数の装置に分割して録画する録画装置及び録画方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやHDD(Hard Disk Drive)レコーダ等の録画装置において、放送データをHDD等の記録媒体に予め設定した時刻に予約録画する技術が開発されている。HDD等の記録媒体の保存領域は限られているため、例えば、特許文献1には、長時間にわたる放送データを録画する際において、移動元機器(録画装置)が、記録容量不足を検知すると、自装置の放送データの保存領域を空けるために、保持しているコンテンツの中から移動させるコンテンツを決定し、予めユーザにより選定された移動先機器の中からコンテンツの移動を受け入れるのに適した移動先機器を選択し、選択した移動先機器に対して移動時刻の情報を含むダミー録画予約情報を送信して実際の移動コンテンツの録画の準備をさせることにより、より信頼性を高めた状態で選択した移動先機器へのコンテンツの移動を実現させ、より信頼性の高い追記記録を可能とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007−214859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような録画装置では、一つの録画装置が自装置の放送データの保存領域を空けるためにコンテンツ単位でデータを他の録画装置に追い出すことが可能であるというだけで、当該録画装置が自装置の保存領域を使用し切ってしまった場合、他の録画装置の保存領域が空いていたとしても、当該他装置の保存領域を放送データの録画に使用することはできない。このため、予約録画可能な録画装置が複数台あったとしても、録画予約を行った装置以外の装置では、放送データの録画を行うことはできない。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の録画装置において放送データを分割して録画することが可能となる録画装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、放送データを録画するために必要な情報である録画情報を取得する録画情報取得手段と、録画情報取得手段が取得した録画情報に基づいて自装置において放送データを録画することが可能な自装置保存領域と、自装置保存領域の残量を参照する自装置保存領域残量参照手段と、自装置保存領域残量参照手段が参照した自装置保存領域の残量が閾値未満となったときに、通信回線を介して接続された他装置に、録画情報取得手段が取得した録画情報を転送する録画情報転送手段とを備えた録画装置である。
【0006】
また、本発明は、録画情報取得手段が、放送データを録画するために必要な情報である録画情報を取得し、自装置保存領域残量参照手段が、録画情報に基づいて自装置において放送データを録画することが可能な自装置保存領域の残量を参照し、録画情報転送手段が、自装置保存領域残量参照手段が参照した自装置保存領域の残量が閾値未満となったときに、通信回線を介して接続された他装置に、録画情報取得手段が取得した録画情報を転送する録画方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の録画装置及び録画方法によれば、複数の録画装置において放送データを分割して録画することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る録画装置及び録画方法の好適な実施形態としてのコンピュータ(予約録画装置)1aについて詳細に説明する。
【0009】
図1に示すノートブック型パーソナルコンピュータであるコンピュータ1aは、コンピュータ本体3と、コンピュータ本体3に対して開閉自在のディスプレイユニット5とを備えている。ディスプレイユニット5には、LCD(Liquid Crystal Display)7が映像表示装置として組み込まれており、そのLCD7の表示画面はディスプレイユニット5のほぼ中央に位置している。
【0010】
ディスプレイユニット5は、コンピュータ本体3に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。コンピュータ本体3は、薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード9、コンピュータ1aをパワーオン/パワーオフするためのパワーボタン11、タッチパッド15、クリックボタン17及びスピーカ19が配置されている。
【0011】
また、コンピュータ1aは、CD(Compact Disk)、DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)等の光メディアに格納されたDVD−VIDEO、DVD−VR(Video Recording)などのフォーマットのオーディオ・ビデオ(AV)コンテンツを再生することができる。さらに、コンピュータ1aは、内蔵されたHDD117(図2参照)あるいは光メディアに、DVD−VRなどのフォーマットでAVコンテンツを書き込むこともできる。コンピュータ本体3の側面には、ODD(Optical Disk Drive)119(図2参照)に対して光メディアを出し入れするためのスロット21が設けられている。
【0012】
図2に示すように、このコンピュータ1aは、CPU101、ノースブリッジ103、メインメモリ105、グラフィックスコントローラ107、ビデオメモリ(VRAM)107a、サウスブリッジ109、BIOS−ROM111、サウンドコントローラ113、HDD117、ODD119、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)121、ネットワークコントローラ123、TVチューナ125等を備えている。
【0013】
CPU101は、コンピュータ1aの動作を制御するプロセッサであり、HDD117からメインメモリ105にロードされる各種プログラムを実行する。このCPU101によって実行される各種プログラムとしては、オペレーティングシステム、TV放送等の放送データを予約録画するために必要な情報である録画情報を他の録画装置に転送するための録画引継アプリケーション131等が存在する。また、CPU101は、BIOS−ROM111に格納されたBIOS(Basic Input Output System;ハードウェア制御のためのプログラム)も実行する。
【0014】
ノースブリッジ103は、CPU101のローカルバスとサウスブリッジ109との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ103には、メインメモリ105をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ103はPCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してグラフィックスコントローラ107との通信を実行する機能も有している。
【0015】
グラフィックスコントローラ107は、コンピュータ1のディスプレイモニタとして使用されるLCD7を制御する表示コントローラである。グラフィックスコントローラ107は、ブレンド処理、スケーリング処理、ルーマキー処理等の画像処理機能を有している。このグラフィックスコントローラ107によって生成される表示信号は、LCD7に送られる。また、表示信号は、コンピュータ本体3に設けられたインタフェースを介して外部のTVやHDMIモニタに送出することもできる。
【0016】
サウスブリッジ109は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイス及びLPC(Low Pin Count)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ109は、HDD117、ODD119を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。更に、サウスブリッジ109は、サウンドコントローラ113との通信を実行する機能も有している。サウンドコントローラ113は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ19に出力する。
【0017】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)121は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード9、タッチパッド15、及びクリックボタン17を制御するためのキーボードコントローラと、が集積された1チップマイクロコンピュータである。タッチパッド15が操作されると操作信号が生成され、この操作信号に基づいてLCD7の表示画面上に表示されたカーソルが移動する。また、このEC/KBC121は、ユーザによるパワーボタン11の操作に応じてコンピュータ1をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
【0018】
このコンピュータ1aでは、ネットワーク130(図3参照)から受信した放送データを、ネットワークコントローラ123を介してHDD117に予約録画することが可能である。さらに、このコンピュータ1aでは、CPU101が録画引継アプリケーション131を実行することで、放送データの全てを録画するためには自装置のHDD117の保存領域の残量が不足している場合に、ネットワーク130に接続された他装置に当該放送データの録画情報を転送することで、複数の録画装置において放送データを分割して録画する機能を有している。
【0019】
次に、放送データを上記のように複数の録画装置において分割して録画することを可能とするコンピュータ1a及び録画引継アプリケーション131の構成について図3及び4を参照し説明する。
【0020】
図3は、本実施形態の予約録画引継システムの構成を示すブロック図である。図3の例では、コンピュータ(予約録画装置)1aと、コンピュータ1aと同様の構成を有するコンピュータ(予約録画装置)1bとがネットワーク300を介して接続されている。ネットワーク300は、無線LAN(Local Area Network)あるいは専用線によるネットワーク接続である。図3に示すように、本実施形態のコンピュータ1a,1bは録画引継アプリケーション131により動作するソフトウェアの構成として、それぞれ録画情報引継機能部201a,201b及び保存領域(自装置保存領域、他装置保存領域)202a,202bを備えている。また、コンピュータ1aは、再生部204を備えている。
【0021】
録画情報引継機能部201a,201bには、TV放送等の放送データを予約録画するために必要な情報である録画情報301として、録画ID、チャンネル、録画予約開始時刻、録画予約終了時刻、実録画終了時間(実際に保存領域202a,202bの容量の関係で録画を終了する時間)、番組タイトル、録画画質、引継元、引継先、装置優先度、ステータス(コンピュータ1a,1bの動作状態)、及び丸ごと予約優先(放送データを分割せずに録画することを優先して録画情報を他装置に転送する)が設定及び記録されている。録画情報301は、放送データをコンピュータ1a,1bで分割して録画する必要がある場合は、録画情報引継機能部201a,201bによってコンピュータ1aからコンピュータ1bに転送される。
【0022】
保存領域202a,202bは、物理的にはHDD117であり、放送データが録画される。
【0023】
再生部204は、保存領域202a,202bのいずれかに録画された放送データを再生するためのものである。
【0024】
図4は、図1のコンピュータにおける録画情報引継機能部のソフトウェアの構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、録画情報引継機能部201aは、録画情報取得部(録画情報取得手段)203、必要保存領域算出部205、引継先検索部(引継先検索手段)207、自装置保存領域残量参照部(自装置保存領域残量参照手段)209、優先度設定部(優先度設定手段)211、録画情報転送部(録画情報転送手段)213、及び再生データ取得部(再生データ取得手段)215、再生データ残量参照部(再生データ残量参照手段)217を有している。
【0025】
録画情報取得部203は、録画ID、チャンネル、録画予約開始時刻等の録画情報を、ユーザ入力、放送データ及び他装置からネットワーク300を介して取得するためのものである。
【0026】
必要保存領域算出部205は、予約録画の際に、録画情報に含まれる録画予約開始時刻、録画予約終了時刻、及び録画画質から、当該放送データの録画に必要な保存領域の大きさを算出するためのものである。
【0027】
引継先検索部207は、ネットワーク300に接続された他装置から、放送データを録画することが可能な空き領域を有する他装置保存領域を備えた他装置を検索するためのものである。
【0028】
自装置保存領域残量参照部209は、保存領域202aの残量を参照するためのものである。
【0029】
優先度設定部211は、複数の他装置について録画情報を転送する優先度を設定するためのものである。
【0030】
録画情報転送部213は、自装置保存領域残量参照部209が参照した保存領域202aの残量が閾値未満となったときに、ネットワーク300を介して接続された他装置に、録画情報取得分203が取得した録画情報を転送するためのものである。
【0031】
再生データ取得部215は、保存領域202a,202bのいずれかに録画された放送データ(再生データ)を取得するためのものである。
【0032】
再生データ残量参照部217は、再生データ取得部215が取得し、再生部204が再生中の放送データの内でまだ再生されていないデータの残量を参照するためのものである。
【0033】
以下、本実施形態のコンピュータ1aが複数の録画装置において放送データを分割して録画する動作について説明する。なお、以下の説明では、図7に示すように、ネットワーク300に、自装置であるコンピュータ1aと、他装置であるコンピュータ1b,1cが接続されている場合を想定して説明する。
【0034】
(引継機能設定)
本実施形態では、まず、コンピュータ1a〜1cの引継機能設定を行う。図5は、本実施形態の引継機能設定の手順を示すフロー図である。コンピュータ1aの引継先検索部207は、ネットワーク300を介して予約録画を引き継ぐことが可能な他の録画装置であるコンピュータ1b,1c及びその他の装置の検索を行う(S101)。
【0035】
コンピュータ1aの優先度設定部211は、予約録画を引き継ぐ対象となる装置をコンピュータ1b,1c及びその他の装置から選択する(S102)。図7の例のように、引き継ぎ対象となる装置がコンピュータ1b,1cと複数ある場合は、優先度設定部211は、図3に示すように、どの装置から優先的に録画を引継がせるかを示す優先度を設定する(S103)。設定された優先度の情報は、各コンピュータ1b,1cの録画情報引継機能部201b,201cの優先度設定部211に保存される(S104)。
【0036】
(予約録画引継)
以下、本実施形態の優先度に応じた予約録画引継の動作について説明する。図6は本実施形態の予約録画引継の手順を示すフロー図であり、図7は本実施形態の優先度に応じた予約録画引継の動作を示すブロック図である。
【0037】
図6及び7に示すように、コンピュータ1aにおいて放送データの予約録画が開始された場合(S201)、自装置保存領域残量参照部209は現在時刻の確認を行い(S202)、録画終了時刻である場合は(S203)、放送データの録画を終了する(S210)。
【0038】
録画終了時刻ではない場合(S203)、自装置保存領域残量参照部209は、自装置であるコンピュータ1aの保存領域202aの残量を参照する(S204)。保存領域202aの残量が予め設定した閾値以上である場合は(S205)、コンピュータ1aは保存領域202aへの予約録画を続行する(S206)。一方、保存領域202aの残量が予め設定した閾値未満である場合は(S205)、引継先検索部207はネットワーク300に接続された放送データを録画することが可能な空き領域を有する他装置であるコンピュータ1b,1cを検索する(S207)。
【0039】
放送データを録画することが可能な空き領域を有し、予約録画を引継ぐことが可能な他装置が存在している場合は(S208)、録画情報転送部213は、優先度設定部211に設定された優先度に従って、ネットワーク300を介して優先度が高い順に録画情報301を転送する(S209)。録画情報を転送された他装置であるコンピュータ1b,1cは、当該録画情報に従ってそれぞれの保存領域202b,202cに放送データを予約録画する。一方、放送データを録画することが可能な空き領域を有し、予約録画を引継ぐことが可能な他装置が存在していない場合は(S208)、コンピュータ1aは、録画を中止する(S210)。
【0040】
(引継再生)
以下、本実施形態の録画された放送データの再生の動作について説明する。図8は本実施形態の録画データの再生の手順を示すフロー図であり、図9は本実施形態の録画データの再生の動作を示すブロック図である。
【0041】
図8及び9に示すように、自装置であるコンピュータ1aの再生部204は、保存領域202aに録画された放送データの再生を開始する(S301)。再生データ残量参照部217は、コンピュータ1aの再生部204が再生している保存領域202aに録画されている放送データの残量を参照し、再生中の放送データの残量が0となったこと、あるいは予め定められた閾値未満である場合は(S302)、引継先検索部207は、録画情報取得部203から当該放送データに関連した録画情報を確認する(S303)。
【0042】
録画情報が当該放送データの録画が、コンピュータ1b,1cといった他装置に引継がれている場合(S304)、引継先検索部207は、ネットワーク300に接続された当該引継先の装置を検索する(S305)。録画情報転送部213は、ネットワーク300を介してコンピュータ1b,1cといった当該引継先の装置に対して録画情報301を転送する(S306)。一方、録画情報を転送されたコンピュータ1b,1cは、当該録画情報に基づいて、各々の保存領域202b,202cに録画された放送データ(再生データ)302を、ネットワーク300を介して、コンピュータ1aに順次転送する(S307)。コンピュータ1aの再生データ取得部215は、コンピュータ1b,1cから放送データ302を取得し、再生部204は当該放送データを順次再生する(S307)。この再生動作は、予約録画の引継先がなくなったときに終了する(S308)。
【0043】
(丸ごと予約優先)
以下、本実施形態の丸ごと予約優先時における動作について説明する。図10は、本実施形態の丸ごと予約優先時における予約録画引継の手順を示すフロー図であり、図11は、本実施形態の丸ごと予約優先時における予約録画引継の動作を示すブロック図である。本実施形態では、放送データを複数の録画装置に分割して予約録画することが可能であるが、自装置あるいは他装置において、予約録画した放送データを分割せずに録画することが可能な装置を検索し、放送データを分割せずに録画することが可能である場合は、優先的に放送データを分割せずに録画する。
【0044】
図10及び11に示すように、コンピュータ1aの録画情報取得部203は、録画予約する放送データに冠する録画情報を取得する(S401)。必要保存領域算出部205は、録画情報の録画予約開始時刻、録画予約終了時刻、及び録画画質から、必要となる保存領域の大きさを計算する(S402)。
【0045】
引継先検索部207は、録画を引継ぐことが可能な装置であるコンピュータ1b,1cから、1予約録画分の放送データを全て分割せずに録画することが可能な容量の保存領域202b,202cを有する装置を検索する(S403)。
【0046】
1予約録画分の放送データを全て分割せずに録画することが可能な容量の保存領域202b,202cを有する装置がネットワーク300上に存在している場合は(S404)、コンピュータ1aの録画情報転送部213は当該装置に録画情報301を転送する。録画情報301を転送されたコンピュータ1bあるいは1cは、当該録画情報に基づいて、
1予約録画分の放送データを全て分割せずに各々の保存領域202bあるいは202cに録画する(S405)。一方、1予約録画分の放送データを全て分割せずに録画することが可能な容量の保存領域202b,202cを有する装置がネットワーク300上に存在していない場合は(S404)、上述したように、図6に示すS201〜S210の手順により、各々の装置の残り保存領域の大きさに関わらず、設定された優先度に従って放送データを複数の装置に分割して録画する(S406)。放送データを全ていずれかの装置に録画し終えた場合は、各装置は録画を終了する(S407)。
【0047】
(手動録画)
本実施形態の予約録画ではない手動録画における動作について説明する。図12は、本実施形態の手動録画時の録画引継の動作を示すブロック図である。図12に示すように、予約録画ではない、手動録画時においても、図6に示すS201〜S210の手順により、各々のコンピュータ1a,1b及び1cの保存領域202a〜202cの容量が閾値未満になり次第、予め設定された優先度に従って録画情報を他の装置に順次転送して、放送データを分割して録画することができる。
【0048】
本実施形態によれば、放送データを録画するために必要な情報である録画情報を取得する録画情報取得部203と、録画情報取得部203が取得した録画情報に基づいて自装置であるコンピュータ1aにおいて放送データを録画することが可能な保存領域202aと、保存領域202aの残量を参照する自装置保存領域残量参照部209と、自装置保存領域残量参照部209が参照した保存領域202aの残量が閾値未満となったときに、ネットワーク300を介して接続されたコンピュータ1b,1cに録画情報取得部203が取得した録画情報を転送する録画情報転送部213とを備えるため、複数の録画装置において放送データを分割して録画することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態によれば、放送データを録画することが可能な空き領域を有する保存領域202b,202cを備えた他装置であるコンピュータ1b,1cを検索する引継先検索部207をさらに備え、録画情報転送部213は、引継先検索部207が検索した放送データを録画することが可能な空き領域を有する保存領域202b,202cを備えたコンピュータ1b,1cに優先的に録画情報を転送するため、ネットワーク300上において確実に放送データを録画することが他装置に対して、放送データの録画を引継がせることが可能となる。
【0050】
また、本実施形態によれば、複数の他装置であるコンピュータ1b,1cについて録画情報を転送する優先度を設定する優先度設定部211をさらに備え、録画情報転送部213は、優先度設定部211が設定した優先度に従って録画情報を転送するため、所望の他装置に放送データの録画を引継がせることが可能となる。
【0051】
さらに、本実施形態によれば、録画された放送データを再生する再生部204と、自装置であるコンピュータ1aの保存領域202a及び他装置であるコンピュータ1b,1cの保存領域のいずれかに録画された放送データを取得する再生データ取得部215と、を備え、再生部204は、再生データ取得部215が取得した放送データを順次再生するため、複数の録画装置において分割して録画した放送データを順次再生することが可能となる。
【0052】
加えて、本実施形態によれば、放送データを予約録画する場合において、引継先検索部207は、予約録画する放送データの全てを録画可能な空き領域を有する保存領域202b,202cを備えた他装置であるコンピュータ1b,1cを検索し、録画情報転送部213は、自装置保存領域残量参照部209が参照した保存領域202aの残量が予約録画する放送データの全てを録画することが不可能なときは、引継先検索部207が検索した予約録画する放送データの全てを録画可能な空き領域を有する保存領域202b,202cを備えた保存領域202b,202cに録画情報を優先的に転送するため、可能な限り放送データを分割せずに多層地において予約録画することが可能となる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る録画装置の一実施形態であるコンピュータを示す斜視図である。
【図2】図1のコンピュータのハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の予約録画引継システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図1のコンピュータにおける録画情報引継機能部のソフトウェアの構成を示す機能ブロック図である。
【図5】本実施形態の引継機能設定の手順を示すフロー図である。
【図6】本実施形態の予約録画引継の手順を示すフロー図である。
【図7】本実施形態の優先度に応じた予約録画引継の動作を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の録画データの再生の手順を示すフロー図である。
【図9】本実施形態の録画データの再生の動作を示すブロック図である。
【図10】本実施形態の丸ごと予約優先時における予約録画引継の手順を示すフロー図である。
【図11】本実施形態の丸ごと予約優先時における予約録画引継の動作を示すブロック図である。
【図12】本実施形態の手動録画時の録画引継の動作を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
1a,1b,1c…コンピュータ、3…コンピュータ本体、5…ディスプレイユニット、7…LCD、9…キーボード、11…パワーボタン、15…タッチパッド、17…クリックボタン、19…スピーカ、21…スロット、101…CPU、103…ノースブリッジ、105…メインメモリ、107…グラフィックスコントローラ、107a…VRAM、109…サウスブリッジ、111…BIOS−ROM、113…サウンドコントローラ、117…HDD、119…ODD、121…EC/KBC、123…ネットワークコントローラ、125…TVチューナ、131…録画引継アプリケーション、201a,201b,201c…録画情報引継機能部、202a,202b,202c…保存領域、203…録画情報取得部、204…再生部、205…必要保存領域算出部、207…引継先検索部、209…自装置保存領域残量参照部、211…優先度設定部、213…録画情報転送部、215…再生データ取得部、217…再生データ残量参照部、300…ネットワーク、301…録画情報、302…再生データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送データを録画するために必要な情報である録画情報を取得する録画情報取得手段と、
録画情報取得手段が取得した前記録画情報に基づいて自装置において前記放送データを録画することが可能な自装置保存領域と、
前記自装置保存領域の残量を参照する自装置保存領域残量参照手段と、
前記自装置保存領域残量参照手段が参照した前記自装置保存領域の残量が閾値未満となったときに、通信回線を介して接続された他装置に、前記録画情報取得手段が取得した前記録画情報を転送する録画情報転送手段と
を備えた録画装置。
【請求項2】
前記放送データを録画することが可能な空き領域を有する他装置保存領域を備えた前記他装置を検索する引継先検索手段をさらに備え、
前記録画情報転送手段は、前記引継先検索手段が検索した前記放送データを録画することが可能な空き領域を有する前記他装置保存領域を備えた前記他装置に優先的に前記録画情報を転送する、請求項1に記載の録画装置。
【請求項3】
複数の前記他装置について前記録画情報を転送する優先度を設定する優先度設定手段をさらに備え、
前記録画情報転送手段は、前記優先度設定手段が設定した前記優先度に従って前記録画情報を転送する、請求項1又は2に記載の録画装置。
【請求項4】
録画された前記放送データを再生する再生手段と、
前記自装置の前記自装置保存領域及び前記他装置の前記他装置保存領域のいずれかに録画された前記放送データを取得する再生データ取得手段と、
を備え、
前記再生手段は、前記再生データ取得手段が取得した前記放送データを順次再生する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の録画装置。
【請求項5】
前記放送データを予約録画する場合において、
前記引継先検索手段は、予約録画する前記放送データの全てを録画可能な空き領域を有する前記他装置保存領域を備えた前記他装置を検索し、
前記録画情報転送手段は、前記自装置保存領域残量参照手段が参照した前記自装置保存領域の残量が予約録画する前記放送データの全てを録画することが不可能なときは、前記引継先検索手段が検索した予約録画する前記放送データの全てを録画可能な空き領域を有する前記他装置保存領域を備えた前記他装置に前記録画情報を優先的に転送する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の録画装置。
【請求項6】
録画情報取得手段が、放送データを録画するために必要な情報である録画情報を取得し、
自装置保存領域残量参照手段が、前記録画情報に基づいて自装置において前記放送データを録画することが可能な自装置保存領域の残量を参照し、
録画情報転送手段が、前記自装置保存領域残量参照手段が参照した前記自装置保存領域の残量が閾値未満となったときに、通信回線を介して接続された他装置に、前記録画情報取得手段が取得した前記録画情報を転送する録画方法。
【請求項7】
引継先検索手段が、前記放送データを録画することが可能な空き領域を有する他装置保存領域を備えた前記他装置を検索し、
録画情報転送手段が、前記引継先検索手段が検索した前記放送データを録画することが可能な空き領域を有する他装置保存領域を備えた前記他装置に優先的に前記録画情報を転送する、請求項6に記載の録画方法。
【請求項8】
前記録画情報転送手段は、複数の前記他装置について前記録画情報を転送する優先度を設定する優先度設定手段が設定した前記優先度に従って前記録画情報を転送する、請求項6又は7に記載の録画方法。
【請求項9】
再生データ取得手段が、前記自装置の前記自装置保存領域及び前記他装置の前記他装置保存領域のいずれかに録画された前記放送データを取得し、
前記再生手段が、前記再生データ取得手段が取得した前記放送データを順次再生する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の録画方法。
【請求項10】
前記放送データを予約録画する場合において、
前記引継先検索手段が、予約録画する前記放送データの全てを録画可能な空き領域を有する前記他装置保存領域を備えた前記他装置を検索し、
前記録画情報転送手段が、前記自装置保存領域残量参照手段が参照した前記自装置保存領域の残量が予約録画する前記放送データの全てを録画することが不可能なときは、前記引継先検索手段が検索した予約録画する前記放送データの全てを録画可能な空き領域を有する前記他装置保存領域を備えた前記他装置に前記録画情報を優先的に転送する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の録画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−182820(P2009−182820A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21140(P2008−21140)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】