説明

長時間作用型DNAデンドリマーおよびその方法

本発明は、siRNA分子と組み合わせたDNAデンドリマーを含む独特な組成物を提供する。さらに、siRNA分子と組み合わせたDNAデンドリマーを含む組成物を調製する方法、DNAデンドリマーsiRNA複合体を体液中での分解から保護する方法、DNAデンドリマーを体液中での分解から保護する方法、およびDNAデンドリマーを体液中に送達する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物ならびにそれを調製、保護、および送達する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
樹状分子は、構造完全性を特徴とする繰り返し枝分かれした種である。これは、対称性と多分散性の両方の評価に基づくものである。樹状分子の分野は、低分子量種と高分子量種に大きく分けることができる。第1のカテゴリーには、デンドリマーとデンドロンが含まれ、第2のカテゴリーには、デンドロン化ポリマー、超分岐ポリマー、およびブラシポリマーが含まれる。
【0003】
最初のデンドリマーはダイバージェントに合成されたが、1990年にコンバージェント合成が導入された。その後、その独特の分子構造ゆえに、デンドリマーにおいて科学的関心が急増した。
【0004】
DNAデンドリマーは、相互接続した天然または合成DNAサブユニットから構築された複雑な高分岐分子である。DNAデンドリマーは、部分的二本鎖DNAモノマーから構築され、この部分的二本鎖DNAモノマーは各々、各鎖の中央部分にある配列相補性領域を共有する2つの一本鎖DNA分子から作られる。モノマーは、製造プロセスの間に組み合わされて、様々な大きさや形状のDNAデンドリマーが製造される。DNAデンドリマーが時間とともに壊れてゆくのを防ぐために、このプロセスの間に、UV光を用いて、ソラーレン架橋剤の挿入と活性化によって、成長するアセンブリに化学的な「スポット溶接点」を付加する。
【0005】
DNAデンドリマーをはじめとする、多分子骨格装置は、細胞トランスフェクション剤、イメージング剤、および薬物送達剤として有用であり得る。具体的には、DNAデンドリマーは、ターゲッティング装置(例えば、細胞のエンドサイトーシスによる内在化事象を誘発することができる細胞表面特徴に特異的な抗体)と結合しており、ターゲッティングされる細胞上の表面特徴に結合して、積み荷(例えば、薬物)の送達を受容することができる。積み荷は、ターゲッティングされたDNAデンドリマーと受動的に会合して、単にこのデンドリマーとの空間的会合によって細胞に侵入し得るか、または積み荷は、いくつかの付着戦略によってデンドリマーに直接結合させ得る。
【0006】
siRNA分子によって誘発される典型的な応答は、mRNAノックダウンまたは定常状態mRNAレベルの低下と呼ばれており、siRNA分子の配列は、どの遺伝子(単数または複数)がノックダウンの標的とされるかを決定する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態では、本発明は、siRNA分子に付着したDNAデンドリマーを含む組成物を提供する。
【0008】
本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーとsiRNA分子とを含む組成物を調製する方法であって、(a)ジスルフィド架橋結合によって;(b)NHSエステル依存的縮合反応の使用によって;(c)ヘテロ二官能性架橋反応の使用によって;(d)siRNAのDNAデンドリマー配列への直接的もしくは間接的ハイブリダイゼーションによって;または(e)電荷−電荷相互作用を介してsiRNA分子をDNAデンドリマーに架橋するポリカチオン性化合物の使用によって、siRNAをDNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法を提供する。
【0009】
本発明の別の実施形態では、本発明は、siRNA分子を分解から保護する方法であって、(a)siRNA分子と(b)タンパク質、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、またはその任意の組合せとをDNAデンドリマーに付着させ、それにより、siRNA分子を分解から保護する工程を含む方法を提供する。
【0010】
本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを体液中での分解から保護する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、PEG部分を含む分子、ビオチンもしくはビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、またはその任意の組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを体液中でのヌクレアーゼ分解から保護する工程を含む方法を提供する。
【0011】
本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを体液中に送達する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、PEG部分を含む分子、ビオチンもしくはビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、またはその任意の組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを体液中に送達する工程を含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】デンドリマー成分の調製に使用されるDNA鎖とモノマーの図である。
【図2】様々なモノマーを添加したときのDNAデンドリマーの(層としての)連続的な成長を示す、DNAデンドリマーアセンブリ工程の図である。
【図3】DNAデンドリマーの精製工程の図である。
【図4】特定のオリゴとシグナル分子の付着を含むDNAデンドリマー(4a);オリゴライゲーションによってデンドリマーに結合した標的特異性の拡大像(4b);および標識オリゴのデンドリマーアームへの共有結合的付着の拡大像(4c)の図である。
【図5】未修飾の4層DNAデンドリマー、0〜120分(5a);および修飾された4層DNAデンドリマー 0〜120分(抵抗性)(5b)の分解を示すゲルのマイクロ写真。
【図6】未修飾の4層DNAデンドリマー 0〜960分(6a);および修飾された4層DNAデンドリマー 0〜960分(抵抗性)(6b)の分解を示すゲルのマイクロ写真。
【図7】(DNAオリゴ合成用の)6炭素アミノリンカーアミダイト構造物(7A);(DNAオリゴ合成用の)12炭素アミノリンカーアミダイト構造物(7B);(DNAオリゴ合成用の)7炭素内部アミノリンカーアミダイト構造物(7C);(DNAオリゴ合成用の)dT内部アミノリンカーアミダイト構造物(7D)の化学構造。
【図8】NHSエステルの化学構造;Cy(商標)3 NHSエステル(8a) 励起極大=548nm、放出極大=562nm;Cy5 NHSエステル(8b) 励起極大=646nm、放出極大=664nm。
【図9】Oyster 550−Dの化学構造(9a);およびOyster 650−Dの化学構造(9b)。
【図10】(DNAオリゴ合成用の)ビオチン−BB−CPGアミダイト構造物(10a);(DNAオリゴ合成用の)ビオチン−dTアミダイトの構造物(10b);(DNAオリゴ合成用の)ビオチン−TEGアミダイトC9O4スペーサーの構造物(10c);(DNAオリゴ合成用の)ビオチン−TEGアミダイトC4スペーサーの構造物(10d)の化学構造。
【図11】ジゴキシゲニン11−UTPとそのレポーターの化学構造。
【図12】DNAデンドリマーとともに利用されるsiRNA RNA−DNAハイブリッド構築物:SSB siRNA(12a)および陰性対照siRNA(12b)のアンチセンス鎖およびセンス鎖の配列;16塩基のDNAリンカー配列を有するSSB(12c)および16塩基のリンカー配列を有する陰性対照(mRNA標的なし)(12d)のアンチセンス鎖およびセンス鎖の配列;21塩基のDNAリンカーを有するSSB(12e)および21塩基のリンカー配列を有する陰性対照(mRNA標的なし)(12f)のアンチセンス鎖およびセンス鎖の配列;ならびに;26塩基のDNAリンカー配列を有するSSB(12g)および26塩基のリンカー配列を有する陰性対照(mRNA標的なし)(12h)のアンチセンス鎖およびセンス鎖の配列。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態では、本発明は、siRNA分子に付着したDNAデンドリマーを含む組成物を提供する。本発明の別の実施形態では、組成物は、DNAデンドリマーにさらに付着したタンパク質、フルオレセインもしくは限定するものではないが、FITCなどのフルオレセイン誘導体、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せをさらに含む。驚くべきことに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せをDNAデンドリマーに付着させることにより、DNAデンドリマーが体液分解や血清分解から保護されることが発見された。別の驚くべき観察では、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せをDNAデンドリマーに付着させることにより、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子を体液分解や血清分解から保護することが発見された。別の驚くべき観察では、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、または任意のその組合せをDNAデンドリマーに付着させることにより、DNAデンドリマーが体液分解や血清分解から保護されることが発見された。別の驚くべき観察では、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、または任意のその組合せをDNAデンドリマーに付着させることにより、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子がヌクレアーゼ依存的分解から保護されることが発見された。
【0014】
本発明の別の実施形態では、ヌクレアーゼはタンパク質DNアーゼである。本発明の別の実施形態では、ヌクレアーゼは外因性DNアーゼである。本発明の別の実施形態では、ヌクレアーゼは、当業者に公知の任意の様々なタンパク質DNアーゼであってもよい。本発明の別の実施形態では、血清分解は血清ヌクレアーゼ分解である。驚くべきことに、タンパク質、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、または任意のその組合せをDNAデンドリマーに付着させることにより、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が血清分解に対して安定化されることが発見された。
【0015】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、組成物を分解から保護する保護基を含む。本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、組成物を、例えば、血清、血液血漿などの体液中での分解から保護する保護基を含む。本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、組成物をヌクレアーゼ依存的分解から保護する保護基を含む。本発明の別の実施形態では、保護基は、DNAデンドリマーを安定化する化合物または分子である。本発明の別の実施形態では、保護基は、DNAデンドリマーを分解から保護する化合物または分子である。本発明の別の実施形態では、保護基は、DNAデンドリマーを体液中での分解から保護する化合物または分子である。本発明の別の実施形態では、保護基は、DNAデンドリマーを血清中での分解から保護する化合物または分子である。
【0016】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも0.3時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも0.5時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも0.7時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも1時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも1.5時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも2時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも3時間安定である。別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも4時間安定である。別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも5時間安定である。別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも6時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも7時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも8時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも9時間安定である。別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも10時間安定である。別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも11時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも12時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも2時間安定である。別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも13時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも14時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも15時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも16時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも20時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも24時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも30時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも36時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも48時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも60時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で、少なくとも72時間安定である。
【0017】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で1〜24時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で1〜20時間安定である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で5〜15時間安定である。別の実施形態では、本明細書に記載の安定化された組成物は、血清中、血清を含む組成物中、血液中、または任意の他の体液中で10〜16時間安定である。
【0018】
本発明の別の実施形態では、本発明は、抗体またはその断片とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、抗体は、コンジュゲート抗体である。本発明の別の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。本発明の別の実施形態では、抗体は、ポリクローナル抗体である。本発明の別の実施形態では、抗体は、単鎖Fv断片(SCFV)抗体である。本発明の別の実施形態では、抗体は、任意の抗体または当業者に公知のコンジュゲート抗体である。
【0019】
本発明の別の実施形態では、本発明は、色素分子とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、リンカーまたはスペーサーに付着した検出可能標識を含む色素分子(図8および図9)とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、フルオロフォアとDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、フルオレセインとDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、FITCはフルオレセイン誘導体と呼ばれる。
【0020】
本発明の別の実施形態では、本発明は、ウレイド(テトラヒドロイミジザロン)環を含む分子とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、テトラヒドロチオフェン環を含む分子とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、吉草酸置換基を含む分子とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、脂肪酸の代謝で補因子として働く分子とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、ロイシンの代謝で補因子として働く分子とDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、ビオチンとDNAデンドリマーに付着したsiRNA分子とを含む組成物をさらに提供する。
【0021】
本発明の別の実施形態では、「ビオチン」という用語は、既知のビオチン誘導体を含む。本発明の別の実施形態では、ビオチン誘導体はストレプトアビジンに結合する。本発明の別の実施形態では、「フルオレセイン」という用語は、既知のフルオレセイン誘導体を含む。
【0022】
本発明の別の実施形態では、本発明は、血清をさらに含む、本明細書に記載の組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、血液をさらに含む、本明細書に記載の組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、抗体、電解質、および可溶性タンパク質をさらに含む、本明細書に記載の組成物をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、カチオン性の薬剤をさらに含む。
【0023】
本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーとsiRNA分子とを含む組成物を調製する方法であって、(a)ジスルフィド架橋結合によって;(b)N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル依存的縮合反応の使用によって;(c)二官能性架橋反応の使用によって;(d)siRNAのDNAデンドリマー配列への直接的もしくは間接的ハイブリダイゼーションによって;または(e)電荷−電荷相互作用を介してsiRNA分子をDNAデンドリマーに架橋するポリカチオン性化合物の使用によって、siRNAをDNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DΝAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せを付着させる工程をさらに含む方法をさらに提供する。
【0024】
本発明の別の実施形態では、本発明は、siRNA分子を分解から保護する方法であって、(a)siRNA分子と(b)タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せとをDNAデンドリマーに付着させ、それにより、siRNA分子を分解から保護する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、タンパク質、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が安定化された。本発明の別の実施形態では、タンパク質、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセイン、または任意のその組合せのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、タンパク質、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセイン、または任意のその組合せのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が血清分解に対して予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が血清分解に対して予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、ビオチンのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が血清分解に対して予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、PEGのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が血清分解に対して予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、FITCのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が血清分解に対して予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、フルオレセインのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子が血清分解に対して予想外に安定化される。
【0025】
本発明の別の実施形態では、siRNA分子を分解から保護する方法であって、DNAデンドリマーに、DNA分子、RNA分子、タンパク質、ペプチド、化学療法剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、静菌剤、向精神剤、スタチン、神経障害因子、ホルモン、ACE阻害剤、抗凝固因子、鎮痛剤、抗血管新生剤、血管形成剤、増殖因子、増殖因子阻害剤、または任意のその組合せを含む分子を付着させる工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0026】
本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーを体液中での分解から保護する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、PEG部分を含む分子、ビオチンもしくはビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、または任意のその組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを体液中での分解から保護する工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0027】
本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーと、DNA分子、RNA分子、タンパク質、ペプチド、化学療法剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、静菌剤、向精神剤、スタチン、神経障害因子、ホルモン、ACE阻害剤、抗凝固因子、鎮痛剤、抗血管新生剤、血管形成剤、増殖因子、増殖因子阻害剤、または任意のその組合せとを含む組成物を調製する方法であって、(a)ジスルフィド架橋結合によって;(b)N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル依存的縮合反応の使用によって;(c)ヘテロ二官能性架橋反応の使用によって;(d)siRNAのDNAデンドリマー配列への直接的もしくは間接的ハイブリダイゼーションによって;または(e)電荷−電荷相互作用を介してsiRNAをDNAデンドリマーに架橋するポリカチオン性化合物の使用によって、siRNAをDNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0028】
低分子量蛍光色素(10,000ダルトン未満)のDNAデンドリマーへの付着が、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物を安定化することが予想外に発見された。リンカーまたはスペーサーに付着した蛍光分子を含む、低分子量蛍光色素(10,000ダルトン未満)のDNAデンドリマーへの付着が、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物を安定化することが予想外に発見された。本発明の別の実施形態では、リンカーまたはスペーサーに付着した蛍光分子を含む低分子量蛍光色素(10,000ダルトン未満)のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が安定化される。本発明の別の実施形態では、限定するものではないが、Cy3またはCy5(図8)などのシアニン色素のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、限定するものではないが、Oyster 550またはOyster 650(図9)などの、リンカーまたはスペーサーに付着したOyster色素分子を含むOyster色素のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、限定するものではないが、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 655、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、 またはAlexa Fluor 700などの、リンカーまたはスペーサーに付着したAlexa Fluor分子を含むAlexa Fluor色素のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、リンカーまたはスペーサーに付着したフルオレセイン分子を含むフルオレセイン、および限定するものではないが、FITC、5/6−カルボキシフルオレセインスクシニミジルエステル、5/6−FAM SE、または5(6)フルオレセインイソチオシアネート混合異性体である5/6−FITCなどの誘導体のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に安定化される。本発明の別の実施形態では、リンカーまたはスペーサーに付着したBODIPY分子を含むBODIPY 630/650のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に安定化される。
【0029】
本発明の別の実施形態では、限定するものではないが、DNAデンドリマー構造物に前もって組み込まれたビオチンに結合した、(ストレプトアビジンにコンジュゲートされた)R−フィコエリスリン、DNAデンドリマー構造物に前もって組み込まれたビオチンに結合した、(ストレプトアビジンにコンジュゲートされた)B−フィコエリスリン、またはDNAデンドリマー構造物に前もって組み込まれたビオチンに結合した、(ストレプトアビジンにコンジュゲートされた)アロフィコシアニン(APC)などの高分子量蛍光色素(50,000ダルトン超)のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に安定化される。
【0030】
本発明の別の実施形態では、限定するものではないが、ビオチンおよび誘導体、(DNAデンドリマーまたはオリゴヌクレオチド構造物に前もって組み込まれた1級アミンに共有結合させるための)NHS−ビオチン、(合成DNAオリゴヌクレオチド合成用の)ビオチン−BB−CPGアミダイト、(合成DNAオリゴヌクレオチド合成用の)ビオチン−dTアミダイトアミダイト、(合成DNAオリゴヌクレオチド合成用の)ビオチン−BB−CPGアミダイト、またはジゴキシゲニン誘導体などの非蛍光性低分子量化合物のDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に安定化される。
【0031】
本発明の別の実施形態では、コレステロールTEG 5’/3’アミダイト、プロピル3’スペーサーアミダイト、12炭素スペーサーアミダイト、18炭素スペーサーアミダイト、6炭素アミノリンカーアミダイト、12炭素アミノリンカーアミダイト、7炭素内部アミノリンカーアミダイト、またはdT内部アミノリンカーアミダイトを含むオリゴヌクレオチドのDNAデンドリマーへの付着により、DNAデンドリマーを含む組成物またはDNAデンドリマーとそれに付着したsiRNA分子とを含む組成物が予想外に分解から保護される。
【0032】
本発明の別の実施形態では、シアニン、Oyster、およびAlexa Fluor色素は、直接的にDNAデンドリマー構造物の上にあるかまたは後でDNAデンドリマー構造物にハイブリダイズさせられ、架橋される合成オリゴヌクレオチドの上にあるかのいずれかの1級アミンに共有結合したNHS−エステル色素コンジュゲートとして、DNAデンドリマー構造物に組み込まれている。本発明の別の実施形態では、合成オリゴヌクレオチドの(標識アミダイトとしての)合成中にあるいは標識RNAおよび/またはDNAヌクレオチド(リボヌクレオチドおよび/またはデオキシリボヌクレオチド)を取り込むRNAもしくはDNAポリメラーゼの使用によって組み込まれるDNAおよび/およびRNAヌクレオチド。本発明の別の実施形態では、前もってDNAデンドリマー構造物に組み込まれたビオチンに結合するストレプトアビジンコンジュゲート。
【0033】
本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清分解または体液分解から保護する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを血清ヌクレアーゼ分解から保護する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清分解または体液分解から保護する方法であって、抗体またはその断片をDNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清分解または体液分解から保護する方法であって、ビオチンまたはビオチン誘導体をDNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清分解から保護する方法であって、FITCをDNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清分解または体液分解から保護する方法であって、フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体をDNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法をさらに提供する。
【0034】
本発明の別の実施形態では、本発明は、生物活性を含む分子を運ぶDNAデンドリマーを保護する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せを付着させ、それにより、生物活性を含む分子を運ぶDNAデンドリマーを血清ヌクレアーゼ分解から保護する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は酵素である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は治療剤である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は化学療法剤である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子はサイトカインである。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子はケモカインである。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子はホルモンである。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は神経伝達物質である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は神経伝達物質前駆体である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は神経伝達物質アゴニストである。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は神経伝達物質アンタゴニストである。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は非ステロイド性抗炎症剤である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子はビタミンである。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は凝固因子である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子はキレート剤である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子はペプチドである。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子はタンパク質である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は酵素である。本発明の別の実施形態では、生物活性を含む分子は脂質である。
【0035】
本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを体液中に送達する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセイン、または任意の組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを血清中に送達する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを体液中に送達する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセイン、または任意の組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを、血清を含む組成物か、または体液中に送達する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清または体液中に送達する方法であって、DNAデンドリマーに抗体またはその断片を付着させ、それにより、DNAデンドリマーを、血清を含む組成物か、または体液中に送達する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを、血清を含む組成物か、または体液中に送達する方法であって、DNAデンドリマーにビオチンを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを血清中に送達する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清または体液中に送達する方法であって、DNAデンドリマーに色素分子を付着させ、それにより、DNAデンドリマーを血清を含む組成物か、または体液中に送達する工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、DNAデンドリマーを血清中に送達する方法であって、DNAデンドリマーにPEGを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを、血清を含む組成物か、または体液中に送達する工程を含む方法をさらに提供する。
【0036】
本発明の別の実施形態では、本発明は、核酸分子に付着したDNAデンドリマーを血清中に送達する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、または任意のその組合せを付着させる工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、siRNA分子に付着したDNAデンドリマーを血清中に送達する方法であって、DNAデンドリマーに、タンパク質、ペプチド、アプタマー、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、蛍光色素、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、FITC、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセインまたは任意のその組合せを付着させる工程を含む方法をさらに提供する。
【0037】
本発明の別の実施形態では、送達は、インビトロ混合である。本発明の別の実施形態では、送達は、インビボ送達である。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の組成物または記載されたような付着で修飾されたDNAデンドリマーのインビボ送達は、限定するものではないが、静脈内注射または動脈内注射などの、当業者に公知の方法で行なわれる。
【0038】
本発明の別の実施形態では、本発明は、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする方法であって、細胞を、DNAデンドリマーと本明細書に記載のsiRNA分子とを含む組成物と接触させ、それにより、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする方法であって、細胞を、DNAデンドリマーと抗体またはその断片と本明細書に記載のsiRNA分子とを含む組成物と接触させ、それにより、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする方法であって、細胞を、DNAデンドリマーとビオチンと本明細書に記載のsiRNA分子とを含む組成物と接触させ、それにより、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする工程を含む方法をさらに提供する。本発明の別の実施形態では、本発明は、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする方法であって、細胞を、DNAデンドリマーと色素分子と本明細書に記載のsiRNA分子とを含む組成物と接触させ、それにより、細胞にsiRNA分子をトランスフェクトする工程を含む方法をさらに提供する。
【0039】
本発明の別の実施形態では、核酸分子は、非共有結合によってDNAデンドリマーに付着している。本発明の別の実施形態では、核酸分子は、共有結合によってDNAデンドリマーに付着している。本発明の別の実施形態では、核酸分子はsiRNAである。本発明の別の実施形態では、核酸分子は、ワトソン−クリック型塩基対合などの水素結合によってDNAデンドリマーに付着している。本発明の別の実施形態では、核酸分子は、ジスルフィド架橋結合によってDNAデンドリマーに付着している。本発明の別の実施形態では、核酸分子は、NHSエステルとアミンを介してDNAデンドリマーに付着している。本発明の別の実施形態では、核酸分子は、ヘテロ二官能性架橋結合によってDNAデンドリマーに付着している。本発明の別の実施形態では、本明細書で使用される「付着」という用語は、化学的結合を指す。
【0040】
本発明の別の実施形態では、DNA鎖は、デンドリマーの各層において共有結合している。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーは、DNAデンドリマーのアーム内にある少なくとも1つのCap03配列を含む。別の実施形態では、Cap03配列は、以下の核酸配列を含む:5’−TCCACCTTAgAgTACAAACggAACACgAgAA−3’(配列番号10)。本発明の別の実施形態では、Cap03配列は、Cap03アンチセンス配列を含む抗体またはその断片などの分子をDNAデンドリマーに結合/付着させるために使用される。別の実施形態では、Cap03アンチセンス配列は、以下の核酸配列を含む:5’−TTCTCgTgTTCCgTTTgTACTCTAAggTggA−3’(配列番号11)。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の組成物を調製する方法は、Cap03配列に相補的な配列を含むDNA分子に共有結合的にコンジュゲートしたタンパク質をDNAデンドリマーに非共有結合させる工程を含む。
【0041】
本発明の別の実施形態では、核酸分子は結合部分を含み、DNAデンドリマーは結合パートナーを含み、ここで、結合パートナーは結合部分に非共有結合する。
【0042】
本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーは共有結合的に架橋されている。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーは4層DNAデンドリマーである。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーは2層DNAデンドリマーである。別の実施形態では、DNAデンドリマーは、3つ以上の鎖のDNAから調製される任意のデンドリマーである。
【0043】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とハイブリダイゼーション事象を介して非共有結合したsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法と使用方法がさらに提供される(実施例1)。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーはDNAモノマーから構築され、DNAモノマーは各々、各鎖の中央部分にある配列相補性領域を共有する2個のDNA分子から作られたものである。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーは、4つの一本鎖「アーム」に隣接した中央の二本鎖「ウェスト」を有するものとして記載されている構造を含む。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーは、基本DNAモノマーを含むウェスト−プラス−アーム構造を含む。別の実施形態では、5つのモノマータイプの各々の末端にある一本鎖アームは、正確かつ特異的な方法で、互いに相互作用する。本発明の別の実施形態では、塩基対合(水素結合)は、モノマー層の順次付加によるデンドリマーの有向アセンブリを可能にする(図1参照)。
【0044】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、DNA鎖が互いに共有結合し、それにより、DNA鎖が互いに共有結合しなければデンドリマー構造の変形を引き起こすことになる変性条件に影響されない完全に共有結合した分子が形成される架橋プロセスによってアセンブルされている(図2参照)。
【0045】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは2層デンドリマーである。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも60個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも80個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも100個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも120個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも150個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも180個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも200個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも1〜400個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも60〜360個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも80〜300個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも100〜250個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも150〜250個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、約120個のビオチン分子を含む。
【0046】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは4層デンドリマーである。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも500個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも550個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも600個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも650個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも700個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも500〜1500個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも550〜1400個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも600〜1000個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも600〜800個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、少なくとも700〜800個のビオチン分子を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、約720個のビオチン分子を含む。
【0047】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって利用可能なアームの5’末端に連結される相補的なキャプチャーオリゴヌクレオチドを含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって利用可能なアームの5’末端に連結される相補的なキャプチャーオリゴヌクレオチド(5〜80塩基)を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって利用可能なアームの5’末端に連結される相補的なキャプチャーオリゴヌクレオチド(10〜60塩基)を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって利用可能なアームの5’末端に連結される相補的なキャプチャーオリゴヌクレオチド(20〜40塩基)を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって利用可能なアームの5’末端に連結される相補的なキャプチャーオリゴヌクレオチド(30〜50塩基)を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、T4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって利用可能なアームの5’末端に連結される相補的なキャプチャーオリゴヌクレオチド(30〜40塩基)を含む。
【0048】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、まず架橋縮合コンジュゲーション化学反応を用いて(Cap03配列に相補的な)DNAオリゴヌクレオチドを抗体に共有結合的にコンジュゲートさせ、次いで、この抗体結合オリゴヌクレオチドをデンドリマーのアーム上の相補的配列(Cap03)にハイブリダイズさせることによってDNAデンドリマーに結合した抗体またはその断片を含む。本発明の別の実施形態では、抗体などの分子をDNAデンドリマーに付着させるために、Cap03以外の配列を使用することができる。
【0049】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、siRNA分子を含む。本発明の別の実施形態では、siRNA分子は化学合成される。本発明の別の実施形態では、siRNA分子は、10〜25塩基長の、RNAリボヌクレオチドとしての5’部分と、通常0〜40塩基長の、DNAデオキシリボヌクレオチドとしての3’部分とを含む一本鎖「センス」鎖を含み、これは、DNAデンドリマーに連結されるキャプチャーオリゴに相補的になるように設計される。本発明の別の実施形態では、siRNA分子は、1〜30塩基長の、RNAリボヌクレオチドとしての5’部分と、通常1〜50塩基長の、DNAデオキシリボヌクレオチドとしての3’部分とを含む一本鎖「センス」鎖を含み、これは、DNAデンドリマーに連結されるキャプチャーオリゴに相補的になるように設計される。
【0050】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、RNAリボヌクレオチドのみの、5〜40塩基長の部分と、1〜5個の3’末端デオキシリボヌクレオチドとを含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、RNAリボヌクレオチドのみの、10〜25塩基長の部分と、1〜3個の3’末端デオキシリボヌクレオチドとを含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖を含む。本発明の別の実施形態では、siRNA構築物は、24〜35塩基伸長を含む。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーは、「センス」鎖と「アンチセンス」鎖の間に安定なハイブリッドを形成して、「センス」鎖の一本鎖DNA部分がDNAデンドリマーのキャプチャーオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションに利用できるように、等モル量で組み合わされた2つの鎖を含む。
【0051】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーを含む組成物は、インビトロでのトランスフェクションに使用される。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーを含む組成物は、インビボでのトランスフェクションに使用される。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載のDNAデンドリマーとsiRNA分子とを含む組成物は、転写された標的遺伝子のデノボでのノックダウンに使用される。本発明の別の実施形態では、siRNA分子は、転写された標的遺伝子(mRNA)を標的とするように設計される。
【0052】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法と使用方法が本明細書で提供されており、ここで、このsiRNA分子は、ビオチン化siRNA分子のストレプトアビジンへの結合と、その後のDNAデンドリマー上のビオチンへの結合を介して非共有結合されている。本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法と使用方法が本明細書で提供されており、ここで、このsiRNA分子は、ビオチン化siRNA分子のストレプトアビジンへの結合と、その後のDNAデンドリマー上の複数のビオチンへの結合を介して非共有結合されている。
【0053】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体もしくはその断片または提供された任意の他の分子と結合したDNAデンドリマーを含む本明細書に記載の組成物は、オリゴの合成中に取り込まれた末端標識ビオチンまたは内部ビオチンを含むDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションや架橋を介してビオチン部分がデンドリマーの「アーム」上に導入されることを除き、上記のように調製される。本発明の別の実施形態では、典型的なデンドリマービオチン標識反応は、抗体またはその断片のデンドリマーへの結合前、かつキャプチャー配列のライゲーション時またはライゲーション後に行なわれる。
【0054】
本発明の別の実施形態では、本発明のビオチン化「センス」RNAは、ストレプトアビジン分子上で利用できる4つの利用可能なビオチン結合価のうちの2〜3つと極めて強い非共有結合を形成し、それ以外の形でビオチン部分と結合することができる(平均して)少なくとも1つの遊離ビオチン結合ストレプトアビジン結合価は、「センス」RNA分子と会合しないまま残る。
【0055】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法が本明細書で提供されており、ここで、このsiRNA分子は、ジスルフィド架橋結合の使用によって共有結合されている。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片を含む4層DNAデンドリマーまたは2層DNAデンドリマーは、実施例1または2の記載に従って合成される。本発明の別の実施形態では、細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成し、これは、1)3’末端上の2〜80個のDNAヌクレオチドとともに、通常10〜40塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端に付加されたスルヒドリル(SH)部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、5〜50塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含む。本発明の別の実施形態では、これら2つの鎖を等モル量で組み合わせて、「センス」鎖と「アンチセンス」鎖の間に安定なハイブリッドを形成させ、スルフヒドリル部分を、デンドリマーのアームに付加されたキャプチャー配列に相補的なDNAオリゴヌクレオチド上の(「S−S」ジスルフィド結合を形成する)別のスルフヒドリル部分へのコンジュゲーションに利用できるようにする。
【0056】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法が本明細書で提供されており、ここで、このsiRNA分子は、NHS−エステル依存的縮合化学反応の使用によって共有結合されている。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片を含む4層DNAデンドリマーまたは2層DNAデンドリマーは、ビオチンが1級アミンと置き換えられることを除き、実施例2と同様に合成される。本発明の別の実施形態では、細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成し、これは、1)3’末端上の2〜80個のDNAヌクレオチドとともに、通常5〜50塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端上に付加されるカルボキシル(COOH)部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、5〜50塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含む。本発明の別の実施形態では、カルボキシルがN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルに変換され、次に、このエステルが1級アミンと反応して、NHSエステルとアミンの間に共有結合を形成するように、カルボキシルを含むRNA鎖を、市販の試薬を用いて化学修飾する。本発明の別の実施形態では、1級アミンで標識されたデンドリマーは、siRNAの「センス」鎖と共有結合し、このsiRNAの「センス」鎖は、「アンチセンス」RNA鎖とハイブリダイズしたとき、機能的なsiRNA二重鎖を形成する。
【0057】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法が本明細書で提供されており、ここで、このsiRNA分子は、ヘテロ二官能性化学架橋剤化学反応の使用によって共有結合されている。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片を含む4層DNAデンドリマーまたは2層DNAデンドリマーは、ビオチン分子が1級アミンと置き換えられることを除き、実施例2と同様に合成される。本発明の別の実施形態では、細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成したが、これは、1)3’末端上の2〜80個のDNAヌクレオチドとともに、通常5〜50塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端上に付加されるカルボキシル(COOH)部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、5〜50塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含む。本発明の別の実施形態では、カルボキシルを含むRNA鎖を、カルボキシル部分とアミン部分の間に共有結合を形成させたヘテロ二官能性架橋試薬であるEDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド)の存在下で、アミン修飾デンドリマーと組み合わせる。本発明の別の実施形態では、1級アミンで標識されたデンドリマーは、siRNAの「センス」鎖と共有結合し、このsiRNAの「センス」鎖は、「アンチセンス」RNA鎖とハイブリダイズしたとき、機能的なsiRNA二重鎖を形成した。
【0058】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法が本明細書で提供されており、ここで、このsiRNA分子は、ホモ二官能性化学架橋剤化学反応の使用によって共有結合されている。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片を含む4層DNAデンドリマーまたは2層DNAデンドリマーは、ビオチンが1級アミンと置き換えられることを除き、実施例2と同様に合成される。本発明の別の実施形態では、細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成し、これは、1)3’末端上の2〜80個のDNAヌクレオチドとともに、通常5〜40塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端上に付加される1級アミン部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、2〜50塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含む。本発明の別の実施形態では、アミンを含むRNA鎖を、アミン部分の間に共有結合を形成させる試薬であるスルホ−EGS[エチレン−グリコールビス(スクシニミジルスクシネート)]などの、ホモ二官能性架橋剤の存在下で、アミン修飾デンドリマーと組み合わせる。本発明の別の実施形態では、1級アミンで標識されたDNAデンドリマーは、siRNAの「センス」鎖と共有結合し、このsiRNAの「センス」鎖は、その後、「アンチセンス」RNA鎖とハイブリダイズして、機能的なsiRNA二重鎖を形成する。
【0059】
本発明の別の実施形態では、ターゲッティング抗体またはその断片とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造方法、ならびにデンドリマーの構造物に結合したビオチンおよびトランスフェクションにおける対イオンとして複数の正電荷を有するカチオンの重要性を比較する方法が本明細書で提供される。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片を含む2層DNAデンドリマーまたは4層DNAデンドリマーは、デンドリマーの「アーム」を密集させる最大160個のビオチンを付けて合成され、デンドリマー上の一定数の遊離「アーム」が、ハイブリダイゼーション結合事象を介するsiRNA二重鎖の結合に利用可能となる(実施例1および2参照)。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片を含む2層DNAデンドリマーまたは4層DNSデンドリマーは、デンドリマーの「アーム」を密集させる最大140個のビオチンを付けて合成され、デンドリマー上の一定数の遊離「アーム」が、ハイブリダイゼーション結合事象を介するsiRNA二重鎖の結合に利用可能となる(実施例1および2参照)。本発明の別の実施形態では、抗体またはその断片を含む2層DNAデンドリマーまたは4層DNSデンドリマーは、デンドリマーの「アーム」を密集させる最大120個のビオチンを付けて合成され、デンドリマー上の一定数の遊離「アーム」が、ハイブリダイゼーション結合事象を介するsiRNA二重鎖の結合に利用可能となる(実施例1および2参照)。
【0060】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、siRNA二重鎖のセンス鎖の10〜40塩基伸長を含むsiRNA構築物と、実施例1および2に記載のものと同様のICAM1を標的とするデンドリマーとを含む。本発明の別の実施形態では、ビオチン化デンドリマー構築物とsiRNA分子とを含む本発明の組成物は、特に血清の存在下で、ビオチンを欠く組成物よりもトランスフェクション効率が高い。本発明の別の実施形態では、カチオンを含む本発明の組成物は、特に血清の存在下で、カチオンを欠く組成物よりもトランスフェクション効率が高い。本発明の別の実施形態では、約25mMのカチオンを含む本発明の組成物は、特に血清の存在下で、カチオンを欠く組成物よりもトランスフェクション効率が高い。本発明の別の実施形態では、約5〜1000mMのカチオンを含む本発明の組成物は、特に血清の存在下で、カチオンを欠く組成物よりもトランスフェクション効率が高い。本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、約25mMのMg、Ca、スペルミン、スペルミジン、またはMnをさらに含み、特に血清の存在下で、カチオンを欠く組成物よりもトランスフェクション効率が高い。本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、約5〜1000mMのMg、Ca、スペルミン、スペルミジン、またはMnをさらに含み、特に血清の存在下で、カチオンを欠く組成物よりもトランスフェクション効率が高い。
【0061】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の組成物を用いるmRNA発現のノックダウン方法が本明細書で提供される。本発明の別の実施形態では、2層バージョンと4層バージョンの両方の上に抗体またはその断片などの保護基を含む本発明の組成物は、2層デンドリマーの「アーム」を密集させる最大180個のビオチン、および4層デンドリマーの「アーム」を密集させる最大800個のビオチンを付けて合成され、両方のタイプのデンドリマーは、ハイブリダイゼーション結合事象を介するsiRNA二重鎖の結合に利用可能な一定数の遊離「アーム」を含む(実施例1および7参照)。
【0062】
本発明の別の実施形態では、ヒトおよび動物血清中でのタンパク質ヌクレアーゼへの曝露によるDNAデンドリマーのヌクレアーゼ依存的分解から本発明の組成物を保護する方法が本明細書で提供される。本発明の別の実施形態では、タンパク質DNアーゼ分解から本発明の組成物を保護する方法が本明細書で提供される。本発明の別の実施形態では、外因性DNアーゼ分解から本発明の組成物を保護する方法が本明細書で提供される。
【0063】
本発明の別の実施形態では、ハイブリダイズしたsiRNA分子を有するDNAデンドリマーを含む組成物を市販のリポフェクトアミントランスフェクション試薬と組み合わせる方法が本明細書で提供される。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーを含む組成物を、siRNAを細胞質に送達するためのトランスフェクション試薬と組み合わせる。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーと、組成物のノックダウン効率を改善するリポフェクトアミンとを含む組成物が提供される。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーと、siRNA分子のmRNAノックダウン効率を改善するリポソーム性トランスフェクション試薬とを含む組成物が提供される。本発明の別の実施形態では、DNAデンドリマーと、siRNA分子のmRNAノックダウン効率を改善する当業者によく知られた他のトランスフェクション剤とを含む組成物が提供される。
【0064】
本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、個体それ自体に提供される。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、診断法の一部として使用される。本発明の別の実施形態では、本明細書に記載の組成物は、治療法の一部として使用される。本発明の一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、薬学的に許容される担体と混合された場合に、薬学的組成物の一部として個体に提供される。
【0065】
本発明の一実施形態では、「薬学的組成物」は、生理学的に好適な担体および賦形剤などの他の化学的成分を含む本明細書に記載の1つまたは複数の活性成分の製剤を指す。薬学的組成物の目的は、生物に化合物を投与しやすくすることである。
【0066】
本発明の一実施形態では、「活性成分」は、生物学的効果について説明可能な、本明細書に記載の組成物を指す。
【0067】
本発明の一実施形態では、本発明は、組合せ製剤を提供する。本発明の一実施形態では、「組合せ製剤」は、上で定義されたような組合せパートナーを、独立に、または明確な量の組合せパートナーとの様々な固定の組合せの使用により、すなわち、同時に、一斉に、個別に、もしくは連続的に、投与することができるという意味で、特に「パーツからなるキット」を定義するものである。本発明のいくつかの実施形態では、パーツからなるキットのパーツは、次に、例えば、同時に、または時間をずらして、すなわち、パーツからなるキットのどのパーツに対しても、異なる時点で、同じもしくは異なる時間間隔で、投与することができる。いくつかの実施形態では、組合せパートナーの全体量の比率を組合せ製剤において投与することができる。本発明の一実施形態では、組合せ製剤は、例えば、治療される患者亜集団のニーズまたは1人の患者のニーズに対処するために多様であることができ、その異なるニーズは、当業者により容易に理解されるように、特定の疾患、疾患の重症度、年齢、性別、または体重に起因するものであることができる。
【0068】
本発明の一実施形態では、「生理学的に許容される担体」および「薬学的に許容される担体」という語句は互換的に使用され得るが、これは、生物にそれほど大きな刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物活性や特性を無効にしない担体または希釈剤を指す。アジュバントがこれらの語句に含まれる。本発明の一実施形態では、薬学的に許容される担体に含まれる成分の1つは、例えば、有機媒体と水性媒体の両方に対して幅広い溶解度を有する生体適合性ポリマーである、ポリエチレングリコール(PEG)であることができる(Mutter et al.,1979)。
【0069】
本発明の一実施形態では、「賦形剤」は、活性成分をさらに投与しやすくするために薬学的組成物に添加される不活性物質を指す。本発明の一実施形態では、賦形剤として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖や様々な種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0070】
薬物を処方および投与するための技術は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」,Mack Publishing Co.,Easton,PA,最新版に見出され、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
本発明の一実施形態では、好適な投与経路として、例えば、経口送達、直腸送達、経粘膜送達、経鼻送達、腸送達、または筋肉内注射、皮下注射、および髄内注射、ならびに髄腔内注射、直接脳室内注射、静脈内注射、腹腔内注射、鼻腔内注射、もしくは眼内注射をはじめとする非経口送達が挙げられる。
【0072】
本発明の一実施形態では、製剤は、例えば、製剤を患者の身体の特定の領域に直接注射することにより、全身にではなく、局所に投与される。
【0073】
投薬量範囲の様々な実施形態が本発明により企図されている。本発明の一実施形態によれば、本発明の組成物の投薬量は、0.005〜80mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、0.05〜50mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、0.1〜20mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、0.1〜10mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、0.1〜5mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、0.5〜5mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、0.5〜50mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、5〜80mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、35〜65mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、35〜65mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、20〜60mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、40〜60mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、45〜60mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、40〜60mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、60〜120mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、120〜240mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、40〜60mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、240〜400mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、400〜800mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、800〜1600mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、45〜60mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、15〜25mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、5〜10mg/日の範囲内である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、55〜65mg/日の範囲内である。
【0074】
本発明の一実施形態では、投薬量は、20mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、30mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、40mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、50mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、60mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、70mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、80mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、90mg/日である。本発明の別の実施形態では、投薬量は、100mg/日である。
【0075】
いくつかの実施形態では、経口組成物は、液体溶液、乳濁液、懸濁液などを含む。いくつかの実施形態では、このような組成物の調製に好適な薬学的に許容される担体は、当該技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、液体経口組成物は、約0.012%〜約0.933%の所望の化合物(単数または複数)を含み、または本発明の別の実施形態では、約0.033%〜約0.7%の所望の化合物(単数または複数)を含む。本発明の一実施形態では、経口投薬形態は、所定の放出プロファイルを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される組成物は、溶液または乳濁液を含み、これは、いくつかの実施形態では、安全かつ有効な量の本発明の化合物と、場合により、局所的な鼻腔内投与を対象とした他の化合物とを含む水性溶液または乳濁液である。いくつかの実施形態では、組成物は、鼻腔内経路による化合物の全身送達に使用される、約0.01%〜約10.0%w/vの対象化合物、より好ましくは約0.1%〜約2.0の対象化合物を含む。
【0077】
本発明の別の実施形態では、薬学的組成物は、液体製剤の静脈内注射、動脈内注射、または筋肉内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、液体処方物として、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、油などが挙げられる。本発明の一実施形態では、薬学的組成物は静脈内投与され、したがって、静脈内投与に好適な形態で処方される。本発明の別の実施形態では、薬学的組成物は動脈内投与され、したがって、動脈内投与に好適な形態で処方される。本発明の別の実施形態では、薬学的組成物は筋肉内投与され、したがって、筋肉内投与に好適な形態で処方される。
【0078】
さらに、本発明の別の実施形態では、薬学的組成物は体表に局所投与され、したがって、局所投与に好適な形態で処方される。好適な局所処方物としては、ジェル、軟膏、クリーム、ローション、点滴薬などが挙げられる。局所投与のために、本発明の化合物は、追加の適当な治療剤(単数または複数)と組み合わされ、薬学的担体を含むまたは含まない生理学的に許容される希釈液中の溶液、懸濁液、または乳濁液として調製され、適用される。
【0079】
本発明の一実施形態では、本発明の薬学的組成物は、当該技術分野で周知のプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥プロセスによって製造される。
【0080】
本発明の一実施形態では、本発明に従って使用される薬学的組成物は、薬学的に使用することができる活性成分を製剤へと加工しやすくする、賦形剤や補助薬を含む1つまたは複数の生理学的に許容される担体を用いて、従来の方法で処方される。本発明の一実施形態では、処方物は、選択される投与経路によって決まる。
【0081】
本発明の一実施形態では、本発明の注射剤は、水性溶液中に処方される。本発明の一実施形態では、本発明の注射剤は、ハンクス溶液、リンガー溶液、または生理学的な塩緩衝液などの生理学的に適合する緩衝液中に処方される。いくつかの実施形態では、経粘膜投与のために、バリアを透過するのに適した浸透剤が処方物中で使用される。このような浸透剤は、当該技術分野で一般に公知である。
【0082】
本発明の一実施形態では、本明細書に記載の製剤は、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与のために処方される。いくつかの実施形態では、注射用処方物は、単位投薬形態で、例えば、任意で追加の防腐剤を含む、アンプル中にまたは複数回投与容器中に提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、または乳濁液であり、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの処方剤を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、組成物は、必要に応じて、塩化ベンザルコニウムやチメロサールなどの防腐剤;エデト酸ナトリウムなどのキレート剤;リン酸、クエン酸、および酢酸などの緩衝剤;塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、マンニトールなどの等張化剤;アスコルビン酸、アセチルシスチン、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤;芳香剤;セルロースやその誘導体をはじめとするポリマーなどの粘度調整物質;ポリビニルアルコール、ならびにこれらの水性組成物のpHを調整するための酸や塩基も含む。いくつかの実施形態では、組成物は、局所麻酔薬または他の活性剤も含む。組成物は、スプレー、ミスト、点滴薬などとして使用することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、非経口投与用の薬学的組成物は、水溶性形態の活性製剤の水溶液を含む。さらに、いくつかの実施形態では、活性成分の懸濁液は、適当な油性または水性の注射懸濁液として調製される。いくつかの実施形態では、好適な親油性溶媒またはビヒクルとして、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチル、トリグリセリド、もしくはリポソームなどの合成脂肪酸エステルが挙げられる。いくつかの実施形態では、水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を高める物質を含む。本発明の別の実施形態では、懸濁液は、活性成分の溶解度を高めて高濃縮溶液の調製を可能にする好適な安定剤または薬剤も含む。
【0085】
本発明の別の実施形態では、活性化合物は、ビヒクル中で、特に、リポソーム中で送達することができる(Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treat et al.,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Berestein and Fidler(編),Liss,New York,pp.353−365(1989);Lopez−Berestein,同書,pp.317−327参照;一般的には同書を参照されたい)。
【0086】
本発明の別の実施形態では、制御放出系で送達される薬学的組成物は、静脈内注入、埋め込み型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与様式のために処方される。本発明の一実施形態では、ポンプを使用する(Langer,前掲;Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwald et al.,Surgery 88:507(1980);Saudek et al.,N.Engl.J.Med.321:574(1989)参照)。本発明の別の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる。さらに別の実施形態では、制御放出系を、治療標的、すなわち、脳の近くに置くことができ、したがって、全身用量のごく一部だけが必要とされる(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,前掲,第2巻,pp.115−138(1984)参照)。他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−1533(1990))による総説で論じられている。
【0087】
いくつかの実施形態では、活性成分は、使用する前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌パイロジェンフリー水をベースにした溶液で構成するための粉末形態である。いくつかの実施形態では、組成物は、噴霧や吸入投与のために処方される。本発明の別の実施形態では、組成物は、噴霧手段が取り付けられた容器に収容される。
【0088】
いくつかの実施形態では、本発明との関連で使用するのに好適な薬学的組成物は、活性成分が意図した目的を達成するのに有効な量で含まれる組成物を含む。いくつかの実施形態では、治療有効量は、疾患を予防するか、緩和するか、もしくは疾患の症状を改善するか、または治療される対象の生存を延長するのに有効な活性成分の量を意味する。
【0089】
本発明の一実施形態では、治療有効量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0090】
組成物は、必要に応じて、塩化ベンザルコニウムやチメロサールなどの防腐剤;エデト酸ナトリウムなどのキレート剤;リン酸、クエン酸、および酢酸などの緩衝剤;塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、マンニトールなどの等張化剤;アスコルビン酸、アセチルシスチン、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤;芳香剤;セルロースやその誘導体をはじめとするポリマーなどの粘度調整物質;ポリビニルアルコール、ならびにこれらの水性組成物のpHを調整するための酸や塩基も含む。組成物は、局所麻酔薬または他の活性剤も含む。組成物は、スプレー、ミスト、点滴薬などとして使用することができる。
【0091】
薬学的に許容される担体またはその成分としての役割を果たすことができる物質のいくつかの例には、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどの固形潤滑剤;硫酸カルシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびカカオ脂などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール類;アルギン酸;Tween(商標)ブランドの乳化剤などの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;香味剤;錠剤化剤、安定剤;酸化防止剤;防腐剤;パイロジェンフリー水;等張食塩水;ならびにリン酸緩衝剤溶液がある。化合物とともに使用される薬学的に許容される担体の選択は、基本的には、化合物が投与される方法によって決定される。本発明の一実施形態において、対象化合物が注射される場合、薬学的に許容される担体は、血液適合性の懸濁剤を含む、滅菌生理食塩水であり、そのpHは約7.4に調整されている。
【0092】
さらに、組成物は、結合剤(例えば、アカシア、トウモロコシデンプン、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、グリコール酸デンプンナトリウム)、様々なpHおよびイオン強度の緩衝剤(例えば、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、表面への吸収を防止するためのアルブミンまたはゼラチンなどの添加物、洗剤(例えば、Tween 20、Tween 80、Pluronic F68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害剤、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、透過促進剤、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、粘度増加剤(例えば、カルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味料(例えば、アスパルテーム、クエン酸)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動補助剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング(例えば、ポロキサマーもしくはポロキサミン)、被覆および被膜形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリレート、ポリメトアクリレート)、ならびに/またはアジュバントをさらに含む。
【0093】
シロップ、エリキシル、乳濁液、および懸濁液用の担体の典型的な成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール、および水が挙げられる。懸濁液について、典型的な懸濁剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロース(例えば、Avicel(商標)、RC−591)、トラガカント、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられ、典型的な湿潤剤としては、レシチンおよびポリエチレンオキシドソルビタン(例えば、ポリソルベート80)が挙げられる。典型的な防腐剤としては、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。本発明の別の実施形態では、経口液体組成物は、上で開示された甘味料、香味剤、および着色料などの1つまたは複数の成分も含む。
【0094】
組成物は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ハイドロゲルなどのポリマー化合物の微粒子製剤中もしくはこのような微粒子製剤上への、あるいはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層小胞もしくは多層小胞、赤血球ゴースト、またはスフェロプラスト上への活性材料の取込みも含む。このような組成物は、物理的状態、溶解度、安定性、インビボでの放出速度、インビボでのクリアランス速度に影響を及ぼす。
【0095】
ポリマー(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)でコーティングされた微粒子組成物や、組織特異的な受容体、リガンド、もしくは抗原に対する抗体に結合しているか、または組織特異的な受容体のリガンドに結合している化合物もまた、本発明によって理解される。
【0096】
いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、またはポリプロリンなどの水溶性ポリマーの共有結合的な付加によって修飾された化合物。本発明の別の実施形態では、修飾された化合物は、対応する未修飾化合物が示すよりも大幅に長い静脈内注射後の血中半減期を示す。本発明の一実施形態では、修飾はまた、水溶液中での化合物の溶解度を高め、凝集を取り除き、化合物の物理化学的安定性を高め、化合物の免疫原性と反応性を大いに低下させる。本発明の別の実施形態では、所望のインビボ生物活性は、このようなポリマー−化合物付加物を未修飾化合物の場合よりも少ない頻度または少ない用量で投与することによって得られる。
【0097】
いくつかの実施形態では、有効量または有効用量の製剤を、インビトロアッセイから最初に推定することができる。本発明の一実施形態では、用量を動物モデルで策定することができ、このような情報を用いて、ヒトでの有用な用量をより正確に決定することができる。
【0098】
本発明の一実施形態では、本明細書に記載の活性成分−組成物の毒性および治療効力は、インビトロ、細胞培養、または実験動物での標準的な薬学的手法により決定することができる。本発明の一実施形態では、これらのインビトロアッセイや細胞培養アッセイや動物実験から得られたデータは、ヒトで使用する投薬量範囲の策定に用いることができる。本発明の一実施形態では、投薬量は、利用する投薬形態や使用する投与経路によって変わる。本発明の一実施形態では、個々の医師は、患者の状態を考慮して、正確な処方、投与経路、および投薬量を選択することができる[例えば、Fingl,et al.,(1975)「The Pharmacological Basis of Therapeutics」,第1章の第1頁を参照されたい]。
【0099】
本発明の一実施形態では、治療される状態の重症度や応答性によって、投薬を単回投与または複数回投与とし、数日間から数週間、または治癒がもたらされるかもしくは疾患状態の縮小が達成されるまで治療コースを持続させることができる。
【0100】
本発明の一実施形態では、投与される組成物の量は、当然、治療される対象、苦痛の重症度、投与様式、処方医師の判断などによって決まる。
【0101】
本発明の一実施形態では、適合性の薬学的担体中に処方される本発明の製剤を含む組成物も調製し、適当な容器に入れ、かつ適応症の治療について表示する。
【0102】
本発明の一実施形態では、本発明の組成物は、活性成分を含む1つまたは複数の単位投薬形態を含む、FDAが承認したキットなどの、パックまたはディスペンサー装置中に提供される。本発明の一実施形態では、パックは、例えば、ブリスターパックなどの、金属またはプラスチックホイルを含む。本発明の一実施形態では、パックまたはディスペンサー装置に、投与のための取扱説明書が添付されている。本発明の一実施形態では、パックまたはディスペンサー装置に、医薬品の製造、使用、または販売を規制する行政機関が定めた形で容器に関連した注意書きが添付されており、この注意書きは、組成物またはヒトもしくは動物への投与の形態に関して当局に承認されたものを反映している。本発明の一実施形態では、このような注意書きは、処方薬について米国食品医薬品局によって承認された表示であるか、または承認された製品添付文書である。
【0103】
本発明の一実施形態では、各薬剤単独での治療と比較して治療効果の改善を達成するために、本発明の組成物を追加の活性剤とともに個体に提供することができることが理解されるであろう。本発明の別の実施形態では、併用療法に伴う有害な副作用に対する対策(例えば、補足的な薬剤の投与と選択)がとられる。
【0104】
限定的であることが意図されない、以下の実施例を検討すれば、本発明のさらなる目的、利点、および新規の特徴が当業者に明白になるであろう。さらに、上で説明されたようなおよび以下の特許請求の範囲の節で特許請求されるような本発明の様々な実施形態や態様は各々、以下の実施例に実験的裏付けを見出す。
【実施例】
【0105】
一般に、本明細書で使用される命名法および本発明で利用される実験法は、分子的技術、生化学的技術、微生物学的技術、および組換えDNA技術を含む。このような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、「Molecular Cloning:A laboratory Manual」Sambrook et al.,(1989);「Current Protocols in Molecular Biology」 第I〜III巻 Ausubel,R.M.編(1994);Ausubel et al.,「Current Protocols in Molecular Biology」,John Wiley and Sons,Baltimore,Maryland(1989);Perbal,「A Practical Guide to Molecular Cloning」,John Wiley & Sons,New York(1988);Watson et al.,「Recombinant DNA」,Scientific American Books,New York;Birren et al.(編) 「Genome Analysis:A Laboratory Manual Series」,第1〜4巻,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1998);米国特許第4,666,828号;同第4,683,202号;同第4,801,531号;同第5,192,659号;および同第5,272,057号に示されているような方法;「Cell Biology:A Laboratory Handbook」,第I〜III巻 Cellis,J.E.編.(1994);Freshneyによる「Culture of Animal Cells − A Manual of Basic Technique」,Wiley−Liss,N.Y.(1994),第3版;「Current Protocols in Immunology」 第I〜III巻 Coligan J.E.編.(1994);Stites et al.(編),「Basic and Clinical Immunology」(第8版),Appleton & Lange,Norwalk,CT(1994);Mishell and Shiigi(編),「Selected Methods in Cellular Immunology」,W.H.Freeman and Co.,New York(1980);利用可能な免疫アッセイは、特許および科学文献に広く記載されており、例えば、米国特許第3,791,932号;同第3,839,153号;同第3,850,752号;同第3,850,578号;同第3,853,987号;同第3,867,517号;同第3,879,262号;同第3,901,654号;同第3,935,074号;同第3,984,533号;同第3,996,345号;同第4,034,074号;同第4,098,876号;同第4,879,219号;同第5,011,771号;および同第5,281,521号;「Oligonucleotide Synthesis」 Gait,M.J.編.(1984);「Nucleic Acid Hybridization」 Hames,B.D.and Higgins S.J.編.(1985);「Transcription and Translation」 Hames,B.D.and Higgins S.J.編.(1984);「Animal Cell Culture」 Freshney,R.I.編.(1986);「Immobilized Cells and Enzymes」 IRL Press,(1986);「A Practical Guide to Molecular Cloning」 Perbal,B.(1984)、および「Methods in Enzymology」第1〜317号,Academic Press;「PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications」,Academic Press,San Diego,CA(1990);Marshak et al.,「Strategies for Protein Purification and Characterization − A Laboratory Course Manual」 CSHL Press(1996)を参照されたく、これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる。他の一般的な参考文献は、本文書の全体を通して提供される。
【0106】
実施例1
ターゲッティング抗体またはその断片と、ハイブリダイゼーション事象によって非共有結合したsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造と使用
【0107】
材料と方法:
DNAデンドリマーは、その各々が、各鎖の中央部分にある配列相補性領域を共有する2つのDNA鎖から作られたDNAモノマーから構築される。2つの鎖がアニールしてモノマーを形成するとき、結果として生じる構造は、4つの一本鎖「アーム」に隣接した中央の二本鎖「ウェスト」を有するものとして記載することができる。このウェスト−プラス−アーム構造は、基本DNAモノマーを含む。5つのモノマータイプの各々の末端にある一本鎖アームは、正確かつ特異的な方法で、互いに相互作用するように設計される。相補的なモノマーのアーム間の塩基対合(水素結合)は、モノマー層の順次付加によるデンドリマーの有向アセンブリを可能にした(図1)。デンドリマーの各層のアセンブリには、DNA鎖が互いに共有結合し、それにより、DNA鎖が互いに共有結合しなければデンドリマー構造の変形を引き起こすことになる変性条件に影響されない完全に共有結合した分子が形成される架橋プロセスが含まれた(図2)。さらに、実施例2に記載されているように、この実施例のために調製されたデンドリマーは、その外面に付着した約120個のビオチン分子(2層デンドリマー)または約720個のビオチン分子(4層デンドリマー)を含んでいた。さらに、キャプチャーオリゴとしての役割を果たす38塩基のオリゴヌクレオチドを、以下のように、簡単なT4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって、利用可能なデンドリマーアームの5’末端に連結した。
【表1】

【0108】
最初の4回の反応物を合せて、65℃に加熱し、室温まで冷却した。次に、5回目と6回目の反応物を添加して、45分間インキュベートした。2.8uLの0.5M EDTA溶液を添加して、ライゲーション反応を停止させた。Sephacryl S400(Pharmacia)を用いて調製されたサイズ排除スピンカラムを用いて、連結されなかったオリゴヌクレオチドを除去した。
【0109】
まず、先に記載した架橋縮合コンジュゲーション化学反応(Solulink Inc.(San Diego,CA)で準備した)を用いて(Cap03配列に相補的な)DNAオリゴヌクレオチドを抗体に共有結合的にコンジュゲートさせ、次いで、この抗体結合オリゴヌクレオチドをデンドリマーのアーム上の相補的配列(Cap03)にハイブリダイズさせることによって、抗体をDNAデンドリマーに結合させた。このハイブリダイゼーションは31個の塩基対を含み、生理学的塩溶液中で65℃よりも大きい融解温度を有し、それにより、生理的温度と条件で抗体と結合したデンドリマーの安定な複合体が得られる。典型的なハイブリダイゼーション処方物には以下のものが含まれる。
【表2】

【0110】
上記の反応物を組み合わせ、穏やかに混合し、37℃で30分間インキュベートした。この処方物は、4℃で少なくとも6カ月間安定である。
【0111】
siRNA設計/調製
細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成したが、これは、1)通常19塩基長の、RNAリボヌクレオチドとしての5’部分と、通常0〜33塩基長の、DNAデオキシリボヌクレオチドとしての3’部分とを含み、DNAデンドリマーに連結されたキャプチャーオリゴに相補的であるよう設計された一本鎖「センス」鎖と、2)RNAリボヌクレオチドのみの、通常19塩基長の部分と、2個の3’末端デオキシリボヌクレオチドとを含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含む。これら2つの鎖を等モル量で組み合わせて、「センス」鎖と「アンチセンス」鎖の間に安定なハイブリッドを形成させ、「センス」鎖の一本鎖DNA部分をDNAデンドリマーのキャプチャーオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションに利用できるようにする。
【0112】
この実験では、3個のDNA分子に付着したときのsiRNAの有効性に対する(siRNAをデンドリマーに連結する)デオキシリボヌクレオチド伸長の長さを研究した。Hepa1−6細胞上のICAM−1をターゲッティングし、このHepa1−6細胞を、10%胎仔ウシ血清(FBS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)および10%FBSを含まないDMEM中で増殖させ、この細胞に、マウスssb(La自己抗原)(カタログ番号:S101433831,Qiagen GMBH,Hilden,Germany)mRNAをノックダウンするよう設計されたsiRNAと、標的を持たないsiRNA(カタログ番号:S1027310,Qiagen GMBH,Hilden,Germany)とを用いた。
【0113】
試験したsiRNA:
条件#1:リンカーなし
SSB siRNA:
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−UUAAAGUCUGUUGUCAGCC−3’(配列番号1)
DNAアンチセンス鎖 5’−dGdG−3’
【0114】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:5’−rUrUrArArArG rUrCrU rGrUrU rGrUrC rArGrC rC dGdG−3’(配列番号10)を形成する。
【0115】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0116】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−GGCUGACAACAGACUUUAA−3’(配列番号2)
DNAセンス鎖:5’−dTdT−3’
【0117】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rGrGrC rUrGrA rCrArA rCrArG rArCrU rUrUrA rA dTdT−3’(配列番号11)
を形成する。
【0118】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0119】
陰性対照siRNA:
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−ACGUGACACGUUCGGAGAA−3’(配列番号3)
DNAアンチセンス鎖 5’−dTdT−3’
【0120】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rArCrG rUrGrA rCrArC rGrUrU rCrGrG rArGrA rA dTdT−3’(配列番号12)
を形成する。
【0121】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0122】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−UUC UCCGAACGUGUCACGU−3’(配列番号4)
DNAセンス鎖:5’−dTdT−3’
【0123】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rUrUrC rUrCrC rGrArA rCrGrU rGrUrC rArCrG rU dTdT−3’(配列番号13)
を形成する。
【0124】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0125】
条件#2:16塩基のDNAリンカー配列を含むSSB:
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−UUAAAGUCUGUUGUCAGCC−3’(配列番号1)
DNAアンチセンス鎖 5’−dGdG−3’(配列番号2)
【0126】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rUrUrA rArArG rUrCrU rGrUrU rGrUrC rArGrC rC dGdG−3’(配列番号10)
を形成する。
【0127】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0128】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−GGCUGACAACAGACUUUAA−3’(配列番号2)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTA−3’(配列番号5)
【0129】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rGrGrC rUrGrA rCrArA rCrArG rArCrU rUrUrA rA dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdA−3’(配列番号16)
を形成する。
【0130】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0131】
16塩基のリンカー配列を含む陰性対照(mRNA標的なし):
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−ACGUGACACGUUCGGAGAA−3’(配列番号3)
DNAアンチセンス鎖 5’−dGdG−3’
【0132】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rArCrG rUrGrA rCrArC rGrUrU rCrGrG rArGrA rA dTdT−3’(配列番号17)
を形成する。
【0133】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0134】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−UUCUCCGAACGUGUCACGU−3’(配列番号4)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTA−3’(配列番号5)
【0135】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rUrUrC rUrCrC rGrArA rCrGrU rGrUrC rArCrG rU dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdA−3’(配列番号18)
を形成する。
【0136】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0137】
条件#3:21塩基のDNAリンカー配列を含むSSB:
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−UUAAAGUCUGUUGUCAGCC−3’(配列番号1)
DNAアンチセンス鎖 5’−dGdG−3’
【0138】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rUrUrA rArArG rUrCrU rGrUrU rGrUrC rArGrC rC dGdG−3’(配列番号10)
を形成する。
【0139】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0140】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−GGCUGACAACAGACUUUAA−3’(配列番号4)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTAGATTT−3’(配列番号6)
【0141】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rUrUrC rUrCrC rGrArA rCrGrU rGrUrC rArCrG rU dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdAdGdAdTdTdT−3’(配列番号19)
を形成する。
【0142】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0143】
21塩基のリンカー配列を含む陰性対照(mRNA標的なし):
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−ACGUGACACGUUCGGAGAA−3’(配列番号3)
DNAアンチセンス鎖 5’−dTdT−3’
【0144】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rArCrG rUrGrA rCrArC rGrUrU rCrGrG rArGrA rA dTdT−3’(配列番号12)
を形成する。
【0145】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0146】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−UUCUCCGAACGUGUCACGU−3’(配列番号4)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTAGATTT−3’(配列番号6)
【0147】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rUrUrC rUrCrC rGrArA rCrGrU rGrUrC rArCrG rU dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdAdGdAdTdTdT−3’(配列番号19)
を形成する。
【0148】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0149】
条件#4:26塩基のDNAリンカー配列を含むSSB:
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−UUAAAGUCUGUUGUCAGCC−3’(配列番号1)
DNAアンチセンス鎖 5’−dGdG−3’
【0150】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rUrUrA rArArG rUrCrU rGrUrU rGrUrC rArGrC rC dGdG−3’(配列番号10)
を形成する。
【0151】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0152】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−GGCUGACAACAGACUUU AA−3’(配列番号2)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTAGATTTGAATT−3’(配列番号7)
【0153】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rGrGrC rUrGrA rCrArA rCrArG rArCrU rUrUrA rA dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdAdGdAdTdTdTdG dAdAdTdT−3’(配列番号14)
を形成する。
【0154】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0155】
26塩基のリンカー配列を含む陰性対照(mRNA標的なし):
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−ACGUGACACGUUCGGAGAA−3’(配列番号3)
DNAアンチセンス鎖 5’−dTdT−3’
【0156】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rArCrG rUrGrA rCrArC rGrUrU rCrGrG rArGrA rA dTdT−3’(配列番号12)
を形成する。
【0157】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0158】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−UUCUCCGAACGUGUCACGU−3’(配列番号4)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTAGATTTGAATT−3’(配列番号7)
【0159】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rUrUrC rUrCrC rGrArA rCrGrU rGrUrC rArCrG rU dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdAdGdAdTdTdTdG dAdAdTdT−3’(配列番号15)
を形成する。
【0160】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0161】
siRNAハイブリダイゼーション処方物:
「センス」DNA/RNA分子(50μM) 25μL
「アンチセンス」RNA分子(50μM) 25μL
【0162】
上記の処方物当たり1本のマイクロチューブ中で、センスsiRNAオリゴヌクレオチドとアンチセンスsiRNAオリゴヌクレオチドを組み合わせた。オリゴ混合物を80℃で5分間インキュベートした後、37℃に20分間移し、siRNA二重鎖を形成させた。トランスフェクション混合物を調製する前に、ハイブリダイズしたsiRNAを、2μMの最終濃度になるように無血清培地中で25倍希釈した。
【0163】
トランスフェクション混合物の調製
以下の構成要素をマイクロチューブ中で組み合わせた:
抗体を含む2層DNAデンドリマー(10ng/μL) 12.0μL
siRNA二重鎖分子(2μMに希釈) 3.0μL
無血清培地またはPBS 105.0μL
【0164】
この混合物を37℃で20〜30分間インキュベートした後、使用するまで室温に、または長期保存の場合4℃に置いた。他の薬剤をトランスフェクション混合物に添加する実験については、添加される構成要素の容量を、トランスフェクション混合物で使用される無血清培地の量から差し引いた。例えば、105μlの無血清培地の代わりに7.5μlの1M MgClと97.5μlの無血清培地を添加して、MgClを含むトランスフェクション混合物を調製した。
【0165】
トランスフェクション実験:
ターゲッティング抗体とハイブリダイズしたsiRNA二重鎖とを含む、DNAデンドリマーを、インビトロトランスフェクションの標的として好適な2,000〜10,000個の生きた細胞を含む組織培養プレートのウェルに導入し、10%血清を含む適切な培地中または無血清培地中で増殖させた。これらの細胞は、1)デンドリマーが結合したターゲッティング抗体の結合標的として好適な表面抗原、2)このデンドリマーに結合したsiRNAアンチセンス分子の適切な標的としての役割を果たすメッセンジャーRNA(mRNA)、3)抗体が媒介する細胞表面結合事象、またはエンドサイトーシス過程を開始させることができる他の事象を介してDNAデンドリマーを内在化させる能力を含むが、これらに限定されない、特定の特徴を含まなければならない。典型的には、上記の処方物を、96ウェルプレート中の100μLの組織培養培地に、ウェルの総容量の10〜25%の範囲の容量(10〜25μl)で添加したが、最良の効果を得るにはより少ないまたはより多い容量が必要となり得る。siRNAの機能は、標的とされたmRNAを内部対照mRNA(18s RNAおよびPPIB mRNA)と比べて検出するように設計されたqRT−PCRアッセイを用いて、デンドリマー−siRNA複合体の添加後に細胞に残存するインタクトなmRNAの量を定量することによって直接的に測定したか、またはsiRNAのトランスフェクションならびにmRNA標的および関連タンパク質の発現のノックダウン後に細胞に残存するタンパク質の量を定量することによって間接的に測定した。
【0166】
修飾siRNAの適切な機能を確認するための対照として、製造元の奨めによる市販のトランスフェクション試薬であるリポフェクトアミン2000(Invitrogen,Carlsbad,CA)と、10nMの最終的なsiRNA濃度とを用いて、各修飾siRNAについてノックダウン活性を確認した。ノックダウン測定値は全て、同じ構造的修飾を含む陰性対照(mRNA標的なし)siRNA二重鎖と比べたものであった。
【0167】
siRNA修飾のリスト:
1.両方とも対照未修飾非伸長鎖からなる野生型siRNA二重鎖
2.16塩基のデオキシヌクレオチド伸長を有するセンス鎖からなるsiRNA二重鎖
3.21塩基のデオキシヌクレオチド伸長を有するセンス鎖からなるsiRNA二重鎖
26塩基のデオキシヌクレオチド伸長を有するセンス鎖からなるsiRNA二重鎖
【0168】
結果
まず、適切な陰性対照オリゴと比較した残存するSSB mRNAの相対量を測定することにより、リポフェクトアミン2000を用いたDNAデンドリマー送達方法とは独立して、siRNA(10nM最終濃度)の各々について、ノックダウン効率を測定した。全ての場合において、本発明者らは、70〜95%のノックダウン効率を観察した。次に、本発明者らは、10nMの最終siRNA濃度と、0.2ng/μlの最終DNAデンドリマー濃度(配列伸長を介してデンドリマーに結合することができるものについて、デンドリマー結合型siRNAとして約2.5〜3nM)とを有するDNAデンドリマーハイブリダイゼーション混合物を調製し、ノックダウン効率を比較した。一般に、おそらくsiRNAの分解のために、血清を含む培地と比較して無血清培地においてより顕著なノックダウン効率が観察された。血清含有培地と無血清培地の両方の比較において、最も長い(26塩基)伸長を含むsiRNA構築物は、2つのより短い3’デオキシヌクレオチド伸長(それぞれ、21塩基と16塩基、および伸長なし)と比較して、最も高い能力を発揮し、標的mRNAのより多いノックダウンをもたらした。血清含有培地では、本発明者らは、26塩基の3’伸長を有するsiRNA二重鎖については約40%のノックダウンで、siRNAにセンス鎖の3’伸長がない場合は、ほとんどまたは全くノックダウンがないところまで低下することを観察した。無血清培地では、本発明者らは、3’なし、16塩基伸長、および21塩基伸長についての、それぞれ0〜5%、10〜20%、および30〜35%のノックダウンと比較して、26塩基の3’伸長siRNAについて約65〜70%のノックダウンを観察した。
【0169】
血清含有培地を無血清培地と比較したトランスフェクションの結果に基づいて、血清含有培地中でのsiRNAの安定性を改善するために、様々な化学的部分で修飾されたsiRNAを引き続き研究に含めた。これらの修飾は本明細書において上で記載されている。
【0170】
実施例2
siRNA分子がビオチン化siRNA分子のストレプトアビジンに対する結合を介して非共有結合し、その後DNAデンドリマー上のビオチンに結合するターゲッティング抗体とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造と使用
オリゴの合成中に取り込まれた末端標識ビオチンを含むDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションと架橋によってビオチン部分がデンドリマーの「アーム」上に導入されていることを除き、ターゲッティング抗体と結合したDNAデンドリマーを上記のように調製した。典型的なデンドリマービオチン標識反応は、抗体のデンドリマーへの結合前、およびキャプチャー配列のライゲーション中またはライゲーション後に、以下のように行なわれた。
【0171】
以下の構成要素をマイクロチューブに添加した:
連結されたCap03配列を有する4層DNAデンドリマー(50ng/μL) 50.0μL
c(−)ビオチンオリゴ(500ng/μL) 2.6μL
a(−)ビオチンオリゴ(500ng/μL) 2.6μL
5M NaCl 4.0μL
エタノール中で飽和した2,4,8トリメチルソラーレン 7.0μL
【0172】
上記の反応物を合わせ、よく混合し、65℃の水の容器に入れ、42℃までゆっくりと冷却した。300nmのUV光に10分間(×2)曝露すると、ビオチン化オリゴをDNAデンドリマーのアームに共有結合させる架橋事象が起こった。サイズ排除スピンカラムの使用により、架橋されていないオリゴヌクレオチドを除去した。
【0173】
ビオチン標識オリゴヌクレオチドは、商業的なDNAオリゴヌクレオチド供給メーカーから供給された。Glen Research Inc.およびTrilink Biotechnology Inc.から入手可能なDNA合成試薬をはじめとする、ビオチン化DNAオリゴヌクレオチド合成のための種々のビオチン化ホスホロアミダイトを使用したが、これには、ビオチンホスホロアミダイト(Glen Research カタログ番号10−1953−95)、ビオチンTEGホスホロアミダイト(Glen Research カタログ番号10−1955−95)、ビオチン−dT(Glen Research カタログ番号10−1038−95)、5’−ビオチンホスホロアミダイト(Glen Research カタログ番号10−5950−95)、5’ビオチン(Trilink)、ビオチンジオールリンカー(5’または内部)(Trilink)、3’ビオチンBB CPG(Trilink)、および5’デュアルビオチン(Trilink)が含まれる。DNAポリメラーゼとビオチン化デオキシリボヌクレオチドとを用いたビオチンのDNAへの取込み、RNAポリメラーゼとビオチン化リボヌクレオチドとを用いたビオチンのRNAへの取込み、およびKreatech,Mirus Bioや他の会社から市販されている技術を用いたビオチンの核酸への化学的取込みをはじめとする、酵素合成や化学合成を用いたビオチンの核酸への取込みのための他の方法によって、同じような標識効率が得られる可能性が高い。
【0174】
細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成したが、これは、1)3’末端上の2個以上のDNAヌクレオチドとともに、通常19〜23塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の3’または5’末端に付加されたビオチン部分(またはビオチン類似体)を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、通常19塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含んでいた。これら2つの鎖を等モル量で組み合わせて、「センス」鎖と「アンチセンス」鎖の間に安定なハイブリッドを形成させ、ビオチン部分を、アビジンまたはストレプトアビジン分子への結合に利用できるようにした。ビオチン−アビジン結合処方物は、以下のものであった:
siRNAハイブリダイゼーション処方物:
末端ビオチン標識を有する「センス」DNA/RNA分子(50μM) 25μL
「アンチセンス」RNA分子(50μM) 25μL
【0175】
上記の処方物当たり1本のマイクロチューブ中で、センスsiRNAオリゴヌクレオチドとアンチセンスsiRNAオリゴヌクレオチドを組み合わせた。オリゴ混合物を80℃で5分間インキュベートした後、37℃に20分間移し、siRNA二重鎖を形成させた。
【0176】
以下の構成要素をマイクロチューブに添加した:
末端ビオチン標識を有するハイブリダイズした二重鎖siRNA(50uM) 5.3μL
1×PBS 86.5μL
ストレプトアビジン(1000ng/μL) 8.0μL
5M NaCl 0.2μL
【0177】
上記の反応物を組み合わせ、穏やかに混合し、37℃で10分間インキュベートした。
【0178】
上記の処方物では、ビオチン化「センス」RNAは、ストレプトアビジン分子上で利用できる4つの利用可能なビオチン結合価のうちの2〜3つと極めて強い非共有結合を形成し、それ以外の形でビオチン部分と結合することができる(平均して)少なくとも1つの遊離ビオチン結合ストレプトアビジン結合価は、「センス」RNA分子と会合しないまま残った。
【0179】
次に、ストレプトアビジン上の残りのビオチン結合価がDNAデンドリマー上のビオチン標識に結合するように、[ビオチン化siRNA−ストレプトアビジン]複合体をビオチン化デンドリマーと混合した。この結合は、以下の反応によって達成された:
抗体を含む4層ビオチン化DNAデンドリマー(10ng/μL) 50.0μL
「ビオチン化siRNA−ストレプトアビジン」複合体 5.3μL
1×PBS 3.7μL
【0180】
上記の反応物を組み合わせ、穏やかに混合し、37℃で30分間インキュベートした。
【0181】
ターゲッティング抗体とハイブリダイズしたsiRNA二重鎖とを含む、DNAデンドリマーを、インビトロトランスフェクションの標的として好適な2,000〜10,000個の生きた細胞を含む組織培養プレートのウェルに導入した。これらの細胞は、1)デンドリマー結合型ターゲッティング抗体の結合標的として好適な表面抗原、2)このデンドリマーに結合したsiRNAアンチセンス分子の適切な標的としての役割を果たすメッセンジャーRNA(mRNA)、3)抗体が媒介する細胞表面結合事象、またはエンドサイトーシスもしくは内在化過程を開始させることができる他の事象を介してDNAデンドリマーを内在化させる能力を含むが、これらに限定されない、特定の特徴を含んでいた。上記の処方物を、96ウェルプレート中の100μLの組織培養培地に、ウェルの総容量の10〜25%の範囲の容量(10〜25μl)で添加したが、最良の効果を得るにはより少ないまたはより多い容量が必要となり得る。上記の処方物を、96ウェルプレート中の100μLの組織培養培地に、ウェルの総容量の10〜25%の範囲の容量(10〜25μl)で添加したが、最良の効果を得るにはより少ないまたはより多い容量が必要となり得る。siRNAの機能は、デンドリマー−siRNA複合体の添加後に細胞に残存するインタクトなmRNAの量を定量することによって直接的に測定したか、またはmRNAおよび関連タンパク質の発現の「ノックダウン」により生じた、特定のmRNAに対するsiRNA結合の分解活性の結果として細胞により合成されたタンパク質の量を定量することによって間接的に測定した。
【0182】
実施例3
siRNA分子がジスルフィド架橋結合の使用によって共有結合されているターゲッティング抗体とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造
抗体を含む4層DNAデンドリマー(10ng/μL)を上記の実施例1または2と同様に合成する。細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成したが、これは、1)3’末端上の2個以上のDNAヌクレオチドとともに、通常19〜23塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端に付加されたスルヒドリル(SH)部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、通常19塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含んでいた。これら2つの鎖を組み合わせて、「センス」鎖と「アンチセンス」鎖の間に安定なハイブリッドを形成させ、スルフヒドリル部分を、デンドリマーのアームに付加されたキャプチャー配列に相補的なDNAオリゴヌクレオチド上の(「S−S」ジスルフィド結合を形成する)別のスルフヒドリル部分へのコンジュゲーションに利用できるようにする。ジスルフィド処方物に対する典型的なスルフヒドリル−スルフヒドリルコンジュゲーションは以下の通りであった。
【0183】
以下の構成要素をマイクロチューブに添加した:
末端スルフヒドリルを有する「センス」siRNA鎖(50uM) 10.0μL
スルフヒドリルを有する、キャプチャー配列に相補的なDNAオリゴ(50uM) 9.0μL
2Mジチオスレイトール(DTT)水溶液 20.0μL
ヌクレアーゼフリー水 1.0μL
【0184】
上記の反応物を組み合わせ、穏やかに混合し、65℃で16時間、またはほとんどもしくは全てのジスルフィド結合が単一のスルフヒドリル部分に還元されるまでインキュベートした。インキュベーション後、混合物を脱塩し、市販の脱塩カラム(Pierce,カタログ番号89891)の使用によって緩衝液を交換し、オリゴヌクレオチド合成後に形成されたジスルフィドの還元により生じたS−Hスルフヒドリルを両方とも含む、「センス」RNA分子とDNA分子の等モル溶液を得た。穏やかな酸化的条件(大気、酸素、またはオゾンへの曝露)の存在下で、または穏やかな酸化剤(過酸化水素、1〜3%)の添加によって、DNAオリゴとRNAオリゴの間に安定なジスルフィド結合を形成させた。平均して、ジスルフィド結合のランダムな形成から生じるDNAとRNAのジスルフィド複合体の約50%が適切なDNA/RNAオリゴの組合せとなり、この組合せの25%がDNA/DNAジスルフィド複合体とRNA/RNAジスルフィド複合体とを含む。DNA/DNA複合体やRNA/RNA複合体由来の特有の分子量と全長を含むDNA/RNA複合体をHPLCでまたはPAGE電気泳動過程により精製した。次に、実施例1で論じたように、DNAオリゴとRNAオリゴの間にジスルフィド結合を含む、得られたDNA/RNA複合体をDNAデンドリマーにハイブリダイズさせた。
【0185】
実施例4
siRNA分子がNHS−エステル依存的縮合化学反応の使用によって共有結合されているターゲッティング抗体とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造
抗体を含む4層DNAデンドリマー(10ng/uL)は、ビオチンが1級アミンと置き換えられたことを除き、上記の実施例2と同様に合成された。細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成したが、これは、1)3’末端上の2個以上のDNAヌクレオチドとともに、通常19〜23塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端上に付加されるカルボキシル(COOH)部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、通常19塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含んでいた。カルボキシルがN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルに変換され、次に、このエステルが1級アミンと反応して、NHSエステルとアミンの間に共有結合を形成するように、カルボキシルを含むRNA鎖を、市販の試薬を用いて化学修飾した。したがって、1級アミンで標識されたデンドリマーは、siRNAの「センス」鎖と共有結合することができ、このsiRNAの「センス」鎖は、「アンチセンス」RNA鎖とハイブリダイズしたとき、機能的なsiRNA二重鎖を形成する。
【0186】
カルボキシルからNHSへの変換は、以下のように行なわれた。
【0187】
以下の構成要素をマイクロチューブに添加した:
超純水中の末端カルボキシルを有する「センス」siRNA鎖(500ng/μL) 1000μL
EDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド) 0.4mg
スルホ−NHS試薬(Pierce カタログ番号24510) 1.1mg
【0188】
室温(15〜30℃)で15分間のインキュベーションの後、混合物を脱塩し、市販の脱塩カラム(Pierce,カタログ番号89891)の使用によって緩衝液を交換した。交換緩衝液は、(アミンを含まない)1×PBS pH 7.4であった。
【0189】
次に、このとき活性化NHSエステルを含む「センス」RNA分子を、(水またはアミンを含まない1×PBS中の)1級アミンを含むDNAデンドリマーに添加した。この反応を室温で2時間進行させた。インキュベーション後、1M Tris−HClを最終濃度50mMになるよう添加し、これによってNHS−エステルの反応が「クエンチ」された。5M NaClを最終濃度100mMになるよう添加した。「アンチセンス」RNA鎖を過剰に添加し、反応液を37℃で30分間加温することによって、デンドリマー結合型「センス」RNA鎖とハイブリダイズさせた。先に記載したようなサイズ排除スピンカラムの使用により、未反応のまたは過剰な試薬をデンドリマーから取り除いた。
【0190】
実施例5
siRNA分子がヘテロ二官能性化学架橋剤化学反応の使用によって共有結合されているターゲッティング抗体とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造
抗体を含む4層DNAデンドリマー(10ng/μL)は、ビオチン分子が1級アミンと置き換えられたことを除き、実施例2と同様に合成された。細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成したが、これは、1)3’末端上の2個以上のDNAヌクレオチドとともに、通常19〜23塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端上に付加されるカルボキシル(COOH)部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、通常19塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含んでいた。カルボキシルを含むRNA鎖を、カルボキシル部分とアミン部分の間に共有結合を形成させるヘテロ二官能性架橋試薬であるEDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド)の存在下で、アミン修飾デンドリマーと組み合わせた。したがって、1級アミンで標識されたDNAデンドリマーは、siRNAの「センス」鎖と共有結合し、このsiRNAの「センス」鎖は、「アンチセンス」RNA鎖とハイブリダイズしたときに、機能的なsiRNA二重鎖を形成した。
【0191】
カルボキシルを含む「センス」RNA鎖とデンドリマーに予め結合した1級アミンとの架橋は、以下のように行なわれた。
【0192】
以下の構成要素をマイクロチューブに添加した:
超純水中の末端カルボキシルを有する「センス」siRNA鎖(500ng/μL) 100.0μL
1×PBS中の、キャプチャー配列を有する4層アミンデンドリマー(500ng/μL) 100.0μL
EDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド) 10mg
【0193】
上記の反応液を室温(15〜30℃)で2時間インキュベートした。インキュベーション後、混合物を脱塩し、市販の脱塩カラム(Pierce,カタログ番号89891)の使用によって緩衝液を交換した。交換緩衝液は、(アミンを含まない)1×PBS pH 7.4であった。
【0194】
「アンチセンス」RNA鎖を過剰に添加し、反応液を37℃で30分間加温することによって、デンドリマー結合型「センス」RNA鎖とハイブリダイズさせた。サイズ排除スピンカラムの使用により、未反応のまたは過剰な試薬をデンドリマーから取り除いた。抗体も、実施例1と2に記載したようなデンドリマーに結合させた。
【0195】
実施例6
siRNA分子がホモ二官能性化学架橋剤化学反応の使用によって共有結合されているターゲッティング抗体とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造
抗体を含む4層DNAデンドリマー(10ng/μL)は、ビオチンが1級アミンと置き換えられたことを除き、実施例2と同様に合成された。細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成したが、これは、1)3’末端上の2個以上のDNAヌクレオチドとともに、通常19〜23塩基長の全RNAリボヌクレオチドを含み、かつオリゴヌクレオチド合成時または合成後にこの分子の5’末端上に付加される1級アミン部分を含む一本鎖「センス」鎖と、2)2個の3’末端デオキシヌクレオチドとともに、RNAリボヌクレオチドのみの、通常19塩基長の部分を含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含んでいた。アミンを含むRNA鎖を、アミン部分の間に共有結合を形成させる試薬であるスルホ−EGS[エチレングリコールビス(スクシニミジルスクシネート)](Pierce カタログ番号21566)などのホモ二官能性架橋剤の存在下で、アミン修飾デンドリマーと組み合わせた。したがって、1級アミンで標識されたDNAデンドリマーは、siRNAの「センス」鎖と共有結合し、このsiRNAの「センス」鎖は、その後、「アンチセンス」RNA鎖とハイブリダイズして、機能的なsiRNA二重鎖を形成した。
【0196】
1級アミンを含む「センス」RNA鎖とデンドリマーに予め結合した1級アミンとの架橋は、以下のように行なわれた。
【0197】
以下の構成要素をマイクロチューブに添加した:
超純水中の末端アミンを有する「センス」siRNA鎖(500ng/μL) 100.0μL
1×PBS中の、キャプチャー配列を有する4層アミンデンドリマー(500ng/μL) 100.0μL
スルホ−EGS[エチレングリコールビス(スクシニミジルスクシネート)] 20.0mg
【0198】
上記の反応液を室温(15〜30℃)で2時間のインキュベートした。インキュベーション後、混合物を脱塩し、市販の脱塩カラム(Pierce,カタログ番号89891)の使用によって緩衝液を交換した。交換緩衝液は、(アミンを含まない)1×PBS pH 7.4であった。
【0199】
「アンチセンス」RNA鎖を過剰に添加し、反応液を37℃で30分間加温することによって、デンドリマー結合型「センス」RNA鎖とハイブリダイズさせた。サイズ排除スピンカラムの使用により、未反応のまたは過剰な試薬をデンドリマーから取り除いた。抗体も、実施例1および2に記載したようなデンドリマーに結合させた。
【0200】
実施例7
ターゲッティング抗体とsiRNA分子とを含むDNAデンドリマーの製造ならびにデンドリマーの構造物に結合したビオチンおよびトランスフェクションにおける対イオンとして複数の正電荷を有するカチオンの重要性の比較
抗体を含む2層DNAデンドリマーは、デンドリマーの「アーム」を密集させる最大120個のビオチンを付けて合成された。このデンドリマー上の一定数の遊離「アーム」は、ハイブリダイゼーション結合事象を介するsiRNA二重鎖の結合に利用可能である(実施例1および2参照)。
【0201】
siRNA二重鎖のセンス鎖の26塩基伸長(実施例1での最良の結果)と、実施例1および2に記載のものと同様のICAM1を標的とするデンドリマーとからなるsiRNA構築物を用いて、本発明者らは、デンドリマー送達プラットフォーム上のビオチンの重要性を検討した。この実験のために、本発明者らは、外面にビオチンを付けて調製されたデンドリマーと外面にビオチンを付けないで調製されたデンドリマーを比較した。実施例1に記載されたものと同じデンドリマーとsiRNA分子の調製方法およびこの2つを組み合わせて、トランスフェクションノックダウン研究で使用する方法を用いた。さらに、siRNAノックダウンアッセイでビオチン化デンドリマー構築物と組み合わせて、本発明者らは、1Mの適切なカチオン塩溶液を最終濃度125mMになるまで添加し、その後、100μlの血清または無血清培地中のプレーティングされた細胞と組み合わせて25ulのこの混合物を使用することにより、siRNAデンドリマー構築物の初期のハイブリダイゼーションの一部としてのアッセイにおけるMg2+、Ca2+、およびMn2+を含むときまたは含まないときのターゲッティングされたデンドリマーsiRNAのトランスフェクション効率を比較した。
【0202】
結果
本発明者らは、(実施例1に記載したように)無血清培地中で試験したとき、外面にビオチンを付けて調製されたデンドリマー構築物が65〜80%のノックダウンを示す一方で、ビオチンが付いていないデンドリマーは約35〜40%のノックダウンしかもたらさないことを観察した。血清含有培地では、ビオチンを含むデンドリマーとビオチンを含まないデンドリマーの間に同じような割合の性能が観察され、siRNAノックダウン活性は、そのビオチン化対応物と比較して、ビオチンを含まないデンドリマーについて無血清培地中で観察された活性の約25〜50%であった。同様に、本発明者らは、最終濃度25mMのMg、Ca、およびMnにより、カチオンが除かれたトランスフェクションと比較してより再現性が高くかつ効率的なノックダウンが得られることを観察した。本発明者らはまた、このような種類の実験でデンドリマーを使用するとき、スペルミンやスペルミジンなどの他のカチオンが同様の効果を示すであろうと考えている。
【0203】
実施例8
mRNA発現のsiRNAノックダウンのための2層デンドリマーと4層デンドリマーの使用
2層バージョンと4層バージョンの両方の上に抗体を含むDNAデンドリマーは、2層デンドリマーの「アーム」を密集させる最大120個のビオチン、および4層デンドリマーのアームを密集させる最大720個のビオチンを付けて合成され、両方のタイプのデンドリマーは、ハイブリダイゼーション結合事象を介するsiRNA二重鎖の結合に利用可能な一定数の遊離「アーム」を含む(実施例1および7参照)。実施例1に記載されたものと同じsiRNA調製、デンドリマーとsiRNAとの組み合わせ、およびトランスフェクションノックダウン研究のための方法を用いた。2層デンドリマーと4層デンドリマーの結果を比較した。等しい量のsiRNA分子がデンドリマー分子に結合するのを確実にするために、2層構築物と4層構築物の両方に対して最終的なsiRNAとデンドリマーの(質量)濃度を用いた。
【0204】
結果
これらの結果から、各2層デンドリマーがデンドリマー1つ当たり1/9の量のsiRNA分子を有するにもかかわらず、等しい入力質量の各デンドリマータイプを同じsiRNA最終濃度で用いたとき、2層デンドリマーが4層デンドリマーよりも1.5〜2倍大きいノックダウンを生じさせることが示される。
【0205】
実施例9
ヒトおよび動物血清中でのタンパク質ヌクレアーゼへの曝露によるDNAデンドリマーのヌクレアーゼ依存的分解からの保護
未修飾のDNAデンドリマーは、タンパク質DNアーゼを含む溶液に曝露されたとき、ヌクレアーゼ依存的分解を受ける。それゆえ、未修飾であるかまたは様々なハプテン、蛍光、アミン、もしくは他の標識とターゲッティング抗体とで修飾されているかのいずれかの、DNAデンドリマーが、動物供給源に由来する体液(例えば、血清)を含むインビトロまたはインビボ環境に導入されたときに、素早く分解すると仮定するのは理に適っていた。歴史的に見て、こうした仮定のために、つい最近になって(先の実施例1〜8によって調製された)DNAデンドリマーが、少なくとも960分(16時間)、ヌクレアーゼ依存的分解に対して顕著な抵抗性を示すことが予期せず観察されるまで、本発明者らがDNAデンドリマーをインビトロ細胞アッセイや任意のインビボ用途に使用するのは不可能であった。実験を以下のように行なった。
【0206】
実験1:未修飾および修飾DNAデンドリマーと、添加された追加の外因性DNアーゼを含むおよび含まない、0%および75%ヒト血清とのインキュベーション
条件:
チューブ1〜4は、以下の添加物をとともに、未修飾の4層DNAデンドリマーを含んでいた。
チューブ1:PBSのみ。
チューブ2:75%新鮮ヒト血清。
チューブ3:1Uの外因性DNアーゼを含むPBS。
チューブ4:1Uの外因性DNアーゼを含む75%新鮮ヒト血清。
【0207】
チューブ5〜8は、以下の添加物をとともに、デンドリマー1つ当たり(平均して)約960個のFITC色素と、(実施例1に記載したように付加された)15〜25個の抗ICAM1マウスモノクローナル抗体とを含む、修飾された4層DNAデンドリマーを含んでいた。
チューブ5:PBSのみ。
チューブ6:75%新鮮ヒト血清。
チューブ7:1Uの外因性DNアーゼを含むPBS。
チューブ8:1Uの外因性DNアーゼを含む75%新鮮ヒト血清。
【0208】
各チューブを37℃で0、30、および120分間インキュベートした。各時点で試料を各チューブから取り出し、ヌクレアーゼ活性化に必要とされる重要なカチオンの単純な錯化によってヌクレアーゼ分解を停止させるために、取り出された試料にEDTAを最終濃度50mMになるようすぐに添加した。各試料を0.8%アガロースゲルで3時間、75ボルトで電気泳動した後、デンドリマーの分解を観察した(図5aおよび5b)。
【0209】
ゲルの結果から、以下の結果が明確に示された:
チューブ1:120分後に分解は観察されなかった。
チューブ2:120分後に分解は観察されなかった。
チューブ3:30分の時点で明らかな分解が観察された。
チューブ4:30分の時点で明らかな分解が観察された。
チューブ1:120分後に分解は観察されなかった。
チューブ2:120分後に分解は観察されなかった。
チューブ3:120分後に分解は観察されなかった。
チューブ4:30分の時点で明らかな分解が観察された。
【0210】
結果
未修飾DNAデンドリマーの分解は、PBS条件と75%血清条件の両方において、1Uの外因性DNアーゼの存在下でのみ起こった。修飾DNAデンドリマーの分解は、75%血清の条件のみにおいて、1Uの外因性DNアーゼの存在下でのみ起こった。
【0211】
結論:未修飾DNAデンドリマーと修飾DNAデンドリマーは両方とも、ヒト血清中でのヌクレアーゼ分解に対する予期せぬ抵抗性を示したが、修飾DNAデンドリマーはさらに、PBS緩衝液中での外因性DNアーゼに対する抵抗性を示し、しかしヒト血清中での外因性DNアーゼに対する抵抗性は示さなかった。以前の結果では、未修飾DNAデンドリマーが、動物血清への比較的短い曝露(30分)の後にひどく分解されることが示されたので、これは予期せぬ結果であった。
【0212】
実験2;最大960分(16時間)の、未修飾および修飾DNAデンドリマーと0%および75%ヒト血清とのインキュベーション
条件
チューブ1〜4は、以下の添加物をとともに、未修飾の4層DNAデンドリマーを含んでいた。
チューブ1:PBSのみ。
チューブ2:75%新鮮ヒト血清。
【0213】
チューブ3〜4は、以下の添加物をとともに、デンドリマー1つ当たり(平均して)約960個のFITC色素と、(実施例1に記載したように付加された)15〜25個の抗ICAM1マウスモノクローナル抗体とを含む、修飾された4層DNAデンドリマーを含んでいた。
チューブ3:PBSのみ。
チューブ4:75%新鮮ヒト血清。
【0214】
各チューブを37℃で0、60、および120、240、480、および960分間インキュベートした。各時点で試料を各チューブから取り出し、ヌクレアーゼ活性化に必要とされる重要なカチオンの単純な錯化によってヌクレアーゼ分解を停止させるために、取り出された試料に50mM EDTAをすぐに添加した。各試料を0.8%アガロースゲルで3時間、75ボルトで電気泳動した後、デンドリマーの分解を観察した(図6aおよび6b)。ゲルの結果から、以下の結果が明確に示された:
チューブ1:960分後に分解は観察されなかった。
チューブ2:480分後に分解は観察されず、960分の時点で>80%分解が観察された。
チューブ3:960分後に分解は観察されなかった。
チューブ4:960分後に分解は観察されなかった。
【0215】
結果
未修飾DNAデンドリマーの分解は、480分の時点の後しばらくして、75%ヒト血清の存在下でのみ起こった。修飾DNAデンドリマーの分解は、PBS条件でも75%血清条件でも、どの時点でも観察されなかった。
【0216】
結論:未修飾DNAデンドリマーと修飾DNAデンドリマーは両方とも、ヒト血清中でのヌクレアーゼ分解に対する予期せぬ抵抗性を示したが、修飾DNAデンドリマーはさらに、未修飾DNAデンドリマーと比較したとき、血清に基づくヌクレアーゼ分解に対する幾分より大きい抵抗性を示した。修飾DNAデンドリマーが、ヒト血清中、37℃で16時間、安定であることが示されたが、これも予期せぬ結果であった。本発明者らは、DNAデンドリマーにFITCと抗体による修飾を付加することにより、そのような修飾を付加しなければ、ヒト血清中のヌクレアーゼに抵抗するよう他の方法で化学修飾(例えば、これらのDNAデンドリマーに使用されていない、ホスホチオレート化学反応修飾)されていないDNA分子での以前の経験からは予期されない若干の追加レベルの保護がもたらされると考えている。
【0217】
実施例10
ハイブリダイズしたsiRNA分子を有するDNAデンドリマーと市販のリポフェクトアミントランスフェクション試薬との組合せ
この実験の目的は、ターゲッティング抗体から独立しており、かつハイブリダイゼーションによって付着したsiRNA分子を有するDNAデンドリマーを、mRNAノックダウンによって測定されるようなsiRNAの細胞質送達のための別のトランスフェクション試薬とうまく組み合わせることができるかどうかを明らかにすることであった。
【0218】
実施例1で概説され、かつ以前に開示されたように、DNAデンドリマーを調製した(特許第5,175,270号、第5,484,904号、第5,487,973号、第6,110,687号、第6,274,723号を参照されたい)。簡潔に述べると、その各々が、各鎖の中央部分にある配列相補性領域を共有する2つのDNA鎖から作られた、DNAモノマーからDNAデンドリマーを構築した。2つの鎖がアニールしてモノマーを形成するとき、結果として生じる構造は、4つの一本鎖「アーム」に隣接した中央の二本鎖「ウェスト」を有するものとして記載することができる。このウェスト−プラス−アーム構造は、基本DNAモノマーを含む。5つのモノマータイプの各々の末端にある一本鎖アームは、正確かつ特異的な方法で、互いに相互作用するよう設計される。相補的なモノマーのアーム間の塩基対合は、モノマー層の順次付加によるデンドリマーの有向アセンブリを可能にした(図1)。デンドリマーの各層のアセンブリには、DNA鎖が互いに共有結合し、それにより、DNA鎖が互いに共有結合しなければデンドリマー構造の変形を引き起こすことになる変性条件に影響されない完全に共有結合した分子が形成される架橋プロセスが含まれた(図2)。この実施例のために調製されたデンドリマーは、ビオチンを含まないか、またはその外面に付着した最大約720個のビオチン分子(4層デンドリマー)を含むかのいずれかであった。試験されたいくつかの条件については、相補的なキャプチャーオリゴとしての役割を果たす38塩基のオリゴヌクレオチドをまず付着させることによって、抗体をデンドリマーと組み合わせ、以下のように、簡単なT4 DNAリガーゼ依存的ライゲーション反応によって、利用可能なデンドリマーアームの5’末端に連結した。
【0219】
以下の構成要素をマイクロチューブに添加した:
1×TE緩衝液中の2層DNAデンドリマー(500ng/μL) 5.4μL(2680ng)
a(−)LIG−BR7架橋オリゴ(14mer)(50ng/μL) 2.7μL(134ng)
10×リガーゼ緩衝液 10.2μL
ヌクレアーゼフリー水 81.7μL
Cap03キャプチャーオリゴ(38mer)(50ng/μL) 4.0μL(200ng)
T4 DNAリガーゼ(1U/μL) 10.0μL(10ユニット)
【0220】
最初の4回の反応物を合せて、65℃に加熱し、室温まで冷却した。次に、5回目と6回目の反応物を添加して、45分間インキュベートした。2.8μLの0.5M EDTA溶液を添加して、ライゲーション反応を停止させた。Sephacryl S400(Pharmacia)を用いて調製されたサイズ排除スピンカラムを用いて、連結されなかったオリゴヌクレオチドを除去した。
【0221】
まず、先に記載した架橋縮合コンジュゲーション化学反応(Solulink Inc.(San Diego,CA)で準備した)を用いて(Cap03配列に相補的な)DNAオリゴヌクレオチドを抗体に共有結合的にコンジュゲートさせ、次いで、この抗体結合オリゴヌクレオチドをデンドリマーのアーム上の相補的配列(Cap03)にハイブリダイズさせることによって、抗体をDNAデンドリマーに結合させた。このハイブリダイゼーションは31塩基対を含み、生理学的塩溶液中で65℃よりも大きい融解温度を有し、それにより、生理的温度と条件で抗体と結合したデンドリマーの安定な複合体が提供される。
【0222】
典型的なハイブリダイゼーション処方物:
連結されたCap03配列を含む2層DNAデンドリマー(50ng/μL) 50.0μL
PBSまたは同等物(例えば、Superfreeze(Pierce))中の50%エチレングリコール 25.0μL
1×リン酸緩衝化食塩水(PBS) 57.0μL
5M NaCl 4.3μL
オリゴ−抗体コンジュゲート(抗マウスICAM−1抗体)(オリゴとして7.8ng/μL) 13.7μL
【0223】
上記の反応物を組み合わせ、穏やかに混合し、37℃で30分間インキュベートした。この処方物は、4℃で少なくとも6カ月間安定である。
【0224】
siRNA設計/調製
細胞内でsiRNAとして働くよう設計された分子を化学合成するが、これは、1)通常19塩基長の、RNAリボヌクレオチドとしての5’部分と、通常0〜33塩基長の、DNAデオキシリボヌクレオチドとしての3’部分とを含み、DNAデンドリマーに連結されたキャプチャーオリゴに相補的であるよう設計された、一本鎖「センス」鎖と、2)RNAリボヌクレオチドのみの、通常19塩基長の部分と、2個の3’末端デオキシリボヌクレオチドとを含む、「センス」鎖に相補的な一本鎖「アンチセンス」鎖とを含む。これら2つの鎖を等モル量で組み合わせて、「センス」鎖と「アンチセンス」鎖の間に安定なハイブリッドを形成させ、「センス」鎖の一本鎖DNA部分をDNAデンドリマーのキャプチャーオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションに利用できるようにする。
【0225】
この実験のために、本発明者らは、26塩基長のリンカー配列のハイブリダイゼーションを介してデンドリマーに直接付着しているか、または付着していないかのいずれかのsiRNA分子を研究した。いくつかの場合では、以下に記載の条件によって概略が示されるように、抗体をデンドリマーに予め付着させた。
【0226】
抗体含有デンドリマーのために、本発明者らは抗ICAM−1を付着させたが、それは、この抗体が、10%胎仔ウシ血清(FBS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)および10%FBSを含まないDMEM中で増殖したHepa1−6細胞上に見られるからである。全ての場合について、本発明者らは、マウスssb(La自己抗原)mRNAをノックダウンするよう設計されたsiRNAと、標的を持たないsiRNA(Qiagen)とを用いた。
【0227】
試験されたsiRNA:
デンドリマー付着配列を含まないsiRNA
SSB siRNA(SSB unmod):
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−UUAAAGUCUGUUGUCAGCC−3’(配列番号1)
DNAアンチセンス鎖 5’−dGdG−3’
【0228】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rUrUrA rArArG rUrCrU rGrUrU rGrUrC rArGrC rC dGdG−3’(配列番号10)
を形成する。
【0229】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0230】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−GGCUGACAACAGACUUUAA−3’(配列番号2)
DNAセンス鎖:5’−dTdT−3’
【0231】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rGrGrC rUrGrA rCrArA rCrArG rArCrU rUrUrA rA dTdT−3’(配列番号11)
を形成する。
【0232】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0233】
陰性対照siRNA(Neg unmod):
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−ACGUGACACGUUCGGAGAA−3’(配列番号3)
DNAアンチセンス鎖 5’−dTdT−3’
【0234】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rArCrG rUrGrA rCrArC rGrUrU rCrGrG rArGrA rA dTdT−3’(配列番号12)
を形成する。
【0235】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0236】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−UUCUCCGAACGUGUCACGU−3’(配列番号4)
DNAセンス鎖:5’−dTdT−3’
【0237】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rUrUrC rUrCrC rGrArA rCrGrU rGrUrC rArCrG rU dTdT−3’(配列番号13)
を形成する。
【0238】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0239】
26塩基のDNAリンカー配列を含むSSB(SSB+26):
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−UUAAAGUCUGUUGUCAGCC−3’(配列番号1)
DNAアンチセンス鎖 5’−dGdG−3’
【0240】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rUrUrA rArArG rUrCrU rGrUrU rGrUrC rArGrC rC dGdG−3’(配列番号10)
を形成する。
【0241】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0242】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−GGCUGAC AAC AGACUUU AA−3’(配列番号2)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTAGATTTGAATT−3’(配列番号7)
【0243】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rGrGrC rUrGrA rCrArA rCrArG rArCrU rUrUrA rA dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdAdGdAdTdTdTdG dAdAdTdT−3’(配列番号14)
を形成する。
【0244】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0245】
26塩基のDNAリンカー配列を含むSSB陰性対照(mRNA標的なし):
アンチセンス鎖:
RNAアンチセンス鎖:5’−ACGUGACACGUUCGGAGAA−3’(配列番号3)
DNAアンチセンス鎖 5’−dTdT−3’
【0246】
完全なアンチセンス鎖は、RNAアンチセンス鎖の3’末端に結合したDNAアンチセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドアンチセンス鎖:
5’−rArCrG rUrGrA rCrArC rGrUrU rCrGrG rArGrA rA dTdT−3’(配列番号12)
を形成する。
【0247】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表し、下線のあるヌクレオチドは、2’−メトキシ(Oメチルとも呼ばれる)修飾を有するオリゴヌクレオチド内の位置を示す。
【0248】
センス鎖:
RNAセンス鎖:5’−UUCUCCGAACGUGUCACGU−3’(配列番号4)
DNAセンス鎖:5’−TTCCGTTGACATCTCGTAGATTTGAATT−3’(配列番号7)
【0249】
完全なセンス鎖は、RNAセンス鎖の3’末端に結合したDNAセンス鎖から構成されており、したがって、RNA−DNAハイブリッドセンス鎖:
5’−rUrUrC rUrCrC rGrArA rCrGrU rGrUrC rArCrG rU dTdT dCdCdGdTdT dGdAdC dAdTdCdTdC dGdTdAdGdAdTdTdTdG dAdAdTdT−3’(配列番号15)
を形成する。
【0250】
rはリボヌクレオチドを表し、dはデオキシリボヌクレオチドを表す。
【0251】
siRNAハイブリダイゼーション処方物:
「センス」DNA/RNA分子(50μM) 25μL
「アンチセンス」RNA分子(50μM) 25μL
【0252】
上記の処方物当たり1本のマイクロチューブ中で、センスsiRNAオリゴヌクレオチドとアンチセンスsiRNAオリゴヌクレオチドを組み合わせた。オリゴ混合物を80℃で5分間インキュベートした後、37℃に20分間移し、siRNA二重鎖を形成させた。トランスフェクション混合物を調製する前に、ハイブリダイズしたsiRNAを、2μMの最終濃度になるように無血清培地中で25倍希釈した。
【0253】
トランスフェクション混合物の調製
リポフェクトアミン2000(Invitrogen,Carlsbad,CA)を製造元に従って使用し、2倍濃縮物となるように無血清培地中でまず希釈して、2×リポフェクトアミン溶液を調製した。
【0254】
siRNAのみのリポフェクトアミン複合体:
以下の構成要素をマイクロチューブ中で組み合わせた:
siRNA二重鎖分子(2μMに希釈) 3.0μL
無血清培地またはPBS 51.0μL
【0255】
使用する5分前に、上記の混合物に、54μlの2×リポフェクトアミン溶液を添加した。
【0256】
デンドリマー+siRNAリポフェクトアミン複合体:
以下の構成要素をマイクロチューブ中で組み合わせた:
抗体を含むまたは含まない4層DNAデンドリマー(10ng/μL) 12.0μL
siRNA二重鎖分子(2μMに希釈) 3.0μL
無血清培地またはPBS 39.0μL
【0257】
この混合物を37℃で20〜30分間インキュベートした後、使用する5分前に、2×リポフェクトアミン溶液と組み合わせるまで、室温に置いた。
【0258】
トランスフェクション実験
トランスフェクション混合物を、インビトロトランスフェクションの標的として好適な2,000〜10,000個の生きた細胞を含む組織培養プレートのウェルに導入し、10%血清を含む適切な培地中または無血清培地中で増殖させた。5μlの適当な上記の処方物を、プレーティングされた細胞を含む96ウェルプレート中の120uLの組織培養培地に添加した。siRNAの最終濃度は、2nMであった。siRNAの機能は、標的とされたmRNA(ssb)を内部対照mRNA(18s RNAおよびPPIB mRNA)と比べて検出するように設計されたqRT−PCRアッセイを用いて、リポフェクトアミンsiRNAまたはリポフェクトアミンデンドリマー−siRNA複合体の添加後に細胞に残存するインタクトなmRNAの量を定量することによって直接的に測定した。
【0259】
ノックダウン測定値は全て、同じ構造的修飾を含む陰性対照(mRNA標的なし)siRNA二重鎖と比べたものであった。
【0260】
試験された実験条件のリスト:
リポフェクトアミン+「SSB unmod」デンドリマーなし(#1)、リポフェクトアミン+「Neg unmod」デンドリマーなし(#2)、リポフェクトアミン+「SSB+26」デンドリマーなし(#3)、リポフェクトアミン+「Neg+26」デンドリマーなし(#4)、リポフェクトアミン+Abを含まないデンドリマー+「SSB unmod」(#5)、リポフェクトアミン+Abを含まないデンドリマー+「Neg unmod」(#6)、リポフェクトアミン+Abを含まないデンドリマー+「SSB+26」(#7)、リポフェクトアミン+Abを含まないデンドリマー+「Neg+26」(#8)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含まないデンドリマー+「SSB unmod」(#9)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含まないデンドリマー+「Neg unmod」(#10)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含まないデンドリマー+「SSB+26」(#11)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含まないデンドリマー+「Neg+26」(#12)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含むデンドリマー+「SSB unmod」(#13)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含むデンドリマー+「Neg unmod」(#14)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含むデンドリマー+「SSB+26」(#15)、リポフェクトアミン+720個のビオチンを含み、Abを含むデンドリマー+「Neg+26」(#16)。
【0261】
結果
「SSB unmod」のノックダウン効率を「SSB+26」を比較した全ての場合において、siRNAがデンドリマーと組み合わされているかどうかにかかわらず、2つのsiRNA構築物の間にはほとんど違いが見られず、26塩基の伸長が、結果に対して良くも悪くも影響を及ぼさないことが示された。さらに、siRNAをデンドリマーに付着させたとき、このsiRNAはハイブリダイズしていないsiRNAと同じくらい良く機能し、ハイブリダイズしたsiRNAがデンドリマーsiRNA構築物から効率的に放出されることが示唆された。
【0262】
デンドリマーを含まないリポフェクトアミンsiRNA複合体(上記の条件#1〜#4)のノックダウン効率をデンドリマーを含むリポフェクトアミンsiRNA複合体(#5〜#8、#9〜#12、または#13〜#16)のノックダウン効率と比較して、本発明者らは、デンドリマーが存在するときのノックダウン効率の顕著な改善を観察した。デンドリマーを含まないリポフェクトアミン複合体は、デンドリマーが存在するときの90〜95%超のノックダウンと比較して、約80%のノックダウンを示した。
【0263】
抗体を含むまたは含まないリポフェクトアミンsiRNAデンドリマー複合体のノックダウン効率を比較して、違いはほとんどまたは全く観察されなかった。両方とも等しく効率的であった。
【0264】
ビオチンを含むデンドリマーは、ビオチンを含まないデンドリマーを用いて調製した同様の複合体と比較して、リポフェクトアミン複合体中のsiRNAと組み合わせたときにより良好なノックダウン効率の傾向を示したが、この用量のsiRNAではノックダウン効率の統計的な違いは観察されなかった。
【0265】
結論:観察された結果に基づいて、リポソーム性のトランスフェクション剤と組み合わせたときのDNAデンドリマーは、siRNA分子のmRNAノックダウン効率を改善すると結論付けられた。使用した組成物に基づいて、本発明者らは、デンドリマーが、細胞内コンパートメント(例えば、エンドソーム)からのsiRNAの放出を改善するように作用し得るという理論を立てている。
【0266】
上で示したように、前述の考察には、例示的でかつ好ましい本発明の様々な実施形態が開示および記載されている。しかしながら、当業者であれば、このような考察から、ならびに添付の図面、特許請求の範囲、および実施例から、以下の特許請求の範囲で規定されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、変更、修正、および変化をそれらの中で行なうことができるということを容易に認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
siRNA分子に付着したDNAデンドリマーを含む組成物。
【請求項2】
タンパク質、ポリエチレングリコール(PEG)部分を含む分子、ビオチンもしくはビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、またはその任意の組合せが、前記DNAデンドリマーにさらに付着している、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
siRNA分子と抗体とに付着したDNAデンドリマーを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
siRNA分子とビオチンとに付着したDNAデンドリマーを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
siRNA分子とフルオレセインまたはフルオレセインイソチオシアネート(FITC)を含む、フルオレセイン誘導体とに付着したDNAデンドリマーを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
ヒトまたは動物の血清、血漿、血液、リンパ液、および任意の数の他の体液をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が血清中で少なくとも0.5時間安定である、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
DNAデンドリマーとsiRNA分子とを含む組成物を調製する方法であって、(a)ジスルフィド架橋結合によって;(b)NHSエステル依存的縮合反応の使用によって;(c)二官能性架橋反応の使用によって;(d)siRNAのDNAデンドリマー配列への直接的もしくは間接的ハイブリダイゼーションによって;または(e)電荷−電荷相互作用を介してsiRNA分子を前記DNAデンドリマーに架橋するポリカチオン性化合物の使用によって、前記siRNAを前記DNAデンドリマーに付着させる工程を含む方法。
【請求項9】
前記DNAデンドリマーに、タンパク質、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、ポリエチレングリコール(PEG)部分を含む分子、ビオチンもしくはビオチン誘導体、またはその任意の組合せを付着させる工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
抗体またはその断片をさらに付着させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ビオチンをさらに付着させる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体をさらに付着させる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
siRNA分子を分解から保護する方法であって、(a)前記siRNA分子と(b)タンパク質、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、PEG分子、ビオチン、ビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、またはその任意の組合せとをDNAデンドリマーに付着させ、それにより、siRNA分子を分解から保護する工程を含む方法。
【請求項14】
前記分解が体液中で起こる分解である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記体液が血清を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記タンパク質が抗体またはその断片である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ビオチンを前記DNAデンドリマーに付着させる工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体を前記DNAデンドリマーに付着させる工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
DNAデンドリマーを体液中での分解から保護する方法であって、前記DNAデンドリマーに、タンパク質、ジゴキシゲニン、コレステロール、1級アミン、3〜120炭素長の炭化水素スペーサー、PEG部分を含む分子、ビオチンもしくはビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、またはその任意の組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマーを体液中でのヌクレアーゼ分解から保護する工程を含む方法。
【請求項20】
前記体液が血清を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記タンパク質が抗体またはその断片である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ビオチンを前記DNAデンドリマーに付着させる工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体を前記DNAデンドリマーに付着させる工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記DNAデンドリマーに、DNA分子、RNA分子、タンパク質、化学療法剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、静菌剤、向精神剤、スタチン、神経障害因子、ホルモン、ACE阻害剤、抗凝固因子、鎮痛剤、抗血管新生剤、血管形成剤、増殖因子、増殖因子阻害剤、または任意のその組合せを含む分子を付着させる工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
DNAデンドリマーを体液中に送達する方法であって、前記DNAデンドリマーに、タンパク質、PEG部分を含む分子、ビオチンもしくはビオチン誘導体、フルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、またはその組合せを付着させ、それにより、DNAデンドリマー体液中に送達する工程を含む方法。
【請求項26】
前記体液が血清である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記送達がインビボ送達である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記DNAデンドリマーに核酸分子を付着させる工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記核酸分子がsiRNA分子である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記タンパク質が抗体またはその断片である、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記ビオチンまたはビオチン誘導体を前記DNAデンドリマーに付着させる工程を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記フルオレセインまたはフルオレセイン誘導体を前記DNAデンドリマーに付着させる工程を含む、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図12e】
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【図12f】
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【図12g】
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【図12h】
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【公表番号】特表2011−530537(P2011−530537A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522303(P2011−522303)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/053264
【国際公開番号】WO2010/017544
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(510099866)ジェニスフィア・エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】