説明

開錠システムおよび開錠方法

【課題】身の回りの様々な物を鍵として利用でき、また、鍵として機能する認証用の画像あるいは認証用の画像の元となる撮影対象物を盗まれたりした場合でも、第三者による開錠操作を効果的に防止することのできる開錠システムおよび開錠方法を提供する。
【解決手段】携帯電話2のディジタルカメラ12を利用した撮影操作で得られた画像からユーザが鍵として機能させたいキーオブジェクトを選択してシークレットコードを生成する。選択肢となる鍵すなわちキーオブジェクトが際限なく存在するため、第三者が正当なユーザのものと同じ鍵すなわちキーオブジェクトや其れに相当するコードを利用して開錠操作を行なうことが困難となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末により通信ネットワークを経由して施錠対象物に設置された開錠装置のロック/アンロック機構を操作するようにした開錠装置および開錠方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影された画像を利用して開錠操作を行う技術としては特許文献1のキーレスエントリー装置や特許文献2の電子鍵管理方法さらには特許文献3のテレビドアホン等が既に公知である。
但し、特許文献1,特許文献2,特許文献3のものは、何れも、ユーザが車両や建造物のドア付近に接近し、ドア等の近傍に設置された入力装置やテレビモニターを利用して開錠操作を行うもので、遠隔地から開錠操作を行うものではない。
【0003】
このうち、特許文献1のキーレスエントリー装置は、車に搭載されたバックビューモニターに鍵として機能する認証用の画像を写すことで車のドアの開錠を行うように構成したもので、鍵となる認証用の画像を盗まれると、車を止めている間に第三者によって簡単に開錠が行なわれてしまう問題がある。
【0004】
また、特許文献2の電子鍵管理方法は、ユニークなID(透かし)を予め鍵として機能する画像に埋め込み、それを撮影する事で、画像からIDを読み取って開錠を行うようになっているが、画像にIDを埋め込み、それを印刷して貼るという作業が必要となってくる。つまり、紙等に印刷した物しか使えない為、雨水にさらされる屋外等では使用が不向きである。
【0005】
特許文献3のテレビドアホンは、カメラ付インターホンに鍵として機能する特定の画像をかざすことで開錠を許容するようにしているが、ドアの前のカメラに映せる物しか鍵として使用することができない。更に、開錠用の鍵となる画像と同じ物を第三者が取得してカメラ付インターホンにかざした場合には、第三者が簡単に家に侵入できてしまうといった問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2004−270347号公報
【特許文献2】特開2003−008873号公報
【特許文献3】特開2002−364224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、身の回りの様々な物を鍵として利用でき、しかも、鍵として機能する認証用の画像あるいは認証用の画像の元となる撮影対象物を盗まれたりした場合であっても、第三者による開錠操作を効果的に防止することのできる開錠システムおよび開錠方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の開錠システムは、ディジタルカメラを備えた携帯通信端末と、錠を施錠開錠するロック/アンロック機構を備えて施錠対象物に設置された開錠装置と、前記携帯通信端末と前記開錠装置との間の通信を実現するための通信ネットワークとからなる開錠システムであり、前記課題を達成するため、特に、
前記携帯通信端末には、当該携帯通信端末のモードをユーザの選択操作に応じて通常モードと開錠コード登録モードと開錠コード送信モードの間で選択的に切り替えるモード切替手段と、当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードまたは開錠コード送信モードとなっている場合に限って前記ディジタルカメラで撮影された画像の一部をユーザの選択操作に応じてキーオブジェクトとして抽出するキーオブジェクト抽出手段と、当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合に限り前記キーオブジェクトを記憶するオブジェクト記憶手段と、当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合には前記キーオブジェクト抽出手段によって抽出されたキーオブジェクトに対応させて特異なコードを生成する一方、当該携帯通信端末のモードが開錠コード送信モードとなっている場合には前記キーオブジェクト抽出手段によって抽出されたキーオブジェクトが予め前記オブジェクト記憶手段に記憶されている場合に限って当該キーオブジェクトに対応する特異なコードを生成するコード生成手段と、前記コード生成手段で生成されたコードと当該携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いてシークレットコードを生成するシークレットコード生成手段と、当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合に前記シークレットコード生成手段で生成されたシークレットコードを登録要求と共に前記通信ネットワークを介して前記開錠装置に送信する一方、当該携帯通信端末のモードが開錠コード送信モードとなっている場合には前記シークレットコード生成手段で生成されたシークレットコードを開錠要求と共に前記通信ネットワークを介して前記開錠装置に送信するシークレットコード送信手段とを設ける一方、
前記開錠装置には、シークレットコードを記憶するためのシークレットコード記憶手段と、前記携帯通信端末からの送信を前記通信ネットワークを介して受け付ける受信手段と、前記携帯通信端末から登録要求と共に受信したシークレットコードを前記シークレットコード記憶手段に記憶させるシークレットコード登録手段と、前記携帯通信端末から開錠要求と共に受信したシークレットコードが前記シークレットコード記憶手段に記憶されているシークレットコードと一致しているか否かを判定するシークレットコード判定手段と、前記シークレットコード判定手段による判定結果か一致となった場合に限り前記ロック/アンロック機構を作動させて前記錠を開錠する開錠指令手段とを設けたことを特徴とする構成を有する。
【0009】
以上の構成により、ユーザは、まず、携帯通信端末のモード切替手段を操作して当該携帯通信端末のモードを開錠コード登録モードに切り替える。
鍵として機能する身の回りの物を含む画像を事前に生成しておく必要があるが、携帯通信端末のディジタルカメラを利用した撮影操作自体はどの時点で行っても構わないし、あるいは、当該携帯通信端末のディジタルカメラによって撮影された画像を予め当該携帯通信端末の画像記憶手段に保存しておくようにしても構わない。
次いで、ユーザが、携帯通信端末に対して鍵として機能するオブジェクトの選択操作を行うと、携帯通信端末のキーオブジェクト抽出手段が当該操作を検知し、ディジタルカメラで撮影された画像の一部をキーオブジェクトとして抽出し、このキーオブジェクトが携帯通信端末のオブジェクト記憶手段に記憶される。
携帯通信端末のコード生成手段は、キーオブジェクト抽出手段によって抽出されたキーオブジェクトに対応させて特異なコードを生成し、携帯通信端末のシークレットコード生成手段が、当該コードと当該携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いて、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードを生成する。
生成されたシークレットコードは、当該携帯通信端末のシークレットコード送信手段によって登録要求と共に通信ネットワークを介して開錠装置に送信される。
携帯通信端末から送信された登録要求とシークレットコードは開錠装置の受信手段によって受け付けられ、開錠装置のシークレットコード登録手段が、このシークレットコードを開錠装置のシークレットコード記憶手段に記憶させる。
その後、携帯通信端末のモード切替手段を操作して当該携帯通信端末のモードを開錠コード送信モードに切り替え、前記と同様にして、ユーザあるいは他の人間が、当該携帯通信端末のディジタルカメラで撮影した画像、あるいは、予め当該携帯通信端末の画像記憶手段に保存されていた画像に対し、オブジェクトの選択操作を行うと、携帯通信端末のキーオブジェクト抽出手段が当該操作を検知し、ディジタルカメラで撮影された画像の一部をキーオブジェクトとして抽出する。
携帯通信端末のコード生成手段は、このようにして抽出されたキーオブジェクトが前述のオブジェクト記憶手段に既に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合に限り、当該キーオブジェクトに対応する特異なコードを改めて生成する。抽出されたキーオブジェクトがオブジェクト記憶手段に記憶されていない場合にはコードは生成されない。
コード生成手段によってコードが生成された場合には、携帯通信端末のシークレットコード生成手段が、当該コードと当該携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いて、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードを生成する。
生成されたシークレットコードは、当該携帯通信端末のシークレットコード送信手段により開錠要求と共に通信ネットワークを介して開錠装置に送信される。前述した通り、抽出されたキーオブジェクトがオブジェクト記憶手段に記憶されていない場合にはコードおよびシークレットコードは生成されず、よって、シークレットコードが送信されることもない。
携帯通信端末から送信された開錠要求とシークレットコードは開錠装置の受信手段によって受け付けられ、開錠装置のシークレットコード判定手段により、当該シークレットコードが開錠装置のシークレットコード記憶手段に記憶されているシークレットコードと一致するか否かの判定が行われる。
そして、シークレットコード判定手段による判定結果か一致となった場合に限り、開錠装置の開錠指令手段が開錠装置のロック/アンロック機構を作動させ、当該開錠装置の錠を開錠する。
以上に述べた通り、携帯通信端末のディジタルカメラを利用した撮影操作で得られた画像からユーザが鍵として機能させたいオブジェクトを選択し、このオブジェクトを鍵として機能するキーオブジェクトとして利用するようにしているので、ドアの前のカメラに映すことが可能な物の他、遠隔した定位置に固定されたものや非固定であっても持ち運びが不能な物等を始めとする身の回りの様々な物、例えば、ビルディングや景色等の一部を鍵として利用することができる。従って、まず、選択肢となる鍵すなわちオブジェクトが際限なく存在することから、第三者が単純に正当なユーザのものと同じ鍵すなわちオブジェクトあるいは其れに相当するコードを利用して開錠操作を行なおうとする場合のセキュリティが向上する。
また、最終的に開錠操作を行うか否かの判定は、開錠装置のシークレットコード記憶手段に記憶されているシークレットコードと携帯通信端末から送信されたシークレットコードとの一致不一致に基いて行なわれ、このシークレットコードはキーオブジェクトに対応して生成されたコードと携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いて生成されたもの、つまり、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードであるから、仮に、鍵として機能するキーオブジェクトすなわちコードの部分、あるいは、特定のユーザが所有する携帯通信端末すなわち端末固有情報を備えた携帯通信端末それ自体のうちの何れか一方が第三者の手に渡ったとしても、第三者による開錠操作が簡単に行われることはない。つまり、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されたとしても携帯通信端末の端末固有情報が第三者によって把握されない限りシークレットコードを生成することはできないので第三者による開錠操作は困難であり、また、端末固有情報を備えた携帯通信端末それ自体が第三者の手に渡ったとしても正当なユーザが鍵として利用しているキーオブジェクトを第三者が特定することはできないので第三者による開錠操作は困難となる。
このように、選択肢となる鍵すなわちオブジェクトが際限なく存在すること、および、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されただけでは開錠操作が行えないこと、更には、携帯通信端末それ自体が第三者の手に渡っただけでは開錠操作が行えないことの相乗効果により、単純に画像や物を認証手段として利用するセキュリティシステムや単純なID(透かし)を認証手段として利用するセキュリティシステムと比べ、第三者による開錠操作をより効果的に防止することができる。
【0010】
以上の構成において、キーオブジェクトを抽出するための画像を其の都度に撮影する必要は必ずしもなく、例えば、ディジタルカメラで撮影された画像をキーオブジェクトの抽出対象として携帯通信端末の画像記憶手段に保存しておくといったことも可能である。
【0011】
携帯通信端末の画像記憶手段に複数の画像を保存しておくようにすれば、そのうちのどの画像からキーオブジェクトの抽出を行なったのかを第三者が特定することは困難となるので、セキュリティが更に向上し、第三者による開錠操作を更に効果的に防止できる。
【0012】
また、携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合に前記シークレットコード生成手段の作動回数を計数するコード生成回数計数手段と、前記コード生成回数計数手段における計数の現在値を修飾情報としてシークレットコードに付加してから前記シークレットコード送信手段に引き渡す修飾データ付加手段とを前記携帯通信端末に備えると共に、
前記受信手段における開錠要求の受け付け回数を計数する受付回数計数手段と、前記受付回数計数手段における計数の現在値に対応する修飾情報を付加されたシークレットコードを前記シークレットコード記憶手段から読み出して前記シークレットコード判定手段に判定対象として引き渡すシークレットコード読出手段と、前記シークレットコード判定手段の判定結果が前記シークレットコード記憶手段に記憶されているシークレットコードの個数と一致する回数だけ一致となった場合に限り前記開錠指令手段の作動を許容する多重化チェック手段とを前記開錠装置に備えるようにしてもよい。
【0013】
このような構成を適用した場合、開錠コード登録モードにおかれたシークレットコード生成手段によって前述のようにしてシークレットコードが生成される度に携帯通信端末のコード生成回数計数手段の現在値がインクリメントされる。
携帯通信端末の修飾データ付加手段は、この現在値を修飾情報としてシークレットコードに付加してから携帯通信端末のシークレットコード送信手段に引き渡すので、開錠装置のシークレットコード記憶手段には、複数のシークレットコードと各シークレットコードの生成履歴すなわち其のシークレットコードが何番目に生成されたものであるのかを示す修飾情報とが対応して記憶されることになる。
開錠装置の受付回数計数手段は、当該開錠装置の受信手段によって開錠要求およびシークレットコードが受信される度に受け付け回数を計数し、開錠装置のシークレットコード読出手段が、受付回数計数手段における計数の現在値に対応する修飾情報の付加されたシークレットコードを開錠装置のシークレットコード記憶手段から読み出し、このシークレットコードを当該開錠装置のシークレットコード判定手段に判定対象として引き渡す。
従って、開錠装置のシークレットコード判定手段は、開錠コードの登録に際して第i番目にシークレットコード記憶手段に記憶されたシークレットコードと、開錠要求の受け付けに際して携帯通信端末から第i番目に送信されたシークレットコードとを比較して一致不一致の判定を行なうことになる。
開錠装置の多重化チェック手段は、シークレットコード判定手段における判定結果がシークレットコード記憶手段に記憶されているシークレットコードの個数nと一致する回数nだけ一致となった場合に限って開錠指令手段の作動を許容する。
つまり、開錠コードの登録に際してシークレットコード記憶手段に記憶された複数のシークレットコードの全てが、登録時と全く同じ順序で携帯通信端末から開錠装置に送信された場合に限って最終的な開錠操作が行われることになるので、1つのシークレットコードのみで第三者による開錠操作を防止しようとする場合に比べ、遥かに高い確率で第三者による開錠操作を防止することができる。
【0014】
更に、受信手段における開錠要求の受け付け時間間隔を計測する受付許容時間計測手段と、前記受付許容時間計測手段における計測時間が予め決められた許容時間を越えると前記開錠指令手段の作動を無条件に禁止して前記受付回数計数手段における計数の現在値を初期化するリセット手段とを開錠装置に備えるようにしてもよい。
【0015】
このような構成を適用した場合には、開錠コードの登録に際してシークレットコード記憶手段に記憶された複数のシークレットコードの全てが登録時と全く同じ順序で携帯通信端末から開錠装置に送信されることに加え、複数のシークレットコードが一定の許容時間の範囲で続けて携帯通信端末から開錠装置に送信されることが開錠操作のための必須要件となる。
正当なユーザでなければシークレットコードの登録の順序や登録個数は把握していないので、第三者がトライ&エラーで一定の時間内に正当なユーザと同じ操作を行うことは困難であり、更に高い確率で第三者による開錠操作を防止することができる。
【0016】
また、開錠装置に開錠装置毎の装置固有情報を設定し、前記登録要求,開錠要求,シークレットコードを、前記携帯通信端末から装置固有情報の指定で開錠装置を特定して送信するようにしてもよい。
【0017】
このような構成を適用することにより、1つの携帯通信端末で複数の開錠装置を独立的に操作することが可能となる。無論、単一の開錠装置に複数のロック/アンロック機構を配備して各ロック/アンロック機構を個別に操作するといった場合も考えられ、そのような場合には、開錠装置毎ではなくロック/アンロック機構毎に装置固有情報を設定するようにすればよい。
【0018】
携帯通信端末と開錠装置との間の通信を実現するための通信ネットワークは、携帯通信端末との間で無線通信を行なう基地局と、該基地局と開錠装置との間で通信を行なうインターネット網とによって構成することができる。
【0019】
既存のインフラを利用することでシステムの構築に要するコストを軽減することが可能である。
【0020】
更に、インターネット網に接続して基地局の通信を管理する通信センターを設け、該通信センターにより、予め設定された端末固有情報を有する携帯通信端末から開錠装置への登録要求,開錠要求,シークレットコードの送信を遮断するように構成することも可能である。
【0021】
登録要求,開錠要求,シークレットコードの送信を遮断することで特定の携帯通信端末や特定の開錠装置の機能を実質的に停止させることができるので、シークレットコードによるセキュリティが破綻した最悪の状況下でも、第三者による開錠操作を防止することができる。
【0022】
本発明の開錠方法は、ディジタルカメラを備えた携帯通信端末により通信ネットワークを経由して施錠対象物に設置された開錠装置のロック/アンロック機構を操作するようにした開錠方法であり、前記と同様の課題を達成するため、特に、
前記携帯通信端末のディジタルカメラで撮影された画像の一部をキーオブジェクトとして抽出して該携帯通信端末の記憶部に記憶させるキーオブジェクト抽出記憶工程と、前記キーオブジェクトに対応させて特異なコードを生成するコード生成工程と、該コードと前記携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いてシークレットコードを生成するシークレットコード生成工程と、前記シークレットコードを前記開錠装置の記憶部に記憶させるシークレットコード設定工程からなる初期設定工程と、
前記携帯通信端末のディジタルカメラで撮影された画像の一部をキーオブジェクトとして抽出するキーオブジェクト抽出工程と、該抽出されたキーオブジェクトが該携帯通信端末の記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合に限って当該キーオブジェクトに対応する特異なコードを生成するコード生成工程と、該コードと当該携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いてシークレットコードを生成するシークレットコード生成工程と、該シークレットコードを開錠要求と共に前記通信ネットワークを介して該携帯通信端末から前記開錠装置に送信するシークレットコード送信工程からなる開錠操作要求工程と、
前記携帯通信端末からの開錠要求を受けて、該開錠要求と共に前記携帯通信端末から送信されたシークレットコードが、前記開錠装置の記憶部に記憶されているシークレットコードと一致しているか否かを判定するシークレットコード判定工程と、この判定結果か一致となった場合に限り前記ロック/アンロック機構を作動させて錠を開錠する開錠工程からなる開錠操作工程とを備えたことを特徴とする構成を有する。
【0023】
前記と同様、携帯通信端末のディジタルカメラを利用した撮影操作で得られた画像からユーザが鍵として機能させたいオブジェクトを選択し、このオブジェクトを鍵として機能するキーオブジェクトとして利用するようにしているので、ドアの前のカメラに映すことが可能な物の他、遠隔した定位置に固定されたものや非固定であっても持ち運びが不能な物等を始めとする身の回りの様々な物、例えば、ビルディングや景色等の一部を鍵として利用することができる。従って、まず、選択肢となる鍵すなわちオブジェクトが際限なく存在することから、第三者が単純に正当なユーザのものと同じ鍵すなわちオブジェクトあるいは其れに相当するコードを利用して開錠操作を行なおうとする場合のセキュリティが向上する。
また、最終的に開錠操作を行うか否かの判定は、開錠装置の記憶部に記憶されているシークレットコードと携帯通信端末から送信されたシークレットコードとの一致不一致に基いて行なわれ、このシークレットコードはキーオブジェクトに対応して生成されたコードと携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いて生成されたもの、つまり、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードであるから、仮に、鍵として機能するキーオブジェクトすなわちコードの部分、あるいは、特定のユーザが所有する携帯通信端末すなわち端末固有情報を備えた携帯通信端末それ自体のうちの何れか一方が第三者の手に渡ったとしても、第三者による開錠操作が簡単に行われることはない。つまり、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されたとしても携帯通信端末の端末固有情報が第三者によって把握されない限りシークレットコードを生成することはできないので第三者による開錠操作は困難であり、また、端末固有情報を備えた携帯通信端末それ自体が第三者の手に渡ったとしても正当なユーザが鍵として利用しているキーオブジェクトを第三者が特定することはできないので第三者による開錠操作は困難となる。
このように、選択肢となる鍵すなわちオブジェクトが際限なく存在すること、および、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されただけでは開錠操作が行えないこと、更には、携帯通信端末それ自体が第三者の手に渡っただけでは開錠操作が行えないことの相乗効果により、単純に画像や物を認証手段として利用するセキュリティシステムや単純なID(透かし)を認証手段として利用するセキュリティシステムと比べ、第三者による開錠操作をより効果的に防止するこができる。
【0024】
キーオブジェクトを抽出するための画像を初期設定工程や開錠操作要求工程において其の都度に撮影する必要は必ずしもなく、例えば、ディジタルカメラで撮影された画像をキーオブジェクトの抽出対象として携帯通信端末の記憶部に保存しておくといったことも可能である。
【0025】
特に、携帯通信端末の記憶部に複数の画像を保存しておくようにすれば、そのうちのどの画像を利用して初期設定工程におけるキーオブジェクト抽出記憶工程が行われたのかを第三者が特定することは困難となるので、セキュリティが更に向上し、第三者による開錠操作を更に効果的に防止できる。
【0026】
また、前記初期設定工程において複数のシークレットコードを生成して前記開錠装置の記憶部に順に記憶させると共に、前記開錠操作要求工程を複数回繰り返し実行し、前記開錠操作工程においては、前記携帯通信端末からの開錠要求を受ける度に開錠装置の記憶部に記憶されたシークレットコードを順に読み出して該開錠要求と共に受信したシークレットコードとの一致不一致を判定し、開錠装置の記憶部に記憶されたシークレットコードの個数と一致する回数だけ判定結果が一致となった場合に限り前記ロック/アンロック機構の作動を許容するようにしてもよい。
【0027】
このような構成を適用した場合、初期設定工程において生成された複数のシークレットコードが生成の順序に従って開錠装置の記憶部に順に記憶され、開錠操作要求工程で携帯通信端末から開錠装置に開錠要求およびシークレットコードが送信される度に、開錠装置の記憶部に記憶されたシークレットコードが順に読み出されて当該開錠要求と共に受信したシークレットコードとの一致不一致が判定される。つまり、初期設定工程において第i番目に開錠装置の記憶部に記憶されたシークレットコードと開錠操作要求工程において携帯通信端末から第i番目に送信されたシークレットコードとが開錠操作工程において一対一の関係で一致不一致を判定され、開錠装置の記憶部に記憶されたシークレットコードの個数nと一致する回数nだけ判定結果が一致となった場合に限って、ロック/アンロック機構の作動が許容されることになる。
初期設定工程において開錠装置の記憶部に記憶された複数のシークレットコードの全てが、開錠操作要求工程においても初期設定工程の場合と全く同じ順序で携帯通信端末から開錠装置に送信された場合に限って最終的な開錠操作を行う構成であるから、1つのシークレットコードのみで第三者による開錠操作を防止しようとする場合に比べ、遥かに高い確率で第三者による開錠操作を防止することができる。
【0028】
更に、開錠操作工程において開錠要求の受け付け時間間隔を計測し、この計測時間が予め決められた許容時間を越えると前記ロック/アンロック機構の作動を無条件に禁止するようにしてもよい。
【0029】
開錠操作要求工程において初期設定工程の場合と全く同じ順序で携帯通信端末から開錠装置にシークレットコードの全てが送信されることに加え、複数のシークレットコードが一定の許容時間の範囲で続けて携帯通信端末から開錠装置に送信されることが開錠操作のための必須要件となるので、シークレットコードの登録の順序や登録個数を把握していない第三者が此の条件をクリアすることは困難であり、更に高い確率で第三者による開錠操作を防止することができる。
【0030】
また、開錠装置に開錠装置毎の装置固有情報を設定し、前記開錠要求,シークレットコードを、前記携帯通信端末から装置固有情報の指定で開錠装置を特定して送信するようにしてもよい。
【0031】
これにより、1つの携帯通信端末で複数の開錠装置を操作することが可能となる。複数のロック/アンロック機構を配備した開錠装置の場合においては、ロック/アンロック機構毎に装置固有情報を設定することで各ロック/アンロック機構を個別に操作するといったことも可能である。
【0032】
更に、通信ネットワーク上に通信センターを配置し、該通信センターにより、予め設定された端末固有情報を有する携帯通信端末から開錠装置への開錠要求,シークレットコードの送信を遮断するように構成してもよい。
【0033】
登録要求,開錠要求,シークレットコードの送信を遮断することで特定の携帯通信端末や特定の開錠装置の機能を実質的に停止させることができるので、シークレットコードによるセキュリティが破綻した最悪の状況下でも、第三者による開錠操作を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の開錠システムおよび開錠方法によれば、ドアの前のカメラに映すことが可能な物の他、遠隔した定位置に固定されたものや非固定であっても持ち運びが不能な物等を始めとする身の回りの様々な物、例えば、ビルディングや景色等の一部を鍵すなわちキーオブジェクトとして利用することができる。つまり、選択肢となる鍵すなわちキーオブジェクトが事実上際限なく存在することになるので、第三者が単純に正当なユーザのものと同じ鍵すなわちキーオブジェクトあるいは其れに相当するコードを利用して開錠操作を行なおうとする場合のセキュリティが向上する。
【0035】
また、最終的に開錠操作を行うか否かの判定は、開錠装置に記憶されているシークレットコードと携帯通信端末から送信されたシークレットコードとの一致不一致に基いて行なわれ、このシークレットコードはキーオブジェクトに対応して生成されたコードと携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いて生成されたもの、つまり、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードであるから、仮に、鍵として機能するキーオブジェクトすなわちコードの部分、あるいは、特定のユーザが所有する携帯通信端末すなわち端末固有情報を備えた携帯通信端末それ自体のうちの何れか一方が第三者の手に渡ったとしても、第三者による開錠操作が簡単に行われることはない。つまり、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されたとしても携帯通信端末の端末固有情報が第三者によって把握されない限りシークレットコードを生成することはできないので第三者による開錠操作は困難であり、また、端末固有情報を備えた携帯通信端末それ自体が第三者の手に渡ったとしても正当なユーザが鍵として利用しているキーオブジェクトを第三者が特定することはできないので第三者による開錠操作は困難となる。
【0036】
このように、選択肢となる鍵すなわちオブジェクトが事実上際限なく存在すること、および、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されただけでは開錠操作が行えないこと、更には、携帯通信端末それ自体が第三者の手に渡っただけでは開錠操作が行えないことの相乗効果により、単純に画像や物を認証手段として利用するセキュリティシステムや単純なID(透かし)を認証手段として利用するセキュリティシステムと比べ、第三者による開錠操作をより効果的に防止するこができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、本発明を実施するための最良の形態について幾つかの例を挙げて具体的に説明する。
【0038】
図1は本発明の開錠方法を適用した一実施形態の開錠システム1の構成の概略を示したブロック図である。
【0039】
この開錠システム1は、図1に示される通り、ディジタルカメラを備えた携帯通信端末である携帯電話2、および、錠を施錠開錠するロック/アンロック機構を備えて施錠対象物に設置された開錠装置3と、携帯電話2と開錠装置3との間の通信を実現するための通信ネットワーク4によって構成される。施錠対象物としては家屋のドアやガレージのシヤッター等を始めとして様々なものが想定されるが、構造等に関しての格別な特徴はないので図示を省略している。通信ネットワーク4は、具体的には、携帯電話2との間で無線通信を行なう携帯電話用の基地局5と、該基地局5と開錠装置3との間で通信を行なうためのインターネット網6からなり、インターネット網6には、各基地局5の通信を管理する通信センター7のコンピュータ36が接続されている。コンピュータ36は、各基地局5と其の周辺に位置する携帯電話2との位置的な対応関係や各携帯電話2に固有の固体番号等で構成される端末固有情報を把握し、各基地局5を経由して各携帯電話2同士の通信を実現するためのもので、その構成や機能に関しては公知である。携帯電話2,開錠装置3,基地局5についての数量的な制限はない。
【0040】
ディジタルカメラを備えた携帯電話2の具体的な構成例を図2に示す。携帯電話2は、図2に示される通り、通話用のマイク8およびスピーカ9と送受信部10ならびにディスプレイ11を有し、対象物を撮影するためのディジタルカメラ12を備える。
【0041】
ディスプレイ11は液晶モニタ等によって構成され、電話番号の選択表示や着信履歴等の表示、更には、作成過程にあるメールや受信メールの表示等に利用され、また、ディジタルカメラ12を利用した撮影モードではディジタルカメラ12が捕えている画像の確認等に利用される。
【0042】
カメラ制御部13はCPU14からの指令を受けてディジタルカメラ12を駆動し、ディジタルカメラ12で撮像された画像は、画像処理部15で色補正等の処理を施されてからCPU14に読み込まれ、データメモリ部16に格納される。データメモリ部16には、画像データの他にもメールのテキストデータや登録済電話番号および電子メールアドレス等が記憶されている。
【0043】
従来と同様、携帯電話2を通話用に使用する際には、マイク8から入力された音声が音声処理部17でA/D変換されてCPU14に転送され、更に、CPU14で通信形式データに変換された後、送受信部10で変調されて内蔵式もしくは伸縮式のアンテナ18を介して直近する基地局5に送信される。
【0044】
また、アンテナ18で受信された基地局5からの通信電波は送受信部10で復調されてCPU14に転送され、音声データに変換されてから、音声処理部17でD/A変換等の処理操作を受けてスピーカ9から音声として出力される。
【0045】
キー操作部19は、電話番号の入力操作等の場合にはテンキーとして使用され、また、電子メールの作成等に際してはテキストデータ入力用のカナキー等として利用される。
【0046】
ROM20には、通話や電子メールの送受信さらには画像の撮影ならびに画像の再生等に必要とされる処理を実行するための制御プログラムや当該携帯電話2に固有の端末固有情報等が格納されている。
【0047】
時計部21はCPU14のクロック信号を分周する時計回路や水晶発振子等で構成され、現在時刻に連動して作動する。
【0048】
以上に述べた通り、携帯電話1のハードウェア上の構成に関しては従来のものと同様である。
【0049】
更に、本実施形態においては、キー操作部19を利用して行われるユーザの選択操作に応じて携帯電話2のモードを通常モード,開錠コード登録モード,開錠コード送信モードの間で選択的に切り替えるためのモード切替手段,ディジタルカメラ12で撮影された画像もしくは画像記憶手段として機能するデータメモリ部16に格納された画像の一部をキー操作部19に対して行われるユーザの選択操作に応じてキーオブジェクトとして抽出するキーオブジェクト抽出手段,抽出されたキーオブジェクトに対応させて特異なコードを生成するコード生成手段,生成されたコードと携帯電話2の端末固有情報とに基いてシークレットコードを生成するシークレットコード生成手段,生成されたシークレットコードを登録要求や開錠要求と共に基地局5およびインターネット網6を介して開錠装置3に送信するシークレットコード送信手段,シークレットコード生成手段の連続的な作動回数を計数するコード生成回数計数手段,コード生成回数計数手段における計数の現在値を修飾情報としてシークレットコードに付加してからシークレットコード送信手段に引き渡す修飾データ付加手段としてCPU14を機能させるための制御プログラムがROM20に格納されている。
【0050】
また、この実施形態のデータメモリ部16は、ディジタルカメラ12で撮影された画像をキーオブジェクトの抽出対象として保存するための画像記憶手段、および、キーオブジェクト抽出手段で抽出されたキーオブジェクトを記憶するためのオブジェクト記憶手段としても機能する。
【0051】
開錠装置3の構成の概略を図3に示す。開錠装置3の制御部はCPU22と、CPU22の制御プログラム等を格納したROM23、および、演算処理の過程にあるデータを一時記憶するためのRAM24、なびに、不揮発性メモリ25によって構成され、CPU22からの指令により入出力回路27を介してソレノイド等からなるロック/アンロック機構28が駆動制御されて錠29の施錠開錠操作が行われるようになっている。インターフェイス26はインターネット網6に対して通信可能に接続するための通信用インターフェイスであり、制御部のCPU22は、このインターフェイス26とインターネット網6および基地局5を介して携帯電話2とデータ通信ができるようになっている。
【0052】
不揮発性メモリ25はシークレットコードを記憶するためのシークレットコード記憶手段として機能し、ROM23には、携帯電話2からの送信を基地局5およびインターネット網6とインターフェイス26を介して受け付ける受信手段,携帯電話2から受信したシークレットコードを其の修飾情報と共に不揮発性メモリ25に記憶させるシークレットコード登録手段,携帯電話2から受信したシークレットコードが不揮発性メモリ25に記憶されているシークレットコードと一致しているか否かを判定するシークレットコード判定手段,シークレットコード判定手段による判定結果か一致となった場合に限りロック/アンロック機構28を作動させて錠29を開錠する開錠指令手段,受信手段における開錠要求の連続的な受け付け回数を計数する受付回数計数手段,受付回数計数手段における計数の現在値に対応する修飾情報を付加されたシークレットコードを不揮発性メモリ25から読み出してシークレットコード判定手段に判定対象として引き渡すシークレットコード読出手段,シークレットコード判定手段の判定結果が不揮発性メモリ25に記憶されているシークレットコードの個数と一致する回数だけ一致となった場合に限り開錠指令手段の作動を許容する多重化チェック手段,受信手段における開錠要求の受け付け時間間隔を計測する受付許容時間計測手段,受付許容時間計測手段における計測時間が予め決められた許容時間を越えると開錠指令手段の作動を無条件に禁止して受付回数計数手段における計数の現在値を初期化するリセット手段としてCPU22を機能させるための制御プログラムが格納されている。
【0053】
また、ROM23には、この開錠装置3に特有の装置固有情報が書き換え不能に記憶されている。
【0054】
基地局5の構成の概略を図4に示す。基地局5の制御部はCPU30と、CPU30の制御プログラム等を格納したROM31、および、データの一時記憶に用いられるRAM32によって構成される。インターフェイス33はインターネット網6に対して通信可能に接続するための通信用インターフェイスであり、制御部のCPU30は、このインターフェイス33とインターネット網6を介して通信センター7のコンピュータ36とデータ通信ができるようになっており、基地局5と携帯電話2との間の通信は、送受信部34およびアンテナ35を介して行われるようになっている。ROM31には基地局5に特有の基地局情報が記憶されている。
【0055】
通信センター7に設置されたコンピュータ36の構成の概略を図5に示す。コンピュータ36は汎用コンピュータやワークステーション等で構成される通常のコンピュータである。コンピュータ36の制御部はCPU37と、CPU37の制御プログラム等を格納したROM38、および、演算処理の過程にあるデータを一時記憶するためのRAM39、なびに、各基地局5の基地局情報や各携帯電話2の端末固有情報等を登録した通信管理ファイル等を保存したハードディスクドライブ40等によって構成される。CPU37にはマン・マシン・インターフェイスとして機能するモニタ41,キーボード42,プリンタ43等が入出力回路44を介して接続されている。インターフェイス45はインターネット網6に対して通信可能に接続するための通信用インターフェイスである。
【0056】
通信センター7に設置されたコンピュータ36は、携帯電話2から送信される端末固有情報と其れを受けた基地局5から送信される基地局情報との関係や前述した通信管理ファイルの情報等を参照しながら、従来と同様にして、通信対象となっている各携帯電話2に直近する各基地局5を経由して各携帯電話2同士の通信を実現している。携帯電話2の通信は各携帯電話2に特有の端末固有情報に基いて行われるので、キーボード42からの操作で使用禁止の対象とする携帯電話2の端末固有情報を指定してフラグを設定する等の措置により、特定の携帯電話2からの登録要求,開錠要求,シークレットコード等の送信を遮断することが可能である。
【0057】
図6は携帯電話2のモードを開錠コード登録モードに切り替えた状態でCPU14が実行する初期設定処理の概略を示したフローチャート、また、図7は携帯電話2のモードを開錠コード送信モードに切り替えた状態でCPU14が実行する開錠操作要求処理の概略を示したフローチャートであり、図8は開錠装置3のCPU22が実行する処理の概略を示したフローチャートである。
【0058】
次に、図6〜図8を参照してモード切替手段,キーオブジェクト抽出手段,コード生成手段,シークレットコード生成手段,シークレットコード送信手段,コード生成回数計数手段,修飾データ付加手段として機能する携帯電話2のCPU14の処理動作と、受信手段,シークレットコード登録手段,シークレットコード判定手段,開錠指令手段,受付回数計数手段,シークレットコード読出手段,多重化チェック手段,受付許容時間計測手段,リセット手段として機能するCPU22の処理動作について具体的に説明する。
【0059】
図6に示される初期設定処理はユーザが携帯電話2のキー操作部19を利用して通常モードから開錠コード登録モードへの機能切替指令をモード切替手段としてのCPU14に入力した時点で開始される処理である。ここでいう通常モードとは携帯電話2を通話用やメールの送受信用に利用する状態を示すものであるが、通話やメールの送受信等に関連する諸機能に関しては公知であるので、ここでは説明省略する。
【0060】
初期設定処理を開始したCPU14は、まず、携帯電話2のディスプレイ11に初期設定処理におけるキー操作の概略を示すガイダンスメッセージを表示し(ステップa1)、シークレットコードの設定対象となる開錠装置3の装置固有情報をユーザが指定するのを待つ待機状態に入る(ステプップa2)。ここでは、一例として、シークレットコードの設定対象となる開錠装置3の装置固有情報はB1であるものとする。
【0061】
ユーザがガイダンスメッセージを参照してキー操作部19を操作し、シークレットコードの設定対象とする開錠装置3の装置固有情報を指定すると、この操作がステップa2の判定処理でCPU14によって検知され、CPU14は、ユーザがディジタルカメラ12を操作して、鍵として機能する身の回りの物を含む画像を撮影するのを待つ待機状態に入る(ステプップa3)。
【0062】
そして、ユーザが撮影を実行すると、撮影された画像に対して画像処理部15による色補正等の処理が施され、補正済みの画像がデータメモリ部16に格納されると共に、この画像がキーオブジェクトの抽出対象として携帯電話2のディスプレイ11に表示される(ステップa4)。
【0063】
次いで、コード生成回数計数手段として機能するCPU14がカウンタiの値を0に初期化し(ステップa5)、CPU14は、ユーザがキー操作部19の操作によってディスプレイ11上の画像から鍵として機能する身の回りの物すなわちキーオブジェクトを選択するのを待つ待機状態に入る(ステップa6)。
【0064】
ユーザがキー操作部19を操作してディスプレイ11上の画像からオブジェクトを選択すると、キーオブジェクト抽出手段として機能するCPU14が画像の抽出に関わる内部処理を実行し、ユーザが選択したオブジェクトをキーオブジェクトとして抽出して一時記憶する(ステップa7)。画像の抽出に関わる技術は公知である。ここでは、一例として、抽出されたキーオブジェクトの内容をC1で表す。
【0065】
但し、ディジタルカメラ12による画像の撮影に代え、画像記憶手段としてのデータメモリ部16に事前に保存されていた画像を読み出してキーオブジェクトの抽出対象として利用するようにしてもよい。
【0066】
次いで、シークレットコード生成手段の作動回数を計数するコード生成回数計数手段として機能するCPU14がカウンタiの値を予め1インクリメントし(ステップa8)、コード生成手段として機能するCPU14が、このキーオブジェクトに対応させて特異なコードを生成して一時記憶する(ステップa9)。そして、CPU14が、シークレットコードの設定対象とした開錠装置3の装置固有情報とキーオブジェクトとの対応関係を、オブジェクト記憶手段として機能するデータメモリ部16に記憶させる(ステップa10)。ここでは、一例として、コードの内容をD1で表す。
【0067】
次いで、シークレットコード生成手段として機能するCPU14が、ステップa9の処理で一時記憶しておいたコードとROM20に記憶されている当該携帯電話2の端末固有情報とに基いて、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードを生成する(ステップa11)。従って、この時点で、予めインクリメントされたカウンタiの値が実際のシークレットコードの生成回数すなわちシークレットコード生成手段の作動回数と一致することになる。ここでは、一例として、当該携帯電話2の端末固有情報の内容をA1で表し、また、シークレットコードをf(A1,D1)で表す。
【0068】
次いで、修飾データ付加手段として機能するCPU14が、コード生成回数計数手段の現在値すなわちカウンタiの現在値を修飾情報としてシークレットコードに付加し、シークレットコード送信手段として機能するCPU14が、修飾情報を含めたシークレットコードの値を、基地局5およびインターネット網6を介して、シークレットコードの設定対象として選択された装置固有情報を有する開錠装置3に宛てて登録要求と共に送信する(ステップa12)。
【0069】
次いで、CPU14は、カウンタiの現在値、つまり、ステップa2の処理でシークレットコードの設定対象として選択された開錠装置3のために生成されたシークレットコードの総数をシークレットコード個数記憶レジスタnに一時記憶した後(ステップa13)、この開錠装置3のために更にシークレットコードを生成するか否かを問うガイダンスメッセージをディスプレイ11に表示して、ユーザの応答操作を待つ(ステップa14)。
【0070】
ここで、ユーザがキー操作部19を操作してシークレットコードの生成を継続する旨の選択操作を行った場合、即ち、ステップa14の判定結果が偽となった場合には、CPU14は、再びステップa6の処理に移行して前記と同様の処理を繰り返し実行する。
【0071】
また、ユーザがキー操作部19を操作してシークレットコードの生成を終了する旨の選択操作を行った場合、つまり、ステップa14の判定結果が真となった場合には、CPU14は、当該携帯電話2の端末固有情報とシークレットコード個数記憶レジスタnの値を、基地局5およびインターネット網6を介して、シークレットコードの設定対象として選択された装置固有情報を有する開錠装置3に宛てて送信して(ステップa15)、初期設定処理を終了する。
【0072】
前述したステップa6〜ステップa14のループ処理の繰り返しによって得られる端末固有情報と装置固有情報とキーオブジェクトとコードとシークレットコードと修飾情報との関係の一例を図9に示す。
【0073】
この例では、装置固有情報B1を有する開錠装置3に対し、キーオブジェクトC1とキーオブジェクトC2を順に選択することによって2つのシークレットコードf(A1,D1)とシークレットコードf(A1,D2)を設定した場合を示している。従って、シークレットコードf(A1,D1)に対応する修飾情報の値は1、また、シークレットコードf(A1,D2)に対応する修飾情報の値は2であり、シークレットコード個数記憶レジスタnの値は2となる。つまり、装置固有情報B1を有する開錠装置3に対して全部でn=2すなわち2つのシークレットコードを、まず、シークレットコードf(A1,D1)、そして、シークレットコードf(A1,D2)の順で設定したことを表している。シークレットコードf(A1,D3)は装置固有情報B2を有する他の開錠装置3に対して設定されたシークレットコードであり、その際に選択されたのはキーオブジェクトC3である。つまり、装置固有情報B2を有する開錠装置3に対しては1つのシークレットコードf(A1,D3)のみが設定されており、シークレットコード個数記憶レジスタnの値は1となる。同様に、シークレットコードf(A1,D4)は装置固有情報B3を有する更に他の開錠装置3に対して設定されたシークレットコードであり、その際に選択されたのはキーオブジェクトC4である。つまり、装置固有情報B3を有する開錠装置3に対しては1つのシークレットコードf(A1,D4)のみが設定されており、シークレットコード個数記憶レジスタnの値は1となる。同じ携帯電話2を使用して生成されたシークレットコードであるから端末固有情報の値は全てA1である。
【0074】
このうち、オブジェクト記憶手段として機能するデータメモリ部16に実際に記憶されるのは、図10に示されるように、シークレットコードの設定対象とした開錠装置3の装置固有情報とキーオブジェクトとの対応関係のみである。シークレットコードの設定対象として選択した開錠装置3の装置固有情報を記憶させているのは、単一の携帯電話2でインターネット網6上の複数の開錠装置3を操作する際に開錠装置3の装置固有情報を指定して開錠操作を行う必要があるからで、操作対象とする開錠装置3が1つのみであれば、装置固有情報は必ずしも記憶させる必要はない。つまり、開錠装置3を1つのみとした最低限度の構成においてオブジェクト記憶手段として機能するデータメモリ部16に記憶させる必要があるのはキーオブジェクトのみである。
【0075】
一方、装置固有情報B1を有する開錠装置3のCPU22は、電源投入時の初期化処理で開錠要求確認フラグFおよびポインタjの値をリセットした後(図8のステップc1)、何れかの携帯電話2からの登録要求もしくは開錠要求の入力を待つ待機状態に入っている(ステップc3,ステップc4)。
【0076】
前述したステップa12の処理で端末固有情報A1を有する携帯電話2から送信された登録要求および修飾情報を含めたシークレットコードは、受信手段として機能するCPU22によってステップc3の処理で受信され、シークレットコード登録手段として機能するCPU22は、登録要求および修飾情報を含めたシークレットコードが受信される度に、これらのシークレットコードと修飾情報をシークレットコード記憶手段として機能する不揮発性メモリ25に順に登録していく(ステップc5)。
【0077】
また、前述したステップa15の処理で携帯電話2から送信された端末固有情報とシークレットコード個数記憶レジスタnの値も前記と同様にして受信手段として機能するCPU22によってステップc3の処理で受信され、これらの情報がCPU22の処理によって不揮発性メモリ25に登録される(ステップc5)。
【0078】
シークレットコード記憶手段として機能する不揮発性メモリ25に登録される情報の一例を図9の事例と対応させて図11に示す。このうち、図11の第1行目のシークレットコードf(A1,D1)は前述したステップa6〜ステップa14のループ処理で第1回目に生成されたシークレットコードであり、前述の説明から明らかなように、其の修飾情報の値は1である。また、図11の第2行目のシークレットコードf(A1,D2)は前述したステップa6〜ステップa14のループ処理で第2回目に生成されたシークレットコードであり、前述の説明から明らかなように、其の修飾情報の値は2となる。また、図9の例では、ステップa6〜ステップa14のループ処理が装置固有情報B1を有する開錠装置3に対して2回のみ行なわれているから、前述したステップa6〜ステップa14のループ処理におけるカウンタiの最終値つまりシークレットコード個数記憶レジスタnの値は2となり、また、これらの2つのシークレットコードを送信してきた携帯電話2は端末固有情報A1を有する携帯電話2であるから、図11の第1行目と第2行目のデータに対応して、シークレットコード個数記憶レジスタnの値2と端末固有情報A1の値が記憶されることになる。なお、図11の第3行目のシークレットコードf(A2,D5)は端末固有情報A2を有する別の携帯電話2から送信されたシークレットコードであり、図11の第4行目のシークレットコードf(A3,D6)は端末固有情報A3を有する更に別の携帯電話2から送信されたシークレットコードである。
【0079】
以上が初期設定工程に相当する処理である。
【0080】
携帯電話2を使用して開錠装置3の錠29に対するロック解除操作を行う場合、ユーザは、まず、携帯電話2のキー操作部19を利用して通常モードから開錠コード送信モードへの機能切替指令をモード切替手段としてのCPU14に入力し、図7に示されるような開錠操作要求処理を開始させる。
【0081】
開錠操作要求処理を開始したCPU14は、まず、携帯電話2のディスプレイ11に開錠操作要求処理におけるキー操作の概略を示すガイダンスメッセージを表示し(ステップb1)、開錠操作の対象とする開錠装置3の装置固有情報をユーザが指定するのを待つ待機状態に入る(ステプップb2)。ここでは、一例として、開錠操作の対象となる開錠装置3の装置固有情報はB1であるものとする。
【0082】
ユーザがガイダンスメッセージを参照してキー操作部19を操作し、開錠操作の対象とする開錠装置3の装置固有情報を指定すると、この操作がステップb2の判定処理でCPU14によって検知され、CPU14は、ユーザがディジタルカメラ12を操作して鍵として機能する身の回りの物を含む画像を撮影するか、あるいは、画像記憶手段としてのデータメモリ部16に事前に保存されていた画像をキーオブジェクトの抽出対象として選択するのを待つ待機状態に入る(ステプップb3,ステップb4)。
【0083】
そして、ユーザが撮影を実行するか、あるいは、データメモリ部16に事前に保存されていた画像を選択すると、この画像がキーオブジェクトの抽出対象として携帯電話2のディスプレイ11に表示される(ステップb5)。
【0084】
次いで、CPU14は、ユーザがキー操作部19の操作によってディスプレイ11上の画像から鍵として機能する身の回りの物すなわちキーオブジェクトを選択するのを待つ待機状態に入る(ステップb6)。
【0085】
ここで、ユーザがキー操作部19を操作してディスプレイ11上の画像からオブジェクトを選択すると、キーオブジェクト抽出手段として機能するCPU14が画像の抽出に関わる内部処理を実行し、ユーザが選択したオブジェクトをキーオブジェクトとして抽出して一時記憶する(ステップb7)。
【0086】
次いで、コード生成手段として機能するCPU14が、このオブジェクトと一致するキーオブジェクトが既にオブジェクト記憶手段としてのデータメモリ部16に記憶されているか否かを判定し(ステップb8)、一致するキーオブジェクトが記憶されている場合に限り、コード生成手段として機能するCPU14が、このキーオブジェクトに対応した特異なコードを生成して一時記憶する(ステップb9)。そして、更に、シークレットコード生成手段として機能するCPU14が、ステップb9の処理で一時記憶されたコードとROM20に記憶されている当該携帯電話2の端末固有情報とに基いて、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードを生成し(ステップb10)、シークレットコード送信手段として機能するCPU14が、シークレットコードの値と当該携帯電話2の端末固有情報を、基地局5およびインターネット網6を介して、開錠操作の対象として選択された装置固有情報を有する開錠装置3に宛てて開錠要求と共に送信する(ステップb11)。
【0087】
ステップb7の処理で抽出されたオブジェクトと一致するキーオブジェクトがオブジェクト記憶手段としてのデータメモリ部16に記憶されていなかった場合には、ステップb9〜ステップ11に至る処理は非実行とされるので、コードやシークレットコードの生成および其の送信に関わる処理は行なわれない。
【0088】
次いで、CPU14は、この開錠装置3を開錠するために更にシークレットコードを生成するか否かを問うガイダンスメッセージをディスプレイ11に表示して、ユーザの応答操作を待つ(ステップb12)。
【0089】
ここで、ユーザがキー操作部19を操作してシークレットコードの生成を継続する旨の選択操作を行った場合、つまり、ステップb12の判定結果が偽となった場合には、CPU14は、再びステップb6の処理に移行して前記と同様の処理を繰り返し実行する。
【0090】
従って、ユーザは、開錠操作の対象とする1つの開錠装置3に対して任意数のシークレットコードを生成し、これらのシークレットコードの全てを、開錠操作の対象として選択した開錠装置3に宛てて順に送信することが可能である。
【0091】
また、ユーザがキー操作部19を操作してシークレットコードの生成を終了する旨の選択操作を行った場合、つまり、ステップb12の判定結果が真となった場合には、CPU14は、開錠操作要求処理をこの時点で終了する。
【0092】
以上が開錠操作要求工程に相当する処理である。
【0093】
一方、装置固有情報B1を有する開錠装置3のCPU22は、既に述べたように、何れかの携帯電話2からの登録要求もしくは開錠要求の入力を待機しており(図8のステップc3,ステップc4)、前述したステップb11の処理で端末固有情報A1を有する携帯電話2から送信された開錠要求およびシークレットコードと端末固有情報は、その都度、受信手段として機能するCPU22によってステップc4の処理で受信される。
【0094】
受信を検知したCPU22は、受信したシークレットコードと端末固有情報を一時記憶した後(ステップc6)、開錠要求確認フラグFが現時点でセットされているか否か、つまり、今回の処理で受信されたシークレットコードが何れかの携帯電話2から連続的に送られてくるシークレットコードのうちの第1番目のものであるか否かを判定する(ステップc7)。
【0095】
この時点で開錠要求確認フラグFがセットされていなければ、今回の処理で受信されたシークレットコードが何れかの携帯電話2から連続的に送られてくるシークレットコードのうちの第1番目のものであることを意味するので、CPU22は、まず、開錠要求確認フラグFをセットすることにより何れかの携帯電話2からの開錠要求とシークレットコードの入力が開始されたことを記憶し(ステップc8)、開錠要求の受け付け回数を計数する受付回数計数手段として機能するCPU22が、ポインタjの値を1インクリメントする(ステップc9)。
【0096】
次いで、シークレットコード読出手段として機能するCPU22が、ステップc6の処理で一時記憶された端末固有情報とポインタjの現在値、つまり、受付回数計数手段における計数の現在値jとに基いて、当該端末固有情報に対応してシークレットコード記憶手段に記憶されたシークレットコードのうちポインタjの現在値に相当する修飾情報を付加されたシークレットコードをシークレットコード記憶手段である不揮発性メモリ25から読み出し(ステップc10)、シークレットコード判定手段として機能するCPU22が、ステップc6の処理で一時記憶されたシークレットコードつまり現時点で携帯電話2から送信されているシークレットコードと、シークレットコード記憶手段から読み出されたシークレットコードとの一致不一致を判定する(ステップc11)。
【0097】
この例では端末固有情報A1を有する携帯電話2からシークレットコードが送信されているので、シークレットコード読出手段として機能するCPU22は、端末固有情報A1とポインタjの現在値1とに基いて、図11のような情報を記憶した不揮発性メモリ25から、端末固有情報A1に対応し且つ修飾情報の値が1であるシークレットコードf(A1,D1)が読み出されることになる。既に述べた通り、シークレットコードf(A1,D1)は端末固有情報A1を有する携帯電話2を使用して装置固有情報B1を有する開錠装置3に対して最初に設定されたシークレットコードである。つまり、開錠要求確認フラグFがセットされて最初に実行されるステップc11の判定結果が一致となるのは、前述した開錠操作要求処理が端末固有情報A1を有する携帯電話2によって実行され、且つ、この開錠操作要求処理に際してユーザが最初のキーオブジェクトとしてキーオブジェクトC1を選択した場合に限られる。
【0098】
ステップc11の判定結果が不一致となった場合には、前述した初期設定処理で使用された携帯電話2とは異なる端末固有情報を有する他の携帯電話2で開錠操作要求処理が行われているか、または、携帯電話2自体は同じものであっても前述した初期設定処理で第i回目に選択されたキーオブジェクトと開錠操作要求処理において第j(但し、j=i)回目に選択されたキーオブジェクトとが一致していないことを意味する。この場合、多重化チェック手段として機能するCPU22は、現時点でシークレットコードの入力を受け付けている携帯電話2の端末固有情報と対応して当該開錠装置3に設定されたシークレットコードの個数nに相当する個数のシークレットコードが携帯電話2から送信されるのを待つまでもなく、この携帯電話2からのシークレットコードの送信が不適切なものであると判定し、開錠要求確認フラグFをリセットすると共に(ステップc1)、ポインタjの値もリセットして(ステップc2)、初期の待機状態に復帰する。従って、開錠操作は無条件に禁止されることになる。
【0099】
一方、ステップc11の判定結果が一致となった場合には、少なくとも、現時点では、携帯電話2からのシークレットコードの送信が適切なものであることを意味するので、多重化チェック手段として機能するCPU22は、現時点でシークレットコードの入力を受け付けている携帯電話2の端末固有情報に対応してシークレットコード記憶手段である不揮発性メモリ25に記憶されたシークレットコードの個数nの値を読み込み(ステップc12)、ポインタjの現在値がnの値に達しているか否か、つまり、現時点でシークレットコードの入力を受け付けている携帯電話2から、初期設定処理の際に生成された個数と同数のシークレットコードが既に送信されてきているか否かを判定する(ステップc13)。
【0100】
ステップc13の判定結果が真となった場合には、携帯電話2から送信されるべきシークレットコードが他にも残っており、これらのシークレットコードに対しても不揮発性メモリ25に記憶された適正なシークレットコードとの比較処理を行なう必要があることを意味する。
【0101】
従って、ステップc13の判定結果が真となった場合、開錠要求の受け付け時間間隔を計測する受付許容時間計測手段として機能するCPU22は、タイマTを再起動して開錠要求およびシークレットコードの入力が検知された当該処理周期からの経過時間の計測を開始し(ステップc14)、再びステップc3の処理へと移行して、前記と同様にしてステップc3,ステップc4の処理を繰り返し実行して、携帯電話2から次の開錠要求およびシークレットコードと端末固有情報が入力されるのを待ち受ける。
【0102】
そして、改めてステップc4の処理で携帯電話2からの開錠要求およびシークレットコードと端末固有情報の入力が確認されると、CPU22は、これらのシークレットコードと端末固有情報を一時記憶した後(ステップc6)、開錠要求確認フラグFがセットされているか否かを判定する(ステップc7)。
【0103】
この場合、開錠要求確認フラグFは既にセットされており(前述のステップc8参照)、今回の処理で受信されたシークレットコードが何れかの携帯電話2から連続的に送られてくるシークレットコードのうちの第2番目以降のものであることを意味するので、受付許容時間計測手段として機能するCPU22は、タイマTによる計測時間が予め決められた許容時間を越えているか否かを判定する(ステップc15)。そして、超えていなければ、今回の処理で受信されたシークレットコードを比較対照として、前記と同様にしてステップc9以降の処理、即ち、前述の開錠操作要求処理によって携帯電話2から送られてきたシークレットコードと前述の初期設定処理によってシークレットコード記憶手段である不揮発性メモリ25に記憶されたシークレットコードとを初期設定処理における登録の順序に従って順に一致不一致を判定する処理が行われる。
【0104】
また、ステップc15の判定結果が真となってタイマTによる計測時間が予め決められた許容時間を越えていることが明らかとなった場合には、携帯電話2から送信されるべきシークレットコードが他にも残っているにも関わらず、これらのシークレットコードが送信されてこないこと、つまり、この開錠要求が正当な携帯電話2や正当なユーザから送られてきていない可能性が高いことを意味するので、リセット手段として機能するCPU22が、開錠要求確認フラグFをリセットし(ステップc1)、更に、受付回数計数手段における計数の現在値jの値つまりポインタjの値もリセットして(ステップc2)、初期の待機状態に復帰する。従って、開錠操作は無条件に禁止されることになる。
【0105】
最終的な開錠操作が許容されるのは、携帯電話2からの最初の開錠要求の入力が検知されてステップc4,ステップc6〜ステップc14の処理が実行されてから(この時点でj=1)、ステップc4,ステップc6,ステップc7,ステップc15,ステップc9〜ステップc14の処理がn−2回実行され(この時点でj=n−1)、更に、ステップc4,ステップc6,ステップc7,ステップc15,ステップc9〜ステップc13の処理が1回実行された場合(この時点でj=n)、つまり、前述の初期設定処理によってシークレットコード記憶手段である不揮発性メモリ25に記憶されたn個のシークレットコードの全てが登録時と同じ順序で前述の開錠操作要求処理によって携帯電話2から開錠装置3に送られ、シークレットコード判定手段によるステップc11の判定結果がn回に亘って連続的に一致となった場合に限られる。多重化チェック手段として機能するCPU22は、このような条件が成立した場合に限って開錠指令手段の作動を許容し、開錠指令手段として機能するCPU22が、ロック/アンロック機構28を作動させて錠29を開錠する(ステップc16)。
【0106】
以上が開錠工程に相当する処理である。
【0107】
以上に述べたように、この実施形態では携帯電話2のディジタルカメラ12を利用した撮影操作で得られた画像からユーザが鍵として機能させたいキーオブジェクトを選択するようにしているので、ドアの前のカメラに映すことが可能な物の他、遠隔した定位置に固定されたものや非固定であっても持ち運びが不能な物等を始めとする身の回りの様々な物、例えば、ビルディングや景色等の一部を鍵として利用することができる。従って、まず、選択肢となる鍵すなわちキーオブジェクトが際限なく存在することから、第三者が単純に正当なユーザのものと同じ鍵すなわちキーオブジェクトあるいは其れに相当するコードを利用して開錠操作を行なおうとする場合のセキュリティが向上する。特に、携帯自在な携帯電話2のディジタルカメラ12を利用して画像を撮影しているので、例えば、人気のないところで画像を撮影するといったことが可能であり、キーオブジェクトの抽出に用いた画像や撮影対象自体を第三者の目に触れにくくすることができる。
【0108】
また、最終的に開錠操作を行うか否かの判定は、開錠装置3のシークレットコード記憶手段である不揮発性メモリ25に記憶されているシークレットコードと携帯電話2から送信されたシークレットコードとの一致不一致に基いて行なわれ、このシークレットコードはキーオブジェクトに対応して生成されたコードと携帯電話2が有する端末固有情報とに基いて生成されたもの、つまり、端末固有情報とコードとの組み合わせからなるシークレットコードであるから、仮に、鍵として機能するキーオブジェクトすなわちコードの部分、あるいは、特定のユーザが所有する携帯電話2すなわち端末固有情報を備えた携帯電話2それ自体のうちの何れか一方が第三者の手に渡ったとしても、第三者による開錠操作が簡単に行われることはない。つまり、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されたとしても携帯電話2の端末固有情報が第三者によって把握されない限り適切なシークレットコードを生成することはできないので第三者による開錠操作は困難であり、また、端末固有情報を備えた携帯電話2それ自体が第三者の手に渡ったとしても正当なユーザが鍵として利用しているキーオブジェクトを第三者が特定することはできないので第三者による開錠操作は困難となる。
【0109】
このように、選択肢となる鍵すなわちキーオブジェクトが際限なく存在すること、および、鍵として機能するキーオブジェクトや元になる撮影対象物が第三者によって把握されただけでは開錠操作が行えないこと、更には、携帯電話2それ自体が第三者の手に渡っただけでは開錠操作が行えないことの相乗効果により、単純に画像や物を認証手段として利用するセキュリティシステムや単純なID(透かし)を認証手段として利用するセキュリティシステムと比べ、第三者による開錠操作をより効果的に防止することができる。
【0110】
ここで、携帯電話2の画像記憶手段として機能するデータメモリ部16に複数の画像を保存しておくようにすれば、そのうちのどの画像からキーオブジェクトの抽出を行なったのかを第三者が特定することは困難となるので、セキュリティが更に向上し、第三者による開錠操作を更に効果的に防止することが可能である。
【0111】
また、開錠コードの登録に際してシークレットコード記憶手段としての不揮発性メモリ25に記憶された複数のシークレットコードの全てが、登録時と全く同じ順序で携帯電話2から開錠装置3に送信された場合に限って最終的な開錠操作が行われるので、1つのシークレットコードのみで第三者による開錠操作を防止しようとする場合に比べ、遥かに高い確率で第三者による開錠操作を防止することができる。無論、図6の初期設定処理において1つのシークレットコードのみを生成して登録した場合ではnの値は1となるので、1つのシークレットコードのみを利用した開錠操作も可能である。
【0112】
更に、開錠装置3の側で開錠要求の受け付け時間間隔を計測し、この時間が予め決められた許容時間を越えると此れに連続する開錠要求の受け付けを制限して開錠操作を無条件に禁止するようにしているので、一定の時間内で正当なユーザと同じ操作を行うことが困難な第三者が行なうトライ&エラーの操作による開錠操作を効果的に防止することができる。
【0113】
また、開錠装置3に開錠装置3毎の装置固有情報を設定し、登録要求,開錠要求,シークレットコード等を携帯電話2から装置固有情報の指定で開錠装置3を特定して送信するようにしたので、1つの携帯電話2で複数の開錠装置3を独立的に操作することが可能となる。単一の開錠装置3に複数のロック/アンロック機構28および錠29を配備した場合では、各ロック/アンロック機構28に対して装置固有情報を設定することにより、1つの開錠装置3に設けられた複数の錠29を1つの携帯電話2で独立的に操作することもできる。
【0114】
前述した通り、通信センター7のコンピュータ36は携帯電話2から送信される端末固有情報に基いて携帯電話2の通信を管理するものであるから、キーボード42からの操作で使用禁止の対象とする携帯電話2の端末固有情報を指定してフラグを設定する等の措置により、特定の携帯電話2からの登録要求,開錠要求,シークレットコード等の送信を遮断することが可能である。従って、シークレットコードそれ自体によるセキュリティ対策が破綻した最悪の状況下でも、通信センター7との連携によって第三者による開錠操作を未然に防止することができる。
【0115】
ここでは、キーオブジェクトの抽出等に関わる処理の全てを携帯電話2のCPU14によって実行される例について述べたが、画像処理プログラム等を実行する高速なサーバをインターネット網6上に設置し、携帯電話2のディジタルカメラ12で撮像した画像をサーバ上で処理させるといったことも可能である。
【0116】
以上の構成によれば、例えば、駅から家までの所要時間が徒歩10分である場合に、受付許容時間計測手段における許容時間(ステップc15における判定基準)を10分に設定し、駅からの帰宅の途中に、まず、携帯電話2のディジタルカメラ12で画像を撮影するか、または、携帯電話2の画像記憶手段であるデータメモリ部16に保存しておいた画像から画像を選択してキーオブジェクト(例えば、風景の一部からなるキーオブジェクトC1)を抽出して最初のシークレットコード(例えば、f(A1,D1))を解除し、更に、最初のシークレットコードの解除から5分後に、自宅の玄関に着いたところで、2つめのキーオブジェクト(例えば、表札からなるキーオブジェクトC2)を選択して、2つめのシークレットコード(例えば、f(A1,D2))を解除して、玄関の鍵29を開錠させるといったことができる。
許容時間を10分に設定しているので、仮に、最初のシークレットコードを解除したままの状態で寄り道をしたとしても、最初のシークレットコードを解除した時点から10分が経過すれば、開錠装置3の内部処理は自動的に初期化され、改めて初めから順にシークレットコードを入力し直す必要が生じる。つまり、最初に解除されたシークレットコードが改めて設定されることになるので、当初のセキュリティが保証されることになる。
仮に、シークレットコードの設定を1段として表札のキーオブジェクトのみで玄関の鍵29の開錠を行うとした場合、他人にその表札を撮影されたとしても、携帯電話2の端末固有情報は分らないし、また、操作の対象となっている開錠装置3が通信ネットワーク4上のどの開錠装置3であるのかは分らない(開錠装置3の装置固有情報が不明である)ので、第三者が鍵29を開錠することは殆ど不可能である。
【0117】
また、他の利用例として、前述の実施形態の構成を携帯電話2のロック装置に転用するといったことも考えられる。
その場合、携帯電話2自体にロックを掛けると、携帯電話2のディスプレイ11にロックされている旨を表示し、解除するかどうかを尋ねるガイダンスメッセージが表示されるようにする。ユーザーがロックの解除を要求すると、ディジタルカメラ12が起動し、撮影モードへと移行する。ここで、予め登録しておいたキーオブジェクトを撮影し選択することで、携帯電話2のロックが解除される。更に、パスワードとの併用を可能とした場合では、キーオブジェクトが無い状態でもロックの解除は可能となる。
【0118】
更には、ロッカーの開錠への転用も可能である。駅のロッカーにおいて、待ち合わせの時間が合わない等の理由で、自分の荷物を入れ、他の人にその荷物を渡す場合を用いて適用例を紹介する。
渡す側は、ロッカーに荷物を入れる。次にロッカーに設置された開錠装置3へ自分の携帯電話2からキーオブジェクトの登録を行う。その時使用するキーオブジェクトはロッカー周辺で撮影しても良いし、予め携帯電話2のディジタルカメラ12で撮影し携帯電話2の画像記憶手段であるデータメモリ部16に保存された画像の中から選択しても良い。
キーオブジェクトと開錠装置3との関連付けが完了すると、ロッカーに設置された開錠装置3から、受け渡し先の人宛に、キーオブジェクトが含まれている画像を送付するよう促される。この動作を行うことで、受け渡し先の人の携帯電話2の端末固有情報も一緒に登録される)。
別途、受け渡し先の人に、送付した画像の中の何がキーオブジェクトであるのかを連絡すれば、受け渡し先の人は、図7の処理操作を行うことで、先ほどのロッカーにて開錠を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の開錠方法を適用した一実施形態の開錠システムの構成の概略を示したブロック図である。
【図2】ディジタルカメラを備えた携帯電話の具体的な構成例を示したブロック図である。
【図3】開錠装置の構成の概略を示したブロック図である。
【図4】基地局の構成の概略を示したブロック図である。
【図5】通信センターに設置されたコンピュータの構成の概略を示したブロック図である。
【図6】携帯電話のモードを開錠コード登録モードに切り替えた状態で携帯電話のCPUが実行する初期設定処理の概略を示したフローチャートである。
【図7】携帯電話のモードを開錠コード送信モードに切り替えた状態で携帯電話のCPUが実行する開錠操作要求処理の概略を示したフローチャートである。
【図8】開錠装置のCPUが実行する処理の概略を示したフローチャートである。
【図9】シークレットコードの設定対象として選択された開錠装置の装置固有情報と、キーオブジェクトとして抽出されたオブジェクトと、キーオブジェクトに対応して生成された特異なコードと、携帯電話の端末固有情報と、端末固有情報とコードに基いて生成されたシークレットコードと、シークレットコードに付加される修飾情報の関係の一例を示した概念図である。
【図10】オブジェクト記憶手段に記憶される開錠装置の装置固有情報とキーオブジェクトとの対応関係の一例を示した概念図である。
【図11】シークレットコード記憶手段に登録される情報の一例を図9の事例と対応させて示した概念図である。
【符号の説明】
【0120】
1 開錠システム
2 携帯電話(携帯通信端末)
3 開錠装置
4 通信ネットワーク
5 基地局
6 インターネット網
7 通信センター
8 マイク
9 スピーカ
10 送受信部
11 ディスプレイ
12 ディジタルカメラ
13 カメラ制御部
14 携帯電話のCPU(モード切替手段,キーオブジェクト抽出手段,コード生成手段,シークレットコード生成手段,シークレットコード送信手段,コード生成回数計数手段,修飾データ付加手段)
15 画像処理部
16 データメモリ部(画像記憶手段,オブジェクト記憶手段)
17 音声処理部
18 アンテナ
19 キー操作部
20 ROM
21 時計部
22 開錠装置のCPU(受信手段,シークレットコード登録手段,シークレットコード判定手段,開錠指令手段,受付回数計数手段,シークレットコード読出手段,多重化チェック手段,受付許容時間計測手段,リセット手段)
23 ROM
24 RAM
25 不揮発性メモリ(シークレットコード記憶手段)
26 インターフェイス
27 入出力回路
28 ロック/アンロック機構
29 錠
30 基地局のCPU
31 ROM
32 RAM
33 インターフェイス
34 送受信部
35 アンテナ
36 通信センターのコンピュータ
37 CPU
38 ROM
39 RAM
40 ハードディスクドライブ
41 モニタ
42 キーボード
43 プリンタ
44 入出力回路
45 インターフェイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルカメラを備えた携帯通信端末と、錠を施錠開錠するロック/アンロック機構を備えて施錠対象物に設置された開錠装置と、前記携帯通信端末と前記開錠装置との間の通信を実現するための通信ネットワークとからなる開錠システムであって、
前記携帯通信端末には、
当該携帯通信端末のモードをユーザの選択操作に応じて通常モードと開錠コード登録モードと開錠コード送信モードの間で選択的に切り替えるモード切替手段と、
当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードまたは開錠コード送信モードとなっている場合に限って前記ディジタルカメラで撮影された画像の一部をユーザの選択操作に応じてキーオブジェクトとして抽出するキーオブジェクト抽出手段と、
当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合に限り前記キーオブジェクトを記憶するオブジェクト記憶手段と、
当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合には前記キーオブジェクト抽出手段によって抽出されたキーオブジェクトに対応させて特異なコードを生成する一方、当該携帯通信端末のモードが開錠コード送信モードとなっている場合には前記キーオブジェクト抽出手段によって抽出されたキーオブジェクトが予め前記オブジェクト記憶手段に記憶されている場合に限って当該キーオブジェクトに対応する特異なコードを生成するコード生成手段と、
前記コード生成手段で生成されたコードと当該携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いてシークレットコードを生成するシークレットコード生成手段と、
当該携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合に前記シークレットコード生成手段で生成されたシークレットコードを登録要求と共に前記通信ネットワークを介して前記開錠装置に送信する一方、当該携帯通信端末のモードが開錠コード送信モードとなっている場合には前記シークレットコード生成手段で生成されたシークレットコードを開錠要求と共に前記通信ネットワークを介して前記開錠装置に送信するシークレットコード送信手段とを設ける一方、
前記開錠装置には、
シークレットコードを記憶するためのシークレットコード記憶手段と、
前記携帯通信端末からの送信を前記通信ネットワークを介して受け付ける受信手段と、
前記携帯通信端末から登録要求と共に受信したシークレットコードを前記シークレットコード記憶手段に記憶させるシークレットコード登録手段と、
前記携帯通信端末から開錠要求と共に受信したシークレットコードが前記シークレットコード記憶手段に記憶されているシークレットコードと一致しているか否かを判定するシークレットコード判定手段と、
前記シークレットコード判定手段による判定結果か一致となった場合に限り前記ロック/アンロック機構を作動させて前記錠を開錠する開錠指令手段とを設けたことを特徴とする開錠システム。
【請求項2】
前記ディジタルカメラで撮影された画像をキーオブジェクトの抽出対象として保存する画像記憶手段を前記携帯通信端末に備えたことを特徴とする請求項1記載の開錠システム。
【請求項3】
前記携帯通信端末のモードが開錠コード登録モードとなっている場合に前記シークレットコード生成手段の作動回数を計数するコード生成回数計数手段と、前記コード生成回数計数手段における計数の現在値を修飾情報としてシークレットコードに付加してから前記シークレットコード送信手段に引き渡す修飾データ付加手段とを前記携帯通信端末に備えると共に、
前記受信手段における開錠要求の受け付け回数を計数する受付回数計数手段と、前記受付回数計数手段における計数の現在値に対応する修飾情報を付加されたシークレットコードを前記シークレットコード記憶手段から読み出して前記シークレットコード判定手段に判定対象として引き渡すシークレットコード読出手段と、前記シークレットコード判定手段の判定結果が前記シークレットコード記憶手段に記憶されているシークレットコードの個数と一致する回数だけ一致となった場合に限り前記開錠指令手段の作動を許容する多重化チェック手段とを前記開錠装置に備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の開錠システム。
【請求項4】
前記受信手段における開錠要求の受け付け時間間隔を計測する受付許容時間計測手段と、前記受付許容時間計測手段における計測時間が予め決められた許容時間を越えると前記開錠指令手段の作動を無条件に禁止して前記受付回数計数手段における計数の現在値を初期化するリセット手段とを前記開錠装置に備えたことを特徴とする請求項3記載の開錠システム。
【請求項5】
前記開錠装置に開錠装置毎の装置固有情報を設定し、前記登録要求,開錠要求,シークレットコードを、前記携帯通信端末から装置固有情報の指定で開錠装置を特定して送信するようにしたことを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4記載の開錠システム。
【請求項6】
前記通信ネットワークが、前記携帯通信端末との間で無線通信を行なう基地局と、該基地局と前記開錠装置との間で通信を行なうインターネット網とによって構成されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5記載の開錠システム。
【請求項7】
前記通信ネットワークが、前記インターネット網に接続して前記基地局の通信を管理する通信センターを更に備え、該通信センターにより、予め設定された端末固有情報を有する携帯通信端末から開錠装置への登録要求,開錠要求,シークレットコードの送信を遮断するようにしたことを特徴とする請求項6記載の開錠システム。
【請求項8】
ディジタルカメラを備えた携帯通信端末により通信ネットワークを経由して施錠対象物に設置された開錠装置のロック/アンロック機構を操作するようにした開錠方法であって、
前記携帯通信端末のディジタルカメラで撮影された画像の一部をキーオブジェクトとして抽出して該携帯通信端末の記憶部に記憶させるキーオブジェクト抽出記憶工程と、前記キーオブジェクトに対応させて特異なコードを生成するコード生成工程と、該コードと前記携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いてシークレットコードを生成するシークレットコード生成工程と、前記シークレットコードを前記開錠装置の記憶部に記憶させるシークレットコード設定工程からなる初期設定工程と、
前記携帯通信端末のディジタルカメラで撮影された画像の一部をキーオブジェクトとして抽出するキーオブジェクト抽出工程と、該抽出されたキーオブジェクトが該携帯通信端末の記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合に限って当該キーオブジェクトに対応する特異なコードを生成するコード生成工程と、該コードと当該携帯通信端末が有する端末固有情報とに基いてシークレットコードを生成するシークレットコード生成工程と、該シークレットコードを開錠要求と共に前記通信ネットワークを介して該携帯通信端末から前記開錠装置に送信するシークレットコード送信工程からなる開錠操作要求工程と、
前記携帯通信端末からの開錠要求を受けて、該開錠要求と共に前記携帯通信端末から送信されたシークレットコードが、前記開錠装置の記憶部に記憶されているシークレットコードと一致しているか否かを判定するシークレットコード判定工程と、この判定結果か一致となった場合に限り前記ロック/アンロック機構を作動させて錠を開錠する開錠工程からなる開錠操作工程とを備えたことを特徴とする開錠方法。
【請求項9】
前記携帯通信端末のディジタルカメラで撮影された画像を該携帯通信端末の記憶部にキーオブジェクトの抽出対象として保存するようにしたことを特徴とする請求項8記載の開錠方法。
【請求項10】
前記初期設定工程において複数のシークレットコードを生成して前記開錠装置の記憶部に順に記憶させると共に、前記開錠操作要求工程を複数回繰り返し実行し、前記開錠操作工程においては、前記携帯通信端末からの開錠要求を受ける度に開錠装置の記憶部に記憶されたシークレットコードを順に読み出して該開錠要求と共に受信したシークレットコードとの一致不一致を判定し、開錠装置の記憶部に記憶されたシークレットコードの個数と一致する回数だけ判定結果が一致となった場合に限り前記ロック/アンロック機構の作動を許容するようにしたことを特徴とする請求項8または請求項9記載の開錠方法。
【請求項11】
前記開錠操作工程において開錠要求の受け付け時間間隔を計測し、この計測時間が予め決められた許容時間を越えると前記ロック/アンロック機構の作動を無条件に禁止するようにしたことを特徴とする請求項10記載の開錠方法。
【請求項12】
前記開錠装置に開錠装置毎の装置固有情報を設定し、前記開錠要求,シークレットコードを、前記携帯通信端末から装置固有情報の指定で開錠装置を特定して送信するようにしたことを特徴とする請求項8,請求項9,請求項10または請求項11記載の開錠方法。
【請求項13】
前記通信ネットワーク上に通信センターを配置し、該通信センターにより、予め設定された端末固有情報を有する携帯通信端末から開錠装置への開錠要求,シークレットコードの送信を遮断するようにしたことを特徴とする請求項12記載の開錠方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−184751(P2008−184751A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17124(P2007−17124)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】