長物用工具箱及びこれを備える高所作業車
【課題】一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる長物用工具箱及びこれを備える高所作業車を提供すること。
【解決手段】長物用工具箱22は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体23と、前記工具箱本体23の一方の短辺側に位置すると共に開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体23の一方の長辺側に第1のヒンジ26を備えた第1の蓋24と、前記工具箱本体23の他方の短辺側に位置し且つ開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジ27を備えた第2の蓋25と、前記第1の蓋24はその閉鎖位置では前記第2の蓋25を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋25の開放を許容するワイヤロープ32と、を有している。
【解決手段】長物用工具箱22は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体23と、前記工具箱本体23の一方の短辺側に位置すると共に開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体23の一方の長辺側に第1のヒンジ26を備えた第1の蓋24と、前記工具箱本体23の他方の短辺側に位置し且つ開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジ27を備えた第2の蓋25と、前記第1の蓋24はその閉鎖位置では前記第2の蓋25を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋25の開放を許容するワイヤロープ32と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、短辺側の上方への開き代が制限される長物用工具箱及びこれを備える高所作業車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高所作業車には、トラックの荷台に旋回台を設け、この旋回台に伸縮ブームを起伏可能に取り付け、この伸縮ブームを起伏シリンダにより起伏させるようにすると共に、伸縮ブームの先端部にバケットを取り付けたものが知られている。
【0003】
また、高所作業車としては、伸縮ブームの先端部に多関節アームを介してバケットを取り付けたものも知られている。この高所作業車では、伸縮ブームやバケットの格納時に、伸縮ブームを縮小させると共に前側に向けて略水平になるまで倒伏させて、伸縮ブームを荷台上のブームレスト上に支持させるようにしている。
【0004】
しかも、この高所作業車では、走行時に、多関節アームの関節に走行振動による負荷が作用しないようにするために、キャビンの直ぐ後にバケットレストを設けると共に、多関節アームによりバケットを後方に向けてバケットレスト上に支持させるようにしている。
【0005】
近年、このような高所作業車を利用した配電工事では、作業者が電線に直接触れずに工事を行う間接活線工事が普及しつつある。この間接活線工事には、電気的絶縁性を有するホットスティック等の長尺工具が用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
このホットスティックには、最縮小状態において1600mm程度の長尺物が使用されているのが現状である。しかも、このホットスティックはバケット内で使用し且つ使用頻度が多いことから、収納には格納したバケットに近い位置に専用の上開きの長物用工具箱が必要であった。又、ホットスティックは先端に多種の工具を装着して順次あるいは同時に使用するため、6本程度は長物用工具箱に格納しておく必要があった。
【特許文献1】特開平8−289427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、高所作業車では、格納時に伸縮ブームを前に向けて略水平に倒伏させたときの起伏シリンダや旋回台を避けて長物用工具箱を配置する必要があるため、大型の長物用工具箱を配置するスペースが限られている。このため、長物用工具箱を旋回台より前側で荷台の車幅方向の一側部上に配置すると共に、この長物用工具箱の前端をキャビンの直ぐ後に位置させている。
【0008】
一方、多関節アームを用いた高所作業車では、格納時にバケットを後ろに向けてバケットレストに支持させた状態としたとき、長物用工具箱の前端部上にバケットの後端部が構造物として存在する状態となってしまう。
【0009】
この状態では、長物用工具箱の上端開口部を開閉する扉の開度が大きく取れないため、ホットスティック等の長尺工具の出し入れが困難になるという問題があった。
【0010】
そこで、この発明は、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる長物用工具箱及びこれを備える高所作業車を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、前記工具箱本体の他方の短辺側に位置し且つ上方への開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を有する長物用工具箱としたことを特徴とする。
【0012】
また、上述した目的を達成するため、請求項2の発明は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、その閉じた状態では前記工具箱本体の一方の短辺の上縁部を含む側壁の一部であって下端に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を有する長物用工具箱としたことを特徴とする。
【0013】
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋による開口面積が前記第2の蓋による開口面積よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋の開き動作により前記第2の蓋の開き動作をおこなうことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の長物用工具箱において、前記第2の蓋は連動機構により前記第1の蓋の開閉に連動して開閉することを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一つの長物用工具箱を、前記長物用工具箱の長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される箇所に備える高所作業車としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,2の発明によれば、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0018】
また、請求項3の発明によれば、第1の蓋による開口面積が第2の蓋による開口面積よりも大きくしたので、長尺工具を少し傾けるだけで、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0019】
また、請求項4の発明によれば、第1の蓋の開き動作により第2の蓋の開き動作をおこなうようにしたので、長尺工具の出し入れに際して、長尺工具が蓋等により傷つくのを容易に防止できる。
【0020】
更に、請求項5の発明によれば、第2の蓋は連動機構により第1の蓋の開閉に連動して開閉する構成としたので、この第2の蓋の開閉を第1の蓋の開閉操作のみで簡易に行うことができる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、上述した長物用工具箱を備える高所作業車を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は本発明に係る高所作業車の側面図、図2は図1の高所作業車の平面図である。この図1において、1は高所作業車の運転席を有するキャビン、2はキャビン1の後方の荷台(車体)である。
【0024】
この荷台2の後端部上には旋回台3が取り付けられている。この旋回台3は、軸線Oを中心に水平旋回可能に設けられている。また、この旋回台3上にはブーム支持用のブラケット4が取り付けられている。このブラケット4は、図1,図2に示したように上下に延び且つ互いに対向する一対の支持片4a,4aを有する。
【0025】
この支持片4a,4aの上端部間には伸縮ブーム5の基端部が配設され、この基端部が支持片4a,4aに支持軸6を介して取り付けられている。これにより伸縮ブーム5は、支持軸6を中心に起伏可能に設けられている。しかも、この伸縮ブーム5の中間部とブラケット4の下部との間には図1の如く起伏シリンダ(油圧シリンダ)7が斜めに介装されていて、この起伏シリンダ7の伸縮により伸縮ブーム5は支持軸6を中心に起伏させられるようになっている。尚、伸縮ブーム5には周知の構成が採用できるのでその詳細な説明は省略する。
【0026】
この伸縮ブーム5の先端部には、多関節アーム8を介してバケット9が取り付けられている。この多関節アーム8は、図1に示したように、アーム本体10と、このアーム本体10の一端部を伸縮ブーム5の先端部に水平回動可能に連結している第1関節11と、アーム本体10の他端部にバケット9を水平回動可能に連結している第2関節12を有する。
【0027】
この第1関節11は、伸縮ブーム5の先端部に鉛直に取り付けられた第1鉛直支持ポスト(図示せず)と、この第1鉛直支持ポストに水平回動可能に取り付けられたアーム本体10の一端部から構成されている。尚、第1鉛直支持ポストは、伸縮ブーム5の起伏角度が変化しても常に鉛直状態を維持するようになっている。この構成にも周知の構成が採用できるのでその詳細な説明は省略する。また、第2関節12は、アーム本体10の他端部に鉛直に設けられた第2鉛直支持ポスト(図示せず)と、バケット9の側部に突設され且つ第2鉛直支持ポストに水平回動可能に取り付けられた突部9aから構成されている。
【0028】
しかも、アーム本体10は図示しない油圧モータにより第1関節11の部分を中心に水平回動させられ、バケット9は図示しない油圧モータにより第2関節12の部分を中心に水平回動させられるようになっている。
【0029】
また、荷台2上には、図2のようにキャビン1の右側の直ぐ後に位置させたブームレスト13と、図1のようにキャビン1の左側の直ぐ後に位置させたバケットレスト14が設けられている。
【0030】
そして、高所作業車の走行等のために伸縮ブーム5を格納するには、伸縮ブーム5を最小限まで縮小すると共に、旋回台3を図示しない駆動手段により水平回動させて、伸縮ブーム5の先端部を前側に向ける一方、起伏シリンダ7を縮小させて伸縮ブーム5を略水平に倒伏させる。この際、伸縮ブーム5は図2のように右斜めに向けてブームレスト13上に支持させられるようになっている。
【0031】
更に、この伸縮ブーム5の格納時には、多関節アーム8のアーム本体10を第1関節11の部分を中心に水平回動させて図2のように左斜め後方側に向けると共に、バケット9を第2関節12の部分を中心に水平回動させて伸縮ブーム5に沿うように後方に向ける。この際、バケット9は、図1のように略キャビン1上に位置するが、後端部9bがキャビン1より後方側に突出する。この後端部9bは、高所作業車の走行に伴う走行振動等により第1,第2関節11,12等に無理な負荷(加重)が作用しないように、バケットレスト14上に支持されるようになっている。
【0032】
また、バケットレスト14の後方には、荷台2に固定されたステップ15が作業員のバケット9への乗り降り等のために配設されている。更に、荷台2の前端部の両側には前側アウトリガー16がそれぞれ取り付けられ、荷台2の後端部の両側には後側アウトリガー17がそれぞれ取り付けられている。
【0033】
更に、荷台2の車幅方向の一側部上には、図1に示したように前側アウトリガー16と後側アウトリガー17との間に位置させて前後に配列した複数の工具箱18,19,20が旋回台3より下方に位置させて取り付けられている。尚、図2に示したように、荷台2の車幅方向の他側部上にも、工具箱18,19,20と同様な工具箱18′,19′,20′が配設されている。
【0034】
また、工具箱18,19上には、前後に延びる工具箱21が取り付けられている。この工具箱21は、図1に示したように旋回台3よりも前側で且つ前側アウトリガー16の上端部よりも後側に位置している。なお、工具箱18〜21には、必要な工具や部品等が収納されるようになっている。また、前側アウトリガー16の上端は工具箱21の下端よりも高く且つ上端よりも低くなっている。
<長物用工具箱>
しかも、工具箱21上には、前後方向の長さが工具箱21よりも長い長物用工具箱22が配設されている。この長物用工具箱22は、前端部が前側アウトリガー16の上方に位置させられていると共に、前端がキャビン1の後端に略近接させられている。
【0035】
この長物用工具箱22は、図1に示したように、前後に細長く延び且つ上端が開口する長物収納用の工具箱本体23を有する。この工具箱本体23は、図3及び図4に示したように、底壁23aと、車幅方向に間隔をおいて前後に延びる横側壁(長辺)23b,23cと、車幅方向に延びて横側壁(長辺の側壁)23b,23cの後端間を連設する後側壁(一方の短辺の端壁)23dと、車幅方向に延びて横側壁(長辺の側壁)23b,23cの前端間を連設する前側壁(他方の短辺の端壁)23eを有する。
【0036】
尚、図1に示したように、伸縮ブーム5やバケット9の格納時には、バケット9の後端部9b等の構造物が工具箱本体23の前端部A上に突出するので、工具箱本体23の前端部Aはバケット9の後端部9b等の構造物により上方への開き代が制限される。しかし、この格納時でも、工具箱本体23の前端部Aより後側(一方の短辺側)上には構造物がないので、工具箱本体23の前端部Aより後側は上方への開き代が制限されない状態にある。
【0037】
また、長物用工具箱22は、工具箱本体23の前端部Aより後側(一方の短辺側)の上部開口端を開閉する第1の蓋24と、工具箱本体23の前端部Aの上部開口端を開閉する第2の蓋25を有する。しかも、図3に示したように、第1の蓋24は長辺が第1のヒンジ26で横側壁(長辺)23bの上端部に上下且つ左右に開閉可能に取り付けられ、第2の蓋25の前端は第2のヒンジ27(図4参照)で前側壁(他方の短辺)23eに上下且つ前後に開閉可能に取り付けられている。
【0038】
更に、第1の蓋24は、図3に示したようにロック装置28により閉位置で後側壁(一方の短辺)23dにロック可能に設けられている。尚、ロック装置28は、工具箱本体23の後端部に設けているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、工具箱本体23の後端部以外の場所に設けても良いし、複数設けても良い。
また、図3に示したように、第1の蓋24の前端部及び後端部には幅方向(短辺方向)の中央側に位置させてブラケット24b1,24b2が取り付けられ、横側壁23bの上縁部にはブラケット24b1,24b2に対応してブラケット23b1,23b2が固定されている。
【0039】
このブラケット23b1,24b1間にはエアダンパ29が介装され、ブラケット23b2,24b2間にはエアダンパ30が介装されている。しかも、第1の蓋24が閉じられている状態では、エアダンパ29,30が工具箱本体23の上端部において第1の蓋24に沿うように延びる形になるので、このエアダンパ29,30が工具箱本体23内に配設される長尺工具等の邪魔になることはない。
【0040】
そして、ロック装置28によるロックを解除すると、第1の蓋24は図3に示したエアダンパ29,30により図8に示したように第1のヒンジ26を中心に鉛直になるまで開かれるようになっている。
【0041】
しかも、図4,図5に示したように、第1の蓋24の周縁部にはフランジ24aが環状に設けられている。このフランジ24aの前端部には幅方向(短辺方向)に延びるフランジ部24a1が設けられ、第2の蓋25の後端部には下方に膨出し且つ後端部(後縁部)に沿って工具箱本体23の短辺方向に延びる膨出突部31が形成されている。
【0042】
この膨出突部31は、図5に示したように、前側壁31a,底壁31b,後側壁31cを有すると共に、後側壁31cの端縁から前側に折り返された止水用折返部31dを有する。そして、この膨出突部31の外面(蓋閉時の上面)には工具箱本体23の短辺方向に延びる止水溝31eが形成されている。また、止水溝31eの後部側は止水用折返部31dにより覆われている。そして、止水溝31eには、第1の蓋24及び第2の蓋25を閉じたときに、フランジ部24a1が係合して、雨水等が工具箱本体23内に侵入するのを防止するようになっている。
【0043】
また、図6,図7に示したように、第1の蓋24と第2の蓋25とは連動機構(蓋連繋手段)としてのワイヤロープ32を介して連結されていて、第2の蓋25は第1の蓋24の開閉に連動して開閉するようになっている。
【0044】
即ち、ワイヤロープ32の両端部には取付金具33,34がそれぞれ装着されていると共に、取付金具33,34を第1,第2の蓋24,25にそれぞれ固定することにより、第1の蓋24と第2の蓋25とがワイヤロープ32を介して連結されていて、第2の蓋25は第1の蓋24の開閉に連動して開閉するようになっている。
【0045】
尚、取付金具33は第1の蓋24の前端部の幅方向の略中央に位置に固定され、取付金具34は横側壁(長辺)23c側の縁部近傍に位置させて底壁31bの下面に固定されている。
【0046】
従って、第1の蓋24は、ロック装置28による後側壁(一方の短辺)23dへのロックが解除されると、エアダンパ29,30により第1のヒンジ26を中心に鉛直になるまで開かれる。この際、第2の蓋25の後端部がワイヤロープ32を介して第1の蓋24により上方に引っ張られて、第2の蓋25が第2のヒンジ27を中心に上方に回動するように持ち上げられる。これにより、第2の蓋25が上方且つ前側に回動し傾斜するように開かれることになる。そして、第1の蓋24が鉛直になるまで開かれるときに、第2の蓋25はバケット9の後端部9bに当たる直前まで上方に開かれることになる。
【0047】
この状態では、エアダンパ29,30が工具箱本体23の横側部23b側に位置することになり、図示しないホットスティック等の長尺工具(長物)が収納された防水性の長物収納袋35の後端部を持ち上げても、エアダンパ29,30が邪魔になるようなことはない。
【0048】
従って、この状態で図示しないホットスティック等の長尺工具(長物)が収納された防水性の長物収納袋35の後端部を持ち上げて、長物収納袋35を傾斜させることで、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れを容易に行うことができる。しかも、この際、第2の蓋25の後端部が上方に持ち上がるように傾斜するので、長物収納袋35の後部が上方に持ち上がるように傾斜させた状態で、長物収納袋35の工具箱本体23に対して出し入れしても、長物収納袋35が第2の蓋25に当たることはない。
【0049】
この結果、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れに際して、長物収納袋35内の長尺工具が傷つくのを未然に防止できるので、金属中空棒に絶縁コーティングした長尺工具であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時にコーティングが剥がれて絶縁が損なわれたりすることがない。また、長尺工具がFRP等からなる中空棒であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時に長尺工具に傷が付いて強度が落ちたり、穴が開いたりして、雨水の浸入に伴う絶縁性が損なわれるようなことも未然に防止できる。
【0050】
また、第1の蓋24の自由端をエアダンパ29,30の弾発力に抗して閉じる方向に押し下げると、第2の蓋25が自重により先に閉じる。そして、第1の蓋24を閉じると、第1の蓋24のフランジ部24a1が第2の蓋25の止水溝31eに係合して、雨水等が工具箱本体23内に侵入するのを防止する。
[変形例1]
以上説明した実施例の長物用工具箱22では、第1の蓋24の開閉に連動して第2の蓋25を開閉させるのにワイヤロープ32を用いた構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図9〜図13のような構成としても良い。即ち、図9,図10に示した第1,第2の蓋24,25間に連動機構(蓋連繋手段)36を介装した構成としても良い。以下、この連動機構(蓋連繋手段)36の構成について説明する。尚、上述した実施例と同一の部分又は類似する部分には、実施例と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
[構成]
図10,図12(a)において、第2の蓋25の後端部には上述したように膨出突部31が設けられている。そして、連動機構36は、図10に示したように第2の蓋25の後端部の下方に配設されていると共に、図11に示したように横側壁(長辺)23bに近接させて配設された支持板(支持部材)37を有する。
【0051】
この支持板37は、図12(a)に示したように、膨出突部31の前側壁31aに一端部が固定された取付板部37aと、この取付板部37aの他端から膨出突部31の底壁31bの下方に突出する支持部37bとからL字状に形成されている。この底壁31bと支持部37bとの間には保持空間38が形成されている。
【0052】
また、連動機構36は、図10に示したように第1の蓋24の前端部内面に突設した第1サポート板(第1サポート部材)39を有する。この第1サポート板39は、図11に示したように、幅方向(短辺方向)に延びていると共に、横側壁(長辺)23bに近接する位置に配置されている。しかも、第1サポート板39の横側壁(長辺)23b側の側縁には前側(第2の蓋25側)に垂直に突出するストッパ39aが一体に形成されている。
【0053】
更に、連動機構36は、第1サポート板39の前側に配設された第2サポート板(第2サポート部材)40を有する。この第2サポート板40は、図12に示したように、一端部が第1サポート板39の前側に重ねられた取付板部40aと、この取付板部40aの他端から前側に延設された支持板部40bとから略L字状に形成されている。この支持板部40bは、膨出突部31の底壁31bの下方に配設されている。
【0054】
また、第2サポート板40の取付板部40aは、第1サポート板39の先端部に支持軸41を介して回動可能に取り付けられていると共に、第1サポート板39の先端側から突出する方向に回動したときに、ストッパ39aに当接してそれ以上回動しないようになっている。尚、第2サポート板40は図示しないコイルスプリング等で図12(b)中、時計回り方向に回動付勢されている。
【0055】
しかも、第1,第2の蓋24,25が閉じているときには、第2サポート板40の支持板部40bが第1サポート板39のストッパ39aとは反対側に位置するように、取付板部40aが横側壁(長辺)23bとは反対方向(横方向)に向いていると共に、取付板部40aが保持空間38内に配設されている。
[作用]
次に、このような構成の長物用工具箱22の作用を説明する。
【0056】
図9のロック装置28による工具箱本体23の後側壁(一方の短辺)23dへのロックが解除されると、第1の蓋24は図9のエアダンパ29,30により第1のヒンジ26を中心に回動して図13に示したように鉛直になるまで開かれる。
【0057】
この際、第2サポート板40の取付板部40aが支持軸41を中心に図12(b)において下方に回動(実際は第2サポート板40が略そのままの姿勢で第1サポート板39が時計回り方向に回動)させられながら、第2サポート板40の支持板部40bが図13及び図14の矢印B方向に膨出突部31の底壁31bの下面に対して横側壁(長辺)23b側に摺接移動して保持空間38から抜き取られた後、支持板部40bが第2の蓋25の膨出突部31の底壁31bを支持しながら第1の蓋24と共に上方に回動させられる。
【0058】
これに伴い、第2の蓋25の後端部が第2サポート板40により第1の蓋24に連動して第2のヒンジ27を中心に上方に回動するように持ち上げられて、第2の蓋25が上方且つ前側に回動し傾斜するように開かれることになる。そして、第1の蓋24が鉛直になるまで開かれるときに、第2の蓋25はバケット9の後端部9aに当たる直前まで上方に開かれることになる。
【0059】
この状態では、図示しないホットスティック等の長尺工具(長物)が収納された防水性の長物収納袋35の後端部を持ち上げて、長物収納袋35を傾斜させることで、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れを容易に行うことができる。しかも、この際、第2の蓋25の後端部が上方に持ち上がるように傾斜するので、長物収納袋35の後部が上方に持ち上がるように傾斜させた状態で、長物収納袋35の工具箱本体23に対して出し入れしても、長物収納袋35が第2の蓋25に当たることはない。
【0060】
この結果、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れに際して、長物収納袋35内の長尺工具が傷つくのを未然に防止できるので、金属中空棒に絶縁コーティングした長尺工具であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時にコーティングが剥がれて絶縁が損なわれたりすることがない。また、長尺工具がFRP等からなる中空棒であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時に長尺工具に傷が付いて強度が落ちたり、穴が開いたりして、雨水の浸入に伴う絶縁性が損なわれるようなことも未然に防止できる。
【0061】
また、第1の蓋24の自由端をエアダンパ29,30の弾発力に抗して閉じる方向に押し下げると、第2の蓋25が自重により先に閉じる。この後、第1の蓋24の自由端を更に押し下げると、支持板部40bが常時底壁31bの下面に押し付けられる方向に、第2サポート板40が図示しないコイルスプリング等で回動させられる。これに伴い、第2サポート板40の支持板部40bは、膨出突部31の底壁31bに対して保持空間38側に摺接移動し、第1の蓋24及び第2の蓋25が閉じたときに保持空間38内に収容される。この結果、第2サポート板40が長物用工具箱22内に収納される長尺工具等の邪魔になることはない。
【0062】
そして、第1の蓋24を閉じると、第1の蓋24のフランジ部24a1が第2の蓋25の止水溝31eに係合して、雨水等が工具箱本体23内に侵入するのを防止する。
(その他)
尚、少なくとも支持板37の支持部37bを膨出突部31の底壁31bに沿って横側壁(長辺)23b側の端まで延設することにより、第2の蓋25の後方に開放する保持空間38を底壁31bに沿って横側壁23b側の端まで設けて、この保持空間38をサポートガイドとすることもできる。また、支持板37の支持部37bを膨出突部31の底壁31b全体に対向するように延設することで、支持部37bと底壁31bの長手方向全体との間に第2の蓋25の後方に開放する保持空間38を設けて、この保持空間38をサポートガイドとすることもできる。
【0063】
これらの場合には、第2の蓋25を第2サポート板40で第1の蓋24の開閉により確実に連動させて開閉させることができる。この第1の蓋24の開閉に伴い、支持板部40bが保持空間(ガイド空間)38内を長手方向に摺動して、第2サポート板40が支持軸41を中心に回動させられ、第2の蓋25の開閉が行われることになる。
[変形例2]
また、上述した実施例では、第2の蓋25をワイヤロープ32又は連動機構36により第1の蓋24の開閉に連動して開閉させるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0064】
例えば、図14に示したように、第1の蓋24を図3に示したエアダンパ29,30(図14では図示を省略)により開いたときに、第2の蓋25がエアダンパ(蓋連繋手段)42により開くようにしておくことにより、上述したワイヤロープ32や連動機構36を設けることなく第2の蓋25を第1の蓋24の開動作に連動(連繋)させて開くことができる。
【0065】
尚、第2の蓋24を図3のエアダンパ29,30の弾発力に抗して閉じる際、第2の蓋24の前端部が第2の蓋25の後端部に当接させて第2の蓋25をエアダンパ42の弾発力に抗して押し下げ、第2の蓋25を閉じることができる。そして、第1,第2の蓋24,25が閉じられた状態でロック装置28により第1の蓋24を工具箱本体23にロックすることにより、第1,第2の蓋24,25が閉じられた状態を維持することになる。
【0066】
尚、エアダンパ29,30の代わりにプッシュプルケーブルやリンク等で後側壁23d側から第1の蓋24の開動作をさせるようにしても良い。
[変形例3]
また、上述した実施例では、上方に開閉する第2の蓋25を設けて、この第2の蓋25を第1の蓋24の開閉に連動して開閉させるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0067】
例えば、上述した第2の蓋25を省略して、第2の蓋25を設けた部分に図15に示したように上壁25′を形成すると共に、工具箱本体23の後側壁(一方の短辺の側壁)23dを第2の蓋として工具箱本体23とは別体に形成し、この後側壁23dの下端部を図15,図16に示した第2のヒンジ44を介して工具箱本体23の下端部に回動可能に取り付けた構成としても良い。
【0068】
また、この後側壁23dの上端部は、第1の蓋24の周縁に設けられたフランジ24aの後端のフランジ部(蓋連繋手段)24a2によりカバーされて、フランジ部24a2により後方に開くのを規制されている。しかも、後側壁23dの上端部は、ロック装置28によりフランジ部24a2にロックされている。
【0069】
この構成においては、このロック装置28によるロックを解除して、第1の蓋24を上方に開くと、フランジ部24a2による後側壁23dの上端部の規制が解除されるので、後側壁23dが第2のヒンジ44を中心に後方且つ下方に回動して開くことになる。
【0070】
この状態では、工具箱本体23内に収納した長物収納袋35を工具箱本体23の後端開口から僅かに引き出して、長物収納袋35の後端を上方に持ち上げることにより、長物収納袋35を容易に工具箱本体23から取り出すことができる。また、長物収納袋35を工具箱本体23に収納する場合には取り出す場合と逆の作業をすればよい。
【0071】
即ち、先ず、工具箱本体23の後端を開いた状態で、長物収納袋35を工具箱本体23内に後端開口(図示せず)から収納して、第2の蓋である後側壁23dで工具箱本体23の後端開口(図示せず)を閉じる。この状態で第1の蓋24で工具箱本体23の上部開口端(図示せず)を閉成することにより、第1の蓋24の後端のフランジ部(蓋連繋手段)24a2で第2の蓋である後側壁23dの上端部が第2のヒンジ44を中心に後方に倒れるのを規制させる。そして、最終的に、ロック装置28により後側壁23dの上部をフランジ部24a2にロックすることにより、第1の蓋24及び第2の蓋である後側壁23dの閉成及び固定が終了する。
【0072】
また、第2の蓋として後側壁23dを工具箱本体23と別体に形成した例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、工具箱本体23の後側壁23dの下部側は工具箱本体23と一体に形成し、工具箱本体23の後側壁23dの上部側を第2の蓋として第1の蓋24と一体に形成することもできる。この場合、第1の蓋24を上方に開いたときに、長物工具を工具箱本体23に対して出し入れする際に、第1の蓋24と一体の後側壁の上部側(第2の蓋)が長物工具の出し入れに邪魔にならず且つ長物工具が第1の蓋24と一体の後側壁の上部側(第2の蓋)に当たらない程度の長さとすると良い。このように工具箱本体23の後側壁23dの上部側を第2の蓋として第1の蓋24と一体に形成する場合、例えば、この第2の蓋の(寸法)は後側壁23dの上下方向の長さ(寸法又は高さ)の1/2〜1/3程度の範囲に設定すると良い。
【0073】
以上説明したように、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側(後側壁23d側)では制限されず且つ他方の短辺側(前側壁23e側)では制限される長物収納用の工具箱本体23と、前記工具箱本体23の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体23の一方の長辺側に第1のヒンジ26を備えた第1の蓋24と、前記工具箱本体23の他方の短辺側に位置し且つ上方への開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジ27を備えた第2の蓋25と、前記第1の蓋24はその閉鎖位置では前記第2の蓋25を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋25の開放を許容する蓋連繋手段(ワイヤロープ32,連動機構36,エアダンパ42)とを有している。
【0074】
この構成によれば、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0075】
また、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側(後側壁23d側)では制限されず且つ他方の短辺側(前側壁23e側)では制限される長物収納用の工具箱本体23と、前記工具箱本体23の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体23の一方の長辺側に第1のヒンジ26を備えた第1の蓋24と、その閉じた状態では前記工具箱本体23の一方の短辺の上縁部を含む側壁の一部であって下端に第2のヒンジ27を備えた第2の蓋(後側壁23d)と、前記第1の蓋24はその閉鎖位置では前記第2の蓋(後側壁23d)を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段(フランジ部24a2)とを有する。
【0076】
この構成によれば、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0077】
更に、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、前記第1の蓋24による開口面積が前記第2の蓋25による開口面積よりも大きくなっている。この構成によれば、第1の蓋24による開口面積が第2の蓋25による開口面積よりも大きくしたので、長尺工具を少し傾けるだけで、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0078】
また、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、前記第1の蓋24の開き動作により前記第2の蓋25の開き動作をおこなうようになっている。このように、第1の蓋24の開き動作により第2の蓋25の開き動作をおこなうようにすることにより、長尺工具の出し入れに際して、長尺工具が蓋等により傷つくのを容易に防止できる。
【0079】
また、この発明の実施の形態の長物用工具箱22において、前記第2の蓋25は連動機構(ワイヤロープ32、連動機構36、エアダンパ42)により前記第1の蓋24の開閉に連動して開閉するようになっている。このように第2の蓋25は連動機構により第1の蓋の開閉に連動して開閉する構成とすることにより、この第2の蓋25の開閉を第1の蓋24の開閉操作のみで簡易に行うことができる。
【0080】
また、上述した長物用工具箱22を、前記長物用工具箱22の長辺における上面開口部の上方への開き代が短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される箇所に備える高所作業車とすることにより、この高所作業車は上述した長物用工具箱の作用・効果を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】この発明に係る長物用工具箱を備える高所作業車の左側面図である。
【図2】図1の高所作業車の平面図である。
【図3】図1の長物用工具箱の拡大平面図である。
【図4】図3のA1−A1線に沿う断面図(エアダンパの図示は省略)である。
【図5】図3のA2−A2線に沿う断面図である。
【図6】図3のA1−A5線に沿う断面図である。
【図7】図3のA6−A6線に沿う断面において第1,第2の蓋を開いたときの説明図である。
【図8】第1,第2の蓋を開いたときの説明図である。
【図9】この発明に係る長物用工具箱の変形例を示す平面図である。
【図10】図9のA7−A7線に沿う断面図(エアダンパの図示は省略)である。
【図11】図9のA8−A8線に沿う断面図(エアダンパの図示は省略)である。
【図12】(a)は図10の要部拡大図(図11のA10−A10線に沿う断面図)、(b)は(a)のA9−A9線に沿う断面図である。
【図13】図11の断面において第1,第2の蓋を開いたときの説明図である。
【図14】この発明に係る長物用工具箱の他の変形例を示す断面図である。
【図15】この発明に係る長物用工具箱の更に他の変形例を示す側面図である。
【図16】図15の右側面図である。
【符号の説明】
【0082】
22・・・長物用工具箱
23・・・工具箱本体
23d・・・後側壁(第2の蓋)
24・・・第1の蓋
24a2・・・フランジ部(蓋連繋機構)
25・・・第2の蓋
26・・・第1のヒンジ
27・・・第2のヒンジ
32・・・ワイヤロープ(蓋連繋機構)
36・・・連動機構(蓋連繋機構)
42・・・エアダンパ42(蓋連繋機構)
44・・・第2のヒンジ
【技術分野】
【0001】
この発明は、短辺側の上方への開き代が制限される長物用工具箱及びこれを備える高所作業車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高所作業車には、トラックの荷台に旋回台を設け、この旋回台に伸縮ブームを起伏可能に取り付け、この伸縮ブームを起伏シリンダにより起伏させるようにすると共に、伸縮ブームの先端部にバケットを取り付けたものが知られている。
【0003】
また、高所作業車としては、伸縮ブームの先端部に多関節アームを介してバケットを取り付けたものも知られている。この高所作業車では、伸縮ブームやバケットの格納時に、伸縮ブームを縮小させると共に前側に向けて略水平になるまで倒伏させて、伸縮ブームを荷台上のブームレスト上に支持させるようにしている。
【0004】
しかも、この高所作業車では、走行時に、多関節アームの関節に走行振動による負荷が作用しないようにするために、キャビンの直ぐ後にバケットレストを設けると共に、多関節アームによりバケットを後方に向けてバケットレスト上に支持させるようにしている。
【0005】
近年、このような高所作業車を利用した配電工事では、作業者が電線に直接触れずに工事を行う間接活線工事が普及しつつある。この間接活線工事には、電気的絶縁性を有するホットスティック等の長尺工具が用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
このホットスティックには、最縮小状態において1600mm程度の長尺物が使用されているのが現状である。しかも、このホットスティックはバケット内で使用し且つ使用頻度が多いことから、収納には格納したバケットに近い位置に専用の上開きの長物用工具箱が必要であった。又、ホットスティックは先端に多種の工具を装着して順次あるいは同時に使用するため、6本程度は長物用工具箱に格納しておく必要があった。
【特許文献1】特開平8−289427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、高所作業車では、格納時に伸縮ブームを前に向けて略水平に倒伏させたときの起伏シリンダや旋回台を避けて長物用工具箱を配置する必要があるため、大型の長物用工具箱を配置するスペースが限られている。このため、長物用工具箱を旋回台より前側で荷台の車幅方向の一側部上に配置すると共に、この長物用工具箱の前端をキャビンの直ぐ後に位置させている。
【0008】
一方、多関節アームを用いた高所作業車では、格納時にバケットを後ろに向けてバケットレストに支持させた状態としたとき、長物用工具箱の前端部上にバケットの後端部が構造物として存在する状態となってしまう。
【0009】
この状態では、長物用工具箱の上端開口部を開閉する扉の開度が大きく取れないため、ホットスティック等の長尺工具の出し入れが困難になるという問題があった。
【0010】
そこで、この発明は、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる長物用工具箱及びこれを備える高所作業車を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、前記工具箱本体の他方の短辺側に位置し且つ上方への開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を有する長物用工具箱としたことを特徴とする。
【0012】
また、上述した目的を達成するため、請求項2の発明は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、その閉じた状態では前記工具箱本体の一方の短辺の上縁部を含む側壁の一部であって下端に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を有する長物用工具箱としたことを特徴とする。
【0013】
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋による開口面積が前記第2の蓋による開口面積よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋の開き動作により前記第2の蓋の開き動作をおこなうことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の長物用工具箱において、前記第2の蓋は連動機構により前記第1の蓋の開閉に連動して開閉することを特徴とする。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一つの長物用工具箱を、前記長物用工具箱の長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される箇所に備える高所作業車としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,2の発明によれば、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0018】
また、請求項3の発明によれば、第1の蓋による開口面積が第2の蓋による開口面積よりも大きくしたので、長尺工具を少し傾けるだけで、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0019】
また、請求項4の発明によれば、第1の蓋の開き動作により第2の蓋の開き動作をおこなうようにしたので、長尺工具の出し入れに際して、長尺工具が蓋等により傷つくのを容易に防止できる。
【0020】
更に、請求項5の発明によれば、第2の蓋は連動機構により第1の蓋の開閉に連動して開閉する構成としたので、この第2の蓋の開閉を第1の蓋の開閉操作のみで簡易に行うことができる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、上述した長物用工具箱を備える高所作業車を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は本発明に係る高所作業車の側面図、図2は図1の高所作業車の平面図である。この図1において、1は高所作業車の運転席を有するキャビン、2はキャビン1の後方の荷台(車体)である。
【0024】
この荷台2の後端部上には旋回台3が取り付けられている。この旋回台3は、軸線Oを中心に水平旋回可能に設けられている。また、この旋回台3上にはブーム支持用のブラケット4が取り付けられている。このブラケット4は、図1,図2に示したように上下に延び且つ互いに対向する一対の支持片4a,4aを有する。
【0025】
この支持片4a,4aの上端部間には伸縮ブーム5の基端部が配設され、この基端部が支持片4a,4aに支持軸6を介して取り付けられている。これにより伸縮ブーム5は、支持軸6を中心に起伏可能に設けられている。しかも、この伸縮ブーム5の中間部とブラケット4の下部との間には図1の如く起伏シリンダ(油圧シリンダ)7が斜めに介装されていて、この起伏シリンダ7の伸縮により伸縮ブーム5は支持軸6を中心に起伏させられるようになっている。尚、伸縮ブーム5には周知の構成が採用できるのでその詳細な説明は省略する。
【0026】
この伸縮ブーム5の先端部には、多関節アーム8を介してバケット9が取り付けられている。この多関節アーム8は、図1に示したように、アーム本体10と、このアーム本体10の一端部を伸縮ブーム5の先端部に水平回動可能に連結している第1関節11と、アーム本体10の他端部にバケット9を水平回動可能に連結している第2関節12を有する。
【0027】
この第1関節11は、伸縮ブーム5の先端部に鉛直に取り付けられた第1鉛直支持ポスト(図示せず)と、この第1鉛直支持ポストに水平回動可能に取り付けられたアーム本体10の一端部から構成されている。尚、第1鉛直支持ポストは、伸縮ブーム5の起伏角度が変化しても常に鉛直状態を維持するようになっている。この構成にも周知の構成が採用できるのでその詳細な説明は省略する。また、第2関節12は、アーム本体10の他端部に鉛直に設けられた第2鉛直支持ポスト(図示せず)と、バケット9の側部に突設され且つ第2鉛直支持ポストに水平回動可能に取り付けられた突部9aから構成されている。
【0028】
しかも、アーム本体10は図示しない油圧モータにより第1関節11の部分を中心に水平回動させられ、バケット9は図示しない油圧モータにより第2関節12の部分を中心に水平回動させられるようになっている。
【0029】
また、荷台2上には、図2のようにキャビン1の右側の直ぐ後に位置させたブームレスト13と、図1のようにキャビン1の左側の直ぐ後に位置させたバケットレスト14が設けられている。
【0030】
そして、高所作業車の走行等のために伸縮ブーム5を格納するには、伸縮ブーム5を最小限まで縮小すると共に、旋回台3を図示しない駆動手段により水平回動させて、伸縮ブーム5の先端部を前側に向ける一方、起伏シリンダ7を縮小させて伸縮ブーム5を略水平に倒伏させる。この際、伸縮ブーム5は図2のように右斜めに向けてブームレスト13上に支持させられるようになっている。
【0031】
更に、この伸縮ブーム5の格納時には、多関節アーム8のアーム本体10を第1関節11の部分を中心に水平回動させて図2のように左斜め後方側に向けると共に、バケット9を第2関節12の部分を中心に水平回動させて伸縮ブーム5に沿うように後方に向ける。この際、バケット9は、図1のように略キャビン1上に位置するが、後端部9bがキャビン1より後方側に突出する。この後端部9bは、高所作業車の走行に伴う走行振動等により第1,第2関節11,12等に無理な負荷(加重)が作用しないように、バケットレスト14上に支持されるようになっている。
【0032】
また、バケットレスト14の後方には、荷台2に固定されたステップ15が作業員のバケット9への乗り降り等のために配設されている。更に、荷台2の前端部の両側には前側アウトリガー16がそれぞれ取り付けられ、荷台2の後端部の両側には後側アウトリガー17がそれぞれ取り付けられている。
【0033】
更に、荷台2の車幅方向の一側部上には、図1に示したように前側アウトリガー16と後側アウトリガー17との間に位置させて前後に配列した複数の工具箱18,19,20が旋回台3より下方に位置させて取り付けられている。尚、図2に示したように、荷台2の車幅方向の他側部上にも、工具箱18,19,20と同様な工具箱18′,19′,20′が配設されている。
【0034】
また、工具箱18,19上には、前後に延びる工具箱21が取り付けられている。この工具箱21は、図1に示したように旋回台3よりも前側で且つ前側アウトリガー16の上端部よりも後側に位置している。なお、工具箱18〜21には、必要な工具や部品等が収納されるようになっている。また、前側アウトリガー16の上端は工具箱21の下端よりも高く且つ上端よりも低くなっている。
<長物用工具箱>
しかも、工具箱21上には、前後方向の長さが工具箱21よりも長い長物用工具箱22が配設されている。この長物用工具箱22は、前端部が前側アウトリガー16の上方に位置させられていると共に、前端がキャビン1の後端に略近接させられている。
【0035】
この長物用工具箱22は、図1に示したように、前後に細長く延び且つ上端が開口する長物収納用の工具箱本体23を有する。この工具箱本体23は、図3及び図4に示したように、底壁23aと、車幅方向に間隔をおいて前後に延びる横側壁(長辺)23b,23cと、車幅方向に延びて横側壁(長辺の側壁)23b,23cの後端間を連設する後側壁(一方の短辺の端壁)23dと、車幅方向に延びて横側壁(長辺の側壁)23b,23cの前端間を連設する前側壁(他方の短辺の端壁)23eを有する。
【0036】
尚、図1に示したように、伸縮ブーム5やバケット9の格納時には、バケット9の後端部9b等の構造物が工具箱本体23の前端部A上に突出するので、工具箱本体23の前端部Aはバケット9の後端部9b等の構造物により上方への開き代が制限される。しかし、この格納時でも、工具箱本体23の前端部Aより後側(一方の短辺側)上には構造物がないので、工具箱本体23の前端部Aより後側は上方への開き代が制限されない状態にある。
【0037】
また、長物用工具箱22は、工具箱本体23の前端部Aより後側(一方の短辺側)の上部開口端を開閉する第1の蓋24と、工具箱本体23の前端部Aの上部開口端を開閉する第2の蓋25を有する。しかも、図3に示したように、第1の蓋24は長辺が第1のヒンジ26で横側壁(長辺)23bの上端部に上下且つ左右に開閉可能に取り付けられ、第2の蓋25の前端は第2のヒンジ27(図4参照)で前側壁(他方の短辺)23eに上下且つ前後に開閉可能に取り付けられている。
【0038】
更に、第1の蓋24は、図3に示したようにロック装置28により閉位置で後側壁(一方の短辺)23dにロック可能に設けられている。尚、ロック装置28は、工具箱本体23の後端部に設けているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、工具箱本体23の後端部以外の場所に設けても良いし、複数設けても良い。
また、図3に示したように、第1の蓋24の前端部及び後端部には幅方向(短辺方向)の中央側に位置させてブラケット24b1,24b2が取り付けられ、横側壁23bの上縁部にはブラケット24b1,24b2に対応してブラケット23b1,23b2が固定されている。
【0039】
このブラケット23b1,24b1間にはエアダンパ29が介装され、ブラケット23b2,24b2間にはエアダンパ30が介装されている。しかも、第1の蓋24が閉じられている状態では、エアダンパ29,30が工具箱本体23の上端部において第1の蓋24に沿うように延びる形になるので、このエアダンパ29,30が工具箱本体23内に配設される長尺工具等の邪魔になることはない。
【0040】
そして、ロック装置28によるロックを解除すると、第1の蓋24は図3に示したエアダンパ29,30により図8に示したように第1のヒンジ26を中心に鉛直になるまで開かれるようになっている。
【0041】
しかも、図4,図5に示したように、第1の蓋24の周縁部にはフランジ24aが環状に設けられている。このフランジ24aの前端部には幅方向(短辺方向)に延びるフランジ部24a1が設けられ、第2の蓋25の後端部には下方に膨出し且つ後端部(後縁部)に沿って工具箱本体23の短辺方向に延びる膨出突部31が形成されている。
【0042】
この膨出突部31は、図5に示したように、前側壁31a,底壁31b,後側壁31cを有すると共に、後側壁31cの端縁から前側に折り返された止水用折返部31dを有する。そして、この膨出突部31の外面(蓋閉時の上面)には工具箱本体23の短辺方向に延びる止水溝31eが形成されている。また、止水溝31eの後部側は止水用折返部31dにより覆われている。そして、止水溝31eには、第1の蓋24及び第2の蓋25を閉じたときに、フランジ部24a1が係合して、雨水等が工具箱本体23内に侵入するのを防止するようになっている。
【0043】
また、図6,図7に示したように、第1の蓋24と第2の蓋25とは連動機構(蓋連繋手段)としてのワイヤロープ32を介して連結されていて、第2の蓋25は第1の蓋24の開閉に連動して開閉するようになっている。
【0044】
即ち、ワイヤロープ32の両端部には取付金具33,34がそれぞれ装着されていると共に、取付金具33,34を第1,第2の蓋24,25にそれぞれ固定することにより、第1の蓋24と第2の蓋25とがワイヤロープ32を介して連結されていて、第2の蓋25は第1の蓋24の開閉に連動して開閉するようになっている。
【0045】
尚、取付金具33は第1の蓋24の前端部の幅方向の略中央に位置に固定され、取付金具34は横側壁(長辺)23c側の縁部近傍に位置させて底壁31bの下面に固定されている。
【0046】
従って、第1の蓋24は、ロック装置28による後側壁(一方の短辺)23dへのロックが解除されると、エアダンパ29,30により第1のヒンジ26を中心に鉛直になるまで開かれる。この際、第2の蓋25の後端部がワイヤロープ32を介して第1の蓋24により上方に引っ張られて、第2の蓋25が第2のヒンジ27を中心に上方に回動するように持ち上げられる。これにより、第2の蓋25が上方且つ前側に回動し傾斜するように開かれることになる。そして、第1の蓋24が鉛直になるまで開かれるときに、第2の蓋25はバケット9の後端部9bに当たる直前まで上方に開かれることになる。
【0047】
この状態では、エアダンパ29,30が工具箱本体23の横側部23b側に位置することになり、図示しないホットスティック等の長尺工具(長物)が収納された防水性の長物収納袋35の後端部を持ち上げても、エアダンパ29,30が邪魔になるようなことはない。
【0048】
従って、この状態で図示しないホットスティック等の長尺工具(長物)が収納された防水性の長物収納袋35の後端部を持ち上げて、長物収納袋35を傾斜させることで、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れを容易に行うことができる。しかも、この際、第2の蓋25の後端部が上方に持ち上がるように傾斜するので、長物収納袋35の後部が上方に持ち上がるように傾斜させた状態で、長物収納袋35の工具箱本体23に対して出し入れしても、長物収納袋35が第2の蓋25に当たることはない。
【0049】
この結果、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れに際して、長物収納袋35内の長尺工具が傷つくのを未然に防止できるので、金属中空棒に絶縁コーティングした長尺工具であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時にコーティングが剥がれて絶縁が損なわれたりすることがない。また、長尺工具がFRP等からなる中空棒であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時に長尺工具に傷が付いて強度が落ちたり、穴が開いたりして、雨水の浸入に伴う絶縁性が損なわれるようなことも未然に防止できる。
【0050】
また、第1の蓋24の自由端をエアダンパ29,30の弾発力に抗して閉じる方向に押し下げると、第2の蓋25が自重により先に閉じる。そして、第1の蓋24を閉じると、第1の蓋24のフランジ部24a1が第2の蓋25の止水溝31eに係合して、雨水等が工具箱本体23内に侵入するのを防止する。
[変形例1]
以上説明した実施例の長物用工具箱22では、第1の蓋24の開閉に連動して第2の蓋25を開閉させるのにワイヤロープ32を用いた構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図9〜図13のような構成としても良い。即ち、図9,図10に示した第1,第2の蓋24,25間に連動機構(蓋連繋手段)36を介装した構成としても良い。以下、この連動機構(蓋連繋手段)36の構成について説明する。尚、上述した実施例と同一の部分又は類似する部分には、実施例と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
[構成]
図10,図12(a)において、第2の蓋25の後端部には上述したように膨出突部31が設けられている。そして、連動機構36は、図10に示したように第2の蓋25の後端部の下方に配設されていると共に、図11に示したように横側壁(長辺)23bに近接させて配設された支持板(支持部材)37を有する。
【0051】
この支持板37は、図12(a)に示したように、膨出突部31の前側壁31aに一端部が固定された取付板部37aと、この取付板部37aの他端から膨出突部31の底壁31bの下方に突出する支持部37bとからL字状に形成されている。この底壁31bと支持部37bとの間には保持空間38が形成されている。
【0052】
また、連動機構36は、図10に示したように第1の蓋24の前端部内面に突設した第1サポート板(第1サポート部材)39を有する。この第1サポート板39は、図11に示したように、幅方向(短辺方向)に延びていると共に、横側壁(長辺)23bに近接する位置に配置されている。しかも、第1サポート板39の横側壁(長辺)23b側の側縁には前側(第2の蓋25側)に垂直に突出するストッパ39aが一体に形成されている。
【0053】
更に、連動機構36は、第1サポート板39の前側に配設された第2サポート板(第2サポート部材)40を有する。この第2サポート板40は、図12に示したように、一端部が第1サポート板39の前側に重ねられた取付板部40aと、この取付板部40aの他端から前側に延設された支持板部40bとから略L字状に形成されている。この支持板部40bは、膨出突部31の底壁31bの下方に配設されている。
【0054】
また、第2サポート板40の取付板部40aは、第1サポート板39の先端部に支持軸41を介して回動可能に取り付けられていると共に、第1サポート板39の先端側から突出する方向に回動したときに、ストッパ39aに当接してそれ以上回動しないようになっている。尚、第2サポート板40は図示しないコイルスプリング等で図12(b)中、時計回り方向に回動付勢されている。
【0055】
しかも、第1,第2の蓋24,25が閉じているときには、第2サポート板40の支持板部40bが第1サポート板39のストッパ39aとは反対側に位置するように、取付板部40aが横側壁(長辺)23bとは反対方向(横方向)に向いていると共に、取付板部40aが保持空間38内に配設されている。
[作用]
次に、このような構成の長物用工具箱22の作用を説明する。
【0056】
図9のロック装置28による工具箱本体23の後側壁(一方の短辺)23dへのロックが解除されると、第1の蓋24は図9のエアダンパ29,30により第1のヒンジ26を中心に回動して図13に示したように鉛直になるまで開かれる。
【0057】
この際、第2サポート板40の取付板部40aが支持軸41を中心に図12(b)において下方に回動(実際は第2サポート板40が略そのままの姿勢で第1サポート板39が時計回り方向に回動)させられながら、第2サポート板40の支持板部40bが図13及び図14の矢印B方向に膨出突部31の底壁31bの下面に対して横側壁(長辺)23b側に摺接移動して保持空間38から抜き取られた後、支持板部40bが第2の蓋25の膨出突部31の底壁31bを支持しながら第1の蓋24と共に上方に回動させられる。
【0058】
これに伴い、第2の蓋25の後端部が第2サポート板40により第1の蓋24に連動して第2のヒンジ27を中心に上方に回動するように持ち上げられて、第2の蓋25が上方且つ前側に回動し傾斜するように開かれることになる。そして、第1の蓋24が鉛直になるまで開かれるときに、第2の蓋25はバケット9の後端部9aに当たる直前まで上方に開かれることになる。
【0059】
この状態では、図示しないホットスティック等の長尺工具(長物)が収納された防水性の長物収納袋35の後端部を持ち上げて、長物収納袋35を傾斜させることで、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れを容易に行うことができる。しかも、この際、第2の蓋25の後端部が上方に持ち上がるように傾斜するので、長物収納袋35の後部が上方に持ち上がるように傾斜させた状態で、長物収納袋35の工具箱本体23に対して出し入れしても、長物収納袋35が第2の蓋25に当たることはない。
【0060】
この結果、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れに際して、長物収納袋35内の長尺工具が傷つくのを未然に防止できるので、金属中空棒に絶縁コーティングした長尺工具であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時にコーティングが剥がれて絶縁が損なわれたりすることがない。また、長尺工具がFRP等からなる中空棒であっても、長物収納袋35の工具箱本体23に対する出し入れ時に長尺工具に傷が付いて強度が落ちたり、穴が開いたりして、雨水の浸入に伴う絶縁性が損なわれるようなことも未然に防止できる。
【0061】
また、第1の蓋24の自由端をエアダンパ29,30の弾発力に抗して閉じる方向に押し下げると、第2の蓋25が自重により先に閉じる。この後、第1の蓋24の自由端を更に押し下げると、支持板部40bが常時底壁31bの下面に押し付けられる方向に、第2サポート板40が図示しないコイルスプリング等で回動させられる。これに伴い、第2サポート板40の支持板部40bは、膨出突部31の底壁31bに対して保持空間38側に摺接移動し、第1の蓋24及び第2の蓋25が閉じたときに保持空間38内に収容される。この結果、第2サポート板40が長物用工具箱22内に収納される長尺工具等の邪魔になることはない。
【0062】
そして、第1の蓋24を閉じると、第1の蓋24のフランジ部24a1が第2の蓋25の止水溝31eに係合して、雨水等が工具箱本体23内に侵入するのを防止する。
(その他)
尚、少なくとも支持板37の支持部37bを膨出突部31の底壁31bに沿って横側壁(長辺)23b側の端まで延設することにより、第2の蓋25の後方に開放する保持空間38を底壁31bに沿って横側壁23b側の端まで設けて、この保持空間38をサポートガイドとすることもできる。また、支持板37の支持部37bを膨出突部31の底壁31b全体に対向するように延設することで、支持部37bと底壁31bの長手方向全体との間に第2の蓋25の後方に開放する保持空間38を設けて、この保持空間38をサポートガイドとすることもできる。
【0063】
これらの場合には、第2の蓋25を第2サポート板40で第1の蓋24の開閉により確実に連動させて開閉させることができる。この第1の蓋24の開閉に伴い、支持板部40bが保持空間(ガイド空間)38内を長手方向に摺動して、第2サポート板40が支持軸41を中心に回動させられ、第2の蓋25の開閉が行われることになる。
[変形例2]
また、上述した実施例では、第2の蓋25をワイヤロープ32又は連動機構36により第1の蓋24の開閉に連動して開閉させるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0064】
例えば、図14に示したように、第1の蓋24を図3に示したエアダンパ29,30(図14では図示を省略)により開いたときに、第2の蓋25がエアダンパ(蓋連繋手段)42により開くようにしておくことにより、上述したワイヤロープ32や連動機構36を設けることなく第2の蓋25を第1の蓋24の開動作に連動(連繋)させて開くことができる。
【0065】
尚、第2の蓋24を図3のエアダンパ29,30の弾発力に抗して閉じる際、第2の蓋24の前端部が第2の蓋25の後端部に当接させて第2の蓋25をエアダンパ42の弾発力に抗して押し下げ、第2の蓋25を閉じることができる。そして、第1,第2の蓋24,25が閉じられた状態でロック装置28により第1の蓋24を工具箱本体23にロックすることにより、第1,第2の蓋24,25が閉じられた状態を維持することになる。
【0066】
尚、エアダンパ29,30の代わりにプッシュプルケーブルやリンク等で後側壁23d側から第1の蓋24の開動作をさせるようにしても良い。
[変形例3]
また、上述した実施例では、上方に開閉する第2の蓋25を設けて、この第2の蓋25を第1の蓋24の開閉に連動して開閉させるようにしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0067】
例えば、上述した第2の蓋25を省略して、第2の蓋25を設けた部分に図15に示したように上壁25′を形成すると共に、工具箱本体23の後側壁(一方の短辺の側壁)23dを第2の蓋として工具箱本体23とは別体に形成し、この後側壁23dの下端部を図15,図16に示した第2のヒンジ44を介して工具箱本体23の下端部に回動可能に取り付けた構成としても良い。
【0068】
また、この後側壁23dの上端部は、第1の蓋24の周縁に設けられたフランジ24aの後端のフランジ部(蓋連繋手段)24a2によりカバーされて、フランジ部24a2により後方に開くのを規制されている。しかも、後側壁23dの上端部は、ロック装置28によりフランジ部24a2にロックされている。
【0069】
この構成においては、このロック装置28によるロックを解除して、第1の蓋24を上方に開くと、フランジ部24a2による後側壁23dの上端部の規制が解除されるので、後側壁23dが第2のヒンジ44を中心に後方且つ下方に回動して開くことになる。
【0070】
この状態では、工具箱本体23内に収納した長物収納袋35を工具箱本体23の後端開口から僅かに引き出して、長物収納袋35の後端を上方に持ち上げることにより、長物収納袋35を容易に工具箱本体23から取り出すことができる。また、長物収納袋35を工具箱本体23に収納する場合には取り出す場合と逆の作業をすればよい。
【0071】
即ち、先ず、工具箱本体23の後端を開いた状態で、長物収納袋35を工具箱本体23内に後端開口(図示せず)から収納して、第2の蓋である後側壁23dで工具箱本体23の後端開口(図示せず)を閉じる。この状態で第1の蓋24で工具箱本体23の上部開口端(図示せず)を閉成することにより、第1の蓋24の後端のフランジ部(蓋連繋手段)24a2で第2の蓋である後側壁23dの上端部が第2のヒンジ44を中心に後方に倒れるのを規制させる。そして、最終的に、ロック装置28により後側壁23dの上部をフランジ部24a2にロックすることにより、第1の蓋24及び第2の蓋である後側壁23dの閉成及び固定が終了する。
【0072】
また、第2の蓋として後側壁23dを工具箱本体23と別体に形成した例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、工具箱本体23の後側壁23dの下部側は工具箱本体23と一体に形成し、工具箱本体23の後側壁23dの上部側を第2の蓋として第1の蓋24と一体に形成することもできる。この場合、第1の蓋24を上方に開いたときに、長物工具を工具箱本体23に対して出し入れする際に、第1の蓋24と一体の後側壁の上部側(第2の蓋)が長物工具の出し入れに邪魔にならず且つ長物工具が第1の蓋24と一体の後側壁の上部側(第2の蓋)に当たらない程度の長さとすると良い。このように工具箱本体23の後側壁23dの上部側を第2の蓋として第1の蓋24と一体に形成する場合、例えば、この第2の蓋の(寸法)は後側壁23dの上下方向の長さ(寸法又は高さ)の1/2〜1/3程度の範囲に設定すると良い。
【0073】
以上説明したように、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側(後側壁23d側)では制限されず且つ他方の短辺側(前側壁23e側)では制限される長物収納用の工具箱本体23と、前記工具箱本体23の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体23の一方の長辺側に第1のヒンジ26を備えた第1の蓋24と、前記工具箱本体23の他方の短辺側に位置し且つ上方への開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジ27を備えた第2の蓋25と、前記第1の蓋24はその閉鎖位置では前記第2の蓋25を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋25の開放を許容する蓋連繋手段(ワイヤロープ32,連動機構36,エアダンパ42)とを有している。
【0074】
この構成によれば、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0075】
また、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側(後側壁23d側)では制限されず且つ他方の短辺側(前側壁23e側)では制限される長物収納用の工具箱本体23と、前記工具箱本体23の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体23の一方の長辺側に第1のヒンジ26を備えた第1の蓋24と、その閉じた状態では前記工具箱本体23の一方の短辺の上縁部を含む側壁の一部であって下端に第2のヒンジ27を備えた第2の蓋(後側壁23d)と、前記第1の蓋24はその閉鎖位置では前記第2の蓋(後側壁23d)を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段(フランジ部24a2)とを有する。
【0076】
この構成によれば、一方の短辺側上に扉の上方への開き代の制限をする構造物等があっても、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0077】
更に、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、前記第1の蓋24による開口面積が前記第2の蓋25による開口面積よりも大きくなっている。この構成によれば、第1の蓋24による開口面積が第2の蓋25による開口面積よりも大きくしたので、長尺工具を少し傾けるだけで、長尺工具の出し入れを容易に行うことができる。
【0078】
また、この発明の実施の形態の長物用工具箱22は、前記第1の蓋24の開き動作により前記第2の蓋25の開き動作をおこなうようになっている。このように、第1の蓋24の開き動作により第2の蓋25の開き動作をおこなうようにすることにより、長尺工具の出し入れに際して、長尺工具が蓋等により傷つくのを容易に防止できる。
【0079】
また、この発明の実施の形態の長物用工具箱22において、前記第2の蓋25は連動機構(ワイヤロープ32、連動機構36、エアダンパ42)により前記第1の蓋24の開閉に連動して開閉するようになっている。このように第2の蓋25は連動機構により第1の蓋の開閉に連動して開閉する構成とすることにより、この第2の蓋25の開閉を第1の蓋24の開閉操作のみで簡易に行うことができる。
【0080】
また、上述した長物用工具箱22を、前記長物用工具箱22の長辺における上面開口部の上方への開き代が短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される箇所に備える高所作業車とすることにより、この高所作業車は上述した長物用工具箱の作用・効果を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】この発明に係る長物用工具箱を備える高所作業車の左側面図である。
【図2】図1の高所作業車の平面図である。
【図3】図1の長物用工具箱の拡大平面図である。
【図4】図3のA1−A1線に沿う断面図(エアダンパの図示は省略)である。
【図5】図3のA2−A2線に沿う断面図である。
【図6】図3のA1−A5線に沿う断面図である。
【図7】図3のA6−A6線に沿う断面において第1,第2の蓋を開いたときの説明図である。
【図8】第1,第2の蓋を開いたときの説明図である。
【図9】この発明に係る長物用工具箱の変形例を示す平面図である。
【図10】図9のA7−A7線に沿う断面図(エアダンパの図示は省略)である。
【図11】図9のA8−A8線に沿う断面図(エアダンパの図示は省略)である。
【図12】(a)は図10の要部拡大図(図11のA10−A10線に沿う断面図)、(b)は(a)のA9−A9線に沿う断面図である。
【図13】図11の断面において第1,第2の蓋を開いたときの説明図である。
【図14】この発明に係る長物用工具箱の他の変形例を示す断面図である。
【図15】この発明に係る長物用工具箱の更に他の変形例を示す側面図である。
【図16】図15の右側面図である。
【符号の説明】
【0082】
22・・・長物用工具箱
23・・・工具箱本体
23d・・・後側壁(第2の蓋)
24・・・第1の蓋
24a2・・・フランジ部(蓋連繋機構)
25・・・第2の蓋
26・・・第1のヒンジ
27・・・第2のヒンジ
32・・・ワイヤロープ(蓋連繋機構)
36・・・連動機構(蓋連繋機構)
42・・・エアダンパ42(蓋連繋機構)
44・・・第2のヒンジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、
前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、
前記工具箱本体の他方の短辺側に位置し且つ上方への開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、
前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を備えることを特徴とする長物用工具箱。
【請求項2】
長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、
前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、
その閉じた状態では前記工具箱本体の一方の短辺の上縁部を含む側壁の一部であって下端に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、
前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を備えることを特徴とする長物用工具箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋による開口面積が前記第2の蓋による開口面積よりも大きいことを特徴とする長物用工具箱。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋の開き動作により前記第2の蓋の開き動作をおこなうことを特徴とする長物用工具箱。
【請求項5】
請求項4に記載の長物用工具箱において、前記第2の蓋は連動機構により前記第1の蓋の開閉に連動して開閉することを特徴とする長物用工具箱。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つの長物用工具箱を、前記長物用工具箱の長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される箇所に備えることを特徴とする高所作業車。
【請求項1】
長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、
前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、
前記工具箱本体の他方の短辺側に位置し且つ上方への開き代が制限されると共に前記他方の短辺に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、
前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を備えることを特徴とする長物用工具箱。
【請求項2】
長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される長物収納用の工具箱本体と、
前記工具箱本体の一方の短辺側に位置すると共に上方への開き代が制限されない範囲の長さを持ち且つ前記工具箱本体の一方の長辺側に第1のヒンジを備えた第1の蓋と、
その閉じた状態では前記工具箱本体の一方の短辺の上縁部を含む側壁の一部であって下端に第2のヒンジを備えた第2の蓋と、
前記第1の蓋はその閉鎖位置では前記第2の蓋を閉鎖位置に維持し且つその開放位置では前記第2の蓋の開放を許容する蓋連繋手段と、を備えることを特徴とする長物用工具箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋による開口面積が前記第2の蓋による開口面積よりも大きいことを特徴とする長物用工具箱。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の長物用工具箱において、前記第1の蓋の開き動作により前記第2の蓋の開き動作をおこなうことを特徴とする長物用工具箱。
【請求項5】
請求項4に記載の長物用工具箱において、前記第2の蓋は連動機構により前記第1の蓋の開閉に連動して開閉することを特徴とする長物用工具箱。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つの長物用工具箱を、前記長物用工具箱の長辺における上面開口部の上方への開き代が一方の短辺側では制限されず且つ他方の短辺側では制限される箇所に備えることを特徴とする高所作業車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−196687(P2009−196687A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42126(P2008−42126)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【出願人】(000141060)株式会社関電工 (115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【出願人】(000141060)株式会社関電工 (115)
【Fターム(参考)】
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