説明

開閉弁、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法

【課題】シャフトと嵌合孔との中心軸がずれ、シャフトと嵌合孔との間のクリアランスにバラツキが生じるようなケースであっても、パージ性能の向上を図る。
【解決手段】弁体が固着されるシャフト24には、嵌合孔と位置的に対応する外周面に、溝部24aが並列的に複数形成されている。この場合、溝部24aのそれぞれは、溝深さDPが嵌合孔23bの径DHとシャフト24の径DSとの差よりも大きな値に設定されており、かつ、弁体による開度範囲に応じたシャフト24の回転範囲において、自己の移動範囲と、この回転方向に隣接する他の溝部24aの移動範囲とがオーバーラップするように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉弁、当該開閉弁を備える燃料電池システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃料極に供給される燃料ガス(例えば、水素)と、酸化剤極に供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが知られている。燃料電池システムでは、燃料電池に反応ガスを供給するための配管に、圧力調整または流量調整などに供される開閉弁が設けられている。
【0003】
ところで、例えば、特許文献1には、異物が進入することを抑制するための開閉弁が開示されている。具体的には、この開閉弁は、パージガスを供給するためのパージガス流入孔がボス部に形成されており、また、ボス部と軸受け装置との間隙から弁箱流路内へ開口するパージガス噴出口が形成されている。
【特許文献1】特開平11−148562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ボス部と軸受け装置との中心位置がずれる場合には、ボス部と軸受け装置との間隙に偏りが生じるため、パージガスの流量に偏りが生じる可能性がある。そのため、パージ性能が十分に得られない可能性がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パージ性能の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明は、開閉弁の弁本体が、弁本体の内部に流体を導入する内部通路を備え、この内部通路により導入された流体を嵌合孔を介して流体通路へと流す構成となっている。弁体が固着されるシャフトには、嵌合孔と位置的に対応する外周面に、嵌合孔の一方の端部側から他方の端部側へと延在する溝部が並列的に複数形成されている。この場合、溝部のそれぞれは、溝深さが嵌合孔の径とシャフトの径との差よりも大きな値に設定されており、かつ、弁体による開度範囲に応じたシャフトの回転範囲において、自己の移動範囲と、この回転方向に隣接する他の溝部の移動範囲とがオーバーラップするように設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シャフトに形成された溝部により、シャフトの周囲全周をパージすることができる。そのため、シャフトと嵌合孔との中心軸がずれ、シャフトと嵌合孔との間のクリアランスにバラツキが生じるようなケースであっても、パージ性能の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。燃料電池システムは、例えば、移動体である車両に搭載されており、この車両は燃料電池システムから供給される電力によって駆動する。
【0009】
燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池構造体をセパレータで挟持して、これを複数積層して構成される燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、これらの反応ガスを電気化学的に反応させて発電電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用いるケースについて説明する。
【0010】
燃料電池システムは、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系とをさらに有している。
【0011】
水素系において、燃料ガスである水素は、燃料タンク10(例えば、高圧水素ボンベ)に貯蔵されており、この燃料タンク10から水素供給流路L1を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、燃料タンク10の下流には水素供給バルブ(図示せず)が設けられており、この水素供給バルブが開状態となると、燃料タンク10からの高圧水素ガスは、その下流に設けられた減圧バルブ(図示せず)によって機械的に所定の圧力まで減圧される。減圧された水素ガスは、減圧バルブよりも下流に設けられた水素調圧バルブ11によってさらに減圧された後に、燃料電池スタック1に供給される。燃料電池スタック1に供給される水素圧力は、水素調圧バルブ11の開度を制御することによって調整することができる。
【0012】
燃料極からの排出ガス(未使用の水素を含むガス)は、燃料電池スタック1から水素循環流路L2に排出される。この水素循環流路L2は、他方の端部が水素調圧バルブ11よりも下流側の水素供給流路L1に接続されており、水素循環流路L2には、例えば、水素循環ポンプ12といったガス循環手段が設けられている。この水素循環ポンプ12を駆動することにより、燃料極からの排出ガスが、水素循環流路L2を介して燃料電池スタック1の供給側へと循環させられる。
【0013】
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いるケースでは、空気中の不純物が酸化剤極から燃料極に透過するため、燃料極を含む水素循環流路L2内での不純物が増加し、水素分圧が減少する傾向となる。ここで、不純物は、燃料ガスである水素以外の非燃料ガス成分であり、代表的には窒素を挙げることができる。窒素量が多くなりすぎると、燃料電池スタック1からの出力が低下するといった不都合が生じるため、燃料極を含む水素循環流路L2内の窒素量を管理する必要がある。そこで、水素循環流路L2には、内部を流れる循環ガスを外部に排出する水素系排出流路L3が設けられている。水素系排出流路L3は、その他方の端部が、後述する空気排出流路L5に接続されており、循環ガスは、燃料電池スタック1の酸化剤極からの排出ガスによって希釈された上で、大気に放出される。この水素系排出流路L3には、排出制御バルブ13が設けられており、この排出制御バルブ13の開き量を調整することにより、水素系排出流路L3を介して排出される窒素量を調整することができる。これにより、燃料極および水素循環流路L2内に存在する窒素量が、発電性能を維持できるように管理される。
【0014】
空気系において、酸化剤ガスである空気は、例えば、大気がコンプレッサ20によって取り込まれるとこれが加圧され、空気供給流路(酸化剤ガス供給流路)L4を介して燃料電池スタック1に供給される。この空気供給流路L4には、加湿装置21が設けられており、コンプレッサ20から供給(吐出)される空気は、加湿装置21によって燃料電池スタック1での反応に適した湿度に加湿される。酸化剤極からの排出ガス(酸素が消費された空気)は、空気排出流路(酸化剤ガス排出流路)L5を介して外部に排出される。この空気排出流路L5には、燃料電池スタック1へ供給される空気の状態(圧力)を制御する開閉弁としての空気調圧バルブ(酸化剤ガス制御弁)22が設けられている。本実施形態の特徴の一つとして、空気供給流路L4には、コンプレッサ20の下流側から分岐するパージ流路L6が設けられており、このパージ流路L6は、他方の端部が、空気調圧バルブ22に接続されている。
【0015】
図2は、空気調圧バルブ22の内部構造を示す模式図であり、図3は、空気調圧バルブ22における要部(具体的には、後述する嵌合孔23b)近傍を拡大的に示す模式図である。空気調圧バルブ22は、開度が調整可能な開閉弁であり、その特徴の一つとして、液水パージ構造を備えている。空気調圧バルブ22は、弁本体23と、シャフト24と、弁体25とを主体に構成されている。
【0016】
弁本体23は、流体が流れる流体通路23aを内部に備えており、この流体通路23aが空気排出流路L5と連通することにより、空気排出流路L5の一部を構成している。流体通路23aを形成する弁本体23の内壁面には、対向位置に一対の嵌合孔23bが穿設されており、個々の嵌合孔23bには、シャフト24の両端がそれぞれ挿入されている。シャフト24は、流体通路23aと直交するように配置されており、後述する軸受部26により軸回転可能に支持されている。シャフト24の一方の端部は、弁本体23を貫通して外部へと延出し、シャフト24を回転させるモータ等の駆動手段27と連結されている。弁体25は、円盤状の部材であり、シャフト24に固着されている。この弁体25は、シャフト24が所定の角度範囲において軸回転することにより、流体通路23aの中心軸と直交する面に対する傾斜角が設定され、この傾斜角に応じて、流体通路23aにおける開度を全閉(例えば、開度0%)から全開(例えば、開度100%:弁体25が流体通路23aの中心軸と平行となる状態)の範囲で設定する。
【0017】
弁本体23の内部には、嵌合孔23bを介して流体通路23aと連通する軸受空間(内部空間)23cが形成されており、この軸受空間23cには、シャフト24を回転可能に支持する軸受部26が収容されている。また、軸受空間23cには、弁本体23とシャフト24との間をシールするシール部材28が設けられている。本実施形態では、シャフト24の軸方向において、軸受部26と、後述する導入流路23dとの間にシール部材28が配置されている。この導入流路23dは、弁本体23に形成される、軸受空間23cと連通する流路であり、図1に示したパージ流路L6が接続されている。本実施形態では、一対の嵌合孔23bに対応して軸受空間23cがそれぞれ形成されており、一対の軸受空間23cに対応して導入流路23dがそれぞれ形成されている。そのため、パージ流路L6はその先端が二股に分岐しており、個々の端部が導入流路23dとそれぞれ接続されている。
【0018】
図3に示すように、本実施形態の特徴の一つとして、シャフト24には、嵌合孔23bと位置的に対応するシャフト外周面に溝部24aが並列的に複数形成されている。個々の溝部24aは、嵌合孔23bの一方の端部(具体的には、軸受空間23c側の端部)側から他方の端部側(具体的には、流体通路23a側の端部)へと延在しており、本実施形態では、シャフト24の軸方向と平行に直線状に延在している。
【0019】
図4は、溝部24aを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図である。図5は、溝部24aにおけるシャフト24の外周面の形状を模式的に示す展開図である。ここで、図4または図5において、(A)は、弁体25による流体通路23aの第1開度(全閉から全開までの間の任意の開度)の状態におけるシャフト24の断面状態を示し、(B)は、弁体25による流体通路23aの第2開度(第1開度から全開までの間の任意の開度)状態におけるシャフト24の断面状態を示す。ここで、(B)には、第1開度の状態における溝部24aの位置が破線で示されており、また、図4および図5には、「No.1」から「No.4」で識別される4つの溝部24aが例示されている。さらに、図6は、溝部24aを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図である。同図において、(A)は、嵌合孔23bの中心軸とシャフト24の中心軸とが一致した状態を示しており、(B)は、嵌合孔23bの中心軸とシャフト24の中心軸とがオフセットした状態を示している。
【0020】
個々の溝部24aは、弁体25による開度範囲に応じたシャフト24の回転範囲において、自己の移動範囲と、回転方向に隣接する他の溝部24aの移動範囲とがオーバーラップするように設けられている。このため、図4または図5の(A)に示すように、第1開度の状態において「No.1」の溝部24aは、図4または図5の(B)に示すように、第2開度の状態における位置が、第1開度状態において「No.2」の溝部24aと重なり合うような関係となっている。また、「No.1」の溝部24aのみならず、これ以外の「No.2」〜「No.4」の溝部24aについても、個々の溝部24aは、第2開度の状態における位置が、第1開度の状態において「No.3」から「No.1」の溝部24aと重なり合うような関係となっている。
【0021】
シャフト24上に形成する溝部24aの個数と、個々の溝部24aの周方向における幅とは、このようなオーバーラップ関係を考慮して設定さている。すなわち、溝部24aの個数は、弁体25の全閉位置から全開位置までの作動角度θ(単位:°)に対して次式を満足する整数とする。
【0022】
(数式1)
溝部24aの個数≧360°/θ
溝部24aの個数を多く設定した場合には、個々の溝部24aの周方向における幅は小さな値に設定することができ、一方、個々の溝部24aの周方向における幅を大きな値に設定した場合には、溝部24aの個数を少なく設定することができる。その際、溝部24aの最小幅は、図6に示すように、嵌合孔23bの径DHとシャフト24の径DSとの差(以下「隙間距離DL」という)以上となるように設定されている。
【0023】
また、個々の溝部24aは、その溝深さDPが、隙間距離DLよりも大きな値に設定されている。したがって、図6の(B)に示すように、シャフト24の一部が嵌合孔23bに接している(中心位置が相対的にオフセットしている)ケースにおいて、溝部24aの溝深さDPは、シャフト24と嵌合孔23bとの間に生じる最も大きなクリアランス(最大で隙間距離DLとなる)よりも大きくなる関係となっている。
【0024】
このような構成の空気調圧バルブ22において、パージ流路L6から導入流路23dへと流れた空気(以下「パージガス」という)は、軸受空間23cに導入される。軸受空間23cに導入された空気は、嵌合孔23bを介して、具体的には、嵌合孔23bとシャフト24との間のクリアランスおよび溝部24aを介して、流体通路23aへと流れる。本実施形態では、導入流路23dおよび軸受空間23cは、パージ流路L6からの空気を弁本体23の内部へ導入する内部通路としての機能を担っている。
【0025】
ここで、シャフト24と嵌合孔23bとの間の隙間距離DLは、つぎのような観点を考慮した上で、シャフト24の摺動性能を妨げない範囲において十分に小さな値に設定されている(例えば、数十〜数百mm以下)。第1の観点としては、燃料電池スタック1の酸化剤極から排出される排出ガスに含まれる水蒸気および液水が、嵌合孔23bとシャフト24と間のクリアランスを介して軸受空間23cへ進入することを抑制することである。また、第2の観点としては、パージ流路L6側へと流れるパージガスによって、燃料電池スタック1側に供給される空気の流量に与えられる影響を抑制することである。
【0026】
シャフト24と嵌合孔23bとの間のクリアランスを通過するパージガスの流量は、嵌合孔23bが絞りとなるため、燃料電池スタック1に供給される空気圧力に応じて一義的に決定される。しかしながら、上述した通り、隙間距離DLは小さな値に設定されているため、全ての運転条件において、燃料電池スタック1に供給される空気流量に対するパージガスの流量は十分に小さく設定される。一方、パージガスは、燃料電池スタック1の上流から分岐供給するよう構成されており、パージガスの圧力は、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力とほぼ等しくなる。また、酸化剤極からの排出ガスの圧力は、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力に対して、酸化剤極を通過する際に内部の通路抵抗によりガス圧力が低下する。これにより、どのような運転条件においても、パージガスを嵌合孔23bを介して流体通路23a側に流すことが可能となる。
【0027】
再び図1を参照するに、制御部(制御手段)30は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、燃料電池スタック1の運転状態を制御する。制御部30としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。制御部30には、システムの状態を検出するために、各種センサ等からのセンサ信号が入力されている。そして、制御部30は、システムの状態に基づいて、各種の演算を行い、この演算結果を制御信号として各種のアクチュエータ(図示せず)に出力し、水素調圧バルブ11、水素循環ポンプ12、排出制御バルブ13、コンプレッサ20、空気調圧バルブ22といった種々の要素を制御する。
【0028】
本実施形態との関係において、制御部30は、以下に示す機能を担っている。具体的には、制御部30は、空気調圧バルブ22の駆動手段27を制御することにより、弁体25による開度を設定する。また、制御部30は、パージガスを供給した状態において、溝部24aのそれぞれの移動範囲が隣接する他の溝部24aの移動範囲とオーバーラップする位置まで弁体25を開閉させるバルブパージ制御を行う。このバルブパージ制御は、システムの停止を条件として実行する停止処理において行われる。
【0029】
図7は、本実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理、具体的には、バルブパージ制御は、制御部30によって実行される。ここで、図8は、本実施形態にかかるバルブパージ制御における圧力、流量およびバルブ開度を示すタイミングチャートである。同図において、圧力を示す実線Laは、燃料電池スタック1に供給される空気の圧力を示し、破線Lbは、酸化剤極から排出される排出ガスの圧力を示す。また、流量を示す実線Laは、燃料電池スタック1に供給される空気の流量を示し、破線Lcは、パージガスの流量を示す。
【0030】
まず、ステップ10(S10)において、バルブパージ制御を開始するか否かが判断される。バルブパージ制御は、燃料電池システムのシステム停止を条件として実行される停止処理の一つである。このステップ10では、イグニッションスイッチ(図示せず)がオフされたか否かを判断することにより、バルブパージ制御を開始するか否かが判断される。ステップ10において肯定判定された場合、すなわち、バルブパージ制御を開始する場合には(イグニッションスイッチがオフの場合には)、ステップ11(S11)に進む(図8に示すタイミングT1)。一方、ステップ10において否定判定された場合、すなわち、バルブパージ制御を開始しない場合には(イグニッションスイッチがオンの場合には)、所定の時間が経過した後にステップ10の処理を再度実行する。
【0031】
ステップ11において、燃料電池スタック1における発電が完了したか否かが判断される。燃料電池スタック1の酸化剤極からの排出ガスには、水蒸気や液水が含まれている。そのため、発電が完了した後に、すなわち、燃料電池スタック1での生成水の生成が終了して水蒸気および液水の排出量が低減した後に、バルブパージ制御を行った方が、空気調圧バルブ22の液水を効果的に除去することができる。このステップ11において肯定判定された場合、すなわち、発電が完了した場合には、ステップ12(S12)に進む(図8に示すタイミングT2)。一方、ステップ11において否定判定された場合、すなわち、発電が完了していない場合には、所定の時間が経過した後にステップ11の処理を再度実行する。
【0032】
ステップ12において、駆動手段27が制御されることにより、起点開度θsとなるように、弁体25の開度が設定される。この起点開度θsは、後述する開閉制御を一回の開閉動作で実現することができる開度であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。
【0033】
ステップ13(S13)において、コンプレッサ20の回転数を制御することにより、酸化剤極に供給される空気流量が、バルブパージ制御において規定される必要流量に設定される。この必要流量は、例えば、空気調圧バルブ22の液水除去の観点から、パージ流路L6を介して空気調圧バルブ22に対して供給すべき空気流量と、空気供給流路L4からパージ流路L6に対する分流割合とに基づいて、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。
【0034】
ステップ14(S14)において、開閉制御が行われる。具体的には、制御部30は、駆動手段27を制御することにより、起点開度θsから必要開度θeまで弁体25を開弁するとともに、必要開度θeから起点開度θsまで弁体25を閉弁する一連の動作を開閉制御として実行する。この必要開度θeは、一回の開閉制御により、個々の溝部24aが、回転方向に隣接する他の溝部24aの初期位置(具体的には、起点開度θsにおける位置)、もしくは、それ以上の位置まで到達するような開度として、実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。
【0035】
ステップ15(S15)において、開閉制御が設定回数実行されたか否かが判断される。この設定回数は、その値を増やす程、空気調圧バルブ22の液水除去の効果を得られ、一方で、その値を減らす程、停止処理の処理時間を短縮することができる。そのため、両者の利益を相互に調整し得る範囲において、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。このステップ15において肯定判定された場合、すなわち、設定回数実行された場合には、ステップ16(S16)に進む(図8に示すタイミングT3)。ステップ15において否定判定された場合、すなわち、設定回数実行されていない場合には、開閉制御(ステップ14の処理)を継続実行する。
【0036】
ステップ16において、駆動手段27が制御されることにより、流体通路23aの開度が初期開度θiとなるように、弁体25の傾斜角度が設定される。この初期開度θiは、駆動手段27であるモータの無通電時の開度に相当する。
【0037】
ステップ17(S17)において、空気供給が停止される。
【0038】
このように本実施形態において、開閉弁(空気調圧バルブ22)の弁本体23は、内部通路(導入流路23dおよび軸受空間23c)を備え、この内部通路により導入された流体を嵌合孔23bを介して流体通路23aへと流す構成となっている。この場合、シャフト24は、嵌合孔23bと位置的に対応する外周面に、嵌合孔23bの一方の端部側から他方の端部側へと延在する溝部24aが並列的に複数形成されている。この溝部24aのそれぞれは、溝深さDPが隙間距離DLよりも大きな値に設定されており、かつ、弁体25による開度範囲に応じたシャフト24の回転範囲において、自己の移動範囲と、回転方向に隣接する他の溝部24aの移動範囲とがオーバーラップするように設けられている。
【0039】
かかる構成によれば、並列的な溝部24aによって、パージガスが流体通路23aに流れる通路が確保されるので、パージガスの流れを妨げる虞が抑制される。また、溝部24aにおける通路抵抗を、シャフト24と嵌合孔23bとの間のクリアランスにおける通路抵抗よりも小さくすることができる。これにより、パージガスを流体通路23a側へとスムーズに流すことができる。そのため、シャフト24と嵌合孔23bとの間のクリアランスおよび軸受空間23cに異物が侵入し難くなり、また、異物が進入したとしてもこれが排出され易い構造となる。また、シャフトの回転範囲において、個々の溝部24aによってシャフトの径方向の全周に亘り移動範囲が設定される。そのため、シャフト24が回転する過程で、その周囲全周をパージすることができる。これにより、シャフト24と嵌合孔23bとの中心軸がずれ、シャフト24と嵌合孔23bとの間のクリアランスにバラツキが生じるようなケースであっても、パージ性能の向上を図ることができる。
【0040】
また、本実施形態では、溝部24aを直線状に形成するため、溝部24aを比較的容易に加工することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、このような開閉弁が燃料電池システムの空気調圧バルブ22に適用されている。燃料電池システムの運転時には、燃料電池スタック1の発電に伴う生成水が、水蒸気および液水として空気排出流路L5に排出される。空気排出流路L5の空気調圧バルブ22は、排出ガス中の水蒸気および液水が、嵌合孔23bとシャフト24との間のクリアランスおよび軸受空間23cに進入する可能性がある。しかしながら、上述した空気調圧バルブ22によれば、パージ性能の向上を図ることができるので、嵌合孔23bとシャフト24との間のクリアランスおよび軸受空間23cへの液水の流入を抑制することができる。
【0042】
また、燃料電池システムでは、外部環境が低温(例えば、氷点下)では、嵌合孔23bとシャフト24との間のクリアランスおよび軸受空間23cへ液水が流入している場合には、これが凍結することにより、空気調圧バルブ22の動作不良が生じる可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、燃料電池システムの運転時の液水流入を抑制している。そのため、運転停止後に流体通路23aに残存する水蒸気が凝縮して嵌合孔23bとシャフト24との間のクリアランスおよび軸受空間23cに進入する場合でも、嵌合孔23bとシャフト24との間のクリアランスおよび軸受空間23cに存在する液水の量は比較的微量に抑制される。したがって、空気調圧バルブ22の凍結といった不具合の発生を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、燃料電池システムの通常の動作において、空気調圧バルブ22の開度制御により、嵌合孔23bの液水のパージを実現することができる。また、制御部30は、パージガスを供給した状態において、溝部24aのそれぞれの移動範囲が隣接する他の溝部24aの移動範囲とオーバーラップする位置まで弁体25を開閉させるバルブパージ制御を行う。これにより、嵌合孔23bの全周をパージすることができるので、パージ性能の向上を図ることができる。
【0044】
また、システムの停止処理としてバルブパージ制御を行うことにより、システムの停止期間を前提として、嵌合孔23bとシャフト24との間のクリアランスおよび軸受空間23cへの液水の流入を有効に抑制することができる。また、運転中にどのようなバルブ開度となっていても、嵌合孔23bの全周を確実にパージした後に停止することができる。これにより、空気調圧バルブ22の凍結といった不具合の発生を抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、パージガス源として、システムに既に組み込んである空気供給系を利用することにより、システム構成部品の増加を抑制することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態にかかる空気調圧バルブ22の要部(具体的には、後述する嵌合孔23b)近傍を拡大的に示す模式図である。本実施形態にかかる空気調圧バルブ22が第1の実施形態のそれと相違する点は、溝部の構成である。なお、第1の実施形態と重複する点については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
【0047】
図10は、溝部24bを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図であり、第1の実施形態における図4と対応する図である。図11は、溝部24bにおけるシャフト24の外周面の形状を模式的に示す展開図であり、第1の実施形態における図5と対応するする図である。
【0048】
本実施形態において、シャフト24には、嵌合孔23bと位置的に対応するシャフト外周に溝部24bが並列的に複数形成されている。本実施形態では、「No.1」から「No.4」で識別される4つの溝部24bが形成されている。個々の溝部24bは、嵌合孔23bの一方の端部(具体的には、軸受空間23c側の端部)側から他方の端部側(具体的には、流体通路23a側の端部)へと延在しており、本実施形態では、軸方向に沿ってスパイラル状に延在している。具体的には、個々の溝部24bは、軸受空間23c側の始点位置から斜め方向に延在すると、流体通路23a側の終点位置へと延在しており、これにより、スパイラル状の溝が形成される。この場合、溝部24bの始点位置から終点位置までの軌跡は、隣接する溝部24bの始点位置を通過する軸方向のラインと交差するように設定されている。本実施形態では、溝部24bの終点位置は、隣接する溝部24bの始点位置と軸方向において対応するように設定されている。
【0049】
また、個々の溝部24bは、第1の実施形態の溝部24aと同様に、弁体25による流体通路23aの開度範囲に応じたシャフト24の回転範囲において、自己の移動範囲と、回転方向に隣接する他の溝部24aの移動範囲とがオーバーラップするように設けられている。さらに、第1の実施形態の溝部24aと同様に、個々の溝部24bは、その溝深さが、嵌合孔23bの径DHとシャフト24の径DSとの差(隙間距離)よりも大きな値に設定されている。
【0050】
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用および効果を奏するとともに、ひとつの溝部24bあたりの周方向のパージ範囲を広げることができる。そのため、開度の変動が少ない運転条件でも、流体通路23a側からシャフト軸方向に流入する液水のパージ性能の向上を図ることができる。
【0051】
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態にかかる空気調圧バルブ22の要部(具体的には、後述する嵌合孔23b)近傍を拡大的に示す模式図である。本実施形態にかかる空気調圧バルブ22が第1の実施形態のそれと相違する点は、溝部の構成である。なお、第1の実施形態と重複する点については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
【0052】
ここで、図13は、溝部24cを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図であり、第1の実施形態における図4と対応する図である。図14は、溝部24aにおけるシャフト24の外周面の形状を模式的に示す展開図であり、第1の実施形態における図5と対応するする図である。
【0053】
本実施形態において、シャフト24には、嵌合孔23bと位置的に対応するシャフト外周に溝部24cが並列的に複数形成されている。本実施形態では、「No.1」から「No.4」で識別される4つの溝部24cが形成されている。個々の溝部24cは、嵌合孔23bの一方の端部(具体的には、軸受空間23c側の端部)側から他方の端部側(具体的には、流体通路23a側の端部)へと延在しており、本実施形態では、軸方向に沿ってスパイラル状に延在している。具体的には、個々の溝部24cは、軸受空間23c側の始点位置から斜め方向に延在すると、流体通路23a側の終点位置へと延在しており、これにより、スパイラル状の溝が形成される。この場合、溝部24cの始点位置から終点位置までの軌跡は、自己の始点位置を通過する軸方向のラインと交差するように設定されている。本実施形態では、溝部24cの終点位置は、自己の始点位置と軸方向において対応するように設定されている。
【0054】
また、個々の溝部24cは、第1の実施形態の溝部24aと同様に、弁体25による流体通路23aの開度範囲に応じたシャフト24の回転範囲において、自己の移動範囲と、回転方向に隣接する他の溝部24bの移動範囲とがオーバーラップするように設けられている。さらに、第1の実施形態の溝部24aと同様に、個々の溝部24cは、その溝深さが、嵌合孔23bの径DHとシャフト24の径DSとの差(隙間距離)よりも大きな値に設定されている。
【0055】
このように本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用および効果を奏するとともに、シャフトが回転しない運転条件でも、ひとつの溝部24cによって嵌合孔23bの全周をパージすることができる。そのため、バルブ開度を一定とする運転条件でも、流体通路23a側からシャフト軸方向に流入する液水パージ性能の向上を図ることができる。
【0056】
なお、本実施形態では、本発明によれば、少なくとも一つ溝部24cを備えれば足りるが、本実施形態のように溝部24cを複数備える方が弁体回転角度を360°とするような特殊なバルブを用いる必要はなく、また、小さい弁体回転角度で有効に嵌合孔23bの全周をパージすることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態にかかる燃料電池システムおよびその制御方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上述した構造の開閉弁を、空気調圧バルブ22に対する適用として説明したが、これ以外の部位に使用される開閉弁に対して適用することも可能である。また、空気調圧バルブ22としての開閉弁自体も本発明の一部として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】燃料電池システムの全体構成を示すブロック図
【図2】空気調圧バルブ22の内部構造を示す模式図
【図3】空気調圧バルブ22における嵌合孔23b近傍を拡大的に示す模式図
【図4】溝部24aを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図
【図5】溝部24aにおけるシャフト24の外周面の形状を模式的に示す展開図
【図6】溝部24aを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図
【図7】燃料電池システムの制御方法を示すフローチャート
【図8】バルブパージ制御における圧力、流量およびバルブ開度を示すタイミングチャート
【図9】第2の実施形態にかかる空気調圧バルブ22の嵌合孔23b近傍を拡大的に示す模式図
【図10】溝部24bを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図
【図11】溝部24aにおけるシャフト24の外周面の形状を模式的に示す展開図
【図12】第3の実施形態にかかる空気調圧バルブ22の嵌合孔23b近傍を拡大的に示す模式図
【図13】溝部24cを含むシャフト24の断面状態を模式的に示す説明図
【図14】溝部24aにおけるシャフト24の外周面の形状を模式的に示す展開図
【符号の説明】
【0059】
1 燃料電池スタック
10 燃料タンク
11 水素調圧バルブ
12 水素循環ポンプ
13 排出制御バルブ
20 コンプレッサ
21 加湿装置
22 空気調圧バルブ
23 弁本体
23a 流体通路
23b 嵌合孔
23c 軸受空間
23d 導入流路
24 シャフト
24a 溝部
24b 溝部
24c 溝部
25 弁体
26 軸受部
27 駆動手段
28 シール部材
30 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉弁において、
流体が流れる流体通路が形成された弁本体と、
前記流体通路を形成する内壁面の対向位置に穿設された一対の嵌合孔にそれぞれ挿入されて、軸回転可能に支持されるシャフトと、
前記シャフトに固着された板状の部材であり、前記流体通路の中心軸と直交する面に対する傾斜角に応じて前記流体通路における開度を設定する弁体とを有し、
前記弁本体は、当該弁本体の内部に流体を導入する内部通路を備え、当該内部通路により導入された流体を前記嵌合孔を介して前記流体通路へと流す構成となっており、
前記シャフトは、前記嵌合孔と位置的に対応する外周面に、前記嵌合孔の一方の端部側から他方の端部側へと延在する溝部が並列的に複数形成されており、
前記溝部のそれぞれは、溝深さが前記嵌合孔の径と前記シャフトの径との差よりも大きな値に設定されており、かつ、前記弁体による開度範囲に応じた前記シャフトの回転範囲において、自己の移動範囲と回転方向に隣接する他の溝部の移動範囲とがオーバーラップするように設定されていることを特徴とする開閉弁。
【請求項2】
前記溝部のそれぞれは、前記シャフトの軸方向と平行に直線状に延在していることを特徴とする請求項1に記載された開閉弁。
【請求項3】
前記溝部のそれぞれは、前記シャフトの軸方向に沿ってスパイラル状に延在しているとともに、当該溝部の始点位置から終点位置までの軌跡が、隣接する他の溝部の始点位置を通過する軸方向のラインと交差するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載された開閉弁。
【請求項4】
開閉弁において、
流体が流れる流体通路が形成された弁本体と、
前記流体通路を形成する内壁面の対向位置に穿設された一対の嵌合孔にそれぞれ挿入されて、軸回転可能に支持されるシャフトと、
前記シャフトに固着された板状の部材であり、前記流体通路の中心軸と直交する面に対する傾斜角に応じて前記流体通路における開度を設定する弁体とを有し、
前記弁本体は、当該弁本体の内部に流体を導入する内部通路を備え、当該内部通路により導入された流体を前記嵌合孔を介して前記流体通路へと流す構成となっており、
前記シャフトは、前記嵌合孔と位置的に対応する外周面に、前記嵌合孔の一方の端部側から他方の端部側へとスパイラル状に延在する溝部が形成されており、
前記溝部は、溝深さが前記嵌合孔の径と前記シャフトの径との差よりも大きな値に設定されており、かつ、当該溝部の始点位置から終点位置までの軌跡が、自己の始点位置を通過する軸方向のラインと交差するように設定されていることを特徴とする開閉弁。
【請求項5】
燃料電池システムにおいて、
反応ガスが供給されることにより、当該反応ガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に接続する反応ガス用のガス流路と、
請求項1から4のいずれか一項に記載された開閉弁とを有し、
前記開閉弁は、前記ガス流路に設けられているとともに、当該開閉弁の内部通路に、システムから供給されるパージガスが供給されることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項6】
前記燃料電池は、前記反応ガスとして酸化剤ガスが供給される酸化剤極と、前記反応ガスとして燃料ガスが供給される燃料極とを備え、
前記ガス流路は、前記燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路と、前記燃料電池の酸化剤極からの排出ガスが流れる酸化剤ガス排出流路とを含み、
前記開閉弁は、前記酸化剤ガス排出流路に配設されて、酸化剤ガスの状態を制御する酸化剤ガス制御弁であり、
前記酸化剤ガス制御弁は、前記酸化剤ガス供給流路において分岐するパージ流路を介して、前記内部通路に前記酸化剤ガスが供給されることを特徴とする請求項5に記載された燃料電池システム。
【請求項7】
前記開閉弁のシャフトを回転駆動する駆動手段と、
前記駆動手段を制御することにより、前記弁体による開度を設定する制御手段とをさらに有し、
前記制御手段は、前記パージガスを供給した状態において、前記弁体を開閉させるバルブパージ制御を行うことを特徴とする請求項5または請求項6に記載された燃料電池システム。
【請求項8】
前記制御手段は、システムの停止を条件として実行する停止処理において、前記バルブパージ制御を行うことを特徴とする請求項7に記載された燃料電池システム。
【請求項9】
反応ガスが供給されることにより、当該反応ガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法において、
請求項1から4のいずれか一項に記載された開閉弁の前記内部通路に、システムからパージガスを供給する第1のステップと、
前記開閉弁の弁体を開閉させる第2のステップとを有し、
前記開閉弁は、反応ガスが供給されることにより、当該反応ガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池に接続する反応ガス用のガス流路に設けられていることを特徴とする燃料電池システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−185982(P2009−185982A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29092(P2008−29092)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】