説明

録音メッセージ再生装置、録音メッセージ再生方法および録音メッセージ再生プログラム

【課題】録音メッセージの概要を短時間で把握でき、かつ、指定した部分から再生可能な録音メッセージ再生装置を提供する。
【解決手段】再生・録音部35にて着信者12へ通知する発信者10の音声を、録音メッセージ73としてメッセージ番号71とタイムスタンプ72とを付して記憶部50に格納した後、テキスト変換部37にて録音メッセージ73をテキストデータに変換し、記憶部50に格納したメッセージ番号71とタイムスタンプ72とを付与して電子メールとしてE−Mail送信部38から着信端末13に自動的に送信する。着信端末12からパスワードとメッセージ番号と再生開始位置情報とを少なくとも含む録音メッセージ再生要求用の呼設定情報を受信した際に、パスワードによるユーザ認証が得られた場合、呼設定情報内のメッセージ番号に指定された録音メッセージについて、再生開始位置情報に指定された時間位置から再生して着信端末13に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録音メッセージ再生装置、録音メッセージ再生方法および録音メッセージ再生プログラムに関する。特に、本発明は、一般の電話機、ISDN(Integrated Service Digital Network)端末、PHS(Personal Handy-Phone System)端末、通信機器を装着したモバイル端末等を用いた公衆電話システム、PBX(Private Branch Exchange)システム、キーテレフォンシステム、モバイルシステム等における録音サービスとして好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
一般の公衆電話システムやPBXシステムやキーテレフォンシステムやモバイルシステム等においては、着信相手が不在であったり、通信ができない状態にあったりして、連絡したい情報を、着信相手に通知することができなかった場合に備えて、例えば、特許文献1の特開2001−168994号公報「蓄積伝言メッセージの自動転送方式および方法」や特許文献2の特開2002−218066号公報「録音情報転送システム、録音情報送信装置、記録媒体およびプログラム」にも記載されているように、発信者からの伝言メッセージを録音して録音メッセージとして預かるサービスいわゆる「留守番電話サービス」を提供するように構成されている。
【0003】
しかしながら、かくのごとき録音メッセージを預かるサービスを利用した場合、録音メッセージを再生して聞く際に、録音メッセージの長さに比例した再生時間を必要とし、録音時に要した録音時間と同じ長さの再生時間がかかってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−168994号公報(第4−5頁)
【特許文献2】特開2002−218066号公報(第4−6頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、一般の公衆電話システムやPBXシステムやキーテレフォンシステム、モバイルシステム等の現状の電話システムにおいては、録音したメッセージを再生する際に、録音メッセージの全てを再生する機能のみが備えられており、録音メッセージを再生してメッセージ内容を確認するために必要とする再生時間は、該録音メッセージの録音時に要した録音時間と同一の時間が必要となっている。
【0006】
さらには、録音メッセージの再生を行う際には、該録音メッセージの再生に先立って、再生を要求するユーザの認証用のパスワードを入力し、ユーザ認証処理を行う時間も必要であり、また、複数の録音メッセージが存在している場合には、再生すべき録音メッセージを指定するための処理を行う時間も必要となる。
【0007】
したがって、録音メッセージを再生しようとするユーザは、録音メッセージの中に含まれている重要な用件を把握するまでにかなりの時間を必要とし、迅速な対応を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、録音メッセージを再生するユーザが、該録音メッセージの概要を短時間で把握でき、かつ、録音メッセージの中の把握すべき重要な部分として指定した部分を音声情報として再生することを可能とする録音メッセージ再生装置、録音メッセージ再生方法および録音メッセージ再生プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明による録音メッセージ再生装置、録音メッセージ再生方法および録音メッセージ再生プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】
(1)本発明による録音メッセージ再生装置は、発信者から着信者へ通知する音声情報を録音メッセージとして記憶部に録音格納し、前記着信者からの再生要求に応じて前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージを再生して前記着信者に送出する録音メッセージ再生装置であって、前記着信者へ通知する前記発信者の音声情報を前記録音メッセージとして前記記憶部に録音格納する際に、当該録音メッセージをユニークに特定するためのメッセージ番号と、録音開始からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを、該録音メッセージに関連付けて前記記憶部に格納し、しかる後、前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージをテキストデータに変換し、変換した前記テキストデータに対して前記記憶部に前記録音メッセージに関連付けて格納されている前記メッセージ番号と前記タイムスタンプ情報とを付与したメッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータとして生成し、生成した前記メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータを、電子メールとして、前記着信者の着信端末に自動的に送信することを特徴とする。
【0011】
(2)本発明による録音メッセージ再生方法は、発信者から着信者へ通知する音声情報を録音メッセージとして記憶部に録音格納し、前記着信者からの再生要求に応じて前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージを再生して前記着信者に送出する録音メッセージ再生方法であって、前記着信者へ通知する前記発信者の音声情報を前記録音メッセージとして前記記憶部に録音格納する際に、当該録音メッセージをユニークに特定するためのメッセージ番号と、録音開始からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを、該録音メッセージに関連付けて前記記憶部に格納し、しかる後、前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージをテキストデータに変換し、変換した前記テキストデータに対して前記記憶部に前記録音メッセージに関連付けて格納されている前記メッセージ番号と前記タイムスタンプ情報とを付与したメッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータとして生成し、生成した前記メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータを、電子メールとして、前記着信者の着信端末に自動的に送信することを特徴とする。
【0012】
(3)本発明による録音メッセージ再生プログラムは、少なくとも前記(2)に記載の録音メッセージ再生方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の録音メッセージ再生装置、録音メッセージ再生方法および録音メッセージ再生プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
【0014】
第1の効果は、ユーザ(発信者からの伝言の送付先となる着信者)は、当該ユーザ(着信者)向けの録音メッセージについて聴取したい部分から音声情報として直ちに再生させることが可能なことにある。
【0015】
その理由は、ユーザ(着信者)が録音メッセージ再生要求として録音メッセージ再生装置向けの発信操作を行う際に、再生を要求する録音メッセージを指定するメッセージ番号と該録音メッセージの再生開始位置を指定する再生開始位置情報とを入力し、該メッセージ番号と再生開始位置情報とを含む「呼設定」情報を発信呼として録音メッセージ再生装置向けに送信しているからである。つまり、該「呼設定」情報を着信呼として受信した録音メッセージ再生装置においては、「呼設定」情報の解析段階で、再生すべき録音メッセージと当該録音メッセージの再生開始位置とを決定することができ、発信元のユーザ(着信者)との通話状態を確立した後、直ちに、指定された録音メッセージについて、指定された再生開始位置から再生して音声情報として要求元に送出するからである。
【0016】
第2の効果は、録音メッセージ再生装置の着信回線を有効に活用することができることにある。
【0017】
その理由は、ユーザ(着信者)が録音メッセージ再生装置向けの発信操作を行う際に、メッセージ番号と再生開始位置情報との他に、当該ユーザ(着信者)の認証用のパスワードを入力し、該パスワードをも含む「呼設定」情報を発信呼として録音メッセージ再生装置向けに送信しているからである。つまり、該「呼設定」情報を着信呼として受信した録音メッセージ再生装置においては、通話状態に設定する前の「呼設定」情報の解析段階で、パスワード照合結果に基づいて、指定された録音メッセージの再生動作を許可するか否かを判定することができるからである。
【0018】
さらに、正当なユーザ(着信者)からのアクセスがあった場合についても、再生すべき録音メッセージの決定を「呼設定」情報の解析処理段階で実施することが可能であるので、通話成立後に、ユーザ(着信者)との間で再生すべき録音メッセージを決定するような通信時間を不要とし、録音メッセージ再生装置の着信回線の保留時間を節約することができる。さらには、録音メッセージの再生についても、指定された録音メッセージの全てではなく、指定された再生開始位置からの再生のみを行うことが可能であるので、録音メッセージ再生装置の着信回線の保留時間を節約することができる。
【0019】
第3の効果は、ユーザ(着信者)の録音メッセージを当該ユーザ(着信者)が目視確認して、短時間で、当該録音メッセージの概要を理解することができることにある。
【0020】
その理由は、録音メッセージ再生装置からユーザ(着信者)向けの録音メッセージをテキストデータに変換して、電子メールとして、当該ユーザ(着信者)の着信端末に自動的に送信されているからである。ユーザ(着信者)は、録音メッセージ再生装置からの電子メールを画面表示することによって、録音メッセージの概要を把握することができる。一般に、録音メッセージの全てを音声情報として聴取する場合に比して、録音メッセージの全てがテキストデータに変換されて画面表示されている状態で目視確認する場合の方が、録音メッセージの概要をより短時間で理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る録音メッセージ再生装置の構成例を示すブロック構成図である。
【図2】図1の録音メッセージ再生装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1の録音メッセージ再生装置の図2のフローチャートに引き続く動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1の録音メッセージ再生装置の図3のフローチャートに引き続く着信端末側の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1の録音メッセージ再生装置の図3のフローチャートに引き続く録音メッセージ再生装置側の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明による録音メッセージ再生装置、録音メッセージ再生方法および録音メッセージ再生プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による録音メッセージ再生装置および録音メッセージ再生方法について説明するが、かかる録音メッセージ再生方法をコンピュータにより実行可能な録音メッセージ再生プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、録音メッセージ再生プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0023】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、発信者の発信端末からの録音要求に応じて当該発信者の発信端末からの着信者向けの音声情報(伝言メッセージ)を録音メッセージとして録音し、着信者の着信端末からの再生要求に応じて録音した録音メッセージを当該着信者の着信端末に対して再生して送信することができる電話システムの録音メッセージ再生装置において、発信者の録音メッセージの再生者である着信者において、当該着信者向けの録音メッセージの概要を迅速に把握することができ、かつ、録音メッセージのうち、着信者にとって重要な要点として指定された再生箇所のみを音声情報として再生させることを可能としている点に主要な特徴を有している。
【0024】
つまり、本発明に係る録音メッセージ再生装置は、発信者の発信端末からの着信者向けの音声情報を録音メッセージとして録音する際に、録音メッセージをユニークに特定するためのメッセージ番号を付加するとともに、録音開始からの経過時間をタイムスタンプ情報として付加して録音メッセージを記憶部に録音格納する。さらに、録音格納した録音メッセージをテキストデータに変換し、変換したテキストデータに、さらに、該録音メッセージに付加しておいたメッセージ番号を付与するとともに、経過時間を示すタイムスタンプ情報をも付与した形式の「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」として生成し、生成した「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を、電子メール(E−mail)として、該録音メッセージの通知先となる着信者の着信端末に対して自動送信する。
【0025】
このため、本発明に係る録音メッセージ再生装置には、本録音メッセージ再生装置の録音サービスを利用するユーザのユーザ情報として、少なくとも、着信者の着信端末の電話番号とE−Mailアドレス(電子メールアドレス)とをあらかじめ登録しており、さらには、不正利用を防止するために、着信端末から録音メッセージの再生を要求された際に着信者のユーザ認証を行うためのパスワードも、あらかじめ登録している。
【0026】
タイムスタンプ情報とメッセージ番号とを付加したテキストデータである「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を、電子メール(E−mail)として受信した着信端末の着信者が、受信した当該「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を読み取った結果に基づいて、当該録音メッセージについて、発信者自身の音声として録音メッセージの重要な部分を再生させて確認しようとする場合、着信者のパスワードと、受信した「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」に付されているメッセージ番号と、付されているタイムスタンプ情報を参照して着信者により決定した録音メッセージの再生開始位置を指定する再生開始位置指定情報とを、少なくとも含む発信情報を、録音メッセージ再生装置に対して送信する。
【0027】
該発信情報を着信者の着信端末から受け取った録音メッセージ再生装置は、該発信情報に含まれているパスワードに基づいてユーザ認証を行い、ユーザ認証が得られると、該発信情報に含まれているメッセージ番号によって特定される録音メッセージを選択するとともに、該発信情報に含まれている再生開始位置情報によって指定されている部分から、選択した録音メッセージを音声情報として再生して、着信者の着信端末に対して送信する。
【0028】
かくのごとき録音メッセージの再生動作を行うことによって、従来のように、録音メッセージを再生して聞こうとする着信者が、通話状態に移行した後で、まず、パスワードを入力してユーザ認証を行ったり、さらに、再生すべき録音メッセージを指定したりすることにより、指定した録音メッセージの先頭から全部を音声情報として再生させて送信してもらうような録音メッセージの再生方法に比して、パスワードによるユーザ認証時間、メッセージ番号の指定時間、録音メッセージの中の聞きたいフレーズに達するまでの再生時間を、確実に短縮させることができ、迅速に、録音メッセージの用件を把握することができる。
【0029】
さらに、録音メッセージを、テキストデータとして、着信者の着信端末側に画面表示することによって、着信者は、録音メッセージの内容を目で確認することができるので、録音メッセージ全てを音声として耳で聞く場合に比べて、より短い時間で、録音メッセージの概要やキーワードを理解することができる。
【0030】
さらに説明すると、本発明は、次のような具体的な手段を備えて構成されている。発信者の着信者向けの音声情報を録音メッセージとして録音するサービスを提供する電話システムの録音メッセージ再生装置であって、発信者の着信者向けの音声情報(伝言メッセージ)を録音メッセージとして録音格納する録音手段と、録音メッセージの提供先となるユーザ(着信者)に関するユーザ情報を格納するユーザ情報記憶手段と、着信者から録音メッセージの再生要求として通知される「呼設定」情報を解析し、着信を受け付けるか否かを判別するとともに、着信を受け付ける場合には、さらに、「呼設定」情報にて指定されているメッセージ番号と再生開始位置情報とを解析する呼処理手段と、録音メッセージをテキストデータに変換するテキスト変換手段と、録音開始からの経過時間を示すタイムスタンプ情報を録音メッセージとテキストデータとに付与するタイムスタンプ付与手段と、録音サービスのユーザ(着信者)向けに作成されたテキストデータを電子メール(E−mail)として当該ユーザ(着信者)に配信するメール配信手段と、録音メッセージの再生を要求するユーザ(着信者)が「呼設定」情報として設定したパスワードが当該ユーザ(着信者)のユーザ認証用としてあらかじめ登録したパスワードと一致した場合に、ユーザ(着信者)が「呼設定」情報にて指定した録音メッセージを、指定した再生開始位置から、発信者の音声情報として再生させる再生手段とを、少なくとも備えている。
【0031】
かくのごとき具体的な手段を構成要素として備えることにより、本発明に係る録音メッセージ再生装置は、着信者からの呼設定処理の段階で、再生すべき録音メッセージの選択と該録音メッセージにおける再生開始位置が決定される。なお、メッセージ番号と再生開始位置情報とは、着サブアドレスを用い、「呼設定」情報中の着サブアドレスとして指定するようにしても良い。つまり、録音メッセージの再生を要求しようとする着信者が、録音メッセージ再生装置の電話番号を着電話番号としてダイヤル操作を行う際に、該着電話番号に引き続き、着サブアドレスとして、メッセージ番号、再生開始位置情報、さらには、パスワードを入力するようにしても良い。あるいは、着サブアドレスを用いる代わりに、録音メッセージ再生装置の電話番号を着電話番号としてダイヤル操作を行った後、第2ダイヤルトーンを聞いてから、メッセージ番号、再生開始位置情報、さらには、パスワードを順次入力するようにしても良い。
【0032】
(実施形態の構成例)
次に、本発明に係る録音メッセージ再生装置の構成例について、図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る録音メッセージ再生装置の構成例を示すブロック構成図である。
【0033】
図1に示すように、録音メッセージ再生装置30は、網20を介して、発信者10が使用する発信端末11、着信者12が使用する着信端末13と接続されている。そして、発信端末11から着信端末13に発信した際に、着信端末13の着信者12が不在等の原因によって、発信端末11の発信者10の伝言メッセージ等が着信端末13の着信者12に通知することができなかった場合に、録音メッセージ再生装置30に発信端末11の発信者10の伝言メッセージ等の音声情報を録音メッセージとして録音し、着信者12が着信端末13から録音メッセージ再生装置30にアクセスした際に、録音メッセージを再生して着信端末13に送信するように構成されている。
【0034】
なお、以下の説明においては、発信端末11、着信端末13は、いずれも、PHS(Personal Handy‐Phone System)端末であり、録音メッセージ再生装置30は、例えば、キーテレフォンシステムに組み込まれている場合について説明する。しかし、本発明は、かかる場合に限るものではなく、発信端末11、着信端末13が、ISDN端末であっても良いし、一般の固定電話機であっても良いし、携帯電話機であっても良いし、携帯情報端末であっても良いし、電話機能を備えた端末であれば、如何なる種類の端末であっても構わない。また、録音メッセージ再生装置30は、構内交換機(PBX:Private Branch Exchange)に組み込まれていても良いし、一般の公衆交換機に組み込まれていても良いし、無線基地局や無線親機に組み込まれていても良い。また、回線種別も、アナログ電話回線のみならず、ISDN回線であっても良いし、無線回線であっても良いし、如何なる回線であっても構わない。
【0035】
録音メッセージ再生装置30は、図1に示すように、呼処理部31、照合部32、通話処理部34、再生・録音部35、タイムスタンプ部36、テキスト変換部37、E−Mail送信部38、記憶部50を、少なくとも備え、記憶部50は、メッセージ番号とタイムスタンプ情報とを関連付けた録音メッセージを録音データとして格納する録音データ記憶部51とユーザ情報を格納するユーザ情報記憶部52とを有している。
【0036】
記憶部50の録音データ記憶部51には、発信端末11からの録音メッセージをユニークに特定するメッセージ番号71、録音メッセージの録音開始からの経過時間を示すタイムスタンプ72、および、発信者10からの着信者12向けの音声情報を録音した録音メッセージ73を、それぞれ関連付けて、各着信端末13ごとに、1ないし複数記憶することができる。
【0037】
また、記憶部50のユーザ情報記憶部52には、着信端末13のメールアドレスを示すE−Mailアドレス61、本録音メッセージ再生装置30を利用する着信端末13の着信者12のユーザ認証を行うためのパスワード62を、ユーザ情報として、各着信端末13ごとに、記憶することができる。なお、パスワード62は、発信端末11の発信者10からの録音メッセージにアクセスすることを許可する着信者12を認証するために用いられるものであり、発信端末11の発信者10によって任意に設定した文字列をあらかじめ登録するようにしても良い。
【0038】
呼処理部31は、着信者12の着信端末13からの着信呼として通知されてくる「呼設定」情報を解析し、着信を受け付けるか否かを判別するとともに、着信を受け付ける場合には、さらに、「呼設定」情報にて再生すべき録音メッセージとその再生箇所とを指定しているメッセージ番号と再生開始位置情報とを解析する呼処理手段である。ここで、本実施形態においては、メッセージ番号や再生開始位置情報とは、パスワードとともに、「呼設定」情報中の着サブアドレスとして設定するようにしている。
【0039】
照合部32は、着信端末13からの「呼設定」情報に含まれている着信者12のパスワードを、記憶部50のユーザ情報記憶部52のパスワード62に格納されている当該着信者12に関するパスワードと照合し、録音メッセージ再生装置30へのアクセスが許可されているユーザか否かのユーザ認証を行う照合手段である。
【0040】
通話処理部34は、発信端末11や着信端末13との間の接続を通話状態に設定して、発信者10の発信端末11に対して録音を促す案内メッセージを送信したり、発信者10の発信端末11から受信した通話情報(音声情報)を録音メッセージとして処理したり、着信者12の着信端末13からの再生要求に基づいて再生した録音メッセージを着信端末13に送信するための通話情報(音声情報)として処理したりするための通話処理手段である。
【0041】
再生・録音部35は、通話処理部34を介して受信した録音メッセージを記憶部50の録音データ記憶部51に録音したり、逆に、記憶部50の録音データ記憶部51の録音メッセージ73に格納されている録音メッセージを再生して通話処理部34に転送したりする再生・録音手段である。なお、再生・録音部35は、録音メッセージ73に格納されている録音メッセージを再生する場合、着信者12の着信端末13からの「呼設定」情報によって指定された録音メッセージ番号に該当する録音メッセージを録音メッセージ73から読み出して、読み出した録音メッセージについて、該「呼設定」情報によって指定された再生開始位置から、発信者10の音声情報としての再生を開始する。
【0042】
タイムスタンプ部36は、録音メッセージと該録音メッセージをテキスト変換したテキストデータとの関連付けを行うために、録音開始からの経過時間をタイムスタンプ情報として録音メッセージとテキストデータとのあらかじめ定めた要所要所に付与するタイムスタンプ付与手段である。前述したように、例えば、録音メッセージの録音開始から始めて、あらかじめ定めた時間閾値以上の無音区間の発生を検出した際に、該無音区間の発生順を示す番号(数値)と録音開始からの経過時間とを、タイムスタンプ情報として、録音メッセージに関連付けて、録音データ記憶部51のタイムスタンプ72に格納する。また、録音メッセージをテキストデータに変換した場合には、あらかじめ定めた要所要所として、例えば、録音メッセージの無音区間に該当するテキストデータの位置に、タイムスタンプ情報を示す識別子(例えば、符号☆)によって挟むようにして、録音データ記憶部51のタイムスタンプ72に格納されている無音区間の発生順を示す番号(数値)を挿入することによって、テキストデータにタイムスタンプ情報を付与する。
【0043】
テキスト変換部37は、記憶部50の録音データ記憶部51の録音メッセージ73に録音格納されている録音メッセージすなわち発信者10の着信者12向けの音声情報をテキストデータに変換するテキスト変換手段である。なお、テキスト変換部37においては、さらに、テキスト変換部37は、タイムスタンプ部36の動作と協働して、変換対象の録音メッセージに関連付けて録音データ記憶部51のメッセージ番号71とタイムスタンプ72とに格納されているメッセージ番号とタイムスタンプ情報とを、変換したテキストデータに付与して、「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」として生成する。
【0044】
ここで、録音メッセージをテキストデータに変換するテキスト変換部37は、一般的な音声認識手段を備えて構成されている。つまり、テキスト変換部37は、フィルタ手段によって録音メッセージに含まれているノイズを除去して、クリアな音声情報を生成した後、音声パターンと変換文字列との対応関係を登録しているデータベースを用いて、音節ごとに、クリアな音声情報の音声パターンを比較照合することによって、音声認識処理を行い、クリアな音声情報を文字列データに変換する。しかる後、変換した文字列データの構文を構文チェック手段においてチェックして、文章としての校正を行い、変換対象の録音メッセージを正しい構文のテキストデータに変換する。
【0045】
E−Mail送信部38は、再生要求があった着信者12の着信端末13のE−Mailアドレス(電子メールアドレス)を記憶部50のユーザ情報記憶部52のE−Mailアドレス61から取得して、テキスト変換部37にて変換したテキストデータにさらにメッセージ番号とタイムスタンプ情報とを付与して生成された「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を、電子メール(E−mail)として着信端末13に配信するメール配信手段である。
【0046】
次に、以上のような各構成要素からなる録音メッセージ再生装置30における録音サービスの概要について説明する。図1において、発信者10の発信端末11が網20を介して着信者12の着信端末13に対して発信した際に、着信端末13の着信者12が不在等の原因によって、着信端末13に着信することができなかった場合、網20は、該発信呼を録音メッセージ再生装置30に転送することにより、録音メッセージ再生装置30に着信させる。着信があった録音メッセージ再生装置30は、呼処理部31にて、発信端末11からの着信呼に関する着信シーケンスを実行し、通話処理部34により、発信端末11との接続を通話状態に設定して、発信端末11の発信者10に対して、着信者12に通知したい伝言メッセージ(音声情報)を録音メッセージとして録音することを促す案内メッセージ(音声情報)を送出する。
【0047】
録音を促す案内メッセージを聞いた発信端末11の発信者10が、着信者12に通知したい伝言メッセージを送話すると、録音メッセージ再生装置30は、通話処理部34を介して、再生・録音部35によって、当該伝言メッセージを録音メッセージとして編集して、記憶部50の録音データ記憶部51の録音メッセージ73に録音格納するとともに、該録音メッセージをユニークに特定するためのメッセージ番号を付与して、該メッセージ番号を記憶部50の録音データ記憶部51のメッセージ番号71に格納する。このとき、タイムスタンプ部36は、該録音メッセージの録音開始からの経過時間を、タイムスタンプ情報として、メッセージ番号71、録音メッセージ73にそれぞれ格納したメッセージ番号、録音メッセージと関連付けて記憶部50の録音データ記憶部51のタイムスタンプ72に格納する。
【0048】
しかる後、録音メッセージ再生装置30は、テキスト変換部37によって、記憶部50の録音データ記憶部51の録音メッセージ73に格納した録音メッセージをテキストデータに変換し、該録音メッセージに関連付けて記憶部50の録音データ記憶部51のメッセージ番号71、タイムスタンプ72それぞれに格納したメッセージ番号、タイムスタンプ情報をテキストデータのそれぞれの該当位置に挿入付与して「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を生成する。さらに、生成した「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」メッセージ番号71をE−Mail送信部38に送る。
【0049】
なお、テキスト変換部37によって生成される「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」について、例えば、「もしもし、○○です。(…第1番目の無音区間…)PHS端末を2台注文したいのですが、(…第2番目の無音区間…)納期と価格とを至急教えてください。」という録音メッセージを変換した場合の具体例を説明すると、次の通りである。「メッセージ番号」は、例えば、録音メッセージの先頭の位置に挿入すれば良く、また、「タイムスタンプ情報」は、前述したように、例えば、あらかじめ定めた時間閾値以上に及んでいる各無音区間すなわち(…第1番目の無音区間…)および(…第2番目の無音区間…)の位置に、それぞれの録音発生順の番号「01」および「02」を挿入すれば良い。つまり、前述の録音メッセージの場合において生成される「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」は、「■9876■もしもし、○○です。☆01☆PHS端末を2台注文したいのですが、☆02☆納期と価格とを至急教えてください。」という形式で「メッセージ番号」と「タイムスタンプ情報」とをそれぞれの該当位置に挿入することによって生成される。
【0050】
ここで、「■9876■」の符号「■」は、メッセージ番号であることをユニークに示すための識別子であり、「■」で挟まれた「9876」が録音メッセージを特定するメッセージ番号であることを示している。また、「☆01☆」および「☆02☆」の符号「☆」はタイムスタンプ情報であることをユニークに示すための識別子であり、「☆」で挟まれた「01」および「01」がタイムスタンプ情報であることを示し、例えば、録音開始からの無音区間の発生順を示す番号(数値)として設定している。
【0051】
E−Mail送信部38は、記憶部50のユーザ情報記憶部52のE−Mailアドレス61に格納されている着信端末13のE−Mailアドレスを参照して、テキスト変換部37から受け取った「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を、電子メールとして、発信者10の伝言メッセージの通知先とされる着信端末13に対して自動的にメール送信する。
【0052】
該電子メールを受信する着信端末13は、録音メッセージ再生装置30に対して発信を行うための機能を有しており、宛先の録音メッセージ再生装置30の電話番号である着電話番号をダイヤルする機能と、当該着信端末の電話番号である発電話番号を送信する機能とを有している。また、着信端末13は、さらに、着サブアドレスや発サブアドレスを設定して送信する機能も備えている
【0053】
すなわち、着信端末13の着信者12は、録音メッセージ再生装置30から受信した電子メールを読み取って、発信者10からの当該着信者12向けの伝言メッセージが録音されている録音メッセージ内容の概要を把握した後、発信者10自身の音声情報として録音メッセージ再生装置30に格納されている録音メッセージをさらに確認しようとする場合、録音メッセージ再生装置30に対して発信を行う。着信者12は、宛先の録音メッセージ再生装置30の着電話番号をダイヤル入力する際に、受信した電子メールに含まれているメッセージ番号とタイムスタンプ情報とから、録音メッセージ(音声情報)の再生出力を要求するメッセージ番号と該録音メッセージの再生部分の開始位置を示す再生開始位置情報とを選択して入力するとともに、当該着信者12の認証用のパスワードをさらに入力する。ここで、本実施形態においては、メッセージ番号と再生開始位置情報、さらには、パスワードを、着電話番号に引き続く着サブアドレスとして入力するようにする。
【0054】
着信端末13は、宛先として入力された着電話番号の他に、着サブアドレスとして入力されたメッセージ番号と再生開始位置情報とパスワードとを含む発信呼を、網20に対して送信する。ここで、着信端末13は、さらに、当該着信端末13の電話番号である発電話番号(場合によっては、発サブアドレスをさらに含めても良い)を付与した発信呼として網20に対して送信するようにしても良い。
【0055】
網20は、着信端末13からの発信呼を受け取ると、該発信呼に含まれている着電話番号が示す録音メッセージ再生装置30向けの着信呼に変換し、着サブアドレスとして送信されてきたメッセージ番号と再生開始位置情報とパスワードとを少なくとも含み、さらに、発信元の着信端末13の電話番号である発電話番号(場合によっては、発サブアドレスをさらに含めても良い)を付与した「呼設定」情報を作成して、指定されたメッセージ番号の録音メッセージ(音声情報)を指定された再生開始位置情報から再生出力することを要求する着信呼として、作成した「呼設定」情報を、録音メッセージ再生装置30に対して送信することにより、録音メッセージ再生装置30に着信する。
【0056】
録音メッセージ再生装置30は、着信端末13からの着信呼を受信した場合、該着信呼の「呼設定」情報に設定されている着信者12の認証用パスワードに基づいて、アクセスが許可されている着信者であるか否かのユーザ認証を行い、ユーザ認証が得られた場合には、該着信呼のアクセスを許可し、着信者から要求された録音メッセージについて、着信者12によって指定された再生開始位置からの再生を行い、発信者10自身の音声情報として、着信者12の着信端末13に送出する。
【0057】
次に、以上の録音メッセージ再生装置30の録音サービスの概要において、録音メッセージ再生装置30を構成する各構成要素が作用し合う機能についてさらに詳細に説明する。着信端末13からの着信呼を受信した録音メッセージ再生装置30は、呼処理部31において、該着信呼の「呼設定」情報を解析して、着信を受け付けるか否かを判別する着信シーケンスを実行する。
【0058】
着信を受け付ける場合は、呼処理部31は、さらに、照合部32を起動して、照合部32において、該着信呼の「呼設定」情報に設定されているパスワードが記憶部50のユーザ情報記憶部52のパスワード62にあらかじめ登録されているパスワードと一致しているか否かを確認する。ここで、「呼設定」情報に設定されているパスワードは、前述のように、「呼設定」情報の着サブアドレスに設定されているようにしても良い。
【0059】
該着信呼の「呼設定」情報に設定されているパスワードがユーザ情報記憶部52のパスワード62に登録されているパスワードと一致していた場合には、該着信呼の発信元の着信者12のユーザ認証が得られたものとして、呼処理部31は、該着信呼の「呼設定」情報に設定されているメッセージ番号と再生開始位置情報とを抽出して、要求された録音メッセージの再生するために再生・録音部35を起動するとともに、通話処理部34を制御して、該着信呼の発信元の着信端末13との間の接続を通話状態に設定する。ここで、「呼設定」情報に設定されているメッセージ番号と再生開始位置情報とは、前述したように、「呼設定」情報中の着サブアドレスに設定されているようにしても良い。
【0060】
再生・録音部35は、該着信呼の「呼設定」情報に設定されているメッセージ番号により、記憶部50の録音データ記憶部51のメッセージ番号71を検索することによって、再生要求されている録音メッセージが録音格納されている録音メッセージ73の場所を決定し、再生要求されている録音メッセージについて、該着信呼の「呼設定」情報に設定されている再生開始位置情報に基づいて、記憶部50の録音データ記憶部51のタイムスタンプ72の時間情報を検索することによって、再生を開始すべき録音メッセージの時間位置を決定して、決定した時間位置から、着信者12から要求された録音メッセージの再生を開始する。ここで、該着信呼の「呼設定」情報に設定されている再生開始位置情報は、例えば、記憶部50の録音データ記憶部51のタイムスタンプ72にタイムスタンプ情報として格納されている情報のうちの無音区間の発生順を示す数値に該当する情報であり、再生を開始すべき録音メッセージの時間位置は、該数値に録音開始からの経過時間として対応付けられている時間位置情報を取り出すことによって求めることができる。
【0061】
再生・録音部35によって再生開始位置情報が示す時間位置から再生が開始された録音メッセージ(音声情報)は、通話処理部34にて、網20を介して、音声情報として、着信者12の着信端末13に向けて送信される。その結果、録音メッセージを音声情報によって確認しようとした着信端末13の着信者12は、指定した録音メッセージについて、指定した再生開始位置から音声として確認することができ、指定した録音メッセージの重要な部分を発信者10自身の音声として再生することによって、録音メッセージの重要なキーワードを確実に把握することができる。
【0062】
(実施形態の動作の説明)
次に、図1に示した録音メッセージ再生装置30の動作について、まず、図2のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図2は、図1の録音メッセージ再生装置30の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、着信者12に対して電話連絡を行うことができなかった発信者10が、当該着信者12への連絡情報(伝言)を録音メッセージ再生装置30に録音メッセージとして録音格納させるまでの動作の一例を示している。
【0063】
図2のフローチャートにおいて、発信者10が発信端末11から着信者12の着信端末13に対して網20を介して発信すると(ステップS101)、網20は、指定された着信端末13に着信する動作を試みるが、着信者12の不在等の何らかの原因で着信端末13への着信動作が失敗した場合、網20は、発信者10から着信者12に対する連絡情報(伝言)を録音メッセージ再生装置30に録音させるために、発信端末11からの発信を録音メッセージ再生装置30に転送して、録音メッセージ再生装置30に着信させる(ステップS151)。
【0064】
発信端末11からの着信があった録音メッセージ再生装置30は、呼処理部31にて、着信シーケンスを実行して、発信端末11からの着信を受け付けることが可能であることを判別すると、通話処理部34を起動して、通話状態に設定するとともに、再生・録音部35を起動して、発信端末11に対して、網20を介して、着信者12に対する連絡事項等の録音を促すための案内メッセージを送出する(ステップS152)。該メッセージを聴取した発信端末11の発信者10は、着信者12に対して確実に連絡したい情報が存在していた場合には、録音メッセージとして吹き込むために、連絡したい情報を音声情報として発信端末11から録音メッセージ再生装置30に送信する(ステップS102)。
【0065】
発信端末11からの音声情報を受信した録音メッセージ再生装置30は、再生・録音部35にて、録音メッセージとしての録音動作を開始するとともに(ステップS153)、タイムスタンプ部36において録音開始からの経過時間を録音時間として計測する動作を開始する(ステップS154)。
【0066】
発信者10が、録音メッセージの吹き込みを終了して、発信端末11の切断操作を行うと(ステップS103)、録音メッセージ再生装置30は、再生・録音部35にて、それまでに録音メッセージとして録音した音声情報を記憶部50の録音データ記憶部51の録音メッセージ73に録音格納するとともに、当該録音メッセージをユニークに識別することが可能なメッセージ番号を録音データ記憶部51のメッセージ番号71に設定し、かつ、タイムスタンプ部36において計測していた録音時間をタイムスタンプ情報として録音データ記憶部51のタイムスタンプ72に設定する(ステップS155)。
【0067】
ここで、録音データ記憶部51のタイムスタンプ72に設定するタイムスタンプ情報としては、例えば、録音メッセージとして発信者10が吹き込んでいる音声情報の無音区間があらかじめ定めた時間閾値以上に及んでいる場合に、該無音区間の録音時間(録音開始からの経過時間)を、無音区間の発生順を示す数値(番号)とともに設定するようにしている。
【0068】
次に、図1に示した録音メッセージ再生装置30の動作について、図2のフローチャートに引き続く動作の一例を、図3のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図3は、図1の録音メッセージ再生装置30の図2のフローチャートに引き続く動作の一例を説明するためのフローチャートであり、発信者10が録音した着信者12向けの録音メッセージをテキストデータに変換して、電子メールとして着信者12の着信端末13に配信する動作の一例を示している。
【0069】
図2のフローチャートに示す動作によって着信者12向けの録音メッセージを記憶部50の録音データ記憶部51の録音メッセージ73に録音格納した録音メッセージ再生装置30は、テキスト変換部37にて、録音データ記憶部51の録音メッセージ73に録音格納した録音メッセージをテキストデータに変換する(ステップS201)。さらに、録音メッセージの無音区間の時間位置を示す録音時間としてタイムスタンプ72に設定されているタイムスタンプ情報に基づいて、変換したテキストデータに対してタイムスタンプ情報を付加する(ステップS202)。ここで、テキストデータに付加するタイムスタンプ情報は、例えば、録音メッセージの先頭からの無音区間の発生順番を示す数値を、タイムスタンプ情報であることをユニークに示す識別子(例えば、符号☆)によって挟んで設定する。
【0070】
さらに、テキスト変換部37にて、タイムスタンプ情報を付加したテキストデータの先頭に、当該テキストデータの変換前の録音メッセージをユニークに特定するメッセージ番号を録音データ記憶部51のメッセージ番号71から取り出して付加することによって(ステップS203)、「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を生成する(ステップS203)。ここで、テキストデータの先頭に付加するメッセージ番号は、録音データ記憶部51のメッセージ番号71から取り出したメッセージ番号を、例えば、メッセージ番号であることをユニークに示す識別子(例えば、符号■)によって挟んで設定する。
【0071】
次いで、E−Mail送信部38において、テキスト変換部37にて生成した「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」の配信先となる着信端末13のE−Mailアドレスを、記憶部50のユーザ情報記憶部52のE−Mailアドレス61から抽出して、電子メール形式のヘッダ部分に設定し、当該「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」を電子メールとして作成する(ステップS204)。しかる後、E−Mail送信部38にて、作成した電子メールを着信端末13に対して自動的に送信する(ステップS205)。
【0072】
この結果、着信者12の着信端末13には、発信者10が当該着信者12向けの連絡情報として録音メッセージ再生装置30に録音した録音メッセージ(音声情報)が、電子メールとして、メッセージ番号とタイムスタンプ情報とが付された状態のテキストデータの形式で、受信されて、着信端末13に画面表示されることになる。而して、着信端末13の着信者12は、録音メッセージ再生装置30から自動的に配信されてきた電子メールを確認することによって、発信者10からの連絡情報(伝言)が録音メッセージ再生装置30に録音メッセージとして録音格納されていることを把握することができるとともに、該録音メッセージが、「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」として画面表示されることから、該録音メッセージの概要を目視確認することができる。
【0073】
次に、図1に示した録音メッセージ再生装置30の動作について、図3のフローチャートにさらに引き続く動作の一例を、図4のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図4は、図1の録音メッセージ再生装置30の図3のフローチャートに引き続く着信端末13側の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」によって発信者10の録音メッセージの概要を目視確認した着信者12が、当該着信者12向けの発信者10の録音メッセージの重要部分を音声情報として再生して確認するまでの着信端末13側の動作の一例を示している。なお、着信者12の着信端末13からの要求に応じて、当該着信者12向けの発信者10の録音メッセージの重要部分を音声情報として再生して、着信端末13に送信するまでの動作については、図5のフローチャートとして後述する。
【0074】
図3のフローチャートに示す動作によって、着信者12向けの発信者10の録音メッセージの概要をテキストデータとして目視確認した当該着信者12は、該録音メッセージの重要な部分を音声情報として再生して確認したい場合には、着信端末13に、
(1)パスワード
(2)メッセージ番号
(3)再生開始位置情報
を設定して、録音メッセージ再生装置30の電話番号を着電話番号として入力することにより、網20を介して、録音メッセージ再生装置30に対して、発信する(ステップS301)。
【0075】
例えば、録音メッセージ再生装置30の電話番号(着電話番号)を「03−1234−5678」、録音メッセージ再生用のパスワードを「9876」、再生する録音メッセージのメッセージ番号を「99」、録音メッセージの再生開始位置情報を「02」と仮定すると、着信者12は、例えば、「0312345678*98769902」とダイヤル操作して、着信端末13から網20に対して発信を行う。ここで、「0312345678」は、宛先の電話番号を指定する着電話番号であり、「*」に引き続く「98769902」は、パスワード、メッセージ番号および再生開始位置情報の指定用として用いられる着サブアドレスである。
【0076】
網20は、着信端末13からの発信情報例えば「0312345678*98769902」を受け取ると、着電話番号「0312345678」から、録音メッセージ再生装置30に対する発信呼であることを識別し、さらに、着サブアドレスとして送信されてきた「9876」からは着信者12のユーザ認証用のパスワードが例えば「9876」であり、「99」からは、再生を要求する録音メッセージのメッセージ番号が例えば「99」であり、「02」からは録音メッセージの再生位置を示す再生開始位置情報が例えば「02」であることを識別する。
【0077】
しかる後、網20は、ユーザ認証用のパスワード例えば「9876」、再生要求された録音メッセージのメッセージ番号例えば「99」、再生開始位置情報例えば「02」を少なくとも含み、さらには、発信元の着信端末13の発電話番号例えば「039876543」(場合によっては、発サブアドレスも含む)を発信者情報として含む「呼設定」情報を生成して、宛先として指定された録音メッセージ再生装置30に対して着信する。ここで、該「呼設定」情報に設定されるパスワード、メッセージ番号および再生開始位置情報は、「呼設定」情報中の着サブアドレスを用いて設定するようにしても良い。
【0078】
なお、再生用のパスワード例えば「9876」は、録音メッセージ再生装置30のサービスを利用することが可能な着信者12を認証するためのユーザ認証用のパスワードであり、録音メッセージ再生装置30のユーザ情報記憶部52のパスワード62にあらかじめ登録されているパスワードとの照合により、発信者10の当該着信者12向けの録音メッセージを再生して送信することが認められるユーザであるか否かを録音メッセージ再生装置30において認証するために用いられる。
【0079】
また、再生する録音メッセージのメッセージ番号例えば「99」は、録音メッセージ再生装置30の録音データ記憶部51に録音格納されている録音メッセージのうち、再生して送信すべき録音メッセージを特定するために用いられ、着信者12は、図3のフローチャートにおいて受信した「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストメッセージ」の先頭に付与されているメッセージ番号(例えばメッセージ番号の識別子「■」によって挟まれている番号)を参照することによって取得することができる。
【0080】
また、録音メッセージの再生開始位置情報例えば「02」は、再生して送信すべき録音メッセージとしてメッセージ番号により特定した録音メッセージのうち、録音開始からの無音区間の発生順を示す番号として挿入されている番号のうち、着信者12が聞きたいと思う重要な部分が含まれている音声情報が後続する無線区間を再生開始位置として指定するために用いられるものであり、着信者12は、図3のフローチャートにおいて受信した「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストメッセージ」の要所要所(つまり変換前の音声情報の無音区間を示す時間位置)に挿入されているタイムスタンプ情報(例えばタイムスタンプ情報の識別子「☆」によって挟まれている数値)を参照することによって、録音メッセージのうち、着信者12にとって重要な部分のメッセージを音声情報として再生したい箇所の開始位置を取得することができる。
【0081】
なお、着信端末13は、パスワード、メッセージ番号、再生開始位置情報を、着サブアドレスとして設定する場合について例示したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、例えば、第2ダイヤルトーン送受信機能を備えるようにして、パスワード、メッセージ番号、再生開始位置情報を、第2ダイヤルトーンが送信されてきた後で入力するようにし、着電話番号と分離して入力するようにしても良い。
【0082】
ステップS301において宛先の録音メッセージ再生装置30に発信した後、録音メッセージ再生装置30において、着信者12のユーザ認証が得られると、着信者12が入力したメッセージ番号の録音メッセージについて、再生開始位置情報によって指定した再生位置から、音声情報として再生する動作が行われ、再生した発信者10の音声情報が録音メッセージ再生装置30から着信端末13に対して送信されてくるので、着信者12は、着信端末13から再生出力されてくる録音メッセージを聞き取ることができる(ステップS302)。着信者12は、録音メッセージを聞き終わると、切断を行う(ステップS303)。而して、着信者12は、当該着信者12向けの発信者10の録音メッセージのうち、発信者10自身の音声として聞き取りたい部分を迅速にかつ確実に聴取することができる。
【0083】
次に、図1に示した録音メッセージ再生装置30の動作について、図4の着信端末13におけるフローチャートとともに動作する録音メッセージ再生装置30側における録音メッセージの再生動作の一例を、図5のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図5は、図1の録音メッセージ再生装置30の図3のフローチャートに引き続く録音メッセージ再生装置30側の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、「メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータ」によって発信者10の録音メッセージの概要を目視確認した着信者12の着信端末13からの要求に応じて、当該着信者12向けの発信者10の録音メッセージの重要部分として着信者12によって指定されている部分を音声情報として再生して、要求元の着信端末13に送信するまでの録音メッセージ再生装置30側の動作についてその一例を説明している。
【0084】
なお、図5に示すフローチャートにおいては、網20は、着信端末13からのパスワード例えば「9876」やメッセージ番号例えば「99」や再生開始位置情報例えば「02」を、「呼設定」情報の着サブアドレスとして設定する場合を例示しており、録音メッセージ再生装置30は、受信した「呼設定」情報の着サブアドレスの中からパスワード例えば「9876」やメッセージ番号例えば「99」や再生開始位置情報例えば「02」を抽出する動作を行っている場合について示しているが、前述したように、本発明は、かかる場合のみに限るものではないことは言うまでもない。
【0085】
図4のフローチャートに示す動作によって、録音メッセージの再生を要求する着信端末13からの網20を介した着信呼である「呼設定」情報が送信されてくると、録音メッセージ再生装置30は、まず、呼処理部31を起動して、該「呼設定」情報を解析して、正常な「呼設定」情報であるか否かを判定する(ステップS401)。正常な「呼設定」情報と判定して、当該「呼設定」情報に関する着信シーケンスを進める場合には、次に、該「呼設定」情報に含まれている着信端末13の発電話番号例えば「039876543」とパスワード例えば「9876」とを確認し、該「呼設定」情報を受け付けて、録音メッセージの再生を許可するか否かを判別する(ステップS402)。
【0086】
つまり、照合部32にて、受信した「呼設定」情報に含まれている着信端末13の発電話番号例えば「039876543」により、記憶部50のユーザ情報記憶部52のパスワード62に着信者12のユーザ認証用としてあらかじめ登録されているパスワードを取り出して、受信した「呼設定」情報の着サブアドレスに含まれているパスワード例えば「9876」との照合を行い(ステップS402)、一致していた場合には(ステップS402の「パスワード一致」の場合)、要求された録音メッセージを再生して送信する動作を許可し、一方、不一致の場合は(ステップS402の「パスワード不一致」の場合)、要求された録音メッセージの再生を拒否して、受信した「呼設定」情報に関する着信呼の放棄処理を実施する(ステップS471)。
【0087】
ステップS402において、パスワードが一致して、パスワードによるユーザ認証が得られた場合(ステップS402の「パスワード一致」の場合)、次に、受信した「呼設定」情報の着サブアドレスにメッセージ番号例えば「99」等が存在しているか否かを確認する(ステップS403)。「呼設定」情報の着サブアドレスにメッセージ番号例えば「99」等が存在していない場合は(ステップS403の「メッセージ番号無し」の場合)、どの録音メッセージの再生が要求されているか特定することができないので、「呼設定」情報すなわち着信呼の発生元である着信端末13の着信者12に対して、メッセージ番号の入力を指示するために、まず、通話処理部34を起動して、着信端末13との間の接続を通話状態に設定し(ステップS461)、しかる後、再生・録音部35にて、再生すべき録音メッセージを指定するメッセージ番号の入力を促すための案内メッセージを音声情報として着信端末13に送出した後(ステップS462)、着信端末13からのメッセージ番号の入力を待ち合わせる(ステップS463)。
【0088】
一方、「呼設定」情報の着サブアドレスにメッセージ番号例えば「99」等が存在していた場合は(ステップS403の「メッセージ番号有り」の場合)、通話処理部34によって着信端末13との接続を通話状態に設定した後、次に、再生・録音部35にて、記憶部50の録音データ記憶部51の録音メッセージ73に録音格納されている録音メッセージから、受信した「呼設定」情報の着サブアドレスに設定されているメッセージ番号によって指定された録音メッセージを読み出すとともに、受信した「呼設定」情報の着サブアドレスに再生開始位置情報例えば「02」等が指定されているか否かを確認する(ステップS404)。「呼設定」情報の着サブアドレスに再生開始位置情報例えば「02」等が指定されていない場合は(ステップS404の「再生開始位置情報無し」の場合)、録音メッセージ73から読み出した録音メッセージの先頭から再生を開始し、音声情報として着信端末13に対して送出する(ステップS451)。
【0089】
これに対して、「呼設定」情報の着サブアドレスに再生開始位置情報例えば「02」等が指定されていた場合は(ステップS404の「再生開始位置情報有り」の場合)、録音メッセージ73から読み出した録音メッセージのうち、「呼設定」情報の着サブアドレスに指定されている再生開始位置情報例えば「02」等が示すタイムスタンプ情報の設定位置(時間位置)から再生を開始し、音声情報として着信端末13に対して送出する(ステップS405)。この結果、再生を要求した着信者12の着信端末13から、指定した録音メッセージについて、指定した再生開始時間位置から再生出力されてくることになる。
【0090】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。
【0091】
第1の効果は、着信端末13の着信者12が、当該着信者12向けの録音メッセージについて聴取したい部分から音声情報として直ちに再生させることが可能なことにある。
【0092】
その理由は、着信者12が録音メッセージ再生要求として録音メッセージ再生装置30向けの発信操作を行う際に、再生を要求する録音メッセージを指定するメッセージ番号と該録音メッセージの再生開始位置を指定する再生開始位置情報とを入力し、該メッセージ番号と再生開始位置情報とを含む「呼設定」情報を発信呼として録音メッセージ再生装置30向けに送信しているからである。つまり、該「呼設定」情報を着信呼として受信した録音メッセージ再生装置30においては、呼処理部31における「呼設定」情報の解析段階で、再生すべき録音メッセージと当該録音メッセージの再生開始位置とを決定することができ、通話処理部34にて発信元の着信端末13との通話状態を確立した後、直ちに、指定された録音メッセージについて、指定された再生開始位置から再生・録音部35にて再生して、音声情報として、要求元の着信端末13に送出するからである。
【0093】
第2の効果は、録音メッセージ再生装置30の着信回線を有効に活用することができることにある。
【0094】
その理由は、着信者12が録音メッセージ再生装置30向けの発信操作を行う際に、メッセージ番号と再生開始位置情報との他に、当該着信者12の認証用のパスワードを入力し、該パスワードをも含む「呼設定」情報を発信呼として録音メッセージ再生装置30向けに送信しているからである。つまり、該「呼設定」情報を着信呼として受信した録音メッセージ再生装置30においては、通話状態に設定する前の呼処理部31における「呼設定」情報の解析段階で、照合部32によるパスワード照合結果に基づいて、指定された録音メッセージの再生動作を許可するか否かを判定することができるからである。
【0095】
さらに説明すると、パスワードを知らない不正利用者による録音メッセージ再生装置30へのアクセスがあった場合には、通話を成立させることなく、呼放棄を行うことができるので、録音メッセージ再生装置30への着信回線を占有する時間が「呼設定」情報の解析処理までの時間で終了させることができるからである。
【0096】
さらに、正当な着信者12からのアクセスがあった場合についても、再生すべき録音メッセージの決定を「呼設定」情報の解析処理段階で実施することが可能であるので、通話成立後に、着信者12との間で再生すべき録音メッセージを決定するような通信時間を不要とし、録音メッセージ再生装置30の着信回線の保留時間を節約することができる。さらには、録音メッセージの再生についても、指定された録音メッセージの全てではなく、指定された再生開始位置からの再生のみを行うことが可能であるので、録音メッセージ再生装置30の着信回線の保留時間を節約することができる。
【0097】
第3の効果は、着信者12向けの録音メッセージを当該着信者12が目視確認して、短時間で、当該録音メッセージの概要を理解することができることにある。
【0098】
その理由は、録音メッセージ再生装置30から着信者12向けの録音メッセージをテキストデータに変換して、電子メールとして、当該着信者12の着信端末13に自動的に送信されているからである。着信者12は、録音メッセージ再生装置30からの電子メールを画面表示することによって、録音メッセージの概要を把握することができる。一般に、録音メッセージの全てを音声情報として聴取する場合に比して、録音メッセージの全てがテキストデータに変換されて画面表示されている状態で目視確認する場合の方が、録音メッセージの概要をより短時間で理解することができる。したがって、録音メッセージの概要を把握した着信者12は、当該録音メッセージを音声情報として再生する必要がないと判断した場合においては、録音メッセージ再生装置30の着信回線の保留時間を大幅に短縮することも可能になる。
【0099】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0100】
10 発信者
11 発信端末
12 着信者
13 着信端末
20 網
30 録音メッセージ再生装置
31 呼処理部
32 照合部
34 通話処理部
35 再生・録音部
36 タイムスタンプ部
37 テキスト変換部
38 E−Mail送信部
50 記憶部
51 録音データ記憶部
52 ユーザ情報記憶部
61 E−Mailアドレス
62 パスワード
71 メッセージ番号
72 タイムスタンプ
73 録音メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信者から着信者へ通知する音声情報を録音メッセージとして記憶部に録音格納し、前記着信者からの再生要求に応じて前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージを再生して前記着信者に送出する録音メッセージ再生装置であって、前記着信者へ通知する前記発信者の音声情報を前記録音メッセージとして前記記憶部に録音格納する際に、当該録音メッセージをユニークに特定するためのメッセージ番号と、録音開始からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを、該録音メッセージに関連付けて前記記憶部に格納し、しかる後、前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージをテキストデータに変換し、変換した前記テキストデータに対して前記記憶部に前記録音メッセージに関連付けて格納されている前記メッセージ番号と前記タイムスタンプ情報とを付与したメッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータとして生成し、生成した前記メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータを、電子メールとして、前記着信者の着信端末に自動的に送信することを特徴とする録音メッセージ再生装置。
【請求項2】
前記着信端末からの着信呼として、当該着信端末の着信者をユーザ認証するためのパスワードと、再生する前記録音メッセージを指定するメッセージ番号と、該録音メッセージに関する再生開始位置を指定する再生開始位置情報とを少なくとも含む録音メッセージ再生要求用の呼設定情報を受信した際に、前記パスワードによるユーザ認証が得られた場合、前記呼設定情報の録音メッセージ再生要求を受け付け、前記呼設定情報に含まれている前記メッセージ番号に指定された前記録音メッセージについて、前記呼設定情報に含まれている前記再生開始位置情報に指定された時間位置から当該録音メッセージを再生して、前記着信端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の録音メッセージ再生装置。
【請求項3】
前記着信端末からの録音メッセージ再生要求用の前記呼設定情報に含まれる前記パスワード、前記メッセージ番号、前記再生開始位置情報は、該着信端末の着信者が、宛先を示す着電話番号に引き続く着サブアドレスとして入力した情報であることを特徴とする請求項2に記載の録音メッセージ再生装置。
【請求項4】
前記メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータを生成する際に、前記タイムスタンプ情報を、変換した前記テキストデータのあらかじめ定めた要所要所に埋め込むことによって、前記テキストデータに前記タイムスタンプ情報を付与することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の録音メッセージ再生装置。
【請求項5】
前記タイムスタンプ情報は、前記録音メッセージにあらかじめ定めた時間閾値以上に及ぶ無音区間が存在していることを検出した場合に、該無音区間の録音開始からの経過時間を、録音開始からの発生順を示す番号に対応付けて設定する情報であり、前記タイムスタンプ情報を、変換した前記テキストデータのあらかじめ定めた要所要所に埋め込む際に、前記無音区間が存在する時間位置に該当する前記テキストデータ内の位置に、録音開始からの発生順を示す前記番号を前記タイムスタンプ情報として埋め込むことを特徴とする請求項4に記載の録音メッセージ再生装置。
【請求項6】
発信者から着信者へ通知する音声情報を録音メッセージとして記憶部に録音格納し、前記着信者からの再生要求に応じて前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージを再生して前記着信者に送出する録音メッセージ再生方法であって、前記着信者へ通知する前記発信者の音声情報を前記録音メッセージとして前記記憶部に録音格納する際に、当該録音メッセージをユニークに特定するためのメッセージ番号と、録音開始からの経過時間を示すタイムスタンプ情報とを、該録音メッセージに関連付けて前記記憶部に格納し、しかる後、前記記憶部に録音格納した前記録音メッセージをテキストデータに変換し、変換した前記テキストデータに対して前記記憶部に前記録音メッセージに関連付けて格納されている前記メッセージ番号と前記タイムスタンプ情報とを付与したメッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータとして生成し、生成した前記メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータを、電子メールとして、前記着信者の着信端末に自動的に送信することを特徴とする録音メッセージ再生方法。
【請求項7】
前記着信端末からの着信呼として、当該着信端末の着信者をユーザ認証するためのパスワードと、再生する前記録音メッセージを指定するメッセージ番号と、該録音メッセージに関する再生開始位置を指定する再生開始位置情報とを少なくとも含む録音メッセージ再生要求用の呼設定情報を受信した際に、前記パスワードによるユーザ認証が得られた場合、前記呼設定情報の録音メッセージ再生要求を受け付け、前記呼設定情報に含まれている前記メッセージ番号に指定された前記録音メッセージについて、前記呼設定情報に含まれている前記再生開始位置情報に指定された時間位置から当該録音メッセージを再生して、前記着信端末に送信することを特徴とする請求項6に記載の録音メッセージ再生方法。
【請求項8】
前記着信端末からの録音メッセージ再生要求用の前記呼設定情報に含まれる前記パスワード、前記メッセージ番号、前記再生開始位置情報は、該着信端末の着信者が、宛先を示す着電話番号に引き続く着サブアドレスとして入力した情報であることを特徴とする請求項7に記載の録音メッセージ再生方法。
【請求項9】
前記メッセージ番号・タイムスタンプ付きテキストデータを生成する際に、前記タイムスタンプ情報を、変換した前記テキストデータのあらかじめ定めた要所要所に埋め込むことによって、前記テキストデータに前記タイムスタンプ情報を付与することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の録音メッセージ再生方法。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の録音メッセージ再生方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする録音メッセージ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−44294(P2012−44294A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181577(P2010−181577)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】