説明

長尺ワークの搬送装置

【課題】 簡単な機構で形鋼などの長尺ワークを任意の角度だけ反転でき、しかも設備のコスト高を招来せず、さらにはメンテナンスも容易に行えるようにした長尺ワークの搬送装置を提供する。
【解決手段】 搬送ライン(10)には反転装置(20)とストッパー(30)とを設ける。反転装置の反転ローラ(23)は搬送方向と直交する面内で回転するように設ける。反転ローラの外周面にはワーク受け部(23A)、反転カム溝(23B) 及びワーク戻し部(23C)を形成する。ワーク受け部はストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して長尺ワークを搬送ラインから持ち上げるように変化する形状に形成し、反転カム溝は長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させるように変化する形状に形成し、ワーク戻し部は反転された長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得る形状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は長尺ワークの搬送装置に関し、特に簡単な機構で形鋼などの長尺ワークを任意の角度だけ反転でき、しかも設備のコスト高を招来せず、さらにはメンテナンスも容易に行えるようにした装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺ワーク、例えば形鋼を製造し加工する場合、コンベアやローラによって移送している際、あるいは加工工程中に形鋼を反転させる必要が生じることがある。
【0003】
従来、受け面が形成された受け部材を回転自在又は傾動自在に設け、受け面に形鋼を受け入れると、受け部材を回転又は傾動させ、形鋼を受け面ごと回転又は傾動させて形鋼を反転させるようにした長尺ワークの反転装置が知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
【0004】
また、チェーンブロックで形鋼を吊り上げて反転させるようにした長尺ワークの反転装置も提案されている(特許文献6)。
【0005】
【特許文献1】特開平11−310320号公報
【特許文献2】特開平01−127518号公報
【特許文献3】特開昭55−22414号公報
【特許文献4】特開昭51−886528号公報
【特許文献5】実開昭64−7120号公報
【特許文献6】特開平01−52917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜6記載の長尺ワークの反転装置では受け部材を回転又は傾動させあるいはチェーンブロックを吊り上げるための駆動機構を必要とし、装置が複雑かつ大型になり、設備コストが高く、さらにはメンテナンスがし難いという問題があった。
【0007】
ところで、工場レイアウトの都合などにより、長尺ワークを搬送方向に直交させた姿勢で搬送するように搬送ラインを構築しなければならないことがあるが、かかる長尺ワークの搬送装置においても長尺ワークを反転させることが求められることがある。
【0008】
本発明はかかる状況に鑑み、形鋼などの長尺ワークを搬送方向に直交させた姿勢で搬送でき、その搬送中に簡単な機構で長尺ワークを任意の角度だけ反転でき、しかも設備のコスト高を招来せず、さらにはメンテナンスも容易に行えるようにした長尺ワークの搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明に係る長尺ワークの反転装置は、搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する一方、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの搬送装置であって、上記搬送ラインには反転装置とストッパーとが設けられ、上記反転装置には反転ローラが搬送方向と直交する面内で回転するように設けられ、上記反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は反転ローラの回転に伴って上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して長尺ワークを搬送ラインから持ち上げるように変化する形状を有し、該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は反転ローラの回転に伴って反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得るように変化する形状を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の特徴の1つは反転ローラを搬送方向に直交する面内で回転するように設け、反転ローラの回転に伴って形状が変化するワーク受け部、反転カム溝及びワーク戻し部を反転ローラの外周面に形成し、反転ローラを回転させ、搬送されてきた長尺ワークがワーク受け部上に搭載されると、長尺ワークを搬送ラインから持ち上げ、反転カム溝によって反転させ、ワーク戻し部によって持ち下げて搬送ラインに戻すようにした点にある。
【0011】
これにより、反転装置の設備は特許文献1〜6に比して小形かつ簡単に構築でき、設備のコスト高を招来することはなく、又メンテナンスも容易に行うことができる。
【0012】
上記ではワーク受け部及びワーク戻し部の形状によって長尺ワークを搬送ラインから持ち上げ、搬送ラインに戻すようにしたが、反転ローラの形状が複雑となり、加工が煩雑である。そこで、リフターによって反転ローラを昇降させると、真円盤状ローラの外周面にワーク受け部、反転カム溝及びワーク戻し部を加工することができ、加工性をアップできる。リフターは昇降できる機構であればよく、公知のリフターを採用できる。
【0013】
即ち、本発明に係る長尺ワークの搬送装置は、搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する一方、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの搬送装置であって、上記搬送ラインには反転装置とストッパーとが設けられ、上記反転装置には反転ローラが搬送方向と直交する面内で回転するように設けられるとともに、反転ローラを昇降させるリフターが設けられ、上記反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は上記反転ローラがリフターによって上昇されたときに上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げる形状を有し、該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は上記反転ローラがリフターによって下降されたときに反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得る形状を有することを特徴とする。
【0014】
搬送ラインは長尺ワークを搬送できれば特に限定されず、ベルトコンベア、ローラコンベア、プッシャーなど、公知の方式を採用することができる。
【0015】
長尺ワークを搬送方向に直交する姿勢で搬送する場合、複数の搬送ラインを相互に平行に延びて設け、複数の搬送ラインの間に反転装置及びストッパーを設けるように構成するのがよい。
【0016】
また、本発明に係る長尺ワークの反転装置は、搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置であって、搬送方向と直交する面内で回転するように設けられる反転ローラと該反転ローラを回転させる駆動源とを備え、上記反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は反転ローラの回転に伴って上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げるように変化する形状を有し、該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は反転ローラの回転に伴って反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得るように変化する形状を有することを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明に係る長尺ワークの反転装置は、搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置であって、搬送方向と直交する面内で回転するように設けられる反転ローラと、該反転ローラを回転させる駆動源と、反転ローラを昇降させるリフターとを備え、該反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は上記反転ローラがリフターによって上昇されたときに上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げる形状を有し、該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間における部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は上記反転ローラがリフターによって下降されたときに反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得る形状を有することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る反転ローラは、搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置において、該反転装置に用いられる反転ローラであって、外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は回転に伴って上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げるように変化する形状を有し、該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は回転に伴って反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得るように変化する形状を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る反転ローラは、搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置において、該反転装置に用いられる反転ローラであって、外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部はリフターによって上昇されたときに上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げる形状を有し、該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は上記リフターによって下降されたときに反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得る形状を有することを特徴とする。
【0020】
反転ローラの材質は特に限定されず、金属材料や合成樹脂材料を用いることができる。持上げカム面、反転カム溝及び持下げカム面は反転ローラの外周面に円周方向に延びて形成されていればよい。
【0021】
ワーク受け部及びワーク戻し部は溝形状としてもよいが、長尺ワークを円滑に搭載し搬送ラインに円滑に戻せるように、平坦な形状とするがよい。
【0022】
反転カム溝の形状は持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状に形成されていればよく、反転させるべき長尺ワークの断面形状に応じて適宜選択される。
【0023】
駆動源は反転ローラを回転駆動できれば特に方式は限定されず、ギヤードモータ、パルス制御モータ、エアー駆動アクチュエータ、油圧駆動アクチュエータなどを用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図5は本発明に係る長尺ワークの搬送装置の好ましい実施形態を示す。図において、複数の搬送ライン10が同一高さでかつ相互に平行に配置され、搬送ライン10は例えばベルトコンベアによって構成され、左右2本の隣接する搬送ライン10の間には反転装置20及びストッパー30が搬送方向に対して同一位置に設けられている。
【0025】
この反転装置20において、搬送装置の固定構造部分、例えば搬送ライン10のフレーム(図示せず)にはベース21が設置され、ベース21には取付けブラケット22が固定され、取付けブラケット22の軸受22Aには反転ローラ23のシャフトが回転自在に支持され、反転ローラ23のシャフトは継手25によってギアードモータ24の回転軸に連結され、ギアードモータ24はブラケットによってベース21に取付けられている。なお、ギヤードモータに代え、パルス制御モータ、エアー駆動アクチュエータ、油圧駆動アクチュエータなどの他の駆動源を用いることもできる。
【0026】
反転ローラ23は搬送ライン10の搬送方向に対して直交する面内において回転し得るように設定され、反転ローラ23の外周面には回転基準位置Aから反回転方向に向けて全周にわたってワーク受け部23A、反転カム溝23B及びワーク戻し部23Cが連続して形成されている。
【0027】
ワーク受け部23Aは回転基準位置Aが搬送地ライン10よりも下方に位置し、反転ローラ23の回転に伴って搬送ライン10によって搬送されストッパー30によって停止された長尺ワークWを搭載して長尺ワークWを搬送ライン10から持ち上げるように連続的に変化する形状に形成されている。
【0028】
反転カム溝23Bは反転開始位置Bから反転終了位置Cの間の部分が持ち上げられた長尺ワークWを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように連続的に変化する形状に形成されている。
【0029】
ワーク戻し部23Cは反転ローラ23の回転に伴って反転姿勢の長尺ワークWを持ち下げて搬送ライン10に戻し得るように連続的に変化する形状に形成されている。
【0030】
ストッパー30はエアーシリンダなどの駆動源機構に出没自在に構成されている。
【0031】
例えば、角棒Wが複数の搬送ライン10上を搬送方向に直交する姿勢で搬送されてくると、突出されたストッパー30と当接して停止される。このとき、角棒Wは2つの反転装置20の反転ローラ23のワーク受け部23A上に位置している(図6の(a)参照)。
【0032】
次に、ギアードモータ24を作動させると、反転ローラ23が回転を開始する。すると、反転ローラ23の回転に伴ってワーク受け部23Aが角棒Wと接触し、角棒Wを停止した姿勢のままで搬送ライン10から持ち上げる(図6の(b)参照) 。
【0033】
反転ローラ23がさらに回転し、角棒Wが反転カム溝23Bの反転開始位置Bに達すると、角棒Wは反転カム面23Bの形状により、停止された最初の姿勢から連続的に回転され、反転終了位置Cまで来ると、所定の反転姿勢となる(図6の(b)〜(h)参照)。
【0034】
反転ローラ23がさらに回転すると、角棒Wはワーク戻し部23Cに達し、ワーク戻し部23Cの形状により反転された姿勢のままで次第に降ろされ、回転基準位置Aに達した時には完全に搬送ライン10に戻される(図6の(h)(i)参照)。
【0035】
このとき、ストッパー30は没入されているので、反転された角棒Wは再び搬送ライン10によって搬送方向に搬送される。
【0036】
図6ないし図8は第2の実施形態を示し、図において図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では反転装置20’には反転ローラ23’を昇降させるリフター26が設けられている一方、反転ローラ23’の外周面は真円状をなし、ワーク受け部23A’及びワーク戻し部23C’は真円状に形成されている。
【0037】
例えば、角棒Wが複数の搬送ライン10上を搬送方向に直交する姿勢で搬送されてくると、突出されたストッパー30と当接して停止される。次に、リフター26によって反転ローラ23’を上昇させると、ワーク受け部23A’が角棒Wと接触し、角棒Wを停止した姿勢のままで搬送ライン10から持ち上げる。
【0038】
次に、ギアードモータ24’を作動させると、反転ローラ23’が回転を開始する。角棒Wが反転カム溝23B’の反転開始位置Bに達すると、角棒Wは反転カム面23B’の形状により、停止された最初の姿勢から連続的に回転され、反転終了位置Cまで来ると、所定の反転姿勢となる。
【0039】
反転ローラ23’がさらに回転すると、角棒Wはワーク戻し部23C’に達するので、反転ローラ23’の回転を停止させる。最後に、リフター26によって反転ローラ23’を降下させると、長尺ワークWは反転された姿勢のままで次第に降ろされ、反転ローラ23’が最下方位置まで降下すると、完全に搬送ライン10に戻される。
【0040】
このとき、ストッパー30は没入されているので、反転された角棒Wは再び搬送ライン10によって搬送方向に搬送される。
【0041】
図9は本発明が適用できる長尺ワークの形状及び反転カム溝の形状の他の例を示す。本発明が適用できる長尺ワークには六角棒、楕円棒、山形鋼、軽量山形鋼、みぞ形鋼、不等辺山形鋼、角パイプ、レール、四角棒、平鋼棒、H形鋼、I形鋼、T形鋼などの種々の長尺ワークの反転搬送に適用でき、又長尺ワークの形状及び反転角度に応じて反転カム溝の断面形状を選択すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る長尺ワークの搬送装置の好ましい実施形態を示す概略平面構成図である。
【図2】上記実施形態における反転装置の構成例を示す側面図である。
【図3】上記実施形態における反転ローラを示す側面図である。
【図4】上記実施形態における反転ローラを示す断面図である。
【図5】上記実施形態の動作を説明するための図である。
【図6】第2の実施形態を示す正面構成図である。
【図7】上記実施形態における反転装置の構成例を示す側面図である。
【図8】上記実施形態における反転ローラを示す側面図である。
【図9】本発明が適用できる他の長尺ワーク及び反転カム溝の例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
10 搬送ライン
20、20’ 反転装置
23、23’ 反転ローラ
23A、23A’ ワーク受け部
23B、23B’ 反転カム溝
23C、23C’ ワーク戻し部
30 ストッパー
W 角棒(長尺ワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する一方、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの搬送装置であって、
上記搬送ラインには反転装置とストッパーとが設けられ、上記反転装置には反転ローラが搬送方向と直交する面内で回転するように設けられ、
上記反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は反転ローラの回転に伴って上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して長尺ワークを搬送ラインから持ち上げるように変化する形状を有し、
該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、
上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は反転ローラの回転に伴って反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得るように変化する形状を有することを特徴とする長尺ワークの搬送装置。
【請求項2】
搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する一方、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの搬送装置であって、
上記搬送ラインには反転装置とストッパーとが設けられ、上記反転装置には反転ローラが搬送方向と直交する面内で回転するように設けられるとともに、反転ローラを昇降させるリフターが設けられ、
上記反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は上記反転ローラがリフターによって上昇されたときに上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げる形状を有し、
該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、
上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は上記反転ローラがリフターによって下降されたときに反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得る形状を有することを特徴とする長尺ワークの搬送装置。
【請求項3】
複数の搬送ラインが相互に平行に延びて設けられ、該複数の搬送ラインの間に上記反転装置及びストッパーが設けられている請求項1又は2記載の長尺ワークの搬送装置。
【請求項4】
搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置であって、
搬送方向と直交する面内で回転するように設けられる反転ローラと該反転ローラを回転させる駆動源とを備え、
上記反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は反転ローラの回転に伴って上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げるように変化する形状を有し、
該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、
上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は反転ローラの回転に伴って反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得るように変化する形状を有することを特徴とする長尺ワークの反転装置。
【請求項5】
搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ、搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置であって、
搬送方向と直交する面内で回転するように設けられる反転ローラと、該反転ローラを回転させる駆動源と、反転ローラを昇降させるリフターとを備え、
該反転ローラの外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は上記反転ローラがリフターによって上昇されたときに上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げる形状を有し、
該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間における部分は反転ローラの回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、
上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は上記反転ローラがリフターによって下降されたときに反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得る形状を有することを特徴とする長尺ワークの反転装置。
【請求項6】
搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置において、該反転装置に用いられる反転ローラであって、
外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部は回転に伴って上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げるように変化する形状を有し、
該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、
上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は回転に伴って反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得るように変化する形状を有することを特徴とする反転ローラ。
【請求項7】
搬送ラインによって長尺ワークを搬送方向に直交させた状態で搬送する搬送装置における上記搬送ラインに設けられ搬送中に長尺ワークをその長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させ得るようにした長尺ワークの反転装置において、該反転装置に用いられる反転ローラであって、
外周面の回転基準位置から反回転方向側の部分にはワーク受け部が形成され、該ワーク受け部はリフターによって上昇されたときに上記搬送ラインによって搬送され上記ストッパーによって停止された長尺ワークを搭載して搬送ラインから持ち上げる形状を有し、
該ワーク受け部の終端から反回転方向側に連続する部分には反転カム溝が形成され、該反転カム溝の反転開始位置から反転終了位置の間の部分は回転に伴って上記持ち上げられた長尺ワークを長手方向の軸線廻りに所定の角度だけ反転させた反転姿勢に向けて回転させるように変化する形状を有し、
上記反転カム溝の終端と上記回転基準位置との間の部分にはワーク戻し部が形成され、該ワーク戻し部は上記リフターによって下降されたときに反転姿勢の長尺ワークを持ち下げて搬送ラインに戻し得る形状を有することを特徴とする反転ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−156063(P2008−156063A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346982(P2006−346982)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(598009201)株式会社関西技研 (5)
【Fターム(参考)】